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小平委員 そういう言いわけをつくられたようですけれ
ども、それは
大臣、誤解と混乱を与えますよ。私は、この自給率については少しく用意したんですけれ
ども、時間がもう余りありませんので、次回にまた機会があれば
質問しますけれ
ども。
大臣、自給率と言われるけれ
ども、皆さんのお手元に参考資料が渡っていますね。ちょっとそれを見ていただきたいんですよね。二枚お渡ししました。まず、各国の
食料自給率の比較、こう書いています。
日本は一九七〇年六〇%が今四〇%。お手元に行っていますね。
しかし、この自給率ということを、こんなことを言っているのは
日本だけなんですよね。何か話を聞くと、韓国ではこういうことを計算しているようですね。これは、FAOの統計にのっとって、
我が国政府が勝手に算出した各国の自給率でしょう。こんなことを問題にしているのは
日本だけなんですよ。アメリカもヨーロッパも、いわゆるサミット七カ国ですか、こんなことは全然議論にならないんですよ、自給率なんてことは。何か、あたかもこれはほかの国も全部こういう自給率を設定して、それぞれの国会で議論しているかと思ったら、ないんですよね。この国だけなんですよ。そういう
状況は、
一つ確認、間違いないですね、それで。いや、これはその国からいただいた数値じゃないんでしょう。そうでしょう。時間がないから。
それで、その次に私はもう一点、次の表をお配りした理由は、なぜこの国は自給率が低いかという問題。
これは、自給率ということはいろいろ言われますけれ
ども、やはり主体はその国の基幹作物です。この国は米です。欧米は
小麦です。それにあわせて補完作物。
日本なら
小麦、
大豆。また、欧米なら
小麦を主体として、国によっては、米や
大豆やバレイショ、あるいは粗粒穀物と言われています大麦やライ麦含めては、そういう
世界ですね。それが加味されて自給率が上がっているんですよ。
しかし、この国は、米が一〇〇、その作況によって豊作、不作がありますけれ
ども、
生産調整で抑えられている。米をつくるなと。そして、
小麦や
大豆が、
小麦はこの国は一四%ぐらいですか、それから豆類が六%、
大豆なんかは五%ですよね。このように非常に低い
状況です。これがこの国の自給率を下げているんですよ。
いいですか、ごらんになってわかるように、まず野菜は約八〇%いっていますね、八〇%。これはまあまあでしょう。果実は約半分だ、四四%。これはほかの国のもありますよね。ドイツなんかは果実は四一%だ、カナダなんかは一六%だ、
輸入に頼っている。それから、幸いに卵は九六%。魚介類も五〇%。国によっては、ドイツなんかは二一%。まあドイツは魚の
消費は少ないですけれ
ども、イタリアのああいう多い国でも二八%。フランスも四〇%。こういう
状況ですから、そこはまあまあいっていると私は思うんですよ。
問題は、
小麦と
大豆です。この国の補完作物、
小麦。それで、政府も、最近は
小麦の
生産も増大していると言っている。しかし、それはめん類に適用できる
小麦の
世界ですよね。今、豪州のASW、これはブレンド
小麦ですけれ
ども。大事なことは、今、
日本人の食生活で大きな範囲を占めるパン類、パンに使える
小麦、この
生産が
日本は弱いんですよ。
であるならば、公金、税金を有効に使うためには、今いろいろな省庁でいろいろな不祥事が起きていますね。この
我が国の優秀な
技術を、さらに予算と人を投じて、このパン類に使える
小麦の
生産に、しかも、
小麦というのは、
日本のようなモンスーン地域、湿度の高い国ではなかなか不適と言われていますね。やはり
小麦は乾燥地帯、ドライ、ウエットの、あの地域がそれは適していますよ。しかし、改良すればできる。そこにもっと政府は力を入れて
小麦の
生産をふやせば、おのずから自給率は上がってくるんですよ。そのことを指摘しておきたい。
それからもう一点、先ほど
鮫島委員からも指摘があった備蓄の問題です。これは大事な問題です。
私
どもは、今、備蓄のこの百万トンなんていう少量ではなくて、MA米が一方ではあるけれ
ども、もっと棚上げ備蓄にして、我が党は三百万トンを主張していますけれ
ども、米の
生産調整もやめて自由につくらせる、そしてその剰余分が輸出や
海外援助、あるいは古くなれば飼料に使うとか
加工用とか用途を
考えていくこと。
それはなぜかというと、今私が配った資料の中で、欧米諸国は食用穀物、ごらんになってください、カナダは一八九%、フランスは一七三%、ドイツは一二〇%、アメリカに至っては一四九%でしょう。その国の
消費以上に
小麦をつくらせているんですよ。一方、この国はかちんと抑えちゃっている。備蓄がどうこう、あるいは倉敷がどうこう、倉庫の保管がどうこう言うけれ
ども、国としてそこのところをしっかりしないからこうなっちゃうんですよ。
そこで、備蓄という話を続けてします。
実はこれは分けて聞きたかったんですけれ
ども、私も
確認しましたら、
大臣、備蓄なんという言葉はないんですよね。この国だけですよね、備蓄なんて言っているの、先進諸国で。これは、
農林水産省調べですから、
平成十六年一月現在、備蓄の概要、米国なし、カナダなし、フランスなし、ドイツはパン用穀物を一カ月分目標、イギリスもなし、豪州もなし。なぜないか。備蓄なんかする必要ないからですよ、
生産者にきちんとつくらせているから。だから、一朝有事の際に基幹作物が枯渇して国民がパニックを起こす、そんな要因なんかないんですよ、十二分につくらせているから。この国はつくらせていないから備蓄ということが起きるんですよ。
備蓄というのは
世界共通語じゃないんですよ。まあ韓国とか一部の国にはあります。スイスとかはありますよ。私が問題にしているのは、いやしくもこの国はサミットの参加国です。
世界一等国を自負しているんですよ。その国が、
我が国だけが備蓄なんて言っているんですよ。こんな
状況を、あえて私から申し上げておきます。これは
世界共通語じゃない、お粗末なこの国の農政によって起きた言葉だと。いや、
大臣、首を横に振るけれ
ども、では、アメリカは備蓄というあれはありますか。備蓄なんかないんですよ。それなりのあれをきちんとつくっているから。
そういうことを踏まえて、
生産量と備蓄を分けないで、備蓄も
生産も一体にして、きちんとした
生産体制をつくる、それについて国民の理解、コンセンサスを求めていくという、そういう方向にいかなければいかぬと思う。
時間が超過しましたので、簡潔に御答弁いただきたい。