○園田(康)
委員 民主党の園田康博でございます。
本日から、
障害者自立支援法の実質的な
審議にこの
委員会において入ってきたわけでございます。午前中から本時刻まで、さまざまな
委員よりこの
自立支援法に関して問題点の意識を出していただいているところだと思っておりまして、私自身も、まずはこの
障害者自立支援法、何か問題点がないのかということを、これはやはりあればきちっと明らかにしていかなければいけない、それがこの
委員会の
場所であるというふうに考えておりますので、どうか
大臣からも、きょうはちょっと私も時間をいただいておりますから、いろいろ
社会保障制度の全般的な話を含めて
議論をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
そして同時に、きょうは傍聴の方の中には、まさしく
当事者であります
障害を持った
方々がおいでをいただいているわけでございます。
私も、ずっと昨年から
障害者の
政策を、党の中の
議論のメンバーに加えていただきまして、
議論をさせていただいてまいりました。その中で、私自身が本当に
障害者の声を代弁することができるのか、あるいはしているのか、そういう自問自答というものが大変毎日のようにあったわけでございます。
と申しますのは、
大臣もそうでありますけれ
ども、私自身も本当に幸いなことにそういう
障害を持って生まれてきたわけではありませんし、今では少し体の一部は弱っている
部分はありますが、しかし、普通に
生活できるといいますか、私自身の思いで
生活をすることができている。これは本当に私自身にとっても幸福なことであろうなということを考えております。そういう人間が、
障害者の
法律、あるいは
障害者の声を代弁するというときになれば、やはり、まず
当事者の方の気持ちになって、身になって、そしてその人たちの
意見をしっかりと話すことができるといいますか、気持ちがわかる、理解をできるだけのものを持っていなければいけないと思っているんですね。
そうしますと、やはり、一人二人、あるいは数時間話を聞いた、あるいはその
方々と一緒に過ごした、これも確かにないよりはましな話でありますけれ
ども、
先ほど大臣もおっしゃっていただいたわけでございますが、そういう
方々の
意見も聞いていただいた。しかし、私から言わせれば、もっと
大臣みずからそういう
方々の中に入っていただいて、来ていただいて聞くんじゃなくて、
大臣みずからが足を運んでいただいて、もっともっと
現場でといいますか、どういう
生活をしておられるのか、そういったものもあわせてごらんになっていただければなという思いがあります。
そして、私自身も、去年の事件、
障害者の虐待事件があったわけでございますけれ
ども、
大臣は
現場に行っていただいて、いろいろお話を聞いていただいたという経緯がありました。率直にそれは評価をさせていただきたいと思っておりますけれ
ども、もっともっとできればこの
法案の
審議に入る前にもそういう時間をとっていただければなという希望も持っておりました。なかなかそれを
大臣に直接申し上げる
機会を失っておりましたので、できなかったわけでございますけれ
ども。
昨年の十月にグランドデザインが出てまいりました。そこで、そこから四カ月たって
法律として
提出をされ、そして今日こういう
審議に入っているという形でありますけれ
ども、余りにも拙速過ぎた
部分というのは私はなかったのかなと。もっともっとちゃんとそういう
当事者の
方々の
意見を、あるいは
意見交換をしながら、きちっと丁寧にこの
法律の成案を得る過程において作業を行っていただきたかったなというのが率直な感想であります。
聞くところによりますと、そういったものは
審議会なんかでやっているじゃないか、
当事者の方に入っていただいてやっているじゃないか、そこでいろいろ
厚生労働省の
皆さんが来ていただいて、説明をしていただいているじゃないか、話も聞いているじゃないか、そういうお話もあろうかと存じます。しかし、それも義務的なといいますか形式的な
部分で、たった三十分あるいは一時間話して、
質疑応答もろくにしないまま、そのまま退室してしまう、そういう言いたいことも言えなかった状況も一方ではあったわけでございます。これは事実としてありました。全部が全部とは申し上げません。しかし、本当のこと、もっともっと本当の
当事者の
方々の気持ちを含めてこの
法案の
審議に入りたかったなというのが
一つ思いとしてあります。
それから、あともう
一つ、私自身の悩みといいますか、悩みを聞いてくださいというのもちょっと変ですけれ
ども、今思っていることを率直に申し上げたいと存じます。
私が初めて当選をさせていただきましてから、この
委員会に所属をさせていただいて一番最初に
質問をさせていただいたのが、やはりこの
支援費制度にかかわる話でありました。これは何度もこの場でお話をさせていただいておりますけれ
ども。
この
支援費制度、一昨年できて、どんどんここまで来たわけでございますけれ
ども、そのときに、どうしても
財源がない、
財源がない。
今回、この
自立支援法の言葉で、
先ほどもお話がありました、確かに、裁量的経費から義務的経費に、このようにちゃんと国の財政、あるいは都道府県あるいは
市町村の義務的な
部分をきちっと明記をした、財政的な措置をきちっと行ったということをおっしゃっていただきました。確かにそれは私自身にとりましてもいい話であったなというふうに思っております。
その反面、それが、逆に言うならば、そうではなくなった
部分で、やはり
お金の話が先行してしまっているなという印象を私は受けたわけなんですね。最初に申し上げましたとおり、この
法律を
審議するに当たって、あるいは策定するに当たっては、
当事者の身になってまず考え、何が必要な
サービスであるのかという積み上げた
部分で私は
法律というものをつくっていただきたいな、そして
審議をしていくべきではないかなという要望もあるわけでございます。
ところが、一方で、財政的な裏づけがなかなかない、この
支援費制度の話の中には財政的な裏づけがないというような話から、その
サービスそのものをなかなか行うことができなかったという状況もありました。
その理由も
先ほどお話をいただきましたけれ
ども、
サービスの伸びで持続可能性が少し薄れてきたから、この
法律を
提案してきたんだ、義務的経費にして
提案をしてきたんだという表現をされました。本来ならば、
先ほど同僚の石毛
委員からもお願いをさせていただきましたけれ
ども、この
障害者に係る
予算、これをとってくるといいますか確保する最高の責任者は
大臣、
尾辻大臣でございます。だからこそ、ほかの、
介護保険あるいは
生活保護あるいはさまざまな労働にかかわる
厚生労働省の所管の事務というのは大変広うございまして、しかし、そのうち、
障害に係る
予算というのは、いつもいつも大変小さな
部分しか確保できていない。それはむしろ、残念なことに、
障害当事者の
方々の
意見がなかなか
厚生労働省の中に入り込んでいないのではないか、そして
大臣の中にその必要性というものがしっかりと御
認識をしていただいていないのかなという疑問を持ちながら、私は今この場に立たせていただいております。
何を申し上げたいかといいますと、やはりこの
法律をつくった責任者である以上は、その
当事者が本当に
自立をして、後で
自立という概念も少しお伺いをしたいと思っておりますけれ
ども、本当に
地域で彼らが
自分たちの思いで、そして
自己決定の中で
生活をする、人生を送る、それに必要な分は、やはりこれはきちっと、あなた方の
生活には私たちが責任を持って
お金を出すんですよということぐらいの宣言は私はしていただければなと。そして、それをもってするのが、後は、いろいろな御努力があるでしょうけれ
ども、省内での努力もあるでしょう、それから内閣一体としての努力もあるんでしょうけれ
ども、まだまだいろいろなところから私は
お金が引っ張ってこられるのではないかなということも、
自分自身の中では考えています。
それはおいおいお話をさせていただきたいと思っておりますけれ
ども、ぜひ、そういう
支援費制度での、いわば残念なさまざまな、
お金が足りない、
サービスがなかなかできなかったというようなことを二度ともう繰り返してほしくない、私はそのことをまず申し上げておきたいなと思っております。
その上ででありますけれ
ども、今回のこの
障害者自立支援法、
資料を今
皆さんのお手元にもお配りをさせていただきました。この一ページ目にもありますけれ
ども、「本
法律案の施行スケジュール」ということで、
先ほども少し
議論がありました。ことしの十月からもう施行されるもの、それから来年の一月からのもの、そして来年の十月からものということで、それぞれに分かれているわけでございます。
三
段階に分かれてしまっているわけでありますけれ
ども、
一つは、一番最初に行われるのは、
公費負担医療の見直しということで、まず最初に来てしまっております。ここからしても、
先ほどの、どうしてもまだまだ私は疑念と、ある面ちょっと怒りを持っているわけなんですけれ
ども、いわば金目の話になってきちゃっているんですね。とれるものからとっていこう。あるいは、いろいろな
意見をヒアリングの中でお伺いをしておりますと、やれるものからやっていこうというような
意見もあったわけなんですね。ということは、まず金目のものから、基盤整備は、さらにつくっていかなきゃいけないもの、あるいは確保していかなきゃいけないものという形で、やはりさまざまなスケジュール、期間というものは大変準備には必要になってくるでしょう。だけれ
ども、こういう金目のものだったら、
法律を改定して、
基準さえ決めればすぐとれるんだということが一番最初に来てしまっているのかなという危惧を私は持っているんです。だからこそ、一番最初にできるこの十月というふうに
公費負担医療の見直しというものが来ました。
そして、二番目に来ているのが、
福祉サービスの
利用者並びに在宅
サービスに係る
費用の国及び都道府県の義務的
負担化に関する事項が来年の一月。そして三番目に来るのが、新たな
事業、
施設体系への移行、
地域生活支援事業の実施等に関する事項、そして児童
施設に関する事項が来年の十月という形で、三
段階施行という形になってきてしまっています。
なぜこのような形になってしまったのか、まず
大臣、責任を持ってお答えいただきたいと思うんです。