○藤田(一)
委員 考え方が、基本計画が出ているから、閣議決定されているからいいんだという話にはちょっとやはりならないんではないかなと。この
議論というのは非常に大事な
議論ですから、やはり丁寧に積み上げていくということが必要であって、あえてやられたということであれば、そんなにインパクトを持っていきなりやらないと動かないことだったのかなというふうにも思ってしまうわけで、決してそうではなかったというふうに思うんですね。もう少し合意形成に丁寧な作業をすべきであったということを、
指摘をまず最初にしておきたいというふうに私は思います。
その上で、もう少し具体的にいろいろと
お話をさせていただきたいんですけれ
ども、これは先日大島議員も厳しく
指摘をされていましたけれ
ども、今回、やはり
三位一体改革を前提にした
都道府県負担導入であって、暫定
措置なのか恒久的
措置なのかという話がいろいろな
議論の中でございました。
今、知事会や市町村会、それぞれにいろいろ懸念をしているわけですけれ
ども、この間の
大臣の御
答弁というのは、あくまでも医療保険制度
改革の具体化に向けた第一歩と考えている、これは恒久的な
措置なんだというふうに述べられているわけです。この
改革に向けた第一歩の、向けたというぐらいだと暫定という部分も包含するような解釈も成り立つわけですけれ
ども、恒久的
措置だということになると、これはもう全然暫定とは違うという話だというふうに思うんですね。
そういうことになれば、やはりこの問題というのは、今回の
都道府県導入というのは、もう
三位一体改革云々ということではなくて、国保制度
改革の
議論としか言いようがないということになるんだと思うんです。その点をやはりはっきりさせておかなければいけない、これから先の
議論を
整理していくためにも、そこはしっかりとはっきりさせなければいけないというふうに思うんですね。
何でかといいますと、
都道府県の財政調整交付金の問題にしても、当初は、配分に当たってガイドラインを作成するということであって、しかも、現実的にこの調整交付金の弾力的運用というのは今日の国保財政の現状からいけば非常に厳しい、そういった意味では、
都道府県の裁量の余地というのは非常に少ないのではないかというふうに思われていたわけです。
ところが、これがいろいろな
説明の中で、
都道府県みずからの
判断と責任によって
都道府県内の市町村間の財政調整を行うことにより地域の実情に応じた保険運営を促進する、これによって国保財政の安定化を図る基盤ができるという
答弁が、
説明がいろいろ出てきたわけです。これで財政調整交付金の権限をめぐる
議論ということがにわかになってきた、出てきた。
そしてさらに、権限を持って財政調整をやれということになってきているわけですから、それならば、国保制度における
都道府県の位置づけということが当然そこで問題になるわけです。これから保険者を
都道府県とするのか、それとも
都道府県を単位とした広域化でやっていくのか、その先が全然見えないではないか、そのことによって、権限の範囲というものも、あるいは今回の交付金の配分の
判断というものも違ってくるではないか、これはずっとこの間
指摘があったことなわけですね。非常にそこが、先行きがというか、わからない、不透明なままにこのことがどんどん進められていっているということです。
しかし一方では、これは、
都道府県にとっては、まさに
都道府県が保険者になるのかどうかということ、寝耳に水みたいなところもありますけれ
ども、市町村からすれば、
大臣も再三言われているように、
都道府県の役割ということが非常に重要だ、そのことが入ったということは評価もできるんだ、こういう意見も当然あるわけです。しかし、また同時に、市町村にとって、余り県が市町村と協議もなしに独自の裁量でやってもらっては困るんだという心配もある。
すべて、
議論が全く未成熟のままに動いているから、そういう問題がどんどん出てしまうわけです。本来そこはきちっと押さえた上で、この
都道府県負担の導入、財政調整交付金のあり方ということが入ってこなければいけなかったのに、余りにもそれが未成熟なままに
議論が進んでしまっている。
これは、きのう参考人のお一人の方も言っていましたけれ
ども、順序が逆である、手順が違っているということだと思うんです。先に税源移譲額があって、そしてその後に制度の問題が入ってきているということではないかというふうに私は言わざるを得ないんですね。そのことが、そこの大もとが違うから、こういう
議論のずれとか、今になってどうなのかということがたくさん出てきている。
だから、もう一度ぜひ、この順序というものをもとに戻していただきたい。そして、問題を
整理してきちっと
議論をする。本当に大事なことでありますから、このことをもとに戻さないままに
議論を進めても、不信感だけが先行するということだと私は思いますけれ
ども、
大臣、その点、いかがでしょうか。