○松島
委員 大臣には、後ほどまた同じ中国絡みで、「クレヨンしんちゃん」のにせものの話とソフトの海賊版対策の話を伺いたいと思いますが、ちょっとしばらく
公正取引委員会の方にお話を伺いたいと思います。
独占
禁止法の改正、この四月に私ども成立させたわけですけれども、ちょっと個別事案というか品目の話ですが、
公正取引委員会は昨年の秋、九月に、ガソリンの流通実態に関する
調査報告書という分厚い
資料を出しております。この
資料は、私、非常に丁寧に、初めてこういうことを丁寧に調べたなという感想でございます。というのは、石油元売
会社二十一社、それから商社二十五社に書面や聞き取りで
調査をしている。ガソリン販売
業者、いわゆるガソリンスタンドを経営している
業者に対しては、三千二百十一社に書面
調査して三割が回答、それから五十九社にもヒアリングをかけているという大
規模なものでございます。
でも、これは、
調査はせっかくしているけれども、その生かし方が私は非常に不満足なんです。と申しますのは、石油の元請と中小のガソリンスタンドの
関係。
そもそも、ガソリンスタンドというのは三つパターンがございまして、圧倒的に数が多いのは、大体平均一・七スタンドずつ持っている中小の在来地場型
会社です。それ以外に、大手の元売の直接の子
会社が経営している、大きい
規模でチェーン展開しているのと、あるいは商社が経営している系列のというのがございますが、これが、卸価格が、元売からの卸のやり方が二本立てになっている。つまり、中小に対しては非常に高い卸値で、片や自分の元売の子
会社や商社経営のものに対しては安い卸値で、この
調査報告書でもその差が一リットル当たり三円から八円はあるということをしっかりと書かれています。
なおかつ、単なる値段の差だけでなしに、設定の決め方というものが基本的に違って、中小
業者に対しては、地域ごとにガソリンの末端価格をもとにした基準価格を定めて、それから販売量が多かったら値引きするというような、エリア市況リンク方式とこの
報告書でも言っているんですが、一方、元売の子
会社や商社経営、つまり大どころに対する卸価格は、RIMリンク方式、ガソリンの
各種取引の中で最も低い価格で推移している指標、いわゆる業転価格、
業者間転売の低い値段のもので決める。そのように決め方のスタイルそのものが違うということもこの中に出てきます。これは、独占
禁止法の中でも明らかな差別対価ではないかと私は思うんです。
さらに、自分のところの元売の子
会社に対しては、もともと三円から八円の幅があって安い上に、赤字になりそうだったら、そこで決算前に赤字にならないように卸価格を事後的に引き下げる、調整をする、いよいよ差が開く。こういう非常に不当な形であるということまでここで暴いているというか、明らかにしている。
せっかくこういう
報告書を出しながら、でもそれが許容の範囲であるかのような、
関係者だけで話し合いなさいみたいな結論になっております。私は、これはちょっとおかしいんじゃないかと。
と申しますのは、もともと元売対中小の小売スタンドの
関係というのは、これも一応いろいろなガソリンスタンドの看板を掲げて系列化されている。ただ、系列というのは、資本の系列じゃなくて、ここからだけ仕入れるみたいな、入れてくる石油の——
大臣がもういなくなっちゃいますね。仕方がないですね。残念ですけれども、あとの
質問はほかの方にします。ごめんなさい。
それで、済みません、
公正取引委員会なんですが、スタンドの中小
会社から見ると、価格
決定権を全面的に元売の大きな力を持つところが勝手に決めている。これだけでも強い者にいじめられているような形です。それに加えて、元売の子
会社だとか商社の系列というのは自分のライバルになるわけで、それで、ライバルの方に安値で卸しておいて、その
部分の補てんみたいなのを自分
たちに高く卸し売る。これじゃ、踏んだりけったりというのはまさにこのことじゃないかという気が私はするわけでございます。
もちろん、消費者から見ると安売りの店があるというのはいいことではございますけれども、これは独占
禁止法の改正のときにも議論になった話ですが、我々
政治というスタンスで見ますと、やはり自営
業者の中小
零細企業というのは
日本に残ってもらわないと困る、私はそういうふうに思っております。
今どういうことが起こっているかというと、見かけは全然変わらないんだけれども、中小の、平均一・七店舗持っている小さい
会社がつぶれちゃって、そこの社長さんだった人が元売の子
会社の系列でそのまま働いているんだけれども、でも、経営がかわっちゃって、そこの
従業員として変わって、一見ガソリンスタンドは営業しているけれども、そういう変化というのがあちこちで見られるようになってきております。
数字で申し上げますと、ガソリンスタンドの数というのは、一年前ですけれども、
平成十六年三月は全国に五万六十七店ございました。一年前に比べて千二百二十七店減っている。しかし、その中で元売の子
会社だけ見ると、二百十七店ふえて二千五百四十六店になっているんです。全体のスタンドの大多数を占めている中小は、千三百四十二店減って四万二千六百二十二店になっている。こういうふうに、全体が減る中での交代みたいなことが起こっております。こういう問題点がある。
そして、もう
一つ問題で申しますと、これは卸価格の話を今申し上げましたが、それ以外に、ちょっとこれは難しいんですけれども、発券店値づけ法人カード、いわゆる元売が出しているカードがある。そのカードを持っていくと全国どこへ行っても同じ値段で、共通の値段で、大体大どころの法人相手にそのカードを渡しているわけですけれども、どこでも一律の値段で給油できる。ガソリンスタンドは給油の手数料だけ受け取る形になっています。この手数料が元売の
会社によって違うんですけれども、七円または五円、そういう形でございまして、非常に低い。これでは、実質的に粗利も出ない
状況に抑えられているわけです。
これについて、東京都石油商業組合は去年の八月、
公正取引委員会に対して申し立てを行っています。この取扱手数料に関して、元売
会社の優越的地位の乱用の疑いがあるんじゃないか。違反に当たる具体的な事例を挙げて、なおかつ、組合員に対するアンケート
調査の結果も添えて訴えております。
これは、要約しますと、元売から、給油代行をするかしないか、自由に選択できるかどうか、選択できるんだよという
説明があったという
会社はどれぐらいあるか、そういうふうに聞いてみたら、七七%の小売は元売から自由選択の
説明はなかったと回答しております。非常に
説明が不十分で、とにかく押しつけられていると。給油代行手数料についても、九五%の小売が、元売から一方的に通知がある、そういうふうに回答しております。これは優越的地位の乱用でなくて何と言えるんだろうかという気が私はしております。
もう
一つの問題、手数料について言うと、手数料は全国一律になっておりますけれども、これは、固定資産税や人件費も違う、各地の市況も違うのにこういうものを全国一律に決めるというのはやはりおかしいんじゃないかという気がいたします。東京都内全域の十四社の
調査でも、二割近くが、今までのお得意さんも、今まで自分の個別のお得意さんだったと思っているところも、法人カードで入れた方が安いからといって元売に全部持っていかれるというようなことになっているわけでございます。
今、石油の値段は非常に上がっている。仕入れ価格、卸価格も本来は上がっている基調ですけれども、例えばオリックスが持っている自動車リース部門の子
会社が利用者向けに発行している給油カードは、ガソリンを四月から一リットル当たり二円九十銭値下げして、百七円四十銭としました。また、三井物産系の
会社が発行しているカードも、四月から八月までの給油価格をレギュラーで一リットル百四円として、全国三千六百のエッソ、モービル、ゼネラルスタンドで利用できますと宣伝しているんですね。その一方、都内の中小小売店というのは元売からの仕入れ値段が百六円五十銭ですから、逆転しているような
状況です。こういうのは何かおかしいからくりがあるんじゃないか。
つまり、申し上げたいのは、せっかくこうやって
調査報告をされながら、それを生かしていない。取引の中にこういう特殊指定というのが、例えば大型店と納入
業者の
関係、あるいは、私も随分主張して入れていただいたんですけれども、トラック運送
会社や倉庫
会社と荷主の
関係で結ばれました。この独特な元売と小売の
関係があるガソリンの業界についても特殊指定なりをして、こういうのは問題だとか基準を決める、あるいは、せっかくここまで
調査で出しているのに、これを生かして、やはり警告なりする、是正させるというような考え方をお持ちにならないかどうか。お持ちにならないかというか、やるべきだと私は考えているんですが、
委員長、いかがでしょうか。