○中野(譲)
委員 きのうそういったことを、私も別に隠し球を持つ気がありませんので、レクの間にはいろいろとこちらも腹を割って話をするわけですよ。話をすればするほど、要は、やらなかったことに対してのアリバイづくりを必ず外務省はするんですよ。そういう細かいことは
大臣、副
大臣御存じないからそういうふうにお読みになりますけれども、その辺のところは、外務省は直るのか直らないのかと私は非常に危惧をしているわけでございます。
これは外務省のホームページで、
一つは、阿南中国大使から喬副部長に申し入れをしたということについて、抜粋をしますと、要は「破壊されるという事態に至っている。」そういう「被害が生じたこと」なんですよね。それに対して、喬副部長は「行動を行った」「容認できることではなく、」「お見舞いと遺憾の意を表明する。」ということ。もう
一つ、これは同じですね、事務次官から程さんの方にも、「同日」これは九日ですね、「北京市において生じた」なんですよ。それで「破損されるという事態に至っている。」と。それで「被害が生じたことは」というふうに、これは基本的に過去形なんですね。
先ほどの喬さんのお話でも、要は、これは申し入れる時間がないというふうにおっしゃるんですけれども、これは時間的に合っていないと思うんですよね。あと、新聞等の報道でも、そういうものが起こった後に申し入れをしているというふうな報道になっているんですね。
緊急事態だ緊急事態だ、それでつかまらないから電話でやったというふうなアリバイづくりをするというのは、これは本当に外務省はそういうところを直すべきだと私は
思いますよ。そういうことが起こってある程度鎮静化をしたから、そのときに向こうに公式に、こういうことはおかしいじゃないか、日本政府としてはこういうことは断じて許すことはできませんよというふうに、そこでお話をしているわけですから、それはタイミングの段階があるわけですよ。それを、
大臣にそういうような答弁をさせるということ自体が、外務省は本当に非常に問題な、これは外務省改革をぜひともしていただきたいと私は
思います。
この問題はああだこうだとまたやってもしようがないので、次に進みたいと
思いますけれども、私は、谷内次官がまず電話でやったということ自体が大失敗と思っているんですよ。来れないのかということの一言も、外務省はやっていないわけですよ。どこにいるのか、すぐに来れるのか、五分、十分で来れる場所にいるのか、都内でどこにいるのか確認をして、来れるのであれば来てもらうということの姿勢をきちっと示すということが私はまず大切だと思っております。
そして、九日に遺憾であるというふうな表現を中国がしているわけでございますが、十日に今度、町村
大臣が陳謝、損害の賠償を求めるというわけです。これは、王毅大使、日本語がぺらぺらでございますので、この陳謝という
意味をどういうふうにとらえるかということも、やはり外務省としても、もうちょっと言葉の使い方を
考えた方がいいと私は思うんですよ。
前日に中国政府が遺憾の意を表明していて、遺憾と陳謝というのは随分言葉としては違うようでございます。私は日本語も余りうまくないので、中国語はますますあれなんですが、遺憾という言葉は、日本語も中国語も大体同じようなニュアンスであるということを私の同僚議員に教えていただきました。陳謝という言葉自体は中国語にはないらしいんですよ。ただ、陳謝という言葉をあえて中国語にすれば、道の歉と書いてダウチェンと言うらしいんですね。それか、陳謝の謝に絶すると書いてシエジュエと言うらしいんですが。
これは王毅大使が、前日に中国政府としては遺憾の意を表明しているところに、十日に町村さんが、陳謝しろ、損害をこうむったんだからそれを賠償しろというふうな言い方をストレートにしたら、中国政府がどういう態度をとるかというのは、わかるじゃないですか。その結果として、それは日本政府、日本が昔やってきたことに対して反省がないからああいうことが起こったんだというふうに、それはメンツをつぶされたら今のような状況になるんですよ。だから、その辺のところをもうちょっと、中国というのがどういう国かということを
考えて、言葉遣いとか外交の
やり方というのを私は
考えた方がいいと思うんです。
これは損害をこうむったものに対して損害の賠償を求めるという話なんですが、昨年、サッカーのときに、中国で公用車がぼこぼこに傷つけられましたよね。あれも損害を求めるという話になっているんですが、これはいまだに損害は補償はされていないわけです。金額は別として、損害を補償するということは、中国が
自分の国の非を認めるということですから、そういうことを中国政府がなかなか表立ってやることができない国だということは、これは外交をやっている皆様であったら当然わかっていることだと思うんですよね。
昨年の七月に、とりあえず車は直さないといけないということで、日本のお金で車を直して、そのお金を中国政府に払ってくださいという話をしていて、まだ今のところ払われていない。そういう車一台の解決もできないところが、今度大使館がぼこぼこにやられたというときに、損害を求めるというふうに直接に公の場でこう言ったときに、向こうがどういう反応になるかということを、これはわかって町村
大臣は言っていらっしゃるのかどうか。この辺が私は非常に問題だと
思います。
乗り込むのはいいですよ。じゃ、とことんやるのかどうかというところを、私は、これは外務
大臣のこれからの
やり方というのを注視していきたいと思うんですが、そのような
やり方自体、副
大臣は個人的に政治家としてどのようにお
考えになりますでしょうか。