○大石
委員 民主党の大石尚子でございます。
本日は、
防衛庁設置法等の一部を
改正する
法律案の中で、
弾道ミサイル防衛に係る事項を除く
部分の審議に入っているわけでございますが、この
質疑に入るに先立ちまして、実は、
法律案の提出の仕方について、
防衛庁長官と意見を交換させていただきたいと思っております。
先ほど
寺田委員がちょっとお触れになりました法案、これは、さきに、去年の秋の臨時国会のときに、この
委員会には
防衛庁の
職員の給与等に関する法律の一部を
改正する
法律案というのがかかってまいりまして、御記憶も新しいかと思うんですけれども、そのときに、私どもの松本
委員が
質問に立たれまして、総務
委員会にかかった
一般職給与法の一部
改正、それと寒冷地手当法を抱き合わせたために、それがめぐりめぐって私どもの安全保障
委員会に、関連、関連でこちらに付託されて、しかも日切れ法案扱いになりまして、これに対して、法案の提出の仕方がおかしいということで、松本
委員から大変抗議を申し入れました。
特に、総務の副
大臣にもお越しいただいて、そして今井総務副
大臣は、「今
質問もございましたように、当
委員会でもタイトな日程になったという抗議のお話をいただきまして、真摯に受けとめさせていただきたい、」という
答弁をして帰られたわけでございます。
ですから、この
法律案の出し方というのは、今に始まったことではなくて、特に今通常国会の二月十六日の予算
委員会で私自身も取り上げさせていただきましたときに一部引用させていただいたのですけれども、これは昭和五十二年、大変さかのぼりますけれども、その五十二年の五月二十四日の内閣
委員会で、これは
防衛庁設置法及び
自衛隊法の一部
改正案についてという議案に関して、これは今の自民党の国対
委員長、中川秀直
委員が
質問に立っておられまして、そしてどういうことかと申しますと、「この
防衛二法と言われる
法律案は、」「全く無関係ということはないかもしれませんが、基本的には関係がない。こういった関係のない法律を一緒の一部
改正案として出すことについて、私は大変望ましいことではない、」しかもこの後に、「これは行政府が立法府の審議権というものに、こういう一本の法律にして出してくるという法案提出の形によって容喙をしてくることになるのではないか、」容喙というのは難しい言葉なんですけれども、横から余計な口出しをするという意味の容喙でございます。そういう
指摘をなされておられまして、これに対して法制局
長官は、こういうことは過去においてもしばしば御
指摘をいただいたと。それで、このときに三つの条件を挙げられて、この条件を使ってさきの予算
委員会では官房
長官が、あの法案の取りまとめはこういう条件を満たしたときに取りまとめているはずであるという御
答弁をなされて、これは
防衛庁長官も後に使っておられるわけです。この源泉をたどると、どうもここの内閣法制局
長官の
答弁が今ずっと使われているようでございます。
それで、このときに中川
委員は、私もすごく同感して、私も問題意識に持っていることで、こういうことを
指摘していらっしゃるんですね。まとめて法案提出するということは、採決を一回で賛否をとるというわけになりますので、「法案の採決のときは一本で行われるというようなことは、これは法案の出し方で採決の仕方が決まってくるのでございますから、これは行政府が立法府の審議あるいは採決といったようなものに事実上制限を加えてくることになりはしないか。」と
指摘されているわけでございます。
それで、このとき当時の三原
防衛庁長官はこういう
答弁をなさっております。「確かに私ども自身、いま
先生御
指摘の点については今後の
一つの
課題として受けとめてまいって研究をすべきかなという受けとめ方をいたしておるところでございます。」という
答弁でございますが、このとき中川
委員は、「いま
大臣がおっしゃった御
答弁の線で今後は十分御注意を願いたい、」と締めくくっておられるわけでございます。
今回のこの
防衛庁設置法等の一部を
改正する
法律案というのは、主に三つの問題の法案をくくっております。その中に
ミサイル防衛の問題が入っている。そこで、私どもは、既に
本多平直委員が本
会議で
指摘させていただきましたように、これは分けて出すべきではなかったか、特に
ミサイル防衛の問題と、それから
陸海空、三
自衛隊を
統合する問題でございますとか、あるいは
自衛官の給与の問題等々、これは本質的に問題が違います。特に
防衛庁内部の問題、全部内部といえば内部かもしれませんが、ミサイルディフェンスの問題は大変国民も関心が高い。したがって、少なくともこれを全部くくって一括の採決で済ますというようなことは、国民の意思決定をする上に、私ども国民にかわって立法府で
一つの意思を決定していく上に、大変あいまいな、おかしな結論を出しかねない、そういう
事態が十分にございます。
そこで、私どもは最初から法律は分けて提出してほしいということをいろいろなチャンスに言い続けてまいったわけでございますが、今回は二月の十五日の閣議決定でとにかくこういう形で法案が提出されて、でもこの
質疑だけはこうやって切り離してしていただけるようになったわけですけれども、本
会議の
本多平直議員の御
質問のときに
防衛庁長官は、中身は省きますけれども、三つの条件、こういうことを基準にして法律はまとめるときはまとめていると。それで、「本
法律案に盛り込まれた政策は、いずれも平成十七年度予算に関連する統一的なものであることから、ただいま申し上げた基準に沿って法案を提出させていただいた」、この予算に関連しているからくくっているという御
答弁なんですけれども、それはないでしょうと私どもは思うんです。
いろいろ私は述べさせていただきましたけれども、今のこういう経過をお聞き取りくださって、それでまた今後の法律の提出の仕方、どういうふうな御意見をお持ちか伺わせてくださいますように
お願いいたします。