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2004-10-28 第161回国会 参議院 国土交通委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年十月二十八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十月二十六日     辞任         補欠選任      鈴木 政二君     北岡 秀二君      小林 正夫君     輿石  東君  十月二十七日     辞任         補欠選任      北岡 秀二君     鈴木 政二君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田名部匡省君     理 事                 田村 公平君                 脇  雅史君                 大江 康弘君                 佐藤 雄平君                 山本 香苗君     委 員                 岩井 國臣君                 岩城 光英君                 太田 豊秋君                 岡田  広君                北川イッセイ君                 小池 正勝君                 末松 信介君                 鈴木 政二君                 伊達 忠一君                 藤野 公孝君                 池口 修次君                 岩本  司君                 北澤 俊美君                 輿石  東君                 前田 武志君                 山下八洲夫君                 魚住裕一郎君                 仁比 聡平君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   北側 一雄君    副大臣        国土交通大臣  蓮実  進君        国土交通大臣  岩井 國臣君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        江渡 聡徳君        国土交通大臣政        務官       岩崎 忠夫君        国土交通大臣政        務官       中野 正志君        国土交通大臣政        務官       伊達 忠一君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       堀内 文隆君        内閣府政策統括        官        柴田 高博君        消防庁次長    東尾  正君        林野庁森林整備        部長       梶谷 辰哉君        水産庁漁港漁場        整備部長     田中 潤兒君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     松永 和夫君        国土交通大臣官        房長       峰久 幸義君        国土交通大臣官        房総合観光政策        審議官      鷲頭  誠君        国土交通省総合        政策局長     丸山  博君        国土交通省国土        計画局長     尾見 博武君        国土交通省河川        局長       清治 真人君        国土交通省道路        局長       谷口 博昭君        国土交通省住宅        局長       山本繁太郎君        国土交通省鉄道        局長       梅田 春実君        国土交通省自動        車交通局長    金澤  悟君        国土交通省航空        局長       岩崎 貞二君        気象庁長官    長坂 昂一君    参考人        日本道路公団理        事        奥田 楯彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (災害対策に対する国土交通省取組に関する  件)  (三位一体改革と治水・治山事業等に関する件  )  (新潟中越地震対応状況等に関する件)  (高速道路通行料金引下げ等に関する件)  (自動車関係諸税の見直しと環境税導入に関す  る件)  (豪雨災害対策等に関する件)  (河川海岸堤防等の緊急総点検に関する件)  (タクシー運賃料金規制緩和に関する件)     ─────────────
  2. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十六日、小林正夫君が委員辞任され、その補欠として輿石東君が選任されました。     ─────────────
  3. 田名部匡省

  4. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会日本道路公団理事奥田楯彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) 国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 田村公平

    田村公平君 おはようございます。  国土交通省におかれましては、常日ごろ我が国国土の保全あるいは交通ネットワーク、先般、尖閣諸島に我々の委員会視察に行かさせていただきましたが、海上保安庁等々幅広い行政の中で日夜御苦労いただいておりますこと心から感謝申し上げます。  とはいいながら、北側大臣におかれましては就任早々、私は二十一世紀災害世紀であるというふうに常に言ってきたわけでありますけれども、本当に、四国にも視察に来ていただきました。実は十本の台風が本土に上陸をいたしましたけれども、どういうわけか、実は先般NHKにちょっと私は抗議をいたしましたが、四国太平洋岸は何百ミリ雨が降るとか、四国太平洋岸といいますと実は私の選挙区であります高知県でございまして、余り北陸日本海側とかそういう地政学的な表現をしないのに何で四国だけは太平洋岸と、こう言うのかなと大変不快感を持っておるんでありますが。  そうはいいながら、実は今まで台風というのは、あるいは自然災害、いろんなところで日本列島起きております。今も正に新潟では地震が現在進行形であります。大変多くの方々が犠牲になられ、昨日から始まりました消防庁におけるレスキューの大変な活躍、しかし一家がああいう形で、喜びと同時につらい思いもしております。  実は地球地震エネルギーの一〇%、一割はこの日本列島であります。したがいまして、新潟だけではございません。平成七年の阪神淡路大震災あるいは十勝沖、これもうどこで地震起きてもおかしくない。ある程度台風というのは予測ができます。基本的には逃げるしかないわけでありますが。  大臣現場を御視察になり、そして国土交通行政をあずかる立場として、先般、大臣の所信も大変重く受け止めたわけでありますけれども、改めましてこの国における、実は災害が起きますと、国の富、国富だけではありません、民の富、失われます。  私どもは、実は高知県は災害襲県でありますから非常に災害に慣れておりますが、車がないと地方は、実は情けない話ですけれどもJR土讃線単線運転ディーゼルカーしか走っておりません。平成十年の一日に千ミリ雨が降りました。そのときの災害でも、一本しかないJR土讃線が三か月間不通でした。全国紙、NHK含めてだれも報道してくれません。山手線人身事故で五分止まればテロップが流れ、臨時ニュースになるんです。大変口の悪い言い方をしますと、東京台風上陸してくれて、私は、ちったあ東京人間分かってくれたかなと。  十八の年に大学に受かって東京へ出てきました。私の田舎では長靴のことを深靴と言います。雨降って深靴履いて地下鉄に乗り、山手線に乗ったら、東京人間は人の足下をじろじろ見るんですよね。それから、東京へ出てきてもっとびっくりしたことは雨戸がないんですよ。今そこいらに近代的なビル一杯建っていますけれどもね、これ全部ガラス張り。これ凶器ですよね、地震で揺すられたり台風で窓が飛んだら。  そういうことを考えたときに、冒頭申し上げましたように、災害慣れしておる高知県といいながら、実は二十三号で今まで人死んでなかったんです、今年はとうとう五人亡くなりました。  今、車の話もちょっとしました。車、ローンで買うんですよ。で、水につかる、まだローン残ったまんまなんですけれどもね、また新車買わぬといかぬのですよ。中古車買ってもローン住宅もしかり。民の富、どんどん失われていきます。恐らくこの一連の、今年起きた台風含めた、地震も含めた災害で失われた財産は数兆円だと思います。  そういうことを、今るる申し上げましたけれども、踏まえて、改めて大臣、この国土交通行政取組について決意のほどをお伺いをさせてください。
  9. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) やはりこの国土交通省の一番の使命というのは国民の安心と安全を確保する、これが国土交通省の最大の使命であると思っています。  私、大臣を拝命いたしましてちょうど一か月たったわけでございますが、この一か月間の間に、台風二十一号、二十二号、二十三号、そして今回の地震と、四度大きな災害がございました。二十一号のときは四国の愛媛、新居浜、西条等に、土砂災害の本当に悲惨な現場に行かしていただきまして、その現場を、状況を見さしていただきました。また、二十二号はこの首都圏を襲った台風でございました。千葉等で大きな被害があったわけでございますが。  二十三号、これは兵庫京都等で特に大変な被災に遭ったわけでございます。兵庫豊岡、ここが一番ひどかったというふうに思いますけれども堤防が決壊した箇所に翌日行かせていただきました。堤防が決壊するということはこういうことなのかということを改めて目の当たりにいたしました。決壊箇所から先のところは大きな湖になっておりまして、そこは本来住宅地であり、また田畑であり、そういった大きな湖になっておりました。現場地元の方からお話を聞かせていただきましたら、ここには家があったんだと、その家が跡形もなくですね、ないと。そういう本当に悲惨な状況も見てまいりました。  先般のこの新潟地震起こりまして、私その日は、あれは土曜日でございましたので、ちょうど金曜日の日に豊岡視察が終わりまして地元大阪に戻っておりまして、地震があったときは夜、大阪におりました。即、国土交通省の方から連絡がございまして、その日じゅうにすぐに東京に戻ってまいりまして、国土交通省の本部に行かせていただきました。翌日すぐにこの地震現場に赴きましたが、これも本当に、道路被災している現場、また堤防が大きく崩れてしまった現場、さらには新幹線が御承知のように脱線をしたと、その現場も行かせていただき、また被災者方々が多く集まっていらっしゃいます避難場所にも行かせていただきまして、そこで現場の生の声もちょうだいをいたしました。  私は、こういう災害のときに一番大事なことは、被災者立場に立つということが一番大事なことであるというふうに思っております。東京におりますと分かりません。その被災者の本当の切実な厳しい状況というのが画面で見ているだけでは私はなかなか伝わってこないと思うんですね。私は、やっぱりその現場を見まして、この被災者立場に立って政府地方公共団体等々としっかり連携を取って精一杯できることをやっていくということが大事であるというふうに思っております。  まず一番に大事なことは、特に新潟の場合でいいますと、ライフラインを、ライフラインをともかく早く取り戻すと、これが被災者方々の一番の声でございました。水そして電気、そして食料も含めまして、こういうライフラインにつきましても、今まだまだでございますけれども電気と、電気についてはかなり回復をしてきたようでございますが、ガスはまだまだ供給停止が続いておる状況でございます。水道につきましても、十万戸以上で断水したわけでございますが、この断水もまだ半分強ぐらいしか戻っていないんですね。このライフラインをいち早く復旧できるようにしっかりと政府を挙げて取組をしていく。  さらに、今後は住宅等の問題も出てくると思います。国土交通省といたしましても、応急仮設住宅の設置も含めまして、この住宅支援にしっかりと取組をさせていただきたい。国土交通省の所管のことはもちろんでございますが、例えば仮設トイレが今現場では必要だと言われております。国土交通省といたしまして、建設業界にお願いいたしまして、仮設トイレを集めまして現場の方に大量に持っていったわけでございますが、そうしたことも含めてもうできる限りの復旧支援に、また復興活動復興支援取組をさせていただきたいというふうに決意をしておるところでございます。
  10. 田村公平

    田村公平君 大臣の非常に現場主義といいますか、被災者立場に立った答弁、また決意のほどを聞かせていただきまして、決して安心はしておりませんが、本当に思いは同じであります。  これは、実は今日、理事会お許しをいただきましてお手元に、ちょっと私は金がないものですからカラーコピーを全部よう作らなかったんですけれども、これ四十か所以上、これ単なる高知県だけの話です。これは浸水被害だけでこれぐらいあります。(資料提示)これクラックと言いまして、土石流や、それから土石流になり得る可能性があるところを入れますと、もう何百か所であります、高知県だけで。恐らく全国これ、報道されていない部分を入れますと、数万か所では利かないと思います。いつ滑るか分からない、これほど雨ため込みましたからね。  実は、ちょっと話が古くなりますが、織田信長という戦国乱世の武将がおりまして、比叡山を焼き打ちをいたしました。焼き打ちをしましたら、地すべりが起きたんですよ。そこから砂防事業というのが実は始まるわけでございますが、山を守ることがいかに大事かということは織田信長が証明をしてくれまして、徳川幕府になりまして、それで天領として山を守り、それが明治維新政府になるといわゆる帝室林野という、今の林野庁につながってくるわけですけれども。山の木一本切ることはまかりならぬ、全部許可が要ると、勝手に薪にしたら腕一本取るぞと、それぐらい厳しいことをやりながら山を守ってきました。  ちなみに、明治維新政府、そうはいいながら、近代国家になる過程で、海面より低い国土を持ち、堤防を造って国を守ってきたオランダから水工師ヨハネス・デ・レーケを当時の大臣の給料よりも高い報酬で招きまして、これが我が国近代砂防のあけぼのと言われております。  そのヨハネス・デ・レーケ日本に来たとき、何せオランダというのはもう真っ平らですから、山はありませんから、日本に来たときに、日本河川は川ではない、滝であると。富山県の常願寺川やいろんなところに実は防災、砂防だけではありません、水路を造ったり。つまり、自然といかに調和しながら、自然の力を生かしながら、しかし人間英知には限りあるけれども、どうやってこの国の安全を確保するかということに力を注いできました。  そういう先人の英知をいただきながら、大臣案内のように、砂防という言葉日本語でありますが、今世界言葉になっております。すべての道はローマに通ずるというイタリアにも技術協力をしております。スイスにも技術協力をしております。インドネシア、ネパール、ベネズエラ、いろんなところで自然災害がありますが、フィリピンの火山砂防、ピナツボもそうであります。あるいは津波という言葉、これも日本語でありますが、実は世界言葉になっております。  申し上げましたように、地震エネルギーの、地球上で発生する地震の一割がこの日本列島であります。非常に災害自然災害の多い国であります。それが、そのために砂防とか津波という言葉世界言葉になっております。  私は何をこれから申し上げたいかといいますと、実は、余り役所の方に質問通告ろくにしておりません。実は、災害起きますと、すぐ地元の首長さんや議会人激甚災害激甚指定と、こう言います。平成七年の阪神淡路大震災は実は本激のA基準ではありませんでした。かつ基準であります、いわゆるBという。  これは、蓮実大臣もおられますから、一緒にチームを組まさせていただきまして党の方で大改革をやらせていただきまして、実は、農業災害というのは農家の標準所得でやっておりますので、比較的基数が一に近い部分で、農業の方は激甚災害は比較的採択されやすいんですけれども公共災害というのは税収の、当時四%ですから、平成七年の税収が大体三十兆円ぐらいで、掛ける四%で、一兆二千億円ぐらいの災害が起きないと激甚災害の本激のAにはならないということでありましたけれども。  私は、総理現場に行かれたりするたびにどういうことをおっしゃるかというと、何か政治的に、恣意的に、激甚災害ができるとか、そういうことを余り一国の指導者に言ってもらいたくないなと。  実は森総理のときは、蓮実大臣おられますから御案内のとおりでありますが、ちょうど小渕内閣総理官邸総理主催観桜会案内をして、ああいう形で総理が亡くなられたものですから森総理主催をしたんですけれども、たしか蓮実大臣一緒官邸にお邪魔をいたしまして、これから北海道に行ってくると。洞爺湖で火山が爆発していると、虻田町だったと思います。そのときに、あの森総理は何を我々に質問したかというと、現場に行けば必ず激甚災害と言われるけれども、これ、大丈夫かと。どうぞ、それは積算をすればその局激には間違いなくなりますということで、そのように現場森総理が答えていただきました。だから、それは起きたときにどうするかという処置であります。  じゃ、人間の体もそうでありますけれども、病気になってからどんな名医に掛かってどんなに高い薬もらっても、これはもう費用対効果BバイCとは言いませんが、家族を含めて大変つらい思いをします。一番いいのは予防医学であります。そういう意味で、実は但馬久美さんが災対の特別委員長のときに、本来は本委員会で法案審査するのが通例であります、災害対策特別委員会というのは災害が起きたときにどうするかという委員会でありますけれどもお許しをいただいて皆さん方協力の下に、与野党一致して土砂災害防止法という法律を作りました。これは正に防止法でありますから、ハードとソフトでいえばソフト部分になります。  そこで、これ大臣には直接御答弁いただけるなら結構でありますが、清治河川局長にちょっと聞きたい部分でもありますけれども土砂災害防止法作って、一体、立法の趣旨からいってどの程度のこの法律効果を上げているか、そこいらをちょっとお教えいただきたいと思います。
  11. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 委員からお話のありました土砂災害防止法でございますが、制定していただきましてから二年余を経過してございますが、現在のところ、その指定に必要な調査を鋭意進めているという現状でございまして、現在までに広島県始めほんの一部の県で実際の指定がなされているという現状にございますが、今私どもとしましては、それらの指定が更に早期に普及されていくように、いろいろな技術的な支援でありますとか、一部財政的な支援も含めて推進しようということで取り組んでいる現状にございます。
  12. 田村公平

    田村公平君 せっかく作った土砂災害防止法であります。もっともっとこれを各自治体、そして災害に遭われる方はどういうわけか、過疎地域という言い方は失礼かもしれません。こういう東京のこういう場所にいますと、山が見えないし、台風来たって溜池がちょっとぷかぷかタクシーが浮くぐらいでございまして、余り悲惨なことにならない……(発言する者あり)今、鈴木政二さんが、私、西枇杷島町のこともよく承知しております。庄内川も天井川でありまして、新川が破堤し、尾張名古屋は城でもつというのに、人口が多いとみんな報道してくれるんです。で、ちょっと話、いろいろ私にちょっかいを出す人がいるものですから、元に戻しますけれども。  土砂災害防止法、何で出したかといいますと、広島の新市街になった、旧市内じゃなくて、そこに荒谷川という、荒い、荒川の荒です、谷。そこで大きな土石流で本当に悲惨な、貴重な生命が失われました。実は新潟のこの地震も、私の記憶が間違っておらなければ、十一月三日に全国コイ鑑評会があるということで、山の棚田からコイを、預かっておるコイもありますが、自分で養殖しているニシキゴイありますけれども、これを全部下ろしてきて、そこが実は荒谷という地域なんですよ。荒谷と書いて、アラヤと地元で呼んでいる。で、そこの山が滑って、コイは全部逃げてしもうて、多分死んでいると思いますけれども。  山が滑ったものですからどういうことになったかというと、自然堤防ができて、渓流から水がたまって自然堤防ができて、自然のダムができている。ちょうどネパールのあの氷河が解けてできるような一種の勝手にできたダム湖みたいなものです。これ、いつ滑るかと。余震が来るたんびに地域方々は生きた心地がしておりません。ニシキゴイの被害だけで恐らく何十億円だと私は思います。  そういう地名我が国は非常に危ないところ、例えば荻窪と言いますけれども、窪というのはやっぱり窪地なんですよ。今、台東区清川と言いますけれども、昔は山谷と言ったんですよ。溜池は、御案内のとおり、昔ため池があったんです。あそこ、ゴルフの練習場になっていましたね、今ビルが二つ建っていますけれども。そういう新住居表示制度に基づいて、都市であろうと地方であろうと、地方の人はしっかり地域社会に根付いておりますから、すぐ地名で危ないところは分かっておりますけれども。  新市内、旧市から、高知県のような地方でも、高知市の人口が三十一万五千人、七千百平方キロの五十三市町村に八十一万五千人、一極集中が起きています。選挙でいえばいわゆる一区現象ということでございますが、そういうところには実は災害弱いんです。  そういう意味で私は、せっかくあるこの土砂災害防止法、現在住んでおられるところでも危ないところについてはレッドゾーンとして指定をすれば、財政的措置もしましょうと。ローンを組んであっても指定されることによって資産価値が下がります。せっかくある制度ですから、なるたけ生命、財産を失わないように、是非国土交通省におかれましても、この作った法律でありますから、周知徹底をしていただいて。昔は、災害に遭うのは一生に一回あるかないかと言って、今もう本当しょっちゅう遭うようになってしまったんですよ。我が国の置かれておる地政学的な条件だけでなくて、地球が荒々しくなってきております。  そういう意味で、私、あと三十三分までですから、実は大臣には大変失礼な質問になるかもしれません。三位一体の改革であります。小泉内閣の一員としては言いづらい部分があるかもしれません。  全国知事会の、しかも建設省の道路局の次長をやり、岐阜県の副知事をやり、知事になっておる梶原拓全国知事会の会長ごときが、ポケットに手突っ込んで斜めに構えて、八月二十四日、小泉内閣総理大臣にこれを出してきたと。  これは、私なんか、言っていく先がないんですよ。地方六団体が、防災や河川や治水や治山や林道や、あるいは福祉でいえば母子家庭へのお金、サイレントマジョリティーの補助金を全部要らない、一般財源にする。今、高知県に知事おりませんが、長野県の知事のように花火を上げる、パフォーマンスの得意な人は、日の当たらないところに金を打つんじゃなくて、予算付けをするのじゃなくて、やっぱり一区現象なんですよ。そこで花火をどんと上げればマスコミも飛び付く。いかにも仕事をしているように見えます。  そういうことを考えたときに、この三位一体の改革の中で、ここに手元にありますけれども、もうこれは大臣案内のとおりですが、河川行政もうストップですよね。砂防部に至っては一部二課制の砂防部も要らなくなるわけです。  この問題について、大変、大臣、小泉内閣の一員である限りにおいては答弁しづらいと思いますが、是非御所見、言うべきことは言っていただきたいと、そういうふうに思いまして、あと三分ございますので、大臣、三分全部差し上げますから、よろしくお願いいたします。
  13. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 過去の日本の歴史を勉強しますと、国を治めるということの非常に大事な要素の一つが、私はやはりこの治水、それから治山、砂防、もうそういう歴史が非常に大きな要素を私は占めているというふうに思っております。  三位一体改革、これなぜ三位一体改革かといいますと、地方の自主性、裁量性を高めて地方分権を進めていこう、地方でできることは地方にお任せしよう、国土交通省としてもそういう意味での地方分権はしっかり進めていく必要があると思っております。ただし、国と地方の役割分担、そこはきっちりと論議をする必要があると思っているんです。  地方団体の御提案、よくお取りまとめになられたと私は思いますが、幾つかやっぱり問題点がある。一つは、公共事業補助金というのは、そもそもこれ税源移譲の対象になるのかという問題があります。税源移譲の対象に仮に、財務省が言っているとおり、ならないとするならば、これ本当におっしゃっているような、廃止するとおっしゃっている様々な公共事業補助金が市町村とか県によって本当にきちんとできるのかどうか。そこはやはり国がしっかり役割を果たさないといけない部分があるんではないのかと思うわけでございます。  そういう意味で、この治水、また砂防という問題は、これは非常に国がしっかりと今後とも責任を負ってやっていかないといけない部分が相当あるということは、今回の様々な災害を通しましても明らかだと私は思っております。特に河川なんか考えましたら、河川というのは一つの自治体を流れているわけじゃなくて様々な団体を流れているわけですね。県もまたがっている。そういう中で果たして、それぞれ利害が全く違ってくるわけです。本当に下流流域の治水をやっていこうと思ったら、上流の方でしっかりと治水対策をやっていかないといけないわけです。  そういう意味では私は、国の責務というのは、もちろん地方公共団体と連携を取りながら、その責務というものは大変大きいと思っておりまして、そういう観点で今回の三位一体改革についても論議を進めてまいりたいと思っているところでございます。
  14. 田村公平

    田村公平君 どうも大臣、大いに期待をしておりますし、私、いつでも戦闘部隊として国交省のために頑張りますので。  今日はありがとうございました。
  15. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 おはようございます。民主党・新緑風会の佐藤雄平でございます。  大臣就任早々台風被害視察、そしてまた新潟の中越の大震災視察、本当に御苦労さんでございます。  この一年間ずっと日本を見ておりますと、何かいつの間にか日本災害列島になってしまったかなと、そんな思いをしているところでもございますが、特に台風は、十個の台風が襲来して二百人近い犠牲者をお出しになった。そしてまた、地震では三十一人ということで、被災者、それから犠牲者の皆さんに心から哀悼の意を述べるとともに、被災者の皆さんには心からまたお見舞いを申し上げるところでございます。  まず、今も続いておる中越の地震についてでございます。  私も、先週の土曜日、会津若松におりまして、あいさつをしておりましたら急に大変な地震に見舞われました。多分これは会津が発震地かなと思いながらもテレビ、ビデオを見ましたら、隣の新潟県であると。これはもう大変な震災であるなと思いながらニュースを見たら、もう本当に大変な震災で、しかも六日間もまだ続いておると。被災地の皆さんはもう毎日毎日不安で心配でしようがないであろうと。  特に皆さん方に申し上げたいことは、これは太平洋地域と違いまして、日本海はこれから冬将軍がやってまいります。しかも新潟は豪雪地帯であって、この人家の皆さん、人々、県民の皆さん、被災地の皆さんからすると、どうやってこれは越冬の対策をするか、越冬できるかなと、もう本当にこれ心配だと思うんです。  そういうふうな中で私、この五日間、政府も県もそれぞれ対応をしてきていると思うんですけれども、この被災者立場に立った対応を是非とも懇願するわけでありますけれども、この六日間の政府と県の対応、これについてまず冒頭お伺いしたいと思います。
  16. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 今般の地震に対しましては、地震発生とともに直ちに政府の緊急参集チームが官邸の危機センターに集まって対応を練りました。また、防災村田担当大臣も直ちにお越しいただいております。  現地に対する情報・偵察活動等努めたわけでございますし、総理の方の御指示によりまして、直ちに、現地の状況を調べるために先遣隊チームを自衛隊のヘリを使いまして十一名ほど直ちに現地に出しております。そのまま先遣隊チームにつきましては現地対策室ということで活動させていただいております、現地連絡調整室ということで活動させていただいております。現地におきます情報収集、人命救助支援等を努めてまいっております。また、総理の方から当日御指示がございまして、翌日、地震の翌日、村田防災担当大臣政府調査団長として地元の方に翌日派遣をいたしているところでございます。  そういうことで、政府といたしましては、情報収集あるいは調査団の派遣、そしてまた当日の朝七時五十分、翌日でございますが、災害が非常に大きな状況にあるというので、直ちに非常災害対策本部を設置というようなことで、政府一丸となって公共団体と連携を取って対策に努めてございます。  また、現地の連絡調整室につきましては、現地支援対策室、当初十一名でございましたが、格上げいたしまして、人員も約倍増、三十名強にいたしておるわけでございまして、救助活動、医療、衛生、ライフライン、心のケア等々、各分野の専門家を増員いたしたところでございます。また、機動班も設置するというようなことで、市町村との連携についてもそこでやっているところでございます。  また昨日、二十七日でございますが、夜、急遽、内閣府の林田副大臣を政治的な大きな問題の解決に対応していただくために現地に派遣をいたしたところでございます。  また、そういう中で政府といたしましては、非常対策本部を連日あるいは必要に応じては二回、応じて非常災対本部を開催いたしておるところでございまして、その中で現地からの要望あるいは必要事項を話し合ってきております。例えば、翌日の村田大臣が現地視察されたときに食料が足らないという話が来たものですから、お昼に直ちに非常災害対策本部を設置しまして、開催いたしまして食料支援を決めまして、当日中に十数万食を直ちに現地に送る。その後、自衛隊機を使い、その後、自衛隊の食料二十万食を出すというようなこと等もやっておるわけでございます。  現地では電気供給停止がかなり復旧してきておりますが、ほかのライフラインがなかなかまだ完全に進んでいないところもございます。今後も現地支援対策室の機動班を通じまして被災地のニーズをきめ細かく把握していきたいと考えておりまして、仮設住宅の建設等に既にもう入ってきているということでございまして、被災地の速やかな復旧、被災者支援のために政府一丸となって取り組んでいきたいというように考えております。
  17. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 統括官にですね。特に特豪地帯というふうなことで何か配慮はありますか。これはもう本当、特豪地帯、特別豪雪地帯ですね、ここは。ここらに対する特別な何かそれこそ御配慮というのは考えていますかね。これはもう本当に大変なんですよね、雪が降ってくると。そうじゃなくても、積雪地帯は通常の平場と違って、もう油代は掛かる、それから特別の暖房費が掛かるとか、様々なことが平場と違ってあるわけですので、その辺の対策、何かあったら。
  18. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 現地が非常に豪雪地帯でございますし、これからどんどん寒くなってきているということを我々も考えておりまして、一日でも早く被災者の対策が必要だと考えております。  例えば、仮設住宅の建設に既に入ってございますが、これも普通の地域の仮設住宅ではございませんで、寒冷地用、豪雪地帯用といいますか、寒冷地用の仮設住宅を当然造ることにいたしてございます。  また、被災者の中でも高齢者の皆さん、高齢者の方だとかその方々に対しては、あの中でお過ごしいただくのは非常に苦痛がございますので、老人の福祉施設等の空き部屋を見付けましてそこに入っていただくというような措置も取っております。  今御指摘の点につきましては我々もよく分かっておりますので、現地のニーズをできるだけ吸い上げて対応していきたいと思っております。現地の原田室長には、何でもいいから現地のニーズを聞いてこっちに、国の方に伝えてくれという具合にいたしておりますので、よく対応していきたいと考えております。
  19. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 これ、ちょっと質問が前後になりますけれども、その現地の室長という話がありました。その現地の室長さんというのは新潟県庁にいらっしゃるわけですよね。あるわけですね。私は、やっぱり本当にこの犠牲者三十一人のうちの十六人が心筋梗塞とか脳血栓とか、心因による原因が非常に多い。その心因というのはやっぱり不安だと思うんですね。私は、これ現地の人の心情から考えたら、まあ新潟県庁に置くのもいいけれども、小千谷とか長岡とか、本当現地サイドに、何かそれこそ出先等の事務所というか、これは非常に、やっぱり政府の対策室が現地にあるとこれは非常に安心すると思うんですが、そんな意向はありませんでしょうか。
  20. 江渡聡徳

    大臣政務官(江渡聡徳君) お答え申し上げます。  現地の状況の把握につきましては先ほど統括官の方からもお話がありましたけれども、現地支援対策室の方に機動班というものを設置させていただいておりまして、新潟県と調整、対応の手薄な被災現場である市町村に派遣することとしております。そして、今後とも被災市町村のニーズを把握しまして新潟県と連携してきめ細かい支援を行うということで、今現在もやっているところでございます。また、余震が続きまして複雑多様化している現地情勢にしっかりと対応していくと、その対策を一層推進するために、昨日、内閣府副大臣であります林田副大臣を現地支援対策室に派遣したところであるわけでございます。  今後とも、非常災害対策本部を中心といたしまして、政府一体となり、被災者への支援被災地の復興・復旧に万全を期してまいる所存でございます。よろしくお願いします。
  21. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 その答弁は今、先ほど統括官から全く同じ答弁を聞いたわけでありますけれども、そうじゃなくて、安心の、その地域被災者の人の安心のためにもやっぱり現地にもう本当に事務所というか、こういうふうなことを張る予定とか、そういうふうなことはございませんでしょうか。
  22. 江渡聡徳

    大臣政務官(江渡聡徳君) その辺のところにつきましても、昨日、林田副大臣が現地の方に行きまして、そしてその辺のところの状況をしっかりと把握しながらこれからも対応さしていただきたいと思うわけでございます。
  23. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 強く要望さしてもらっておきます。  次に、その初動態勢でございます。  官房長官が、あれは十五日ですか、反省しなければならないという記者会見をしておられたんですね。ですから、私も初動態勢は村山内閣のときよりは極めて迅速な対応かと思いましたけれども、これ、冷静に考えてみますと、十三日に起きましたね。(「二十三日」と呼ぶ者あり)あっ、二十三日五時五十六分なんです。五時五十六分に起きて、それから七時半にもう既に防衛庁のヘリコプターが小千谷の上空を飛んでいるんです。そして、そのときもう既に防衛庁のヘリコプターでこの地震被害状況というのはかなりつかめていたと思うんです、状況というのは。にもかかわらず、その十四時間後の次の日の七時五十九分ですかに災害対策本部をお作りになった。  この間の十四時間というのはどのような政府内のお話があって、しかも、私はこれは本部を決めるとき、これはもう総理が決めるわけでございましょうけれども、しかしながら、総理に対するだれか御指導なさる、御助言なさる、これはだれがその御助言なさって、どういうふうなマニュアルの中で本部を決めていくのか、この辺についてちょっとお伺いしたいと思います。
  24. 江渡聡徳

    大臣政務官(江渡聡徳君) マニュアル等々というのはちょっと私もよく分かりませんけれども、ただ、委員が御指摘のとおり、十七時五十六分に地震がありまして、すぐ十八時に緊急参集チームの招集が掛かりました。私もそれで連絡が入ったわけでございますけれども、そしてすぐに官邸の危機管理センターに防災担当大臣や関係省庁の局長等が参集いたしまして、被災情報等を共有しつつ、自衛隊、警察広域緊急援助隊、緊急消防援助隊、海上保安庁を被災地に派遣したということでございます。  また、被災地の更なる状況把握と新潟県との連携強化を図るために、総理の御指示によりまして、現地情報合同先遣チームを自衛隊機によって派遣さしていただきました。さらに、総理大臣の指示により、防災担当大臣を団長とする政府調査団の翌朝の派遣というのをその日の二十三時に決定させていただいたというところでございます。そして、夜を徹した応急活動や情報集約等を実際、あの危機管理センターにおいて行っておりました。そして、大きな被害の発生というものが予想されたものですから、災害応急活動を更に強力に進めるために、翌日の七時五十分に非常災害対策本部を設置したという流れでございます。  ですから、流れ的には私どもは適切な対応であったというふうに考えておるところでございます。
  25. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 まあ、適切な対応であったということであれば、私、官房長官の二十六日のあの記者会見、反省しなければならない点があったと。これ、聞いております、官房長官の記者会見。
  26. 江渡聡徳

    大臣政務官(江渡聡徳君) 私は存じておりません。申し訳ございません。
  27. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 聞いていないというのも何かおかしい話ですけれども、そういうふうな中で、私は、やっぱり官房長官のその反省すべきところというのはどういうふうなことであったのか。これは北側大臣、聞いておられますか。
  28. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 私はニュースでそういう官房長官が発言、そういう趣旨の発言をなされたことは見ましたが、どういう趣旨でおっしゃっておられるのかは私は定かではございません。  私が知る限りは、知る限りは、今回の初動対応につきましては的確に対応したというふうに私は認識をしております。ただし、もっと改善をしなければいけない点があるならば、それはもうしっかりと御指摘をいただき、また自分たちでも検証しながら改善すべきところは改善をしていきたいというふうに思っております。
  29. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 とすれば、その反省すべき点があったというのは、何かその物証があったから官房長官がお話しなさったんじゃないでしょうか。それはもう内閣一丸となってこれはやっているわけですから、その内閣大臣が御存じないというのは私はもう腑に落ちないわけですけれども大臣
  30. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) ですから、私、直接官房長官からそういう発言が何か閣議等々で、また閣議の懇談会であれば、それはどういうことなのかという説明は当然あったと思いますが、官房長官、どういう御趣旨でそういうことをおっしゃっているのかは全く理解しておりません。
  31. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 内閣府、これは分かりませんか。統括官。
  32. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 私も何も伺っておりません。
  33. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 まあ、そういうふうなことがあったことは御披露申し上げながら、多分に官房長官としては自らその今回の震災の対応についての至らぬところがあったんだろうと、そんな思いをしております。  もう十分、私は、この中で、昨日も質問を取りにいらっしゃった皆さんの中で、内閣府が中心なんですけれども、例えば自治体間の相互の支援体制とか、そしてまた原子力発電所の話とか、そういうふうな話をすると、それは所管は総務省でございます、また経済産業省でございます。それぞれやっぱりまだその対策本部の、危惧するのは縦割り行政がまだ歴然としているところ、これは本当に瞬時の対応のときに、だれが一番のその責任者、これはもう総理大臣でありましょうけれども、現実問題としてだれがどういうふうな対応をしていくのか、極めて心配なことも昨日感じたわけでございます。  次に、先ほどはもう災対本部の小千谷等についてお話をしましたけれども、これは繰り返すようでありますけれども、やっぱり不安を一つでも除去するということが今次の体制の対策でうんと大事なことでありますから、もう緊密に連絡を取って、やっぱり何の、被災地の皆さん、被災者の皆さんが安心できるような対応を俊敏に実は取っていただくことをまた要望しておきます。  次に、防災協定、この震災、地震が起きたとき、一等最初、我が県ももちろん行きました、そしてまた杉並区が給水車を持って行った。これは自治体同士での協定がある。これは、我が県も平成十年に大変な集中豪雨に見舞われたときに一等最初来てくれたところが、埼玉県の戸田市の給水車が来ていろいろ助けていただいたと。これはもう非常に相互間の助け合いというのは、私は、またその地域日本のお互いの地域を知る意味でも、これからまた都市と地方の一つの交流というふうな意味でも非常にすばらしいことだと思いますけれども、これが今、都道府県間のその協定というのはよく承知しておりますが、さらに市町村間での相当協定があると思うんです。これについてどの程度御承知なさっておるか。しかもまた、やっぱりこれはお金の掛かることでございますから、政府として、このような市町村のいわゆる災害のお互いの協定、防災の協定等についてどのような協力ができるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
  34. 東尾正

    政府参考人東尾正君) お答え申し上げます。  市町村相互間における協定でございますけれども、私ども平成十五年四月一日付けの調査では、全国で二千三百六十三の団体が何らかの形で市町村相互の応援協定を結んでおります。システムとしては、今おっしゃいましたように、杉並区と小千谷市のように個々に結ぶ場合もございますけれども、県内全域の市町村が集団で結んでいるという場合もございます。内容としましては、災害時における応援、援助物資の提供とか職員の応援、ボランティアのあっせんなどでございます。  これらにつきましては、ただいま御指摘のとおり、市町村のお互い災害時には助け合うという考え方、またきめ細かな支援、対応ができるということで、私どもとしてもこれは評価すべき協定であるというふうに考えております。今後も大規模地震台風による水害なども十分考えられますので、これら協定に基づく経験、訓練は有効でございますので、地方全体の自主的な取組の一環としてこれを支援してまいりたいと考えております。  具体的には、これらの応援に要する費用でございますが、これにつきましては、一般には応援を受けた市町村が負担をしなければいけないということでございますので、それにつきましての、その事後の、例えば特別交付税などにおいて対応し、結果的に応援を受けることによる負担をなくすと、少なくするというふうな考え方で進めております。
  35. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 本当にそこは、応援を受けた方の負担というのは、応援を受けている方は被災地になっているわけですから、もう十分そこは政府としても交付税等で勘案していただければなと、そんな思いを要望しておきます。  次に、今度のやっぱり地震も含めて台風災害となると、常に私はどうしてもやっぱり原子力発電所はどうだろうと、この思いにはせられることが非常に多いんです。今度の中越のその地震についても、刈羽とそれから柏崎に大変な原子力発電所があるということで、なぜかその原子力発電所についての記事が余りお出になっていない。出ていないというふうなことは安全であろうということなんでしょうけれども、しかしながら、これまた被災者とか被災地の皆さんからすれば、発表がないとまた心配の疑があるんじゃないかなと、そんな思いをしておりますけれども、その原発についてはどのような今政府としてはその状況を把握しているのか、この件についてお伺いしたいと思います。
  36. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  御承知のとおり、今回の新潟中越地震の震源地から二十キロメートルほどのところにございます柏崎刈羽原子力発電所でございますけれども、定期検査中の四号機を除きまして、一号機から七号機まで、すべて稼働中の原子力発電所は安全に運転中でございます。  一般的に申し上げまして、原子力発電所では耐震設計審査指針に基づきまして設計されておりまして、私ども国の安全審査において、過去の地震あるいは活断層から想定される最強の地震を更に上回るようなそういう地震にも耐え得る設計であることを確認しておりますが、同時に、地震加速度がある一定の数値を超えますと、その場合はプラントが安全に自動停止する、そういう構造になっているわけでございます。今般の地震におきましては、十月の二十三日、十七時五十六分に地震加速度が最大を示しましたけれども、自動停止に至らない値であったということを確認をしております。  今回の地震の影響でございますけれども、使用済み燃料プール等のスロッシング、いわゆる水の横揺れの警報は発報いたしましたけれども、事業者による点検の結果、安全上問題がないことを確認しております。また、発電所内の巡視点検を実施しました結果、その他の発電所の建屋、設備について今回の地震の影響はないという旨の事業者からの報告を受けております。  また、現地に常駐しております私ども国の原子力保安検査官も、プラントのデータに異常がないということを確認いたしますとともに現場の巡視点検を継続的に行っておりまして、建屋、設備に問題がないことを確認しております。  経済産業省といたしましても、本地震発生後、直ちに非常災害対策本部を設置いたしまして、原子力発電所、この柏崎刈羽の発電所を含めまして近隣の原子力発電所が安全に稼働しているということを確認した上で、広く国民の皆様にお知らせするために随時プレス発表等の広報に努めているところでございます。
  37. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 あれですかね、だから、地震発生以来、そのプレス発表はなさっておられましたですか。それ、マスメディアにお出になっていましたですかね。私、見ていないんだから分かりませんですけれども
  38. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) 私も新聞等見ておりますけれども、たしか記憶ですと、翌日二十四日の朝刊各紙とも、原子力発電所は安全に稼働しているという、そういう記事が載っているというふうに承知をしておきます。
  39. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 今後とも十分注意、注視しながらその安全な運行を強く希望しております。  次に、地震から台風に移らしていただきます。  台風、それぞれ大臣、御視察なさってまいりましたけれども、もう本当に、十個の台風が上陸したと、正にまれに見る被害状況であろうと、そんな思いをしております。  その中でも、テレビ等見ておりますと本当に悲惨だなと思う、土砂で崩壊しているあの状況。その中でも私は一番、これからどうするのか。公共的なところはいいにしても、個人的な財産、例えば家を去年造って、またこれ倒壊してしまったと、また造らなきゃいけない。さっきの話にもありましたけれどもローンが二重に重なってしまうんじゃないか。これまた新潟地震の中にも、いろいろ被災者の中の要望の中でローンの問題があって、これはもう地震台風も全く同じだと思うんですけれども、個人の保障、これは地震災害とかの保険に入っていればよろしいんでしょうが、地震の場合は一一%、それからその他の災害についても、完璧とは言わない、一〇〇%は言わない中で、保険に入っている人が極めて少ない、こういうふうなものに対して政府はどのような対策というのを考えているのか。  この件について、特に住宅のことについてお伺いしたいと思います。
  40. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 先生御指摘のとおり、また昨日は現地の方御視察いただいたということで、現場状況をつぶさに御把握していただいたということでございますが、十個の台風という非常に異例の、例年にない数の台風が上陸いたしてございますし、また非常に大きな規模のものも上がってきておるわけでございまして、大変な被害日本列島我が国に及ぼしているところでございます。  住宅被害につきましては、地震の場合には地震保険、たしか一八%程度の加入率で非常に低い状況でございます。また、水害の場合にも、損保の場合に大体水害の分についても入っておられるのがたしか八割とか、ちょっと数字は覚えておりませんが、おられるようでございますが、それにいたしましても、非常に大きな、個人的な、財産的な被害があるということは、私、我々もよく承知いたしているところでございます。  住宅が、地震あるいは自然災害等で全壊あるいは大変大きな被害を生じた場合には、その被災者に対します支援に対する被災者生活再建支援法という法律阪神淡路大震災の後、作っていただいております。また、前国会で先生方の厚い熱意によりましてそれを御改正いただきまして、適用の範囲といいますか、を更に、それまでが百万円でございましたが、更に住宅の建設等をおやりになるときに、住宅を除却される費用ですとか、あるいはローンをお借りになったときにローンの金利に掛かる費用だとか、あるいは一時期借家に入らなくちゃいかぬときのそのお金だとか、そういうものを二百万円の範囲で追加させていただいたところでございます。合計合わせて最大三百万円までお支払いできるという制度がおかげさまでできました。  その後、非常に多くの災害が続出いたしておりまして、改正していただきました法律が非常に被災者の皆さんのために役立っておると、適用できたということで大変感謝をいたしているところでございます。  ただ、その中で、地震の場合は非常に分かりやすいんですが、水害の場合には、床上浸水等となったときに、その辺の認定、基準の認定がなかなか分かりづらいということがございました。  新潟、福井の、七月十三日の新潟水害、その後の福井の水害の後、総理の方からも、被災者生活再建支援法の運用に当たって、積極的に活用して被災者対策を図れという御指示をいただきました、中央防災会議で。我々、それを運用の基準についての分かりやすい考え方を出しました。例えば、半壊ではあるけれども土砂が入って臭くて使えないといってそれを壊される、それも全壊扱いにしようということでやってまいりました。また、それで進めてきておるところでございます。  ただ、それでもやはり分かりにくいと。しかも、今回の大水害、暴風雨、台風の後、やはり床上浸水等水害による被害が非常にたくさん出てきてございまして、これらについてもう少し基準を明確化して基準の弾力的な運用が図られるようにという御指示もいただいておりまして、現在、我々作業いたしておりまして、個別具体的に、これはこう、これは、こういうものはこういうことだ、こういうものはこういうことだということで、指針といいますか、通達といいますか、そういうものを作っております。  これらをできるだけ素早く被災地に御説明することによりまして、被災者生活再建支援法を弾力的に適用し、積極的な活用、できるだけ多くの被災者に活用していただけるように努めてまいりたいと考えております。
  41. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 支援法の方は十分承知しておりますし、また県の方でも、昨日、これはもう地震に対してですけれども支援法を決めたと。これもその上限三百というふうなことですけれども。  住宅金融公庫、住宅局長、今日お見えいただいていると思いますけれども、これどうしてもやっぱり家屋の問題が最大の問題になると思うんですね。ですから、先ほど、また繰り返しますけれども、この要望の中に、これもう台風被害者も相当いると思いますし、また地震被害者の中にも相当いると思うんですが、やっぱり二重の住宅ローンに課せられるようなことがある。それはもう昨年造った新築の家がもう決壊、倒壊してしまったと、これに対しては何か救済的な方法というのは考えておりますか。
  42. 山本繁太郎

    政府参考人山本繁太郎君) お尋ねの住宅ローンを既に受けている方についての取扱いでございますが、住宅金融公庫融資について、既に公庫から融資を受けて災害によりまして支払が困難になった方々につきましては、その返済について、一定期間、おおむね三年間でございますけれども、毎月の返済額を一部繰り延べるといったような返済方法の変更の措置を行っております。
  43. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 本当にローン苦に大変な状況であると思いますから、またその辺も更にまたお考えいただければなと、そんな思いをしております。  次に議題、移させていただきます。  ちょうど一昨年、有事立法をやりました。そして、国民保護法やりました。あのときも、いろんなテロ、不慮のテロがたくさんあったときにそれぞれのやっぱり省庁の中では対応できないだろうと。だとすれば、やっぱり危機管理庁を一日も早く作ったらいいんじゃないだろうかという、あのときの議論の中では、民主党からの提案があり、与党側もそれについては積極的に考えていこうという話の結論だったと思うんでありますけれども、今次の様々な災害を考えてみますと、もう本当に瞬時の対応というのが必要とされております。  そういうふうなときに私どうしても思うのは、何であのときの危機管理庁の構想がいまだ具現化していないのかなと、一日も早くこの危機管理庁を作る必要があるんじゃないだろうかと、そんな思いをしておりますけれども、この件についての政府の今の進み状況とお考え方をお伺いしたいと思います。
  44. 堀内文隆

    政府参考人堀内文隆君) お答えをいたします。  国及び国民の安全に重大な影響を及ぼす様々な緊急事態に的確かつ迅速に対処できる体制を構築することは、政府の当然の責務であるというふうに考えております。国家の緊急事態への対処に当たりましては、関係する省庁の機能を十分に生かしながら、政府全体として総合力を発揮できることが重要でありまして、これまでも、例えば内閣官房に内閣危機管理監を設置するなど、内閣を中心に様々な緊急事態に対処する体制を整備強化しているところでございます。  今回の地震台風災害に対しましても、関係省庁局長等による緊急参集チームの参集や、あるいは非常災害対策本部の設置など、政府一体となって対処を行っているところでございます。  緊急事態対処に関する組織の在り方につきましては、これまで整備してまいりました既存の組織や法令等の関係、あるいは効率性などに留意しつつ十分な検討が必要でありまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。  それから、少し遅くなりましたが、官房長官の反省点があったとの先ほどの質問でございますけれども、確認をいたしましたところ、詳細な記録、現在持っておりませんけれども、これだけいろいろあったので何かはあるだろうが、事態が落ち着き次第検証をして、反省点があれば検討をしていくと、そういう趣旨の発言をしたというふうに聞いております。
  45. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 やっぱりあったんでしょうね。  北側大臣、通告しておりませんでしたけれども、危機管理庁についての大臣としての御所見をお伺いしたいと思います。
  46. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) それにつきましては、今たしか与党と民主党との間で協議が、政党間協議がなされているんだろうというふうに私は認識をしております。まだ協議中なんだろうというふうに認識をしております。  危機管理はもう当然極めて大事でございまして、その危機管理を確保していくためにどうすればいいかという問題でございます。一方で、屋上屋にならないようにしなきゃならないということも大事だと思いますし、一方で、情報が一か所に集中して、そこで的確な判断を早急にやっていくということも大事で、そういう観点から今議論されているんだろうというふうに認識をしております。
  47. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 一日も早い管理庁の、危機管理庁の体制を願望しておきます。  委員長、ここでいろいろ災害の話、それぞれあると思うんで、まだまだ議論が足りないと思うんです。ですから、委員会の中で集中審議、これをひとつ委員長に希望さしてもらっておきます。
  48. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) 皆さんと御相談の上、決定をいたしたいと思います。
  49. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 次に、大臣に補正予算、先ほども田村議員の方からありましたけれども、この災害に対する補正予算、それぞれ今新聞にお出になっておりますが、これもやっぱりあの被災地の被災者の皆さんからすれば、もう一日も早くこういうふうな対策の予算を取ったよというのが一つのその安心というふうなことにもつながるのかなと思うわけでございますけれども、この補正予算を今国会中にできないんでしょうか。この御所見と、また要望として申し述べておきますけれども大臣からの答弁をお願いしたいと思います。
  50. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 大切なことは、現在やっております災害復旧、今後の災害復興に現場で財政上の支障が生じないようにするということだというふうに考えております。それをしっかりやることが大事でございまして、補正予算をいつ編成をしていつ提出するかというのはその問題とは必ずしもつながらないわけでございまして、通常国会で、通常国会の冒頭で補正予算を処理することで十分それは間に合うというふうに理解をしております。
  51. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 私もさっきからの質問の中で、要するに犠牲者三十一人、またその入院者の中で非常に不安なんですね。だから、さっきも言ったように、この今の震災の地域の皆さんにまず政府、我々ができることは、不安な材料を一つでも除去するということだと思うんです。これはやっぱり私は、この財政的な裏付けを一刻も早く国会で審議をして、作りますよと、このサウンドだけで私はもう相当不安材料が除去できるのかなと。  私はもう今、何もその支障を来しているとか支障を来してないとか、そういうふうな意味大臣に申し上げたんじゃございません。一連の今の私の質問の中での犠牲者の心情とか、先ほど大臣もうなずいておられたと思うんです、心筋梗塞で云々とかクモ膜下というのも、全部そういうふうな心因的なものからきているという病院の発表もあるわけですから。(発言する者あり)そのとおりです、現場主義でもございます。  そういうふうな意味合いから、もう一度大臣の御所見をお伺いしたい。
  52. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 今週の火曜日の閣議でも財務大臣から、これは所管しているのは財務大臣でございますので、補正予算の編成も必要であればやるということを明確に発言をさしていただいておるところでございます。  補正予算については、これは当然、災害の額が査定をされないと予算編成なんかできないわけです。今大事なことは、今大事なことは現場で必要な費用についてはきちんと充てるということでございます。それはきっちりやっていくというふうに政府は発言をしているわけでございます。
  53. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 これはある程度、概算ではできないですか。
  54. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 補正予算は、これは編成せざるを得ないと思います。だから、補正予算はやります。やるということを政府が言っているわけでございまして、今必要なものは全部ちゃんとやりますよということを政府は言っているわけで、補正予算の編成の時期が問題なのじゃないというふうに理解をしております。
  55. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 不安材料をなくす意味でも、一日も早く補正予算を組んでいただくことを心から望んでおきます。  次に、これも田村さんから話がありましたが、三位一体です。  今回の、私は、いろんな日本を襲った災害は本当に、河川にしても、砂防にしても、治山にしても、治水にしても、税源移譲を地方にしていいのかなと、そんなことの一つの警鐘じゃないかなと思うところもあります。  この間もその治山治水の大会がありまして、あれ、知事会と町村会はちょっとその意見が違うのかなと思うような、町村長さんが非常にこれ困ったというふうなことで来ておりまして、確かに今回の災害どうなるか、これはもうとても税源移譲、県でできるような代物ではありません。  そういうふうな中で、ただ私は、この三兆二千億の税源移譲を決めたのは小泉内閣なんです。小泉内閣が決めてそれを知事会に差し出したわけですね、六団体に。ですから、そのときに私は、国交省の優れたる官僚の皆さん、何でこの災害との関係のある河川事業、砂防事業、これは移しちゃいけませんよぐらいの話を総理に申し上げなかったのかなと。これは誠に私は残念でしようがない。  まあ今内部的には、とんでもない話だというふうなことで政府と党が対立構図になっているというふうなことになっておりますけれども、そもそもの原因を作ったのは小泉内閣でございますから、そういうふうな意味での一つの御見識をお伺いしたいと思います。大臣、お願いします。
  56. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) ちょっと今正確な表現を出しますが。  この三位一体改革で、先ほども答弁さしていただきましたが、大事なことは、地方の自主性、裁量性を増していく、地方でできることは地方にお願いをしていく、受益と負担の関係を一番身近な住民の方々が判断できるようにしていく、これが三位一体改革の最大の趣旨、目的だというふうに私は理解しているんですね。そういう観点で、一つ一つそれぞれの事業が、国と地方との役割はどうなのかということを議論をしていかないといけないというふうに考えているわけでございます。  そして御指摘のような、このような治水の問題であれ、砂防の問題であれ、これは国の果たす役割は非常に大きいというふうに先ほど来私は認識をしているわけでございますし、そういう発言もさせていただいているところでございます。
  57. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 済みません、大臣、最後の方よく聞き取れなかったんですけれども
  58. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 治水、砂防事業における国の役割は極めて大きいというふうに認識をしております。
  59. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 その決意でひとつ臨んでいただきたいと思います。(「方向違うじゃない」と呼ぶ者あり)いやいや、方向違うくありません。大きいということは、もうとても税源移譲でできるものではないということを私は認識させてもらいます。  歴代の大臣に、私は必ず国土政策について質問をさせてもらっております。それは、小泉内閣になってから、国土政策の趣旨が特色ある地方と都市の再生ということの文言になってきております。この発足以来、この四年間ずっと見ておりますと、東京が年に八万人、実働人口が増えてどんどんどんどん一極集中が助長しております。まあ、一方では人口減少時代ですから、これは過疎はどんどんどんどん過疎になって村がなくなってしまう、集落がなくなる現象がそれぞれ見えております。  今、都市災害等いろんなことを考えると、本当にこの立体構図の東京でいいのかなと、都市でいいのかなと、そんなことを思うと、やっぱりこれは地方に分散しなきゃいけないことが必ずや私は起こってくるんじゃないかなと、そんな思いをしておりますけれども、今の国土政策について北側大臣は良しと思うか、しかし将来のことを考えたら、これは変えなきゃいけない、均衡ある、あえて申し上げますと、日本の発展とでもいうか、そういうふうなことに変えなきゃいけないかなと私は思っているんですけれども、この御所見をお伺いしたいと思います。
  60. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 都市の再生とともに、一方で地域地方の再生をしなければならないということで、今政府が取り組んでいるところでございます。  おっしゃっている、恐らくこれ東京圏だけなんですよね、実際は人口が大きく増えてしまっているのは。大阪も関西圏も減っているわけなんですね。おっしゃっている御趣旨は、恐らく東京圏というところだけに、一つの地域だけに大切なものが集中してしまったら危機管理的にも本当に大丈夫なのかというのは、私も同じような問題意識を持っております。
  61. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 いや、結果的には、それがまたその三位一体の話になっちゃって、その町村の合併の話になっちゃうんですね。ですから、私が言いたいことは、要するに一極集中地方を疲弊させている原因になっていると。  この間、ドイツに行かせていただきまして、ドイツはすばらしいなと。まあ、これ連邦制というふうなこともあるんでしょうけれども、それぞれの重立った都市にそれぞれの会社が全部張り付いて一極集中が全くない。もう全体的な、国全体が発展しているという姿を見ながら、私はやっぱり全総、かつての全総の構想というのは決して間違いじゃなかった。まあ日本を四軸体制に作って、そこにやっぱり三千人、二千人の就労できるような企業の体制も作っていくと。こういうふうなことは、私、いずれやっぱり日本国土の総合政策の中で必要なときが来るということを一言申し上げながら、二十四分になりましたので質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  62. 池口修次

    ○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。  佐藤先輩に引き続きまして質問をさせていただきますが、直近でいいますと、一番皆さんの関心の高いのは災害のことだというふうに思いますが、与野党の両筆頭で今質問しましたし、更に集中審議も行われるということで期待されておりますので、私の方は、災害以外のところで何点か大臣の所見をお伺いしたい点を質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。  一つは、まず、少し前になるんですが、十月の十八日に毎日新聞ほか各紙で、実は私は大変重要な記事だと思うんですが、報道がされました。中身は、タイのジャンボ機が東京タワーに接近をしてという表現なり、都心を低空飛行をしたという記事でございます。とらえようによっては非常に私は大変な事態だというふうに思っているわけですが、まず、この状況について御説明を航空局の方でよろしいですから、お願いしたいというふうに思います。
  63. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 御説明申し上げます。  九月の十九日の深夜でございますけれども、チャーター便でタイのバンコクから飛来いたしましたオリエント・タイ航空のボーイング747型機が羽田空港のC滑走路に北側から進入する際、通常想定をされております、東京湾を北上してお台場の付近で左旋回をしまして、東に向かいますと、更に大井の上空で左旋回をいたしまして飛行機を南に向けて羽田に向かう、これが通常の経路でございますけれども、この通常の経路から大きく北側に逸脱し、都心の上空を飛んだものでございます。  航空路誌というのがございまして、これはパイロットが運航するためのマニュアルのようなものでございますけれども、ここにも羽田空港北側にある住宅地への騒音を最小限にするために航空機を北側に進入しないという旨記載されておるところでございますが、これを守らず、先生御指摘のとおり、具体的には新小岩付近まで北上いたしまして左旋回し、東京タワー付近で更に左旋回して着陸したものでございます。  当日の天候は良好であったために、パイロットが地表あるいは障害物等の衝突回避や運航責任を負う視認進入という方式で運航していったところでございます。  なお、この飛行は今申し上げましたとおり、パイロットの責任で行うものでありますけれども、こうした飛行を行っていたことは羽田空港の管制官が目視で監視をしておりましたけれども、通常の経路から外れていたということについて特段にアドバイスはしておりませんでした。
  64. 池口修次

    ○池口修次君 ちょっと再度、二点だけ確認させていただきたいんですが、管制官との交信というのはどの段階までやられていて、やられていなかったところがどこのタイミングかということと、というよりもルートから外れた以降、管制官は交信をしたのかどうかということの確認と、その今のルールで運航している中で今回のものが重大な過失ということになっているのかどうかという点を、この二点、確認をさせていただきたいというふうに思います。
  65. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 管制官とはルートを外れた以降、視認進入をしてもいいということの指示はいたしましたけれども、それ以降ルートを外れていたことについて、繰り返しになりますけれども、パイロットと交信し、アドバイスはしていなかったということでございます。  それから、これは重大な過失になるかどうかということでございますけれども、我々、事故とかそういうものでどういうものが重大な過失になるというような一応のルール、枠組みは作っておりまして、これはそれには該当しないということでございます。
  66. 池口修次

    ○池口修次君 事前にお聞きをする中でもそういうことであるということで、私は、是非大臣にお伺いをしたいのは、本当にそういうことでいいのかどうかということを実はお聞きしたいわけです。これが起きたのは実は、説明あったかもしれませんけれども九月十九日ということで、三年前の九月はこれは十一日で、多少は日にちはずれておりますが、何があったのかということと、東京タワーということになっていますが、東京タワーの近傍、多分ルート上に掛かるんじゃないかと思うんですけれども日本の貿易センターもありますし、余りこれは言うべきでないと思いますんではっきり言いませんが、更に日本を象徴する施設は結構近いところにあります。  さらに、最近のアルカイーダの犯行声明の中においては日本も攻撃対象であるということが出ているわけですから、私はやっぱりこの事象というのは、今のルールでいえば確かに局長の言うとおりかもしれませんけれども、やっぱりちょっとこれはそういうことではまずいんではないかというふうに私は思っておりますし、さらにいろいろ危機管理を担当している部署もあるんでしょうから、やっぱりそういうところに速やかにこういうことが連絡が行かないというのもちょっと問題があるんではないかというふうに思っております。  是非、大臣の御認識と、じゃ今後どういうふうにしていくのかということをお聞きしたいというふうに思います。
  67. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 御指摘のように、このタイ、オリエンタル・タイ航空機につきましては、今航空局長から答弁いたしましたように、荒川河口から新小岩、さらには両国、日本橋付近を通って、そして品川付近を通って羽田空港へということで、極めて内陸部に入ってきたわけでございます。この内陸部への飛行がこのように避けられなかったことは、私は、今委員御指摘のとおり、騒音の問題はもちろんのこと、危機管理の観点からも極めて遺憾であるというふうに思っております。  一つは、先ほど航空路誌という話がございました。これはパイロットの方がマニュアルにするものらしいですけれども、この航空路誌でもっと具体的に、より具体的に記述を行わせたいというふうに思っておりますし、また先ほど答弁があったとおり、このときは管制官からは何らアドバイスをしておらないんですね。これもやはりそういうことであってはならないと思うわけでございまして、そのような飛行機があるならばきちんと管制官から必要な指示をする、助言をするということはこれからしっかりとしていきたいというふうに思っております。
  68. 池口修次

    ○池口修次君 やっぱり世界の情勢が変わってきているということと、羽田の利用についても、今まではどちらかというと国内線、国内飛行機が使っていたということで、かなりそういう意味での安心感はあったんでこういうルールで良かったのかなというふうに思いますが、世界の情勢が変わってきているということと、羽田にもかなり各国の飛行機が入ってくるということもお聞きをしておりますので、是非私は、騒音の問題だけではなくて、危機管理上の対応ということでしっかりできる範囲は、やるべきことはやらなきゃいけないというふうに思っておるので、是非要請をしておきたいというふうに思っております。  次に、質問の中身はがらっと変わるんですが、高速道路料金の引下げということで、今回の臨時国会の冒頭の総理の所信演説にもかなりの目玉として下がるんだということを表現されていますし、北側大臣もかなり、私の受け止めた優先順位よりも高く表明をしております。  そういう意味で、まず今回の引下げというのがどういう中身でやられるのかということを確認をさせていただきたいというふうに思います。
  69. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えします。  今回の料金引下げは、民営化に向けたコスト削減等の成果を幅広く利用者を始め国民に還元するために実施するものであります。  昨年十二月の政府・与党申合せにおいて、高速国道の料金については、平均一割程度の引下げに加え、別納割引の廃止を踏まえ、更なる料金引下げを実施するとされたところであります。割引総額は、高速自動車国道の料金収入の一割程度の約一千八百億円に加え、現在約二千二百億円の割引額である別納割引の廃止及び約六百億円であるETC前払割引等の移行を踏まえ、総額四千六百億円の新たな割引を実施するものであります。  高速自動車国道の有効活用を促進するため、機械的な一律の割引でなく、大きく分けて二種類としております。利用実績に応じて割引となるマイレージ割引と、特定の時間帯について割引を行う時間帯割引であります。  具体的には、ETC車両を対象とし、午前零時から午前四時までの間に利用した場合、深夜割引として三割引き、地方で通勤時間帯に利用した場合、通勤割引として半額、東京及び大阪近郊で夜間から早朝の時間帯に利用した場合、早朝夜間割引として半額、一般利用者向けの利用実績に応じた割引であるマイレージ割引、大口利用者向けの利用実績に応じた割引である大口・多頻度割引をそれぞれ実施するものであります。実施時期は、深夜割引が来月の十一月一日から、通勤割引及び早朝夜間割引が来年一月十一日から、マイレージ割引及び大口・多頻度割引が来年四月一日からを予定しております。  以上であります。
  70. 池口修次

    ○池口修次君 今の局長の一番最初のところで、その民営化のメリットを幅広く国民に還元するためにというお言葉が今あったというふうに思います。  その意味でちょっとお聞きをしたいんですが、今の中身は、多分ETCを使っている人は割引が適用されるというのが今回の中身だというふうに思いますが、今現時点でこの割引制度を利用できる人がどのぐらいいるのかどうかということを確認をさせていただきたいというふうに思います。
  71. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) 現在、利用率、高速道路すべてでございますが、約二〇%ということでございまして、三百五十七万台ということでございます。
  72. 池口修次

    ○池口修次君 そうしますと、多分、今日本全体の自動車保有台数は七千万台ぐらいあるというふうに思います。そういう意味で、すべての車が使えるわけでは、高速道路を使うわけじゃないんですが、ただこの三百五十七万台というのは七千万から比べると五%ぐらいですよね。私は、ちょっとこの点が本当に、幅広く国民に還元するということと制度の中身が本当に一致しているのかどうかということが大変今疑問を持っております。  ただ、もっと申し上げておきますが、私はETCをできるだけ普及することについては賛成ですが、ただ、今言われた中身、まさしく局長が言ったように、今回の一割引き下げるというのは、昨年議論をしました道路公団民営化、この目的とか、ある意味目玉商品というのは、当初は無駄な高速道路を造らないというのが小泉さんの最大のセールスポイントでした。  ただ、これは、本当に無駄な高速道路があるのかどうかと、自民党の中の皆さんもそうでしたし、我がこの国土交通委員会は与野党を問わず、本当に無駄な道路があるのかどうかということでは一致していましたので、さすがにこれは小泉さんも取り下げて、これを目玉にはしませんでした。それで、何を目玉にしたのかというと、一つは四十五年で無料にしますということと、高速道路を一割下げます、高過ぎる高速道路を一割下げるということを目玉にしたというふうに私は理解をしております。  で、結果がこのETCの利用者だけに限った制度で、ETCの利用者は多分最大で三割とかかなり下がるというふうに思いますが、その利用者は、今発言がありましたように所有台数でいうと五%ですね。五%の人が対象で九五%の人は対象にならないという制度で本当に幅広く国民に還元するということで言えるのかと。  私は、あえて言えば、見方からすれば、このETCを促進するための手段として今回の大きく取り上げた一割削減というのが使われてしまった。そのこと自体が決して悪いことだ、全く悪いことだというふうには思っていませんけれども、本当にそれでいいのかなという疑問を持っております。是非、この点を大臣にお聞かせ願いたいというふうに思います。
  73. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 先ほども委員の御質問の中でETCについて肯定的な御評価をいただいたというふうに理解しておるんですけれども、ETCの普及の意味というのは、高速道路利用者に限らず、料金所で渋滞解消をさせる、さらには沿道の環境改善を図ると等々、高速道路利用者に限らず、これはやはり国民全体に大きな利益をもたらすのではないかと。また、このETCが普及をしてきますと、当然料金所での一層のコスト削減とか、さらには建設費の削減とか、そういうコスト削減にもつながってくる、そういう意味ではこれも国民の全体の利益にかかわる問題だと。  そういうことで、このETCにつきましては、現状はまだ二〇%ですが、これは是非とも一〇〇%を目指してこのETCの普及をしっかりと推進をさせていただきたいというふうに考えております。
  74. 池口修次

    ○池口修次君 先ほど申しましたように、私はETCの意義を否定しているわけではなくて、ETCは私は導入すべきだという考えの者です。ただ、今回の一割削減は、昨年の道路公団の民営化、民営化すれば高過ぎる高速道路は一割下がるんですよということが、総理が言った大きな民営化の成果なんですよね。それをやっぱり、先ほど言いましたように、車の台数でいえば五%の人に集中するということは、私はやり過ぎではないかということを言っているだけなんです。  ですから、先ほど言いましたように、原資は四千六百、一千八百の別納だとか前納だとか入れて全部で四千六百億ということなんですが、この四千六百をすべてETCに、ETCを付いているか付いていないかでもう割引ができるかできないかというのが決定してしまうんですよね。やっぱりそれはちょっといかにもやり過ぎではないかと。  だから、私が例えばでいえば、一割のところは、やっぱり全部の高速道路料金を一割下げるということがまずあって、さらに別納だとか前納の制度をETCを使った割引をするということがなければ、やっぱり全国民が期待をした、高速道路がやっぱり高いのが少し下がるんだなということに対しては答えにはならないんではないかということを私は申し上げているだけでございます。  何か、重ねてはない、ないですよね。
  75. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 質問の御趣旨はよく理解をしております。  一方で、先ほど私が申し上げましたように、ETCというものの持つ意味というのは非常に大きな意味を持っていると。このETCの普及をできるだけ早くしたいというふうに思っておりまして、今目標にしていますのは、平成十八年度春までには全国利用率で七割、都市高速においては八五%の達成を目指すということで、できるだけ早くこのETCを普及ができるように、またETCの搭載に余り手間暇掛からないように、そういう努力もしっかりして、ETCの普及を是非させていただきたいというふうに思っております。
  76. 池口修次

    ○池口修次君 ということで、実は私はETCを促進しろということを本当は言いたいので、その観点で少し何点か質問をさせていただきます。  一様に、これも十月の二十一日以降、読売新聞を中心に実態が報道がされたわけですが、高速道路料金収受業務の問題で、一つはいまだにやっぱりファミリー企業が独占を、契約をしているということと、落札価格もファミリー企業しかやっていないところはほぼ予定価格どおり、一〇〇%に近い価格で落札されておって、一方で、一部一般のところが入ったところはそれよりも相当低い落札がされているという問題と、さらに予定価格自体が、本来は必要な金額以上にこれが、予定価格自体が設定されている、それで一〇〇%ですから、かなり効率化できるというようなトーンでの新聞報道がありました。  この中身を確認をさせていただきたいというふうに思います。
  77. 奥田楯彦

    参考人奥田楯彦君) お答えさせていただきます。  御指摘の新聞報道の内容につきましてはほぼ記事のとおりでございますが、正確に申し上げますと、平成十五年度の行政コスト計算書におきます子会社、関連会社以外の二社が記事ではファミリー企業として取り扱われておりまして、この二社を除きますと、平成十六年度契約の料金収受業務五十五件のうち、子会社、関連会社だけが入札参加し落札した件数は四十六件、全体の八三・六%でございます。落札率につきましては、この四十六件すべてで予定価格の九八%以上となっておりまして、このうち四十二件が九九%以上となっております。  なお、この料金収受業務の入札契約手続でございますが、ファミリー企業か否かを問わず広く参入希望者を公募する競争入札方式を平成九年度から採用し、さらに応募要件につきましても、参入しやすく競争性が確保されるように、その条件整備に努めてまいりました。  今回の落札状況につきましては、私ども、適正に行われた競争入札の結果であると認識しておりますが、今後とも、入札契約手続につきましては、競争性、透明性が確保できるよう努めてまいりたいと思っております。
  78. 池口修次

    ○池口修次君 ファミリー企業が落札をしておっても適正にやったんだというお言葉ですけれども道路公団の民営化の議論をしているときに、扇大臣は、やっぱりファミリー企業の介在というのがいろいろ非効率な問題があるということは認めていたわけで、これは見直すということが前提になっているのにもかかわらず、やっぱりこういう事態があって、これは専門家の方から言わせると、いや別に九九とか九八という落札もおかしくないんだということになるかもしれませんけれども、やっぱり国民から見ると、こういう、やっぱりこの報道の方が事実じゃないかなというふうに疑われてしまうわけで、やっぱりこれから民営化するんだと、民営化したときにはこのファミリー企業とか、こういう概念というのは、ファミリー企業とは極力関係を少なくするんだということは言える、民営化すれば言えるんですかね。別に、民間会社が関連会社作るというのは別におかしくはないですよね。そうすると、やっぱりこういう体質が残ったまま民営化されるというのは本当に良かったのかなというふうに私は思うんですが、どうなんですか。
  79. 奥田楯彦

    参考人奥田楯彦君) 来年度の民営化を控えておりまして、この料金収受業務を含む業務執行体制、料金収受業務を含みます民営化後の維持管理業務につきましては、現在効率的な業務執行体制、安全性、信頼性の確保、またグループ経営の円滑化などの観点から、一つは内部化、インハウス化でございます。また一つは子会社化に、子会社に委託する、また三つ目は市場競争原理にゆだねると。この三つの業務に区分いたしまして、その契約の在り方につきましても抜本的な見直しを現在行っているところでございます。
  80. 池口修次

    ○池口修次君 じゃ、もう一つ、これは道路局にお聞きをしたいんですが、ETCを導入するに当たって、ゲート、ユーザーもそうです、それぞれのユーザーもそうですが、やっぱりゲートにETCの信号を感知するための工事をしなきゃいけないわけで、かなりの金額がそれに使われているというふうに思います。  ただ一方で、ETCを導入すれば、先ほど大臣が言いましたように、理論的には止まらなくても行けるわけですから、スルーで行けるということと、専用ゲートであれば料金収受の人が要らなくなりますから費用はかなり削減ができる。だから、初期投資が相当あってもいつかは還元されて、更に長期間になればETCの方がコスト的には安くなるんじゃないかというふうに私は理解をしているわけですが、ここ数年の中で料金収受業務の費用が本当に削減されているのかどうかということを確認させてもらいたいと思います。
  81. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えします。  高速道路における渋滞の約三割が料金所で発生しており、その経済損失は年間三千億円と試算させていただいております。  ETCに関しましては、平成十年度より施設整備を開始し、平成十三年三月より一般運用を開始したところであります。平成十五年度までに、四公団合わせてでございますが、約二千二百億円を投資し、年度末までに全国の基本的にすべての料金所への整備を完了したところでございます。  今年の十月現在、ETC利用率は全国で二二%となっており、例えば首都高速道路の本線料金所では渋滞が半減というようなことになっております。ETCの利用率が五〇%に達すれば、全国料金所渋滞がおおむね解消されると見込まれ、年間約三千億円の経済効果があると試算させていただいております。このため、国土交通省と公団では、全力でETCの普及促進に努力しているところであります。  料金収受経費は、ETC導入前の平成十二年度、四公団で約一千三百億円でありましたが、ETC普及に伴う削減だけでなく、料金所職員の運用体制の見直し等も含めてでありますが、平成十六年度は四公団で約九百億円まで大幅に削減しているところであります。今後のETCの利用促進は料金収受経費の更なる軽減に資するものと考えているところであります。  以上であります。
  82. 池口修次

    ○池口修次君 ちょっと今の数字を確認させていただきますが、その十六年度で九百億というのは、これは確定した数字ということでよろしいんですか。
  83. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) 予算額でございます。
  84. 池口修次

    ○池口修次君 そうすると、ちょっと本当に確定数字で九百億になるというなら私はそれなりの収受費用の削減というのはあったのかなというふうに評価はできるんですが、事前にいただいた資料ですと、平成十二年度が一千二百八十三億、十三年度は一千二百八十九億、十四年度は一千二百三十億、十五年度が一千百十六億、十六年度が八百九十一億ということなんですが、十五年度は少し、一〇%ぐらい下がっているんですが、急にこれで三〇%ぐらい十六年度で下がるということで、それなりに専用ゲートの数からいけばそうなるのかなというふうに思いますが、ここで予算の執行状況を含めて、九百億ぐらいの効果が出るということで局長は約束していただけますか。
  85. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えします。  最大限、四公団と連携しながら努力を努めたいと思います。
  86. 池口修次

    ○池口修次君 まあ私の質問はやっぱり下げなきゃいかぬということを言っているわけで、ここの答弁だけで終わらないように、本当に下げていただかないと、やっぱりETCの整備費というのは、ちょっと事前にお聞きしたのだと平成十年から十五年で二千二百億使っているんですよね。だから、その効果は今の時点では全く出ていないということですので、早くやらなきゃいけないし、やっぱりこれを削減するためには、実は専用ゲートを作らないと削減はできないんです。  で、どうも専用ゲートの数がどのぐらい設置がされているのかということを見ると、多少場所によっても違いますが、必ずしも、設備はすべてのゲートに付いておるけれども、そのうちの、まあ七、八か所あるうちの一か所が専用ゲートということで、必ずしもETCを導入をするため、先ほど言いましたように、今二〇%のものをどんどん増やしていくためには、やっぱりETCのメリットというのを肌で感じてもらって、ETCを付けている人がどんどんすいすいと横から行くと、ETCを付いてないとちょっと止まるということも一つの、やっぱりそういうことで、ああETC付けたいなと思う効果があると思うんですが、必ずしも今、場所によってはそうはなっていなくて、ほとんどが兼用ゲートで、専用ゲートがあるとしても非常に専用ゲートを端の方に追いやっているという実態を見ると、本当にこのETCを促進しようということですべての関係者が一致しているのかなと。  先ほどの質問になるわけですが、実はETCが普及をして困るのは先ほど言ったファミリー企業なんですよね。ファミリー企業はその仕事を請け負っていて、専用ゲートになっちゃうと、ゼロにはならないですけれども、かなり減ってしまう。そうすると、そのファミリー企業にとってみれば死活問題であるのは事実なんです。だから、そう考えると本当に、じゃ一〇〇は無理にしても八〇とかというところを早急に付けたいということで関係者が一致しているのかどうかということを、これはやっぱり大臣にお答えいただくしかないので、大臣のこの決意も含めてちょっとお聞きをしたいというふうに思います。
  87. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) もう委員の御指摘と全く同感でございまして、このETCの普及をしっかりと進めていきたい。間違っても、何かファミリー企業があるから、そのために何か料金所を残すというふうな、そんなことは絶対にさせてはならないというふうに思っております。  ただ、技術的に、特に都市部はそうなんですけれども、二つしかないところがあるんですね、料金所が。そうすると、一か所はいずれにしても残しておかないといけないという問題がありまして、そこら辺のところを今後どうしていくのかよく考えていかないといけないなとは思っておりますが、いずれにしましても、このETCの普及には全力で取り組んでいきたいと思っておりますし、また他の理由で、そうした今委員が御指摘があったような理由でETCの普及が遅れるだとか料金所が残るだとか、またETCが目的にしたコスト削減だとか、そういうのに支障を来すというようなことがないようにしっかりと進めてまいりたいと思っております。
  88. 池口修次

    ○池口修次君 私も、今のETCの普及実態からいって、そんなに専用ゲートをたくさん作るということは、それはどだい無理な話で、ほとんどの車が付いていないわけですから、その人たちが迷惑被るわけですからそれはできないというふうに思っていますが、ただ、やっぱり見た目、すべての人が見て、やっぱりETCを付けたいなという施策を、先ほど言った料金の引下げだけではなくてそのほかの施策でも、やっぱりそういうのと一致をしていないと何となく疑問が感じますので、それはお願いをしたいというふうに思います。  さらに、私は、高速道路料金というのは、私はいかにもやっぱり高過ぎるというふうに思っております。今回一割下がるということなんですが、やっぱりもう少し下げる必要があるんではないかと。理由は、一つはやっぱり元々高過ぎて、日本のユーザーは高速道路のために負担が多過ぎるというふうに思っております。  さらに、地方は活性化しなきゃいかぬということですが、やっぱり地方が元気を出す一つの要因として、地方が持っている輸送コストのデメリットを解消するということも必要だというふうに思っておりますし、更にやっぱり私は、一番大事なのは、高速道路日本にとって大事な社会資本だというふうに思っております。これは、全国の知事、市町村長さんもみんな高速道路が欲しいということを言っているのは、やっぱり重要な社会資本であるということだと思うんですが、ただ残念ながら、私の理解としては、余りにも高速道路が高過ぎるために重要な社会資本が国民に広く開放されていないという認識にやっぱり立つべきではないかなというふうに思っております。やっぱりこれから日本の活性化をさせるためにも、高速道路が持っているメリット、有用性というのを広く活用するという観点に立って、やっぱり高速道路料金を大幅に下げるということも更に検討をすべきではないかなと。私は方法はいろいろあるというふうに思っております。  是非、そんな観点で考えていただきたいんですが、大臣の御所見がありましたらお願いします。
  89. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) まずは道路公団等四公団のこの民営化を進めていく中でコスト削減をしっかり進めていく、それを財源にしながらこの利用者負担をまず一割を目標に引き下げていくということで、その後の話はまた、それは低い方がいいに決まっておりますので、更なるコスト削減をしていくために、コスト削減をして、料金所のこの費用について安くできればいいと思っています。  ただ、道路特定財源を使えという、そこまで今日は御質問されておらないわけでございますが、そういう意見もございます。ただ、道路特定財源というのは、一方でまた他の道路の維持管理費、また新しい今後の必要な道路、本当に必要な道路、そういうものに充てていく必要があるわけでございまして、今現時点で言えますことは、この道路公団等の民営化が進む中でともかくしっかりコストの削減をして、それを財源にしながら軽減をしていきたいというふうに思っております。
  90. 池口修次

    ○池口修次君 私は道路特定財源を直接言わないで、方法はあるんじゃないかというふうに言いましたが、大臣の方からそう言われましたので、私は道路を、今造っている道路の費用を減らせというふうに言うつもりは現時点でありません。保守点検費用、保全費用も減らせと言うつもりも実はありません。  ただ、現実、小泉内閣になりまして、公共事業は削減をするというのが、まあいいか悪いかは別にして、そういうスタンスでなっております。そうしますと、どうしても道路特定財源の収入というのはこれは一定していますから、ギャップができております。それで、ギャップがどう使っているのかというのは、これは国土交通省がよくお分かりですのであえて言わないんですが、端的に言えば、まあこれは一部の報道ですから事実かどうかというのは確認ができませんけれども、やっぱり今回の予算の中でも国土交通省は六百億円等の費用を値下げの試験に使いたいということを提案したかったんだけれども、ある財務省の方が、高速道路に特定財源入れちゃいかぬという一喝でなくなったとかいう話がありますし、今、本四架橋に三千億ぐらいお金を実は入れております。これは道路特定財源で、だから今は入れられる状況になっているんです。それは、別に道路を造っているわけじゃないですよね、本四架橋の借金返済ですから。だから、その費用も二、三年後にはどういう使い道があるかということがあるわけで、私は、まあ閣議決定があるようですが、ちょっと閣議決定のできた時代というのは、道路公団にお金をどんどん、税金を入れるとどんどん道路を造るんじゃないかというような背景の中で閣議決定が出ているわけで、私は、高速道路というのは道路ですから、道路特定財源は使っちゃいかぬというのは何なのかなというふうに実は思っております。  そういう意味で、今こうすべきだというのを、結論を求めているわけじゃないんですが、やっぱり日本の、先ほど言いましたように日本高速道路というのは元々世界の中では高過ぎるわけですし、重要な社会資本を割と使いたい人が自由に使えるということが私はこれからの日本にとっては非常に大事なことだというふうに信じておりますので、是非お願いをさしていただきたいというふうに思います。  ちょっと時間がなくなりましたので、一点だけ、もう一点お聞きしたいんですが、これからはやっぱり環境の時代ということで、ロシアが京都議定書を批准をしたということで、来年にもこれが発効がされるというふうに言われております。それに対して、今の日本のレベルでいうと、京都議定書が議論したときよりも更にCO2の発行量、発生量が増えておって、まあとてもではないけれどもそう簡単に、今までは、二〇〇四年まではたしかそれぞれの省が発行量、CO2の発生量を減らすということで進めてきたかというふうに思います。ただ、これからそういう事態の中でどうやって京都議定書を守っていくかということで、一つの議論として環境税という議論が出ているというふうに私は思います。  この環境税については、役所の構図でいうと環境省は当然導入をしたい。ただ、経済産業省は、こんなの導入されたら企業の国際競争力がなくなるから絶対反対と。まあその背景には経済団体がいるというのは事実ですが。  この環境税が導入されるとかなりやっぱり影響が被るのは自動車ユーザーであるわけで、じゃ自動車ユーザーも、では今の税制のままで環境税を更に払いますよと言う人は多分いないというふうに私は思うんで、その人たちの声をだれが酌み取ってくれるのかというと、役所でいうとやっぱり国土交通省じゃないかなというふうに私は思っているんですが、ただ、少し国土交通省としてこの環境税についてどういう見解を持っているかというのが、私自身の認識不足か分かりませんけれども余りはっきりしていませんので、ひとつ大臣のこの環境税に対する考え方を是非お聞きをしたいというふうに思います。
  91. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 環境税については従来から論議があったわけでございますが、今ようやく本格的な議論に入り始めたという段階で、論点が一杯あるわけでございます。  そもそも環境税という税を一体何に課すのかという問題もあれば、その課すことによって、じゃ具体的にそのCO2の抑制にどの程度効果があるのかということも全くこれからの議論でございますし、また、そういう環境税を課すことによって産業界や経済界に与える影響がどうなのか、これも大事な論点でございますし、さらには石油石炭税がございます、現に。この石油石炭税との調整をどうするのかだとか様々な論点があって、今ようやく本格的な論議の入口に入り始めた。また、その環境税、環境税という言葉が走っていますけれども、じゃ具体的に何が環境税なのという話も全く出ておらないわけでございまして、本格的な連携は全くこれから、今申し上げたような論点をしっかりと検討していく必要があるというふうに思っております。
  92. 池口修次

    ○池口修次君 私も、今大臣が言われたこととほぼ同じ認識を実はしております。  環境省ももう少し、環境税を言うんなら、何のためにこのお金を使うんだというのを明確にしてもらわなきゃいけないし、じゃ環境税をやれば燃料の使用に対して抑制の効果があるということをかなり環境省は大上段で言っていますが、私はそんなことは、今言われているようなレベルの数字で、じゃ環境税を課したから使用が抑制されるなんということは私はないというふうに思うんで、やっぱり環境税を言うんであれば、じゃ環境税を何に使うかというのをやっぱり明確にしなきゃいけないというふうに思いますし、経済産業省が言うのも私は一理あるというふうに思いますし、やっぱり本当に経済界、産業界に今の税制を維持したままで更に環境税を乗せるということがいいのかどうか。  これは、やっぱり国土交通省にも是非お願いしたいんですが、今の自動車ユーザーというのは相当過大な税負担をしております。それに更に環境税。今言われているのはリッター当たり二円とか三円とかいうことですが、ただ、やっぱりこの数字、今百十円とかいう中で二円というと少ないということの整理ではなくて、今でも重い税制に更に環境税が賦課されていいかどうかということを是非踏まえて、国土交通省としてもいろいろな場面で発言をしていただきたいし、また大臣にもお願いをしたいと。  この点については、私は、小泉総理は、環境税をもし導入するということであれば、やっぱり現行税制との関連というのは十分検討しなきゃいけないというのを予算委員会で発言をしていただいておりますんで、私はまずはそのスタンスでいいかというふうに思いますが、是非これ以上自動車ユーザーの税負担というのが増えることのないように私は重ねてお願いをしたいというふうに思いますし、さらに、自動車の税制というのは何かよく、できた趣旨と使っている趣旨というのが分かんないようなものもあるというふうに私は実は思っております。北側大臣は政策に非常に詳しいんで、そうではないという反論もあるかもしれませんけれども、やっぱり自動車の位置付けが昔はぜいたく品ということでいろいろ税金が掛けられたわけですが、今はぜいたく品では私は決してないというふうに思いますし、燃料課税にしても、ウエートが多分、私は、環境に対する負荷にウエートを移さざるを得ないというふうに実は思っております。  そういう面で、是非今の自動車の体系の見直しも頭に是非重く置いていただきたいなということをお願いをしまして、質問を終わりにさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  93. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗です。  大臣、御就任おめでとうございます。  本日は、当委員会に所属になりまして初めての質問でございます。質疑時間は二十分間、簡潔かつ良い答弁をよろしくお願いしたいと思います。  さて、今日は防災関連に限って、絞って質問したいと思いますが、最初に、今年の一連の災害でお亡くなりになられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。また、御遺族の皆様に対して心からお悔やみを申し上げたいと思います。負傷された方々、今なお避難生活を余儀なくされておられる方々、衷心よりお見舞いを申し上げます。私たちも救援、復旧に全力を挙げて頑張ってまいりますので、是非とももうしばらく頑張っていただきたいと思っております。そして、寝食を忘れて救援、復旧のため頑張っていただいております自治体関係者の皆様、自衛隊、警察、消防等の皆様、ボランティアの皆様の活動に心から敬意を表したいと思います。  質問に入ります。  今年は史上最多十個の台風が相次いで襲来し、従来にない雨量の雨が降りましたが、このような気象状況は今後も続くのでしょうか。
  94. 長坂昂一

    政府参考人長坂昂一君) お答えを申し上げます。  大雨の発生数はそれぞれの年によりかなりの変動を伴っていますが、近年、その回数が増加する傾向にございます。このような気候変動の原因の一つとしまして、地球温暖化が考えられるところでございます。  いわゆる地球温暖化が更に進むと見込まれる今二十一世紀の将来見通しにつきましては、気象庁を始め世界の多くの専門家が参加している国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCと称されておりますが、が平成十三年にまとめました第三次評価報告書において、強い降水現象が多くの地域で増加する可能性がかなり高いという見解が出されております。  以上でございます。
  95. 山本香苗

    山本香苗君 大臣もこの御認識は一緒でございましょうか。
  96. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 是非、気象庁を始め専門家の方々にこれはしっかり研究してもらいたいと思っています。  私は素人ですのでよく分かりませんが、ただ、今年のこういう状況を見ますと、今年のようなこのような台風が十個も襲来する、また夏の梅雨前線で大変な豪雨に見舞われると、このようなことはやはり今後もあるという前提の下で今後の防災対策をやっぱり考えていかないといけないというふうに考えております。
  97. 山本香苗

    山本香苗君 この傾向は続くと見なくちゃいけないんじゃないかという政府の御認識だと思うんですけれども、では従来の治水計画におきまして雨量というものはどう想定されているんでしょうか。
  98. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 一般論で申し上げますが、あるその川の流域の基準点というのを決めまして、そこから上流の流域平均雨量と申しますが、これの超過確率、過去のデータを整理しまして、例えば百分の一とか、そういうような形の統計解析に基づく数値を出しまして、これを対象降雨といたすことにしております。
  99. 山本香苗

    山本香苗君 平たく申し上げますと、いろいろ今までのデータを積み上げていって、それによって想定降雨量、対象降雨量とおっしゃられましたけれども、そういったものを決めていらっしゃるということなんですが、大臣は二十二日の記者会見で、一連の台風災害を見ると雨量が従来にない多さだ、想定する雨量が本当によいのか点検する必要があると、治水計画を根本的に想定から見直すような発言をされていらっしゃることが報道されておりました。  そこでお伺いしたいんですが、想定されている雨量が今のままでよいのかどうか、今後どのような形で点検されていかれるのでしょうか。また、その結果に基づいて、どこまで、どの程度その治水計画の見直しが必要だとお考えなのか、発言されました大臣にお伺いしたいと思います。
  100. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) これは治水対策だけではございませんが、土砂災害も含めまして、今年のこの大変な災害、豪雨による災害の経験というものをやはり今後の教訓としなければならないことが多々あると思うんです。  今、私、関係部局はもちろんでございますが、地方整備局等にもお願いをしておりまして、今年の様々な災害、各地域地域での災害について総括をきちんとしてもらいたいということをお願いしているんです。そこで、そうしたものを取りまとめまして、今後のその災害対策、防災対策に反映すべきものはしっかりと反映させたいし、予算的にも優先順位を付けるものはきちんと優先順位を付けていかなきゃいけないというふうに思っているところでございます。  今御指摘の雨量の話でございますが、治水計画で計画規模を上回るようなそういう洪水が発生したという場合には、当然この計画内容は点検し、必要に応じて計画の対象降雨量、それから洪水流量を適切に見直していくというのは当然必要であるというふうに考えております。
  101. 山本香苗

    山本香苗君 一番最初に、冒頭にお伺いしたように、いわゆるこれからこの雨量が増えていくような、増加傾向が見られるという御認識を重大に持っていらっしゃると。他方で、そういった今従前のものがあると。それを、今こういった大変台風が、集中豪雨が多い中でどうしていくのかというのをもう一回、想定まで立ち返った検証をしっかりとしていただきたいと思いますので、強く要望しておきます。  このように、治水計画、大事だという認識が今、治水だけではないですけれども、大事だという認識があるわけでございますが、ハード面だけではやはり対応できないと、多重構造でやっていかなくちゃいけなくて、ソフト面も大事だということをさきの委員会でも御答弁されていらっしゃいましたけれども、その中で、有効なハザードマップというのはまだまだこれからやというような状況だというような御答弁もございました。  じゃ、これからどういうふうな形でしっかり普及促進をしていくのか、そこの具体的な策についてお伺いしたいんです。  我が党からもハザードマップ作成に関して、早急な全国普及のための計画策定と予算措置を行うことということで申入れをさせていただいておりますが、計画的にやっていくようなことを国土交通省の方からしっかりとお示しされてやっていくのが筋じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  102. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 御指摘のありましたハザードマップでございますが、その有効性は認められているところでありますが、まだ普及が不十分でございます。現在、三百六十一の市町村で作成されて市民への周知が図られておりますが、今年の水害に遭ったところでもハザードマップを作っていないというところが多数ございました。  これらにつきましては、まずはその作成主体であります市町村がハザードマップの重要性ということを認識していただかなければならないと思いますが、それの作成の前提となります浸水想定区域というものを河川管理者の方がデータとしてお示しするということが必要になります。これは、水防法に基づいて指定されております洪水予報指定河川という河川にかかわる市町村をまず優先的に進めていかなければならないというふうに思って今掛かっているわけでございますが、なお洪水予報指定河川じゃないものについても、重要な川についてはやはり作成して普及していくことが重要だと思っています。  今お話にありました具体的にはどうしていくのかということにつきましては、その浸水想定区域を作る場合の技術的なマニュアルでありますとか、それから市町村がそれを受けてハザードマップを作成する際のガイドライン、こういうものを作成しまして、中小河川についても進んでいくように国土交通省としては御支援をしてまいりたいというふうに思っております。
  103. 山本香苗

    山本香苗君 市町村の方でもこのハザードマップは大事だという認識はされていらっしゃる。そこで、作りたいけれども技術的なところの支援が欲しいというところもあるので、今おっしゃられたようなことをきちっと進めていっていただければと思っております。  次に、新潟中越地震についてお伺いしたいわけなんですが、北側大臣地震発生翌日にはもう現地入りされて、その状況をつぶさに視察されてきたとお伺いしております。  国土交通省として、今回のような地震への備え、それは本当に十分だったのかどうなのか、改めるべき点があるのかないのか、あるんだとしたらどういう点を改めていくべきだとお考えなのか。実際視察をされての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  104. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) かつて、御承知のように、阪神淡路大震災がございました。それを契機といたしまして、これは国土交通省だけではございませんが、様々な耐震基準というものを改正をしてまいりました。ですから、その後の新しい耐震基準の下で、その後のインフラ整備についてはそうした非常に高い基準でのインフラ整備になっておりますので大丈夫なんですが、問題は過去のやつなんですね。過去やったものについては、そうした求められている耐震基準に合わないものがやはりあるわけでございます。それについては、これまで国土交通省としても優先度の高いものを先にということで進めてきたわけです。  例えば橋なんかは、これはやはり耐震基準に満たすということは極めて大事なわけですね。橋が仮に崩れてしまったら、下に鉄道が走っていたり道路があったりするわけで、更に二次災害が、二次的な災害が生じてくる可能性があるわけでございます。そういう優先度に応じて今一生懸命やっているところですが、まだ終わっていないという段階でございます。  今回の地震についても、河川堤防が壊れたところもあります、信濃川ですが。さらには鉄道、さらには道路、また住宅等々、国土交通省所管の様々なインフラがあるわけでございまして、そうしたところで大きな被害被災に遭ったところにつきましてはそれぞれ専門家に見ていただきまして、なぜこのように例えば信濃川の堤防に亀裂が生じたのかとか、道路についてこのような被災に遭ったのか、そういう専門家の方々に行っていただいておりますので、その辺の調査を、結果をしっかりと今後に反映させたいというふうに思っております。
  105. 山本香苗

    山本香苗君 その中の課題の一つであると思うんですけれども、先ほども土砂災害の話がございましたが、今回の地震で約千二百か所の土砂災害が起きていたことが国土交通省の上空からの調査で分かったそうですが、今後も余震やまた雨が降ることによって再び土砂災害が起きるおそれがあるんではないでしょうか。  昨日は、行方不明になっていた皆川さん親子三人の捜索が長岡市内の土砂崩れの現場で行われて、土砂に埋もれた車付近から長男の優太ちゃんが四日ぶりに無事救出された。今なお娘さんの救出作業は続けられており、残念ながらお母様はお亡くなりになられたということでございますけれども、こうしたことを繰り返さないためにも、また二次災害を防ぐためにも、早急に危険箇所の点検を行って応急対策を取るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  106. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 二次災害が起こらないようにすることが今一番緊急性を必要としているところだと思います。これにつきましては、昨日から現地に土砂災害対策緊急支援チームというのを送り込んでございます。これは、国土交通省、それから研究機関、それから周辺の県、あるいは砂防の技術を持っておられるボランティアの方、こういう方で班を編成しまして、二次災害の危険性のあるところの調査に入っております。  そういう調査を受けまして、緊急に対応すべきところ、それからどういう工法で対処したらいいのかと、こういうようなことを集約しまして、早急に取り掛かってまいりたいというふうに思っております。
  107. 山本香苗

    山本香苗君 また、今回の地震道路が寸断されて孤立地域が数多くできて、映像を見ていますと、実際いろんな波打ったような形をした道路の映像というものが何度も何度も流れておりましたけれども地震のみならず、今回の一連の台風、集中豪雨の関係で現場に足を運んだときに、道路の復旧について各自治体からも多くの要望、住民の方々からも要望をたくさん受けているわけでございますが、大臣もいろんなところに現場視察していただきましたが、道路復旧は極めて大事、その認識を示されておりましたけれども、今後のこの道路の復旧に向けての見通し、またその応急措置を含めた復旧の在り方についてどのような方針でなされるのか、お伺いしたいと思います。
  108. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えします。  北陸自動車道、関越自動車道の高速道路につきましては、被災翌日の二十四日に緊急輸送物資を運搬する車両が通行できるよう応急復旧をしました。また、大臣からの指示により、緊急車両について、高速道路を通行する際、料金、通行料金を徴収しないよう措置したところであります。さらに、二十六日には、北陸自動車道の全線と関越自動車道の一部区間で一般車両の通行を可能としたところであります。国道十七号の被災箇所につきましても、二十五日までに応急復旧を行い、川口町の和南津トンネルを除いてほぼ一般車両の通行を暫定的に確保したところであります。和南津トンネルにつきましても応急復旧に努めているところでありますが、二十五日までに並行する県道を修復し、緊急車両等の通行を可能としたところであります。  県等への支援でございますが、現地に連絡調整室、更に現地支援対策室に格上げされましたが、職員を派遣し、県との連絡調整、県からの要請を受けて様々な対応をしております。例えば、災害査定官の派遣、地質や橋梁等の専門家の派遣、更には道路照明車や造水車を派遣しておるということでございます。  道路ネットワークの機能が確保されるよう県等と連携を強化しながら、全力を挙げて復旧に取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。
  109. 山本香苗

    山本香苗君 昨日、余震があったということもあるんですが、新幹線の関係につきまして、今の現状について最新の状況をお願いします。
  110. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 新幹線につきましては、現在、施設全体の調査を実施中でございますが、おおむね高架橋の被害状況については把握しております。大体、四十五本程度損傷を受けたというふうに聞いております。しかし、余震が続いておりますので、トンネルの中に入ることができません。したがいまして、トンネルがどういう被害を受けたかをまだ調べ切っていない状況でございます。  そういう意味で、復旧の見込みにつきましてはまだめどが立たない状況でございます。施設の状態によりましては、運休が長期にわたるということも考えられます。私どもとしては、一日も早く復旧に努めていきたいと思っております。
  111. 山本香苗

    山本香苗君 今年の自然災害による被害額はかなりの額になるであろうと、先ほども諸先生方からのお話にございましたけれども、本当にかなりの額になることが予測されておりますが、被災された方々が一日も早く元の生活に戻れるように、この復旧・復興事業に万全の予算措置を取っていただきたいと思います。  また、もう本当に何かがあってからでは遅いんだと、そういう認識に立って、平時におけます防災対策をしっかりと進めていっていただきたいと思います。  ということで、最後に、この災害復旧・復興、そして防災対策に掛けます大臣の並々ならぬ決意をお伺いしまして、終わりたいと思います。
  112. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) この台風二十三号、そして今回の中越地震のその前の段階でも、既に国土交通省関係の公共土木施設等の被害報告額は五千億円を超えております。  ともかく、今年の災害被災した、そうした様々な被害につきまして全力で復旧に努めてまいりたいというふうに思っておりますが、予算面において、各地方地方、各現場現場で予算上のことから支障があることは決してないように、しっかり取組をさせていただきたいと思っております。  まずは、予備費をしっかり使う、また今の状況ではもう当然補正が必要になってくると思いますが、補正予算の編成につきましても、通常国会冒頭できちんと処理ができるように進めていきたいというふうに思っているところでございます。
  113. 山本香苗

    山本香苗君 ありがとうございました。
  114. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  新潟県の中越地震と、既に十個もの台風や集中豪雨により犠牲となった方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  私は、七月に国会に来させていただいて以来、相次ぐ災害の中で被災地各地を調査をし、政府の対応をそれぞれ求めてきましたけれども、中でも、人命が奪われた現場で、犠牲者がどれほどの恐ろしさと無念の思いの中で亡くなられたか、また生活の根底を破壊された被災者が生活再建のためにどれほどの困難に立ち向かわなければならないかを思うたびに、この被災者の声にこたえて、命と安全、暮らしを守ることこそ政治の最優先の責任だと痛感をしてまいりました。  特徴的なのは、従来の常識を超えた災害になっているということだと思います。河川道路、あるいは堤防や防潮堤、治山対策など、政府や自治体の管理施設についても、これがどのような想定、基準で造られたものなのか、あるいはその管理の状況、これらを改めて総点検をし、近時の気象状況に見合ったものにしていく必要があり、その意味で新しい発想での対策が求められていると思います。政府を挙げての取組と万全の予算措置を求めたい。  そこで、まず堤防など河川管理の施設についてお伺いをいたします。  この間の災害の特徴の一つに、直轄河川だけではなくて、中小河川のはんらんによっても甚大な被害が発生をしたという点があるのではないでしょうか。  私は、二十三号台風被災した香川県の東かがわ市を訪ねました。山間部の土石流市内四本の河川、特に湊川、与田川の河岸の決壊や洗掘、そのはんらんで家も田畑も公共施設もめちゃくちゃになって、市内至る所が土砂で覆われて、その除去もままならないという被害に茫然といたしました。孤立集落は何とか解消されたけれども、なお避難所生活をされておられる方々がたくさんいらっしゃいます。  国土交通省は、新潟、福島、福井の豪雨を受けて、全国堤防など、河川管理施設の緊急点検を行って、その中で、直轄管理の部分で七十か所、都道府県管理の部分で九百五か所、合わせて九百七十五か所の要対策箇所があったと報告があっていますけれども、この東かがわ市の四つの河川、これはこの中に入っていたでしょうか。
  115. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 香川県内の河川についても調査をしておりまして、全体では三百七十キロございましたが、この点検を行っております。その結果、十一か所で早急な対策が必要だというような状況にございまして、現在、それへの対策が終了したところが三か所というふうに聞いております。
  116. 仁比聡平

    仁比聡平君 今お話のあった十一か所の中に東かがわ市の四河川は入っていないと思います。  もう一度お尋ねしますが、十一か所の中に入っていないですね。河川局、お答えください。
  117. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 今申し上げました数字は、いずれも県の管理の二級河川での数字でございますが、河川ごとのデータ、手持ちにございませんので、また御報告させていただきたいと存じます。
  118. 仁比聡平

    仁比聡平君 通告をしていたのですが、ちょっと残念です。  私が調べた限りで、その四か所、四河川は入っていません。  では、緊急点検の中で、要対策箇所として挙げられた箇所以外の場所で、その調査以降の風水害で被害が生じた、発生をしたという箇所全国で何か所あるでしょうか。
  119. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 今年の一連の水害で被災したところと緊急点検を行った結果、早急な対応が必要であったという箇所との対応付けについては、現在、整合をするための調査を実施中でありまして、集計ができておりません。
  120. 仁比聡平

    仁比聡平君 これだけの、これまでの常識を超えるような被害が相次いでいるわけですから、もちろん政府も自治体も大変な実情にあるというのはよく承知をしておりますけれども、二次災害の防止や今後の対策を立てるその前提として実情を迅速につかむことが私は必要ではないかと思います。  調べてみましたけれども、例えば、その香川県では二十七日九時現在の調査で、二十三号の被害河川被害を受けている箇所というのは実に八百七十七件あるということなんですね。東かがわ市だけで九十一件あると。だけれども、緊急点検の際には全県で、先ほどお話のあったように十一か所、そして東かがわ市は入っていなかったというのが緊急点検の実情だったということだと思うんです。  もう一点、その緊急点検の対象になったのがどれぐらいの範囲なのかということで、直轄管理の部分は約一万三千キロで、堤防がある区間の一〇〇%だというふうにお伺いをしていますけれども、都道府県管理の区間については三万九千キロなんですね。これがすべての中小河川、都道府県管理の河川の中でどれぐらいの割合で点検が行われたことになるのかということをお尋ねをしたいんですが、その県管理河川の総延長キロというのはどれぐらいになりますでしょうか。
  121. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 概略申し上げますと、直轄の区間につきましては今委員御指摘のように一〇〇%実施しておりますが、県管理の区間については非常に延長も長くて、数量的にも、緊急点検の、一か月で行うという中には、全体を取り込んでやるというのは困難だということで優先度の高いところを実施したわけでございます。  おおむね三分の一ぐらいの調査しかできていないというのが実態だと思いますが、これは実は一か月以内に緊急に実施するということで、目視で行ったものでございまして、目視だけでは当然御指摘のように十分でないということになると思いますので、点検の方法、あるいはその点検を受けて、どういうような対策を講じていったらいいのかということにつきまして現在ガイドラインを作成しておりまして、これらを河川管理者、都道府県の方に参考にしていただいて、今後の管理に万全を期していただくような努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  122. 仁比聡平

    仁比聡平君 今お話しになったように、中小河川でいえば三分の一程度しかまだ点検が進んでいないというその実情なんですけれども、その緊急点検は堤防の目視ということですから、ですから、河床に土砂が堆積をして、これをしゅんせつする必要があるのではないかとか、あるいはその中に灌木があって流れを、流下を妨げるのではないかとか、そういう点についてはこれはチェックの対象になっていなかったと思うんですね。そういう内容の面でもそうですし、実際に行われた上での結果の報告を拝見しましても、堤防の除草が行われていなかったとか、あるいは天端が通行できないところが多くて河川管理通路の確保が不十分だったとか、あるいは定期点検が、定期的な点検が行われていないというような管理の実態が報告をされているようです。  私、こういう実態になっている、現実がこういう実態になっている大きな原因として、予算の制約という、予算的な制約の問題があるのではないかと思うんですけれども、そこで大臣にお尋ねをしたいんですが、こういった河川管理の実情を踏まえて、改めて河川の総点検等、対策を打つと、そのための予算措置を是非行うべきではないだろうかということをお尋ねしたいと思います。
  123. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 今回の様々な災害を受けて、改めて治水の重要性ということを認識をしておるところでございます。  この中小河川におけるこの治水対策の在り方、特に今この堤防の点検等々、もう一度しっかりやってもらわないといけないと思っているところでございます。先ほど局長から答弁がありましたように、今そのガイドラインを早急に作ろうということでやっておりまして、都道府県に対してしっかり技術的な支援をやらしていただきたいと思っているところでございます。
  124. 仁比聡平

    仁比聡平君 そういった、どこが危険なのかという箇所が特定、点検をされなければ、堤防の補強工事をするにしろ、あるいはそれが間に合わないときには、人命最優先で避難体制を万全にするということにしろ、これが後手に回るということになるんだと思うんですね。ですから、ガイドラインの策定とともに、それが現場でしっかり進められるような予算措置を取っていただくことを強く要望をしておきます。  次に、海岸の堤防についてお伺いをしたいんですが、月曜日、二十五日に高知県の室戸市にも行ってまいりました。  室戸で、二十三号台風によって最大波高が二十四メートルだと推計をされる高波が襲い掛かって、三名の方々が犠牲になられたということは御承知のとおりですけれども、私、現場に行きまして、その堤防の塊が住宅に飛び込んで、水圧で畳まで天井を突き破っているというような状況、その恐ろしさというのは本当に想像を絶するものだと思いました。その三人の方のうち、二人は水死だけれども、もう一人は圧死をされたというふうに伺っています。  その中で、この防潮堤、決壊をした防潮堤が三十七年前に造られたもので鉄筋が役割を果たしていなかったんではないかというような指摘もされているわけですし、高知県では土佐清水でも防潮堤が決壊をしたというふうに聞いておりますけれども、こういった被害を受けて、高知県では、県下の総延長二百八十五キロに上る防潮堤をすべて調査をするということを決めておられます。  大臣にお伺いをしたいのは、こういった海岸堤防や防潮堤の総点検、これは高知県だけでやるというのではなくて、高知県のみならず国が責任を持って予算措置をして、全国でこういった緊急点検と対策を行うべきではないでしょうか。また、高知県では、当面その堤防の点検は目視による点検ということになっているようなんですけれども、目視による点検で、内部の鉄筋の構造だとか、あるいはコンクリートの劣化だとか、そういった部分はなかなか把握ができないと思うんですね。こういったその内部構造を点検するということも含めて予算措置を是非していただきたいと思うんですが、どうでしょう。
  125. 清治真人

    政府参考人清治真人君) 室戸の海岸につきましては、現地見ていただいたとおりでございまして、三名の方がお亡くなりになったということでございますが、このときの高波というのが我が国で観測された波で一番大きい波だったという事実もあるわけでございますが、できていた施設そのものに、設計上あるいは施工上問題がなかったかどうかということを調べるために、国土交通省では被災後直ちに五名の専門家を派遣いたしました。その調査あるいはこれから専門家の原因調査を踏まえまして、同じような災害が起こらないように全国の同様な条件の施設につきましては点検をしなければならないというふうに考えております。
  126. 仁比聡平

    仁比聡平君 大臣、手が挙がっていましたが、是非大臣、一言。
  127. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 国土交通省からもすぐさま蓮実大臣現場に行っていただきまして、被災状況を見ていただきました。  今、局長から答弁ありましたように、全国にはあのような古い、古い時代に築造された堤防がたくさんあると思います。また、あそこの現場のように堤防からすぐ先に住宅があるというふうな箇所もあるのではないか。そういう今回の高知で、室戸で起こったような、そのような本当に海岸堤防というものについてはしっかりと総点検をしていく必要があるというふうに思っておりますし、今その方向で今やっているところでございます。
  128. 仁比聡平

    仁比聡平君 同様な箇所と、室戸と同じような箇所というふうに限定をする方向になってしまうと、もちろん予算の関係とか優先順位の問題はあると思いますけれども、ただ、そうなってしまうと、先ほどの県管理河川の、中小河川の緊急点検と同じようなこう、実態の問題が生まれてきかねないという懸念を私は持っています。  ですから、是非、優先順位の問題はあるとしても、全国ですべての海岸で行っていただきたいということを強くお願いをいたしまして、時間が参りましたので、土砂災害の件もありましたけれども、終わらせていただきます。
  129. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  今なお余震が続いております新潟中越地震を始め台風、風水害に遭われた、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されています皆様にお見舞いを申し上げておきたいと思います。  既に、政府は対策委員会を始め補正予算編成に向けて取組をされています。一日も早い回復と復旧ができますように、十分な対応をされますよう要望をしておきます。  また、昨日は本院でも全会一致をもってこれらの対策について決議がなされているところでございますから、その決議の趣旨に従って十分取り組んでいただくよう御要望申し上げておきたいと思います。  さて、そこでお伺いをしたいのでありますが、今回の新潟県の中越地震によって東海地震対策に偏重した防災対策のひずみが実は指摘をされております。大震災が起こる可能性があっても、過去に一定規模以上の地震が長期に起きていない地域を空白地域と呼ばれていますが、この新潟県中部地方もその一つだそうでして、このような空白地域全国で三十三か所あると言われております。  このうち、今回のような直下型地震につながる内陸部は二十五か所あるというふうに言われておりますけれども、まずはこれらの地域の解明や監視体制を強めていくことが大切ではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
  130. 長坂昂一

    政府参考人長坂昂一君) お答えいたします。  ただいま地震空白地域地震の観測・監視網という趣旨の御質問がございました。  気象庁では、全国どこでも地震が起こり得ると、こういう認識の下に地震計を全国に約百八十か所配置し、二十四時間体制でその観測データの解析処理を行い、津波予報あるいは地震情報、こういった防災情報を迅速に発表しているところでございます。また、これらの気象庁の観測網に加えまして、防災科学技術研究所及び大学等関係機関からの地震データの一元的な収集処理を行い、微少な地震についても全国的に地震活動の監視に当たっているところでございます。また、これらにつきましては、すべての成果が政府地震調査推進本部、地震調査委員会、こういったところに提供するなどしまして、地震に関する調査研究活動にも活用しているところでございます。  気象庁としましては、引き続き今後とも地震の観測・監視体制の強化に努めてまいる次第でございます。  空白地域につきましては、冒頭申し上げましたように、全国のすべてをカバーする地震観測網によりまして地震活動を常時監視いたしているところでございます。  以上でございます。
  131. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今の答弁で言われて、その空白地域という言葉があるということ自体、私はおかしいと思うんでありますけれども、そういう言葉がないようにひとつ御努力いただきたいと思っております。  次に、地震の予知とともに重視しなければならないのが気象予報ではないかと思っています。  今年は台風の上陸数が過去の三十年間の平均二・六個を大きく超えていますし、しかも今年の台風は雨、風が強く、各地で河川の決壊や市街地の冠水、それから土砂崩れ、高波などの深刻な被害をもたらしていますが、自然災害をなくすことはできませんけれども、少しでもやはり被害を減らすためには日ごろからの防災体制の点検が重要ではないかと思います。それとともに、的確なやはり情報の収集と分析が必要だと思っています。そのためには、気象衛星の存在は欠かせないものであります。  しかも、その気象衛星が大変心もとない状況になっておりまして、「ひまわり」の後継機の打ち上げ失敗により、現在はアメリカからレンタルした気象衛星ゴーズ九号を使用しておりますけれども、これも大変古い衛星で、いつ故障し寿命が来るか分からない状態にあります。仮にゴーズ九号が使えなくなってしまいますと、気象衛星として使えるものは極軌道衛星のみとなり、観測間隔が長くなり、観測範囲も狭まってまいりますし、天気予報に大きな影響を与えることになると思われます。一刻も早く後継衛星の打ち上げが待たれるところでございますけれども、これらの現状と今後の方針についてお伺いをいたします。
  132. 長坂昂一

    政府参考人長坂昂一君) お答えを申し上げます。  静止気象衛星「ひまわり」の状況、それからその後の、現在アメリカの静止気象衛星ゴーズを使いまして代替観測を行っているというのは今先生の御質問の中にあったとおりでございます。それから、ひまわり五号の後継機でございます運輸多目的衛星につきましては、現在、早急な打ち上げ方を関係の機関に気象庁の方から強く要望しているところでございます。  なお、ゴーズ九号の不具合の場合の処置でございますが、気象庁としましては、今申し上げています運輸多目的衛星の運用開始前に万が一ゴーズ九号の観測機能に不具合が生じた場合には、一部南半球の観測などが制約されますが、再度ひまわり五号を運用することといたしているところでございます。  以上でございます。
  133. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 まあひとつよろしくお願いしておきます。  この災害関係につきましては集中審議が行われる予定とも伺っておりますので、災害関係から少し離れて、交通政策についてお尋ねをしたいと思います。中でも、タクシー規制緩和について何点かお伺いをします。  初めに、九月の十六日に出されましたタクシー運賃料金制度の見直し通達においてです。  これは、規制改革三か年の計画を踏まえたものと言われておりますけれども、閣議決定の中身は運賃の多様化であったように思います。しかし、この通達は値下げを奨励するものとなっている感じがいたします。主催旅行や観光ルート別運賃は五割まで割引可能で、大口顧客には五割まで割引が可能と、値引率まで通達で明らかにされることは値下げの誘導ではないかと思われます。  なぜ値下げの率を示したのか、そしてまた五割や三割といった数字の根拠は一体何か、御質問します。
  134. 金澤悟

    政府参考人金澤悟君) お答え申し上げます。  ただいま委員御指摘のとおり、本年三月十九日の閣議決定におきまして、規制改革・民間開放推進三か年計画に基づくタクシー事業者と利用者との間における機動的かつ柔軟な運賃・料金の設定を可能とするように制度を見直すということが盛り込まれたことに基づき、御指摘のとおり、九月十六日付けで通達を一部改正し、十月一日から施行いたしました。  国土交通省といたしましては、意欲のある事業者の皆様に自ら創意工夫によって利用者のニーズにこたえた多様な運賃・料金を弾力的に設定できるというようにすることがタクシー事業の活性化とそして利用者利便の向上につながるということを期待しているものでございまして、今般の改正もそうした観点から運賃・料金の認可制の下でその明確化と多様化を実現する目的で実施したものでございます。  また、今回の改正で御質問の主催旅行割引及び大口割引につきましては割引率の範囲を設けました。しかし、それは基本的に企業と企業、言わばプロ対プロの取引関係に適用されるものが中心であるということで、一定の範囲内を示して弾力的な割引を可能とするようにしたものでございまして、従来から観光ルート別運賃等については五割までという数字を明示して認めているものもございます。  しかし、具体的にどのような運賃割引を設定するのかとか、その場合、割引率をどうするかということについてまで私ども、この通達で決めているものではございませんで、この今委員御指摘の数字、割引率をそのまま採用しなければならないということでもないのでございます。
  135. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、大口割引についてもお伺いしますが、大口の定義、基準、通達では何も示されておりませんが、どれぐらい利用すれば、タクシーを利用すれば大口と言うのか、その範囲についてお知らせください。
  136. 金澤悟

    政府参考人金澤悟君) 今回の運賃・料金制度の見直しに当たりまして、事業者の皆さんの創意工夫を生かした多様化が進められるようにということで、営業割引については例示をたくさん書かせていただきました。その一つが、今委員御質問の大口割引でございます。  大口割引というのは、営業所において一定期間以上、相当額の運送契約が締結される場合に適用されるものでございまして、利用金額に応じて段階的に設定することもできますし、運送契約ごとに適用することも可能な営業割引でございます。ですから、そうした具体的な運賃の段階制を設けるかどうかとか、どのような方に適用するかといった事情は、それぞれの事業者の御判断、工夫にゆだねたいというふうに考えておるところでございます。
  137. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 事業者が大口と認めれば三割まで値引きをすると。何も知らない一般の利用者はメーターの料金どおりで通常運賃を支払う。こういうことになれば、道路運送法の第九条で禁止されております不当な差別取扱いに当たるのではないか、いかがですか。
  138. 金澤悟

    政府参考人金澤悟君) 大口割引という割引は、利用促進の観点から実施されております様々な割引の中では、タクシー事業に限らず他の運送事業におきまして最も一般的に実施されている割引の一つであるというふうに考えております。  したがって、そのように社会的に広く受け入れられている割引であることでございますので、今般、今委員御心配になられましたとおり、割引を適用される利用者と、そうでない例えば一般利用者との間で、例えば今回の通達によりまして三割程度の差が最大の場合にできるのでございますが、そうなったからといって直ちに今おっしゃった道路運送法九条の三の不当な差別的取扱いというものに当たるというふうには考えておらないところでございます。
  139. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 御案内のように、タクシーの運賃収入の八割近く占めるのは人件費でございますけれども、運転手さんの年収というのは他産業の六割にしかすぎませんし、年収二百五十万未満のところが十七県にも実は及んでいるわけです。実は、タクシー労働者の悲鳴が聞こえるようでございます。値下げ競争に陥った大阪でも需要増にはなっておりませんし、この通達によってタクシー労働者の賃金、それから労働条件が更に劣悪化することになるのではないかと懸念をしております。  法改正時の附帯決議では、適正な人件費の水準を反映させることとあります。労働条件の悪影響は避けられないと考えますが、どのように御認識でございましょうか。
  140. 金澤悟

    政府参考人金澤悟君) 昨今の経済情勢を反映いたしまして、近年、タクシー事業者の経営環境は極めて厳しい状況に陥っているというのは委員の御指摘のとおりでございます。特に、需要の回復が非常に遅れる中でタクシーの台数が伸びております。そういうところによりまして、タクシーの乗務員の方の年収が御指摘のように大きく他産業に比べ減少しているという事実も私ども承知しておりまして、私どもとしては心を痛めております。  国土交通省としては、各事業者がそれぞれの経営判断をしていただいて、多様なサービス、運賃・料金を創設していただきまして、利用者のニーズにこたえていただくことによりまして、現在低迷している需要が回復するということを期待しておるところでございます。  今般の運賃・料金の制度の見直しによりまして、やる気のある事業者の方の多様な運賃・料金を利用者の方に支持していただき、それによって需要が回復することになりますれば、その結果、乗務員の皆様の待遇についても改善されていくというふうに心より期待をいたしております。
  141. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 最後になりますけれども大臣からも冒頭ごあいさつございましたが、運輸の基本は何といっても安全輸送にあると思いますし、安全、安心が基本だと思いますが、再度、今回のような地震災害等々からくる交通にかかわる国民の期待というのは大変多いわけで、そのときに災害に見舞われましたら、これまた大変重要な結果になってくるわけでございますので、大臣の御所見を、安全に対する御所見をお伺いして、質問を終わります。
  142. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 委員御指摘のように、国民の安心と安全を確保する、これが国土交通省の、また日本の政治の最大の使命であるというふうに思っております。  日本は、今年を見るまでもなく、本当に災害台風地震災害の多い国でございまして、災害に強い日本をつくるというのは、これは先輩方が本当に御苦労してつくってこられた、また努力されてこられたことでございまして、これからもこの災害に強い日本をつくるというのは非常に優先課題の高い私はテーマだというふうに思っておりますし、また交通政策でいいますと、快適性とか、利用する方の快適性とか利便性とか、もちろんそういうことも大事なんですけれども、また事業者の方々の収益をどう上げていくか、もちろんそれも大事なわけでございますが、何といっても一番大事なことは、この安全、交通の安全を確保する、これが何といっても最優先の課題であると思っています。  安全性を確保するためには、私はある程度、国民の利便性とか快適性とかそういうものが、ある程度それが抑えられることがあったとしても、これはやむを得ない。やはりこの安全、安心ということに最優先にしていかないといけないというふうに思っておるところでございます。
  143. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 ありがとうございました。
  144. 田名部匡省

    委員長田名部匡省君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時七分散会