○会長代理(簗瀬進君)
発言の機会、与えていただきましてありがとうございました。
今日、
委員の皆さんの大変すばらしい御
意見を聞かせていただき、私も大変勉強になっております。
三点ほど、ちょっとこの問題を
考える際の前提となるべき問題が大変大きな問題があるのではないのかなと私は思っております。それは、いわゆる二十一世紀の
民主主義の
在り方に対応してこの国の形を全体的にどう整えていくのかなと、こういう視点だと思うんです。
まず第一番目は、私は、二十世紀から二十一世紀にかけてコンピューターというすごいツールが出てきて、その結果として、非常に一人一人の
国民が情報に大変アクセスすることが可能になってきたと、これは大変大きな文明史的な転換なんだろうなと思っております。
それに対応した
政治の姿をどう整えるのかという
観点からいってみると、どうしても私は直接民主制的なそういう色彩が強まっていかざるを得ないし、
政治やあるいは
仕組みがそれをきちんとそういう
国民の要望にこたえていないと、逆なフラストレーションが起こって
仕組みがまずくなっていくと、こういうことだろうと思うんです。
でありますから、そういう
観点から、私は首相公選的な問題がどうしてもやっぱり出てくるだろうと。仮に首相公選を取ったとしたら、その首相公選に見合った形で
議会をどういうふうに整えていくのかという、こういう問題として次に
考えなければならないのではないのかな。
正に、そういう
意味では、この
衆参の
在り方、あるいは、さらに
国会の
在り方というようなことを
考えていく前提問題として、この直接民主制に対する
国民の要望に対してどういうふうにこたえていくのかなという
部分が大きなポイントとしてやっぱりきちんと結論付けられていなければ、
憲法の
制度提案には行かないのかなという思いが
一つございます。
それから第二番目に、三権分立の
在り方でございます。
現在の
日本国憲法も三権分立、
行政、司法、
立法と、こういうふうな形を整えておりまして、ある
意味では古典的な三権分立の前提に立っておるわけでございますけれども、先ほど来からの
委員の皆さんの御
発言で私も全く同感なのは、例えば司法自体も
行政化をしている、それから
立法自体もある
意味で
行政権限に押しまくられているという形で、
立法も
行政化をしている。正に三権分立の姿というようなものが
行政の突出的な肥大化現象の中で非常に取りづらい現状になっていると思います。
そうしたことを前提としてこの三権分立の
在り方をどういうふうな形で現代的に整えていくのかなという大きな問題があり、そしてその次に、やっぱり
国会の
在り方はどうなのか、
衆参の
在り方はどうなのかというふうに話を続けていかなければならないんではないのかなと、こういうふうに思っております。
第三点、これは
政党の位置付けということだと思うんです。
憲法の中で
政党規定をきちんと置いている
憲法と置いていないところもありますけれども、私どもの
憲法では
政党は
憲法上きちんと位置付けられているわけではありません。
しかし、民主党も今政権交代こそ新しい時代の到来だと、というようなことで政権交代、いわゆる
政党を入れ替えることによって新しい社会状況を作っていこうという、それが政権交代の
意味だと思うんですけれども、そういうふうなアプローチをしているわけであります。
しかし、そういう形ですべてが解決をされるのかなと思うと、意外にそうじゃない
部分もあるんではないのかな。例えば
政党単位で物を
考えてまいりますと、
選挙のときに立てた公約というようなものがその後も
政党を縛り続けるような形にどうしてもなってくる。昨今の例えばイラクの問題にしても、
自民党の中にはやっぱりいろいろな
意見もございますし、例えば三位一体の
改革でも郵政
改革でもいろんな
議論がある。これは、
自民党だけじゃなくて、我々民主党の中にも同じような状況というようなものがあるわけです。しかし、
政党単位で物を
考えると、いったん決めてしまったものは、将来ともに一定期間はやっぱり
拘束をするというような形でお互いの縛りになってしまう。
でありますから、正しいことを言いたくても黙ってしまって、言うならば
政策が時代状況に対応できなくなった誤った状況が現実に分かっていながらも黙ってしまう、こういう
一つの
政党政治の隘路みたいなものがあって、それをどういうふうに乗り越えていくのかなというところで、例えば
参議院の
意味というようなものが出てくるのかなと、こういうふうな感じもございます。
この三つの問題提起させていただきましたけれども、じゃ、おまえアイデア持っているのかというとないんですけれども、やっぱりそれらと、総合的にこの
衆参の
在り方というようなものを、
参議院の
在り方というようなものを
考えていかないと、本当の
意味でのいい
憲法というようなものができてこないんではないのかな、こういうふうに思っておりますんで、
意見として言わせていただきました。