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松島委員 それでは、強姦罪が三年以上二十年以下の懲役、強姦致死傷罪が無期または五年以上二十年以下の懲役、新設された、これは新設されてよかったと思っておりますが、集団強姦等罪が四年以上二十年以下の懲役というのは、先ほど申しました強盗致傷罪の最低が六年以上ということに比べていかがなものでしょうか。
殺人の場合には、今
大臣が言われましたように、第三者が見聞きしても加害者に対して同情の余地があるケースはあると
思います。あり得ると
思います。やむにやまれずということがあるかもしれません。しかし、
女性の心をずたずたにする、場合によっては男性不信を招き、その後の人生をも左右しかねないような
犯罪、これに対する罰の方が強盗致傷罪よりも軽いということは私には信じがたいものであります。到底許せないことです。
性行為というものは、望んで行った場合はとてもすばらしい、喜びに満ちたものであります。しかしながら、望まない相手を暴力でねじ伏せ、行為に及んだ場合、私は幸いにもそういう経験ございませんけれども、想像の範囲ですが、想像できる範囲で申し上げますと、その対象となった
女性は体も心も激しい痛みを感じるものだと
思います。この二つは
女性にとっては全く別物の、正反対のものです。ひょっとしたら男性の中には、性行為全部、十把一からげにされる人もいるのかもしれないけれども、
女性にとっては絶対に違います。
男性の中には、もちろん多くの男性はまともな方でございますけれども、男性の中にはこの違いを認識していない、極めて困った人がいます。
社会的にある程度立派な、まともな男性であっても、性
犯罪のことを、例えば交通事故に遭うようなものだとか、どうせ減るものじゃないだろうとか、女だって楽しんだだろうとか、ひどい、聞くにたえない軽口をたたく人がいましたり、あるいはポルノ映画やポルノ雑誌の中には、
女性が暴力ずくで犯されて喜びを感じる、
最初嫌がっていても、その後何か喜んでしまうんだみたいな間違った観念に基づく表現がしばしば見られます。こういったことが未成熟な青少年に悪い影響を与えて、罪の意識を持たずに性に関する
犯罪を犯す、そういうおそれが高い。
そうした中で、強盗致傷より罪が軽い場合があるというのは一体どういう
考えなのか。殺人と違って、やむにやまれぬ
気持ちで強姦したなんてことはあり得ないはずです。それだったら強姦にならないで別のことでしょう。
こうした中で、どういうことでこんな
法案をつくられたのか。これを、基本でありましたでしょう法制審議会のメンバーというのは、この
法案をつくった人は男性ばかりなのか。男性だとしても、もし自分の娘や妻が強姦されたらという、そういう想像力を働かせたことがないのでしょうか。私は怒りを覚えます。
裁判員
制度によって
国民の司法への参加だとか一般
国民の常識を生かした裁判を目指すといいますけれども、こんな
女性一般の常識から外れた
法律をつくっておいて、司法への参加を呼びかけても全く無意味で言語道断だと
思います。いかがでしょうか。