○古賀(一)
委員 私は、これだけの重要な問題が、本当は深い分析あるいは多くの
情報を聞いて、本当に客観的に深く判断されての案ではなかったように思うんです。そうは役所はおっしゃらないけれ
ども。
例えば道路公団改革でもそうなんですよ、あれだけ大騒ぎしたものだって。だって、道路公団総裁と小泉さんは、会って話したことないですものね。ないんですよ。いやもう有無を言わさず政治のえじきというか、政治が何かアウトプットを出さなきゃならぬという中で拙速に走り続けてきたのが最近の行革ですよ。
私も昔役人をやっておりましたからよく覚えていますけれ
ども、土光臨調というのがありましたね。土光臨調のときは、まあ戦争も激しかったけれ
ども、やっぱり土光さんも偉かったというか、ずうっと深く広く
意見を聞いて、次の
日本の行政の組織あるいは方向性、いかにあるべきかということで、もうちょっと落ちついて、どっしりと、広く聞いていたように思うんです。
最近は、もう聞く耳持たずで、官房で早く案をつくれ、そうしたら、出たら、工程表だ、いつまでだ、来年度まで間に合わせろと、選挙が近いか何か知らないけれ
ども、そんな
議論がまかり通っています。私は、統治
機構の一角、先ほど皆さんもしっかりヒアリングを聞いたとおっしゃるけれ
ども、役所そのものは今本当に省庁間で密に
議論をして、本当に
日本のためにこれは手をどうとり合ったらいいかなんという
議論はないんですよ。
みんな行革だ、特殊
法人改革だ、うちの局がなくなるとかそんなことで、各省庁なり各部各局が自分の行政のことでもういっぱいなんです。そういう中に、
内閣は、行革だ、今度はこれをやるぞと言っているからまた大騒ぎ。そこに本当に
原子力行政の基本とか、これからの
日本のエネルギーのあり方とかいう
議論は、ぼこっと欠落したままに今日来ているように私は思うので、これはもうこれ以上申し上げませんが、私自身はそういうふうに厳しく判断をいたしております。
次に、
中山文部科学大臣に再度お聞きしたいんですけれ
ども、今度は組織が変更になる。これについては、
日本原子力研究所も昭和三十一年にできて以来今回が二度目になるのかな、組織ががらっと変わる。核燃料
サイクル機構も二度ほどの紆余曲折を経てきた。
ところが、先ほど来何度も言っていますけれ
ども、
原子力問題、とりわけ核燃料サイクルにしても、あるいはプルサーマルにしても、システムをつくっていかなきゃならぬ、いろんな側面で
安全性を検証していかなきゃならぬ、制度もつくっていかなきゃならぬ、こういう問題なんですね。
そうしますと、無数と言ってもいい多くの
研究が、検証されながら実際のものがつくられ、実際、実証されて、安全かどうか確かめられていって、そういう部品というかシステムは何千も何万も集まってこの大システムができるわけですよ。
それが今度は、あそこの
電力会社のチョンボがあって、
原子力発電に対して物すごく
国民の批判が高まったとか、今度は行革であの組織が今度は改編になるとか、そういう中で私は、こういう
研究というものが本当に高いモラールを、士気ですね、持って続けられるんだろうかというのを心配するんです。これは、
理事長が一人ふえたとかそんなことは枝葉末節だと思うんですよ、私は。本当に
研究者が使命感を持って、ちゃんと
研究できて、それが各
関係者がしっかりと集まって安全をお互いに確かめ合いながらシステムをつくっていくことを
議論していくという、その
研究環境というか、これが私は一番重要だと思うんですよ。
これがまた今みたいな、きょうの国会
質疑のやりとりもそうですけれ
ども、マスコミに至ってはほとんど今のところ書いていませんけれ
ども、どうも
原子力行政について、あるいは核燃料サイクルはもちろんであります、先ほど
金田委員がおっしゃったとおりです、信頼性がない、揺れ動く、そういう中で今度組織改編。果たしてこの組織変更というものは、私は、
研究に大きな影響があるのではないか。こんなことでいいのだろうか、もっと、やるならば超長期の視点からどっしりと
研究をしていく、そういう環境と方向性が必要じゃないかと思うんですよ。
この点について、
大臣、ひとつお考えをいただきたいと思います。(発言する者あり)