○和田
委員 今御
説明いただいたように、実は調べていきますと、
もとどおりに直す方の
復旧と、それから、必要に応じてということになるんでしょうけれども、必要だと認定された上で、改良工事を行って護岸なり道路なりをもう一回
整備し直す場合と、国からの
支援の割合が異なるという結果になっているわけでございます。
もっと言えば、ぜひ
大臣にもお聞きいただいておきたいんですが、
地方が実際に、
被災者が目の前にいる
状況では工事を行わざるを得ませんので、実額を支出しながら
復旧工事を行っていくわけですけれども、その担当者の心理に立てば、自分の判断で工事をやって、最終的に
地方の支出分としてどれぐらいの額になるのか、そして最後に国からどれぐらいの
支援が戻ってくるのか、そういったことを考えながら手はずを進めるのが人間の常だと思っております。
そんな中で、ともすると選びがちなのは、実は応急
復旧の中でも原形
復旧ばかり。すなわち、原形
復旧であれば、今御
説明があったように、補助率でいうと三分の二以上、必要度に応じて高まることもあるというふうにお聞きしていますが、三分の二以上の
支援が受けられる。ましてや、その裏
負担であります
地方の支出分、仮に三分の一としましょう、その場合に、三分の一を
地方が支出しますけれども、それが規定上は全額
地方債の
対象として認められる。そうすると、
地方債の
対象となっているということは、現行制度上は後々交付税で手当てされるということになってまいりますので、原形
復旧の場合は、往々にして、最終的には全額が国から支給されるということによくなっているわけでございます。
それと違って、改良
復旧というのは、今御
説明があったとおり、
地方の
負担が二分の一でございます。先ほどは国の
支援が二分の一という御
説明がありましたから、
地方の
負担が二分の一、これはどうも確定している数字のようですが、その二分の一の
地方の
負担のうち、今度は、
地方債の
対象になるのは全額ではなくて九〇%というふうに聞いております。これはケース・バイ・ケースで違うのもあるのかもわかりません、それは御容赦ください。つまりは、
地方が実質的に
負担しなければならないものが改良
復旧の場合には確実に生じるということになってまいります。
私も予算
査定官庁におりましたので、そういった仕組みが全くいけないと思っているわけじゃないんですが、いわゆる必要最小限の予算を計上するためにはそういったセーブもきかす制度がなきゃいけないというふうには理解しますけれども、実際のところは、この制度の中で、
地方が国に申請を上げられている実態として、ほとんどが原形
復旧でそのまま上げられておる。そして、それが、実際にその場所がそんなにもう
被害を受けることがなければよろしいんですけれども、
委員の皆様方にもごらんいただきたいと思いますが、きょう、一枚だけお許しを得まして資料を御用意しました。
この写真を見ていただきますと、右側二つが、これは見ている方の側が海でございますが、石垣の部分がごらんになっていただけると思います。それから、この写真の左奥の方に、ちょっと見づらいかもわかりませんが、コンクリートの壁が約一メートル五十ぐらい積み上げられております。こういった原形を呈しておったんですが、これはたしか台風十六号のときだったと思いますが、その上のコンクリートが吹っ飛んで、奥の家まで押し寄せてしまった。さらに言えば、下の石垣の部分の一部分が崩れ去っているという現場でございます。
もう一つ、左側二つをごらんになっていただければと思いますが、これは海をめぐる道路の一部分でございますが、堤防の壁部分が最初にがたっと波の勢いで土地側に、島側に倒れて、その上に道路のアスファルトやコンクリート部分がばたっと倒れたという現場を示している写真でございます。
この写真で何を申し上げたいかというと、右二つについては、過去にも数度
災害に遭っている箇所でございまして、
もともとはこの石垣の部分だけがあったところでございます。そして、
災害を受けた後にその石垣の部分をまず、先ほど来御
説明ありましたが、応急
復旧工事で再現して、その後に、次にもう一回
災害がありまして、今度は石垣は崩れなかったんですが、水が海を越えてまいりまして、それじゃいかぬというので、左奥に見ていただけるようなコンクリの塀が上に積まれておる。そして、この現場を私も自分で行ってみたんですが、下の写真の真ん中に私が写っているんですが、このコンクリと石垣とは全くもってつながれた形跡はございません。置いてあるだけでございます。こういった現状をどのように認識したらいいのか、私ちょっとしばし戸惑いました。
それから、左側でいいますと、島の土地部分が見えておりますが、この部分と堤防に当たる壁部分なり道路を形成しているコンクリート片なりを、何かのくい打ちをしてつないだ形跡が全くございません。そういうような工事が行われているのが現状じゃないかというふうに認識いたしました。
こういった事例を見るものですから、今の現行制度の中で、応急
復旧工事をする過程なりその後に本格
復旧工事をする過程なりの中で、この工事の
査定というものがどういうふうに行われているんだろうなと思って、私自身ちょっと聞いてみました。今
地方が管理している
事業について申し上げておりますので、それについて申し上げます。
そうしますと、
地方が申請を上げるに伴って、
国土交通省の出先機関の方と、それから、やはり予算がつきまといますので、財務省の出先機関であります財務局のそれぞれの担当者が出向いて、その地で、こういう
復旧工事であれば可とするという
査定を行っておる、不可の場合も時々あるんだろうと思いますが。その中でも、実際に額として満額をつけるのか半分をつけるのか、それらを
査定しておるという
状況になっていました。
そこで、実際に
国土交通省の担当者として行かれている方が一番この周辺事情にもお詳しいですし、それから技術的に、どんな波が、どんな高さの海との落差があればいいのか、そういったことを一番御存じなのではないかと思いますが、そういった方から今までお聞きしている限りは、申請が上がってきたものに対して可とするか不可とするかという判断だけ行っているようですが、もっともっと
国土交通省として積極的に、この仕様であれば大丈夫だ、この仕様であればだめだという判断を行ってもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。