○中根
委員 御丁寧な、踏み込んだ御
説明をいただきまして、ありがとうございました。
自民党も公明党もやはり
政治家の集まりですので、最終的には良心を信じたいというふうに思っておりますが、なかなか良心を信じ切れない人
たちが実はいらっしゃる。
政府の中にいらっしゃるんですね。
障害者を差別して見下している人が、少なくとも去年まではいました。
国民年金掛金を払っていない人
たちを妖怪扱いしていた人
たちがいたのは確かであります。払っていない人にはいろいろな
事情があって、
制度の欠陥もあった、政治やあるいは行政に怠慢もあった、そういったことをすべて棚に上げて差別をしている。これが、いつでしたか、通常
国会の
年金審議でも使わせていただきました、またここで使うことになるとは実は思っていませんでしたけれ
ども、これなんですね。
岐阜の
社会保険事務局が作成したこのチラシ。無
年金障害者の方は「セビるマン」というふうになっているんですね、これはデビルマンのパロディーですけれ
ども。「ケガで働けなくなり、暮らしに困って友人や親戚にお金をセビってばかりいる妖怪。
障害基礎年金のことを知らなかったんだね。」なんて言っていますよね。それから、二十五年ルールで無
年金になっちゃった人、「
年金は二十五年以上納めなければもらえないことを知らず、年数が足りないのに無理やりもらおうとしている妖怪。」は「無理カベ」ですって。それから、「年をとって働けなくなったというのに、
年金に加入してなかったので収入はゼロ。毎日ワンワン泣いてばかりの高齢妖怪。」、「大泣きジジイ」というそうでありますけれ
ども。こういう発想は、すばらしいといいますか、何というか驚愕をする、まさに驚天動地というような感じがいたします。
これは、坂口
大臣にはごらんをいただきました。
尾辻大臣にもこれをぜひ、コピーで申しわけありませんが、贈呈いたしますので、ごらんいただければと
思います。これについては、もう御答弁は必要ありません。
尾辻大臣のような本当に御
理解の深い
大臣であれば、当然その御答弁も拝察することができるわけでありますので。
多少の間違いにしても、何かそういったこと、その感覚が、恐らく、前も僕は言いましたけれ
ども、日常的にその
社会保険事務局の中で、ああ、デビルマンが来たぞとか、何かそういったことについて電話とかあるいは問い合わせがあったりしたときに、その職員の中で「無理カベ」からの電話だぞとか、デビルマンからの問い合わせだよなんて言ってやりとりをしていたからそういうことになったんじゃないかなというふうに思うわけなんですよね。
そのとき調べたら、外注してつくったわけじゃないんです。職員がつくったんです、しかも
保険料で。そして、そのことがけしからぬということを
指摘されて謝罪広告を出したときも、
保険料を使っている。
保険料を使っているということで、またその話の方に行っちゃうんですけれ
ども、そういったことがあるということもまた
指摘をしておかなきゃいけない。
まさに
国民を侮辱し、差別している。差別というのは、人間として尊厳を傷つけ、人を不幸に陥れる実は最も卑劣な行為だと思わせていただいております。人間であるということだけで、それだけで、だれもがひとしく幸福を追求できることが当たり前の
社会でなければならない、自分らしく安心して生きていくためには、差別というものをこの地球上からすべて排除していかなきゃいけない、そんなふうに思って、この無
年金障害者の問題に取り組ませていただいておるところでございます。
今審議しているこの法案、
与党案では百三十億、野党案では百七十億必要だということであります。
福祉的措置といいながら新たな切り捨てを行おうとしている
与党の
皆さんに申し上げたいんですけれ
ども、例えば、
平成十四年度に支払われた
議員年金というものがありますね。これは約二十九億円。うち
議員からの掛金分はわずか九億円、国庫から二十億円、国庫負担率は七〇%にも及んで、
国民から怒りを買っている
制度であります。
議員年金はそのまま温存したままで、困っているこの無
年金障害者の
方々に冷たいというのは
説明がつかないとお
思いになりませんでしょうか。
厚労省や社保庁は、
保険料を湯水のごとく垂れ流していて、本当に困っている人や
制度、法の谷間に追いやられている人に手を差し伸べようとしない。
また、くどいようでありますけれ
ども、少し繰り返します。パピアート二十三億円、金銭登録機四億五千万円、
社会保険事務局家賃二十一億円、共同事務センター十五億円、レセプト点検センターの家賃十五億円、グリーンピア三千七百八十億円、十年間の全社連の海外視察五億二千万円、財革法による
年金事務費、九八年から〇四年までの六年間で六千三百四十億円、
社会保険庁のオンラインに九千三百十一億円、今からどんどん挙げていけば切りがない。この中には、豪華な宿舎あるいは公用車、職員の
方々の健康診断料、
社会保険大学校のゴルフボール、それからマッサージ器、こういったものもすべて含まれているわけなんですね。
こういう好き勝手なことにはさんざん、厚生
年金法七十九条や
国民年金法七十四条、こういった何でも福祉法と言われているもの、あるいはピンはね法と言われている財革法を盾にとってむだ遣い、流用しているのに、なぜ
国民の暮らしのために、特に、不運にも置き去りにされてしまっている無
年金障害者の方については、財源論ばかりを盾にとって、十分な予算が確保できないからとか、いろいろな
理由でこじつけて百三十億円という枠の中に無理やり押し込めようとしている。このあたりのところがどうしても納得できない。
与党案は
福祉的措置というわけでありますので、まさにこういうむだな施設や印刷物をつくるよりも、言ってみれば、例えば、七十九条、七十四条、施設をすることができるという条文を使って
年金制度の中に取り込んでいく、そういう発想はなかったものかどうか、
お尋ねをしたいと
思います。