○山井
委員 尾辻大臣、そして衛藤副
大臣、よろしくお願いいたします。
私もこの
厚生労働委員会に入って五年になりますが、なぜ私がこういう議員を志したのかといいますと、私は学生時代に、母子生活
支援施設という、親からの
虐待あるいは夫からのDVで、お母さんや
子供が
虐待を受けて駆け込んでくるシェルターで、ずっとボランティアをしておりました。その中で、
子供が受けた心の傷、最も愛を受ける対象であるはずの親から
虐待を受けた
子供の本当に苦しい姿、そしてまた、その施設を出てからもなかなか就労するということも難しい、進学も、なかなか大学までは行けない、金銭的にも非常に貧しい。そういう中で、非常に素朴な話でありますが、そういう小学生の
子供たちの声というのを政治家はちゃんと代弁してくれるのかなということを大学時代に私は思いまして、そんな中で、私も政治に関心を持って、議員に至ることになりました。
そういう中で、この
児童福祉法の
改正、まさに国民的な深刻な問題であります
児童虐待をどう減らすことができるかということは、非常に重要な問題であると思います。そういう立場に立って質問をさせていただきたいと思います。
その後、私、
福祉の
調査で、
尾辻大臣は世界各国をずっと回られたようですが、私も一年間かけて、イギリス、アメリカ、デンマーク、スウェーデン、シンガポールの老人ホームに一カ月ずつと、バングラデシュの
児童養護施設に一カ月、泊まり込んでボランティアをさせてもらいました。
そんな中で、きょうの質問にも関連するんですが、私は世界を回りながら、世界の中の日本の
福祉ということをずっと研究をしておりました。そこで痛感したことが二つ三つありました。残念ながら、日本は非常に
福祉がおくれているということ。その理由はなぜかなというと、
一つは、やはり日本はある意味で家族がしっかりしていた面がありまして、何でも家族任せになっていた、その点で公的
福祉がおくれていたということ。それと、やはり政治家が
福祉に関心が低かったのではないかということ。それともう一点は、日本人の悪いところは、そういう難しい問題が起こると、一カ所の大きな施設に閉じ込めて、町外れに収容してしまう。障害者、お年寄り。また、この
児童虐待に関しても、大きな施設に一カ所に集めてしまう。そういうあしき傾向があるなということを思っております。きょうはそういう
観点からも質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、小山市の
児童殺人
事件にも関連したことで、提案を込めて
大臣にお伺いしたいと思います。
小山市の
児童虐待、あのときも、
発見したのはコンビニの店員さんでしたよね。すごいあざをつくってコンビニに来たということで、警察に
通報になって、そこからスタートしたわけですけれ
ども、残念ながら、
児童相談所も十分力になってもらえずに、
子供が亡くなってしまったという悲しい
事件になりました。
それに続いて、例えば、十月上旬に、ある意味で似たような
事件がありまして、これは、ある容疑者の近くのコンビニエンスストアで、長女が一人でいるのを不審に思ったコンビニの店員が、十月十二日、豊平署に
通報して、警察が長女から事情を聞いたところ、お兄ちゃんに殴られたと話したと。札幌なんですが、この四歳の
お子さんは、空腹に耐えかねてコンビニを訪ねたらしい、現金は持っていなかった。
私は、この記事を見たときに、本当に涙が出そうになった。親から
虐待された、家で安心していられない、おなかがすく、お金はないけれ
どもコンビニに行った。普通の商店だったら、お金を持っていなかったら追い返されるかもしれない。それで、お金はないけれ
ども、やはり暖かいところ、いろいろな商品がある、食べたいお菓子がある、親は買ってくれない、そんな中で、この四歳の女の子がコンビニに行った。この気持ちというのは、私は、やはり
大人も真剣に
考えないとだめだと思うんですよね。
もう
一つ、似たような
事件がありました。ネグレクトの
ケース。これも五歳の女の子です。どうして
発見されたか。五歳の女の子がお金を持ってコンビニにお使いに来ているのを何度も店員に目撃されている。それで、五歳のその女の子は、
虐待というか、ネグレクトの
虐待なんですけれ
ども、台風の日も、傘を差して一人でコンビニにお使いに来ているのを目撃されているということなんですね。それで、親はアルコールが好きで、お金を使いまくり、暴力団との
関係もあり、
虐待を受けていたということで、また、お母さんに対してDVもあったということなんですね。
そこで、話は飛躍するかもしれないんですが、私、こういう記事を読んで、ちょっと思いつきなんですが、この
虐待の
発見、もちろん、保育所やお医者さんやいろいろなところで
発見されるけれ
ども、
地域のコミュニティーがなくなってきた中で、私は、コンビニというのは
虐待されている
子供が行く場所になりつつあるんじゃないかなと思うんですね。
どんな田舎でも、最近はコンビニがあります。
虐待された
子供は、もちろん、外に出してもらえない
虐待されている
子供はだめですけれ
ども、外に出られたら、やはり暖かいところ、お菓子のあるところ、おなかがすいた
子供は、コンビニにお金を持たずに行くわけですね。あるいは、親からのお使いで行く
ケースもあるわけです。
そこで、私の提案なんですが、全国のコンビニは大手のチェーン店ですから、こういうコンビニの店員が
発見したという
ケースが最近相次いでいるわけですから、
厚生労働省さんからここに頼んでもらって、
一つは、例えばポスターを張ってもらう。
児童虐待防止のSOSとか、困っていることがあったら言ってください、そういう啓発のポスターを張る。
もう
一つは、ああいうところは当然アルバイトの方がほとんどなんですけれ
ども、そこの店員さんに、もし、買いに来られた
お子さんが万引きをしたり——やはり
虐待されている
子供は、御存じのように、お菓子を買ってもらえなくて万引きしちゃう
ケースもあります。あるいは、お使いに来た
子供にあざがある、うろうろ来ているけれ
どもお金を持っていない、どう
考えてもがりがりにやせている、どう
考えても服が汚い、あるいは服が臭いとか、こんなこと言ったら失礼かもしれませんけれ
ども、そういう
子供たちは、もちろん商店にもいろいろなところにも行くと思いますけれ
ども、かなりの確率でコンビニに行く
ケースというのも多いと思うんですよね。だから、
厚生労働省さんから、コンビニだったらチェーン店で、大体系列で、上からお願いすればいくように思うんですけれ
ども、店員さん方に、もちろんこれは
通報の義務なんか全くありませんけれ
ども、もしそういうのを見られたら、警察か
児童相談所にぜひ
通報してほしいということを流されたら、私は、未然にあるいは
早期に
発見される
ケースというのはやはりあるんじゃないかと思うんですよね。
はっきり言って突拍子もない提案かもしれませんが、私は、これで五人でも十人でも救われたらいいと思うし、また、こういうことが広まって、
虐待されている
子供に
児童相談所や警察に行けといっても敷居が高いわけですけれ
ども、コンビニのお兄ちゃんとかお姉ちゃんにSOSを発したら、もしかしたら助けてもらえるかもしれないと言えば、
子供の駆け込み寺としてのコンビニの
役割というのもあるかもしれないと思うんです。今、ATMとか、
大人にとって便利なということでコンビニは利用されているけれ
ども、こういう
虐待されている
子供の駆け込み寺というようなことになったら、民間ですけれ
ども、私はすごい効果的だと思うんです。
ちょっと突拍子もない提案ですが、
尾辻大臣、いかがでしょうか。