○渡辺(周)
委員 そうでなくても、
防衛庁長官のところに六時三十分に報告があった、
総理大臣のところに伝わって八時、それで八時四十五分に発令をされた。発見してからの間、これだけの時間があったら、これは
領海から公海に出てしまうということはもう当然想定できるわけであります。その点については非常に、
我が国のさまざまな協議をしていた、あるいは分析をしていたと。もしそうであるならば、その協議と分析に時間がかかったこともこれは大変な問題だと思うんですね。
最初に
長官がおっしゃったように、
我が国の対
潜水艦の監視能力あるいは哨戒能力というものが手のうちがわかってしまう、それもわかるんです。つまり、それによって相手はひょっとしたらその対
潜水艦能力、日本の哨戒能力を見るためにわざと、今でもそうですけれ
ども、うようようようよと日本近海から離れないでこちら側の
動きを見ている。ひょっとしたら向こうが
情報収集を実はしているんじゃないかと。
またそれますけれ
ども、かつて大韓航空機がソ連の
戦闘機に撃墜されたときに、象のおりと言われる、あれは稚内のレーダーサイトが既にそれをとらえていた。ただ、しかし、それを即座に発表しないで米側と協議をしながら、時間差を持って、もうマスコミではサハリンに不時着したとかなんとかとずっと言われましたけれ
ども、もう機影が消えた、既に撃墜された
可能性が高いということは後からわかったことですけれ
ども、実は、そのレーダー能力を、あえて手のうちを見せないために時間差を置いたんだ、その間にいろいろさまざまな協議をしていたということが、これは
防衛政策上あり得るということは私も認識をしておりますので、この点についてこれ以上は申しません。
いずれにしても、これは能力的に時間がかかったというのか、あるいは政治的折衝の結果時間がかかったというのか、その点についてはこれはまた改めて別の議員も質問をされると思いますけれ
ども、今回のことで対
潜水艦ということについて初めての
海上警備行動が発令された。この点について、
我が国は
一体何をしていたのかということで、こういう事案ですからひょっとしたらまた私
どもの想定しないことがあったのかもしれませんが、ほかの質問もありますので、ちょっと次に行きたいと思います。
ごめんなさい、行く前に、きょうは海上保安庁にも来ていただいていますので、海上保安庁としてはこの
地域をどう警戒しているのか。また、海面に出ているときは、つまり
潜水艦が浮上しているときは海上保安庁が管轄をするけれ
ども、海中にいる、つまり潜水しているときは、これは海上保安庁としてそれを探査するだけの能力があるのかどうなのか。
それから、
防衛庁長官に伺いたいのは、これだけのエリアです、問題になっているエリアですから、当然、
冷戦のときから考えれば、日本近海にはもうあらゆる国の
潜水艦がうようよと、いわゆるチョークポイントと言われる海峡の中にも通っていろいろなことをやっている。あそこには、あれはSOSUSといいましたっけ、対
潜水艦のソナーが幾つもあって、それによって、どこの国の
潜水艦が通ったと、音波を
判断すれば大体八キロぐらいまでに、当時ですから八キロぐらいまでに大体所在を確認できるだけの能力は持っている。呉にある第一潜水隊ですか、あの
潜水艦部隊が、実はあの辺をちゃんと海中で警備しているんだということも言われるわけです。
前段の質問は海上保安庁にお伺いしたいと思いますし、また、
自衛隊と海上保安庁が
情報やオペレーションを共有しているのかどうなのか。その点は、つまり、海中は
海上自衛隊の
潜水艦なんだけれ
ども、海上に浮上してきたときはこれは海上保安庁なんだというようなことで変な役割分担がされているとは思いますが、そこについての
情報やオペレーションの共有というのがあるのかどうか、ちゃんとできているのか。その点について最後に確認したいと思います。