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2004-08-05 第160回国会 参議院 厚生労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年八月五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         国井 正幸君     理 事         武見 敬三君     理 事         藤井 基之君     理 事         辻  泰弘君     理 事         森 ゆうこ君     理 事         遠山 清彦君                 有村 治子君                 金田 勝年君                 田浦  直君                 伊達 忠一君                 中原  爽君                 朝日 俊弘君                 山本 孝史平成十六年七月三十日右の者は本委員を辞任した 。     ───────────── 七月三十日議長において本委員を左のとおり指名 した。                 金田 勝年君                 国井 正幸君                 坂本由紀子君                 田浦  直君                 伊達 忠一君                 武見 敬三君                 中原  爽君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 南野知惠子君                 藤井 基之君                 水落 敏栄君                 足立 信也君                 朝日 俊弘君                 家西  悟君                 小林 正夫君                 辻  泰弘君                 柳澤 光美君                 柳田  稔君                 山本 孝史君                 蓮   舫君                 草川 昭三君                 遠山 清彦君                 小池  晃君                 福島みずほ君 同日議院において左の者を委員長選任した。                 国井 正幸君     ─────────────    委員の異動  八月五日     辞任         補欠選任      中原  爽君     長谷川憲正君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         国井 正幸君     理 事                 武見 敬三君                 藤井 基之君                 辻  泰弘君                 山本 孝史君                 遠山 清彦君     委 員                 金田 勝年君                 坂本由紀子君                 田浦  直君                 伊達 忠一君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 南野知惠子君                 長谷川憲正君                 水落 敏栄君                 足立 信也君                 朝日 俊弘君                 家西  悟君                 小林 正夫君                 柳澤 光美君                 柳田  稔君                 蓮   舫君                 草川 昭三君                 小池  晃君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   坂口  力君    副大臣        厚生労働大臣  谷畑  孝君        厚生労働大臣  森  英介君    事務局側        常任委員会専門        員        川邊  新君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       鈴木 俊彦君        国家公務員倫理        審査会事務局長  平野由美子君        厚生労働大臣官        房総括審議官   福井 和夫君        厚生労働省健康        局長       田中 慶司君        厚生労働省医薬        食品局長     阿曽沼慎司君        厚生労働省労働        基準局長     青木  豊君        厚生労働省職業        安定局高齢・障        害者雇用対策部        長        金子 順一君        厚生労働省老健        局長       中村 秀一君        厚生労働省保険        局長       水田 邦雄君        厚生労働省年金        局長       渡辺 芳樹君        厚生労働省政策        統括官      井口 直樹君        社会保険庁長官  村瀬 清司君        社会保険庁運営        部長       青柳 親房君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (原爆被爆者対策に関する件)  (改正年金法における法文の過誤問題に関する  件)  (社会保険庁改革に関する件)  (改正高年齢者雇用安定法の円滑な施行に向け  た取組に関する件)  (年金制度一元化への取組に関する件)  (少子化対策に関する件)  (監修料及び随意契約在り方に関する件)  (日本歯科医師連盟による政治献金問題に関す  る件) ○国民が安心して暮らせる年金制度確立のために  、年金改革法実施を中止することに関する請  願(第一一号外八件) ○医療費負担軽減改悪年金法実施中止に関  する請願(第二一号) ○医療費負担軽減に関する請願(第二三号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     ─────────────
  2. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言ごあいさつ申し上げます。  去る七月三十日の本会議において、厚生労働委員長選任されました国井正幸でございます。  委員各位の御指導、御協力を賜り、公正かつ円滑な委員会運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  3. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまから理事選任を行います。  本委員会理事の数は五名でございます。  理事選任につきましては、先例により、委員長指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事武見敬三君、藤井基之君、辻泰弘君、山本孝史君及び遠山清彦君を指名いたします。     ─────────────
  5. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、社会保障及び労働問題等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、各派間による協議のとおり、厚生労働省健康局長田中慶司君外十五名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 田浦直

    田浦直君 皆さん、おはようございます。自由民主党の田浦直でございます。  今日は私、原爆被爆者行政について御質問をさせていただこうと思っております。  東京もこの数日、非常に暑い日が続きますけれども、私の地元長崎ではもっと暑い。特に、八月九日の原爆忌などは本当に灼熱の暑さという感じがいたしております。坂口大臣には毎年御出席をいただきまして、本当に心から感謝を申し上げるところでございます。  もう原爆が落ちましてから五十九年目を迎えます。その間にいろんな課題があったわけでございますけれども、最大の課題被爆地域の是正ということでございまして、これが一昨年、この被爆者特別区域特例区域というものを設けていただきまして大変解決に向かって前進をしたということで、この点につきましてもお礼を申し上げたいというふうに思っておるところでございます。  この被爆者特例地区、これについて、幾つかの問題がまだ残っておるわけですけれども、まずその事業について厚生省の側から御説明をいただき、現状はどうなっておるのかということも併せて御説明お願いをしたいと思います。
  11. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) 御質問事業でございますけれども、被爆地域拡大要望の基礎とするために、平成十二年四月に長崎市が中心になって取りまとめられました調査におきまして、爆心地から半径十二キロの区域内に居住している被爆体験者につきまして、まず、放射線の影響は認められないが被爆体験による精神的要因に基づきます健康影響が認められたということが報告されております。国におきましてその結果等につきまして検証検討を進めました結果、平成十四年度に被爆体験者健康等に関します調査研究事業として創設されたものでございます。  事業内容でございますけれども、長崎被爆体験者につきまして一定健康診断対象としまして、また、爆心地から半径十二キロメーター以内に居住します被爆体験者につきまして、精神的影響に起因すると考えられます疾病に係ります医療費助成を行っているところでございます。
  12. 田浦直

    田浦直君 この事業に該当する方ですね、これは十二キロ、半径十二キロ以内、あるいはその外ですね、外においても県内県外、この対象人員数はどうなっておりますか。
  13. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) 御質問事業でございますけれども、長崎被爆体験者について一定健康診断対象としまして、また、爆心地から半径十二キロメーター以内に居住します被爆体験者について、精神的影響に起因すると考えられます疾病に係る医療費助成を行っておりますけれども、その事業実施状況平成十六年三月末現在で健康診断に係ります受給者証交付者総数は一万一千七百五名になっております。また、医療費助成受給者証交付者総数というのは九千三十三名というふうになっているところでございます。  一応、以上でございますが。
  14. 田浦直

    田浦直君 その十二キロ内に居住する人、それから十二キロ外に居住する人の中でも、県内におる人、それから県外におる人と、こういうふうな分かれ方があるんじゃないかと思うんですね。そういうことにつきまして長崎県・市でいろんな調査をして、その報告が国の方に届いておるということを聞いておりますけれども、その内容はいかがなものか、お尋ねをいたします。
  15. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) お答え申し上げます。  御質問被爆体験者の数でございますけれども、平成十六年三月末現在で、爆心地から半径十二キロメーター以内に居住する者は九千三百二十五人、それから長崎県内半径十二キロメーター以遠に居住する者は千百五十五人、それから長崎県外に居住する者は千二百二十五人というふうに把握しているところでございます。  さらに、今回の長崎県・市の被爆体験者実態調査報告書では、長崎県内に居住する方を対象調査を行った結果、爆心地から十二キロメーター以遠に居住する被爆体験のある住民につきましても、十二キロメーター以内に居住する被爆体験者と比較しまして、被爆体験以外の要因では説明困難な精神健康の悪化が同様に認められた、そういうような結論が示されているというふうに承知しているところでございます。
  16. 田浦直

    田浦直君 そういうふうな報告書を受けて、国としてはどういうふうな取り組み方をされるのか、それをお尋ねをいたします。
  17. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) お答え申し上げます。  今回の調査でございますけれども、長崎県内に居住される方を対象にした調査でございまして、爆心地から居住地までの距離に限りがあるということでございます。居住要件緩和というものがどの範囲までなら科学的合理性があるのかどうかという点について、更に専門家による検証検討が必要ではないかというふうに今考えているところでございます。
  18. 田浦直

    田浦直君 前回の、平成十二年度に設置された検討会というのがあるんですね。そこで、十二キロ内に居住しておった、被爆時にですね、方々PTSDを調べて、そういうところからその地区を設定をしたという経過がありますね。その検討会の発足は非常にスムーズに早く行われた。しかも、長崎県の大学の被爆者専門家の方も二人入られて、非常にいい検討会で、しかも十か月という短期間に結論を出していただいたという経過がございます。  今、局長が話になられました、専門家に聴かれるということでしたけれども、その専門家に聴かれるというのは、今の検討会と同じようなものか、あるいはまた何か違ったお考えがあられるのか、そしてどの時期ぐらいまでにその結論を出したいと思われておるのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
  19. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) まだ詳細決められたわけではございません、今後の検討課題だと思っておりますけれども、委員としましては、当然、精神保健精神医学専門家のほか、心身医療というようなことに関しても造詣の深い方、あるいは疫学の先生とかいうようなことも是非意見を伺わなくてはいけないんじゃないかなというふうに思っているところでございます。  あと、期限でございますけれども、いついつまでというふうにここで申し上げられないんでございますけれども、なるべく早く結論をいただくべく努力、お願いをしていきたいというふうに思っております。
  20. 田浦直

    田浦直君 ちょっと分かりにくいのは、前回に設けられたような検討会のようなものを作られるのかどうか、専門家に聴くというのはそういう意味なのか。それから、そのメンバーの中に、もしそういう会を作られるということであれば、長崎地元の方を私は是非入れていただきたいと思うんですが、その件についていかがでしょうか。
  21. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) 繰り返しになりますが、詳細はまだ確定したわけではございません。検討会は設けたいというふうに考えているところでございます。  あと地元の方という先生の御指摘でございますけれども、是非その辺も判断、よく考えに入れてメンバーを選択したいというふうに考えているところでございます。
  22. 田浦直

    田浦直君 どうもありがとうございました。できるだけ、こういう問題あれですから、被爆者はもう高齢化してどんどん亡くなってきておるわけなんですので、是非早く結論を出していただきたいなというふうに思っておるところでございます。  それから、坂口大臣お尋ねしたいと思うんですけれども、この七月の二十七日に閣議の後の記者会見でこの問題について触れられておられるわけです。八月九日の地元に行くまでには何らかの考え方をまとめておきたいという発言もされておられるわけですね。  私も新聞なんかでその発言を見ますと、一応、十二キロの外であって、しかも県内に居住されている方については同じような適用をしよう、しかし、全国に散らばっているような方についてはちょっと無理じゃないかなというようなお話をされたと聞いておりますが、その件についてもう一度確認をいたしたいと思いますが、そのようなことでよろしゅうございますか。
  23. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 長崎被爆者皆さん方に対する問題でございますが、十二キロ以内にというこの居住要件が今のところあるわけでございます。PTSDによります、基づきますところのグループの皆さんでございますが。  方向性としては、それを地元でいろいろと検討もしていただいて、その結果もお出しをいただいておりますしいたしますので、緩和方向検討したいというふうには思っているわけでございますが、現在出されておりますその検討の結果は、それは県内にお住まいの皆さん方対象にしたものでございますので、現在おやりをいただいております内容中心考えるならば、これは県内ということになるのではないかというふうに思っております。  しかし、そのことにつきましても、先ほどから出ておりますように、専門家検討会、多分私は検討会作るんだと思うんですね。特定の人を一人か二人、その意見を聴いて決めるということでは決してない。やはり検討会作って、そしてその中でその結論皆さん方の御意見の合意を得て決定していくということになるんだというふうに思いますが、その専門家の中でそれを検討、もう一度検討をしていただくということがやっぱり大事になってくる。その検討結果が、これはやはり対象県内だから、県外まで広げるというようなことならばもう一遍やり直すべきだというような御意見が出るのか。あるいは、それは県内でも県外でもこれは一緒だという結論になるのか。そこは御専門先生方のいろいろの御意見をお聴きをしないとそれは少し分からないというふうに私は思っております。  いずれにいたしましても、よくその点は議論をし、そして今御提案にありました地元皆さん方の代表にも、それが市長さんなのかどなたになるか分かりませんけれども、それはお入りをいただいて、そしてその中で地元としての御議論もいただくということになるのではないかと考えております。
  24. 田浦直

    田浦直君 大臣が一応、十二キロ外であっても県内はまあ緩和していこうと、同じように認めていこうという方針を出されたということで、長崎県としてはこれは大変な一歩前進だということでとらえておるわけなんですね。しかし、五十九年たつわけですから、当時被爆した方も全国に散らばっておるわけですね。その全国に散らばっている方々にも同じように適用してほしいということについては、長崎県・市からも前から恐らくお願いが来ていると思うんですよね。  そのときに、去年の原爆忌のときだったと私は思いますが、坂口大臣が一応長崎県内でそういう調査をやったらどうかという御意見を述べられたということを聞いておるんですけれども、だから、その時点で恐らく長崎県・市側も、それでもって全国のも判断をされるんじゃないかというふうにとらえておったんじゃないかと思うんですね。  それで、今話しましたように、大臣記者会見の席で、全国というのはちょっと無理じゃないかという御発言をされたということにはちょっと驚いておるという面もあるわけですので、是非その辺を酌んでいただいて、早めに認めていただくような方向で進めていただきたいなと思うわけでございます。その記者会見の席で坂口大臣は、地元要望はできるだけお聞きしたいけれども、財政的な問題があって、ちょっともう少し考えなければならないというような発言をされておられるんですね。私は、そこはちょっといかがなものかなという思いがするんですね。  まず、事務局の方にお尋ねしますけれども、これに伴います予算はどういうふうになるのか、どのくらいの負担になるのか、その辺をお示しをしていただきたいと思います。
  25. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 誤解があるといけませんので一言だけ先へ申し上げさせていただきますが、私があのときに申し上げましたのは、現在既に受けていただいている皆さん方の問題でございまして、予定をいたしておりました財政的なその額、財政上の額がかなり大幅に増加をしているというようなこともあって、今既に実施をしていただいている皆さん方の問題につきましても、どうするかといったことが議論をしていただかなきゃならないかもしれない。  と申しますのは、これは、PTSD基準から見てこの病気は妥当だと言われるものについてそれは認定をすると申しますか、その方については医療費を出すという仕組みになっているわけでございますが、九九・九%オーケーということに現実問題としてはなっている。最初は半分ぐらいかなというふうに思っていたんですけれども、半分では決してなかったということでございまして、そうしたことも、基準在り方みたいなものも、財政といいますよりも基準在り方というものもこれから今後またお話合いをさせていただかなきゃならないということを申し上げたわけでありまして、これからの問題についてそれが云々財政的に云々ということを申し上げたわけではございません。
  26. 田中慶司

    政府参考人田中慶司君) まず実績予算上の実績でございますけれども、十五年度の医療費助成額執行額にしまして十三億四千万円ということになっております。これが長崎県内に拡大したらどうなるかということにつきましては、実際の数字、どうなるかということ分かりませんけれども、千人程度もし増えるとしますと、十五億足らずというふうに推測されるということでございます。
  27. 田浦直

    田浦直君 私どもの県・市も予想しとった以上にその健康診断を受ける方が多くて、その中で、高齢化の時代ですから病気を持っている方も非常に多いということで、予算がオーバーしたというお話は私も分かるわけでございますけれども、これがもう、これは一年ごとに年を取っていくわけですから病気が良くなるあるいは減るということはあり得ないわけですので、是非そういうふうな取組方で今後もお願いを申し上げたいと思っているわけでございます。  今、坂口大臣が九九・九%の病気は大体その中に入っていると言われましたけれども、私は、例えば外傷だとかあるいは歯科病気とか、そういうものは原爆あるいはPTSDと直接関係あるとは思いませんけれども、例えば、この中でがんですね、がんは外されているんですよね。がんPTSDと直接的には関係がないかもしれませんけれども、その原因というか素因になる可能性はあるんじゃないかなと私は思っているんですね。例えば、昔は胃潰瘍になるのはストレスで胃潰瘍になるとかあるいは胃がんになるとか、そういうことを言われとったわけでございまして、やはりそういう関連性がこの、PTSDだからがん関係ないんだというのはちょっと私は賛成できないんで、この点も、今日はこの問題触れませんけれども、検討をしてもらいたいなというふうに思っておるわけでございます。  それで、今、局長から話がございましたけれども、県内の十二キロ外に拡大した場合、おおよそプラスになるのは一億五千万ぐらい、あるいは全国も入れても三億ぐらいという予算じゃないかなと思うんですね。この見積りですけれどもですね。だから、県内を認めるということであれば、あと一億五千万ぐらいで全国それが適用できるわけですので、そんな大した金額ではないと思うんですね。実際に被爆者というのは今もう毎年千六百人ぐらい平均で亡くなっておられるんですよね。その手当というのはまあ大体八億ぐらいはあると思うので、財政的にということであればそれは十分にかなうわけでございますからですね。  是非そういう意味からも、全国被爆者、恐らく被爆当時はその十二キロの同じ家に住んでおられても、ばらばらになって、そこに住んでいる人もおるし、佐賀県におる人もおるし、福岡県におる人もおると思うんですよね。同じやっぱり被爆体験者ですからですね、それを居住地で、この人は認める、この人は認めないというのは、やっぱり不公平感を被爆体験者は抱くだろうと私も思うんですね。  これはまたどうしても後まで問題として残るので、是非検討をしていただいて、早急にいい方向で決定をしていただきたいなというふうに思いますけれども、これは坂口大臣に、最後になりますけれども、ひとつこの問題についての取組方、御見解などをお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  28. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 田浦議員の御心情は私も理解できるところでございますが、ここはやはり科学的な根拠に基づいてやらないといけないというふうに思っております。したがいまして、過去のPTSDのときにもそうでございましたが、科学的根拠をどこに求めて、その基準でどうしていくかというその一点からずっとやってきているわけでございます。  したがいまして、この十二キロを拡大をする問題にいたしましても、それはPTSD考え方でいけば、基準にして考えれば、それは現在どこまでするのが科学的に妥当かということをよく検討をした上で、これは結論を出させていただくということになるというふうに私は思っております。  したがいまして、そうした検討会におきまして、国の方におきましても、地元でおやりになりましたそのデータ等も拝見をして、そしてその妥当性をよく見極めて決定をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。     ─────────────
  29. 国井正幸

    委員長国井正幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、中原爽君委員を辞任され、その補欠として長谷川憲正君が選任されました。     ─────────────
  30. 山本孝史

    山本孝史君 おはようございます。  民主党・新緑風会、山本孝史でございます。  まず最初にお伺いをしたいのは、さきの国会で強行採決をされまして、形の上では成立したことになっております国民年金法等の一部を改正する法律案に大変条文の誤りがたくさんあったと。十五種類四十か所あったわけですが、このことについて、官報で修正をするという措置を与党側は強行でこれまたやっているわけです。  なぜこれ、再提出するのではなく官報に修正するというこそくな手段を取ったのか、またそれを、一体だれがその手段を取ることを認知したのか。厚生大臣、あるいは内閣官房から来ていただいています参事官、お答えいただきたいと思います。
  31. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 今御質問のございましたさきの国会で成立をいたしました年金改正法におきまして法文の過誤の問題がございます。この点につきましては、委員並びに国民の皆さん方に心からおわびを申し上げたいというふうに思っている次第でございます。  今回のこの過誤の内容を見ますと、いずれも引用条文のずれなどでございまして、実質的な法規範の内容と法文の表記との間にそごが生じているものでございます。本来、法文に表記すべき事項が明らかなものでございました。このため、この官報の正誤による手続でその誤りを正すことにさせていただいたわけでございますが、これは我々この厚生労働省だけで決めるというものでは決してございませんで、議運委員会にもお諮りを申し上げて、そして内閣の方、官邸の方にも御報告を申し上げて、そして議運委員会の方でいろいろと御議論をいただいて、私も衆議院におきましては議運委員会にお邪魔をさせていただき陳謝を申し上げ、そして御理解のお願いを申し上げ、そして結果的に御決定をいただいたというものでございます。
  32. 山本孝史

    山本孝史君 形式的な間違いであるので官報の修正でいいのではないかと、こういう判断をしたんだと、こういうことですが、本来これは予算委員会を開いて官房長官に来ていただいて、あるいは総理自身にもお伺いをして、なぜこういう大量のミスがあるにもかかわらず再提出をしなかったのか。このことについて、私は今後ともに聞き、御質問を続けさせていただきたいと思いますが、吉武年金局長がもう退任されておられるので、後任の渡辺年金局長にお伺いをするのもなんなんですが、この間違いがあるということについて、厚生労働省の中で、年金局でいつお気付きになったんですか。
  33. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。  六月の二十二日と記憶しておりますが、浅尾慶一郎先生の方からの御照会がございまして、その後、新聞社からの御照会があると、こういうような経緯で六月二十三日の新聞にこの過誤の一部が報道されたと。こういうことで、私ども内容を精査し直すということで体制を取ったところでございますし、また内閣官房長官に対して過誤についての説明を私どもからいたしまして、官房長官からも私どもの省に対ししっかり精査する旨の御指示をいただいたのが、まさしくその六月二十三日でございました。
  34. 山本孝史

    山本孝史君 逐条審議をしておりませんので、国会の側も責任がないかと言われると、国会の側にも責任があるというふうに思っておりますので、余り偉そうなこと、おまえ言えないじゃないかと、こう言われるかと思っておりますけれども。  しかし、年金局長にもう一度お伺いをしたいのは、私がお聞きをしたいのは、この法案を提出された後、法案を審議をしている途中で、これだけ大きな箇所あるいは大きな間違いがあるわけですから、そのことに全く気付かずに、法案が成立した後、指摘を受けて初めて分かったと、こういうことなんですね。
  35. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) 今、先生お話にございましたとおり、先ほど申し述べました、法案成立後ではございますが、六月の下旬に私ども初めて具体の過誤について発見させていただいたというところでございます。  その間、法案国会提出後、法案の国会の御審議を賜っている最中も、私どもとして何らかそういう間違いがないのかということは内部的には話題にし、調べるようにということはしておったわけでございますけれども、四百六十ページ、三十一本の法律、しかも八回にわたる施行時期を内包しておる大変大部な法律であったこと等々の様々な事情の中で、結果としては国会成立までの間にこうした法律上の過誤につきまして発見することができなかったという事実関係でございます。
  36. 山本孝史

    山本孝史君 ちょっとはっきりしませんでしたので、申し訳ありませんが。  法案を提出した後、審議をしている間に、ひょっとしたら間違いがあるかもしれないなと、こう思っておられたのか、あるいは間違いに既に気が付かれていたのかどうか、あるいは法案が成立した後になって初めて気が付いたのか、いつの時点で厚生労働省の中では気が付かれたんですか。このことはやっぱり、法案審議している間で私は気が付いておられても不思議じゃないと思うものだから、そこのところをはっきりとしていただきたいんです。
  37. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) 先ほども申し上げましたとおり、結果としては全く気付くところがございませんでした。そういうものがあるという前提で私どもは提出しておりませんし、まかり間違ってもないだろうなという気持ちで対応はしておりましたけれども、具体的な過誤については、これはないというふうに確信をいたしまして法案の審議を最後までお願いしておったところでございます。
  38. 山本孝史

    山本孝史君 いや、だから、年金局長、お伺いしているのは、まかり間違ってもそういうことはないだろうなという疑念がよぎったんだというのであれば、それはまた話が変わってくるわけですよ。  確かに物すごい分厚いものですし、たくさんにわたっていますから、そういうことがあり得るだろうということは担当者としては最初思って、しかし、そのために何回もチェックをして読み合わせをして、ないものだということで出しているということですよね。しかし、審議をしている中でいろいろとやっぱり条文を見比べていくと、えっ、ひょっとしてというか、あっ、こんなことがあるじゃないかと、こう気が付いているのであれば、その時点で国会に対してちゃんとした報告をすべきなわけですね。  しかし、今何回もお聞きしているのは、いや、そうじゃないんだと、法案が提出してから私どもの浅尾議員からの指摘を受けて初めて分かったんだと、こうおっしゃっているわけですから、この事実関係だけははっきりしておかないとこれは全然違ってくるわけで、その意味でももう一度、省内で本当に分かっている人がいなかったのかどうか、年金局の担当者のところをもう一遍聞いていただいて、ここに報告をしていただきたいというふうに思います。
  39. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) 今般の経緯の中で、今御指摘のように、本当にどうだったのかという点についても事務局の中でそれは確認しております。そして、先ほど申し上げましたとおり、六月の下旬まで私どもはないものと確信して推移したということを御報告申し上げます。
  40. 山本孝史

    山本孝史君 細田官房長官が、この発表があったときの記者会見で、毎年一、二の法律は必ずミスが起きており、官報掲載で修正していると、こうおっしゃいました。これは官房長官に直接お尋ねをしたいと思うんですが、チャンスがありませんのでこうなっておりますけれども。しかし、毎年一、二ある、だからもうよくあることなんだと、だからこういうことは形式的な問題ですから大丈夫ですよと、こういう答弁というか記者会見で発表されたんですね。  ところが、議運に出された資料では、平成になって以降、八つの法律で、せいぜい一つの法律で一か所か二か所しかない。もう平成十六年になっているわけですけれども、この間に八つの法律でしかないんですよ。しかも、一つの法律について一か所ないし三か所しかない。この四十か所、もっと計算していけば八十か所近くまで計算なりますけれども、こんなに大きな間違いをしていることはないんですね。しかも官報掲載で毎回やっているわけじゃないんです。それを、事を簡単に、いや、こんなことあることだから形式的ですよということを強調されてこの国会を乗り切ろうとされたと、このことについて私はやっぱり厚生大臣として責任は重いだろうと思っています。  なぜそう申し上げるかというと、例えば、平成の十三年にこれは刑法の改正がありました。平成十三年の法律の第九七号。これはキャッシュカードをクレジットカードで不正に作って引き出しをする方がいるので、そのことを防止するために刑法を十三年に改正したんですね。そのときに改正ミスを犯しまして、それはどういうミスを犯したかというと、刑法の第十八章、有価証券偽造の罪、第百六十二条・第百六十三条を改正するということなんですが、その出された法案は、第十八章、有価証券偽造の罪、第百六十二条、その次に「第」を付け忘れて、百六十三条という、「第」という一文字を飛ばしたんですね。それで刑法改正をされたんです。しかし、間違いが分かったんです。この「第」という文字を入れるために、その年に、その後、刑法改正で例の危険運転致死傷罪が創設をされましたときに、これは同じ平成十三年の法律の百三十八条でその新しい危険運転致死傷罪を創設をするときに、この十三年の法律の九十七条で、間違っていた、「第」という文字が落ちたというところを修正したんですね。ちゃんと法律を出して、国会の議決を経て修正をしているわけです。  こんなささいなミスで官報修正の、官報欄の最後のところに正誤表で載ってきますけれども、これは、正誤表で載るというのは、官報の印刷ミスあるいは官報に載せるときの原稿のミスがあって、それを修正するためにこの正誤欄はあるというふうに私は認識をしているんです。この欄を使って、自分たちが出した法律の間違い、四十か所もあるものを、これを官報修正だけで直すというのは明らかに異例も異例、こんなことあってはいけないことなんですね。  それを、私はもう一度大臣にお伺いしたい、あるいは官房の参事官にお伺いしたいのは、内閣法制局の第一部長を務められた前田さん、あるいは内閣法制次長の工藤さんが執筆者になっておられるワークブック法制執筆という本がありますけれども、ここのところに、法令の公示に誤りがあった場合にどのような措置が取られるのかという質問ですが、それに対する答えとしては、公布が成立した法令について何物かを付け加えたり削除することができるものではないと。すなわち、国会で議決をされたものが法律であるのであって、それを後の者が何かをそこに付け足したり、それを修正することはあり得ないんだと、こういうことを言っておられるわけです。だから、国会が議決をする、国権の最高機関として唯一の議決機関である国会が議決したものを内閣が、間違っていましたからといって簡単に修正するということはあってはいけないことなんだと。  しかし、形式的な間違いはあるだろう。だから、そういうことがあったかもしれない。しかし、こんなに大きな間違いがあって、それを単に官報修正だけで直すということについて、こんなことをやり続けていたら国会の権威はどこに行くんでしょうかというのは、私は与党の皆さんに申し上げたいわけです。だから、議運の中でそういうふうにして多数決で決める話じゃありませんよと。国会にこの法律出せばまたもめるから出したくないんだと、だから官報修正で済ませてしまうんだというやり方は明らかに間違っていると私は思うんですが、今日来ていただいている官房の参事官と厚生大臣からもう一度御答弁をいただきたいと思います。
  41. 鈴木俊彦

    政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまお尋ねのございました、恐らく「ワークブック法制執務」という書物かと思います。これは本来ならば内閣法制局からお答えするのが妥当かもしれませんが、私からお答えさせていただきます。  私、承知しています限りでは、この「法制執務」の内容につきましては、これは、実質的な法規範の内容を変えてしまうということは官報の正誤ではできないということをお書きになっているものであるというふうに承知しております。  これに対しまして、今般の年金改正法の件につきましては、いわゆる技術的な改正の誤り、誤記ということでございますので、この「法制執務」に照らしましても官報正誤でできるであろう、内閣法制局及び内閣におきましてもそういう判断をいたしたという経過でございます。
  42. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 御指摘をいただきますように、責任の重大さは十分に痛感をしているところでございます。衆議院におきましては、議運におきましてそうしたおわびも申し上げたところでございますし、参議院の議運にもお邪魔をさせていただきましておわびを申し上げたところでございます。  先ほども申しましたとおり、たとえそれが法律の本体の内容にかかわるところでなかったといたしましても、問題を、そうした過誤を起こしたということは私は重大な問題だというふうに受け止めておるわけでございまして、そのことは私は率直に御指摘をお受けさせていただきたいと思っております。
  43. 山本孝史

    山本孝史君 厚生労働省も悪いと思います。ミスは起き得ると思っておりますけれども、それに対してどういう対応をするかというときに、今回の厚生労働省の対応は間違っているし、与党の皆さん方の対応は明らかに間違っているということだけ指摘をしておきたいと思います。  それから、次の問題ですが、年金局長、済みません、社会保障審議会の年金数理部会が最近開かれていないんです。質問通告しておりませんけれども、六月の二十八日と二十九日に開催される予定でした社会保障審議会の年金数理部会。これは、二十八日に開催されるのは平成十四年度の財政状況について厚生年金と国民年金について、二十九日は共済年金の平成十四年度の財政状況について、六月の二十八あるいは二十九に報告をされる予定でした。これが延期をされておりまして、開催の予定がまだ決まっていないようなんですが、いつ開催される予定でしょうか。
  44. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) 御指摘の点につきましては、数理部会の委員先生の中から、特に共済の財政の時価評価に関連いたしまして、十分な準備をもう少しすべきである、こういう御指摘も一部にありましたので開催を順延させていただいたという経緯でございます。厚生年金の財政とか国民年金の財政の関連ではございません。現在のところ、八月末を日程調整のターゲットとして最終的な調整を進めておるところでございます。
  45. 山本孝史

    山本孝史君 共済年金の評価について問題があるので延期をしていると。そのことは理解したとしても、私が理解できないのは、なぜそれによって国民年金や厚生年金の平成十四年度の財政状況についての報告までずらしているんですか。
  46. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) 厚生年金、国民年金につきましては、実は十四年度の決算、それの資産評価、こういう問題につきまして、昨年の十月、それから本年の二月と、少し別の形の報告書でございますが、既に世に明らかにしておるところでございます。  実は、共済の関係ということを申し上げましたけれども、この数理部会におきましては、厚生年金、国民年金、そして共済年金横並びでできるだけ同じ物差しによる評価をしていくということが大切な部会であると理解しておりまして、厚生年金、国民年金の開催を早くやって、どうしても二日にわたるものでございますから、共済年金の関係については準備進むまでしばらく後に日程を取るという日程取りにつきましては、その部会におきます審議日程はできるだけまとめて取ってほしい、こういう御希望もあるやに聞いておりますものですから、それとの関係で両方とも後ろにずれ込んでしまったというふうに理解しております。
  47. 山本孝史

    山本孝史君 委員の御都合というのも分かるんですが、国民の側からしますと、厚生年金あるいは国民年金の財政状況、とりわけ空洞化がどう進んできているのか、特に厚生年金の空洞化が予定以上に進んでしまっているのではないかという不安を持っているわけです。そういう意味でも、早くそういった報告をしていただかないと、今後の改革、あるいはこの年金制度全体をどう考えていくかということについての基礎的な資料ですから、余り、意図的にまた遅らせておられるのではないかというふうに思われます。そうではないと首を振っておられますので、至急に国会の側にもこういう報告をしていただきたいというふうに思います。  それから、次の質問に移りたいと思いますが、国民健康保険課の職員に監修料という形で補助金の一部が還流をしているという問題です。  一億八千万円という金額になっているわけですけれども、橋本さんの一億円というのもすごいと思いましたけれども、一億八千万円が補助金から還流してくるというのも、これもすごい金額だというふうに思っています。その意味で、これはおいおいにお聞きをしなければいけないことは多いと思いますけれども、厚生大臣としていろいろと今対応を取っておられるとお聞きをしておりますが、どういう対応をこれから取っていかれるのか、どういうふうに受け止めておられるのか、その点をお聞かせをください。
  48. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 前国会のときでございましたけれども、厚生労働省の職員がいわゆる選択エージェンシーから多額の監修料を受け取っていた件がございまして、そのときからこの補助金が関係をしておりまして、この監修料、いわゆる補助金が関係をしております補助金、これは国民の誤解を招くことになるということで、この十六年の四月以降、これはもう禁止をいたしております。  しかし、過去の問題をずっと我々も調査をいたしておりましたが、新聞等でも御指摘をいただきまして、そうしたことから、辻審議官を中心にいたしまして、各課長クラスをそれに加えて検討チームを作りまして、そして現在全省的な調査を行っているところでございます。そして、早くその結論を出してそれに対する対応を決めたいというふうに思っているところでございまして、幾つかの問題点その中であるというふうに思いますけれども、とりわけこの補助金、あるいはまたそれに類するもの、そうしたものの監修といったようなことについて特に調査をしていかなければいけないというふうに思っておりますし、また監修の額につきましても、それが適正なものであったかどうかといったことも大変重要でございますので、そうしたことも行っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。  広範にわたって今回全部これを見直すという姿勢で今やっているところでございます。
  49. 山本孝史

    山本孝史君 人事院から来ていただいています。  国家公務員の倫理法を制定を議員立法でさせていただいたときに、報告の範囲をどうするかというのが一つのポイントでした。職務権限にかかわるのは課長補佐以上だろうということで課長補佐以上に報告義務を掛けたわけですけれども、この国保の、国保課の監修料の受取の方たちを見ておりますと、係長級以下の方たちが受けておられるんですね。  厚生労働省の職員の方たち、あるいはどの省でもそうだと思いますが、外に行かれていろいろ講演をされる、あるいはいろいろと、まあ、その何でしょうかね、お話をしてくださいということで出ていかれるということは、私は非常に重要なことだと思いますし、いろんなお話を聞いてこられるということも重要ですので、そういう外部との接触を断つというつもりは全くないんですが、しかしこういうふうになってきますと、むしろ全職員が報告対象者となって堂々と報告をした方が活動もしやすいでしょうし、国民から見ていても透明性が高まるのではないかと思っているんですね。  そういう意味で、人事院の方として、この課長補佐級以上にしたということ、あるいは全職員に対して報告義務を課した方がいいんじゃないかと私は思っているんですが、どのようにお受け止めでしょうか。
  50. 平野由美子

    政府参考人平野由美子君) ただいま先生が申されましたように、現在の制度では、贈与等の報告義務というのは本省の課長補佐級以上ということで定められておりますが、実はこれは国家公務員倫理法で定められているものでございます。したがいまして、これを例えば全職員まで拡大するということになりますと法改正を必要とするということになるわけでございますが、実は国家公務員倫理審査会には、倫理規程、これ政令でございますけれども、政令の改正についての意見の申出をする権限はございますけれども、法律についての改正について意見を申出をする権限は認められておりません。  それからまた、この国家公務員倫理法というのは議員立法で全会一致で現在のような形に制定されております。こういうことを考えますと、先生御指摘の点につきましては国会で御議論いただけると有り難いというふうに考えておるところでございます。
  51. 山本孝史

    山本孝史君 自分たちには発言する立場ではありませんと、議員立法ですから国会でお考えくださいと。省庁側から頼まれて議員立法したものを、後は省庁が好きなように使っておられる法律も一杯あるわけだけれども、それはそういうお立場として、おられる皆さん方に、是非今回のこの一連の事件を受けて、是非公務員倫理法の報告対象者を拡大するということについて各党の中で御検討いただければと思います。  では、社会保険庁の長官に来ていただいておりますので、社会保険庁改革についてお伺いをさせていただきたいと思います。  昨日も衆議院の側で質問があって御答弁をいただいておりますけれども、社会保険庁の長官として民間からお入りをいただいて、民間の感覚でこの社会保険庁改革をしてくれということだと思うんですが、そのときのお立場としてどういう姿勢で臨んでいかれようとしておられるのか、何をするというのではなくって、どういう姿勢でやっていかれようとしているのか。すなわち、組織の在り方も変えるということなのか、あるいは扱っておられる言わば商品というものがもっといい商品になるようにということまで含めてお考えになっていかれるのか、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
  52. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) 社会保険庁全体の見直しにつきましては、内閣官房長官の下に有識者会議ができまして、一年間掛けてどういう方向にするかという形で御検討いただく形になっております。私の仕事は、現在社会保険庁がやっております業務を、どういう形でやっているかと正確にとらえて、それをどう改善したらより良くなるのか、こういう観点からしっかりやっていきたいと。  したがいまして、私の下には、顧問的な役割の方であるとか、それから運営評議会ということで民間の皆さん方に来ていただいて意見をお聴きする場を作るとか、また、民間の皆さん方に、私一人ではなくて、現在社会保険庁でやっている業務はこれでいいのかどうか、こういう形でいろいろ御協力をしながら、それに現在社会保険庁で業務を営んでいる職員と一緒になりまして変えていくと、その変える方向につきましては、国民の皆様方から信頼を得れると、こういう形でしっかり改革をしていきたいと、こういう決意で参った次第でございます。
  53. 山本孝史

    山本孝史君 大変なお仕事をお引き受けになっていると思うんですが。  それで、長官の下に運営評議会ができて、助っ人が来ていろいろと考えられるということだと思いますが、今は官房の中の社会保険庁在り方懇談会というところで議論いただいているので、それをとおっしゃいましたけれども、もう一つ、経済財政諮問会議の中でもいろいろと社会保険庁問題について議論されているようですが、こちらの方はどういうふうに受け止めておられるんですか。
  54. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) 私の方から代わってお答えさせていただきます。  先生も御存じのように、経済財政諮問会議は、総理大臣の諮問機関として国、国政全般にわたります経済財政の大問題を御議論いただくということが専らのテーマでございます。また、この六月に閣議決定をさせていただきました骨太二〇〇四の中でも、社会保障全般についての様々な議論を行うようにということが課題として掲げられております。  したがいまして、私どもの社会保険庁改革は、先ほど長官から申し上げましたような体制で省の外、省の中両方の面から進めてまいるわけでございますが、これに対しまして、ただいま申し上げたように、経済財政全般の立場から経済財政諮問会議が適宜その中で御議論をし、御意見をいただくということが通常の経済財政諮問会議の活動の一環としてかかわりが出てくるものと承知をしております。
  55. 山本孝史

    山本孝史君 竹中さんが意気込んで一か月二か月云々とかと、こうおっしゃっているんだけれども、そのいろんなところでこう議論されておられるわけですよね。  今長官の御答弁は、言わば年金という商品には手を付けないで、非常にできの悪い商品だけれども、しかしそれはそれで置いておいて、組織として何とか効率的に運用できないだろうか。例えば、今問題になっている国民年金の未納率の改善の問題ですね、四割の方たちが払っておられない、若い人たちだともっと多くの方が払っておられない。これを少なくとも二〇〇七年度には八割の納付率に上げていこう、こう目標設定がされているわけですが、これをそのシステムを変えることでやれるというふうにお考えになるのか、あるいは商品そのもののできが悪いのに何ぼ頑張っても駄目だと、こう考えるのか、今のお立場ではどちらの受け止め方ですか。
  56. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) 昨年、対策本部ができまして、平成十九年に八〇%まで持っていくという形の約束事ができてございます。この達成に向けましては、現在の仕組みのままで、やるべきことをしっかりやっていけば可能であるというふうに考えて、それに向けた取組は私はやりたいというふうに考えております。
  57. 山本孝史

    山本孝史君 可能であるということで、事務所ごとに徴収ノルマを掛けるんだと。それぞれの方たち、今、職員の人たちがとにかく出ていけと、取ってこいということで、月別に何件訪問するんだ、幾らまで回収するんだと、こういう話なわけですよね。いや、新聞報道でしか見てないので、新長官が指示、事務所ごとに徴収ノルマ、年金納付率改善図ると、こう書いてあるものですから、こういう姿勢なんですか。  すなわち、二年以上の長期未納者で三百二十七万人いると、こう書いてあるんですね。社会保険庁の職員は一万六千人程度でしょうから、一人当たり三百件弱ぐらいを受け持つことになるんでしょうか。それで、その管内の二年以上の長期未納者のところに行って、八〇%の達成をこの三年間の間にやる、そういうことが本当にできるというふうにお考えですか。あるいは、費用対効果を考えたときに非常にこれは悪いと思うんですけれども、どういうふうなお考えでしょうかね。
  58. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) まず、新聞報道につきまして、誤解でございますので修正をさせていただけたらと思います。私は、決してノルマという言葉を使ったつもりはございません。  現在、社会保険庁では、地区局ごとに事業計画というものを立てておりまして、その事業計画の中に国民年金の加入率というものが一つ項目として入ってございます。その部分につきましては、私が来る前、平成十六年度もうできておりまして、この部分をいかにきちっと達成をするかというその進捗管理の問題については、当然自主目標でございますのでやってしかるべきだろうというふうには考えております。  したがいまして、今後詰めなきゃいかぬ部分は何かといいますと、その各地区局ごとにできております事業計画の目標値、これが八〇%に向けての目標値に対してどういう状況になるかという検証の部分と、現在できている目標値につきまして、それが着実に実行できているかどうかという進捗管理、この部分は私としてはやっていきたいと、こういうふうには考えております。
  59. 山本孝史

    山本孝史君 だから、既に着任されたときにできていたその徴収計画というか未納解消のための計画があって、それを進捗をさせていくことの管理をしてやっていけば八〇%のこの納付率に行くだろうと、こういうお考えでおられる、こういうことですか。
  60. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) 今申し上げましたのは平成十六年度でございます。したがいまして、平成十六年度の目標値という観点で申し上げたわけでございまして、先ほどの八〇%は平成十九年度の目標値でございますので、当然三年間という期間がこれからあるわけでございます。  その中で、現在、年金全体の制度改定もございまして、その中で所得の捕捉との関連の問題であるとかいろいろな手が打たれてございます。したがいまして、その部分をしっかり対応していけば可能であろうと、また可能である仕組みになるんではないかということで現在は考えております。  ただ、申し上げたいのは、現在私が参りまして一か月たっておりません。実質、現場で実際徴収をしていただいている皆さん方がどういう体制でもってどういう形でおやりになっておられるか、これをやはり現場を見ない限りははっきり分からないというふうに思っております。  したがいまして、八月のお盆以降から積極的に現場へ行きまして、実際徴収している職員と話をし、この方法でいいのか、現場から見た場合にどういう要望が逆に本部に、本庁側にあるのか。ここをしっかりとらえた上でやっていきたいと、こういう覚悟でございます。
  61. 山本孝史

    山本孝史君 民間から来られたというか、言わば何も分からないと言ったら変ですけれども、知らないうちにいろんなものをごらんになって自分で御判断される方がいいと思うんですね。多分、役所の皆さん方はいろいろと御進講されてくるんだと思うけれども、そういうものに巻き込まれてしまうとせっかくの感覚がずれてしまうということを私は心配しますので、余りお話を聞かれない方がいいのではないかとも思う。  しかし、現状についてのことはいろいろとお聞きにならないといけないかもしれない。来られる前に社会保険庁をめぐる様々な問題が指摘をされていて、保険料が流用されている、あるいは業者との癒着が指摘をされている。そういう中で未納率の解消をしなければいけないという大変な問題がある。商品が私は悪いと思いますけれども、その商品をそのままにしておいて改善をしようとすれば、おっしゃっておられるというか、新聞に書いてあるように、訪問をして、そして徴収率を上げていくということにしかならないわけですね。  しかし、自分自身の経験からいっても、徴収をするというのは大変な事務でして、自分で仕事をしながら、なおかつ出掛けていって探し当てて、いなかったらそれでまた出掛けていかなければいけないわけですし、実際に国保の徴収をしておられる市町村の皆さん方は、もう全市を挙げてやらないと厚生労働省からお金が来ませんから、必死になって言わば市長さん以下全員が電話掛けをしながらその国保の収納率を上げるということをやっておられるわけです。  ところが国民年金の場合は、これ社会保険事務所としては守備範囲が広いですし大量ですから、なかなか職員だけでやれる範囲は私は限りがあるだろうと思います。ちょっと新聞記事のうろ覚えであれですけれども、愛知かどこかでしたかしら、四千円の保険料を徴収するのに一万円の費用が掛かるというようなこともありますので、費用対効果、確かに掛ければいいですけれども、出掛けていけば残業手当が付いてきますしいろんな交通費も掛かってきますから、実際のところは、非常に数字の上では改善されたとしても、費用の掛かり方としては非常に大きなものになって、思ったほど実は上がってこないと思います。  そう考えると、もう少しシステマチックなことを考えないと、人海戦術でははるかに無理があると思います。そういうことを思いながら是非いい案を考えていただきたいと思う。  それで、もう一つは、社会保険庁予算というものを長官はごらんになったでしょうか、あるいは説明を受けておられますか。
  62. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) 説明は受けております。
  63. 山本孝史

    山本孝史君 そうしますと、御承知のとおりに、厚生保険特別会計ですとかあるいは国民年金、船員保険の特別会計がそれぞれに立っていて、その中で費用が付いてくるわけですね。特別会計の中の業務勘定から事務費が回ってくるというわけですが、このことについてかねてから指摘をされているのは、一つは、厚生年金と国民年金、船員保険の間の勘定が実はどんぶりになってしまっている。  すなわち、厚生年金に加入している人たちの保険料の中から業務勘定として国民年金の保険事務の部分にも回ってしまっている部分があるという部分ですとか、あるいは、江角マキコさんのポスターで問題になりましたけれども、あの費用はどこから出ているかというと、この国民年金の項、項としては福祉施設費の中の福祉施設事務処理費という中からこの広報関係費、ポスターの作成費とかが出てくるんですね。  この福祉施設事務処理費ですとかあるいは福祉施設費というこの項目立て、科目立てが、普通の人間から見てもおかしいと思うわけです。非常に分かりにくい予算書になっている。そういう意味で、これをごらんになったときに、私はそう思うんですが、長官、その説明を受けたとおっしゃいましたので、この社会保険庁関係する業務勘定のこの予算書をごらんになったときの御感想なり、あるいはこんなものでいいんだろうか、私はそうは思いませんけれども、長官はどういうふうに受け止めておられますか。
  64. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) 民間であれ国であれ、やはり予算の透明性というのは非常に大事だというふうに思っております。したがいまして、どちらにしてもきちっと説明できるような形に変えていく必要があるんだろうと。  ただし、費目の問題につきましては、現在決められているわけでございまして、この中をしっかり開示して御報告申し上げるようにすればよろしいんではなかろうかというふうに考えております。  また一方、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四で、会計の問題につきましてはきちっと整備をするということで、平成十七年度までにその試行段階を終了して、各府省は平成十八年度から連結の財務書類を年次報告をするであるとか、政策ごとに予算と決算を結び付けまして、予算と成果を評価をできるような予算書、決算書の作成に向けて準備を進めるとか、そういう決まりはしておりますので、その中で明確になっていくんだろうというふうに考えております。
  65. 山本孝史

    山本孝史君 是非、来年度予算案を立てられるときにこの予算の立て方というものも、今おっしゃったように、もっと分かりやすく立てていただいて、広報費の問題も、先般も、これも報道されているので御存じだと思いますが、石川県の社会保険事務局で石川県版の国民年金の加入促進するためのテレビコマーシャルを作ったと。このことについて前任の運営部長さんは、そういうことがあることは存じ上げませんでしたと、こうおっしゃっているんですね。すなわち、広報費というものについても非常に、どこがどう決めてだれが使っているのか、全国でどういうふうにして使われているのかということについても非常に不透明になっているんです。  そういうことを考えますと、繰り返しになりますけれども、是非、この社会保険庁予算というものがどうなっているのか、そしてそれについて保険料をどこまで充てるのか、あるいは税金で充てるのか、どちらを充てても国民の負担は変わりはないわけですから、ここを分かりやすいやっぱり予算書というものを作るというのが私は社会保険庁改革の一つ手掛かりであると思いますので、是非取組をしていただきたいというお願いをします。  それから、もう時間がありませんので、かねてから幾つか御指摘を申し上げているんですが、諸外国で、例えばスウェーデンですと、オレンジレターというような形で年金の保険料の支払状況ですとかあるいは受取の見込額ですとかといったものが通知をされてくるわけですね。先日の新聞報道にもありましたのは、これはかねてからみんなで思っているんですが、厚生年金の加入者、この場合には保険料は事業所が払っているわけです。しかし、事業所がちゃんとその報酬に応じた年金保険料を払ってくれているかどうかということまでのチェックは実は利かないんですね。そのことについて年金の加入記録をチェックをしてみると、実は事業所の方がきちんとした年金保険料を払ってくれていないがために後々になって自分が予定していた年金額がもらえないという形の事件も発生をしてくるということですから、こういった意味で、これは大臣にもかねてから御答弁をいただいているんですが、加入者に対しての年金の支払見込額あるいは年金保険料の支払状況といったものを通知をするということは非常に重要だと思っています。  前回御指摘を申し上げたのは、私は国民年金を口座振替で払っておりますけれども、一年たちますと六月ごろになって一年間の支払状況の報告書が、はがきが届くと。これをもう少し、年度ではなくて年間単位にしていただければ三月ぐらいには来て、確定申告の時期には間に合ってきちんとした報告が出せるわけですね。こういうシステムにすれば、今、自分の生命保険を多額に払っておられて生命保険控除を受けておられる方が実は国民年金を払っていないといったような問題も解消されてくるわけで、様々なそういったやっぱりシステマチックな取組をしないと駄目だと思います。  その中で、情報開示ということの中に、やっぱり国民に対して、被保険者に対してきちっとしたこういう情報、個人の情報をお知らせをしてあげるという仕組みも是非改革の中にひとつ入れていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
  66. 村瀬清司

    政府参考人(村瀬清司君) 御存じのとおり、民間の生命保険会社等では、お支払いになられました保険料、商品の内容等が年に一度必ず加入者のところに連絡行く仕組みになってございます。したがいまして、私ども社会保険庁としましても、極力そういうものをお客様にしっかりお伝えできる、こういう仕組みを作っていきたいというふうに思っております。  現段階でやっておりますのは、既に御承知おきだと思いますけれども、五十八歳到達者に対します年金加入記録の事前通知をさせていただいているとか、インターネットを利用した個人の加入記録等の提供であるとか、また、平成十七年度からは、全被保険者に対しまして直近一年間の保険料納付状況等を御送付させていただくような仕組みも現在考えております。  そして、今回の年金改革によりまして、平成二十年度、ポイント制の導入も考えられておりますので、これができますと必然的に個々の個人に対しまして御報告をするという仕組みができ上がらざるを得ないというふうに考えておりまして、積極的にこれはやっていきたいというふうに考えております。
  67. 山本孝史

    山本孝史君 時間になりましたので終わりますけれども、損害保険会社にお勤めでしたので御存じかもしれませんが、金融機関コード表がありまして、社会保険庁がずっと買い取っていたのが市価の七倍の値段で買っていると。私などは、金融機関がコードを付けることを利用者の側にお願いをするわけですから、こんなものはただでくれていいはずにもかかわらず、二億円近いお金を掛けて社会保険庁は買っているわけですね。  こういう、普通に民間感覚で考えれば、普通の人から考えれば全くおかしなことを一杯やっていますので、そういったところの感覚をなくさないうちに早くいろんなところにチェックをしていただいて、役所の皆さんに守られているのではなく、むしろ私は裸の長官の方がいいのではないかと思いますが、余り青柳さん横から口を出さないで、長官に是非自由に動き回っていただいて現場の声を聞いてきていただきたい。このことをお願いして、また秋の国会でその結果をお聞きをさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  68. 小林正夫

    小林正夫君 皆さん、こんにちは。民主党・新緑風会の小林正夫です。今回の選挙で初めて当選をいたしました新人議員です。いきなりこのような場で発言の機会をいただきまして本当に光栄に思います。一生懸命頑張っていきますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  私は、今回の選挙戦を通じていろいろ政策を訴えてまいりました。その中で多くの有権者から、この課題について小林さんしっかり取り組んでほしいと、こういう点について幾つかお話を聞いてまいりました。特に高齢社会についての課題について何点か強い有権者の意向が示されてきた、このように感じます。  そこで、大臣にお聞きをしたいのは、高齢社会そのものの受け取り方の印象が何かマイナスイメージになっているんじゃないだろうか。医療関係あるいは年金関係あるいは介護関係など、確かに出費をするものも多くなってきますから、どちらかというとそういうことの報道あるいはそういうことが大変なんだというこういう感覚が余りにも大き過ぎて、高齢社会のプラス面、このことがなかなか世の中そういう感じになっていないんじゃないかというふうに思うんです。先日の自殺者の悲しい統計もありましたけれども、六十歳以上の自ら命を絶つ人も全体の三四%になっているということもございます。  したがって私は、この高齢社会にこんないいことがあるんだというプラス面について私たちは啓蒙活動をしたり、あるいは日本人として生まれて、あるいは年取ってもこの日本に生活して良かった、このように思えるような国づくりをしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。確かに体力は衰えていきますけれども、人間の成熟度というのは反比例して上がっていく、このように思います。    〔委員長退席、理事藤井基之君着席〕  実は、私は昭和二十二年の団塊の世代の生まれですから、これからこの一番人口の多い世代が二十年、三十年年を重ねていきますので、是非これからの社会も、高齢社会がやはりプラス面が一杯あるんだと、こういうことを啓蒙していくことが必要だと思うんですが、この辺について大臣の御見解があればお聞きをしたいというふうに思います。
  69. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 小林議員には、御当選いただきまして心からお祝いを申し上げたいと存じます。  今お話をいただきました高齢者の問題でございますが、確かに、高齢者の皆さん方はお金の掛かる集団というような見方もございまして、マイナスイメージを持っている側面というのはもう否定し難いものがございます。しかし、中には、高齢社会というのはこれは達人社会だというふうにおっしゃった方がございまして、私は非常に的確な表現ではないかというふうに思っております。  各分野におきまして、この高齢者の皆さん方というのは非常にそれぞれの道で今までの仕事、熟練、そうしたものを積み重ね、人生的にも様々な経験をしておみえになって、特に、それぞれの進まれた道につきましては達人の域に達した皆さん方が非常に多いと、率直にそう思っております。高齢社会をどう生き抜くかということにおきましては、この達人と言われるこの人たちにどのように社会的貢献をしていただくかということによって決定されるというふうにも思うわけでございます。  そうした意味で、働き方の問題もございますし、一度それぞれの分野を御卒業いただいた皆さん方をどのように社会の中で受け入れていくかということが大事だというふうに思っております。  私にその達人社会ということを言っていただきました方は、いわゆる財政的な面でいえば年金等もちょうだいすることになる、だからそれほど多くの財政的な我々はことを問題にしようとは思わない、しかしこの社会の中で我々はそれなりの大きな役割を果たしているというその受け止め方、そうしたことをやはり社会全体でしていただくようなシステムを作ってほしい、こういうふうに述べられました。私は非常に意味のある言葉だというふうに今も思っている次第でございまして、そうしたことを忘れずにやっていかなければならないと思っている次第でございます。
  70. 小林正夫

    小林正夫君 今、大臣がおっしゃったように、やはり年を重ねた方はいろんな経験を持っていますから、そしてまた時間的な束縛から解放されますので、地域社会への貢献だとか、あるいはボランティア活動、こういうことに対しては本当に頑張ってやっていただける、こういう世代になっていくと思いますので、是非、年を取ったから肩身の狭い思いで生きていく、こういうことがないように、そういう世の中じゃないように、明るく元気で暮らせるような是非とも取組お願いしておきたいというふうに思います。  そこで、何となくマイナスイメージになっているこの世の中を、高齢社会がプラスなんだよという、この辺の啓蒙活動について、今までの取組、あるいは今後についてどのように取り組んでいくのか、お考えがあればお聞きをしたいというふうに思います。
  71. 井口直樹

    政府参考人(井口直樹君) 御案内のとおり、我が国では一九八〇年代後半以降、世界一の長寿社会となっておりますけれども、こうした中で、多くの高齢者が安心して生きがいを持ちまして、だれもが喜べるような明るいイメージの長寿社会というものを作っていくことが大切だろうというふうに考えております。  厚生労働省では、このような、今御指摘のようなプラス面も含めました長寿社会への国民の理解をより深めるために、様々な取組を行ってまいってきているところでございます。  具体例といたしましては、国民一人一人が高齢者とのかかわりや高齢期の在り方への関心と理解を深める機会といたしまして、御案内のとおり、毎年九月十五日の老人の日から二十一日までの一週間を老人週間として設定をいたしまして、地方自治体に対しまして、保健・福祉のまちづくり、高齢者の社会参加、ボランティア活動の促進等の五つの目標を掲げまして取組お願いをしてきてございます。また、老人の日には百歳以上の高齢者に対しまして内閣総理大臣から記念品を贈呈するなどの記念行事も実施してきてございます。  またさらに、昭和六十三年以降につきましては、毎年、高齢者のスポーツや芸術活動の祭典であります、いわゆるねんりんピックと申しておりますけれども、全国健康福祉祭というものを開催いたしまして、高齢者の健康水準の向上とか、社会参加意欲、生きがいの高揚などを図ってきてございます。  今後とも、厚生労働省といたしましては、これらの取組を通じる中で、今御指摘の高齢社会のプラス面の啓蒙というような点につきましても十分配慮をいたしまして、明るい高齢社会の実現ということに努めてまいりたいと、かように考えております。
  72. 小林正夫

    小林正夫君 是非、年を取っても本当に日本で住んでよかったな、こういう国になるように頑張って私たちはそういう社会を作っていく、こういうことが大切だと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいというふうに思います。  現実問題として少しお話をさせていただきます。介護の関係について何点かお聞きをしたいというふうに思います。  在宅介護、私は、大変なこの在宅介護というのは負担があり、あるいは家族の思いがあり、一生懸命世の中には在宅介護で頑張っておられる方がいらっしゃるというふうに思います。私自身の経験でも、実は母が介護認定五という状況になっておりまして、在宅介護で何年間か母と一緒に暮らしてきた経験を持っております。在宅で自分の家で介護ができるということは、これは幸せかもしれません。でも、私の経験でいくと、ある段階で限界というのを感じたところがありました。したがって、いろんなところに相談をして、そして今は特養ホームに入れていただいているんですけれども、そのように考えていきますと、在宅で要介護の重い人たちの支援に対するサービスの在り方、これも大変重要になってくると思いますので、この問題についてどのように今考えられているのか、お考えがあればお聞きをしたいというふうに思います。
  73. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) ただいま先生からお話がありました、介護が必要な状態になってもできるだけ在宅で暮らし続けていく、続けられるようにしていくと。そこは大きな御希望が、そういう御希望のある方も多いわけでございますので、課題だと思っております。  介護サービスにつきましては、介護保険制度の下で実施されておりますけれども、介護保険が平成十二年四月にスタートいたしましてから、在宅サービスを利用される方もスタート時に比べまして二倍以上に増えております。しかし、今先生の具体的なお話がございましたけれども、要介護度が重い方、特に四とか五の方の半分以上の方はやはり施設にお世話になっているという状況でございまして、私どもも、重度になった場合で在宅で暮らし続けたいという御本人なり御家族の御希望がある場合に、どうやってそこのところを支えていくかということは大きな課題になっております。また、要介護認定で該当された方の約半数の方に痴呆性の問題があるということもございますので、そういった痴呆性高齢者の方に対応するサービスということも求められていると思います。  現在、介護保険制度の見直しに向けまして検討しているところでございますが、七月三十日に社会保障審議会の介護保険部会で意見書の取りまとめが行われておりますけれども、その中で在宅の強化のために何点か指摘がされておりますので御紹介をさせていただきたいと思います。  まず、やはり医療と介護が連携できるようにしていくということを強調されておりまして、地域における医療と介護の連携、特に在宅、医療機関、施設、高齢者の方がいらっしゃるところによってその介護なり医療なりが、サービスの度合いが異なるということはまずいということで、地域で連続的にそういったことが確保されるよう、ケアマネジャーさんあるいは主治医さんとの連携を一層強化していく必要があるというふうに言われております。  また、痴呆ケアの推進が必要だということで、できるだけ身近なところでサービスが受けられるように、地域密着型サービスと、こう提言されておりますが、そういったことを作っていくこと。それから、早期に発見して診断されれば、今かなりお薬もできてきているというようなこともございますので、早期の診断、対応から始まる継続的な地域の支援体制の整備が強調されております。特に、重度な方については医療のニーズも高いということで、在宅におきますターミナルケアの対応などの観点からは、訪問看護ステーションや地域に密着した医療機関などにも更に活躍していただいて在宅療養を可能にするような手だてを考えるべきではないかと、こういう御提言をいただいているところでございます。  年内に私ども介護保険制度の見直しについて案を作ってまいりたいというふうに思っておりますので、こうした審議会の御意見を踏まえ、重度になっても住み慣れた地域で生活が継続できる体制の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
  74. 小林正夫

    小林正夫君 こういう方たちの受入れの施設など、私は、これから一杯作っていかなきゃいけない、このように思っています。  そういう観点から大臣の方にお聞きをしたいんですけれども、私の経験で言うと、介護する側から見ますと、夜中、一時間置きに起こされたり、あるいは食事したことを忘れてしまったり、あるいは徘回をする、こういう場面に遭いますと、ついつい自分の母親であってもまたかと大きい声を出してしまったという自分自身の経験もありまして、自己嫌悪の繰り返しという生活が私の場合も続きました。  したがって、私たちこれから、昭和二十二年、二十三年、二十四年生まれの団塊の世代がこれから二十年、三十年年を重ねて、まあ最期まで人生元気でいかれればいいんですけれども、後半の数年間は病院に通ったり、あるいは介護の世話を受けたり、こんなようなことを考えていきますと、在宅介護の限界というところがあるはずですから、そういう場面にしっかり対応できるような、高齢者の多様化を踏まえて、多様な住まいとかあるいは介護施設を増やしていくこと、このことが私は大変大事だと思うんですけれども、このことに対して大臣の見解があればお伺いをしたい、このように思います。
  75. 坂口力

    国務大臣坂口力君) お話しのとおり、在宅介護というのは、言葉はそのとおりいいんですけれども、なかなか要介護四とか五になってまいりますと在宅介護というのがいかに難しいかということはもう御指摘のとおりでございます。私も経験がございます。  そういたしますと、この在宅介護といいますのは、しっかりと介護をしてもらう人がいて、なおかつそこで介護サービスを受けるということができる人にこれは限られてくるというふうに思いますし、また、たとえそれが御家族であって肉親の方であったといたしましても、毎日毎日のことでございますから、なかなか介護というものに対する疲れが出てくることもこれもまた事実でありまして、人間でございますから、いつも優しい言葉ばかりも掛けることができないというようなことが起こることも事実でございます。  したがいまして、やはり施設の重要性というものは、私はしっかりと踏まえていかなきゃいけない。その中にはグループホームのような行き方もあろうかと思いますけれども、様々な方法も加えながら、しかし要介護四、五という、そうした段階になった人たち、その人たちのためのやはり施設というものはちゃんとしておいて、御家庭で介護を受けられる皆さん方におきましても、時にはそこでショートステイで過ごしていただけるような体制というのが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。
  76. 小林正夫

    小林正夫君 私は、今回のこの選挙を通じまして、やはり、このような環境にある方、有権者から本当に、やはり施設をもっと造ってもらわないと、なかなか順番待ちで入れないんだ、このようなことも訴えも大変多く聞いてきました。それと、虐待の報道もありまして、三割が息子さんが親に対する虐待をしている、こんなような報道もありました。是非、そういうことが少ないというか、そういうことがないようなやはり私たちの日本の社会を作っていかなきゃいけないと思いますので、是非とも、大臣お話のとおり、必要な施設をきちんと造っていく、こういう姿勢で取り組んでいただければ有り難い、このように思います。  次の質問に移ります。  雇用労働関係についてお聞きをしたいと思います。  今年の六月から改正高年齢者雇用安定法の施行がスタートいたしました。年金の支給年齢と働く年齢を合わしていく、こういう意図があった法律ですから大変歓迎をされている面もあると思いますけれども、この施行に向けて大臣の所感があればお聞きをしたいというふうに思います。
  77. 坂口力

    国務大臣坂口力君) これは年金法案とともに出させていただきまして、こちらの方は皆さん方の御賛成を得て、そして成立をいたしました。  この改正しました高年齢者雇用安定法でございますが、これはやはりお勤めをいただく期間とそして年金というものとが継続をしていかないといけない。これから六十歳からだんだんと六十五歳にこの年金が引き上げられていくわけでありますから、その六十五歳に引き上げられていきますそのときに、それに合わせて働く場も少なくとも六十五歳まではやはり働けるという状況を作り上げていくということが大事でございますし、また、最近の高齢者の皆さん方のお姿を拝見しておりますと、六十五ではなくて、もう七十歳でも働けるという方が随分お見えでございますし、また中にはその意欲をお持ちの皆さん方も多いわけでございます。この皆さん方にどう対応をしていくかということが今社会に求められているというふうに思っております。  十年先を見ますと、いわゆる労働力人口がだんだんとこれから減ってまいりまして、二〇一五年ぐらいには二〇〇〇年に比較をすると三百八十万から九十万人ぐらい労働力人口減ることになってまいります。そこを補っていただける方というのは六十歳代の方と女性の皆さん方だというふうに思っておりまして、したがいまして、この十年間、中期的に見ましても取り組まなければならない大きな課題であり、そして改革すべきところは改革をしていかないと間に合わないという気がいたしております。
  78. 小林正夫

    小林正夫君 そこで、この法律が本当に円滑に進むようにしていかなきゃいけないというふうに思うんですけれども、この辺の指導、まあ六月に施行されたばっかりですけれども、二〇一三年度までには六十五歳まで雇用を各企業に義務付けていくと、こういうことになっておりますけれども、これの円滑な施行ができるような、こういう指導についてどのように行われているのかということ、一点と、もう一つは、全員の雇用ができない場合があり得ると、こういうことにもなっておりまして、それは労使間で話し合って、そのことに基づいて判断をしていくという、こういう内容になっておると思いますけれども、労使交渉で、その際にポイントになりそうな点、あるいは懸案事項としてなりそうだ、こういうふうに今の段階で何か思われている点があればお聞きをしておきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
  79. 金子順一

    政府参考人(金子順一君) 二点御質問がございました。お答え申し上げたいと思います。  まず第一点の円滑な施行に向けての指導ということでございますけれども、これは今回の高年齢者雇用安定法の改正によりまして六十五歳までの定年の引上げあるいは継続雇用制度の導入ということが義務付けられたわけでございまして、これにつきまして各企業で制度の導入をしていただこうというものでございますが、検討に当たりましては、労使間で賃金でございますとか働き方などについて十分話し合っていただいて、それぞれの企業の実情に応じました対応が取れるようにしていく必要があると考えております。  こうした観点から、行政といたしましては、こういった制度導入のための必要なアドバイスでありますとか御支援を申し上げるということを行いつつ、また一方で各企業の実情に応じた取組を行政指導というような形で進めていくと、こういうような取組を進めていく必要があると考えております。    〔理事藤井基之君退席、委員長着席〕  具体的に申し上げますと、例えばどういった形で指導をするかということについてでございますが、定年の引上げや継続雇用制度の導入がまだ講じられていない、全く講じられていないといったような事業主に対しましては優先的かつ重点的に指導を行っていくとか、あるいは個別の企業の実情に応じまして、ハローワークによります助言、指導、あるいは独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構というのがございますけれども、こちらに専門家のアドバイザーが配置されております。こういったアドバイザーによります賃金、人事制度、処遇制度の見直しに向けての専門的、技術的支援を行う、こうしたような助言、指導を適時適切に行いまして、各企業におきまして定年の引上げあるいは継続雇用制度の導入が円滑に進むよう取り組んでいきたいと考えております。  それから、もう一点の御質問でございますが、今回の六十五歳までの雇用継続措置の一つといたしまして継続雇用制度の導入というのがあるわけですが、希望者全員を、この継続雇用制度につきましては希望者全員を対象にするというのが原則ということになっておるわけでございます。ただ、すべての企業になかなか一律にこういったことで義務付けを行うということは、各企業の経営状況に応じた対応が取れないというようなこともございまして、労使間の話合いによりまして柔軟な取組が可能となりますよう、希望者全員ではなく対象者を限定するといいますか、そういった基準を労使協定で定めることができるというふうになっております。  御指摘のございました今後の労使交渉のポイントということでございますけれども、各企業におきましてそれぞれ置かれている状況、区々であろうかと思います。いろんな点があろうかと思いますが、今申し上げましたようなこういった基準を労使で作るといった場合に、この点についてどういった形でこれを整理していくかという辺りが一つのポイントになるのかなというように見ております。我々といたしましては、こういった基準が適切なものになりますよう、いろいろ事例なども集めて情報提供をさせていただきたいなと、このようなことで取り組んでいきたいと考えております。
  80. 小林正夫

    小林正夫君 最近、平成に入ってなかなか日本の経済状態が悪いものですから、いろんな報告を聞いていますと、労使交渉において、企業側は人を減らしていきたいという方向で動く、労働組合は年金問題については年金がもらえるまで働かなきゃ収入がないんだから駄目じゃないか、こういう論議になる。相当かみ合わない論議が何年も続いているという実態がありますから、そういう中で、今お話しされた、六十五歳まで雇用を義務付けたんだけれども、本当に労使交渉で、全員を原則的には雇用するんだよという、このことがちゃんと生かせるような労使交渉であってほしいと思いますので、是非いろんな情報も収集をいただきまして、労使交渉の円滑な、進むように指導すべきところがあったら指導していただきたいと、このようにお願いしておきたいというふうに思います。  時間の関係がありますので最後になりますけれども、若年層の雇用と新規高卒者の就職率の低下、あるいは高い水準で推移をしている失業率など大変厳しい状態が続いているんですけれども、私はこの課題、選挙運動を通じまして、ちょうど私たちの世代がこれから就職をする子供たちを持っているという、こういう有権者から、うちの息子あるいはうちの娘は本当に就職できるんだろうかという、親としては自分の子供たちの就職が本当に心配、こういう声がたくさんありました。  したがって、現状このような状況になっておりますけれども、若い人あるいは学校を出て就職したいと思っている人たち、この人たちがしっかり働けるような私は政策をしっかり打っていかなきゃいけないと思うんですけれども、このことに対して大臣としてお考えがあればよろしくお願いしたいというふうに思います。
  81. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 中高年の問題、女性の問題も大事でございますが、もう一つ大事なのは若年者の問題でございます。一時一〇%、二十四歳未満のときに一〇%を超えておりまして、最近ようやく九%台に失業率下がってはまいりましたけれども、しかし他の分野に比べますと非常に高いわけでございます。  ただ、他の分野と違いますところは、いわゆる有効求人倍率と申しますか、雇う側の方が雇いたいという気持ちを持っていないかといえば、この年齢層には、ミスマッチがあるかどうかは別にいたしまして、雇いたいという企業の数も、あるいはまた人数もかなりあることは事実でございます。一%を超えておりますから、有効求人倍率、一を超えておりますから。しかし、そこにミスマッチがあるんだろうというふうに思いますし、雇いたいというふうにおっしゃる中にも、有期雇用でありましたり派遣業でありましたり、あるいはパートでありましたりというような、正規雇用とは違う雇用形態であるがゆえに、それではやはり行きたくないという若い皆さん方のお気持ちがある、そうしたことも率直に私はあるんではないかというふうに思っております。この分野の皆さん方に、いわゆる常用雇用として就業をしていただくという形にどうするかということではないかというふうに思っております。  厚生労働省でも幾つかの今まで施策をやってまいりましたけれども、うまくいっているもの、うまくいっていないもの、正直言ってあるわけであります。うまくいっておりますものは、いわゆるインターンシップあるいは試し雇用、そうしたことによりまして企業の側の皆さんも、よし、この人だったら、二、三か月勤めてもらった様子を見て、この人だったらやはり欲しいというふうに思っていただくケースがかなり多いということでございまして、試し雇用といったようなことは今後もう少しここは拡大をして、国としてもそれに対する支援をしていくというのが一つの方法ではないかというふうに思います。  もう一つは、これは昨年から始めたわけでございますけれども、いわゆるデュアルシステムというのをやっておりまして、いわゆる技能訓練とそれから実地の仕事と並行してやっていただいて、あるいはこの技能訓練等を何か月間やっていただいて、そして実地をやっていただき、また技能訓練をやっていただいてというようなことを繰り返すといったような、ドイツがやっておりましたデュアルシステムというのを導入をいたしまして、これを行っている。これはかなり有望ではないかというふうに思っております。  こうしたことを中心にしながら様々なものを組み合わせていくということが大事でありまして、若い皆さん方の夢にどうこたえるかということも更にここは熱心に取り組んでいかなければならない課題と思っております。
  82. 辻泰弘

    辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。  あの六月三日の強行採決以降初めて質問に立たせていただくことになるわけでございます。こちらに立ちますと二か月前のことが思い出されるわけでございます。大変暑い夏を経たわけでございますけれども、人もいささか人事で替わられたところもございますけれども、本質は変わってないと思うわけでございます。そこで、あのときのことをちょっと、大臣に通告はしておりませんけれども、御感想あるいはそれを踏まえての御対処、お聞きしておきたいと思うわけでございます。  まず、あのとき、六月三日の三時過ぎでございましたけれども、強行採決ございました。大臣もおられました。総理大臣も御出席でございました。あの中で一方的に審議打切りと。西川さんを始めとする、また社民党、共産党の方の質疑を残したまま強行な採決が行われたわけでございますけれども、あの事態、大臣どのようにごらんになったか改めてお聞きしたいと思います。
  83. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 国会でお願いをいたしておりますことは国会にゆだねて皆さん方お願いをする以外にないわけでございます。しかし、年金という大事な問題でございますし、参議院におきましては非常に本質的な御議論もいただいたというふうに思っている次第でございます。そのことにつきましては私は非常に感謝を申し上げているわけでございますが、参議院選挙という日程もあり、限られたこの国会の中で議論をしていただきまして、そうした中で、やはりおのずからそこには限界というものがあってああいう形になったというふうに私も理解をいたしておりますが、いずれにいたしましても、国会の中でお進めをいただきましたことに対して、我々といたしましては御議論をいただきましたことを含めて感謝を申し上げている次第でございます。
  84. 辻泰弘

    辻泰弘君 先ほど御質問ございましたように、その後四十か所の訂正ということがあったわけですけれども、それらのことを思いますときに、逐条審議も含めてもっともっと時間を掛けて法案の審議をして、これからの年金制度の改革に取り組むべきだったと思うわけでございますけれども、時間はあれで十分だったと、このように思っていらっしゃいますか。
  85. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 医療保険にいたしましても年金にいたしましても、これは限られた時間の中で御議論をいただかなければならないわけでございまして、そのことについては私は議員の皆様方も御理解をいただけるのではないかというふうに思いますが、しかし、この提出をさしていただきました私たちと、そしてそれに反対をされる皆さん方とでは立場が違いますし、またお気持ちも違うのであろうというふうに思っておりますが、本質的な議論はかなりしていただいたというふうに私は受け取っておる次第でございます。
  86. 辻泰弘

    辻泰弘君 参議院選挙で年金改革がテーマとなって、結果として私どもが躍進をさせていただいたという中で、やはり年金制度の抜本改革やり直し、白紙撤回ということが国民の民意であったというふうに私ども受け止めるわけですが、このような民意をどのように受け止めてこれからの年金制度改革に当たられるのか。本当は白紙撤回からというふうに私は思いますけれども、大臣のお立場でも、その民意をどう受け止めて対処されるのか、お伺いしたいと思います。
  87. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 前回の国会におきましてもいろいろ御議論をしていただきましたが、その中で、具体的な問題は別にいたしまして、大きな流れとして、私は、一つはこの負担在り方というものが私は大きな議題になったというふうに思っております。  負担在り方、それはいわゆる保険料という形でどこまで負担をするのか、税という形でそれをどう補うのか、いわゆる年金の姿形というものをこれからどうするかという議論があります半面におきまして、その負担在り方というものが大きな課題になったというふうに思っております。  したがいまして、これから先のこの年金を取り巻きます状況、これは年金だけではなくて社会保障全体の中でこの負担というもの、負担と給付あるいはサービスというものをどう考えていくか、年金の中にどれだけ税というものが投入できるのかと。それにはやはり限界もあるだろう、国民の皆さん方が御負担をしていただく限界もあるでしょうし、そうしたことを十分にお話合いをして、そしてそこを決定していくということが一番私はこれから先大事になるのではないかというふうに思っている次第でございます。  もちろん、制度の一元化の問題でございますとか、皆さんが御主張になっておりますような問題もございますし、この委員会におきまして山本議員からも前国会において提案をされましたような行き方というのは、私は、一つの考え方としてお互いに議論をしていって、合意も不可能ではない、可能ではないかという気もしてあのときにお聞かせをいただいたわけでございまして、そうしたこれからの年金制度の在り方というものも議論になることだろうというふうに思っております。
  88. 辻泰弘

    辻泰弘君 今、大臣は、先般の参議院選挙における民意というものを、結局、負担だとかサービスとかそういうことに焦点を当てておっしゃったわけですけれども、しかし、それは私は、本質をたがえているというふうに私は思います。  そこで、国民の皆さん方が必ずしもおっしゃったように正確にすべてを承知された上でのことであったかどうかというのは、そこはある程度疑問があるかもしれませんが、しかし本質は、やはり抜本改革をした上で負担、給付を考えると。現行制度の温存の中で、小手先の財政の帳じり合わせでは駄目だということがやはり民意の本質であったのではないかと私は思うんです。  その点について、大臣、いかがお考えでしょうか。
  89. 坂口力

    国務大臣坂口力君) そこは、先ほど申しましたとおり、負担と給付の在り方、これをどうするかという、どういう制度にいたしましても結局はそこに戻ってくるわけであります。  ですから、この少子高齢社会の中で、これは岡田代表も言っておみえになりますが、この負担と給付というものを考えたときに、少子高齢化の中でやはり負担が増えていくこと、そして給付の方が若干下がっていくこと、そのことに対しては私は国民の皆さん方もある程度御理解をいただいているのではないかというふうに思っております。  しかし、そうした総論の中で、今後どういう制度を構築をしていくかという問題はあり得る、更に検討をすべき問題はあり得ると私も思っておりますけれども、しかし、その一番の根幹のところ、そこにつきましてはある程度御理解をいただいていると私は理解をいたしております。
  90. 辻泰弘

    辻泰弘君 ここは見解の分かれるところだと思いますけれども、私どもは、やはり制度の基本が温存されている、その中での負担増、給付減、その一方的なやり方、これについてのノーの意思表示だったと私は思っているわけでございます。その点は見解を異にするところかもしれませんが、本質的な部分だろうと思います。  じゃ、一つお聞きしますけれども、その後、十五年の合計特殊出生率一・三二が一・二九に低下したということがあったわけですが、そういうことも含めて今でも百年安心の年金制度だとおっしゃるんでしょうか。
  91. 坂口力

    国務大臣坂口力君) ここは見解の相違かも分かりません。今まで年金制度は五年ごとに再計算をし、五年ごとにいろいろと変えてまいりました。このことに対して国民の皆さん方の反発があったことも実は事実でございまして、五年ごとに変えられてはたまらない、もう少し長期的な展望の中で考えてほしいと、こういうお話があったことも事実でございます。  そうした中で、我々は、五十年、百年という、なかなか長くなればなるほどそれに対して予測というものは難しくなりますけれども、しかし、現在でき得る、可能性のあるものをすべて駆使しながら、そうした長期的な展望の中でこの年金制度を維持していくためにはどういう体制でやっていけばいいかと、そういう立場で我々は作り上げたわけでございまして、そのことに対しては、私はそれで良かったのではないかというふうに思っております。
  92. 辻泰弘

    辻泰弘君 年金制度改革大臣と根本的に意見を異にするのはやはり一元化の部分でございます。坂口大臣のお考え、ごもっともだと思うときもよくあるんですが、このことについては非常に私は今までの中で一番違っているとつくづく思うわけでございます。  すなわち、すぐにできないというのは、それは私どもよく分かっておりますけれども、しかし、やはりあるべき姿として一元化という、どのような職業にあろうとも、同じ制度の体系の中に国民があるという形がやはりあるべき姿ではないかと。このような見地から、それに向けて歩み出そうじゃないかと、こういうことを私ども言っているわけですけれども、大臣は被用者年金と国民年金はそもそもやはり違うんだと、そこの部分はやはり融合できないといいますか、一元化には至らないといいますか、そのことを追っ掛けはしないというところに帰するのではないかと思うんです。  そこの部分、改めてお聞きしますけれども、一元化というものがやっぱりあるべき姿で、将来追求すべきテーマであるというふうにお考えなのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
  93. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 民主党さんの方が提案になっている一元化というもの、更に詳細にどういう姿なのかということをまだ私は十分に分かっておりません。しかし、いわゆるスウェーデン方式と申しますか、スウェーデンがやっておりますものを、あれを見本とした、手本とした一元化法というのには私は少し反対でございます。  なぜなら、いわゆる世代間でこれは支え合いを年金というのはしていかなければならないわけでございます。世代と世代の間で支え合っていく。次の若い人たちに我々の世代を支えていただかなきゃならない。我々はまた現在の高齢者を支えている。世代間でこれ支えているわけでありますから、私は、同じ世代の中でも支え合う所得再配分機能がなければならないと私は考えております。そこが、いわゆるスウェーデン方式の中では、所得の多かった人はたくさんの年金をもらえる、中堅サラリーマンは年金が下がる、こういうふうにならざるを得ないという、そこが私はなかなか承服し難いところでありまして、その点をどうするかということだろうというふうに思っております。  したがいまして、私は、一元化ということ、そのことに反対をしているわけではございません。日本式の一元化とは何かということについて皆さん方で、各党間で話合いをさせていただくということであるならば、私はそれに喜んで参加をさせていただきたいと思っているところでございます。
  94. 辻泰弘

    辻泰弘君 ちょっと今のは民主党のやつのスウェーデン方式というのと付けておられるわけですけれども、根本的には一元化のことでございますから、厚年と国年と共済年金の統合一元化と、この意味ですからね。昭和五十九年の閣議決定もそれを目指していたと。昭和七十年、平成七年にやるんだと。それは、当初の意図は全的統一だと思いますけれども、そのことの部分ですから、それ以後、プラスのアルファの部分はまた別の話ですよね。制度として一元化するかどうかのことですね。ですから、その部分をどうお考えになるのかと、この部分なんです。  ですから、今、大臣はそのこと自体は否定していないとおっしゃったわけですね。ということは、被用者年金と国民年金との統合というとこがやはり一つの将来の理想といいますか、あるべき姿だとお考えだということと理解していいでしょうか。
  95. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 先ほども申しましたとおり、山本議員から提案のありました、いわゆるこの一階部分のところをどう改革をしていくかといったようなことが前提条件になって、そうしたことを積み上げていくという方式であれば、私は一つの方法ではないかというふうに思っているわけでありまして、そうした意味で、今後よく議論をさせていただきたいというふうに思っております。
  96. 辻泰弘

    辻泰弘君 午前中の質疑、もう少しちょっとだけ続けさせていただきたいと思うんですけれども、先ほど山本議員に対して、大臣、四十か所訂正のときに、指摘は受け止めるというふうにおっしゃったわけなんですね。  指摘を受け止めるというのは、もうそれで終わりと。御自身に対する給与カットでございましたか、何か処分といいますか、そういうことをなされたわけです。それで終わりということでしょうか。
  97. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 二か月間の給与カットを自分にも命じましたし、それなりに職員に対しましても処分をいたしました。  これは、処分をした、しないということを別にいたしまして、間違ったということに対しましては心からおわびを申し上げているわけでありますし、これからこういうことが起こらないようにどうしていくかということを考えなければいけないというふうに思っております。  私は職員だけを責めているわけではございません。と申しますのは、この年金制度を最終的に決定をいたしましてからその法案を作成をし終わりますまでの時間が余りにも短過ぎた。大きな法案でありますだけに、やはりそれだけの時間を与えなければならなかった、そこは私自身の責任であるというふうに思っておりまして、私自身に対しましても二か月カットという、そういう姿勢を取らせていただいた、こういうことでございます。
  98. 辻泰弘

    辻泰弘君 そのことについて、極めて不十分だと私は思っておりますけれども、午前中、時間が来ておりますので、午後に質問を譲らせていただきたいと思います。
  99. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時十分再開いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後二時十分開会
  100. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  101. 辻泰弘

    辻泰弘君 午前中に引き続きまして、質問させていただきます。  午前中のことで申し上げておきたいと思いますことは、やはり一元化だけではございませんけれども、やはり考え方いろいろあろうとも、年金制度のあるべき姿、理想というものを描いて、それに向けて改革をしていく、そのことがまず第一義であると、こういうことが国民の皆さん意見でもあったと思いますし、私どもの思いでございます。その結果としての形がそれぞれの主張があろうかと思いますけれども、まずそこが大事だろうと、このことを申し上げておきたい。すなわち、これまでの政府の姿勢というものが理想が欠けているんじゃないか、理想追求の姿勢が欠けているんじゃないかと、このことを御指摘申し上げておきたいと思います。  それと、四十か所の訂正のことございましたけれども、これまでの、先ほどの山本さんの御説明もございましたように、訂正があったとしても一か所、二か所、三か所程度のことでございました。そういう中での四十か所の訂正というものは極めて大きなことで、やはり本来、法改正があってしかるべきであったと。そういう意味におきまして、直接的には事務方の責任ということになるかもしれませんけれども、やはり私は、帰するところ、大臣御自身の責任に帰すべきものではなかったかと、このように私は思いまして、そのような意味で、しかるべき対処というものがあってよかったんじゃないかと、このように私は思っているところでございます。まずそのことを御指摘申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。  さて、私、四月の、失礼しました、五月の十一日に例の広島労働局等の質問をさせていただいたところでございます。それで、選挙も終わりました七月二十七日でございましたか、それに関しての判決が広島地裁でございました。  そのときの裁判官の指摘というものがどうだったかと申しますと、不正経理について、担当するポストを設置し、組織内で長年反復継続されてきた慣行だったと、このように指摘をし、正に不正経理が広島労働局内で組織的に行われてきたと、このように指摘をしております。そしてその上で、本件に関与した他の者がほとんどさしたる制裁を受けていない、その中で懲戒免職になった被告らだけを重く罰することは酷だと、このようなことを明確に裁判官がおっしゃっているわけでございまして、そういう意味で、これは、私が御質問申し上げましたときに、大臣は、組織的にもし行われているということになれば、それはもう大変なことでございます、もし仮にそういう事実があるならば、これはもう労働省、旧労働省全体の大きな問題でございますと、こういうふうにおっしゃっていたわけでございます。  私は、まずここで、そもそも、ほとんどがさしたる制裁を受けていないと、このように裁判官が指摘しているこのことについて処分の再検討があってしかるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  102. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 七月二十七日に広島地裁判決におきまして今、先生が御指摘のようなそうしたことが指摘をされていましたことはそのとおりでございまして、過去におきまして何年かにわたりましてそうしたことが一つの慣習のような形になっていた。誠に残念なことであり、申し訳ないことだというふうに思っている次第でございます。  したがいまして、この三名でございますけれども、三名はそのお金を自分の懐に入れていたといったようなことで処分をしたわけでございまして、しかし、それにとどまりませず、そのときの上司、そうした者につきましてもそれぞれの処分を行ったところでございます。  御指摘をいただきましたことを真摯に受け止めて、これから改善に努めていきたいと思います。
  103. 辻泰弘

    辻泰弘君 そうすると、ここで本件に関与した他の者はほとんどがさしたる制裁を受けていないという指摘になっているんですが、このことを受けても別に変えることはないということですね。
  104. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 直接やっていた人間ではなくてその上司であった人もそれなりの処分をしたつもりでございますが、解雇というところまではいたしておりません。
  105. 辻泰弘

    辻泰弘君 それも極めて不十分だと思いますけれども、もう一つ、私が御質問申し上げましたときに他の九県にもかかわることがあったわけでございます。そのことを含めて大臣は、全県そうしたことを調査して報告をしたいと、このようにおっしゃっているわけなんですが、このことについて御報告はまだいただいていないと思うんですけれども、いつごろ調べて御報告いただけるんでしょうか。
  106. 坂口力

    国務大臣坂口力君) もう一つ、これは労働省の元課長が広島局外九局の職員等から借金を行った事件について問題があるという御指摘を受けたというふうに記憶をいたしております。  この件につきましても、その後調査を進めているところでございまして、かなり全貌は明らかになってきているというふうに思います。  現在、労働省の元課長に対しましては、事実関係について確認を行っているところでございますが、速やかにこれ結論出したいというふうに思っておりますし、この九県のみならず、これは九県ということになっておりますけれども、九県以外のところにもなかったかどうかということも併せて調査をするように命じてあるところでございます。
  107. 辻泰弘

    辻泰弘君 そのことも調査していただいて、会計監査のことでも前私申しましたけれども、いずれにしても極めて根が深いというふうな感じがいたしておりまして、当面の小手先の対応で抜本的な改善にはつながらないんじゃないかと率直に言って思っておりますけれども、まずはその報告を受けてしっかりと御対処いただくように申し上げておきたいと思います。  それから、午前中の質問にもございましたけれども、最近出ております国保のいわゆる補助金の還流というようなことについてですが、記者会見でおっしゃっているように、監修料について調査をする、本省並びに社会保険庁全部を含めて調査をするということをおっしゃっていたと思うんです。それと、補助金事業関係ないものについても監修料については調査すると、こういうふうにおっしゃっていると思うんですが、そう理解していいですか。
  108. 坂口力

    国務大臣坂口力君) そのように理解していただいて結構でございます。
  109. 辻泰弘

    辻泰弘君 それで、私、いろいろポイントがあると思うんですけれども、やはり一つは、大きな大事なところは、結局、局なり課なりにプールしているという、この問題ですね。その指摘の部分ですね。結局そのことが温床になっているんじゃないかと、このように思うわけです。  五月十一日のときも私もその点質問をさせていただいて、当時の保険局長が、組織的にプールしているというものではないということをおっしゃりながらも、プール自体は否定されていない。「決してやはり組織的なものではない」と、こういう言い方をされているわけでございます。個人的な夜食代やタクシー代に使ったと、そういうことはおっしゃっている。すなわち任意的な個人の拠出に基づいているんだと、こういうふうな位置付けになっているのかもしれませんが、しかし、いずれにしても、そもそも監修というのはその業務に付随して起こっているということでございまして、そこにいなかったら多分そんな要請は来ないわけでありますから、そういう意味では、まあある意味ではそういうことであったとしても、組織的と言わざるを得ないと思うんです。  ですから、その調査対象に、やはりそのプールされているプールというものについてもしっかりと調査していただいて、監修料が本当は一括して来て、個人に分けた形で税務処理をしているけれども、結局、金はそこに残っていると、こういう状況じゃないかというふうに思うわけですけれども、そのプールのことについても、大臣是非しっかりと調査をしていただいて、やはり基本的にそういうプールという形自体おかしいと。もちろん事務的な、帰宅の場合の交通費というのは当然あり得ることですから、それは予算が厳しいということになるんでしょうけれども、やはり本体の、本道の方で追求すべきであって、そういう横道、抜け道から結局おかしな方向に行ってしまうというふうになると思いますので、その点について、やはりプールという制度自体やはりこの際一掃すべきだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
  110. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 原因究明ということが大事でございまして、その原因の中には今御指摘いただきましたような組織的なプールという問題もある、含まれるというふうに思いますから、そうした組織的なプールのことも含めて調査を行いたいと思っております。
  111. 辻泰弘

    辻泰弘君 是非この点しっかりと調査をしていただいて、はっきり言いまして、いろいろ問題が多過ぎて対応できないんじゃないかと思うほどでございますけれども、極めて大事なポイントだと思いますので、是非取組お願い申し上げたい。  それで、時間わずかでございますけれども、あと予算編成絡みのことでちょっとお聞きしておきたいと思います。  概算要求をされるということで、二千二百億今後カットしていかにゃいかぬ、八千六百億までは認められるというふうな、そういう形になっているわけですが、その中で、かねてより年金改革の論議の中で出ておりましたいわゆる年金事業の事務費に係る国の負担の特例、すなわち社会保険庁長官の交際費、香典やら県人会の会費にも保険料が流用されていたと、この部分。あるいは、マッサージ器の購入にも使われていたというその部分にかかわる、つながることでございますが、これは年末に向けて財務省と調整するということが現状かと思うんですが、そこで私は思うんですけれども、これは大体赤字国債の発行と同じ法律の中に組み込まれているわけです。ですから、ある意味では赤字国債と同じことをやっているんだよということにもなるわけですけれども、かつてこれと同じようなやり方のとき、例えば自賠責特会から借りたということがございましたけれども、やはり後で返したということであったわけですね。ですから、これはぎりぎりやっていって、私はこんなことはもうやるべきじゃないと思っておりますけれども、しかしどうしても財務省の調整でやらざるを得なくなったときにはやはり返せということをやはり言うべきだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
  112. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 先般も財務大臣と第一回目の来年度予算につきましての話をいたしましたときに、今御指摘をいただきました年金事務費に関しますことにつきまして、年末に向けてこれは話合いを進めていきたい、とりわけ年金問題につきましては委員会におきましても多くの皆さん方から御指摘を受けたことでありますから、少なくとも来年からは一般財源からお出しをいただくような方向に戻してもらいたいということを申入れをしたところでございます。そして、これから十二月に向けて話合いを進めていきたいというふうに思っておりますが、ここは皆さん方からの強い御指摘もございましたし、私たちも早くそうしてほしいというふうに思っていた次第でございます。  十六年度につきましては、是非十六年度からしてほしいということを昨年も申し上げたわけでございますが、それがかないませんでした。しかし、来年度はそういうふうになるように努力をしたいというふうに思っております。
  113. 辻泰弘

    辻泰弘君 大臣のお立場としてはそれ以上言えないかもしれませんが、本来の姿でありませんけれども、どうしてもとなったら、それは当分貸しておくんだという形でやるということも含めて、やはり年金の保険料の他の目的への流用ということはやはり遮断すべきだと思いますので、そのお考えで取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから、大臣が今まで三年以上やっていらっしゃるわけですが、その過程で私が拝見させていただいてて、一つ大きな懸案として残っていることは無年金障害者の問題だったと思うわけでございます。  私も何度も質問をさせていただいて、大変熱意を込めてお取り組みいただいたことには敬意を表しておりますけれども、財政上厳しいときではあるけれども、厳しいときであればこそやはり分かち合う精神が必要であると、このようなことまでおっしゃっていただいて取り組んでいただいたわけです。坂口試案も出していただいたのは二年前でございました。  そういった意味で、今概算要求にもかかっているわけでございますし、前国会の最終局面で議員立法をしようと思いながらできなかったということがあったわけですが、やはり大臣の今までのお取り組みも踏まえ、思いも込めていただいてこの点についての予算化というのをしっかりと確保していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  114. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 来年の社会保障予算の問題を議論をいたしましたときに、財務大臣との間で話をいたしましたときに、先ほど述べました年金に対する一般財源への戻す話と、そして無年金障害者の話と二つを取り上げさせていただきました。これは、とりわけ無年金障害者の問題は新しい問題であって、新しく財源を必要といたします。これはそんなに大きな額ではありませんけれども、新しい財源を必要とします。是非、次の国会に法案を出させていただきますので、お願いをいたしますということを申し上げてございます。  前国会におきまして皆さんの方からも法案を出していただいておりますし、与党の方からも法案を出していただいてございます。次の国会で議論をしていただいて、より良い案がそこで作り上げることができればというふうに思っている次第でございまして、それに対する財源につきましては既に財務省にお願いをしているところでございます。
  115. 辻泰弘

    辻泰弘君 今のは政府提出で出されるという意味合いでしょうか。
  116. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 前国会で出しまして今継続審議になっておりますいわゆる与党からの議員立法として出していただきましたものと、皆さん方の方から出していただきましたのと、両方が残っているということでございます。
  117. 辻泰弘

    辻泰弘君 あと、生活保護の問題が来年にまたかかってくるんじゃないかということで今日の新聞に出ているわけです。  この問題、厚生省がむしろ何か積極的でないように取られているんですけれども、大臣の答弁を見ますと、地方が必要とする財源の確保が大前提だと、こういうふうにおっしゃっているんです。しかし、そうであれば、やはりその部分をしっかりと、大前提であるということをもっと強く言って、その上での地方への負担の、補助率の引下げということでなければおかしいと思うんですね。  やはり、憲法の二十五条にも規定されている問題でありますから、その分は厚生労働省の責任としてやはりしっかり貫徹していただきたい。一言お願いします。
  118. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 生活保護の問題は昨年も実は出た話でございますが、しかし今年にもう一度議論をし直すということに昨年なったわけでございます。  この生活保護の問題は、御指摘いただきますように、どうしても財源が必要でございますし、ここは地方でその財源を作り出すということは困難なところでございますから、財源問題というものをしっかりと押さえていきたいというふうに思いますし、総務省ともそのような話をしているところでございます。
  119. 辻泰弘

    辻泰弘君 聞くところによりますと、内閣改造が近いというふうに聞いておるわけでございまして、ひょっとしますとまた替わられるということもあるかもしれませんけれども、三年前からいろいろと御質問をさせていただきましたが、最後の質問になる可能性がございますけれども、厚生行政のあるべき姿、厚生労働行政のあるべき姿、今厚生労働省の行政に欠けているもの、このことについての思い、一言教えて、お伝えいただければと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。
  120. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 長い間お世話になりましたと言うのは少し早過ぎるかもしれませんけれども、心の中ではそういう思いもするわけでございまして、辻議員始め皆さん方にはいろいろの御質問をちょうだいしましたし、御質問をいただいて、なるほどそういう立場があるかということを私も感じて、自分の考え方を直した点もございました。  今、厚生労働省がいろいろの問題問われております。政策的な問題におきましてはトータルで一体どうなのか。国民の皆さん方に御負担を求めておりますが、国民の皆さん方がお出しをいただきます財布は一つでございますから、政府としてもそれに対応した形で物事を考えていかなければならない。厚生労働省の中で縦割りで年金は年金、医療は医療、介護は介護、生活保護は生活保護といったような形で取り上げていってはいけない、全体としてやはり見ていかなければならないのではないかというふうに思っております。  この三年半の間、かなり私もことわりを言い続けてまいりましたので、ことわりは言わなくてもいい厚生労働省に一日も早くなってほしい、心からそう思っている次第でございます。
  121. 辻泰弘

    辻泰弘君 以上で終わります。
  122. 蓮舫

    ○蓮舫君 私は、七月十一日に初当選をさせていただき、これから参議院議員として皆様と御一緒にお仕事をさせていただきます蓮舫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、参議院議員選挙、最大の争点は年金だったことは言うまでもないと思いますが、同時に、実に多くの皆様方の関心事は少子化問題だったと、このように思っております。  私からは、大臣に少子化について御質問させていただきたいと思います。  まず、父親の育児の参加について。  大臣が初当選をされたのが昭和四十七年。当時、お嬢さんが五歳と三歳。そのころも、それ以降も育児はすべて奥様に任せきりで、物すごく無責任極まりない父親だったと著書にお書きになられておりますが、本当にこのとおりだったんでしょうか。
  123. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 蓮舫議員の御当選を心からお祝いを申し上げたいと存じます。  今お話をいただきましたとおり、私が当選をさせていただきましたときに子供は五歳と三歳でございます。それから後、いつ小学校に入りいつ中学校に入ったのか、そして担任の先生はどんな先生であったかもなかなか分からないような私でございまして、そうした意味で父親の保育への参加につきまして余り大きな声で言う資格はないわけでございますけれども、しかし現在のこの少子化の状況を見ましたときに、やはり父親の育児への参加ということがいかに大事なことかということを最近になりまして痛感をいたしております。したがいまして、私も、娘たちに対しましては、孫につきましてはちゃんと父親も参加をするように呼び掛けているところでございます。
  124. 蓮舫

    ○蓮舫君 随分最近になって気付かれたということですから、随分長く気付かれなかったと。  御長女は私と同い年だと思いますが、三十六、三十七になられるんでしょうか、もう既にお子様をお育てになられて、大臣はお孫さんもいられるおじいさんと伺っておりますけれども、子供さんを育てていらっしゃるお嬢様のような御家庭、あるいはこれから子供さんを持ちたいと思っていらっしゃる御家庭で、父親が大臣のように育児に無責任だったと、随分長い間気付かなかったと言えるような時代になったと考えておられますか。
  125. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 私の育ってまいりましたと申しますか、私が一家のあるじになりましてから今日までの間と現在とはかなり隔たりがあるというふうに思っておりますが、現在のような少子化が進行いたします中で、働き方というのが一番大きな役割を果たしている、この働き方をどう改めるかということだろうというふうに思います。  その働き方は、女性の働き方だけが注目されがちでございますけれども、女性だけではなくて、男性も含めた働き方をどうするかというところにやはり焦点を当てていかなければいけないというふうに思っております。  したがいまして、育児休業、育児休暇につきましても、男性の方がなかなか上がってこない、厚生労働省においてすらなかなか上がってこないものですから、やはりこういうことは率先して公務員がやっても私はいいと思っております。したがいまして、省の若い人たちに対しましても、育児というものに対してもっと責任を持ってそれは取り組んでいただいていいのではないか、休むべきところは休んでいただいていいのではないかというふうに申し上げているところでございます。
  126. 蓮舫

    ○蓮舫君 今御指摘のとおり、育児休業取得率、女性は六四%、比べて男性は実に〇・三三%という非常に極めて低い数字。働き方というのを改めて本当にお考えいただきたい、考えるだけのみならず、是非実行していただきたいと、このようにお願いを申し上げますが。  少子化。父親の育児不参加のみならず、様々な複合的な原因が考えられると思いますが、大臣が思われる少子化の一番の原因は何だと、具体的にひとつお聞かせいただけますか。
  127. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 少子化の原因を一言で言い表すということはなかなか私は難しい。幾つかのことが重なって、複合的という言葉を使われましたけれども、複合的に私は成り立っているというふうに思っております。  しかし、その中で一番何を中心にこれから取り組んでいかなければならないかということになれば、先ほどお触れになりました、やはり働き方をどうするかということが一番私は中心考えていかなければならないことではないかというふうに思っております。
  128. 蓮舫

    ○蓮舫君 働き方というのは言葉で言うと非常に分かりやすいんですが、もっと具体的にお伺いしたいんですが、今子供を育てていらっしゃって、二人目、三人目どうしようかと、あるいは、これから子供を持ちたい、持つかもしれないと思っていらっしゃる御家庭の方たちにどうぞ安心してお子さんを産んでくださいと胸を張って言えるような政策は、何に力を入れて進めておられますか。
  129. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 今までのところは、一つは待機児童ゼロ作戦、すなわち都市部におきましては保育所に預けたいけれども預けられないという方が多いわけでございますから、この皆さん方の待機児童というものを解消をしていくということが大事だというのでこの二、三年取り組んでまいりましたし、これからも続いていくというふうに思います。  ただ、例えば三万人ぐらいこの待機児童がありました。三万人を実現をしましても、またちゃんと代わりに三万人になってきているということでございますので、その二万とか三万という数字はただ単に現在お待ちになっているというだけではなくて、その後に、その背後にもっと多くの予備軍が存在をしている、もっと預けることができれば自分も働きたいというふうに思っておみえになる方が存在をするということを私は示しているというふうに思っております。ですから、この分野については是非更に進めていかなければなりませんし、児童手当につきましては、民主党の御賛成得ることできませんけれども、前国会におきまして小学校三年生までしたといったようなこともございます。  今後、こうしたことも含めまして、総合的に取組を進めていかなければならないというふうに思っております。  しかし、この二つのこと、とりわけ待機児童をゼロにしていく、特に都市部においてやはり待機児童が多いということは解消していかなけりゃならないというふうに思います。日本全体で見ましたときに、やはり都道府県単位で見ましても、働いている方の多いところと子供の数とは相関関係がございます。それは、どちらかといえば地方の方、地方というと言葉は悪いですけれども、例えば富山県でありましたり福井県でありましたりとか、あるいはまた島根でありましたりとか、そうした地域におきましては働いておみえになるお母さんの数というのはかなり多い。しかし、お子さんの数も多いということでございます。これは一つは、御近所に、あるいはまた同じ屋根の下に御両親がおみえになる、三世代お住まいになっているとか近くにおみえになるといったようなことが影響をしているのではないかと私は思いますけれども、そういたしますと、都市部におきましてはなかなかそういう環境にないお母さん方が、お母さん方じゃありません、御両親が近くにおみえでないという方が非常に多いわけでありますから、その皆さん方が多いところ、この東京都のようなところで子育てに対する手を差し伸べるということになりますと、やはり保育といったようなことを充実をさせていくということがやはり急務ではないかと、そういうふうに思っております。
  130. 蓮舫

    ○蓮舫君 待機児童が三万人と、短いコメントで軽くおっしゃいましたが、一人一人の御両親にとりましては待機、待っている間というのは本当につらいお気持ちであるということを是非御理解いただきたい、その上で政策を進めていただきたいと、このように思いますが、今大臣、児童手当というところに言及をされましたので、児童手当に関してお伺いします。  改正されたとき私は議員ではございませんでしたが、非常に興味を持って見ておりました。これまで就学前児童であったものが、対象が小学校三年生まで広げられる。一見とてもすばらしいことのように思われますが、児童手当の定義では、家庭の経済負担軽減を図る観点並びに生活の安定の向上を目的にしている。平たく言いますと、子供さんを育てるのには経済負担がございますから、政府が幾らかその軽減させるために手当を差し上げるという内容ですが、具体的に金額でいいますと、第一子、第二子それぞれ五千円、第三子が一万円。この経済の中で五千円、それぞれ一万円という金額はリアリティーがおありになるとお感じでしょうか。
  131. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 子育てにどれだけ経済的な負担が掛かるかというのは、それぞれの御家庭によっても違うというふうに思いますが、この児童手当五千円とか一万円というのは、私は額からいえば、それで子育てが十分できるかといえば、それは難しいんだろうと私も率直にそう思います。  しかし、ここは、社会全体でこれは子育てをする人たちを支えているのだと、みんなが支えているんですよという一つのシグナルと申しますか、サインだと私は思っております。この児童手当が存在することというのは、これは、子育てをしていない皆さん方からもこれは支援をしてもらっているんですよということの一つの私はサインだというふうに受け止めておりまして、是非、そうしたことに対する効果というものも期待をしていかなければいけないというふうに思っております。
  132. 蓮舫

    ○蓮舫君 なかなか、皆さんに支えてもらっていると思えるような現実味のある数字、金額だと私は到底思えないんですが、では、少子化対策、いろいろ大臣も率先しておやりになられているというお話を今賜りましたが、どうしてそこまで一生懸命頑張っておられるのに、残念ながら子供さんの数は減っておられるのか。  一九五〇年には総人口に占める子供の割合が三分の一以上ありました。あれから五十年以上たって今は七分の一、総人口に占める子供さんの割合は一三・九%、三十年続いて減ってきております。そのことでいいますと、子供が減るということは、経済の成長にも当然影響を表すのみならず、これからの社会保障制度、年金問題にも直結をしてまいります。  さきの国会の年金改革法、そのときに、実際は一・二九であった出生率を一・三二と表現をされ、計算をされ、そして法案を通過されましたけれども、ここで本当に普通の、当たり前の感覚でお伺いをさせていただきたいんですが、大臣は、厚生労働大臣として、実際は一・二九であった数字を知らなかったんでしょうか。
  133. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 計算が発表されますまで知りませんでした。
  134. 蓮舫

    ○蓮舫君 その後、山本議員の調べで明らかになりましたが、集計結果が中間報告として五月の二十四日に厚生労働省の統計情報部長に提出されております。それから十二日後に年金法案、強行採決という非常に残念な手段で可決をされました。その後、五日たって六月の十日の午後、大臣にその数字の説明があったと。これはそのとおりでしょうか。
  135. 坂口力

    国務大臣坂口力君) その前日の夜でございましたが、マスコミの皆さんから、実はこういうふうな数字になっておりますから明日出させていただきますというお話を伺った。私はそのときに、そういうことを全然聞いていなかったものですから、すぐ役所の方に、そんなことに、おい、なっているのかと、おい、一遍もそういう中間報告も何も受けていないではないかと言って非常に怒ったわけでございますが、そういう一幕がございまして、その日の翌日になりましたけれども、正式に聞いたということでございまして、その正式にと申しますのは、正式でないのは残念ながら省内からではなくてマスコミの皆さんに教えてもらったというのが実情でございます。
  136. 蓮舫

    ○蓮舫君 本当に、子供を持つ親として、あるいはこの国を支えている構成員の一人として、恐らく多くの方たちが同じ思いなんですが、大臣厚生労働省が情報が緊密に取れていない、それによって将来の非常に多くの方たちが不安に思っている年金改革法が通ってしまうということ自体不思議でならないんですが、現役世代が御高齢者を支える現在の年金システムでいいますと、その根底となる子供が生まれる数、出生率、この数字が現実とは違う。それよりも、現実よりも高く設定されて作られた。ならば、大臣、当たり前の感覚でいえば、間違いを正すためにもう一度法律を考え直す、このようには、間違いを正そうとは今なおお考えになられていないんでしょうか。
  137. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 前国会で通過をさせていただきましたこの年金法、この法律におきましては、二〇五〇年に一・三九まで引き上げるということになっているわけでございます。これから四十五、六年でございましょうか、この間にどういう少子化対策を打っていくかということが問われているというふうに思っております。  少子化対策というのは、一年やりましたからそれですぐに改善をするという調子にはなかなかいかない問題だというふうに思っております。お若い皆さん方のお気持ちの変化というものをやはり呼ぶような政策がどれだけ続けてやっていけるかということに私はなるというふうに思っております。  先日もこの委員会で申し上げたわけでございますが、三十歳代後半の皆さん方だけを見ますと、一・五五を産んでいただいている。あるいは、四十歳代を見ますと、一・八から一・九人産んでいただいている。それが三十歳前半になってまいりますと、これからお産みいただくという問題はありますけれども、一・一九ぐらいでございます。ここはしかし、まだまだこれから産んでいただけるところでございますから、この皆さん方のところはもう少し上がるだろうというふうには思っておりますけれども、お若い世代になればなるほど少なくなっていくのではないかという心配はあるわけでございまして、二十歳代でありますとか、これから二十歳代になる皆さんあるいは三十歳代前半の皆さん方に対してどういう施策をこれから作り上げていくかということが問われているというふうに考えております。
  138. 蓮舫

    ○蓮舫君 少子化対策は何も今一生懸命やらなければいけないと近々に発生した問題ではなくて、一番最初に少子化対策大変やらなければいけないと言われたのは、たしか平成二年、一・五七ショックと言われたときだと思います。あれからもう十四年がたっていて、それから先がどんどん下がっている。  今大臣がおっしゃった、これから四十五、六年かけて緩やかに上げていくであろうというのは極めて甘い見通しでしかないわけでありまして、今、三十代後半、四十代はもう少し産んでいらっしゃるという数値を具体的に掲げられましたが、その方たちは、一九九〇年、一・五七ショックのときには二十代前半です。当時はまだ二十代前半の方たちが産んでおりました。それから現在に至って、じゃ若い方たちが産まなくなったのはなぜかというと、御兄弟や先輩や近所の方たちでその大変さを見ていて、自分には到底まねできないと、そのようにお考えになられた部分も少なくないと思います。ならば、どうしてもうちょっと具体的な少子化対策をこれまで取られてこなかったのか、その部分が本当に私は残念でならないと、このように感じております。  具体的なこれからの施策についてお伺いしたいんですが、さきの国会で年金問題で本当に残念なことに審議されることなく継続審議となりました育児・介護休業法改正案がございます。これについて大臣にお伺いをさせていただきたいんですけれども、育児休業法の改正案の中に看護休暇制度という文言がございます。これは、子供さんが突然おけがをされた、お病気になられたときに、御両親が働いていらっしゃる場合、休むことができるという、非常に働く方たちにとっては一日も早い制度ではございますが、看護休暇制度の必要性、必然性というのを大臣は感じていらっしゃいますか。
  139. 坂口力

    国務大臣坂口力君) お子さんが病気になられましたときに、例えば水ぼうそうになられたということがありますときに、本当はもう治ったというふうに医師の方は聞きますと言われるんですけれども、皮膚にまだその瘢痕が残っている、かさぶたが残っているという時期でありますと、そうすると保育所の方は、もう少しこれが取れるまでひとつおうちにいてくださいと、そういうお話があるわけでありまして、そういたしますと、もう一週間も十日もそれが掛かるわけでございます。そうなりますと、そんなに長く休みは取れないというようなことになってまいりますので、やはりお休みになる期間というのは限られておりますから、どうしましてもいわゆる病児保育というものが大事になると、病児保育。  で、病児保育をずっとおやりをいただいております先生方の会が実はございまして、病院でございますけれども、先日もそうした会合がございまして、私、出させていただいて、その皆さん方お話を聞いたんですけれども、驚きましたことに、もう、早い方はもう三、四十年前からこのお取り組みをいただいているという話を聞きまして、私も感銘を受けたわけでございますが、なかなかしかし、今増やしていきたいというふうに思っておりますし、最近増えてきたことも事実でございますけれども、まだまだ各地域で足りない。地方都市におきましては、あちらでもできました、こちらでもできましたという最近報告がございますから、増えてきたんだなというふうには思っておりますけれども、私の地元等におきましても幾つかございます。しかし、国全体で見るとまだまだでございます。  それぞれの地域でやはりこの病児保育というものができる、病院とタイアップをした形がどう作り上げられていくかということが大事でございますので、医療従事者とそして保育所、両方とがどう手をつないでいただけるかという問題になってまいりまして、それらのことが今後非常に大事だというふうに思っております。
  140. 蓮舫

    ○蓮舫君 病児保育も病後児保育も絶対的に数が足りません。増えてきたというのは何をもって増えてこられたという数字なのかよく分かりませんけれども、今すぐ、水ぼうそうとかあるいは様々な病気、おたふく病になる、伝染病になった場合に休まなきゃいけないときに、周りで病児保育、病後児保育を行っている施設を探すだけで二日、三日掛かってしまうので、非常に現実的ではない。  それよりも、私がお伺いさせていただいたのは、もう次の国会で審議をされますけれども、働いていらっしゃる方が、じゃ、お休みになることができる、欠勤扱いにならないで会社を休むことができるような看護休暇制度は必要ですか、どうですかとお伺いしたんですが、いかがでしょう。
  141. 坂口力

    国務大臣坂口力君) それはもう必要でございまして、前国会でも法律を出させていただいたところでございます。次の国会におきましてはこの御議論をいただいて、是非とも成立をさせていただければというふうに思っております。
  142. 蓮舫

    ○蓮舫君 今の御答弁は、育児・介護休業法改正案は、一日も早い改正を厚生労働省としては望んでいると御理解してよろしいでしょうか。
  143. 坂口力

    国務大臣坂口力君) そのように御理解をいただいて結構でございます。
  144. 蓮舫

    ○蓮舫君 その上で一つ、本当に普通の感覚で思って不思議なことが一つございます。看護休暇制度を利用できる対象者はお子さんが就学前の、就学前のお子さんを持っていらっしゃる御両親に限定をされているんですけれども、これはどうしてお子さんが小学校に上がる前までなんでしょうか。
  145. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 現在までこの看護休暇、お子さんが病気になったときに休暇を取られている皆さん方を見ましたときに、小学校に上がるまでのお子さんのときに非常に多いということもございます。そうしたことから、まず第一歩でございますけれども、第一歩としては小学校に入るまで、その辺のところをやはり対象として、今後それをどう拡大をしていくかということはあるだろうというふうに思いますけれども、まずそこに焦点を当てて、そしてこの体制をまず作り上げていくということが大事ではないかというふうに思います。  やはり、物事何をやるにいたしましても、その体制を作り上げていかなければなりません。一度に大きいことを申しましてもなかなかできないわけでありますので、まずそこを作り上げて、そしてそこをどう拡大をするかということに私はなってくるというふうに思います。
  146. 蓮舫

    ○蓮舫君 大臣のおっしゃるとおりだと思いますけれども、ただ、子供を育てている一人の母親としての立場で思うのは、子供というのは、小学校に上がったから急に熱を出さなくなるとか病気をしなくなるというものではなく、学校に行ったからこそなおかつ活動範囲が広くなって、部活ですとかクラブですとか、あるいは学童保育でけがをするという可能性が高まってまいります。  そう考えると、なぜ学校に入るまでと入った後と、せっかくいい法律、看護休暇という制度を作るんであれば、こういうところでなぜ分けてしまうのか。どうしてもここには厚生労働省の管轄だから学校に上がるまでのお子さんなのかと。大臣が今おっしゃられたように、子供さんの第一歩というんであれば、その先には当然これは文部科学省との提携、省壁を越えたものを見て子供の安全を守っていこうと、そのように取り組んでいきたいと厚生労働大臣はお考えになられますか。
  147. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 小学校に入りますと、これは文部科学省の範疇だからということでは決してございません。過去のデータを見ますと、やはり休暇をお取りをいただいているケースというのは、就学前と申しますか、そこに非常に多いということがデータとしても表れておりますから、その皆さん方をまず第一歩として選ばせていただいたということでございます。  これから先、そうした基礎ができ上がっていけば、私は、小学校であろうと、小学校低学年であろうと高学年であろうと、そのことはまだ広がる余裕があるのではないかというふうに思っております。
  148. 蓮舫

    ○蓮舫君 時間の関係で最後の質問をさせていただきたいと思うんですけれども、今いろいろお話をお伺いしていて、働き方とか、あるいは家庭への経済支援とか家族の在り方、こういうものを本当に総合的に見て細かなケアをしていかなければ少子化対策というのは決して前に進むことがないと、私はこれまでの様々な自分の経験から実感をしております。  同時にもう一つ、是非取り組んでいただきたいのは、子供さんを増やす、産めよ増やせと言える時代ではございませんので、今ある、年間に百十万人しか生まれなくなった赤ちゃん、この子供たちの命をどうやって守っていくか。御専門かとは思いますが、小児医療の充実、並びに、最近では子供の略取誘拐事件が多発しておりますが、事件事故に巻き込まれないための方策。あるいは、学校の中も安全ではなくなってしまった。友達同士の関係からとんでもない事故に発展してしまうような事件が大きく報道をされておりますけれども、この部分においても是非、子供の安全という部分で民主党は、子ども家庭省を創設して、省壁を越えて幅広く子供の安全に取り組もうと思っておりますが、是非厚生労働省内部からもそのような省壁を取り除いて子供の安全へ具体的な政策を実行するための動きを出していただけますよう、その指導力を発揮していただけますようお願いを申し上げたいと思います。
  149. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 確かに、子供の生まれます数を数えることも大事でございますけれども、せっかく生まれましたお子さんが事故等で亡くなる、あるいは病気で亡くなるということがあれば、それはもう一つ悲しいことでございます。したがいまして、そうしたことがないような体制をどう作り上げていくかということだろうというふうに思っております。  私たちも少しここは手抜かりであった、もう少ししっかりやらなきゃいけないというふうに最近思っておりますことは、お子さん方の死亡率の第一位は事故でございます。同じような事故で毎年お子さん方が亡くなっている。例えばふろ場で亡くなる赤ちゃんの数というのは毎年ございまして、一向に減っていかない。ところが、事故死をするお子さんのデータ、どういうことでその事故死が起こったかということの正式な統計資料というものを持ち合わせておりません。これは厚生労働省だけではなくてほかの省庁にも実はないわけでありまして、先日、事故死をおやりになっております先生から直接に御指摘をいただきました。それで、省内にでございますけれども、事故死に対する対策、そして、どこでこのデータを取り、今後どういうふうにこれに対して対応していくかということを来年からスタートさせようというので話をしたところでございます。  こうした問題を一つ一つやはり積み重ねていくということが少子化のこの時代にとりまして非常に大事なことだというふうに思っている次第でございます。
  150. 蓮舫

    ○蓮舫君 ありがとうございました。
  151. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 暫時休憩いたします。    午後二時五十九分休憩      ─────・─────    午後五時四十分開会
  152. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  153. 小池晃

    小池晃君 日本共産党の小池晃です。  厚生労働省職員の受け取る監修料のことが問題になっておりまして、これは選択エージェンシーをめぐっては逮捕者も出ています。最近の報道では、「選択」以外の企業からも監修料を受け取っていたということが明らかになっております。これ、疑惑の全容解明を求められていますが、その際、一つのかぎを握るのが不透明な随意契約の問題です。これ、随意契約を結ぶに当たって不正はなかったのか、あるいはその金額妥当なのか、徹底的な検証が必要だと思います。  まずお聞きしますが、厚生労働省の各部局が出版物を発注した業者から一括購入した総額、これは昨年総額で幾らになるのか、そのうち随意契約はどれくらいになるのか、お示しいただきたい。
  154. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) お答えをいたします。  昨年度でございますが、厚生労働省、これは社会保険庁を含みますが、厚生労働省におきまして一括購入をいたしました出版物の総額でございますが、三十六億六千二百三十九万七千五十四円でございまして、すべて随意契約によるものでございます。なお、これは購入部数が千部以上又は購入額が百万円以上のものを対象にいたしまして調査をさせていただいたものでございます。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
  155. 小池晃

    小池晃君 一括購入した出版物だけで一年間で三十六億円に及ぶ。しかも、すべてこれ随意契約であります。厚生労働省が提出した資料によれば、出版物は四百八種類、中でも最大規模は社会保険庁で約十九億、それから次が労働基準局で十一億九千万円ほどです。約十九億円の購入をした社会保険庁から随意契約で受注した企業、団体の数、そしてそうした団体への天下りの数を示していただきたい。
  156. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) 私の方からは、まず、社会保険庁随意契約により一括購入した団体、会社等の数についてお答えを申し上げたいと思います。  平成十五年度におきまして、随意契約により購入した書籍のうち、購入部数が一千部以上又は購入額が百万円以上のものを発注した団体あるいは会社等の数について調べましたところ、その数は三十一件となっております。
  157. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) ただいま社会保険庁の方から三十一の団体があるということで御答弁申し上げましたが、この三十一の団体のうち、私ども厚生労働省の所管する法人における厚生労働省の言わばOBの在籍状況につきましてお答えをさせていただきたいという具合に思います。  当省の所管法人の役員でありまして、本省の課長相当職以上を経験した者は現時点におきまして合計八団体、三十一団体のうちの八団体二十七人となっているところでございます。
  158. 小池晃

    小池晃君 役員だけで二十七名。八団体の中で三名の天下りがいる全国社会保険協会連合会、これ一か所だけで三億二千万円の契約を結んでここにも監修料支払われているという報道が今日もされています。  大臣に私、これお聞きしたいんですが、年金改悪などで国民に痛みを押し付けて、その改悪の中身を知らせる出版物を天下り先の会社に随意契約で発注する、そして監修料が厚労省に支払われる、こういう構造だと。大臣は今回報道されている国保課だけではなくて厚労省全体の監修料の実態を調査するというふうにおっしゃっていますが、問題は、こうした取引がどういう経過で行われてきたのかと。例えば、選択エージェンシーの問題について、受け取った監修料の金額については、これは明らかにされましたが、なぜ、どうした経過で契約に至ったのか、それも随意契約に至ったのかということについては何一つ明らかになっていない。これでは国民は納得しないし、私は再発防止策などここからは生まれてこないと思うんです。  大臣に私は、チームを作って調査をするということであれば、こういう出版物だけ取ってみても三十六億円と、このほかにも様々なビデオとかいろんなものあると思うんですが、これ徹底的にどういう経過で契約に至ったのかも含めて調査をすべきだと、解明すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  159. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 随意契約につきましては、前国会でも答弁を申しましたとおり、極力随意契約はないようにする。随意契約内容は様々でございます。ある書物など、もう一つしかないといったようなものもありますから、競争相手、なかなかそれはないというものもあるわけでございますけれども、競争のできるものはすべて競争にしていくというふうに処したところでございますし、庁内におきましても省内におきましても、そういう方針で今後進みたいというふうに思っているところでございます。  今お話がありましたように、この随意契約に至った経緯といったようなことにつきましても、なぜ随意契約になったのかと。例えば、同じような内容のもの、ほかにもたくさんあるにもかかわらず一つのものに限定をしたといったようなときには、それはなぜそうなったのかといったようなことも含めて今後検討をしていきたいというふうに思っております。
  160. 小池晃

    小池晃君 私は、「選択」の問題というのは氷山の一角であって、国保課の問題も氷山の一角であって、厚労省全体が、こういう問題が、構造があるのではないか。この問題、本当に徹底的にメスを入れるということを求めたいというふうに思います。  続いて年金の問題ですが、八割の世論調査でも国民は白紙に戻せと要求しているわけですが、与党は年金財政赤字を止めるための改革だとおっしゃいます。しかし、本当にそうなのか。  最初に厚生年金の加入者の見込みについてお聞きしたいんですが、政府の見込みでは〇五年に三千二百三十万人、しかし直近の〇二年の実績は三千二百十四万人です。これ、二〇〇〇年からの二年間で、農林共済の統合と、それから六十五歳以上の適用拡大の影響を除けば、厚生年金の加入者は百万人以上減っているんです。  ところが、突然増え始めて、三年後には十六万人増えると、こういう想定をしているわけでありまして、私はこれはなぜかということを説明する必要があると。法案の審議の中でもこれ答えていません。なぜなのか、説明いただきたい。
  161. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) お尋ねの件でございますが、もう先生御承知のとおり、年金制度は人の一生にわたる非常に長期の制度でございますから、財政計算に当たりましては、短期的な変動ではなくて長期の趨勢に依拠する、これが大原則であろうかと思います。  このような観点から、今御指摘の厚生年金の被保険者数の見通しを作成させていただいておりますが、今回の財政計算では、平成十四年、二〇〇二年度実績を基に、二〇二五年までの間の長期的な労働力率の上昇、それから第二に、この辺りがポイントなんでございますが、男性の労働力人口に占める被用者年金被保険者割合、労働力人口の中で被用者年金の被保険者の占める割合が、年齢的に見ますと、現時点、直近のデータに見ましても、三十代をピークに、大体七六%というところをピークに、四十歳代、五十歳代と年齢が高いほど低くなっているという傾向が見られるわけでございます。それは何を意味するかといいますと、世代が交代することにより、今後とも、長期的に見たときには被用者化が進展していくということが一つの大きなファクターとして見られるわけでございます。  そういう要素を織り込んで長期的トレンドを推計した結果を基にいたしまして、財政再計算の起点であります平成十七年度、二〇〇五年度を見通したところ、厚生年金の被保険者数は直近実績に比べて若干増加する。先ほど引用いただいた数字で恐縮でございますが、旧農林共済を除く三千百七十万人という二〇〇二年度の数字から、二〇〇五年度におきまして三千百八十万人、十万人の増の数字を起点として財政再計算の数字が並んでいくと、これはあくまでも長期的なトレンドを見た結果としてのこの二〇〇五年の数字でございます。  こうした二〇〇五年の数値が実現可能かどうかというお尋ねでもございますけれども、繰り返しになりますが、長期的な趨勢に依拠する年金の財政再計算において、短期的な数字というもの、単年度の数字の達成ができるかどうかということは、少々年金財政判断する上では適切ではないと考えております。  ただ、直近の動向から見ますと、私どもまだ十分精査しておりませんけれども、二〇〇三年の実績というもので見ると、若干厚生年金被保険者数の加入数というものが低下の傾向が少し止まってきている、こういう要素も見られるというふうに私どもは承知しております。
  162. 小池晃

    小池晃君 いろいろおっしゃったんですけれども、その数字、労働力人口に占める被用者年金被保険者の割合、これは確かに若い世代ちょっと高めだから将来高くなっていくだろうというんですが、その若い世代の今の実績が今後一切変わらないということが前提なんですよ。  しかし、この労働力人口に占める被用者年金被保険者の割合は既に、このわずか一年後の〇二年度の実績で見ても、二十代前半では一・六%、二十代後半では〇・七%、若い世代で下がってきているんですね。それから、さらにその前提となる労働力人口も減っているわけです。これ、政府の推計では、労働力人口は今後〇五年度にかけて、二十代前半では〇・五%、二十代後半では一・八%伸びると見込んでいるんですが、これも実際には〇二年度までの段階で既に二十代前半で一・一%、後半で〇・一%下がってきていると。  私、大臣にお聞きしたいんですが、長期的、長期的とおっしゃるけれども、既に現実の問題として、今の若い世代の中での労働者になる比率も、それから労働者の中で被用者年金に入っている比率も下がってきているんですね。ですから、私、こういう中で厚生年金の加入者が当面、二〇〇五年まで増えるんだということは、私、全く根拠がないのではないかと思うんですが、大臣、そこはどう見ていらっしゃいますか。
  163. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 確かにこの数年、経済状況が非常に悪かったわけでありますから、労働力人口が少し若い世代のところで落ちてきている、あるいはまた、この被用者年金被保険者割合というものが低下してきているということはあるいはあるかもしれません。しかし、これは経済の動向等かなり影響するわけでありますから、私は今後、だんだんと今後下がっていくというふうには思っておりません。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  間もなく、二〇〇三年の数字が間もなく出るだろうというふうに思っておりますが、私は現在の段階でそれほどここが落ち込んでいくというふうには考えておりません。
  164. 小池晃

    小池晃君 私は、その根拠を、今も、そうならないと思うという希望的観測だけで、根拠は示されていないと思います。  それから、更にお聞きしたいのは、保険料がこれから上がるわけです。ところが、政府の試算では、保険料が上がることによる経済や雇用への影響を全く見込んでいないと。これは一体なぜなんですか、簡単に説明していただきたい。
  165. 渡辺芳樹

    政府参考人(渡辺芳樹君) この保険料水準の引上げにつきましては様々な御議論がございました。この委員会におきましてもいろいろ御指摘をいただいておりますが、中には、厚生年金の保険料が現在の経済状況の下で一気に引き上がった場合にどういう影響があるかという、何といいますか、評価というようなことも混ざっておりまして、私どもは、今回の改正によりまして十四年掛けて段階的に引上げをなだらかに行うということ、それから、この十四年の間の我が国の経済社会というものが現在と同じ状況にとどまっているわけではなく、生産性の上昇など経済の変化の中でこうした保険料の引上げの影響というものをとらえていくべきものではないかというふうに考えている次第でございます。
  166. 小池晃

    小池晃君 大臣ね、十四年掛けてじっくり上げるから影響はないんだって、それは余りにもおかしいと私は思うんですよ。  だって、日本経団連のアンケート調査でも、保険料を引き上げられた場合にはコストを勘案して労働形態の転換を検討する企業、これ七八%です。それから、内閣府がやったアンケートでも、これ経済財政白書に載っているんですが、年金保険料の引上げで消費支出を減らすと答えた人が五〇・六%なんです。これ来年のことなんですね。経済財政白書では、一年間のわずかな保険料、わずかではないと思いますが、これでもこれだけ半分の人が消費支出を減らすと言っているのは、これ重大だというふうに分析している。  私は、この保険料の引上げが経済や雇用に影響を与える、これは必至だと思うんですが、大臣はそうではないというふうにおっしゃるんですか。
  167. 坂口力

    国務大臣坂口力君) この議論は、年金の財源をどこに求めるかということに私はなる議論だというふうに思っております。保険料としてこれは納めるのか、それとも税として納めるのか、あるいは、その両方ともやらないのであれば年金が更に小さくなっていくけれども果たしてそれでいいのか、そこは私は両方あると思っております。  例えば、現在四十二兆円の年金が出ているわけでありますから、この四十二兆円の年金が全国津々浦々出ておりまして、地方におきましては消費の約二割ぐらいをこの年金が支えているとさえ言われております。したがって、景気が悪いときでも年金は出るわけでありますから、非常に大きな支えになっている。そうしたプラス面も見ていただかなければならないわけでありまして、保険料、確かに保険料も私はゼロだとは決して申しません、それなりの影響はあるかもしれない。しかし、それによって一方において年金がそれだけ維持されていくということになれば、双方を見ていただければ、この年金がマイナス面だけではないと私は思っております。
  168. 小池晃

    小池晃君 いや、私はそういうことを聞いているんじゃなくて、今回の再計算が保険料の値上げの影響ないというふうに分析しているわけです。それはおかしいんじゃないかと。大臣もおっしゃるように、あるとおっしゃるわけですから、だとすれば、今回の年金の再計算の基礎は間違っているということになるわけですよ。  さらに、国民年金保険料の納付率が〇七年には八割になると想定している。これは、先日発表された納付率は六三・四%なんですね。これは四年間で六割が八割まで改善すると。これは徴収対策を強化するからだというのが政府の説明です。それ、答弁もう結構です、分かりますから、そんなの、聞けば。  私、大臣にお聞きしたいんですよ。今、これから保険料を上げるというときに、何でその六割の納付率が八割に上がるというふうに、これは前提なんですから、これおかしいと思いませんか。  だって、今その国民年金保険料未納の最大の理由というのは、これは、国民年金加入者の四割ぐらいは、今、非正規雇用になってきていて、フリーターの方たちです。本来厚生年金に入るべき人たちが国民年金に行っていると、そういう人たちが一番納付率引下げの原因になっているんですね。こういう流れがどんどん進んでいる中で、幾らその分取立てを強めたって、二〇〇七年までに八割の納付率ですよ、こんなことがどうして実現できるんですか。大臣、これ実現できるというんだったらその根拠を説明していただきたい。私はこの点でも今回の政府の試算の前提は危ういのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  169. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 国民年金を納めていない皆さん方のカーブというのは、納めている人のカーブとまあ大体パラレルなんですね。必ずしも低所得の人たちだけではなくて、所得の高い層の皆さん方におきましても、この国民年金の支払というのが行われていない。半分は大体所得のある人でございます。  ですから、この皆さん方に、年金というのはお互いに支え合うもの、個人の、自分は所得があるからもう納めなくてもいいんだというお考えは、それは違っておりますと。お互いにこれは支え合うものということをどう理解をしていただくかということによって、非常に大きな影響を私は与えるというふうに思っております。  その辺のところがどれだけこの皆さん方に御理解をしていただけるようになるかということによってこのパーセントは変わってくるというふうに思っておりますので、その辺のところを十分にこれから力を入れてやっていきたいというふうに思っております。
  170. 小池晃

    小池晃君 年金改革の三つの問題お聞きしましたが、どれも私、全く納得のいく説明いただけませんでした。これはやっぱり廃止をしてやり直すということが求められていると思います。  最後に一つ、日歯連の政治献金問題についてお聞きしたいんですが、これは私たちの調査では、〇二年に医療関係団体から政界へ流れた献金額、地方、中央も含めて二十一億二千八百万円です。〇一年は二十五億五千五百万円、二〇〇〇年は二十四億八千八百万円。これは三年間で七十二億円に及びます。  大臣、最後にお伺いしますが、こういう社会保障の財源を原資とした団体からの政治献金というのがこれだけの巨額に及んでいる。これは速やかに中止すべきではないか。  それからあわせて、一部報道では、坂口大臣が薬剤の関連団体から政治献金受けていると報道されています。メディカル一光、オリエンタルコーポレーション、それから医療法人永仁会。この三社で、私どもの調査で献金額は四年間で七百四十一万円に及びます。大臣はかつて、厚生労働大臣就任中は政治連盟からの献金はどんな形であれ受け取らないというふうに答弁しましたが、この答弁に照らしても、こうした医療関係団体、政治連盟ではありませんが、こういったところから受け取っていたということは問題があるのではありませんか。お答えいただきたいと思います。
  171. 坂口力

    国務大臣坂口力君) まず、全体の問題でございますけれども、これは社会保障だけでなく、そのほかにも公的な資金の関係している団体というのはあるわけであります。例えば公共事業等、それを受けているようなところもこれは公的な資金とのかかわりがあるわけでございまして、社会保障だけではないというふうに思います。  したがって、全体の問題といたしましては、今後そうした問題をどうしていくかということを御議論をいただかなければならない。現在のこの社会保障だけでは私はないというふうに思っているところでございます。  それから、私にかかわりますところのお話ございましたけれども、私が申し上げたのは、関係する業界の政治連盟等から私はこの任期中もらわないということを申し上げているわけでありまして、その中で薬品のことをやっている個人あるいは企業、企業と申しますか、やっている企業ですね、企業とか、あるいはまた医師の皆さん方や医療を行っている病院、そうしたところからまで私ももらわないと言っているわけではありませんで、それはやむを得ないんじゃないでしょうかね。  私は、その関係する業界政治連盟からもらわないということを申し上げたまででございます。
  172. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  前回の通常国会におきまして、年金が強行採決をされました。最後、総理大臣に対する小池晃さん、そして私、福島みずほ、西川きよしさんの質問もそれは剥奪されたままで強行採決がされました。  様々な問題がありますが、まず条文についてお聞きをいたします。  条文のミスがその後多々出てきました。三つあり、まず正誤、字句の間違い、それから継ぎ足し、それから条文の継ぎ足しと三つあります。特に問題なのは、条文が存在せず、新たに条文を立てる必要が出てきたという点です。これは国会の立法権を侵害を明白にしております。  それで、お聞きをいたします。平成元年以降、正誤、官報で訂正をしたことにつきまして、字句のいわゆる正誤あるいは誤記というのではなく、条文の継ぎ足し、条文の訂正、これはかつて存在したのでしょうか。
  173. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) お答え申し上げます。  まず、本件につきましては、さきの国会で成立いたしました年金改正法につきまして、法文の過誤の問題がございまして、国民の皆様の信頼を損なう事態が生じたことは誠に遺憾でございます。今後こうした誤りを繰り返すことのないよう万全を期してまいりたいという具合に思っております。  お尋ねの件でございますけれども、条文につきまして、かつて誤植以外でこうした訂正が立法機関以外のところでなされたことがあるのかと、こういうお尋ねかという具合に思いますけれども、内閣提出の法律案が国会で成立をいたしまして公布された後に官報で正誤訂正なされた事例は、これまでにもあるものと承知をいたしております。
  174. 福島みずほ

    福島みずほ君 正誤以外、要するに書き間違いや誤植以外であるのでしょうか。そして、新たに条文を立てる、そのようなことがかつてあったのでしょうか。
  175. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) ちょっと具体的に申し上げたいという具合に思います。  これは衆議院の話で大変恐縮ではございますけれども、今回のこの年金改革法のミスに関連をいたしまして、去る七月の二十一日でございますけれども、衆議院の議院運営委員会理事会が開催をされまして、その際、衆議院の事務局から、法律公布後官報の正誤が行われた事例は、平成八年以降で八法律十三か所あったということで報告がなされたという具合に承知をいたしております。
  176. 福島みずほ

    福島みずほ君 質問通告していますが、間違い、書き間違い、誤植、正誤ではなく条文を新たに立てる、そのような形の官報による訂正があったかと聞いているんです。
  177. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) ちょっと、なお調べまして、御報告をさせていただきたいと思います。
  178. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、議院運営委員会に提出された資料についてはこちらも入手をしております。これは正誤表であって、新たに条文を立てるというのはこの中にないと思いますが、いかがですか。要するに、新たに条文を立てるというような訂正が官報によってなされたのは初めてではないんですか。
  179. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) なお、ちょっとよく調べさせていただき、いただきたいと思います。(「速記止めてくださいよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  条文を立てるというところについてまで、その事前の通告というものを私ども受けておるという認識持っておりませんでしたので、恐縮でございますが。
  180. 福島みずほ

    福島みずほ君 では、質問を変えます。  字句の誤植、それ以外における官報による訂正はあったのでしょうか。つまり、これは大問題になっていることなので、かつてあるこの正誤表、議運に報告された中がどのような訂正であったのかは熟知をされていらっしゃると思います。
  181. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) ちょっと、他省の実は法律でございまして、本日午後になりまして福島先生の方からそういったお尋ねがあるということでもってお話ございまして、私も事務方を督励して早く持ってこいということでやっておったわけでございますけれども、申し訳ございませんが、ちょっと今の現時点におきまして、各々のこの内容につきましてちょっと承知をいたしておりませんので、恐縮でございますが。(「速記を止めてくださいよ」と呼ぶ者あり)
  182. 国井正幸

    委員長国井正幸君) じゃ、ちょっと速記止めて。    〔速記中止〕
  183. 国井正幸

    委員長国井正幸君) じゃ、速記を起こして。
  184. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) 申し訳ございませんでした。  平成元年以降のこの正誤の事例でございますけれども、今回、四十か所の中におきまして、この正誤の中には新たに条を立てるというものがあるわけでございますけれども、私ども、厚生労働省あるいは厚生省ということで申し上げますと、平成元年以降、新たに条を立てると、そもそもそういった正誤はそもそもございませんでしたので、そういった事例はないものという具合に承知をいたしております。
  185. 福島みずほ

    福島みずほ君 そうしますと、今回官報によって変えたこの四十か所に関してはかつてない手続でやると理解してもよろしいのでしょうか、今の答弁で。
  186. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) 今回の過誤の内容につきましては、実質的な法規範の内容とその法文の表記との間にそごが生じているということでございまして、本来法文に表記すべき事項が明らかなものでございます。このため、官報正誤による手続でその誤りを正させていただいたという具合に理解をいたしております。
  187. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、違うんですよ。単なる誤植や誤りではなくて、継ぎ足し、条文の継ぎ足しをし、条文がそもそも存在せず新たに条文を立てております。これは今までなかったことだというふうに私は理解しております。また、例えば何条の、済みません、二十条の二、二十三条の二というように、全く新たに条文を立てております。  じゃ、厚生労働省にお聞きをいたしますが、法律で、改正法案ではなくオリジナルの法律、今回の採決された法律はそうですが、何とかの二という、こういう法律はかつて日本に存在したんでしょうか。
  188. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) 条立てのお話かという具合に存じますけれども、例えば何条の二というような表記というものは、これは間々あるという具合に理解をいたしております。
  189. 福島みずほ

    福島みずほ君 しかし、今回のは新たにこれは官報に載せるので初めて何とかの二というのを立てたのであって、そもそも出された法律の中には何とかの二という書き方はないですね。
  190. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) 御指摘でございますけれども、今回、実は付け加えましたのは、施行時期の関係でもって付け加えざるを得ないということでもって付け加えたということでございます。  繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、何といいますか、新たに条を立てるとか、それから、何といいますか、継ぎ足すというようなお話があるわけでございますけれども、その点につきましては、申し上げましたように、実質的な法規範の内容と法文の表記との間にそごが生じている、それを直す過程において言わばそういった立法技術というものを使ったということであるという具合に理解をいたしております。
  191. 福島みずほ

    福島みずほ君 施行期日であれ、また刑罰のものであれ、新たに条文を作るのは立法行為ではないですか。  つまり、何を問題にしているかといえば、憲法四十一条は唯一の立法機関は国会であると規定をしています。内閣は法案を提出することはできますが、立法機関ではありません。なぜ新たに、内容について新たに条文を立てることができるんですか。それ立法機関でしょう。
  192. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) 国権の最高機関である立法府の権限を侵そうというような意思は毛頭あるわけではございません。  今回のこの実質的な法規範と法文の表記との間のそごの誤記の訂正という理解をいたしているわけでございまして、新たな、新たな立法意思に基づきまして改正をするというものではないという具合に理解をいたしております。
  193. 福島みずほ

    福島みずほ君 かつて官報によって、官報に掲載することによって正誤の事例はあります。しかし、それは誤植であったり明らかな正誤です。今回のは新たに条文を立てているじゃないですか。どうして二十条の二、二十三条の二というように新たに条文を、条文がないために立てることがどうして内閣でできるんですか。
  194. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) これは、冒頭申し上げましたですけれども、これまでも例があるわけでございます。誤植以外でこういった訂正をさせていただいたということがあるわけでございます。先ほど申し上げました、平成元年以降で八法律十三か所ということがあるわけでございます。
  195. 福島みずほ

    福島みずほ君 でも、先ほど、その十三か所の中身について言えなかったじゃないですか。
  196. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) ちょっと中身につきましては、そういうことで承知をいたしていなくて大変申し訳ないという具合に思いますけれども、そういうことで実際に正誤が行われた事例が平成元年以降で八法律十三か所あるという認識をいたしております。
  197. 福島みずほ

    福島みずほ君 国会として極めて問題だと思うのは、今回の条文が、繰り返しになりますが、新たに条文を立て、勝手に二十条の二、二十三条の二、施行日についても全部これでやっているのです。これは立法行為ですよ。これを立法行為と言わずに何と言うというふうに思います。  唯一の立法機関は国会で、内閣は法案の提案権しかありません。勝手に、国会が法律を作りました、採決の後に官報で、施行日であれ何であれ新たに付け加えることができるのであれば、こんな恐ろしいことはないですよ。これは憲法違反ですよ。  大臣、どうですか、大臣
  198. 福井和夫

    政府参考人(福井和夫君) 繰り返しの御答弁になりまして恐縮でございますけれども、新たに条を立てる、あるいは何条の何という具合にする、あるいは施行期日のところへ今申し上げましたような条項を立てるというようなことがあるわけでございますけれども、それは言わば立法技術的な話であるという具合に理解をいたしておりまして、問題は、問題は、問題は、実質的な法規範の内容と法文の表記との間にそごが生じている、その過誤を、過誤を官報正誤という手続で誤りを正すという具合にいたしたものでございます。
  199. 福島みずほ

    福島みずほ君 朝、山本孝史議員が質問しましたが、内閣は立法行為について訂正をしたり修正をしたり直したりすることはできません。国会が法律を成立させた後に官報で勝手に新たに条文を立てる、何条の二というのを設ける、施行期日について新たに決める、これは立法行為で、憲法四十一条、唯一の立法機関は国会であるということに明白に反しています。こんなことは前代未聞ですよ。この年金法が中身がひどかったけれども、その後についてもひどいと。その意味で、新たに法案を出すべきだと強く主張したいと思います。  今日の答弁については、私が午後、お昼に通告して申し訳ありませんが、それでも午後じゅう時間があったわけですから、中身について明確に御説明がないということについてはやはりおかしいと思います。今後、この問題については、また厚生労働委員会その他で、あるいは閉会中審査で追及させていただきます。  大臣にお聞きをいたします。  日歯連の問題ですが、この厚生労働委員会で四月、五月、問題になりましたが、正直、捜査になるまでこの委員会できちっとメスを入れられなかった。日歯連の委員長に関してこの厚生労働委員会説明を求めましたけれども、都合が悪いということでいらっしゃいませんでした。  大臣にお聞きをします。  報道によれば橋本元総理への一億円の献金など問題になっておりますが、この事件をどうお考えでしょうか。
  200. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 日歯連の問題は、一つにおきましては中医協に絡んでおりますし、この中医協というのは厚生労働省としての大変大事な審議会でございますから、そうしたことにかかわっていたということにつきましては、私も重大な関心を持っておりますし、大変残念なことだというふうに思っております。このことにつきましては、今後、この中医協の在り方も含めて改革をしていかなければならないというふうに思っております。  他の、この日歯連の全容につきましてはまだ明らかになっておりませんけれども、政治資金の在り方、いわゆる献金と申しますか、その在り方等が今問われているわけでありますから、そうしたことにつきまして我々も今後重大な関心を持たなければならないし、もしそうしたことが事実であれば、それに対してメスを入れていかなければならないと思っているところでございます。
  201. 福島みずほ

    福島みずほ君 六月十日の新聞に、「汚職防止へ七月にも改革案」、中医協について出ておりますが、この汚職防止への改革案はどのようなものになっているのでしょうか。
  202. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 中医協に関して申し上げますと、一つは、この中医協の在り方というものにつきまして議論を深めていかなければならないというふうに思っております。一つは、審議の透明性の確保、それから診療報酬改定の結果の検証検証ですね。それから委員の在任期間の上限の設定、あるいは委員に公務員である旨の自覚を促す対策の実施、こうしたことが大きな項目としてあるというふうに思っております。  こうしたことを中心にしながらこの中医協の改革というものをやっていきたいというふうに思っておりますし、少し中長期的な問題になれば、診療報酬そのものの在り方の基本を明確にして、これはいつも申し上げていることでございますが、すべてを中医協にゆだねるという今までのような行き方ではなくて、もっとこの診療報酬の基本になりますところを決めておく、決定をしておくということが大事ではないかというふうに思っているところでございます。
  203. 福島みずほ

    福島みずほ君 厚生労働省における政官業の癒着の問題については極めてやみが深いと。この問題についてきちっと改革案、あるいは大臣が、政治連盟からの献金については、大臣に就任中はどんな形であれ受けないと、二〇〇三年十一月七日、発言委員会でされていらっしゃいますが、徹底した政治献金の禁止をすべきだというふうに思っております。  委員長、日歯連の委員長への参考人招致、それから橋本元総理に関する参考人招致、閉会中審査をこの厚生労働委員会できちっとやらなければならないと考えております。検討お願いいたします。
  204. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまの福島委員からの要求について、後刻、理事会で協議をさせていただきます。
  205. 福島みずほ

    福島みずほ君 日歯連の委員長にこの厚生労働委員会に来ていただくのは、御都合が悪いということで、私たち四月、五月の段階で実現をいたしませんでした。選挙が終わった後様々な疑惑が一斉に報道され、正直ショックを受けております。この厚生労働委員会が一体何をしてきたのかというふうに思います。  その意味で、閉会中審査、日歯連の委員長と橋本元総理の参考人招致をこの厚生労働委員会できちっと行うよう強く求め、私の質問を終わります。通告していたので聞けなかった点があったのは申し訳ありませんでした。
  206. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  大臣は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────
  207. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 次に、請願の審査を行います。  第一一号国民が安心して暮らせる年金制度確立のために、年金改革法実施を中止することに関する請願外十件を議題といたします。  これらの請願につきましては、各派間で協議した結果、いずれも保留とすることになりました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  209. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  210. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  211. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  212. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  213. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十八分散会