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2004-10-06 第160回国会 参議院 経済産業委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年十月六日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員長異動  九月二十九日谷川秀善君は委員長辞任した。     ─────────────    委員異動  八月五日     辞任         補欠選任      松村 祥史君     中曽根弘文君  八月六日     辞任         補欠選任      中曽根弘文君     松村 祥史君  九月二十九日     辞任         補欠選任      簗瀬  進君     平田 健二君     ─────────────   出席者は左のとおり。     理 事                 魚住 汎英君                 加納 時男君                 松田 岩夫君                 藤原 正司君                 渡辺 秀央君     委 員                 泉  信也君                 小林  温君                 関谷 勝嗣君                 谷川 秀善君                 福島啓史郎君                 保坂 三蔵君                 松村 祥史君                 加藤 敏幸君                 木俣 佳丈君                 平田 健二君                 藤末 健三君                 浜田 昌良君                 松 あきら君                 田  英夫君                 鈴木 陽悦君    国務大臣        経済産業大臣   中川 昭一君    副大臣        経済産業大臣  保坂 三蔵君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        文部科学大臣官        房審議官     木谷 雅人君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       小田 清一君        資源エネルギー        庁長官      小平 信因君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     松永 和夫君        国土交通省道路        局長       谷口 博昭君    参考人        関西電力株式会        社取締役社長   藤  洋作君        関西電力株式会        社取締役社長  岸田 哲二君        関西電力株式会        社取締役     辻倉 米蔵君        美浜発電所三号        機二次系配管破        損事故調査委員        会委員長代理   班目 春樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○経済産業貿易及び公正取引等に関する調査  (派遣委員報告)  (関西電力株式会社美浜発電所三号機蒸気噴出  事故に関する件)     ─────────────    〔理事松田岩夫委員長席に着く〕
  2. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員長が欠員となっておりますので、私が委員長の職務を行います。  この際、谷川経済産業委員長から発言を求められておりますので、これを許します。谷川秀善君。
  3. 谷川秀善

    谷川秀善君 おはようございます。  前委員長として一言御礼のごあいさつを申し述べます。  このたび、外務副大臣就任のため委員長辞任いたしました。この一年間、委員皆様方には多大の御協力、御支援の下、委員長としての役目を大過なく過ごさせていただくことができました。この場をおかりいたしまして、厚く心から御礼を申し上げます。  本当にありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  4. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 委員異動について御報告いたします。  去る九月二十九日、簗瀬進君が委員辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。     ─────────────
  5. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) この際、一言申し上げます。  去る八月九日に発生いたしました関西電力株式会社美浜発電所三号機蒸気噴出事故により亡くなられた方々並びに御遺族方々に対し、本委員会として謹んで哀悼の意を表します。  また、負傷された皆様の一日も早い御回復を願い、心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。  ここに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立を願います。黙祷を願います。    〔総員起立黙祷
  6. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  7. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会文部科学大臣官房審議官木谷雅人君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長小田清一君、資源エネルギー庁長官小平信因君、資源エネルギー原子力安全・保安院長松永和夫君及び国土交通省道路局長谷口博昭君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のうち、関西電力株式会社美浜発電所三号機蒸気噴出事故に関する件の調査のため、本日の委員会関西電力株式会社取締役社長藤洋作君、関西電力株式会社取締役社長岸田哲二君、関西電力株式会社取締役辻倉米蔵君及び美浜発電所三号機二次系配管破損事故調査委員会委員長代理班目春樹君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  11. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のうち、関西電力株式会社美浜発電所三号機蒸気噴出事故に関する件を議題といたします。  まず、去る九月二十九日、本委員会が行いました関西電力株式会社美浜発電所事故状況調査のための委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。加納時男君。
  12. 加納時男

    加納時男君 委員派遣の御報告を申し上げます。  去る九月二十九日、松田理事を団長として、藤原理事加藤委員木俣委員、直嶋委員、藤末委員浜田委員松委員鈴木委員、そして私、加納の十名は、福井県におきまして、関西電力株式会社美浜発電所三号機蒸気噴出事故状況調査してまいりました。  本調査は、去る九月二十七日、原子力安全・保安院から事故に関する中間取りまとめが発表されたことを踏まえ実施したものであります。  当日は、まず、関西電力から事故状況及び対応について説明を聴取するとともに、タービン建屋に入り事故現場の実情を調査いたしました。次いで、福井県及び美浜町から今回の事故及び国の原子力政策等に対する意見を聴取した後、派遣委員との意見交換を行いました。  以下、その概要を御報告申し上げます。  まず第一に、事故状況です。  八月九日、関西電力美浜発電所三号機が定格熱出力一定運転中に、タービン建屋内で二次系配管破損しました。タービン建屋では、事故発生当時、関西電力職員及び協力企業の百五名の作業員定期検査準備を進めておりましたが、二次系配管破損によって噴出した蒸気及び高温水により、協力企業作業員五名の方々が亡くなられ、六名の方々重傷を負われました。  第二に、配管破損状況であります。  破損した配管は既に日本原子力研究所に移送されており、実際に確認することはできませんでしたが、破損部分は、関西電力説明によれば、配管軸方向に最大五十一・五センチ、周方向に九十三センチにわたって破れており、最も薄いところでは〇・四ミリとなっていたとのことでありました。  次に、二次系配管破損の直接の原因についてであります。  関西電力は、三菱重工業株式会社協力を得て、平成二年に原子力設備二次系配管肉厚管理指針PWR)を策定し、以降、三菱重工業配管肉厚検査業務実施し、平成八年からは株式会社日本アームがそれを引き継ぎました。  三菱重工業日本アーム関西電力は、検査業務を連携し実施してきたとのことでした。しかし、事故配管は、本来、管理指針に基づいて計画的に肉厚測定されるべき箇所であるにもかかわらず、三社が関与する二次系配管減肉管理ミスによって、要管理箇所が当初の管理リストから欠落し、事故に至るまで一度も点検されなかったこと、また、その背景には、関西電力品質保証保守管理システム整備が不十分なことがあったとの説明がありました。  関西電力においては、社長原子力事業本部長に就き、事故原因究明再発防止策の徹底を図るとともに、被災者に対するできる限りの対応を行っていく旨の発言がありました。  一方、福井県からは、美浜発電所三号機の二次系配管破損事故に対して、国は早急に責任ある対応を行う必要があるとの立場から、一つ、国の責任において事故原因究明と徹底的な再発防止対策を講ずること、二つ原子力発電所において働く人々の安全確保対策を徹底すること、三つ安全管理点検指針を国として明示するなど、抜本的な安全管理システムを構築すること、四つ拠点立地地域での安全行政総括体制を確立すること等、八項目にわたる要望がありました。  美浜町からは、国は責任ある対応を明確にする必要があるとの立場から、一つ、国の責任において事故再発防止のための抜本的対策を講ずること、二つ、高経年化した発電所点検検査の在り方については、国において高経年化原子炉検査基準(仮称)等を設けること、三つ風評被害に対する万全の対策を講ずること、四つ、町民の安全確保のために緊急避難道路となる県道の整備を行うこと等、八項目にわたる要望がありました。  派遣委員関西電力、県及び町との意見交換におきましては、委員から、一つ、今回の事故の直接原因となった関西電力点検管理ミス具体的内容二つ点検管理ミス関西電力だけで発生した理由、三つ定期検査期間短縮化事故発生との関係等について熱心な質疑が行われました。  以上が調査概要であります。  福井県及び美浜町から提出されました要請書につきましては、本日の会議録末尾に掲載していただきますようお取り計らいをお願い申し上げます。  最後に、御多忙の中、調査に御協力いただきました関係者方々に厚く御礼申し上げまして、委員派遣報告を終わります。
  13. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  なお、ただいまの報告にありました現地からの要請書につきましては、本日の会議録末尾に掲載することといたします。  次に、政府から報告を聴取いたします。中川経済産業大臣
  14. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) おはようございます。  まず冒頭、このたびまた経済産業大臣という重責を拝命いたしました。委員長理事先生方委員先生方には引き続きどうぞ御指導よろしくお願いをいたします。  それでは、発言をさせていただきます。  まず、改めまして、関西電力美浜発電所三号機における今回の事故で亡くなられました五名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、今なお治療中のため入院しておられる被災者方々の一日も早い御回復を願っております。  これまで、国の原子力行政遂行に当たりましては、地元福井県及び美浜町から多大な御協力をいただいてまいりました。その福井県におきまして、県民の尊い命が失われ、原子力安全性に対する信頼を裏切るような形となりましたことを、原子力行政責任者として誠に遺憾に存じております。  今回の事故に関しましては、小泉総理大臣から私に対しまして、徹底した原因究明再発防止に万全を期すとともに、特に御地元皆様に分かりやすく説明するよう指示を受けております。  私は八月十日、事故の翌日に現場を訪れ、その状況を直接調査するとともに、西川知事を始めとする御地元皆様意見交換をさせていただきました。同時に、直ちに専門家皆様方から成る事故調査委員会を発足させ、事実関係の解明を進めるとともに、抜本的な再発防止対策検討に全力を挙げてきたところであります。  その結果、九月二十七日に中間取りまとめ報告をいただきました。これを受けまして、私は関西電力藤社長に対し、事故発生に関して厳重に注意するとともに、年度内に再発防止対策に関する報告書を提出するよう指示いたしました。同時に、美浜三号機につきまして、技術基準に適合するまでの間、停止することを命じました。また、関西電力に対しましては国の保安検査等を厳格に行います。  他方、関西電力以外の全原子力事業者に対しましては、中間取りまとめで指摘されている再発防止対策を実行するよう指導いたしました。国自身といたしましても、二次系配管を計画的に検査すべき旨省令に明示するとともに、検査官が行う保安検査において事業者実行状況を確認いたします。  このような対応につきましては、私から福井県知事及び美浜町長に御報告するとともに、原子力安全・保安院長を派遣して福井県知事説明させるなど、地元への情報提供に万全を期しているところでございます。  私は、かねてから、原子力の推進の大前提は、安全の確保と御地元皆様方を始めとする国民方々の御理解であると申し上げてきております。今回正にこの大前提にかかわる事態が発生いたしました。以上申し上げた対応に万全を期するとともに、中間取りまとめ必要性が指摘された更なる調査を行い、その結果を御地元に十分に説明申し上げて、原子力信頼を取り戻したいと考えております。  以上でございます。
  15. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 以上で政府からの報告の聴取は終了いたしました。  次に、参考人から説明を聴取いたします。まず、班目参考人
  16. 班目春樹

    参考人班目春樹君) 美浜発電所三号機二次系配管破損事故調査委員会委員長代理を務めております班目春樹でございます。  本日は、委員長朝田先生海外出張中ですので、代わりまして私から事故調査委員会での審議経緯中間取りまとめ概要を御説明させていただきます。  事故調査委員会は、事故発生翌日の八月十日に総合資源エネルギー調査原子力安全・保安部会下部組織として設置されました。委員会は設置の当日に、二人の委員による事故現場現地調査から活動を開始いたしました。八月十一日の第一回以来、六回の委員会をすべて公開で開催いたしました。第四回は、地元への情報提供意見交換という趣旨も含め、福井県において委員会を開催いたしました。関西電力からも報告を聞き、福井関係者の御意見も伺うなど、短期間に内容の濃い検討ができたものと考えております。  その結果として、これまでに明らかとなった事実を踏まえ、事故原因再発防止策などを中間的に取りまとめました。ただし、引き続き、配管破損に至った原因の詳細な調査が行われますので、その進展に応じて今後も委員会を開催してまいります。  次に、中間取りまとめのうち、配管破損メカニズム破損箇所を含む配管減肉管理状況、早急に対応が必要な事項について御説明申し上げます。  まず、配管がどのような経過を経て壊れたかを御説明いたします。  配管炭素鋼と呼ばれる材質でできており、いわゆるエロージョン・コロージョンという、管の内面が水で削り取られる現象が進展いたしました。これにより、配管の厚みが徐々に薄くなり、結果として配管が水の圧力に耐えられなくなるなどにより破損したものと推定しております。  次に、配管減肉管理がどのように行われてきたかを事故原因との関係で御説明いたします。  加圧水型軽水炉、いわゆるPWRの二次系配管に関しましては、各事業者平成二年に原子力設備二次系配管肉厚管理指針を策定し、これに沿って自主点検を行うこととしていました。今回の事故発生した部位は、この指針に照らして肉厚測定等減肉管理を行うべき対象であったにもかかわらず、それが実施されていませんでした。  具体的には、事故発生部位は、平成二年に三菱重工業PWR管理指針に基づく点検対象リストを作成した際に、既に点検リスト記載から漏れていました。その後、関西電力がそれを認識する契機となり得る経緯もありました。具体的には、三菱重工業が他の発電所において破損部と同じ部位点検リスト漏れを修正したり、日本アーム破損部定期検査時の点検箇所に含めたりと、事故部位点検リストから漏れている状態が修正されたときでございます。しかし、結果として、関西電力等記載漏れに係るチェックを行わなかったことなどから、当該部位減肉管理が行われてこなかったものでございます。  このように、今回の事故の直接的な原因は、関西電力三菱重工業日本アームの三者が関与する二次系配管減肉管理ミスにより、要管理箇所が当初の管理リストから欠落し、かつ、事故に至るまで修正できなかったことであり、関西電力品質保証保守管理が機能していなかったことと言えます。  以上のように、事故原因等を踏まえ、国や事業者などが再発防止に向けて当面取るべき対応策をまとめておりますので、その主なものを御説明いたします。  まず、的確な品質保証保守管理を実現するための対応として、一つ事業者配管系統図管理表とをコンピューターに入力して連動させるなど、体系的な点検リストを用いる管理体制を構築すること、二つ原子力安全・保安院は、保安検査において配管肉厚管理実施状況社内規定遵守状況を確認することなどが必要となります。  また、事業者がチェックすべき事項を具体的に示すため、原子力安全・保安院は、日本機械学会が策定中の配管肉厚管理手法に関する規格を安全規制判断基準として早期に活用することなどが必要です。  さらに、定期事業者検査において配管肉厚管理がしっかりと検証されるよう、一つ原子力安全・保安院配管肉厚管理に係る定期事業者検査の方法を省令改正により明確化すること、二つ原子力安全・保安院独立行政法人原子力安全基盤機構は、配管肉厚管理実施状況実施体制保安検査定期安全管理審査で確認することなどが求められます。  以上のように、対応策においては早期実施に移すことが重要です。同時に、今後の調査進展に応じて追加的な再発防止対策が必要となることもありますので、その点に留意する必要があります。  また、BWRや火力発電所配管肉厚管理状況発電所運転中の作業員安全確保対策原子力発電所の高経年化に対する指摘への対応など、時間の関係で御説明できなかった事項中間取りまとめに含まれておりますので御認識いただきたくお願いいたします。  以上で私からの御説明を終わらせていただきます。
  17. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 次に、藤参考人
  18. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 関西電力藤洋作でございます。  先生方におかれましては、先月二十九日に弊社美浜発電所にお運びをいただき、御視察を賜りました。私自身先生方に直接、事故おわびを申し上げ、御説明すべきところ、大変失礼いたしました。申し訳ございませんでした。  そこで、本日、改めまして、おわびと御説明をさせていただきたいと存じます。先生方にはよろしく御指導賜るようお願い申し上げます。  このたびは、弊社美浜発電所の三号機におきまして、五名もの方の尊いお命が失われ、また、六名の方が重傷を負われるという極めて重大な事故を起こし、被災された方々、御遺族、御家族皆様並びに木内計測様には大変申し訳なく思っております。この場をおかりいたしまして、深くおわびを申し上げます。  また、日ごろから発電所維持運営に御協力いただいております協力会社皆様や、地元美浜町を始め福井県の皆様、隣接の府県の住民の皆様方には多大の御心配と御迷惑をお掛けいたしました。国民皆様に御不安を与え、さらには国、地元自治体並びに関係当局、そして各界各方面の皆様に大変な御迷惑をお掛けしましたことにつきまして、改めて深くおわびを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。  弊社は、先月の二十七日、中川経済産業大臣殿から厳重注意及び御処分をいただきましたが、私ども、これを厳粛に受け止めますとともに、本当に申し訳ないことをしてしまったとの思いで一杯でございます。私自身はもとより、全役員、全従業員が心から反省をしております。お亡くなりになられました方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げ、重傷を負われました方の一日も早い御回復を心から願っている次第でございます。  弊社は、今後とも、御遺族方々重傷を負われた方々並びにその御家族方々、さらには木内計測様に対しましても、誠意を持ってでき得る限りのことをさせていただきます。  また、地元皆様方の御心配、御迷惑に対しましても、地元皆様のお話を十分お伺いしながら、誠実に対応させていただきます。  弊社は、労働安全の確保のために、事故後、直ちに運転中のプラントへの立入り制限を行う一方、配管健全性が確認され、協力会社地元皆様の御理解が得られるまでの間、原則として定期検査前には準備作業を行わないこととするなどの措置を取っております。  先月の二十七日には、原子力安全・保安院殿におかれまして、事故に関する中間取りまとめを公表されました。弊社も同日、現時点での対策などを取りまとめ、国、福井県、美浜町を始め近隣の自治体当局に御報告をさせていただきました。本日は、それらに沿いながら御報告をさせていただきたいと存じます。  このたびの事故原因となりました配管破損発生メカニズムにつきましては、先ほども御説明ございましたように、原子力安全・保安院殿の中間取りまとめによりますと、いわゆるエロージョン・コロージョンにより、配管肉厚運転に伴い徐々に減少した結果、配管の強度が不足し、運転時の荷重により破損したものと推定されております。  このたびの事故は、中川経済産業大臣殿から賜りました厳重注意にもございますように、原子力安全を組織的に確保するための弊社品質保証システム保守管理システム整備が不十分であったために発生したわけでございまして、この点、設備運転、管理する者としての責任を痛感しております。  それでは、破損に至るまでの経緯を御説明させていただきたいと思います。  弊社は、平成二年五月に原子力設備二次系配管肉厚管理指針を策定し、それ以降、この指針に基づきまして配管肉厚管理実施してまいりました。三菱重工さん、そして平成八年にその業務を引き継いだ弊社子会社日本アーム、それから弊社、この三者の協力関係の下、肉厚管理業務につきまして適切な仕組みを確立し、またそれに基づいて的確に管理されているものと私どもは考えておりました。  ところが、美浜三号機の当該破損部位につきましては、管理指針上、肉厚測定点検実施すべき箇所に該当するものの、当初、三菱重工さんが作成されました肉厚測定点検リストの元帳から漏れ日本アーム肉厚測定点検業務を引き継ぎました後も、漏れはそのままでございました。  そして、昨年四月、日本アーム漏れに気付き、十一月に、次回定期検査に向けて肉厚測定すべき四百二十か所を記載した一覧表の中に含められて提案されましたが、特段の注記がなかったため、弊社肉厚測定点検リストの元帳から当初から漏れていたことを認識しないまま、本年八月の定期検査で測定することとしてしまいました。そうした結果、運転を開始して以来、一度も肉厚測定点検されぬまま破損に至りました。  この間、二次系配管の保守点検三菱重工さんが行っておられました北海道電力さんの泊発電所一号機と、同じく、日本原子力発電さんの敦賀発電所二号機におきまして、このたびの破損部と同じ部位肉厚測定点検リスト記載漏れが発見され、追加記載されておりましたが、この件につきましても、私ども、このたびの事故発生後に知った次第でございます。  これら一連の経緯や事実関係調査された原子力安全・保安院当局がなされました事故中間取りまとめでは、今回の事故の直接的な原因は、関西電力三菱重工日本アームの三者が関与する二次系配管減肉管理ミスとの御指摘をいただき、また先ほども申し上げましたように、中川経済産業大臣殿からも弊社に対しまして、原子力安全を組織的に確保するための弊社品質保証システム保守管理システム整備が不十分であったとの御指摘をいただきました。  弊社は、こうした点を反省し、二次系配管肉厚管理業務の抜本的な見直しを行います。  まず、肉厚測定の点検漏れを徹底的に排除するため、肉厚測定点検リストの元帳管理を万全にいたしますとともに、肉厚測定作業以外の肉厚管理業務すべてを今後、弊社自らが主体的に行うことといたしました。  こうした肉厚管理だけでなく、弊社従業員の保全業務能力をより強化するため、定期検査における現場作業などの工事管理業務を専門的に行うグループを設置することとし、現在検討を進めております。  さらに、弊社とプラントメーカーや協力会社との間の意思疎通を確実なものにするため、情報の共有を強化してまいります。これまでも、安全衛生協議会等の活動など、弊社は交流を深めてきておりますが、双方向の情報受渡しを更に増やし、得られました情報は定期的に集約し、活用策を検討することといたしまして、設備を扱う協力会社の情報や認識を業務に有効活用していく考えでございます。  こういった対策に加えまして、地元皆様方との対話活動の充実を図ってまいります。弊社は、従来から地元皆様から御意見をお伺いする場を増やすよう努めてまいりましたが、今後はさらに、発電所の技術者や、私を含めた経営層それぞれが地元皆様方との対話活動に積極的に参加して、発電所の運営や経営に皆様方からちょうだいした意見を生かしてまいります。  先月の二十七日に、中川経済産業大臣殿から賜りました御処分の中でも、計画的な点検を可能とするような点検リストの作成など、体系的、統一的管理システムの整備が不足していた等、弊社品質保証システム保守管理システム整備が不十分であったことにつきまして御指摘を受けております。こうしたことから、弊社は今後さらに、業務計画、調達管理、資源の運用管理、不適合管理などについて問題点、課題を調査いたします。  そして、社外の専門家の方にも御参加いただく原子力保全機能強化検討委員会におきまして再発防止対策を取りまとめ、品質保証システムなどの確立に万全を期してまいります。その結果を早急に原子力安全・保安院殿に御報告させていただき、御指導を仰ぎたいと存じております。  国会におかれましては、一昨年、我が国の長期的なエネルギー政策の基本方針を定めたエネルギー政策基本法を御制定され、それに基づき、昨年十月にエネルギー基本計画が閣議決定され、国会に御報告されました。その中では、「安全の確保大前提に、核燃料サイクルを含め、原子力発電を基幹電源として推進する。」とされております。  また、電力自由化が進展する中、昨年の電気事業法改正の際には、本委員会におきまして、原子力発電にかかわる経済的措置等の具体的な制度・措置を検討の上、講ずる旨の附帯決議を御発議いただいております。  このように、先生方には我が国の将来を見据えたエネルギー政策の確立につきまして奔走されている中、私どもがかような重大な事故発生させ、国民皆様信頼を大きく損ねる結果になってしまいましたことは誠に申し訳なく、改めて先生方おわびを申し上げます。  私どもが再び地元を始め国民皆様の御信頼を得るための道のりは大変困難かつ厳しいものと承知をいたしておりますが、二度とこのような事故を起こしてはならないとの固い決意の下、全役員、全従業員を挙げて信頼回復に向け、あらゆる努力を続けてまいる覚悟でございます。  先生方におかれましては、引き続き、御指導、御鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。  私からの説明は以上でございます。  本当に申し訳ございませんでした。
  19. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 以上で参考人からの説明の聴取は終了いたしました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  20. 加納時男

    加納時男君 加納でございます。  質問に先立ち、このたびの事故でお亡くなりになられました五名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。また、現在治療中の被災者方々の一日も早い御快癒を心から祈念申し上げまして、質問に入らせていただきます。  まず、関西電力藤参考人にお尋ねいたします。  原子力安全・保安院美浜原子力発電所三号機二次系配管破損事故に関する中間取りまとめによりますと、関西電力は、昭和五十年代から二次系配管についてサンプリングによる減肉調査をしていたこと、また、昭和五十八年に高浜二号機において湿分分離器ドレンタンクのバランス管分離管の減肉により蒸気漏れ発生しましたが、このことを踏まえて三菱重工業に体系的減肉調査を委託しております。また、昭和六十一年、アメリカのサリー原子力発電所においてやはり二次系配管の減肉による破損事故がありましたが、これを受けて、今、藤社長からお話がありましたように、平成二年にPWR管理指針を定めておられます。  このようなことを見てまいりますと、関西電力は、オリフィスだとか弁だとかベント部分だとか、いろんな部分のところで配管の減肉が生ずることを認識していたことは私は明らかだと思います。それにもかかわらず、先ほどの班目参考人からの御報告にありましたように、点検リスト漏れがあるかどうかのチェックの機会があったと思うんですが、これを再三にわたって逸していたと、ここにポイントがあると思いますが、いかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  21. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 先生御指摘のとおり、私ども、弊社は、元々、平成二年にこの管理指針を策定いたしました時点で、それまでの調査などによりまして、オリフィスとか弁とかそういうものの下流で配管に減肉が生ずるという、そういう知見を有しておりました。そして、その内容平成二年に管理指針に織り込んだわけでございます。  そして、先ほど申し上げましたような、三菱重工さんと日本アームさん、そして弊社、この三者が肉厚管理業務につきましてちゃんとした仕組みができて管理ができる、できているつもりでございましたんですが、この中で、結局、最初のリストアップで抜けていた点もございます。それから、その次に、引き継がれた時点でも抜け落ちがございました。そして、私ども自身が、そもそも、抜け落ちをチェックする、そういう仕組みを有しておりませんでしたということが、それが主たる原因であるというふうに考えております。  また、類似箇所点検漏れに関しまして電力会社間の水平展開が不十分であったこと、それから、本件に関します契約におきましてPWR管理指針に基づいて点検箇所を見直すこと、それを明示的に記載していなかったということも問題であるというふうに考えております。  私どもとしましては、設備の管理主体として、先ほど申しましたが、重大な責任があると考えております。今後は、再発防止及び信頼回復の観点から、私ども、先ほど申しましたように、自ら主体になってこの肉厚管理をやっていくつもりでございます。それも含めまして、万全の対策検討いたしまして実施していく所存でございます。  以上が私の答弁でございます。  ありがとうございました。
  22. 加納時男

    加納時男君 今のお話伺いまして、再三チェックの機会があったということはお認めになったと思います。最初のリストの段階、それから引き継いだ段階、その後、去年、日本アームが発見した以降の三つの段階でチェックの機会がありながらそれを逸したということを今おっしゃったわけでございます。  少しこの問題関連して伺いたいと思いますけれども、リスト漏れを発見したときに、これを重要な情報として特記報告をするということを請負契約に明記しなかったように今のお話だとうかがえますが、そのとおりでしょうか。  今、藤社長は、去年、日本アームから報告があったときに注記がなかったと、重大な、私にとっては大変ポイントになる御発言があったんですが、こういうことは請負契約の中に明記していなかったように思いますが、これは品質保証の観点からするとどのようにお考えでしょうか。伺いたいと思います。
  23. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 今、先生から御指摘のとおり、このリスト漏れを、この契約をいたしましたときに、もし、元々のリスト漏れというふうな重大なことがあって、それを発見したら、それを必ず私どもの方に報告するべしということを、そういうことをやはり契約の中に織り込んでいなかったということは、そういう意味で私どもの品質保証、特に外注管理の面で甘かったというところがあるというふうに思っております。  以上でございます。
  24. 加納時男

    加納時男君 このリスト漏れ、経過は大体私は理解しましたが、これはだれの責任なんでしょうか。  つまり、硬い言葉ではございますが、請負の目的物に瑕疵があったというふうに私は考えております。請負の目的物というのは何かというと、適切なチェックリストを作成するというのがその請負の目的物だったとしますと、それに漏れがあったということは、瑕疵があった、きずがあったということになると思います。これは、例えば請負の、発注者なのか請け負った人の責任なのか。例えば、発注者として指図の責任があったのか、検収の責任があったのかということになると思います。点検リストを作ったり納品する形態が関西電力漏れを発見しやすいあるいはチェックしやすい体制であるということ、そういう仕様であることが必要だったというふうに、今後のことを考えますと私は大事だと思うんですけれども、その辺はいかがお考えでしょうか。
  25. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 今おっしゃいました、このリストの目的物に瑕疵があったのか、こちらの発注側の問題かということでございます。  責任の所在という意味から申しますと、今後、御当局専門家方々の解明にまたねばならないところもございますけれども、先ほども御説明しましたように、最初の当該部位のリストアップがなかった、その次に、日本アームさんに業務が移管されたときに抜け落ちが発生、発見された時点で当社の方、弊社の方に御報告がなかった、そして私どもがその抜け落ちがあること自身のチェックを行っていなかったということでございます。  そういうわけで、私どもは、設備を管理する主体として私どもの重大な責任があるというふうに考えております。  今後更に詳細な調査が行われると思いますが、私どもは、繰り返しますが、設備の管理主体としての責任があると、このように考えております。  以上でございます。
  26. 加納時男

    加納時男君 今の御回答に関連しまして、班目参考人にお伺いいたしたいと思います。  原子力施設を、よく、建設するときには、人は間違うことがある、機械は設計どおりに動かないことがあるということを前提にして、多重防護という考え方を取って設計に当たっていると理解しております。こういった考え方は建設だけでなくてメンテナンスの分野でも、場合によっては、あるいは物によっては必要ではないだろうかと思うんですが、先生のお考えを伺いたいと思います。
  27. 班目春樹

    参考人班目春樹君) 先生の御指摘のように、メンテナンスに関しては、これに万全を期すという意味での事業者品質保証への取組が必ずしも十分であったとは言えないと考えております。一昨年の東京電力の問題もメンテナンスをめぐるものでありましたし、今回の事故も同様でございます。  そのような認識もあって、東電問題を踏まえた制度改正では、総合資源エネルギー調査原子力安全・保安部会での議論に私自身も参加して、原子力施設のメンテナンスが十分に行われるような仕組みを導入いたしました。現在、その効果が十分に発揮できるよう、的確な運用が行われるかどうかを注目しているところでございます。  具体的には、まず、原子力に携わる事業者は、特別な許可を得て原子力事業を営む者として、事業の全般に安全確保の一義的な責任を負っております。この点を明らかにするために、平成十五年の制度改正では、それまで自主検査としていたものを、定期事業者検査として法律上義務付けました。したがって、事業者はまず、自身が定める規定にのっとって、外注の管理も含め、しっかりと点検を行う義務がございます。  それから、国の規制については、従来、特定の施設の健全性をあらかじめ決められたとおりに確認することを中心とする検査を行っていたものから改め、品質保証の考え方を導入し、施設の健全性だけでなく、施設の設置のプロセスや事業者の保安活動全般を確認する検査に重点を置くものにしてございます。これに則して事業者がその義務をきちんと履行しているかどうか、実施体制がしっかりしているかを保安検査定期安全管理審査を通じて確認するなど、複数な目でチェックしていくことが必要でございます。検査官の資質を向上させつつ、監査型の検査や抜き打ち型の検査を効果的に行い、事業者がメンテナンスを体系的に実施し、事故、トラブルからの教訓を反映するなど、継続的な改善が図られるよう国の検査の在り方も充実していく必要がございます。  これまでの対応はまだまだとは思いますけれども、このような枠組みの下で事業者及び規制当局が努力を継続し、複数の目によるチェックの下、メンテナンスがきちんと行われることを期待しているところでございます。
  28. 加納時男

    加納時男君 今の班目参考人の御回答に関連して、原子力安全・保安院松永院長に伺いたいと思います。  私どもが現場調査をやったときに、県や町から国の責任ある対応を求められたことは先ほど私の報告で申し上げたとおりであります。今回の事故にかんがみ、原子力施設に関する国と事業者検査の在り方についてどんな課題があるか、伺いたいと思います。
  29. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  今回の事故は、十一人の方が死傷される大変痛ましいものでございまして、国といたしましても重大に受け止めております。  中川大臣の指示を受けまして、事故の直後に事故調査委員会を設置いたしまして精力的に原因究明再発防止策検討を行ってまいりまして、二十七日に中間取りまとめをいただきました。これを踏まえまして、国といたしましても、今回の事故を反省をし、教訓と受け止めまして再発防止に取り組む必要があると考えております。  具体的に申し上げますと、今回事故が起きました箇所は、ただいまも御説明ございましたけれども、定期事業者検査を行うべきところと位置付けられておりますが、中間取りまとめの指摘も踏まえまして、この定期事業者検査の枠組みの中で検査が正しく行われるようにしていく考えでございます。具体的には、これまでも省令及び解釈通達で示されておりますけれども、今回の事故を踏まえまして早急に省令を改正いたしまして、より一層明確化するという所存でございます。  次に、事業者が二次系の配管点検する際の管理指針でございますけれども、これは平成二年にできましてから十四年以上たっております。原子力安全・保安院といたしましては、その間の知見や技術の発展を織り込んで新しい規格とすることを日本機械学会に要請をしているところでございます。規格が策定されました際には、それを国といたしましてもきちんと評価いたしまして、管理指針として明確に位置付ける方針でございます。  さらに、下請の管理を含みます電気事業者の品質管理、保守管理につきましては、平成十五年十月から事業者の保安規定に盛り込むことを具体的に義務付けております。保安規定は、国が年四回実施をいたします保安検査でその遵守状況を監視することになっておりますが、今回の事故を教訓といたしまして、二次系の配管に関する社内規定遵守状況を含めまして、事業者品質保証システム、これが十分に機能するように厳しく監査、監督してまいりたいと考えております。
  30. 加納時男

    加納時男君 今の御回答で、省令の改正と定期事業者検査の在り方について一段と掘り下げたことを、改正を行うこと、それからまた、管理指針についてはその後の知見を踏まえてアップデートを図ること、更には品質保証等を重視していくことの御回答がありました。  確かに私は、膨大な部品を持っている巨大システムについて国が何でもかんでも検査するということは非効率でありますし、不可能だと思っています。極めて重要な原子炉の安全系等に対しては国が直接定期検査を行うということに加えまして、他の部分については定期事業者検査を十分に見直してこれを強化していくことで、どちらかというと自主管理体制を基盤としつつ、国は事後監査的にこれに当たっていく。要すれば、必要があれば抜き打ち検査等も、立入検査等も行うという体制、それから品質保証をしっかりやらせる、こういう回答だと私は理解して、その限りでは結構だと思っています。  もう一つ松永院長に伺いたいと思います。  中間報告書を読んだんですが、その中に、三菱重工業は、北海道電力泊、日本原電敦賀、両原子力発電所で当該箇所記載漏れを発見し、点検リスト等に記載したという記述がありました。その次に、敦賀の場合は記載漏れについて水平展開を行わなかったと書いてあるんですね。これちょっと、私は非常に気になるんですが、水平展開を行わなかったことが今回の事故一つのやはり要因ではないかと思いますが、いかがでしょう。
  31. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) 御指摘のとおり、中間報告を取りまとめるに当たりまして、関西電力三菱重工業、それから日本アームに対しまして報告徴収命令をいたしまして調査いたしました。  その過程で、御指摘のとおり、泊の発電所あるいは敦賀の発電所に、点検漏れが発見された後の関係者への連絡、いわゆる水平展開が不十分であったということが明らかになっております。したがいまして、中間取りまとめにおきましても、問題の発生を未然に防ぐための事業者間の情報共有の着実な実施を、品質保証及び保守管理面での今後の対応の柱であるべきだというふうに指摘しているところでございます。  原子力安全・保安院といたしましては、関西電力のみならず、すべての原子力発電所に係る事業者が、本事故から得られた知見を自らの保安活動に適切に反映することはもちろんでございますけれども、水平展開を体系的に行う仕組みを構築し、着実に実施していくことを指導してまいりたいというふうに考えております。  また、こうした事業者における水平展開が的確に行われ、問題点の予防措置が効果的に行われていくということを保安検査等を通じて継続的に確認してまいりたいというふうに考えております。
  32. 加納時男

    加納時男君 最後の質問になります。  中川大臣にお伺いいたしたいと思います。  大臣は、先ほどのごあいさつにもございましたように、事故の翌日、直ちに現場へ行かれました。そして状況把握の上で、お悔やみ、そしてお見舞いを申されました。二つ目には、この件は遺憾な事故、そして避けることのできた事故だ、大臣の言葉で言うと人災という言葉を使われましたが、と指摘されました。そして三つ目に、ただし、この事故は放射能事故ではない、原子炉の事故ではない、したがって避難する必要はない、この三点を申されました。  私どもが現場に行きました九月二十九日、県や町の方とお会いしたときに、このことは、地元で、大臣の迅速な行動、的確な御発言を高く評価しておられましたことを、先ほどの調査報告に付け加えまして、私からも申し上げたいと思っています。その上での質問でございます。  このたびの事故は誠に遺憾なものであり、しっかりした対策を立てる、再発防止を図ることは急務であります。しかし、この事故があったからといって、原子力やエネルギー政策を見直したり核燃料政策を変更すべきだというようなことにはならないと。あくまでも原子力発電、燃料サイクルについては着実に、柔軟性を持ちつつも着実にこれを国策として推進していくんだということがエネルギー政策基本法の原則に基づくものであり、昨年の閣議決定でも明確にエネルギー基本計画に記されたものであると理解しておりますが、大臣はどのようにお考えか、伺いたいと思います。
  33. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 今、加納委員御指摘のとおり、私は現地に行きまして、そして、本当に尊い命が失われ、また現在治療に大変御苦労されております方々のことを思いますと、そのことだけでも本当に胸の大変痛まる思いでございますし、先ほどもちょっと申し上げましたが、原子力というものは巨大なエネルギー施設でございますから、御地元の御理解国民的御理解というものが大前提だと思っております。  そういう意味で、福井県あるいは美浜町には常日ごろから大変な御理解をいただき、私自身、就任して一年でございますけれども、実はしょっちゅう知事さんあるいは町長さんと電話でも連絡を取らせていただいております。  今回の中間取りまとめをいただいたことに関しましても、先ほど申し上げた保安院長等の現地への派遣も含めまして、直接私から知事さんや町長さんにお電話を申し上げまして、おわびかたがた、今後の政府としての対応、特に経済産業省・保安院対応につきまして御説明申し上げると同時に、何かありましたら是非とも率直に、何でも結構ですからひとつお申し付けいただきたいということを改めて申し上げたところでございます。  そういうことで、御地元の御理解がいただかなければなりませんし、いただくために全力を挙げているところでございますが、そういう御理解安全性というものを前提にして、他方、我が国の国民に対する安定的なエネルギー供給というものを考えたときには、やはり現時点においても発電の三分の一以上が原子力に頼っており、そしてまた原子力発電をするメリットというものは、もうこの場では、お時間ございませんし、加納委員よく御指摘のとおりでございますから省略させていただきますが、原子力発電のメリットというものもあるわけであります。  改めてもう一度申し上げますが、これは安全性国民、御地元の御理解があくまでも前提でございますが、原子力発電のメリットというものもあるわけでございますので、今御指摘ありましたように、昨年十月に作成されましたエネルギーの長期基本計画におきましても、やはり基幹電源としての位置付けというものがありますし、我々としてもそれが適切なものであるというふうに思っておりますので、ほかのエネルギーと同じようにこの原子力発電というものについても引き続き進めさせていただきたい。  重ねて何回も繰り返し申し上げますが、ただし、それはあくまでも安全性信頼性と関係者、御地元の御理解というものが前提だということを、しつこいようでございますが、繰り返させていただいた上で、そういう原子力、基幹電源としての原子力の位置付けも据えながらこれからのエネルギー政策を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  34. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤でございます。  質問に当たり、冒頭、八月九日に発生いたしました美浜発電所第三号機の事故で亡くなられました五名の方の御冥福を心からお祈り申しますとともに、併せて、重軽傷を負われました方々の一日も早い回復を心よりお祈りいたしたいと思います。  さて、今回の美浜発電所三号機の配管破損事故は、原子力発電所内で起きた事故といたしましては十一名の死傷者を出すという極めて深刻なものでございました。もちろん二次系配管破損ということで、放射線漏れなどの重大事故には至りませんでしたが、この事故は単なる配管破損による労働災害という次元にとどまらず、今後の原子力発電安全対策上多くの課題を投げ掛けた、国民原子力発電に対して改めて不安を感じたのではないか、このように思います。  したがいまして、今後再発防止に向けた適切な対応がされない限り、原子力発電そのものに対する国民信頼が損なわれる可能性も出てくると。それだけ重大な事故となったわけでありますが、事故原因究明再発防止、また労働災害から労働者の命と健康を守っていくという視点を含めながら、順次御質問をしていきたいというふうに思います。  まず、中間報告を受けての大臣並びに関西電力藤社長の所見をお伺いしたいと、このように思っておりましたけれども、冒頭いろいろと御発言がございましたので、このことは省略し、後ほどまた御質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、二次系で起きたこの事故の課題ということでございます。  今回の事故では専ら二次系の事故であると、そういうようなことからいわゆる放射線漏れということに関連しての事故の重大性は小さいという、こういうふうな見方も少しあったのではないかと、このように思います。  今回の事故で最も懸念されたことは、スリーマイル島の原発事故のように二次系のトラブルが一次系に波及する危険性があったのかどうか、またそのことがきちっとシステムとして防止されたのか、うまくいったのかいかなかったか、こういうふうなことがポイントであるというふうに思います。  関西電力事故直後、蒸気噴出から原子炉のクールダウンに至るまでの時系列の経過を発表されています。今回の中間報告取りまとめにもこのプロセスを確認されております。これを見る限り問題点はなかったと、このように思われますけれども、このプロセスについて保安院としてどのように厳密に分析をし、評価しておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。
  35. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  今回の事故におきましては、八月の九日の十五時二十二分に火災報知器動作警報等が発信をいたしました後、十五時二十五分、運転員がタービン建屋三階で蒸気が充満していることを確認いたしまして、十五時二十八分にトリップ警報が発信し原子炉が自動停止しております。  その後でございますけれども、原子炉は自動停止後、電動補助給水ポンプ及びタービン動補助給水ポンプが自動起動いたしまして、蒸気発生器への給水が行われ高温停止状態に至った後、余熱除去系等によりまして、八月十日、翌日でございますけれども、二十三時四十五分、安全に低温停止操作を完了いたしました。  今回の事故は、復水系配管破損により二次系の冷却水が系外に流出したものでございました。原子炉に与える影響といたしましては、蒸気発生器への給水の一部が停止をし、原子炉に対する除熱能力が低下することとなり得るものでございますので、原子力の安全審査におきまして安全評価解析を行っておりますいわゆる主給水管破断事故に相当するものでございます。  しかし、今申し上げましたとおり、今回の事故におきましては、原子炉の安全に係る系統は正常に作動していることを原子力保安検査官が現場確認しております。また、事故調査委員会におきましても、原子炉の圧力、一次冷却材の温度といったような主要なパラメーターは、今申し上げました安全審査時に行いました安全評価解析で想定した結果を上回る影響を示していないというふうに評価しておりまして、まとめて申し上げますと、今回の原子炉のクールダウンに至りますプロセスに問題はなかったというふうに判断をしております。
  36. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 今回の一連の事故初期で明らかになり、その中で気になったということで申し上げますと、タービン動補助給水が再び待機状態にしようとしたとき待機除外の状態になったと、関西電力調査報告によりますと、今回は補助給水ポンプが作動したが、タービン動補助給水ポンプは停止後、待機状態に入ろうとして出口流量調整弁の開放に失敗していると、こうされております。  蒸気発生器における空だき状態を防ぐための補助給水という重大な安全システムにおいて、ポンプ系の不良はある意味で致命的な事故を招くおそれがあるのではないか。そういうふうな意味で、関西電力報告では補助給水ポンプの開放失敗の原因究明していくと、こうされておりますけれども、その後の報告はまだ聞いておりません。この点について保安院の御見解をお聞きしたいと、こういうことです。
  37. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) ただいま申し上げましたとおり、事故発生直後、一台のタービン動補助給水ポンプと、それから二台の電動補助給水ポンプは設計どおり自動的に起動いたしまして、蒸気発生器への給水を開始いたしました。その後、蒸気発生器の水位が安定いたしましたことから、所定の手順に従いましてこのタービン動補助給水ポンプを停止いたしました。そのポンプを直ちに起動できる待機状態にするために、ポンプの下流部にあります流量制御弁を開こうとしたところ、今御指摘のとおりその三台のうち二台が開かない事象が発生いたしましたことは事実でございます。  この流量制御弁につきましては、事故直後にタービン動補助給水ポンプとともに正常に機能していたために、弁の不具合はプラントを安全に停止させることに影響を及ぼすものではなく、不具合の状態といたしましては比較的軽微なものと考えております。ただ、このような軽微な不具合につきましても、原子力安全・保安院といたしましては従前より原因究明再発防止対策を講じるよう事業者に指導してきておりまして、その結果をでき次第公表することといたしております。  したがいまして、今回も事業者による原因調査状況を聴取いたしまして、原因究明をきちんと進めてまいりたいというふうに考えております。
  38. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 軽微なミスであってもしっかりと情報公開をして、正にそのことが原子力発電、原子力に対する国民信頼を醸成していくと、こういう意味で大切であると思いますので、速やかによろしくお願いしたいと思います。  さて、労働災害の防止の観点から厚生労働省安全衛生部長にお伺いをしたいと思います。  今回の美浜事故は正に重大な労災事故であり、厚生労働省も労働安全衛生法の違反があったのかどうか、そういうふうなことで現在も調査を続けておられますが、今回の事故について安全衛生行政をつかさどる厚生労働省としてどのような問題意識を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  39. 小田清一

    政府参考人小田清一君) 今回の関西電力美浜発電所におきます蒸気漏れによりまして、五名が死亡、六名が負傷するという重大な災害が発生したことは、労働災害防止を所管する立場から誠に遺憾であるというふうに考えております。不幸にしてお亡くなりになられました方々には、御冥福をお祈り申し上げたいと考えております。  本災害の原因になった配管は、電気事業法の適用を受ける電気工作物でありまして、経済産業省の所管でございますが、厚生労働省といたしましては、労働災害防止の観点から本災害の原因究明し、再発防止の徹底を図る必要があるため、災害が発生いたしました八月九日に現地福井労働局に災害対策本部を設置いたしまして、福井労働局及び所轄の敦賀労働基準監督署によります災害調査実施しているところでございます。  現在、関西電力美浜発電所を始め今回の災害に関連のある事業所におきまして、労働安全衛生法によります事業者に義務付けている安全性管理体制安全性教育等の措置が適切に実施されていたか否かなどについて調査を行っているところでございます。  また、厚生労働省におきましては、昨年大規模製造事業所での重大災害の続発がございました。これを踏まえて、昨年の十一月に全国の大規模製造事業所約二千を対象にしまして安全管理に係る自主点検実施しました。その結果を踏まえて、重大災害の発生防止を目的として、本年三月十六日に大規模製造業における安全管理の強化に係る緊急対策要綱、これを策定したところでございます。この要綱におきましては、年月が経過した設備あるいは機器を継続使用する場合には設備の適切な維持管理の確保といったことが重点項目一つとして位置付けられておりまして、今回のような事故が二度と起こらないように本要綱に基づく指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。
  40. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 ただいま部長のお話の中にありました大規模製造業における安全管理の強化に係る緊急対策要綱というのはお手元にお配りをさせていただいております。厚生労働省のこれは文書でございます。  厚生労働省の統計によりますと、ここ十年、労働災害による死傷者数は減少傾向にある、しかし特に爆発などによって多数の人が死傷する重大労災事故が昨年から急激に増えているということでございました。記憶に新しいものといたしましては、昨年九月だけでも、出光興産北海道製油所火災、ブリヂストン黒磯工場火災、そして新日鉄名古屋製鉄所火災事故三つの大きな事故発生をしたということでございます。  特にこの新日鉄名古屋製鉄所火災事故内容と申しますのは、いわゆるコークスガスをタンクの中にためておるわけでありますけれども、そのタンクの中にピストンというものがある。ガスの一番接している上ぶた、そこのところに、ガスの中から発生する水蒸気が結露をして、その水蒸気による腐食が発生をしたと。そして、そのピストンを下に押さえるおもりを付けているつりサポートが、これが大体十分の一にまで腐食をして、耐えられずに落ちて、おもりが、どんと何トンものおもりが内壁に衝突をして火花が発火をしたと。こういうふうなことが原因だと、こう言われておりますけれども、これも実は腐食でありました。  検査の結果、このピストンという上ぶた、こちら側というのが水蒸気に面している、半分面していると。これは大体四割減肉をしておったと。中にあるサポートは全面を暴露していますから、恐らくそうすると八割、つまり十分の一近くまで減肉するんではないかと。そこの調査までは行ったんですけれども、中にあるつりサポートが問題だということまでは至らなかったということが言われております。  そういうふうなことを含めまして、この状況の中で大規模事業所を対象とした自主点検、先ほどの御説明のとおり、この緊急対策要綱が出たわけでありまして、私はこの二ページにある事業所のトップによる安全衛生方針の表明、安全委員会の活性化、それから所属元の異なる労働者が混在している事業所における関係者相互の確実な連絡調整の確保、あるいは安全管理者に対する選任時の教育の充実と。こういうふうなことで、最近、フリーターだとか派遣労働者だとか、あるいは保守点検をそのまま外注に移管をすると、こういう形態が現下の経済環境の中で、グローバリゼーション、国際競争の中でそういう状況が今随分職場、現場にはあるわけであります。  そういうふうな状況の中で、このように従来とは違った視点で安全衛生に対する見方を変えていこう、そして最も大切なのは、経営トップが安全、労働災害防止のこの思いを持ち、そしてそれが経営の方針の中でしっかりと展開されていくことが私は極めて重要だし、この対策要綱というのはある意味で非常に時宜に適していると、私はタイミングのいいものではないかと、このように思うわけであります。  そういうふうなことを踏まえまして、藤社長にお伺いをしたいというふうに思います。  今申し上げましたトップの意識改革、安全委員会の活性化、下請との情報共有、これらのことがしっかりとやられておけば防げたかも分からないと、こういう思いの中で、どのような、この緊急対策要綱に対して、今事故を振り返ってどのような感想を持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。
  41. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 先生、このような本当にもう重大な事故を起こしました私どもが今これ申し上げるのはちょっと本当におこがましいかも分からないんですけれども、私、この要綱が出まして以来の四月以降、火力発電所原子力発電所所長会議というのがございました。それから、七月の一日には全事業所を集めて、所長を集めました安全大会というのをやります。    〔理事松田岩夫君退席、理事魚住汎英君着席〕  その二つの場におきまして、私、冒頭のあいさつで、この御調査、この要綱が出る前に御調査がございまして、その結果、事業所のトップが安全、防災、そういうものに非常に大きな関心を持ってトップがリードしてやっているところは実際の発生件数は少ないんだというあれが出まして、出ておったことを引用いたしまして、これ両方とも実はこの場で、是非職場など、コミュニケーション活動も含め、事業所のトップが現場の声を聞くということをしっかりやってもらいたいということをこの場で申し上げたわけでございます。しかし、結果的にそれがこの災害を防止するところまで現場に伝わってなかったということを、私も本当に今じくじたるものがございますが、今後私ども、この安全衛生委員会の活性化、その他教育の充実、下請との情報共有につきましては先ほども十分御説明いたしました。  そういうことで、この要綱の精神を含めまして安全に何とか注力をして、二度とこのようなことが起こらないよう、先ほども実は本件につきましては全役員、全従業員が本当に反省していますと申し上げましたけれども、全社を挙げて災害防止、安全を守るということにこれからももう一層頑張っていきたいというふうに思う次第でございます。  恐れ入ります。本当に申し訳ありません。
  42. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 正に安全というのは、社会全体そして労使が一丸となって対応していかなきゃならない。私も三十年以上この仕事をしておりました、現場でそういう活動をしておりましたけれども、この要綱が真に生きた要綱として現場でしっかり実践される、そういうようなことが今必要であると、このように思うわけであります。  そういうような意味で、この緊急対策要綱を厚生労働省として今後どのように徹底をしていくのかという視点から、正にこの要綱が要綱で終わってしまうのか、いい文書があるね、いいこと言ってるねということで終わるのか、それとも本当に現場でこれが生きた作用をするのか、この件について厚生労働省の今後の対応も含めてお伺いをしたいと思います。
  43. 小田清一

    政府参考人小田清一君) 先ほど申し上げました調査の結果、経営トップが安全衛生に積極的に関与している事業所では災害、重大災害の発生が少ないということが明らかになっておりますので、緊急対策要綱に基づきまして本年の三月以降、全国で経営トップ等を対象として集団指導を行っておりまして、これはもうほぼ終了しております。約四十五回、二千二百事業所を対象として実施しております。さらに現在、災害発生率の高かった個別の事業所に対する重点的な指導を行っているところであります。これも今までに六百事業所に対して指導を行っておりますが、現在まだ継続中でございます。    〔理事魚住汎英君退席、理事松田岩夫君着席〕  特に、緊急対策要綱におきましては七つの重点事項を掲げておりますが、中でも、事業所トップによる安全衛生方針の表明、元請、下請間などによる関係者相互の確実な連絡調整の確保、あるいは職場の危険箇所の特定・評価及びそれに基づく対策の徹底、設備の適切な維持管理の確保と、この四点につきましては今回のような事故再発防止するためには特に有効であるというふうに考えられることから、本要綱に基づきまして今後とも一層積極的に指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
  44. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 今までの御努力には敬意を表したいと思いますけれども、やはり日本列島全体、素早くこれを展開するというためにも更なる御尽力、厚生労働省並びに経済産業省におかれましても品質管理の国際基準のISO9000sの手法を的確に活用されるなど、産業全般にわたる実態を調査分析をし、労働災害を未然に防ぐための指導をすべきだと、このように思いますし、安全確保に必要な設備更新などについての優遇策も改めて施策としてこれから考えていく必要があると、このように思いますが、この点について経済産業省の御見解をお伺いしたいと思います。
  45. 保坂三蔵

    ○副大臣保坂三蔵君) 御答弁申し上げる前に一言ごあいさつを申し上げますが、このたび副大臣拝命いたしました保坂三蔵でございます。委員長並びに委員先生方のよろしく御指導のほどをお願いいたします。(拍手)  副大臣には小此木、そして政務官には山本、平田、三名がおりますが、後日またごあいさつを申し上げますのでよろしくお願い申し上げます。  ただいまの御質問につきまして御答弁申し上げます。  大変貴重な御論議が展開されておりまして勉強になったところでございますが、企業活動におきましては安全と安心は最大限配慮されると、これは当然のことでございますが、とりわけ製造現場におきましては産業事故発生は大変憂慮するところでございまして、私たちといたしましてはこの問題の解消に腐心しているところでございます。  経済産業省といたしましては、お話しのとおり、昨年ございました重大事故、新日鉄さんあるいはブリヂストン、出光さん、あの事故などを一つの契機といたしまして発生要因を徹底的に調査をいたしました。そして、その結果を昨年の十二月に公表いたしまして、主要業界の経営トップにお集まりいただきまして産業事故連絡会を開催いたしまして、業種を超えて情報共有を図るとともに、業界、産業界が一体となってこの産業事故防止を、再発防止を図ることを強く要請してきたところでございます。  ちなみに、具体的に申し上げますと、あくまでも先ほどもお話がありましたように経営トップが深く、かつ積極的に関与をした下で、例えば人的な要因の対策、ヒューマンエラーなどを防ぐためにマニュアルの改善やあるいはまた教育のリトレーニングなどの充実などを取り組んでいくことを提案いたしました。また、設備的な要因の対策といたしましては、設備の劣化状況、これらは非常にゆゆしき点などもございますので、把握をいたしまして取り扱うことにいたしました。  本省といたしましては、産業事故防止に向けた取組をより一層促進するために、ただいま加藤議員からお話がありましたとおりの内容の御指摘などを踏まえながら、引き続き人材面、設備面の両面から安全確保に必要な対策を最大限努力してまいりたいと思っております。  なお、新年度予算要求の中にも、ちなみに申し上げますと、産学連携製造中核人材育成事業、これは三十五億円要求しておりますが、これらの数々の新規事業の要求も中川大臣の方から出しているところでございます。
  46. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 引き続きまして、この今回の事故というのは正に人的な大きな事故でございまして、その社会的損害はこれは測ることができない。と同時に、外に与えた経済面、あるいは風評被害とかいう声も出ておりますけれども、いろんな形での社会全体に対する損失を生んでおりますし、また従業員にとっても大きなマイナス面がある。と同時に、私は、関西電力という企業体自身も大きな経済的損失をやっぱりこれは自ら被っているということも事実であります。被災者への補償、風評被害へどうするのか、あるいは検査・修繕費、あるいは停止をしている発電所のこれの損害、非常に大きな問題があるし、企業イメージのダウンであると、こういうことであります。  そして、こういうふうな労災が発生したときに現場でいろんな意見が出てきて対処するんですけれども、最後の言葉は、予防コストの方が安かった、事後の処理コストよりも予防コストの方がやっぱり安いという、この現実があるわけでありまして、そういうふうな意味で、私は、そういう面からいけば、正に例えば株主の立場からいけば膨大な損害が発生をしているということについて一言二言申したいという気持ちもあるのではないかと。  そういうようなことで、この関西電力株式会社が被られた正に経済的損失について現時点で藤社長としてどのように感じておられるのか、これをお伺いしたいと思います。
  47. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 今先生から申されました、このような本当に重大な事故を起こしまして、私ども、設備を管理する者として本当に深く反省をしております。  お話ございました、まずは遺族方々重傷を負われた方々、そしてその御家族方々、それからお話ございました、もう本当に、社員が被害に遭われましたのは木内計測さんというお会社ですけれども、この皆様方に対しましては、誠意を持ってできる限りのことをさせていただきたいということで今やっております。  それから、今、先生お話ございました風評といった面での地元皆様方の御迷惑、御損害、あるいはその御心配、そういうものがいろいろあるわけでございますが、これも非常に難しい問題でございますが、地元方々の御意見を今いろいろとお伺いして、そして皆様方の御意向に沿って誠実に対応させていただきたいというふうに思います。  それから、やはり国民の皆さん方のその信頼を失ったという、この面については非常に大きな損失でございます。これにつきましては、やはりその再発防止に粘り強く取り組んでいるということで、何とか原子力に対する信頼を御回復していただけるように粘り強く取り組んでいきたいというふうに思っております。  お言葉にございました会社にとっての経済的損失でございます。これは非常に大きなものがございまして、先生言われましたように、私も設備の安全につきましては、これは安全、安定というのが第一で、安全が第一で、これが健全に動かせることが一番そういう意味でコスト的に、そういう意味では経済的に良いわけでございまして、もうそのことは、もういつもそういうことを言いながら、設備の安全運転第一に、安全第一にやってくれということを言ってまいりましたんですけれども、結果的にこういう事故を起こしてしまいました。  この損害につきましては、これは株主の皆様に誠に申し訳ないことでございます。全役員、全従業員が効率化を進めて、もちろん修繕費の分につきましては皆様方から当然、私ども安全第一、その上でのということを申し上げております。修繕費以外の既存なもろもろの経費を効率化を図りまして、何とかこれでこの経済的損失を補っていきたいと、そういうことで株主様に少しでも御迷惑が掛からないようにやっていきたいというふうに、そのように考えております。  どうかよろしくお願い申し上げます。
  48. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 時間ですが。
  49. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 はい。  株主の損失も結局は社会全体の、国民全体の損失になるという視点でよろしくお願いを申し上げたいと思いますし、点検保全作業を行う作業者の立場からいろいろお話を聞きましたけれども、一言で言うと、もう少し余裕が欲しいなというのが正に本音でございました。このこともこれから皆様方、念頭に置かれて対応をされることをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  50. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 続きまして、民主党・新緑風会、木俣佳丈でございます。  まずもって、改めまして、亡くなられました五名の方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお治療中の皆様方の一刻も早い治癒を心からお祈りを、願うわけでございます。また、家族方々含め、大変な被害に遭われた方々のお見舞いを申し上げる次第でございます。  そしてまた、大臣におかれましては、先ほど、冒頭ありましたように再任ということで、副大臣も含めまして、お祝いを申し上げたいと思っております。  我が党としましては、原子力の基本政策というものを一昨年、二年前にこしらえまして、この原子力政策というのは責任は国にあるものである、まずは。そして、基幹電源として、基幹エネルギーとしてなくてはならないものであるということを位置付けながら、次世代の新しいエネルギーが出るまでの過渡的な、過渡的のこの定義が難しゅうございますけれども、エネルギーとして慎重に推進をするという、推進の立場でございます。  いつでも、政権政党になりましたときに、国民の皆さん、そしてまた国家の国益を考えたときに、間違いのないエネルギー政策、これを推進する立場で質問をさせていただきたいと思っておりますし、今日は、細かな話は衆議院の方でも、そしてまた同僚議員の皆さんからもお話がございましたので、大臣の決断を促すようなそういう御質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。  まず、一体だれにこの責任があるのかという話が数々出ておりますけれども、これは私ども国会議員のみならず国民の皆さんも、そしてまた昨週ですか、私どもが視察に、検分に行ったときにも県の方からも、そしてまた町の方からも言われたことでございまして、もちろん事業者たる関西電力は一義的な責任はあるというものの、今日、大臣のこの御発言の要旨を見ても明確なように、原子力政策の最高責任者は私は経済産業大臣だと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  51. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 済みません。責任ということですか。
  52. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 はい。
  53. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 私は、内閣総理大臣の下でこの原子力行政原子力安全行政、エネルギー行政を任せていただいておりますので、そういう意味では、最高、最後の責任を取る立場にあるというふうに自覚をしております。今回の事故につきましては、今、調査委員会班目先生、また藤社長さん、あるいはまた委員会の御報告にもありましたので、大体、直接的な原因とそれに至った経過、つまり責任ということについて、大体もう私自身も認識は先生方と多分共通ではないかと思っております。  その上で、じゃ、国に責任がないのかといえば、最終的には、やっぱり原子力安全行政は私どもの最終責任でございますから、そういう意味で、いや、一企業、あるいはまた二つ三つの企業が点検リストに入れていなかったとか相互の連絡がなかったとかいうことだから民間だけの責任だと言うには、やっぱり国民的な御理解、あるいはまた御地元が被っている損害、そして何よりも十一人、そのうち五人の尊い命が失われたということを考えますと、我々は全くただ監督官庁としてやることをやっていなかったというだけで済まされる問題ではないというのが私の率直な認識でございます。  したがいまして、中間取りまとめという形で御報告をいただいたわけでございますし、先ほど班目先生からも今後も会合を開くという御発言がございましたので、私は、最終的なのかどうなのか分かりませんけれども、次の段階の御報告というものも出てくるものという前提で、あくまでも中間段階として藤社長厳重注意を申し上げ、技術適合基準に基づいて美浜三号をストップさせるという初めての措置は取りましたけれども、これでもってすべておしまい、省令改正をしておしまいということだとは私は考えておりません。
  54. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 最終的なこの原子力政策の責任は自分にあるということを言われたと私は思っております。  さらに、今回のこの御発言の要旨でもありますように、小泉総理から私に対して徹底的に究明して分かりやすく説明するよう指示があったと今日報告されましたので、比較をするのはちょっと好ましいかどうか分かりません、失礼に当たるかもしれませんけれども、前大臣は県議会に行かれまして、やはり説明をされているんです。県議会に行かれる思いはございますでしょうか。
  55. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 福井には経済産業大臣になりまして二度ほどお邪魔をさせていただいておりますが、これはあくまでも知事さん、町長さんが中心でありますが、前平沼大臣も県議会、町議会まで行かれて何回も御説明を申し上げております。御地元がそういう切なる御要望があれば、私はどこでも行く決意でございます。
  56. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 恐らくは地元の方も大臣が迅速に初動、動かれたことは評価されていると思いますので、是非地元の方に入っていただいて、やはり最終責任者、最高責任者としてきちんと御説明をしていただきたいと、重ねてお願い申し上げます。  そして、この事故について、先ほど来からお話が同僚の加藤議員からもあったと思いますが、再度大臣に伺いたいのは、これは人災ということで、これは結論でございますか。
  57. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 私はいろんな場でこれは人災と言ってもいいと、人災であるということを何回も申し上げました。その根拠は、もちろん、先ほども御議論が加納先生からありましたけれども、絶対の安全性は、一〇〇%安全だといういわゆる安全神話というものは、私は、この高度な、この巨大な、しかもエネルギー装置ですから、そういう神話に、あってほしいとは思いますけれども、その神話という形で我々すがってはならないと。必ず、必ずと言っちゃいけません、万が一、万々が一そういうことがあったときに対してという備えというのは十分必要だと思いますが、今回の出来事というのはその万々が一に備える以前の事故であったということでありますし、先ほど班目先生からも藤社長さんからも、また委員会の御報告でもございましたように、平成二年時点、あるいはまた平成八年時点、昨年時点で、まあ結果論ですから、私、自分が責任あると先ほど申し上げた立場ですから、毛頭偉そうに申し上げるつもりはございませんけれども、あのときちゃんとルールどおりにやっていたら、あのときちゃんと水平展開が機能していればということになれば、ひょっとしたら未然にこの減肉を、あの爆発につながらないような対応が取ることができたのかもしれないという意味で、私は、他方、捜査当局も今捜査をしている最中でもございますので、私としては、これは経済産業省の正式見解かと言われるとそうではないと申し上げざるを得ませんが、経済産業大臣、政治家中川昭一としてはそういう判断せざるを得ないというふうに思っているところでございます。
  58. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 そしてまた、今回、中間取りまとめということでありますが、先ほど大臣の方からも最終というのが出るんだということでありますが、どのぐらいたったら出るんでしょうか。短く。どちらでも結構ですが、大臣の決意の方を聞きたいものですから、できれば大臣に。
  59. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 決意ということでございますから。  中間取りまとめをいただいた九月二十七日には、先ほど申し上げたように県、それから美浜町、そして原子力安全委員会の方にも御報告をいたしまして、現在検討していただいているところでございますし、先ほど申し上げましたように、事故調査委員会は、あくまでも中間取りまとめであり、今後も会合を開く、いろんなことがこれからも検討が必要だからという先生方の御意見でございますので、それを背筋を伸ばしてお待ちを申し上げていると。
  60. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 いや、ですから、いつごろということを。短く。
  61. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ですから、時期については事故調査委員会の方の御判断に……
  62. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 もういいです。  やはり大臣の決意を私は聞きたいんですよ、今日は、決断というか。どのぐらいたてば要するに最終の報告をするんだということを聞きたいんですよ。今日は言われないかもしれませんので。──いいですか。
  63. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 決意は、できるだけ早くというのは、気持ちは私は十分あります。
  64. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 ですから、どのぐらい。
  65. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 私は問題は中身だと思っているんです。
  66. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 中身ですよ、もちろん。
  67. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 中間報告も、大変これはちょっと、御理解いただけると思いますけれども、八月の九日に発生して、八月の十日に先生方に、あの時期にですよ、八月のあの半ばの時期に急遽お願いをして、鋭意、六回でございましたか、長時間にわたってやっていただいて、本当に一か月ちょっとで出していただいた中間報告の、中間取りまとめというのは大変重たいものがあるわけであります。  しかし、あくまでも中間取りまとめでございますから、今後も最終的というか、今後も作業を進めていくんだ、そして最終的なものが出てくるんだということでありますから、私からはいついつということをお願いする立場にはございません。できるだけ早く、そしてできるだけ実体の伴ったものをということでございますが、これは今こういうスケジュールだということをメモが出てきておりまして、これ言ってもいいんですけれども、私はあくまでも調査委員会先生方の御努力というものを尊重して、早く、そして内容の、我々に対しての御指導いただけるものをという、できるだけ、いいものという言い方は良くない、何と言ったらいいんでしょう、中身のあるものということでありますけれども、私からはあえていついつまでに事故調査報告を出すんだと……
  68. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 スケジュールが出ているんなら言えばいいじゃないですか。スケジュールが出ているんなら言えばいいじゃないですか。
  69. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) だから、私が言う立場にないということを申し上げているんでありまして……
  70. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 委員長の許可を得て御発言ください。
  71. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ですから、是非、調査委員会の先生がわざわざお見えでございますから、調査委員会の先生の方から聞いていただく。私がお願いしているんで、いついつまでに出してくれということについては、できるだけ早く、年度内にとか、そういうことは申し上げておりますけれども、いついつまでに出るんだと、おまえの決意はどうだと言われると、これはお願いベースの話でございますので。
  72. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 いや、そういうものかなということを僕は申し上げたいんです。ですから、もちろん先生方はお忙しいだろうし、何回も何回も集まって早急に中間取りまとめが出たという思いなのかもしれませんけれども、しかし、大臣の決意をですね、そこで。  なぜならば、例えば二年前維持基準を作ったときに、これは私も修正をさせていただきながら、我が党も含めて賛成をさせていただいたんです。このときには、いいですか、法律ですよ、八月に起きた事故があって、もう十二月には法律ができているんですよ。法律ができるんです、数か月で。ですから、この調査報告書ぐらいはいついつまでにという大臣の決意が私は必要だというふうに思って申し上げたんです。まあ、いいです。別に質問ではございません。  それで──じゃ大臣
  73. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) じゃ、一言でお答えさせていただきます。  さっき言ったように、これは調査委員会に出していただくものでございますが、我々としてはできるだけ早くということで、年度内には最終報告書を出していただければ大変有り難いなというふうに思っております。
  74. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 いや、年度内でも遅いと思うんですよ。三月ということですよね。年内にはだから最終報告は僕は出る、いや出せるものだというふうに確信をしておりますけれども。それがやはり私は政治決断だと。国民に対する、一刻も早く、例えば、原子力が必要という立場で私もおりますので、それならば最終的にはこのようにということを一刻も早く、年度内なんということじゃなくて私はやるべきだということを申し上げたいと思います。  先ほど人災ということ、そしてまた大臣は記者会見等々で、この経営責任については謝っておしまいというようなことではないと、そしてまた、中間取りまとめ一つの区切りになると、こういうお話がございました。今、是非国会の場で、国民の皆さんにこの経営責任関西電力さんのことではありますが、どのようにお考えか、明らかにしてください。
  75. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 今回の関西電力発電所について、三菱重工とか日本アームとかいろいろと関係しているところとの複合的な人災だと私は思っておりますけれども、関西電力につきましては、八月九日発生以降、現地でも藤社長ともお会いをいたしましたし、何回もお会いをして、早急かつ全力を挙げて、そして国会、国民に情報をきちっと御報告をしながら対応し、そして被災された方々に対して、あるいは御地元に対して万全の対策を取っていただきたいということをずっと申し上げていたところであります。  九月の二十七日に中間取りまとめをいただきましたので、厳重注意と、さっき申し上げました電気事業法四十条に基づく技術基準に適合しないということで、美浜三号をストップさせたわけでございまして、これは初めてのことでございます。これはあくまでも中間段階でございます。先ほども申し上げたように、最終段階というものが、多分、調査委員会の方でまたこれから御苦労をお掛けすることになると思いますし、原子力安全委員会の方でも今この中間取りまとめをベースにいろいろ御議論をいただいていると思いますし、また県や美浜町の方でもいろいろとお考えになっていらっしゃると思いますし、それから捜査当局でもいろいろと捜査をされているやに聞いております。  したがいまして、最終的なけじめというものは私はまだまだだろうと、あくまでも現時点は中間段階としての経済産業省の措置であり、また本委員会での御審議だろうというふうに思っております。  それを前提にいたしまして、私は、関西電力に対してトップの方に辞めろとか辞めるなとか言う権限はございませんが、公益性の高い、そしてまた重大な事故を起こした企業というものはおのずから、最近はやりのCSRではございませんけれども、やっぱりトップの経営判断、経営責任というものをどういうふうに御判断されるかということは当然お考えになるんだろうというふうに思っております。  したがいまして、今回、厳重注意ということを藤社長に申し上げたわけでありますけれども、今後どういうことになっていくかということについて、新たな事実、あるいはまた新たないろいろな出来事が、今後究明していって、いよいよこれで一つの区切りかなと、最終段階かなという一つの客観的な情勢が出た段階で、私は、公益性の高い、そして非常に信頼性の高い関西電力という企業の一連の発生した事故に対して経営者がどういう御判断をされるかということを私は注意深く、緊張感を持って見守らしていただいているということでございます。
  76. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 本件について藤社長はどのようにお考えでしょうか。つまりは、御自分の責任も含めて、進退も含めてどのような対応をされるのが適切というふうにお考えになるんでしょうか。
  77. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 木俣先生、私、この事故の重大性というのは、先ほどから何度も申し上げましたように、十分認識しております。  ただ、その上で、今、私、被災された方々へのこれから万全のことをやっていかなくてはならない、地元のいろんな御迷惑にもきちっと誠意を持ってやっていかなきゃならない、そして何よりも、こんな事故を二度と起こさないような再発防止をきちっと立てなければならない、そして原子力に対します皆様方信頼を少しでも回復させていただきたいと、そのことをここ当面やらせていただきたいというふうに思っている次第でございます。よろしく御理解賜りますようにお願い申し上げます。恐れ入ります。
  78. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 社長の御決意等々伺いまして、大変重い決意をされながらされていることはよく分かるわけではございますけれども、しかしながら、やはり我々国会議員は国の、そしてもちろん内閣は国益を考えながら、国民の意識を考えながら、やはり取るべき行動を取らなければいけないということからすると、前回の東京電力の皆さんの御退任と比べまして、残念ながら今の発言では不十分ではないかと言わざるを得ないと私は思っておる次第でございます。  特に、また今、重い御発言、決意を言われたわけでございますけれども、それと比べまして、私、先ほど大臣が言われました最終責任、そしてまたこの行政の、もちろん保安院でございますけれども、原子力保安院責任もこれは当然私はあると思うわけでございますけれども、しかし、この中間取りまとめの中ではそういったことが見受けられません。これは他人事で遺憾なことというような大臣発言ではなく、やはり我が事として、これはまた保安院としては、これは自分たちの過失なんだということも含めて、中間取りまとめでなぜ先生方が書かれなかったかなと思うと、私は非常に残念至極であります。  我々はかねてより、八条委員会の安全委員会というものではなく、三条委員会にした原子力安全規制委員会というものを四年前から立法化しながら、原子力をきちっと推進する側とそしてチェックする側と分けて、やはり独立したアメリカ型のそういう機関を作りながら、推進をしながらチェックしていくということが絶対に必要であるということはもうかねてより、四年、五年前から申し上げているわけでございますけれども、なかなかその御賛同が得られず、その法案はまだまだこの日本では成立をしてないわけですが。  先生にちょっと伺いたいのは、どうでしょうか、もうこれだけ、要するに推進官庁の中に保安院というのがあって、そこでチェックをするというのは私は限界だと思うんです。そして、八条委員会原子力安全委員会というものがどんなにいろんなことを言っても強制してすることができない。そろそろ本気でこれ考えないと、今のこの世界を見たときに、例えば中国、これは原子力がもうすぐに百基できるではないかと、毎年毎年関西電力ぐらいの電力量の需要が伸びていると、こういう国が隣にあり、安全保障上の問題も非常にあります。さらには、やはり今石油の値段を見てください。原油高、これは止まるかどうかというのも分かりません。作為的という話もありますけれども、今後も世界各国の需要を考えたときに、そういうこともあります。それから京都議定書、いよいよロシアがこれは署名をするだろうと、これもまだ分かりませんけれども。しかし、そうなったときに、第一約束期間、二〇〇八年から一二年の、この約束を守れないですよ、我が国は、今もう既に。  そういう観点からしても、じゃどうするかということを早急に、これはもう大臣も、諮問されている先生にもちょっと伺いたいんですが、どうするかということを本気で考えてもらいたいと、私はこう思いますが、まず先生から伺って、大臣に伺いたい。
  79. 班目春樹

    参考人班目春樹君) まず責任問題でございますけれども、調査委員会が付託されているのは、これはあくまでも再発防止のために何をなすべきかでありまして、責任がどこにあるかの所在を明らかにするのは、これは警察当局の方であるというふうに我々理解してございます。  したがいまして、再発防止のために保安院が改革すべきことというのが見付かった段階ではそのことはもちろんきちんと書かさしていただきたいと思いますが、中間取りまとめの段階ではそのようなふうには判断しなかったというふうに御理解いただきたいと思います。  それから、原子力安全・保安院経済産業省の中にあるのはいかがなものかということでございますが、私は、今、原子力安全・保安院資源エネルギー庁から分離独立して省内でははっきり分かれた体制になってございます。それで、保安院が発足してすごい勢いで制度を改革してございます。特に二年前の東電問題を契機に、定期事業者検査の導入とか、あるいは定期安全管理審査の導入とか、そのような改革を行って、正に御指摘のような、国民の負託にこたえるような体制ができ上がりつつあるところであるというふうに理解してございます。  そういう意味では、余りいたずらに、これ全く私の完全に個人的な見解でございますけれども、いたずらに制度をいじるよりは、今の体制の下でしっかりとまず実績を上げる、それが大切なんではないかというふうに思ってございます。
  80. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) まず、私は、他人事で遺憾である程度の認識だとは自分自身思っておりません。  冒頭申し上げたように、私自身、行政の責任者として本当に、現地に行ってあのパイプの破裂した状況、あるいは五人の方々の、十気圧、百四十度Cですか、一瞬にして想像のできないような状態でああいう被災され、また一命は取り留めたにしてもいまだに治療中の方々、そして御家族のことを考えますと、一人間としても一政治家としても、その関西電力を監督しているのが経済産業省であり、保安院であり、私だということを感じますと、これは他人事で遺憾ですねということはとても言えませんので、冒頭申し上げたようなことをあえて申し上げたところでございます。  それから、今後、日本のエネルギー行政については、木俣委員の御指摘、基本的に私も同じでございまして、現時点五十ドルがどうだこうだということは別にいたしましても、中長期的に人口の爆発、あるいは経済の発展、あるいはまた供給側のいろいろなリスク等々を考えますと、やっぱり安定的にエネルギーを供給する、そして国民産業その他が安心してそれを利用する、使用するという体制を構築していくためにはやっぱり原子力エネルギーというものが私は必要であると。これは去年の計画に基づいてもいるわけでございます。  ただし、どこでもそうなんですけれども、特にこの原子力発電所の場合には、大きなエネルギー装置であり、また放射性物質を扱っているということもあって、安全性というものがより求められる。そしてまた、それだけではない、技術的な問題だけではない、御地元を始めとする国民的な御理解がなければ駄目だということで、原子力事業者には、私は、他の大きな装置産業に比べてより一層の高いレベルの、私は、信頼に対する努力、安全に対する努力、御地元を始めとする皆様に対しての、例えば八月九日以降やってきたことに対しての御説明なり、広い意味では誠意と申しましょうか、御努力をされることが要求されているというふうに思っております。  また、保安院につきましては、今、班目先生の方からお話がございましたので、結論的には重なりますので省略をさせていただきたいと思います。
  81. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 時間が来ておりますが……
  82. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 時間が参りました。時間が参りましたので。
  83. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 済みません。  大臣の決意は分かるんですが、もう一年たっていらっしゃいますので、是非、つまり二年前の〇二年の十二月に、要は定期事業者検査が入る法律が改正されまして維持基準を我々が作ったわけなんですね。ところが、その後のクロノロジーを見てください。二年間たなざらしなんですよ。もっと早めて、早めてやればこんな事故にもならなかったと、私は、私自身も反省をしている次第でございますので、是非、これは正に、行政の不作為という言葉があるかどうか分かりませんが、それに近いものだと私は思っておりますので、是非本気でチェックをしてください。  終わります。
  84. 松あきら

    ○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  八月九日、決してあってはならないこと、起こってはならないことが起こりました。私も党の経済産業部会長として調査団六名とともに、八月十二日、現地に飛びました。  もう暑い暑い日でございました。美浜の海は海水浴のお客さんで一杯でございました。薄暗い建屋の中を懐中電灯を照らしながら進みました。十気圧、百四十度にも上る高温の水に爆発して破れてめくれ上がった配管。場内は瞬時真っ白になったといいます。視界はもちろんゼロであります。断熱材や鉄板がそこらじゅうに飛び散っておりました。そして、高温の蒸気によってできた大きな水たまりが足元に広がっておりました。  ここで、この場所でと、私は心の中で深く手を合わせました。そして、私も国会議員の一人として、真摯に皆で反省して、そして力を合わせて二度とこのような事故を起こさないことこそが、亡くなられた五名の皆様、そしてお一人は退院なさったと伺っておりますけれども、今も加療の床で闘っていらっしゃる被災者皆様に対する責任であると心に深く誓いました。  関電の皆様、どうかでき得る限り、亡くなられた御遺族皆様に、そして被災をされた皆様にその御支援をしていただけますように心からお願いを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  一九九九年、ジェー・シー・オー事故を教訓に原子力災害対策特別措置法ができました。しかし、今回この事故に際して原子力災害対策特別措置法に基づく対応がされていなかったのではないかということで衆議院で問題になったと伺っております。放射能漏れがない、放射能とは関係のない建屋での事故ということで発動がされなかったのでしょうか。  しかし、原子力発電が原因で起きた初めての死亡事故という一大緊急時の対応として、経済産業省、一体どういった措置が取られたのか、お伺いをしたいと思います。
  85. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  松委員御指摘の原子力災害対策特別措置法でございますが、これはジェー・シー・オーの事故の後成立した法律でございますけれども、原子力事業者の原子炉運転等によりまして放射性物質又は放射線が異常な水準で原子力事業所外へ放出された事態等を想定しております。したがいまして、今回の事故では同法に基づく対応は行っておりません。  しかしながら、原子力安全・保安院といたしましては、中川大臣の指示の下に、事故発生後直ちに当院の審議官を現地に派遣いたしまして、駐在の保安検査官とともに現地対策本部をその日のうちに設置をいたしました。また、事故発生の翌日の八月十日には、中川大臣が、これまで御説明しているとおり、発電所を訪問いたしまして現地調査あるいは地元皆様との意見交換を行いました。さらに、事故原因究明再発防止を図るために総合資源エネルギー調査会の下に事故調査委員会を設置いたしまして、八月の十日にはそのうち二名の委員現地調査、十一日には一回目の調査委員会を開催いたしました。  したがいまして、今回の事故原子力災害対策特別措置法の対象にはなりませんでしたものの、事態の重大性にかんがみまして、実質的には同等の初動対応がなされたものというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今回の事故により得られた様々な教訓を生かしまして、今後のトラブルや事故における初動体制の充実等々を図ってまいりたいというふうに考えております。
  86. 松あきら

    ○松あきら君 今、お伺いいたしますと、もちろん、事故調査委員会をすぐに設置して対策をいろいろ取ったと、同様の対応をしたということでございます。  その立法趣旨というのは私も分かるんですね、この放射能に関するということで。しかし、いわゆる放射能に関する対応だけでなく、一次系の対応だけでなく、原子力発電所内で起こった事故であるならば、たとえ二次系であっても私はそれに対応できるような法の見直しというものも考えてはいいのではないかと。今すぐにとは申しません。これは問題提起をしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。これは御答弁は結構でございます。  ところで、今回破損した配管は、管理リスト漏れによりまして、美浜三号機の運転開始、つまり一九七六年、昭和五十一年です、以来二十八年間一度も検査が行われておらず、報道によりますと、十三年前の一九九一年に安全上の使用限度を超えていたとされております。これ、報道上のことですので、これが正確かどうかはちょっと分かりませんけれども、そういうふうに言われております。  一次系の配管というのはステンレスに決まっているわけであります。二次系の配管炭素鋼、ステンレス、どちらでもよいということであるそうでございますけれども。  率直に私聞きました、ステンレスは丈夫じゃないか、だから一次系にはステンレスと決まっているのでしょうと。二次系は何でどちらでもいいんですかと。  正直言いまして、ステンレスは非常に、例えばそれで全部やるとなると初期の投資が膨大であると。けれども、炭素鋼は長いメンテナンスが必要であると。ですから、長期の視点で見た場合はどちらがいわゆるコスト面でどうのとか費用の面でどうのとかは言えないという、そういうことを私も伺いましたけれども、ともかく今回の事故配管炭素鋼であるわけでございます。  ところで、今回の事故配管の法定耐用年数というのは何年でございましょうか、お伺いいたします。
  87. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  我が国の原子力発電所には法律的に決められている寿命というものはございません。電気事業法では、事業者に対しまして約一年ごとに一回定期検査を受けることを義務付けております。この検査に際しましては、電気事業法に定めております技術基準に適合していなければ、たとえ新品であっても交換、修理等が必要になります。また逆に、長く使用されたものでありましても、技術基準に適合していれば引き続き使用することが可能だと、こういう考え方で成り立っております。
  88. 松あきら

    ○松あきら君 そうしますと、性能面での法定耐用年数はなかったというふうに今伺っているわけでございますけれども、一般国民の感情、感情じゃないですね、一般国民の思いというのは、何でも耐用年数というのは大体あるんですね。家電製品とは一緒にはしませんけれども、法定耐用年数というのが普通はあるんじゃないかと、こういうふうに思うんですね。それがないと。しかし、一年ごと一回の検査をしているし、あるいは作ったばかりでもそれが仮に検査で危ないとなればすぐに取り替えさせる、こういうお答えであったと思います。  それであるならば、私は、アメリカで一九九八年、NRC、米国原子力規制委員会、これが配管減肉管理に関する検査手順というのを定めまして、事業者点検活動を継続的に監視しております。これ、非常に私はいい制度であるというふうに思っているんですけれども、我が国におきましても早急にこうした制度を整備すべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  89. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) 松委員御指摘のとおり、米国では、一九八六年のサリーの原子力発電所事故後、民間が主体となって配管肉厚管理の規格及び指針を作成いたしました。その上で、九二年から今御指摘のNRCも参加いたしまして、肉厚管理の監視プログラムの検討を行いました。その結果、NRCは、一九九八年から九九年にかけまして、配管肉厚管理のための米国機械学会及び米国電力研究所の指針を承認するとともに、減肉管理に関する検査手順書を策定をいたしました。御指摘のとおり、現在、米国ではNRC、規制当局はこれらにより事業者点検活動を継続的に監視いたしております。  一方、我が国では、各事業者は、PWR管理指針、あるいはBWRにつきましては独自の社内基準によりまして減肉管理を行っております。しかし、平成二年に当該指針が策定されて以来既に十年以上が経過をしております。  原子力安全・保安院といたしましては、今回の事故を踏まえまして、日本機械学会において策定中の配管肉厚管理に係る規格を速やかに評価、承認することといたしております。同時に、今御指摘の米国のプログラムを参考にいたしまして、二次系配管事業者が計画的に検査をし、国は保安検査等により事業者点検活動を継続的に監視をするというふうにしたいと考えております。
  90. 松あきら

    ○松あきら君 継続的に監視をしっかりしていくという、このアメリカのNRCに基づいた整備をなさるということで、是非私はしっかりとやっていただきたいというふうに申し上げたいと思います。  次に、一九七〇年に第一号の原子力発電所、敦賀一号機が運転を開始いたしました。以来三十四年、今回の事故の直接の原因ではございませんけれども、やはり運転年数が経過した原子力発電所におきましては、配管の減肉などの経年劣化事象がより顕在化をいたしまして、高経年劣化対策というものは今後ますます重要になると思っております。つまり、国民皆様もこの点について非常に心配しているんですね。これは関電さんだけの問題ではなくて、全国の原子力発電所の問題であります。この問題に対しまして原子力安全・保安院の取組の現状及び今後の対応についてお伺いをいたします。
  91. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) 松委員御指摘のとおり、将来的に進展してまいります原子力発電所の高経年化への対応は大変重要な政策課題であるというふうに認識をいたしております。そのため、運転開始から三十年を迎える原子炉を対象に十年を超えない期間ごとに最新の技術的な知見に基づきまして総合的な評価を行います定期安全レビュー、この一環といたしまして、安全性信頼性の確保のための評価を行っております。  具体的に申し上げますと、三十年を迎える前に、事業者が、安全上重要な機器、構造物につきまして、今後長期間運転することを想定した技術評価を行いまして、長期保全計画を策定するよう義務付けております。また、その結果を国といたしましても評価をしてまいります。昨年十月の制度改正によりまして、事業者が定める保安規定にもこの定期安全レビューの内容記載させることといたしました。  原子力安全・保安院といたしましては、今後、高経年化に取り組む体制を充実させまして、事業者のレビュー内容を技術的に評価をしてまいりたいというふうに考えております。また同時に、定期安全管理審査及び保安検査によりまして、事業者が長期保全計画を適切な形で実施しているかということを厳正に監視してまいる所存でございます。
  92. 松あきら

    ○松あきら君 定期安全レビューなどという言葉は一般の方にはなかなか分かりませんので、やはり国民に広く分かる言葉できちんと御説明をしていただきたい、これをお願い申し上げます。  それでは、関西電力にお伺いをいたします。  どれだけの反省があってももちろん足りることはありません。今回の大事故は正に関西電力が起こした事故であります。しかし、それだけにとどまらず、全原子力エネルギー政策の信頼にかかわる問題であると私は思っております。その立場に立って、深い反省と今後の対応いかん、改めて御決意をお伺いしたいと思います。
  93. 藤洋作

    参考人藤洋作君) お答えいたします。  今、先生おっしゃいましたように、幾ら反省しても足りないとおっしゃいました。そのとおりでございます。最初に先生言われましたように、被災されました御遺族や御家族皆様方に本当に誠意を持ってできる限りの対応をさせていただきます。  それから、地元の御迷惑に対しましても、これは大変なものがございます。先ほどからも申し上げましたように、私ども、誠意を持ってきちんと対応させていただきたいと思います。  その上で、まずは労働安全の確保でございますが、事故後、直ちに運転中のプラントへの立入りは制限いたしました。そして、配管健全性が確認されて、協力会社地元の皆さん方がいいよとおっしゃっていただけるまでの間、定期検査の前の準備作業を原則的にやらないということに、そういう措置も取っております。  問題の二次系の配管肉厚管理でございますけれども、これにつきましても、その計画から測定結果の評価、その対策の立案、すべての業務を、測定業務自身は、これは外注させていただきますが、それ以外の部分は全部当社がやるということにさせていただきます。また、配管部位肉厚検査が必要な場所でございますが、そちらに表示札を付けると。これ、今まで実は付けておりませんでした。そういうものを付けるとか、あるいはコンピューター管理システムを改良する、そしてさらに、人的ミスの防止に努めると、そういう対策をやってまいります。  そして、協力会社の皆さん方との間の情報共有化を進めるということから、従来もそういうTBM、ツールボックスミーティング、現場での作業打合せでございます、そういうものにも参加をいたしておりましたが、さらに、協力会社の個別の皆さん方と所長あるいは幹部がちゃんとした対話をするという、そういうことをいたしまして、保全業務における細かい情報が共有できるようにしてまいります。  さらに、今回、厳重注意もいただきましたが、御当局の御指導を得ながら、品質保証システムなどの確立に万全を期して、そして原子力に対する信頼回復に向けて、私、役員一同、従業員、全社一丸となって取り組んでいく所存でございますので、どうか先生におかれましては今後ともよろしく御指導を賜るようにお願い申し上げます。  ありがとうございます。
  94. 松あきら

    ○松あきら君 御決意を伺いました。どうぞよろしくお願いいたします。  最後に、中川大臣にお伺いする時間があるかないか、ぎりぎりなんですけれども、持ち時間。  今回の事故は、我が国の原子力政策に大変な御理解、御協力をいただいておりました福井美浜町という地域で発生をいたしました。これは私が申し上げるまでもなく、福井県は、御承知のとおり、十五基の原子力発電所、さらには高速増殖炉「もんじゅ」、新型転換炉「ふげん」が立地をしているところでございます。  私は、今回、この事故によりまして地域住民の原子力に対する信頼、安心というものは大きく傷を付けられる結果となった、これは大変に遺憾であると思っております。ですから、何としても目に見える形で対応を是非ともしていただきたいんです。こういうふうにします、こういうふうにしますと、細かいこと分からないんです、一般の国民方々は。  私が参りましたあの日も、海水浴客でもう車は渋滞しておりました。当日も実は車が通れなくて、反対車線を警報を鳴らしながら通った、あるいは救急車が通ったということでありますけれども、やはりこれは緊急避難道路あるいはヘリポート、こういうものも確保が是非必要ではないかと。これはもちろん中川大臣だけで決められることではないということは分かっておりますけれども、是非先頭に立って政府を動かしていただきたい、それを申し上げさせていただきまして、質問を終わります。
  95. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 答弁はいいですか。
  96. 松あきら

    ○松あきら君 もう時間がありませんので。
  97. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) ありがとうございます。
  98. 田英夫

    ○田英夫君 最初に、一、二確認をしておきたいことがありますが、衆議院の速記録を今回の問題についてのことを拝見をしておりましたら、今回の事故は、二次系だからということで言われたんだと思いますが、産業事故であると、原子力事故ではないと、こういう受取方をされた方の発言がありましたけれども、まさか政府はそうは思っておられないと思います。その点を確認をさせていただきたいと思います。  原子力関係事故だと、産業関係事故だという甘いものではないと、この点を確認させていただきたいと思います。
  99. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 一次系、二次系というのは、あくまでも原子力発電所の加圧水型の中での一つの仕切りでございますから、今、田先生おっしゃるように、あくまでもこれは原子力発電所の中の事故でございまして、単なる蒸気管が破裂した産業事故ではない、あくまでも原子力施設内の事故だというふうに認識しております。
  100. 田英夫

    ○田英夫君 そこで、いろいろ勉強させていただきました。エロージョン・コロージョンなどという言葉も初めて知ったわけでありますけれども、それにつけてもあの現象が起こる、そこが、正にそこがリストから落ちていたという、これは想像付かないことですね。原子力という非常に重要な、注意をしなければならないそういう仕事をしておられる中で、最も、素人ではなくて、専門家の皆さんが考えてリストを作るとすれば、絶対にそんなところが欠落するはずがないものが欠落をしていたと。これはゆゆしいことだと思わざるを得ないんですが、これは一体なぜでしょうかね。  そして、もう一つ確認しておきたいのは、先ほどちょっと出ましたけれども、原子力災害対策特別措置法があるにもかかわらず、今回はこれが発動されてないということ。一般の方は不思議に思われるのではないかと思いますが、その点もちょっと専門家から説明をしていただきたいと思います。
  101. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 最初の質問は。
  102. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  田委員御指摘の一点目でございますけれども、御指摘のとおり、事故が起きました当該箇所PWR管理指針点検をしなければならないものということできちっと明記をされておりました。この管理指針に従ってどこを点検をするのかというリストを作るわけでございますが、今回調査をいたしましたら、平成二年作成しましたその当初から当該部分が落ちていたと。これが、点検をしております三菱重工業から日本アーム平成八年に作業が移ったわけでございますが、その過程でもこの部分の誤りが訂正されずに残ったと。あるいはまた、泊の発電所でございますとか敦賀の発電所、ほかのところでも点検リスト漏れがあって修正をされたと。  こういう経緯がございましたけれども、そうした経験が生かされることがなかったということでございまして、中間取りまとめでは、関西電力三菱重工業日本アーム、この当該二次系配管点検にかかわってまいりましたこの三者における管理ミス、とりわけ、こうした原子力発電所施設についての定期事業者検査の主体になっております関西電力の言わば管理責任というものは大きい、こういうふうに認識をして、その旨書かれているところでございます。  それから、二点目の原子力災害対策防止法でございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたとおり、当該法律は原子力、原子炉の運転等によりまして放射性物質あるいは放射線が異常な水準で原子力事業所外へ放出されたと、こういう事態を想定をいたしまして法律上明記をいたしまして、そのような場合には人間の五感に感じずに周りの住民の方が被害を受ける可能性がやはりございます。したがいまして、きちっとした適切な対応を行うためにこのような法律ができたわけでございます。  今回の事故は、原子力発電所に起きました重大な事故ではございますけれども、放射性物質あるいは放射線の漏れというものはございませんので、今回の法律は発動されませんでした。ただ、先ほどもお答え申し上げましたとおり、私どもの対応といたしましては、初動の対応といたしましては、この防災法で予定をされておりますそうした対応にのっとって最大限の対応をさせていただいたというところでございます。
  103. 田英夫

    ○田英夫君 今回の事故と直接関係がないというか離れてしまうんですけれども、私はやはり原子力発電というものについて常に重大な注意を払っていかなければいけないと。日本の場合はかなり先進国の中でも先端を行っているということは事実でありましょう。それだけに人類的な責任を感ずるべきではないかと思うんですが。  もう時間がありませんから、私の経験といいますか御報告をしたいと思うんですが、実は参議院には調査会という制度がありまして、三ついつも置いておりますが、産業資源エネルギー調査会というのが十年ほど前にできまして、六年間続いておりました。私は実はその調査会長をしておりました。ちょうど私がやっておりました三年間、原子力発電をテーマにいたしました、エネルギーということで。幸いにして海外調査もいたしました。  これは非常に典型的なところをひとつ、イギリス、スウェーデン、ドイツ、フランスと、こう回ったわけでありますけれども、それぞれ典型的な特徴を持って、例えばスウェーデンはもう原子力発電というものはやめようということを政府が決定をして、社会民主党政権でありましたけれども、ところが代替エネルギーを確保することができないという、全体のこの電力量はもう決まっていますから、それに対して新エネルギーを作ることができない、まだ間に合わないと。ついに、ちょうど私どもが行きましたときに予定されていて、廃棄するはずのものが廃棄できないでいるという、そういう悩みの国です。ドイツは、正に統一を果たしたばかり、特に東ドイツの旧ソ連製の原子力発電所を全部閉鎖をしておりました。そういう状況の中、フランスは世界で一番、電力量の七〇%を原子力に頼っているという、そしてスーパーフェニックスという高速増殖炉を造っているという、運転しているという、そういうところを実は勉強してきたのでありますけれども、各国ともそれぞれの考え方、立場で、いずれも実は悩んでいるということを知ったわけであります。  原子力発電というのはそういうものだと、日本はもっとそういう意味で悩んでいいんじゃないかというのはおかしいんですけれども、例えばフランスはそれだけ電力の中の七〇%を原子力に頼りながらも、実は中の議論は、国会も訪ねましてちょうどこの経済産業委員会と同じようなところでの議論に加えてもらいましたが、大激論をしているんですね。  例えば、六ケ所村と同じようなものを造るというところの社会党の委員、議員は、私は反対しているんだというもう明言をしておりますね。そういうものであるべきじゃないかと、原子力発電というのは。そのくらい注意して議論をして、国民の皆さんの前でいつも透明にして悩みをあからさまにしておくと。そのくらいの注意を払っていかなければいけないし、スウェーデンのようにもうやめたと、しかしやめてしまえば電力が足りなくなると。現状の技術では……
  104. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) お時間でございますが。
  105. 田英夫

    ○田英夫君 そういうところに先進国といえども来ているんだということを感じますが……
  106. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 貴重な御意見、お時間でございますが。
  107. 田英夫

    ○田英夫君 一方的に意見だけ申し上げましたが、御参考になればと思います。  ありがとうございました。
  108. 鈴木陽悦

    鈴木陽悦君 鈴木陽悦です。  今回の事故で犠牲になられました五人の皆さんの御冥福を祈りますとともに、けがをされた皆さんの一日も早い回復をお祈りしたいと思います。  それでは、本日最後の質問をさせていただきますが、私にとりましては初の質問でございます。何とぞよろしくお願いいたします。  さて、私はこれまで原子力発電は万全の安全策が取られているものと考えておりました。そして、多くの国民の皆さんもそのように感じていたはずです。しかし、今回の美浜発電所三号機の破損事故は、その安全に対する概念を根幹から覆すと同時に信頼を失う結果となりました。今回の破損箇所が二十八年間の長きにわたりまして記録漏れしていたこと、そして関電、三菱重工業日本アーム三者による情報の共有がなされていない点、さらに二〇〇〇年五月の定期安全レビュー報告で問題ないとされ記載漏れがチェックされていなかった点など、様々な検証から安全に対する盲点が次々に浮かび上がってきております。  そこで、中川大臣に伺います。  大臣はこの事故が人災であるという発言をされていますけれども、中間取りまとめでは国の責任があいまいになっています。原子力委員会は九月二日の論点の緊急取りまとめにおいて、安全管理の在り方について、国が行う規制と事業者が行う自主保安がどのように役割分担し、それぞれの責任を果たしていくかについて十分議論する必要があると指摘をしています。  私は、国民から今求められているのは、今回の事件を教訓に原子力発電所安全管理について国が責任を持って万全の管理体制を確立することと、国民理解していただけるよう説明をすることであると考えますが、今回の事故を受けまして、今後の原子力行政に関する大臣の所見を伺いたいと思います。
  109. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 今、鈴木委員御指摘のとおりでございまして、中間取りまとめにおきまして国としての今後やるべきこと、それもいただきましたので、今お話しのあったような国と事業者との役割分担といいましょうか、例えば国が出すべき指針についてももう少し明確化をしなければいけないというふうに我々受け止めさせていただいておりますので、早速そういう作業に入っているところでございます。  いずれにしても、最終的なこのエネルギー行政あるいはまた原子力行政、特に安全行政については私どもが最終責任を持っておりますので、御指摘のように、その中間取りまとめあるいはまた今後もまた御議論をいただくということでございますが、事故調査委員会の御指摘をしっかり踏まえ、また国民、特に御地元皆様方にもよく御理解をいただきながら、また御要望もしっかり受け止めさせていただきながら、安全、そして信頼理解を前提にして原子力エネルギー行政を進めていきたいというふうに考えております。
  110. 鈴木陽悦

    鈴木陽悦君 次に、去年十月の制度改正によりまして、品質保証及び保守管理の構築が事業者に義務付けられておりますけれども、この安全管理方針によって今回の事故を防ぐことができたのかどうか伺いたいと思います。経済産業省の関係の方。
  111. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、昨年の十月の制度改正に合わせまして、産学官が連携をいたしまして原子力安全のための新しい品質保証ルールを整備をいたしました。当院はこれを保安規定に盛り込むべき具体的要求事項として法定をいたしました。これらによりまして、事業者品質保証保守管理体制を構築することが法的に義務付けられたわけでございます。  こうした新たな制度の下で関西電力整備をいたしました美浜発電所の保安規定の中には事業者検査実施に関する規定が整備されておりまして、同規定に従って施設の保守管理における保全計画、点検計画を作成することが求められております。しかしながら、関西電力では、定期事業者検査対象設備点検の頻度、時期、方法等について点検リストを体系的に作成し、統一的に管理をすると、こういった基本的な対応が未整備でございました。今回の事故はこうした保安規定に沿った十分な対応ができないうちに発生をしてしまったというふうに考えられます。  今後、原子力安全・保安院といたしましては、各発電所ごとに整備をされます保安規定の下に社内規定整備いたしまして、点検リストの作成、管理が適切に行われるよう厳格に監視をし、指導してまいりたいと考えております。また、こうした対応につきましては原子力安全委員会報告することになっております。原子力安全委員会からの御指摘も十分に踏まえまして規制を行っていく考えでございまして、今後ともこうしたダブルチェック体制によりまして原子力安全の確保を図ってまいりたいと考えております。
  112. 鈴木陽悦

    鈴木陽悦君 次に、関西電力への質問です。三つございます。  一つ目は、プラントメーカーであります三菱重工業と関電の間で、管理指針記載漏れに気付いた際に、事業者の関電に連絡する取決めがなかったのかどうか。二つ目は、関電が三菱重工業から記載漏れがあったことの報告を受けたのはいつの時点か。三つ目です。安全管理上、プラントメーカー、事業者、定期点検担当者が情報を共有するのは当然であると考えますが、情報の共有について事業者の考え方を伺いたいと思います。
  113. 藤洋作

    参考人藤洋作君) 先生、お答えいたします。  最初の御質問でございます。プラントメーカーさんの三菱重工さんとの契約の中で、漏れたことに気付いたときにそれを連絡するように取決めがあったかということでございますが、これは、私ども平成二年の管理指針策定に向けて三菱重工さんと調査委託契約をいたしました。それから、平成二年から七年までの間にその二次系の配管経年変化の調査の工事を計画、契約いたしました。また、先ほど申しました平成八年に管理指針に沿った点検箇所を含む全データを譲り受ける契約ということをいたしましたが、この三つの契約いずれにおいても、点検箇所漏れに気付いた場合、当社に連絡するという、そういう取決めはございませんでした。これは私どもちょっと、先ほど申しましたように、委託先との間の契約に甘かったところがあるかも分かりません。今後、そういうことをきちっとやっていきたいと思っております。  それから、二番目の記載漏れがあったということを三菱重工さんから報告を受けたかということでございますけれども、これは、実は今回の美浜事故発生した後でいろいろと調査したわけでございまして、重工さんからの特段の報告はいただいておりません。  それから、三つ目でございます。これは本当に大事なことで、情報を共有できるという、そういうことは本当に大事なことだというふうに思います。  それで、先生御指摘の情報の共有につきまして、私どもと、協力会社でございますね、実際に仕事をした協力会社の間の意思疎通を確実なものにするために是非双方向の情報の受渡しのチャンスというのをきちっと作ってやらねばならないということで、現在既にそのようにやっております。  それから、もう一つ大事なことは、情報の共有という意味では、ほかの電力会社さんとの間の情報共有ということがあろうかと思います。これにつきましても、電気事業連合会が中心となりましてそういう他の電力会社との間の情報の共有という、水平展開と私ども申しますけれども、その水平展開ができるような仕組みの構築をこれからしていく考えでございますし、既にそういう仕組みができております。  以上でございます。
  114. 鈴木陽悦

    鈴木陽悦君 今回の事故におきまして、美浜発電所の避難道路の現状について、先ほど松議員の方からもお話が出ました。安全対策十分でないことが指摘されております。私も現地視察の一員としてその実態を知ってまいりました。地元自治体要望もございまして、国として早急に緊急避難道路確保について取り組む必要があると思います。  私の持ち時間なくなりましたので、今日は国土交通省関係の方もお見えでございますが、私の意見としてお聞きとどめいただきたいと思います。  このたびの事故ですが、今後、原子力政策を展開する上で多くの警鐘を打ち鳴らしていると言えると思います。何よりの警鐘は、配管などの老朽化ではなく、安全を管理する人間の意識の、人間の意識の老朽化ではないかと思われます。真の水平展開に向けまして、国を含めた関係機関の新たな意識改革を切に願いまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  115. 松田岩夫

    理事松田岩夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時三十五分散会