○五十嵐
委員 私は
個人的には、かつて郵政民営化論者でありました。それは、特殊法人への蛇口論として、
国民から預かった
お金がむだ遣いをされる大もとになっているという観点、そして民業圧迫という観点から申し上げていたわけですけれ
ども、ここまで国債依存度が高くなり、国債の発行残高が大きくなってくると、
金融問題としての本質が非常に大きくなってきて、問題が変わってきている。しかも、資金運用部に
お金を集めて流すという方式から変わってきたわけです。独立行政法人になり、財投機関債といったものを格付して発行するという状況になってきたわけですから、本質が少し、かつての単純な民営化論から変わってきているわけであります。そこをちゃんと認識して
小泉さんがおやりになろうとしているのかどうかというのは非常に疑問であるわけで、そこを丁寧に御
説明いただきたいというふうに思っているところであります。
特に私
どもが最近心配しているのは、一括して今度は郵政公社なり民営化されたところが引き受け義務なくして、財投債や国債の引き受け義務が外れるということになりますと、一体、ここまで膨らんできた国債等の緩衝材というかバッファー機能といいますか、そういうものがなくなるということについてのリスクをどう考えるかという非常に重大な問題が出てくるんです。
これは一度住宅
金融公庫についても申し上げました。住宅
金融公庫というのは確かに民営圧迫ですし、非常に問題があるというわけですけれ
ども、アメリカの例を見ても、ファニーメイというのがあるんですけれ
ども、逆に、民間が金利の変動が激しくなったときに住宅ローンを引き受けられなくなるという事態が生じる、そのときに初めて、公的な役割としていわゆる日本の住宅
金融公庫的なものが必要になってくるという経験をアメリカはしているわけですね。
日本でも、住宅
金融公庫をなくすのはいいんですけれ
ども、逆の面で必要になったときに、民間が民間の役割を果たせなくなったときにどうするかという問題が出てくる。そのときにこそ公的な役割の出番が出てくるのであって、同じことが国債という、それ以上に大きな場面でこういったものが問題になり得る。それを考えずに、ただ昔のまま、民営化が善なんだ、民営化に反対するやつは悪なんだという話は通用しなくなってくる。私はもともとの民営化論者であるし、公的な役割は最小限にすべきだという立場ですけれ
ども、それにしても、そういった懸念を十分にわかった上でやっていただかなければならないなというふうに思っているわけであります。
そこで、お待たせをして申しわけないんですが、
谷垣大臣にお伺いしたいんですが、国債の残高、今年度末では七百兆円を上回る長期債務というものがもう想定をされている。隠れ借金と言われるものまで入れると一体どのぐらいになるのかという大きな不安が出てきている。ここに来て長期金利も一・八九とか、二%を望むようなところまで上がる気配も出てきたということで、国債のリスクというのは非常に大きくなってきたと思うんですが、この問題について、例えば概算要求
基準にどのように反映されているのか。極力抑制という言葉は聞いているわけですけれ
ども、公債についてはこの概算要求の中でどの程度頭に入られているのか。
特に、時間がありませんから、私、申し上げますけれ
ども、今年度の、十六年度の予算編成に当たっては、全体の予算規模に占める税収割合が五〇%を割らないということを一応念頭に置かれたというふうに伺っています。五〇・一八%だったと思うんですが。これを割ると、
金融サイドから、日本の国債の格付が暴落をする、格下げをされるというおそれがあるという
指摘があったやに聞いております。
公債の発行の上限というか、シーリングというものについてはどのようにお考えになっているのか。いわゆる各省の要求側の
基準というのはわかりますけれ
ども、それは公債の発行能力とのバランスもあると思いますので、その点についてはどうお考えになってシーリングを決められたのか、伺いたいと思います。