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2004-04-20 第159回国会 参議院 農林水産委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月二十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十三日     辞任         補欠選任      松山 政司君     大仁田 厚君      紙  智子君     西山登紀子君  四月十四日     辞任         補欠選任      大仁田 厚君     松山 政司君      小川 勝也君     木俣 佳丈君      千葉 国男君     山下 栄一君      西山登紀子君     紙  智子君  四月十五日     辞任         補欠選任      小斉平敏文君     日出 英輔君      松山 政司君     小野 清子君      木俣 佳丈君     内藤 正光君  四月十六日     辞任         補欠選任      小野 清子君     松山 政司君      日出 英輔君     小斉平敏文君      内藤 正光君     小川 勝也君      山下 栄一君     千葉 国男君  四月二十日     辞任         補欠選任      信田 邦雄君     今泉  昭君      市田 忠義君     小泉 親司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岩永 浩美君     理 事                 加治屋義人君                 段本 幸男君                 常田 享詳君                 和田ひろ子君                 紙  智子君     委 員                 市川 一朗君                 太田 豊秋君                 小斉平敏文君                 松山 政司君                 三浦 一水君                 今泉  昭君                 小川 勝也君                 郡司  彰君                 羽田雄一郎君                 千葉 国男君                 福本 潤一君                 小泉 親司君                 岩本 荘太君                 中村 敦夫君    国務大臣        農林水産大臣   亀井 善之君    副大臣        農林水産大臣  市川 一朗君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       福本 潤一君    事務局側        常任委員会専門        員        高野 浩臣君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局官房審        議官       和泉澤 衞君        警察庁長官官房        審議官      吉田 英法君        総務大臣官房審        議官       岡本  保君        厚生労働大臣官        房審議官     大石  明君        厚生労働大臣官        房審議官     新島 良夫君        農林水産省生産        局長       白須 敏朗君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○競馬法の一部を改正する法律案内閣提出)     ─────────────
  2. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) ただいまから農林水産委員会開会をいたします。  理事補欠選任についてお諮りをいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事紙智子君を指名いたします。     ─────────────
  4. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  競馬法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会公正取引委員会事務総局官房審議官和泉澤衞君、警察庁長官官房審議官吉田英法君、総務大臣官房審議官岡本保君、厚生労働大臣官房審議官大石明君、厚生労働大臣官房審議官新島良夫君及び農林水産省生産局長白須敏朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 松山政司

    松山政司君 おはようございます。自由民主党の松山政司でございます。  本日は競馬法審議ということですので、集中して御質問させていただきます。  現在の競馬をめぐる状況を見ますと、先般、大臣趣旨説明にもございましたように、中央競馬におきましては平成九年のピークの八割、地方競馬に至っては平成三年のピーク時の半分まで売上げが落ち込んだということでございます。中には、競馬赤字によって地方自治体の財政を圧迫しているところもあるというふうに聞いておりますが、まず、どうして地方競馬がこのように厳しい状況になったのかということを大臣にお聞かせ願いたいと思います。
  8. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 今、委員からも御指摘の、やはり競馬、景気の低迷、あるいはまたそれぞれ、生活、趣味の多様化、こういう影響を受けまして御指摘のように売上げが減少していると、こういうのが実態でございます。地方競馬におきましては、平成三年のピーク時九千八百六十二億円、こういうことから平成十四年には四千九百億円と、こういうように半分になってきておるようなわけであります。  これはやはり、地方競馬問題点といたしましては、開催地域限定的であると、あるいは自場完結的ということ、あるいはまた主催者間で開催日重複をしていると、こういうこと、あるいは競走の供給過剰、こういうようなことで収益が分散がされていると、こういうこと、あるいはまた主催者ごと施設馬等に抱える高コストの体質、こういうことが今地方競馬の厳しい状況になってきている、このようなことではなかろうかと、このように考えております。
  9. 松山政司

    松山政司君 ありがとうございます。  長引く不況とレジャーの多様化等々、今御説明がございましたけれども、競馬が興行の一つだと見ますと、ファンに飽きられることのないように、競馬魅力でありますとか面白さというものをもっとアピールすることも必要だと思います。  私自身も余り経験がございませんで、あえて大臣にお伺いしたいと思いますが、そもそもこの競馬魅力、面白さというものはどのような点にあるというふうにお考えであるかということ、また、この魅力と面白さというものを増すためにどのような取組が今後必要だというふうに思われておられるか、御見解をお伺いしたいと思います。
  10. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 競馬、馬とそして人との古くからの関係というものはあるわけでありまして、やはり生き物を相手にして公営競技と。  私も、もうそろそろ五十、六十、もう六十年ぐらい前になろうかと思いますが、祖父に連れられて、地域で草競馬があると、こういうときに祖父に連れられて行った思いがあります。そういうところで、地元の人たちがそこに集まり、そしていろいろの楽しみと申しますか、やはり集まって、そして勝ち馬をみんなどうやって、どの馬が強そうだとか、あるいはそれぞれ一家言持っていろいろ話をされておったのを子供心に覚えておりますけれども、正にやはり頭を使うと申しますか頭脳を使う、そういうところに面白さがあるのかなと。あるいは、人と馬が一体になって勝つために一生懸命走ると、こういうこと。あるいは、この間、ハルウララではありませんけれども、やはり地域であのような、残念なことに百七連敗というようなことのようでございますけれども、しかし、あれだけになりますと、やはり愛着、馬を愛する、またその人生観、哲学というものが、それぞれ人間いろいろ考えるようなこともあるわけでありまして、やはりそういうものを通じて、それぞれ人、一人一人が楽しみ方が、また違ったものが出てくるんではなかろうかなと、こう思います。  いろいろそういう面で、その魅力なり面白さというものをそれぞれの競馬場で作っていくというか、こういうことが必要なことではなかろうか、いわゆる競馬ファンを集める魅力作りと、こういうことが必要ではなかろうかと。そういう中でやはり強い馬づくりと、こういうものも、競馬生産、あるいはまた施行という面で、いろいろの段階でそのような環境を作っていくという中で、やはり何かあの場所に行くと、そういう子供、私、先ほど申し上げましたとおり、子供心のことを振り返って考え、また今、この間も、ダービーに昨年参りまして、いろいろの皆さん方が参加をされていると。やはり家族そろって、あるいは女性、男性、本当にすばらしい天候の中で思い思いに馬を拝見され、また勝ち馬を予想されると。いろいろな楽しみがあるんではなかろうかなと、こう思っております。
  11. 松山政司

    松山政司君 ありがとうございました。  続きまして、この法案の内容についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  今回の法改正は、主に規制緩和、そして交付金猶予、また地方競馬同士連携をして経営をしていく、これに対して補助金を出すと等々、地方競馬経営改善を図っていくことが主な内容というふうにされておりますが、そこで、この内容のうち、まず規制緩和についてでありますけれども、競馬実施に関する事務委託制度について、委託先として、地方競馬にあっては日本中央競馬会が追加をされて、中央競馬にあっては都道府県、市町村に委託することができると。そして、中央競馬地方競馬双方において私人への事務委託が認められるとのことであります。  この私人への委託について、どのような取組を想定しておられるのか、また効果を期待しておられるのかをお伺いしたいというふうに思います。
  12. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委託関係でございます。  具体的に委託をできます競馬実施に関する事務につきましては政令で定めることになるわけでございますが、ただいま委員からの御指摘私人に対する委託、いわゆる民間委託でございます。一つには、例えば勝馬投票券、いわゆる馬券発売あるいは払戻しの事務、更には競馬場内あるいはまた場外の馬券売場と、そういったところの取締りなり警備と、そういった事務につきまして委託できるように規定するということを想定しているところでございます。  こういった事務民間委託ということによりまして、効果といたしましてはコスト削減が図られるということでございます。また、民間のノウハウの活用といったようなことによりまして競馬ファンへのサービスの向上といったようなことも期待できるのではないかというふうに考えている次第でございます。
  13. 松山政司

    松山政司君 次に、重勝式勝馬投票券導入についてお伺いをいたします。  重勝式については、公営競技をめぐり騒擾事件が起こっていた昭和三十年代、そのころには高配当ゆえ射幸心を過度にあおるという観点から発売が取りやめられたというふうに聞いています。しかしながら、今日では、宝くじでは三億円の高額当せん金もございますし、状況は当時とはかなり違ってきているというふうに思いますが、そこで、今回、重勝式というものを復活させるねらいについてお聞かせをいただきたいと思います。
  14. 市川一朗

    ○副大臣市川一朗君) 売上げの減少が続く競馬活性化を図るということが今回の改正一つの大きなポイントでございまして、先ほど大臣も御答弁申し上げましたが、競馬ファンを集める魅力作りが大事だと、そして強い馬をつくるんだというお話を大臣から申し上げたわけでございますが、併せまして、魅力ある商品導入を図ることも必要なのではないかというふうに考えまして、そして、今御指摘ございました複数の競走の一着馬を同時に的中させる勝馬投票法、そういう重勝式導入してファン魅力ある商品として提供できるようにしたいと考えまして第六条の改正案を御提出申し上げているところでございます。  この点につきまして、この重勝式につきましては、御指摘ございましたように、昭和三十六年に公営競技調査会答申というのがございまして、射幸心の過熱を避けることと競馬場における紛争を防止するとの観点から廃止することが提言されまして、昭和三十七年、競馬法改正により廃止された経緯があるわけでございます。  しかし、それから四十年以上たっておりまして、現在、社会情勢が大分変化しております。いわゆる紛争事件は全くない状況になっておりますし、御指摘のとおり、いろいろと情勢が変わっておりますし、海外におきましても重勝式は広く普及しておりますので、今回、重勝式導入することにつきましては問題はないのではないか、それで魅力ある商品作りをした方がいいというふうに判断した次第でございます。
  15. 松山政司

    松山政司君 ありがとうございます。  次に、この勝馬投票券購入資格規制緩和についてお伺いをいたします。  これまで学生生徒及び未成年者勝馬投票券購入は禁止をされていました。今回はそのうち学生という要件を外して未成年者のみというふうにされております。最近は大学に通う社会人学生増加をしておりますし、実は私もそのうちの一人でございますけれども、そういった方々馬券購入すると罰せられるということは違和感を若干感じたりするわけでありますが、そもそもこの学生未成年者勝馬投票券購入を禁止していたのはどのような観点からかということ、そしてまた、totoですね、いわゆるサッカーくじでありますが、これは十九歳でも購入できるというふうになっておりますけれども、この改正案において勝馬投票券購入制度を見直して未成年者のみというふうに対象を限定したことについて理由をお聞かせ願いたいと思います。
  16. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘未成年者関係でございます。  現在の勝馬投票券購入制限のこの規定につきましては、旧競馬法制定をされました大正十二年にこういった規定措置をされておりまして、現在に至っておるわけでございます。この規定趣旨と申しますのは、社会的にやはり未成熟な学生生徒なり未成年者射幸心あるいは遊び癖を醸成あるいは助長することの弊害ということでございまして、そういうことを考慮いたしまして、言わば青少年保護という観点から定められたものでございます。  しかしながら、旧競馬法制定以来、もう既に八十年以上経ておるわけでございます。しかも、現在の状況を考えてみますと、例えば大学進学者の比率一つ取ってみましても当時とは比べ物にならないほど高まっているわけでございまして、社会学生に対する見方も変わってきているわけでございます。また、委員からも御指摘ございましたとおり、就職後に大学院で学ぶ方も出てきておるというふうなことで、当時とはもう状況が非常に異なってきておるというふうなことでございまして、したがいまして、成年である学生生徒につきましては、一般の成年の方と区別してこの馬券購入制限を課す、そういった必要性は失われてきておるというふうに考えるわけでございまして、したがいまして、今回、成年であります学生生徒につきましてはこの馬券購入制限対象から除外すると、こういうふうにいたした次第でございます。
  17. 松山政司

    松山政司君 続きまして、地方競馬経営改善という観点からお伺いをいたします。  まず、赤字地方競馬主催者収支改善する場合、主催者地方競馬全国協会へ交付する交付金のうち一号交付金、これは主に畜産の振興に使う交付金だそうでありますが、事業収支改善計画というものを主催者策定をして、大臣同意を得た上でこれを最大三年間猶予することができるとされています。また、その三年間で事業収支改善をされずに競馬から撤退することを判断した場合は、その猶予した交付金を再び大臣同意を得て競馬事業からの撤退費用に使用することができるとされております。  そこで、この撤退のための経費というのは主に関係者に対する補償に充てることを想定しているのかどうか、どのような使途に用いられると想定しているかをお伺いしたいというふうに思います。
  18. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの関係でございますが、今回の改正案におきまして、この地方競馬主催者事業収支改善を促進するという観点から、御指摘のとおり、一号交付金というものの猶予制度を設けるということにいたしたところでございます。これによりまして交付金猶予を受けまして事業収支改善を行っていただくわけでございますが、そういった様々な取組を行いましてもなお事業収支が十分に改善しないと、そういった主催者が出てくるということも当然想定されるわけでございます。その結果といたしまして、競馬事業から撤退をされる場合には猶予いたしました交付金を免除するというふうにいたしておりまして、その猶予いたしました交付金につきましてはこの主催者撤退に要する経費に充てることができると、そういうふうに措置をいたしているところでございます。  そこで、この撤退に要する経費につきましては、それぞれの主催者によりましてその対象とする範囲は異なってくるというふうに考えているわけでございますが、これまでのそれぞれの地方競馬主催者撤退の事例をいろいろ見てみますと、やはり競馬事業廃止によりまして生じます経済的影響を緩和するために行います競馬関係者方々への廃止見舞金でございますとか、あるいは競馬関連施設、そういうものの撤去費用といったものが該当するのではないかというふうに考えている次第でございます。
  19. 松山政司

    松山政司君 この事業収支改善計画を通じた地方競馬交付金猶予措置についてでありますが、地方競馬事業収支状況から考えれば存廃判断を速やかに行う必要がある主催者もいるんではないかと考えられます。  本法律案事業収支改善計画制度において、事業収支改善ができなかった場合の、収支改善ができなかった場合の撤退も想定していますが、この制度趣旨というものは地方競馬主催者に対して存廃判断を促すことにあると考えていいのかどうか、お伺いしたいと思います。
  20. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま申し上げましたとおり、今回の法改正におきましては、地方競馬の大変厳しい状況にかんがみまして、主催者事業収支改善を促進するということで一号交付金猶予制度というものを設けることといたしたところでございますが、この趣旨は、やはりこの制度を活用していただきまして、地方競馬主催者方々活性化を図っていくということが主眼でございます。  したがいまして、結果として撤退のやむなきに至るという場合ももちろんあろうかと思いますが、しかしながら、この競馬事業継続あるいは撤退につきましては、それぞれの地方主催者方々が自らの御意思によりまして判断をされるものでございます。したがいまして、そういうことにつきまして私ども国が関与するあるいはまた促すというものではないわけでございます。これはあくまで主催者方々の自らの御判断ということでございます。  したがいまして、今回措置をいたしましたこの交付金猶予措置につきましては、最大限の努力をされても事業収支改善が図れない、その結果、競馬事業継続が困難になる、そういった場合には、先ほど申し上げましたとおり、この猶予された交付金撤退に要する費用に充てることができると、そういうふうに規定をいたしておるところでございます。
  21. 松山政司

    松山政司君 続きまして、地方競馬主催者間の連携ブロック化ということについてお伺いをいたします。  これまでに東北と九州、南関東などで進められているとのことでありますが、このブロック化というのは具体的にどのようなことをすることであるのか、また収支改善にどのような効果があるかということをまずお伺いしたいと思います。
  22. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまのブロック化関係でございます。  現在、地方競馬は十八の主催者によって担われているわけでございます。ただ、一部のやはり主催者を除きましては、それぞれの地域で、それぞれの地域のみで限定的に行われておる、言わば自分のところだけで一つの完結的な競馬施行ということになっているわけでございます。したがいまして、主催者間での競馬開催日日程調整が進んでいないというふうなことでございまして、それぞれの地方主催者ごと開催日重複をするといったような状況になっているわけでございます。その結果、地方競馬といたしましては収益が分散化されるといったような、したがいまして収益性も低くなっておるといったような状況にあるわけでございます。  したがいまして、今回の法改正趣旨といたしまして、やはり一つには主催者が、ただいまお話しのとおり、連携をいたすことによりまして、一つには開催日のやはり調整を行っていく、それによりまして日程重複を避けるというふうなことで、その結果、いわゆる休み、休んでおります主催者開催をしております主催者のところの馬券を売ることによりましてむしろ開催日当たり売上げ増加が図られる、あるいはまた一方にはコスト削減ということも行えるわけでございまして、そういったようなことを通じまして収益性改善が可能になるというふうに考えておるわけでございます。  二つ目といたしましては、主催者連携を図ることによりまして、一つにはコンピューターの集計システムでございますとかあるいは馬券売場、そういった施設共同化を図っていくということ、あるいはまた開催の職員でありますとか厩舎関係者、あるいは馬そのもの共通化といったようなことも図ることによりまして固定的な経費というものの削減も可能になるということでございます。したがいまして、より優れた競走馬あるいはまた騎手というものの確保も可能になるわけでございまして、レースそのものの質の向上も図られるのではないかというふうなことでございます。  したがいまして、主催者間の連携あるいはブロック化というものは大変今後の地方競馬事業収支改善を図っていくのに有効な手法であるというふうに考えておりまして、現在、地方競馬におきまして、先ほど申し上げました、十八の主催者があるというふうに申し上げたわけでございますが、いわゆる南関東の四場、南関四場と言っておりますが、大井あるいは川崎、船橋、浦和、この南関東の四場は大変に最も連携が進んでおるというふうに私ども考えておりまして、一つには開催日重複は完全に解消されておるといったようなこと、また休催中主催者開催中の主催者の全レース発売する体制もでき上がっておるというふうなことでございまして、十四年度におきます全国黒字主催者は四つの主催者黒字であったわけでございますが、そのうちに三つの主催者はただいま申し上げました南関東主催者であるというふうなことでございます。  そんなことでございますので、今回のこの連携につきましての計画策定につきまして支援措置も盛り込んでおるわけでございますので、そういった主催者におけます支援措置も御活用いただきまして事業収支改善努力を行っていただくということが大変重要なポイントではないかというふうに考えている次第でございます。
  23. 松山政司

    松山政司君 この法改正で、連携して事業を行う場合、競馬連携計画策定して大臣の許可、認可を得れば実施のための資金の補助が受けられるということになっておりますけれども、特に多額の収支赤字を抱えている主催者が大変多い現状だと聞いておりますが、そういう主催者によるブロック化が本当にスムーズに進むんであろうかというふうに思いますし、また、今回設けられる補助金ブロック化推進の動機としてどのような形で生かされるのか、十分なものになるのかということをちょっといま一度お伺いしたいと思います。
  24. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまもお話を申し上げましたとおり、やはり地方競馬問題点といたしまして、それぞれが大変限定的だということ、あるいは商品としての魅力が乏しい、また開催日重複しておる、あるいは高コスト体質といったような収益性が低い状況にあるわけでございます。したがいまして、それぞれのやはり主催者は、今後やはりしっかりと活性化を図っていきたいという主催者にとりましては、何とか合理化効果を期待できると、そういった連携をそれぞれ模索しておる状況にあるというふうに考えているわけでございます。  そこで、現在御提案申し上げておりますこの競馬法改正におきまして連携計画の認定制度あるいは支援措置ということがあるわけでございますが、やはりそれにはそれぞれの主催者ごと日程調整ということも必要でございますし、またあるいは施設の共有化といったそういった連携が必要になってくるわけでございますが、やはりこのためには、なかなか一朝一夕にはまいらないわけでございますので、各ブロックごとにそれぞれ協議会を設置をいたしまして、そういった中で主催者ごとに恒常的に調整を行うといったようなことで円滑な調整が行われるというふうなことが期待されるわけでございます。  したがいまして、これに加えまして今回のこの制度によります連携計画支援措置といったようなことを講ずることによりまして、連携に向けまして一層の弾みが付くのではないかというふうに考えている次第でございます。
  25. 松山政司

    松山政司君 この補助金関係でもう一点御質問いたします。  今回、地方競馬主催者競馬連携計画に基づく事業を行う場合には地方競馬全国協会から資金が補助されるというふうにされておられます。その資金として、日本中央競馬会からも地方競馬全国協会へ資金が交付されることとされております。  この競馬連携計画に基づく事業に関して、具体的にどのような事業に対して支援をするお考えなのか、お聞かせください。
  26. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) やはり、主催者間の連携を図りますためには、そのためにまずは連携計画を作っていただくわけでございます。これを、複数のそれぞれの主催者が共同していただきまして計画を作っていただきまして認定を受ける、それに対しまして、ただいまお話しのとおり、地方競馬全国協会からの補助を受ける。その財源につきましては、地方競馬全国協会交付金から充当をいたしますとともに日本中央競馬会の方からも地方競馬全国協会に対しまして交付をすることにしているわけでございます。  そこで、具体的なこの支援対象となる事業というお話でございますが、現在、それぞれの地方競馬主催者の方からもいろいろと御要望を伺っているところでございますが、それを踏まえまして私どもとしては具体的にこれから検討をするわけでございますが、例えば考えられることといたしましては、一つには馬券の集計するシステム、これをコンピューターシステムでやっているわけでございますが、これがそれぞれ主催者ごとにまちまちということになりますと大変にコストがかさむということでございますので、この馬券の集計用のコンピューターシステム、これを一本化する、これを一本化しまして共同で整備するということが考えられるわけでございます。また、それぞれごとに馬券の売場を設置するというふうなことになりますと、これまた大変に高コストでございますしコストもかさむわけでございますので、そういったところを共同で馬券の、場外の馬券売場を設置していくといったようなことも考えられるわけでございまして、そういったようなことが主催者間の連携に必要な施設対象になるのではないかというふうに考えている次第でございます。
  27. 松山政司

    松山政司君 今回の法改正で、結果的に地方競馬においては競馬事業撤退の促進や競走数の減少というものが想定をされます。当然、競馬に必要な競走馬数も減少して馬産地への影響が懸念をされるわけでございますが、現在、馬産地における馬の生産農家は、馬価格の低迷によって大変厳しい経営環境にあると聞いております。  競馬の主役は当然競走馬であると思いますので、競走馬生産地についても生産構造を改善して、しっかりした競走馬生産を行っていく必要があるというふうに考えますが、今後、競走馬生産に対してどのような対策を講じられるのかをお伺いをしたいと思います。
  28. 市川一朗

    ○副大臣市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、競走馬生産をめぐる経営環境は様々な要因によりまして厳しさを増しつつあるわけでございます。そして、そうした中で、地方競馬におきましては、競馬事業実施に関する連携を通じまして事業収支改善を図ることとしておりますので、競走馬の共有化が促進されるなどいたしまして競走馬需要の更なる減少につながるのではないかというふうに思っておりまして、いわゆる供給過剰対策というのが非常に大きなテーマになってくるのではないかと思っております。御指摘のとおりだと思います。  これまでも生産基盤の強化、国内産馬の資質向上等を図ることを目的にいたしまして様々な対策を実施してまいったところでございますが、こういった情勢の変化も受けまして、今後、望ましい競走馬生産構造の実現に向けた対策といたしまして、生産者の集約化等の組織化等への支援を強めてまいりたいと。それから、経営基盤の強化等も進めまして、競走馬生産の合理化を促進するための事業実施してまいりたいと考えております。それからさらに、競走馬と他の農業部門との複合化とか、あるいは、場合によりましては他の作目への転換が必要な場合もあると思いますので、そういった問題につきましては、技術支援あるいは各種制度資金の活用によりまして競走馬生産の振興、地域の農業生産活性化を図ってまいりたいと思っておりますが、こういった生産対策の具体化に当たりましては、生産地が自らの発想によりまして必要な対策を構築することが極めて重要であると考えておりますので、生産地の意見をよく聞くことによりまして、効果的でかつ地元で使いやすい対策となるよう検討を進めているところでございます。
  29. 松山政司

    松山政司君 ありがとうございます。  例えが良いかどうか分かりませんけれども、中央競馬地方競馬関係というのは、プロ野球でいうとセ・リーグとパ・リーグのような、似ているような気もするわけでございますが、特にプロ野球では巨人戦のテレビ中継が大変多かったり、また報道がセ・リーグが中心であったり、有名な選手は何かとセ・リーグに集中しがちであったり、そういうふうに感覚があるわけでありますけれども、お客さんにしても、巨人戦はいつも満員であって、パ・リーグは非常に少ないという状況も長年続いておりました。  競馬においても、中央のレースばかりがマスコミに取り上げられて、地方競馬レースや、今回のハルウララは先ほど大臣がおっしゃいましたように特別だと思いますけれども、ほとんど取り上げられることがなかったというふうに感じます。  平成三年以降の競馬ブームというのは、中央競馬がマスコミに大きく取り上げられたということもかなり影響は大きかったというふうに思います。競馬会では、長年強い馬づくりに取り組んできた、そして広報活動も強化してきた、また場外馬券場の新設もかなり全国に販売網を構築する努力をされていると私も思いますし、余り盛んでなかった地域もそういった施設ができて、大変中央競馬への関心を高めることについては成功したというふうに感じます。  一方、地方競馬では、一部を除いては、競馬は興行という観点からファンを取り込むという施策を積極的に行ってきたとは大変言い難いかなというふうにも思います。地域限定の競馬をあくまで行ってきたというふうに感覚が自分自身にもございますが、そんな中で、バブル崩壊後、中央は売上げを順調に伸ばしているのにもかかわりませず、地方競馬はどんどん売上げも落ち込んでいく、来場者も減っていくという状況になっているのも現実であります。  しかしながら、先ほど言ったパ・リーグの話でありますけれども、私の地元の福岡ダイエーホークスはとても人気があって、経営のプロを集めたり、あるいは地元密着型の経営を進めてきたり、有望な選手を若いうちに確保したり、とにかく様々な角度から経営的な感覚を持って努力をしてきたのをもう私もずっと身近で見てきました。それで日本一にもなったわけでありますけれども、こういったことは非常に地域にもかなり貢献をしてくれています。そういったことを見ていると、地方競馬活性化においても非常に参考になるのではないかというふうに思うわけであります。  例えば、地方競馬においては、競馬は独立採算で行われることが基本でありますので、そのためには、地方競馬においても経営目標というものをしっかり設定をして、その上で経営感覚というものをしっかり持ってやっていくことが大切なことだというふうに思います。そのためには、競馬事業に専門的に携わる職員をしっかり育てていくということも極めて重要だというふうに思いますし、先般の皐月賞でしたか、コスモバルクという馬、競馬は余りやらない私の耳にも伝わってくるぐらいですので、ああいう話題性を持って中央の大レースでも活躍する馬を育成したり、全国ファンの注目を集めたり、地元ファンには郷土の代表的な意識、地方競馬の愛着を高めたり、そういった努力をしていくことが非常に大事ではないかなというふうに思うわけでございます。  私も、今後、中央競馬地方競馬の交流、積極的に進めていく必要があるというふうに思います。そして、中央と地方、双方において全国的な取組として連携、協調関係というものを築いていく必要があるというふうに思います。  そこで、今後の我が国の競馬全体について大臣がどのような将来展望をお持ちであるのか、また、今後の競馬振興への決意をお伺いをいたしまして、最後の質問とさせていただきます。よろしくお願いします。
  30. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 今御指摘がございましたとおり、一つは、これまで築かれておりますいわゆる中央競馬全国規模の中央競馬、さらには地方競馬、正に我が町の競馬場、こういうようなところがあるんではなかろうかと。しかし、これ、それぞれ今日までも特色を生かしていろいろ御努力をいただいておるわけでありますが、今回更なる連携と、こういうものを確立をし、日程やあるいはまた施設の問題、また馬券の販売、こういうこと、またブロック化、こういうように、あるいはまた規制の問題で私人への委託が可能と、こういうようなことでいろいろ知恵を出し、そしてそれぞれの地域で特色を生かしていただくということが、また今回の法改正の中での連携、こういうもので事業収支改善というものが行われ、またひいてはそれがファンサービスにもつながると、こういうことで期待をしておるわけでありますし、あわせて、何といっても競馬の主役は競走馬生産という面があるわけでありまして、そういう面でこの競走馬生産の振興、このことも今回の改正の中で進めるわけでありまして、そういうようなことを通じまして我が国競馬全体の発展が可能になることを是非期待をしておるわけでありますし、私どももその支援をして、非常に、野球のお話をされましたが、サッカーにしろそれぞれ地方の球場で地方ファンが根付いた中で行われておるわけでありますし、競馬につきましてもそのような体制というものが、支援体制をちょうだいできるような魅力ある競馬というものが、地方競馬というものが今回の法改正で、まだまだいろいろ努力をするところはありますし、今回の改正一つの契機にそのようなことができるように努めてまいりたいと、そしてファンの皆さんに、国民の皆さんに期待をされる競馬というもののために努力をしてまいりたいと、このように思っております。
  31. 松山政司

    松山政司君 終わります。ありがとうございました。
  32. 小川勝也

    小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。  私も、かつて馬券をちらほら買ったこともありますけれども、最近はお小遣いもままならないんで、とんとごぶさたをしております。  そんな中で、選挙区が北海道ということもありまして、馬産地を抱えておりますし、ほかの地域よりも競馬に対する接触の機会は多いかと思います。例えば、札幌に中央競馬が来るときには、これは全国から競馬関係者がどっと押し寄せてきて、ススキノはその方々で埋まる、あるいは日高地方に行きますと、東京やいわゆる本州から馬主さんたちが馬を見に来る、馬を買いに来るということで、地域経済の一翼を担っている、こういうところでもありますので、競馬全体というよりも生産地の状況を中心にお話をさせていただきたいと思います。  私どもの民主党の中にも競馬の議連がございまして、これは産業全体を論じていこうという議連であります。産地の選挙区を持ちます鳩山由紀夫さん、そしてかつて農林水産大臣も務められました、ここにおられる羽田委員のお父様であります羽田元総理などもメンバーで、いろんな議論をさせていただきました。みんなで産地にも視察にも伺わせていただきましたし、私は別な機会にも様々お話を伺っています。  産地は今、本当に厳しい状況であります。言うまでもなく、バブル経済を通していわゆる馬券売上げも落ちてきたでありましょう。そして、これはどのように問題提起をしていいのか分かりませんけれども、ある大きな中心的な生産牧場がかなり大きな活躍をする、そういった中で、小さな牧場はその経営が厳しくなっている、様々な面が挙げられます。そして、今の議論にもありました、中央競馬はまだしも地方競馬が大変厳しい状況にあります。そんなことを含めて馬産地が厳しい、このことも何とかしたい、何とかしてほしい、その中にあってこの競馬法改正につながってきたというふうに考えておるところであります。  産地の声を一言で言うのは大変難しいわけでありますけれども、無理に一言に集約をいたしますと、ずっとその競馬馬を生産をし育てていく中で、社会にも国にも地方にも様々な貢献をしてきたつもりだ、これは言うまでもなく競馬売上げの一部が畜産振興やそのほかの貢献、あるいは地方競馬にあっては地方自治体の重要な財源になってきたわけであります。その貢献を、苦しいときには何とかこっちも支えてほしいというのが、一言で表した産地の声だろうというふうに思います。  振り返りますと、今申し上げましたその畜産振興とかあるいは地方財政に対する貢献、額で言うとどのぐらいになっておられるのでしょうか。
  33. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘のとおり、競馬収益によりまして畜産振興が図られているところでございます。  具体的に申し上げますと、一つには日本中央競馬会、売上げの一〇%とそれから剰余金の二分の一を国庫納付をいたしているわけでございます。そして、その四分の三は畜産振興事業等に充てるというふうにされているわけでございます。また、日本中央競馬会の剰余金の一部は畜産振興のための助成金に充てられておりまして、その二つを合わせますと、これまでの累積金額を計算いたしますと、日本中央競馬会が発足をいたしました昭和二十九年から平成十五年までの間で約七兆円になっているわけでございます。  それからまたもう一点、委員からも御指摘ございました、地方競馬地方財政に大変な貢献をしているということで、お話のとおりでございまして、地方競馬がこれまで地方財政に拠出した金額は八千億円を超えておるというふうに考えているところでございます。
  34. 小川勝也

    小川勝也君 今改めて数字を聞きましたら、大変な金額だろうというふうに思います。そして、畜産という中にいわゆるこの軽種馬農業がなかなか入ってこないわけであります。また、この農業というそのカテゴリーの中で、軽種馬の育成、生産というのがどんな状況にあるのか、この議論はまた後でさせていただくといたしまして、今回の改正の流れであります。  実は中央競馬地方競馬も、ファンをいかに取り戻していこうかということで苦心をされておられることだと思います。しかしながら、ほかにも娯楽がたくさんあって、様々な趣味や嗜好の中でその地位を獲得しなければならない、大変厳しい状況だろうというふうに思います。ですから、国が苦しい状況に置かれている地方競馬にこんなことをしてあげるから頑張りなさいと言うわけに、押し付けるわけにもいかないだろうというふうに思います。  私は、今回の改正の中で、頑張る意欲のある、またファンの心をつかんでしっかりと再生するんだという意欲のある、例えば地方競馬をこの法律の中で何とか支援をし、あるいは残念ながらもう力尽きた、もうこれは撤退するしかないというようなところと区別をして、それなりに撤退のお世話や補助やあるいはこれから頑張っていくところには様々な貢献をしていただける、そういうふうに私は理解をするわけでありますけれども、内容、方向性について問題ないでしょうか。
  35. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘のとおり、やはり最近の大変に厳しい地方競馬状況にかんがみまして、何よりもやはり全体として事業収支改善を、地方競馬主催者事業収支改善を図っていくということが必要になってきているわけでございます。  そこで、私ども、一つにはやはり、前向きにといいますか、連携をどんどんこれから促進をしていくというふうなそういう主催者につきましては、そういう連携計画に基づく事業につきまして地方競馬全国協会からの補助を受けるということができるようにする措置ということを一方には考え、また他方には、地方競馬主催者から地方競馬全国協会への交付金というものを現在出していただくことになっているわけでございますが、その一部を猶予する措置というものを講じているわけでございます。  そういったその二つの制度をいずれにしても御活用いただいて、主催者活性化を図っていただくということが今回の法改正の主眼であるわけで、そこを私ども期待しているわけでございますが、ただ、委員からもただいま御指摘ございましたが、いずれにしても、この競馬事業継続でありますとかあるいは撤退ということにつきましては、それぞれ地方競馬主催者方々が自らの御意思によりましてやはり判断されるというところが基本であろうというふうに考えておるところでございまして、その点について私どもがどうしろこうしろ、あるいはそういったことを今回の制度によって促すということではないわけでございまして、やはりただいま申し上げました特にこの後段の方の措置交付金猶予措置につきましても、やはり最大限の努力をしていただく。  それはやはりその事業収支改善のために努力をいただくわけでございますが、そこのところが十分に改善がされなかったということで、結果としてこの競馬事業継続が困難な場合にはその交付金は免除するということで、猶予されました交付金はこの撤退に要する経費に充てることができると、こういうふうな制度の仕組みにしているところでございます。
  36. 小川勝也

    小川勝也君 何とか頑張ってみようかというところが増えるような指導をしていただきたいというのが思いであります。  と申しますのも、この生産の現場から理解をいたしますと、いわゆる競馬場が少なくなるということは必要とされる馬の数が減るということであります。このことは、いわゆるこの国際化の中にあって、大変な意味を持つわけであります。競馬というのは、あるいは軽種馬の生産というのはいわゆる確率を多く伴うそういった事業でありますので、たくさんの馬を生産すればするほどいわゆるところのすばらしい馬が出てくる確率が大きくなるという、これがいわゆる国際社会の中にあっても大変大きな意味を持つわけであります。  ですから、どんどんどんどん生産される馬の数が大きくなりますと、相乗効果が出ましていいことがたくさん生まれてくる、逆に生産が必要とされる頭数が少なくなっていくと、その逆の方向が志向されるわけであります。ですから、何とか高い数字で歩留りをしていただきたいというのが産地の大きな願いであることもここで申し上げておきたいというふうに思います。  そんな中で、これも市場でありますので、必要とされる馬と生産される馬との数が余りにも乖離するというわけにはまいりません。ですから、いわゆるところの市場が求める馬の数よりたくさん生産するということになりますと、産地はそれだけまた大変になってくるわけであります。今、大変な状況でありますので、想像するに、これからこの改正によって、また今後数年間あるいは十年単位で未来の姿がある程度確定をされた中で、産地としてもまた新たなその目標に向かって、新たなマーケットに向かって生産を続けていくということになろうかと思います。  そんな中で、必要とされる馬の数が減りますと産地も様々な工夫をしなければならないというふうに思っています。それは、いわゆる過当競争を防ぐために頑張れなくなったその生産者には撤退をしてもらう、あるいは業種転換をしてもらう、こういったことも必要になってくるのかと思います。今回の法改正の中にあるものないもの含めまして、そういった産地の農家の方々がこれから業種転換やあるいは廃業というときにどんな温かいメニューが用意されているのか、お考えがあるのか、お伺いをしたいと思います。
  37. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘のとおり、やはり競馬全体が成り立っていきますためには、やはり何といいましても馬の生産、軽種馬の生産というものが必要でございます。それによりまして、やはりお話しのとおり、すそ野の広い競馬というものが成り立っていくんであろうというふうに考えるわけでございますが、ただ、お話しのとおり、やはり全体として大変に厳しい景気の低迷あるいはまた地方主催者がこのところ撤退をしておるというふうなことでございまして、全体として非常に軽種馬生産をめぐる状況というものも厳しいわけでございます。また今後、先ほど来申し上げておりますように、やはりそれぞれ連携をするといったようなことで事業収支改善を図るといった場合にも、競走馬の資源がそれぞれ共有をされるということになりますれば、更なる全体としての競走馬の需要が減ってくるといったようなことも考えられるわけでございます。  そういう中で、委員の御指摘のとおり、やはり今後軽種馬生産、そういった全体としての農家の経営を安定していくというためには、一つにはやはりこの軽種馬と他の農業部門との複合でありますとか、あるいはまた作目の転換ということも必要になってくるのではないかというふうに認識をいたしているわけでございます。  また、それぞれ軽種馬生産の地元の町村でのお話なぞを私どもお伺いをしているわけでございますが、離農によりますやはり全体としての地域経済の沈滞あるいはまた過疎化と、またそれが耕作放棄地の増加にもつながってくるといったようなことでございまして、そういったことを防ぎますためにも経営の複合化、あるいはまた作目の転換といったようなことで、全体としての農業生産あるいは地域社会を維持すると、そういう道を模索しておられる地元もあるわけでございます。  したがいまして、こういったためにはやはりまずは、この作目ごとのそれぞれの振興施策あるわけでございますが、そういったところを活用するというところが第一の対応策ではないかというふうに考えているところでございます。  そこで、私どもといたしましても、他の作物の振興施策、こういったことをまずは有効あるいはまた効率的に活用していただく、また更には技術支援、制度資金の活用といったことが図られますように、それぞれの各都道府県知事に対しまして、ただいま申し上げております複合化でございますとかあるいは経営転換、作目転換に取り組む経営を支援するということで、事業実施に当たりましての配慮といったところを要請しているところでございます。
  38. 小川勝也

    小川勝也君 あらゆる可能性を探ってしっかりと支援をしていただきたいというふうに申し上げておきます。  今の答弁の中にもありましたけれども、この軽種馬農業という位置付けがかなり分かりにくいわけであります。日高地方に行きますと軽種馬農業協同組合というのがありますので、これは紛れもない農業だろうというふうに思います。  様々こう議論をしていく中で、農業といっても、例えば米や畑作、酪農、畜産のように人の口に入るものを生産していないんだからちょっと立場が弱いんじゃないか、こんな会話もあるわけでありますけれども、よく考えてみますと、例えば花卉、お花ですね、それからイグサ、畳表なんというのも、口に入らないけれどもしっかりした農業なんですね。  そういうふうに考えますと、今もお話にありましたように、様々な形での貢献をしてきた農業でありますし、経済波及効果も非常に大きな事柄でもあります。ここでしっかりとこの軽種馬農業、いわゆる競走馬を育成する農業をしっかりと位置付けてもらう、これが私はこの競馬法改正のときに当たって重要な事柄だと思います。  どんな答弁をしていただけるか分かりませんけれども、農業全体の中での軽種馬農業の位置付け、御答弁をいただきたいと思います。
  39. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま委員のお話ございましたが、私どもといたしましても、軽種馬生産、これはやはり何よりもこの草地基盤、立脚をいたしております大家畜経営でございまして、立派な農業の一部門であるというふうに認識をいたしている次第でございます。また、軽種馬生産の主産地でございます北海道の日高管内では、北海道全体では軽種馬生産はたしか四%程度だったかと思いますが、日高管内では軽種馬生産が粗生産額の約七割を占めるといったようなことでございます。大変重要な農業部門だというふうに認識をいたしておりまして、地域農業の維持のみならず、やはり地域経済全体にとりましても非常に重要なものだというふうに認識をいたしている次第でございます。  したがいまして、私どもとしましても、この軽種馬生産、その重要性にかんがみまして、これまでも生産基盤の強化、あるいはまた国内産の馬の資質向上といったことが大変重要でございますので、これまでにもいろんな対策を実施しているところでございますが、やはり先ほど来述べておりますようなそういういろんな情勢の変化というのがあるわけでございます。  そういった中で、全体としての生産構造変わってきているわけでございますので、そういう中で今後のやはり望ましい生産構造の実現というものも必要になってくるわけでございますので、一つにはやはり意欲ある、今後とも担っていこうといったような生産者、そういった方々の組織化といったこと、あるいはまた経営基盤の強化といったようなことに向けまして、全体としての軽種馬生産の合理化を進めていく必要があるというふうに考えておりまして、そういうための事業実施したいというふうに考えております。また、ただ、その具体的な内容につきましてはそれぞれ生産者の御意見を伺いながら検討をいたしているというふうなところでございます。
  40. 小川勝也

    小川勝也君 産地もいろんな努力をしております。例えば国内でのパイが大きくならないということで外国に目を向けて、例えば韓国とかシンガポールに競走馬を輸出したり、頑張っているところであります。しかしながら、大変輸送コストが諸外国の例に比べて非常に高い、こういった悩みも抱えているところであります。あるいは、将来、中国が大変大きなマーケットになっていくだろうという大きな可能性もあります。  いわゆる輸出のコストをどう下げていくのか、あるいは輸送費に直接かかわらない周辺諸経費をどのように低く抑えていけるのか、あるいは今後大きなマーケットになっていく可能性のある対中国貿易ということに対してどんな取組があるのか。競走馬の輸出にかかわる諸点について、今後の可能性等についてお伺いをしたいと思います。
  41. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) やはり全体としての軽種馬につきましての国内需要の減少というものはやはり避けられないんだろうというふうに考えておりまして、ただいま委員からの御指摘のとおり、海外市場の開拓といったようなことによります需要の拡大、そういったことは大変重要な課題だろうというふうに考えている次第でございます。  ただ、やはりどうしても、現在も一部もちろん輸出もいたしているわけでございますが、量的に少のうございます。したがいまして、海外へのやはり競走馬の輸送費がどうしても高く付くということで、これにつきましては、例えば輸出頭数の規模でございますとか、相手国への輸送が定期便でコンスタントに行われていくのかどうか、あるいはまたチャーター便かというふうな違いもございますし、輸出国の物価水準といったようなこともあるわけでございます。したがいまして、やはり何といいましても、頭数規模が一定規模にまとまる、ロットが大きくなれば全体としての一頭当たりの輸送費の低減にも当然のことながら資するというふうに考えておりまして、そういう中で私どもといたしましても、競走馬の輸出促進、大変重要な課題ということで、実は平成十五年から十六年にかけまして、この二年間で緊急的な措置といたしまして、国内生産馬の海外への販路拡大のための調査あるいはまた日本の国内の生産馬の情報を海外に提供していくというふうな、そういう事業を実は今実施をいたしているところでございます。  したがいまして、今後、ただいまお話しのように、海外市場の開拓に向けまして、こういった調査の結果も踏まえながら、あるいはまた軽種馬生産農家の御意見も伺いながら、そういった需要の拡大、海外市場の開拓に向けまして検討してまいりたいというふうに考えております。
  42. 小川勝也

    小川勝也君 担当部署を中心にコスト面しっかりウオッチをしていただきまして、なるべくその輸出の環境が整備されるよう御努力をいただければと思います。  それから、馬主になっていただく方がこれは増えないと駄目なわけであります。昨年度でしたか、一部内容を変えていただきまして、今までよりも馬主になりやすくなったかと聞いています。それでもなかなか厳しいわけであります。新しい馬主を増やすためにどんなことが考えられるのか。  余談でありますけれども、例えば今日の新聞に衆議院議員の資産公開がなされておりました。資産というのは、土地、建物、株だけではなくて馬も資産になるんじゃないかと思いますので、少なくとも農林水産大臣を経験された方には馬主になってもらいたいなと、そんな思いも持っているわけでありますけれども、それは余談ですけれども。  馬主を増やすためにどんな努力が考えられるのか、方策が考えられるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
  43. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまのお話の馬主の要件でございますが、これはそれぞれ中央競馬会や地方競馬全国協会の規約に定められているわけでございます。  そこで、ただいま委員からもお話ございましたが、やはりその中には所得要件あるいは資産要件といったようなことで、年間のそういった所得が一定の水準に満たないといったような場合には、やはり調教師に競走馬継続的に預託するということでございますので、そういうことが難しいという場合にはやはりそういう馬主については登録が拒否されると、こういうふうなことになるわけでございます。  ただ、この経済要件につきましては随時見直しを私どももいたしておりまして、中央競馬におきましては、先ほどもお話ございましたが、所得要件のところ、個人の馬主の年間所得要件、二年間二千万以上を千八百万以上というふうなことに引き下げた、あるいはまた、資産要件につきましても一億四千万以上のところを九千万以上といったようなことで引き下げまして、そういった意味での所得要件、資産要件につきましては随時緩和をいたしてきておりまして、そういった意味での馬主の増加ということに何とか寄与したいということでございます。  また、やはり全体として馬主が減ってきておるといったようなことで、もう一つには公正確保というのは当然必要でございますが、やはり新しい形態の馬主といたしまして組合馬主といったようなことも平成十三年から導入をされているというふうなことでございます。  ただ、一方にはなかなか、欠格要件というのもございまして、これはやはり競馬というものが、公正確保というものが大変一つの大きなまた要件でございますので、そういった面から定められておるところはなかなか緩和することは困難と。しかしながら、ただいま申し上げておりますような、そういう経済要件等々につきましては可能な限り緩和をいたしまして馬主の参入、容易ということに努力しているところでございます。
  44. 小川勝也

    小川勝也君 答弁、一言でいいですけれども、税制についても引き続き頑張ってくれますか。
  45. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 税制につきましても、先般、先生方の御理解もいただいて改正をさせていただいたところでございますが、引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
  46. 小川勝也

    小川勝也君 あと、地方主催者側もいろいろ頑張っていると聞いています。今回の要件緩和で様々な工夫が地方主催者ができるようになろうかと思います。例えば上山競馬場では、だれだれさんの誕生日記念レースなんというようなこともやっておったよというふうに聞いています。  それはともかくとして、私はここを、想像するに、大相撲の懸賞金のようにもっと気軽に地域のスポンサーがそのレースにお金を出していただけるようなそんな工夫も地方によってはやったり、あるいは競馬とほかのイベントとのコラボレートとか、もっと主体性を持っていろんな努力が可能だろうというふうに思います。  ですので、その辺、決まりは決まり、法律は法律としてあるわけでありますけれども、地方の主体性をしっかり認めるような方向性で指導をしていただきたいわけでありますけれども、御答弁をお願いをしたいと思います。
  47. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 今回の法改正におきましては、それぞれやはり事業収支改善という観点からの規制緩和というのがあるわけでございます。そういう中で、やはり競馬実施に関する事務民間委託できるといったようなことで、そういう中ではやはり企業的な手法が運営に取り入れられるのではないかというふうに考えているわけでございます。  また、今後の運営に当たりまして、ただいまも委員からも御指摘ございましたが、そういった主催者の創意工夫ということで民間企業とのタイアップしたイベント開催でございますとかあるいは協賛レース、あるいはまたこういった競馬場を利用いたしました広告、民間的なそういったセンスを生かしました広報活動の展開といったようなことで、やはり規制緩和ということのもたらす効果といたしまして、競馬主催者のやはり自主的な事業展開ということにも大変資するものではないかというふうに考えている次第でございます。
  48. 小川勝也

    小川勝也君 時間がなくなってきましたのでちょっと慌ててやりますけれども、JRAも様々な形でコスト削減、あるいは一部リストラも進んできたというふうに聞いています。しかしながら、設備投資も大きかったものですから大変だろうというふうに思いますけれども、更なるJRAの経費削減についてもっと取り組んでいくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
  49. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) お話しのとおり、JRA、平成九年に四兆円の売上げを記録したわけでございますが、その後六年連続で前年売上げを下回りまして、直近では三兆一千億程度ということで、約八割の水準まで低下をいたしているわけでございます。そういったようなことで、平成十三年から抜本的に事業内容を見直しまして、大幅な経費削減に今取り組んできているところでございます。  この結果、十三年から三年間で約七百億円といったような相当な額の経費削減も行ってきたわけでございまして、全体の売上げの低下という局面におきまして何とか剰余の確保ということで最大限の努力を行ってきておる、相当の効果も上げてきておるということは評価できるんではないかというふうに考えているわけでございます。  ただ、これまではやはり対応が比較的容易な競馬開催費中心に今削減を進めてきたわけでございますが、今後売上げの低下が続くということであれば、施設の維持管理費等々なかなか削減が困難な経費につきましても削減に取り組む必要があるわけでございますので、なかなかそこのところは難しい面もあるのではないかと。しかし、やはり経費構造全体の見直しというふうなことで抜本的な取組が必要なのではないかというふうに考えている次第でございます。
  50. 小川勝也

    小川勝也君 最後に大臣に一言お伺いをするわけでありますけれども。  産地も大変であります、しかしながら、多大な貢献をしてきた日本の競馬システムでありますし、これは農業、産業、娯楽というよりも世界に共通するすばらしい文化でもありますので、何とか、厳しい中にあっても、やめるところはやめる、頑張るところは頑張る、そして変えるところは変える、工夫もする、努力もする、様々な形で新しい時代に向かって再スタートを切らなきゃいけない問題だろうというふうに思います。創意工夫、そしてフェアな競争社会、そしてレースを維持しながら、産地を中心とした競馬産業をしっかり守っていただく大臣の決意をお伺いをし、郡司さんにバトンタッチしたいと思います。
  51. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 今いろいろ御指摘もいただきました。今回の改正につきましては、やはり競馬主催者努力、また競馬主催者間の連携、さらには民間委託等々の取組を行うことによりまして事業収支改善、これを是非図っていただきたい。そういう中で、やはり今も局長から答弁いたしましたが、中央競馬会のいろいろの総見直しの問題、あるいはまた地方競馬におきましてはやはり財政再建の取組がこれで進められる、こういうところもあろうかと思います。  是非、そういう面で、今後とも私ども農林水産省といたしましても監督指導をしてまいりたいと。あわせて、ファン魅力あるものにする、また軽種馬生産の振興、このことも十分留意をして対応してまいりたい、このように考えております。
  52. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。  競馬法改正の質問に入る前に大臣にちょっと要望をしておきたいと思いますが、ここ数日来、BSEの牛肉買上げ事業に関しましてマスコミでいろいろ報道がされております。特に、大阪の食肉事業協同組合の副会長が逮捕されるということに及びまして、特定の政治家の名前が取りざたをされたりしております。さらにはまた、この逮捕された副会長と一緒に課長補佐、農水省の課長補佐の方が焼却場に一緒に出向いたとか、いろいろな報道がありますけれども、これは捜査の段階でございますから軽々に発言をすることは大臣の方も控えていらっしゃると思いますが、少し落ち着いた時点で、このことによってまたやっと落ち着いた農水省のBSE、牛肉に対するあるいは食の安全に対する国民の安心が揺らぐようなことがあってはいけないと思いますので、しかるべきときに大臣の方からしかるべく省内の、何といいましょうか、点検も含めて再度お願いをしたいなというふうに思っております。  競馬法関係について質問をさせていただきたいと思いますが、この法案改正の眼目、幾つかあると思いますけれども、一つは、いずれにしても、特に地方経営改善経営体質改善赤字の解消ということにもつながってくるんだろうというふうに思っています。その意味で実施事務委託制度の見直しがなされ、中央、地方連携ということになるわけでありますけれども、見方によりましては、中央で実際に地方の券を売るということにそれほど魅力があるんだろうか。また、逆な意味で、地方の方からすると中央に対する依存の体質が生まれて余り良い結果にはならないんではないかというような見方もあるというふうに聞いておりますけれども、農林水産省の方のお考えはどのようでございましょう。
  53. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘でございますが、やはり何といいましても、中央と地方との連携、協調というものは極めて重要だというふうに考えております。  これまでにも中央と地方との間で交流競走でありますとか、あるいはそれぞれの形での交流によりまして魅力あるレースの提供をやってきたわけでございますが、また現在でも地方競馬主催者が日本中央競馬会の施設を利用しまして、あるいはまた中央競馬会が、ただいまお話しのとおり、地方競馬施設を利用するといったようなことで相互に馬券発売を行っておるというふうな実態にもあるわけでございます。  今回の改正によりまして、お話しのとおり、相互の受委託が可能になるということでございますが、やはりその場合には、中央にとりましてもあるいは地方にとりましても、それぞれの発売網をやはり拡大するというふうなことでございます。そういったことでの売上げ増加ということは、これは十分見込めるのではないかというふうに考えております。  また現在、それぞれ相互に受委託ができないといったようなことでございますので、実態といたしまして、直接相手方の施設を借りて発売するというふうなことでございまして、職員が相手方の施設に直接出向きまして、それによりまして発売するという必要があるわけでございますが、これが受委託が可能になるということでありますれば相手方の職員に業務をゆだねるというふうなことになるわけでございまして、そういった意味で、事務の効率化を通じましてコスト削減が可能になるというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、私どもとしましては、中央、地方、双方に売上げの拡大、あるいはまたコスト削減による収支改善に寄与するというふうに考えておりまして、それぞれ競馬ファンへの利便性といったことも改善されるんではないかというふうに考えている次第でございます。
  54. 郡司彰

    ○郡司彰君 一言で結構でございますので、私冒頭申し上げました赤字解消もこの法改正の大きな眼目だという理解はよろしゅうございますか。
  55. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) おっしゃるとおりでございまして、経営収支改善ということが眼目でございます。
  56. 郡司彰

    ○郡司彰君 こういう「我が国の競馬をめぐる情勢」というものをいただきまして、読ませていただきました。三ページのところに、「単なる赤字解消のための支援は、中央、地方全体の経営の悪化を招来。」をするというような文言がございまして、私はこれは余り悪意に取らないで善意に取って解釈をしたいと思いますが、これだけ抜き出して読みますと、法の趣旨は、私は赤字解消のために最大限努力をするということでいいんではないかと思いますけれども、中央、地方連携は、赤字解消のため、悪化を招来をするというようなことがこの情勢に書いてありますが、これはどのように理解をしておけばよろしいですか。
  57. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 今、委員が御指摘になりましたのは、それぞれの、委員から御指摘ございました「単なる赤字解消のための支援」と申しますのは、今回のこの法改正のスキームということではございませんで、それぞれの、何といいましょうか、ストレートに中央から地方を支援するといったような形でのスキームのことをこのペーパーは述べておるわけでございます。  ただ、私どもが今回御提案を申し上げておりますのは単なる赤字解消ということじゃございませんで、それぞれの地方主催者経営改善努力をされるというために前向きの連携計画をされる場合には、それに対して施設整備、共同の場外施設でございますとか、あるいは共同のコンピューターの施設整備につきましての助成を行う、あるいはまた単独でリストラ計画を立てられまして、それによりまして単独でされる場合には交付金の一定期間猶予をいたしまして、それでもどうしても改善が難しいという場合にはその交付金を免除をいたしまして、それを撤退費用に充てていただく、そういうスキームを御提案を申し上げている、こういう次第でございます。
  58. 郡司彰

    ○郡司彰君 私の方もそのように理解をしたいというふうに思います。ただ、文字だけ勝手に動いてしまう可能性がありますので、御注意をいただければなということで質問をさせていただきました。  それから、いろいろなところにできるということで私人ということがあります。これも私は農水省の意図とはまるっきり違うだろうと思っておりますが、一部そういうような考え方もできるというようなことでお話をさせていただきたいと思いますが、元々、同じギャンブルだと言われる範疇の中に競艇というのがございまして、こちらは元々、何というんでしょう、民間なのか私人なのか、その辺の判断はちょっと私には分かりませんが、違う形態でやってきたところがございます。  今回の私人がという、あるいは民間がというような流れが出ておりますけれども、競艇のような形というのは、ちょっと言い方難しいんですが、今私は競艇の関係で大変問題がある実施になっている部分もあると思っておりまして、そのようなことと何か明確に違うんだ、あるいはそういうこともあるんだよということがございましたら教えていただきたいと思います。
  59. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 競艇の場合は施設民間会社が造るというふうに承知をいたしておるわけでございます。私どもはあくまでこれは主催者が造るわけでございまして、その販売の事務を私どもとしては民間委託をする、こういうふうに今回の仕組み上は考えているわけでございます。
  60. 郡司彰

    ○郡司彰君 次に、地方競馬における事業収支改善の促進について幾つかお尋ねをしたいと思いますが、これまで結果は残念なことながら廃場に至ったところが幾つか出ておりますけれども、今回の法改正につきまして、この廃場の教訓というのはどのような形で生かされ、どのような形で法案の中身になっているんでしょうか。
  61. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) お答えをいたします。  その前に、最初に御指摘をいただきました大阪の件につきましては、今あのような状況にありますので厳正に対処してまいりたいと、このように考えております。  また、今御指摘地方競馬廃止が続いておるわけでありまして、これは経済の発展、これに伴って成長してきたわけでありますが、近年の景気の低迷、こういうことで売上げが減少してきている、これが続いていると。地方競馬におきましては平成十三年度から十五年まで三年間に六団体が競馬事業廃止をする、撤退する、こういうようなことでございまして、これらコスト削減売上げ向上を図るという視点から競馬事務委託の範囲の拡大等、競馬実施の規制の緩和、また併せて地方競馬主催者間の連携、こういうことによりまして収支改善を図る、このような措置を講じておるところでございまして、これらによりまして地方競馬活性化のためにさせてまいりたいと、このように考えているところであります。
  62. 郡司彰

    ○郡司彰君 幾つか具体的な案が出されておりますけれども、三年間場合によっては猶予が、交付金の一部を〇・九%について猶予をすることができるというようなことが新たに盛り込まれまして、私、このこと自体は大変に有り難い改正の中身だなというふうに思っているわけでありますが、じゃ実際にどういうときにかということになりますとなかなか難しい。私は、そのようなときに至ったから三年間するというのは現実的にはちょっと難しいんではないかな、この趣旨が本当に生かされるんであれば、来年辺りから三年間どこの地方競馬場も一斉に猶予をして、それを積み立てておく方がよっぽど効果的ではないかというふうに思っていますが、どうなんでございましょうか。
  63. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまのお話でございますが、委員も御案内のとおり、地方競馬につきましての交付金、これは畜産振興業務のための交付金の交付、それから地方財政への貢献といったものがいわゆる競馬の刑法の違法性を阻却するといった実質的な根拠に実はなっているわけでございます。  そこで、今回、交付金猶予制度導入をいたしまして、地方競馬主催者事業収支改善を図ることにしているわけでございますが、これはやはり事業収支改善を通じまして将来における交付金の安定的な交付、それから地方財政への寄与といったことをねらっているわけでございまして、したがいまして、事業収支赤字である主催者をこの制度対象にしているところでございます。  ただいまの委員のお話のように、黒字主催者も含みますすべての主催者交付金猶予するということにつきましては、やはり主催者からの交付金を財源として、一つには財源として地方の畜産振興のための事業をやっているわけでございますが、この事業ができなくなるのではないかということ、あるいはまた一方には、黒字主催者につきましては、主催者自らの御判断によりまして黒字分を将来に備えた資金ということで積立てに回し得る、現に回しておられるところもあるわけでございまして、そういった意味から、黒字主催者までを含めましたすべての主催者交付金猶予するということは適当ではないんではないかと。  他方、今回の改正案によりましては、地方競馬主催者収支改善を図ろうとする場合には、一つには前向きの施設整備といったようなときには、地方競馬主催者からの交付金を財源とする補助を受けることができるというわけでございまして、そういった意味では、黒字主催者につきましても連携をする場合には連携の助成金を受けることができる、こういう仕組みになっているわけでございます。
  64. 郡司彰

    ○郡司彰君 説明をいただきまして、じゃ赤字のところだけはできるのかというようなこともお聞きをしたくなりますが、それ以外にも例えばブロック化実施される、計画される、そのようなところについては取りあえずそれを行うということが先になるんだろうというふうになりますが、このブロック化の具体化については、今ある十八のところすべてを網羅した具体化案が出されておって、なおかつ具体的にそれぞれの場において協議がされているんでありましょうか。
  65. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ブロック化につきましては、現在、大変連携が進んでいる地域、それから進んでいない地域それぞれあるわけでございます。例えば南関東の四場につきましては、集計用コンピューターも共同化されておる、あるいは開催日重複も完全に解消されておるといったようなことで、そういった意味での体制ができておるわけでございます。また、九州の佐賀と荒尾競馬場とそれから東北の岩手競馬といったようなことで地理的にも離れておりまして、離れておりましても販売面で密接に連携しておるといったような、一方では連携が非常に進んでおる例もあるわけでございますが、他方、まだまだこれから、話合いもこれからだというふうなことで、必ずしも委員のただいまお話しのように、全国がすべてブロック化できちっと、ブロック化に現在のところすべてがきちんと計画はされているということではございません。  ただ、いずれにしても、それぞれが地方競馬主催者はやはり、先ほど来お話をいたしております収益の分散化なり収益性が低いといったようなことをどう解消していくかという観点からは、やはりこのブロック化によりましてのコスト削減なり売上げ増加、あるいはまた共同の場外施設の整備といったようなことで、そういった意味での連携を模索しておるといったような動きも大変強うございまして、そういった動きを今回の私どもの御提案いたしております改正案によりまして後押しをしていく、弾みを付けていくというのがねらいでございます。
  66. 郡司彰

    ○郡司彰君 時間がありませんので少し別な角度から質問させていただきます。  先ほど局長は答弁の中で、もしそういう猶予が三年間になった場合、そのものについては撤退に要する費用に充てる、見舞金等も含めてというような話でございました。実際にそのような形になった場合には、これ総務省の関係するところが非常に大きくなってくるんではないかというふうに思いますけれども、総務省の方からもおいでをいただいておりますが、交付金〇・九%ですね、総務省としてはどのような使い方というふうに今お考えでございましょうか。
  67. 岡本保

    政府参考人岡本保君) 先ほど御答弁がございましたように、今回の法改正交付金猶予制度でございますとか、あるいは共同して行われます収支改善事業への支援とか、言わば競馬収支改善についての努力について地方団体からこれこれ要請があったものをすべてではございませんが踏まえ、今回いろんなそういう議論が行われているというふうに承知をいたしております。  したがいまして、私どもといたしましては、地方団体がいろいろやってまいりますそういう節減努力、その中でこの猶予制度なりを活用していくということが必要だと思っておりますし、そういう意味で私どもとしても各団体に働き掛けをやっていきたいというふうに考えております。
  68. 郡司彰

    ○郡司彰君 撤退に要する費用はかなり広義の意味も含まれてまいりますし、実際にどのような使われ方をするかがこの法案だけでは非常に不明なままになってしまうんではないかなという思いがしておりまして、例えば農水省、総務省の中でいろいろ協議、検討などをされながらでありますけれども、政省令に一定の割合等、あるいはこういう項目には間違いなく必ず使いなさいとか、そういうようなことを出されるような、検討するようなお考えはございますでしょうか。
  69. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 猶予いたしましたこの交付金撤退費用に充てる、充てることができると、こういうような規定になっているわけでございます。そこの使い方につきましては、それはやはりそれぞれの地方主催者方々の御判断によりまして、いろんな形での使い道があろうかというふうに考えているわけでございまして、それにつきまして、ただいまの委員のお話のように、政令等によりましてこれを規定をするというふうなことは考えておりません。
  70. 郡司彰

    ○郡司彰君 先ほど局長の方から見舞金という言葉が出されました。私はこの言葉自体が非常に好ましくないなというような思いでずっとこの廃場のところに行って伺ってきておりますけれども、例えば、労働債権という考え方からしても見舞金という言葉は使うべきではないんではないかというような考えも持っております。  そして、これまでの事例見ると、上山の方も十六日に解決をした見舞金の額は、例えば厩務員の方でありますと百七十万ぐらいということで決まったというような話も聞いておりますけれども、いずれにしても、何がしかきちんと何に使うんだということぐらいは決めておいていただかないと、せっかく作っていただいたものが、これは設備投資その他も相当なところで、一生懸命頑張るものですからやっております。結果として、終わったところで廃場になるようなことになると施設関係その他で使われるということにもなるわけでありまして、そこに仕事の場を求めていた人たちのところに本当に回っていくんだろうかというようなところを非常に心配しているものですから、改めてちょっとそのようなことを要請をしていきたいというふうに思います。  それから、ちょっとまた別な意味で、時間の関係で質問させていただきますが、この事業収支改善関係については民間手法も取り入れるんだということで、例えば岩手などはそういう成功をした例なんですよということの記述もいろいろ出ているわけであります。  しかしながら、この民間というような言い方をしてもどういうことなんだろうか。例えば、そこでそういう本来の職員の中から育成をしてそういう方を育てるということなのか、それから、トップハンティングのような形でもって、あるいはスカウトをするような形でもって関連する業態の業種の方から引き抜いてきて任に充てるということなのか。いずれにしても、農水省としてはどちらの方でもってこれからそのようなことを具体的に行っていこうとしているのかをお聞かせいただきたいと思います。
  71. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま民間的手法の導入というお尋ねでございますが、私どもそれぞれ地方競馬につきまして携わっております職員の形態をいろいろ見てみますと、三つぐらいのケースがあるわけでございます。一つには、ほとんどの業務を通常の異動の中で一般の行政の職員の方が行っているというケース、あるいはまた、主な管理業務につきましては一般の行政職員が行うけれども、それ以外の業務については競馬の専任の職員が行っているケース、あるいはまた、三つ目のパターンといたしましては、主要な管理業務を含めましてほとんどの業務を競馬専任職員が行っているケース、そういった形でそれぞれ主催者ごとに様々でございますけれども、経営内容がやはり比較的いい主催者の体制というものを見てみますと、やはり競馬事業に精通をいたしました職員の育成が進む、あるいはまた専任化をされておる、かつまたこういった職員の責任ある立場への任用が進んでおる、そういったケースが多いわけでございます。  したがいまして、やはりこの競馬事業につきましては、業務内容、一般行政とは大きく異なるわけでございますし、興行性も極めて高いといったような特色もあるわけでございまして、したがって高い専門性が要求されるというふうなことでございますので、また一方、独立採算が必須であるということで、企業的な経営センスも必要だというふうなことでございますので、やはり競馬に精通をしまして、かつ経営感覚に優れた職員の専任化を進める、また専任職員を責任ある立場へ登用するということが望ましいのではないかというふうに考えている次第でございます。
  72. 郡司彰

    ○郡司彰君 今のそのような考え方をお聞きをいたしまして、総務省の方にちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、農水省の考え方、それを実際に運営をする場合になると、これは総務省のかかわりというのは非常に大きくなってくるわけでございまして、今のような農水省の考え方、実際問題としてそれぞれ馬場を抱えている自治体等に対して指導、そういったものをなさっていただくというようなことの確認をさせていただければと思います。
  73. 岡本保

    政府参考人岡本保君) ただいまお話のございましたような農水省の考え方、それから私ども、正にその競馬施行しております目的でございます地方財政の安定的な運営という観点もございますし、その正に実際の現場で行っておられる地方団体のそれぞれの御事情もあろうと思いますので、そういう事情もよくお聞きすると同時に、また直接的所管でございます農水省のお考えもよく地方団体にお伝えをし、その事業が円滑にいくようにということで連携をしてまいりたいというふうに考えております。
  74. 郡司彰

    ○郡司彰君 この収支改善については、最後にやはり生産局長の方にもう一言言わせていただきたいなと思いますけれども、これまでの例えば中津もブロック化をやっている中で結果としては廃場になったようなところもございますので、このせっかく作っていただいた法案の趣旨が結局廃場になった場合には全然生かされていないというような形にならないように十分に注意をしていただきたいということをもう一度申し添えさせていただきたいと思います。  次に、関係者社会保険について、厚生労働省からおいでをいただいておりますけれども、社会保険、いろいろな種類がございます。それぞれ一方に入っていれば一方に入っていないという形のものも多いわけでありますから、そちらは今日はちょっと割愛をいたしまして、雇用保険に限ってお話をさせていただきたいと思いますけれども、十七、八あります地方競馬、中央の方はそれぞれ完備をされているというふうに思っておりますので、この現状どうなっていらっしゃるか、把握をしていらっしゃいましたらば教えていただきたいと思います。
  75. 新島良夫

    政府参考人新島良夫君) お答え申し上げます。  雇用保険法におきましては、労働者を雇用する事業は、農林水産業の事業の一部を除きまして、その業種、規模等問わず、すべて適用事業ということになっております。適用事業に雇用される労働者は、臨時内職的に雇用される者など一部の例外を除きまして、すべて加入していただくということになっておるわけでございます。  御指摘地方競馬関係でございますが、厩務員等の関係でございます。これにつきましては、雇用あるいは委託など形態にばらつきがあるということでございまして、我々といたしましては、実態を見まして、雇用関係が認められれば原則として雇用保険の被保険者になるというふうに考えております。
  76. 郡司彰

    ○郡司彰君 今の話も分からないことはありませんが、全国ほとんど同じような形での運営になっている中で、完全にそういう保険にも入っておりますよというところと、それから今おっしゃった中身に多分関係をするんだと思いますけれども、調べた結果なかなか加入が難しいという方々もいらっしゃるんでありましょう、一〇〇%になっていない馬場もある。  しかし、これ全然雇用保険の加入がなされていないのが、例えば騎手の方でいいますと十二ですか、厩務員の方でいいますと九の場があるわけでありますけれども、これらについては、今のような一般論としてではなくて、具体的にこの産業そのものが、今まだやっているように、今回の法律改正に伴うのが私はもう最後かなと、これによっていろんなことをきちんとやっていかなければ大変危ない産業になってきているんではないかという思いがありまして、この雇用保険の関係も先ほどの収支改善猶予の問題と同じ、見舞金と非常に関連があって、廃場になったところは実際に雇用保険に入っていない。このことによって大変な不利益を被ることが今までも出てきておりますので、これは一般論としてではなくて、農水省の方で調べていただいた調査票も多分お渡しをしておりますので、これは現実問題としてきちんと指導をしていただきたいと思いますが、いかがでありましょうか。
  77. 新島良夫

    政府参考人新島良夫君) 雇用保険の適用促進につきましては、都道府県の労働局あるいは公共職業安定所におきまして、事業説明会の開催であるとかリーフレットの配布、事業所の調査等を通じまして指導しているわけでございます。今後とも、御指摘のとおり、引き続き一層の適用促進に努めていきたいというふうに考えております。
  78. 郡司彰

    ○郡司彰君 是非強力に指導をお願いをしたいと思います。  それから、今日は雇用保険の関係に絞らせていただきましたが、例えば年金も、厚生年金、国民年金、いずれにも入っていないで全然無年金だというようなことに取られるような、どちらにも入っていないというような場もありますので、それらについても併せて指導の方をきちんとお願いをしたいというふうに思います。  それでは次に、のみ行為の取締りということがこの法案の中にも出されておりまして、今度は関係者馬券を買うことができますよというようなことになっているわけでありますが、実態、こののみ行為そのものがどういう規模、どういう金額にわたっているんだろうか、ちょっとその辺がはっきりいたしません。今日は警察庁の方の方にもおいでをいただいておりますけれども、こののみ行為の現状、どのようになっているか、お知らせいただきたいと思います。
  79. 吉田英法

    政府参考人吉田英法君) 競馬に係りますのみ行為の取締りについてのお尋ねにお答え申し上げます。  いわゆるのみ行為とは、公営競技主催者等正規に勝馬投票券等を発売できる者以外の者が公営競技に関して勝馬投票等類似行為をさせて財産上の利益を図る行為であります。  のみ行為の取締り状況につきましては、平成十五年中は九十六件、三百六人を検挙しており、そのうち競馬法に係るものについては二十九件、百二十一人を検挙しております。  警察といたしましては、今後とも公営競技主催者等と連携を図りながらのみ行為の取締りを推進してまいる所存であります。
  80. 郡司彰

    ○郡司彰君 件数、人数については分かりました。  私、ちょっとこれが、例えばどのぐらいの金額がそこでということになるとよく分からないんでありますが、その辺の把握というものはなされておるんでありましょうか。もし分かれば教えていただきたいと思います。
  81. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) のみ行為の金額でございます。これについての把握ということでございますが、実は一部推計というふうなことでお許しをいただきたいと思っておりますが、これは全体として売上げのおおむね一割程度というふうに言われているわけでございまして、また海外からのインターネットによる被害額というのもあるわけでございまして、そういったものを考慮いたしますと、中央競馬売上げは御案内のとおり今三兆円ということでございますが、現在のところ、中央、地方合わせまして三千億を超えるというふうに言われているわけでございます。
  82. 郡司彰

    ○郡司彰君 一割という数字に驚きまして、三千億ぐらいということになるわけでありますから、これは大変だなということになるわけでありますが、裏返してみると、やっている方は生半可に遊び半分でこれやっているわけじゃなくて、相当程度の覚悟を持ってやっているんじゃないかというふうに思いますね。そういうようなところに、調査というような形でもってこの農水省の関係する職員その他が、あるいは場の関係する方々が入っていってその調査をする、最後のところの警察庁その他に任されているような権限その他がなくて、本当に実効性があるんだろうか、逆にそれに携わる方々の身の安全等はどうなるんだろうかというようなちょっと心配をいたしますけれども、これ、専門の警察庁の方から見て、このような形の、権限が付与されない形で調査をするということに対してどのようなお考えでしょうか。
  83. 吉田英法

    政府参考人吉田英法君) いわゆるのみ行為に対しましては、警察は従来から競馬主催者と緊密な連携を取りつつその取締りに当たってきたところであります。  競馬法の一部を改正する法律が施行されました際には、改正後の競馬法第二十九条の二の規定に基づき、競馬主催者の職員が勝馬投票類似行為を行う場合においても警察は競馬主催者と緊密な連携を図ることとしており、これらの職員の安全にも十分配慮してのみ行為の取締りに当たっていきたいと考えております。
  84. 郡司彰

    ○郡司彰君 そうしますと、私どもの方でさらっと読んだ中ではそれぞれ独自に動くというような認識だったんでありますけれども、連携を取るというようなことだそうでありますから、その辺のところは、これに携わる方が身の安全が確保されるような、そして実効性が上がるような形でもって是非お願いをしたいなというふうに思います。  ありがとうございました。  それから、JRAとNARのことについて一般論としてちょっとお聞きをしたいと思いますが、このJRAとNARというような、日本におけますそういう二つの在り方、あるいはJRAそのものが日本の中で例えば実施、実はそのものをやっている、それから券を売るというようなことも併せてやっている、こういうような形態が、これ、ほかの国とほとんど同じなんでありましょうか、あるいは日本の国の独自的な成り立ち、形態なんでありましょうか、教えていただきたいと思います。
  85. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員のお話でございますが、やはりこれは世界各国でそれぞれまちまちでございます。  例えばイギリスでございますと、いわゆるジョッキークラブと言われます馬主の団体が競馬施行いたしておりまして、それを馬主が馬券発売するわけでございますが、さらにそれに加えまして、ブックメーカーと言われますかけ専門の業者も馬券発売するといったような形態もございます。また、フランスにおきましては、農業大臣が許可をいたしました公的団体が競馬施行する、また馬券発売はその施行者から委託を受けました公的団体が行っておるといったようなことで、それぞれ諸外国の中でも様々な形態があるわけでございますが、ただいまの委員の御指摘のように、我が国の場合は中央競馬それから地方競馬という二つの団体といいますか形態でやっているわけでございますが、こういった日本のような形でやっております例は海外には存在しておらないというふうに承知をいたしております。
  86. 郡司彰

    ○郡司彰君 日本独自の形態が悪いということには必ずしもならないのは当たり前の話でありまして、日本のこの形態を更に良いものにしていくということになるんだろうと思いますが、いろいろこの農水省の関連するものを読ませていただきますと、この二つの団体を一つにすることは決していいことではない、それは将来ともにわたって選択肢ではないんだというようなニュアンスのものが多いんでありますけれども、重ねてお伺いをしたいと思いますが、将来にわたって例えば地方競馬場の数がこのまま残っていけばよろしい、更に増えるようなことが、復活をするようなことがあればなおさらよろしいわけでありますけれども、残念ながら数が減っていくような形になった、一定の時点でそのようなことが続いた場合には、将来にわたってもこのJRAとNARというものの一本化という選択肢はないのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
  87. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) まず前提として申し上げておきたいことは、やはり今回の競馬法改正というのは地方競馬主催者のそれぞれの事業収支改善ということが主眼でございまして、全体として、委員もお話ございましたが、やはり今後ともしっかりとやっていただきたいということが目的でございますので、それぞれの地方競馬存廃ということにつきまして現時点で予断を持って申し上げるということはできないわけでございます。  ただ、委員からもお話ございましたが、やはり中央競馬地方競馬、それぞれ施行主体も全く異なるわけでございまして、中央競馬の方は、もう御案内のとおりでございます、国家財政に寄与しておる。地方競馬地方財政に寄与しておるといったようなこと。加えまして、それぞれ歴史的な経緯、成り立ちも違うわけで、それぞれがその成り立ち、経緯を踏まえまして共存をしてきているわけでございます。したがいまして、それぞれの各主催者の、現在十八の主催者がおられるわけでございますが、主催者の意向もございまして、中央競馬地方競馬を一本化するということは困難ではないかというふうに考えておる次第でございます。  また、委員からも将来のお話もあったわけでございますが、なかなかその将来のお話を、冒頭申し上げましたように、予断を持って申し上げるというわけにもまいらないわけでございますが、全体として収益が大変悪化をしてきております地方競馬中央競馬会というものを一本化するということは、やはり中央競馬会の経営もより一層圧迫するというふうなことにもなるわけでございまして、そういうことも、まあ仮定の話でございますが、適切ではないというふうに考えている次第でございます。
  88. 郡司彰

    ○郡司彰君 時間の関係で次に移らさせていただきます。  公取の方からもおいでをいただいております。厚生労働省からもこの関係についておいでをいただいておりますが、馬主会と厩務員労働組合の方の在り方に関しまして先ごろいろいろな本が出されております。その中で、時間の関係でもう御存じだと思いますので省かせていただきますが、公取の方に、十五年十二月十七日の口頭による回答というものがこの中に記載をされ、使用者性あるいは独禁法に関する記述がございますけれども、このことについてコメントをいただきたいと思います。
  89. 和泉澤衞

    政府参考人和泉澤衞君) お尋ねのございました相談でございます。相談主でございます日本馬主協会連合会から、馬主が厩務員に対し使用者性があるとした場合、馬主協会連合会が調教師会とともに厩務員の人件費について厩務員労働組合と団体交渉をするということは独禁法上問題があるかという相談がございました。仮にそのような前提があるとする場合には、独占禁止法上問題とはならないという回答をいたしてございます。  いわゆる一定の前提の下においてどうかという御相談がございましたので、その相談の限りにおいては独禁法上の問題は生じないという回答を申し上げたということでございます。
  90. 郡司彰

    ○郡司彰君 公取の方にもう一度お尋ねをしたいと思いますが、一般論としてお答えになった、そしてこれ常識的に言うと、口頭の回答ということはそれぞれ相互の信頼関係の中での話合いだというふうに思いますが、こういうものが一方的に表に出るということに関しては私は余り好ましくなかったんではないかなというふうに思いますけれども、そのことについて何かコメントがございますでしょうか。
  91. 和泉澤衞

    政府参考人和泉澤衞君) それは御相談をされた方のところ、当方が答えた内容というのは今申し上げたとおりでございますので、御相談をされた方においてそのお取扱いというものは、そのお立場等あろうかと思いますが、私どもとすればそれが正確に伝わるということが重要かと考えております。
  92. 郡司彰

    ○郡司彰君 厚生労働省にもお尋ねをしたいと思いますけれども、これは別な関係、調教師と厩務員の関係については昭和三十二年の十月の十八日にそのような形の内容が周知をされております、使用者性の問題についてですね。今回の、具体的に馬主と厩務員の間の使用者性ということについて、具体的に厚生労働省の方はどのような考えをお持ちでしょうか、認識をお持ちでしょうか。
  93. 大石明

    政府参考人大石明君) 労使関係法上とそれから労働基準法上で使用者の概念、若干異なりますので一概には申し上げにくいわけですけれども、一般的に申し上げまして、馬主というものがどういうものなのか、非常に個々具体的なケースがあるのではないかというふうに思っております。  労使関係法上のいわゆる使用者性につきましては、判断する権能を持っておりますのは行政機関としては労働委員会だけということもございますので、個々具体的に私どもとしてお答えしづらい部分もございますが、一般論として申し上げますと、馬主というものがまず個々の厩務員に対していろいろな労使関係上の基準、例えば労働条件を決める、賃金の支払、あるいは解雇等の関係、そういったところでどういった役割を果たしているかということによって個々具体的に決まっていくのではないかと、こんなふうに思っております。
  94. 郡司彰

    ○郡司彰君 農水省の方にお尋ねをしたいと思いますが、馬主さんというのは非常に見方によっていろいろになるわけでありますけれども、これ農水省の方からすると、これまでの慣行に照らしてどのようなふうにお考えかということ。  それから、全体、馬主の連合会というのはグループとしては中にあるんだろうか、外にあるんだろうか。まあ実際にはっきり分けるのは難しいと思いますけれども、どのような認識でございましょうか。  それから、いずれにしても、この産業のサークルの雇用形態というのが非常に日本の近代的な労使関係にはなじまないような形態を取ってきておりまして、このままでしばらくいく中でそれぞれの改善を目指そうとするのか、あるいは農水省として近代的な労使関係、労使形態に持っていこうというふうなお考えがあるのかどうか、時間の関係でまとめてお答えをいただければと思います。
  95. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまのお話の馬主の関係でございますが、馬主の、ただいまお話しのサークルといいますか、任意団体というふうなことでございます。  私どもとしても、それぞれが、ただいまもるるお話しございました調教師なり馬主さんなり、それぞれ厩務員なり、それぞれの直接の、何といいましょうか、主催者との雇用関係がない、あるいはそれぞれごとに例えば調教師さんが馬主と預託契約あるとか、あるいは厩務員は調教師の指導監督の下にやっておるとか、それぞれの労働関係がそれぞれあるわけでございまして、私どもとしても、全体として、委員からもお話るるございましたが、全般として健全な労使関係というものは構築されるということは必要であろうというふうに認識をしているわけでございますが、私どもとして、雇用関係そのものについて私どもが申し上げるということは直接的にはないというふうに理解しておりますが、競馬開催の公正確保ということに影響が及ぶということになりますれば、私どもとしてもその点について適切な指導は必要だというふうに考えている次第でございます。
  96. 郡司彰

    ○郡司彰君 最後に、ちょっと時間がなくなりまして質問を全部することができなくなりましたが、大臣、ちょっと通告がないようなことで恐縮でございますが、競馬売上げは減っているんだそうでありますけれども、実は馬に乗ってみたいというような人口は増えているんだそうでございます。そういうようなことから、何とかうまく底辺のところで馬そのもの楽しみとするような人たちが結び付くようなことを農水省としても考えていただきたいなということ。  それから、先ほど大臣の方はハルウララの話がございましたけれども、つい最近の映画で「シービスケット」という映画がございました。これは騎手の方と競馬の馬の物語で、大変に感動したいい映画だったようなことで見させていただきましたが、是非大臣も、そのもし映画を見る機会がございましたら見ていただきまして、それで、ギャンブルの面、それから国と地方にそれぞれ寄与するというような目的はもちろんなんでありますけれども、馬そのものを生活の中で楽しむというようなことについてもう少し御尽力をいただければということを申し上げて、もしコメントございましたらいただいて終わりにしたいと思います。
  97. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 日本中央競馬会におきましても、勝馬投票券発売と、これだけでなしにいろいろの馬術競技等につきましてもいろいろやっておりますし、また、競馬場に行きましても、あの中で子供さんたちが競馬、馬に親しむようないろいろの施設等もお造りになっておるわけでありまして、やはりそのような一般ファンへの馬に対する、試乗であるとか、馬事公苑の馬術大会等々、いろいろ競馬売上げというものをそういうところにも使って振興を図っておるわけでありまして、やはりいろいろそのように乗馬人口が年々増加の傾向にあると、こういう面で国としても、やはり中央競馬会を通じましてそのような活動に理解をしていただき、支援をしていただくと、また、私ども農水省といたしましてもそのようなことができるような努力をしてまいりたいと、こう思っております。
  98. 千葉国男

    千葉国男君 公明党の千葉国男でございます。  競馬法の一部を改正する法律案についてお伺いをしたいと思います。  今回の競馬法改正平成三年以来十三年ぶりの改正となるわけですが、近年、中央競馬及び地方競馬ともに売上げは減少し、特に地方競馬では、平成十三年度以降、競馬事業から撤退する主催者が出てくるなど、大変厳しい状況となっております。  そこで、農水省といたしまして、この競馬の在り方に関してこれまでどのような検討をなされてきたのか、大臣にお伺いをいたします。
  99. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 我が国の競馬、これまで我が国の経済の発展、これに伴いましていろいろ伸びてきたわけでもありますが、今日、近年の景気の低迷、こういうことで、先ほど来お話し申し上げておりますとおり、平成九年をピークに減少し、また地方競馬におきましては十三年以降六団体が競馬事業から撤退をすると、こういうようなことであるわけでありまして、地方競馬の再構築を図るために研究会やあるいは懇談会を開催をし、いろいろ議論をしてきたところでもございます。  地方競馬のあり方に係る研究会、あるいはまた地方、中央を通ずる競馬の抜本的な改革を含めまして、我が国の競馬のあり方に係る有識者懇談会、こういうものを実施をいたしまして、いろいろ報告書もちょうだいをしてきたわけであります。競馬実施に係る規制緩和、あるいはまた勝馬投票法の追加等を内容とする競馬法改正を今回提出をしておるところでもございます。
  100. 千葉国男

    千葉国男君 我が国の競馬は、スポーツとして、また公営のかけ事として、広く国民に親しまれており、健全な娯楽として定着してきたのではないかと思っております。  大臣競馬の役割について、基本的にどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  101. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 我が国の競馬の目的、一つは、国及び地方公共団体の財政への寄与、また二点目といたしましては、馬の改良増殖その他の畜産の振興、三点目といたしましては、国民への健全な娯楽の提供、こういうことがあると、このように認識をいたしております。  この競馬事業の目的を今後も達成できるように、競馬主催者事業収支改善の支援等を図るために、今回この法案を提出をしたところでもございます。
  102. 千葉国男

    千葉国男君 今、大臣から、この競馬が畜産業の振興に貢献してきた、こういうお話がございましたけれども、この競馬からの収益により畜産業の振興に貢献してきた、どこまで貢献してきたのか、これまで競馬からの収益がどのような仕組みで畜産の振興に貢献してきたのか、お伺いをしたいと思います。
  103. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘のとおり、競馬収益によりまして畜産振興が図られているところでございます。  具体的に申し上げますと、日本中央競馬売上げの一〇%、それから剰余金の二分の一につきまして、これを国庫納付するということでございまして、例えば平成十五年度で申し上げますと、三千百八十億円のものが国庫納付をされているわけでございます。それから、その四分の三が畜産振興事業等に必要な経費に充てるというふうにされておりまして、国の一般会計予算の中から畜産振興のために必要な事業ということで、毎年予算化をされているところでございます。  また、日本中央競馬会の剰余金の一部は、国の事業を補完する形で畜産振興のための助成事業実施に充てられているということでございますし、さらに、地方競馬売上げの一部は、地方競馬全国協会を通じまして地方の畜産振興のための事業として活用されているということでございます。  したがいまして、ただいま申し上げましたとおり、競馬売上げによりましてそれぞれ我が国の畜産業の発展のために大きく貢献をしてきておるというふうに考えている次第でございます。
  104. 千葉国男

    千葉国男君 競馬が国民に大衆レジャーの場を提供してきたところでありますが、競馬の大衆化を図るためには競馬場への女性の来場者を増やしていくことが非常に大切ではないかと私は思っております。特に中央競馬において女性の競馬場への来場の現状はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
  105. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) まず、全体としての中央競馬におけます来場者数でございますが、平成八年にピークでございまして、千四百十二万人でございました。これがこのところ年々減少をしてきておりまして、平成十五年には八百五十一万人というふうに減ってきているわけでございます。  その中で、女性の来場者数につきましても、平成六年までは徐々に増加をしてきておったわけでございますが、ただいま申し上げましたとおり、全体の入場者数の減少に伴いまして減少に転じてきてはいるわけでございます。しかしながら、来場者数、この全体に対します女性の来場者数の割合を見てみますと、過去は五、六%でございましたが、平成二年以降は一〇%を超えるような、そういう水準になってきておりまして、全体の入場者数が減少する中にありましても女性の割合はほぼ一割水準、現在一二%を超えるような水準でございますが、その水準を維持しているというところでございます。  委員もお話しのとおり、ファンの拡大を図るというためには、女性のやはり入場者の増加を図るということが大変有力な手段というふうに考えておりまして、女性が親しみやすい、清潔で明るい施設造りでございますとか、あるいは子供の遊戯施設、緑の広場、そういった整備によりまして、女性を含めました幅広いファンが来場しやすい環境づくりということが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  106. 千葉国男

    千葉国男君 今、競馬場への来場者、特に女性の来場者を多く来ていただくための努力をこれからも是非続けていただきたいと、こう思っております。  逆に、近年の競馬売上げを見ると、中央競馬においては平成九年のピーク時に比べて八〇%の水準にまで売上げが減少したと。さらに、地方競馬においては平成三年のピーク時の半分の水準まで売上げが減少しているわけでありますが、このように競馬売上げが減少している原因について、どのように考えているんでしょうか。
  107. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) お話しのとおりでございまして、やはり、中央競馬につきましては九年がピーク、また地方競馬につきましても平成三年度をピーク売上げが減少をしてきているわけでございます。  ただ、元々、我が国の競馬は、戦後しばらくの間は賭博という、そういう側面が強うございまして大変悪いイメージがあったわけでございますが、その後、主催者もそれぞれ努力をいたしまして、清潔感のある施設整備、あるいは公正確保の努力、あるいはまたスターホースの登場といったようなことで、健全な娯楽ということで広く国民に受け入れられてきたのではないかと。また、女性あるいは、先ほどもお話がございました女性あるいは青年層の参加も増えたということで順調に伸びてきたわけでございますが、ただいまのようなことで売上げが減少をしてきているわけでございます。  この原因ということでございまして、なかなか一概に申し上げるのは難しいわけでございますが、やはり総括して申し上げますと、いわゆる景気後退、バブル景気後の景気の低迷ということが一つ大変大きな原因ではなかろうか。それからもう一つとしましては、やはり全体として、生活や趣味の多様化といったようなことで、いろんな楽しみ方が出てきたと。競馬だけではない、いろんな様々な娯楽が出てきたのではないか、そういった多様化影響ではないかというふうに考えている次第でございます。
  108. 千葉国男

    千葉国男君 売上げの減少等、現在競馬が抱える問題点を解決するために、今回提出された法律案において、どのような考え方に基づき、どのような対策を講じようとしているのか、お伺いしたいと思います。
  109. 福本潤一

    大臣政務官福本潤一君) 御指摘のように、現在、売上げの減少、続いております。この状況を踏まえまして、コスト削減売上げ向上を図るという観点から、競馬実施に関する規制を緩和するということをこの法律で提案させていただいております。  具体的には、競馬主催者が自主的に事業収支改善を行える範囲を拡大する。そのため、中央競馬地方競馬勝馬投票券発売事務等の相互受託委託、これを可能とする措置を行い、事務の一部を私人委託できるようにする措置等を講じておるところでございます。また、地方競馬主催者事業収支改善に資するための措置といたしまして競馬連携計画、これを複数の地方競馬主催者が共同で作成いたしまして、農林水産大臣の認定を受ける、このことによりまして当該計画に基づく事業につき地方競馬全国協会の補助を受けることができるようにする、こういう措置を講じているところでございます。
  110. 千葉国男

    千葉国男君 地方競馬対策についてでありますが、特に地方競馬においては平成十四年度の単年度収支を見ますと、四主催者以外はすべて赤字となっているわけであります。これらの地方競馬主催者収支改善するため、主催者間の連携を促進させることが重要であると、こうしているわけですが、この連携を通じてどのような効果が期待できるのか、お伺いをしたいと思います。
  111. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 委員指摘のとおり、今現在十八の地方競馬主催者があるわけでございますが、四つの主催者を除きましては赤字ということでございます。  そこで、その理由としましては、やはり地域が限定されておりまして、それぞれの地方競馬のみで自場完結的な競馬施行ということでございます。したがいまして、この主催者間の開催日日程調整も進んでおりませんし、開催日重複をいたしておりまして、したがってその結果、収益が分散化をされる、あるいはまた収益性が低いという状況にあるわけでございます。  そこで、ただいまもお話ございましたが、主催者連携をいたすことによりまして開催日調整を行う。したがって、日程重複を避けまして、したがいまして、休んでおります主催者開催中の主催者馬券を売るということによりまして、開催日当たり売上げ増加していく。また、コスト削減ということも図れますので、そういったことを通じまして収益性改善が可能となるというふうに考えております。  また、一方では、この連携をするということによりまして、馬券集計システムといったコンピューターシステムがございますが、これを一元化をしていく。あるいはまた、馬券売場、場外馬券売場などを共同で、地方主催者で共同で設置をする、施設共同化していくといったようなことによりまして固定費を削減していく。さらにはまた、開催の職員でございますとか、あるいは厩舎関係者、それから、ひいては競走馬と、そういったものも共通化を図っていくといったようなことでコスト削減が可能になるというふうに考えているわけでございます。  その結果、優れた競走馬でありますとか、あるいは騎手といったものもそれぞれ確保も可能になるというふうなことで、競馬レースそのものの質の向上も図られるのではないかというふうなことでございまして、大変この連携なりブロック化というものは今後の収支改善というもので大変有効な手法であるというふうに考えております。  具体的に申し上げますと、いわゆる南関東の四場は大変に連携が進んでおりまして、それぞれ開催日重複が完全に解消される、またそれぞれ休んでおります休催中主催者開催中の主催者のすべてのレース発売する、そういう体制が、コンピューターの一元化も含めまして、でき上がっているわけでございます。  したがいまして、先ほど委員からお話ございました黒字主催者は四主催者あったわけでございますが、そのうちの三主催者南関東主催者だったというふうなことでございまして、したがいまして今回の改正によりまして、こういった連携計画策定、それに対する支援というものを御活用いただいて、それぞれ事業収支改善の御努力をいただければというふうに考えている次第でございます。
  112. 千葉国男

    千葉国男君 今、連携の問題ありましたけれども、競馬連携計画を共同で作成し、農林水産大臣が認定した場合には連携計画に基づく事業について地方競馬全国協会の補助を受けることができると、こうなっております。  先日、私たち農水委員会で九州の佐賀県の競馬場組合、視察させていただきました。また、近くの荒尾競馬組合等がありますが、今もお話が出てきました東北の岩手県の競馬組合との連携が進められているわけであります。  そこで、この連携に対して、支援措置としてどのような事業対象に補助を行うことができるのか、お伺いをしたいと思います。
  113. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) お話しのとおり、連携計画を共同で作成する、それに対しまして大臣の認定を受けた場合には助成が受けることができると、こういうふうな仕組みになっているわけでございます。  ただいま、佐賀と荒尾との御視察をいただきまして、その連携のお話も出たわけでございますが、私ども、やはり具体的に現在それぞれの地方競馬主催者方々からの御要望をいろいろ伺っているところでございますが、一つといたしましては、やはりこの馬券を集計すると、これのための集計システムというものがそれぞれの各場ごとにこのシステムを設置をいたしますと、それぞれごとにこの減価償却なりランニングコストというのが掛かるわけでございます。したがいまして、そういったこの集計システムのこと、これはトータリゼータシステムと呼んでおりますが、この共同の馬券集計システム、これをこのコンピューターを一元化をするというのが大変一つの大きなコスト削減方策になるのではないかということで、そういう事業一つには想定をいたしているわけでございます。  それからもう一点は、やはりそれぞれで、それぞれごとに場外の馬券売場を設置をいたすということになりますれば、それはそれでそれぞれごとにやはりコストが大変かさむわけでございます。したがいまして、その場外馬券売場をそれぞれ共通のものに、共同の設置というふうなことでの施設整備を行いますれば、またそれはそれでコストとしては非常に削減ということになるわけでございます。  そういった意味で、コンピューターの共同化なり共同の場外馬券売場の設置といったような施設整備というものがただいまお話しの連携の具体的な事例ということで考えられるわけでございます。
  114. 千葉国男

    千葉国男君 関連で、今、連携ができやすいところはいいんですけれども、他の主催者連携が困難な地方競馬主催者も現実にはあるんではないかと、こういうふうに思います。そうした場合、この連携がなかなかできにくい地方競馬主催者事業収支改善を行う場合に当たって、今回の法律案ではどのような支援措置を講じているのでしょうか。
  115. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまお話しのとおり、他の主催者との連携を図り難い場合、その場合にはやはり単独で収支改善計画、いわゆるリストラ計画を立てるというふうな形になろうかと思いますが、そういった主催者の方につきましては、その事業収支改善計画を作っていただきまして、それに対しまして、本来でありますれば地方競馬全国協会の方に交付金というものを交付をいただくわけでございますが、これを三年間、一定、三年間以内でございますか、一定期間のその交付金の交付を猶予するといったようなことで、その交付金の交付を猶予することによりましてその期間内に事業収支改善のための取組をしていただくといったようなことで、そういうことを通じまして、そういった単独で収支改善を図ろうという主催者方々にはそういった意味での支援措置というものを考えているところでございます。
  116. 千葉国男

    千葉国男君 残念ながら、撤退した競馬場もあるわけですけれども、この撤退した主催者にとっては、撤退に伴い競馬関係者に対する見舞金等の費用が一時的に必要であり、これが実際は財政的に大きな負担となっているわけであります。  今回の法律案では、競馬場からの撤退に伴う必要となる費用に対し、どのような支援措置を講じようとしているんでしょうか。
  117. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員からのお話でございます。  やはり、地方競馬、これは地方公共団体が主催者ということでございまして、競馬事業からの収益地方財源に充てるということでございまして、やはりそれぞれの地方競馬主催者方々が自らの発意で実施をされるということでございますので、この競馬事業継続あるいは撤退につきましても、それぞれの主催者である地方公共団体が自らの御意思によってまず判断されるというふうに考えているわけでございます。  そこで、今回の改正案によりましては、その地方競馬主催者事業収支改善を促進するということで、先ほども申し上げましたが、一号交付金の方を猶予をするという制度を設けたわけでございます。  ただ、これによりましても、委員からもお話ございますとおり、やはり猶予交付金猶予を受けまして事業収支改善に向けて様々な努力をいただく、そういった取組を行っていただいても、なおやはり事業収支が十分に改善しない主催者というものも出てくるということも想定がされるわけでございます。その結果、万やむなくこの競馬事業から撤退をされるという場合には、この猶予をいたしました交付金を免除をするというふうにいたしておりまして、その猶予、免除いたしました交付金につきましては、それぞれ主催者の御判断で、主催者撤退をされると、そういったことに要する経費に充てることができるという形で措置をいたしているところでございます。
  118. 千葉国男

    千葉国男君 競馬事業の企業的な経営としての側面を踏まえて考えますと、競馬主催者が自らの創意工夫により事業収支改善を行うことが大切だと考えております。また、多くのファン競馬場に足を運んでもらうためには、地域の特色を生かした競馬を行うべきであると考えております。  そのため、競馬主催者が、今もお話ありましたように、事業収支改善を行うと、このことが大事なんですが、そのための壁となっている様々な規制がありますが、今回の法律案においてどのような規制緩和を行おうとしているのか、教えていただきたいと思います。
  119. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま委員からのお話のとおり、やはり一つには、競馬主催者、やはり自主的に事業収支改善を行っていただく、その範囲を拡大するということが必要であるわけでございますが、さらに、やはり特色ある競馬ということで、そこのところが規制があってなかなかできないといったことに対しましては、規制緩和というふうな措置も今回組み込んでいるわけでございます。  その一つといたしましては、中央競馬地方競馬馬券発売といったことを、そういった事務があるわけでございますが、そういった馬券発売あるいは払戻しといった事務、そういった事務を相互に受委託ができると、そういう措置も考えておりますし、あるいはまた、そういった競馬に関する事務民間委託することができるといったような、そういう措置も、そういう規制緩和、考えているわけでございます。  またさらに、やはり商品を充実させるという意味からいきますと、新しい、新しいといいますか、重勝式馬券といったような、ファン魅力のあるようなそういう新たな馬券というものも導入をしていく。さらにはまた、これまで購入制限ということで、未成年に加えまして、学生生徒馬券購入できなかったというふうな、できないということになっているわけでございますが、やはり社会情勢の変化も踏まえまして、そこのところを未成年のみを馬券購入制限対象にするといったようなことで、新たなファンにも競馬場に足を運んでもらいやすくするという措置でございますとか、あるいはまた、現在入場料というものを徴収することにしておるわけでございますが、例えばいろんな、敬老の日でございますとか、いろんなそういう特定の記念日には入場料を徴収しなくてもよいと、そういった措置を講ずるといったようなことで新たなファンにも競馬場に足を運んでもらいやすくするといったような、様々な規制緩和でございますとか、措置を考えているわけでございまして、そういったことによりまして、ただいま委員からも御指摘ございました特色ある競馬を行うことができると、そういったようなことに考えているわけでございます。
  120. 千葉国男

    千葉国男君 競馬事業は公平性それから公正性を確保することはもちろん必要でありますけれども、先ほどから言われているように、民間経営手法の導入も必要であると、こう思っております。そういう意味で、コスト削減のための努力、工夫、これが続けられることも大事であると、こういうふうに思います。  その意味におきまして、同じ公営ギャンブルでも競輪事業等においては二年前に法律改正が行われまして、発売事務については私人への委託が可能になっております。そういう意味で、競馬事業においても民間経営手法を積極的に導入する観点から、馬券発売事務などを私人委託をする、委託可能とすることが必要であると考えております。  今回の法律案では、私人委託できる事務委託できる相手方についてどこまでの範囲を考えているのでしょうか。
  121. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員のお話のとおり、やはり競馬主催者コスト削減、あるいはまた民間のノウハウの活用といったようなことによりまして競馬ファンへのサービスの向上ということが一つの大きな課題になっているわけでございます。そんなことで、今回の改正によりまして、競馬実施に関する事務をいわゆる民間委託できるように、そういうふうに今考えているわけでございます。  そこで、事務といたしましては、これは具体的には政令で定めることになるわけでございますが、一つには、やはり大きなものとしましては、馬券のやはり販売それから払戻しといったような事務をこの民間委託するといったようなことによりましてコスト削減ということが図られる、また、その競馬の場内あるいはまた場外の取締りでございますとか、あるいはまた警備、こういったようなことにつきましても、可能なものにつきましては民間委託できるように規定するといったようなことを想定をいたしているわけでございまして、そういったような形を通じまして、コスト削減でございますとか、あるいはまた民間のノウハウの活用といったようなことでサービス向上にも資するといったようなことを考えているわけでございます。
  122. 千葉国男

    千葉国男君 法案からちょっと外れますが、昔に比べて馬に触れる機会が少なくなっており、競馬事業の振興だけでなく、馬に慣れ親しんでもらうための乗馬やオリンピック競技となっている馬術等の普及も必要なのではないかと思っております。  そういう意味で、中央競馬場ではどのような乗馬等の普及活動を行っているのか、お伺いしたいと思います。
  123. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 日本中央競馬会は、いわゆる馬券発売だけじゃございませんで、中央競馬会法にも規定がございますが、馬術競技を含めまして競馬の健全な発展を図るために必要な業務を行うというふうに規定がされているわけでございます。  現に中央競馬会におきましては、それぞれの競馬場に設置をされました乗馬施設を近隣の青少年に開放いたしておりまして、例えば平成十五年では約、全国で十三万人が、一年間でございますが、利用しておるという実績もあるわけでございます。  また、馬事公苑、こういった施設も利用しまして、様々なホースショーでございますとか、あるいは馬に親しむ日といったようなことで一般の方々に馬と触れ合う機会を提供しておるといったようなこと、あるいはまたいろんな競馬場への来場ファンに対するサービスとして様々なイベントといったようなこともやっているわけでございます。  またさらに、全国レベルでの馬術大会それから共進会、そういったようなことの後援も通じまして馬術の振興、さらには馬術の競技団体あるいは乗馬振興団体への助成を通じました馬事振興といったような形での馬事振興施策ということもやっているわけでございまして、私どもとしましても、中央競馬会と連携を図りながら、今後ともその馬事の振興ということは努めてまいりたいというふうに考えております。
  124. 千葉国男

    千葉国男君 このような乗馬等の普及や競馬場の飼養管理に伴いまして馬ふんの処理につきましては環境対策の観点から適切に行われていることが重要だと考えております。競馬場等の競走馬の馬ふん処理の実態はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
  125. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 馬ふんについてでございます。中央競馬競馬場全国十か所あるわけでございますが、ここから排出をされます馬ふんにつきましては、この競馬場周辺の農業協同組合、そこにございます堆肥のいわゆる生産組合といったところに無償で提供されておりまして、その組合の責任の下で適切に処理をされまして、それぞれ周辺の農家に、農家の農作物の生産に活用されているというふうな実態にあるわけでございます。  それから、中央競馬会は競馬場のほかにいわゆる競走馬の調教を行いますトレーニング施設というものが全国で二か所、美浦と栗東とあるわけでございますが、このトレーニング施設におきましてはやはり大量の馬ふんが排出されるということでございまして、このトレーニング施設の中に、施設内に堆肥の処理施設を設置をいたしまして、そこのところは適切に処理をしておるという実態にあるわけでございます。
  126. 千葉国男

    千葉国男君 次に、PRについてお伺いをしたいと思います。競馬の競技においては競走馬や騎手が主役であります。こうした競走馬や騎手を題材にした広報活動を積極的に展開して、競馬が持っている独自の魅力をもっとPRしていくことが重要ではないかと思われます。こうした観点からも競馬振興も必要ではないかと考えておりますが、国として今後どのようなPR活動に力を入れていくのか、お伺いをしたいと思います。
  127. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) やはり私どもとしましても、競走馬なり騎手というものは競馬の持つ最も大きな財産だというふうに考えておりまして、そういったことをテーマにいたします広報あるいはまたファンサービスというものを展開するということは大変に競馬を振興する上で重要なことだというふうに認識をいたしておりまして、そういった観点からも主催者を指導しているところでございます。  ただいまお話ございましたようなPR活動につきましては、やはりその主役であります競走馬あるいは騎手といったことに着目をいたしました広報あるいはPR活動とそれぞれの主催者においてこれまでも実施をされてきたところでございますが、それぞれ各主催者によって異なるわけでございますが、もう先ほど来お話も出ておりましたが、地方競馬におけますあのハルウララの広報活動でございますとか、あるいはまた中央競馬におきましても平成十二年から実施を実はしておりますが、テレビのコマーシャル等々を通じまして、競走馬あるいは騎手に着目をいたしましたテーマ、一つのテーマを設けまして、そういう広報活動もやっているわけでございます。  いずれにいたしましても、やはりPRとしましては、この競走馬あるいは騎手といったことを題材にしましたそういう広報が非常にファンにも訴えるという力もございますし、そういった意味で競馬の持つ魅力のPRにつながっていくんではないかというふうに考えている次第でございます。
  128. 千葉国男

    千葉国男君 今もお話に出てきましたけれども、ハルウララ効果ですが、これまでの競馬ファンとは違った人々をファンとして獲得し競馬を盛り上げた良い例が高知競馬のハルウララではないかと思っております。ハルウララ現象は競馬が単なるギャンブルではなく、老若男女を問わず競馬競走馬に対する愛情や親しみを感じることができる娯楽であることを大きく示してくれたのではないかとこう思っております。  最後に、このようなハルウララ人気をどのように受け止めているのか、お伺いをしたいと思います。
  129. 福本潤一

    大臣政務官福本潤一君) ハルウララブームにつきましては、厳しい状況の高知競馬が振興策の一環としてあらゆる媒体を活用いたしまして情報発信を積極的に行ってきた成果であると考えております。例えば、地元高知新聞の報道を始めNHKの全国放送等、数多くのマスコミが取り上げましたし、先日の武豊騎手が乗ったときに十着、さらに四月十八日のレースで先ほどありましたように百七連敗という状況が報じられたところでございますが、このハルウララブームによりまして全国の老若男女が競馬を認識して親近感を寄せるようになったと考えております。また、連戦連敗の馬、人は思うようにいかない人生の、自分も含めて人生の哀愁を重ね合わせて共感したり、あるいは望みを託しているのではないかと思われますし、負けてもひたむきに走る姿は多くの国民に勇気と感動を与えていると思います。  今後とも、あらゆる努力を講じまして、全国民に対してきめ細かな競馬に関する情報を提供し続けることが重要というふうに考えておるところでございます。
  130. 千葉国男

    千葉国男君 終わります。ありがとうございました。
  131. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      ─────・─────    午後二時三十分開会
  132. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) ただいまから農林水産委員会を再開をいたします。  委員異動について御報告をいたします。  本日、信田邦雄君及び市田忠義君が委員辞任され、その補欠として今泉昭君及び小泉親司君が選任されました。     ─────────────
  133. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 休憩前に引き続き、競馬法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  134. 紙智子

    紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。競馬法の一部改正について質問いたします。  本案では、第一に規制緩和競馬実施事務を中央そして地方競馬間で委託できるようになったわけです。あわせて、私人、つまり民間にも委託できるようにすると。それで、政令で定める民間でできる中身については、今日の午前中の討論の中での答弁にもありましたけれども、発売、払戻し、それから場内の取締りや警備などということでのお答えがありました。  言うまでもなく、国営競馬とも言える中央競馬会が扱う発売、払戻しの事務というのはやはり業務の根幹だと思うんですね。扱うお金は公金ということです。本来、直接の雇用者が扱うのが筋だというふうに思うんです。地方自治法でも、特別の定めがある場合を除いて、公金の徴収、収納、支出の権限を私人委託してはならないというふうにしています。唯一、賭博、富くじ販売禁止の例外である公営競技という性格、しかもこの公金の扱いと。この業務がなければそもそも競馬事業が成り立たないということですけれども、今まで直接雇用としてでなければ行えないとしてきた理由、その意義といいますか、それはどこにあったんでしょうか、お答え願います。
  135. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 委員の御指摘でございますが、お話しのとおり、これまで競馬実施に関する事務につきまして、都道府県又は指定市町村から、いわゆる地方競馬主催者でございますが、他の都道府県又は市町村に委託することはできるということになっておったわけでございますが、私人への委託については認めてきていなかったところでございます。  これにつきましては、競馬法上、競馬主催者を限定している趣旨委託先の範囲の拡大の必要性等勘案いたしました結果、地方競馬主催者から地方競馬主催者と同質の地方公共団体につきまして委託を認めてきていたものでございます。  一方、最近の我が国の競馬状況をごらんいただきますと、中央競馬地方競馬ともに大変に厳しい状況にあるわけでございます。そこで、公正確保に一方では配慮をしながら、私人への委託を可能とするということによりまして競馬主催者コスト削減を図る、あわせまして、民間のノウハウの活用によります競馬ファンへのサービスの向上を図るといったことが今回の制度改正趣旨でございます。
  136. 紙智子

    紙智子君 言わば、今まで民間委託するということをやらないできたわけですよね、ずっと。それを今変えたことの理由ということでは、ちょっともう一度端的にお答えいただきたいと思います。
  137. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 一方では、私どももやはり公共性の高い主体によります公正確保というのが大変に重要なポイントかというふうに考えております。他方、最近の競馬状況というものが大変厳しい、中央競馬地方競馬を通じまして大変に厳しい状況にあるということから、その公正確保という点はしっかりと配慮をいたしながら、他方で、私人への委託を可能とすることによりまして競馬主催者コスト削減を図る、あわせまして、サービスの向上といったような観点から、今回の民間委託という改正案を御提案申し上げている次第でございます。
  138. 紙智子

    紙智子君 極めて地方、中央、厳しい状況にあるというお話がされたわけですけれども、そういう重要な業務を経済的な理由から私はやっぱり曲げるべきではないというふうに思うんです。  それで、経費の節減や効率化ということを上に置いて民間委託をすると。公営競技という性格を弱めていいのかというふうに私は思うんですね。やっぱりこれについては国、主催者がきっちり責任を持つべきだと。節減や効率化ということを言われるんですけれども、やはり本来こうした業務は準公務員である従事員の人たちこそが責任を持って仕事ができるというふうに思うんです。直接雇用の人たちこそが、やはりこの競馬主催者の一員として、公正な競馬ということを言われましたけれども、本当に公正な競馬の監視ですとか円滑な販売、払戻しの振興ですとか、それから競馬知識を備えた接客ですね、責任を持った業務ができるというふうに思いますし、それから観衆の意見や反応なんかもどうかということなどを直接主催者に伝える立場にもあるわけです。ですから、直接雇用のそういう面での優位性という問題、私はあると思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
  139. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 私ども、委員の御指摘もございますが、やはり公正確保という点は、お話しのとおり、大変重要なポイントであろうというふうに考えている次第でございます。したがいまして、やはり事務の性格、性質といったところが大変に重要になってこようかというふうに考えているわけでございますが、そういった面からいきまして、いわゆる今回民間委託導入しようという中身といたしまして、いわゆる馬券発売、払戻金といった事務の性格、それと競馬場内なり競馬場外の設備の取締りといった点については、これは民間委託をしても、そういった意味での公正確保には差し支えなかろうというふうな判断があるわけでございます。
  140. 紙智子

    紙智子君 差し支えないんじゃないかということなんですけれども、経済上の事由、効率化が理由だということを最初に言われたわけだけれども、現実的な必要性ということでは、中央競馬地方競馬か、それとも地方競馬か、そういう競馬場ごとにもそれぞれ程度の違いというのはあるんだと思うんですね、現状を踏まえて。今すぐそれを必要だというふうに言うところもあるかもしれないわけですけれども、そうでないところもあるんじゃないかと思うんです。  その点で、中央競馬についてお聞きしたいと思うんですけれども、中央競馬の場合、今すぐ販売などの民間委託というのが必要な状況なんでしょうか。
  141. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 中央競馬会の状況につきまして申し上げますと、売上げにつきましては、平成九年に四兆七億円ということでピークを記録したわけでございます。ただ、その後、近年の景気の低迷といった影響を受けまして、六年連続で前年の売上げを下回ってきております。平成十四年の売上げは約三兆一千億円というふうなことでございまして、ピーク時に比べますと八割を下回る水準まで低下しているということでございます。また、剰余につきましても、平成三年には約二千億円余の、二千億円程度の剰余があったわけでございますが、平成十四年には約三百五十億円といったようなことでございまして、そういった形で剰余を計上しにくい状況にもなっているわけでございます。  そういったことから、中央競馬会におきましては平成十三年から、事業内容を抜本的に見直しをいたしまして、大幅な経費削減に取り組んできているというところでございますが、この結果、平成十三年から三年間に約七百億円という相当な額の経費削減も行っているところでございます。  中央競馬会につきまして、今後もやはりこのまま売上げの低下が続くというふうなことであれば、更なる経費削減に取り組む必要があるということでございますが、その際、やはり私人への委託というのは経費削減に資する一つの有効な手法になるというふうに考えている次第でございます。
  142. 紙智子

    紙智子君 委託ということになりますと、こうした業務に携わる従業員、従事員の方たちの身分保障にも当然影響が及びます。全国で二万人近く働いておられる方がいるというふうに聞いていますけれども、当初はこの人たちの労働条件というのは地方競馬に比べても低い水準だったというふうに言われていますよね。窓口業務なんかも非常に忙しい業務で、本当に食事をする間もなく、かつては本当に立ったまま、業務をやりながら、パンをかじりながら、寒風の中でがたがた震えながらやってきたときもあったと。そういうふうにして今日の中央競馬を作って、言ってみれば、縁の下でその土台になって頑張って支えてきたということがあるわけです。  今、退職者の補充をしないということの中で、年齢も重なってきていると。退職金でいいますと、二十年働いた人で四十五万ですか、ぐらいという話を聞いていますけれども、そういう水準でずっと来ているわけですよね。こういう人たちを、今、民間委託の方向を出して不安に陥れるということはすべきではないというふうに思うんですけれども、この点、大臣にお聞きします。いかがでしょうか。
  143. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 今、局長からもお話し申し上げましたが、平成九年をピークに六年連続で売上げが減少している、また地方におきましては撤退をすると、こういうような状況下にあるわけであります。そういう中で今回の競馬法の一部改正をお願いをしておるわけでありまして、近年の景気の低迷、この売上げの減少、いわゆる厳しい経営状況にあるわけでありまして、収支改善、これを図ってまいらなければならないところがあるわけであります。そういう面で、私人への委託を可能にする、そしてさらにコスト削減、さらにはまた民間のノウハウを活用していわゆる競馬ファンのサービスにこたえると、こういうことがやはり必要なわけであります。そういう中で、日本中央競馬会におきましても、これまで従事員の処遇の問題等につきましては配慮をしておると、このようにも聞いておるわけであります。  今後、これらの問題につきましては労使間で十分話合いがなされるものと、このように思っております。
  144. 紙智子

    紙智子君 ずっと支えてこられた方々に対しては当然配慮もしてやってきているということではあると思うんですけれども、経営の問題でも随分やっぱりそういう意味では努力をされてきているんだと思うんですね。  それで、もし民間委託になりますと、現在の人が、請け負った企業の、雇用されるかどうかの問題というのが出てくるわけですよね。仮に一部でも民間委託導入されますと、請負企業主に一部を控除された低い賃金の労働者と、それから従来の従事員の方が同じく働くようになると。従事員の人たちの労働条件にも影響を与えていくことになるわけです。  職場の混乱というのは、やっぱり競馬事業の円滑な実施にとっても、これはやっぱりマイナスに響くというふうに思うんですね。こういう委託については、少なくともやっぱり労働組合の皆さんとの話合い抜きにはできないというふうに思うんですけれども、この点、大臣の御認識はいかがでしょう。
  145. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) その間、労使間で十分お話合いをしていただいていろいろの対応を是非お願いをしたい。何といっても、先ほど申し上げましたとおり、もう六年間売上げが減少し、そして地方競馬におきましても撤退をすると、こういうようなことで、今回、いろいろのことを考え、競馬法改正のお願いをしておるわけでありまして、お互いに十分その辺は労使話合いの上で対応していただきたいと、このように思っております。
  146. 紙智子

    紙智子君 何度も申し上げますけれども、やっぱり本当に競馬事業そのものは、やっぱりそこで働いてきた人たちの中でもそういうことに、たくさんの人たちの手で支えられてきたという側面があるわけですから、そこはやっぱり、労働組合の皆さんと話し合ってやってもらうことがいいという話をされているんですけれども、理解が、双方の理解が得られないまま強行するということの事態にならないように、そこは農水省としてもきちっと指導していただきたいというふうに思うんですけれども、もう一言お願いいたします。
  147. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) いずれにいたしましても、中央競馬会、これまでも経費削減に当たりまして、窓口、発売窓口数の適正化でございますとか、あるいは自動発売・払戻し機の導入といったようなことも行ってきたわけでございます。その際にも、従事員の退職不補充といったようなことで対応しておりますし、従事員の雇用に対する配慮も払ってきておりまして、従事員の声には十分に配慮した上で行うことになるものと認識しておるわけでございます。  さらに、ただいま委員からもお話ございました、そういったことが私どもとしましても、労使関係競馬開催の公正確保に影響を及ぼすということとすれば、私どもとしても適切な指導をしてまいりたいというふうに考えております。
  148. 紙智子

    紙智子君 今、配慮をしながらということを言われたと思いますので、そこのところはしっかりやっていただきたいというふうに思います。  それで、ここに特殊法人に関する行政評価・監視結果に基づく勧告ということで資料がございます。これ、平成十四年の一月に総務省が出した中央競馬会に関する行政評価・監視結果報告なんですけれども、これ見ますと、平成二年度から十二年度まで開催費が一・七倍になっていると。この中で増加が著しいのが、競馬場やウインズ施設の貸借料、それから馬券の自動販売機の借り上げ料、それから機器、設備の保守や清掃等の業務委託料、開催借損料とそれから開催役務費ということなんですけれども、これが二・二倍なんですね。これに対して、従事員、警備員等の人件費、開催労務諸費というところですと、これは一・一倍とほぼ横ばいになっているわけです。  それで、節減すべきところは、やっぱりこの二倍以上にもなっている子会社や関連公益法人と契約されるこうしたリース契約や役務契約ではないかというふうに思うんですね。この点は総務省の勧告でも指摘されているところです。  子会社との取引を更にどのようにこの後見直していくつもりなんでしょうか。
  149. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 子会社との取引の関係でございます。  子会社との関係につきましては、総務省からの勧告におきましても、農林水産省は競馬会に対し、取引の透明性を確保する観点から、子会社等との間で行われている契約につきまして点検を行い、競馬の公正確保に配慮しつつも、これまで以上に一般競争入札を導入するなど契約の在り方を見直すよう指導することと、そういった指摘を受けているところでございます。  私どもといたしましては、この勧告の趣旨を踏まえまして、公正確保に留意をしながら子会社等との契約の在り方を見直しますように日本中央競馬会を指導しておるところでございます。  中央競馬会といたしましても、競馬の円滑な施行を図るという観点から実施してきておりますこの子会社等とのいわゆるこの随意契約につきましては、競馬の公正確保等に配慮しながら点検を行いまして、競争入札へ移行できるものにつきましては段階的に移行しているところであるというふうに承知をいたしております。  私ども農林水産省といたしましても、公正確保に支障のない範囲内におきまして随意契約から競争契約へ移行いたしますように、今後とも中央競馬会を指導してまいりたいというふうに考えております。
  150. 紙智子

    紙智子君 勧告の指摘された中身に基づいて見直しを掛けていくというお話があったわけですけれども、やっぱり本来そこのところを、その部分を私はやっぱり節約をして働く人たちにしわ寄せすることのないように、ちゃんとやっぱり点検もして見直しを掛けるところは掛けるということをやって働く人にしわ寄せがないようにすべきだということを改めて強く求めたいと思うんです。  それで、そういう取引のある子会社や公益法人には、中央競馬会、恐らく前職の農水省の人も入っていると思うんですけれども、そういう中央競馬会からの天下りの場にもなっているわけですよ。  その報告書を見ますと、子会社四社には十人、それから関連公益法人には二十七人、それから公益法人出資会社四社には十一人、その他の助成している九つの公益法人には十二人、全部で六十人が役員に収まっているわけですね。販売などの業務が民間委託になりますと、そこがまた格好の天下りの場になるわけですよ。  ですから、幹部とか役員はいいかもしれないけれども、従事員の働く人というのは雇用や労働条件が不安定化するというのは、これ本当に釣合いが取れない話なわけで、そういうことからもしっかりと対策を取るべきだと思いますし、今後、政省令を定めるに当たっては、安易に民間委託に移行しないような歯止めを考えるべきだというふうに思うんですけれども、大臣、これ、もう一言お願いします。大臣、今、大臣にお聞きしました。
  151. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 今、担当局長から答弁いたしましたとおり、それは十分、この総務省の報告、これらに指摘されております点につきましては十分留意をして対応してまいりたいと思います。
  152. 紙智子

    紙智子君 それでは次に、生産者の対策についてお聞きしたいと思います。  それで、競馬の基礎というのは言うまでもなく強い馬づくりなわけですけれども、ところがその馬産地ですね、馬産地は競馬の不振が直撃して非常に大変な状況にあります。北海道の日高地方では馬で暮らせる生産農家は半分以下です。平均にならしますと一戸当たり六千万から七千万円負債を抱えています。馬は売れないと、肉にするところもあるわけですね。自殺や夜逃げ、こういう事態も相次いでいるんです。本当に胸の痛くなる悲惨な状況もあるわけですけれども、地域全体がやっぱりこのままだったら陥没してしまうと非常に危機感を持っています。  これまでこれに対してどのような生産者の経営改善対策が取られてきたのか、まずその検証をしたいと思うんですが、まず中央競馬会として、剰余金の一部を使った特別振興資金によってこの競馬振興事業と畜産振興事業を行っているわけですけれども、直近の平成十二年から十四年ですかね、直近のその中に新たに予算を付けた軽種馬経営改善対策というのはあるんでしょうか。
  153. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 日本中央競馬会におきましては、これまでやはり強い馬づくりといったようなことで、いわゆる種牡馬の導入といった改良対策、それから競馬番組の国際化等に対応いたしまして、生産基盤の強化、内国産馬の資質向上ということで、軽種馬の市場上場を促進いたしますための上場奨励金でございますとか、あるいは市場への輸送費補助といった交付、また軽種馬の生産育成強化のための資金への利子補給、またさらには後継者育成のための研修等経費への助成といった様々な軽種馬生産対策を実施してきているところでございます。  ただ、御指摘の、今、委員から御指摘ございました平成十二年から十四年においては、今お話のいわゆる特別振興資金による新規事業というものは実施はしておりませんが、ただ日本中央競馬会の業務でございます競馬の健全な発展を図るために必要な業務といたしまして、必要な生産対策というものはしっかり実施をしてきているところでございます。
  154. 紙智子

    紙智子君 毎年四十億円ほどの畜産振興事業の中に馬対策というのは含まれていないですよね。畜産の中に軽種馬というのは位置付けられているんでしょうか。
  155. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 軽種馬生産は、御案内のとおり、草地を利用いたしますいわゆる大家畜生産ということでございまして、そこのところは私どももしっかりといわゆる畜産の中には位置付けているところでございます。
  156. 紙智子

    紙智子君 位置付けているというふうに今お答えになったんですけれども、果たして本当にそうなのかなと正直言って思わざるを得ません。  それで、問題は、畜産振興事業の中で軽種馬経営改善対策というのはやっぱり位置付けられていないと思うんですよ。十五年に特別振興資金として競馬振興事業として十一億円出しました。緊急経営資金の融通策ということで出したわけだけれども、これも本当に、現場から本当にたくさんの声が上がって何とかしてほしいということの中でようやっとやったわけですけれども、しかしこれは実際には不発に終わっているわけですよね。地元の農協などが三割基金を出さなければこれは発動できないというふうなことになっていて、結局地元は焦げ付きをおそれて制度に乗れないということになったわけです。ですから、融資枠は二年の間で百億円という枠なんだけれども、これ十五年の実績というのはどれぐらいあったんですか。
  157. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの軽種馬経営基盤支援特別事業の実績でございますが、十五年の実績は十三件で融資額六千六百万円というふうになっております。
  158. 紙智子

    紙智子君 ですから、二年間で百億の枠で一千戸借りられるように、そういう枠を設けたわけですけれども、今お話しされたように、たった十三件ですよね。六千六百万ということですから、やっぱり実態に合っていないということだと思うんですよ。実際には利用できない制度になっていると。  この資金というのは種付け料に限定したものなわけですけれども、軽種馬生産地では相当の馬がこれ払えないと、それから血統書がもらえないと、売りにも出せない状況だというふうに聞いています。打ち出す対策がやっぱり馬産地の救済にはなっていないということだと思うんですね。やっぱり地元とよく相談をしてというか、意見も聞いた上で改善が必要だというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
  159. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 今、委員からのお話でございますが、決してこれは使えない対策ということではなくて、それぞれの農家の要望、軽種馬生産農家のそれぞれの経営動向といったようなことにかんがみまして、私どもとしてもそういった対策を打っているところでございます。  それから、ただいまお話のございましたいわゆる負債の関係につきましても、例えば制度資金でも、もちろんこれ以外に、農協資金でも営農負債の借換えのための農業経営負担軽減支援資金でございますとか、あるいは公庫資金でも農業経営維持安定資金でございますとか、あるいはまた前向きな資金と併せた負債の借換えのための経営体育成強化資金といったようなものも国の対策として講じているところでございます。  また、先ほどの農家負担、申し上げました農家負担軽減支援特別資金の実績につきましても、全体としても、日高支庁管内で平成七年から十二年の実績でございますが、千四百件程度の貸付け実績というものも上がっておりまして、決して私どもの対策が全く使えない対策ということではないというふうに考えておりまして、私どもとしても、それなりに大変厳しい状況というのは承知をいたしておりますし、認識もいたしております。また、現在いろいろと御審議をいただいておりますこの地方競馬経営改善というものを行っていくと。  そういった面からも、やはり馬が、軽種馬生産、軽種馬の需要というものが更に縮小するおそれもあるというふうなことも考えておりまして、そういったことに対応いたした形での生産の合理化というものも必要になってくるというふうに考えておりまして、そういう中でも一生懸命軽種馬生産対策というものをやっているという点は御理解をいただきたいというふうに考えております。
  160. 紙智子

    紙智子君 現地に行きますと、やっぱりなかなか使えないということが出されるわけですよ。ですから、そこのところは平行線になってしまうと思うのでこれ以上言いませんけれども、やっぱりよく地元の声を吸い上げて、よくかみ合ったものにしていく必要があるというふうに申し上げておきたいと思います。  それから次に、国の、国庫予算で生産対策として実施しているものは何なんでしょうか。その中で、負債整理資金というのはどうなっているのかということについてお聞きします。
  161. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 国が行っておりますいわゆる競走馬生産対策といたしましては、一つには馬の伝染性貧血症の防止といったいわゆる衛生対策でございます。いわゆる家畜伝染病予防事業というのがございまして、これが一つの大きな柱でございます。  それからもう一つといたしましては、競走馬全体に共通の金融対策といたしまして、これは他の畜種ももちろん共通でございますが、農地を取得いたします場合の、農地等の取得をいたします場合の公庫資金でございますとか、あるいは農機具等の取得のための近代化資金、さらにはまた短期の運転資金の融通のための、これスーパーSと言っておりますが、農業経営改善促進資金、こういった各種の制度資金の融通をやっているわけでございます。  また、そういった中で、負債整理対策といたしましては、先ほどちょっと私申し上げましたが、農協資金といたしまして営農負債の借換えのための農業経営負担軽減支援資金でございますとか、あるいは不慮の災害等によります営農負債の借換えのための農業経営維持安定資金、これは公庫資金でございます、それから経営展開に必要な前向き資金と併せまして負債の借換えのための経営体育成強化資金、これも公庫資金でございますが、こういったものを国の対策として講じているところでございます。
  162. 紙智子

    紙智子君 今ずっとお話をされたことというのは、やっぱり融資ですよね。だから、実際には貸したものは返ってくるというわけですから、だから実際の、おなかを痛めてというか、資金として出しているものというのはせいぜい利子補給ぐらいだと思うんですよ。それが大体どのぐらいになっているのかといえば、実際の額から比較するならば本当に何十分の一ぐらいだと思うんですよ。  それから、今いろいろ衛生対策とか改良指導とかという話ずっとされたんですけれども、これはどれぐらいの金額で措置されているんでしょうか。
  163. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 先ほど私が申し上げました国による軽種馬生産振興対策で、例えば家畜伝染病予防事業というのを申し上げたわけでございます。これは、全体としての予算額は十八億六千万ほどあるわけでございますが、実はこれは全体の各家畜の伝染病、伝染性の疾病の予防ということでございまして、ちょっと今、馬だけにどれだけが使われているかというのは数字がないわけでございますけれども、いずれにしても、全体の予算額として十八億何がしのものをその予防事業に使っているわけでございます。  それから、制度資金につきましても、申し上げた資金が、それぞれ年によってやはり件数なり金額の多寡は、何といいましょうか、多少はあるわけでございまして、例えば今の近代化資金から公庫資金、そういった軽種馬経営に対する制度資金貸付けの実績といたしまして、例えば十三年度で申し上げますと十四億程度のものが貸付けをされておる。さらにまた、ちょっとさっき申し上げたわけでございますが、ウルグアイ・ラウンド対策といたしまして措置をいたしました農家負担軽減支援特別資金というものは、七年から十二年の実績といたしまして貸付実績でこれは相当なものが貸付けをされておるというふうに承知をいたしているわけでございます。
  164. 紙智子

    紙智子君 馬について聞いているんですよね。だから、家畜全体に対してBSEも含めて十何億だ何だのと、そういう話すれば、それは膨大な金額になるでしょうけれども、実際、馬のところでどれだけ使ったのかということについては本当に少し、微々たるものしかないと思うんですよ。やっぱり衛生予算額といっても本当にわずかなもので、一般会計からの予算措置というのは、国の対策しているのは本当に少ないものだと思います。  それで、競馬会からは十五年度で約三千億円が国庫納付金として国に入っているわけですよね、三千億円。それに対して馬の生産対策というのは本当にわずかなものと。融資も、全国で千五百戸ある生産者に対して負債整理資金というのはごくわずかですよ。さきの畜産の中に含まれていないことといい、一体軽種馬というのは農業、農政に位置付けられているのかというふうに現地の皆さんもいつもそう言うんです。これ、農業というふうにみなされているんだろうかというふうに出てきます。  やはり農業の位置付けをするということが新基本法の立場からも私は重要だというふうに思いますし、生き物を生産しているということでいいますと、これは農業であることは自明ですけれども、その生産を通して農村がやはり維持される、それから食料供給以外の多面的機能も発揮されていくと。新基本法では、多面的機能の発揮が農村の振興や食料生産と併せてやっぱり重要な柱というふうにしているわけで、大臣亀井大臣ですね、大臣は軽種馬生産というのは農業ということで考えておられるのかどうか。
  165. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 軽種馬の生産、正に草地基盤に立脚いたしました大家畜経営、そういう面で農業の一部門と、このように認識をいたしております。  中でも、北海道、日高、胆振の支庁管内、これは農業の粗生産の約七割を占める、こういうようなことであるわけでありまして、地域の経済、地域にとりましても大変重要なものであるわけでありまして、これらの問題につきましては、軽種馬生産対策、その重要性、これを認識して、これまでも生産基盤の、今いろいろの利用の問題につきまして御指摘がありましたけれども、生産の基盤強化あるいは国内産馬の資質の向上、こういう面でいろいろの対策を講じてまいりたいと、こう思っております。
  166. 紙智子

    紙智子君 農業の位置付けということで大臣からお話がありました。  軽種馬の生産を通して、やはり国土の保全ですとか、それから牧場の風景による良好な景観の形成と。あそこがいいから行きたいんだという人たちもいるわけです。それから、競馬という国民のレジャーの創出、観光としての利用や乗馬の振興や、あるいは馬のセラピーということも今研究もされてきていますよね。そういう馬文化の継承ということでも非常にやっぱり、食料生産ではないんだけれども、多面的機能を十分発揮しているというふうに思うんです。  それで、農水省の統計の中に畜産の部というところには、実は馬の生産は項目に入っていないんですね。これ入れるべきだという声も実は出されているんですけれども、やっぱり農政の対象として明確にするという点では、この点も是非踏まえていただきたいというふうに思います。  それから、本案の競走馬生産振興業務、これは内容が不明確なんですね。地方競馬情勢の変化に応じた競走馬の振興ということで、具体的にはこれから相談するというふうになっているわけです。法案を出す前に本来もっとその内容を煮詰めなければ、法案が本当に期待の持てるものなのかどうなのかと生産者も判断のしようがないというふうに思うんですね。  その内容なんですけれども、地方競馬の縮小による馬の削減、それから生産調整を前提に、条件にした生産振興策なんでしょうか、これは。今の競馬状況からして、馬の削減というのはやむを得ない面があると思います。その場合の対策というのは当然必要だと思うんですね。しかし、すべての生産対策が、削減しなければ適用されないという条件付では、これは困るんじゃないかと。生産調整削減の有無にかかわらず生産振興策を立てるべきではないかと思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。
  167. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま委員からもお話ございましたとおり、やはり軽種馬生産をめぐります経営環境というものは、全体としての景気の低迷でございますとかあるいは地方主催者がやはり撤退するといったようなことで、競走馬需要が減少しておるということで大変状況としては厳しいという状況になっておろうかと考えております。それからさらに、今、複数の地方主催者連携を通じて事業収支改善を図っていくといったようなことからも、そういう場合にはやはり競走馬の共有化ということも進んでいくわけでございまして、そういった面からいきましても、競走馬需要の減少というものも今後見込まれるということでございます。  ただ、私どもとしても、ただそういう中で、やはりそういう厳しい状況の中で、一方にはやはり競走馬生産、軽種馬生産というものが今後の中央、地方を通じた競馬全体をやはり底支えするすそ野の部分だというふうに考えておりまして、そういった意味では、大変厳しい状況の中でございますが、競馬本来のやはり一翼を担う競走馬、軽種馬生産の基盤強化を図る、その振興を図っていく必要があるというふうに考えているわけでございます。  そういうことで、今回の改正案の中で、そういった地方競馬をめぐります状況の変化に対応いたしまして、そういう中でこの軽種馬の生産の振興に資するための事業を行っていく、その経費を補助する事業といたしまして、ただいま委員からも御指摘ございました競走馬生産振興業務を設けることにしたところでございます。  ただ、この具体的な内容につきましては、更に今後生産地のお話もお伺いしながら検討するということにいたしておりまして、いずれにしても、この軽種馬の生産構造、望ましい軽種馬の生産構造というものを実現していく必要がある、そのための対策が必要であるというふうに考えている次第でございます。
  168. 紙智子

    紙智子君 生産調整削減の有無にかかわらず、やっぱり振興策として検討すべきだというふうに思います。  それから、私、昨年の台風十号が北海道を襲ったときに、この地域も、日高地域も非常に大きな被害を受けたんですが、そこに行ったときに、それこそ牧草の上にも流木なんかがどっと流れ込んで大変な事態だったわけです。このときに軽種馬の生産地、生産者団体を訪問したんですけれども、災害復旧については、軽種馬では農地とみなされない部分があるんだと。そこは復旧事業対象にならないということですとか、それから施設の共済制度がないということですとか、それから基盤整備の公庫資金が使えない等々、ほかの農業と比べても施策が後れているという訴えがこもごもされたんです。  ほかの農業種目と同等のやっぱり対策の確立というのは、生産調整の有無に関係なく、これは実施すべきだと思うんですけれども、この点どうでしょう。
  169. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 今るるお話がございましたが、もちろん私どもも、それぞれあれでございますが、災害復旧の方はしっかりと対応いたしておるということでございます。  それから、先ほど来お話ございました、やはりそういったことについてもちろん国としても当然やるべき筋合いの事業も多うございます。そういった意味で、先ほど来私申し上げておりますように、国としてもしっかりと対応しているところでございますが、更に申し上げれば、やはり競馬の健全な発展ということがあって競走馬生産、軽種馬生産が維持されるといったまた側面もあるわけでございまして、そういった意味では、国の対策ももちろんございますが、中央競馬会の売上げの一部を原資としてしっかりと競走馬生産対策を実施しておるという面もあるわけでございますので、そういったところをもろもろ、両々相まって全体としての軽種馬生産ということをしっかりと支えておるというふうに考えておるところでございます。
  170. 紙智子

    紙智子君 次に、競走馬生産振興業務の財源の出所というのは、今も話がありましたけれども、中央競馬会の特別振興資金、これでは多くは望めないと思うんです。特別振興資金というのは、十五年度の予算規模は競馬振興と畜産振興でそれぞれ四十億ずつ、ここから競走馬生産振興と地方競馬競馬連携計画に一部回るということではどれほどの期待が持てるものかなと思うんですね。  競走馬生産振興勘定に一体どの程度の繰入れを考えておられるんでしょうか。
  171. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘でございますが、競走馬生産振興勘定、お話しのとおり中央競馬会から地方競馬全国協会の方に資金を出しまして、それがただいまの競走馬生産振興勘定の方に繰り入れられる、こういうことでございます。  ただ、いずれにしても、私ども、先ほど来るる申し上げておりますように、やはり生産基盤の強化なり国産馬の、国内産馬の資質向上といったことが大きな目的でございます。そういったことを達成いたしますために様々な対策も実施しているところでございますが、他方、非常に現在の競馬をめぐる情勢の変化ということで大変厳しい状況があるわけでございまして、そういう中でいかにして望ましい生産構造を実現していくのかということでございます。  そういうところでございますので、これに対する、先ほど委員がお話しになりました具体的な事業内容でございますとか、あるいは資金の繰入れの規模といったところにつきましては、私どもとしてもさらに生産者の御意見も承りながら慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
  172. 紙智子

    紙智子君 ちょっと今、規模についてはどのくらいを考えているのかというのは出ていないんでしょうか。
  173. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 先ほど委員がお話しになりました日本中央競馬会の特別振興資金の残高は、十四年度で約三百億円というものがあるわけでございます。もちろん、これがどういうふうに今後使っていくかというのは、申し上げておりますように今後の検討ということでございますが、具体的な内容あるいは規模につきましては、さらに今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
  174. 紙智子

    紙智子君 中央競馬会の特別振興資金というのはその年の剰余金を当てにして作っていく財源なわけですよね。だから、今までの予算規模からしてそれほどたくさんの期待を持つことはできないというふうに思うんですけれども、初めからやっぱり財源を絞り込むというふうになるんじゃ駄目だと思うんですよね。そうではなくて、まずやっぱり生産地の対策として構想を明確にして、それにふさわしい財源をどうするのか、国庫納付金とかそれから国の一般会計の活用なども含めてこれ検討すべきだというふうに思うんですね。  初めに財源の制限ありきということではなくて、やっぱり生産地との協議で対策が決まればそこに十分出していけるようにする、そういう点での用意というか、それはおありでしょうか。
  175. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) いずれにいたしましても、このただいまお話しになっております競走馬生産振興勘定に繰り入れる金額あるいはその事業内容、規模につきましては、今後生産者の意見も聞きながら慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
  176. 紙智子

    紙智子君 競馬の基礎、土台というのはやっぱり馬づくりなわけですけれども、ここがつぶれないように、本当に国、競馬会がしっかりと支援をしていく必要があるんだと思います。  地方競馬廃止の場合は直接馬が余るという状況が出ます。この三年間で五つつぶれているわけですけれども、一か所で大体四百頭から五百頭、競走馬が行き場を失う状況になっているわけですね。生産調整や馬の淘汰というのは避けられない事態になるわけですけれども、今までも生産調整については自主的にやった経験もあるわけです。しかし、今はその必要性があるのは外的な要因なわけです。生産者には責任はないわけですよね。しかし、そういう中で過剰な事態というのは共倒れになってしまうということですよね。ですから、そういう事態を防ぐというのは、競馬事業の安定のためには、これはやっぱり欠かせないことだと。  そこで、今後競走馬からの撤退とか生産調整削減に関して、私はやっぱり補償してこれ当然じゃないかというふうに思うんですけれども、それは視野にあるのでしょうか。
  177. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま委員からもお話ございましたとおり、軽種馬生産をめぐります経営環境、大変全体としての景気の低迷あるいは地方主催者撤退といったようなことで競走馬、軽種馬需要が減少いたしておりまして、大変厳しさを増しつつあるわけでございます。またさらに、今回の法改正趣旨であります地方主催者競馬事業収支改善といったようなことを図ります上からも、やはり競走馬需要の更なる減少というものも見込まれるわけでございます。  そこで、委員のお話にもございましたが、やはり今後、軽種馬生産といたしましては、やはり全体としての経営の安定を図ります上では、一つには軽種馬と他の農業部門との複合化あるいは作目の転換というものが必要になってくるのではないかというふうに認識をいたしているわけでございます。また、地元の町村におきましては、離農によります地域経済の沈滞あるいは過疎化、あるいは耕作放棄地の増加といったことを防ぎます上からも、複合化でございますとかあるいは転換によりまして農業生産地域社会を維持する道を模索している状況にあるというふうに認識をいたしているわけでございます。  そこで、競走馬と他の農業部門との複合化といったことを進めてまいりますには、やはり何といいましても作目ごとのそれぞれの振興施策をまず活用することが第一の対応策ではないかというふうに考えているところでございまして、まずはそういった観点から、他作物の振興施策を有効的あるいは効率的に活用する、さらには技術支援あるいは制度資金の活用といったようなことでそういった複合化、転換に取り組む経営を支援する必要があるだろうというふうに考えているわけでございます。  その上で、更に必要な競走馬の供給のいわゆる縮小対策につきましては、その必要性でございますとかあるいは内容、こういったことにつきまして、これまでの経緯も踏まえまして、産地あるいはまた生産者団体の御意見もよくお伺いをいたしまして、私どもとしても慎重に検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  178. 紙智子

    紙智子君 聞いていることに、何かこう、ちゃんと答えが返ってこない感じがするんですけれども、生産調整とか馬の淘汰というのは避けられないというふうに言われているんだけれども、それに対しての補償というのは例えばどんなふうに考えておられるんですか。もうちょっと前向きにどうするとかこうするとか、そういう聞いたことにお答えいただきたいんですけれどもね。
  179. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 私どもとしては、いずれにいたしましても軽種馬生産の合理化ということは必要だろうというふうに考えている次第でございます。  その方策としましては二つございまして、一つには、やはり今後とも軽種馬生産を担っていくいわゆる担い手といいますか、そういうところを組織化していく、あるいはそういう担い手に対する支援というものは一方には必要であろうというふうに考えているわけでございます。  他方、競走馬とあるいは他の農業部門との複合化あるいは作目の転換ということが必要だという点もございまして、そういう点については、申し上げておりますように、他作物の振興施策というものをしっかりと有効あるいは効率的に活用していくというふうなことが必要だろう、そういった意味では技術支援、制度資金の活用ということがあるわけでございます。  委員がお話しになっております補償というふうなことは、私どもは考えておりません。
  180. 紙智子

    紙智子君 景気の低迷とか、国民レジャーの多様化の中で様々な問題が起こって過剰な実態になっていると。競走場の廃止で一気に走る場所がなくなってしまうと。これは私は、ある意味では漁業の減船と似ている状況だと思うんですよ、外国との交渉でやむなく出漁停止になると。その場合、今までも補償が行われてきているわけだし、それから、農業でも例えば米減反に助成金が出ていたわけですよね。  やっぱりこれ、一頭例えば淘汰しなきゃいけないといった場合に、その掛かった生産費だとか、育ててくるまでにいろいろ掛けると、やっぱり四百万とか五百万とか、そういうお金が一頭淘汰するのに掛かるという話なんですよ。ですから、是非この点でも対策を取るべきだし、やっぱり現地で生産費を償うように、よく相談して実施すべきだということを申し上げておきたいと思います。  次に、負債整理資金についてなんですけれども、実際に使えるような対策が必要だというふうに思います。今の資金が高い金利のものでしか借換できないと。それから、一度借りたら二度目は使えないとなっているんですね。それで、保証人、農協がリスクを負えないということで、そういうことが出されているわけです。関係の農協は、不良債権でもうこれは火の車と。町も貯金を集中するというようなことをやって、てこ入れはしているんですけれども、このままだったら地域経済は崩壊するというふうに言われているんですね。  こういう障害を国が支援をしてやはり取り除いて、新たな有利な負債整理資金を受けられるような対策を講ずるべきではないかというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
  181. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 全体として、大変今状況として厳しい状況にあるという中で、私どもといたしましても、この軽種馬生産に係る負債対策といたしまして、営農負債の借換えのための農協資金の農業経営負担軽減支援資金でございますとか、あるいは不慮の災害によります営農負債の借換えのための公庫資金、農業経営維持安定資金でございます。またさらに、前向きな資金と併せた負債の借換えのための経営体育成強化資金といったような負債対策も講じているわけでございます。  また、先ほど委員からは、ほとんど使われていないというお話あったわけでございますが、私どもとしても、そういった緊急的な対策としての、措置としての種付け料に限定した経営資金の融通の円滑化といった事業も行っているわけでございます。  またさらに、そういう中で、ただいま委員が御指摘のように、いろんな今後の更なる厳しい状況に対応した資金の在り方ということにつきましては、私どもとしても、申し上げておりますようないろんな対策をやっているわけでございますが、全体として、今後とも生産地の意見もよくお伺いをいたしまして、軽種馬生産対策の中身として必要な経営改善対策につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
  182. 紙智子

    紙智子君 それと、経営転換に関する支援措置を実現させていくべきだと思うんですね。転換のために農協のプロパー資金を借りて自治体も支援をしています。しかし、花とか、あと肉牛ですね、それから野菜、こういうものに転換しても先行きが不透明ということで、そこにもリスクがあるんですね。転換した方がいいかもしれないけれども、やっても実際はどうなのかなと、そういう不安もあるわけです。  転換の資金というのは、融資の場合も、新規の事業が軌道に乗るまでは償還を延期することですとか、それから無利子などで有利な措置を講じるということなんかも必要じゃないかと。こうしたことなんかも是非検討していただいたらいいんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
  183. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま、やはり経営転換というふうなお話もあったわけでございます。  そこのところ、何度も申し上げて恐縮でございますが、非常に全体としての厳しい経営環境の中で、私どもも生産基盤の強化なり国内産馬の資質向上ということでいろんな対策を講じてきたわけでございますが、さらに、やはり今後の生産構造を転換していく、生産の合理化を促進していくということがどうしても必要になってくるわけでございます。  そういう中で、申し上げておりますような、やはり今後の軽種馬生産をしっかりと担う農家のみならず、やはりただいまのようなお話の経営転換というふうなことで、他の農業部門との複合化でございますとか、あるいは他の作目への転換ということが必要になってくる場合も当然あるわけでございまして、そういう場合には、その他作物の振興施策あるいは技術的支援、制度資金の、各種制度資金の活用というふうなことで、軽種馬生産の振興、あるいはまたそれを含めた地域の農業生産活性化ということが必要になってくるわけでございます。  そういった点で、私どもとしても、やはり生産地が自らのやはり発想によりまして必要な対策を構築していただくということが重要だというふうに考えておりまして、今後、更に生産地の御意見もよくお伺いをいたしまして、慎重に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  184. 紙智子

    紙智子君 そういう転換する方向なんかも含めて、やっぱり必要なところは是非検討していただいて、それがやっぱり進まなければ全体が滞ってしまうわけですから、そこは是非よろしく検討していただきたいと思います。  それからもう一つ、この地域に、日高地域の中に三石町というところがあります。ハルウララの出身地なわけですけれども、この三石町はずっと競馬馬、競走馬生産しているところなんですけれども、今、そういう一定の転換なんかも掛けながら黒毛牛のブランド化に取り組んで、一定成功してきているんですね。町が営農研修センターを立ち上げて熱心に販売面まで含めて援助をしているんです。指導体制というのは本当に大事なんですね、転換する場合も。ところが、多くの農協なんかはやっぱり営農指導を受けるような状況になっていないわけです、非常に厳しくて。それで転換した人も、自分だけで苦労しているという面もあるんですね。  例えば、転換を含めたこの地域の振興を促進させようということでは、総合的なセンターを造って総合的な支援をするということなんかも、地域でも努力しているんですけれども、国としてもそういうことを支援するようなことを考えていただきたいと。そういう用意がないかどうかということをお聞きしたいんですけれども、いかがでしょう。
  185. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの転換についてのいろんな技術指導といいますか支援というお話でございますが、お話のとおり、やはりそういった他の農業部門との複合化なり転換ということを行いますためには、非常にやはり、そういった意味での指導、非常に重要なことだろうというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、私どもとしても、軽種馬生産と他の農業部門との複合化なり、他の農業部門への転換を積極的に進めようとする生産者に対しましては、協同農業普及事業によりますいわゆる技術支援、あるいはまた制度資金の活用といったようなことが図られますように、私も含めました三局長の連名通達によりまして、それぞれの各県の知事さんにそういったいろんな各種の事業実施につきまして配慮をしていただきたいというふうなお願いもいたしているところでございます。  こんなことも踏まえながら、農業、他の作目への転換なり他の農業部門との複合化といったことも円滑に進めていくように努力してまいりたいというふうに考えております。
  186. 紙智子

    紙智子君 それじゃ、いろいろこうしたらどうかと、打開するためにこうしたらどうかということをずっと幾つか言ってきたわけですけれども、全体ひっくるめまして、最後に大臣の方から、やっぱり本当に馬産地をしっかり守るというお立場から、大臣としての答弁、最後に一言お願いいたします。
  187. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 先ほど来、局長からも答弁しておりますし、さらに景気の低迷、そういう中で、厳しい地方競馬、今回、このような中で法改正をお願いをしておるわけであります。  そういう中で、いわゆる競走馬生産振興、こういう面にも意を注ぐ、こういうところもあるわけでありまして、是非そういう面で、なかなか厳しい状況と、さらには、今お話しの複合化の問題等につきましても地元の意見を十分伺いまして、そしてさらに三月二十六日付けで、三局長の名前で各農政局長に、複合化、淘汰、農業部門への転換、これらに関する施策の推進につきまして、こういうような文書も発出いたしまして、それぞれ地元と十分話合いをし、その対応をするように要請をしておるところでもございますし、今回のこの法改正を契機にそういう面での努力も更に進めてまいりたいと、こう思っております。
  188. 紙智子

    紙智子君 終わります。
  189. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。  いよいよ最後の質問でございますが、大変いろいろな角度から午前、午後といろいろ質問出てまいりまして、実は私も先日、質問取りに来られた方といろいろ議論をしたときに、何となくいろいろ雑談といいますか議論を交わした中で、大体こんなことじゃないですかといって整理して質問作ってきてくれたんですけれども、今日は、その大体言っていただいている質問のほとんどがもう網羅されておりますので、改めてそういう質問をいたしませんが。  私、結局つまるところ、何といいますかな、私の感覚では、競馬というものの今日的な意義といいますか、スタートしたときとそのままなのか、あるいはもう少し違った今日的な意味をどういうふうにとらえるかということに集約されるんじゃないかなというふうな気がするんですが、これはお答えは後でいただくとして、まず私なりの感想を申し上げさせていただきますと、今日のいろんな質疑も、やはり何というか、今までの例えば米の生産をどうするとか漁獲をどうするとかということとちょっと何か感じが違うなというような感じがいたしまして、というのは、やはり競馬というもののとらえ方が、やはり何といいますか、人間の生きていく上の一義的な目的かどうかというところが一つあると思うんですね。やはり衣食住足りて、それから次に、じゃ、こういうものじゃないかなというようなふうなのが競馬というもののある面じゃないかなと。衣食住足りなくてもこういうものによって金をもうけた時代もあったでしょうから、必ずしもそれだけではないんですが。  ただ、そんな中で、今日の議論を聞いていましても、やはり農林省はこの法律を改正させて、やはり売上げを上げたいと、昔の姿に少しでも戻したい。というものに対して、質問者の方は、皆さんの認識は、本当かいなと、そういうことができるのかいなと、だけれども、できないとすればどう軟着陸させたらいいのかなというような、そういうような視点からいろいろあるんだと思うんです。  私自身としては、できるものであれば、こういうものは今までの歴史もありますから残してもらいたいと思っているわけですが、必ずしもそうはいかない、その辺の現実的な姿をどうとらえるかということじゃないかと思うんですが。  私自身、これもう十年以上前になりますけれども、地方競馬にかなり深く関与する立場におったわけでして、そのころは平成三年、農林省から表をいただきました中でも、地方競馬ピークですね、売得金も入場者数も。そのときにおったものですから、来年は、これはもう、そのことで、たしか四百億前後、金沢競馬ですけれども、四百億前後、これは来年になったら五百億に届くんじゃないかと、そんな時代でございました。  それが見る間に下がってきたと。これはある意味ではバブルと符合しているような感じがするんですね。その後ずっと減ってきて、今では半分になっていると。したがって、この問題をとらえるには、やはりいわゆるバブルによって起こった不良債権の処理をどうするかということとよって来るところが同じような気がしてならないわけでございます。  したがって、リストラが必要だと、構造改革が必要だということになるわけですが、先日お聞きしたのでも、競馬の目的が、馬の改良ですか、品種改良、品種というか能力の改良ですね、それと財政寄与、それから健全な娯楽と、こういうようなことを言っておられて、馬の改良というのは今の時代に本当にそぐう問題なのかなという疑問がちょっとあるんですけれども、これはやはり農林省の方に説明聞きますと、やはり人間だってオリンピック行って速さを競うじゃないか、したがって馬の速さを競うのもこれは大きな目的だと、言われてみれば確かかなと思うんですが、それはある程度否定しません。それから財政的な面、これもあるのも否定しませんが、これは、やはりこれは赤になったらもうこれは財政的な目的外、財政的な面で目的を外れるわけですから、これは考えなきゃいかぬ。まあ娯楽の面というのは、これは認められるものだと思いますけれども。  これも、それぞれ三つの目的を考えますと、結局、競馬の場合の特徴というのはやっぱり馬の改良ですね。これ、馬の品種改良というか、これがなかったらほかのギャンブルと一緒なんですね。競輪とか競艇も一緒でしょうけれども、要するにほかのギャンブルと一緒で、国が法律で認めるとか、禁止されているようなものもあるわけですから、そういうものと同じ視点で見られちゃう。したがって、馬の改良といいますか、馬に対する改良という目的がどうあるかということをそれをしっかりやっぱり考えなきゃいけないんじゃないかなというような気がいたします。  それで、そういう視点から、私は何でこんな人気がなくなったのかなということを私なりにちょっと考えてみますと、いわゆる、いろいろ出ておりますけれども、一つやっぱり馬に対する愛情といいますか、速さを競うこともそうでしょうけれども、これがどうも昔とはちょっと違う。速い馬を求める、これは中央競馬ではそうでしょうけれども、地方競馬ではなかなかそこまで求めていいものかどうかがあるんでしょうけれども。大臣も先ほど、子供のころ競馬場に行かれたと。私も、実は小学校ぐらいから行っておりまして、そのころは何か馬に夢を持っていたといいますか、ある馬に非常に愛情を持っていたことがあります。今でも忘れられない名前もあります。大臣も御存じでしょうけれども、かつて幻の名馬と言われたトキノミドリですか、ああいう名馬というのはもう今の私の感覚では、今の競馬の馬の名前なんていうものでない以上に皆さんはもう関心を持って見ていたわけです。地方競馬から中央に行ったのでもハイセイコーなんというのがおりましたし、そういう愛情というのが何か今欠けてきているんじゃないかなと。ほかにもっと愛情、愛情といいますかファン心理といいますか、そういうものを持つのはいろいろなスポーツが増えてきたからじゃないかなという気もいたすんですが、何しろそういうものがあると。  それからもう一つは、賭博というのも、賭博性というのも、これもほかにも幾らでも出てきた。それから射幸心も、何か考えますと、今は確かに昔と倍率が同じぐらいで配当が来ますけれども、昔は、何といいますか、それでまず、配当は、自分が当たってもうかったら、何か特殊、非日常的な、今まで普通の生活ではできないものを例えば買うなり、そういう気持ちがあったのが、今はほかのもので割合そういうものが買えるから、そういうものに対するその気持ちがだんだん落ち込んできたかなと、そんないろんな社会的な面があると思うんですね。  それともう一つ、これは私だけの感覚かもしれませんけれども、いわゆる回収、回収といいますか、売上げから賞金に回す率、これは今七〇%か七五%か分かりませんけれども、七〇%で計算しますと、もうそれ、最初からそれに回転させて持っていきますと、三回ぐらいやれば三〇%になっちゃうんですね。ほかの、例えばほかのラスベガスとか何かへ行ってギャンブルやった場合に、あれ、場合によったら胴元をもう破産に追い込むぐらいなギャンブルだってあるわけですよね。ところが、競馬に限りませんけれども、競艇にしろ競輪にしろ、親元は完全にもうかる。ということは、逆に言えば、かけた人間は確実に損をすると。こういうことがだんだん分かってきたんじゃないか。そういうようなもろもろのことが昔とは違ってきている。その辺を考えなければいけないんじゃないかと。  したがって、そういうことを考えた上で、私は、今ここで、先ほど言いましたように、構造改革というかそういうことを考えなきゃいけない時期であるとすれば、その辺の価値の見直しといいますか、その抜本的なところをちょっと考えなきゃいけないんじゃないのかなと。まあ、失礼な言い方をしますけれども、今の、先ほど言いましたように、確かに売得金を上げるような努力をしよう、しようという努力は見えますけれども、そういう努力の中で、やっぱり現状維持でそういうふうに向かおうとしているわけですから、そうやってみて駄目だと、これは今までもう幾らでもやってきたわけですよね、そういう努力は。それでいて少しずつ消滅していったと。だから、そういう努力をして自然消滅を待とうとするつもりがおありなのか、まさかないとは思いますけれどもね。あるいは、この際、本当のあるべき意義の見直しをして、場合によったら経営規模の変更とかいろんな問題があると思うんですけれども、そういうところまで足を踏み込んで考えるべきではないかと。  その辺の御所見、これ一問で結構です。大臣、お答え願いまして。
  190. 亀井善之

    国務大臣亀井善之君) 今、委員から御指摘の点、やはり一つの、この売上げが減少していると。やはりこれは本当に景気、経済の動向とかバブルの崩壊とかそういう中で、あの当時を、平成三年、四年のころの競馬の振興と。私の友人たち競馬場に行ったり、電話、当時電話ですか、あるいは場外のところに行ったりして、やはりそれなりに有名な馬が、人気の馬があると、そういうことになりますと、自然、それに釣られてその馬券を買うとかという、そういうことも私なりに思い出すわけでありまして、景気の問題、経済の問題というのはやはり大きな問題になってきていると思いますし、あわせて、やはりいろいろ、サッカーですとかほかのスポーツ、国民の娯楽というものも多種多様になってきておる、そういう面で非常に状況が変化をしてきているということは事実だと思います。  そういう中で、この地方競馬を含めて、あるいは中央競馬、国家財政への寄与あるいは地方財政への寄与の問題と。  もう一つはやはり、先ほども委員から御指摘ありました馬の改良繁殖の問題と。やはり国際馬というか国際的な馬も我が国に来ていろいろ走ったりしておりますので、そういう面でやはりもう一つは、やはり有名な馬が誕生するということは、人気の馬が誕生するということはやはり競馬に対する関心というものも高めることにもなると思いますし、そういう面での畜産の振興というのはやはり欠かすことのできないことではなかろうかと。  その一方では、国民の健全な娯楽と。先ほども御答弁をしておりましたが、やはり入場人口が減ってはおりますものの、女性の入場者というのは一割以上をずっと維持しているということは、やはりそういう面での幅広く国民的な娯楽としての存在というものが認められてきておるようなわけでもあります。  そういう中で、やはりこの何とか目的を達成すると。それにはいろいろできる施策、あるいは先ほどからお話し申し上げておりますとおり、連携であるとかあるいはブロック化の問題であるとか、いろいろ手だてをして何とかこの低迷に歯止めを、ストップを掛け、そしてその振興が図られる方向というものが見いだせばと、このように思っておるわけでありまして、やはりいろいろの総合的な立場でこの対応をしていかなければならないと、こう思っております。
  191. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 その他の質問はいたしませんけれども、要は競馬というものを、やっぱり競馬愛好者、要するに馬の振興もさることながら、ほかの賭博も好きな人もいろいろあるでしょうけれども、競馬愛好者というものをしっかりとつかまえないといかぬ。その辺で、先ほど言いましたように、もう私が準備した質問は全部出ましたので、その辺を御要望させていただいて、質問を終わります。
  192. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  193. 紙智子

    紙智子君 私は、日本共産党を代表して、競馬法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、競馬実施に関する事務民間企業にまで委託できるとした点であります。  賭博、富くじ販売禁止の唯一の例外として、国、都道府県、指定市町村に限って行われている公営競技において、それぞれの主催者が責任を持って実施することが公正さの保障であり、ギャンブルに伴う弊害の抑制につながると考えます。経費節減や効率性本位で委託が行われるならば、健全な国民のレジャーとしての方向に逆行するおそれがあります。また、販売、払戻し等、委託が予想される業務にかかわる労働者の身分保障を不安定にする条件となるものです。  第二の理由は、売上げの維持拡大にギャンブル性拡大の方策を取っていることです。射幸心を高め、かけ事の弊害をなくすために廃止されていた重勝式投票方法の復活をどれほどの論議を経て再び導入したのか問題であります。また、売上げ拡大をねらって成人した学生購入制限を解除することは、未成年成年が混在して学ぶ教育現場への影響を無視することができません。  なお、本法案は地方競馬への支援策を盛り込んでいます。しかし、その内容は生き残れるところだけ地方競馬全国協会への交付金納入を延期させる措置であり、猶予額は多くのところで累積赤字規模と比べ極めて少ないものであります。また、施設整備事業中心の競馬連携計画への財政支援では、無理な投資が起きたり、住民との摩擦が起こる場外販売施設などの動きを促進させる懸念があります。  さらに、競走馬生産振興業務とする生産者対策も、いまだ構想がはっきりせず、生産地との協議も不十分であります。中央競馬会の特別振興資金からと財政規模を限定した上に、馬の削減を前提条件にした対策だけでは非常に不十分なものになると思われます。軽種馬生産を文字どおり農業に位置付け、馬産地の自治体や農協などが実施しやすい抜本的な対策こそ必要です。  以上申し上げて、私の反対討論を終わります。
  194. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  競馬法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  195. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 岩永浩美

    委員長岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十六分散会