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2004-04-06 第159回国会 参議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月六日(火曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員異動  四月二日     辞任         補欠選任      愛知 治郎君     関口 昌一君  四月五日     辞任         補欠選任      関口 昌一君     野上浩太郎君      森下 博之君     松山 政司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         簗瀬  進君     理 事                 仲道 俊哉君                 西銘順志郎君                 森田 次夫君                 神本美恵子君                 吉川 春子君     委 員                 岡田  広君                 竹山  裕君                 中島 眞人君                 野上浩太郎君                 松山 政司君                 山崎 正昭君                 岡崎トミ子君                 川橋 幸子君                 松井 孝治君                 魚住裕一郎君                 白浜 一良君                 小林美恵子君                 島袋 宗康君                 黒岩 宇洋君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    参考人        東京大学大学院        法学政治学研究        科教授      宇賀 克也君        日本大学名誉教        授        長江 啓泰君        全日本交通運輸        産業労働組合協        議会事務局長   中西 光彦君        弁護士      高山 俊吉君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○道路交通法の一部を改正する法律案内閣提出  )     ─────────────
  2. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二日、愛知治郎君が委員辞任され、その補欠として関口昌一君が選任されました。  また、昨五日、関口昌一君及び森下博之君が委員辞任され、その補欠として野上浩太郎君及び松山政司君が選任されました。     ─────────────
  3. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  道路交通法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会参考人として東京大学大学院法学政治学研究科教授宇賀克也君、日本大学名誉教授長江啓泰君、全日本交通運輸産業労働組合協議会事務局長中西光彦君及び弁護士高山俊吉君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人方々から意見を聴取いたします。  この際、参考人方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  参考人方々から忌憚のない御意見を承りまして、今後の審査参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。まず、宇賀参考人長江参考人中西参考人高山参考人の順序で、お一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず宇賀参考人からお願いいたします。宇賀参考人
  6. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) 東京大学宇賀でございます。  本日は、道路交通法改正案について意見を述べる機会を与えていただきましたことにお礼を申し上げます。  現在審議されております法案内容は多岐にわたるものでございますが、私は、座長を務めました違法駐車問題検討懇談会平成十五年九月の提言に基づく違法駐車対策に関する改正部分に限定して意見を述べさせていただきます。  この懇談会は、平成十五年四月五日から五回にわたって開催されました。愛知県警における違法駐車取締り状況について、実際に違法駐車取締りに携わってきた方から説明を受けたり、パブリックコメントを求めたりして、幅広く意見を聴取するように努めてまいりました。この懇談会が示しました違法駐車対策は、違法駐車に関する車両使用者責任拡充民間委託範囲拡大を二本の柱としておりますが、パブリックコメントにおきまして、いずれの点につきましても、この懇談会の示した方向につきまして大方の賛成を得ることができました。  以下、この二つの基本的方針について御説明申し上げます。  第一に、違法駐車に対する使用者責任拡充でございます。  我が国都市部における駐車容量は最近確実に拡大してきたものの、違法駐車に関する一一〇番件数刑法犯関係の一一〇番件数とほぼ同水準増加傾向が続いております。違法駐車はなお未解決の重要な都市問題と言えます。  我が国では違法駐車犯罪とされ、交通反則金制度により、反則金納付すれば公訴を提起されない仕組みになっていますが、駐車違反の場合には現場運転者がいないのが通常であるため、当該車両使用者違法駐車をした運転者であるということを否認する場合に、違反した運転者を特定することが困難であるという問題を抱えております。  駐車違反を行ったにもかかわらず、運転者であることを否認して反則金を支払わない者に対しては刑事責任追及することができますが、そのためには十分な証拠を収集する必要があり、逮捕まで持ち込むことは容易ではございません。特に悪質な違反者に対しては、二、三か月にわたり張り込み捜査を実施し逮捕した例もありますが、刑法犯認知件数増加の一途にあり、検挙率が二〇〇一年には先進国最低水準の約二〇%まで低下した状況において、駐車違反取締り警察が多大の労力を費やすことを期待することはできません。  最近十年間で強盗が約三倍に増加し、その検挙率が五〇%を割ってしまったことに象徴されるように、戦後例を見ない治安の悪化におびえる国民の多くは、警察凶悪犯の徹底した取締りを行ってほしいと願っていると思われます。そのためにも、駐車違反取締りのためにより実効的な仕組みを考案し、駐車違反取締りに費やされている警察法執行の予算、人員を凶悪犯にシフトする必要があります。このような認識の下に、違法駐車問題検討懇談会使用者責任拡充することを提言いたしました。  車両使用者とは、車両を支配する権原を有し、その運行を支配し、管理する者のことであります。通常車両所有者と一致しますが、ローンで購入した自動車の場合には、ローンを完済するまでは販売会社所有者であり、使用者と一致しないことになります。  先進国におきましては、駐車違反について、運転者責任追及するものの、運転者確認できない場合には所有者行政制裁を科す仕組みが一般的であります。また、そもそも運転者責任は問わずに、所有者又は使用者に対してのみ行政制裁を科す例、フィンランドやスウェーデンがそうでございますが、そのような例もございます。また、イギリスのように、犯罪である駐車違反については前者、また犯罪でない駐車違反については後者の仕組みを採用している例もあります。これらの国では、所有者責任又は使用者責任導入の結果、違法駐車問題の改善、裁判所、警察負担軽減が実現したと評価されております。  我が国におきましても、駐車違反車両使用者責任が全く問題とされてこなかったわけではなく、一九九〇年の法改正により、違法駐車防止に係る使用者努力義務違法駐車をした車両使用者に対する公安委員会の指示、違法駐車防止に係る自動車使用制限命令についての規定が道路交通法に置かれております。しかし、これらは個々駐車違反に対して直接責任追及するという性格のものではございません。  そこで、今回の改正案におきましては、個々駐車違反に対して使用者放置違反金を科す仕組み導入することとしております。所有者ではなく使用者責任を問うこととしているのは、所有者は、使用者と一致しない場合、車両運行を管理する者ではないからです。もっとも、使用者車両を管理する者であっても、運転者と一致しない場合には違法駐車を自ら行った者ではないわけですから、刑事責任を負わせることは適当ではありません。行政制裁を科すこととしているのはそのためです。  また、大量の違反処理を効率的に行うために、制裁金としての放置違反金納付させることとしております。放置違反金納付命令行政処分であり、行政不服審査法行政事件訴訟法により争うことができます。さらに、行政手続法は、一定の額の金銭納付を命ずる不利益処分については事前手続を義務付けておりませんが、制裁金としての性格を持つ過料については地方自治法におきましても弁明機会付与が義務付けられていること等も踏まえまして、本法案におきましては弁明機会付与という事前手続を保障することとしております。  放置違反金は、国税滞納処分の例により行政上の強制徴収が認められますが、行政上の強制徴収制度は機能不全であることが少なくありません。交通反則金制度導入に際して、様々な選択肢の中から最終の検討段階まで残ったのが過料制度反則金制度であり、その中で反則金制度が採用されたのは、過料徴収実効性の問題があったからであることからもうかがえますように、背後に刑事訴追の威嚇を伴わない放置違反金実効性をいかに確保するかは重要な問題でございます。  現在、自動車税又は軽自動車税滞納がないことを証するに足る書面を提示しないとき、自動車重量税納付されていないとき、再資源化預託金等預託義務を履行しないときに車検を拒否する制度がありますが、放置違反金につきましても、不納付者に対して車検を拒否する制度導入し、実効性を確保することとしております。  交通違反をした運転者違反点数を付して、累積点数に応じて運転免許取消し停止を行うシステム交通違反の抑止に大きな効果を上げていると思われますが、駐車違反に対する使用者責任にこの点数制度を用いることは適当ではないと考えます。法人使用者である車両をその従業者運転し、駐車違反を行うというような場合には、法人自身運転免許を有するわけではないので、使用者たる法人運転免許取消し停止をすることができないからです。個人使用者の場合でありましても、金銭の場合と異なり、使用者運転者違反点数を転嫁することはできませんので、使用者運転者間の利害調整メカニズムが適切に働かないという問題があります。したがって、違反を反復する車両使用者に対しては、運転免許に係る点数制度ではなくて、車両使用禁止制度で対応する方が適切と考えます。そのため、本法案におきましても、駐車違反に対する使用者責任運転免許に係る点数制度をリンクすることとはしておりません。  次に、民間委託拡大について申し上げます。  行政責任としての使用者責任制度拡充される場合、違法駐車取締り事務民間委託範囲拡大も可能になり、この点も本法案のポイントになっております。現在も違法駐車取締り事務のうち、広報啓発警告活動、パーキングメーターの管理、レッカー移動等に関しましては、かなりの程度民間委託が行われておりますが、現場において駐車違反事実の確認標章取付け等事務も大幅に民間委託することにより、法執行体制強化することが望ましいと考えます。平成十四年十二月十二日の総合規制改革会議答申規制改革の推進に関する第二次答申も、都心部における駐車違反対応を効率化するために、当該業務民間委託を推進することが必要であることを指摘しております。  我が国大都市における違法駐車取締り件数は、先進国大都市と比較しまして相当に少ないように思われます。例えば、人口約八百万人のニューヨーク市の場合、取締り件数が約千万件であるのに対して、人口がその約一・五倍、約千二百万人の東京都におきまして、取締り件数は約四十八・三万件にとどまっております。人口約二十五万人のロンドン市のウエストミンスター地区でも、取締り件数東京都の倍近い約九十万件に上ります。人口約千万人のソウル市の場合、運転者確認されたときの制裁金賦課件数が約二・六万件にとどまるのに対して、運転者確認できなかった場合に車主に対して科される制裁金、これは韓国で過怠金と呼ばれておりますが、その賦課件数は約二百七十七万件に達しております。我が国の場合、警察執行力限界から、取締り対象になるのは一部の運の悪い者のみであるという認識国民の間に少なからず存在するものと思われ、民間委託拡大による法執行体制強化により、かかる現状が改善されることを期待したいと思います。  もっとも、違法駐車取締り事務を完全に民間企業等にゆだね、民間企業等駐車違反者から徴収した金銭全額自己収入とする完全な民営化は、採算重視取締りが行われたり、トラブルが懸念される取締りを回避したりすることによって、取締りの公正さが損なわれるおそれがあることから、本法案におきましてもそのような方針は採用されておりません。完全民営化を行わずに、民間委託にとどめることとしております。  そうであるとしましても、民間委託に際しては、取締り等事務に携わる者の能力の保障と取締りの公正を確保することが不可欠ですので、現場において違反事実の確認等に従事する者については資格制度導入することとしており、また、みなし公務員制度導入することとしております。みなし公務員制度導入は、取締り員収賄罪の適用を可能にするほか、違反者取締り員に暴力を振るった場合に公務執行妨害罪で検挙することをも可能にします。さらに、個人情報保護のために、取締り員罰則で担保された秘密保持義務を課しております。受託業者の選定に当たっては、適格者要件をできる限り客観的に定め、公正で透明な手続で行われなければならないことは当然であります。そのため、受託対象となる法人につきまして、都道府県公安委員会は、法定された欠格要件に該当せず登録基準を満たした場合には登録を義務付けられることとしております。そして、この委託対象法人の中から地方自治法、同法の施行令、各都道府県財務規則にのっとり受託者を選定する仕組みになっております。  私は、本法案が深刻な違法駐車問題の解決に寄与するものと評価し、その速やかな成立を期待して、意見を締めくくらせていただきます。  御清聴どうもありがとうございました。
  7. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) どうもありがとうございました。  次に、長江参考人にお願いいたします。長江参考人
  8. 長江啓泰

    参考人長江啓泰君) 現在提出されております道路交通法の一部を改正する法律案、これが成立することを望んでおります。この件について、参考人としての陳述理由とその考え方を述べさせていただきます。  車社会国民免許時代を迎えた今は、運転そのもの国民生活と密着した生活行動になっていると言えます。運転一つシステムと考えますと、それを構成する要素は、運転をする人、扱われる車、それと運転を取り巻く道路環境というふうになります。  安全運転を確保するためには、システムの質的・量的水準を高めなければいけませんが、システム限界は、これを構成する要素の中で最も低い要素が全体の限界を決めることになります。これはシステム一つの宿命的なことだと言えます。したがって、より良いシステムとするためには、それを構成する要素のバランスの取れた性能を確保することが必要ということになります。  一方、運転の主体はあくまでも基本的には人であります。安全運転を進めるために、質の高いドライバーが不可欠であります。このような意味合いから、より多くの良きドライバーをはぐくむための動機付けとなる奨励策が必要であります。同時に、国民一人一人が是は是、非は非とするめり張りのある法令執行を望んでおります。現在提出されております法律案の中の違法駐車対策暴走族対策携帯電話等使用に関する罰則見直し飲酒運転対策がこれに当たるものと考えております。  システムの中で、人を除くその他の構成要素であります車と道路環境は、科学技術と密接な関係にあり、特に近年の進歩は、車の操作簡便化運転作業の中での認知、予測、決断、操作の誤りを補完する技術開発実用化が進みまして、運転というシステム全体のレベルを維持しようとする観点から、運転者対策がこれに当たるものと思われます。  陸上交通における事故要因は、その九〇%を超えるものが人的要因であるとも言われております。同時に、国際化が進む中で、諸外国との法令内容整合化も重要な問題と考えます。運転教習時あるいは運転免許試験時で使われております車両運転可能な車両とは必ずしも一致し得ない現状にありますが、運転特性車両性能が相似する車両に区分して免許範囲を定めること、車両特有の性質と運転対処法を学習させ、試験に合格した者のみに運転免許証を交付することは交通安全を維持する上で大切であり、特に大型車については重要と考えます。  自動二輪車の二人乗り規制見直しについては、先進国高速道路を二人乗りで走行することを禁じているのは我が国が唯一であり、その見直しは当然と言えると考えます。しかし、一方では、暴走族が横行するのではとの懸念も払拭し切れないことも事実であります。運転者には適切かつ効果的な教育を施すとともに、自動二輪車以外の車両運転者に対しては、これまた適切な情報を与え、相互理解を徹底させるとともに、暴走族対策を含めた対策を実施し、多くの善良な運転者要望に耳を傾けることが優先すると考えます。  これらの見直しを進め、より良い交通社会の構築に向けて明確な道しるべができることを願っております。同時に、成立の暁には、積極的に広報啓発活動を展開し、効果を発揮する方策を実行されますことを希望いたします。  罰則強化も重要ですが、同時に、二度と事故違反を起こさないための問題意識の形成、行動変容、協力、協調を実践できる規範確立という個人個人への心の働き掛けにも力点を置いてほしいと考えております。  以上でございます。  御清聴ありがとうございました。
  9. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ありがとうございました。  次に、中西参考人にお願いいたします。中西参考人
  10. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 皆さんのお手元に、今日発言する要旨をお配りしてあります。それに沿って発言させていただきたいと思います。  私の所属する交運労協という団体は、陸海空の労働組合集まりで、約七十一万人で構成しております。今日お集まり先生方には、常日ごろからいろんな面において御指導いただいていることに対し、感謝を申し上げます。  本日は、私ども交通運輸産業現場で働く労働者の、この法案改正に対する考え方といいますか、意見を発表させていただきたいと思います。  最初は、道路交通法の一部改正する法律全般についてなんですが、この今回提案されている改正については、この六項目、私どもとしては長年の懸案であったり、また最近の課題であったりし、改正必要性というものについて十分認識をしております。改正の案の中には積極的に賛成できない部分もありますが、基本的には賛成です。今日は、特に違法駐車対策の案と運転者対策の案について、積極的に賛成できない部分、その後の政省令整備等で配慮していただきたい点をお願いをしたいと思っています。  最初に、違法駐車対策案についてですが、私たち道路を主な職場としている者にとっては、違法駐車交通渋滞を引き起こしているし、違法駐車が起因する事故も多く発生しており、対策に苦慮しております。この問題を改善すべく、私たち団体も毎年一回、日時と場所を決め、全国的に違法駐車実態調査をしており、その調査結果を持って地方公共団体を訪問し、駐車場附帯義務条例の制定や荷さばき場の設置、タクシーベイ整備についてお願いしてまいりました。同時に、各県の警察に対しても具体的な場所を示して違法駐車取締り強化するようお願いしてきました。  私どもとしては、関係者の御努力により一定効果があったと評価しておりますが、最近この効果が見えなくなりました。国民のマナーもどんどん悪くなり、悪質な違法駐車増加しております。注意すると大変怖い思いをするようなこともあります。このような状況を放置しておくことはできません。一方、凶悪な犯罪増加し、昔の世界一安全な日本はどこかに行ってしまった感がします。  最近、いろんな場で引用されている破れ窓理論にもあるとおり、違法駐車のような小さい犯罪を放置せずに徹底的に取り締まることが治安回復にも良い影響を与え、安全な日本を取り戻すことができるのではないでしょうか。そのためにこの改正案成立させていただき、民間の知恵と工夫で違法駐車の撲滅を目指し、運転者に対する指導と徹底的な取締りを確実に実施することが必要です。また、民間委託に伴い、警察官警察官しかできない職務に配置転換していただき、安全な日本を取り戻すための治安回復に向け全力で取り組んでいただきたいことを切望します。  具体的には、今回の改正案は、運転者責任と新たに提案されました使用者責任追及がありますが、モラルハザードを招かないためにも、第一義的には運転者責任追及ということについては正しいと理解しますが、喫緊の課題になっております治安維持のため、警察力の再配置を考えると、割り切って使用者責任追及に特化し、運転者が出頭しなければ早急に使用者責任追及手続に移るべきであると考えます。その上で、使用者に対して確実に弁明機会を与えることが重要だと思います。  なお、今後の作業で、駐車違反を将来的にどのように減少させていくのかとか、駐車違反取締りに初めて民間委託導入することから、規制取締りの在り方をどうするのか等の将来方向が見えるような政省令整備をお願いしたいと思っております。  細かい問題なんですが、違反金納付滞納した場合、車検拒否をするようになっておりますが、一部の整備事業者から滞納事前に分かるようにしてくれとの要望もあり、個人情報の流失に十分配慮しながら、現場で混乱が発生しないような措置が必要だと思います。  また、民間委託についてですが、委託契約においては、改正案に記述されている欠格要件登録基準はもとより、入札で安いところが契約することを基本としながらも、職務を高いレベルで完全に遂行できる法人を選定するよう要望します。また、マニュアルを作成するということになっておりますが、委託のエリア、監視の回数、時間帯も明記する必要があると思います。  駐車監視員についても、明確な基準を制定して、公平公正中立性透明性が保たれる人を選び、取締りに対する信頼性の醸成が肝心です。このことを遂行するために必要な教育は、警察委託事業者十分連携をして実施していただきたいと思います。  駐車監視員ですが、違反の事実を確認するためのツール、無線、デジタルカメラ車両パソコン等は、委託事業者間で差が生じないよう、警察が点検、維持管理することが必要だと思っています。  また、委託事業者の評価についてですが、民間委託をしてより良い仕事をしていくためには何らかのインセンティブを与える必要があると思います。その場合、評価の基準内容、評価方法、評価の公平性、透明性が非常に重要になってくる。これを間違うと民間委託は失敗に直結する危険性すらはらんでいる問題であることから、慎重に検討することが必要だと思っております。  そのほかとして、一部の報道で流されていますとおり、交通における民間委託は、免許停止の短縮講習、レッカー移動業務、パーキングメーターの業務等に見られるよう、警察の外郭団体とも言われる交通安全協会に利権を集中させ、利権確保が至上命題で、取締りのための取締り取締りノルマを生む原因になっており、今回の民間委託も、警察OB団体警察が大きな影響力を持つ組織が牛耳ることになり変化は期待できないという声もありますが、この点について十分配慮する必要があると思います。  もう一つ民間企業では、年金の支給年齢の引上げもあり、定年問題が大きな課題になっています。全国の警察官の年齢構成を見ても、二〇〇六年ころから毎年一万人規模の定年退職者が十年近く続くことになっております。定年後の雇用をある程度守る必要があることから、駐車違反取締り民間委託警察OBの受皿としている報道がありますが、経験豊富な専門家が担当してくれるので良しとの判断もあるが、限度があると思うので、国民から納得が得られる範囲でとどめ、国民から民間委託に対する信頼を得ることがまず大切だと思っています。  次に、運転者対策の案ですが、これについては反対ではありませんが、積極的に賛成とは言えないのです。  この中間的免許の新設の話は、過去に何度か各方面から出されました。この新設の目的が、事故防止対策を前面に掲げながら、主な目的が運転者の確保を容易にするためであったり、不純なものがあったことから、私たち交運労協は、運転免許制度改正の目的が交通事故防止対策であれば、普通免許の上限を現行の車両総重量八トンから六トンに下げ、現在の普通免許の技能試験方式ではカバーできないとされている六トンから八トン車両運転は大型免許範囲にすべきと主張してきました。  しかし、ここに来て続発する悲惨な社会的影響の大きい大型トラックの事故について、事故防止の観点から点検してみますと、重大事故関係車両事故状況から、大型トラックがますます大きくなっていること、トラックの性能が向上していること、トラックの製造技術の向上によって軽量化が図られていること、また運転者運転技量、知識が未熟なことが考えられます。  これらの要因と同時に、運賃・料金の低下に伴う過積載、過労運転、長時間労働、スピードの超過等に重大事故の発生など、大型トラックの事故、死亡者数を総合的に考えてみると、車両総重量五トンから八トンまでの車に対する対策としての中型免許新設より、大型免許部分に問題があることが明確になりました。車両総重量二十トン以上、ホイールベース七・五メーター以上の超大型車両に対する新たな免許、新大型免許が必要であり、試験車両もこれに見合った超大型車両にする必要がある。同時に、技能試験も場内試験だけでなく、一般車両を実際に道路を走行する路上試験導入するという変更には適切だというふうに思っております。  希望としましては、金も掛かり無理かもしれませんが、これらの車両使用して、荷物を積載し、高速道路走行も試験項目に入れるかどうか検討していただきたいというふうに思っています。  この運転者対策案を実効あるものにするためには、現在、普通免許所有者が六千七百四十四万人、大型が四百三十七万人もいることから、経過措置の考え方が非常に重要になってくるんではないかなと思います。今までのような既得権をすべて認める方式でいいのか、検討する必要があると思います。  また、具体的にどういう経過措置をするのかということにつきましては、今回の改正の問題点は、普通自動車免許運転できる範囲の減少という改正案で、現行との扱いの問題になってきます。現在、車両重量五トンまでの車しか運転していない者は問題ないが、八トンまで運転している者は改正運転できなくなるということになります。そこで、改正前の区分をそのまま有効にする考え方を採用すると、普通自動車運転できる区分を変更する意味がなくなってきます。どうすればいいのかは慎重に検討する必要があると思います。  しかし、現実問題として、既得権を確保するというふうなことから、中間免許車両総重量八トン限定の免許証になるのではないかなと思います。  また、普通免許を有する者が中型免許への移行を希望する場合についてどうするのかというのも重要な問題になってくると思います。  このように、新たな区分を作り、かつ範囲の縮小という初めて経験する事象が含まれている場合、今までどおりの改正前の免許区分をそのまま認めざるを得ない、また拡大にもつながるという面が出てき、法改正の目的が不明確になってしまいます。  次に、暴走族対策ですが、暴走族対策についても、私どもとしては非常に困っておりますが、何せ毎日職場を道路に求めているところでは、彼らに仕返しされるということが一番怖いものですから、なかなかそれが訴えられないような現状で、今回の改正によって警察にしっかり取り締まっていただき、安心できる職場にしていただきたいと思います。  自動二輪車の二人乗り規制見直しですが、これは以前からも国民の希望が多くあり、また警察自動車安全運転センター等で実験を繰り返し、二十歳以上、経験三年以上の条件を付して許可に踏み切ったようです。私どもとしては、なぜ許可までにこんなに長い時間が掛かるのかとか、どうして今許可をするのかという疑問が残りますが、これからはこの条件として付した二十歳以上三年以上という条件をどのような方法で確認し徹底するのかが重要であると思います。  また、この許可は暴走族対策と一体のものとしてとらえ、暴走族高速道路への流入の阻止とともに暴走族対策を一層徹底するようお願いしたいと思います。  最後に、飲酒運転検知拒否に対する問題ですが、これは罰則に抜け道とか不公平があってはいけないと思います。前回の改正の後回しになったものだと思いますが、この警視庁の統計によりますと、改正後五〇%も拒否するのが増えたということですから、これについては早急に実施していただきたいというふうに考えています。  以上です。
  11. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ありがとうございました。  次に、高山参考人にお願いいたします。高山参考人
  12. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 高山俊吉でございます。お招きをいただいたことを感謝します。  私の意見はレジュメに用意させていただきまして、自己紹介等と題する添付の資料が若干ございます。一緒にごらんいただければ有り難いと思います。  私自身の自己紹介はこの別紙にありますとおりですので、詳しく申し上げません。交通法科学研究会の事務局長職にあります。また、この組織の紹介も別紙のとおりでございます。ただし、今日の意見は私の個人意見であります。  私は、これまでこの法案に強い関心を寄せてまいりましたけれども、この法案の提出に向けた検討とか協議等の機会にかかわってきませんでした。その意味で、今日のこの意見は道交法の運用の現場からの声だと、文字どおり在野の意見だと、こういうふうにお受け止めいただければ有り難いと思います。  運転者対策の推進、そして暴走族対策の推進、携帯電話の使用等に関する罰則見直し等については時間の関係で割愛をさせていただきます。高速道路における自動二輪車の二人乗り禁止規制見直し、それから飲酒運転対策の推進の問題に簡単に触れて、違法駐車対策の推進について少し詳しくお話をさせていただきたいと思います。  高速道路における自動二輪車の二人乗り禁止規制見直しであります。後に述べる条件の下に私はこの改正案賛成をいたします。  率直に申し上げて、この結論を得るのになぜかくも長期間を要したのかということが理解できないという感じがございます。高速道路、高速自動車国道等ということになりますが、車両が交錯しない構造であります。一般道路の交差点事故に当たる事故基本的には発生をしない道路、一般に幅員も広く、見通しも良く、車両専用道路であるために人対車の事故発生数は極小であります。道路延長対比での事故発生率を見ますと、一般道路に比べて極めて低い。高速道路は超高度安全、超高度交通安全道路だと称して差し支えないのであります。  他方、二輪車の乗員複数化が危険要素を高めるということを証明する具体的なデータはない。四輪、二輪を問わず、同乗者がいる場合の方が運転者の判断、行動がより慎重になる傾向があることはよく指摘されている。事故発生時の致死率が高いということも、強調することはこれは不合理であります。もし仮に、極論でありますが、致死率だけを考えれば、航空機は最も危険な交通媒体だということになります。  普通乗用車の平均乗員数が二名を割っているというのが現状であります。この状況の下で道路の損耗に与える影響の小ささ、車両排気量の小ささ等を考え、そしてまた自動二輪車が高速道路利用車両の質的合理化に寄与することになるものだというふうに私は考えています。  問題なのは、有資格者を年齢二十歳以上、経験三年以上の者に限定したことであります。依然として時代後れの及び腰の姿勢が目立ちます。安全思想に関する消極的な思想だと思います、消極的な受け止め方だと思います。  年齢二十歳未満の者や年齢、経験三年未満の者の高速道路二人乗りが特に危険であるということを示すデータはない。その気になれば外国の実情を調べることが可能であります。この検討をするのに一般道路における若年者、初心者の事件例を考察することはほとんど無意味であります。この法案参考資料の中にもデータが用意されておりますが、私は非常に不合理な資料であると思っています。高速道路と一般道路では事故発生の契機が全くと言っていいほど違います。また、そもそも自動二輪車の利用者自体、若年者や初心者に大きく偏るという傾向があることは、これはもう知られたことであります。年齢二十歳以上、経験三年以上の者というふうに言えば、これは概括的に言うならば、自動二輪車から四輪車に移行していく時期の人々が多いのであります。  規制改革推進三か年計画再改定などを根拠に挙げることについて、私は強い違和感を持っています。交通安全には規制が徹底的に求められる局面も当然あるのであります。高速道路自動二輪車の二人乗りを不便の解消の問題としてとらえるということは、実は正しくない。あくまで危険を増幅するかどうかという視点で見るべきであります。今次改正案には、自動二輪車にはなるべく高速道路を走らせたくないという、私の考えでは不合理な危険視思想と規制意図思想がいまだに濃厚に残存しているというふうに思えてなりません。  私は、全面解禁、全面解禁といいますのは、一般道路基準と同一に免許取得後一年のみ禁止とするという意味でありますが、これを速やかに実現する道程としてという条件を付けて改正賛成をいたします。  次に、飲酒運転対策であります。  私は、これについては更に慎重な検討を求めたいと考えています。呼気検査を拒否した者に対する罰則の引上げに関連して一言だけ触れておきたい。飲酒運転の危険性に関する市民感覚の高揚あるいは醸成を抜きにした強権発動ではいけないと思います。  まず指摘すべきことは、厳罰化の成果が喧伝されているほど上がっているとは実は言えないのではないかと、厳密な検証が必要であるというふうに考えております。過大評価は対策の非科学化につながります。  飲酒運転罰則を引き上げた二〇〇二年の六月施行の改正道交法の後を追ってみます。三年の後半から飲酒運転死亡事故事件の減少率が低下しつつあります。改正道交法等の効果が短期的なものにすぎないのではないかというその可能性については引き続き検討する必要があります。  飲酒運転死亡事故件数の減少については、他の違反、道路形状、時間帯など、他の関与要因との比較が不十分であります。そのために、飲酒運転死亡事故件数の減少が死亡事故件数全体の減少の中でどのように寄与をしているのか、意味を持っているのかということの厳密な判定が必要であり、その点の資料が乏しいという研究者の報告があります。  もう一つ指摘しなければならないことは、誤測定の問題であります。近時、飲酒検知の誤測定に関する報道が相次いでいることは御承知のとおりであります。私は最近、記事検索を試みました。飲酒検知の誤測定に関する新聞報道が、今年一月から三月までの間に六十三件あります。同一事件の報道が重なっていますから誤測定が六十三件あったという意味ではないけれども、この問題に関する世論の関心がいかに高いかということをよく示していること、これは間違いがありません。「検知器誤作動 飲酒検問 揺らぐ信頼 厳罰化の中 現場に波紋」、このような見出しが掲げられている新聞もあります。  速度違反の判定に用いる速度測定機器などにも通じる問題であるのでありますが、問題が犯罪の成否を決する決定的な契機であるだけに、誤測定の原因解明や是正の経過が詳細に公表されないのは極めて遺憾であります。誤測定は発表された事案だけとは決して言えないのであります。誤測定には暗数がある。冤罪の存在を推定させます。徹底的な情報公開をしない処罰強化は明らかに不正義であります。  対策は二面から考えられる。第一に、疑問事案、疑問とされる事案、疑問が寄せられている事案、この情報を隠さず迅速、詳細に公表すべきであります。第二に、測定機器の確かさや測定方法の妥当性についての警察外の者の検証システムが作られることであります。警察外の者が測定の科学性を検証できるということは、飲酒運転抑止の社会的な機運を作る上でも極めて有意義であります。  よらしむべし知らしむべからずの行き方を根本から改めて、検知拒否に対する罰則強化に測定の公明正大さをきちんと伴わせる必要があります。問答無用の言わば北風政策に私は強く懸念を感じます。  次に、違法駐車対策の推進に関してであります。  私は、駐車車両使用者の義務強化、放置車両使用者放置違反金納付制度、放置車両確認標章取付け事務民間委託を中心とする違法駐車対策に関する改正に反対いたします。  放置車両使用者放置違反金納付制度についてまず申し上げたいと思います。  まず、放置違反金納付制度です。最大の問題は、犯罪行為に及んだ者以外の者に当該犯罪行為に関連して不利益を課することの問題性であります。  駐車違反については、あくまで犯罪者の道路交通法違反について捜査を遂げ、当該犯罪に関与した周辺の者については共犯としての刑事責任の存否を考えるべきで、またそれでよいのであります。  違反運転者の特定が困難だとか、特定、呼出し、検挙に多大のコストが掛かるというのは改正の合理的な理由にならない。犯人を捜し出して検挙するのは警察の本務であります。犯人の特定が容易でないというのは少しも珍しいことではない。一般的に言えば、容易に特定できる方が刑事犯罪の被告人としては珍しいのであり、犯人としては珍しいとも言える。刑法犯の検挙率を大きく押し下げている要因に空き巣ねらいがあります。検挙の危険が小さいことを奇貨として犯人が犯行を繰り返している可能性はあるのでありますけれども、しかしそのことによって犯人検挙に多大のコストが掛かるからといって何らかの他の刑事政策を講ずべきだという議論は出てこない。  放置駐車者の責任とは何であろうか。放置違反の本質は何か。自身の使用車両を自分以外の何人かが駐車違反を犯したときに、その使用者が制裁を科されることになる理屈というのは何であろうか。この点はおよそ実は不透明であります。  運転者自身が駐車違反責任を取ったときには使用者責任がなくなるとされます、されています。運転者反則金納付しようがしまいが、違反行為に及んだというその事実そのものによって使用者責任が生じるという仕組みではないから、明らかに個別責任ではなくて、刑事罰と行政罰の連帯類似の関係という摩訶不思議な構成になっています。  使用者放置違反金納付しても運転者の道交法違反は継続し、引き続き捜査が遂行され、両者は相互免責的関係にないとされています。しかし、それは机上の議論です。現在でも、高コストと悲鳴が上げられている、警察力の他部門への再配置を言う警察当局が、使用者違反金納付した状況下に犯人捜しに精力を注ぐでしょうか。実際問題として、使用者運転者責任を転嫁され、使用者の代払いによって事件捜査に幕引きがされるということは自明ではないのでしょうか。  もしそうではなくて、違反金納付を求められた使用者若しくは違反金を取りあえず納付した使用者運転者に迫って、運転者反則金納付させるということで本来の駐車違反の検挙が進み、そしてその結果として使用者の免責が実現するのだから、決して中途半端な幕引きにはならないという説明が行われるかもしれない。違反金反則金よりも高く設定されているということは、運転者の検挙に向けた対策の色合いをうかがわせます。上限が高く設定されております。しかし、もしそうだとすれば、その政策こそ犯人検挙のために制裁をもって使用者を追い込む方策ということになります。言葉が悪いかもしれないけれども、隣組運動にも似た国民動員策のそしりを免れないと思います。私は、現場の法律実務家の一人として、このような異様な法構造の存在を容認することができない。  具体的な問題を二点だけ示します。  駐車違反取締り件数中、出頭確保ができない件数がどれだけあり、そのことが違法駐車対策の実行上どのような支障原因になっているのかについて具体的な数字の資料等が何も示されていない。法案提出に先立つ違法駐車問題懇談会では、説明者は、駐車違反違反金納付している人の数は日本は英米に比べて極端に少ないというふうな説明をしておられます。本当でしょうか。実情を全く開示しないまま、数字を挙げた説明がないままに議論を進める手法には私は強い違和感を持ちます。  それから、五十一条の四、第三、第四、十六、十七等について述べます。放置違反金納付命令とその取消しに関する規定であります。  当該車両に係る運転者反則金納付し、又は公訴を提起される等その責任追及されることができた場合には、この限りではないということになって、違反金納付命令を出さず、出していれば取り消し、既に違反金納付されていれば還付するということであります。  使用者の免責事由というのは、運転者反則金納付と公訴提起等であります。ところで、駐車違反を争う運転者の中には納得がいかないことを理由に出頭しない者、出頭しても事情を訴える者もいます。この法案では、そのような場合にも使用者は当然に違反金納付しなければならないことになるのであります。弁明や証拠提出の機会は与えられるといっても、基本的にそのような場合には対象から除外されるのではない。実際問題として、他者の駐車違反嫌疑に対してどれだけ使用者が実証的な主張や立証ができるかという問題があります。このような機会提供が実効性を持つとは到底考えられない。結局、運転者が争っているのに使用者責任を取らされてしまうという事態は排除できない。  このようなことは、種々事情を訴えたい運転者公安委員会だけにではなく使用者に対しても自身の主張を尽くすことが求められて、結果的には運転者の訴えを押さえ込む結果に結び付きます。  法務省は駐車違反で不起訴に終わる者の数を公表していません。しかし、道交法違反全体の不起訴件数は公表しています。最近のデータでは年間約十万件を超えています。駐車違反は道交法違反の約四分の一を示していますから、駐車違反の不起訴件数の事例は少なくとも数万件に上がると思われます。それらは、言うまでもなく、起訴便宜主義を規定した刑事訴訟法二百四十八条によってそうされているのでありますけれども、この数万人という数字の大きさは到底軽視することができません。  放置違反金制度は争う運転者をからめ手から争いにくくする制度だという批判は、本質をつく見解であるというふうに考えます。  放置車両確認標章取付けの事務民間委託についてであります。  私は反対であります。駐車違反は、いかに普遍的に存在しているとはいっても、れっきとした犯罪であります。犯罪検挙の最前線の重要任務を民間委託することは、警察犯罪捜査に関する国家責任をあいまい化するものという、そういうことを言わざるを得ない、指摘せざるを得ない。  民間委託の理由の一つに、治安悪化に対処するために警察力を他に振り替えることが求められるということが言われている。しかし、現在、交通警察に投入されている警察力がどれだけかという基本的なデータさえもこの資料の中には出されていません。  交通警察にかかわる警察官の数を先生方は御承知でしょうか。現在、日本全体でわずか五千人程度であります。警察官全体が二十七万人、その二%程度しか交通事件に関与しておらない。これを更に減らすかもしれないという状況下での対応策がこの放置車両取締り民間委託であります。交通安全に向けた警察の決意の程度がこのくらいのものなのかと、私は率直に申し上げて暗たんたる思いがいたします。  今次改正基本的な思想は、民間人の警察補完であります。民間人の警察協力構造の推進です。これは極論をすれば国民総取締官化構想ということになると思います。  どういう規模、構想、政策で実施するのか。実施するとどのような効果があるのか。町じゅうが違法駐車だらけという現状の下でひたすら取締りがばく進するということにならないか。委託先に暴力団関係者がいるかどうかということに法案作成者はこだわっておられます。そのような人々がかかわること自体もちろん問題でありますけれども、そうでなければよいということではない。交通安全のために誠実に取り締まりまくる、交通安全のために誠実に取り締まりまくるということがならないかというその保障がどこにあるんでしょうか。  パブリックコメントでも指摘されていますけれども、どのようにチェックを掛けてもこのような組織が天下りの温床になるということは目に見えているというふうに私は思います。駐車違反犯罪から犯罪でないものにして、その所管を警察から他の機関に移動させた上で対策を官民協力して実施するものであるとするならばこれは十分に考えられるけれども、法の執行の面に途方もない混乱と矛盾を引き込むことになるのではないかというふうに私は考えます。  以上です。長くなりました。
  13. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ありがとうございました。限られた時間の中で御協力、本当にありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 西銘順志郎

    西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。  参考人の皆様方には、大変貴重な御意見を拝聴させていただきまして心から感謝を申し上げます。時間が十五分ということでございますので、早速数点に絞って質問をさせていただきたいというふうに思います。  初めに……
  15. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) どうぞ、質問者の方も座っていただいて結構ですから。
  16. 西銘順志郎

    西銘順志郎君 ああ、いいですか。いつも立ってやっているものですから。済みません。じゃ、済みません、座らせていただきます。  初めに、宇賀参考人高山参考人にお尋ねをいたしたいというふうに思っております。  駐停車違反については、モータリゼーションの進展あるいは車社会の成熟など、道路交通環境の変化に対応して駐車場の整備、交通巡視員制度導入、違法放置にかかわる反則金の引上げ、使用者責任導入規制措置が講じられてまいりました。駐車場の整備と並行して違法駐車取締り件数は減少はしているものの、まだまだ解決に向かっているとは言い難い状況にあるというふうに思います。  特に、都市部における駐車違反を見てみますと、取締り件数は、平成十四年度で警視庁管内が約四十三万八千件、大阪府警管内が二十六万六千件を超えておりまして、交通の円滑と市民の安全に重要な影響を与えていると思います。また、駐車違反に関する住民の要望、苦情相談の一一〇番等も増加傾向が続いており、この違法放置車両問題は私は住民生活にかかわる部分でむしろ深刻化しているというふうに思うのでございます。  ところで、現行の道路交通法は、放置車両違反等に対する罰則として罰金刑を原則として定める一方で、比較的軽微な違反事件については、簡易迅速に処理するために車両運転手に反則金納付させる反則通告制度を設けているわけでございます。現実には違法駐車として罰則を適用されるケースのほとんどが反則金納付で終結しているというふうに思われます。しかし、取締りを逃れている違法行為の割合も極めて高いものがございますし、また、反則金の額は少額であるということで、違法駐車を抑止する仕組みとしてこの制度が機能を失っているんではないかという指摘もあるわけでございます。  私は、法の執行の網をすり抜けて処罰を逃れている割合が高い現状を放置することは、執行当局に対する信頼を失い遵法精神の荒廃にもつながりかねないというような危惧をいたしておるわけでございまして、そこでこの反則金制度にどのような点に問題があるのか、課題があるのか、御両人からお聞かせをいただきたいというふうに思っています。
  17. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) この交通反則金制度導入されますときに、当時警察庁におきまして様々な選択肢について検討をしております。最終的に残った選択肢が過料制度とこの交通反則金制度であったわけですが、過料制度の場合には相手方が払わない場合に強制徴収をするということになりますが、なかなか金銭強制徴収制度というものがうまく機能しないおそれがあるということから反則金制度が取られたわけでございますが、この反則金制度のメリットは、一応任意に納付を求めるんであるけれども、納めない場合には刑事訴追の方に移行するということで、背後に刑事訴追の威嚇があるものですから、そこでこの反則金納付が促されているという、こういう問題、こういうメリットがあるということは指摘することができると思います。  それから、現在この制度ですべてうまくいっているかといいますと、やはりそうではないわけでございまして、この反則金というのは背後に刑事訴追が控えているものでありますから、もし相手方が自分は運転していないんだというふうにその使用者の方が言い張った場合、実際にそういうこともあるでしょうけれども、実際には運転していたにもかかわらず自分は運転していないというように言うことも多いわけでございます。この場合、反則金を納めなければ刑事訴追の方に移行するということもできるわけですけれども、結局、背後に刑事制裁が控えていると、刑事手続に移行するということになりますと、これは逮捕するためにはしっかりとした刑事訴訟に堪え得るような資料を、証拠を十分確保しなければならないということで、張り込み捜査をしたりして大変なコストが掛かるわけであります。とてもこれは頻繁に行うことはできません。  ですから、結局、現在の制度の下では、本当は運転していたんだけれども、いや自分は知らないというふうに言い張ってしまいますと、結局そこでそれ以上進めなくて逃げ得になってしまうという現象が生じてしまっていると。これが現行の制度のやっぱり大きな問題ではないかというふうに考えております。
  18. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 反則金は一九六七年に作られて、それが運用されてまいりました。いろいろな理由で立法理由があったわけでありますが、私はこの反則金制度の在り方をかなり基本から考え直さなきゃならぬときが来ているという気がしています。  今、一番のピークから少し下がりましたけれども、一番多いときには道路交通法違反で検挙される件数が千二百万件台ぐらいになったことがあります。反則金を納める人数だけで一千万。一千万という数は国民の十人に一人、あるいは十一名に一人というぐらいのところで、運転能力、運転資格を持つ人を分母に置けばもっと多くなりますね、分母が小さくなりますから。一年に一回違反をするという、そういう数です。犯罪抑止へ向けた記銘力という意味では実際上ほとんど功を奏しなくなってしまった。十年たてば国民全員が違反者になってしまうという状況になった。これは本当の意味での記銘力、抑止力、抑止効果に結び付くものではないということなのであります。  私は、反則金制度がどういう意味で違反抑止につながるか、あるいは交通安全に寄与するものになるのかということについての再検討が必要だろうというふうに思っています。実際にドライバーとして捕まって反則金を納めた人はちょっと運が悪かったという以上の総括を自分自身の中でしていない人がほとんどだという状況があります。  さて、駐車違反との関係を一言申し上げれば、私はどうしたらいいかということについては、駐車場所の十分な提供ということが車の両輪のもう片方にどうしてもなければいけないと思います。非常に容易に駐車をすることができる状態がありながら、あなたはそこに駐車をしなかったということがあって処罰をされる、制裁も受ける。この構造が、車がしっかり両輪回っていないとどうしても強権発動だけになる。駐車場所整備に向けた私は努力がまだまだ全く足りない、このように思っております。  以上でございます。
  19. 西銘順志郎

    西銘順志郎君 どうもありがとうございます。  何点か質問したいんで、答弁の方は簡潔にお願いを申し上げたいというふうに思います。  続いて、長江参考人高山参考人、もう一度お伺いをしたいというふうに思っております。  平成十三年度の道交法改正による飲酒運転等に対する罰則強化、刑法改正による危険運転致死傷罪の新設など、スピード違反事故や飲酒運転事故が減少したことが統計的に確認できます。しかし、昨年の統計で飲酒運転事故を見ると、前半の半年は対前年比で三六%減ということになっておりますが、後半になりますと減少率が一二%ということになっておるわけでございます。この数字は事故に関するものでございまして、飲酒運転自体に対する抑止効果が薄れていると即断することはできませんけれども、長期的に見て罰則強化効果が限定的なのではないかと推測できるというふうに私は思っております。  今回の改正案についても、駐車場のスペース拡大や料金低下、違法行為の確実な捕捉が進まないままでは、違反金制度導入が今後取締り効果を持続できるのかどうか非常に疑問な点があろうかというふうに思いますので、御両人の、両参考人の御意見を拝聴させていただきたいと思います。
  20. 長江啓泰

    参考人長江啓泰君) 今御説明がありましたように、確かに駐車場の整備がなければなかなか駐車違反というのが取締りが行えない、この両輪だというお話が先ほど高山参考人からありましたけれども基本的に現状で問題になっている駐車違反というのは、駐車スペースが別にあっても道路をふさいでいるとか、あるいは駐車の仕方をわきまえていない、そういう運転者の勝手な、何というんですか、ところに車を止めておくというようなことがあるんで、私は基本的に多くの人たちが、これ実は全員がほとんど免許を持っているんですが、運転していないときには全く運転者の気持ちが分からないというのかも分かりませんが、逆に言うと、歩いている人たちは何でこんなところに車を長い間置いておくのかというようなそういうことがあって、法に対する一つの遵法精神をそぐものだろうというふうに思います。  同じことが飲酒運転についても、拒否をするということが、なぜ拒否をしなきゃいけないのか。私なんかはばかですから、やってみて出ないということで、正しい、それで良かったと、こういうふうに私は思うんですが、基本的にはそれは罰則が、飲酒運転罰則が非常に高くなって、むしろ拒否をしてそこのところで済ませばいいという考え方があるんじゃないのかなと、ちょっとげすの考え方ですけれども、そんなふうに考えています。
  21. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 私は飲酒運転についての御質問に絞ってお答えさせていただきたいと思いますけれども、大変実は危険なことだということについて、その認識が実は余り広くない。乗るなら飲むな、飲んだら乗るなということになって、みんな経験しないことなものだから、運転をするときに飲んでいたらどうなるかということを知らないでみんな怖がっているという状態があります。これは非常に幸せな状態なのか不幸な状態なのか分かりませんが、飲むとどうなるかを知らない。本当は知らせなければならないとさえ思っています、場所を限定して、飲むとどのくらい認識能力が落ちてしまうのかと。そのことを、内なるボランタリーというか自発的な感覚の中で、これはやめるべきなんだということにしないといけない。この私はキャンペーンというのか運動というのか、これが非常に足りないということを一番感じておりまして、罰則強化についてもやむなしと思いつつ、こういう状態を実は前提とするんだがなという思いがございます。  短くて恐縮でございます。
  22. 西銘順志郎

    西銘順志郎君 ありがとうございました。  中西参考人にもお伺いをさせていただきたいと思っております。  今回の改正案の柱の一つ自動車運転免許制度改正がございます。車両重量五トン以上八トン未満の車両の死亡事故件数が目立っているということで、新たに中間免許を設けるというようなことでございます。そういうことで、これは中・大型、中型、大型というのはあれは主に事業用でございまして、免許制度改正はこのトラック運輸や輸送業務に携わる方々の資格の取得や安全の問題にも密接にかかわってくるというふうに思っております。  そういうことで、中西さん、事務局長をなさっておられる全日本交通運輸産業労働組合協議会としてこの改正案に対してどのような評価をなさるのか、あるいはまた、この五トンから八トンの車両を扱う労働者の安全を図るために協議会としてこれまでどのようなこと、対策をなさってきたのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
  23. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 今先生のお尋ねの五トンから八トンのところをどういう対策を取ってきたのかということについては、乗用車で運転試験をしていきなり大きいトラックにあしたから乗ってもいいような今の現状ですから、各事業者はそういうことを危なくてできないものですから、二か月、三か月、社内でいろんな講習をして乗せているというのが現状です。  それから、今回の中型免許の評価というのは、私たちの仲間のところはどういうふうにしているかというと、これはこの中型免許を作ったということよりは、これを、一番数の多いところをこの免許にして、問題は大型免許の技能試験を改革していこうというところに主眼を置いているというのが実情です。
  24. 西銘順志郎

    西銘順志郎君 もう時間がございません。最後の質問をさせていただきたいというふうに思うんですが、長江先生、国民の余暇利用という観点から、今の中間五トンから八トンの免許の件でございますけれども、これ、日本人もやはり自然を、何といいますか、堪能しようということで、キャンピングカー等々もかなり利用する方々が出てくると思うんですが、これ、こういう制度を、免許制度を新たに作ることによって影響は出てこないかどうか、その辺をお聞かせをいただければと思います。
  25. 長江啓泰

    参考人長江啓泰君) 基本的には、キャンピングカーもいろいろな重量のものがありますが、乗用車で引っ張れる程度のものについては、これは今の中型免許を設置してもこれは関係ない話だろうと思います。  そんなことを考えて、要は、なぜ中型を設けたのかというのは、先ほど中西参考人が言われましたが、乗用車で運転を全部習っておいて、そして大きな車に乗れるという、このこと自体が非常に問題なんだと。それをなぜ問題にしたかと。もっと大きな車もそうですが、私が免許を取ったのが昭和二十八年です。当時は普通免許というのはトラックでやりました。しかし、そのトラックは今の二トン積みのトラック程度の大きさです。どんどんどんどん車が大きくなってきたものですから、それに対して免許制度そのものが追い付けなかった。  ただし、その間にどうしたかというと、業界で努力があって、いわゆるトラックの運転手というのは、トラック助手から始まって親方徒弟制度的な培われ方をしながら、親方がいいというところで初めて免許を取りに行く、こういうふうな訓練期間が、非常に長い訓練期間があったわけですが、最近の雇用形態あるいは経済状況ではそういうことが許されない。したがって、それぞれの車に応じた大きさのもので習得し、そしてそこでその技術を生かすというような形へと転換をせざるを得ない。これも実は遅きに失したのかも分かりませんが、そういうふうなことだろうと思います。
  26. 西銘順志郎

    西銘順志郎君 ありがとうございました。  終わります。
  27. 松井孝治

    ○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。  四人の参考人の皆様、本日は貴重な御意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。  私も持ち時間が十五分で限られていますので、必ずしもすべての参考人の皆様方に質問できませんかもしれませんが、お許しをいただければと思います。  まず最初に、中西参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  この運転者区分、中型免許導入する、またその免許の区分を変更することについてでございますが、今回の改正案では、最大積載量三トン以上、車両総重量五トン以上のものが中型免許が必要とするということになっておりますけれども、実際の今の、先ほど最大積載量と車両総重量、二つの基準を設けているということについての御意見も伺いましたが、実際、最大積載量三トン積みのトラックでいいましても、最近の例えば冷凍保存車両その他のトラックの装備が変わってきている中で、車両の重さが重くなっているというケースが大分頻発しているんではないかと思うんです。その意味で、これ重量で切っていますけれども、実際問題、三トン積みのもので相当程度のものが車両総重量五トン以上になってしまっているということについて、そこに中型免許の枠が掛かるということについて、これはちょっと問題ではないかという議論も聞いたことがあるんですが、参考人の御意見を聞かせていただきたいと思います。
  28. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 今先生のお尋ねのことなんですが、私どもも非常に今困っておるところです。  おっしゃるとおり、架装減トンといいますか、大きい箱に、それに冷凍機を積んで、それから持ち上げるのが大変ですからパワーゲートというものを取り付けると、これはもう積載量は二トンがなかなか出てこないような状況になります。それで、一番この種類の車は、皆さんも御存じのとおり宅配便なんかで多く使っておるものですから、非常に厳しくなってくる。そういうふうなことから、そうなるともう普通免許では運転できないということになりますから、そうならないように最大積載量だけ決めて、いや失礼、最大車両重量だけ決めて積載量は各々で決めるという便法があって、免許の枠から外れるようなことをしたらどうなのかというのが私どもの主張です。
  29. 松井孝治

    ○松井孝治君 同時に、これは警察庁の方の資料からも拝見をしたんですけれども車両の長さ、大体、昭和三十一年にこの規制導入されたときに大体の長さが大型免許を要するトラックの長さ、車長がこれぐらいの長さです、六メートル台ですと。それに応じて、今回どこら辺の車両重量のものが六メートルを超えるような規模なのかと。その車両の長さによってやっぱり運転できるかどうか、普通免許運転できるかどうかが決まってきますという説明も非公式にはいただいたんですが、実際に見てみますと、例えば五トン以上、総重量が五トン以上のものでも非常に短い車両のものもあるんですね、逆に、今おっしゃったような装備を兼ね備えていれば。  そうなってくると、本当に今、国際的にも基本的に車両の重量で規制をするというのが国際常識だという話も伺うんですが、本当のところは、実際労働現場を御存じの中西参考人に伺いたいんですが、本当のところは車両総重量で規制をするのがいいのか、むしろ多少重くても、総重量重くても自動車性能が上がっていますから、車両の外形ですね、例えば特に長さ、あるいは幅、そういった外形の寸法で規制する方が合理的ではないかという意見も聞くんですが、その辺りは参考人の御意見、いかがでしょうか。
  30. 中西光彦

    参考人中西光彦君) おっしゃられるとおり、私どもの中でも二通り意見がありまして、やはり小さくとも、今よく言われる四トンロングボディーなんというのは、もう大型トラック、十一トントラックと同じぐらいの長さがありますから、そうなると内輪差もあるし、その免許でやるのはなかなか難しいじゃないかという話があるんですが、でも、そういうふうに車両の長さで決めるということに対してまだ一般的ななじみもないし、それからまた荷主がなかなか理解を得られぬというところがあって、今どういうことをしたらいいのかということは研究をしておりますが、今のところは総重量でいかざるを得ぬのかなという認識を持っています。
  31. 松井孝治

    ○松井孝治君 分かりました。  ちょっと時間が限られていますので別の項目に移らせていただきたいと思いますけれども、この民間委託ですね、違反取締りの一部の業務の。これについては、先ほどそれぞれの参考人の皆様方の御意見にもありましたが、一つは本当に違反の摘発の公正性をどう担保するのかということで、全く野放しで、しかも民間委託を受ける事業者の方々はそれぞれ当然、民間ですから利潤も追求しなければいけない。じゃ、場所を構わずにとにかく摘発すればいいのかということになると必ずしもそうでもないだろう。その実際の摘発の公正性というものも確保しなければいけない。  他方で、これは高山参考人が一番端的には指摘されましたし、中西参考人も御指摘されましたが、他方でこういう民間委託制度があるとどうしてもこれ、天下りというんでしょうか、天下りという言葉の定義にもよりますけれども警察官のOBの方々でないと公正な執行はできないんじゃないか、あるいはみなし公務員の身分だけ保障すると言われても、実際そういう摘発に当たるわけですから、いろんなリスクもあるわけですから、そういう二律背反の難しさがあるわけです。  しかも、その中で、先ほど高山参考人も御指摘されましたが、本当に交通違反取締りに当たっておられる警察官がどれぐらいいらっしゃって、それが本当にこの民間委託によってどれぐらいの効率化というか、本来の警察官交通違反取締り以外の業務に専念できるのかというところについても必ずしも十分な情報が開示されていない状況の中ですが、これは中西参考人高山参考人、両御参考人に伺いたいんですけれども、そういう状況の中でこれ民間委託を、この駐車違反取締りの一部の事務民間委託をするということが本当に必要なのか。あるいは予算制約さえなければ、我々も警察官の増員というのは、これは治安部分もありますし、言われたこの交通取締りも含めてもそうだと思うんですけれども、むしろそれは国やあるいは地方が行う業務としてきっちりそこの部分警察官という公務員の方々によって対応していただいた方がいいんではないかという意見もありますが、そこについて両参考人の御意見を伺いたいと思います。
  32. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 法律的なことは高山先生にお願いするとしまして、私ども現場で実際仕事をしている者として、このごろの駐車違法駐車というのは本当にもう、もうどうにもならぬというのが実情なものですから、それであれば、今警察官が足りなくて、幾らここを取り締まってくれと言ってもそのままにするような状況であれば民間でもう少し力を出してやっていただいた方がいいんではないかという、ただ、今の職場を改善するという単純なところからこういうふうな話を出しました。  でも、そういっても、今先生がおっしゃるとおり、こういうものについては国でやるということがベストだと思いますが、なかなかそういうふうな状況に今日本の国もないと思いますから、こういうふうな、先ほど述べたような意見を出しました。  以上です。
  33. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 私は民間委託に強く反対をするんですね。それは必要かどうかといえば必要でないという、そういう議論もありますが、有害だというふうに私は思っている。駐車違反はやはり刑事犯罪なのだという感覚を執行する側あるいは立法する側で持ってしまったら、これは大変だと思うんですね。犯罪ではある、犯罪であるということを忘れてしまっては大変だと思います。  非常に飛躍した議論を申しますけれども、犯人に手錠をはめるところは警察がやるから、それまでの現場を調べたりいろいろと踏み込んだりするところは民間にやってもらおうという議論は登場するはずがない。実はそれと同じ議論をやっているのに近い。これは、やはり犯罪成立し、前科になり得て、重大な不利益につながるという、そういう行為だから国は責任を持って行うという関係にあると思います。  実際、世の中に非常に駐車違反が多いという実態があるわけだけれども、その中で一体交通行政あるいはそういう交通刑事行政がどのように進むかということについては、国家的な見地からこういうふうに進めようということがあるはずです。それがそれぞれの自治体に任せられる。この収入は自治体の収入になるとされていますから、その自治体が自治体の判断の中で行うという議論になっていく。これは、私は道路交通の国家的な運営という観点から見たときにも非常に問題なのではないかということを考えます。刑事犯罪限界を画するものをしっかり置くこと、あいまいにさせないこと、このことが私たちがまず基本に置くべき視点だろうというふうに思っています。
  34. 松井孝治

    ○松井孝治君 もう時間の関係がありますので最後の質問になるかもしれませんが、宇賀参考人にお伺いをしたいんですけれども、今、高山参考人がおっしゃった点、特に駐車違反というのを犯罪としてどういう性格のものとしてとらえるのか。それによってこれが本当に取締り事務の一部を民間委託していいものかどうか。あるいは高山参考人のこの意見要旨の中の四ページ、五ページ、六ページにあるような、単に委託の問題だけではなくて、その使用者責任という問題についても高山参考人から鋭い御批判があったわけですが、この問題にずっと取り組んでおられる宇賀参考人のお立場で、いやそうじゃないんだというような補足の御意見がございましたら御教示いただきたいんですが。
  35. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) まず第一に、そもそも違法駐車というものを犯罪とすべきかという大問題がございます。これは、諸外国におきましては既に違法駐車については非犯罪化している国があるわけでございます。我が国におきましても、実はそもそも違法駐車犯罪という形にしておくことがいいのかどうかということ自身がかねてより議論をされてまいりました。しかし、今回のこの改正案は非犯罪化のところまでは踏み込んでおりませんで、犯罪というところは維持して、そして犯罪の非刑罰的処理の制度としての反則金制度そのものも維持しているわけでございますが、根本的にはそういう問題がございます。  そして、現在の犯罪の非刑罰的処理の制度のやはり一番大きな問題になっているのは、特に放置駐車の場合ですと、結局、現場運転者がいないために、使用者が同時に運転者であるということが多いと思われるんですけれども、しかし、そういう人たちが自分は運転していないというふうに言ってしまったときにはなかなかそれ以上追及が難しくなってしまって結局逃げ得を許していると。正直な人は申告するけれども、いや自分は運転していないんだというふうに言い張ってしまうと結局そのまま済んでしまっているということが多いというのが私は大問題だと思っております。  そして、使用者責任を問うということについては、じゃ使用者は自分が運転して仮にいないとした場合に、じゃ全く責任がないのかというと、現在は既にもう道路交通法ではそういう考え方は取られていないわけであって、既に使用者責任制度使用者のいろいろな義務、努力義務制度というものは置かれているわけですね。やはり、使用者は自分が管理支配権を持っている車については、たとえ自分が運転していないときでもそれを安全に運行させるようにする義務というものはやっぱりあるんだろうと思います。今回の使用者責任も、やはり根底にはそういう使用者の、その車を管理、運行し、それによって利益を得ている者としての義務があり、それに基づいて使用者責任というものが出てきていると、そのように考えております。  それから、民間委託に関して、これが公正に行われなければならない、あるいは警察のOBの再就職先ということで専ら使われることになってはいけないというのは正にそのとおりだというふうに思います。実際に、違法駐車問題検討懇談会においてもその点については十分注意しなければならないという意見が出て、それを踏まえて、今回は委託対象法人につきましては登録制度を取る、つまり行政の側の裁量は認めないと。欠格事由に当たるかどうか、それから基準を満たしているかどうかということで裁量なしに委託対象法人を決めなければならないと。実際に委託先を決めるときにも、地方自治法やその施行令、また都道府県財務規則に基づいて入札を原則とするということで公正性を確保すると、こういうことになっているというふうに認識しております。
  36. 松井孝治

    ○松井孝治君 ありがとうございました。  時間ですので、終わります。
  37. 白浜一良

    ○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。  今日は、四名の参考人の皆様の貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。  何点か御質問をさせていただきたいと思いますが、まず、宇賀参考人にお伺いしたいと思います。  私も、これ初めて聞きましたけれども、ニューヨークが人口八百万で一千万件ですか、駐車違反東京は一千二百万もあるのに四十八万三千件しか立証していないというお話初めて聞きまして、そういう流れで民間委託の必然性をお話しされたんだと思うんですが、二つだけお伺いします。  参考人もおっしゃっているように、取締りの公正さというのはこれ大変民間委託した場合大事なわけでございまして、ただ、その公正さを、それを担保するポイントというのは何か。警察がやっても難しいことを民間委託してどう公正さを担保できるかと、そのポイントはどういうふうにお考えかということが一つです。  もう一つは、大阪の、私、大阪なんですけれども駐車違反が激しくて、もう御堂筋、メーン通りの御堂筋なんかは二重駐車、三重駐車、もうひどいときにはあるわけでございまして、それで、普通、女性の交通警官の方が取り締まられてもトラブルが起こるんですね、その取締りでですね。警官の方がされても、警察官がやってもトラブルが起こるのに、これ民間委託されてそれ以上のトラブルが起こりやすいと思うんです。そのトラブルをどうするかと。多分多くなると思うんですね、従来よりも。それの抑制はどのようにお考えか。この二点をお伺いしたいと思います。
  38. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) 最初の点でございます。取締りの公正さを確保するということは、これは非常に重要なことで、警察が行う場合もそうですし、また民間委託をした場合にも当然この公正さの確保ということが非常に重要になってまいります。  そのためにどういった方策が必要かということですが、これにつきましては、都道府県警察の方で地域の要望を踏まえて、例えば幹線道路とかバスレーンとか交差点付近とかあるいは駐停車禁止場所など、取締り場所それから時間帯等を地域ごとに、こういうところは当然しっかりと取り締まるべきだという取締りの重点を定めたガイドラインを策定することが必要だと考えております。これは違法駐車問題検討懇談会でも、そのように地域の要望を踏まえた上でそうした重点的に取り締まるべき地域を定めたガイドラインを作成し、そして透明性を確保するためにそれを公表すべきであるという提言をしております。警察庁は、是非この提言に沿った形でこうしたガイドラインの作成について各都道府県警察に指導してほしいというふうに考えております。  それから、確かに現在でも取締りに対しましていろいろな取締り員とのトラブルというのが発生しておりまして、現場では大変な苦労をしているというのは委員の御指摘のとおりでございます。  これについて、一つ方策として、取締り員にみなし公務員としての地位を付与することによって、その取締りを妨害した場合に公務執行妨害罪という形で検挙するということができるようになって、そういう改正案になっておりますが、やはり特にトラブルが多発するような場所というのはなかなか取締り員だけでうまくいかないような場合もありますので、そういった場合には警察官と連携をして進めていくということが必要であろうというふうに考えます。
  39. 白浜一良

    ○白浜一良君 どうもありがとうございました。  それから、長江参考人に次にお伺いしたいと思いますが、端的にいろいろ御指摘いただいたわけでございますが、その中で、成立した暁には積極的に広報啓発活動を展開し、効果を発揮する方策を実行されたいと、こういうお話なんですが、具体的にどういうことを意味されているのでしょうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思いますけれども
  40. 長江啓泰

    参考人長江啓泰君) 実は、法は法で成立はしたけれどもどういう趣旨でそういうものが出てきたのかとか、それから取締りの面でいきますと、最近は指導取締りという形になって、まず指導期間があってそれから取締りになると、こういうふうなことがあるんですが、基本的にはそれが法制化されたことすら御存じない方が非常に多いんじゃないのか。  ですから、ここで言っている、特に今回の法案に関しては割とモラルにかかわるようなことが多いものですから、なぜそういうことが罰則対象になったのかとか、あるいはそういうことをしないとどういうことが実際にいい面が出てくるのかとかということも含めた広報啓発活動をしていただきたいと、そういうことなんです。
  41. 白浜一良

    ○白浜一良君 そうですね。どうもありがとうございました。  もう少し議論したいんですけれども、次に行かせていただきます。  それから、中西参考人に次にお伺いしたいと思うんですが、さすがに運送業を束ねられていらっしゃる交運労協の御意見で具体的な御指摘があったわけでございますが、その中で、委託のエリア、監視の回数、時間帯等も明確にする必要がありますと、このように御指摘をされております。先ほど宇賀先生からもお話ございましたけれども。  これ、交運労協のお立場というか、そういう実際運送業をされている立場で、何かこういうふうにしてほしいとか、具体的なことがある、御意見があるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思いますが。
  42. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 私の方で少し書いたものも入れておきましたが、私のところ独自で年に一回、全国展開で実態調査をしておるんです。それは朝から晩までやっているんです。そうすると、そのエリアエリアでどの時間帯に違法駐車がたくさんあるのか、この時間帯は大丈夫だというのがエリアによって決まります。そういうことで、先ほど宇賀先生の方から、そういうガイドラインを作ってやるというふうなことについて、実態調査をして、それを参考にして効果のある時間に効果のある取締りをしたらいいんではないかという、そこにお願いをしているところです。
  43. 白浜一良

    ○白浜一良君 それで、要するに特にそこはガイドラインを作るということなんでしょうけれども、実際に今そういうお仕事をされている立場で、こういうふうに具体的にしてほしいとか、こういうことはやってほしくないとか、そういう何か御意見あるんじゃないでしょうか。
  44. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 私ども、先生のところ大阪だから御存じだと思うんですが、バス事業者がバスレーンを確保するために毎朝たくさんの人を出してやっている、それからまたタクシーがタクシーの止まるところを確保するために多くの人を出してやっていますから、バス事業者だとかタクシー事業者も登録事業者にしていただいてプロがプロらしい取締りをするというふうなことも一つの具体例ですし、それからその取締りの方法みたいなものも運送事業者としてかなりのノウハウがありますから、そういうふうなことも是非、そういう民間委託した場合はそういうものの意見も聞くような場も設定して意見をどんどん述べていきたいという意味で書かせてもらいました。
  45. 白浜一良

    ○白浜一良君 どうもありがとうございました。  それから、最後に高山先生にお伺いしたいと思います。  飲酒運転対策のところで先生がお述べになっております厳罰化の成果が喧伝されているほど上がっているかどうかという厳密な検証が必要だということをひとつ御指摘されていますね。それからもう一つは誤測定の問題もあると、こういうふうにおっしゃって、確かに御指摘の点は確かにあろうかと思うんですが、さすれば、飲酒運転が確かに増えているのも事実でございまして、先生のお立場で、飲酒運転を抑制する具体策というのは先生のお立場でどういうことが考えられるでしょうか。
  46. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 飲酒運転の危険性、先ほど少し申し上げました。この飲酒運転の危険性については、悲惨な事件として報道された高速道路で酒を飲みながら運転しているといったような、これは異様、異例なケースだとしても、お酒を飲むのに車で行って車で帰ってくるといったような、そういうことはあり得ますね。居酒屋で駐車場スペースがあるところがありますから。そういうような飲酒行為というのはかなりあるんですね。この危険性はやっぱりドライバー自身が本当に認識をしないと駄目なんです。  病的な飲酒行為、それこそアルコール依存症のような、これはまた別として、一般の本当にただ好きで、趣味で酒を飲んでいる者が車の運転を余りいとわない。この空気というのか、こういう気分を根底からなくすには、やはり飲酒運転の危険性に対して内容的な教育が行われなければいけないと思います。学校教育から始まる教育が必要だと思います。その努力が私たちは意外に足りなかったと思っています。慌てて今、まあ慌ててという表現はいけないかもしれませんが、重罰化という対処に出てしまっている。私はこれだけではいけない。重罰化がある程度必要だということは、私はそれを否定するつもりはないんですけれども、アルコールを帯びた運転がいかに運転の安全性、運転から安全性を外してしまうか、排除してしまうかということについての教育が非常に重要だということを私は感じております。
  47. 白浜一良

    ○白浜一良君 その点、もう一つお伺いしますが、その教育ということなので、これは大変大事なことなんですけれども、それはいわゆる小中高という、そういう学校教育の中でも必要だということなんでしょうか。運転免許を取得する段階でのそういう教育に必要だということなんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
  48. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 両方だと思います。前者、そして後者。後者についてはこういう議論があります。研究者の中から出ている言葉ですけれども、少し前は教習所を借り切ってそこで酒を飲ませて、それで運転をさせて、それで危険を認識させるということについては何とかやらせてもらえたと。最近は警察がそれはやめてくれということになって、できなくなっている。実は、何かいろいろと規制があるから自分は法医学者でよく分からないけれども、あれが必要だと思うということを言われた方がいます。  私はいろいろなその難しさがあるとは思いますけれども、そのお話の大切さというのは、現実に車を運転してみたときの危険性を自分自身に自覚させる契機を作ることだという意味で、それがそのまま難しければシミュレーションを何とか教習課程に入れるとか、そういう工夫も含めた教育課程というのは、私はその免許を取得する、あるいは更新をする、そういう機会も含めた教育が必要だろうというふうに思います。
  49. 白浜一良

    ○白浜一良君 どうもありがとうございました。これで終わります。
  50. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  今日は参考人の皆さんには御多忙の中お越しいただいて、貴重な御意見を本当にありがとうございました。  私は、まず初めに高山参考人に三点ほどお伺いをしたいというふうに思います。  違法駐車対策について、使用者責任追及、それと民間委託化というのがやっぱりこの改正案の大きな問題かと思いますけれども、先生も随分御指摘をいただいたというふうに思うんですけれども、再度、実際の取締り過程の中でどんなことがこれで問題になるというふうにお考えかということをお聞きしたいと思うんです。  二つ目なんですけれども高速道路自動二輪二人乗りの件ですけれども、先ほど二十歳以上、三年の経験以上という制限というのは時代錯誤だというふうに御指摘がございましたけれども、先生のお書きになった本の中で、先生御自身がたしか四十二歳で二輪免許をお取りになられたということで、そういうエピソードの本を拝読させていただきましたけれども運転技術の取得については少年期がベストであるというふうにそこに述べられていたと思うんです。それで、その件に関しまして、この点で安全教育の面から現状ではどのようにお考えかということをお聞きしたいんです。  三点目なんですけれども、先ほども交通安全に対する警察の姿勢に対して随分御指摘をされたと思うんですけれども、その点で、現在の行政や政府に求める施策などについて御意見をお伺いしたいというふうに思います。
  51. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 大変重要なポイントの御質問をいただいてありがとうございます。  まず、現場の感覚から、本当に先ほど申し上げたかったことを追加する形で補足させていただきますけれども違法駐車対策使用者責任と、そして民間委託化にどういう問題が現場で起こるかということであります。私、弁護士で、現場で事件をやっておりますからよく分かるんですけれども、まず使用者責任についていいますと、こういう問題が起こってくると思います。  点数がもう残り少ない運転者がいます。この人は出頭しないわけです。そうすると、使用者違反金を納めさせられます。それで切り抜ける。つまり、点数があと少ない状況を、期間を稼げる。そして、少し高いけれども違反金を納めて、そして処罰の対象から免れる。そういう構造が現実に起きてしまうと思います。引き続き捜査は完遂すると言われているけれども、実際には私は終わると思っていますから、そうしますと、点数ぎりぎりになった人たちが、駐車違反については所有者責任を問うという形で制裁金で始末を付けてもらいたいと、こういうことがきっと出てくるだろうと私は思っています。例えばの話です。  それから、民間委託化の問題、先ほど御質問ありましたが、私も全く同じことを考えているのは、トラブルが激増すると思っています。現在でもトラブルはあります。民間業者になって、そして民間業者が成績を考えて、正に収益を考えて、そして仕事をするということはどうしてもこれは避け難いことになってくると思います。そうすると、微妙な事案であればこれをやめるといったようなことがなかなかできなくなってくる。  御承知と思いますけれども道路交通法違反で一番たくさん検挙したときは千二百万件台でした。今は七百七十万件ぐらいに減っています。そういう変化というのが同じ犯罪であっても起こる。それは国の道路交通政策の所産です。  こんなに取り締まると非常に批判が強まる、不合理だ、やり過ぎだという議論が出てくれば抑える、そういうことが警察ならできるんです。国のレベルで判断をするからできるんです。そうしなければいけないという国民世論が大きくなれば、それはそれであんばいをするということもあります。駐車違反でも、一番多いときと現在では三分の一ぐらい駐車違反取締りが減っています。それは、ひっくり返せば三倍になることがあるということです。そういうときの合理性はどこにも保障されないということは申し上げなければいけない。民間委託化は非常にその意味でトラブルを激増させる。  二人乗りの話をします。二人乗りについて、私、四十二歳のときに、そこ、お調べいただいて恐縮でございます、免許を取りました。四十二歳で免許を取るというのは非常に厳しいものがありまして、少年たちと一緒に訓練を受けたのですけれども、教官から言われたのは、あなたはグローブ以外は合格できていない、グローブをはめているところだけ合格だと言われました。どこをみんなが走っているのかが転倒した私にはもう分からなくなって追い付けなくなるという経験を持ったことがあります。  やはり、能力は若年者が高いのです。倫理観とか気を付けなければいけない配慮事項とか、それは足りないけれども、運動能力は確実に若い方が高いんです。そこで、もし二輪から距離を置かせるとどういうことになるかというと、運動能力が余りなくなった四十二歳ぐらいでというのはオーバーになりますけれども、そこで免許を持つ。能力の余りない二輪ライダーが世の中に生まれるという構造になります。  私は、大事なことは教育を徹底することだと思っています。安全教育を含めて、徹底することだと。私は、全国の高等学校などに行って安全教育のお話を高校生たちにさせてもらっていますけれども、オートバイの危険性と楽しさと守らなければいけない事項をどこでも具体的に言うようにしています。そういう経験を高校生から持っていくことが大事だろうと思っています。  警察の交通行政に関する姿勢について、私は、先ほど、まあ言葉は厳しいかもしれません、暗たんたる思いがあると申し上げました。今、二十七万人の警察がいる中で、交通安全のために本当に専念している警察官がわずか五千人しかいないというこの状況をどうするのかということがまずまずもって優先課題である。そこで徹底的に議論して、どうしても警察の力でやり切れないとなったらどうするか。それは増員でしょう、恐らく。増員についてはもちろん問題あると思うけれども、現在の配置の中で交通警察にこれしか配置をしないという状況を、それを改めさせる運動が国会内外で起こる必要があるんじゃないかというのが私の意見です。
  52. 小林美恵子

    小林美恵子君 ありがとうございます。  次に、宇賀参考人中西参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほど高山参考人にもお伺いしたことともかかわりますけれども違法駐車対策確認事務などの民間委託化に伴いまして、運転者とのやっぱりトラブルといいますか、先ほども増えるというふうにお話がございましたけれども、その点、例えばチョークによる確認作業などで口論になる場合があるのじゃないかなという不安もあるんですけれども、そういう点、どういう問題が起きるかという点は、両参考人はどのようにお考えいただいているかということを教えていただきたいというふうに思います。  それともう一点、これは宇賀参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどのお話の中にも、取締りの地域等とガイドラインを策定して公表するということをおっしゃられたと思うんですけれども、もう少しその点を詳しく教えていただければ有り難いなと思います。
  53. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 簡単な方から。  どういうふうなトラブルが起こるのかということについてなんですが、これは確かにトラブルが出てくると思います。  参考に、ニューヨークとロンドンに見学に行ってきました。その標章を付ける人たちというのはどこかからたったっと出てきて、たっと付けてすぐ帰ってしまうというふうな、両方ともそういうふうなやり方でした。でも、写真撮ったりいろんなことして、歴然とそこにその車が駐車しているという証拠は持っているようです。そういうことから、そういうふうなやり方であれば大きいトラブルが起こってどうにもならなくなるということはないんではないかなと。  根本的な問題はちょっと省かしてもらって、その部分だけお答えしますが。
  54. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) 違反駐車取締りに伴うトラブルの問題ですけれども、私もワシントンDCとか、あるいはバージニア州のアーリントンで実際に取締りについて調べたことがございます。  ワシントンDCの場合、これは違法駐車だということで切符を切って、それに不服がある場合に不服申立ての手続がございます。これはヒアリングが公開ですので実際に傍聴させてもらったことがございますけれども、そこで様々な、写真とかそういう証拠等示してやり取りがございます。やはり、こういう手続は絶対に必要だろうと思うんですが、今回新しく放置違反金制度導入するに際しまして、事前弁明機会付与するということになっております。ですから、その段階で納付命令に不服のある方がいろんな意見を述べる機会というものが事前に保障されるということになります。  それから、ガイドラインの方につきまして、一つはどういった地域を重点的に取り締まってほしいかということは、やはりその地域の方々意見を反映させる必要があるというふうに考えております。例えば、特に交差点付近で違法駐車が多くて困るとか、あるいはバスレーンの付近にいつも違法駐車があって困るとか、そういう地域の方々意見を十分に反映した形でガイドラインというものを作成する必要があるでしょうし、それから、そもそも、ある場所駐車違反にされているということ、つまり駐車規制が行われていること自身に対して不満があるという場合もあり得ます。本当にその地域を駐車規制にしておく必要があるのかどうかという駐車規制の合理性自身についても、やはり地域の方の意見を踏まえて見直しをしていくという必要があるというふうに考えております。  そうした意見を踏まえて、例えばこの地域では特に交差点付近、それからバスレーンの付近、それから幹線道路、こうしたところを重点的に取り締まる必要があるとか、それから時間帯も、やはり特に夜間、この地域に違法駐車が多くて近所の人が迷惑しているので、この時間帯はこの地域を重点的に取り締まるといったようなガイドライン、これを地域の方々意見を十分に踏まえた上で作成をする、そしてそれを公表するということが必要だろうと考えております。  そしてまた、どういう場所をどういう時間帯に重点的に取り締まるかというのは、これはだんだん、常に不変なわけではなくて、絶えず変化し得るものですから、一度作成したガイドラインであっても、これをやはり定期的に見直しをしていくということが必要だろうというふうに考えております。
  55. 小林美恵子

    小林美恵子君 ありがとうございました。  最後になって申し訳ございませんが、長江参考人にお伺いしたいと思います。  先ほどのお話の中に、運転者には適切かつ効果的な教育をということで御指摘をされたというふうに思うんですけれども、その件にかかわりまして、自動二輪車の安全教育についてなんですけれども、先生のお書きになった論文も拝読させていただいたんですけれども、その論文の中にも、普及活動を直接担う担い手、体制の整備にあると言える、経済活動の低迷に際しては、速効に乏しい教育面での経費削減に手を付けることが当たり前になっている、しかしこれまで築き上げてきた二輪車安全運転を更に進める働き掛けが重要であるというふうに御指摘をされておられました。  その点で、更に御意見をいただければ有り難いと思います。
  56. 長江啓泰

    参考人長江啓泰君) 基本的には、私は、教育というのは受け手の人たちがなるほどと納得するものでなきゃいけない。そういう意味でいうと、単に例えば座学だとかあるいは文書を提示するということだけで教育が完成できるとは思っていないんです。  そんな意味で、いわゆる効果的なというふうにここで書きましたのは、例えばいわゆるトラックで言うと普通自動車と中型と大型というのは、それぞれがそれなりの大きさを持ったもの、例えば今までで言うと、大型のトラックの免許を取得するときには大体九トンの車両を使っていたわけです。その人たちが二十トン、総重量二十トンというような車を運転すると全く車の車格というのが違うわけですね。  同じように二輪車も、例えば二人乗りをする。一人のときと二人のときとでどういうところが違う、どういうことに気を付けなきゃいけないのか、そういうようなことをきちんと教育をしなければ、ただ単に年数だとかだけで、いわゆる期間を過ぎればいいという話では私はないんだろうというふうに思っていまして、これは二輪車の世界ではもう戦後すぐに始まって、ずっとそれをやってきているんですね。最近は、二輪車が余り売れないもんですから業界もしぼんでしまって、なかなか積極的になっていないような状況にありますけれども基本的に安全教育というのはきちんとやっておかないといけないんだろうと思います。
  57. 小林美恵子

    小林美恵子君 ありがとうございました。
  58. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 無所属の会の島袋宗康でございます。  本日は、それぞれの御専門の立場から今回の法改正について大変貴重な御意見を賜って、ありがとうございました。  今回の道交法には、違法駐車対策、中型免許の創設、高速道路での自動二輪の二人乗り禁止規制見直し暴走族対策など、その内容が盛りだくさんなんでありますけれども、時間の関係もあり、私は駐車違法駐車対策を中心にお聞きしたいと思っております。  最初に、四名の参考人の皆さんにお尋ねいたしますけれども、それぞれ御専門の立場からお答えいただきたいと思います。  違法駐車が行われた場合に、今回、運転者責任追及だけでなく、当該車両使用者に対しても責任追及できる放置違反金納付制度が創設され、さらに、これまで警察官が行っていた違法駐車確認事務のうち、放置車両確認標章の取付けという形での事務公安委員会登録を受けた民間法人委託し、実際には、駐車監視員としてのという資格を持った民間人がそれに当たることができるようにしております。  そこで、こういう制度導入せざるを得ない背景、事情については一部理解できる面もありますが、警察権力の一部民間委託という本質から、その制度設計や運用を誤ると法の執行に対する国民の信頼が大きく損なわれる危険をはらんでおります。  そこで、放置違反金納付制度とその民間委託を実施するに当たって、乱用を防ぎ、国民の信頼を得る制度にするには何が一番大事であるか、またその方策は何か、各参考人から御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  59. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) それでは、宇賀参考人からでよろしいでしょうか。
  60. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) それではお答え申し上げます。  まず、この放置違反金制度、今回新しく導入される制度でございますけれども、この制度が適切に運用されるために私が重要と考えますのは、事前手続でございます。  今回は、この放置違反金納付命令を出す前に、事前にその弁明機会付与するということになっております。これは事前手続行政手続の一般法であります行政手続法におきましては、一定額の金銭納付を命ずる場合については、これは仮に間違っていても事後的に金銭のことで回復できるからということで、不利益処分事前手続は適用しないということになっておりますが、今回は、この放置違反金納付命令についてはやはり事前手続が必要だろうということで、弁明機会付与するということにしております。  そこで、実際にこの制度を運用する方が、この弁明機会付与というその事前手続の趣旨を、これを十分に理解して、それを適切に運用すると、これは、その納付命令の名あて人の方の手続的な権利の保障のための制度なんだということを十分に理解して運用していただくということが一番重要であろうというふうに考えております。  それから、民間委託の問題でございますが、この民間委託が公正に行われるということが極めて重要でございます。今回は、委託対象法人についてもその公正さを確保するという観点から、登録制度ということで一切の裁量を廃するということになっておりますが、実際にその委託先を選定するに当たって、地方自治法地方自治法施行令都道府県財務規則で競争入札が原則となっておりますので、その原則をしっかりと守って、いやしくもその公正さについて疑いが持たれることがないようにしなければならないというふうに考えております。
  61. 長江啓泰

    参考人長江啓泰君) 私は、基本的にまず、従来、環七以内は、例えば東京ですね、環七以内は全面駐車禁止ということに実はなっておりました。実際に車を使うときには用事があって行くんだ、ので、どうして全面駐車禁止なんだろうというふうになりましたら、今度はパーキングメーターを置く、そういう、あるいはパーキングチケットのエリアならいいというんですが、実際に調べてみると、やっぱり駐車をしてもいいところと、それから絶対にこれは駐車したらば車の流れが悪くなるというところがあると思うんですね。それから、これも車線変更みたいなことがあって、朝方は上りの車線が車線が増えて、夕方は逆に下り車線を増やすという、その車線変更のそういうようなことも取っていますが、例えばイギリス辺りでも、基本的には人が余り通らないところは道路と歩道との間をまたいで止めなさいというようなことをやっています。これは、その道路だけをふさぐという、従来の日本でいうとガードレールを作っている、そういうような問題があるんで、僕は基本的に、車の利用ということと、それから駄目なところといいところをきちっとさせるということが大事なことだろうと思いますし。  先ほどから出ていますいわゆる民間委託の話については、やっぱり一番のトラブルは、そのやる人と、それからその運転者との間のことだろうと思います。これをどういうふうに事務的に処理するのか。それは基本的には、問題が起きたときにはそれはきちんとほかのところで訴えてくださいというふうな形にして、直接のトラブルをなくすような方策を取らないと、これはいろいろ言い訳だとかいろんな捨てぜりふが出てくるんだろうと思いますので、それをただ心配しています。
  62. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 私は、現場の感覚からしか話ができないんですが、現場の感覚からしますと、やはり今の特に都会における違法駐車というのは異常なものですから、これをどういうふうに解消するかということで、高山先生は、この駐車禁止は現時点では犯罪行為ですけれども、これもう犯罪行為じゃなく、諸外国が一部やっているように、それから外してしまって違反金だけで取っていくというふうな制度にしてもいいのではないかということを考えています。そのほか難しいことはよく分かりませんが。  それから、民間委託をどういうふうにしてちゃんと伸ばしていくかの問題につきましては、これは先ほどから皆さんがおっしゃられるように、どう公正さを保っていくかということが一番だと思います。今のパーキングメーターだとかレッカーの移動のように交通安全協会がすべてやるようなことをすると、これはもう国民から信頼を得られないですから、国民から信頼を得られる民間委託をどういうふうに作っていくかというか、公正さをどう保つかということだと思います。
  63. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 私は、先ほど来申し上げているように、これはどうしても考え直していただきたい法案だというふうに思うんですね。  それで、国民の信頼をどうしたら得られるだろうかという問いには、私は、得られない、得られませんということを言わざるを得ない。むしろ、駐車違反だけじゃなくて、警察の交通取締り行政全体に対する国民の不信のきっかけにさえなりかねない、そういう危険性を伴うぞというふうに思います。  弁明機会が与えられる、弁明機会が与えられるといっても、よく考えていただきたいんですけれども運転者がどういう弁明の主張を持っているかということを使用者が全的に分かっているかどうかというと、分かっていない場合もあるわけです。それから、運転者が抗弁できることじゃないことで、使用者が抗弁できることがある。例えば、自分は駐車違反しちゃいけないということをあそこまで徹底的に教育していたのにやられてしまった。だから自分、彼は道交法違反になるかもしれないけれども、自分は制裁金を科せられる、違反金を科せられる理由はないはずだと、こういう主張だってあり得るわけです。そういう相互の関係がどれだけ密に行われるか、あるいは行われないか、その保障もないのであります。私は、その弁明機会を与えるということになっているからこれがオーケーになるのだという議論は、非常に机上の論議だというふうに思います。  それから、委託の公正の問題であります。  私は、競争入札だったらいい、競争入札の基準ってどういう、このケースに関する競争入札の入札基準ってどういうものになるでしょうね。どう言えばいいんですか。自分は余りあこぎな取締りをしないと言うと合格するんでしょうか。私は、もうその根底のところから公正性の担保、これが競争入札によって担保されるという議論は、事この話に関する限りはあり得ないと思っています。  全体としてどうするんだという基本的な方針を持たなければいけない。私は、何とかしなきゃならぬという問題はもうそれは明らかにあって、駐車違反問題、都市問題であります。しかし、対応をこの道を選んでしまったら、これは非常に乱暴な言葉を使わせていただきますが、悪魔の道になるぞ、本当に信頼を得て交通安全を国民全体の思想にするというところから離れていくぞというふうに思います。  もみ消し事件というのがありました、新潟県警で。この事件で実は交通違反取締り件数が激減しました。そういうものです。警察というのはやはり国民の信頼、国民の理解が十分になければなかなかできない。そのことについてよく分かっておられるから、だからあの事件から後ずっと全体の取締り件数が減りました。  やはり対話をしながら進めていくということが、現在の状況が担保されているから辛くもまだある。それが営業成績を考える、そういう主義の中にこれが落ち込んでいったときには、駐車違反問題だけでなくて、交通安全対策全体がおかしいところへ行ってしまいますよということを申し上げたいと思います。  長くなって失礼しました。
  64. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 時間がありませんので、簡潔によろしくお願いしたいと思います。  次に、宇賀先生と高山先生にお伺いいたします。  今回導入される放置違反金制度において、放置車両使用者にはレンタカー会社も入るようでありますが、会社と従業員という継続的関係にある場合と、レンタカーのような一時貸借関係にある場合を同視していいのかどうか。  それから、顧客が放置した場合に放置違反金納付をレンタカー会社に求めることは酷ではないかというふうな気もいたしますけれども、この点について法律家の目から見てどのようにお考えでしょうか。
  65. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) この放置違反金基本的な考え方、なぜ使用者責任を認めるかということについては、やはり使用者は自分が使用する車についてそれが適切に運行されるということについて管理する責任を負っているという、それが基本的な思想であるというふうに考えております。  そうした観点からは、やはりレンタカーの場合にも、やはりレンタカーの使用者についてはやはりそういう管理責任はあるんじゃないかと思います。ただ、確かにレンタカーの業務で、その利用客が放置駐車をしてそれがレンタカーの方の責任になるということは酷ではないかという議論があることは承知をしております。  ただ、これ実は今回導入する制度というのは決して特異な制度ではなくて、これは諸外国の制度を調べてみると分かりますとおり、諸外国ではまず運転者責任追及し、それが功を奏さない場合に所有者責任追及するというのがこれは一般的な制度なんですね。ですから、私は今回の改正は、その意味では国際的な水準に合致をするという面を持っているというふうに思っています。  その場合、やはり諸外国の場合ですと、レンタカーの場合にはクレジットカードを使用させますので、もしレンタカー会社が使用者として納付金を納めた場合には、後でクレジットカードの料金から引き落とすという形でその運転者に転嫁をするということができますので、我が国でもそういう運用がされるんではないかなというふうに考えております。
  66. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 先ほどの先生の御質問に、ちょっとこの問題を踏まえた方がいいと思います。私は、犯罪行為でなくするということが大事だと思っています。最初意見のところで申し上げました。  基本的に、そうなった場合には、これは犯罪事件じゃないのだから、刑事事件ではないのだから、だから民間との間の共同作業というようなことが現実的に考えられると思っています。そのところを離さないでおいて、犯罪として確保しておいて民間委託を考えるから問題がおかしくなるというふうに思います。  そして、私は、管理責任は元々あるんだという議論が、今レンタカーなどに関連しても言われました。私はそれは不正確、失礼ながら不正確だと思っています。管理責任があるんじゃなくて、これは努力しなさいと道交法では書いているんですよ。努力しなさい、つまり管理に関してあなたはもう少し気を付けなさいよということが努力義務として書かれている。努力義務にしかならなかった理由は何かというと、法的に処罰する対象にはふさわしくないと考えたからです。その精神でこれを見なければいけないから、レンタカー会社に大変酷なことになるでしょう。  だけれども、これはクレジットカードで転嫁できる、そういう構造になるとすると、これはもうドライバーが一体レンタカーの方に責任を負わせて自分の点数を少し免れることにしようかといったような、そういう本来の交通安全とはとても違った変な論議の中で議論が収束していくだろう、交通安全が一層前進するということにはつながらない、そう思います。
  67. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 ありがとうございました。
  68. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋と申します。  本当に今日は四人の参考人先生方、貴重なお話をありがとうございました。  それでは、時間もないんで、まず飲酒運転関係高山先生と中西先生にちょっとお伺いしたいと思います。  先ほど、高山先生のお話で地方の方に行くと居酒屋に駐車場が完備といって、皆さん笑っていましたけれども、私の住んでいる新潟の田舎はこれは当たり前で、むしろ飲み屋選ぶときに駐車場がどれだけ広いかで選ぶような、そんな状況です。ですから、残念ながらほとんどの方が飲酒運転の経験がございまして、だから、先ほど高山先生のおっしゃった飲酒運転の経験はほとんど皆さんないと、ですからいかに飲酒運転が危険かという事実を知らないという、この全く逆で、結構飲酒運転って安全なんだという変な事実を皆さん知っているんですね。いや、これはもちろん間違った認識なんです。  それほど日常化している飲酒運転で、私も、確かに罰金が五万円から三十万円に上がったと、酒酔いだと十万から五十万、この抑止力については先ほど高山先生の疑問、私もうなずいて聞いておりました。  それで、今回、飲酒検知拒否という問題なんですが、これは罰金を、罰則を飲酒運転と同じものまで引き上げたと。ただ、これには元来減点がないわけですね。特に、これも中西参考人にお聞きしたいんですが、運転をなりわいとしている方にとってはやっぱり免許取消しとか免停って物すごい大きな抑止力だと思うんです。ただ、残念ながら、この飲酒検知拒否というのは道交法違反じゃないんで、個人に点数を科せれないという。  この中でお二方にお聞きしたいのは、要するに呼気検査の拒否によるこの罰則の引上げがそれほど抑止力があるのか。特に、中西参考人にお聞きしたいのは、現実に乗っている方、もちろん交運労協の方はないと思うんですが、やはりそれ免許取消しぐらいになるなら僕はやっぱり拒否するよと。これ、拒否した後どうなるかというと、拒否で逮捕されて、裁判所から令状を受けて血液検査を受けるらしいんですけれども、これ何時間もたっていますから、ほとんどもう駄目なんですよね。だから、その点を含めて両参考人、お答えください。
  69. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 残念だというか、大変申し訳ないんですが、私のところもバスとかいろんなところで飲酒運転がたくさん発覚しまして、今その対策に苦慮しておるところです。  それで、先ほど先生方からいろんなお話がありましたが、実際やるのはなかなか難しいんですが、シミュレーターなんかで、ちょっとお酒飲んだ、正常の点数とちょっとお酒を飲んだ点数とどれぐらい違うのかということを見て、これで唖然とする者が結構いる。先生今おっしゃられたように、家から、居酒屋から家まで帰ると、それは何の変化もないからそれはすぐ帰れるんですが、何か途中で変なアクシデントがあると、その操作というか、その対応の仕方というのはちょっと飲んだだけで大違いですから、そこら付近は身をもって教えるように、各事業者に練習場があったりして、そこで酒でもちょっと飲んで、いろんなことを今工夫して飲酒運転の怖さを、プロとしてやったらいかぬということに教えております。  それから、呼気の検査の拒否ということについては、私どもの仲間はどうしても大きい車に乗ったりバスに乗ったりしているものですから、これ拒否したらその車をだれがどうするのかというふうな問題があるし、これは今まで私の知る限り拒否をした者はいません。  おっしゃるとおり、免許がなくなって大変なことなんですが、やったことはやったこととしてちゃんと認めるということですが、プロとしてあったらいかぬことですから、そんな大きいことは言えませんが、そういうふうな指導をしたり、徹底をしております。
  70. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) まず最初のところで、御指摘のとおり、少し私の説明が足りなかったということを今反省しました。  一部の人はお酒を飲んでも大丈夫だと思いながら飲んでいる人と、それから一切そういうことを知らない人とに分かれる。その後者の方々は、飲んだら乗るなのあの原則で、酒を飲んだらどうなるかということを余りよく御存じでない。そういう方がいるんだけれども、よくよく酒を飲んで運転をする人は危険性を余り感じていない。この両者によって構成されているものだから、論議がちっとも科学的に前へ進んでいかないという構造なのだろうと思います。  私は、シミュレーションでしか仕方がないかなという気持ちもかなりありますけれども、酒酔い運転というものがどのように危険かということに対する教育がやっぱりかぎになるだろうと、それはいろいろな機会に行われてしかるべきだというふうに思います。  幸い、日本では、欧米に比べると酒酔い運転や酒気帯び運転の比率は低いんですね。彼らは、彼らという言葉がいいかどうか、運転をしながら飲むということがかなりある。日本では、それはやはり少ない。ダッシュボードに何かボトルが入っているというような、そういう話をよく欧米で聞きます。そこには日本はやはり行っていないと思います。これは好ましいことであります。  ただ、まだまだ状況は決して安閑とできない状態であります。検知拒否も、これを問題にするということ自体はもう避けられないことだろうとも思っておりますけれども、何度も繰り返すようですけれども、酒を飲んで運転すること、酒気を帯びて運転をするということがどのように危険かということに関する認識、知識の教育がもう非常にかぎになる、決定的なかぎになるというふうに私は思っています。
  71. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 ありがとうございます。  そうしましたら、運転者対策、まあ中型免許導入について、これ、中西参考人にお聞きしたいんですが、私もこの中型免許というもののいわゆる実効性ということにちょっと疑問を持っておりまして、これも手短にお答えいただきたいんですけれども改正案では中型免許の受験資格は二十歳以上、そして大型免許は二十一歳以上、この一歳の違いってどれほど大きいのか。このことによって、果たしてこの中型免許と大型免許ってそんなに大きな違いがあるのかなという疑問があるんですが、それについてお答えください。
  72. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 私は、そこにも書いたとおり、積極的に賛成できないという意味はそういうところで、ほとんど差がないと思います。強いて言えば、五トンから八トンまでの間の車が非常に多いということだけで、そこをどうすくうかということではないかなというふうに思っております。  それと、これは交通安全の問題じゃなくて、事業者の問題としては、大型免許がますます免許が難しくなるものですからなかなか人の調達が付かない。そういうことで、この中間免許が営業的には非常に機能するんではないかなというふうに思っております。
  73. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 そこをもう一点お聞きしたいんですが、では、今度できる中型免許というのは、新しい、新大型免許に比して相当取るのは楽になるんでしょうかね。そうでなければ、私は中型免許を取る人は一人もいないと思うんですよ。正に、大は中を兼ねるで、大型免許を取っておけばいいわけで、例えば同じぐらいの難易度で、なおかつ同じぐらいの例えば免許を取るお金、コストが同じ程度だったら中型免許を取る人はいなくなると思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。
  74. 中西光彦

    参考人中西光彦君) 僕もそのとおりだと思います。  そういうことで、普通、中型、大型というふうな段階を踏んでいかないかぬという決め付けをするとそれでいいと思いますが、普通取って、二年経験して、中型を取って、一年やって大型、そんな経済的に無駄をする人ってだれもいないと思います。そういうことで、これはいっときの問題であって、恐らくこの中型免許というのは形骸化するんではないかなと今予想しておるところです。
  75. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 ありがとうございます。  私も、中西参考人のおっしゃる、普通の免許で五トンまでで、それよりも二十トン以上の超大型免許、私、本当にこれは、何というか、納得する制度だと思います。  それでは、ちょっと先を急がせていただきます。  これ、駐車違反取締り民間委託という点について、これは宇賀参考人高山参考人にお聞きしたいんです。  今日の参考人質疑でもいろんな角度からこの問題点が指摘されてきましたが、私、まず民間委託するときの契約形態って一体どんなものなんだろうと、ちょっと浮かばないんですね。例えば、月々幾らとかで投げちゃった場合、だったら何もしないでお金もらえるなら取締りしませんよとなりますね。じゃ逆に、一件取り締まると幾らといういわゆる歩合制、インセンティブをする、多分、今日、どっちかというとこちらの方で議論されていたと思うんです。もう必要以上に取り締まって取り締まってとなると。いろんな民間委託の形によっていろんな問題点が出ると思うんですが、私は、推進される宇賀先生には、望ましい契約形態とは一体どんなものか。逆に否定的にとらえていらっしゃる高山先生に、では問題となる契約形態とはどんなものでどういう問題が生じるか、この点について、お二人の参考人にお答えいただけますでしょうか。
  76. 宇賀克也

    参考人宇賀克也君) 民間委託をする際にどういったことを内容とするのかということ、それから期間ですね、どれぐらいの期間で契約を締結するのかというのが非常に重要なポイントになってくると思います。  余りにも長期間の契約というのはやっぱり望ましくないのではないかと。比較的短期間の契約にして、そしてその間の実績とかあるいはその評判とか、そういったものを参考にして次回の契約を考えていくということも必要になってくると思います。  それから、確かに、もし歩合制のような形にした場合に、無理な取締りが行われるのではないかという、そういう懸念はあるところでございますけれども、他方で、やってもやらなくてもとにかく委託金がもらえるということでも困るわけです。ですから、そこのところは、ある程度そういう実績というものを考慮する形にせざるを得ないのではないかなというふうに考えております。  ただ、そのときに、とにかく取り締まりやすいところからどんどん取り締まって、大して迷惑を与えていないけれども、しかし取り締まりやすいからというところを重点的に取り締まってとにかく実績を上げるという、件数だけ増やすということでは困りますので、そこのところは先ほど申し上げましたガイドラインでしっかりと重点的な取締り場所あるいは取締り時間帯、そういうものを定めて、それを遵守してもらうということが必要だろうというふうに思っております。
  77. 高山俊吉

    参考人高山俊吉君) 契約の在り方については本当に分からないですね。参考意見を申し上げなきゃならない立場の者が分からないという言い方をするのは良くないけれども、分からない。分からないということは、つまり言い方を変えれば不透明だということです。どうして、どうすれば、どうなっているんだ、どうなるんだということが全く開示されない、イメージが分からないんですね。  実績とか評判とか言われました。実績がどうだといけないことになるんでしょうか。実績がどうだったら良いことになるのか。件数を上げるだけじゃいけないという。じゃ、どのくらいだったらいいということになるのか、その基準も分からないんですね。  私は、結果的にどういう問題が起こるかというと、例えば重点的な場所で取り締まれと言われても、業者の立場からすると、例えば件数が今月は何件だということになったらば、その件数を上げるためになるべく人件費を掛けないでやれるんだったらば、少ない人数でやれるところというのは駐車違反が取り締まりやすいところになります。そういう議論がどうしても、それは営業活動というその世界には効率が入ってきますから、たくさんの人間を人海戦術のように投じなくてもやれるような成績が上がれば良いという議論になるはずです。そういうたぐいの議論が現場でのトラブルの要因にもなり、評判にもつながるのかもしれない。  そういう経験を持つ中からだんだん良くなっていくということが一体あるのか。私は、随分、これは海図を持たないで海原に出るような怖さを感じます。実際にどういう方向に向かうのかということについての論議が、立法段階できちんとした議論が全く行われていない、そのことの懸念を強く感じます。  以上です。
  78. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 ちょっと時間がないので、これ以上質問してもあれなので、長江先生にはちょっとお聞きできずに恐縮だったんですが、四人の参考人先生方、本当にありがとうございました。
  79. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。  参考人方々には、長時間にわたりまして御出席を願い、大変貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  どうもありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十九分散会