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2004-03-18 第159回国会 参議院 総務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月十八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十六日     辞任         補欠選任      岡崎トミ子君     高嶋 良充君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         景山俊太郎君     理 事                 柏村 武昭君                 岸  宏一君                 山崎  力君                 広中和歌子君     委 員                 狩野  安君                 久世 公堯君                 椎名 一保君                 世耕 弘成君                 吉村剛太郎君                 小川 敏夫君                 高嶋 良充君                 高橋 千秋君                 松岡滿壽男君                 渡辺 秀央君                 鶴岡  洋君                 日笠 勝之君                 八田ひろ子君                 宮本 岳志君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君    副大臣        総務大臣    山口 俊一君    大臣政務官        財務大臣政務官  山下 英利君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        人事院事務総局        勤務条件局長   山野 岳義君        総務大臣官房総        括審議官     大野 慎一君        総務省人事・恩        給局長      戸谷 好秀君        総務省自治行政        局長       畠中誠二郎君        総務省自治行政        局公務員部長   須田 和博君        総務省自治財政        局長       瀧野 欣彌君        総務省自治税務        局長       板倉 敏和君        総務省情報通信        政策局長     武智 健二君        総務省総合通信        基盤局長     有冨寛一郎君        財務省主計局次        長        勝 栄二郎君        文部科学大臣官        房審議官     樋口 修資君        厚生労働大臣官        房審議官     中島 正治君        厚生労働大臣官        房審議官     金子 順一君        厚生労働大臣官        房審議官     北井久美子君        厚生労働省社会        ・援護局長    小島比登志君        国土交通省自動        車交通局技術安        全部長      中山 寛治君        環境大臣官房審        議官       桜井 康好君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び  納付金に関する法律の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付) ○所得譲与税法案内閣提出衆議院送付) ○地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十六日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君が選任されました。     ─────────────
  3. 景山俊太郎

  4. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案所得譲与税法案地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は去る十六日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  6. 高橋千秋

    高橋千秋君 おはようございます。おとといに引き続いて質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  総務大臣におかれましては、予算委員会でも昨日も延々と、同じような質問かも分かりませんが、三位一体の話がありまして、総務大臣としてはもう答え飽きたなというふうに思われているかも分かりませんが、やはりこれは地方にとっては非常に大変な話ですので、それだけ質問が出るわけでありますし、いろんな不平不満が出てきているわけですので、やはり総務省としても真摯に答えていただきたいと思いますし、まじめにやっぱり考えていただきたいなと思いますので、今日のこの税法、当然これは三位一体にかかわることでございますので、おとといに引き続き、そして昨日の我が党の平野さんの予算委員会での質問に引き続き、基本的なことを私が質問をさせていただいて、その後、高嶋議員、随分時間が今日はいただいておりますのでじっくりと質問をさせていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。  まず冒頭、昨日予算委員会の中で某委員長不規則発言という質問も出ておりましたが、委員長席から総務省の切り方がおかしいというような発言がございました。これは、前総務大臣でございますのでその方からの発言もあって、これは我々が思っていることと全く一緒のようなことでございますし、是非このことについての御感想と、それから総務省のこの三位一体、これはもう満点のできだというふうに思われているのか、その評価について総務大臣から伺いたいと思います。
  7. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、今朝の新聞で、「自民委員長、民主に「加勢」」というこれが出ておりましたので、正直、出席しておりました者といたしましてはいろいろ感想がないわけではありませんけれども、基本的に、これは高橋先生よく御存じのとおりに、今回のこの三位一体という話は大きく分けて広義の部分と狭義の部分と二つあるんだと思っていますが、地方分権を推進するという意味での質的な改革という点につきましては、基本的には、税源の面で自由度がとか裁量度の拡大とかいうところは片山大臣言われるようにそこそこのものが出てきているんだと私はそう思っております、そこそこのものが。  ここは満点だとは言わないまでも、おれはようやったと言っておられる点なんだと思うんですが、もう一点の方のいわゆる財政健全化に資する部分、いわゆる量的な部分と言われるところに関しましては、いわゆる地域スリム化をやってください、単独事業を減らしてください等々の話がありますので、こちらのところが、と一緒に来ていますので、両方とも三位一体という形の中に入っていますものですから、何となくそこらのところの部分の後の申し上げた部分の方が、片山大臣等々の発言からいきますと、前の方は良かったんだけれども後の方の部分の量的な部分量的削減の方が問題なんだと、質的な改革の方は良かったんだというところとちょっと分かれておるので、両方とも三位一体という名前の中で入っておるところが少々話を分かりにくくさせておるところだと思っておりますので。  基本的には交付税削減が少ない方がいいに決まっていますけれども、なかなかさようなわけにはいきませんので、量的な改革というものも併せてやっていただかぬと、スリム化もしてください、いろんな意味ラスパイレス指数も随分昔に比べれば下がってきておりますけれども、それでも地域によっては、その地域で一番給料の高いところが役場等々のところもありますので、いろんな意味で今後とも御努力をいただかねばならぬというところなんだと理解をいたしております。
  8. 高橋千秋

    高橋千秋君 確かに、おっしゃられるように、田舎へ行くと役場の職員が一番給料がいいとかいう話も当然あります。そういう問題とやはり今回の問題とはまた別の違いがあると思いますし、要は、一番地方が今回困っているのは、中身がやっぱり急に出てきたという思いが物すごくあるんですね。要は、三位一体改革地方担当者のそれぞれのイメージというのは、平成十四年の五月二十一日にいわゆる片山プランというのが出されているわけですけれども、このときのイメージをそのままずっと持ってこられて、それでいつの間にか、これは小泉さん、昨年末に急に一兆円を超えるというような話がぽんと出てきたりとか、そういうことで急に中身が、ああもっと厳しいんだということが地方にそのときに分かったと。  当然、総務省でも、いろんな予算を組んだり、いろんな仕事をしていくときに、それはちょっと一か月や二か月で準備ができるわけはありませんし、例えば三年とか五年とか十年とかいうサイクルでそれぞれの地方もやっぱりいろんなことを考えていく中で、こういうことが平成十四年のいわゆる片山プランの中で出てくるんだということを前提に置いて考えていたことが、突然やっぱりこういう形で出てきたことに大変戸惑いと怒りがあるんだろうと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 先ほど申し上げましたように、質的な部分につきましては、申し上げましたように、昨年のというより、正確には一昨年からこれは始まった話ですから、一昨年ぐらいからある程度用意されておられたところもありましたが、一昨年度の場合はある程度交付税が付きましたし、いろんな意味であのときはたしか地方税収が二兆円ぐらい落ちたときでもありましたので、その分交付税が増えたりしたところもありまして、一昨年度はそうでもなかったんですが、今年度に関しましては少し違った形になってきておると思っておりますが、いずれにしても質的な改革のところはそこそこだったんですが、さっきのように、量的なところがおっしゃるように何となく、総務省としてはいわゆる概算要求段階ぐらいからいろいろ申し上げておったところもありますので、結構それに対応してこられたところとそうでもなかったところというのが随分差がある。  そこそこ対応してこられたところは、総じて人口五万以上のところの方が多いように私にはそう見えるんです。それで、五万以上のところは人口でいきますと全人口の七〇%ぐらいいくんですが、市町村別の数、首長さんの数からいきますと八五%は五万人以下ということになりますので、そういうことになりますと、何となく、おれたちは聞いておらぬという話になるんだと思っております。  また、団体としては規模の小さいところの団体の方が影響が大きかったということもありますので、いろいろお話で言われた点が私どもの耳にも一杯届いてくるところでもありますので、平成十七年度につきましては、ここらのところは、現実、昨年度はそうだったでしょうがということで、もう少しきめ細かくやらねばなりませんし、私どもも、この四月、予算が終わりました後、地方に回って、いろいろこういったやり方があります、ほかの、三千三十もあります市町村を比べればこういうやり方もああいうやり方もというようなことを含めまして、各地域別にずっと回らせていただくことにしておりますので、先生の場合はたしか三重だったと思いますが、たしか岐阜でそういった会合をやらせていただく段取りが今終わりつつありますので、いろんな形できめ細かく対応はさせていただかねばならぬと思っております。
  10. 高橋千秋

    高橋千秋君 その話を聞かせていただいて、これ、地元伊勢新聞という新聞ですが、これの十七日、だから昨日ですか、昨日の新聞に、地方不満に耳を傾けますと、さっき言われた、地方を回られるという話が出ております。四月から五月に、全国を八ブロックに分けて聞くと。私、八ブロックに分けて、それで、それじゃ、地方不満がその場で聞けるのかどうかというと、確かにやらないよりはましかも分かりませんが、既にもうこれ、予算案、ずっとそれぞれの地域地方議会でももう進んでいる中で、四月、五月、来年以降の話だろうと思いますけれども、聞かないよりはましかも分かりませんが、これで聞いているんだという既成事実のようなものを作っていくということでは私はおかしいと思うんですが、一応、八ブロックでやるという努力は多少認めますが、こんなものでは地方不満が聞けるとはとても思えませんが、いかがでしょうか。
  11. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 比較対照の問題なんだと思いますけれども、それは、丁寧にやれば三千三十全部やらないかぬということにもなりましょうけれども、少なくとも、極めて出張費等々限られた中で、ある程度地域ごとにということになりますとブロックぐらいのところかなというのが率直な実感です。  また、いろいろこれ、こんなことを言われぬでも分かっておると言われる方々も実はいられて、これやったらおれたちは出ないかぬのかと言われること、言ってこられた首長さんも正直言ってないわけではないんですが、おたくはちゃんとやっておられますから、その話を、そうやっておられない隣の県の市町村に、うちはこんなことをやったという例として言っていただけませんかという話を申し上げたりもしていますので、高橋先生、確かに、これやったからすべて話は終わったというような話ではなくて、きちんとそういった話をやらせていただくということはやっぱり大切なので。  前にも、昨年の全国知事会全国市町村長会全国政令市長会等々において国民保護法のときにも同じようにやらせていただいて、話を直接聞くということを申し上げたんですが、本当にやるかという話だったので、やらせていただきますということを申し上げて、全国知事会を二度ほどたしか参集させていただいて、意見を拝聴させていただいたのを生かして、国民保護法の中に生かして、これは一体、実際やるときに机上の空論じゃ駄目よ、実際、平時のときに訓練してみる必要がある、その金はだれが出すんだというような御質問も率直なところでありましたので、これは国でやらせていただきますというようなことも申し上げたりした経緯もありますので、やらないよりはやった方がいいに決まっているんだと、私自身はそう思っておりますので、もう少し、更にいろんな細かいところが出てきた場合には、それはまた個別に対応させていただかないかぬだろうとは思っております。
  12. 高橋千秋

    高橋千秋君 やらないよりはやった方がましだというのは、やっぱりやっても余り意味がないんじゃないかという、やった方がましぐらいなら、ちょっと、私はもっと、出張費のこと、確かにコスト削減の中で出張費のことを言われるのであれば、大体、政府のこういう、そういう会議をやると、大名行列のようにぞろぞろぞろぞろ行ってやらなくたって、担当者が一人か二人行ってそれぞれの県でやるぐらいのことはあってもいいと思うんですよ。それぐらいのことはあってもいいと思うんですが、いかがでしょうか。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 四十七都道府県に個別に出して、個別に分かるのが四十七人もいるかという話にもなるのかと思いますけれども、もう少し細かく割れと言われて、それはブロックによってもいろいろあるんだと思いますけれども、四十七県全部と言われても、ちょっとなかなか難しいような感じが率直なところです。
  14. 高橋千秋

    高橋千秋君 是非、努力をやっぱり目に見える形でやっていただきたいなと。  地方の方とすれば、やはり不平不満というのは物すごく出ているというのはもうよく御存じのことで、それをやっぱり解消していただく努力をやっぱりしていただかないと、八ブロックでやったとしてもそれで解消するとは私は思えませんので、別に、四十七ブロックでやるのがいいのか悪いのかは別として、もっといろんな努力をすべきだろうと思いますし、そして、これは四月、五月にやるということで、来年の話ですから、今年についてはもうこの予算に、国の予算についてももう上がろうかとしているときに今更言ってもということかも分かりませんが、やはりもっと早くそれぞれの地方にいろんな案を提案すべきだろうと思いますし、地方からの意見ももっと私は事前に聞くべきだろうというふうに思います。  その意味で、これは、来年のことであれば四月、五月とこうやればそれはそれでいいと思うんですが、おとといも申し上げましたように、来年以降、予算を非常に組みづらい状況になっているというふうに聞いておりますので、今年の、今更反省しても仕方ありませんけれども、非常に遅かった、非常にそういう部分努力が足りなかったということはお認めになるんでしょうか。
  15. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今年度につきましても、今四月、五月と申し上げましたけれども概算が大体七、八月ということになろうかと思いますので、その後の十月に第二回目ぐらいを考えねばいかぬかなとは、基本的にそう思っております。  私どもとしては、結構いろいろ十六年度につきましては一昨年からそこそこ申し上げてきたところだと思ってはおりますけれども、受け止め方にかなり差があったのではないかというのが率直なところです。結構、政令都市等々は意外と早く、おおこれは来るなと思っていろいろやっておられたところもありますが、そういうところは総じて規模の大きな団体規模の大きな公共団体がそういう対応をしてこられたように思いますが、なかなか地域によって、また大きさによって、いろいろ町長さんの性格によってもあるでしょう、いろんな差があったと思いますので、それはもう少し、本当にこんなになるんですよということをもうちょっと言っておく必要があったかといえば、それはもう少し言っておいたら、もっとこう言っておくべきだったという点が感じられる方もいらっしゃる、もうこれ以上もうやらぬでも分かっておる、また同じ話かと言われる方もいらっしゃいましたので、いろいろありましたけれども、ただ、今言われましたように、これだけ大きな変化があるならもう少しというのであれば、私どもとしては、今後そこのところはもっときめ細かく対応する必要があると存じます。
  16. 高橋千秋

    高橋千秋君 そういうことできめ細かくやっていただけるという御返答でございますけれども、是非やっぱり、さっき大臣が五万人以上のところは比較的反応がいいというようなお話がありましたけれども御存じのように、確かに人口はそうであっても、日本の多くのところは、大臣地元でもそうだと思いますけれども、そういう小さな市町村が集まって日本があるわけで、確かに東京に人口が一杯あるけれども、それだけで日本が成り立っているわけではないということはもうよく御存じのことでございますから、そういう小さなところに対してやっぱり一番大きな変化が出てくるわけですので、そういうところに目を注いでいただけるように運営をしていただきたいなというふうに思います。  それで、その地元新聞の、地方不満に耳を傾けますというそのすぐ横に、補助金削減は一兆円超にというふうにタイトルが出ていて、小泉首相が、来年以降減る額をもっと大幅に減らすんだということを会議の中で言われているようでありますけれども、そのことはそういう方向で行くんでしょうか。
  17. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、今でおっしゃるところの一兆円ということが、今年一兆約三百億ということになりましたけれども、基本的にはこれは四兆円を三年間ということにいたしておりますので、基本的には残り約三兆ということになろうかと存じますが、正確にはその前の分の分がありますので二兆何千億かになると思いますけれども、そういった意味では残りの分できっちり対応をしていかねばならぬところだと思いますので、簡単に言えば、残り、簡単によく三兆三兆と言われますが、三兆でいえば、二年でやれば一兆五千億ということに、半分で割れば一兆五千億ということになるんだと思いますが、基本的にはこれ二年間、元々は三年間で四兆ということを言っておりましたので、もう少し三年間あればいろいろ対策、やり方もあったろうとは思えないわけではない、それはいろいろ御批判のあるところでもある。一兆円と先に区切ったからこれだけ進んだという方もいらっしゃれば、一兆と先に区切っちゃったから話が妙に矮小化したではないかと、これはいろいろ御意見のあるところでもありますので、私どもとしては、その分の五千六百億引きます残りの二千四百億ぐらいのところを、二兆四千億、済みません、二兆四千億の分につきましては、これは一兆二千億という部分、半分半分で言えば一兆二千億ぐらいということになるんでしょうが、そういったところを含めまして、私どもとしてはこれは考えねばならぬところだと思いますが。  いずれにしても、そのやり方につきましては、どういうのがあるかという点につきましては、皆さん方、これまたいろいろおっしゃっておみえになりますが、一番のところはやっぱり社会福祉部分で約二十兆というか、半分が社会福祉ですから、そういった意味では、この分まで含めてということになると、こっちは今間違いなく増えていく方ですので、そういった意味では今回のところも、現実問題としていわゆる補助金というものはその分で自然増で増えている部分がありますので、実際面といたしましては、前年度に比べていわゆる補助金総額というものは減ったとはいえ、その分が、自然増部分がありますので、そういった意味では少し数字に違いがあります。  ただ、私どもとしては、これは基本的には四兆というのを一応の目的として二〇〇三にも書かれてもありますので、私どもとしては、残り二兆五千億から三兆ぐらいのものにつきましては、私どもとしてはいろいろ地方とよくお話合いをさせていただいて、そこのところ、どういうものだと、市町村長全国知事会は九兆とか、いろんなことを言ってこられる内容も知らないわけではありませんので、そういったところとよく話をさせた上で詰めさせていただきたいと存じます。
  18. 高橋千秋

    高橋千秋君 そうすると、その中身ですね、来年度の部分についてはいつごろ御提示をされるお考えでしょうか。
  19. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、二〇〇三の閣議決定をさせていただきましたのが六月、昨年の場合は六月の二十七日に閣議決定をさせていただいておるんですが、今度、今いろいろ、全体像をもう少し明らかに示すのはもっと早くしろという御意見もいろいろあっておるところでもありますので、これは私どもとしては、もう少し早い段階でやらないかぬのではないかという御指摘なんだと思いますので、竹中大臣との間には、少なくとも骨太の二〇〇三は従来に比べて早く出すという方向で話をさせていただいておりますので、もう少し早い段階、六月ぐらいには出せればなという方向で、日にち的にはその方向だと思っております。
  20. 高橋千秋

    高橋千秋君 というのも、来年、日本じゅうで合併がどっと出てまいります。これは、その意味でも特別な年に来年はなってくると思うんですね。だから、私は早めにそういう提示をすべきだろうと思いますし、具体的な中身をすべきだと思いますので、是非そのことをお願いをしたいなと思いますし。  それから、話、私の質問通告の順番でいくと一番最後になってしまうんですが、合併が今非常に問題になっておりまして、この総務委員会でも何度も何度も話が出ております。大臣地元の福岡でも、合併、随分、協議会ができて進んでおられると思いますし、私の地元でも、もう本当に毎日、地元紙のところに合併のことで新聞記事をにぎわしているんですね。ここも出ているんですが、合併議案で紛糾とか、もう単独市制なら辞職だとか、もう毎日のように合併にかかわる、ぎりぎりのところに来て、元々は合併はしなきゃいかぬなという思いでずっと来ていたのが、もうあと一年というところになって、具体的な案になってくるとやっぱりそれぞれいろんな問題が出てきて、これはなかなか難しいなという話があります。  三千二百あったものを、今のところ協議会等を含めて千七百ぐらいですかね、になるんじゃないかなというような話ですけれども総務省としてつかんでおられるその状況をまず教えていただけますでしょうか、合併どうなっていくのか。
  21. 大野慎一

    政府参考人大野慎一君) 今年度、平成十五年度でございますが、二十九件の合併が実現をいたしまして、現時点での市町村の数でございますけれども、三千百三十五と、こういう数字になっております。三千百三十五というのが現在の市町村数でございます。  そして、実は法定協議会が立ち上がっておりますのが五百十八ございます。五百十八の法定協議会が立ち上がっておりまして、そこに今申し上げました市町村数の六割を超えます千九百十二、千九百十二の市町村がこの五百十八の法定協議会に参加をしていると、こういう状況にあるわけでございます。
  22. 高橋千秋

    高橋千秋君 そうすると、幾つぐらいになるという見込みですか。
  23. 大野慎一

    政府参考人大野慎一君) 私ども、今この法定協議会、すべて壊れることなく合併に至っていただくように全力で支援をいたしておりますが、今申し上げましたこの数字、三千百三十五ありますと申し上げました。そして、五百十八の法定協議会ですから、これは一つの市になるということでございますね。そして、千九百十二の市町村が参加していると。これを差し引きいたしますと、仮にすべての法定協議会がうまくいって合併に至ると、こうなれば、市町村数は千七百四十程度、千七百四十程度にはなるのではないかと、このように見込んでおります。
  24. 高橋千秋

    高橋千秋君 千七百四十というと、当初の思いからいうとまだ七百四十ぐらい足らない、単純に数で言えばですね。実際のところ、これ合併協議会ができても、私の地元ではそれ解散したりというのが結構あるんです。駄目になっていくというのが結構ありまして、当初の合併協議会をまた半分ずつ分けてやるとか、そういう話が実はあります。  それで、さっきの税法の問題に関連してくるわけですけれども、例えば三重県でいうと、一番南側に、南牟婁郡、熊野市、北牟婁郡というといわゆる熊野市、尾鷲市の辺りですね、その辺があるんですが、これ、全部合併しても十万人にもならないですね。ところが、ここでこの合併が、いわゆる南牟婁郡と熊野市というところ、一部はもう世耕さんの近くの和歌山の近くですが、ここの辺り全部合併する予定で進んでいたのが、ある日突然、何か庁舎の位置が気に入らないとか、それからあの村長が気に入らないからとかでばらばらになっちゃいまして、結局、和歌山の隣の紀宝町と鵜殿村というところだけがひっ付いて、今度はまた別のところが、残されたところが怒りながらまた別のところと合併するとか、そういう本来の目的と違うような合併があちこちで起きております。  そのときに、さっき大臣が言われたように、五万人以上のある程度大きな町については納得してもらっているところもあるし、準備もちゃんと進んでいるというような話がありますし、おとといの質問の中でも、大きなところからは評価もらっているんだよというような話もありましたが、実際のところは、そうしようと思ってもできないところがかなり出てまいります。  さっきの話で、その一番端の紀宝町から紀伊長島というところまでずっと合併をしますと、それでも十万人にならないんですね。ところが、真ん中に大きな峠がありまして、そこの言葉が違うんですよ、まず。方言が違うんです。そういうようなところで、とても合併はできない、できないです。お互いのところから、いわゆる町から町へ行くのに一時間近く掛かります、同じ市の中でですね、もし合併したとしたら。そういうことになれば、当然、合併はこれ難しい。難しいというか、はっきり言って、やっても意味ないと思うんですね。  そういうときに、今回のこの三位一体改革の進め方というのは、そういうこともはっきり言って無視したようなお金の配分の仕方というか、そういうことになってくるんではないかなというところが、これはもう三重県だけじゃなくて、大臣のところも、お隣の和歌山なんというのはもっと一杯あると思うんですよ。これ、大変ですからね。地形的に大変なんですよ、これは。  だから、そういうことを考えたときに、今回のこの三位一体改革、この税法の中に含まれたやり方というのは、そういう現実に即していない部分が物すごくあるからみんな怒っているわけで、そういうことも、今度はさっきの話に戻りますが、八ブロック聞いたぐらいではっきり言って分かるわけがないんじゃないかという、そういう、もうあきらめに似たところもかなりあると思うんですが、そういうことなんですが、そのことについてはどうお考えですか。
  25. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 誠にごもっともなところだと思いますが、私ども九州というところは、御存じのように、筑前、筑後、豊前、豊後、肥前、肥後、薩摩、大隅、日向、これで九州ということになっておるんですが、その九州のうち三州が、筑前、筑後、豊前というのが一緒になって福岡県ということに今なっております。言葉が全然、私どもは、品のいい筑豊弁からいいますと、柄の悪い豊後の言葉なんぞはとてもじゃないと。ほかの方から聞いておられると、どこが違うかさっぱり分からぬ程度の違いなんですが、住んでいるやつにとりましては、これはもうえらい大問題でして、そんな豊後の言葉とはいうと、途端にもう、標高たかだか四、五百メートルの山越えただけで豊後なんですが、あら山向こうじゃろうがとか、あら谷のもんとか、あら豊後じゃろうがとか言って、もう全然韓国より遠いみたいな話をする古老の方というのは今でも一杯、正直いらっしゃいます。  これは多分、合併した明治の時代も多分大問題だったんだろうと思いますし、やっぱり名前をどうするかという話と、役場をどこに置くかという話と、あの首長じゃ辛抱しないという、大体、今小さなところでもめておりますのは、この三つが一番大きなように私どものところには聞こえます。  かつて、福岡市にするか博多市にするかで選挙やって、一票差で福岡市に決まり、結果として国鉄の駅は博多駅ということになって、今でも福岡駅という駅は福岡にはありません。  そういった意味では、この種の名前というのは、これは歴史やら何やらございますんで、これはもう先生よく御存じのように、これは高橋先生の三重県に限らず、やっぱりどこでも、古い歴史のあるところほどそういったところは問題。私は、それは、ある意味じゃ面白いという部分もなきにしもあらずです。南部と、南部と津軽の違いなんというのは、我々九州の人間から聞いたら両方ともずうずう弁で通じないという点においちゃ全く同じなんですけれども、お二方にとりましては、これは真剣に延々とどなり合っておられる国会議員もいらっしゃるぐらいですから、それは別に私も驚かぬのです。  そういった意味がたくさんありますんで、きめ細かくやらないかぬというのはそういうところだというのは私もよく分かるところなんで、そういったところは基本的には最後まで行かないところも出てくるんだと思いますが。  一つだけ、高橋先生、御理解いただいておかないかぬのは、一人当たりの住民に掛かります行政経費というのが、五千人以下だと約百万円から百五万円ぐらいの間、掛かっております。それが大体人口一万ぐらいになりますと約半分の五十万ぐらいまで、どんと行政経費が下がる。二万人超しますと三十万台までということになるんで、そういった意味では、行政経費が掛かった分はほかのところから税金の補助が行っておるわけですから、そういった意味では、そこの行政経費をどんと下げるためには、例えばそこのところの役場の数に、勤めている人の数がどんと減るとか、町会議員の数を一挙に減らすとか、収入役、助役は全部町長一人でやるとか、いろんな形で、世界じゅうシティーマネジャーを雇っておられるところ等々がありますんで、小さいところでやる場合は、もう強制じゃありませんから、一応一万人ということをめどにしておりますのは、行政経費の話が非常に五千人以下は百万以上掛かっておるという現実を見ましたときに、ほかのところから見ると、その分はおれたちが払っておるということになりますんで、そこらのところは、それに対応する分だけ経費をいろんな形で、職員含めて、削減をしていただくとか、いろんな形での経費節減というものをみんなで努力して、その代わり、うちは村でいく、町でいくというのは、私、それはそれなりの見識だとも思わないわけではないです。  だから、そこらのところは今までとは少し状況が違ってきておりますんで、対応をなさるのは、それはあくまでもその町における自主的な判断ということになろうとは思います。ただ、今申し上げた点だけがちょっとほかのところから見た場合の問題ですし、確かにこういう歴史のある地域ですから、いろいろ高野山含めて、いろいろこの地域は歴史の多いところでもありますんで、言葉が違うのはよく分かるところでもありますんで、そこのところを強制的にやれというような話をするつもりは私どもの役所としてはございません。
  26. 高橋千秋

    高橋千秋君 この合併の問題は、今度出てくる法律の中でもまた審議があると思いますので、余り詳しくは言っても仕方がないと思うんですが、大臣の今の話の中で、確かに小さな町に行政経費が掛かるのは、これは当たり前のことです。だけど、だからといって、じゃ全部数字で割り切っていいのかというと、私はそうではないというふうに思うんですね。大臣もまあ言葉の端々にそういう部分も出られておりますけれども。  どうも今回出ているこのやり方というのは、数字でぱさっぱさっと切っていくというような、そういうやり方があって、そして一方で、地方の方はとにかくコスト削減をしなさいと。あなたたち、もうこれは金出さないから、コスト削減をもうやらざるを得ないんだよという、ぎりぎりのところまでこれは持ってきている。これは一つの方法だとは思いますけれども、だけど、それじゃ、国の方はそれじゃどうしているんだというふうに地方から見ると、地方の方ばっかり、それ、やれやれやれやれといって、国の方のコスト削減が全然できていないじゃないかと、そういう思いが私は非常に強いと思うんですね。今回のこの中で、やはり全部地方にしわ寄せが来ているという思いが物すごく強くて、で、私がさっきから来年以降のことについてもっと早く出してくださいと言っているのは、やっぱり地方の協力を得ないとこれはできない話なんですね。  その意味で、今回のこのやり方を見ていると、地方、それは当然、金来なきゃ協力せざるを得ないかも分からないけれども地方から見ると、国への不信がどんどんどんどん募っていくばかりだと思うんです。その意味で、この不信を抱かせないためには、やはり早く出すべきだということをずっと言っているわけで、で、今回の中身についても、来年以降どうしていくのか。確かに四兆円の削減という話、これ地方から見ると、四兆円の削減というのは四兆円の税源移譲だというふうに当初思っていたと思うんですね。でも、そうではないですよね、実際のところは。ほとんどがカット、かなり大幅なカットになっているという現実を見たときに、愕然としているというふうに思うんですよ。  このままでは国と地方との信頼関係がどんどんどんどん崩れていくばかりだと思うんですけれども、この信頼を確保するためにも、中身をやはりもう少し見直すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  27. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 一番最初の話に戻って恐縮ですが、やっぱり質的なものと量的なものと二つ分けて考えにゃいかぬところだと思いますんで、質的な部分としては、基本的に地方に財源を渡す、地方自由度が増す、それだけ地方は元気になるというのが本来の趣旨、これは基本的には三位一体の本来の趣旨だと思います。傍ら、二百四兆円に上ります累積赤字を、地方債買い取りますので、その分を減らさにゃいかぬという話がもう一つ別にあるので、これが両方一緒に入って三位一体というような話になりましたものですから、この後から来た量的削減の話が非常に大きくわあっと出てきた感じになっておるという点は、今おっしゃるとおり、当てが違ったと言われておられる部分というのはそちらの部分が大きいんだと思います。  ただ、基本的には、スリム化をしていただかにゃいかぬというところ等をもう少し丁寧にやっていかにゃいかぬと思いますし、この種の合併の話にいたしましても、また三位一体の話にしても、地方のいわゆる地方財政赤字というものの削減にいたしましても、これは地方自治体の協力がいただけなければこれはなかなか前に進む話ではありません。  したがいまして、そういったところに関しましては、今後ともきちんと区別して、この部分とこの部分とという話をきちんと今後ともさせていただかにゃいかぬ。そうしなきゃ協力は得られぬぞという御指摘は誠にそのとおりだと思いますので、今後ともその点は努力をしていかねばならぬと思っております。
  28. 高橋千秋

    高橋千秋君 今回のこの削減で致し方ないところもありますが、やはり地域のいろんな良き伝統のようなこともなくさざるを得ないというのがかなり出てくると思うんですね。  これは質問通告しておりませんので御存じないかも分かりませんが、福岡でも、一九五三年に食糧配給を担った世話人を非常勤特別職公務員として制度化しているんですね。二千六百人、この方がお見えになりました。自治会長との兼任というのが多いみたいですけれども、これも今回なくしていくというような方向にあるそうです。これがいいか悪いかは別として。いろんな制度をやっぱりなくしていかないともたないと。確かに、不必要なものをやる必要はありませんし、削れるところはやっぱり削るべきだと。これは私も民間会社におりましたのでそれはもう当たり前のことだと思いますが、やはり単純にコストとか数字だけで割り切っていくということは私は良くないことだと思いますし、このコスト削減していく、節約をしていくということをやはり国が率先してやっぱりやっていくべきだろうなというふうに思うんです。  先日の質問の中で義務教育国庫負担の話をさせていただいたときに、その地元の大瀬東作さんという昔の村長さんの話をさせていただきました。その方が大正十年に論文を書かれているんですけれども、その中に教育費の問題で、当時の原総理とか、原首相とか、それから中橋文部大臣とかがその地方の節約のことについていろいろ述べておられるんです。  一つは、例えばそのときの中橋文部大臣という方は、田舎の学校に運動場などは不必要である、田んぼの中で走り回しておればよいではないか、運動場廃止なども義務教育費節約の一方法だと、このようなことを言われております。あと、はかまはくなんというのは田舎の子供たちには要らないとか、それから教科書は子供三代下ぐらいまでは使い回しをすればいいとか、そのようなことがこの中に、その当時の国の責任者が発言をされている文書がこの中に入っております。当時のことから思うとそうなのかも分かりません。  今回の中で、そこまでしろとは当然言わないでしょうし、そういうことをそこまでする必要はありませんが、ある程度やっぱり節約をしていかなければいけないという部分をまず国が率先してやるべきだと思うんですが、今回の中で、それぞれコスト、地方に渡すお金を減らしますから、地方はコスト意識を持ってコスト削減をしなさいということを命じているわけですけれども、どうも国の方のその部分が見えてこないんですね。その部分をやっぱりもっと、国はこれだけやっているんだから地方も頑張りなさいという部分をやっぱり出すべきだと思うんですけれども大臣、どうお考えです。
  29. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私ども地方を守る立場にいる総務省ですので、これは今の御指摘、御質問は多分大蔵省とかその他ということになろうかと思いますが、全体的には結構公共工事の話とかいうものを含めまして、国全体としては随分減らしてきておるのではないか、この数年の間。少なくとも公務員の数も間違いなく減ってきておりますし、今千人当たりの公務員の人口比は多分先進国の中でアメリカの半分以下、ドイツの三分の一以下ぐらいまで公務員の数は減らした。  また、いろんな意味で合併等々進んで、食糧庁はやめた等々、幾つか国としてはそれなりにこの数年間の間いろんな形で努力をし、減らしている傍ら治安の方は極めて悪くなってきておるという地域もありますので、そういった意味、対策に対しましては、警察官の数は増やした中で純減に公務員はさせておる等々、それなりの努力はしているところはあるんだと思いますが、非常にずうたいのでかいところでもありますので、なかなかそういったところが国は何もしておらぬけれども地方だけがという気持ちが出てくるというところは分からぬわけではありませんので、地方も国の方もいろいろ努力をしておる。国会の中にいろいろ御意見をいただいてそれを基に政府としては対応しておるという点は、もう少し具体的にこんな具合になっておるということは地方に分かりやすく説明した方が地方の納得も得やすいのではないかという御意見は、私もそう思います。
  30. 高橋千秋

    高橋千秋君 やっぱり今回の、さっきの八ブロックの話にこだわるわけではないんですが、やっぱり地方の、例えば県の職員なり市の、市町村の職員から見ると非常に総務省の役人の方というのは遠いですよね。まだ、感覚が遠い、気持ち的にね。まだ総務省の方は結構県庁なんかに行ったりしていますから、ほかの、さっきの言われた財務省なんかから見るともっと近いかも分かりませんが、はっきり言って感覚的に非常に遠いんですよ。特に市町村役場から見たらもう何かはるかかなたでかすんでいて見えないぐらいなそんな雰囲気で、やっぱりそういうところから見ると、単純に通達のような形でぼんと文書が下りてくる、で、コスト削減しなさいと。これではやっぱりなかなか地方の方から見ると、それじゃ一生懸命やりましょうかというのはならないと思いますし、さっきの話でお金が減らされるから致し方なくやらざるを得ないという、合併なんかでもそうですが、合併で前の片山大臣も言われていましたけれども、これはあくまでも自主的な合併なんですよというふうに言われますし、そう言わざるを得ないんでしょうけれども、実際のところは強制合併的なものだと思うんですよ、今回のことも。これは自主的な合併ですよと言いながらも、もうお金がないからせざるを得ない。あめとむちでいえばあめという部分よりも、もうむち的なことが多くなってくると思うんですね。  その意味ではやっぱりもう少し、さっきも申しましたけれども、きめ細やかな対応をやっぱり是非していただきたいなというふうに思いますし、これは新法の、新しく出る法律の論議の中でやればいい話かも分かりませんけれども、今回出てくる知事があっせんをできるとかいろいろ出てくるようでありますけれども、私、今回のこのことで果たして合併がその思いのように進むのかどうかというのは、そんな簡単にいくのかなというような気がしているんですね。幾ら知事があっせんしてもいいと言ってもそんな単純にはいかないと思うんですけれども、まだ法律が出ておりませんが、そのことも含めて、もう少し総務省のリーダーシップというのが求められると思うんですけれども、いかがでしょうか。
  31. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) なるべくその地域、例えば郡なら郡という単位で合併という話が進むのが最も私どもとしてはいいと思っておりますが、今全国、福岡県は九十九市町村ありますけれども、この人口五百万で九十九の市町村があるんですが、この中で今全国町村会長がたまたま九州、福岡県から出ておることもこれあり、県単位で町村会、町村長会をやるからそれに対して出てきて説明という話がいただいたりいたしておりますので、そういった形では私ども、出しますという話も約束をいたしております。  そういった意味では、三重県で町村長会がまとまってやられるというんであれば、そこらの御要望をいただければ私どもとして応じる等々、これは、うちはもうしなくても全部話は付いたからええというところも正直言ってあるんで、そういうところもありますけれども、それは県によって全部違いますので、もう誠に日本というのは実にいろいろあるなと、正直、今回は実感としてそう思いました。そういった意味では、各県ごとにいろいろ、そういう御意見のあるところ、うちはもう話がそこはずっとでき上がっているからもうええというところもあります。ありますので、そういった意味では県によって差があることも確かです。  ですが、いずれにいたしましても、そういった御要望に対してはきめ細かく対応ということは指示もしてありますので、きちんと対応させていただくつもりでしておりますが、知事が言うと何となく、ちょっと知事が強制的な物を言っているように思われるのもいかがなものか、ましてや国がというのは更にどうかなという感じが正直なところでもありますので、御要望をいただかないと、こっちが出掛けていって説明するから集めろなんという話とは少し違うのではないかというのが私どもの何となく感じているところです。
  32. 高橋千秋

    高橋千秋君 もう私の持ち分はなくなってしまいましたので、最後に一言だけ聞きたいんですが、先日、大臣地元の福岡のことで、例の生活保護費の積立ての問題が判決が出ました。これ、当たり前の話だなというふうに思うんですが、生活保護を受けていたお父さんが娘を学校にやりたい、高校へやりたいという思いで生活保護費の中からもう本当に削って保険を掛けていたと。それが結局、違反だということで生活保護費が半分以下に減らされてしまったというようなことがありまして、それはおかしいということで裁判になって最高裁で判決が出たということは聞いておられると思いますけれども。  これは我々から見ると、何でそんなことを六年も裁判でやらなきゃいけないんだという思いもありますし、これは生活保護費のことは総務省とは直接関係ないかも分かりませんが、生活保護や児童扶養手当の給付だとか、この辺についても削減をしていくという中で、やっぱり同じような話が出てくる、これは担当者の問題かも分かりませんけれども、そういうようなことが出てくる可能性があるわけですね。可能性があるというか、そういうことが出てきてもらっては困りますけれども。  そういう生活保護費等についてもやっぱり今回のこのいろいろ三位一体の中で今後論議がされていくことだと思いますけれども、この裁判のことの御感想と、そういう部分について本当に地方の生活を守っていく、地方の教育を守っていく、そういう部分についてはちゃんと守っていくんだということを大臣としてもお示しをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  33. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは基本的に法律で国民の最低生活保障というのはでき上がっておりますので、今の点につきまして、生活保護をただただ数字合わせに削るということはありません。  ただ、今、高橋先生、一つだけ生活保護費というものを人口千人に当たりまして、例えば福岡県十七・六、北海道同じく十七・六、傍ら富山、岐阜一・六、一・八というのは、十倍違うという事実がある、ここは。これは元々、多分、北海道も福岡もこれは炭鉱というものが抜きには語れぬと思います。生活保護というのは元々、炭鉱離職者に対する対応として始まった黒手帳と言われるものでありますので、そこで少し歴史的な違いはあるとは思いますけれども、非常に多い。一けた台と二けた台というのの差は余りにもちょっと大きいのではないかという御指摘はそれなりの説得力のあるところではあるんです、確かに。  そういった意味では、これは今から年末に当たりまして厚生省等々といろいろと詰めていかにゃいかぬところだとは思いますけれども、そういう事実だけひとつ頭に入れておいていただければと思いますが、基本的に生活の最低保障をしております憲法上の制約のことでもありますので、ただただ数字合わせに減らすというようなことには賛成いたしかねます。
  34. 高橋千秋

    高橋千秋君 もう時間が来ておりますので終わりますが、この続きは来週また予算委員会でやらしていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  それでは、高嶋議員に。
  35. 高嶋良充

    高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。  地方意見を聞けという話については、今、高橋議員の方からの議論もございましたので、その部分は若干避けたいというふうに思いますが、私も、この二か月ほどで約四十人近い知事さんや市町村長さんとこの間お会いをしました。一貫して言われているのは、やっぱり非常に厳しい三位一体改革について批判を持っておられる。まあ、やみ討ちだ、だまし討ちだ、国の財政再建だけしか考えていないんじゃないかという意見に集約されるんですが、一番端的に的を得て言われているのが、宮城の浅野知事も言っておられますけれども、どうも政府地方自治体の思いとは別に、登山の登り口を間違えたんではないかと。こういうことが私はやっぱり一番的を得ているんではないかと。今も大臣高橋議員との議論を聞いていると、どうもそういうすれ違いがあるんではないかなというふうに思っているんですね。  先ほど、大臣地方自治体の人件費問題を若干出されました。私は、この三位一体改革と人件費問題、全体的には、総論的にはある程度はリンクはすると思うんですが、どうも国の場合はこの三位一体改革財政論というか行革論から登り口、上がっていこうとされているんではないか。しかし、本来の三位一体改革というのは分権論からだというのが今まで、昨年まで総理も財務大臣総務大臣も一致をした意見だったんですね。  そして、二〇〇三年の、経済財政諮問会議の経済財政運営と構造改革に対する基本方針の二〇〇三というところで明確に基本方針、書かれているのは次のようなことですね。三位一体改革を推進をし、地方が決定すべきことは地方が自ら決定するという地方自治本来の姿の実現に向けて改革をするんだと。  そして、塩川前財務大臣は、去年の三月五日、私の質問に対して次のように答えておられます。三位一体改革は、財政論だけの議論ではないんだ、分権問題も結び付いているんですよ、総理も構造改革を進めると言っておる、地方に任すものは任そう、そこが非常に大事なところだ、その分権に伴って財源を動かしていくんだと。これは正しい議論だったと思うんですよ。それを受けて、片山総務大臣が、分権とかかわるのは当たり前だと、財務大臣言っているのは、総理も構造改革の大きな目玉だと言っているんだと。  だから、分権の視点で三位一体改革というのは進めていくんだというのはもう政府の統一した見解だったというふうに思うんですけれども、しかし、ふたを開けてみると、出てきたのは、塩川さんが言っておられた当初の財政論が先行して分権論なんか全くその中身に、まあちょっとは入っているでしょうけれども、大方分権論が出てきていない。  私は、この間の予算委員会でも総理に申し上げました。この分権論から入ることが、三位一体改革というのは財政改革も当然入っているんだ、しかしその財政改革を行っていく上でどうするかということでいえば分権論から入る三位一体改革というのは太陽政策なんだ、北風と太陽からいえば。しかし、行革論から入る三位一体改革というのは北風論だと、こういうふうに言いましたけれども、今、政府は正に地方自治体に北風を吹かせているんだと。それは、福岡も長崎も熊本も寄せていただきましたけれども皆さん方、暖かい土地の皆さん方首長さんみんなが、北風吹かされて、正に九州も雪の中だと、そういう批判というか、持っておられるわけです。  その辺の考え方について、もう一度総務大臣とそれから財務省に、三位一体改革の目的についてお伺いしたいと思います。
  36. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この地域主権の話につきましては、先生おっしゃるとおり、もう基本としては非常に明確だと思っております。  地方が元気が出るためには、地方自由度を増やさにゃいかぬ、その地方自由度が出るためにはある程度財源が要る、それが基本の流れだと思っております。そういうのをまず大前提に立ちまして、少なくとも明治この方、中央集権で廃藩置県以来それでやってきたところを少し、あの時代はあの時代なりに当たった政策だったと思います。少なくとも近代工業化社会を目指すあの時代にあっては、私は正しかった政策だと思いますが。戦後も経済復興に一本に絞ったぐらいのところで経済はわあっと伸びていく、あの段階では間違いなくこれも当たっておったと思っておりますが。  ただ、これだけ豊かになって、先進諸国に仲間入りして世界のベストセブンに選ばれる、かつ経済力は常にナンバーツーを、これだけ失われた十年、十二年と言われながらもナンバーツーを維持しているというほどの豊かな国になってきた場合に、今までどおり国が決めていけば全部さあっといくかというのがいいか悪いか。むしろ地域からいろいろ出された方がいいのではないかという意見になって、多分今、地域主権という言葉に、流れに流れてきた。これはもう高橋先生と全くそこのところは同じところだと思いますが。    〔委員長退席、理事山崎力君着席〕  問題は、そのときに地域主権で出てくるというところに関して、今回、先ほど申し上げましたように、三位一体という言葉を両方使っておりますので何となく話が混線するんだと思っておるんですが、質的な面でいきますと、間違いなくこれは地域主権という形で、少なくともこれまで大蔵省が放さなかった基幹税というものを放して、少なくともそれが住民税に移行した。これは物すごく大きな変化でもありましたし、またその地域に渡されれば、その財源はいわゆる補助金とは違いますので、いろんな形で地方がそのお金を使えるようになったという点に関しては、私は大きな主権が移っていることはもう間違いないと思っております。それが一つです。これは、片山先生の言葉をかりればそこそこうまくいったんじゃないかというところなんだと思いますが。  もう一つのその質的じゃない量的なところの部分の元々は、いわゆる中央財政の赤字を何とかせにゃいかぬということから、いわゆる歳出の見直しというところが出てきて、それが交付税削減につながったというところなんだと思うんです。そこで、そこは逆にこれまでやった地方の分をもうちょっとこうスリムにしていただけませんかと。  例えばということで、地方で単独でやっておられた事業に関しては少なくともバブル以前までの単独事業の額に減らしてくださいとか、また一般の経費に、行政経費につきましては昨年より増やさないでくださいというような一応目安を立ててみたり、そういった形にして削減をお願いしているという部分が同時に来ていますところが、いかにも今言われたようなところな感じに取られるところであって、本来の目的は、高嶋先生の言われたとおり、私どもとしては、基本としては、地域主権というものを与えるということによってこの国の新しい改革に手を付けるというのが本来の目的、その他の手段と、基本的にはそういう御意見には賛成であります。
  37. 山下英利

    大臣政務官(山下英利君) ただいま麻生大臣の方から御答弁されました内容ともうほとんど重なるということもあると思います。財務省から申し上げますと、この三位一体改革につきましては、本当に地方にできることは地方にという考え方を基に今回の予算編成も行わさせていただいているところでありまして、先ほど高嶋先生御指摘のとおり、確かに財政的には厳しいのは、これは国も地方もともに厳しいわけでございます。  ですから、地方にできることをやっていただくための権限と責任を持っていただく、そのための効率的な選択と集中ということも考え、もう一方では国、地方とも非常に厳しい財政状況でございますので、国、地方全体の行政のスリム化、これも考えながらの予算編成、そして最終的には効率的な小さな政府を作っていくという考え方に基づいているところでありまして、この流れを国、地方ともに協力してやっていくためには、今後とも地方と国が手を携えて、意見交換を続けながらお互いに理解し合うということが大前提ではなかろうかなと、そのように思っておるわけでございます。  そして、一方では、スリム化ということだけではなくて、種々の措置を講じまして一兆円の補助金改革実施したところでありますけれども、その際には地方の自主性、裁量性を拡大するという観点からの措置も講じさせていただいたところでございます。ですから、今回の三位一体改革におきましてはその両面が入っているところで、なかなか御理解も難しい部分もあろうかというふうに思っているところであります。
  38. 高嶋良充

    高嶋良充君 答弁を聞いているとそんなにすれ違いがないんですが、だけど言っておられることとやっておられることが全く違うから違和感を持つんですけれども。  先ほど山下政務官の方から、分権の視点を持ちながらスリム化も必要だと、こう言われました。私は、先ほども言ったように、太陽政策から言えば、分権の視点を持って三位一体改革をやれば結果としてスリム化に通じますよ、それが三位一体改革の本来の目的ではないですかと、こういうことを言っているんですけれども、どうも財務省はその登り口をスリム化から入ってきていると。ここがやっぱり地方自治体との違和感が一番の大きなところなんだと。    〔理事山崎力君退席、委員長着席〕  そこで、お尋ねをしますけれども、三月十日の日経新聞、御承知のはずですね。地方交付税更に七兆円、この削減をするんだと、こういう報道がされています。事実だとすれば、私はこれは驚きを通り越してあきれる、あきれ返るばかりだと。私どもは今回の三位一体改革、何回もこの指摘を昨年からしてまいりました。そして、今回の部分でも問題点をいろいろ言っていますけれども、大きく分けて三つ問題点があったと思うんですよ。  一つは、交付税削減が他の補助金や税源移譲と比べて突出をしていると。国の痛みに比べて地方の痛みの方が大き過ぎるというのがまず第一の問題点ですね。それから二つ目に、国庫補助金の見直しというのはスリム化の観点で、先ほども言っておられますけれどもスリム化の観点で削るばかりで、地方に自主性が全く与えられているような見直しというのは非常に少ないと。まちづくり交付金というのは若干の部分はありますけれども。そして三つ目に、その結果、税源移譲は期待をされたほどではなくて、全くのごくわずかしか税源移譲がされていない。こういう評価なんですよ、地方自治体が皆怒っておられるというのは。  そこへ来年度以降また七兆円の交付税をカットをするんだと。これでは地方自由度や自主性高めるという三位一体改革の本筋なんかも全く、事実であればですよ、無視していると言わざるを得ないというふうに思うんですが、七兆円の交付税削減目標のようですけれども、なぜ七兆円削減しなければならないのか、その根拠を示していただきたい。
  39. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  まず、各年度におきます地方交付税総額ですけれども、これの総額は地方財政計画の策定を通じまして決まるものでございまして、御承知のように、地方交付税総額は歳出と歳入の差額を補てんするものだと言われております。  それで、その点について申し上げますと、まず歳入面ですけれども地方税収の見通しやいわゆる法定交付税分といいますか、の基礎算定となります国税の収入の見通しですけれども、これは当然ながら毎年の景気動向や税制改正によって大きく左右されます。また、歳出につきましても、国の一般歳出の方も、不断の見直し、補助金の見直し、制度見直し等によって変わりますし、地方の歳出も不断の見直しによって毎年見直されていると思っております。  したがいまして、地方交付税の総額はこれらの様々な要因によって決まるものでございますので、あらかじめ削減の具体的な目標を定めることはできませんし、また財務省として特定の削減目標を有しているわけではございません。  ただ、もう一つ申し上げたいと思いますのは、先ほどおっしゃいました基本方針二〇〇三ですけれども、そこには地方歳出の見直しを通じまして地方交付税の総額を抑制することが必要だと書かれていることだけは付言させていただきたいと思っております。
  40. 高嶋良充

    高嶋良充君 ということは、この日経新聞に出されているこの内容というのは、財務省としては全くそんなことは考えていない、ほぼ間違いだと、そういうふうに受け取ってよろしいですか。
  41. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) その七兆円について、そういう具体的な削減目標を設定したということはございません。
  42. 高嶋良充

    高嶋良充君 七兆円という額そのものは、財務省としては設定していない。これは日経新聞が間違って勇み足で書いたことだと、そういうことのようでございますが。  じゃ、谷垣財務大臣が衆議院の予算委員会でも、あるいは参議院でもちょっと答弁されたと思うんですけれども削減地方交付税、この後もずっと削減の継続をしていくんだと、こういう方針の表明をされていますよね。その中で言われているのが、交付税の水準が高い水準にあるんだと、もう一つはスリム化が必要なんだと、こういうことを言われているんですが、その一番目の交付税が高い水準にある、こういうふうに言われているんですけれども、財務省としては、交付税の高い水準というのは、どう、どことどういうふうに比較をして高い水準なのか。その辺はどうなんでしょう。
  43. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) まず、先ほど申し上げました基本方針二〇〇三でございますけれども、これを読ませていただきますと、国の歳出の徹底的な見直しと歩調を合わせつつ、「改革と展望」の期間中に以下のような措置等により地方財政計画の歳出を徹底的に見直しますと。それで、これにより地方交付税総額を抑制し、財源保障機能を縮小していくということが書かれております。  それで、何をもって交付税総額は相対的に高い水準にあるかという御質問ですけれども、これはいろんな見方は確かにあると思います。  一つ、我々が財政制度審議会等で説明させていただいています一つの指標は、例えば五十八年度を起点にしますと、十五年度ですからちょっと古い数字ですけれども地方交付税交付金の、一〇〇、五十八年度を一〇〇にした場合の指数ですけれども二三八と。それで社会保障関係費は二〇八、防衛関係費は一八〇、国の一般歳出は一四六、文教及び科学振興費は一三四、公共事業関係費は一二二という数字はお示ししております。
  44. 高嶋良充

    高嶋良充君 いみじくも今説明がありましたけれども、日経新聞も昭和五十八年ですか、一九八四年を起点に計算をして、交付税の伸びが国の一般会計歳出よりも七兆円高い、こういうグラフまで付けて算出をしているんですけれども、まあ考え方、今の考え方聞いていると、そういう考え方と一致をしているんですが、この水準を決めていくのに、国の一般会計歳出と交付税額というものを比較をして交付税の方の伸びが高いと。こういうことを言われているんですけれども、普通に考えれば、国の歳出と地方の歳入である交付税額を比較をするというのは間違っているんではないか。常識的には国の一般会計歳出と地方財政計画の歳出を比べるべきだというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  45. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 各年度の交付税総額を決める際に当たりまして、その水準を過去の指標と比べてどうのこうのということで決まるわけではございません。先ほど申し上げましたように、地方交付税総額は地方の歳出歳入の差額でございますので、それぞれの歳入歳出はいろんな要素によって決まるものでございますので、何かアプリオリに一定の水準があるというわけではございません。  また、その比較する指標の一つとして、交付税総額の水準の比較指標として、地方歳出のほかに国の歳出を引用することがおかしいのではないかという点でございますけれども、指標はいろいろあると思います。ただ、交付税と非常に密接な関係がございます地方歳出と併せて、地方歳出と併せて国の一般歳出も比較するということも、一つの指標としては特に問題ないと考えております。
  46. 高嶋良充

    高嶋良充君 先ほど昭和五十八年度からの比較ということを経済財政諮問会議に出されたということを、答弁がありました。私は、この一九八四年ですね、五十八年、ここを起点に取るというのは、もう財務省が交付税の伸びが高いということを印象付けるための非常に我田引水的な数値の取り方だというふうに思うんですよ。  この一九八四年と言えば、プラザ合意の直前の年ですね。その後、アメリカの内需拡大の要請にこたえて地方単独事業をどんどん拡大をして強要してきたというのは、これはもう御承知のとおりですよね。そしてさらに、地方への負担をツケ回しをするということで、補助率のカットを行ったのもこのときからですね。当然、そうなると、交付税が伸びるのは当たり前じゃないですか。そういう一九八四年を起点にしなければならないという根拠を伺いたいですね。
  47. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 比較の起点につきましていろんな考え方あり得ると思いますし、絶対的なものはないと思っています。  一つの考え方としまして、五十八年度を取った理由でございますけれども、五十九年度を取った理由ですけれども、まず一九八四年、昭和五十九年度に地方財政制度の抜本的な見直しが行われました。それで、その一環として、例えば交付税特会の借入れを廃止したとか、そういうことをやりましたし、また昭和五十九年度ですけれども地方財政の収支がちょうどバランスしていたということでございます。それが一つの理由でございます。  また、もう一つの理由でございますけれども、その後異常なバブル期を迎えておりましたので、その間に経済の動向、また国、地方を合わせた歳出についても非常に大きな変動がありましたので、ある程度長期的な期間を用いて比較する方が適当ではないかと考えております。
  48. 高嶋良充

    高嶋良充君 私は、やっぱり一番公平に、国との歳出と、それから交付税の比較はやっぱり公平にやるべきだというふうに思うんですね。どこを起点にすれば一番公平かというと、やっぱり先ほど言いましたように、国の地方、補助率をカットをやってこられたんですけれども、それがやっぱり終わった時点から数値を取るというのが一番公平ではないかと。先ほどもバブルの問題を言われました。そのバブルの関係も含めて補助率のカットをやってこられたわけですけれども、やっぱりそれが一通りきちっと終わって補助率が元どおりに戻ったと、そういうところから取るということになれば平成五年、一九九三年ですね、今から十一年前、ここから取るのが非常に公平なんではないかと。  私どもがそれで計算をすると、一般会計の歳出と地方財政計画の歳出、これを比較をすれば、逆に国が一三・五%伸びているんですよ。地方の伸び率というのは一〇・八なんです。だから、歳出は国の方が高くなっていると、こういう数字が出ているんですね。  だから、そういう観点からいえば、地財計画の方がずっと削減をし続けてきたと、そういうことが言えるんではないかというふうに思うんですけれども、その事実についてはどのようにお考えですか。
  49. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 御指摘のように、一九九三年度を起点とすれば、国の歳出の方が地方財政計画の歳出伸びよりも高くなっております。それは、歳出努力の方がその観点から見れば地方の方が大きかったということが言えるかもしれません。  一九九三年、平成五年ですかを起点にする考え方は、いろんな考え方があると思いますけれども、我々は、一九九三年度はやはりまだバブル崩壊後の時点でございまして、バブル時期に異常な経済の変動、歳出歳入の変動がありましたので、その影響はまだ収まったかどうかということも必ずしも一概に言えないと思いますので、もうちょっと長期的な視点で見るということも一つの考え方じゃないかと思っております。
  50. 高嶋良充

    高嶋良充君 この政府から出されている国と地方の一般歳出の増減率の推移という表から見ても、平成十二年から十六年、基本的に言えば国の一般歳出よりも地方の一般歳出あるいは地財計画の歳出なんかもどんどん減っているというのはもう明らかなんですけれども、正に地方自治体の方が行革という部分ではやっぱり血のにじむような努力をやってきているわけですよ。  先ほども人件費の話出ていますけれども、今地方自治体で給与カット、人勧よりももっと削るという削減をするというやり方ですね、これが徹底的にやられてきているという状況がありますよ。予算委員会総務省質問を求めたら、千二百団体やっているんだと、こういうことですけれども、人件費、給与カットだけじゃなしに、全体的な地方自治体の行革の状況について、もう一度総務省の方から説明いただけませんか。
  51. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) お答えをさせていただきたいと思います。  今、高嶋先生御指摘のとおり、千二百以上の団体が総額で千三百億を超える独自の給与削減ということを実施をしていただいております。これに関しましては、もう恐らく先生の方がお詳しいんじゃないかと思いますが、いわゆる人事院勧告以外に正に地方努力で組合の皆さん方と種々協議をしながらあえてこうした御努力をしていただいておるというふうなことでありますけれども、そうしたこと以外にも、一つには、市町村合併等を進める中で、定員管理とか給与の適正化あるいは行政評価システムの導入、さらには事務の外部委託等々、地方公共団体の皆様方、賢明に取り組んでいただいております。  さらに、地方公務員の数にしましても、平成七年から要するに九年間連続で減少いたしております。公務員の、地方公務員の給与水準、いわゆるラスパイレス指数でありますが、これにつきましても既に全国の四分の三以上の団体が一〇〇未満というふうなことでありますし、全地方公共団体平均でも一〇〇・六というふうなことになっておりまして、一時期と比べますとかなり御努力をいただいておるというふうに私どもは理解をいたしております。
  52. 高嶋良充

    高嶋良充君 財務省としてはどうですか。地方行革の進捗状況、今説明をいただきましたけれども、国の関係で、国の行革との絡みも含めてどのような認識持っておられますか。
  53. 山下英利

    大臣政務官(山下英利君) 財務省といたしましても、この点に関しましては地方だけが行革を進め努力をしていくべきではないと、そのように考えております。  ですから、国の方といたしましても十六年度末、公債残高四百八十三兆円に達する見込みであるというようなことからいたしましても、財政の中長期的な持続可能性というものを何とか回復するための構造改革の推進は重要な課題になっているところでございます。  このような認識の中で、引き続き歳出改革路線を堅持いたしまして、実質的には一般会計歳出及び一般歳出につきましては前年度の水準以下に抑制をしたところでございまして、一方では、基本方針二〇〇三等を踏まえまして各分野においても本当に必要な施策に対しましての絞り込みを行って、めり張りのある予算配分をさせていただいたというところであります。したがいまして、その結果、公債依存度は前年度と同じ水準の四四・六%というふうになったところであります。  一方、地方財政につきましても、十六年度末の地方の借入残高二百四兆円が見込まれる等、やはりこれは地方財政、非常に厳しいという状況にあることをかんがみまして、地方が自立していく基盤を構築する観点から、財政健全化というものは喫緊の課題であると、そのように考えております。  したがいまして、各地方団体におかれては、一層行政改革を始めとして各般の取組を進めていただきたいというふうに思っているところでございます。
  54. 高嶋良充

    高嶋良充君 総務省に伺いますが、先ほど、今まで私と財務省の議論を聞いておられて、とりわけ、まずこの三月十日付けの日経新聞に載っている交付税の七兆円削減、これがもし行われるということであるということも含めて、総務省はこれに対してどう考えているのかということと、こういう形の試算、削減目標ですね、基準、さらに今やりとりを聞いておられて、経済財政諮問会議等にも財務省の考え方が昭和五十八年を起点にするとかといういろんな考えで出されているんですけれども、そういう試算の取り方等々を含めて総務省はどういう考え方を持っておられるのか、お尋ねをしたい。
  55. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) 新聞記事につきましては、私ども全く論外だというふうに思っておりますし、先ほど来高嶋先生の御質問をお伺いをしながら、大変有り難いなと思いながら実は聞かせていただいておりました。  今お話の議論もございましたけれども、こういう対象とならないデータを比較するというのはどうなのかなというふうな思いもございます。もし比較をするとすれば、先ほど先生の方もお話がありましたように、国の一般会計歳出と比較すべき対象は、あくまで地方財政計画の歳出なんだろうというふうに思っておりますし、あえて交付税額と比較をするというふうなことにするのであれば、交付税額のうちの特例措置分と実は赤字国債の額を比較をした方がいいんではないか。起点に関しても全く先生の方がおっしゃったとおり、私ども同感でございます。  御参考までに、実はこの赤字国債と比較をしてみますと、逆に交付税の方が三十兆以上いただいてもいいんじゃないかというふうな試算も実はございまして、いろんな主張があるんでしょうけれども、少なくとも日経新聞に出たような話というのは全く論外であるというふうに私ども考えております。
  56. 高嶋良充

    高嶋良充君 なるほど、総務省は私の考え方と大筋一致しているんですが、今、特例公債と交付税の特例措置分、この推移の関係も言われましたけれども、これもあれですね、一九九四年の時点ではどちらも同じような状況だったんですけれども、これは国の方がどんどんどんどん後、上がっていって、交付税の関係はそんなに上がっていないと。指数で言えば、当初両方とも一〇〇だったのが、十年後の二〇〇四年、今年ですけれども、特例公債、国の方は九五〇の指数になっている、大体。そして、交付税の特例措置分というのは二三〇ぐらいだと、こういう指数になっている。今、山口副大臣の方から交付税の方を増やしてもらわないかぬと、こういう話もありますけれども、私も当然そうだというふうに思いますね。  今の総務省のコメントに対して、財務省のこれからの考え方変えてもらわないかぬというふうに思うんですが、今までどおり財務省の試算に沿って交付税の抑制を行うべきだと、こういうふうにもし考えておられるなら、もっと明確な根拠を伺いたいと思うんですが、その点どうでしょう。
  57. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 先ほど申し上げましたように、交付税総額につきましては一定の指標に基づいた水準を目標として設定しているわけではございません。  繰り返しになりますけれども交付税総額は歳出歳入両面の要素から決定されるものでありまして、国、地方を通じてやはり歳出努力が必要だと考えております。
  58. 高嶋良充

    高嶋良充君 どうも財務省は財政論優先の考え方が強いようなんですけれども。  これも予算委員会で、財務大臣に国の責任はないのかと、地方財政こういう状況にしてということを申し上げましたけれども、もう一度、国の対策と地方財政の現状、この相関関係について国として一体どう考えているのかということを再度財務省にお聞きしたいんですけれども、谷垣財務大臣は、国の責任が全くないとは言っておられないけれども、そういう趣旨の発言が最近ずっと目立っているんですね。  いずれにしても、内需拡大の要請にこたえて地方単独事業の追加をやってきたというのは、もう政府地方自治体もこれを否定することはできないというふうに思うんですよ。毎年度、国の景気対策として公共事業の実施や地方単独事業の追加を国が求めてきたという、そのことをやらせておいて、今更交付税を大幅に削減をして歳出カットだ歳出カットだと、こういうことを言われるという部分について、先ほど高橋議員からもありましたけれども地方自治体は国に対して大きな不信感を持っていると、こういうことだというふうに思うんですよ。  だから、そういう観点からいえば、財務省は、現在の地方財政の現状について、全くとは言いませんけれども、国の責任はないというふうに実際に考えておられるのか。そうであるなら、景気対策などで、過去の国の対策で地方自治体の財政を動員をしてきたという関係についてどのように説明をされようとしているのか、その点でお聞きをしたいと思います。
  59. 山下英利

    大臣政務官(山下英利君) 投資単独事業の要請につきましては、平成十年の四月の総合経済対策までは確かに国が経済対策として投資単独事業の追加を要請しておったところでございますけれども、その後は追加の要請はしていないというのが現状でございます。  したがいまして、近年は、その投資単独事業の実際に行われる金額が地方財政計画計上額を大幅に下回っているような状況でございます。その中で、地方財政計画におきまして、その乖離分を含めて財源措置がなされているという状況も、これは留意していかなきゃいけないんではないかという認識も持っております。  一方では、地方交付税につきましては財政調整機能、これを維持するということは、これは必要だと考えております。またもう一方では、交付税の財源保障機能を縮小していかなければならない、そして総額を抑制していかなければいけないということは、これは避けられない状況ではなかろうかと、そのように考えております。
  60. 高嶋良充

    高嶋良充君 全くとは言いませんけれども、国の責任というか、国の対策と地方財政、とりわけ国の対策、政策によって地方交付税が伸びてきたという、その辺の観点での国の責任というのはきちっと示されていないというのは非常に残念なんですけれども。  私は、このまま行ったら自治体一揆が起こるという可能性は否定できないというふうに思いますよ。この間、和歌山、世耕さんのところの和歌山も行きました。和歌山の助役は総務省出身のようですけれども、もう肩身が狭くてと、こういうことも言っておられましたけれども。いずれにしても、自治体が、首長さんが頭にきていますから、自治体が一揆を起こすというような状況になる可能性もある。いろいろなところを回っていると、何か五月か六月に東京に一万人ぐらい首長さんなりが集まって、地財危機で、頑張るんだと、国会へむしろ旗立てていきたいと、こういうふうに言っておられましたけれども、いや、それなら応援しますよと、私らも一緒にむしろ旗立ててやりましょうと、こういうふうに言っていたんですけれども。  総務大臣も御承知のように、町村会なんかで、NHKホールで決起集会やられたら、最近労働組合でも余り鉢巻き巻いてやるところ少ないんですが、町長さんが皆鉢巻き巻いて、日の丸の鉢巻きじゃないですよ、強制合併反対とか税財源よこせとか、鉢巻き巻いてやっておる。それはもう総理も見ておられますから御承知ですけれども。今や本当に怒り心頭という状態ですよ。このまま行ったら本当にやっぱり私は自治体一揆起こした方がいいなというふうに同調しておきましたけれども。  いずれにしても、この日経新聞に載っているような試算に基づいて七兆円の交付税をカットするなどということが、ある程度は否定されましたけれども、もしそんな考え方を財務省が少しでも持っているというなら、これは国と地方財政戦争に発展をすると、そういうところまで自治体の皆さん方は非常に怒り心頭に思っておられるということを申し上げて、是非このようなことのないように、これはもう財務省だけじゃなしに、総務大臣にもしっかり頑張っていただいて、地方自治がより住民サービスが向上できるような、そういう視点で三位一体改革というのはやっていくんだと。そして、地方分権三位一体改革というのは地方分権を行って国の形そのものを変えていく大きな構造改革なんだと、これは総理も言っていますよね、構造改革。だから、そういう構造改革なんだということを明確にしてこの三位一体という手段で行っていただくと、そういうことを是非強く要望しておきたいというふうに思っています。  そこで、その問題ともまた関連をするんですけれども、一兆円、補助金については削減をしたと、こういう宣伝を政府はずっと行っておられるんですけれども、これはやっぱり実態が伴っていないというふうに思いますね。  これも予算委員会で言わせていただきましたけれども、今度の補助金改革というのは改革の名に値しないというのをこの前も言わせていただきました。  なぜ改革の名に値しないのかというと、二百何ぼの補助金を、基本的にはまあまあ一律的にある程度少しずつカットをしたというだけですから、昔橋本総理のときにやられた財政構造改革で、予算の何%カットだということで一律にやられたのとそんなに変わらない。あるいは、最近はずっと国の財政も大変だということで、去年もおととしも歳出カットされてきていますけれども、その中を見るとそんなに変わらないと。ただ、一兆円という額がちょっと大きかっただけだと。  こういうことで、具体的に言えば、下水道の補助金なんか四百四十九億円のカットやと。農業集落排水事業の補助金は百五十八億円。廃棄物処理施設の補助金二百六十八億円。公営住宅の補助金三百六十三億円。これらをみんな集めたのが一兆三百億ということですから、どう考えても三位一体改革補助金改革とは全く本筋が違うのではないか。通常の財務省の予算査定と一体どこが違うんだと、こういうことを私は言いたいわけですね。  それで、本来、地方の自主性を高める改革だというのであれば、その事業そのものを丸ごと地方自治体の方に、この部分はすべて補助金改革で税源移譲の方に回しますよと、こういうことをすれば使い勝手がいいんですけれども、これでは全く話にならない。そういう観点からいうと、今回の一兆三百億円というのは通常の予算査定で削ったのと同じだというふうに私は解釈していますから、そういう観点からいうと、三位一体改革で総理が言われてきた四兆円の補助金改革の中にこの一兆三百億というのは含めるべきではないかと、そういうふうに思っているんですけれども、財務省の考え方、どうですか。
  61. 山下英利

    大臣政務官(山下英利君) ただいまの高嶋先生の御質問でありますけれども、財務省としましては、基本方針二〇〇三で、この補助金改革につきましては地方の権限と責任を大幅に拡大すると、それから国と地方を通じた行政のスリム化を図っていくと、この二つの観点から事業の徹底的な見直しを行ったというところでございます。  国、地方全体の行政のスリム化も併せて推進していく必要があるという考え方を持ちまして、今回の個々の補助金の性格等に応じまして一つ一つ丹念に見直しを行った結果でございまして、通常の、ただいま先生御指摘の予算査定であり、そして四兆円の対象とするべきじゃないようなお問い合わせでございますけれども、我々はその御指摘は適当ではないんではないかと、そのように考えているところでございます。
  62. 高嶋良充

    高嶋良充君 そんな考え方では、それこそ三位一体改革の、補助金改革の目的も趣旨も全く履き違えておられるんじゃないですか。先ほども言いましたけれども、本来の補助金改革というのは一つの補助金を丸々なくすんだと、そしてその事業は地方の自主性にゆだねるために一般財源化をするんだと、これが三位一体改革で言う補助金改革の目的だったんじゃないですか。  だから、塩川財務大臣も、一番苦労しているのは財政論だけで言わないんだと。財政論だけで言うんなら一律何%カットでそれでいいでしょう、国の行財政改革としてやられるという部分ですから。財政論だけではないんだと、分権論も絡んできているから非常に難しいんやと。だから、昨年の三月五日の段階では、三位一体改革の方針をきちっと決める六月までにまだまだ調整が必要なんだと、そういうことを言っておられて、昨年の三月の段階ではまだ、やることはやるけれども具体的にはまだ言えないんだと、こういうことを言っておられたんですよ。  そういう視点が今回の一兆三百億の中には全くない。いろんな部分を少しずつカットしてきて、総理は一兆円だと、こう言ったものだから、各役所が一兆円になるためにいろんなところを少しずつ削ってきて持ち寄って一兆円にしたんだと、これで補助金改革だ、改革だと。そんな話になっているから、地方自治体がやみ討ちだ、だまし討ちだとこうして怒っているのじゃないですか。だから、そこをきちっとしてあげないと駄目だと思う。  このままだと、各補助金どうですか。地方自治体は補助金のいろんなその補助金、先ほどの住宅補助にしても補助金のパイが少なくなっただけで改革中身が全くないわけだから、そのパイの少なくなった補助金を、みんな各自治体が補助金を獲得するためにまたこれ永田町、霞が関に出向いてきてそれの取り合いをするという状況になってしまいますよ。本来は、そういうことをなくして、補助金を丸ごとこの部分はもうなくしますよと、それを一般財源化するから自由にそれは自治体で優先順位を付けて使ってくださいと、それが裁量性、自由度、自主性、谷垣大臣自由度という言葉をよく使われますけれども、全く自由度ないじゃないですか、これでは。  だから、ちまちまと一つの補助金を数%ずつ削減するというのは、これは補助金改革ではないと、そういうふうに私が申し上げているのであって、一つの事業を丸ごと廃止をして単独事業に転換するのでなければ本当の補助金改革とは言えないんではないですかと、こう申し上げているんですけれども、どうでしょう。
  63. 山下英利

    大臣政務官(山下英利君) ただいまの一兆円の改革についてでありますけれども、一つ一つ補助金の内容を丹念に見直して、スリム化という話を先ほどさせていただいたんですが、やはり今回の補助金改革については、要するにスリム化だけではなくて新しい事業というものを盛り込んだところでございます。その際には地方の自主性、裁量性を拡大するという観点から、例えば地方の自主性や裁量性が最大限発揮できるようにまちづくり交付金というものも創設をさせていただきました。これを最初にまず言わせていただきたいと、そういうふうに思っております。  それから、国の管理を縮減する観点から、農業委員会の設置に係る市町村の裁量というのを、これは必要な基準面積の引上げというようなところで裁量を拡大をいたしております。あと、地方が自由に使える財源を拡充すべく、補助金の一般財源化、これは本当に積極的に推進したというふうに私ども考えているところでありますけれども、これからも地方と国がやはりきちっと連携を取ってやっていくというところが原点であるというふうに私どもも考えているところでございます。  それからもう一点は、義務教育費の国庫負担制度についてでありますけれども、教職員の給与水準等、これは地方が自由に決定できる総額裁量制を今回導入したというのは一つのポイントではなかろうかなと、そのように思っておるところでございます。
  64. 高嶋良充

    高嶋良充君 どう言い繕われようと、まちづくり交付金の関係は私ども全くそれを否定しているんではないんです、それ以外の部分で言っておるんですけれども。財務省は本当は補助金改革三位一体に基づくですよ、三位一体に基づく補助金改革など本心はやっぱりやりたくないんだと、そうとらえられてもやむを得ないんではないかというふうに思うんですけれども。  単なる、先ほども言っていますように、通常の予算査定を三位一体改革補助金改革なんだというふうに偽っていると、そういうふうにこの各地方自治体は取っているんですけれども、この補助金を廃止をして税源移譲をきちっとしていくと、そういうことに本当は財務省としては反対というか、余り好ましくないんだと、そういうお考えをお持ちではないんですか。その辺はどうですか。
  65. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 基本方針二〇〇三に基づきまして、三位一体補助金改革補助金改革は廃止、縮減等、等は交付金化というイメージ、及び交付税改革、税源移譲をやっていくということを閣議決定いたしております。補助金改革につきましては四兆円を目途に改革を行うと。税源移譲につきましても事務事業を見直して、地方に残るものにつきましては基幹税を含んで税源移譲を行うというのを閣議決定いたしております。また、現に十六年度予算におきまして、まず所得譲与税を創設いたしまして、四千二百四十九億円の税源移譲をいたしておりますほか、将来の税源移譲の対象としまして、予定特例交付金といたしまして二千三百九億円を措置いたしております。
  66. 高嶋良充

    高嶋良充君 補助金で削った分、ちまちまと削られたんですけれども、それはある程度、六千五百億近く税源移譲されてきているというのは、その辺は私ども否定はしてないんですけれども、しかしこの補助金改革という観点からいえば、先ほども言っているように、一兆三百億のまちづくり交付金等の部分なんかも差っ引いてしまうと、私は全体の額の四兆円の中に含めること自体がおかしいと先ほどから言っているんですけれども、本来の目的である地方の自主性、谷垣大臣からいえば自由度を高める、こういう補助金改革を今後は本格的に取り組むんだと、そういうふうに受け取らせていただいてよろしいですか。
  67. 山下英利

    大臣政務官(山下英利君) 補助金改革における税源移譲、これはもうこういう既定路線の中で粛々とやっていくという考え方でございます。ですから、これからもこの改革を進める中で、税源移譲というものを常に念頭に置きながらこの改革を進めていきたいと、そのように思っております。
  68. 高嶋良充

    高嶋良充君 もう一つ、財務省はおかしなことを言っておられるんだけれども交付税に絡む臨時財政対策債、これを財源として見込む財政運営は適当ではないと、これは何新聞でしたかね。これは事務次官もそういうことを記者会見で言っておられたようですけれども、これは総務省というか、総務大臣、副大臣ですかね、でも結構ですけれども総務省としてはどういう考え方ですか。
  69. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これはもう高嶋先生御存じのように、地方交付税法第六条三の二というところで制度改正として平成十二年度にこれは法律が既に決定をして、交付税特別会計借入金による財源不足の補てんに替えて、国、地方を通じる財政の一層の透明化、借入金の累積防止という観点から、国と地方の間において基本的には折半という基本方針を維持した上で、地方財政対策債、臨時財政対策債の発行で補てんすると、これは決まった話と記憶をいたしますので、言わば交付税の身代わり財源としてこの種は考えられたと。  なぜこんなものができたかといえば、交付税だけだと何となく地方団体や住民に借金の実態が分かりにくくさせておるではないかということからこの折半という方式が採用されたというものでして、法律に基づくいわゆる制度的な財源というものでありますので、この種の話を全然無視しておいて、いきなり今のようなお話と。ちょっと直接聞いたわけじゃないんで、そういう話を聞いておりませんから。  大体、新聞に書いてある話というのはそのまま、それがそのままと言われる話は余り、自分のことが書いてあると大体半分以上は違いますので、人様のこともほぼ同じ事情、半分以上は違うものだと思って聞かにゃいかぬものだと思って聞いておりますけれども、直接聞いたわけじゃないんで、何とも申し上げられないんですが、今のような話とすると、本来の趣旨の制度改正の趣旨は完全に逸脱した話だというように聞こえます。
  70. 高嶋良充

    高嶋良充君 総務大臣にも話をしないで勝手に言うなんて、まあ気を悪くされているということだし、そんなこと、財務省の言っていることは間違いだと、こういうことを言われているわけですけれども、財務省、総務大臣のコメントを聞いて、もしあの記者会見が事実だとすれば、財務省の考え方は変えてもらう必要があるというふうに思うんですが、いかがでしょう。
  71. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  平成十二年度までに地方の通常収支の財源不足対策としまして交付税特会の借入れ、多くなりました。それで、このやり方に対しまして非常に透明性に欠けるんじゃないかとか、責任が不明確であるという批判がありまして、十三年度の改正におきまして交付税特会の借入れを原則としてやめまして、国の一般会計からの特例加算と地方の臨時財政対策の発行により補てんするというやり方に切り替えました。その意味では、麻生大臣が言われましたように、制度としてきちんと位置付けられているものでございます。  ただ、財政当局としましては、やはり我々は、国、地方を通じて、また国もそうですが、地方もそうですけれども、財源不足をできるだけ縮小していこうという考え方を持っております。したがって、その意味で国といたしましては、特例公債の発行をできるだけ抑制していくと。それがいわゆる公債依存度の引下げにも寄与すると。同様に、地方についても、できるだけ臨時債の発行を抑制していくと。それによってやはり公債依存度の引下げに資するんじゃないかということは考えております。
  72. 高嶋良充

    高嶋良充君 今の財務省の考え方に対して、大臣、どうですか。
  73. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) そもそも交付税というものは他の、ほかの予算のあれとは少し、全然性格が違うものでありますのは御存じのとおりで、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして、いわゆる地方で必要とされるもの、いわゆる財源というものを確保、保障するという観点から始められているということになっておりまして、それを積み上げていったもの、かつこちらから地方税が入ります分、地方税もこれは増減が、景気、不景気によって差が付きますので、そういったもの等を勘案して、足りない分はいわゆる行政のサービスというものを最低限保障する等、いろんな観点に立ってこの分を補足することとして、バッファー、いわゆる調整用としてこの交付税というものがそもそもできてきておりますので、国の他の予算項目とは基本的に違っているものなんであったと、私どもはそう思っておりますので、ここを単純に伸びを比較したりなんかされると、ちょっとそれは少し違うんじゃありませんかねと、正直私どもの感では思っております。  その交付税の額を、先ほどの言われた、平成十五年度でしたか、あのときの計画に基づいてこれを折半でするということになった経緯がありますので、元々この交付税の話のそもそも論からしていただかぬと話になりませんので、この交付税というものが、仮に町村合併が大幅に進んだとして、この交付税というものは今後なくなるかといえば、私どもは、地域に住んでおります人口比で単純に割りますといかがなことになりますかというのは、もういろいろ各地域で問題にされておりますのは御存じのとおりでして、これは人口が集中しているところの人口の多いところ、法人の極めて多いところに非常に厚くなり、そうじゃないところにえらく損を、損というか、負担が掛かることになる。じゃ、その地方に付いていないと、人口いないからいいじゃないかといえば、御存じのように、東京でいえば八丈島の南七十キロぐらい行ったところに、青ヶ島というところにたしか人口二百人切ったぐらいの今一番小さな村がありますが、そこに人が住んでいる。その住んでいることによって極めて財源としては大きな負担に国としてはなっているとは思います。しかし、同じような話を、これは竹島で同じようなことが起きて、そこに、もしあそこに人間が住んでいれば今日竹島の問題はなかったであろうというようなことを、大陸棚の話を含めて、国全体のことを考えて判断すべきが本来の大蔵省だったんですが、財務省になって少し違ったかなと、正直嫌みを言えばそういうことになるんですが、勝さんがおられますので、きっとそこらのところはしっかりやっていただけるものと心から期待をしております。
  74. 高嶋良充

    高嶋良充君 私も、やっぱり財務省の考え方、財政論だけでやっぱり間違っている、方向性としては間違っているというように思うんですよね。主計局が記者会見等で言っておられる、元々臨財債を財源として見込むことは適当ではないんだと、こういうことというのは問題だというふうに思います。  先ほども出ていますけれども交付税の振替として臨財債を行ってきたという観点からいえば、地方自治体の立場からいえば、臨財債を見込まない地方団体財政運営というのはおよそ不可能だというふうに私は思っておりますので、是非財務省もその辺のことをきちっと検討いただいて、正しい方向に持っていっていただきたいというふうに思っております。  次に、先ほど財務省からも出ていましたけれども、新たに創設をされた所得譲与税等の関係についてお伺いしますけれども、これは基幹税までの、基幹税に移譲するまでのつなぎの性格で、二〇〇六年には住民税に税源移譲してもらえるものだと、そういうふうに理解をしているんですけれども、それでいいんですかね、総務省
  75. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 所得譲与税の関係の御質問でございます。  平成十八年度までに実施をいたします所得税から個人住民税への本格的な税源移譲までの間の暫定措置として創設をするということとしておるものでございます。したがいまして、平成十八年度までには所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施する、そういう前提で具体的な検討と準備を進めたいと考えております。
  76. 高嶋良充

    高嶋良充君 これは国庫補助負担金と比べて配分額が自治体ごとに変わっていくと思うんですけれども、これは交付税できちっとカバーをしていくと、そういうふうにとらえていいんですね。
  77. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 今回創設されます所得譲与税、これは人口により配分されるという方向でございますので、当然、従来交付されておりました国庫補助負担金とは各団体において差が出てくるものというふうに考えられるわけでございます。  そういった中で、必要な財政需要額は地方交付税の方に算入するということとしておりますので、その結果、必要な財源は交付税の算定を通じまして確保されるというふうに考えております。
  78. 高嶋良充

    高嶋良充君 この所得譲与税は財務省でなしに総務省自治税務局の所管だと、こういう理解でいいんでしょうか。
  79. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) そういうことでございます。
  80. 高嶋良充

    高嶋良充君 ということは、地方税だということですね。
  81. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 所得譲与税は地方譲与税ということでございまして、通常の分類で申しますいわゆる地方税ではないということでございます。
  82. 高嶋良充

    高嶋良充君 次に、公立保育所運営費の一般財源化について伺いたいんですけれども、この交付税制度上は公立保育所運営費の一般財源化に伴って財源措置はこれはしていくんだと、先ほどの一般論としての答弁でもそういうことになっているんですけれども、どうも総額を見てみますと、所得譲与税額とそれから〇三年度の公立保育所運営負担金あるいはこの都道府県の負担金を差額を見てみると、三百七十一億円下回っているというふうになっているんですけれども、義務的経費の税源移譲は十割だと、こういうことになっているんですが、これだけを見ると十割になっていないということなんですが、きちっとやっぱり十割ということを明確にしておいた方がいいんではないかというふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
  83. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 税源移譲に当たりましては、義務的に地方団体が行うものにつきましては全額を、それ以外のものにつきましては八割をめどに税源移譲するということになっているわけでございますが、それぞれ公立保育所等の事業につきまして必要な額は基準財政需要額には全額算定をいたしまして、それぞれ対応していこうというふうに考えております。  それで、地方公共団体それぞれにつきましても、密度補正という指標を通じまして、措置児童数を指標等取りましてきちんと対応していこうというふうに考えておるところでございます。
  84. 高嶋良充

    高嶋良充君 厚生労働省来ていただいたんですが、今総務省からもお答えがありましたけれども、公立保育所運営費の一般財源化、これを契機に公立保育所における保育サービスの水準が低下をするのではないかという懸念もあるんですが、私はやっぱり水準低下はあってはならないというふうに考えているんですけれども、厚生労働省としても考え方は一致をするというふうに思うんですが、この一般財源化と保育サービスの関係についてどのようにお考えですか。
  85. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 公立保育所運営費の一般財源化に際しましては、今お話がございましたように、これに見合う適切な財政措置が講じられるというふうに理解をしております。さらに、保育サービスの質の向上といいますか、延長保育、一時保育など、多様な保育サービス提供のための政策的な補助であるとか、あるいは保育所の施設整備に関する支援につきましては、今後とも国が行うこととなっております。  加えまして、児童の健康を守り、児童の心身の健全な育成を図るという観点からは、保育所の最低基準として設備や職員の配置基準を定めた基準がございまして、この基準につきましては、一般財源化後であっても引き続きこの基準を維持していく考えでございます。  こうしたことから、市町村における保育サービスの水準は引き続き維持をされるというふうに考えております。
  86. 高嶋良充

    高嶋良充君 両省に是非お願いしておきたいのは、必要額に満たない税源移譲の分を交付税で措置をされるということで、合わせれば十割保障だと、こういうことになるんですが、ただ自治体的に見れば、全般的に大幅な交付税の圧縮と、こういうことになっているわけですから、そこの部分で自治体が保育サービスの質や量を低下をさせる、そういう自治体が出てくるかも分からぬと。その辺を危惧をしていますので、今後の対応に当たっては、やっぱり義務的経費については十割だと、そのことをきちっと再確認をして、次年度以降やっていただくようにお願いをしておきたいというふうに思っております。  そこで、今度新しくというんですか、公立の保育施設という定義が設けられたんですけれども、それについて若干伺わせていただきます。  この公立の保育施設の定義を見てみると、「条例により設置された公立の保育施設のうち、年間を通して開設されているもの」と、こういう定義なんですけれども、ちょっと具体的なイメージが私わかないんですが、この施設の姿、保育者の配置の問題あるいは運営の在り方、どういうものを、どういう姿を想定をしているのか、具体的な公立の保育施設についての考え方をお示しをいただきたい。
  87. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 今回、交付税の算定に当たりまして、児童福祉法上の保育所に限定せずに、乳幼児の保育を目的とします施設を公立の保育施設として財政需要額に算入していこうということで、ただいま御指摘ありましたように、条例により設置された保育施設のうち、年間を通じて開設されているものというのを広く対象にしようとしているわけでございます。  具体的には、実際に現在は箇所数としてはそれほど多くないわけでございますが、保育室の面積要件など、施設の基準が厚生省の基準には満ちていないものとか、あるいは入所人員数がその地理的条件によって少ないもの、あるいは保育に欠けない児童も入所させているもの、それから保育料の基準が独自の設定になっているものと、こういったものが現在ございますので、そういったものも対象にしていこうということでございます。  そのほか、今後期待されるものといたしまして、地方団体においては待機児童解消に向けまして入所児童数を弾力的に対応していきたいというような声もございますし、あるいは駅前保育ということをやる場合にはなかなかグラウンド等の整備ができない場合があるわけでございますけれども、そういったものも今後の課題として保育施設ということに位置付けられるという可能性があるわけでございますので、こういうことを踏まえながら、それぞれ地方公共団体地域のニーズに合わせて対応していただけるものというふうに考えております。
  88. 高嶋良充

    高嶋良充君 ということは、児童福祉施設の最低基準を満たさない施設も当然含まれるということで、その満たさない施設についても総務省としては交付税算定の対象にしていくんだと、あるいはしない場合もあるかも分かりませんけれども、そういう部分の線引き、基準というものは何か設けられる予定ですか。
  89. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) そこのところは、公立の保育所というものについて一定の基準が、先ほども厚生労働省の方からお話がありましたが、基準が示されているわけでございまして、それを見ながら、それぞれの地方公共団体で議会の審議を経ながら更に必要なものを地域のニーズに合った形で条例で位置付けてやっていこうということでございますので、そこのところは地方公共団体の自主性に任せていきたいというふうに考えております。
  90. 高嶋良充

    高嶋良充君 私は、地方分権の視点を持った三位一体改革だと、こういうことを一貫して言い続けていますから、この自治体の裁量性、自己責任に基づいてやっていくというその仕組みそのものには異論はないんですけれども、しかし、そのことによって、子供が保障されるべき最低水準ですね、これは堅持をされなければならないと、もしそれよりも下回るということがあってはならないと。これは児童福祉法の原理からもそういうことですから、財源の流れがどうなろうとも、子供の利益のために守るべき基準というのはやっぱりきちっとしておいていただく必要があるんではないかというふうに思っているところです。  そういう意味で、保育所が提供する保育サービスの質は基本的には担保されているという考え方のようですけれども、しかし、いずれにしても、自治財政局の調整課長内簡が二月の十九日にも出されておりますけれども、基本的にそういう仕組みを変更するわけでありますから、変更するからには保護者が納得する新しいルールと基準が必要ではないかというふうに思っているんですね。今すぐということにはならないと思いますけれども、一般財源化に伴って、公共サービスの質を確保するための新たな仕組みについて是非真剣に検討いただくように、これは御要望として申し上げておきたいというふうに思っております。  次に、この保育施設の関係で厚生労働省にお伺いしますが、今総務省からああいう回答がありましたけれども、この公立の保育施設においても児童福祉法の原理、これは二条、三条に出ていますけれども、この原理というのは尊重されなければならないというのは、これは政府としてそういう認識をきちっと持っておられるのかどうかをお聞きしたい。
  91. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) お話がございましたように、もとより児童福祉法におきましては、「国及び地方公共団体は、」「児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」と明確に書かれておりまして、そしてこの基本原理は尊重されなければならないとなっております。したがいまして、公設の保育施設におきましても、こうした基本原理にのっとった適切な保育が実施されなければならないと考えております。  なお、今回の総務省課長内簡におきますいわゆる公設の保育施設でございますけれども、こうした施設におきましても、先ほど総務省の方からお話がありましたとおり、公の施設として設置する以上は、地方議会のチェックを受けて条例に基づき設置されるものでございますし、それから、仮にいわゆる公立の認可外保育施設ということになりましても、この児童福祉法第五十九条によりまして、都道府県による報告徴収、あるいは立入調査、改善勧告といったような指導監督を行います。したがいまして、こうした施設におきましても地方の実情を反映した必要な保育水準が確保されるものと考えておりますし、また児童福祉法の基本原理にのっとった適切な保育が実施されるものと考えます。
  92. 高嶋良充

    高嶋良充君 総務省、この児童福祉法の原理、今厚生労働省から御答弁ありましたけれども政府としての考えを聞きましたので、全くそごはないですね。そのとおりでよろしゅうございますか。
  93. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) そごございません。同じでございます。
  94. 高嶋良充

    高嶋良充君 厚生労働省にもう一問、もうあと二問あるんですけれどもお聞きしますけれども市町村行動計画を策定するという、これ今準備が始まっているんですけれども、これは次世代育成支援対策推進法に基づいてですけれども、その中で公設の保育施設というのはこの計画にきちっと位置付けられるものなのか、地域の住民はこのような公立の保育施設を望んでいるというふうにお考えなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  95. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 次世代育成支援対策推進法に基づきまして、各自治体におきまして平成十六年度末までに作らなければならないこととなっております行動計画におけるいわゆる公設の保育施設についての位置付けということでございますけれども、御案内のとおり、行動計画におきましては、特に市町村の行動計画におきましては、保育サービスの充実ということが非常に大きな柱の一つとして位置付けられているところでございますし、その保育サービスの充実ということに関するその保育サービスの提供体制ということにつきましては、十分利用者の生活実態それから意向を反映して、踏まえて考えるというようなことが策定指針において明確に示されているところでございます。したがいまして、この市町村行動計画におきましていわゆる公設の保育施設というものを位置付けるかどうか、あるいは仮に位置付けるとすればどのようなことで位置付けるかどうかにつきましては、やはり各自治体が保育サービスの提供の在り方を検討していただく中で、十分各地域の実情を把握し、そしてニーズ調査を行って、そして地域住民の意見を十分反映されて、そうした検討の中で適切な判断がなされるのが適当であるというふうに考えております。
  96. 高嶋良充

    高嶋良充君 時間が参りましたので、最後にこの問題でちょっと気になる部分がありますので、お聞きをしておきます。  この、基本的に認可外の保育施設と、こういうことになるわけですけれども、これは今まで都道府県が指導監督をすると、こういうことになっているんですが、ただ、事務処理を市町村、事務処理とこの管理執行を市町村に委嘱するというか、市町村にも指導監督をさせることが可能だと、こういう規則になっていますよね。ということになると、今までは市町村は認可外の保育施設は持っていなかったんで、それでいいんですけれども、今度は自分自身が認可外の保育施設、基本的に公立の保育施設、条例で定めますけれども、それを持つということになって、その保育内容や運営管理上の問題がもし生じた場合に、市町村がやっていて市町村が指導監督をするというのはちょっと無理があるんではないかというふうに思っているんですが、この通知、現状、これからのことから言っていくと問題が出てくると思うんですが、変更されるおつもりありませんか。
  97. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 認可外福祉施設の指導監督について市町村が管理執行をするということにつきましては、地方自治法二百五十二条の十七の二に基づいて制度上は可能でございます。  しかしながら、これは具体的には県が条例で定めて下ろすことになるわけでございますし、それから、今具体的なケースは余りございませんが、仮にこれから公設の認可外保育施設を市町村が作っていくということになれば、その作った主体とそれから指導監督をする主体が同じであることがいいのかどうかということについては、そのいわゆる認可外保育施設の適切な指導監督を担保するという観点から、その指導監督の在り方についてやはり監督権限者たる都道府県がそこの点からは適切に判断をしていただくことになるんであるというふうに考えております。
  98. 高嶋良充

    高嶋良充君 ありがとうございました。終わります。
  99. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 午前の質疑はこの程度といたしまして、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  100. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) ただいまから総務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案所得譲与税法案地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  101. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 こんにちは。自由民主党の柏村武昭でございます。  本日は、いわゆる三位一体改革を行うための地方税法一部改正法案など合わせまして三本について、総務省に対して質問をさせていただきたいと存じます。  私は、元テレビキャスターをやっておりまして、国会議員になりましてから、ずっとこの国会での質問は、できるだけ分かりやすく、専門用語を使わないで、横文字を使わないで、そういうふうなことを意識してやってまいりました。  テレビキャスターをやっているときの第一の考えは、(発言する者あり)ああそうか、電動司会者をやっていたときに、電動映像司会者をやっているときにまず第一に考えましたのは、目の前に中学生が座っていると思えと。中学生に分かることはおじいちゃん、おばあちゃんにも分かるんだと、あるいはおばちゃん、おじちゃんにも分かるというふうなことを言われまして、今日は中学生が前に座っていると思って質問させてもらいますので、大臣そのほかの皆さんも、中学生に分かるようなそういう言い方をしてもらえれば大変有り難いと思います。どうぞよろしくお願いします。  それでは、まず三位一体改革について、大まかなところを質問いたします。  大体、質問が専門過ぎてもう大臣も嫌になっていらっしゃるところがあると思いますが、今日はもうごく基本でございますので。三位一体改革という言葉を大変よく耳にするようになりまして、年末の予算編成のころから、地元から上京された町村長さん、市町村長さんや議長さん、あるいは地方議員の皆さんに至るまでが、それこそ耳にたこができるぐらい、朝から晩までこの三位一体改革についての要望、陳情を受けました。  この三位一体改革というのは、国から地方への補助金をおよそ四兆円削減して、それを補うために減らした補助金のおよそ八割又は十割に相当する税金といいますか税源を国から地方に移す、そして懐事情の良くない自治体に対して今まで国が面倒を見てきた地方交付税交付金を大幅に減らす、そのように私は承知しておりますが、ここで麻生大臣に伺います。ごく基本的な質問でございますが、三位一体改革とはそもそも何のためにどういう目的でやるんですか、これを中学生にも分かるようにお願いしたいと思います、よろしく。
  102. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 小学校の知能程度しかありませんので中学まで達するかどうかは別にいたしまして、努力して説明はさせていただきたいと存じます。  そもそも三位一体という言葉はキリスト教で使われておりました言葉で、いつの間にか法律用語になりましたのは昨年からだと存じます。父と子と聖霊との御名による話がいつの間にかこの話になったのは、その経緯をよく知りませんが、三つ一緒という意味で、多分、三者一体が何となく三位一体という言葉になったということが経緯なんだと理解をいたしております。  これは手段でありまして、目的ではございません。目的は、明らかに時代の変化とともに地方が主権を持って、地域主権、地方が主体となると、そういう意味地域主権を達成するために手段としてこの三位一体という方法が使われていると思っております。  元気になるためには、やっぱり地方が自由に、その自由になるためには使えるある程度のお金がということが本来の目的だと思っておりますので、私どもといたしましては、今言われましたように、地方にいろいろな形で、国からいろいろな意味で規制の掛かった補助金が渡るのではなくて、地方が自分で地域の実情をよく知った上で、それに合わせる形での行政サービスができるようにするために掛かります経費は地方が自分で決められる、自分で徴収もできるということが本来あるべき姿だと思いますので、中央から一方的に、これをやる、そのためにという枠にはめられて補助金が渡されるのとはおのずと違うのであって、そういうことによって地方自由度地方が自分で決められる裁量権が渡されるというのが本来の目的と思って理解をしております。
  103. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 さっき、三位一体改革という言葉を本当に耳にたこができるぐらい聞いたと申しましたが、これはあくまで永田町や地方の自治体の関係者に限っての話だと思います。政治や行政に携わる人々を除きますと、実はこの三位一体改革について知っている、分かっている人たちは意外と少ないんじゃないか、いや、ほとんどいないんじゃないかと私は思います。小泉総理がテレビの前で、テレビで呪文のように郵政民営化ですとか三位一体改革とかおっしゃっていますが、国民の皆さんは恐らくこれは大事なことなんだろうと思っていらっしゃるかもしれませんが、その本当の意味といいますか、人々の暮らしにとってどれくらい重要なのか、これはほとんど知られていないと私は思っております。  そこで、三位一体改革の意義といいますか、それが今の日本にとっていかに大事なことであるのかについては、国が国民の皆さんに対して十分知ってもらう義務があるし、ホームページとか自治体を通してどんどんとアピールしていかなきゃいけないんじゃないかと、これは私の方からもお願いします。  地元の自治体からは、三位一体の考え方に対する意見といいますか要望が数多く寄せられております。これらについては、地方財政健全化という目的、そしてひも付き補助金削減や税源の移譲といったところについてはよく理解されておりますが、その方法といいますかやり方についてはどうも不満がくすぶっているようであります。特に大きな改革を一度にやろうとしているために、どうしてもあちこちに無理が出てくる。地方譲与税などもそうした無理から生じた傷口をふさぐための言ってみればバンドエイドのようなものだとやゆする向きもあるようでございます。  私のふるさと広島県のちょっと例を取ります。広島県の平成十六年度予算の編成に当たっては、元々四百七十一億円の財源不足であったわけですが、三位一体改革の影響などによって更に百六十億円の不足が生じてしまいまして、合わせて何と六百三十一億円もの財源不足となったわけであります。  そこで、大幅な経費節減などの自助努力や借換債などの財政テクニックをフルに活用して、どうにか三百億円を捻出いたしました。それでもまだ三百三十一億円が不足しております。そのため、大事なへそくりである財源調整基金の取崩しや新たな借金とも言うべき財政健全化債まで発行して何とか埋め合わせをしたというのが現状です。しかし、このままでは十七年度の予算編成は絶望的だそうで、これは広島県だけじゃなくてどこの自治体もそうじゃないかと僕は思います。  とにかく、国が進めようとしております大改革に対して地方から大きな悲鳴が上がっている。それこそ知事一揆が今にも起こりそうな気配があるんです。ここは国としても、やはり地方の声にじっくり耳を傾けて何らかの手だてを講じなければいけないと思うんですが、理想を言えば、全国の知事さん方と国が本当に一致協力してこの三位一体をやるべきだと私は思っておりますが、これはもう本当に自治体に対する丁寧な配慮を怠らぬよう総務省に強く要望いたしておきます。  さて、地方財政ですとか地方税制というものはなかなか素人には分かりにくいものでございまして、その点、地方議会の御経験のある先生方、あちらの方にもいらっしゃいますが、大変うらやましい限りですが、ここで、切り口を変えて地方分権という観点から考えてみますと、大分分かりやすくなってくるのではないかと思います。  ここ数年のことですが、全国各地で、皆さん御承知のように市町村の合併が進んでまいりました。私の地元でも、元々八十六あった自治体が最終的にはおよそ三分の一にまで減る予定になっておりまして、合併にはメリット、デメリット、これは英語でございますが、いいところと悪いところがあります。その両方があると思いますが、昔から親しんだ町や村の名前が消えてしまうということはちょっと寂しいような気がいたします。  最近では北海道の特区のことが話題になりましたが、道州制の導入についても本格的な検討が始まっているようです。私も道州制推進議連の一員として、何とか拙速ではなくて進めてもらいたいなと思っております。私も、三年前の選挙戦では道州制の導入を三大公約の一つに選んで、県民の皆さんに熱心に訴えたぐらいであります。国から地方へどんどんと権限を移していくことが、それぞれの地方の皆さんだけでなく、国全体にとっても大きなプラスになるものと私は信じておりますが、そこで副大臣にお伺いします。  市町村の合併とか道州制の導入といった地方分権の具体化に向けた動きは今どの程度まで進んでいっているんでしょうか。どうぞお聞かせください。
  104. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) 実は私も県会議員しておりまして、地方議会出身でありますけれども、まあしかし、地方税というのは複雑多岐にわたっておりまして苦労しておりますが。  今お尋ねの市町村合併あるいは道州制というふうなお話でございますが、これにつきましては、午前中もお話が出ておりましたけれども平成十五年度になりましてから二十九件の合併が実現をいたしまして、現在の市町村の数は三千百三十五というふうになっております。また、実は昨日の時点で全国の六割を超える千九百十二市町村が五百十八の法定協議会に参加をしておりまして、具体的な取組が急速に進展をしております。これもお話午前中に出ましたが、これがすべてうまくいきますと、おおむね千七百五十前後の市町村になるというふうなことでございます。  また、道州制のお話でございますが、これは、こういうふうにして市町村合併が進んでいく中で、ある意味でいわゆる地方分権がうまく進んでおるんだろうというふうに思っておるんですが、そういった中で、当然都道府県の在り方についても議論をしなくちゃいけない、道州制を考えていかなくてはいけないというふうなことであろうと思いまして、これにつきましては、三月の一日に発足をいたしました第二十八次地方制度調査会、これにおける主要なテーマの一つというふうになっております。これは、諮問をさせていただいたときにもはっきり道州制についてというふうなことでうたわせていただいておりまして、それに先立つ第二十七次地方制度調査会における基本的な論点の整理を踏まえて精力的に議論が進められていくであろうと期待をいたしておるような次第でございます。  しかし、道州制につきましては、まだまだどういう形なんだろうというふうなイメージが国民の皆様方の間にもはっきりしておらないんじゃないかというふうなこと等で、しっかりと国民的議論を経、コンセンサスを得ながら進めていくことが肝要であろうと思っております。
  105. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 この市町村の合併についてなんですが、どうも国政報告なんかでみんなの意見を聞きますと、我々が望んだものではないと、お上から命令されたものであるという言い方をする人は結構多いんですね。ということは、やっぱりある意味では、国民的な議論で沸き起こったものではないということも言えるんじゃないかと。私は、道州制これから進んでいく上に、やっぱりこれを心配しているんですね。国民的な議論が起きて、これはやっぱり道州制はいいんだと、絶対日本のために必要なんだという、そういう機運を起こさなきゃやっぱり国民は付いてこないと僕は思います。  そういう意味では、テレビを含めた、マスコミも巻き込んだ上で、道州制というのはどんなにすばらしいものなのか、あるいは跳び越えなきゃいけないハードルは幾つあるのか、あるいはやらなきゃいけないことは、憲法を含めて基本法も作らなきゃいけないだろうし、こういうことをやらなきゃいけないんですが、道州制になったらこういうことがありますよということをはっきりやっぱりアピールする必要があるんではないかと。これはこれからの総務省の課題ではないかと私は思っておりますが。  三位一体改革の各論について今度は伺います。  まず、補助金削減については、今回の改革で国庫補助負担金を合わせまして四兆円削減します。そのために新たに税源移譲をする必要が出てくるわけでありますが、三位一体改革に限らず、改革というものはその総論についてはおおむね賛成が得られるものですが、各論になりますと利害関係者の反対がよく出てくるものです。そういう意味で、三位一体改革のような大改革には各論反対の声を説得するための大義名分が必要になるわけです。  そこで、今回の国庫補助負担金の改革全般について、その意義と必要性、その改革によって果たして地方財政が着実に良い方向に向かうのかどうか。副大臣、どうぞ。
  106. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) 先ほど大臣の方からも三位一体改革につきましてはお話がございました。もう言うまでもなく、国による地方への関与、これを減らしまして、正に地方自由度を高めていく、結果として地方に信頼をいただき、信頼をされ、地方が元気になるような改革でなくてはならないというふうに考えておるところでございます。  今のお話補助金改革等につきましても、基本的にはもう地方にできることは地方にというふうな原則の下に、地方分権社会の基盤がしっかりと確立できるように、正に政府一丸となって着実に取り組んでいかなくてはいけない課題であろうと思っております。そうした改革によって、真に住民に必要な行政サービスを地方自らの責任で自主的、効率的に選択をしていく幅が広がっていくだろうというふうに思っておるわけでございます。  地方財政が、これ良い方向に向かっていくのかというふうなお話でありますが、そうしなくてはならないと思っておるところでございます。
  107. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 次は、具体的な改正点について伺います。  自動車税、この自動車税のグリーン化として、電気自動車を始め、排出ガス性能の優れた車への課税を軽減する一方、古くなったディーゼル車などには重く課税して、また低燃費車には特例で自動車取得税を軽減するそうですが、こうした環境に配慮した取組は大いに進めていただきたいと思います。こうした税制を通じた環境政策を拡充することには国民各層から恐らく共感と広く賛同が得られるものではないかと思います。  そこで、自動車税のグリーン化に関連して自治税務局長に伺いますが、環境税制の役割とこれまでの成果についてどう評価されていますか。環境政策を国家的観点から総合的、統合的に展開していくためにも、環境省などの関係各省庁との間で緊密に連携を図って、地方税制において積極的な対応をすべきと考えますが、その点はいかがでしょうか。どうぞ。
  108. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 自動車税のグリーーン化についての御質問でございます。  私どもグリーン化と申しておりますのは自動車税の関係のグリーン化でございますが、これは、平成十三年度の税制改正におきまして、環境負荷の小さい、すなわち排出ガスがきれいな自動車を普及をさせるための軽減措置と、環境負荷の大きい、排出ガスがきれいでない自動車に対する重課措置を併せて行うことによりまして、税収中立ということを前提といたしまして創設をされたものでございます。  自動車税のグリーン化による軽減措置によりまして、ユーザーの購買意欲が高まるとともに、メーカーの開発が促進をされたということがございまして、環境負荷の小さい低排出ガス認定車の普及が急速に進んだところでございます。環境に対する配慮を税制に組み込んだ環境税制の一つとして大きな成果を上げたのではないかというふうに思っております。  平成十六年度の税制改正におきまして、実績などを踏まえまして、より環境負荷の小さい自動車の普及に向けた牽引効果を発揮させるために軽減対象を重点化をするということにいたしまして、引き続き環境税制としてその成果を期待をしているというところでございます。
  109. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 まあ、環境政策を推し進めていく上で税制面から総務省がリーダーとなり得るんじゃないかと私は思っておりますので、大いに期待しております。  引き続き改正点について伺いますが、今度はちょっと毛色が変わりまして、狩猟に関する二つの税を統合して新たに狩猟税を設けるということなんですが、ハンティングとか私全く縁のないんですが、私たちにとっては何のことだか本当分からないんですが、今回の狩猟税創設の背景とかその目的は、具体的にはどういうことなんでしょうか。  せっかくでありますので、モントリオール・オリンピックに日本代表として出場されました希代のクレー射撃の名手でもあります麻生大臣に是非、簡単に御説明をお願いしたいと思います。
  110. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) クレー射撃の方は狩猟の対象ではありませんので、基本的には銃砲登録ということになるんですが、今回、狩猟税というものは、従来ありました狩猟者としての登録税と実際に猟をされる方の入猟税というのを、二つありましたものを一緒にする、簡単に言えば一緒にするということであります。  大学出た年でしたか、昭和三十八年にこれ多分税として従来ありました狩猟税というのをやめまして二つに分けられた経緯だったという具合に記憶をいたしますが、その年に入猟税の方は、まあ何というのかしら、狩猟をやる方の減少、そして鳥獣保護区域の拡大、またかなり狩猟される方々の高齢化も進んだと思っておりますので、そういったことからいわゆる入猟税をやる方の対象者がざあっと減っているという感じがこの数年非常に顕著なところでもありますので、そういった意味ではこれは鳥獣を保護する話と、今御存じのように、せっかく植えた苗木なんかをどんどんシカがたくさん出てきて全部食べて植林が全然前に進まないと。いろんな意味で、これは保護する部分と捕獲する部分とが両方なかなか行政としては難しい話になっておりますんですが。  そういった意味では、ともに両方ともこれは狩猟する人にとっての税ということでもありますので、手続も同じような話でもありますので両税を一緒にして効率を良くしようというような形で、新たな目的税みたいな形で狩猟税という形にさせていただいて、新しく二つ一緒にして創設するという形になったというのが背景と御了解いただければと存じます。
  111. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 よく分かりました。さすがにオリンピックの選手でございました。ありがとうございました。やっぱり狭い日本ですから、安全の面にもきちんと配慮をして、しかも免許を取るときにやっぱり危ない人に余りそういうことを与えないような配慮も必要ではないかと思います。  視点を変えて、地方財政の個別問題についても触れてみたいと思います。  自治体財政の悪化に関連して注目すべきなのは、第三セクターの経営問題であります。いわゆる三セクは、民間のノウハウを活用するという触れ込みで一九八〇年代後半より数多く設立されたんですが、バブル崩壊後はバックに自治体がいるのに倒産する例が急増しております。それは、自治体そのものが莫大な借金を抱えまして、これから血の出るような三位一体改革でどうにか健康になろうとしているのに、三セクに隠れ借金があるようではいつになってもこの病気は治りません。  今後、改善が見込めない三セクは法的整理もどんどん進めるべきと考えますが、総務省では三セクの経営状況をどの程度把握していますか。また、その対策をどのように考えていらっしゃるんでしょうか、自治財政局長にお伺いします。
  112. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 三セクの経営状況についてのお尋ねでございます。  総務省といたしましては、地方公共団体の出資割合が二五%以上の商法法人、民法法人、また出資割合が二五%未満でありますけれども貸付金とかあるいは損失補償といった財政支援をしているような商法・民法法人、更には住宅供給公社、それから道路公社、土地開発公社という地方三公社と言われる公社、この三種類の三セク等につきまして経営状況の調査をいたしております。  これらの第三セクターの経営状況につきましては、バブルの崩壊によりまして経済環境の変化もありまして非常に厳しい状況になっておることは今御指摘のとおりでございまして、昨年度調査対象となりました八千七百五十四法人のうち三五・九%に当たります三千百四十二の法人が赤字という状況になっております。また、経営難のために廃止に至った法人が三十七法人と、前年に比べまして二十法人も増えたと、こういう状況でございます。  こういった中で、我々といたしましては、第三セクターの運営の改善を図るために、一つには、外部の専門家によります監査を活用するなど、監査体制の強化を図ること。それから二つ目には、政策評価の視点も踏まえまして、点検評価の充実強化を図ること。三つ目には、情報公開様式のサンプルをお示ししているんですけれども、そういったものを参考に、積極的かつ分かりやすい情報公開を努める。それから四つ目には、民営化も含めまして、既存団体の見直しを一層積極的に進めることといった点につきまして従来から留意を求めてきたのでございますけれども、昨年の十二月に更に改めて地方団体に通知を出しているところでございます。  我々総務省といたしましては、全国の都道府県総務部長会議を始めといたしまして、今申し上げました趣旨の徹底を図ってきたところでございますが、今後ともあらゆる機会を通じましてこの趣旨の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
  113. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 全国各地で、三セクもそうですが、公営ギャンブルも経営難に直面しておりまして、先週末、小泉総理が私の地元広島県の宮島に立ち寄られまして、私も厳島神社に久しぶりに行ってきたんですが、その向かい側にありまして昔は大変にぎわっていた宮島競艇が、一九九一年当時の半分以下の売上げにまで落ち込んでしまいまして、大変困っております。この収入減は宮島町の財政をもろに直撃しまして、町は県から財政運営見直しの勧告を受ける事態にまで陥りました。  本来、自治体に多額の収益をもたらすはずの公営ギャンブルが、近年は逆に全国の自治体財政の圧迫、これをやっております。赤字を税金で補てんしながらギャンブルを行うという笑えない事態も生じているようですが、これでは三位一体改革どころではありません。  そこで、総務省に伺うんですが、公営ギャンブルの経営状況をどの程度把握しているんでしょうか。また、経営悪化に対する方針はいかがでしょうか。簡潔にお答えください。自治財政局長、どうぞ。
  114. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 公営ギャンブルについてのお尋ねでございます。  今、御指摘ございましたとおり、地方公営競技、非常に厳しい状況にございます。地方公営競技全体として売上高がピークが平成三年度でございましたけれども平成十四年度にはその半分ぐらいに売上げが減少しております。収益は平成三年度三千億円強黒字でございましたが、平成十四年度には四百二十四億円の全体としての赤字というようなことで、施行団体も相当減ってきておるという状況にございます。  このため、各施行者におきましてはいろいろな努力をされておりまして、新しい投票方法の導入でありますとか、場外発券の実施とか、いろいろされておるわけでございます。  我々といたしましても、経営状況についていろいろお聞きして、改善方について努力をお願いしているわけでございますけれども、十四年度からは特別な経営改善計画を策定して、合理化を行う場合には特に地方債につきまして特別に配慮するなど応援をしていこうということにしております。今後ともこうした措置も活用しながら、経営健全の確保が図られますように支援してまいりたいというふうに考えております。
  115. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 ここまで三位一体改革について総論、そして各論と伺ってきたんですが、ここでまた根本的なテーマに戻ります。質問いたします。  三位一体改革地方財政改革の第一歩でありますが、それは大変に大きな第一歩であります。これからもその改革はとどまることなく進めていかなくてはいけないと思います。  そこで、大臣に伺います。三位一体改革の前進に向けた決意についてしっかりとお聞かせ願いたいと思います。
  116. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 三位一体改革の本来は、先ほど高嶋議員からも御質問があっておりましたように、三位一体改革の本来は、これは地域主権、地方分権というのが主たる目的と存じます。  それに関係いたしまして、いろんな意味での経費の削減スリム化、いろんな表現がありますけれども地域財政も同じく累積赤字二百四兆円を抱えるまでになっておる、非常に赤字がたまっておりますので、そういった意味では財政を再建せねばならぬというのも、これも地域主権が増すための一手段ということになろうと思いますけれども。  いずれにいたしましても、地域自由度を増し、元気が出てくる、そういった意味では、ある程度の自主裁量権、自分でやれる部分というのの大きさがある程度必要であろうと思いますんで、そういった意味では、これはかれこれ明治この方、廃藩置県、明治四年以来ですから、百三十年ぐらいの間やってきた話を根本的から地域主権にするということですから、その意味では、非常に大きな変更、意識の変更も要りますし、何かな形で国がやってくれるんじゃないよ、自分でやるんですという意識がどうしても必要だと思いますんで、そういった意味では、非常に大きな地域の方の意識改革地域の主権が増すということは地域同士で競争することですよと。  いろんな意味で、これまでの意識改革もお願いをせねばならぬ、またそれじゃなきゃやっていけないということにもなろうと思いますんで、私どもも、地域が独立できますように、私どもも最大限の努力をいたしますし、また地域の方もそれにこたえて、おれのところは特色ある町づくりをやるんだということで大いに頑張っていただく、私どもはその一助となるべく最大限努力をいたしたいと存じます。
  117. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 やはり地域の皆さんの考え方を、やっぱりそういうふうに意識的にどんどんとプラス思考に持っていかなくては絶対に成功しないと思うわけでありますから、ひとつ総務省努力を期待したいと思います。  ここまで三位一体改革関連法案について質問をいたしましたが、元々不案内なテーマということもあって正直私にとってはなかなかつらいものがありますが、私の専門分野について最後にお伺いしようと思います。  それは情報の地方分権でございます。  これはおとついの決算委員会で片山前総務大臣とやり取りをさしていただいたテーマなんですが、簡単に申しますと、デジタル化の進展で地方テレビ局の経営基盤が大変弱体化して、その存立が今脅かされております。そうなると、地域独自の情報のやり取り、発信ができなくなってしまう危険があります。これでは一体何のためのデジタル化であるのかということになりかねません。アメリカの大統領の顔やあるいは国際政治についてはよく知っているが、地元の暮らしに関しては全く情報が入ってこない、分かんないという環境になってしまうかもしれません。  そこで、今日は麻生大臣質問さしていただく最初の貴重な機会でございますので、是非この問題、つまり地上波放送のデジタル化などの放送や通信の世界での技術革新が情報の一極集中化を招きかねない状況を前に、情報の地方分権という視点に立って、もう一度地上放送の在り方についての大臣のお考えをお聞かせください。
  118. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、柏村先生よく御存じのように、放送普及基本計画、昭和六十三年十月一日、郵政省告示によりますものがございますが、我が国の放送制度におきまして、地上放送は、地域社会を基盤とするとともに、その放送を通じて地域住民の要望にこたえることにより、放送に関する当該地域社会の要望を充足するというのが本来のこの基本計画の基の基でありますんで、したがいまして、デジタルに、アナログからデジタルに放送が変化をいたしましても、地上放送というもの、本来の性格というものはアナログ時代に比べて全く変わるものではございません。まず、これだけは非常にはっきりしておると思っております。  さらに、デジタル化いたしますと、御存じのように、双方向等々いろいろな従来のものとは変わったものが出ますし、こういったものが更にデジタルのハイビジョンなんということになると、もう人の顔色まできれいにというような状況になりますんで、何となく、近所からおじいちゃんのところに光ファイバーで送られたおじいちゃんの顔見りゃ、おじいちゃん顔色悪いとぱっと分かるぐらいのものになりますんで、そういった意味では、私どもとしては、こういったものはいわゆる高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法という、いわゆる通称高度法と呼んでおるんですけれども、こういったものもきちんと整備をさせていただいて、今言われた新しい技術の進展に伴いまして、それがその地域に住んでおられる方々にとりましても、いわゆる情報網としてうまく活用をされないと、単なるテレビの技術の進歩によっただけの話だと思いますんで、そういった意味では、ローカル局は、これに係ります新しいアナ・アナ変換とかいろんな表現がありますけれども、こういったものにかなりの額の設備投資を要求されて、それで対応できるとかできないとか、いろいろ問題を抱えておりますのは事実でもありますんで、そういったことに関しましては、私どもいろんな形で応援をさしていただいて、結果的に、アナログからデジタルに変わった結果、前より更にそういった地域の情報を的確にこたえられるようにというような方法を私どもとして積極的に応援をしていきたいと思っておりますし、またその地域において、最近でも「山江村民てれび」なんというようなものが出てきて、人口三千人ぐらいのところの町でテレビ放送を開始したりなんかしておられるところもあったりして、少しずつではありますけれども、いろんな意味でのコンテンツが少しずつ普及しつつあるかなと思っておりますんで、基本的には積極的に普及に努めてまいりたいと存じます。
  119. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 ありがとうございました。  とにかく地方の情報というのは大変大事だと思いますので、よろしく御配慮のほどお願いします。  デジタル化の完了まで、つまり二〇一一年まで、これ停波するんですね、二〇一一年に、アナログが全く駄目になっちゃうんですが、大体一億台のテレビ受像機がデジタル対応機種に転換される必要があるわけですが、どんなにテレビの映りがきれいになって技術的に便利になったとしても、多くの人々はわざわざ高いお金を出してまで新しいテレビを買おうとは思わないのではないかという指摘もあります。これはカラーに比べたら、全然、ちょっとよく映るぐらいで、みんなその購買意欲は刺激されないわけであります。  デジタル化をもっと急ピッチで進めていくためには、デジタル対応テレビを購入したら補助金を付けるとか、あるいは税制面での特別の配慮をするとか、テレビを買いやすくする手はずをしたら、用意をしたらどうでしょうか。お上の政策によって今までのテレビ受像機が使えなくなるんですから、その政策が国民に納得され共感を得るためには、やはりそれなりの手当てをした方がいいんじゃないかなと私は思うんですが。もちろん既にテレビ受像機を購入いただいている方との公平性の問題などもあると思いますが、まあ直ちにこの支援策は難しいかもしれませんが、二〇一一年に向けての一つの課題として本日は指摘しておきたいと思います。  そういうふうなことでございまして、最後に総務大臣にお伺いします。  地上波デジタル化対応テレビの普及促進のために考えておられる当面の取組について、見解をお聞かせください。
  120. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 価格が安くならぬと増えていかぬというのはもう事実だと思いますが、かなり進むと思っております。御記憶かと思いますが、電卓が出てまいりましたときに、あれ一台十万円だったんです、十万円。今あんなものに十万円出すやつは一人もおらぬと思いますが。私は十万円を切ったら買おうと思って、買って、今は御存じのように、いわゆるおまけでくれるぐらいのレベルのものになりました。多分、電話も多分それぐらいになるのかと思うぐらいの勢いですけれども。  いずれにいたしましても、このテレビというものは、いろんな形で事を進めていかにゃいかぬと思っておりますけれども、ちなみに今どれくらいになっておるかと申しますと、二月現在、二月現在です、現在で、約六十万台普及をいたしております、このデジタルテレビというものが、液晶テレビで。で、価格はどうだと言われれば、液晶の三十七型というのを例に引きますと、いわゆる地上波デジタルに対応できるやつは、昨年ですと七十六万円、今が六十五万九千円、約十万円この半年ぐらいの間に下がった形になっておりますんで、私どもとしては、これはこの業界のことですから、生産が拡大し技術が進歩すると価格がどんと下がっていくことになりますんで、私どもとしては、これは価格低廉化が基本的には進む方向にありますんで、これは見守っておくところがまず当面のところなんですけれども。  問題は、それを使って単にテレビがきれいになっただけでみんなが買うかといえば、やっぱりそこの中に流れるコンテンツがやっぱり大事、また、双方向でいろいろ話ができるとか、従来にないいろんなものが大事なんで、そこを止めております規制やら何やらの分につきましては、私どもは基本的にその規制を外して、デジタルというものがより早く安く普及できるような方向で私どもとしては、金を出して買わせるというのではなくて、規制をとか、いろいろな意味でその他のところでやるというのがまず最初かなという感じが今現在ではいたしておるところです。
  121. 柏村武昭

    ○柏村武昭君 いずれにいたしましても、デジタルがなぜ必要なのか、もう少し国民に分かりやすくアピールすることが必要ではないかということも含めまして、今日は本当に分かりやすい御答弁をちょうだいいたしましてありがとうございました。  最後のコンテンツが分かりにくかったのでありますが、三位一体改革、そして地上波テレビのデジタル化、ともに国民生活にとっては大変大きな影響を与える重要なテーマでございますので、私どもしっかり応援させてもらいたいと思います。どうぞ頑張ってお取組の方、してください。  どうもありがとうございました。
  122. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。  先日の大臣所信に対する質疑をさせていただきましたが、短い時間でございましたので何点か積み残しがございますので、まずそれから質問させていただきたいと思います。  まず、いわゆる迷惑メールの問題でございます。  携帯電話等からのインターネット接続の普及に伴いまして、電子メールによる一方的な商業広告の送り付け、俗に言う迷惑メールが社会問題化いたしました。平成十四年の七月には、特定商取引に関する法律、そしてまた、これは議員立法でございましたが、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律が、それぞれ、それぞれ平成十四年七月一日に施行されたところでございます。  この迷惑メール規制、いわゆる規制法につきましては、不肖私も、私のホームページに私のある案を、試案をずっと掲載をして、多くの方々から御意見をいただき、そしてまた自由民主党の、今日、どこへ行った、世耕先生なんかもこの問題について自民党で協議をされておったということで、これは一緒にいたしまして多くの皆様方の御賛同をいただいて成立したと、こういう若干の自負を持っておりますので、ちょうど施行されて一年十か月、折り返し点でございます。三年以内の検討をという附則二条にもございますので、現状、この迷惑メールと称するものの苦情相談等の実態は今どうなっておるかということからお答えいただきたいと思います。
  123. 有冨寛一郎

    政府参考人有冨寛一郎君) 今御質問の迷惑メールでございますけれども平成十三年夏ころに社会問題となりまして、今先生お話しのとおり、先生方の御尽力をいただきました特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の成立、施行、それと、それまで電話番号でありましたメールアドレスの初期設定を任意の英数字の組合せとするとか、パソコンから発信されるメールの受信を拒否するといったような機能を導入すること等を行いました携帯電話事業者による対策によりまして、相当減少してきたところであります。ちなみに、平成十三年六月には十四万件を超えておりましたけれども、その法律の施行後の平成十四年の七月には、およそ一万五千件程度まで減少してきております。  しかしながら、また最近、昨年の春ごろから増加傾向にあるということでございまして、これは先ほどのパソコンからの発信とメールは受信機能の拒否というようなこと等で防止できたわけでありますが、今度はパソコンではなくて携帯電話からのメールというものが相当増えてきております。これは携帯電話であろうがパソコンであろうが特定電子メール法の対象ということになりますので、こういった法律の制度を受けまして、各携帯電話事業者が昨年の夏以降には特定電子メール法違反の送信者に対する利用の停止、あるいは送信通数制限と、こういった対策に取り組んでおりまして、その結果、国民から寄せられております迷惑メールの申告件数は最近再び減少傾向にあるというような状況でございます。
  124. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 具体的に、例えば今までの立入検査件数であるとか罰則適用は何件だとか、こういうのは分かりますか。
  125. 有冨寛一郎

    政府参考人有冨寛一郎君) まず、請求の関係でございますが、利用の──特定電子メール法の施行に伴いまして、法律違反者に対する措置命令の実施は二件ございまして、平成十四年の十二月と平成十五年の十一月でございます。それから、特定電子メール送信者に対する報告徴収も併せて行っておるところでございます。
  126. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 ここに来まして、アメリカではヤフーだとかマイクロソフト、いわゆる大手のネットサービス四社が、今年一月に施行されたアメリカの迷惑メール禁止法と称するものに対して違反している電子メールの送信業者を提訴していますね。アメリカは速いですね。今年できたらもう即、いろんな、多大な影響を与えるということで提訴をすると、こういう動きがある中で、日本もまだまだこの迷惑メール、私の携帯電話にも一日一通か二通掛かってきますね。あえて停止をしようかと思うんですが、どんなの掛かってくるかということでこれも勉強だろうと思って、ほっといておるわけですが。  こういう迷惑メールが多くの方々、特にアダルト系なんかのこういうような問題が社会的に大きな問題を起こしておるわけでございますが、今後、この迷惑メールについて、じっと待つのではなくて、積極的に何かやろうかというふうなことはお考えでしょうか。
  127. 有冨寛一郎

    政府参考人有冨寛一郎君) アメリカでは、今先生お話しのとおりでございまして、この本年の一月から迷惑メール法の規制法が施行されておりまして、これは初めてのこの適用を求めたケースでございますが、四社、つまりヤフーとかマイクロソフトなどの大手プロバイダー四社が、送信アドレスを偽造して、言わば身元を隠して偽って送ったとか、あるいは送信者の現住所のちゃんと表示をしなかったとかということで、迷惑メールの送信業者を相手に損害賠償あるいは業務の即時停止といったことの業務を求めたわけでございます。  私どもは、先ほど申しましたように、平成十四年七月の特定電子メール法の施行を受けまして命令というようなことを行いまして、一応自主的な対策で違反の業者も積極的に応じているわけでありますが、正にまだそういう迷惑メールが依然として社会的な問題であるということは十分認識をしております。  したがいまして、先ほど先生から御指摘のありました特定電子メール法の附則というものの中に、施行後三年以内に施行の状況等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じるというふうに明記されております。  私どもといたしましては、まず、我が国における迷惑メールの状況、それから、先ほど申しましたけれども、民間の取組の成果、それと欧米の先進国における、昨年末以来いろいろと法制度が整備されておりますので、その規制法の有効性等、こういったものを十分注視しながら、一層の検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
  128. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 どうか毅然とした対応をお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、積み残しの件でもう一点、公務員の退職金の問題でございます。  公務員の退職金支給については、これも新聞報道でございますが、読売新聞が二〇〇二年の退職した方々の特別昇給の適用状況というのを一月九日付けの一面トップで報道しております。この詳しいことは、既に新聞はお読みだと思いますが、昨年度、職員の九割にこの特別昇給制度を適用しておると、こういうことでございまして、俗にお手盛り特別昇給と、こういうことで、その上乗せされた退職金だけで四十億円、国家公務員だけです、四十億円、そういうふうなことの報道がありました。これは既に人事院等々、また総務省の方でも対応はしていただいておると思いますが、ここに来まして、例えば東京都も、東京都の場合は特別昇給とは言わず名誉昇給と、こう言っているそうでございますが、同じような制度でございます。退職月に一段階なり二段階号俸上げちゃうということですね。東京都、もしこれを是正すれば年間二十億円の退職金の削減になると。東京都だけでございます。小さな豊島区なんかですと約四千億円とか、四千万円とかですね、ちょっとけた間違えました。四千万円とか、こういうふうなことが既にいろんな新聞等々報道されておるわけでございます。  いわゆる国民の目線で見た公務員の退職金というものが、退職する月に、そういう制度はありますが、厳格に本当にやっているんじゃなくて、俗にお手盛りでやっていると、こういうふうな非難もあるわけでございまして、そこで、厳格に適用するということは当然でございますが、今後、この特別昇給なるもの、退職金にすべてリンクするわけでございます。これらについてどのように今しようとされておられますか。お聞かせ願いたいと思います。
  129. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 退職時の特別昇給につきましては、勤務成績の特に良好な職員が二十年以上勤続して退職する場合に実施することができるとされているわけでございます。  この退職時の特別昇給につきましては、勤務成績の特に良好との要件にもかかわらず、御指摘のようにほとんどの職員に実施されているなど、制度の趣旨に反した運用がなされているとの指摘があるところでございます。  現在、人事院では、各府省におきます平成十五年度の退職時の特別昇給の実施状況について調査しているところでありまして、その結果も見まして、退職時の特別昇給の在り方につきまして、廃止を含め見直しを検討することとしているところでございます。
  130. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 平成十五年度の各府省における実施状況を踏まえて今後対応すると。  読売新聞平成十四年度のもちゃんともう調査を、どういうふうにしたか知りませんが、一覧表が出ておるわけですね、二〇〇二年度の特別昇給の適用状況というのを。  ですから、人事院とすれば、平成十五年度といったらまだもう二週間ほどあるわけでございますから、じゃなくて、平成十四年度も併せてこれの実施状況を掌握すれば、もっと早く情報が的確につかめたんじゃないかなと。新聞の方が先に先行しちゃって世論喚起をしているというんじゃなくて、やはり人事院がこういうものは責任持ってやるべきではなかったのかなと、こう思います。  いずれにいたしましても、平成十五年度の各府省の実施状況が出てくるようでございますから、私たちもきちっとこの点についてはウオッチングして提言等々をしていきたいと思っておるわけでございますが、総務省も、この新聞報道によりますと、二〇〇二年度特別昇給の候補者が百八十二で、特別昇給した人が百八十名、適用率が九八・九%、加算額が四千五百万というようなことでございまして、やはり地方公務員の方の退職金は国家公務員に準ずると、こういうふうになっていると思いますが、まず、国が襟を正してきちっとした、国民からの批判のないような特別昇給であり、また退職金の加算である、こういうふうな方向へ持っていかないといかぬと思うんですが、これ、大臣、いかがですかね。
  131. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 上が行えば下これに倣うということになろうかと存じますので、今言われましたように、基本的には国がきちんとするところは当然だとは存じますけれども。    〔委員長退席、理事山崎力君着席〕  いわゆる私ども預かります地方公務員というところの部分を考えますと、基本的にはこれは国に準じるということになっておりますので、そういった意味では、国がやっているからおれたちもやっておるんだと言われたんじゃこれはどうにもなりませんので、そういった意味ではきちんとしております。やらねばいかぬと思っていまして、事実、一部の団体では既にきちんと対応が始まっておりますので、私どもとしては、国に準じた取扱いをするようにということで、今後とも指導をしていかねばならぬと思っております。
  132. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 人事院と有冨局長、結構ですよ。  続きまして、税制三法ですね、地方税法三法の中身をやりたいんですが、実は私も公明党の税制調査会長で与党の税制協議会のメンバーでもありまして、ここで非常によくできた税制だと言うと自画自賛になりますし、これは問題だと言うと何でそういうところをきちっとした大綱を作らなかったのかと言われますので、ちょっと中身はさておきまして、周辺のことを若干質問をさせていただきたいと思うんですが。  最近、この地方税の納付場所について長野県の知事さんのことでいろいろと連日のごとく新聞報道があります。  確かに、問題を喚起されたんでしょうね。一体全体、この田中知事は長野県の泰阜村というところと長野市というところと、二人がうちが納税地だということで引っ張り合いをしておると、こういうふうなことでございまして、選挙人名簿も何か二重登録だということで裁判になるというようなことで、知事さん自らがそれを裁決するんだ、決めるんだというようなことも言われていまして、自分で問題提起して自分で決めるなんというようなことも、何となく分かったような分からぬようなことになってくるわけでございます。  そこで、中身についてはもう大臣も税務当局も御存じだと思いますが、一体全体、住民基本台帳は長野県の泰阜村にあると。しかし、知事としてマンションを借りられて県庁へ出勤といいましょうか、出られていろいろ執務をされておると。いわゆる住居の実態がどうも違うんじゃないかなと。そうすると、一体全体どこで納税すればいいのかなと。こういうふうなことが疑問がわくわけでございますが、大臣、どうなんでしょうね、これ。    〔理事山崎力君退席、委員長着席〕 これ、同じ県内なら知事の決定、これは県がまたがるとこれは総務大臣なんですよね。ということで、予行演習として一ついかがでしょうか。じゃ事実関係からどうぞ。
  133. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 現行制度の仕組みだけ簡単に御説明をさせていただきたいと思います。  地方税法上、市町村市町村内に住所を有する個人について個人住民税を課することとされております。住所を有する個人でございますが、住民基本台帳法の適用を受ける者についてはその市町村の住民基本台帳に記録をされている者を言うというふうにされております。ただし、その市町村の住民基本台帳に記録されていない個人がその市町村内に住所を有する場合には、その市町村はその者に個人住民税を課することができるということにもされております。  この住所でございますが、その者の生活の本拠を言うものでございまして、具体的な住所の認定はそれぞれの市町村において行うということにされておるところでございます。また、住所の認定につきまして、関係市町村長の間で意見が異なり、その協議が調わないときは、都道府県知事に対しましてその決定を申し出ることとされているところでございます。さらに、関係市町村長は、都道府県知事の決定に不服があるということであります場合には、裁判所に出訴することができるということとされております。  それが制度の説明でございます。
  134. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは日笠先生、基本的には納税者が生活を基盤としておりますところで行政サービスを受けておるわけですから、その行政サービスを受けているところに対して納税するというのがこれは本来の基本でありますから、当然のこととして、納税者が自分の都合でここで生活するが、納税するのはこっちにやるというようなわけにはいかない、基本的にはそういった納税する場所を納税者が勝手に選ぶということにはならぬというのが基本というように考えていただいてよろしいんだと存じます。
  135. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 そうすると、総務大臣は、この田中知事の場合は長野市だろうと、こういうことですよね。裁判しなくても済むんじゃないでしょうかね、これで。いいんですか、本当に。どうぞ。
  136. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) なかなかどっちとは言えぬところでしょう。これ今、目下やり合っておられる真っ最中で、これは訴えられておられますので、これは今訴訟の真っ最中ですので、ちょっとここのところについて私の立場でどっちだと言うのは、ちょっと差し控えさせていただきます。
  137. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 総務大臣の見解はそういうことであると、こういうことで理解しますが。  問題は、今おっしゃったように、私は生まれ故郷のあそこに、何とか村に、何とか町に、十分所得も増えたから市町村民税を納めて、故郷ににしきを飾るじゃないが、何か貢献したいと。しかし住んでいるのは全然違うところだと。独身でもあるし、独り住まいにもなったと。別にどこに住所があろうと関係ない、こういうふうなことになっちゃった場合、そういうところを目掛けて勝手に住民票を移すとか、もう少し言えば、反対に、これから制限税率をなくしていこうだとか自主課税権の強化だというと、市町村長さんも、よそよりうちの方が税金が高いとか安いかというふうなことだってやるんでしょうね。  そうすると、安いところへ行こうと。ジャパニーズの中でタックスヘーブンができるんじゃないか。安いところへとにかく住民票を移して、実態はほかのところで仕事をしたり、住居、本当の住まいを持つ、こういうふうなことに変に利用されたのでは本来の趣旨とは違うんだろうと、そういうふうに思いますから、先ほど私は、総務大臣がおっしゃったように、地方の行政サービスを実態に本当に受けているところ、一年では三百六十五日の半分以上ぐらいでしょうね。そういうところが本当の納税地なんだろうなというのは納得できるんですよ。だからそういう意味では、これから申し上げることはいわゆる課税自主権の中の超過課税であるとか制限税率をどうするかということとリンクをしてくるんだというふうなこともございましてお聞きをしたわけでございます。いずれにいたしましても、裁判等々になっているようでございますから、注視をして見守っていきたいと思うところでございます。  さて次に、いろいろこの税法地方税法三法で質疑をする、当委員会へ法案が掛かってくるというと、自治税務局の方から参考ということでいろんな資料が出てくるわけでございます。私も「地方税及び地方譲与税収入見込説明」という白表紙の参考資料いただきました。国会へ出す参考資料でございますから非常に権威のあるものだと思っていますし、私たち委員が読んでも分かりやすいと、理解しやすいと、こういうものだろうと思ってざっとちょっと目を通しました。すると、なかなか理解ができないようなところが何点かあるわけでございまして、滞納税のことでございます。  滞納の件、地方税の滞納の件でございますが、いろいろとございまして、例えば自動車税なんかであると、滞納繰越分の、俗に言う回収と言うんでしょうか、これが前年度三五%だと。これは県税です。それから、軽自動車税の市町村民税ですとこれは三〇%ですよと、こういうふうな数字が出てくるわけですね。片一方、固定資産税とか都市計画税については、その前年度の見込額の俗に言う回収、徴収率は全然出てこないと。  一体全体、この滞納に対する見極めというのは一体全体どうなっているのかなと。二兆二千億円ぐらいあるわけですからね、これ滞納分が。それが一%違うだけで大ごとでございます。そういう意味では、もう少し、この税はこういう滞納の回収見込額なんですよと、前年度はこう、前々年度はこうだという、分かりやすいものにしていただきたいと。  固定資産税、事業所税、都市計画税は全然そういう文言はないと、こういうことでございますが、いかがでしょうか。
  138. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 御指摘の点は、地方税の滞納繰越分の収入見積りの計算の基礎数値の問題というふうに思いますけれども、これは、それぞれ近年におきます各税目ごとの徴収実績を基本としつつ、収入確保の目標値というような性格にも留意をしながら、一定の徴収率を設定をいたしまして積算をさせていただいているということであります。地方税は税目ごとに納税義務者ですとか納税方法などが大きく異なっておりまして、徴収率も一様ではございません。  そういうことで、税収見積りにつきましてもいろいろと御指摘がありましたように、やり方がいろいろばらばらではないかと、よく分からないではないかという御指摘は、私どもの方もよく理解をいたしまして、今後、できる限り正確かつ合理的な積算方法を設定をいたしまして、分かりやすい説明にするように努めたいというふうに思います。
  139. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 是非その方向で前向きに御検討いただきたいと思います。  さてそこで、滞納された税の徴収率をちょっと上げれば非常に税収の見込額が増えると、こういうふうなことが、実は沖縄県の宮古島の平良市というところの町長さんが、赤字予算案を出すんだと。三位一体はけしからぬというようなことで、抗議の意味を込めて前代未聞の赤字予算案を出そうとしたところ、県とか総務省の指導によって撤回をしたそうでございます。赤字予算案が指導で撤回されるというんですからそれはいいことでしょうが、一体全体じゃどういうふうなことをやって予算案を組んだのかなというと、インタビュー記事が載っておりまして、要は帳じり合わせなんですよと、約六億七千万の赤字にする案だったが、こうですよ、滞納された固定資産税の徴収率を普通は三、四〇%と見込んでいるものを八〇%にしたんだと、四億円の増収があると見込んだりして一応の収支合わせをしたんだと。  こういうことで、何ですか、三位一体交付税が減ってなかなか予算組むのが厳しい厳しいと先ほどからいろいろお話ございますが、ちょっと、じゃ滞納の分をしっかり頑張っていただければ別に問題はないのかなというような気もいたしますし、実際八〇%もこれ徴収率できるのかなという気もいたしますし、どうなんですか、固定資産税、この滞納八〇%徴収できると、予算案を作ったということですね。これについてはいかがですか。
  140. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 地方税の徴収率の問題でございますが、当該年度の新規課税分と繰り越された分と分けますと、新規の課税分につきましては全国的には九八%の徴収率でございます。ただし、滞納繰越分につきましては大体二〇%程度で推移をしております。これは、滞納繰越分につきまして前年度以前からの滞納が累積をしているというようなこともございまして、徴収が困難な事例の割合が高くなってきているというふうに推測がされるわけでございます。  今回の平良市の例でございますけれども、滞納実績等の詳細を私ども承知をしておりませんので、そこで予定をされております徴収率が適当であるとか不適当であるとか申し上げる立場にはないのでございますけれども、厳しい財政状況を踏まえて低い水準にあった徴収率の向上にも取り組んでいこうという御方針の表れではないかなというふうに理解をしておるところでございます。
  141. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 だって、全国平均は、固定資産税の滞納繰越分にかかわる徴収率は全国平均は一八・七%なんですよ、いただいた資料は。それを平良市は、それでも三、四〇%と見込んだと。それじゃもう赤字予算を作らなきゃいけないということで、指導があったので八〇パーにしました。それでちゃんと予算ができましたと。これなんか本当のつじつま合わせだなと。そんなに徴収がうまくいくんなら、もっと全国の厳しい厳しい言うところは頑張って徴収率を上げたらいいんじゃないかなと。何か今度全国ブロックで御指導があるそうですが、徴収率を上げろということも一つのこれ、話題になってくるのかなというような、課題になってくるのかなというような気もいたします。  いずれにいたしましても、この滞納繰越分にかかわる徴収は、なかなかこれも課税自主権、首長さんが本来ならばこれは地方税法にありますように財産を差し押さえると、こうなっているんですね。財産を差し押さえなさいと、道府県税も市町村民税もと。しかし、私が聞くところによると、そんなに財産を差し押さえたという例はありません。なぜかというと、顔が見えるわけですよ。首長さんといざ差し押さえさせようかとするところの事業主なり個人の顔が見えちゃう。選挙もありますよ。親族もたくさんいる。あの町長がもう悪代官だと、もう差押えに来たというようなことでなかなかこの課税自主権と差押え等と、こういう滞納繰越分を徴収するということはなかなかこれ相反して難しい面もあるんじゃないかなと。  そういうことで、私は後ほど申し上げますが、徴税一元化とは申しませんが、徴税一元化、国税と地方税を一元化して徴収したらどうかと。後ほど申し上げますが。せめてその前に、静岡県がこの構造改革の構想の一つで県税と市町村民税ぐらいは一体的に集めたらどうかと、こういう提案もされておりますね。そういうふうなことも踏まえまして後ほど申し上げますが、なかなかこの徴収率を上げるというのは難しいなというふうに感じておるわけでございます。後ほど、先ほど申し上げました課税徴収一元化について申し上げます。  次の問題に移りたいと思います。  課税自主権の件に絡むわけでございますが、この法定外税の協議制の同意の問題でございます。直近で一番話題となっておりますのが、いわゆる豊島区の駅前の放置自転車対策のために今総務庁の方に協議の申出が出ております新税、新しい税ですね、区放置自転車対策推進税条例があります。昨年の十二月十九日に協議の申請を行っておられるようでございます。  通常、総務省の方からは、協議期間は約三か月程度と、こういうふうにおっしゃっているとお伺いをしておりますが、いよいよその三か月程度がいよいよ間近にタイムリミットで来るわけでございますが、現状、今どういうふうな経過になっておりますか。お聞かせ願えればと思います。
  142. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) お尋ねのございました豊島区の放置自転車等対策推進税の条例案でございますけれども、これは平成十五年の十二月九日に豊島区の議会におきまして賛成多数で可決をされて、同じ年の十二月十九日付けで私ども総務大臣に対しまして地方税法に基づく協議の申出がなされております。現在、この法定外税創設の考え方などを豊島区との間で協議を進めておる最中でございます。総務省といたしまして、同意すべきかどうか慎重に検討を進めているということでございます。  いずれにしましても、豊島区並びに関係者の意見を十分聴いた上で、地方税法の規定に基づき対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。
  143. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 タイムリミットが来ますし、やっぱり行政というのはスピードというのも必要でございますから、早急によく協議をされた上で結論を出していただきたいと思います。  続きまして、入湯税の件でございます。  昨年のあの税制改正のときも、まあ正直、私たちはこの入湯税の任意課税化ということを考えておりました。なぜかならば、小泉総理も、去年の一月十七日の政府税調で発言をされております。その議事録を抜粋して読み上げますと、市町村民税とか都道府県民税、これも県議会、市議会に権限を与えてもいいんじゃないかと。ゴルフ場利用税だって、地方の問題だけれども中央が決めているんでしょう、国会は。いるんでしょう国会は、だな。中央が決めているんでしょう、国会はと。入湯税、お風呂に入る、温泉、あれだって地方で決めていいものを、何で国会で決めなきゃならないのか。地方に裁量権を与えるということをもっと考えてもいいんじゃないかと、という去年の一月十七日の政府税調でそういう発言をされたという議事録、今抜粋して読み上げました。  私ども、与党の一員として税制協議会を構成しておるわけでございまして、平成十六年度の税制改正は、まあ総理もそのようにおっしゃっているんだから、入湯税について何らかの対応をしてさしあげた方がいいんじゃないかなと。私、公明党でありますが、自民党総裁である小泉総理の発言を大変重く受け止めまして考えておりましたところ、なぜかしら急に、いやいやいや今までどおりよと、こういうことになりまして、入湯税の任意化は見送られたということ、見送ったということになりました。一体全体なぜなんでしょうね。
  144. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 入湯税についての御質問でございます。  入湯税につきましては、地方団体の課税自主権を拡大をするという観点から、任意税化について検討を行ったところでございます。昨年末いろいろ、日笠先生を始め真剣に御検討をいただきまして、本当にありがとうございました。  しかしながら、任意税化によりまして実質的にはこの税が縮減ないしは廃止の方向に向かってしまうんではないかというような懸念をいたします市町村がある一方で、標準税率の廃止が大幅な増税につながりかねないというような温泉旅館等の心配等ございまして、両方の当事者の十分な理解が得られていない段階においては、あえてこの制度改正を強行すべきではないんではないかということになりまして、昨年末は断念をいたしたということが実情でございます。
  145. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 そうすると、またこれ課税自主権に戻ってくるわけでして、まあ任意化して標準税率も取っ払います、どうぞまあ上げるところは上げて、下げるところは下げてくださいよと言うと、業界が反対すると、これはもう今までどおりにしましょうと。これは課税自主権、もうせっかく差し上げようとしたものを、業界が反対したから元へ戻しますと、元いうか、今までどおりですよと。  それから市町村も何か反対ですか。あなた方に、課税自主権で入湯税どうでも好きにしてくださいと、高く取れば高く取ったでその分を観光開発か何かに使えるんですよと。ゼロはゼロでもいいですよと、よその、隣の町に比べて安くてどっと観光客が来るというインセンティブを働かすためにそういうようにやると。こういう課税自主権というものをせっかく移譲じゃないけれども、しようと思っても、いや結構です、結構ですと言う。  そこのところが、だから大臣ですね、課税自主権と簡単に言うけれども、なかなか滞納分は取れない、こうやってどうですか言うたらもうお断りしますと、これは本当に課税自主権を強化しましょうという税制改正いうか日本国の大きな税制の眼目である課税自主権、地方分権地方主権ということに対する裏返しですわね、これは。一体全体どうなんですか。その地方地方を総括されなきゃいけない総務大臣として、課税自主権、どうお考えですか。
  146. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 地域主権の立場からいけば、当然おれがやるんだというのが正しい方向なんだと思うんですが、日笠先生、やっぱり先ほど高嶋先生でしたか、やっぱり地方のことは地方に行って言うのをよく聞けという話があっておりましたけれども、やっぱり予定外だったもので、こういうことに課税自主権を与えたときに予定外だったものは、例えばさっきのあの自転車の放置の話も、あれだって自転車を放置したやつから取るならともかくも、それを鉄道会社から取るという話は、とてもううん、ちょっと予定をしていなかった話。  それから、ワンルームマンションで二十九平米以下かな、二十九平米以下のワンルームマンションには税金は掛けました。何でって聞いたら、家族のいるマンションを増やしたいから、ワンルームマンションはバツだというために、二九%以下は税金掛けるとか、これは私どもが想像しておりました、課税自主権というのを渡せばもう少しいろんなものと思っておりましたものとは全然想像をしていなかったところから出てきたもので、この入湯税も、これは正直うまいこと喜んでいただけるんではないかと思っておりましたけれども、行政も旅館の方も両方でバツと言われたものですから、さすがにちょっと何だ、これというのが正直な私どもの実感でした。  実感でしたけれども、私は基本的にはやっぱりよく消費税のときもこの外税にしないと駄目と言われたんですけれども、やっぱり内税のがよかったとか、これ実にいろいろやってみた結果というのが幾つか出てくると思いますので、少し時間を持たなければならぬ、待ってみなきゃいかぬところだとは思いますし、地方のその地域によってみんな違うんだと思いますので、よく話を聞かせていただきたいとは思いますが、基本的にはその課税自主権はそこの町で、そこの議会で、若しくは町長さんのところで自主的に決められる権限ですから、そういった意味ではこれは有効に利用されて、その基に基づいて上がった収益を、温泉をよりきれいにするとか、そこに行く道路をもう少しきれいにするとか、滑らないように何とかするとか、いろんなものに使えられるはずだ、なのではないかというのが、私どもの本来の考えていたところなんですけれども、ちょっといろいろ情報を基にしていろいろ考えられて、少なくとも双方からバツというのが正直私どもの一番驚いたところです。
  147. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 来年度の税制改正議論マターということで今申し上げておるわけでございます。  ただ、ちょっとこれは昼三時、三時前でございますし、まあそろそろ午前中から審議で皆様お疲れでしょうから、ちょっと野球で言えばストレートじゃなくてカーブかフォークボールのような話をちょっといたします。  それは、静岡県の吉良温泉というところが、鉱泉が、いわゆる温泉の源がかれたにもかかわらず温泉と名乗ってどうも入湯税を取っていたんじゃないかなと、その間。(発言する者あり)愛知県、ごめんなさい、愛知県でございました。静岡県の皆さん、ごめんなさい。ごめんなさい、愛知県ね、吉良町、吉良温泉。いわゆる源泉ですね、源がもうかれていたにもかかわらず、まあ温泉だというようなことで観光客もそこにどんどん行っていたということでございまして、どうもそういう実態が分かったにもかかわらず、何年間か入湯税をいわゆるお客さんから取っていたんじゃないかなと、こういうふうな話も、実態は分かりません、もう三十年ぐらい前の、二十年ぐらい前の話でございます。ということでございます。これが入湯税というと、現在反対に、温泉でなくても、いわゆるどっかからかタンクローリーで温泉を持ってきて風呂に入れて温泉だというのもありますし、若干、ほんの少し本物の温泉に多くの水を混ぜて温泉だと言っているところもあります。まあこれは環境省所管でございますから、温泉の定義はいいんですが。  裏を返せば、入湯税をいただいておればこれは温泉だと、こういうことにもなるんですね、裏を返せば。入湯税いただいておるから温泉ですよ、温泉だから入湯税いただきますよと、こういう裏返しにもなるわけですが、是非、御答弁いいですよ。  御答弁いただきましょうか。温泉で、元の泉水ですか、地中から湧出する泉水でないにもかかわらず温泉ということで入湯税を取っていたかどうかということ、これについて分かりますか。
  148. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) まず第一点のその愛知県の例でございますけれども、これは私どもが伺っていますのは、相当前から入湯税は課税をされていないというふうに聞いております。それと、入湯税の課税対象は、鉱泉浴場所在の市町村が鉱泉浴場における入湯行為に対して課税をするということになっておりまして、この鉱泉浴場といいますのは温泉法による温泉ということでありますが、同法による温泉に類するもので鉱泉と認められるもの、こういうものも含むというふうに考えております。温泉を自称するだけでは入湯税の課税対象にはならないということでございます。  ただし、先ほど申されました、例えばタンクローリーで本物の温泉を運んできてお風呂に入れて入湯していただくという場合には、入湯税の課税対象になるということであります。
  149. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 どうぞ与党におかれましては、年末の税制協議会でしっかりとこの点も御協議いただければと思います。  さて、徴税一元化の件は先ほど申し上げましたけれども平成十年六月九日に制定されました中央省庁等改革基本法の第三章第二十条四項で、国、地方を通ずる徴税の一元化について、地方自治との関係、国、地方を通ずる税制の在り方を踏まえて今後検討すると、こう明示されておるわけでございます。あれから五年近くたつわけでございますが、一体全体この法律に明定されたこの二十条四項について、総務省は当然この地方税の所管でございます、財務省等々と協議を、検討を加えられましたか。またその検討状況はいかがでしょうか。まずお伺いいたします。
  150. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国、都道府県、市町村という形でそれぞれやっぱり税を徴収させていただいておるわけですけれども、簡単には一人で全部やっちゃった方が人物、経済上も、早い話そっちの方が安く済むぞというお話というのは、これは昔からあるところではあるんですけれども。  ある程度受益と負担の関係というのは、いろいろあるんだと思いますけれども、やっぱりある程度住民税なんというものは住民の理解を得ながらいただくというところがとても大切なのではないかというのが率直な私なりの感じがいたしますんで、徴税の一元化というのはある程度考えにゃいかぬところだろうと思いますが、国が全部取ってやって地方に全部配っちゃうんじゃ、これは地方は全然汗かいて徴税するということは全然しなくて、国税が全部やって、あとはいはいはいと割られるというのもちょっとそれもいかがかなという感じがいたしますんで、いずれにいたしましても、ちょっとこれある程度納得をしていただきながら徴税をするということが大切だと思いますんで。  効率化の問題につきましては、今後ともいろいろ効率を考えにゃいかぬところだとは思いますけれども、事、税という話になりますと、極めて繊細な微妙な問題も含んでおりますので、ちょっと簡単にはいかない話で、これは前々から何度か議論があったところでもありますし、今御存じのように社会保険料等、年金等いろいろございますけれども、こういったものの話とか、厚生省と労働省と一緒になったんだから、少なくとも年金の話と労災の話と一緒にやりゃいいじゃないかとか、実にいろいろ話はほかにもないわけではありませんけれども、私どもとしてはこの税金というのはちょっとほかとは大分種類が違う話だと思いますんで、ちょっとそう、効率がいいからというだけではちょっと割り切れぬかなというのが私自身なりの感じているところです。
  151. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 要はこれは法律マターなんですがね、それで、検討するところあるわけですから検討しなきゃならないです。検討した結果、駄目なら駄目、やるならやる、ここまでやるならやると、こういうことにならないといかぬわけですね。五年たってもほっておくというのは、これは行政の、また立法府の怠慢と、こういうふうに言われるわけでございますから、是非ひとつ検討を大いにこれはしていただきたいと思うわけですね。  なぜ一元化ということが言われるかというと、行財政改革に資すると、こういうふうによく言われるわけですね。確かに、本当に行財政改革に資するかどうかいうまた反論もあります。反論もあります。  例えば徴税業務が合理化できるんじゃないかと、それから徴税等の事務所も統廃合できるんではないか、それから当然徴税関係職員の削減も可能ではないかと。いただいた資料によりますと、国税が五万六千七百十八名、地方税職員、都道府県、市町村民入れまして地方税職員が八万一千六百二十三名、合計十三万八千三百四十一名というのが今の人数だそうでございます。ですから、十三万八千三百名余りで国、地方両方の税金を徴収していると。もちろん徴収だけじゃありませんよ、還付もありますしね。いずれにしても税に携わっておられると、こういうことでございまして、これが一元化になれば、半分とは言わないけれども、相当、万単位で削減できるんではないかという話も一方あります。  しかし、一方は、そうは言うものの、地方税というのはもう現認をしなきゃいけないのがたくさんありますね。固定資産税だったら現実にペーパーだけではとても徴収できませんし、そういう意味ではなかなか足して二で割るようなことはできないんだよというお話もこれも分かるわけでございます。  ただ、検討すると、こうあるわけですから、大いにこれは検討を加えて、早急に、これはどうあれ、やっぱり結論は、三年、五年、七年という一つの節目があるようでございます。五年がたつわけですから、次の七年目ぐらいには、検討した結果はこうであるとかいうことを目指して御尽力をいただきたい、こう思うわけでございます。  そうはいいながら、国と地方税はそれぞれ、国税と地方税はそれぞれ緊密な協力関係で今いっていることも事実でございます。例えば、IT化ということ、電子政府ということで、今度、自動車関係諸税が一元的に申告というんですかできると、自動車の車検のときにですね。たしか自動車重量税とか自動車税とか自動車取得税、いろいろ自動車に絡まる税金ありますね、こういうものも何か一元化でやろうと、こういう現実に進んでいるところもあるやに聞いております。  そこで、最後になりますが、一点、先ほどちょっと申し上げました、静岡県の構造改革構想の中にあります国税、地方税の一元化、そのまず前に、第一歩として、第一段階として、県税と町村民税のいわゆる地方税を県レベルで一元化してはいかがかというふうに出ておりますね。これも一つの案だろうと思うんですが、これに対してはどうお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
  152. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 都道府県と市町村が徴収に当たって協力をするというのは当然でございまして、更に一歩踏み込みまして、例えば茨城県とか鳥取県なんかにおきましては、一部事務組合を設立をして徴収困難な事案等について滞納整理を実施をするとか、そういうことを進めております。また、例えば住民税はこれは都道府県分を含めて市町村が徴収をするというような仕組みにもなっておりまして、個人住民税でございますね。そういうことで、いろいろ都道府県と市町村の間ではいろいろと融通をし合いながら、よりよい課税のスタイルといいましょうか、課税方法を求めてやっておりますので、今後とも先生おっしゃいますような方向で、より効率的に、上手に課税できるものはできるだけそういう方向でやるような、そういうことを考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
  153. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 終わります。
  154. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。  まず最初に、総務大臣三位一体改革の全体像について伺っていきたいと思います。  今日も午前中から、また新聞報道でもいろいろと、今年から三年間で四兆円の補助負担金を削減をして、住民税で地方に税源移譲して三兆円、そういう、三兆円という金額そのものは、こっちの方は決まっていない、四兆円は決まっているということであるんですけれども、仮に三兆円としますと、結局この三年間、三位一体の形が終わりますと一兆円不足するわけですね。    〔委員長退席、理事山崎力君着席〕  削減された中で、引き続きいろんな事業が地方あるわけなんですけれども、それをいろいろ節減をしてもできなくて、やっていこうとすると地方自治体が独自に一兆円の自主財源をどこかで考えないといけないと、こういうふうに大臣はお思いになっているんでしょうか。
  155. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この三位一体の中に入ってまいります中で、税源の移譲という部分に関しましては、これはいわゆる、先ほど申し上げた言葉を使わせていただくと、狭義の三位一体でいわゆる税源移譲を伴うという質的な変化、国税から地方税に移るという質的な変化部分と、もう一つは地方がある程度歳出を削減していただく、そういった意味でのスリム化部分と、二つちょっと分けて考えなきゃいかぬところなんですが、三位一体という言葉がえらいはやっておる。何かみんな三位一体に突っ込んじゃったような話になって、少しもうちょっと整理をされて本当は論議をされないと混線をするという、先ほど柏村先生お話にありましたように、なかなか混線しやすく話ができ上がっているような感じが、私自身が聞いていてもそう思うんですが、とにかく三位一体三位一体と、この宗教用語が法律用語に変わったみたいな形になってかれこれ半年にもなりますので、何となく三位一体というと税源移譲の話の部分スリム化の話と一緒になっておりますが、四兆、三兆の話って、まだ四兆の削減の額に対して何兆の補助が出るかと。今、三兆と言われましたけれども、それがまだ、三兆もまたきちんと確定したわけではありませんので何とも申し上げられませんけれども残り一兆の部分については更なる税源の移譲でやる部分もあるでしょうし、またスリム化対応する部分両方あり得ると思っております。
  156. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 スリム化とおっしゃいますけれども、今日はまた後で具体的にいろいろと伺うんですけれども、仕事は増えるばっかりなんですよね。財源をまた考えるといっても、それは生易しいものではなくて、必要で不可欠な補助金や負担金が削減をされて、そういう行政水準を保ちたければ何か考えろという、そこが私は地方で今混乱を生んでいる中身、非常に心配されている中身だと思うんです。  午前中も、ブロックごとに意見を聞くというようなことを大臣はおっしゃっているんですけれども、実際に地方自治体を含めた議論、これが不足している。きちんとした、大臣、先日から自治体の数では多いけれども人口ではというふうにおっしゃっていますけれども、やっぱり自治体の数が大事。その小さな自治体でも大きな面積を一生懸命カバーしているとか、いろんなことがあるわけですね。だから、私はこういうことはもっと真摯にきちんと話をしていく、そしてこの議論を詰めていくということ。  私たち立場は違うんですけれども、どんな自治体へ行っても、愛知は財政力がよそから見ると豊かだと言われる自治体も大変多いです。でも、そういうところへ行っても結構なんていう首長は一人もいませんよ。みんな、だまし討ちまではおっしゃる方は余りないですけれども、やっぱりすごく怒りを持っていらっしゃる。ましてや中山間地の皆さん方というのは、本当に知性もあって今までのこのふるさとを守ってきた、日本を守ってきたという気概を持っていらっしゃる方たちが、物すごい怒りですよ。だからやっぱり、先ほど地方を守る総務省というのをおっしゃったんですけれども、やっぱりどの地方も守っていただくということが大事だと思うんですけれども、どうでしょう。
  157. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 総務省という役所は、基本的には旧自治省ということもありますけれども、やはり住民、国民に直接、最も接触率の幅の広い役所というのは中央官庁として総務省以上に住民と直接つながっている役所はほかにないと思っております。  そういった意味では、今言われましたように、中山間地というところに行くほど、若しくは中小の、中小の地方団体公共団体の絶対数の少ないところ、人間の少ないところの方こそ痛みが多かったのではないかという御指摘は、やっぱり地域によってある程度違いますけれども、私は基本的には当たっていると思っておりますので、そのために従来減らしていただくにしても、三百億のところからちょっと減らす十億と、二、三十億ぐらいのところから減らす十億では全然意味が違いますので、そういった意味では私どもとしてはきちんと細かく対応をしていく必要がある、きめ細かに対応をしていく必要があると、私どももそう思いますので、財政再生債、再生債いろいろ使わせていただいておりますけれども、その使い方も幅を余り細かくしないで柔軟に対応していく必要があると思っておりますし、今後とも個別にお見えになる方に関してはいろいろ、ちょっと正直申し上げてこんなやり方もありますよ、こういうのもあるんですよというのを全然理解しておられない方もいらっしゃいますので、丁寧にそこのところには対応をさせていただきたいと思っておりますし、事実その方向で事を進めてはおります。
  158. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 個別に相談してきたところには相談乗りますみたいに、私の聞き違いならいいんですけれども、そういう問題じゃないと思うんですね、今の問題というのは。朝からも七兆円の交付税削減なんかのお話が出ていて、今日の新聞にも、この三位一体で財源不足を補う交付税、臨時財政対策債が一二%も減ったが、基金の取崩しがさほど目立たなかったことから、財務省は影響をほぼ吸収しているとして、二〇〇五年度以降、更に地方交付税削減を進める考えだと。これは新聞報道だから違うっていうふうにおっしゃるのかもしれませんが、こんなのが毎日出てきているんですよね。    〔理事山崎力君退席、委員長着席〕  私は、これは本当にゆゆしき問題だと思いますし、負担金、補助金の問題でも、恩恵的に出されているわけじゃないんですよ。そこの地方で歴史的に積み上げられてきたもので、そういったものをばさっと切るというのは私はおかしいというふうに思いますし、きちんと議論をすべきだと。何しろ数字から、お金から入っていっちゃうということが私は間違っているんだというふうに思うんです。  そこで、具体的に幾つか伺っていきたいんですけれども、まず地方税にかかわってですけれども、自動車のグリーン化ですが、政策目標、これ大気汚染対策、環境対策だと私は承知しておりますが、どうでしょうか。
  159. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 政策目的をということでございますので、事務的に説明をさせていただきます。  自動車取得税の低燃費特例でございますけれども、地球温暖化対策といたしまして、CO2の排出量削減の観点から、一定の基準を満たす低燃費の自動車について、自動車取得税の方で一定の控除をする特例を設けております。  また、自動車税のグリーン化ということで、これは自動車税の方で、環境負荷の小さい、すなわち排出ガスのきれいな自動車を普及をさせる目的と、環境負荷の大きな自動車に対して、これを減らしていくということで重課をするということで、十三年度から税収、税制中立を前提とした制度を創設をさせていただいているということでございます。
  160. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 グリーン化税と、それから自動車取得税の方の低燃費特例ですね。それも両方ともが大気汚染、環境対策だということですが、このグリーン化税の方なんですけれども、減税額と増税額が同じ、税制中立だと今御説明があったんですが、実態として増税額、減税額、その収支をお示しください。
  161. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 失礼しました。  自動車税のグリーン化における減収分、重課分の実績についてのお尋ねでございます。  平成十三年度の税制改正に基づく実績でございますが、減収分が九百四億円、延べ七百五十二万台。重課分が二百十八億円、七百五十七万台。差引き六百八十六億円の減収というふうになりました。  平成十五年度税制改正に基づくものでございますけれども、減収分が三百二十四億円、百八十万台。重課分が百四十億円、四百三十九万台。差引き百八十四億円の減収が見込まれているところでございます。
  162. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 大変な減税なんですけれども、それが大気汚染の改善という目的にどうつながっているかというのが問題だと思うんですね。  今日は環境省に来ていただいていますけれども、大気汚染の実態としてはどうなっているんでしょうか。
  163. 桜井康好

    政府参考人桜井康好君) 自動車税のグリーン化が平成十三年に開始されましてから低公害車の普及が大幅に進んでいるところでございます。平成十五年九月末時点では低公害車の保有台数は約五百七十五万台ということでございまして、自動車税のグリーン化のこの支援策の効果もあって低公害車の開発に拍車が掛かっておるものだと考えております。また、低燃費、低排出ガス認定車、これはいわゆる星印の付いた車でございますけれども、この型式も平成十五年三月現在、三百十二の型式になっておりまして、種類も多くなってきているということでございます。  それで、大気汚染に対する効果ということでございますけれども、なかなか定量的に試算をするというのは難しいわけでございますが、平成十五年度上半期に新規登録をされました自動車につきまして環境改善効果というものを試算してみますると、その十五年度上半期の低公害車を購入したことによりまして、低公害車以外の車を購入した場合と窒素酸化物の削減がどのくらいになるかということを大まかに試算いたしますと、約四割ぐらいではないかというふうに考えております。  しかしながら、自動車税のグリーン化の対象となっております低公害車は、平成十五年九月末時点でようやく自動車全保有台数の一割程度ということから、環境改善効果はまだまだ限定的なものではないかというふうに考えておるところでございます。
  164. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 新しい車を買えば多少良くなったかもしれないけれども、その効果は分からない。現実に、各地で定時定点をやっております道路測定では改善が見られないと。ディーゼル車をストップした東京では知事がこんなに改善したというふうに言っていますけれども、オールジャパンで見るとこのグリーン化税の効果というのがどうなのかなと思うんです。  先ほどお示しになった自動車取得税の低燃費特例ですね、これもやっぱり大気汚染対策なんですけれども、その適用実績、二〇〇一年と二〇〇二年の新規登録台数と特例の対象台数、それから減収額です、お示しください。
  165. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) お尋ねの自動車取得税の方の低燃費車特例等に関する実績でございますが、都道府県税の課税状況等に関する調べというのをやっておりますけれども、それに基づいて御報告を申し上げます。  まず平成十一年度分でございますが、自動車の新車新規登録台数が四百一万台で、新規検査の軽自動車を含めますと五百九十一万台、低燃費車特例の対象台数が百十四万台、減収額が百四十五億円でございます。  平成十二年度分でございますが、新車新規登録台数が四百十二万台、軽自動車を含めて五百九十七万台、特例対象台数が百五十九万台、減収百九十九億円。  平成十三年度分でございますけれども、新車が登録四百三万台、軽自動車を含めまして五百八十四万台、特例対象が二百十九万台、減収額が二百八十六億円ということでございます。  平成十四年度分でございますが、登録台数四百七万台、軽自動車を含めて五百八十八万台、特例対象の台数が三百五十六万台の、減収額四百七十億円というふうになっております。  以上でございます。
  166. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 こちらの方も先ほど環境省のお示しになったように、新車販売、これは六割を超えて優遇措置を受けておられるということで、新しい車を買うときの減税になっているんですね。大気汚染の方でどうかというとまだ効果は現れないということなんですけれども、やっぱりこれではメーカーの新車販売促進になっていて、所期の目的が本当に実効があるかなと。大臣もふんふんとおっしゃっていますけれども、本当にそう思うんですよね。それぞれ基準を策定するに当たってはメーカー側と打合せがあると思うんですけれども、やっぱり政策対応は新車だけでは今のこの政策的な実効性がないと。  今日は国土交通省に来ていただいていますが、後付け装置による排出ガス性能の改善というのが可能になってきているそうですが、この方向というのが非常に大事だと思います。また、物を大事にする、何でもすぐ一律に廃棄物にすると、こういうことを止めるためにも必要だというふうに思いまして、政策的にもこういう支援が重要だと思うんですけれども、PDF費用の助成と実態をお示しください。
  167. 中山寛治

    政府参考人中山寛治君) お答えいたします。  DPFなどの後付け装置の装着補助につきましては、自動車NOx・PM法対策地域の環境改善に資するという観点からPMだけでも低減することを促進すべく、自動車NOx・PM法対策地域内に走行する大型ディーゼル車に対するDPF等の装着時について現在支援を行っているところでございます。今年度におきましては、当初予定されていました四十億円の二割増しの四十八億円の予算措置を講じたところでございます。  平成十六年度のDPF等補助金につきましては、厳しい財政状況の中、今年度と同様に四十億円の予算規模を確保しているところでございまして、今年度の同補助金の執行状況を踏まえ、できる限り円滑な執行が図られるように適切に取り組んでまいる所存でございます。
  168. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 御努力は買うんですけれども、その四十億円というのはもう六月でもう一杯になっちゃったんですね。今四十八億にしたと。今年度また四十億なんですよね。だから、別に税制中立とかそんなことを私言いませんけれども、やっぱり必要じゃないかと。  いろんな自治体では実はディーゼル車対策とか後付けの助成というのをいろいろと苦労してやっているんです。実際に中小零細のところが多いものですから、例えば名古屋ですと補助は二十台なんですね。ところが、買換えが必要なディーゼル車というのはこの名古屋市内だけ見ても十四万台なんです。買換えしないと後付け装置が必要になってくるという、こういうのがあります。  私は、大気汚染対策として自動車の排ガスというのが緊急の課題で、さっきも言われましたが、窒素酸化物のNOxだけじゃなくて粒子状物質のPMの低減、この同時が必要だと思うんですね。これ第一号が認定されたというふうに聞いているんですけれども、八百台、一年に八百台しかできないと。大規模に普及を図るには大手メーカーの取組も欠かせませんが、国としても各省連携してメーカーにもきちんと言っていただきたいと、こういうふうに思うんですけれども大臣、どうでしょう。
  169. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的にはこれは商売をしておられる方の話にもなりますんで、一方にこれやれと言っても、なかなか受ける方は、ちょっとそんな簡単に言ったって、新車の方がもうかるからとか、こっちやりたいけれども、それだけラインを一つ別に割かにゃいかぬとかいう、ちょっといろいろ作る側の立場に立ちますといろんなことを考えにゃいかぬ。傍ら環境の問題はと等々、ちょっとなかなか役所としてこうしろとか言うのは、ちょっとなかなか言いづらいところかなという感じじゃないでしょうか、一方的に言い付けちゃうというのは。
  170. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 さっきから税金の減税と重課税の話を聞いていますでしょう。だから、こういうふうで非常に税金も掛かるし、あるいは拒否されちゃうとかというのがあるものですから、やっぱり地元の自治体からすれば、そういった事業者が倒産したりもう仕事をしなくなっちゃったら税金も入ってこなくなるという、そういうこともあって努力をしているんですよ。だから、やっぱり大規模なメーカーですね、トヨタさんとかね、そういうところの開発というのが本当は必要ではないかなと私は思いますので、国としてしっかりと認識をしていただきたいと思うんです。  次に、法人関係税の制限税率のことなんですけれども、固定資産税の制限税率廃止をすると、税率の上限、各自治体で決められるということになります。個人の資産への課税で制限税率を廃止するわけですから、当然、法人関係税の制限税率というのも廃止されてしかるべきだというふうに思いますけれども、この制限税率を法人関係税、残されたのはどういう理由でしょうか。
  171. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 地方団体が納税者の理解を得ながら、課税自主権を活用いたしまして、地方税の充実確保を図っていくということが重要な課題であるというふうに認識をしております。  制限税率につきましては、昨年十二月の政府税制調査会の答申におきましても、制限税率の見直しなど地方の税率設定の自由度の拡充を図る必要があるとされておりまして、平成十六年度税制改正におきまして固定資産税の制限税率を廃止をするということとさせていただいているところでございます。  地方法人課税につきまして、これも廃止すべきではないかというお考えかと存じますけれども、既に都道府県の県民税、法人の均等割につきましては制限税率を設けていないということでございまして、また平成十六年度からは、法人事業税の制限税率を、標準税率の一・一倍でございましたのが、これはもう既に法律改正はされておりまして、一・二倍になるということになっております。  しかしながら、地方法人課税の制限税率を廃止してはどうかということにつきましては、政府税調の答申におきましても、制限税率の見直しの際には法人の総合的な税負担の適正化の要請にも十分配慮する必要があるとされているところでございまして、こういうことも踏まえまして、より多くの議論をいただいて慎重な検討を行わなければならないのではないかというふうに考えております。
  172. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 税金は、もうかったところ、お金のたくさんあるところからきちんと取っていただくというのが大事だと思うんですね。  自由度というんでしたら、法人の場合でもやっぱりきちんとそういうのは撤廃する。法人事業税は外形部分もありますけれども、それは四分の一ですよね。事業税にせよ、法人住民税の法人税割にしても、結局赤字のところは課税できませんよ。だから、そういうことですから、固定資産税の場合と違うと思うんですね。  さらに、自治体における地元事業の振興への努力を見ると、安易に引き上げるんじゃないかという懸念があるということも言われているんですけれども、私はそういう懸念は及ばないというふうに思うんです。だから、やっぱり何というんですか、弱いところに対する負担が、弱いところの痛みというのが重くならないように考えていただきたいと思うんです。  同じことでいいますと、国税における連結納税制度の創設のときに、地方税においては税収の影響が大きいので導入しない、こういうふうになりましたよね。ところが、今回、欠損金の繰越控除の期間というのを五年から七年へ延長になるわけですけれども地方財政への影響は大きいと思います、これだけでも。だから、連結納税制度のようにやっぱりこういう導入は見送るべきでないと、こういうふうに思うんですけれども、そこはどうなんでしょう。
  173. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) お尋ねがございましたとおり、平成十六年度の税制改正におきまして、法人税において欠損金の繰越期間を現行五年間でございましたのを七年に延長をするというような所要の改正が予定をされております。  これは、金融、産業の構造改革を促進をするなどの観点から行われるものでございますけれども地方法人課税におきましても、一つは不良債権処理など事業再生に取り組む企業への支援が必要ではないかという観点と、あと二つ目は、事業税等の所得の算定が原則として法人税の課税標準でございます所得の計算の例によるというふうにしておりまして、今後もできるだけ簡素な税制を維持するという観点からいたしますと、これらに倣った現行制度を維持をするということが適当ではないかというような、この二つの観点から法人税と同様の取扱いとするということにいたした次第でございます。
  174. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 何か説得力ないと思うんですね。  地方自治体で導入した外形標準課税でも、地方独自のものなんですよね。地方地方としてどうあるべきか、こういう検討をこういうときにきちんとしていただかないといかぬと思うんです。  例えばこれは反対のことなんですけれども、もうお金がないから、じゃどこからお金を取るのかと考えて、もう法人とかそういうところは取れないからというので、老年者控除の廃止、これはもうちゃんとやりましょうと。だけれども、そんなことやられちゃったら、住民、その地方自治体の住民ですね、そこの影響を考えると本当に困るんです。そういうのは要するに地方自治体に跳ね返ってくる、怒りとして跳ね返ってくるんですよね。だから、そういうのはやめようということは思わないわけなんですか。
  175. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 老年者控除の問題でございます。高齢者の健康状態、経済力等多様でございまして、年齢だけで高齢者を特別扱いをするという現行制度につきましては、見直しの必要性がかねてより指摘をされていたところでございます。老年者控除は六十五歳以上の大部分の方々に適用されまして、実質的に年齢だけで、年齢だけを基準に高齢者を優遇する、そういう制度になっております。  こういう状況を踏まえまして、世代間の税負担の公平を図るというような観点からも、高齢者にも担税力に応じた負担を求めるということといたしまして、老年者控除を廃止をするということにしたわけでございまして、これは国税、地方税ともに考え方としては同じでございます。
  176. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 何か財務省みたいなことをおっしゃいますけれども地方自治体というのは住民の生活と直接向き合って行政やっているわけですよね。だから、この財政運営、お金の勘定というだけじゃなくて、住民の生活への影響というのがもろに受けるわけですから、やっぱりそういうことはきちんと地方自治体の立場に立ってよく聞いて検討していただく。やっぱり、取るべきところからは取らないで、弱いところには痛みを押し付けるという、私ども、そういう、それが小泉流の構造改革なのか知りませんけれども、それは私、おかしいというふうに思うんです。  大臣、私、片山大臣にもお伺いをしたんですけれども三位一体のとき、ときというか、私が三位一体を言いたくて言っているわけじゃなくて、総務大臣とかいろいろおっしゃるから伺っているんですけれども、とりわけ交付税交付金のことですね。この原則を大臣はどうお考えなのかちょっと伺いたいんです。  地方交付税のことですね。財源保障機能と財政調整機能というのが私は二本の柱として非常に大事だと、これは今後も重要な柱、重要な制度だと、こういうふうに思います。今日、財務省の話を聞いておりますと、財源保障機能というのをだんだんと後退していくというような、そんなふうにも受け取れるんですけれども、そうであっては、やっぱり最初から御質問しているんですけれども、そういうものではないと私は思うんですけれども大臣どうでしょうか。
  177. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的に、今後、仮に今進んでおります町村合併が今ありますとおりに進んだとしても、これは地方において税収入の格差が残るということは間違いないと思われます。  したがいまして、行政の最低なサービスを維持するためにも、私どもから言わせると、その財源をある程度調整しないとなりませんので、その意味では交付税ということの持っております、本来の交付税の持っております機能というものは基本的には残さないかぬことになりますし、当然それに対して財源保障というのは必要なことになると思いますので、今いろいろな話がいろいろ出ておりますが……
  178. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 調整機能と財源保障機能。調整機能と財源保障機能。
  179. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 両方両方とも二本の柱であることは当然だと思います。
  180. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 本当にこの原則というのをしっかりと守っていただきたいと。先ほどちょっと新聞記事で、要するにこの交付税交付金を減らしていこうという、そういう財務省の今日の朝の議論でもあったんですけれども、そういうところからやっぱり地方皆さん方というのは、非常に一体何を国は考えておるのかという怒りがわいてくると私は思うんですよね。  次に、この交付税の算定基準でいろいろなものがありますが、入っていなくてもやはり標準的なものではないかというのの大きな例として、子供の医療費の助成の問題について伺いたいと思います。  今日、厚労省も来ていただいていますが、今、乳幼児医療、子供の医療費の助成、無料制度はどういう実態になっているのか。対象年齢とかあるいは自治体の数というのを、最新の数字とその前年の数字。最新というと去年、〇三年度四月ぐらいだと思いますが、〇三、〇二の比較でお願いをいたします。
  181. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 乳幼児医療費助成制度の実施状況についてでございますが、平成十五年度の調査では、三千二百九の全市町村におきまして何らかの形で乳幼児医療費の助成を実施をしているというところでございます。  そのうち、入院につきましては、例えば三歳未満を対象、助成対象とする市町村は四百十八でございます。それから、就学前のお子さんを助成対象とする市町村は千八百五十八となっておりまして、何らかの形で就学前までの助成を実施している市町村は合計三千五十六市町村になります。  それから、通院につきましては、例えば三歳未満を対象とします市町村が千七十六、就学前を助成対象といたします市町村が千八十一となっておりまして、何らかの形で通院に関して就学前までの助成を実施しているのは合計三千百一市町村になります。  それから、平成十四年度と十五年度の比較した数字で見ますと、助成の対象年齢が入院、通院ともに引き上げられてきているという傾向が見られるところでございます。
  182. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 ありがとうございました。  私も、今お答えいただいたものの資料を皆さんのお手元の資料の四ページ目と五ページ目に付けてあるんですけれども、確かに各自治体が非常に努力をされて、今御説明があったようにすべての自治体、これ町村合併で自治体の数が減ってきているので数字が減ってきているんですけれども、二〇〇一年からは全国の都道府県すべての市町村でこれが何らかの形で行われています。地方自治体は頑張っているんです、補助金は全然ないんですけれどもね。  それで、もう一つ伺いたいんですけれども、厚労省に。二〇〇四年から小児医療の診療報酬が改定されて、時間外とか休日とか夜間、深夜、これ加算をされるということですが、これはどういう影響になるんでしょうか。
  183. 中島正治

    政府参考人中島正治君) 平成十六年度の診療報酬改定におきまして、小児医療については小児救急医療体制、特に夜間の診療体制に応じた評価の充実を行ったところでございます。具体的に申し上げますと、小児科におきまして時間外の受診が多い傾向がありますことから、その対応といたしまして、六歳未満の小児の初診時の時間外加算について、これまで百二点でありましたものを百十五点に引き上げますとともに、時間外加算を算定できる場合を拡大をしております。  また、地域で連携して夜間や休日の小児医療の担当をする場合の点数であります地域連携小児夜間・休日診療料というものがございまして、これについて、算定要件を緩和いたしましてより多くの施設で算定できるようにするというような改定を行ったところでございます。
  184. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 時間外や休日、深夜の診療が多い子供さんの診療を保障するというのは、私はいいことだと思うんですね。ただ、これで医療費が多くなるんですね、窓口で支払うのが。で、こういうふうに今のこの無料をずっとやっていますと、自治体の負担が多くなるということなんです。自治体が、これ年齢もどんどん拡大しているということは、最初は赤ちゃんの医療費だけだったんですけれども、スタートのときは。今では、ごらんいただくと十八歳になる年度末までということで、ばらつきはありますけれども年齢がどんどん拡大をしているんですね。  で、今、少子化対策とか子育て支援というのが国の最重要課題の一つとされているときに、やっぱりこの乳幼児の医療費無料制度というのを国の制度にすべきだというふうに思いますけれども、それ以前でもやっぱり私はこれ交付税算定措置、全部の自治体がやっているんですから、交付税の算定措置、標準にするんだと、こういうのが必要だというふうに思うんですけれども大臣、御感想はどうでしょう。
  185. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、それこそ給付と負担の話の最たる例なんだと思うんですけれども、その分だけそれは間違いなく税というものがそのうちに出てくるということになるんですよね、基本的には。そこのところの考え方で、これは給付と負担として、それは子供を持っている人はサンキュー・ベリー・マッチ、子供が生まれない家にとりましては何で私がというようなことになるという最たる例なんだと思いますので、ちょっと今急に御質問いただいたのでなんですが、感想はと言われれば、はあ、これはなかなかちょっとこの場で賛成ですとも言えぬし、いや、これは丸々駄目ですとも言える話じゃないかなというところです。
  186. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 丸々駄目だなと言えない、これは全国すべての自治体でやっているという、必要があるということなんですよ。だから、やっぱり必要のあることは、必要があってみんながもうどんどんと拡大しているということは、こう算定すべきだと私は思うんです。だから、今日ちょっと時間がありませんので答弁を求めませんけれども、是非、是非考えておいてください。  三位一体で厚労省は、特別養護老人ホームの建設に対する国の補助金というのも削っていて、今各地で深刻な問題になっています。今日ちょっと私時間がなくて、来ていただいても質問ができないんですけれども、やっぱりこういういろんな事業があって、それをお金で削っていくということから、こういうことが起こるんですよ。  で、愛知県の中山間地で北設楽郡というところが五町村あるんですけれども、四月から日曜と祝日の休日当番医というのが廃止になるんです。これは、国庫の補助金が税財政三位一体改革で四月から削減される、こういうのが追い打ち掛けているって、もう三位一体だからということでいろんなことがあるんですね。だから、こんな事態は私はあってはならないと、こういうことを是非大臣に肝に据えていただきたいと。  次に、地方公務員の時間外労働のことに移ります。  資料を見てください。一枚目、二枚目、三枚目ですが、これは一昨日いただきました地方交付税関係参考資料、これを再掲させていただきました。これ、地方交付税の算定基準によりますと、職員の時間外手当、給料の年額に対してそれぞれ一般職員は百分の七、教育職員は百分の六、警察職員は百分の十三、消防職員は百分の八、こうなっていますね。じゃ、地方公務員の年間の時間外労働は何時間になっているんでしょうか。
  187. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 我々、交付税の算入におきまして、特に時間という観念でやっているわけじゃなくて、ここに今御指摘ございましたとおり、給料年額に一定の割合を掛けて積算を行っているわけでございます。これは、実際の支給の実態を見ながら地方財政計画に所要経費を算入し、それを交付税の中で位置付けているということでございます。
  188. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 実態に見合うかどうかが今日の私の質問のテーマなんですね。このいただいた資料の十一ページに、そこ、職員給与単価表がありますね。これといろんな法令に従って、三枚目の資料をごらんいただけますか。私、これを計算をしてみました。  B職員という、十一ページの一番下にあるところですね。まず勤務時間法第五条で一週間の労働時間四十時間。で、年間の労働週は給与法第十九条で五十二週。これを掛け合わせますと、年間所定労働時間二千八十時間。B職員の年間給与は二百七十万四千八百円ですので、その勤務一時間当たりの給与は一千三百・三八四で、給与法第十八条二で端数切捨てですね、だから千三百円。で、超過勤務手当は人事院規則九—九七で百分の百二十五ですので、一時間当たりの超過勤務手当一千六百二十五円。で、この職員Bの時間外手当は十八万九千三百四十円と、こう定まってありますので、これを時間に直しますと年間百十六・五一時間。同様の手順で職員Aというところも試算しましたが、年間百十六・五〇時間ですね。  で、つまり、職員の年間時間外労働を百十六時間しか見ていないんですね。今、局長は実態にと言ったんですけれども大臣、一年間に地方公務員というのは百十六時間ぐらいしか残業をしていない実態だということを聞いて、どう思われますか。
  189. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、このAの話と、何ですか、Bというのになっているんですけれども、これは基本的には、元経営者の立場から言わせていただければですな、これは残業をさせるような組織はそもそも駄目なんです。残業はなるべくしないようにするようにするのが最も正しい首長さんのやるべき態度なんだと思っておりますので、これ、たくさん付ければどんどんどんどん残業が増えていくなんていうのは、これは駄目です。  基本的には、百十六時間と言われて、ちょっとよほど、実際が二千八十時間ですか、こんなにしているというのはよほどふだん、よほど仕事がむちゃくちゃに多いのか、何かちょっと不思議、二千……
  190. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 正規の時間。
  191. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 正規の時間。ごめんなさい。  これ、超過、百十六時間。交付税で百十六時間、百十六時間ね。何となく、今民間で超過は、基本的にはもう必ず時間内に帰れというのが、今基本的には民間の仕事でさせるような方向で動いているときですから、何となく百十六時間と言われて、うん、まあそんなものかなという感じがしないでもありませんけれども。  なかなか一概に比較はできないところなんですよね、正直なところ。ですから、これを聞かれて、実際はもう少し多くてもという感じがしないでもありませんけれども、ただ、残業というものは基本的にさせないように仕事を段取るというのが上の、上級職の、上級職というか、課長とかそこらの仕事だと思いますので、残業が多くなったところの方は、社長から見れば、何でこんなに多くするんだというような形になるのが普通の会社の形だと存じますが。
  192. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 実態と懸け離れています。  交付税の算定基準というのは、これだけの仕事をするのにこれだけの定数が要るというふうに算定されて、それでここの数字が、これは私が持ってきたんじゃなくて、総務省が出された数字ですからね。  実際には、地方公務員の勤務時間短縮方策に関する研究会というのが報告書を出しているんですけれども、一番多い方で一か月、一か月当たり平均で十四・五で、多い方が、時間外五十時間以上の方が三九・七%。仕事が一杯あるんですよね。いわゆる四・六通達と言われて、二〇〇一年に、民間にそれこそ残業を余りしないように、サービス残業をしないために労働時間きちんと把握しなさいというのを総務省も各地方自治体に出されたんですけれども、さっき局長は実態を踏まえて百十六時間と言われたんですが、実態をお調べになったんですか。
  193. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 私どもの方では、普通会計に属します職員につきましての給料、調整手当から時間外をマクロとして数字でとらえておりまして、それを時間外の割合として給料との割合を見て七%というふうにマクロでとらえているわけでございます。
  194. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 マクロで定めても実態をつかんでいなくて、今、だから今の総務大臣のようなお答えが出てくるんです。  私は、二〇〇一年も片山大臣のときに、公務員の労働時間をきちんと短くする、さっきの総務大臣がおっしゃったような、そういうので質問をしまして、そのときも実態が分からないということでした。四・六通達が出てから、総務省は実態を調べるということも大事かもしれないということをおっしゃっていたんですけれども、やっぱり実態を調べて、公務員だったら残業をしても残業代支払わなくてもいいということは通らないものですからね、そういうのを今日は要望だけにとどめておきます。  あとの時間で、ドメスティック・バイオレンス、夫、恋人からの暴力根絶の法律について伺います。  今、参議院の共生社会調査会で法改正の議論が行われているのは御承知のとおりで、これは二〇〇一年の十月に一部施行、二〇〇二年四月に全面施行になったものです。  内閣府の調査では、夫や恋人から身体的暴力を受けたことのある女性は約六人に一人、命の危険を感じるくらいの暴力を受けた女性は二十人に一人にも上る深刻な実態が明らかになっています。そして、残念なことに、痛ましいDVの事件が報道されない週はないほどで、毎年百人以上の女性がDVで殺されています。  児童虐待とも密接に関係している問題なんですが、とりわけDV被害者が駆け込む窓口、相談や施策を受け持つ地方自治体の責務というのが多大であって、今回の法改正でも地方自治体の責務というのが明示されることになるわけなんですけれども、このDVの根絶という面でいうと、各省庁が力を合わせて取り組まなければいけないというところが非常に強いんですけれども、とりわけ関係の深い総務省大臣として、このDVの悲惨な現状そしてDV根絶のためにどのような御見解をお持ちなのか、お示しください。
  195. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これはドメスティック・バイオレンスのことですね、DVというのは、たしか。家庭内暴力のことなんだと思いますので。  昔は余り聞かなかった話ですけれども、最近よく聞くようになった事例の一つだと思いますけれども、これは基本的に被害者保護の責務をそれぞれ、国も地方もそれぞれに有しているということになっておりますので、これは基本的に地方地域に、近くにいる人の方がよく分かるところかとは思いますけれども、いずれも、地方も国もそれぞれ役割分担のことに責任を、責任というか積極的に取り組むという必要があると思っております。
  196. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 本当に深刻に受け止め、積極的に取り組んでいただきたいんです。  今回の法改正で地方の業務というのは明らかに増えるんですが、そのような認識が総務省の中にあるのかどうか。どんな部分で増えて、それにどう対応されようとしているのか、お示しください。
  197. 畠中誠二郎

    政府参考人畠中誠二郎君) お答えいたします。  先生今お触れになりましたドメスティック・バイオレンスの改正法案でございますが、この改正法案の中で地方公共団体との関係については、まず都道府県はDV防止及び被害者保護のための施策に関して基本計画を定めること、それから二番目として、被害者の自立支援を配偶者暴力相談支援センターの業務に明確に位置付けること、それから、この配偶者暴力相談支援センター、これは今都道府県しかございませんが、市町村もこのセンターを設置できるようにすることなどの内容を含む改正案が今御検討されているというふうに承知しております。
  198. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 その対応はどうですか。財政的支援が私は必要で、今、特交であの民間シェルターの部分をやっているんですけれども、このように業務が増えるということになるとやっぱり総務省も考えるべきだと思いますが、その点ではいかがでしょう。
  199. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 家庭内暴力に関するいろんな立法の動きがおありになるようでございますけれども、現時点におきまして、まだ新たに生じます事務の分量とか財政面への影響について詳細は把握しておりません。今後、国会におきます御議論とか、あるいは関係省庁の説明等も踏まえまして具体的な対応を検討してまいりたいと思っております。
  200. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 DV被害者の人権や安全を第一にした施策が充実を地方ができるように、私はきちんと検討していただきたいと思います。  そこで、DVにかかわる具体的な問題の一つとして、住基法では住基四情報は原則公開だとしていますけれども、DV被害者の住所が加害者に漏れますと命や安全上で深刻な問題になります。  そこで、住基四情報と戸籍の付票について個人情報保護策を今検討中ですけれども、少なくとも今度の法改正が施行される前にそういうことがきちんと準備されて、きちんとやっていただかないといかぬと思うんですけれども、いつまでに行われるでしょうか。
  201. 畠中誠二郎

    政府参考人畠中誠二郎君) お答えいたします。  ドメスティック・バイオレンスと住民基本台帳の閲覧・交付請求との関係でございます。  この問題は昨年の通常国会でも御議論がございまして、たしか八田先生からも御質問があったやに記憶しておりますが、今、私どもの方で堀部先生を座長といたしますドメスティック・バイオレンス、ストーカー被害者保護のための住民基本台帳の閲覧、写しの交付制度に係るガイドライン研究会という研究会を設けておりまして、この研究会の報告書はこの年度内、年度内と申しますともう三月でございますが、三月中に取りまとめる方向で作業しております。これが取りまとめられますと、それに基づきまして、私どもとしましては、事務処理要領等を改正し、など所要の措置を講じた上でできるだけ早い時期に地方公共団体において適切に措置が講じられるよう進めてまいりたいというふうに考えております。
  202. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 終わります。
  203. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今、自治体は看板に偽りありの三位一体改革で二兆六千億円にも上る交付税等の削減をされるなど、一般財源の減少にも大変苦しんでいるというのは、せんだってから予算委員会、そしてこの委員会でも幾つも出されている、これが現実です。昨年この委員会で満場一致で推進を決議をした三位一体改革とはもう全く懸け離れてしまっていると言わざるを得ない。そういう意味で、極めて遺憾だと申し上げざるを得ないと思います。  地方税法の問題についてからこれ入りますけれども、そこで、課税自主権を広げてあげますよ、自分で増税しなさい、こう言われても、当然納税者の反対が強いし、しかも狭い自治体の圏域の中ですから、これは余り喜ばれる話じゃないわけです。  今回の改正案には、課税自主権広げますよと、こう言いながら、一方でその逆の自治体を規制する方向も含まれている、こういうことがあります。つまり、法定外税について新たに特定納税義務者の意見を議会で聴くことが盛り込まれたわけですけれども、これは今あちこちで起こっている原発や核燃料に対する自治体の課税の動きを牽制する手続じゃないんですか、これは。  法定外税で、もしこの制度があれば意見聴取が必要になるケースにはどんなものがあるのか、まずお示しいただきたいと思います。
  204. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 今回の地方税法の改正案の中にございます法定外税の制定の手続の一つについて御質問かと存じます。  今回創設をいたします特定少数納税義務者意見聴取制度とでも申すものかと思います。これがもしあったとすれば、これまで実は三十八件の法定外税が導入をされているところでございますけれども、どのようなものがこの対象になったかという意味でお答えを申し上げたいと思うんですけれども、制度自身は、継続的に法定外税全体の課税標準の十分の一超を占めると見込まれる納税義務者がいる法定外税の新設、変更を行う場合に議会における特別納税義務者からの意見聴取を義務付けるというものでございます。  これまで同意をいたしました三十八件のうち、厳密に検証をしたものではございませんけれども、私どもの方でチェックをいたしましたところ、核燃料関係の税では十五件、産業廃棄物関係の税では三件、その他で六件の合計二十四件についてはこれに該当をすることになったんではなかったかというふうに思っております。
  205. 又市征治

    ○又市征治君 だから、私は先ほども申し上げたように、この、今、法定外普通税などでいうならば圧倒的に核燃関係なんですよね、金額でいいましても。そういう点で、総務省はまるで原発事業者など少数者から税を取ること自体が好ましくないと考えているんじゃないですかと、こう言いたくなる。逆に言えば、多数者から取る税には意見の聴取は要らないと、こういうことを言っているわけですよ、これは。  少数者といっても、こうした課税の場合一般には巨大企業なわけですから、担税力も十分にあるし、社会的、経済的責任もあるんだろうと思うんですよね、大臣。問題は、ここのところをどういうふうにお考えなのか、ちょっと大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  206. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、これは今回の制度の何か新しくできました制度によれば、これは納税をする側に立たされる人からの意見を聞いた上で、納税する側ですよ、意見を聞いた上で法定外税の可否を判断していただければいいということになっているんだと思うんです。その法律、そのとおりになっている。したがいまして、その制度の創設が法定外税の導入を妨げることには形としてはならぬということになっておるのが、私ども、まず今伺って思ったところです。  もう一つは、今回の法定外税という話をやっていましたときに、何となく、税の取れるという話にぱっと目が行くのはよく分かりますけれども、例えば森林環境対策に対して金を取る、税を取るという話などが出ておりますけれども、こういったのはいわゆる森林環境というものを守らにゃいかぬから水資源をきちんとせなきゃいかぬと、そういった意味で啓発するという効果もこれは決して少なくないんだと思っておりますんで、これは税率設定等々いろいろ考えていくときにもいろいろ大事な点だと思いますけれども、取る以外にもそういう啓発する部分もあるという点も併せて考えておく必要があるのではないかと思っております。
  207. 又市征治

    ○又市征治君 私が申し上げているのは、こうした巨大企業はどっちみち議会に対しても政治力あるし、声も大きいわけで、そこへこの意見聴取を法律で義務付けるというのは正に屋上屋じゃありませんかと、こう申し上げているんですね。彼らのためだけに特別に保護手続をむしろ今の場合定めることになるんじゃないのか、そのことは自治体の課税自主権が逆に狭まることになるんじゃないんですかということを申し上げているんで、そういう運用になっちゃいけませんよということなんですよ。これはこの程度にとどめておきますが。  次に、所得譲与税の問題について移りますけれども、所得譲与税というよりも、それをうたって削減をした補助金についてということであります。  いわゆる広義の広い意味での補助金というのは委託金、そして負担金、狭い意味での補助金のこの三つのランクがあって、今言った順で国の義務性が強いというふうにされております。ところが、今回削減の公立保育所や義務教育費というのは国庫負担金ですから、今申し上げた第二順位の中に入るんだろうと思います。  国のナショナルミニマム性の強いこれらについてもう最初から削減の手が付けられたわけですけれども、自治体にすれば補助金が切れたからといってこれらの事業はやめるわけにはいかないものばかりでありますから、結局、移譲された税源や交付金で穴埋めをせざるを得ない、つまり自由度はずっと言われているとおり全くゼロじゃないかと、こういうことになりますね。ですから、順番から言えば、まずは奨励的な補助金、そしてまた財政援助的な補助金から見直すべきだったんじゃないのかというのがこの点ですね、大臣。  是非お聞きしたいんですが、大臣自身も、自由に切れといっても首長さんは保育や義務教育などというのは住民ニーズがあって切れるわけないじゃないですかと、こうおっしゃっておられた。そういう意味で、むしろやり方が、順序が違っているんじゃないですか。この点についてどうでしょう。
  208. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 生活保護を切るという話が最初にありましたときにはいかがなものかと、これは憲法で決められていますので。  ただ、保育の場合は、例えば、これは地域によってもいろいろあろうかとは思いますが、例えば公立保育園というものを公設民営にするということは今まではできませんから、公立保育園に対する補助金ですから。しかし、市がいわゆる税金として、代わりに補助金から地方税に変わったわけですから、その地方税を自分の自由裁量権で、公設民営といって民間のあるところには、福祉法人というのが普通ですけれども、福祉法人にやってもらうということによりますと今までとは全然違ったものになって、保育園として何とかかんとかということは、それは私立に対するものとあれとは全然違った形になり得るんです。いろんな意味では、その面じゃ自由度が出た。  義務教育国庫の話については、あれは退職金の話で来ましたので、あれはもう丸々動かしようがないし、あれは全然自由度が全然ないからこんなものは駄目ということを申し上げているんであって、私どもは、この公立保育園の件に関しましては、いろいろまだ細目、何でしたっけ、いろいろあるんですよ、あれはたしか。駅前なら二十人じゃなきゃ駄目だとか、遊び場がなきゃいかぬとか、もう細かいのは一杯、余りよう訳が分からぬのが一杯あるんですが、幼稚園と保育園の差なんぞ、どこがどこだかよう分からぬのですけれども、とにかく調理場がありさえすれば保育園として認めるとか、まあ細目聞かれたらとてもじゃない、一回聞いたんじゃとても分からぬような話が一杯あるんですけれども。  冗談抜きにして、例えばそういうものであれば、幼稚園の方が空いているのであれば幼稚園に預かり保育してくださいと、少なくとも延長保育もしてもらえませんかという話を持ち込むということも、今回は少なくとも税で入ってきますので、そういった意味では、その運用は首長さん、首長さんの裁量権において随分いろいろ、住民にとって、預ける側にとっては楽になっておりゃせぬかなという感じがいたします。
  209. 又市征治

    ○又市征治君 大臣、私、後段の方だけ言ってもらっちゃ困るんで、私が申し上げたのは、補助金を税源移譲に振り替えるその趣旨と優先順位の問題。つまり、本来ならば、この自由度が全く高まらない、ゼロのような、保育であるとかあるいはこの義務教育の問題が優先をされていくんではなくて、奨励的な補助金であるとか財政援助的な補助金から見直すべきだったんじゃないですかと。ここのところは大臣の側も一生懸命やられたんでしょうけれども、残念ながら財務省にここのところは随分と押し込まれてしまったんじゃないですか。我々はここのところが、それこそ三位一体改革、ここの委員会みんな満場一致でやったんですから、みんな応援しているんだが、ここが狂っているんじゃないですかということを申し上げたんですよ。
  210. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には三位一体の話は、先ほども申し上げましたけれども三位一体部分で、少なくとも地域主権になっていく部分で考えられる三位一体の話と、いわゆる地方の二百四兆にもなります累積債務を減らすためのいわゆる三位一体、中に入ってくる、歳出の削減一緒になって入ってきていますものですから、何となく三位一体の話は、こっちの方から聞けば間違いないんですけれども、今のそのスリム化の話が一緒に入ってきていますものですから、何となく感情的には、何だ、話が違うじゃないかということになっておるというのは私もよく分かるところなんです。  しかし、基本的にはスリム化をしなきゃいかぬところもありますので、さっき言われた後段の部分というのでいえば、それはかなりスリム化をしなきゃいかぬことになっている部分がそっちなんで、もう一つは、やっぱり同化定着という、よく言われる既にもう決まっちゃっているもの、そういったものにつきましては、約、今回、同化定着、定型化しているというもの、約七百億ぐらいだったと思いますが、──七百億、七百億だったな、たしか。七百億ぐらいのものはきちんと同じように地方に渡された部分というのもあります。  いろんな意味で、これは細かく言うと幾つもあるんですけれども、結構おっしゃる意味は分かるんですけれども、ちょっと減らしてもいただかないかぬ、従来どおりと言われてもちょっとなかなか難しいというところだと存じます。
  211. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ、今日は厚生労働省にも来てもらっていますが、今大臣からも生活保護の問題出ましたからね、その点について伺いますが、今回は生活保護の問題は見送られましたけれども、一九八〇年代にもこの地方分権という口実で地方への支出を減らそうという動きがあって、一九八五年に生活保護の補助率が八〇パーから七〇%へ一挙に引き下げられましたですね。これでは、仮に税源が移譲されたとしても、自治体はそれ以上の額を結局は補助率を引下げの穴埋めに、埋め合わせに使うしかない、こんな格好になってしまうわけです。生活保護行政は国の基準が強くて、自治体の裁量権、非常に小さいですからね。  そういう意味で、生活保護の削減は、国と地方の役割、費用負担等について地方団体関係者等と協議し平成十七年度に実施すると、こういう合意が、これ今も残っているんですか。これはそういう意味で補助率を、この中身は補助率を再び引き下げるという、こういう考え方なんですか。この点について、厚生労働省、見解をお願いします。
  212. 小島比登志

    政府参考人小島比登志君) 生活保護負担金につきましては、昨年末の三位一体改革におきます政府内の調整に際しまして、国の負担割合を引下げを提案したというところでございますが、最終的には削減の対象とはならないで、先生御指摘の政府・与党の合意に至ったということでございます。  私どもとしては、その合意に基づきまして、地方の必要とする財源の確保を前提に、生活保護費の国庫負担金の見直しについて、関係省庁、地方自治体と協議をしつつ、検討してまいりたいというふうに考えていますが、その中には国庫負担率の引下げということも検討していかざるを得ないものと私たち考えているところでございます。
  213. 又市征治

    ○又市征治君 その生活保護であれ、あるいは義務教育やあるいは保育であれ、ナショナルミニマムの領域ですよね。その国庫負担を減らすことが目標で、それで地方自由度を増やすなどというのは、そんなもうおこがましい話で、全くの、国民が求めていることと全然正反対にすぎませんよ。だから、正に今度の改革と言っているのは改悪でしかないじゃないか。そういう意味で、市町村あるいは各自治体側が悲鳴を上げているという、こういう状況にあるんだろうということを改めて強く申し上げないかぬし、今出たように更に負担率の引下げと、こういう話まで出てくる。もう大変な問題であると思います。今日はこれ以上突っ込みません。  小島局長も、何か別の委員会も、引っ張りだこのようでありますから、お引取りいただいて結構です。  次に、地方交付税の問題に移りたいと思いますが、地方交付税制度の本当の意味改革とは一体何なのかということについてお伺いをしてまいりたいと思います。  需要額を二兆六千億円も財務省の圧力に屈して総務省が削らされてしまったと、こう言わざるを得ないんだろうと思いますが、極めて論外と私は言わざるを得ぬと思います。先ほども出ておりますように、交付税制度そのものは、原資の不足が続けば原資の増加、つまり交付税率の引上げによって是正するということが基本なんだろうと思うんですね。ところが、このルールがずっと守られなくなってしまっている。確かに財政は厳しいというのは分かりますよ。しかし、この基本をしっかりと押さえていかなければ話にならない。  さっきも答弁、大臣からありましたように、この足らざるところをどうするかということと調整機能と、これは堅持していかないかぬというふうにおっしゃっているわけですが、と同時に、このルールが守られなくなって、次いで出されてきたのが、この原資の不足の穴埋めだといって、地方財政法が原則禁止をしている赤字地方債を臨時財政対策債の名前でこの地方に借金させてきた。私はもうこれは前から申し上げているんですが、これは元へ戻して、あくまでも交付税制度、交付税率の引上げというところへ行くべきだということをずっと申し上げてきましたし、これが交付税制度の根幹なわけですから、そういう指摘をしてまいりました。  しかも、この臨財債の特に悪いのは、その元利償還は将来の交付税需要として算定してあげますよと、こういうわけですね。つまり、国は責任を逃れて、将来の交付税財源を食いつぶさせている。いわゆる余りいい言葉じゃないけれども、タコの足を食っているようなこんな話ですよね。小泉改革では、この交付税の先食いによる当面の危機回避方式というのがこれ以上広げないようにしようということに決めたのじゃないですか。大臣、これはどうなんですか。
  214. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 臨時財政対策債による財源補てんについてのお尋ねでございます。  我々といたしましても、本来、地方の財源不足が大きい状況が続けば、それは交付税率の引上げというのが本筋であるというふうにも思っておりますが、現在のような国、地方を通じます財政状況の中でやむにやまれずと申しますか、今までのようなやり方を更に三年間、国、地方折半の下でやらざるを得ないかなという考えでおるわけでございます。  その際、国としてやはりこの臨時財政対策債について財源をきちんと対応していくという立場からは、その元利償還金について交付税で見ていかざるを得ないだろうというふうにまた思っておるわけでございます。それが将来の交付税の先食いではないかという御懸念ももちろんあるわけでございますけれども、我々はその段階その段階、その年その年できちんと、その年の地方団体にとって必要な交付税額は地方財政計画を通じて確保していくというスタンスでございますので、その点につきましては将来に禍根を残さないようにしていきたいというふうに考えております。
  215. 又市征治

    ○又市征治君 禍根を残さないということでやってまいりますと言ってきたけれども、つまり二〇〇一年に三年間だけだと、こう言って大体約束したんですよ。しかし、今度はまた何の弁解もろくにないまま更に三年延長すると、こういう格好ですよね。今年は減ったと言いますけれども、四兆一千九百億ですか、これも地方の負担増になるわけですね。  もう一つ指摘したいのは、今年はこの先送り方式の新たな質的な拡大が起こっているんじゃありませんか。地域再生事業債、額は臨財債よりも小ぶりですけれども、それでも八千億円プラスアルファと、こういうことになっていますね。当初の話は、八千億円発行するけれども、こっちは将来の交付税による補てん措置は取らないという説明でしたね。ところが、いつの間にか地方債計画額の枠を超えて配分するし、元利償還金についてやっぱり交付税の基準財政需要額に算入をする。これはもう大臣の政治的な判断で行われたんですかね、これ。このことをお聞きをしたいわけですが。  問題は、私は、地方に補てんしなくていいと、こんなことを申し上げているんじゃなくて、何か次々とこういうやり方を取られて、将来に禍根を残さないようにとおっしゃるけれども、いろんな御苦労をなさっているのは分かりますよ、だけれども、本筋に戻すべきじゃないかということで申し上げているわけですが。  つまり、改めてまた地域再生事業債などということを発行していく、このことは、地方債を後年度の交付税削減方式から脱却するという小泉改革に正に反する、そういうふうに私は思いますし、麻生大臣も、これはやむを得ないというところでもう踏み切られたのか、もう交付税の先食いレースにもう参加するしかないわということにお考えになったのか、この点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  216. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 地域再生事業債の元利償還の話につきましては、これは交付税措置を付けておるということによって、これはよく言う、片仮名語で言えばモラルハザードと言うんですけれども、あちらの、今寝ておられますのであれです、お休み中ですけれども、モラルハザードが起きるんじゃないかという、寝ている間にちょっと使わせていただきます、片仮名用語で言わせていただくと、モラルハザードを起こすんじゃないかという指摘があるのは、私、決して知らないわけじゃないんですが。  これは、基本的には実績を後追いするというんじゃなくて、いわゆる標準事業債というやり方でしておりまして、実績を何、後追いするんじゃなくて、後年度の基準財政需要というのを、ある程度きちんとしておりますので、後年度の基準財政需要に算入するということを最初から決めておりますので、決してその実績を後追いしてどんどん増やしていくということではないということは、ちょっと一概にモラルハザードを起こすんではないかという御心配の点は、その点は一応クリアしていると思っております。  それから、基本的にはやっぱり、又市さん、ある程度景気が良くなって地方税が上がってこぬとこれはなかなか難しいことは確かですな。これはやってみて、いろいろ、私どもこの半年間の間でいろいろ自分なりに勉強してみましたけれども、ある程度、国税というものが地方税に移るという分はもちろん大きいとは思いますけれども、従来あります地方税がある程度、事業所税とかいわゆる住民税等々の分が少しずつ、去年は二兆円振って、今年は微増ぐらいにはなると思われますけれども、そういったところが少し増えますので少し状況は違うとは思いますけれども。  そういうものが増えてくるというのが一番こういったものに対応はできると思う、いや、そういったものに対応ができるとは思うんですけれども、なかなかそれなしで、とにかくどんどんどんどん物価は下がっておる、売上げは下がっておる、利益は落ちておるという中でこういったもののカバーをしようというのは正直申し上げてかなり難しいと思いますので、非常にきついことになっておるという実態を踏まえてどうするかという話だと思います。
  217. 又市征治

    ○又市征治君 大変御苦労はなさっているんですが、いずれにいたしましても、自治体の現場はもう大変にひどい、先ほども出ましたけれども、だまし討ちだ、やみ討ちだという言葉が出てくるくらいに大変だということを、総務大臣はそうした地方の声をやっぱりしっかり受け止めていただいて頑張っていただかなきゃいかぬ。  だから、昨日の予算委員会で、片山前総務大臣が、多分麻生大臣のしり押しをしたつもりで言ったんだろうと思うけれども委員長自ら不規則発言で、こんな、必要以上に切り過ぎだ、三位一体とは関係ないなどという発言をされたというのは、いや、やっぱりそういう意味じゃ、余りにも今の三位一体改革というのは全然実態、目指してきたことと違うじゃないかということを言ったんだと思いますね。麻生大臣のむしろ後押しをしたんだと私は、いうふうに解釈をするんですけれども。  そういう意味で、ただ、こういう格好で進めていきますと、この調子で需要額及び交付税額を作為的に減らしていって、今ある収支不足十兆円、正確に言うとこれ十二兆円ということが正しいんじゃないかと思いますが、これを三年か五年で不足額ゼロになる、いや、もう帳簿操作をしてしまうことになるんじゃないかという御意見があるんですが、この点について大臣どうですか。
  218. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には今の数字、この一、二年間の極めて、デフレ不況下での数字を前提にして、今ある税収の伸びはこのままの前提にして考えて、かつ何もしなければ、簡単に言えば、極端なことを言えば、このまま試験勉強しなけりゃ落第しますよという話なんだと思うんですが。  少なくとも今申し上げたいろいろ努力もしていただきます、地方スリム化もしてもらいます、国税は地方税には移してもらいますよ、また税収もある程度、地方税は景気の、少し上がってきておりますので、そういったものがいずれ地方にということになってくると、その分の税収増も見込めます、いうようなことを、ある程度明るい方の部分をもう足して勘案しないといかぬと思いますが。ただ、又市先生おっしゃるように、今のまんま、そのままずっと行ったという前提に立った場合は極めて厳しいというのははっきりしておると思います。
  219. 又市征治

    ○又市征治君 交付税需要額を圧縮する目的で一兆五千億円も需要額を切り下げたり、地方公務員を、さっきからスリム化スリム化という話されているんですが、四万人も減らせと、こう命令するなどというのは、これは、表向き地方分権だ、あるいは地方主権だ、自由度を増やすんだと、こう言うけれども、とんでもない、中央集権だ、まるでむちゃくちゃじゃないかというのが自治体のやっぱり悲鳴ですよ。  そういう意味で、交付税制度が国の支出削減の手段に堕してしまっている、こういう指摘があり、全国の自治体、首長などが本当に悲鳴を上げているということを、大変なそういう声を上げているということをしっかりと是非受け止めてもらって、総務大臣しっかり頑張っていただく。そういう点でいうならば、これは総務委員会というところは、みんなそういう立場で三位一体改革問題、決議をし、満場一致でやって、去年後押ししてきたんですから、そういう立場で更に頑張っていただくことを、要請を強く申し上げて私の今日の質問は終わりたいと思います。
  220. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十八分散会