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2004-03-16 第159回国会 参議院 総務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十五日     辞任         補欠選任      高嶋 良充君     岡崎トミ子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         景山俊太郎君     理 事                 柏村 武昭君                 岸  宏一君                 山崎  力君                 内藤 正光君                 広中和歌子君     委 員                 狩野  安君                 久世 公堯君                 椎名 一保君                 世耕 弘成君                 山内 俊夫君                 小川 敏夫君                 岡崎トミ子君                 高橋 千秋君                 谷林 正昭君                 松岡滿壽男君                 渡辺 秀央君                 鶴岡  洋君                 日笠 勝之君                 八田ひろ子君                 宮本 岳志君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君    副大臣        総務大臣    田端 正広君        総務大臣    山口 俊一君    政府特別補佐人        人事院総裁    中島 忠能君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        人事院事務総局        総務局総括審議        官        関戸 秀明君        人事院事務総局        勤務条件局長   山野 岳義君        人事院事務総局        公平審査局長   潮  明夫君        総務大臣官房長  平井 正夫君        総務大臣官房総        括審議官     大野 慎一君        総務省人事・恩        給局長      戸谷 好秀君        総務省行政管理        局長       松田 隆利君        総務省自治行政        局選挙部長    高部 正男君        総務省自治財政        局長       瀧野 欣彌君        総務省自治税務        局長       板倉 敏和君        総務省情報通信        政策局長     武智 健二君        総務省総合通信        基盤局長     有冨寛一郎君        総務省郵政行政        局長       清水 英雄君        総務省政策統括        官        鈴木 康雄君        厚生労働大臣官        房総括審議官   長谷川真一君        厚生労働大臣官        房審議官     大石  明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (行政制度地方行財政消防行政情報通信  行政等基本施策に関する件)  (平成十六年度人事院業務概況に関する件)  (平成十六年度地方財政計画に関する件) ○地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び  納付金に関する法律の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付) ○所得譲与税法案内閣提出衆議院送付) ○地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十五日、高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。     ─────────────
  3. 景山俊太郎

  4. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 次に、行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、行政制度地方行財政消防行政情報通信行政等基本施策に関する件及び平成十六年度人事院業務概況に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 高橋千秋

    高橋千秋君 おはようございます。民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。麻生大臣に対して質問させていただくのは初めてでございますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。  私は予算の方の理事もしておりまして、今日もテレビの集中審議をやっておりますが、麻生大臣の方も、この参議院の方での予算委員会でも連日のようにこの三位一体の話出てまいりまして、いろいろ苦渋の答弁をされておられますが、やはり今日は一般質問ということでございますので、この三位一体の論議については避けられないと思います。この話をまず冒頭に質問させていただきたいと思いますけれども。  いろいろ私は今回のこの質問に対して資料を調べておりましたら、あるキャッチフレーズがありました。ちょっと三行ほどですので読まさせていただきますけれども、「地方税源を与ふれば 完全な発達は自然に来る 地方分権丈夫なものよ ひとりあるきで発てんす 中央集権は不自由なものよ 足をさせさし杖も与ふ」、こういうキャッチフレーズがありました。これは何かというと、一九二八年、昭和三年の初めての普通選挙、第十六回総選挙で、当時の二大政党の一つ政友会選挙ポスターキャッチフレーズなんですね。この中身、今、今年七月に参議院選挙ございますけれども、同じキャッチフレーズ使っても、ちょっと難しいですが、今風の言葉に換えてキャッチフレーズ書いてもこれをそのまま使えるんではないかなというふうに思いますが、御感想をまずひとつお伺いしたいんですが。
  7. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 明治四年の廃藩置県に始まって、やっぱり三百大名を四十七、当時は九十幾つあった、北海道辺り、函館県始め県が幾つかありましたので、今は四十七都道府県になっておりますけれども。  いずれにしても、当時全国に、各地方に江戸二百七十年間の間ばらばらになったものをとにかく近代工業化社会を作り上げて、当時のアジアの情勢は列強によります植民地化が進んでおる中にあって、断固その中にあって日本自主独立を保つためには、中央集権化された政府の下に日本近代工業化社会にすること以外に植民地化を避けることはできないという、当時の明治政府政治家の結論だったと思いますけれども、その当時それで推し進めて、結果としてはたった三十七年であのナポレオンすら勝てなかった当時の帝政ロシアに勝てたんですから、それは結果としては、方法としては決して間違っていなかったと思いますし、また戦後も、経済復興という国家目標一本に絞ってやるためには、いろんな意味官僚主導業界協調型と、多分そんな体制だと思いますが、それを作り上げて成功したんだと思いますが。  貧しいときはそこそこ行ったんですが、これだけ地方が皆、そこそこ皆一応、何でしょうね、地方公民館から図書館から体育館から一応持つところまで至ってくると、みんなが要るものはその地域によって差が出てくるのが当然でありますから、その地域において、その地域の判断に基づいて、うちの県は体育館は要らない、うちの市は体育館は要らないと、むしろこういったものが要るとかいう話は、むしろ地方の方がやりやすい、分かっておるという前提に立って考えるのが当然だと思いますので、時代にあって地方分権流れ地域主権というのが僕は正しいと思っておりますが、地域主権流れが出てきているというのはいいことだと思いますので、今の感想を言われて、その当時からもそういう意見があったんだと思って、改めてあの当時、あの時代政治家の方がよう勉強しておったなと、率直なそんな感じがします。
  8. 高橋千秋

    高橋千秋君 大臣の非常に歴史に対するいろんな知識等、ふだん聞かさせていただいておりますけれども、この三位一体改革については、予算委員会だったと思うんですが、三位一体という言葉はキリストの精神から来ているということを麻生大臣から予算委員会で聞かせていただきましたけれども、私はどうもその精神とはちょっと違って、三者ばらばら改革ではないかなというような感覚を受けるんですね。ばらばらというよりも、地方に随分痛みが逆に行っているような気が私はしてならないんですね。  それで、大臣地元の方でもいろいろお話はあるかと思うんですが、先日、予算委員会視察ということで三年ぶりに派遣ができたんですけれども、今、御存じのように予算委員会委員長片山総務大臣でございますが、片山委員長団長の下、鹿児島県と熊本県に予算委員会視察に行ってまいりました。そこで両知事から話を伺うという機会があったんですけれども、両方のその大臣地元である九州の二つの県の知事からも、今回のこの三位一体改革に対して大変な不満というか不平がそこでも随分述べられました。片山委員長総務大臣のように答弁をされておりましたけれども、正に全国から今このことに対して不平不満総務省又は総務大臣の方に上がってきていると思いますけれども、その辺はどう対応されておられるのか。  そしてもう一つ、既に知事会市町村会全国知事会は二月九日ですか、それから全国市長会が二月二十三日に、それぞれ地方交付税大幅削減に対する緊急コメントだとか三位一体改革に関する緊急要望というのが出ております。これは文書として出ておりますし、しょっちゅうマスコミにも出てきて、知事会での大変な文句等も出ているというのを当然目にされておられると思いますけれども、このことに対してどう思っておられるのか、まずお聞きをしたいと思います。
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、高橋先生おっしゃいましたように、私の選挙区、生活保護世帯率日本一を誇っているわけじゃありませんけれども、現実、北海道、福岡県筑豊というところはそういうところでありますので、財政指数は極めて低いところが私の選挙区でもありますので、今御指摘の点につきましては、かねてから私どもも直接、間接によく伺っておるところです。  これだけ大きな改革をいたしておりますので、地方税が累積で約二百兆を超えます赤字を抱えておりますから、これ、このまま放置はできないということで、まあ国と同じように地方もある程度ということで事を進めております。  私どもとしては、基本的には今おっしゃられている意味は、交付税の減り方が等々いろんな御意見があっておりますが、過日、共同通信がやりました全国調査というもので見ていただいても分かりますように、人口五万以上のところは総じて賛成行政区の人口が五万以上のところは総じて、六〇%以上のところが賛成反対方々が、ただ、御存じのように、これは町村数で割りますと、これ人口数で割りますと五万以上ということは約七〇%、七二、三%が人口五万以上のところに住んでおられることになりますので、町村数で割りますと逆に今度は、町村数は数が多いものですから、首長さんの数からいきますと約一五%ぐらいになります。そういった意味では、数字の差が出てくることになっておりますので、総じて反対首長さんが多いということになる、人口五万以下の数の方が多いわけですから。そこのところは私どももよく理解をした上で、それでも現実問題としてはかなり町村の小さな市町村の方に非常に痛みが出てくることは確かだと私どももそう思います。  したがいまして、その点につきましては、今後実際運営していくに当たりましては、財政再建債等々、いろいろなものを柔軟にかつ幅広く理解するような方向で、地域再生債とかそういったものを扱わせていただくことで対応させていただきたいと思っておりますが、流れとして小さなところの方により多く痛みが出ているということは確かだと思いますので、先生選挙区におきましても、多分同じように地元の中で小さな、三重の四日市なんかとは別にして、もっと小さな、まあ鈴鹿ぐらい行きゃちょっと大きなところですけれども、もう少し小さなところへ行けば行くほどその種の声がよく聞かれるところになるであろうと、私どももそう思っておりますので、そういった点につきましては私どもも個別に対応させていただかぬと、ちょっと一括皆同じというのと大分地域によって差が極端にございますので、そういったところは個別に対応させていただきたいと思っております。
  10. 高橋千秋

    高橋千秋君 ある程度は分かっていただいているというか、分かっていただいているとは思いますけれども、私は、合併自体はそう否定するものではございません。やはり効率的な運用するということを考えると、これは合併は確かに必要だと思うんですが。  私が今自分の住んでいる地区は人口が一万ちょっとの、私が成人式の日に村から町になったところなんですが、そういうところに住んでおります。日本というのはそういう小さなところもあって、いろいろなところがあって私は文化がいろいろ発達をしてきたすばらしい国だというふうに考えておりますけれども合併のことについて後でもう少し深く聞きたいと思いますが、そういう小さなところに痛みが出ること、そのことによってそういう小さな村とか町がなくなっていくことは、私はむしろ日本にとって不幸なことではないのかなというふうに思うんですが、大臣、いかがお考えです。
  11. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には古い懐かしい名前が消えていったというのは、例えば郵便局のときにも霞町だ、笄町だ、高樹町ら辺にありました名前南青山何丁目とか、およそいかがわしいんだか安っぽいんだか上等なんだか分からぬような名前に皆変えて、当時あのときは皆不愉快な思いをしたんです。みんなその人たちは、みんな住民反対したんだけれども、だけどとにかく南青山何とか何とか何丁目になったという話ですが、そういった意味では、その地域に対する思い出、昔ながらの名前が皆消えましたので、そういった意味では私どもは、断固反対して残った大伝馬町、小伝馬町、蠣殻町等々の住民の方がよほど見識があったと、私自身は個人的にはそう思います。  また、町村名につきましては、いろいろ今小さな地域でというのは私も基本的にはそうだとは思いますが、ただ、先生、一人頭に掛かります行政経費というのは、五千人以下だと約百万円から百五万円掛かっております。それが、二万人ぐらいまで超えてくると一挙にどんと半分ぐらいの四十五万とか五十万程度まで下がる。後はずっと下がっていって三十万程度まで下がっていって、約また四十万人の人口を超えますと三十何万円からまた少し上がるという、一人当たりに掛かります行政経費というのはかなり、三倍も違いますということになってくると、ちょっとこれはなかなか、その分はどこかほかのところから埋めにゃいかぬということになるのが一点。それから、そこにいらっしゃる方々も基本的には、じゃ、うちはこれしかいないんだから、町会議員の数は、村会議員の数は三人でいいとか二人でいいとか、みんな無給でやれとか、そういった話で、収入役は要らない、村長一人でやれとか、いろんなことができるようなことを皆している。  例えば、ほかの国で見ますと、シティーマネジャー雇ってきて、おまえが経営する、あとのやつは皆おれたち議員でやるけれども、経営はおまえやる、それがおれたちは普段というような、それだけ合理化されたものまでやるというようないろんなことをよほど考えないと、小さなところに掛かります行政経費、ましてや、今後、行政手続はすべてオンラインでということになると、オンライン対応ができるかということになると、それもできないようなところに当たりましては、行政のサービスでありますものがなかなかそこにいる村民、町民に与えられないというのは明らかに不公平を生じますので、そこらのところも勘案して考えないといかぬのではないかなという感じはしますので、小さなところが残るというのは私も基本的には賛成なんですけれども、ただ、現実問題としては、今申し上げたように、今地方分権という言葉、よく使われますが、地域主権を持って、地域間同士が競争していくことになろうと思いますので、そういったときにあってはある程度のサイズが要るということではないかというのが率直な実感です。
  12. 高橋千秋

    高橋千秋君 三重県はつい最近いなべ市というのができまして、三重県の名古屋に近い方なんですが、員弁郡というところが、一町が参加できなかったんですけれども、平仮名の地名でいなべ市というのができまして、それまでは六十九市町村あったんですが、これは多いか少ないかは先生の、大臣地元と比べて数については分かりませんが、これからどんどん当然減っていくんだろうと思います。  そういう中で、あるところの今回のこの三位一体改革に伴ってプラマイどうなんだということをちょっと聞いてみましたら、三重県のちょうど真ん中ぐらいに大台町という、大台ヶ原というのが有名ですが、大台町というところがあるんですが、そこの今度の三位一体改革プラマイを聞いてみますと、地方交付税で八千万、それから臨時財政対策債で八千二百万減るんですね、一億六千二百万ですか、それからその他の国庫補助負担金の一般財源化されたものも全部含めると、大体二億ぐらい減ります。それで、逆に税源移譲、今回の、これから出てきます所得譲与税等の措置で増える分が大体千二百万ですね。それはプラマイ考えると約一億九千万ぐらい減るんですね。  人口の非常に少ないところで、確かにさっき大臣が言われるように効率化考えなきゃいけないし、それにつれて大きな改革をしていかなければいけないという事実はよく分かります。しかし、これ、急にこういう話が出てきて、あちこちの町村長やさっきの九州での知事の話も聞いても、我々が当初思っていたよりも大幅に減ってしまうと。今年はまだとにかくあれこれやりくりをして、いろんな基金を取り崩したりして何とか予算が組めるけれども、来年、再来年のことを考えると、とてもこれは予算を組むことができないという声が物すごく多いんですね。これは大臣も聞かれていることだと思います。これは鹿児島知事熊本知事も同じことを言われておられました。別のこういう、大台町とか三重県のそういう小さな町村長に聞いても同じフレーズで出てくるんですね。今年は何とかまあぎりぎりやっていける、ところがこれ、来年以降非常に難しくなってくるんだという声が物すごく多いんですよ。  そういう地方方々から見ると、最初、片山大臣が出された片山プランということからずっと推察をしながらいろいろやってきたと思うんですが、どうも実際、今回出てきた中身を見ると、ちょっと約束と、約束していたわけではありませんが、話と違うじゃないかと。本来、三位一体改革というのは、カット部分税源移譲部分がこれ三位一体ですからあるわけですが、そうではなくて、まずカットありきで来ていて、とてもこれは予算を来年以降組める状態にないというような声が非常に強いんですけれども、私は、これは非常に余りにも大幅だし、地方のことをしっかりと、まあ大きくなればいいじゃないかと言われるかも分かりませんが、大きくなるにも時間掛かりますし、これは来年、再来年の話ですから、来年、平成十七年の三月までにかなり合併が進んでいくとは思いますけれども、そう簡単にいくものではないと思うんですが、どうお考えでございましょうか。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、先生、これはやっぱり三年間で四兆という話になっておりますんで、初年度いきなり一兆ということが出ましたもんですから、ある程度ぎくしゃくしたことは間違いありません。ただ、基本的には、平成十八年度までの三年間の間に四兆円のいわゆる経費削減というか補助金カットということを、二十兆円の補助金の中から約四兆円、五分の一を削減するというのが本来のターゲットというか、ターゲットなんで、それまでの間どうやって調整していくか。  初年度一兆ということになりましたので、税源移譲につきましてもいろいろ話があったのは御存じのとおりですが、基本的にはこういった形を三つ一緒にするということになったものですから、これまで絶対にと言われた、譲ることがないと言われた国税であります所得税を、少なくともそれを住民税に移行するということははっきり一歩踏み出したということになりましたんで、ただ、それは御存じのように、義務教育退職金のところでそれを充てることにしましたものですから、義務教育退職金というのは今後、いわゆる何というの、団塊の世代が退職していきますので、一挙にわっと増えていくということも考えますので、今ここできちっとはめてしまうと、その額ということが後になるとその分だけ地方が割を食うことになりかねませんので、そのことを考えれば、やっぱりここは地方に対する所得譲与税という形で向こう三年間の間、その額が正式に決まりますまでの間はある程度アローアンスを持たせるために所得譲与税という名前を付けた、ある程度の、いわゆる所得税住民税にという形にしてありますので、流れとしては明らかに地方住民税の方に、所得税国税の方から地方税へというのをはっきりさせたというのは、今回の中では結構流れとしてははっきりしておると思っております。  ただ、額については、いろいろ今後の十七年度以降が問題になるんではないかとおっしゃるのはそのとおりだと思いますので、その点につきましては私ども、この夏に向けて、概算要求の段階で私どもとしてはその点につきましてはきちんとした方向を、小さなところ、先生が今言われたところが約人口が七千八百ぐらいだそうですから、七千八百人ぐらいのところですとかなり、先ほど申し上げましたように一万人以下のところですので、ちょっときつさが大きいだろうなという感じもいたしますので、そういったところにつきましては私どもとして別に対応させていただきたいと思っております。  県で言われました。県は、大体一県当たり二百五十から三百ぐらいのところ、三百億ぐらいのところが減ってきていると思っておりますんで、そういった意味では、県はまだ世帯がある程度大きいものですから、そこそこ対応できる県もあろうとは思いますけれども、小さなところに行けば行くほど比率としては結構きついことになってきているだろうなと思いますので、そこの点につきましての対応は別途考えていくというのが例の財政再建債であり、地域再生債ということであります。  それも、もうきちんとした形じゃなくて、少しある程度柔軟に対応しないとやっていけぬだろうなと思っておりますので、その点につきましても対応させていただきたいと思っております。
  14. 高橋千秋

    高橋千秋君 確かに、そういう地方所得譲与税という過渡的な措置を取られると、何度も大臣予算委員会の中でも言われておりますけれども、結局は私は、額の方が地方にとっては問題になってくるわけで、実際どうやって予算を組んでいくんだといったときに、さっきのような話で大幅に減るわけですよね。    〔委員長退席、理事山崎力君着席〕  総務省とすれば、過渡的な措置を取って柔軟に対応をしていきますといいながらも、じゃ、柔軟に対応していくというのはどういうことなんだということは地方はよく分かりませんし、今回のこれだけに減るというのを分かったのが昨年の末ですよね。だから、それまでそれぞれの地方市町村も県も、それまでの思いと、いやいや出てきたら随分違うじゃないかという、そんなことを急に言われても困ると。    〔理事山崎力君退席、委員長着席〕  さっき大臣が柔軟に対応されていくというお話をされましたけれども、どう柔軟に対応されていくのか。そして、来年以降、来年、再来年についてもちゃんと対応していきますという言葉はあるものの、中身が全然見えてこないんですね。またぎりぎりのところでばたばたばたばたしてやっていかなければいけない。これは地方でそれぞれ行政を任されている首長さんやそれぞれの公務員の方々にとってみれば、そんな簡単にいく話ではないんだというのは、これは実感だと思うんですね。  それは、東京の方で数字だけで、はいこっち減らして、はいこっちにひっ付けるみたいな、そんなことだけでは地方の運営というのはできないというのは大臣もよく御存じだと思うんですけれども、さっき大臣が言われましたけれども、私は順序が逆だと思うんですよ。削減がまずありきで、そういう税源移譲が後になっていく。地方交付税の話と、それから全部で大体一二%ぐらい減るんですよね、今年。それだけ大幅に減っていくとなると、当然、義務的経費を払うだけで、政策的ないろんなことをやりたい、ああいうことをやりたいとか、こういうことをやっていかないと駄目なんだというような部分がもう全然できなくなってしまうという声が物すごく多いんですよ。  もう耳にたこ状態かも分かりませんが、もう一度確認をさせていただきたいんですけれども、その柔軟に対応していくという部分と、それから今回のこのやり方に対して、これは正しいんだとまあ思われているのかどうかを、もう一度お伺いをしたいと思います。
  15. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 柔軟に対応する細目につきましては、これはいろいろありますんで、ちょっとそれだけで手間が掛かりますので後で書類を渡した方がよろしいと思いますが、基本的には今回、一連の中で、やっぱり地方でやっておられます事業でこれだけは絶対必要というものにつきましてはほぼ十割間違いなく地方に対して、先ほど申し上げました義務教育の分につきましては税源移譲予定交付金かな、税源移譲予定特例交付金という形でお渡しするようにしたりしてきちんとしていると思っておりますが、その他の事業につきましては、これは先生、ある程度どもとしても、地方もこれは努力していただかにゃいかぬところが一杯あるんだと思うんです。  例えば、給与はその地域で、その役場の給与がその地域の企業の中で一番高くなってはいませんか、ラスパイレス指数はどうですというと、昔に比べて大分下がりましたよ、ラスパイレス指数は、昔に比べたら。だから、それは結構高いところもあるんじゃありませんかとか、また、今、地方が自分でやっておられる中を今アウトソーシングできるように地方自治法が改正になっております。そういった意味では、地方が仕事を外にアウトソーシングすることによってコストを下げられる等々、規制があるおかげでできなかった部分は随分と変わってきておると思います。  また、その他不要不急の分につきましては、二年でやるところを三年でやっていただけませんかとか、いろんな形でその地域地域地方地方においてそれなりの努力もお願いをしているところでありまして、私どもとしては、今この額につきましては、直ちにその額は全部とは申し上げませんが、少なくとも三年間で見ていただいて、その間に税源移譲の分も今からもっとはっきりしたものが出てまいりますので、そういったことをすると、今申し上げたように、来年度以降という点につきましては、それなりの、今年みたいな、何か今年急に来たような感じがいたしておりますので、そういうことではないのではないか。  それから、来年度につきましてはもっと早く言えというお話ですけれども、これは元々はおととしから始まった話だったんですが、おととしの分につきましては、結構その他の面で補てんをしたりなんかした部分ですから、それなりの痛みは少なかったとは思います。ただ、いよいよ今年から始まったということでありまして、その意味では結構早めから対応しておられたところもあるんです、実のところを言うと。そういったところは、別にこっちにもう分かっておったからと言われるところもありますが、急に来たような感じのところと、これもまたその首長さんの対応の仕方、情報収集の仕方、違いも随分あると思います。  ただ、今年度につきましては、これはもう大体のところは、いわゆる概算要求ぐらいのところまでには、私どもとしては、大体こういうことになるということはあらかじめ知らせておくべきではないかということで、役所の方にはそのように申し付けてあるところで、今年度のように何となくわあっというような感じの混乱は是非避けたいと思っております。
  16. 高橋千秋

    高橋千秋君 是非避けたいというよりも避けないといけないと思うんですね。大臣の方からはいいところの例も出ておられますけれども全国三千もある市町村の中の、そういうふうに大臣が言われるように考えておられたところというのは幾つあるのか、私は心もとないと思いますし、ほとんどのところは大変な混乱を今回の予算編成でしていると思うんですね。これはもう事実だと思います。大臣も認めておられるように、ほとんどのところがこれはえらいことだというような実感を持っているのが事実だと思うんですね。  それで今、大臣の方から義務教育の負担の部分、お話が出ましたので、そこについても触れたいと思うんですが、この義務教育というのは私はもう正に国の一番の責任の部分だと思うんですが、大臣、どうお考えでしょうか。
  17. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 義務教育につきましては、いわゆる初めて義務教育ができました明治時代に、世に不学の人なからしめんと欲すに始まりますあの一連のものの状況で、少なくともイギリスに先立つこと三年も早く義務教育というシステムを世界に先駆けて作り上げた見識、また、戦後も教育にはいち早く取り組んで、義務教育というものは、少なくとも私どもとしては最低限のものは確保というのは、結構、国として大事に大事にここまでやってきたものだと思っておりますので、義務教育に関しては、今いろいろ教育もこれだけになってきますと、学校に行かせないという人はほとんどいないので、学校に行かせ過ぎる方、学校だけでいいのに塾まで行く必要はないではないか、教育費の掛かるのは塾じゃないかとか、これは教育になりますと、これはもうありとあらゆる方々が教育評論家に皆なられますので、いろいろな御意見というのは実に種々様々私どものところにも昔からよく伺うところであります。  ただ、義務教育につきましては、読み書き計算等々は、これは基本的なところとしてきちんとして、ある一定限のものをきちんと対応していくというのは国として大事なことだと思っております。
  18. 高橋千秋

    高橋千秋君 ここに「大瀬東作伝」というのがあるんです。聞かれたことないかと思うんですが、実はこれは三重県の、さっき言った大台町の近くに大宮町という小さな町がございまして、そこも合併を、元々は合併したんですが、そこに七保村という村があったんです。そこの村長さんが大瀬東作さんという大正時代の方なんですが、実はこの人が全国町村長会を作った人なんですね。当時ここに役場の職員が七人いたそうです。そこに、その役場の中にこの全国町村長会の事務局、設立事務局を置いて、この方が作ったわけなんですが、三十五歳のときだそうです。  この方が論文を大正十年に書かれておられて、この中に入っております。それを見ると、当時の日本人の年齢、平均寿命が三十歳と書いてありますが、ちょっとおかしいかなと思いますが、ともかくも、当時役場の費用の中の七割五分が教育関係なんですね。ほとんど、役場のその予算のほとんどが教育、言わば先生の給料でございます。これでは何もできないということで、この義務教育国庫負担を半分国に賄ってほしいという活動をされたのがこの大瀬東作さんという方なんです。余り知られてないんですが、実はこの地元のところの橋のたもとに銅像がありまして、その人の偉業がずっと書かれております。  この方が、一九一八年その市町村義務教育国庫負担法が制定されたんですけれども、それのいろんな尽力をされた方で、三十五歳で村長になられて、全国にこの活動を広げられて、自分自身はその全国町村長会の会長にならずに副会長をやられておるんですね。それで、これが実現をしたら三十九歳で村長を辞めて、地元の村でまた農家に戻って、五十五歳で亡くなるまで地元でその農家をしながら、地元の青年団活動やいろんなことをしながらやられたという方の努力があって、今のこの義務教育のこの国庫負担というのができているという歴史がございます。これは非常にいい話というか、昔私のその地元にもそういう立派な方がいたんだなというふうに改めてこれ、感動をしたんですけれども。  それで、それからずっと給料の国庫負担の分も含めて、これは義務教育というのは国の責任だというこれは当たり前というか、国を、日本がこれだけ大きな国、強い国になったというのは、経済的に強い国になったというのはやっぱり義務教育があっての上だというのはこれはもうみんなが認めることだと思うんですが、それに伴っていろんな手当てが、国で手当てしていこうということでその義務教育部分でずっと、さっきの退職手当の問題やらいろんなものが国として、負担として賄ってきたわけですね。  ここに文部科学省の資料でこういう、大臣見ていただけますか。ちょっと見づらいですが、こういう山型の資料があるんです。これは山を見ていただければ結構なんですが、要は、最初この給料が国の負担で付いて、その後旅費だとか退職手当だとかどんどんどんどんこう恩給費だとかずっと一生懸命付けていったんです。そうしたら、昭和四十九年から今度は右にどんどんどんどんどんどん減っていったんですね。今回のこの退職手当の部分と、児童手当ですか、ここの部分で給料本体ではない部分というのがもう交付という形になってしまって、残るはもう教員の給料本体の部分だけになるんですね。これ、ちゃんと交付に、予定としてやっていくというようなさっきもお話ありましたけれども、交付としてやっていくんだからいいんじゃないかというお話もありますけれども、さっきの話で、これ、今回のこの三位一体の中で地方が、それぞれの地方予算が組めない中でいろんな基金も取り崩していかなきゃならない、一般予算の中にもし振り込んでいくということになると、この教育という部分が私はちょっと、大変不安になってくるんではないかなというふうに思うんですが、今回のこの措置も含めて、この給料本体の部分は別として、これまでのこの流れ、それから今の大瀬東作さんのこれまでの努力とはまた逆行する形でどんどんどんどん減ってくることに対して、どういうふうに大臣思われますでしょうか。
  19. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この大瀬東作という人の資料は今ちょっと拝見したんですが、少なくともその当時、国の補助はわずか一割程度、そのほとんどが地方公共団体に負わされていたというのが、大正十年二月、全国町村会長ができて、大正十一年に国庫負担金は約四倍に増加ということになったんだということが書いてありまして、その後、全額国庫負担として実を結んでいったと。元はといえば、いわゆるこの大瀬さんという方のところから始まったんだと思って、この人のことは大したものだと思いますが。  おっしゃるように、明治政府最初のころまでは、国家予算の約三割が教育費、三割が国防費、残り四割でその他すべてというのが大体明治三十七年ぐらいまでの国家予算の大体の流れです。そういった大きな意味で教育に猛烈な勢いで金を掛けたというのは、私は政策としては正しかったと、私もそう思います。結果としてこれだけのものになって、資源もない国がこれだけ経済大国に成し得たのはひとえに人材、その点も私も全く同感ですが、今の話の中で、今、補助金約二十兆円のうちこの義務教育国庫負担金に占めます比率は約三兆ということになりますので、その分が何となく目に付くところといえば目に付くところで、四兆円のうち三兆がそこに目に付いているところだと思っております、流れとしては。  ただ、問題としては、その義務教育国庫負担金という部分地方に渡されたら、その地方に渡されたら、それをどこかほかのところに使っちゃうんじゃないかというのは、それは知事としてはちょっと正直常識を疑うところではあるんですが、これは、その金は間違いなく来るわけですから、国がやらねばならぬという義務として渡すわけですから、その三兆は三兆丸ごと確実に地方に渡される、従来どおり渡されるお金。そのお金をどういう具合に効率よく義務教育に使うかというところが、今、何となくそれが学校の前の道路になるんじゃないかとか、学校の前の何とかに変わるんではないかという多分御心配なんだと思いますけれども、基本的にそういうのが出てきたらどうするかと言われたら、それはやめてもらうしかないんだという感じが率直な感じですけれども。  それを、むしろそのお金を使ってより良くもっと効率的におれたちにやらせてくれという御意見は正直私どものところには一杯あります。これを渡してくれさえすればもっとうまく、文部省が一々一々差し込んでくるやつを、おれは十人学級と五十人学級に分ける。大体御存じのように、学校で落ちこぼれとかいうのが出てくる事柄になるのは、大体分数のときと因数分解が入ってきたときに大体そういうことになりますので、その段階で、もう十人学級と、六十人のところだったら、もう三十人、三十人じゃなくて、十人学級と五十人学級に分けると。もうできるやつはこっちへ行けると。それだけ十人でやって、追い付いたらまた三十、三十に戻すとか。これは実にいろいろなことを言っておられる方もいろいろいらっしゃいますんで、特区にしてくれとか。  それで、おれのところは九年なんだろうと、だから中学はやめたと、中学と高校と一貫制にしてくれと。六年じゃなくて五年でいいぞと、その代わり幼稚園と小学校を義務教育にしろと、そっちの方がよっぽどいいとかなんとか。これはもう知事さん、政令都市の市長さん、いろいろなアイデアを持っていろいろおみえになっているというのは事実です。  ただ、いずれも義務教育をやめろという方はいらっしゃらぬので、そういった意味では、今、教育というものに関しては別の意味でいろいろ御意見が出てきているところなんで、そもそも金の話からこの義務教育に入ってくるのが間違いなんで、これ、経済財政諮問会議でもこの義務教育の話については、そもそも義務教育という話と金の話とは別にしてやってもらわぬと、金から入ると非常に話が矮小化するんでやめてもらいたいということで、義務教育義務教育できっちりやってもらいたいというお話は私どもとして申し上げているところなんで、御心配の、言っておられることはよく分かりますけれども、基本的には、義務教育と金の話は基本的には分けて考えてしかるべきものだと思っております。
  20. 高橋千秋

    高橋千秋君 当然そうしていただきたいと思いますし、これ負担という部分、負担という言葉と交付という言葉は全然違うんですよね。だから、これは義務教育はやっぱり国の負担でやっていくんだという、そういう、これは文部科学大臣ではないんで、是非、文部科学大臣、総理、財務大臣、その辺にもおっしゃっていただきたいと思いますけれども、やっぱり、国の負担としてやっぱり教育というのはやっていくんだということをやっぱり死守してほしいと思うんですね。  さっきの、お金の部分は分けていくんだというお話ですが、実は今回、これは仮にその義務教育国庫負担金を全廃して全額税源移譲した場合、どういう県が増えて、どういう県が減っていくのかということを試算した数字があるんですね。これでいくと、増えるのは東京近辺、東京は一二五%増えます。約二倍以上。この近辺の千葉や神奈川も多少増えます。あと増えるのは、愛知県とかそれから大阪の近辺とか、要は都会ばかり。私の三重県でいうと一八%減ります。ほとんどのところが減りまして、福岡でいうと約一二%減ります。  結局、さっき数字は分けるというお話で、そうしていただきたくないわけですけれども、もしこんなことになってしまったら、それこそさっきの話で、教育費の部分をほかのところへ使ってしまったら、そんなのはやめてもらわないかぬという話かも分かりませんが、もう背に腹は代えられなくなってもうどうしようもなくなったときに、教育に手が抜かれていくというそういう心配は物すごくあるんですね。  この義務教育のこの国庫負担については、特に最後の部分、最後のとりでの部分は必ず国の負担としてやっていくんだということを大臣としてもお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  21. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 高橋先生既に御存じのように、保育園の、公立保育園のところで一部義務、義務とは言いませんけれども地方に渡る分が地方税になりました。そして、地方税になったけれども、従来保育園の補助でもらっていたやつが仮に二千万としますか、二千万。税金になった途端に千二百万になったんだと。八百万円は従来どおり交付金をもらっておいた方が良かったと。税源移譲されたって、おれのところは取る人口もなけりゃ、企業もないんだと、だから八百万円損したんだという御意見は、正直のところ、私どもも幾つか伺ったところですが、その八百万につきましては地方交付税をもってその分は埋めます。したがって、従来より減るということはありません。  逆に、さっき言われたように、より多く来ちゃったところ、人口が多くて二千万のところが三千万、交付税が、代わって税が増えたところはその分だけ交付税は減らしますので、その分はチャラということになりますんで、おかしなことにならないように、少なくとも保育園の段階では今回そういたしておりますんで、義務教育についても同じような御懸念なんだと思いますが、そのような御懸念がないような方向で事を進めたいと思っております。
  22. 高橋千秋

    高橋千秋君 ちょうどいい話を大臣からしていただきましたけれども、今朝のフジテレビのワイドショーで、公立保育園がどんどん減っているという話が今日されていたところでございますけれども、今、私の地元でも小学校、合併との問題にもなってきますけれども、小学校、公立小学校をどんどん統合して減らしていこうという動きがあります。効率的に運用するというのはこれはまあ大事なことですけれども地元からは、これは通学大変だとかいろんな話が出ていて、この義務教育については非常に不安が多いんですね。  時間がそれほどありませんので、また今度、あさってですか、十八日の日に地方税三法のところで私また質問させていただきますので、同じような質問になるかも分かりませんが、またさせていただきますので、是非この義務教育については国としてやっぱり責任を持っていくんだということを、文部科学大臣ではありませんが、ほかの内閣の中でも是非指摘をしていただきたいなというふうに思います。  それで、もう私の質問割当て時間は同僚議員からちょっといただいて、もう一つ別の質問をしたいと思います。  これは、地上デジタル放送のことをちょっと伺いたいんですが、地上波のデジタル放送、始まりまして三か月ぐらいたちましたですかね、一生懸命、総務省の方もNHKさんの方とかも一生懸命これ普及に努めておられて、あちこちでデモンストレーションを見ることもできますので、その町の中のいろんな大きな量販店へ行くとそれのデモンストレーションをやっていて、一度見るとこれはきれいですから、なかなかあれ見ちゃうと普通の今までの地上波のうわうわした画面は見づらいなというのはあるので、これは国策としてやられていくというのは一つ方向だと思いますし、いいことだとは思うんですが、全国に十三の独立局というのがあるんですね、独立UHF局。  我が県にも三重テレビというのがありまして、はっきり言って余り視聴率が高くはないんですが、ただやっぱり、地元のニュースだとか地元に結構密着した番組も多いのでそれなりにやっぱり見ている方もたくさんおられるんですが、この地元のUHF局も今、この十三局全国にある中で、みんなやっぱり二〇〇六年までに地上デジタル放送の対応をしなければいけないということで今準備を一生懸命されておられます。  私も先週の土曜日にその地元のテレビ局、今工事中のところを見てまいりました。それでいろいろお話を伺ってきたんですけれども、実はこの私の地元三重テレビは年間売上げが三十億なんです、三十億。地上波デジタルに掛かるお金が四十億掛かるんです。四十億のうち、スタジオだとかそういういろんな放送局に備え付けなきゃいけない機材のお金が二十億、それからあちこちに中継局を置かなきゃいけませんから、これが二十か所要るということで、全体で四十億ぐらい掛かると。売上げが三十億しかない企業で四十億のお金を掛けてこの大事業をやっていかなきゃいけないということで、この三重テレビは、実は十三局ある独立U局の中では財務内容が一番いい内容なんですね。そこの幹部の方も、財務内容はいいんだと、いいけれども、これからこれだけの大きな事業をやっていくに当たってこれは大変だと。  いろいろ、それぞれ税制の面での優遇措置だとかいろいろあるんですけれども、なかなかそれだけでは対応されないということで、昨年の末に要望書も大臣あてに出されております。局長さんが対応していただいたということで、大臣には今日届いたのかなと思いますが、細かい点は時間もございませんので結構ですが、こういう地方のやっぱり独立U局というのは、私、地元方々にとっては非常に重要なことだと思うんですね。こういうこと、こういうところを守り発展させていくということもやっぱり必要なことだと思うんですが、この要望に対して、総論でも結構ですけれども御返答いただければと思いますが。
  23. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 三重放送、三重テレビ、本当、先生言われるように、経営内容は他に比べても決して遜色ありませんからいい加減なものではない、これだけはもう自信持っていただいて結構だと存じます。  ただ、今言われましたように、デジタルになりますと、正直申し上げて、確かに言われましたように、いろんな意味で、何というの、明らかにきれいなんですよね、人の顔色が見えますから。デジタルハイビジョンになって、やっぱり顔の色が読めるというのはテレビじゃ大変なことです。それをしますとどんなことになるかというと、医療まで変わるんです、医療まで。  例えば、渡辺先生がここで倒れたなんというのはちょっと具合悪い、余り、具合悪いな、正面に顔があったんで済みません、倒れた。倒れた、救急車ということになったときに、救急車が来ますまでの間にいろいろな、いろいろなちょっと、ちょっと名前は忘れてください、済みません、ちょっと正面に顔があったものですから。倒れます。そうすると、ここから救急車が来て搬送するときに、病院で乗っけたら、その田舎で倒れたら、新潟なら新潟の田舎でばたっと倒れたときに見えないわけです。そうすると、いきなり搬送していくまでに新潟赤十字なら赤十字まで運んでいく間に仮に四十分掛かりますと、脳梗塞だと血栓がもう詰まるわけです。ところが、ぱっと見て、デジタルハイビジョンで新潟赤十字社にその映像が救急車から送られる。送られると、そこにいる医者が診て、あっ、これは脳梗塞とか脳血栓とかいう判断をしてそこにいる救急介護士にこれパム打て何打てと言うわけですよ。そういうことを指示ができるわけです。  だから、いや、鳥取の景山さんでもだれでもよろしいんですが、とにかく、そういうようなことになりますと、途端にそこに結果、血液溶解剤というのがその場で医者の指示で介護士が打てると。早い話が、その人が病院に着くころにはそこそこ治っていて、一日で退院。従来どおりですと、一週間いて右半身不随とかいろんなことになり得ます。そうすると、その人が健常者として世の中に残って税金を払う方になるのか、入院費に多額の金を払った上、後はいわゆる要介護者になるのかじゃ、全く国家の支出は違いますので、このデジタルハイビジョンというのはただきれいに見えるだけじゃない、物すごくいろいろな影響がある。特に地方の方がよっぽど大きい。都会よりは僕は、地方の方に物すごくこれは値打ちがあるものなんだと私はそう思っているんです。  そういった意味では、今後これが普及していくためにいろいろな意味でいわゆるコストが掛かるというのは確かですので、いろんな意味で、御存じのようにこれは財政投融資だ、無利子だ、低利子だと、いろんなもう債務保証やなりいろいろやっておりますのは、細目は資料見られた方がよろしいんだと思いますけれども。私といたしましては、これが公的支援の在り方を多分聞いておられるんだと思いますけれども、こういったものについては今後検討してまいらないかぬ問題だと、国全体の支出を考えた上で私は検討されてしかるべきものだと、私自身はそう思っております。
  24. 高橋千秋

    高橋千秋君 渡辺先生が倒れたときの話は別として、効能はよく分かるんですが、要は、大きなテレビ局は、これは楽ではないかも分からないけれども、これを進めていくのは比較的楽に進んでいくのかも分からないけれども、小さなところについてはなかなか大変なんで、やっぱり国策としてやっていく上ではやはりもう少し国として応援をすべきではないか。  特に、さっきの三重テレビとは別に、これは大変なテレビ局が幾つかあるんですよ。十三局あるうちの半分以上は、ひょっとしたら二〇〇六年までにできるのだろうかという、つぶれてしまうんじゃないかという企業も幾つかあると聞いているんです。だから、私は効能はもう分かっていますので、そうではなくて、やっぱり国としてちゃんと応援をしていくんだということを御確約できますでしょうか。
  25. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これはちょっと、今一概に、これは各社の内容によりまして、経営努力のしているところ、全然ないところ、随分差があるところですので、一概には言えるわけにはいかぬとは思っておりますが、これが二〇一一年までの間にどれぐらい全国で普及できるかというところが私ども最大の関心で、アナログはその段階には止まってしまうことになりますので、そういった意味ではその段階を見た上であらかじめ決めにゃいかぬものだとは思ってはいるんですけれども、少なくとも地域地域というか、地方の過疎の方に向かって、この種の話はなかなか、過疎の方が需要があるにもかかわらずなかなか普及しないということになりかねぬと思っておりますので、その段階においては公的支援含めて考えねばいかぬものだと思っております。
  26. 高橋千秋

    高橋千秋君 この地上デジタルについて、私の住んでいる三重県はケーブルテレビ局がほぼ全市町村、今、ほぼというか全市町村入っていまして、カバー率、まあ入る入らないは別として、九九%カバーできているんです。私の住んでいるところも、私の家もケーブルテレビなんですが、機材さえ付ければ、本来の地上波デジタルの放送域ではありませんが、私のところも今見れます。これを、地上波デジタルを普及させていくには、これも大変重要なことだと思うんですね。  ところが、これについては区域外再送信ということで、それの地元、そのテレビ局とそれからケーブルテレビ局との話合いでその再送信同意というのが要るんですね。言わばこのケーブルテレビは流していいですよという、そういう同意が要るんです。  これは民放テレビ局ないしNHKとそれからそのケーブルテレビ局との話合いですから政府がどうのこうのという話ではありませんが、例えば三重県でいうと名張市と上野市というのがあります。これ、奈良に近いところです。ここの辺の方というのは、テレビはみんな大阪のテレビ見ているんですよ。名張市とか上野市というのはみんな大阪へ通勤しているんです。それで、ところが、今までの放送の領域でいうと、ここで公式的に流れるテレビというのは名古屋のテレビなんです。だから、例えば車なんかで移動しているときに強い電波は名古屋の電波が入ってきれいに映ったりするんですが、大阪のテレビも結構きれいに映ります。当然通勤とか遊びに行くのも大阪の方へ行くわけですし、言葉ももう、私の住んでいる津の周辺も完璧な関西弁ですが、その伊賀地区へ行くともう完璧な関西圏なんですね。運動として伊賀は関西だという運動もあるんですが、そういう中でこの再送信同意もちょっと今のところまだめどが立っていないんですね。  そうすると、あえて名古屋の地上波デジタルを見るということもしないわけですので、この辺の再送信同意、これ、三重県のその部分だけでなくて、ほかの例えば県境の辺りでいろいろそういうところがあるんですよ。例えば三重県だけでいっても、一番南の新宮市と紀宝町というところがあるんです、この和歌山県との境のところ。ここは、三重県の方は和歌山の放送を見ています。ほかにもいろいろあると思うんですね。だから、そういうことに対してやっぱり総務省として、これは、民間放送局同士の話合いとは言いながらもこれは文化の問題になってきますので、是非総務省として指導していただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
  27. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは基本的には民間の話ですので、今言われましたように、放送業者同士間の話合いだと思いますんですが、ちょっと細目いろいろあろうと思って、政策局長の方から答弁させます。
  28. 武智健二

    政府参考人武智健二君) ただいま先生お話がありましたように、ケーブルテレビが地上放送を再送信する場合には、その地上放送事業者の同意というものが必要であるわけでございます。そして、現在、アナログ放送の話で申し上げますと、現段階では確かに伊賀上野、それから名張市におけるケーブルテレビ業者がアナログ放送については再送信同意を取っているというのが実態でございます。  そこで、今後のその地上デジタル放送の話になるわけでございますけれども先生もおっしゃいましたように、基本的には民間同士、いわゆる民民の問題であるということでございまして、今後、その当事者であるケーブルテレビ事業者と地上デジタル放送事業者の話合いで解決されるべきものだと考えているということでございます。  そして、この地上デジタル放送、まだ始まったばかりでございますので、恐らく先生がおっしゃった地区においてもまだ放送波は届いていないと思いますが、今後増力をしてまいりますので、カバー領域が拡大をしてまいりますと、御指摘の県境地区においてもだんだん波が届いてくると。そんな中で、当該地域の、先生のおっしゃいましたような実情を勘案して、当事者において話合いが十分尽くされることを期待しているわけでございますが、総務省といたしましても、その必要があれば当事者間の話合いが円滑化するような努力もしてまいりたいと考えているところでございます。
  29. 高橋千秋

    高橋千秋君 これ、NHKもそうですので、総務省としてはやっぱりきっちり指導をしていくべきだと思いますし、それから、増強していっていずれ範囲に入ることを待つということではなくて、既にそのケーブルの特性を生かして名古屋の方の地上波デジタルについてはもう見れるようになっているわけで、同じようなやっぱり指導をすべきだろうというふうに思います。  ただ、これになると、問題は、政見放送が三重県の場合はこの伊賀地区では見てもらえないんですよね。こういう問題も多少あるので、この件についてもまたいずれ質問をさせていただきたいと思いますが、実は今の状態では政見放送が伊賀地区ではNHKも民放の方も大阪の政見放送を見るんですよ。それで、これは、私は特に伊賀地区は弱いものですからあれなんですが、このこともやっぱりちょっと考慮をしていただきたいなというふうに思います。  もう大分私の時間をオーバーして同僚議員の時間を取ってしまいましたが、この三位一体、それから、今日はほかにもいろいろ質問通告をしていたんですが、非常に基本的な問題をやっぱり総務省とすれば解決していかなきゃいけないことがたくさんあると思いますので、是非、新大臣には前の虎さんに負けないように頑張っていただきたいなというふうに思います。  今度また、地方税法三法のところで三位一体のこと等についてまた質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  では、質問を終わります。
  30. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 小川敏夫です。  別に質問時間取られたんじゃなくて、話合いの上でちゃんと譲与したのでありますから、別に何の問題もありませんから。  三位一体改革、基本的には税源移譲が目的であるけれども、過渡的に所得譲与という形を取っているということでありますが、高橋委員の方からもありましたように、削られた分だけ必ずしも自治体に来ないので、大変に自治体の方で混乱を来しているということもあります。また、漏れ聞きますと、いずれ税源移譲所得税が中心となって地方税の方に移譲するということでありますと、所得税を払っている多くの国民の人に直接関心があるということでもございます。  それで、この点につきまして、平成十八年度までに具体的な、具体的な内容を実施するということでありますけれども、現段階でどういう方向性であるのか、そのアウトラインですね、これをお示しいただければ、特に、もう少し絞りますと、税源移譲ということでございますけれども、具体的にどういう税源移譲するという考え方なのか、お示しいただきたいと思いますが。
  31. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今基本的に、高橋先生にも関連して申し上げておりますけれども、いわゆる所得税というものの中に住民税が、御存じように五%、一〇%、一三%という比率で入っております。そのうちの比率を簡単に言えば触るということになるんだと思っております。基本的にはその額を何%にするかというのが決まらないから、譲与税という形に移管するまでの間を決めておるわけですけれども、そういった意味で、仮に、簡単な例で申し上げれば、一三%も五%も、払っている人は住民税を払っておるのか所得税を払っておるのか、とにかく税金を払っておるとしか多分思っておらぬと思いますが、仮に中で分けますと、一律仮に一〇%にいたしますと、一三%を五%上げる、そういった形で一律一三%にすると約三兆円になります。  そういった意味で、所得税から住民税に移管するというのはこれは結構大変なことでして、今回財務省との間の交渉で、少なくとも基幹税と言われる所得税住民税という地方税に形として移管したというのは、これは正直申し上げて今まで一回もない、ずっと自治省の時代からやり合ってきたところですので、そういった意味では一つの大きなステップを前に踏んだことだけは間違いないと思っております。  ただ、それをどうやっていくか、どれぐらいになるんだと言われれば、これは正直申し上げて、いわゆる補助金の削減が本当にどれぐらいいくのかというのが正確に見えてこないとなかなかちょっと申し上げられないところでして、その数字を合わせにゃいかぬところですが、仮に一律一〇%ということにいたしますと約三兆円ということになるという数字だけは分かりますが、そこまで補助金の削減ができるのかできないのか、またその他のところの部分もありますので、いろいろなものを勘案してやっていかなきゃいかぬところだと思っております。
  32. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 そうすると国民の側、所得税住民税ですが、これは増減税はなくて、全く国が取る所得税と、減らして、減らした分を全く地方税に移管するということで、国民のレベルから見て増税、減税はないという考えなんでしょうか。
  33. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ございません。
  34. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 増税がないということで少し安心しましたけれども。  その自治体レベルでざっくりいって減らされた分、一〇〇%の税源移譲はないということですが、大体どのくらいの割合になるんですかね。今回の所得譲与税ですと一億五千九百二十五万ですかが減って六千五百五十八万が所得譲与税などで来るわけだから、かなりグロスが減っていますよね。将来的な確定的なプランとしては、やはり減らされた分に対してどのくらいの比率の数字的に見て税源移譲がなされるようなプランなんでしょうか。
  35. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国として義務的にやらねばならぬ、国がやるべきものを地方でやってもらっているものにつきまして、いわゆる義務的と言われるものにつきましては一〇〇%のものであります。その他、減らしていただかなきゃいかぬ、もうちょっと、これ単体でやっておられる事業につきましては、少なくともバブル以前ぐらいまでに戻してくださいというようなお話も幾つもありますので、そういったものにつきましては減らしていただくというので、約それが八割ぐらいかなと、大体の目安として申し上げさせていただければそういうことになろうかと存じます。
  36. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 大変に影響が多い分野ですので、具体的な内容をなるべく早急にまとめて提案して議論の対象にしていただきたいというふうに思います。  平成十六年度のこの所得譲与税の件についてお尋ねしますけれども、国の方は、減らす方の立場としては、公立保育所運営費に関して二千四百四十億、公共事業関係等などで、ついて四千五百二十七億円と、こういうふうに減らす方の内訳を出しているんですが、一方、受ける自治体の側から見ますと、もらう方から見ますと、どの分どの分ということで所得譲与税があったんじゃなくて、一般財源としてぼんと来ているわけです。そうすると、もらう方から見れば、つまり減らす方から見ればこの分とこの分を減らしたよと言うけれども、もらう方とすれば何に使ってもいい一般財源として来ておるわけです。  そういうふうにしますと、実は、公立保育所運営費の分として二千四百四十億円を減らして、しかし、税源移譲に見合う分として二千百九十八億円が譲与されたよというふうに、渡す方の側の論理としてはそうなっているかもしれないけれども、もらう方とすれば公共事業関係も含めたばっと一兆円ぐらいのものが減らされて、結局二千百九十八億円ぐらいのものが来たよという。それは一般財源だから何に使ってもいいんだと、こういうふうになりますと、公立保育所の運営費が減らされた本来の理屈からいけば、その分の二千百九十八億円は公立保育所の運営費関連で自治体も使わなくちゃいけないというんだけれども、しかし、一般財源だから公立保育所の運営費には使わないでほかの方に使っちゃって、結果として公立保育所の方の予算が削減されることになってしまうんじゃないかと、こういうふうに不安を持つ向きがあるんですが、意見もあるんですが、この点はいかがでしょうか。
  37. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、地方分権地域主権ということは、地方が自由裁量を持てる、地方の自由度が増すということになります。  したがいまして、例えばよく出ます公立保育園の今回の例で申し上げれば、公立保育園を民営化する、アウトソーシングするということによって、基本的には今、待機児童等々、幼稚園にその補助金を一部回して、幼稚園に待機児がある程度持ってもらう。また、市町村が認可をすれば、駅前保育所等々については、それも従来は補助金は出せないことになっておりましたけれども、今度は市町村が自分の権限で駅前のところには、保育所というところに金を出せるようにということも自由になりますので、そういった意味では、地域という預かっている行政体をいかにうまく経営するか、運営するかというところが今度能力を問われることになるんだと思っております。  この地域主権ということは、地方が競争する時代ということになりますので、そういったいろいろな知恵を、ああ、そんなこともできるのか、あんなこともできるのかというお話はようあるところでもありますので、私どもは、この県はこうしております、この市長はこうやっておりますと、なるべくそういった点については、アイデアの非常にたくさんよく出てこられる首長さんとそうでない首長さん、いろいろいらっしゃいますので、私どもとしては、こういったやり方もありますとかああいったやり方もあります等々につきましては、私ども、結構きめ細かく対応をさせていただいておりますけれども、今言われましたように、その分を丸々どこか別に使っちゃうという例はちょっと今のところ私どものところには返ってきておりませんので、結構効率よく自由にさせてもらったおかげで、もうこれは、もうこれの、事細かく言ってくるのがすぱっとなくなっておりますので、結構自分なりにうまく使っておられる首長さんの方からはよくお礼を言われるところではあります。  したがって、その例をちょっと済まぬけれども、おたくの隣の町のあれのところに教えてやってくれるなんという話を私どもするぐらいですので、実にアイデア競争みたいになっている部分はありますんですが、ただ、それをばっさりやめてどこかほかのところに使うという話はまだ今のところ私どもは聞いておりませんので、ただ、そういったことがないわけじゃないと思いますので、注意深く見守っていかねばならぬと思っております。
  38. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 次に、高速道路のことについて若干触れたいと思いますが、いわゆる高速道路、日本道路公団がこれまで造るということで、自治体の負担、整備費も管理費も自治体の負担はなかったわけですが、今度、新直轄方式ということで六百九十九キロが国及び自治体の負担で整備すると、あるいは管理費用も出すということになったということであります。  私の基本的な考えは、道路公団の高速道路の料金あるいは道路公団の借金という形で国民が負担していたものを、今度は新直轄方式ということで税金という形で国民が負担するんだから、本当の高速道路の道路公団改革にはなっていないんじゃないかというのが私の基本的な意見なんですが、ここでの質問はまた別にしまして、この新直轄方式によって地方自治体が整備費、管理費について負担が生ずるわけですが、これについてどの程度負担が生じて、そしてそれについての将来財政負担、重荷にはならないかという点についてはいかがでしょうか。
  39. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ちょっと数字の細かい話になろうかと思いますので、財政局長の方から答弁させます。
  40. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 私の方から御説明させていただきます。  日本道路公団の民営化に当たりまして、料金収入を活用しました従来の整備手法を補完する新たな手法として、ただいま御指摘ありましたように新直轄方式というものが想定されているわけでございます。これは、料金収入によりましては管理費を賄えない路線など、新会社によります整備、管理が難しいと見込まれる路線なり区間を対象にいたしまして、十五年、平成十五年度より、国と地方、負担割合は三対一ということでございますが、新たな方式ということが導入されているわけでございます。  これは、高速道路のネットワークにつきまして早期形成していただきたいという地方からの要望が非常に強いということも踏まえまして、また、従来、直轄の場合でございますと、国と地方の割合というのは基本的には二対一ということが基本だと思いますが、それよりは国の負担割合を高めるということで対応していきたいというものでございます。  また、地方の負担が全体の四分の一程度ということになるわけでございますけれども、この地方財政への影響につきましては、自動車重量譲与税の交付割合を高めるということで地方にも財源を措置するというようなことを配慮しているところでございますので、こういった中で、高速道路のネットワークの形成に向けて、全体としてはまあ必要な措置かなというふうに我々は考えております。
  41. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 今のは整備費だと思うんですが、今度、維持管理費の方はどうですか。
  42. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 維持管理費でございますけれども、これにつきましては、今後この新しい方式によります高速道路が建設されていくことになるわけでございますけれども、まだ実際に供用を開始するまでにはもちろん時間があるわけでございますので、現在のところは、維持管理を行うことになるまでの間に関係省庁で協議して定めるということになっております。  ただ、我々といたしましては、一般的に国直轄事業に掛かりますこの維持管理費の関係につきましては、基本はその設置者が負担をすべきものであろうというふうには考えておるところでございますが、いずれにいたしましても、今後よく協議してまいりたいというふうに考えております。
  43. 小川敏夫

    ○小川敏夫君 終わりました。
  44. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。  先日の当委員会で、人事院総裁から人事院の業務概況の説明をいただきました。その際、総裁からは、厳しい経済情勢の下、民間給与の実態を適切に把握し、民間準拠の考え方に沿った公務員給与を確保するよう努めるとともに、給与構造の基本的見直しに取り組むと、こういう御説明がございました。  そこで、給与、退職金、手当などなどにつきまして若干お伺いをしたいと思います。  まず初めに、公務員の給与の振り込みでございますけれども、昨年の十一月、CIO連絡会議の事務局のこのデータによりますと、まだまだ公務員の方々の給与振り込みが電子政府とかIT国家だとかいいながら進んでいないと。  この公務員の給与を現金で渡すということは、現金の運搬、仕分、袋詰めの作業等、給与支給業務が、これ、多岐にわたるわけですね。公務員が自分の給料を現金で袋詰めするためにまた人件費を使うという、全くもってこれはいかがなものかなと、こう思いますし、現金の取扱いがなくなるということは安全性の確保からも非常に重要でございます。  今現在、この公務員の給与の振り込み、よその省庁は結構ですよ、人事院と総務省はどうなっておりますか。
  45. 中島忠能

    政府特別補佐人(中島忠能君) 振り込み状況につきましては、昨年の二月と六月と九月というふうに調査をしております。その状況ですが、二月の段階では全省庁で四五%ぐらいの振り込みの状況、九月の段階では五八%という状況でございますから、大分上がってきているなと思います。  これはただ、問題が表面化しましてから、私も、当時、政調会長でいらっしゃった麻生大臣のところに御相談に行きまして、いろいろ相談したんですが、麻生大臣は少し各省庁に頑張ってもらえということで、各省庁にそれぞれ働き掛けまして、五八%まで上がったわけですけれども。  ちなみに私たちのところで少し職員に働き掛けましたところが、九月段階では九〇%を超えるようになりました。二月段階では四五%でしたけれども、九月段階では九〇%を超えるということでございます。今年の一月にまた全省庁調査をしておりますけれども、私たちの役所では、銀行振り込みをしていない人間にちょっと出会うのが難しいような状況でございますから、恐らく九五%ぐらいは行っているなというふうに思います。  それぞれの省庁で、趣旨をよく話して、各省、各個人の自覚を促すようにいたしますと、やはり上がってくるだろうというふうに思います。それぞれの省庁で、任免権者側で努力していただくということじゃないかというふうに思います。  ただ、全額振り込みいたしますと、銀行もそれなりのATMの設置というものをやっていただかなきゃ、大変、職員が不便しているという状況でございます。私らのところで申し上げますと、厚生労働省とか環境省というでかいビルがありますけれども、私たちの方もそこを利用させていただいているんですが、その地下にATMが一台だけしかないということですから、月給日及びその翌日ぐらいは、もういつも長蛇の列で、私などはもうとにかく下ろすのが大変だという状況ですから、銀行側にもこれから努力していただく必要があるなというふうに思います。
  46. 平井正夫

    政府参考人平井正夫君) 総務省及び消防庁における銀行振り込み率でございますが、今年の三月時点の給与振り込み率でございますが、総務本省が九九・七%、消防庁は九六・五%でございまして、総務本省で八人の方、消防庁で四人の方ですね、約三千人中、その人数がまだ手でお支払いしているという状況でございます。
  47. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 電子政府を先導する総務省でありますから、是非ひとつ前向きに取り組んでいただけるように、職員の方々にも御協力をお願いしていただければと思います。  それから、人事院総裁、先ほど銀行言いましたけれども郵便局の振り込みも、これはいいんじゃないでしょうか。どう。どう。
  48. 中島忠能

    政府特別補佐人(中島忠能君) 大丈夫でございます。大丈夫でございますが、郵便局の方が更に遠いところにございますので、非常に不便だと思います。
  49. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 ここは総務委員会ですから、郵政行政担当局長もいらっしゃっておりますので、銀行及び郵便局と、このように言っていただくと非常に場も和らぐんじゃないかなと、こう思いますが。  さて、続きまして、諸手当についていろいろとお聞きしたいと思います。  調整手当というのは、これ、御存じのように、物価の高い都市部について割増しの、例えば甲地である東京特別区であれば一二%ということでございます。こういうように調整手当というものが公務員にはあるわけでございますが、現状、この調整手当についてどういうふうに取り組んでおられますか。はい、どうぞ。
  50. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 調整手当の見直し状況について御報告いたします。  調整手当につきましては、調整手当支給地域に職員を短期間在勤させた後に異動させることによりまして異動保障を適用させる、いわゆるワンタッチという問題がございました。それからまた、支給期間が三年間というふうに、制度の趣旨から見て長過ぎないかという御指摘があったところでございます。  こうした御指摘を踏まえまして、私どもでは昨年の勧告におきまして、いわゆるワンタッチにつきましては、調整手当の異動保障の支給対象者を引き続き六か月を超えて在勤していた職員に限定する、また、支給期間を三年から二年に短縮いたしまして、二年目の支給割合を八割に低減する旨の勧告を行ったところでございまして、本年四月一日からの施行に向けまして、現在、必要な作業を行っているところでございます。
  51. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 先ほど総務大臣からも、交付税が相当減額されて、地方ももう一生懸命行革に取り組んでおるわけですね。特にこういう手当なんかも本当に今厳しく、民間の、民間はどうなっているかと、まあ民間準拠ですから、いうことで、いろいろその民間の実態を調査しながらやっておるわけです。  例えば、この調整手当も、今のお答えによりますと、支給期間を三年から二年に短縮で、二年目は一年目の支給割合の八割に引き下げる、その方向で今調整しているという御答弁でしたけれども、私は岡山市に住んでおりますが、岡山市東京事務所というのがあります、東京事務所。そこの所長さんがこの四月に岡山へまた帰るわけですね、異動で。聞きましたら、もう調整手当はもう即カット、即カット。東京来たら調整手当が付いたわけですね、岡山帰るわけです、この四月に、即カット。だから、地方がどれほど、この調整手当一つでもどれだけ努力して血のにじむような努力をしているか。国の方はまだ何ですか、二年間に短縮して二年目は八割も出すんだと、こういう、こういうことじゃ、地方の皆さん一生懸命にこの厳しい中を努力しているのに、ここは率先垂範を国家公務員、特に人事院辺りがそういうことを、地方はどうなっているのかという実態も踏まえながらやらないと。  反対に、この東京で国家公務員の方が岡山へ異動になる場合ありますね。その場合は、これ、この手当が二年間付くんですよ。反対に、岡山の方で東京へ来ていた方が岡山へまた帰るともう即カット。同じ公務員でも国家公務員と地方公務員、これだけ違う。これは何とかそういう声を取り入れて調整をしていかなきゃいけないんじゃないかなと、こう思いますが、これは大臣、どうでしょう。
  52. 中島忠能

    政府特別補佐人(中島忠能君) おっしゃることはよく分かります。ただ、岡山の方が東京から岡山に帰るときには、家族が住んでおるところに帰るということですから、世帯が分割されて、生活費がたくさん掛かるという状況がそこでなくなるわけですね。ところが、岡山から東京に来るときには世帯が分割されて生活費がたくさん掛かるから、東京へ行けば調整手当がもらえるから、月給が増えるから我慢して行ってくれと、こういうことで運用されているわけですね。だから、国家公務員の場合には、大体東京から地方、大都市から地方というときに、転勤するときに、もうほとんど今単身赴任の状況になっていると。しかも調整手当がカットされるということになりますと、生活費は余分に掛かる、しかも月給が下がるということになると、各省の官房はもうそこで人事異動ができなくなるから、とにかく調整手当の異動保障というのは置いておいてくれという要望なんですね。だから、そこは私たちは各省の官房の人事管理の実態というのも考えてあげなきゃ、円滑な中央と地方との人事異動というのができなくなるおそれがあるということでございます。  ただ、先生のようなお考えもよく分かりますので、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、改革をさせていただいたわけでございます。いろいろな御意見というものがこれからまた出てくると思いますので、その御意見をよくお聞きいたしたいというふうに思います。
  53. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 その単身赴任手当というのはまた別にあるんじゃないんですか、単身赴任手当。それから、岡山の例を取りましたけれども、岡山の方は東京で子供さんと一緒に住んでいるんですよ、大学生ということで。  ですから、一つ一つ取り上げていくと、まだまだこれは、地方の皆さん、それは違うかもしれませんよ、家族のいるところへ帰る、行くというようなことで。しかし、東京で公務員をやっている方が地方に行った場合だって、家族ごとに行っている方もいらっしゃるわけでしょう。そういうことがありますので、これはやっぱり国民の目から見て、何でこんなことになるのだろうかと。まあ、これから一歩前進ですが、さらに、この給与構造を見直すとおっしゃっておるわけですから、更に精査をして、民間準拠に、また地方の皆さんと同じような方向になるように努力はしていただきたいと、こう思いますね。  それから次は、特殊勤務手当いうんですけれども、この特殊勤務手当というのは何か資料をいただきますと三十六種類あるようでございます。  それで先日、これもニュースでございますけれども、横浜なんかはこの特別勤務手当、特勤ですね、これにつきまして、特殊勤務手当、特勤につきまして七手当を廃止したと、それだけで十二億円を削減すると。これ、地方はもうどんどん特別、特殊勤務手当も見直しをしておるわけです。国の方がこの特殊勤務手当、三十六種類ありますが、これはどういうふうにされるのでしょうか。
  54. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 特殊勤務手当の見直しの件でございますけれども、これにつきましては、昨年の勧告時の報告におきまして、手当ごとの実態等を精査して、特殊性が薄れているものなどについて廃止を含めた見直しを行う等の、見直しを行うという旨を明らかにしたところでございます。  現在、御指摘のように、特殊勤務手当は三十五手当あるわけでございます。現在、各省庁のヒアリングを踏まえまして、例えば測量業務に係る高所作業手当等、六手当、九業務につきましては先行いたしまして十六年度から見直しを行う予定でございますし、今後とも各府省と協議あるいは調整を行いながら、本年の予算編成時期にも更に見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
  55. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 続きまして、通勤手当でございます。  これは人事院の御努力もありまして、一か月定期を六か月ということで、相当これ、三けたの単位の、億単位ですね、三けたの億単位が、まあ何百億というお金を恐らく全国的にも、地方公務員にもこれが適用されつつありますので、削減されるんだと思います。  ところが、この通勤手当、マイカー出勤の方が地方支部局だとか出先は結構皆さん多いと思うんですが、このマイカー通勤に対する通勤手当というのはどういう基準で、どういうふうに支払われておるんでしょうか。
  56. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) マイカー通勤の、いわゆる交通用具使用者と申しておりますけれども、に係る通勤手当につきましては、民間の支給状況を基本といたしまして、ガソリン代あるいはJR運賃等を考慮いたしまして改定を行ってきているところでございます。  昨年夏の勧告では、主として民間の長距離通勤者への支給状況等を踏まえまして、これまで上限が四十キロまでだったわけでございますけれども、これを六十キロとするまでの勧告を行いまして、今年の四月の施行に向けまして給与法の改正が行われたところでございます。
  57. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 例えば、ガソリン、一リットル幾らで換算をされているんですか。
  58. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) ちょっとそれについて、今手元に資料ございませんので、また後ほど御説明させていただきたいと思いますが、ガソリン代等も考慮いたしまして、特に民間でどのくらい支給されているかというのを考慮いたしまして、従来よりも若干充実させていただいたというところでございます。
  59. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 これ、千葉県の市原市が、市民の目線での経費削減ということで、この通勤手当を見直しをされたようでございます。自動車での通勤手当は、一リットル百四十二円を今まで支給しておりましたが、これを今の相場に合わそうということで九十八円に統一しまして、年間何と一億三千三十万円が削減できたと。市原市ですよ、一つの市で、ということだそうでございます。その、じゃ九十八円のその根拠は何かというと、これは公用車が既に一リットル九十八円で契約していると、公用車が。それと同じ料金にしてくれということで、もちろん皆さんに納得いただいて大幅にこれ見直しを、出て、大きな財政削減ができたと、こういうことでございます。  ですから、この市原市なんかに尋ねられて、どういうふうにしてこの自動車通勤手当を削減したのか、一つの参考例で尋ねられて、例えば九十八円の算定はどうして、どういう理由でそういうふうになったのかとかいろいろお聞きになって、やはりこれは、一か月のを六か月に通勤手当を変えただけでも何百億というお金が削減できるわけですから、現状に合ったやはり手当にするべきじゃないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
  60. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) その点につきましては、御指摘の点を十分踏まえまして、ガソリン代の動向等を十分踏まえまして見直し等を考えていきたいと思います。
  61. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 続きまして、寒冷地手当でございますが、これは行革推進七百人委員会からも報告が出ておりますが、まあ埼玉、広島でも寒冷地手当が出ていると。温暖なところだろうと、広島なんかは。私も同じ中国地方の岡山に住んでおりますから、思いますが。  民間有識者で構成する日本再建のため行革を推進する七百人委員会政府の無駄遣いについて三十項目調査が必要だと、こういう提言をされました。その中の一つがこの公務員の寒冷地手当ということでございますが、この寒冷地手当についてはどのような今対応をされておりますか。
  62. 中島忠能

    政府特別補佐人(中島忠能君) 寒冷地手当につきましては、昨年の当初からいろいろ御指摘をいただいております。  そこで、私たちの方は、昨年の勧告をする際に、民間の支給状況を徹底して調べるということを申し上げました。現在、九千社を調べ上げて、集計中でございます。そんなに遠くない時期に発表できるというふうに思いますけれども、この寒冷地手当の合理化というものを考えるときに、少し私たち、念頭に置いておかなきゃならない問題が私二つあるというふうに思います。  一つは、やはりこの手当が議員立法で創設されて、支給地域が拡大されたのも議員立法で拡大されたという経緯がございます。今の議員さんは余りむちゃなことをおっしゃらないと思いますけれども、少し前までは、議員立法で作ったものを執行部が改正するということになりますと、かなりいろいろ御異議を申される方がおられましたので、ひとつ、総論賛成だけれども、各論になるといろいろなことをひとつおっしゃらないようにお願いしたいというふうに思います。  もう一つは、この寒冷地手当が出ていることによりまして、福祉の措置費が影響してくるとか、あるいは地方交付税も関係してくるとか、選挙費用の算定基礎もそれで変わってくるという、他の経費に関連する要素がございますので、市町村長さんがかなりこの問題については強い関心を示されると。そうしますと、当該地域から出ておられる国会議員さんもいろいろ御関心をお持ちになるということでございますので、そのそこらの説得というものも少々時間が掛かるだろうというふうに思いますが、おっしゃる合理化の方向については、私たちは真剣に取り組んでまいりたいというふうに思います。
  63. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 私が申し上げたいのは、給与構造の改革をするとおっしゃっているわけですから、聖域を設けずにすべて一品ずつ、現状はどうなのか、どうすべきかということを今後前向きに検討していただきたいということの例で調整手当、寒冷地手当、特殊勤務手当、通勤手当を取り上げたわけでございます。  大体三十、いただいた資料は三十六種類の特殊勤務手当というデータでございましたけれども、三十五ですか、これも一品ずつ、本当に要るのか要らないのか。ある省の高所作業手当ですか、各目明細書を見ると二千円ですよ、年間二千円。果たしてそんなものが、高所作業諸手当二千円というのがもう要るのか要らないかとか、そういうことを踏まえていろいろ検討いただければと思います。  それから、ちょっと資料をお配りをさせていただいておると思います。時間がありませんので、これに移りたいと思います。  これは行政経費の無駄を省こうということの一つの例でございまして、既にこれは、私も昨年農水委員会へ入っておりまして、農水委員会でも取り上げた件でございます。通信料金の削減効果、年額の資料、ございますでしょうか。  これを見ていただきますと、これは総務省からいただいたデータでございますが、現行の、左の上ですね、現行の料金は、電話基本料金が一千二百万余り、それから電話料金が約三千万余りで合計四千二百万円が総務本省の一年間の俗に言う電話料金代でございます。これを、今、IP電話というのは、これは大臣御存じだと思います。去年がIP電話元年と、こう言われて、今大手企業の一四%ぐらいがIP電話を活用しておると聞いております。もしこれを総務本省でIP電話化した場合はどうなるかという、ざくっとしたこれは一つのシミュレーションでございます。  もちろん、全部の電話をIP電話にするんじゃありません。もちろん、ファクス等々はIP電話では通じませんし、一一〇番とか一一九番も通じませんので、現行の電話回線は二十回線ぐらいは残す、こういう案でございます。残り九十回線ぐらいがIP電話にしたらどうか、こういうふうなことを念頭に入れまして、某大手企業が行ったIP電話と同じような中身、シミュレーションをもし総務本省に当てはめたらどうなるかということでございます。結論はこの右にありますように、初期投資が一千八百万円程度要りますが、要は、初年度は大体現行の電話料金と同じぐらいでございますが、二年目からは約半額、二千三百万程度になるということでございます。  是非、これは電子政府を先導しておられる総務省でありますし、電気通信事業のことも所管されておるわけでございますから、ひとつ、このIP電話を総務省経費削減ということもありますので、行政管理の部分もあるわけでございますから、一遍試みたらどうだろうか。  不安だと思いますよ、音声がどうだこうだ言います。全部クリアできておりますけれども、どこかの出先の省庁ぐらいから、まず出先の機関ぐらいからやらせてみて、うまくいけば本省でも適用する、こういうふうにされたらばいいんじゃないかと思います。  実は、私、公明党の無駄一掃対策本部の委員長に今度就任いたしまして、官邸にできました行政効率化委員会とのパートナーの片割れでございますので、これからそういうことをどんどんどんどん官邸の方に言わなきゃいけません。  そこで、まず総務省としては、このIP電話のことについて、無駄の削減ということで一つの御提案でございますが、御検討いただけますか、どうですか。
  64. 平井正夫

    政府参考人平井正夫君) 先生御指摘の通信、電話料の関係でございますが、現在、先生の方に資料でお出しいただきました料金につきましては、平成十四年五月にマイラインという制度がされましたときに、全国の事業者に提案を求めました。それの最も安いのを利用させていただいたというその結果が左側の数字でございます。それで、先生御指摘のように、IP電話につきまして、最近実用化されてかなり普及しつつあるということでございまして、我々も検討する必要があるなというふうに考えておるところではございます。  ただ、先生も資料でも御指摘いただいておりますけれども、一一〇番ですとかファクスですとか、IP電話では必ずしも現在十分にできないというのも明らかになっておりますので、この辺についてもどういうふうな、例えばここで、仮定で九十回線分は現行電話回線を継続使用するとか、いろいろ仮定ございますので、こういうことも含めまして検討をさせていただきたいというふうに考えております。
  65. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 終わります。
  66. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。  去る三月九日の予算委員会で、我が党の小池晃議員が、麻生大臣が昨年の十二月に、自民党公認で出馬する前総務消防庁次長の励ます会で行った、総務省を挙げて頑張りたいという発言、これを取り上げました。議場内では、逮捕しろとの野次も飛んでおりましたけれども、この席でのあなたの発言はこれだけではありませんでした。大臣は、それに続けてこう言っているんです。総務省選挙を管理しているが、選挙をやるのと見ているのと全く違う。今から約六か月間、いろんなお願いをすることになると。  選挙までの六か月間、することになると大臣が述べられたいろんなお願いというのは一体どういうことですか。
  67. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 省を挙げて応援をするというのは少々発言としては穏当を欠いております。その場でも後でおわびを申し上げたところだと思っておりますが、言い過ぎだったと思っております。  その他のことに関しまして、いろんなことがあるという話をその場でしたというところがちょっとよく分かりませんので、ちょっともう一回言っていただけます、その他のところ。
  68. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 それに続けて、選挙をやるのと見ているのとは全く違う、今から約六か月間、いろんなお願いをすることになると大臣はおっしゃいましたでしょうか。
  69. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 選挙をやるのと見るのとというのは、たまたまその前に選挙の話をいろいろほかの議員としておりましたので、役所というのは全然選挙は分かっておらぬねという話やら何やらしていた話で、選挙というのは、やるのと、実際出てみるのと、外から今までは選挙を管理する立場で見ているのと全然違いますよという話で、選挙というのはやるのと見るのとじゃ全然違うものだというつもりで発言したというのがその表現になったと記憶しております。
  70. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 どういうお願いをすることになるのかと私は質問したんですけれども
  71. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 投票に行ってください等々、いろいろお願いすることはいろいろあるんだ、投票に是非参加してくださいとか、いろいろ言う話は、役所としては、是非、投票率が下がらぬように、いろいろ、投票に行ってくださいというようなことは言うんじゃないでしょうか。
  72. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 笑いも出ておりますけれどもね、私は、これは極めて重大な問題だと。このパーティーには全国知事会全国町村長会など、自治体関係者ら約千人が参加していたと報じられております。  地方自治体の関係者というのは、総務省にとって直接の利害関係人にほかならないわけですね。その人々の前で、大臣が特定の候補者を総務省を挙げて応援するとかお願いすることになると、これは明瞭な地位利用と、そして職権濫用ということになると思うんですね。  このパーティーに地方団体の代表が参加していなかったと、大臣、明言できますか。
  73. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 地域団体を代表している方、その立場におられる方々町村長さん含めていろいろな関係者がそこにおられたと、私も何名かの顔に記憶がございますんで、いらっしゃったと存じます。  したがいまして、私ども総務省としては、そのほかにも出ておられる方はいらっしゃいますんで、私どもとしては、挙げて応援するって、それは別に一人を応援するつもりで言ったつもりでもないんですが、今申し上げたような意味で、何となく宮本先生から見て、それはおまえ、特定なやつに対して一種の、何というのかな、利益誘導じゃない、何という言葉がありますかね、強制じゃないかとか、いろんな表現があるんだと思いますけれども、その種の誤解を受けかねないような発言だったということで、その後の記者会見で、ちょっとその場の雰囲気では全然気が付きませんでしたので、後で、記者だったかな、何か言われましたんで、その段階で訂正をして、おわびを申し上げたという次第です。
  74. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 こういうパーティーを開こうという前消防庁次長も次長だと思うんですけれども。私、大臣はよくお分かりになっていないと思うんですね。そもそも、総務省ほどこの問題を問われている役所はないんです。  前回の二〇〇一年参議院選挙では、自民党の高祖憲治派による選挙違反事件で、私の地元の近畿郵政局長が逮捕、起訴されたのを始め、十六名もの逮捕者を出し、ついに高祖議員は辞職に追い込まれました。  そこで、総務省に確認をいたしますけれども平成十四年一月十七日、大阪地裁が前近畿郵政局長ら三人に下した判決で、その罪状は、その職務上の地位を利用して選挙運動を行ったという公職選挙法違反、公務員の地位利用でしたね。
  75. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘の平成十三年七月二十九日施行の参議院議員通常選挙に関しまして、同選挙に比例代表選出議員の候補者として自民党から立候補する決意を有していた高祖憲治氏に関し、職務上の地位を利用し、投票及び投票取りまとめの選挙運動を依頼等をしたということで、大阪地裁における三名の者についての判決が出たことを承知しております。
  76. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 大臣、前回この参議院選挙で、総務省は、公務員の地位利用による選挙運動が裁判所によって断罪されたといういきさつを持つ役所なんですね。正に今回の参議院選挙は、その反省が問われる最初の機会でもあったわけです。  この判決を受けて、実は総務大臣片山総務大臣の談話というのが出ておりますけれども大臣御存じですか。
  77. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 概要は承知しております。
  78. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 ここに私持っておりますけれども、こう述べているんですね。本日、大阪地方裁判所において、前近畿郵政局長等に対し、昨年の参議院選挙にかかわる公職選挙法違反で禁錮刑の判決が言い渡されたことは誠に遺憾であり、このような事態に至ったことについて、郵政事業を所管する大臣として厳粛に受け止めるとともに、国民の皆様に深くおわび申し上げます。今後は、二度とこのような事態が起こらないよう、服務規律の保持と公私の峻別を図るとともに、郵政事業に対する国民の皆様からの信頼の回復に向けて、全力を挙げて取り組んでまいる所存ですと。  その後を引き継いだあなたが、今度は消防庁出身の自民党候補のパーティーに出席して、知事会町村長会など地方自治体関係者を前に省を挙げて応援するとこう言ったのでは、正に二年前の片山大臣の厳粛に受け止める、あるいは公私の峻別というのは一体何だったのかということになると、こういう問題なんですね。  大臣、そういうふうにお受け止めになりますか。
  79. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 反省の件につきましては、ここにも総務大臣談話というのを、読んだことがありますし、今ここにもございますんで、内容をよく知っておるところであります。  ただ、職務としてやったのではなくて、これはパーティーの席上で言った話ですんで、ちょっとその点に関しましては、これと一緒に扱われると、ちょっといろいろかとは思いますけれども、基本的には言葉としては舌足らずだったと思っております。
  80. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 私は、この高祖派による郵政ぐるみ選挙の実態を実は選挙の前から繰り返しこの委員会で証拠も示して追及をしてまいりました。二〇〇〇年十一月七日、二〇〇一年三月二十二日、そして同じく五月二十四日。繰り返しの私の質問に、当時の片山大臣は、特定局長会は任意団体だから何をしようが知らぬという答弁を最初は繰り返したんです。しかし、とうとう近畿郵政局長逮捕という事態になって、その後の十月十八日、私の質問に対して、大変反省している、二度とこういうことのないようにしたいという責任をお認めになる発言をされました。こういういきさつがこの総務委員会であったということもしっかりと受け止めていただきたいと思います。  ところで、一つ聞くんですけれども、この高祖派の一連の選挙違反事件で、国家公務員法百二条違反に問われた者が一人でもおりますか。
  81. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 今回の百二条についてはございません。同事件におきましては、公務員の地位を利用して選挙運動をした点ですとか、それから及び立候補届出前の選挙運動をしたという点を問われたものでありまして、国公法の百二条で規定されている政治的行為の制限には該当しなかったというふうに承知しております。
  82. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 この事件で、元近畿郵政局長などは、その地位を利用して業務上の会議などを招集し、その席上で特定政党の立候補予定者の後援会への入会を勧誘し、さらに票の取りまとめの選挙運動を依頼したと。この事実は裁判でも既に確定をしております。それでさえ、そういう事実が確定していてさえ、裁判所も、またあなた方総務省も国家公務員法百二条違反には問えなかったんです。それは、この国家公務員法百二条というものが、公務員の政治活動を広く禁止するという意味で、そもそも憲法違反の法律だからだと考えます。  しかし、高祖事件のようなものでさえ適用できなかった国公法百二条を、勤務時間外に勤務地とは全く別の場所で一市民としてビラを配ったという事例に適用するなどということは全く許されないということを、これは強く申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  さて次に、二月八日から全国の郵政の職場に深夜勤という新しい勤務形態が導入されました。私は、去る二月二十七日、私の地元の大阪此花区にある新大阪郵便局に伺って、この夜勤の実態を視察をしてまいりました。  この深夜勤というものはどういうものか、配付した資料を皆さん見ていただきたいと思います。夜の二十二時から翌朝九時までの十一時間勤務を、この図1ですね、深夜十一時間勤務を四日連続で行うことを基本とする、仮眠もない深夜の長時間労働なんです。  昨年の十月、麻生大臣は、大臣に対する質問で、私に、従業員二十八万人プラスゆうメイト等々含めて約四十万、家族を含めて約百万の方たちの生活の安定、やっぱり安心、また労働意欲等が落ちないようにすると、こう大臣答弁されたわけですけれども、この勤務、正に十一時間深夜労働を四日連続と、これで郵政労働者の生活が安定したり意欲が落ちないと大臣考えになりますか。
  83. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これはちょっと例はいかがなものかと思いますが、私ども元炭鉱屋から言わせますと、夜勤ばっかりだったので、ずっとやっておった時代もありますので、職場によって随分違うんだということは、セメントの作業場、鉄の作業場、夜間勤務、二十四時間回っておりますんでそういうことになるんですが、ここの郵便局の場合も、これはいろいろ今対応が、新しい民営化に向かって事を進んでいる関係で今やっておられるんだと思いますが、この話につきましては、私どもの伺っている、伺っている範囲では、この深夜勤と言われましたが、私たちは新夜勤と言うんですが、深夜勤が導入されました平成十六年の二月から死亡までの勤務状況というので、職員からは寝泊まりは以前からやっているが、夜勤、中勤はきついので外してほしいとの健康管理上の申出を認め、二日連続の深夜勤を二回行った以外は日勤の業務ということになったという具合に理解をいたしております。  いずれにいたしましても、その本人とのある程度納得をした上で、双方で話合いをした上で決めていかれるべきものなんじゃないかと思っておりますが。
  84. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 いや、現場の実態ね、大臣ね、本当に是非見てくださいよ。  私、現に、この深夜勤やっている現場の労働者から声も聞いてきましたけれども、ある労働者は、余りにも過酷な過重労働で精神的に気力がなくなり、休日も体が動かなくなると。夜に仕事して昼間に休むので、人としての社会生活や家庭生活もできなくなると、こう語っておりますし、別の労働者は、四日連続というのが殺人的なんだと。三日目に頭がごおっと悲鳴を上げると。昼間何ぼ寝ても夜の睡眠とは違うと、疲れが取れないと、こういうふうに訴えておるんですね。  深夜労働による身体疲労、健康への影響が昼間労働に比べて格段に大きいというのは、これは医学的にも国際的にも常識化をしております。  今日は厚生労働省に来ていただいておりますけれども、ILOの「夜業に関する勧告」第百七十八号勧告には、夜間労働者の通常の労働時間は一般的に平均して短くならなければならないという文言があると思いますが、これは事実だけお答えいただけますか。
  85. 長谷川真一

    政府参考人長谷川真一君) 先生がおっしゃいました夜業に関するILO第百七十八号勧告でございますが、これは一九九〇年の第七十七回ILO総会におきまして、夜業に関する条約を補足する勧告として採択されたものでございます。  同勧告中の「労働時間及び休息の期間」を定めた規定の中に、「夜業労働者の通常の労働時間は、一般的に、関係のある活動又は企業の部門において昼間に同一の条件で行われる同一の労働に従事する労働者の労働時間よりも平均して少ないものであるべきであり、かつ、いかなる場合にも平均してそれらの労働者の労働時間を超えるべきでない。」とあるのを承知しております。
  86. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 この勧告には日本政府賛成をしたんですね。これがILOの示した国際労働基準であることは明瞭だと思います。  ILOが短くなければならないとしているものを、実に拘束十一時間、わずか間に一時間の休憩を挟んだだけで四夜連続で働かせる。厚生労働省、これは異常なことだと、こうお感じになりませんか。
  87. 大石明

    政府参考人大石明君) 深夜業につきましては、そこで従事する労働者の就業環境というものが整備されなければならないというふうに思っております。その方向で私どもとしても努力してきているところでございます。  具体的に申し上げますと、そこまでお答えして、今言えるのかどうか分かりませんけれども、労使における、労使による深夜業に関する自主的ガイドラインの作成事業と、こういったことも行ってまいりまして、やはり各業種、社会におけるそういったコンセンサスというものを作っていくためにも、そうしたことが非常に重要ではなかろうかということで、そんなことも通じて、そうした深夜業における労働条件の改善というものが進むように、あるいはそうした意識が高揚していくように努めているところでございます。
  88. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 こういうものに本当にメス入れないと、正にルールなき資本主義と世界からも指摘されるような事態になっているわけですよ。大臣ね、大臣も同じ考えかと。  私は、人間の健康を考えても、何千年の昔から夜は休むものと。それを働くというのは、どこかで必ず何らかのマイナスが起こってくると。夜勤体制というのは配慮しなければならない問題だと思うんですけれども大臣のお考え、いかがですか。大臣
  89. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 郵便局を特定して聞いておられるんですか。  郵便局をとされておられるんだという前提に立ちますと、これは基本的には郵便局の中においていろいろな話を、労働条件の話は、これは公社になっておりますので、公社と労働組合との間で交渉されて、いろいろ条件を決められるということが基本なんだと、私はその点に関してはそう思っております。  で、四十、週四日ということは四十時間ということになろうと思いますので、そこの時間帯については違法というわけではないんでしょうが、その状況がいろいろ本人にとって負担になるという点は、それはその個人によって大分違うところもありますでしょうし、手当も付くんでしょうから、そういった意味では、いろいろ人によって大分内容が違うだろうなというのは正直なところです。  ただ、個人によって夜間は全く駄目だという人になるならば、それは公社というか、その会社と、会社というか、公社とその本人との間に立って組合がどうされるか。いろいろ、間に立たれる方もいろいろいらっしゃるんだと思いますが、ただ、だれかがやらにゃいかぬサービスであろうとは思っております。夜中の方々の需要というのは極めて大きいところだと思いますね。  だれかがやらにゃいかぬ話ではありますので、サービスを、国民から見た場合のサービスを考えたときに、場合は、ある程度の仕事を夜やっていただく方々というのは、常にそういったところが出てくる部分は避けられぬものだとは思いますけれども
  90. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 大臣ね、先ほど私が申し上げたことは、実は私の言葉じゃないんですよ。  平成五年六月の三日に、私、先ほど深夜勤と申し上げましたが、この深夜勤の前に新夜勤、新しい夜勤、ニュー夜勤というものが、新しい夜勤と書いてニュー夜勤と区別して言うんです、それも新夜勤ですから。だから、今度の深夜勤を私たちは深夜勤と呼んでいるんです。  平成五年の六月三日に、そのニュー夜勤という、これまでの夜勤形態が入ったときに、我が党議員質問に対して、当時の郵政大臣がこう答えたんですよ。  私は、本来人間というものは夜休むものだと思うのです。郵政省だろうが労働省だろうが、あるいは病院だろうが、早起きは三文の徳という言葉がありますけれども、早寝しないと早起きできない。人間の健康を考えても、何千年の昔から夜は休むもの、それを働くというのは、どこかで必ず何らかのマイナスが起こってくる。そういう点も十分配慮しまして、夜勤体制というのは、いろいろ職場があると思いますけれども、配慮しなければならない問題だと私は考えております。  この郵政大臣大臣、だれかお分かりになりますか。
  91. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 平成五年、だれが大臣やったか全然記憶がありませんね。小泉純一郎ぐらいかな。全くの勘ですけれども
  92. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 そのとおり、小泉純一郎当時郵政大臣言葉なんですね。  だから、やっぱり郵政を預かる者として、郵政労働者の、もちろん公社という、別のこの公社になっていますけれども、しかし国家公務員であり、その労働条件その他について、前回十月には、大臣、私にも家族の生活、そういったものについても十分配慮しなきゃならないとおっしゃったわけですから、やはりこういった新夜勤についてはしっかりと配慮しなきゃならないということはつかんでいただきたいというふうに思うんですね。  それで、前回のこのニュー夜勤というのは、今日お付けした資料の下に付けた表なんですよね。この下に付けている図2の方がニュー夜勤というものなんです。このときは、一度やったら非番日が入っているでしょう。ただ、まあ確かに長い。連続午後五時二十分から翌朝九時半まで十四時間勤務と。その代わり、途中二時間の仮眠時間というのがありました。  我々は、当時、この二時間で果たして眠れるのかと、これは仮眠時間に値しないと、こういう追及を随分やったものですよ。しかしまあ、当時、郵政省は、眠れるんだと、二時間は仮眠時間なんだと、こう言いましたよ。  ところが、今回の深夜勤は途中一時間の休憩と。しかも、新大阪郵便局での説明でも、これは仮眠時間ではないとの説明でありました。つまり、二時間程度じゃ眠れないと。どうせ眠れないのなら、ぶっ通しの方が合理的だと、こういうことでございますか。
  93. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 今回、先生御指摘の深夜勤の長期の方のもの、これは十時間、拘束は十一時間という形ですが、中が一時間の休憩の形になっているわけですが、実際上、そこでどういうふうに職員の方、勤務をしながらの体をどういうふうに休めていかれるかはそれぞれ工夫をされている形になるわけで、睡眠という形に結果的になるかどうかというのはまた個々の具体的なものでございましょうが、この時間帯は前のときの十四時間というニュー夜勤とは違って時間も短いところでございますので、一時間という形の休憩になっているところだと承知しております。
  94. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 今までのニュー夜勤の下でも多数の過労死ないしは突然死というのは発生してきたんですね。そのわずか二時間の仮眠時間さえ奪い、これまでにない四夜連続などという無謀な勤務を押し付ければ、郵政職員の在職死亡が一層増えることになりかねないと思います。  事実だけ確認しますけれども、東京中央郵便局で二月から深夜勤に就いていた五十八歳の労働者がこの三月三日の夜に急死した。この事実がございますね。
  95. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 誠に残念なことでございますけれども先生御指摘のとおり、平成十六年の三月三日の日に東京中央郵便局の郵便部の特殊郵便課の五十八歳の職員が、これは出勤、勤務中ではなくて出勤前に具合が悪くなりまして、御自宅から夕方救急車で搬送されたというふうに聞いております。この方は深夜勤が導入された二月八日からの関係の勤務では、御本人から、泊まりは以前からやっているんですが、夜勤、中勤きついので、ちょっと外してほしいという話があって、二日連続の深夜勤を二回行った以外は日勤という形を取っておりまして、直近のこの深夜勤もたしか平成十二年の二月二十日、二十一日ですから、三月三日に亡くなられておられるんですけれども、大分前の時点で深夜勤をされたというふうに承知しております。
  96. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 導入後わずか一か月なんですね。大体昼と夜が入れ替わったような労働を労働者に強制しておいて、ようやく体が夜型のサイクルになり掛けているところをまた元に戻す。さらに、体が元のサイクルに戻り切らないうちにまた夜型の四夜連続深夜勤をさせる。これではわざわざ過労死を作り出すに等しいやり方ではないかと。  総務省としてこのような過酷な労働形態は直ちに見直させることを要求して、私の質問を終わります。
  97. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  初めに、大臣地方財政について伺ってまいりたいと思います。  三位一体改革問題、予算委員会やあるいは先ほど来からの議論にも随分出ていますけれども、この二〇〇四年度の予算では、地方のマイナスが国庫補助あるいは負担金削減で一兆三百十三億円、地方交付税等の削減が更に大きくて、臨時財政対策債を含めて二兆八千六百二十三億円、こうなっておりまして、これに対してプラスはわずかに税源移譲の四千五百七億円、正に地方にばかり犠牲が強いられる結果とこうなった、こう多くの方が指摘をしている、こういう状況にあります。  基本であるこの三本の制度、この中で収支バランスが全く成り立っていないわけですから、三位一体改革というスローガンそのものはもう崩れてしまったんじゃないのか、こう言わざるを得ないと思うんですが、大臣の見解を簡潔に伺いたいと思います。  この際、いや、地域再生債などの、そういうのがあるよなんという話は、これは私は問題外だと思うんですね。是非、大臣の見解を伺いたいと思います。
  98. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、又市議員の御質問に関しましては、基本的には今回の中でやっぱり地方自身としても、国も同じですけれども、ある程度行政改革、財政改革をある程度やっていただかないと、今のままでという前提になりますとそれは今おっしゃるとおりになるんですが、いろんな意味でこうやって地方自治法も変わって、アウトソーシングをできる部分もできてみたり、いろんな形で経費の、経費を削減しやすいようになりましたし、また今コンピューターというか、ICTというものを使っていろんな形でコストの削減が図れるような状況になっておりますのも御存じのとおりなんで、そういった意味では地方もある程度スリム化に努力をしていただくという前提がないと、今のまま、そのままと言われ、で補助金というのがなくなるとか、交付金がなくなるという話ですと今おっしゃったとおりになりますけれども、ある程度不要のものは少しとか、またできるものは外に出してアウトソーシングしていただくとか、いろんな形での努力も併せてお願いをしていかぬと、少なくとも累積二百四兆円を超えます地方財政の赤というものはなかなか、今後ともずっとたまっていくことになりかねませんので、そういった努力は、国もするけれども地方もお願いせにゃいかぬと、両方お願いしてお互いで努力していかないとなかなか難しいものなのだと思っております。
  99. 又市征治

    ○又市征治君 少し具体的に、じゃ伺ってまいりますが、補助金税源移譲の関係についてですけれども片山総務大臣はいわゆる片山試案というものを出して五兆五千億円の税源移譲案を示されておりました。また、知事会からは八兆九千億円などの具体的な提案が出されておるということは大臣御承知のとおりですけれども、もちろんこれらは、片山大臣の発言も含めて、これ一方的な補助金の削減ではなくて、税源移譲による補てんを大前提にしたわけですね。  その税源移譲への振替ですけれども、今大臣おっしゃいましたが、事務的経費は十割を見ようと、その他は地方でも努力をいただいて八割に、ぐらいにせざるを得ぬのじゃないか、こういう話だったと思うんですね。だとしますと、大枠では一兆円削るということであれば、その十割と八割の中間、つまり九千億円程度税源移譲になるんじゃないのか、これはだれもが、地方自治体もみんなそう思った、こういうことだと思うんです。  ところが、税源移譲は暫定の交付金を含めても六千五百億円しか戻ってこないと、こういう格好になっておるんですね。で、その中身見ると、公共事業の削減は振替率ゼロでもよいから、こんな格好になっているんじゃないですか。大臣、本当にそういうふうに判断をされているのかどうか。地方にとって必要な事業でもやむを得ないんだと、こういう程度のことでやむを得ないんだと、こうお考えなんですか。
  100. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には今言われましたように、まちづくり交付金一千三百億入れた上で約、今おっしゃいましたように六千五百億という数字になるんだということを言っておられるのだと思いますが、そのほかにもいわゆる財政再建債で八千億とかいろんなものが出てきておりますし、事実、国全体で見てみますと補助金もいろんな形で、細目をお持ちなんだと思いますが、そこを見ていただきますと最終的なバランスのところはそれほどむちゃくちゃな形に、数字になっておりません。細かく言うとあれですけれども、思っておりませんので、おっしゃるように結構厳しいことになったというのは事実だと思いますし、またこういうことになるであろうということをあらかじめ予測して対応してこられた等々、知りません首長さんとそうでないところとは随分差が出てくるところだと思っております。  そういった意味では、私どもとしては義務教育だ、それからいわゆる国としてきちんとして一〇〇%しておらなきゃいかぬ部分以外のところが問題だと言われるところなんだと思いますけれども、その点につきましては公共事業等々、ある程度減らしていただく部分もお願いしましたし、これ個別にいきますといろいろ人減らしもお願いしたり、いろいろしておるところでもありますので、私どもとしては、何というのかしら、みんなが満足しておられるというはずはないと思っておりますけれども、ただ先ほど申し上げましたように人口五万以上の町では総じて今回のあれは良かったというのが、この間共同通信で出ておりましたけれども人口五万以上の市町村ということは全人口の約七〇%ぐらいに当たりますので、市町村の数からいきますと約一五%ぐらいなんで、残り八五%の市町村長首長さんの数からいきますと、そうじゃない方の方が多いという数字に、形といえばなりますけれども、そういった意味では、小さな市町村の方が影響が大きかったではないかという御指摘は私もそのとおりだと思いますので、その点につきましては今後、いわゆる先ほど先生言われました再生債とか再建債とか、そういったもので個別にそういったところを重点的に対応していく必要があると思っております。
  101. 又市征治

    ○又市征治君 今出ましたこの公共事業を含めまして、地方財政計画ベースで地方の歳出額を一方的に一兆五千億円減らすということになった。他方で、地方一般財源の減額は、大臣せんだって予算委員会でも御答弁になっていましたが、二兆二千億円と、こういうことですね。この二つの数字比較しますと、事業費の削減額以上に一般財源が減っている、つまり自治体の自由度が非常に下がっている、こう見ざるを得ないわけですね。  麻生大臣、一生懸命この三位一体改革の目的の一つ、三つ挙げられておりますけれども、その中の一つ地方の自由度を上げていくんだと、こうおっしゃっているわけですが、今のこの事実でいいますと、全く逆の結果にこれなっているんですね。単に五万以下のちっちゃなところというだけじゃないですよ、これは。大臣が本当に自由度を言うんなら、正に今からでもいいですから一般財源、具体的には税源移譲をどう増やしていくという、こういうおつもりなのか、その具体の方針をもう少しやっぱり国民に明確にする、自治体に明確にしてもらいたい。片山さんは実行には至らなかったけれども、五対五にするんだと、こういう格好でおっしゃっておった件ですけれども大臣のそこら辺の見解をお伺いしたいと思います。
  102. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今おっしゃいましたように、平成十八年度まででやっぱりこれ計算、考えていただかぬといかぬところで、初年度というところと三年目と大分少し違ってくると、私どもとしてはそう思っております。  それで、今言われましたように、基本的には地方財源にどれぐらい出るのかよく見えぬ、地方に移されるのがよく見えぬと言われるところなんだと思いますが、先ほどの御質問どなたかございましたけれども、私どもとしては、今少なくとも国税と言われます所得税の中から、五%、一〇%、一三%の三段階ありますが、御存じのとおりですが、それを仮に一律五%ということで話になりますと、約三兆ということになります。それはその分だけ増税かという御質問ありましたけれども、いや、それは違うんであって、今の中の国税部分が減って地方税が増えるということを意味しますので、そういった形になりますと、約三兆の分がそこから出てくる。  これは捕らぬタヌキの皮算用ではないかと言われりゃそれまでの話でございますけれども、基本的には、今回地方に対するいわゆる譲与税という形で一歩前に踏み出した形になっておりますので、私どもとしてはその方向で、いわゆる予定特例交付金とかいろんな形で、地方税に対して基幹税と言われます中央、国税の方から移ってきている部分がありますので、その流れを確実なものにしていかなきゃいかぬものなんだと、私どもは基本的にそう思っております。
  103. 又市征治

    ○又市征治君 少し細かい話に、細かい、私どもは細かいと言うけれども地方自治体にとると大変重大な問題なんですが、公共事業の補助金削減も四千五百二十七億円に上っております。これがすべて税源移譲の対象外だということで、これは切り捨てられているわけですね。  しかし、公共事業であっても引き続き地方が主体となって実施すべき不可欠の事業はたくさんあることは、これは大臣も重々御承知のことだろうと思うんです。これらはむしろ地方単独事業として認知をして、財源と事業決定権限をやはり移譲していくというのが、大臣もおっしゃるように自由度を高めるということの意味なんだと思うんですね。ところが、地方単独事業の方も今回削減をしておるわけでありまして、これは理由が立たないわけですよ。  当面、過渡的には一つ一つの事業を評価をして、廃止すべきでないものについてはやっぱりちゃんと財源移譲にカウントすべきじゃないのかと、こんなふうに私は思うんですが、そこのところはどうでしょう。
  104. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 本当に必要なものだというのであれば、おっしゃるとおりだと思っております。ただ、基本的には、少々今の時期、二年でやるところをちょっと三年でやっていただけませんかとか、いろんな工夫はせねばならぬ、せねばならぬと、我々もそれから地方の方もしていただかねばならぬところだとは思っておりますけれども、これはどうしても必要なものだということになるのであれば、それは基本的に財源の手当ては国としても行われねばならぬものだという点に関しましては私も全く同じ。  ただ、流れといたしまして、単独事業につきましては、いわゆるバブルというものが発生いたします、あれ以前のところがわっと増えておりますので、そのバブル以前のところまでに一応戻してはいただけぬだろうかというのが、一応の基準として申し上げているというところです。
  105. 又市征治

    ○又市征治君 少しその点での具体論を申し上げますと、例えば道路を取りますと、国道の改良率がちょっと調べてみましたら八九・二%、それに対して都道府県道は五五・八%、市町村道は五一・三%のこういう整備水準、つまり地方の方がやっぱり立ち後れているわけですね。地方の生活道路がそういう意味で立ち後れているわけですから、市町村道をやっぱり分権的に整備できるように、そういう意味で財源の自立を図るべきであって、それにはやっぱり税源移譲による振替が本筋なんだろうと私はそう思いますね。  その点について、まず一つはお伺いしたいのと、仮に当面、特定財源はいじらないということであるならば、そのうち地方道整備に充当する部分を増やすように、これはやっぱり大臣、是非そういう意味では財務省と掛け合ってしっかり確保していただく、これはそういう意味地方がこういう点をどんどん削られていくものですから全く進まない、渋滞道路やいろんなことを多く抱えている、こういう問題を持っているわけで、そういう点などについてはやっぱりしっかりと御努力いただきたいとこう思います。
  106. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) おっしゃるとおりだと思いますが、平成十五年度の場合に、例に今引かれているんだと思いますが、このときにはいわゆる国税と言われるところから、いわゆる直轄方式の導入に伴いまして税源移譲が行われて、あのときはたしか九百三十億、九百三十億を地方に譲渡したという形になっております。  この点につきましても、自動車重量税、自動車重量譲与税というのが、譲与税を最初に使ったのはこれを使ってありましたものですから、今年ちょっとこの名前をもう一回使わせてもらったのが本音のところなんですけれども、そういった意味ではこの言葉を使わせていただいておりますので、基本的には地方の直轄方式におきましては、あのときはたしか三分の一の負担をたしか何分か、四分の一を三分の一に増やす等々にさせていただいたと思いますので、私どもとしては基本的には道路目的税をいわゆる移譲の対象の一つとして考えるというのは、方向としては私どもとしては今後とも言っていかにゃいかぬところだと思いまして、応援のほどもよろしくお願い申し上げます。
  107. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ、最後に郵政問題について二点お伺いをしてまいりたいと思います。  率直に申し上げて、この間からの道路公団改革問題なども極めて大きな問題を持っておる、むしろ破綻をしたのではないか、こう思いますが、小泉総理は郵政民営化だけはもう何だろうと無理やりやろうという、こういう動きにあるように思います。まるで道路公団が一%ならば郵政は一〇〇%だなどということを小泉さんおっしゃって、そのために担当の大臣も置こうかと、こういう発言があるわけですが、私は少なくともこの総務委員会で大変郵政問題、随分議論をしてまいりました。そして、少なくとも四年間まず郵政公社でいきますよと、こう国の方針として決めたわけですね。そして、それをやっぱり踏まえてからどうするかという話ならともかく、去年スタートしたものをもうその舌の根も乾かぬうちに民営化、民営化、民営化と、自分の持論でもってお持ちなのは、それは結構ですよ。だけれども、これは一体全体政府の姿勢としていかがかと。  まして、今そういう形で、私が申し上げたいのは、大臣にお聞きしたいのは、この四年もたたない先からこんな格好でおっしゃっている問題と同時に、そのためにどうもいかにも麻生大臣がまじめにやろうとしていないからみたいに聞こえるじゃないですか。こういう別の担当大臣を置こうなどということについて、どういうふうにお考えになっていますか。
  108. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この別の担当大臣を置くという話に関しましては、基本的に私は総理から直接伺っておりませんので、新聞で見た以外はないので、新聞辞令なんていうのはおよそ当てにして、新聞は見ることはあっても読まないことにしていますので、何となくもう一回この種の話はちょっと、私どもとしては直接伺って、私自身としては直接伺っておりませんので、ちょっとコメントのしようがないというのが率直なところです。
  109. 又市征治

    ○又市征治君 いや、コメントしようがないんじゃなくてお困りが、ちょっと頭にきているというのが実態じゃないかと思いますが、そこで大臣は就任以来、郵政事業のユニバーサルサービスの確保、これについて積極的な発言を行ってこられましたし、そしてまた発足後の公社自身も、今さきの同僚議員が指摘をしたような、幾つか私も問題あると思います。これは、改めてその点についてはこの委員会でも議論をしたいと思いますが、いずれにしても準公共的な窓口サービスの拡充など大変な努力をしている、この点は私どもも受け止めていきたいと、こう思っているわけですが。  そういう意味で、私自身もこうした、今、一方で郵政官署、これをしっかりと全部守っていくと、こういうことで麻生大臣も申されてきましたが、そのこととこの市町村合併というのはどうも私は矛盾するという立場で、かなりそういう点ではこの市町村合併問題について批判的な立場でありますが、まあそれは今日はおくとして。  過疎地におけるこの郵便局の果たす公共的な役割について改めて大臣の見解を一つはお伺いをしたい。ちょっとお待ちください、もう一つ。と同時に、それは郵便事業だけでなくて、国民の零細な貯蓄手段である郵貯や簡保の危機でもあるんではないのかと、こういう気がするわけでありまして、御存じのとおり、全国で五百何十か所、銀行も何もないというそういう町村があるわけでありますし、そんなことも含めて、こうした郵貯、簡保、これは非常に地域にとっても大変大事な役割を果たしておるという問題もあるんですが、この危機でもあるんではないかと、こういう気がいたします。その点も含めて、この二点を御見解を承りたいと思います。
  110. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 又市先生御指摘のとおり、今、コンビニもない、コンビニもないと言う表現はいかがかと思いますが、コンビニもないというところは、約三千三十あります市町村うち四百十七町村はコンビニもございません。そういった中にあって、少なくとも郵便局というものは簡易郵便局、特定郵便局含めまして二万四千七百というものでありますので、少なくとも自分のところは約平均で一・一キロ以内に一つあるということになっておりますので、そういった意味では、この状況、また四十万の従業員、二万四千七百の支店という組織は、これは最大の組織と思って間違いないと思いますので、ここを基点にいたしましたいわゆる行政サービスというものは、行政手続オンライン化法等々の時代流れに合わせましても、仮に市町村合併でそこで役場がなくなったにしても、いわゆる通常の手続、例えば印鑑証明だ住民登録だ、いろいろございますけれども、そういったものはその端末できれいにできるような形になり得るものだと思いますので、この二万四千七百のいわゆる郵便局というものは、基本的にはそのサービスとしてはこれは維持されていないと、町村合併した後の影響の方がよっぽど大きいと思いますので、いろんな意味でこの二万四千七百のいわゆる組織網という、よくユニバーサルサービスと言われますけれども、その組織網というのは今後ともきちんと維持されて、かつ能力が上がっていく方向にしていくべきものだと、私自身はそう思っております。
  111. 又市征治

    ○又市征治君 郵貯、簡保。
  112. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 郵貯、簡保につきましても同じように、地域において、銀行等々でATMだ何だかんだのお話がさっきあっておりましたけれども、銀行等々で預金の引き出しやら、また預金の預け入れ等々も町村合併することによってそこがなくなる可能性もまた出てまいりますので、そういった意味では郵貯、簡保の事業というものは、これは大変大事な小口金融という意味、点におきましても非常に大事なところだと思いますし、なかなか、預けに遠くまではなかなか行けませんし、また引き出しもなるべく近くのところというのは当然のことだと思いますので、その意味では郵貯、簡保の事業は維持されて、維持されなければならないものだと思っております。
  113. 又市征治

    ○又市征治君 終わります。
  114. 狩野安

    ○狩野安君 今、総務省では市町村合併三位一体改革、それから郵政民営化など、大変困難な課題を抱えておられますけれども麻生大臣におかれましては大変な激務ということでお疲れじゃないかと思いましたけれども、お疲れの様子がないようですので安心をいたしております。貴重なお時間で、予算委員会の方も山場を迎えてお忙しいと思いますけれども、私は地元の茨城の問題を交えながら総務省の課題について質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  三位一体改革というのは、地方が、私が言うまでもなく、地方が決定すべきことは地方が自ら決定するという地方自治体の本来の姿を実現するための改革であると思います。しかし、この三位一体改革を実現するために、今回の一兆円国庫補助金の廃止、縮減と、これに伴う税源移譲交付税改革が果たして本来の目的を達成するための第一歩としてふさわしいものかどうかという疑問視をする声も多く出ております。  例えば、地方公共団体からは、今回の改革地方の自由度を高めるという地方分権の趣旨に逆行し、国庫補助負担金の見直しや税源移譲が不十分な中、地方交付税の削減だけが突出して行われるという旨の意見も出されております。今後の三位一体改革を進めるに当たっては、国の財政再建のために地方に負担を転嫁するというようなことがあっては真の改革とは言えないと思います。地方意見も十分聞いた上で、残された期間の改革が進められるべきと、進めるようにするべきであると思います。  特に、声が大きい国庫補助負担金の削減額に見合った税源移譲を行うことが必要だというふうに考えておりますけれども、これに対して、税源移譲の議論の中で、地方団体自らが税収確保の努力をすべきであるとの主張がしばしば行われております。今回の地方税法改正案でも課税自主権を拡大する措置が盛り込まれておりますが、地方が納税者の理解を得ながら超過課税や法定外税を活用して地方税の充実確保を図ることは大変重要な課題であると思います。  しかし、その主な税源国税とされておりますし、課税自主権の活用にも限界があるのではないかと思います。私の地元茨城県では都道府県法定外普通税として核燃料等取扱税が実施されておりますが、これが十三年度の決算額でいいますと九億二千五百万円の税収となっています。これはしかし、核燃料等取扱税の茨城県の地方税収の全体に占める割合を見ますと〇・二六%と極めて低い数字になっております。  そういうことを考えますと、これからも地方が課税自主権を発揮しやすい環境整備を進めることが大変必要であると思いますけれども総務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  115. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 課税自主権につきましては、今の核燃料税等々、いろいろほかにも例がないわけではございませんが、限界があります。基本的には、今おっしゃいましたように、やっぱり国税の占める比率というのは非常に大きなものだと思いますので、地方がある程度課税自主権の権限を、今度、固定資産税等々いろいろやらせていただいてはおりますけれども、おのずと限界があるのであって、そういった意味では、先ほどは又市先生、またほかにも質問があっておりましたけれども、私どもから見ましても、その点に関しましてはある程度、基幹税と言われる国税というものから地方税にある程度その税源移譲されないと、なかなか地方において自由度が増してくるというような形での税の収入増というものは、税収増は望めない。そこがやっぱり限界があると申し上げている理由で、基本的には、先ほどお話出ておりましたが、所得税から個人住民税に移管して税源移譲する、国税地方税移譲する等々のことがなされないとなかなか難しいというのは私も全く賛成であります。  したがいまして、今回、一部それを実施させていただいたところですけれども、こういった流れとしては、今までは全然、とてもではないというお話でしたけれども、今回大きく一歩踏み出せることができたんだと思っておりますけれども流れとしては地方を自由度を増す、そのためにはある程度財源が要るのは当然ですので、その意味では、地域主権というのに伴うためには、今申し上げたようなそれを裏付ける税源として国税から地方税への移管というのは非常に大きな要素だと、私どももそう思っております。
  116. 狩野安

    ○狩野安君 本当の真の意味地方分権が行われますように、大変地方行政には理解のある麻生大臣だということを常々聞いておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  それから、放置外国船の、放置外国船の対策についてお伺いしたいと思いますが、今、日本に寄港した外国船が座礁して、船主が撤去費用を支払わずに自治体が撤去費用を肩代わりしているということが問題になっております。  国土交通省の資料によりますと、平成十五年七月一日現在で放置座礁外国船が十隻あるとのことですが、私の地元である茨城県の話でございますが、平成十四年十二月に日立市の沖合で発生した北朝鮮籍の貨物船チルソン号の座礁事故では、船主が撤去費用を全く払わず茨城県が肩代わりするという事態になりました。船体撤去と重油流出対策で総額六億三千八百万円を要したとのことですが、今月二日に県が差し押さえた鉄くずの公売があり、わずか千六百九十万円の落札でした。その収入は県が支払った費用に補てんされると聞いておりますけれども、県にとっては財政が厳しい時期に大きな負担となっております。  このような事態に対して、特別交付税など総務省からの支援はどのような対応をされているのでしょうか、お聞きしたいと思います。
  117. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 個別の案件でございますので、瀧野の方から答弁させます。
  118. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 座礁船の事故に対する経費のお尋ねでございます。  この経費につきましては、本来は原因者である船会社において負担すべき性格のものであるというふうに考えておりますけれども、ただいまのような事案におきましては、保険などによります十分な補償が見込み難いというような事情もありまして、結果的に茨城県の方で多額の負担が残る、こういうことになっているかというふうに承知しておるわけでございます。  そういった中で、我々の方といたしましては、まず十四年度の特別交付税におきまして、当該年度の資金需要への配慮の必要性を踏まえまして暫定的に茨城県の方に一億円の措置をしたところでございますが、その後、国土交通省におきまして支援を国としてもきちんとしていくというような内容がはっきりしてまいりましたので、この国庫補助金を含めまして全体の茨城県の負担のおおむね八割を国がカバーするという考え方に立ちまして対応しようということにしてございまして、本年、十五年度の特別交付税におきまして更に茨城県に対して一億六千万円程度の追加措置を行うということとしておるところでございます。
  119. 狩野安

    ○狩野安君 よろしくお願いいたします。  先に進ませていただきます。  市町村合併の推進についてでございますが、先日の所信表明の中で総務大臣は、現行の合併特例法の期限である平成十七年三月までに十分な成果が上げられるよう市町村合併を引き続き強力に推進するとしております。私の地元、茨城県でも市町村合併の成果が上がってきております。現在も二十の法定協議会が設置され、構成市町村数は五十六となっています。  茨城県も含め全国的に言えることが、現在合併協議会を構成している市町村合併まで円滑に進むことができれば市町村合併の成果は大いに上がるのではないかと思います。そのためには、国、都道府県が合併推進のためそれぞれの立場で行える最大限の支援を行っていくことが必要であります。しかし、現在、精力的に合併協議を進めている市町村の中でも、残り一年では合併までは行くのは時間的に無理というところも出てきております。  また、それと、もう一方、合併相手に恵まれない地域の支援ということもありまして、県境や地理的な理由など合併したくてもなかなか合併相手に恵まれない市町村があると思います。私の地元、茨城県でも、五霞町といって、茨城県からすれば利根川を挟んで離れ島のような町なんですが、埼玉県との、幸手市との越県の合併の議論がありました。この合併につきましては、本年一月、法定協議会の廃止が決定をいたしました。  市町村合併は自主的なものであり、五霞町につきましても、これは町の方針についてはほかの地域との合併も検討していくことになると思いますけれども、こういう合併したくてもできない、地域的な理由によってできない、そういう市町村というのは大変小さな市町村だと思うんです。その合併相手に恵まれない市町村に対して国としては何らかの配慮というものが必要なんじゃないかというふうに思いますが、国からの支援策が何かございましたらお答えいただきたいと思います。
  120. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 過日、長野県から岐阜県へという県境を越えた合併というのはもう例がございますように、地域によって特殊事情のあるところは茨城県以外にもほかにもございますので、対策としていろいろこれを考えねばならぬところだと思っております。  細目につきましては大野の方から答弁をさせますけれども、少なくとも、この三月の八日にいわゆる合併新法案として訂正した形で出させていただいておりますが、少なくとも今、十七年の三月三十一日までに法定協議会がきちんとでき上がったところにつきましてはということで新しく新法案を出させていただいておりますけれども、いろいろな意味で、地域、三千二百ありましたのが今三千三十ぐらいまでになっておると思いますが、十七年度まで更に進むところもあろうかと思いますが、県境を越えるという話は茨城県以外にも幾つもあろうと思いますので、細目につきましては大野の方から答弁させます。
  121. 大野慎一

    政府参考人大野慎一君) 今、麻生大臣お答え申し上げましたように、現行法は来年の三月末で切れるわけでございますので、まずはこの現行法の期限内に現在の法定協議会があるようなところにつきましては、できるだけ落ちこぼれなく合併に至っていただくように私どもも万全の体制を組んでまいりたいと思っておりますが、その後の問題があるわけでございまして、地方分権進む中で、規模、能力を高めていくという自治体にとっては永遠の課題があるわけでございますが、現行法が切れました後、さらに新法を今、国会に出させていただいておりますけれども、その中では、都道府県の役割をもう少し高めまして、仲人役といいますか、そういった立場で仕事ができますように、都道府県が構想を作ってあっせんとかそういったことができるような規定も盛り込んでおりますので、是非、今提出をいたしております法案の審議の際にもそういった点について十分御説明をいたしたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
  122. 狩野安

    ○狩野安君 とにかく、そういう問題のある市町村というのは大変小さな町や村が多いわけですから、そういう面ばかりじゃなくていろんな面での配慮というのを、そういう地域に対しての目を細かく見ていただきたいというふうにお願いいたします。  それに関連をいたしまして、道州制って今いろんな、道州制の問題も出ておりますし、自民党といたしましても道州制を実現する会など提言もあります。党内でいろいろ議論を進めておりますが、そういう合併できない町とか村とかって、そういう県境とか、いろんな県境、そういう町や村も、悩みも救うこともできるのは、私、道州制が早く実現をして、道州制が引かれることによってそういう小さな町村とかそういうものも何か救われるような、私自身はそういうふうに感じておりますけれども政府における都道府県の在り方とか道州制の在り方について、もし総務大臣の御所見を伺えたらお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
  123. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御存じのように、市町村合併して大きなものになります。例えば政令都市とか中核都市とか、いろいろ表現がございますけれども、いろいろな形で合併をしていきますと権限も当然増えることになりますので、その中にあって、やっぱり県というものの在り方とか県の意義とか、いろいろなものが改めて問われることになるということになっていくんだと、私も基本的にはそう思っております。  したがいまして、第二十七次の地方制度調査会の中でもそれについての答申というのがなされておりますのは御存じのとおりで、そういうのに基づいて地方自治法の改正案というのを出させていただいておりますけれども、将来的に道州制ということもこれは考えなきゃいかぬということは当然ですし、総理も同じような話が出ておりましたので、去る三月の一日に発足いたしました第二十八次の地方制度調査会におきましてもこれは精力的に議論が進められることで、議題としていろんな形で上げております。  ただ、これはいろいろ御存じのように、同じ県の中でも遠州と駿州は違うとかいろいろ、同じ県の中ですらなかなか地域によって意見の違ったりするところもございますし、私ども聞いていて、東北三つまとまるって結構じゃないかとひとつ単純に外から見ているとそう思いますけれども、中にいらっしゃる方々に言わせると、何で南部がおまえ津軽と一緒になるねやとかいっていろいろ、いろいろ昔の話を皆されますんで、これはなかなか簡単にはいかぬところなんだと思いますんで、そういった意味では、やっぱり地域というか、その道州、道というか県に、州にされるところのよほどコンセンサスというのをきちんと得ないと、ただただ大きくなったわ、何となくお互いにいがみ合ったわでは、本来の趣旨に反するということになろうと思いますので、この点につきましては十分な論議が必要なんだと思っておりますけれども、大きな形としていろんな形が合理化されてより効率のいいものになっていくという方向では正しいと思いますし、また県というものの在り方が改めて問われることになるというのも私としてはよく理解をするところだと思いますので、十分なその地域における御論議というものを、これは是非とも必要という理解であります。
  124. 狩野安

    ○狩野安君 ありがとうございました。
  125. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 両件に対する調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  126. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 次に、平成十六年度地方財政計画について、政府から説明を聴取いたします。麻生総務大臣
  127. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 平成十六年度地方財政計画の概要について御説明を申し上げます。  極めて厳しい地方財政の現状などを踏まえ、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三」にとって対応することとし、歳出面におきましては、その徹底した見直しを行うことにより歳出総額の抑制に努め、地方財政の健全化を進めます。あわせて、人間力の向上、発揮を始めとする新重点四分野や市町村合併、治安維持対策などの当面の重要政策課題に適切に対処いたします。一方、歳入面におきましては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を基本といたしております。  また、通常収支における地方財源不足見込額につきましては、地方交付税法第六条の三第二項の制度改正として、平成十六年度から平成十八年度までの間におきましては、国と地方が折半として補てんすることとし、国負担分につきましては一般会計からの加算により、地方負担分につきましては特例地方債の発行により補てんすることといたします。このための法律改正を行うとともに、減税などに伴う影響額につきましても、財源を確保する措置を講じております。  また、三位一体改革として行われる国庫補助負担金の一般財源化等に対応し、所得譲与税による税源移譲などを行うこととしております。  以上の方針の下に、平成十六年度の地方財政計画を策定いたしております。結果として、歳入歳出の規模は八十四兆六千六百六十九億円、前年度に比べ一兆五千四百三十八億円、一・八%の減となっております。  以上が平成十六年度の地方財政計画の概要であります。
  128. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。山口総務大臣
  129. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) 平成十六年度の地方財政計画につきましては、ただいま大臣の方から御説明をいたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足をして御説明をいたします。  地方財政計画の規模は、八十四兆六千六百六十九億円、前年度に比べ一兆五千四百三十八億円、一・八%の減少となっております。  まず、歳入について御説明をいたします。  地方税の収入見込額は、三十二兆三千二百三十一億円で、前年度に対し一千五百六億円、〇・五%の増加となっております。  また、地方譲与税の収入見込額は、所得譲与税の創設による増四千二百四十九億円等により、総額一兆一千四百五十二億円、前年度に対し四千五百十三億円、六五・〇%の増加となっております。  次に、地方特例交付金につきましては、税源移譲予定特例交付金の創設による増二千三百九億円等により、総額は一兆一千四十八億円、前年度に対し九百八十六億円、九・八%の増加となっております。  地方交付税につきましては、平成十六年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十一兆三千三百四億円から精算額一千七百四十四億円を減額をした額十一兆一千五百六十億円に、平成十五年度以前の地方財政対策に基づき地方交付税法の定めるところにより平成十六年度に一般会計から加算をすることとされておりました額三千四百五十億円、通常収支の補てんに係る国負担分の臨時財政対策加算額三兆八千八百七十六億円、恒久的な減税及び先行減税による地方交付税の減収を補てんをするための交付税特別会計における借入金一兆七千七百五十五億円を加算をする等の措置を講ずることにより、十六兆八千八百六十一億円を計上いたしました結果、前年度に対し一兆一千八百三十二億円、六・五%の減少となっております。  国庫支出金は、三位一体改革に伴う廃止、縮減等の影響を含め、総額十二兆一千二百三十八億円で、前年度に対し一千三百六十二億円、一・一%の減少となっております。  次に、地方債につきましては、臨時財政対策債が前年度に対し一兆六千七百九十一億円、二八・六%減の四兆一千九百五億円となっておりますが、これを含めた総額では十四兆一千四百四十八億円、前年度に対し九千二百七十億円、六・二%の減少となっております。  また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。  次に、歳出について御説明いたします。  まず、給与関係経費についてでありますが、職員数につきまして、地方警察官の増三千百五十人を見込みつつ、全体では一万九百八十人の純減を行うこととしており、その総額は、二十二兆九千九百九十億円で、前年度に対し四千三百九十三億円、一・九%の減少となっております。  次に、一般行政経費につきましては、総額二十一兆八千八百三十三億円、前年度に対し八千五百七十億円、四・一%の増加となっております。このうち国庫補助負担金等を伴うものは、後ほど御説明をいたします平成十六年度の国庫補助負担金の一般財源化に伴う国庫補助負担金を伴わないもの、平成十六年度一般財源化分であります、への振替を行った後において十兆一千百八十三億円で、前年度に対し二千七百六十九億円、二・八%の増加となっております。  また、国庫補助負担金を伴わないもの、通常分でありますが、これにつきましては、地方団体の自助努力を促す観点から既定の行政経費の縮減を図る一方、人間力の向上、発揮を始めとする新重点四分野や市町村合併、治安維持対策に係る施策に財源の重点的配分を図ることとしており、その額は十一兆一千四百七十五億円で、前年度に対し三百七十四億円、〇・三%の減少となっております。  なお、平成十六年度の国庫補助負担金の一般財源化に伴い、補助事業から単独事業に移行をした事業等につきましては、国庫補助負担金等を伴うものから国庫補助負担金を伴わないもの、平成十六年度一般財源化分でありますが、に振替計上をすることとしており、その額は六千百七十五億円となっております。  公債費は、総額十三兆六千七百七十九億円で、前年度に対し八百九十四億円、〇・六%の減少となっております。  維持補修費は、総額九千九百八十七億円で、前年度に対し八十一億円、〇・八%の減少となっております。  投資的経費は総額二十一兆三千二百八十三億円で、前年度に対し一兆九千五百八十五億円、八・四%の減少となっております。このうち、直轄事業負担金につきましては一兆一千四百七十三億円で、前年度に対し三百三十五億円、二・八%の減少、補助事業につきましては六兆七千百十億円で、前年度に対し五千百五十億円、七・一%の減少となっております。また、地方単独事業につきましては、前年度に対し九・五%の減とする中で、地域活性化事業、地域再生事業、合併特例事業及び防災対策事業などにより、地域の自立や活性化につながる基盤整備を重点的、効率的に推進をすることとし、十三兆四千七百億円を計上いたしております。  公営企業繰出金につきましては、総額三兆七百九十七億円で、前年度に対し一千二百五十五億円、三・九%の減とする中で、地方公営企業の経営基盤の強化、上下水道、交通、病院等生活関連社会資本の整備の推進等に配意することとしております。  このうち、企業債償還費普通会計負担分は二兆一千八百四十一億円で、前年度に対し五百九十二億円、二・六%の減少となっております。  最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費につきましては、税収入の状況等を勘案をして前年度に対し二千二百億円、四五・八%増の七千億円を計上いたしております。  以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
  130. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。     ─────────────
  131. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案所得譲与税法案地方交付税法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生総務大臣
  132. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案並びに所得譲与税法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明を申し上げます。  まず、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明を申し上げます。  現下の経済・財政状況などを踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けた改革の一環として、市町村民税の均等割に係る人口段階別の税率区分の廃止などの個人住民税均等割の見直し、商業地などに係る固定資産税及び都市計画税の条例による減額を可能とする制度の創設、固定資産税の制限税率の廃止などの課税自主権の拡大、軽油引取税に係る罰則の強化など所要の措置を講ずる必要があります。  以上がこの法律案を提案いたします理由であります。  次に、この法律案の要旨につきまして御説明を申し上げます。  その一つは、住民税の改正であります。  個人住民税均等割につきましては、市町村民税の均等割に係る人口段階別の税率区分を廃止し、税率を年額三千円に統一することとし、あわせて、生計同一の妻に対する非課税措置を平成十七年度から段階的に廃止することとしております。  その二は、土地税制の改正であります。  負担水準の高い商業地などに係る固定資産税及び都市計画税につきましては、評価額の六〇%から七〇%の範囲内で条例で定める割合で算定される税額までその税額を減額できる制度を創設することといたしております。  その三は、地方の課税自主権についてであります。  固定資産税の制限税率の廃止や標準税率の定義の見直しにより地方の税率設定の自由度を拡大するなど、課税自主権の拡大を図ることといたしております。  その四は、軽油引取税の改正であります。  脱税に関する罪の罰則の引上げ、製造などの承認を受ける義務などに違反して製造された軽油の譲受けに関する罪の創設など、軽油引取税に係る罰則を強化することといたしております。  以上が、地方税法及び国有資産など所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  次に、所得譲与税法案の提案理由とその要旨について御説明を申し上げます。  個人の所得課税に係る国からの地方公共団体への本格的な税源移譲を行うまでの間の措置として、毎年度の所得税の税収の一部を所得譲与税として都道府県及び市町村に対して譲与する必要があります。  以上がこの法律案を提案いたします理由であります。  次に、この法律案の要旨につきまして御説明を申し上げます。  その一は、所得譲与税の総額についてであります。  所得税の収入額のうち四千二百四十九億円に相当する額をもって所得譲与税とし、そのうち二分の一に相当する額を都道府県に、二分の一に相当する額を市町村に対して譲与するものであります。  その二は、譲与の基準であります。  都道府県及び市町村に対する譲与すべき所得譲与税は、国勢調査による人口で案分して譲与するものであります。  以上が所得譲与税法案の提案理由及びその要旨であります。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。  地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあることなどにかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十六年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、平成十七年度及び平成十八年度における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入れに関する特例を設けるほか、平成十六年度から平成十八年度までの間に限り地方債の特例措置を講ずることとし、あわせて、地方交付税の単位費用を改正するなどの必要があります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  まずは、平成十六年度分の地方交付税の総額につきまして、地方交付税法の第六条第二項の額に法定加算額、臨時財政対策のための特例加算額、交付税特別会計借入金及び同特別会計における剰余金を加算した額から、同特別会計借入金償還額及び利子支払額を控除いたしました額、十六兆八千八百六十一億円とすることといたしております。  次に、平成十六年度から十八年度までの間に予定されていた交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金の償還を平成二十二年度以降に繰り延べるとともに、平成十七年度及び十八年度における一般会計から同特別会計への繰入れに関する特例を設けるなどの改正を行うこととしております。  また、平成十六年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正するとともに、算定の簡素化を図る観点から、補正係数の見直しを行うことといたしております。  あわせて、平成十六年度から平成十八年度までの間に限り、地方団体は、地方財政法第五条の規定により起債する地方債のほか、適正な財政運営を行うために必要とされる財源に充てるため、地方債を起こすことができるものとする旨の特例を設けます。また、平成十六年度において行われた義務教育費国庫負担金及び公立養護学校教育費国庫負担金の見直しに係る地方公共団体の減収額を埋めるために、国から地方公共団体への税源移譲を行うまでの間の措置として税源移譲予定特例交付金の創設を図ることとしております。  さらに、地方公務員共済組合の事務に要する費用に係る地方公共団体の負担の特例を平成十六年度においても適用することといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いを申し上げます。
  133. 景山俊太郎

    委員長景山俊太郎君) 以上で三案の説明の聴取は終わりました。  なお、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の補足説明につきましては、理事会において、本日の会議録の末尾に掲載することといたしました。  三案に対する質疑は後日に譲ることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十分散会