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2004-03-30 第159回国会 参議院 国土交通委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月三十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十五日     辞任         補欠選任      藤野 公孝君     関口 昌一君  三月二十六日     辞任         補欠選任      関口 昌一君     藤野 公孝君  三月二十九日     辞任         補欠選任      弘友 和夫君     渡辺 孝男君  三月三十日     辞任         補欠選任      木村  仁君     吉田 博美君      北澤 俊美君     角田 義一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         輿石  東君     理 事                 岩城 光英君                 鈴木 政二君                 池口 修次君                 大江 康弘君                 森本 晃司君     委 員                 上野 公成君                 沓掛 哲男君                 佐藤 泰三君                 斉藤 滋宣君                 田村 公平君                 鶴保 庸介君                 藤野 公孝君                 松谷蒼一郎君                 吉田 博美君                 脇  雅史君                 佐藤 雄平君                 田名部匡省君                 角田 義一君                 藤井 俊男君                 山下八洲夫君                 渡辺 孝男君                 大沢 辰美君                 富樫 練三君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   石原 伸晃君    副大臣        国土交通大臣  林  幹雄君        国土交通大臣  佐藤 泰三君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       斉藤 滋宣君        国土交通大臣政        務官       鶴保 庸介君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        都市再生本部事        務局次長     和泉 洋人君        総務省自治財政        局長       瀧野 欣彌君        国土交通大臣官        房長       安富 正文君        国土交通省土地        ・水資源局長   伊藤 鎭樹君        国土交通省都市        ・地域整備局長  竹歳  誠君        国土交通省住宅        局長       松野  仁君    参考人        都市基盤整備公        団理事      西川  聰君        都市基盤整備公        団理事      田中 久幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利  用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振  興開発特別措置法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推  進に関する特別措置法案内閣提出、衆議院送  付)     ─────────────
  2. 輿石東

    委員長輿石東君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、弘友和夫君が委員辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。     ─────────────
  3. 輿石東

    委員長輿石東君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会都市再生本部事務局次長和泉洋人君総務省自治財政局長瀧野欣彌君国土交通大臣官房長安富正文君、国土交通省土地水資源局長伊藤鎭樹君国土交通省都市地域整備局長竹歳誠君及び国土交通省住宅局長松野仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 輿石東

    委員長輿石東君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会都市基盤整備公団理事西川聰君及び都市基盤整備公団理事田中久幸君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 輿石東

    委員長輿石東君) 国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。おはようございます。  都市再生質疑のちょうどやさきに、先週の二十六日、ある意味では大都市部都市開発都市再生シンボルである六本木ヒルズに正に痛ましい事故が起きてしまいました。改めて、溝川涼君の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  私も、六本木ヒルズ行ったことありません、なかったです。で、昨日実は行ってきました。回転ドアを見ましたら、もう本当に何か凶器のような感じがしまして、また、あのビルを見ると、何か人間性とか温かみとか全くなくて冷たいなと、これが何か大都市圏の中の都市再生のある意味ではシンボルなのかなと、そんな気持ちがありました。そうこうしている中でも、この一週間、もう毎日のように、新聞マスコミ報道回転ドア危険性と、いろんなことが取りざたされているわけでありますけれども、その中でも、私は、もうこの一年間で三十二回、そういうふうな、事故になるような状況があったというふうなこと、何かやっぱりその警鐘はしていたと思うんですけれども、それに対する対応というのが全くなさっていなかった。  テレビ、新聞報道で見ると、どうも、その森ビルとそれから三和シャッターの間の管理会社があって、管理会社の何かせいのような話もしているところも一部あるわけでありますけれども、ある意味では、私は、管理責任というか、所管の官庁はどこだと、やっぱり国交省昇降機から始め責任があるのかなと、そんな思いしますけれども。  今日まで、この回転ドア等についての運送、運搬、昇降等も含めて、このような事件的な報告、こういうふうなものが今までなかったのかどうか。昨日、国交省も、改めて安全基準見直し等についての法案を作らなきゃいけないというような発表がありましたけれども、この安全基準というのはどういうふうな形の中で、改めて事故が起こらないような形になっていくような対策を考えているのか、まずこれについて、国交省の御所見をお伺いしたいと思います。
  9. 松野仁

    政府参考人松野仁君) お答えいたします。  今回、自動回転ドアで非常に痛ましい事故が発生いたしました。このことは誠に遺憾でございまして、亡くなられた方の御冥福を心からお祈りしたいと思います。  国土交通省としては、これまで、自動回転ドアにおける同様の重大な死亡事故という事故は把握しておりません。今までそういうことは聞いておりません。  また、建築基準法では、自動回転ドア安全基準というものは定めておりません。また、関連するJIS規格やあるいは業界団体等による自主基準も現在のところはないというふうに聞いております。  今回、このような重大な死亡事故が発生いたしましたことを重く受け止めておりまして、今回の事故を契機といたしまして、自動回転ドアを製造しているメーカー各社に対しまして、速やかに設置実態を把握し、報告すること、それから当面の事故防止対策として、回転運転の休止あるいは警備員配置等措置を取ることを昨日、三月二十九日に要請いたしました。  また、自動回転ドア事故防止対策を検討するため、経済産業省と共同で、学識経験者実務関係者等による検討会を設置いたしまして、第一回を四月の早い時期に開催をいたし、おおむね三か月程度で、設計者管理者が守るべきガイドライン整備することとしております。
  10. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 三十二回のその回転ドア事故があったというふうなこと、これはやっぱりあれじゃないですかね、今、警察ももちろんでしょうけれども、やっぱり国交省に通報というか進達するような、こういうふうな仕組みは作ったらどうでしょうか。
  11. 松野仁

    政府参考人松野仁君) このような事故死亡事故は今回初めてだと思っておりますが、通常のビルの様々な設備等による、その使用によるいろんな事故、これについての報告義務というものはございません。  もちろん、建築基準法による建築基準として現在はこの回転ドアに関する規定がございませんので、元々こういった義務はないわけでございますが、今後、従来から重大な事故死亡事故のような重大な事故については各県に対しても報告をしていただくように連絡を要請をしているところでございますが、すべての事故についてこのように特定行政庁連絡をして、また国に連絡をするというシステムにはなっておりませんし、今後どのような場合に連絡をいただくかということは今後の検討課題として考えております。
  12. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 だから、これ、その安全基準作るとき、やっぱり死亡事故起きたからじゃなくて、死亡事故が起こらないようにやっぱり基準を作らなきゃいけないわけだから、死亡事故しかその申告がないというのは、これ絶対おかしいですよ。だから、その前の、事前策として、これ、大臣、この辺はよく頭に入れておいていただいて、基準作りしてもらいたいと要望しておきます。  さらにまた、私は昨日行って驚いたんですけれども、回転ドアももちろんなんですが、ところが、カーテン式スライド式ドアがまたたくさんあるんです。私は昔一回挟まったことがあるんですけれども、この辺もやっぱり一つの、大事故に至らない前に、この辺もやっぱりひとつ、よくその点検というか安全基準というのもその回転ドアと同時に包含しておく必要があるかなと、そんな要望をまずしておきます。(発言する者あり)そうですね。  大臣に、これ通告しておりませんけれども、このような事故が起きている、また国交省としては三菱のトラックの車輪の、タイヤの問題もある。私は、やっぱり政治というのは、国民との約束というのは、いかにやっぱり国民生活が安心、安全、これがもう最低の私は国民との一つ約束であろうかな、そんな思いをしているときに、こういうふうな事故が起こっているということについての大臣の御所見をちょっとお伺いしたいと思います。
  13. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 私も実は四歳の息子を持っておりますので、坊やがこのような痛ましい事故で亡くなられたことは極めて遺憾でございますし、心から御冥福をお祈り申し上げたいというのが率直な感想でございます。  御承知のように、建築基準法は、防災とか防火とか、そういうものを中心に規制を定めているわけですけれども、エレベーターとかエスカレーターとか、ましてや、つい最近出てまいりました回転式自動ドアですか、こういうものは個人の注意によってということが原則になっていたわけですけれども、予測されなかった形でこのような痛ましい事故が起こりましたので、委員の御指摘等々も踏まえまして、これからは、もちろん私、専門家じゃございませんので、自動式回転ドア専門家方々あるいはそれを利用しているユーザーの方々、あるいは学識経験者設計者だと思いますけれども、こういう方に守るべきガイドラインを早急に作っていただきたいと思っております。
  14. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 大臣、あれは東京都も共管になっているのかな、一緒に作っているのかな、ですから一度行って見てきていただくとよく分かるかなと思います。  本当に回転式ドアというのは、我々もいろんなホテルに行くときには、ホテルの中に入るときに、タイミングとか速さとか、このキャパシティーにこんなに一杯入るのかとか、いろいろちゅうちょしながら入る、入った経験がありますものですから、本当にやっぱりこれは危険度が多い入口かなと、そんな思いをしております。  次に、都市再生、これはもう、私はあえて申し上げますと、第一弾の都市再生というのは、この間の東京六本木ヒルズから始まる、汐留含めた、第二弾をあえて今度の地方都市再生というような意義付けをさせていただきたいと思います。  まず、その第一弾の都市再生です。  小泉内閣の私はもう最大の国土政策の目玉というのが、その均衡ある、均衡あるじゃなくて、特色ある地域都市再生、むしろ私は、都市再生に重点を置かれたのかなと、そんな思いをしております。その都市再生も、前提としては、一極集中した、余りにも過密状況になった都市が果たしてこのままでいいのかなということの中で都市再生に至ったのかな。そしてまた、そのできた一つの結果として、それぞれ見てみますと、確かに、余りにも市場経済というか経済至上主義というか、それと合理性とかそれから機能性、正に私は昨日の六本木ヒルズを見て、あそこにもう人間的な心が全くない、本当に人間があそこに行ってみるとちっぽけな虫けらのような感じをしてまいりました。果たして、私は、そういうふうな都市再生というもので、将来の子供たちを考えた場合、本当にいいのかなと、そんな思いをしておりますけれども。  まず、この第一段階としての大都市部都市再生についての一つ意義、これはどういうふうな意義背景の下に実行しらしめたのか、この点についてお伺いしたいと思います。
  15. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 佐藤委員はもう御承知のことだと思いますけれども、日本の大都市東京を眺めてみましても、一九九〇年以降、ボーダレスな時代あるいは国境がなくなって国際化が進んだものに対して十分に対応できているとは言えませんし、最近でこそインテリジェントビルというものが建ってまいりましたが、古い高層ビルに至っては、あるいは役所なんかでも同じでございますが、情報通信網整備するための電気の容量が足りないといったような問題、あるいはこの六本木ヒルズでの痛ましい事故もそうだと思いますけれども、お子様がああいう大きなビルにぱっと遊びに来るようなことも実は対応できていませんし、きっと、あの回転扉高齢化社会で車いすの方が入ることはきっと、私も見まして、現実に入りまして、対応ができていない。  そういう、何というんでしょうか、経済社会の大きな変化というものに町自体対応できていなかった、そんなことに着目して、都市機能をいかに高度化していくのか、あるいはそこに暮らす方々居住環境をどう守っていくのかということで、内閣の最重要課題一つとして、平成十三年の五月ですか、都市再生本部ができて、都市再生を、委員の言われるところの大きな町の再生にまず着手をしたというのが経緯だと思います。  そんな中で、東京、大阪、名古屋といったような大都会はもう競争にさらされています。ソウルあるいは北京あるいは上海、そういう国境を越えて人あるいは情報、物、金が行き交う時代競争を迎えて、そこに住む人たちが学び、あるいは育ち、あるいは食事をしたり、働き、そういう都市としての魅力の向上というものをどうやっていくのか。さらには、海外企業誘致も、シンガポールに行ってしまったとか北京に行ってしまったとか聞いて久しいわけですけれども、そういう国際間の、何というんでしょうか、会社誘致、これは工場だけではなくてヘッドクオーター等々も含めての誘致に勝つために国際競争力を高めていく必要があるということは多くの方々感じているとおりだと思っております。  そして、大都会というものを眺めますと、計画に立って作られた町というよりも緊密化によってしようがなく発展してきたというような歴史的な経緯密集市街地がある、あるいは煩雑な、何というんでしょうか、歓楽街がある、それに伴って交通渋滞も慢性化している、こういうことにどう対処していくのか。密集市街地緊急整備、これは消防車が入れる入れないによって、防災のときの安全率というものが大きく違う、あるいは慢性的な渋滞を回避するには都心の通過交通をいかに外に出すかということでの環状道路整備など、都市再生プロジェクトというものはこれからも進めていかなければならない、こんなことを考えているところでございます。
  16. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 本当に六本木と汐留、見てみますと、まず都市再生事業ありきという感じ事業の方が先行しているな、人の生活というのはその次だなと、そんな思いをしましたし、また昨日、二百五十メーターというところに上ったら、もう東京タワーが正に眼下、小さく見えるんです。ずうっと東京を一望しましたら、もう本当にマッチ箱、それでこれほどやっぱり東京というのは空間と緑地があるといいながらもないのかなと思って、こう見てきたんです。たまたまずうっと見て、あっ、ここに空き地があると思うと、そこをよく見ると墓地であったりしてね。そんな中で、私はやっぱり、東京というのはもっと人の住めるというか、温かみのある、そういうふうな都市政策というのが必要であろうかなと、そんな思いをしました。  さらに、今度は地方都市再生ということになってきますと、私はこれ一つ疑問に思うんですけれども、平成十四年にその大都市中心とした都市再生というふうなことをやったときに、なぜ地方都市も同時並行しながら進めなかったのかなと。今になってようやっと、まちづくりなんという、都市再生というか、むしろまちづくりという言葉にポイントを置いた政策の推進みたくなっているんですけれども、何か私、うがった考え方しますと、都市政策小泉政策の、小泉政権中心だという地方の批判が聞こえて、これは大変だということで極めて拙速的に今度の地方まちづくり政策に移ったのかなと思うような気がしてならないわけでありますけれども。  次に、その地方都市再生についての背景とそれから意義付け、これについてお伺いしたいと思います。
  17. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 先ほど十三年の五月に都市再生本部ができて、佐藤委員言われるところの大きな都市再生ということに着手したと、私はこれは間違っていたとは思えないんです。当時の財政事情等々を考えると、やはり国家的な大きなプロジェクトをどんとお金を作って大都市でやる、あるいは地方都市でやるということはままならない。そんなとき、民にゆだねられることは民に、すなわち民間活力をどうやって活用して経済活性化都市再生に役立てるのかというのがそもそものこの都市再生の根本にあった。  しかしその一方で、委員が御指摘の中小の地方都市というものは、ともすれますと、その民間活力が相対的に高い大都市と比べて民間活力、その民間中心になって再開発を行うといったような動機付けもないですし、そういう企業も少ない。そこで、十四年の四月にその地方都市、その一方で地方都市の、私も地方都市はよく訪ねるんですけれども、中心市街地の衰退やシャッター通りという言葉、これは東京にもあるんですけれども、目に余る状態。そんな中で、これも私がいつも御議論させていただいている中で説明をさせていただくんですが、地方中心的な地場産業というものが、工場の移転にとって海外に行かれてしまった、あるいは学校、病院、旅館、ホテルといったようなものもうまくいっていないところが目に付くようになった、さらには建設業に関するボリュームも、地方単独あるいは国の公共、そういうものも相対的に下がっていて、公共事業に従事する地場建設会社の体力も弱っている。そういうふうに、この地方で元気のある企業、もちろん歩きますと創意工夫によってそういうすばらしい会社もあるんですけれども、そういう相対的に都市に比べて民間活力が低い地域においても、やはり疲弊した町というものを再生していかなければならない。そこに人が暮らす以上は再生をしていく。  しかし、それはやっぱり地方にゆだねることには地方にというこの基本小泉改革基本哲学にのっとるんであるならば、そこに暮らす方々の発案によってそれを国の行政の側が支援していく、そういう形でなされなければならないということで、これも有名なキャッチフレーズですけれども、稚内から石垣まで、これは市ということで稚内石垣で、この間も佐藤委員がたしか、もっと村があります、竹富村がありますよとか御指摘されたとおりでありまして、これは地方皆さん方が自主的にということで考えるならば、やっぱり再生というよりもまちづくり町おこし村おこし、こういうふうに、そちらに住む方々の自主的な取組という形に整理する方がより自然なのではないかと思っております。  そこで、具体的には、その地域自主性裁量性を追求した今回御議論いただいているまちづくり交付金の創設や都市計画道路整備に関する権限、これも併せて市町村に渡すと。そういうことをパッケージにして、地域人たち自分たちのアイデアでこの町を再生する、町を作っていく、あるいはその地域資源、ニーズを踏まえた地域の住民の方、さらにはNPO、市町村などの主体的な取組である支援を国の側から支援しようと、それも手取り足取りではなくて財政的に支援しようと。こういう形で、委員が言われるところの第二弾の地方都市再生ということがスタートし、現実に推進されているんだと理解をしております。
  18. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 今の大臣の話の中で、そのイメージがね、ちょっとやっぱり、私たちが思っているのは、まちづくりというふうなのがどうしても頭の中にあると、そうするとやっぱりせいぜい五千人から一万人の町、こんなものの再生をどうしても頭に入れちゃうんです。例えば、福島県でいくと郡山、これなんかも中核都市で、もうある意味ではほうっておいてもどんどんどんどん大きくなって、人口増えていますからね。  ですから、大臣のその地方都市というイメージはどういうふうなところをイメージしながらお話ししているのか、少し誤差があるような感じがしてならないんですけれども、いずれにしても、私は地方都市といったら町とか村、そういうふうな、イメージ図なんかを見ても、何か地方大都市云々じゃなくてやっぱりちっちゃな町、村が良くなっていくような、こんなイメージのイラストでございますので、そんな思いをしておりますが、私はその地方まちづくりむらづくりで大事なのは、やっぱり都市部にない本当に繰り返すようですけれども温かいまちづくりむらづくり、こんなことが必要であろうかなと。そういうふうな中で、今度それぞれの市町村から国土交通省に上がってきますから、そんなこともおおらかな目でというか、やっぱり都市再生とは違うんだと、やっぱり都市をいやすような感覚をも持ったひとつのまちづくりむらづくりをするんだというようなことも頭の隅っこに入れてもらいながら対応していただければ、本当の地方都市再生、町の再生、村の再生になるかな、そんな思いをしております。  次に、このまちづくりむらづくりもいろんな省庁がたくさんやってきました。通産省、中小企業庁もやっておられるし、農林省もやっておられた、それで建設省の中でも都市局のガイドかなんかで様々やってこられた、今日までもう十数年にわたる町のその対策、村の対策まちづくりむらづくりの中で、私は何か今日までの一つのその国交省として様々な政策があったと思うんだけれども、そういうふうな中で是とするもの、非とするもの、そんなところがあればひとつ御所見をお伺いしたいと思います。
  19. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答え申し上げます。  国土交通省として今まで取り組んできたまちづくりの中で良かった点、悪かった点というお尋ねでございます。国土交通省といたしましては、これまでも各種補助金によりこのまちづくりを推進してまいりました。特に、我が国は社会資本整備の歴史が浅いということで、従来ですと、道路でございますとか公園とか下水道とか、分野別にそれぞれまちづくりに取り組んでまいりました。ただ、だんだん整備が進んでまいりますと、今度はそういう縦割りだけじゃなくて、面としてむらづくりまちづくりに取り組むべきではないかという声が強くなってまいりまして、国土交通省では平成十二年度にまちづくりに係る補助金を統合いたしまして、まちづくり総合支援事業と、こういうような総合補助金を活用してまちづくりを支援してまいりました。  また、先生おっしゃるように、それぞれ各省がばらばらでやっていたそれぞれの分野、得意なところをやっていたという流れから、例えば中心市街地活性化法というようなことで、国土交通省経済産業省、総務省、農林水産省等々、各省が連携してやはり面としてまちづくりに取り組もうという動きも出てきているわけでございます。  で、このまちづくり総合支援事業でございますが、個別の補助金に比べまして非常に使い勝手がいいということで、全国津々浦々五百五十地区で今まで活用されてきたわけでございますが、一方、そうはいってもやっぱり補助金だということで、地方分権改革推進会議の事務局で平成十四年に現地調査をされましたところ、やはりもう少し使い勝手のいいものにならないだろうかというような声がございました。そこで、今回御提案申し上げておるまちづくり交付金というものは、正にそういう地方方々の声も反映しながら、国として的確にまちづくりむらづくりを支援できるようにしていこうと、このように考えているわけでございます。
  20. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 局長、その使い勝手のいいというのはどんなところで言われましたですかね、具体的に。
  21. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今回のまちづくり交付金がどういう意味で使い勝手が良くなるかと申しますと、例えば従来ですと、統合補助金と申しましてもそれぞれの事業ごとに採択要件というのがございましたから、一定規模以上でないと補助の対象にならないと。しかし、今回はそういうことはないということで、そこが自由になります。  それから、対象施設も、今までですと、やはり国土交通省の関連のものでございましたが、今回は社会福祉施設でございますとか文教施設とか、そういう今までにない幅広いもの、それから更にNPOの方々の活動の支援とか、そういうソフトの部分にも踏み込んでということでいろいろな使い勝手の良さと追求しているところでございます。
  22. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 補助金と補助率の話は後にちょっと回させていただきます。  次に、この採択の基準、これについてちょっとお伺いしたいと思うんです。  まだ、これから採択の基準を作るというふうなことなそうですけれども、ただ、今、委員会で議論を、質疑をしているときに採択の基準が決まっていないというのは何か行政指導にゆだねるなというふうなことになっちゃうと。皆さん方の力が行使できてよろしいんでしょうけれども、しかし基準ができていないのに議論するというのも一つ何か私もおかしいような気がするんです。  そういうふうな中で、その採択の基準というのは今の段階でどのようなところを考えているのか、これについてもお示しをいただきたいと思います。
  23. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたし……
  24. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 それと同時に、もう時間が全体的になくなっちゃうんで、事業的には、事業量的にアッパーリミット、そういうふうなものを決めるのか。さらにまた、全国でどれぐらい、今町村合併、千六百ぐらいになって収れんしていくのかな、そういうふうなことも踏まえた中でもう進めるんだろうと思いますけれども、その件と。それから、まだ決まっていないと思いますけれども、指定地域が決まっていないと思いますけれども、これから周知期間というのはどれぐらい置いていくのか。  この三点についてお伺いをしたいと思います。
  25. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  まず、採択基準でございますが、個別施設について今までのような事前に詳細な審査は行わないということでございますけれども、なるべく客観的に透明にやろうということでこの採択基準、現在詳細なものを作って検討中でございます。例えば、課題の深刻さやそれに見合った目標の設定、さらに、地域の課題としての既存の計画との関係でございますとか、それから今後町が取り組もうとする事業、これが全体としてこのまちづくりの目標にどのように整合するとかどれぐらい効果がありそうかとか、それからやはり地元の意欲というものが非常に重要でございまして、そういう地元の方々の機運の有無とか事業の熟度、こういうようなものが採択基準として十数項目今整理しておりますけれども、そういうことをきちっと市町村方々にお示しして的確な運用ができるようにしたいと思います。  それから、規模でございますけれども、これは、それぞれの町や村が自主的に計画をお作りになりますからそれぞれ面積とか事業規模はかなりばらつきが出てくると思いますが、平均的に申しますと、一地区の全体事業費二十五億円ぐらいで、これを五年でやるということになりますと一年間に五億円、そのうち約四割の二億円程度が国費で充当されるというようなイメージを今持っております。  それから、全国での箇所数でございますが、内々にいろいろな御要望等とかいろんなお問い合わせに答えている中で把握している状況でございますが、従来からのまちづくり総合支援事業を切り替えていくという地区のほかに、新たにおおよそ二百六十から二百七十の市町村から関心を示していただいております。例えば福島県で見ますと、郡山市、いわき市などのかなり大きな都市部に限らず、下郷町とか田島町とか、十五市町村二十地区がそれぞれ関心を示されております。  ということで、周知期間でございますが、既に皆様方から大変大きな関心も寄せていただいておりまして、地方整備局を中心に、政府原案が決定された以降、市町村に対していろいろ御説明するなど、周知に努めているところでございます。本法案が施行された段階で、要綱やマニュアルなど更に具体的な資料をお示しすることによって本制度の有効活用に努めてまいりたいと考えております。
  26. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 局長のある新聞社のインタビューの中で、もう既に百七十一地区を研究の対象とした町村で調査をしているということがこの間、新聞で見たわけでありますけれども、この百七十一町村というのはどういうふうなまた基準でお選びになったのか。この百七十一がこのまちづくりむらづくりに立候補をした場合、これはその一つのモデルとなっているわけですから、当然それはもう採択されるというふうなことであろうと思いますけれども、この点についての一つの御見識をお伺いしたいと思います。
  27. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) ただいまの質問の前半の部分に先に私の方からお答え申し上げます。  地方でできることは地方にという基本的な考え方を踏まえまして、先ほど来話がございますように、稚内から石垣までというキャッチフレーズの下に全国の都市再生を進めて地方活性化することは大きな課題と認識しております。このため、昨年の六月二十六日の本部会合で、地域が自ら考え行動する都市再生活動を全国都市再生モデル調査、この調査でございますが、として支援するということを決めました。募集の結果、全国から六百四十件の提案があり、昨年の九月二十二日に今、先生御指摘の百七十一都市を選定し、今各地で調査を実施しているところでございます。  選定に当たっての視点でございますが、地域の元気が出るという基本的な考え方に沿った全国の参考となるべき先導的な都市再生活動であるかどうか、あるいは地域が自ら考え自ら行動するという指針に適合し、テーマや活動の具体性、確実性があり既存の調査等と競合しないかどうか、あるいは十五年度に確実に実施ができるかどうかと、こういったことを十分確認しながら、特に発想や着眼点の新しさ、地域の伝統文化や資源等の地域資源の活用、創意工夫等、その他にない特徴があるかと、こういった観点から総合的に優れているものを選定しました。  こうした取組をきっかけに、全国の都市再生活動が地域を元気にする大きな流れとして盛り上がっていくことが重要と考えております。
  28. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今、都市再生本部の方から御説明申し上げましたように、非常にやる気のあるところが手を挙げておられて、それが選ばれているということでございます。  制度的にいえば、それぞれ都市再生整備計画は別に作っていただいて、それに交付金というような話になるわけでございますが、正にこういうような元気のあるところでこのまちづくりの交付金も御活用いただきたいと考えておりまして、是非そのような方向で進みたいと考えておるわけでございます。
  29. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 総務庁、来てもらっていますよね、総務庁。町村合併、来年を目途にしながらそれぞれ頑張っておられる。町村合併というのはやっぱり一つは、私はもうまちづくりむらづくりだと思うんです。それで、町村合併、一方では総務庁が一生懸命お進めになっていながら、国交省としてはまちづくりむらづくり。これは、やっぱりどのような私はもう連携を取ってきているのか。どうせならば、このような正にいい事業となるんでしょうから、こういうふうなものを町村合併がスタートするような、要するに総務庁が始まるようなときにどうして連携取りながら一緒にやってこれなかったのか。  今になって私は、もう来年、町村合併、相当もう具体的な詰め方をして、いろんなところで聞くと、やっぱり町と町との境とか、町と村との境、都市と村との境のここに何かコアがないかななんという話も時々聞いてくるわけですけれども、これ、いわゆる年度としてのその事業の、日本の予算制度からすると、これから立候補するということは極めて間に合わないような状況になってしまうと思うんだけれども、その辺の時間的なものが何で整合しなかったのか。この件について、国交省と総務庁からお伺いしたいと思います。
  30. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 御指摘のように、今各地で合併の機運が盛り上がっていて、様々な計画作りとか市長選挙とか行われているわけでございます。複数の市町村が合併するに当たっては、やはり合併してどういう町にしていくんだというようなまちづくりの建設構想みたいなことが非常に重要になるわけでございまして、そういう中で、御指摘のように、このように使い勝手のいい制度が初めからあればもっとよかったんではないかというようなことではないかと思います。  ただ、先ほどちょっと御説明申し上げましたが、従来より、確かにまちづくり交付金というのは今回新たに御提案を申し上げているんでございますけれども、従来から国土交通省としては、まあ補助金ではございますけれども、なるべく統合してというような形で市町村まちづくりを支援してきておりまして、そういう意味では、今後も合併は続くと考えられますので、今後、合併を検討している市町村でこういうまちづくり交付金を活用していただければと期待する次第でございます。
  31. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 御案内のように、現在、市町村合併につきましては平成十七年三月に向けまして鋭意各市町村で取り組んでいただいておるところでございます。現在、法定協議会も五百を超えまして、六割以上の市町村が取り組んでいただいておりまして、我々も合併特例債等いろんな財政措置を講じまして、これを支援しているところでございます。  さらに、現在の状況を見ますと、例えば市町村で、法定の期限でございます十七年三月までに市町村の議会の議決はしたが、まだ県知事に申請した段階でとどまっているというようなことも想定されますので、現在、合併特例法につきまして一部改正を国会にお願いしておりまして、市町村で議決をし、都道府県に申請した段階で期限来たものにつきましては、更に一年間特例措置の適用を認めていこうというようなことも現在お願いしておりますので、そういった中で、現在、今回のような交付金ができますれば、更にそういったものを利用して市町村合併が進んでいけるんじゃないかなというふうに期待をしているところでございます。
  32. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 本当に、そこはよく連携を取ってやっていただかないと、せっかくのまちづくりの交付金がそれこそ立派に使われていかないと思うんですね。功を奏しないと思うので、その辺はひとつお願いをしておきます。  とはいうものの、このまちづくりの中で交付金というのは四割と、あとの六割は町とか地元が負担すると。今の町村財政、この間、宮古島の予算が作れないような例もありました。本当に今、町村、もう昨年対比マイナス一〇%から二〇%ぐらいの予算規模になって、これは取りも直さず財政が非常に厳しいということが一方にはあります。  しかしながら、地元の皆さんからすると、産業界からすると、もう仕事をやりたくてしようがない、特に建設業界なんてそういうふうに思っている。そして、そういうふうな中で、この制度ができると、やっぱり地元の産業界からAという町、Bという町、もう是非やってくれという話になる、その町がやる、そうなると四割の交付金をもらいながら六割を無理して出すような結果になるというふうなことが私は事例として出てくるんじゃないかと思う。そうなった場合、ますます地方の財政を困窮にするような状況になってしまうんじゃないかなと危惧するところあるんですけれども、この件については、局長はどのような感じをお持ちになっておられますか。
  33. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。
  34. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 総務庁で。
  35. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) よろしいでしょうか。
  36. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 総務庁。
  37. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) じゃ、先にお答えさせていただきます。
  38. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 時間なくなるから。
  39. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) はい。  このまちづくり交付金は、市町村の自主的な取組ということでございますから、国としても支援するわけでございますけれども、一定の限度額の範囲内でということです。ただ、今御指摘のとおり、六割の部分は市町村の負担となるということでございますから、地方財政措置について総務省と今調整を図っているところでございます。
  40. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) ただいま御指摘ありましたとおり、市町村の財政、非常に厳しい状況になっておるわけでございます。我々といたしましては、従来からまちづくり支援の総合支援事業というものもございますけれども、その段階におきましても国庫補助の裏負担につきましては地方債なりあるいは交付税なりでその裏負担に対応をしてきております。  今後、このまちづくり交付金が制度化されました場合には、従来の支援総合事業も勘案しながら的確に地方財政措置を講じていきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、全体としての地方財政がきちんと回りますように、地方財政計画の中に全体としての市町村の財政需要を、きちんと需要を算定いたしまして、市町村の財政が全体として回るようにも十七年度以降もしていかなきゃいけないということも考えております。  このまちづくり交付金につきましては、今後よく国交省と相談してまいりたいというふうに考えております。
  41. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 いや、もう本当、まあ局長の答弁としては分かりますけれども、もう本当に予算組めないんですからね、現実問題としては。だから、職員の削減とか月給の減額とか、そういうふうな苦労している中で、制度の新しい、政策としてはいいんですけれども、地方はこういうことなんですよ。要するに、Aという町がやると必ず隣の町に引火してくるんです。隣の町長さんは立派だ、まちづくりをやっている。おらのところの町長は何でやらねえのかと。これがもうどんどんどんどんエスカレートすることを私、うんと懸念するんですけれども、この辺はよく、局長、頭に入れておいていただかなきゃいけないかなと思います。  それから、次の、町、村のまちづくりむらづくりというのは、要するに、中核都市とかそういうんじゃなくてやっぱりちっちゃな村、町なんです、私が想定するのは。そうすると、ちっちゃな町、村というのは一方的に今人口減少と、極めて高齢化率が、激しいところは三十何%、高齢化率の、我が福島県にあります。そうなってきたときのまちづくりむらづくりで、駅前の中でのまちづくりになると、そこにやっぱり皆集まってくると思うんですけれども、例えばおじいちゃん、おばあちゃんなんというのは、場合によってはゲートボール場あるかと、そんな話になります。  それで、様々な、この間、福島の地元、市を見ましたら、福島県の敬老会の皆さんが、子供たちの教育に一助、お手伝いしようと、そうなって、その中で、それぞれの地方にいろんな文化があるんです、織物があったり何かという。そういうふうなものを子供たちに継承しなきゃいけないといったときに、実際、ハードな面はその交流センターか何かでできても、ソフトな面で何か教えるようなマニュアルというか、そんなものも必要になってくる可能性があるんです。それは、私は、やっぱりその町、村の財政負担になるのかなと思うけれども、厳しい中で町、村の財政負担。そのとき、多分、今度起債を起こす。起債を起こしたとき、交付税で起債の償還というのをこれは認めるかどうか。さらにまた、やっぱり箱物って今嫌われているわけですけれども、場合によっては箱物も作りたいという話になるかも分からない。そのときの起債償還というのは認めるかどうか。これについて、局長の御所見をお伺いしたい。
  42. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 地方団体がいろんな事業をする場合に地方債を起こしてやる場合が想定されるわけでございまして、その地方債につきましては、基本的にその償還を毎年度の地方財政計画に公債費として計上をいたします。したがいまして、地方債につきましては、そういう意味ではデフォルトが起こらないという建前を持っておるわけでございます。  ただ、それは、全体としてマクロで措置をするわけでございますので、個別の地方公共団体の発行額において、それでは、それぞれ交付税額の中に反映するかというと、そこは若干違うわけでございます。標準的な額として各団体に措置していくということになります。  ただ、日本じゅうの、マクロで見ますと、日本じゅうで発行しております地方債につきまして、その元利償還金については地方財政計画の中で措置をし、全体として地方税、地方交付税等の一般財源で必要な額は対応できるように計画を作っていくということでございます。
  43. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 次に、県との関係というのは極めて希薄というか、なくなってくる。直接これは国交省に申し込むわけですよね。例えばまちづくりむらづくりの中で、私は、道路の比重というのは非常に重くなってくるところもあろうと、そう思うんです。道路の補助率というのは、多分、県道、国道、二級国道、これはもうほとんど国と県で、町村負担というのはないと思うんです。そんなときに、たまたま道路改良が前提となるまちづくりむらづくりになったときに、私は、どうしても県、都道府県との相談というのが必要になってくるのかなと思う。  そのとき、どういうふうなことが起こるかというと、私の例えば下郷町、下郷町で来年まちづくりをやりたいということで申請をする。そして、まあ四割はいただく。四割の中で例えば道路事業をしようとすると、極めて、六割負担しなきゃいけないから、もうとても道路事業、改良事業なんてできない。だとすれば、地方道改良とか国道改良で県と国にお願いした方がいいかなと。県と国のその年次的なものは、いや、とても来年なんてできないよと、この三年でできないよと、五年後、十年後だよというふうなことになって、それが結果的にはほごされてできなくなってしまうという事例が出るような可能性もあるような気がしてなりません。  となると、やっぱり私は、どうしても都道府県との絡みというのは必要だと思うんですけれども、この件についての御所見をお伺いしたいと思います。
  44. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  市町村都市再生整備計画を作りましたら、その写しは都道府県の方に送ると。町でこういうことを考えているということはちゃんとお知らせしておくということがまず一点ございます。  それから、今お話がございましたように、本格的な道路の改良となりましたら、法律では二分の一国が補助するとか市町村の負担がないということですから、明らかにそれは県にやっていただいた方がいいわけでございます。  ただ、例えば駅前のまちづくりをするときに歩道を改良するとか、それから電線地中化とか、そんな大きな工事じゃないけれども一緒にやった方がいいと、それについては県がスケジュール的に付き合えないというふうないろんな場合もあると思いますから、本格的なことになったら県とよく相談していただいて一体的にやっていただくのがいいと思いますし、もしスケジュール的に合わなくて、小規模な工事で、それだったらこの交付金でやっちゃった方がいいというようなことで、これは市町村にとって選択肢を広げるという大きな効果があるのではないかと考えております。
  45. 佐藤雄平

    佐藤雄平君 もう時間がありませんので、本当にこのまちづくり交付金が将来にわたって、あれがやっぱりいい制度だったと思うような運用をしていただくことをお願いしながら、質問に代えさせていただきます。  ありがとうございました。
  46. 大江康弘

    ○大江康弘君 おはようございます。民主党の大江康弘でございます。  引き続いて御質問させていただきたいと思いますけれども、松野局長に要望だけしておきます。  今、同僚の佐藤先生からも御指摘がありましたが、この六本木ヒルズの本当に悲しい事故につきまして、聞けばこれに類似するというか、こういうことに至らなかったのが不思議だと思うぐらいの、そういういわゆる回転ドア事故が今日まで三十三件もあったというふうなことであります。ほかのビルでもいろいろまたこういう数字は恐らく増えてはいくんでしょうけれども、早急に国交省として、国としてのやはり安全基準の策定だとか、そういういろんな行政の最高監督官庁としてのひとつ方針を出していただいて、こういう不幸な事故が起こらないようにひとつ対応していただきたいということを御要望だけさせていただきたいと思います。  そこで、今回の法案でありますけれども、我々、今日の小泉政権が行おうとしておるこの三位一体というものは、これはもう単に数字合わせであるということであって、本当に地方のためなのかということは、もう全くそうではないという立場でありますが、今回のこのまちづくり法案に関しましては大変評価をしておる一人であります。そういう難しい時期の中でこれだけのことを国交省としてもよく考えていただいたと。とにかく、始まりのごくごく歩幅の狭い第一歩であるというふうには思いますけれども、一応評価をしております。  ただ、ここで、いまだにやはり日本全国を見渡しますと、いびつな都市開発というか地域のばらつきが起こっておる。今日、この都市再生というのは一体どこがスタートになったのかなということをちょっと思い出しますと、いわゆる三年前、小泉政権が誕生した。総理が五月の七日の初めての本会議の衆参の場でこういうことを言っておるんですね。いわゆる「都市再生と土地の流動化を通じて都市の魅力と国際競争力を高めていきます。このため、私自身を本部長とする都市再生本部を速やかに設置します。」と。結局、ここが今日のこの都市再生の始まりであった。  しかし、都市再生といいましても、最近政府は、小泉総理は、景気も良くなった、あるいは経済成長率もGDPも伸びてきたじゃないかといって胸を張っておりますけれども、我々地方におる者にとってはもうその実感というのは全くありません。今、東京中心にして本当に我々毎週行ったり来たりしておりますけれども、この変貌というのは確かにすごいものがあります。そういうことを思いますと、本当にミニバブル的なものが東京都を中心にして起こっておるということは、これは否めない事実であると思います。  私は、都市再生というからには、再生ということは、やはりどこか病んでおるから、逆に病んでおるんだろうなと。病んでおるからこの再生というような言葉が出てくるんだろうなと。一体、それじゃ、その病んでおる原因は、これは大臣はどんなふうに思われておるか分かりませんけれども、土地の物価が下落をして、土地が値段が下がっていった。その中で、企業の不良債権が増えていった。こんなことを病の原因だということをするんであれば、これはやはり再開発をして、そして土地の利用度を高めて景気を浮揚させていくという、これは私は経済学的にはこれ間違っておらないし、そういう意味では、小泉総理が言われる都市再生というのはある部分間違っておらない政策であったかなと。  しかし、私は、間違っておらないけれども、一つだけその都市再生に欠けておる視点というのは、あくまでも小泉総理が進めていこうという都市再生石垣から稚内までですか、稚内から石垣、これ前に、何で石垣から稚内と言わないんだという議論もありましたけれども、今一つだけ欠けているという、私が心配をするのは、いわゆる小泉政権がやっておる都市再生というのは、いわゆる経済学的なフロー重視という面の都市再生の理論であって、そこにはやはり地方をどうする。ですから民間が、民間に対して活力を出させるという意味においては、これはやっぱり都市というのは民間は魅力であります。ですから、これだけどんどんどんどんいろんな国交省も枠を外して、民間開発しやすいようなそういう法案をずっと作ってきた。  しかし、今申し上げましたように、稚内から石垣まで、当初うたっておったこういうこの大義というのは、本当に今現実地方はそういう中で再生をしておるのかといえば、私は、やはり都市中心としたものだけであって、地方はその恩恵というのは何ら受けておらない。  そんな中で、今回、まちづくり法案という、先ほど局長の方から、非常に、補助金のようないろんな規制を外したんだから、地方にとってはこれはやってもらいやすいという、そこは私は同意をします。  そこで大臣、私は、政府が今日まで推し進めてきた都市再生という一つの法律を軸にしてやってきた。そういう中で、地方が依然として、先ほどシャッター通りという言葉が出ましたけれども、これもよくよく考えてみますと、アメリカに言われて国が、日本の国内が内需拡大をせないかぬという、そういう延長の中でいわゆる大店法の話が出てきたり、そういう中でお互い中小企業の小売店と大店との闘いがあって、結局消費者の立場は忘れられて、そういう一つの対立が大店法を生んで、その大店法の下に、結局中心地におったいろんな小売店の集客をしておったものが郊外に逃げていった。ですから当然、中心地というのはこれは寂れてくる。そして、シャッター通り、あるいは全く活力のないそういう地方都市になっていった。そういうふうに私は思うんですけれども、大臣思いとして、今の日本全国を見渡されて、地方都市の現況というものをどういうふうに把握をされておられるのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
  47. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) やっぱり日本の戦後、国土の均衡ある発展というスローガンに、やはりどの町に行っても同じものがある、あるいは同じようなまちづくりをするということで、社会資本の整備は進んだんだと思うんです。しかし、それがあるところまで来たときに、何だどこ行っても自分の住んでいる、例えば県で中核都市と言われるようなところを歩いても、何だ自分の住んでいるところと変わらないじゃないか、よりもっと刺激のある大都会に行きたいな、こういうふうにいろんな方が、若い方を中心に思うようになった。画一的なまちづくりにつながったことがある意味では地方の個性とか自主性とかそういうものをはぎ取ってしまったと、そこにやっぱりもう一度フォーカスを当てる必要が私はあるような気がします。  さはさりなん、でもそういうふうに、そういう町が今できてしまって現存するわけですね。それが委員の言われるところの中心市街地の疲弊した姿に代表されるんだと思うんですけれども、やっぱり、それともう一つは雇用の面ではないかと思います。地方都市、町とか村なんか行きますと、勤めるところで一番いいのが役場で、二番目が郵便局か農協だと、そういう話をよく聞きます。それ以外の民間企業、先ほども御同僚の佐藤委員との中でもちょっと話させていただきましたけれども、地場産業みたいなものが三十年ぐらい前、四十年ぐらい前までですか、各地域に必ずあったんですけれども、それが海外に取って代わられるとか、あと集約して違う地域に行ってしまう。  この問題にどう対処するのかということがこれまでここでも御議論されているんだと思うんですが、私は一点、この議論を聞いてずっと気になりましたのは、委員も御指摘されましたように、マクロ経済としては経済の、経済力のあるところで経済活性化すれば全体が上がるというのは当たり前なんですけれども、それもやめてはいけないんだと思うんですね、やっぱり。そこには財政を出動するよりも規制緩和とか民間がお金を出しやすい、開発しやすい法律を作るみたいなソフトの面の充実で対処したと。じゃ、これからは委員が御指摘稚内から石垣までのこの地方都市をどうやって再生していくのかと。これはきっと民間活力、すなわち民間の資本を持ってこれるところもあるでしょうけれども、持ってこれないところもある、これは個性がばらばら。  今日も実は閣議の中で話題になったんですけれども、函館。函館、今ちょうど大河で新選組やっているからすごいまたブームになっているそうで、北海道全体の中で調子が悪い、北海道全体が調子が悪いと言われているんですけれども、活気があるというんですね。何で活気があるかといったら、一つは観光。これは年間五百万人来るそうです。それともう一つは、これは私が小学校のとき習ったのと同じ函館の基幹産業である水産業。水産業で、例えばそこの地元の中小企業と大学とがいろいろ研究して、イカ釣船のイカ釣りを自動でやる装置を考えたと、これが他の漁村等々にも今、輸出とは言いませんが能力として渡って、そういうものも活性化している。あとは、新鮮な函館産のものをどうやって大都会の消費地に運ぶのか、こういう研究をしている。この二つで非常に活気がある。函館というのは大きな、北海道の中でも大きな町ですけれども、そういうふうにうまくやっているところもあるわけですね。  ですから、それはやっぱり地元の皆さん方の、私いつも言うように創意工夫と知恵の出し比べによる競争、こういうものが現実に今、一つの例ですけれども地方でも起こりつつある。それともう一つ、やはり中山間地域みたいに全く何か手だてをしてあげないと、もうそこは廃村になってしまうみたいな地域もある。  その都市再生といいましても、大都会があり、政令指定都市があり、その次の町があり、五十万都市があり、三十万都市があり、二十万都市があり、五万の町があり、三万の町がある。これはやはり少し丁寧に議論していかなきゃいけないんじゃないか。そのどれもが実は大切であり、どれもの処方せんはそこに暮らす人が実は一番分かっている。ですから、地方にゆだねるということを原則にこのまちづくり交付金は、局長が答弁させていただいていますように使い勝手を良くしていこう。  そういうことで、私も都会人間ではありますけれども、地方を切り捨てるという気持ちはありませんし、一番避けなければならないのは、都会地方みたいなことで限られた財政を取り合うみたいな事態は絶対避けなきゃいけなくて、同じ一つの三十八万平方キロメートルの中に暮らす日本人として、今、委員が御指摘されているその疲弊した町をどうしていくのか、こういうことを真剣に議論をするこの端緒にこのまちづくり交付金の議論がなっていただければ有り難いですし、またそういう議論が積み重ねられているんだと思っております。
  48. 大江康弘

    ○大江康弘君 ありがとうございます。それだけの御認識をいただいておるということにお礼を申し上げたいと思います。  そこで、少しばかり質問に、具体的なところに入っていきたいんですけれども、先ほど申し上げましたように、私はやっぱり、今回の大きな三位一体改革というのはどうも国が財政再建というものに主眼を置いたものであって、地方が本当に独自の発想で行財政改革というもののそういう与えられた自治体の責任を自由な中でやれるのかというと私は決してそうでもないという、それが今市町村あるいは都道府県のそれぞれの首長さん、住民の皆さんからの不満につながっていっておると思うんですけれども、そうはいいましても、このまちづくり交付金というものに目を当ててみますと、これは先ほど申し上げましたように、第一歩として踏み出していただいたということは地方人間として感謝を申し上げたいと思います。  そこで、少しちょっとこの財源のことで気になるんですけれども、これは補助金、まちづくり交付金ができ上がってくるまでにいろいろ国交省としての財源をどうする、こうするという中で、いわゆる公共事業関係の補助金が一般会計と特別会計合わせて四千五百二十七億円ですか、これが削減をされておるわけですけれども、結局こういう事業がなぜ削減をされたのか、廃止をされたのかということをまずちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  49. 安富正文

    政府参考人安富正文君) 今、四千五百億円、政府全体として四千五百億円の補助金が削減されたわけでございますが、これは三位一体改革の一環としまして、地方向けの補助金等の改革を行うということで、国の関与を縮小して地方の権限、責任を拡大する、あるいは国、地方を通じた行政のスリム化等を図っていくということで国庫補助負担金の改革に取り組んでいるところでございます。  こういう中で、国土交通省としましては、この政府全体の四千五百億円のうち、約公共事業関係費で三千二百四十九億円の削減をしておるところでございます。これらの中身としましては、具体的には平成十六年度のこの補助金の削減の中で、一つ地方の事務として定着等したものにかかわります国庫補助負担金、それから少額の補助負担金でもいわゆる意味が薄くなっているものの補助金の廃止、それから一般的に奨励的補助金について大幅な縮減を図るということになっておりまして、この関係で約二割の削減を図っております。そのほか、補助対象事業の重点化等あるいは採択基準の引上げ等によりまして補助金額自身につきまして縮減を図るというようなことで、先ほど言いました国全体で四千五百億ですが、そのうち国交省関係で三千二百四十九億円の削減を行ったところでございます。
  50. 大江康弘

    ○大江康弘君 そこで、昨年の十二月に政府・与党のいわゆる、ちょっといただいた資料ですが、平成十六年度における国庫補助負担金の改革というものがあって、そこで当初国交省は二千二百十億円程度であったんですね。しかし、その後どんどんどんどん削減額というのが増えておって、今言われたこの三千二百四十九億、約三千二百五十億円というふうに、こうなったと。これが昨年十二月から今日までの間にこれ、一千億円もこれ大きくなった原因というか、それはなぜなんですか。
  51. 安富正文

    政府参考人安富正文君) 今、委員の方から、二千二百十億円の補助金等の縮減にプラスして約一千億円強増えたという御発言がございましたけれども、ちょっと正確に申しますと、実は概算要求基準等で、当初から公共投資関係費につきましてはマイナス三%、それから奨励的補助金につきましてはマイナス五%、これに相当する額の補助金等の削減を行うということが概算基準で決まっておったわけです。この額が約一千億円でございます。その後、国全体で総理の指示の下に総額一兆円の国庫補助金負担金の廃止、縮減等を追加で行うということが決まりまして、それに、その追加の部分についての国交省のいわゆる削減額が約二千二百十億円ということで、これを合わせた、当初から削減する予定でありました一千億円にプラス追加で二千二百十億円の総理からの指示に基づく削減を足したものが約三千二百五十億円ということになったわけでございます。
  52. 大江康弘

    ○大江康弘君 これはシーリングだとかいろんなことはもう前もって分かっておるわけでありますから、当初二千二百十億円が削減されるというようなことにおいて、そこでこう、それはもう組み込まれた話かなというような私は認識持つんですけれども、それはまあそれとして、これだけの結局削減額ということになれば、今地方がどんどんどんどんこの継続事業も含めてやってきた事業というものが大変支障が出るんではないかと、こんなふうに感じるわけですけれども、これは一体削減額が大きい順番、道路だ治水だ、あるいは都市公園だ、いろんな空港だ港湾だという分野がありますけれども、この削減額の大体多いものを二、三、まあ順番に、それぞれの事業にこれだけの削減をして支障がないのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  53. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答え申し上げます。  確かに、御指摘のように、都市整備関係は我々の身近な社会資本整備を行うということで要望が大変あるわけでございますが、そういう中で、こういう政府の大きな方針の中で補助負担金が削減されるということでございます。  例えば、下水道について見ますと、約四百九十億円の削減がされております。こういう中で、やはり合流式の下水道の改善でございますとか、閉鎖性水域の高度処理の推進、それから内水被害対策の軽減と、やはり政策上重要な、重要性が高いものに重点的に取り組むとともにコスト削減への取組を進めて、補助金が減ったことによるそういう事業への支障がなるべく起きないようにしております。  また、都市計画の、例えば道路でございますが、これも百億円以上切られているわけでございますが、連続立体交差でございますとか交通結節点、こういうような非常に政策的に重要度の高いところに重点配分を行うとともに、道づくりの交付金、地方道路整備臨時交付金について、個別事業への配分を地方の裁量にゆだねるというようなことで、より効率的、効果的な運用が可能となるような努力をしているところでございます。
  54. 大江康弘

    ○大江康弘君 できるだけ地方に余り影響のないようなひとつ手だてというのもまた併せて僕は考えてやっていただきたいなと、こんなふうにも思っております。  そこで、このまちづくり交付金、先ほどいろいろ議論もされておられましたけれども、まだ少しちょっと分からない部分がありますので、ちょっと細かく聞きたいと思うんですけれども、いわゆるこの千三百三十億円というこの予算の設定というもの、ここに至るまでのこの経過というのか背景というものを、ちょっともう一度聞かせていただきたいというふうに思います。
  55. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今回のまちづくり交付金の前身である補助金のまちづくり総合支援事業というものは、実は市町村からの非常に要望が高くて、平成十二年度に三百五十億円であったものが平成十五年度に七百三十億円と非常に伸びてまいりました。今回の交付金では、更に都市整備と住宅整備を一体的にできるようにしようというようなこととか、ソフトな事業市町村の提案型の事業等をさらに新たに交付対象とすると。それから、先ほど御答弁申し上げましたが、全国都市再生モデル調査というので百七十一件、非常にやる気のある町や村があると、こういうような状況を勘案して、公共事業関係予算、非常に厳しい中でございますが、七百三十億円だったのを千三百三十億円というところまで頑張って確保したところでございます。
  56. 大江康弘

    ○大江康弘君 結局、それはまちづくり支援事業という今までのそういう、これは四年ぐらいになるんですかね、この事業をして。それの積み残しが今回、今、局長が言われた七百数十億円、これが今回のまちづくり交付金の千三百三十億円の中にまたこれは組み込まれておるということですよね。
  57. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今回、従来のまちづくり総合支援事業をモデルチェンジいたしまして、非常に使い勝手のいい交付金にしたわけでございますが、今御指摘のとおり、従来からの分を新しく切り替えるという部分が当然必要になってくるわけでございまして、千三百三十億の中にはそのような切替えの部分も入ってございます。
  58. 大江康弘

    ○大江康弘君 ということは、ちょっとそこが分からないんですけれども、そうしたらそのまちづくり支援事業というのは、これは単年度事業じゃないですよね。ずっと継続してきた事業もあったと思うんですよ。その中で急にこういうまちづくり交付金みたいなものが今年、今年度からでき上がってきた、そうしたら今まであくまでもこのまちづくり支援事業というのはこれ補助金の対象の事業ですよね。だから、それがずっと継続をしておって、これうまく十五年度で終わっておればいいんですけれども、それを七百三十億円の積み残しをということであるのであれば、僕はまちづくり総合支援事業というものとは別に、このまちづくり交付金という形でもう全く別物としてこうされるというのだったらある程度分かるんです。これが継続してまちづくり支援事業からこの交付金の方へ移行したという、そうしたら、継続しておる事業というのは、これはどうなっていくんですか。
  59. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今回の改革は今までのものをより使いやすくしようということでございますから、従来継続しておった事業があるわけでございますが、それもより使いやすくなるということで市町村にとっても大変なメリットがあるということで、いずれにしましても制度の切替えということでございますので、いろいろ御相談も受けておりまして、そういうことに対して的確に対応してスムーズな切替えが行われるようにしたいと、このように考えているわけでございます。
  60. 大江康弘

    ○大江康弘君 我々も、我々もというよりも私個人としてはちょっと勉強不足な部分があるので、ちょっとそこらの切替えがうまくいくんかなという、市町村は戸惑うんじゃないかと。今まで補助事業としてやってきたことが急に補助という枠も離れて、これ自由裁量の中でできるということでありますから、ちょっとイメージが余り自分の中でわいてこないんですけれども、いずれにしてもうまく移行できるようにひとつそこは指導なりをしてやっていただきたいなというふうに思います。  そこで、この千三百三十億円という金額というのは果たしてこれ、先ほども市町村の合併の話がありましたけれども、全国で今まだ現在三千二百近い市町村が、自治体があるわけでありますから、果たしてこの千三百三十億円でいかほどのことができるのか、こんなふうに思うんですけれども、大体どれぐらいの市町村が今回のこの初年度でこれを受けてやっていけるというふうに思っておられますか。
  61. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  今、内々に御要望等を伺っているところでございますが、先ほど佐藤先生に対する御答弁で申し上げましたように、二百六十から七十の方が非常に強い関心を示しておられます。この中には来年度は間に合わないけれども十七年度からやりたいとか、今からもうそういう準備をされているところもございます。したがいまして、この法律成立後、直ちに詳しい要綱とかマニュアル等をお示しして、それぞれ計画を出していただいて、二か月程度をめどにこの新しい制度が運用できればと、このように考えているわけでございます。
  62. 大江康弘

    ○大江康弘君 局長、今二百六十から二百七十という話であったですよね。そうしたら、二百六十から二百七十という、これも間違いないですか、ちょっと。
  63. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) ちょっと今チェックします。
  64. 大江康弘

    ○大江康弘君 局長、また分かったら言ってください。  その数を前提ということになりますと、まあ単純でこの予算で割ったら十億行かぬわけですね。約五億そこらということになりますから、これは当然市町村、それぞれの当該の自治体の自分たちが持たなければいけない負担分もあるんですけれども、さほど胸を張って言えるようなことができるのかというふうにも非常に心配をするんですけれども、これはそこらの、先ほども少し上限の話が出ておりましたけれども、大体そこら、どういうふうな、一自治体当たりが大体どれぐらいの予算枠であればある程度のことがやっていけるんだというふうな、そんな私は計算は国交省としてもあったと思うんですけれども、そこら辺りちょっと聞かせていただけませんか。
  65. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今までのまちづくり総合支援事業経験から見ますと、数億円のものから、全体事業費が数億円のものから、それから数十億、百億に近い、超えるようなものもございます。したがって、それは町それぞれの取組によって内容が違ってくると思います。  それから、今までですと平均で大体五年弱ということでございます。今回のまちづくり交付金でも、おおむね三年から五年で一つの目標を達成するというようなことを念頭に置いているわけでございます。そういたしますと、従来から、例えば五年で二十五億の事業をやるというようなことが一つイメージとしてでき上がってきますから、そうすると毎年は五億ということになります。二十五億を五年でやるとなれば五億と。五億のうち四割を国が交付金で出すということになれば、二億ということです。  先ほどの数字でございますが、新規に関心を示しておられるのが二百六十から七十ということでございますから、平均二億とすれば、取りあえずは二億ずつならば五百億、五百二、三十億ということで、十分今の中で対応できるんではないかなというような感じを持っております。
  66. 大江康弘

    ○大江康弘君 そこで、結構これ、市町村や都道府県の責任だと思うんですけれども、割に国がこういういいメニューを出してきても知らない部分が多いんですよね。ですから、そこらをどう周知徹底さすかということもこれから国交省としてもやはり考えていただきたいと思いますし、市町村もやはりそれは独自でいろんな情報を集めてということも、これはやっぱり市町村責任であると思うんですけれども、さはさ言いましてもやっぱり、今市町村もどんどんどんどんやっぱり人員削減、非常にこの小さな自治体というのを目指してやっておる、また市町村合併に向けていろいろ煩雑なそういう事務的なことも増えておるという中で、果たしてこれをうまく活用していけるのかどうかという、市町村にとってみてもそれだけのノウハウだとかあるいはいろんな部分の中で果たしてそれだけの人材が育っておるのかなということをちょっと心配するんですけれども、いわゆる都市再生機構というものがこれありますよね。ここら辺りが、例えば国交省も含めてどういうふうな支援体制を組んでやっていただけるのか、そういうソフトの部分でですね、ちょっと聞かせていただきたいなというふうに思います。
  67. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 御指摘のように、地方公共団体の中には、まちづくりの今までの経験が少ないとか、それからノウハウが蓄積されていないとか、それから財政的にも厳しいとか、いろいろな制約条件があると思います。意欲があってもなかなかそれをうまく計画に結び付けるのが困難な市町村もあろうかと思います。  そこで、国土交通省としては三つ考えております。一つは、まず国土交通省自身が地方整備局を中心に相談窓口を設けまして、よく御相談に乗ってさしあげるというようなこと。それから、今御指摘都市再生機構の活用ということも非常に有力な手段だと思います。それから、今まちづくり専門家のデータベースというものを作ろうとしておりまして、それによりましてそれぞれの市町村がこういうまちづくり専門家が欲しいというのを直接いろいろ検索もできるというようなことで、いろんな形で市町村をサポートしてまいりたいと考えているわけでございます。
  68. 大江康弘

    ○大江康弘君 そこで、もう一点、この法案一つの柱の中に、これをちょっと見ますと、いわゆる国土利用計画法に基づく交付金制度の廃止というふうにあるんですけれども、いわゆる地方の自治体におけるこの経費の財源に充てる、いわゆる事務経費の財源に充てるものはこれ廃止をされるということになったときに、これはやっぱり地方において土地利用の基本計画を作ったり、あるいは地価を調査したりとか、今までやってきたようなこと、これ昨年までの実績のベースで二十五億円ぐらいあったんですか。  結局、これが廃止をされるということになれば、これ、今後自治体にとっては非常に心配な部分があるんですけれども、ここら辺りの補てんというか援助というか、そういう部分はどうなっておられますか。
  69. 伊藤鎭樹

    政府参考人伊藤鎭樹君) お答え申し上げます。  まず、今回、国土利用計画法に基づきます交付金制度は廃止されるわけでございますが、その交付金相当額につきましては税源移譲により財源措置がなされることになっているということで、私どもとしては、都道府県等における従来からの国土利用計画法の施行に関する事務については支障ということは特にないと思っております。  そしてまた、こういう交付金制度に移行していく経緯でございますけれども、私どものこの国土利用計画法につきましては、昭和四十九年の法制定時は個別の積み上げによる定率補助方式でございました。それを、昭和六十年度でございますが、臨調答申を踏まえて、地方公共団体の事務執行の習熟度等が進んだということを勘案して、一定基準に基づいて交付金を交付する現在の交付金制度に改めたわけでございます。そしてまた、この交付金制度の中でも、平成十一年度でございますが、地方分権推進計画というもので、交付金の交付基準について客観的指標に基づくものの比率をそれまでの七割から八割ということに引き上げて、ある意味では一般財源化という最終的なターゲットに向かって地方自主性を高めるための取組を段階的に進めてきた経緯がございます。  そういう中で今回、昨年の六月、閣議決定がございまして、法施行事務費等については原則として一般財源化を図るという方針が決定されたわけでございますが、国土利用計画法の交付金につきましてはこの原則に該当するということで、今般、一般財源化について、交付金制度を廃止して一般財源化に切り替えるという判断に至ったものでございます。  以上でございます。
  70. 大江康弘

    ○大江康弘君 ありがとうございます。  次に、この都市再生特別措置法の中にまちづくり交付金というのは位置付けられておるわけですけれども、二年前に成立をしたこの特措法の中で、いわゆる都市再生緊急整備地域を指定して、そこに集中的また重点的に投資するという、この都市再生緊急整備地域の指定というものがあったと思うんですけれども、今これは、現在その取組はどんなになっておるのか、ちょっと現況を聞かせていただけませんか。
  71. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) お答え申し上げます。  都市再生緊急整備地域は、先生御指摘のとおり、都市再生特別措置法に基づき都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として指定しております。平成十四年六月の法施行以来、現在まで三次にわたり五十三地域、六千百ヘクタールを指定させていただいております。  これらの地域において、今日まで既存の都市計画に基づく規制にとらわれず、民間事業者の創意工夫によって計画を立案できる新たな都市計画制度である都市再生特別地区を六地区決定済み、加えて一地区が手続中と聞いております。加えて、金融支援等の前提となる民間都市再生事業計画国土交通大臣認定を受けたものが七件あると聞いております。  都市再生緊急整備地域は、民間活力により都市再生を重点的に進めるべき地域として、まとまった都市開発事業の機運が存在すると認める場所を中心にやってまいりましたところでございますので、結果として現在のところは三大都市圏中心になっておりますが、既にこれまで高松、静岡、岡山、那覇などの地方都市についても指定を行ってきておりまして、今後とも民間都市開発の動きを受けまして、公共団体からの申出を踏まえながら積極的に対応をしてまいりたいと、かように考えている所存でございます。
  72. 大江康弘

    ○大江康弘君 次長、もう一度聞きますけれども、いわゆる東京都を中心にして二十七の都市ですよね、今、数が。そこで非常に気になるんですけれども、今、少し高松等の話が出ましたけれども、私がちょっとお聞きをしておるのは、いわゆる地方都市と言われる純然たる地方が、今この指定をされておるのは岐阜であり静岡であり岡山市であり那覇であり、そして高松という、この五つということであって、昨年七月からは今申し上げましたような純然たる地方というものの地方都市というものが指定をされておらないということもちょっと聞くんですけれども、これ、何でこの地方に広がっていかないのかという、そこらをちょっと聞かせていただけたらと思います。
  73. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) 率直に言って、都市再生緊急整備事業のスキームが規制緩和と金融支援等で民間の動きを応援すると、こうしたスキームで、現在までの経済環境下でまだなかなか地方都市にまで広がってこなかったというのは実情かと思います。  しかしながら、地方都市について今御紹介したように幾つかあるのと、昨年の七月が最後でございましたが、現時点で幾つかのその政令指定市外の地方都市を含む市からも申請の相談が来ております。この場で、地元で調整中でございますので、固有名詞を紹介するのは差し控えさせていただきますが、そういった動きがございますので、今後経済状況の改善等踏まえながら、そういった動きがあれば、私どもとしては十分、各公共団体と相談し、そういった視点について前向きに取り組んでまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  74. 大江康弘

    ○大江康弘君 その、ちょっと今後の何か指定のことはちょっと控えさせていただきたいという、何で控えるという意味がちょっと、そんな悪いことすることなんかなと、指定を受けることが。どんな、公表されることによって影響があるのか、ちょっと私、理解に苦しむんですけれども。  ちょっともう一度聞きます。今後、その地域指定を受ける見通しのものというのはかなり出てくるわけですか。
  75. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) 失礼しました。お答えを申します。  ちょっと言葉足らずで恐縮でございました。固有名詞を控えさせていただく趣旨は、この指定が悪いことという意味じゃなくて、現地で公共団体と地元の議会との調整とか、そういったことを行った上で私どもに正式に上がってくるという経過がございますので、この場でそういった手続が済む前に固有名詞を挙げることについては差し控えさせていただくと、そういった意味でございまして、若干言葉足らずで恐縮でございました。  また、今後、先ほど言いましたように、相当数、まあ二けたになるかどうか分かりませんが、現在、事務局の方に相談に来ている都市がございますので、そういった調整等済んで、希望がございますれば、積極的に相談し、対応してまいりたいと、こういった趣旨でございます。よろしくお願いします。
  76. 大江康弘

    ○大江康弘君 ありがとうございます。  最後に、ちょっとこの中心市街地活性化法案、これ平成十年に、七月から施行されておるんですけれども、これは七府庁ですか、寄って、国交省だけじゃなくて、いろんなそれぞれの府省庁間が総合して地域の発展をさせていこうということであったと思うんですけれども、これは今、国交省としては具体的にどういう支援策があって、いわゆるそれがこの平成十年から今日までどんな効果を与えてきたかということをちょっと聞かせていただきたいと思います。
  77. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  中心市街地活性化につきましては、現在、全国で約五百九十の市区町村で計画が策定されております。この法律が施行されてから約五年でございますから、まだ事業途中段階ということがございますが、二、三割の中心市街地においては人口とか年間販売額とか従業者数が増えているという改善の傾向が見られるところもございます。具体的には、例えば滋賀県の彦根市では、電線類を地中化し、景観に配慮した道路整備と併せて、沿道建築物の意匠の統一を図った結果、観光客数が約三割増えたとか、それから長野県の飯田市でも、再開発事業に併せて、市の行政窓口とかそういう具体的な都市機能を導入して、町中居住の定着に寄与した事例もあります。  今後とも、関係省庁とも十分に連携して、中心市街地活性化のための仕事を進めてまいりたいと思います。
  78. 大江康弘

    ○大江康弘君 今、局長から御答弁いただいたんですが、やはり各七府庁、府省庁ですか、寄っておるといったって、やっぱり私は国交省事業内容が一番多いと思うんですよね。  そういう意味で、最後に大臣に、これは、各府省庁間のそれぞれの連携が大事である支援事業だというふうに思うんですけれども、いずれにしても、私は、国交省中心になってこの各府省庁間の、うまく連携をしてやったり協調してやったりという、やっぱりこういう責任が私はやっぱり国交省が持ってやった方がいいんじゃないか、持たなければいけないんじゃないかというふうに思うんですけれども、このことに関して、最後に大臣のちょっとお考えを聞かせていただきたいと思います。
  79. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 今、竹歳局長から中心市街地活性化についての取組についてお話しさせていただいたわけですけれども、やっぱり都市基盤の整備といったみたいなハードなものと、このまちづくり交付金で使い勝手が良くなるというソフトの部分と、両方が私は中心市街地活性化には一体化していくことが必要だと思います。  まちづくり交付金の中で、何というんでしょうか、専門家を派遣したりシンポジウム、町でやりたいといったら、そういうふうに、どういうふうにやればいいかとか、そういうものにも手が差し伸べられるようにさせていただこうと思っております。また、地域住民の方が重要であるという話は再三再四お話しさせていただいておりますが、あるいはNPOの方とか、そういう方々が、市町村の、もちろん行政方々も重要なんですけれども、手を携えて、まちづくり交付金というものを使っていただいて、地域主体のまちづくり中心市街地活性化というものをバックアップしていきたいと考えております。
  80. 大江康弘

    ○大江康弘君 終わります。
  81. 森本晃司

    ○森本晃司君 都市再生都市再生特措法の質問、公明党の森本でございます、させていただきます。  まず、この内容に入る前に、先ほど来もお話が出ておりましたけれども、都市再生の象徴的な建物でございました六本木ヒルズで大阪の吹田市の小学校一年生の児童が亡くなるという悲しい出来事が発生いたしました。私も、六本木ヒルズ、オープンのときに寄せていただきましたけれども、ただただすばらしいのができたなという感ではございましたけれども、そういうところに落とし穴があるということ、全く思ってもいませんでした。回転ドアがある意味で凶器になったということでございます。先ほどニュースでは、七か所に警察が家宅捜査に入ったというニュースが流れて、ただいま流れているところでございますけれども、これは警察の捜査は当然のことでございますけれども、こういった建物等々をやはり管理していく国土交通省の中にもそういったものに対する対策、十分にこれから考えて取り組んでいかなければ、本当の意味都市再生というのはできないんではないだろうかと思うところでございます。  通告はしておりませんでしたが、既にもうニュース等々で流れておるところであり、国土交通大臣もいろいろと取り組んでいただいているところでございますが、今回の事故についてどのように受け止め、どのように取り組もうとされているのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  82. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま森本委員がお話しになりましたように、都市再生のある意味では東京一つシンボルとしてメディア等々にも多く出ていた場所で極めて遺憾な、そして尊い小学生の坊やの命を奪うというような事故が起こったということは、もう本当に心から冥福をお祈りする以外ないような気がいたします。  そんな中で、これまで、先ほどもお話しさせていただいたんですが、建築基準法防災とか火災とか、そういうものの安全基準中心的に取り組んでまいりましたが、自動扉というもの、私も通ったことはありますけれども、これは車いすの人は通れないなと直感で思うようなかなりの速いスピードで回転しているものでございます。  こういうものでこのような痛ましい事故が起こったわけでございますので、建築基準法を管轄する国土交通省としては、二度とこういうことが起こってはならないということを第一義的に考えまして、応急処置として、一体どのぐらいのものが波及しているのかということを調査しましたら、およそ三百か所ぐらいあるということでございまして、取りあえず原因究明等々なされなきゃいけないわけですから、こういうものを動かさないでもらいたいと。回転はしなくても、真ん中がドア、大きいものは真ん中がドアになっているそうでございまして、出入りには支障がないということで、そういうものは動かさないで取りあえず原因を究明していただく。それまでは警備員の方を置いていただいて、ばっと入ったりするようなことのないように、自動ドアといっても大きな、小さいものでも二間ぐらいで、でかいものだったら六メートル弱あるということでございますので、そういうことが二度と起こらないような防止対策を申し入れているところでございますし、これから先は、こういう事故が起こりましたので、原因また因果関係についても、警察の捜査が入ったということでございますので、これを見守ってまいりたいですが、来月早々にも経済産業省と一緒になりまして、専門家の方や学識経験者方々にこの回転式自動ドアの安全性の問題、あるいはどういうふうに運用すれば安全が保たれるのかといったような問題等々についての設計者管理者が守るべきガイドラインを作成させていただいてこれを整備すると、二段構えでこのような事故が二度と起こらないように取り組ませていただければと考えております。
  83. 森本晃司

    ○森本晃司君 回転ドア、我々も入るときには、我々大人でも緊張するものでございまして、お子さんやあるいはお体の御不自由な方にとっては大変なものであると私は思います。それだけに是非、安全については今、大臣の決意を聞かせていただきましたけれども、経産省と連携を取りながら進めていただきたいことをお願いして、都市再生法の質問に入らせていただきます。  平成十三年の五月にこれが設置、都市再生本部が設置されました。それから、羽田空港の問題等々、十六のプロジェクトチームを、プロジェクトをいろいろ作られて様々な取組をされてきました。  先日発表されました公示地価、この価格のものを読みますと、「東京都心下げ止まり感」という大きな見出しが新聞に出ておりました。こういったのを読みますと、東京など再開発で便利の高まった都心では地価の底入れが、地点が昨年に比べて二倍になって下げ止まりが止まってきたようであります。これは、やはり都市再生の成果が出てきたものだと思います。しかし、一方、同じ新聞のサブ見出しのところでは、「全国平均六・二%下落 地方と二極化」ということが、また見出しが躍っているわけでございます。そういった意味で、地方の下落が続いていますので、正に地方都市再生をこれから進めていかなければならないと、このように思っております。  今回の改正はその地方都市に焦点を当てるものでありまして、また都心の、都市の身近な居住環境の向上や大都市近郊も含めた各都市の個性あるまちづくりにも役立つものだと期待をしております。  先ほども話がございましたが、都市再生本部というのは、稚内から石垣までと、こういう合い言葉で取り組んできました。全国都市再生をより一層進めていくための支援の基本的な枠組みと聞いておりますが、まず都市再生本部のこれまでの取組について、本部の目的も踏んまえて御説明をいただきたいと思います。
  84. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) お答え申し上げます。  都市は二十一世紀の我が国の活力の源泉でございますが、先ほど来議論がございますように、近年における急速な少子高齢化、あるいは情報化、国際化等の変化に我が国としては十分対応できたものとなっておりません。また、都市における固有の景観の保全とか、あるいは都市の個性の活用も十分と言えないわけでございます。  このため、大都市のみならず地方都市も含めて、我が国の都市が文化と歴史を継承しつつ、豊かで快適な、さらに国際的に見て活力に満ちあふれた都市として我が国の発展の基盤となり得るよう、国を挙げて都市再生に取り組むことが重要と考えておりまして、こういった背景を踏まえまして、御指摘のように、平成十三年五月に内閣総理大臣を本部長とします都市再生本部内閣に設置し、関係各省を挙げて都市再生を総合的に推進しているところでございます。  まず、この本部におきましては、第一弾としまして、国家的な視点から、委員指摘のように、基幹的広域防災拠点の整備やごみゼロ型都市への再構築など、十六の都市再生プロジェクトを選定、推進しておりますほか、平成十年六月に施行されました都市再生特別措置に基づき、都市再生緊急整備地域を五十三地域、六千百ヘクタール指定し、都市再生特区の創設や金融上の支援措置により、民間都市開発投資の促進を進めてまいったところでございます。  さらに、今回の法案の改正に至る前、先行しまして、稚内から石垣まで、全国の都市再生地方都市再生を推進するために、全国の都市から提案を募った上で、歴史的なたたずまいを承継したまちづくり、あるいは防犯まちづくりなど、地域からの意欲的な提案に基づきまして、テーマごとの公共団体と関係各省との協議会を設置するなどして課題の解決を図ってきたほか、先ほども御質問ございましたが、平成十五年九月には、地域が自ら考え行動する都市再生活動を支援するために、全国都市再生モデル調査を百七十一都市で現在推進しているところでございます。  こういった動きが現在各地で動いているところでございまして、今回、こういったまちづくり交付金の創設等を内容とする都市再生特別措置法の改正が成立すれば、こういった全国都市再生に大きな力となるのではないかと期待しております。  今後とも、こういった動きを踏まえながら、関係各省と協力して全国都市再生に努めてまいりたいと考えている次第でございます。
  85. 森本晃司

    ○森本晃司君 今お話がございましたが、今回の法律の中に一千三百三十億円、まちづくり交付金が創設されているということで、これは地域自主性、裁量、こういったものをこれまでになく、今まで以上にまた発揮できるものではないだろうかというふうに思っております。  もう一つは、これまでの補助金と全く異なる新しい制度でありまして、地域が抱える様々な課題にも地域独自で対応できるようになってくるのではないかと思っています。  同時に、三位一体改革の中でも、正に、今度これだけの裁量権を高めたということについては、国庫補助負担金改革の一環として行われているものであると言われておりますが、この交付金の収支概要と、国庫補助負担金改革における意義について御答弁を願います。
  86. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  今、先生御指摘のとおり、このまちづくり交付金は、稚内から石垣までを合い言葉に、政府として取り組んでいる全国都市再生を支援するため、今までの補助金と全く異なる財政支援措置として、十六年度予算において予算額千三百三十億円を組んでいるものでございます。  このまちづくり交付金では、地方自主性裁量性を大幅に向上させ、町ごとの取組を応援するいわゆるオーダーメード型のまちづくりを可能としています。例えば、道路や公園だけでなく、福祉、文化、商業等の幅広い施設も対象にいたしますし、ハードだけでなくて、まちづくりNPOの活動も支援するなど、ソフト面も充実しております。また、手続面でも非常に簡素化いたしまして、計画の一括採択や事後評価を重視するなど、地方にとって大変使い勝手の良い制度となっているわけでございます。  次に、このまちづくり交付金の国庫補助負担金改革における意義に関するお尋ねでございますが、現在、政府としては地方でできることは地方でを基本に改革を進めているところです。公共事業関係の国庫補助負担金については、これを単に廃止、縮減するだけでなくて、地方公共団体の自主性裁量性を高めるとともに、国として取り組むべき課題について機動的、重点的に財政支援をすることが必要と考えております。そういう意味で、このまちづくり交付金は国庫補助負担金改革の趣旨に沿ったものだと考えております。
  87. 森本晃司

    ○森本晃司君 趣旨等は分かりました。  そこで、大臣にお尋ねをいたします。  このまちづくり交付金の活用によってどのようなまちづくりが進められていくのか、御答弁願います。
  88. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) これはどのような町になってもらいたいかという希望も半分入っていると御理解をいただきたいと思うんですが、先ほども御同僚の大江委員との議論の中でも、これまでは、ともすれば国土の均衡ある発展の名の下にどこへ行っても同じような町ができてきた、もちろんその結果、社会資本の充実ということはある程度なされたわけですけれども、個性がなくなってしまった。これからは、やっぱり地方にゆだねることは地方にというこの大原則の下、やはり個性のある町、そして地域方々の知恵と創意工夫競争によって地域が発展していくというふうに政策を、ポイントのフォーカスを変えていかなきゃいけないんだと思っております。  そんな中で、そのまちづくり交付金は、委員が意見の御開陳の中でお示しいただきましたように、地域自主性裁量性というものを追求した新たな仕組みで、地域皆さん方創意工夫に応じて使い勝手がいいようにアレンジはさせていただいているつもりでございます。このまちづくり交付金というものを活用して、それぞれの地域の実情、これはやはり、先ほども議論出ていたように、大きい町、小さい町、もういろいろありますし、その町の生い立ちによっても違うわけですから、様々な地域の実情に合わせて使い勝手がいいものを使っていただいて、各地域がどうなってほしい、ですから、均衡ある発展のときはこういうスタンダードみたいなものがあったと思うんですけれども、こうなってもらいたいというよりも、やはり皆さん方に個性のあるまちづくりをしてもらいたいというのが私の申し上げたいところでございます。  そして、やはりこの議論の中で絶えず忘れてはならないのは、そこに暮らす方々が主役であるということを忘れてはならないんだと思っております。また、地域行政機関はもとより、住民の方々あるいはNPOの方々が様々な知識を持っていらっしゃいますし、経験もあるわけでございますので、そういう人たち取組に対しても支援をさせていただきたい。こんな形で、このまちづくり交付金はその地域のことを一番分かった方々が作るまちづくりを支援していくというものに整理をさせていただいたつもりでございます。
  89. 森本晃司

    ○森本晃司君 都市再生を進める上で、いろいろ課題があるかと思いますが、私は、一番深刻な問題は地方における中心市街地再生ではないだろうかというふうに思います。  私は、党の中小企業活性化対策本部長をやっている関係で、全国の中心市街地をいろいろと視察をしたり、あるいは御意見を伺ったりするわけでございます。  それぞれの商店街はそれぞれの発生する歴史的な経緯がございますから、商店街については一概に言うことはできませんが、最近ずっと回りまして、シャッター通りとかそういうところが非常に増えているところで意見をいろいろ伺いますと、商店街自身の中にももう住んでいる人は三分の一ぐらいで、商店街の二階の部分も非常に空いていると。御商売をされている皆さんが自分の家は郊外に持っておられる、そして買物等々はどちらかというと大型店へ買物に行かれるという現象はやっぱり起きているんではないだろうかと、このように思っております。  やっぱりそこは何といっても、都市再生といってもそこに人のにぎわい、そういうものがなければならない、中心街へ行きましてもそういうにぎわいというのは感じられないわけでございますが、そういう意味で、一つは、そこに人が住まいするようなことをやはり進めていくのも一つの大事なことではないかと思うんです。  いろいろと商店街の皆さんも話をいたしました。バリアフリーの町、商店街を作るということも大事でございます。しかし、そこに空いたオフィスやあるいはそこの賃貸住宅等々を利用した公的賃貸住宅を作って、まず人にお集まりいただくことが必要ではないかと思いますが、住宅局長取組は、こういったことに対してはいかがでございますか。
  90. 松野仁

    政府参考人松野仁君) 御指摘のとおり、都市中心市街地活性化を図るためには、いわゆる町中居住というものを促進することが必要でございまして、これにより定住人口の確保を進め、併せてにぎわいのある町として再生させることが重要な課題であると認識しております。  そのために、地方公共団体あるいは民間事業者が行います住宅供給に対して助成を行って、公共賃貸住宅制度の積極的な活用を図ることが有効と考えておりますが、具体的には、例えば公営住宅あるいは中堅所得者等のための良質な賃貸住宅であります特定優良賃貸住宅、さらには高齢者のための配慮がなされました高齢者向け優良賃貸住宅などの活用が考えられますが、これらの新規建設だけではなく、近年は、お話がございましたとおり、既存のオフィスというものが空いているというケースもございます。あるいは、その既存の空いた住宅を改修して賃貸住宅として活用するというような改修費用への助成を行うことについても順次充実を図ってきております。  また、市町村の工夫によりましてまちづくりを一体的に行うと。そのときに、住宅整備と併せて保育所、老人ホーム、商業施設等の整備を周辺の道路、公園の整備と併せながら一体的に行っていくというようなまちづくりを進めているところもございます。  このような多様な取組につきましては、従来より支援を行ってきておりますが、今回創設をお願いしておりますまちづくり交付金を充ててより柔軟、円滑に対応することが可能になってくるわけでございまして、この活用について広く周知しつつ、各地域中心市街地におけます町中居住について積極的に支援してまいりたいと考えております。
  91. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、まちづくりに関することについては人材面からの支援が非常に大事ではないかと思います。  いろいろとまちづくりをしていこうとするけれども、なかなかそのノウハウがないために二の足を踏んでしまうということもよくあることでございます。やはり成功するものを作り上げていかなければならない、ハードの面の応援も大事ですが、ソフトの面からの応援が私は極めて大事であって、知恵の面からも支援していかなければならないと思っております。  そこで、その都市再生機構はコーディネート業務を行えるような措置を講じるということでありますけれども、都市再生機構の行う都市再生に関するコーディネート業務の具体的な内容はいかがなものか、お尋ねします。
  92. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) まちづくりを進めるに当たりまして、財政支援措置だけじゃなくて人材面、ノウハウ面での支援が必要であるという御指摘は正にそのとおりでございます。  都市再生機構によるコーディネート業務でございますけれども、具体的には都市再生整備計画の作成支援でございますとか、再開発事業などにおける関係権利者間の調整、それから都道府県や国などの関係行政機関との調整など、市町村の求めに応じまして都市再生機構の有する事業経験やノウハウを提供できるものと考えております。  ちなみに、都市再生機構の中には区画整理士が二百九十人、再開発プランナーが百十五人、建築士が六百六十人、技術士が百三十四人と、複数の資格を持っておられる方もいますが、このような技術集団でございまして、市町村まちづくりにこれらの方々のノウハウを活用できると期待しております。
  93. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、都市再生法というのは、施行後十年で検討といったスキームでありまして、それにはまだ八年があります。まちづくりは息が長いのに特例が三年では短いのではないだろうか、せめて五年程度にしてはどうかという考え方がありますが、都市整備局長の見解を尋ねます。
  94. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答え申し上げます。  この都市再生機構は地方におきまして、地域中心となる都市については本来の業務としてこのような支援ができるわけでございますが、そのより小さいところ、ある意味ではより支援が必要とされるところでございますけれども、そこについては三年というような時限的な措置が講ぜられております。これは一方でノウハウの支援という非常に大きな課題がございますが、もう一方ではやはり特殊法人改革という中でどこまで支援すべきかというような議論がございまして、その中で三年ということが案として出させていただいておるわけでございます。
  95. 森本晃司

    ○森本晃司君 先ほども申し上げましたけれども、都市中心市街地活性化のかぎ、これはまず人が住むことであるということを申し上げました。同時にもう一つは、にぎわいが要るということであります。このにぎわいをやっぱり演出する、仕掛けする人たち、こういった人のソフト面からの応援も人を呼び込むための必要があるかと思っているわけでございます。  そこで、今お答えいただいた都市再生機構、現在の都市公団や地域公団でもソフト面についてそれなりのことはできると思いますが、ハード整備基本とする組織でありますから、それだけでは限界があるのではないかということも考えられます。そこで、民間のノウハウを活用してソフト面からいろいろと応援をする必要があると思っております。そのために民間創意工夫を生かしつつ、経済産業省とも連携して空き店舗活用や中小企業対策を含めた総合的な支援策を講じていくことが必要と考えておりますが、都市地域整備局長の見解をお尋ねいたします。
  96. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 町の中ににぎわいを作り出す中心市街地活性化のために経済産業省、総務省等々、各省庁が連携して様々な取組を行っております。  特に、今御指摘民間のノウハウを活用するという観点からは、経済産業省におきましてタウンマネージャーの派遣制度などがございますし、また国土交通省では地域振興アドバイザーの派遣とか、様々な民間方々の力をまちづくりに生かしていきたいと。それから、先ほども御答弁申し上げましたが、現在そういうノウハウを持った方のデータベースを作成中でございまして、それが公開されますと自由にアクセスできると、それぞれの地域で必要な人材をデータベースから検索できると、このようになると思います。  今後とも、経済産業省始め各省庁と緊密に連携して民間創意工夫を生かしたまちづくりというものに取り組んでまいりたいと思います。
  97. 森本晃司

    ○森本晃司君 終わります。
  98. 輿石東

    委員長輿石東君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩いたします。    午後零時四分休憩      ─────・─────    午後三時開会
  99. 輿石東

    委員長輿石東君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、北澤俊美君が委員辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。     ─────────────
  100. 輿石東

    委員長輿石東君) 休憩前に引き続き、国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  101. 富樫練三

    ○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。  最初に、六本木ヒルズ森タワーの回転ドア事故に関連して伺います。  三月二十六日、森タワーの回転扉による事故で六歳の子供さんの命が奪われるという大変痛ましい、しかも重大な事故が発生いたしました。亡くなりましたお子さんの冥福を祈るとともに、家族の皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。  この事件について伺いますけれども、昨年四月二十五日オープンの翌日にはもう既に早くも回転ドア事故が発生をして、以来三十三回事故が発生していると。正に異常としか言えない状態であります。センサーの問題であるとか、ドアの回転の速さの問題など、今それぞれ報道されておりますけれども、詳細については今後の調査をまつとして、現時点での大臣の認識について三点伺います。  一つは、この事故の原因と背景についてであります。  昨年、繰り返し事故が発生して、今回のように体が挟まれた事故が七件もあって、そのうち三件は救急車で病院に搬送される、こういう主な事故については森専務や管理担当者に伝えられていたと、しかし有効な対策を取らなかったと。このことについて、森専務らは大きな事故という認識をしていなかったと話したと伝えられています。ここに死亡事故につながった重大な問題があるというふうに思いますけれども、この点についての大臣の認識を伺いたい。  もう一つは、建築基準法回転ドア基準がなかったということについて。  これは、基準がないということでは済まされない重大な問題であります。昨年来事故が発生しているにもかかわらず、安全基準を設けていないということは、事実上回転ドアのメーカーやあるいは施工者任せ、こういう状態であったわけであります。この点について、国としての責任をどう認識しているのかを伺います。  三点目は、国土交通省として直ちに責任ある調査を行うこと、そしてその内容について公表するべきだと思います。ガイドラインを緊急に作るという答弁が今日午前中にもありました。調査に基づいて必要な法制化も考えるべきだというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺います。大臣に。
  102. 松野仁

    政府参考人松野仁君) 国土交通省といたしまして、今回の痛ましい事故が起きたことは誠に遺憾に存じております。亡くなられた方の御冥福を祈る、祈りたいと思います。  今お尋ねが……
  103. 富樫練三

    ○富樫練三君 ちょっと、大臣の認識を聞いているんだよ。あなたの意見を聞いているんじゃないんだよ。大臣の認識を聞いているんだよ。  委員長大臣の認識を聞いているんです。委員長、よろしくお願いします。
  104. 輿石東

  105. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 過去の経緯等々につきましては局長から御必要でございましたら御答弁をさせていただきたいと思いますが、この件につきましては午前中の委員会でももう既に申し述べさせていただきましたが、私も四歳の男の子を持つ親として極めて遺憾でございますし、また本当に痛ましい事故であると、痛惜の念に堪えないところでございます。亡くなられた坊や、また御遺族の皆様方に御冥福を心からお祈りいたしますとともに、国土交通省としては、二度とこういう事故が発生しないように厳正に対処をしていかなければならないと考えているところでございます。  実施できることといたしまして、この実態把握、これも午前中答弁をさせていただいたわけですけれども、調査をしているところでございますが、大きなメーカーが大体四社、小さいメーカーもあるそうでございますが、三百有余台全国でこのような回転型の自動ドアが設置されているということでございますので、もう既に事故防止対策を実施するようメーカー等々に対しまして依頼をいたしましたし、事故原因が究明されるまではこのぐるぐる回る回転を休止していただきたい。これは、でかいものは六メートル弱あるそうでございまして、小さいものでも二間ぐらいですか、三・数メートルあって、間に自動扉、横に開く扉も付いているということでございますので、そちらを利用していただいて、それに伴いましても、危険があるということであるならば、警備員の方に配置をしていただく。さらに、これももう御答弁させていただきましたけれども、経済産業省と共同で検討会を設置させていただいてガイドラインを作らせていただきたいと考えております。
  106. 富樫練三

    ○富樫練三君 私は、今度の問題というのは、やっぱり都市再生の問題についての非常に根本問題が問われているというふうに思います。実は、衆議院の方で、これは三月十九日の国土交通委員会で、都市再生の問題の質疑の中で、都市再生本部の次長がこういう答弁をしているんですね。  昨年の四月にオープンしました例えば東京六本木ヒルズ、こういったものについてその経済的な効果というものを見ますると、建設投資だけで二千九百億円、加えてこれがオープンして以来、半年間で約二千六百万人の人が訪れて、この六本木ヒルズの場所のみならず、周辺の市街地において様々な活動をしておられる、こういった経済的な側面がございますと言って、いわゆる都市再生の下で行われておりますこういう建物に大変賛辞を送っているわけであります。  私は、こういう問題の背景に、都市再生についての考え方、特に経済的な効果、利潤最優先の下で安全性が軽視されてきたのではないか、こういう警告を発しているというふうに思います。結果としてメーカーや施工者任せ、そういうことになっていたのではないかという重大な問題があると思っています。  この点について、大臣、どういう認識なのかをもう一回お聞かせいただきたいと思います。
  107. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 建築基準法は、もうこれも先ほど御答弁させていただきましたけれども、防火とか耐震とか何かあったときに避難するとか、そういう安全基準の規定を定めております。日常の安全については個人の判断と、よっぽどのものがない限り個人の判断、こういう法の枠組みでございます。  そんな中で、最近普及してきましたこの回転型の自動ドア、数も先ほど申しましたようにまだ三百と少ないですけれども、大量に人が出入りするようなところであるわけです。これは効果もあるわけですね。室内の温度を一定に保つ、すなわち過度な可燃材料を使わない、すなわち環境に優しい。しかしながら、このような痛ましい事故が起こったということは大変重大な事実であるとして深く認識して、将来、委員が御指摘のように法改正も視野に入れて、できる限り規制は少ない方がいいですけれども、こういう事故が起こった、その原因を徹底的に究明して、二度とこういうことが起こらないようにすることが国土交通省の仕事だと認識しております。
  108. 富樫練三

    ○富樫練三君 この問題については大変大事な問題ですので、引き続いて私どもも取り組んでいきたいというふうに思っています。  そこで、今回議題になっております法改正問題について伺いたいと思います。  政府は、三位一体改革と称して、補助負担金、地方交付税、税財源などの改革をしようと、こうしております。その一環として今回の改正案が出されております。今回の法改正は、国の補助金等整理及び合理化に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案と名称にありますように、補助金などの整理合理化、これに伴うものであります。  そこで、まず伺いますけれども、国土交通省関係で補助負担金の廃止や縮減による減額分、平成十六年度、新年度予算ですけれども、減額分は幾らか、また、まちづくり交付金など新しい地方への財源の増加分はそれぞれ幾らかを伺います。
  109. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  平成十六年度の国土交通省関係の国庫補助負担金の廃止、縮減額でございますが、総額は三千二百七十七億円でございます。うち、公共事業関係が三千二百四十九億円でございます。一方、まちづくり交付金は千三百三十億円でございます。
  110. 富樫練三

    ○富樫練三君 廃止されたものの中で一番大きいのがまちづくり総合支援事業費補助金で、これが約七百三十億円。今回新たに創設されますまちづくり交付金が一千三百三十億円。これについては使い勝手が違うわけですけれども、従来のまちづくり総合支援事業費補助金、これにほぼ代わるものというか、金額はもちろん違いますし、中身は違いますけれども、大体これに代わるものという理解でよろしいんでしょうか。
  111. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) まちづくりにつきまして、個別の事業、道路、公園、下水道等の個別の事業ではなくて、まちづくり全体として支援をしていこうという意味では、廃止されましたまちづくり総合支援事業、それから今回創設いたしますまちづくり交付金基本的な考え方は同じでございます。ただ、まちづくり交付金は今までのまちづくり総合支援事業、やはり補助金という制約がございました。これを取り外して、大いに使いやすいものにしようというものでございます。
  112. 富樫練三

    ○富樫練三君 今年までやっております事業、そのまちづくり総合支援事業費の補助金、これでやっております事業はそのまま引き続いて今度はまちづくり交付金、これの交付対象にもなるという、ダブった部分はあると、こういう理解でよろしいですよね。  その上でですけれども、ここに国土交通省説明用で配りました、先ほども午前中このことが示されておりましたけれども、この資料がございます。この資料の左上の方に「民間活力が十分でない都市 さびれたシャッター通り」というのが、大臣、この左上の方です、ちょっと暗いイメージの絵がかいてあるところですね。これが大きな矢印で下の方に来まして、にぎわいのある町ということで、これは恐らく地方都市の駅前の広場を含めたイメージでしょうかね、そんな感じの絵がかいてあります。したがって、この寂れたシャッター通りが今度の交付金によって見違えるように活力が生まれてくると、こういうイメージの絵になっているわけでありますけれども、大臣に伺います。  今、地方都市というのは、このシャッター通りのように大変経済的にも落ち込みは深刻であります。大型店の郊外の立地で地方都市中心部が空洞化するとか、あるいは高度成長期に誘致した企業海外に移転するとか、リストラによる工場閉鎖とか、あるいは栃木の足利銀行の破綻に見られるような地域金融の機能も衰えています。  こういう現象が地方都市の共通した姿でありますけれども、いわゆる東京地方の二極分化が激しくなっているわけであります。今度の法案がこれらの地方の衰退に歯止めを掛けて、成長、発展の足掛かりになるのかと、ここが一番大きな問題だというふうに思います。大臣は率直にこういう成長、発展になるんだと、こうお思いでしょうか。大臣の認識を伺います。
  113. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) これは一つのポンチ絵だと思うんです。全部こうなってくれって望んでいるわけじゃないということは再三再四御答弁させていただいている。すなわち、今回創設いたしますまちづくり交付金というのは、こういうふうにしたい人もいると思いますけれども、地方自主性裁量性を最大限尊重する、言葉を換えますと、地方方々自分たちの町をどういうふうによみがえらせるのか考えていただいて、それに使い勝手のいいようなものにさせていただきたい。  それは、もちろん今日の午前中の御議論の中にもあったように、いわゆるハードの施設物ですね、これも対象ですけれども、その一方で、じゃこういうポンチ絵見せてもらっても、これはちょっとうちの町には合わないな、しかしやっぱり同じような疲弊した状態がある、これをどうしたらいいんだというときには、専門家の方を派遣するとか、あるいはその町で若い方々を集めてシンポジウムを開催する、そういうノウハウもないようなところにもソフトの支援をさせていただく。  事業費、この議論も午前中ございましたけれども、複数年度にまたがっておりますので、総体としてのボリュームはかなりのものを確保していると思います。  やはり、地域の実情に応じた中心市街地活性化というものに役立たせていただくことのできる私は交付金制度であると考えております。
  114. 富樫練三

    ○富樫練三君 代表的というか、一つの例として出したものだと思います。  私も、やっぱり今地方都市がこういうシャッター通りで、これが大変大きな重荷になっているし、ここを突破しないと、なかなか地方の財政自身も大変ですし活力が生まれてこない。共通の問題だというふうに思います。  この中心市街地の空洞化が深刻なわけですけれども、実は先日、私ども日本共産党では、仙台市に隣接しております町の、仙台市の郊外ですね、ここに、店舗面積十万平方メートル、巨大商業施設の出店計画があります。ここを調査しました。  この巨大施設というのは、流通大手のイオン、それと三菱商事の共同出資による開発業者でありますダイヤモンドシティが発表したショッピングセンターであります。開発の面積は十六万五千平方メートル、駐車場が四千五百台、集客は一日平均、平日で一万人以上、休日は三万人以上、商圏は約五十キロと、こういう中で仙台の中心的な商店街が寂れるのではないかという心配が広がっておりまして、仙台の商業政策協議会が市議会に提出した要望書で次のように言っています。  中心市街地の空洞化など、商店街の地盤沈下と無秩序に進められる大型商業施設の開発などを惹起せしめた原因は、本来まちづくりの根幹となるべき大店立地法などのまちづくり三法による法制度が十分機能していないところにある、こう指摘しています。  このまちづくり三法というのは、御承知のように九八年、大店法廃止を決めて、そしてこれに代わって大店立地法と改定都市計画法、そして中心市街地活性化法、この三つでありますけれども、このときに全国の関係者から、大型店の進出や撤退が自由に行われて郊外への進出によって中心商店街が寂れるのではないかと、こういう意見がたくさん出されました。このときに、当時の建設省は、改定される都市計画法で特別用途地区、これを定めれば郊外への大型店の出店を規制できる、こういうふうに答弁をしておりました。  そこで伺いますけれども、その後全国的に、この特別用途地区を定めることによって郊外への大型店の出店、これを規制したというところは全国で何か所ありますか。
  115. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) お答えいたします。  平成十年のいわゆるまちづくり三法において都市計画法を改正いたしまして、特別用途地区の類型の限定を廃止しまして、例えば郊外部で大規模店舗を規制するようなそういう仕組みを導入したところでございます。  現在までの実績では、この特別用途地区の指定を行ったところは全国で十六市ございます。そのうち三千平米以上の事務所等を規制するというところが四市一町ございまして、そのうち特に愛知県の豊田市においては、正に幹線道路沿道において大規模店舗を規制することを念頭において定めた例がございます。
  116. 富樫練三

    ○富樫練三君 そうすると、この特別用途地区の指定によって大型店を規制するという目的で使ったものは愛知県の豊田市一市ということですね。問題が起こっているのは全国で無数に起こっているわけで、一か所だけではこれは効果がないだろうというふうに思います。  こういう問題を地方任せにしないということが正に地方活性化のための国の責任だというふうに思います。地域社会に対する悪影響を顧みないで、大型店が、あるいは大型企業が、大手の企業地方にどんどん進出したり、あるいは利益が上がらなければ直ちにこれが撤退をするという正に勝手放題なやり方、これが地方都市をゆがんだものにしているというのも事実だというふうに思います。  したがって、これらのまちづくり三法の反省をしっかりやった上で、どこをどういうふうに改善するのか、これなくして今度のいわゆる交付金制度に変えるということだけでは、地方活性化というのは望めないというふうに率直に思います。  そこで、今度の法案では、自主性裁量性地方自治体のですね、これを大幅に拡大したということが説明の資料でも行われています。この自主性裁量性拡大というけれども、その中身は具体的にはどういうことですか。
  117. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) まず、自主性でございますが、一つには、この交付金の対象施設というものが従来の道路、公園だけではなくて、福祉、文化、商業等の幅広い施設も対象にできると。それから、ハードだけではなく、まちづくりのNPOの皆さんの活動も支援するというようなソフト面が充実されていることがあります。  それから、従来の補助金の仕組みの中では、補助金ということから補助率に縛られるということになりますが、今回の交付金では、計画に位置付けられた施設にどのように国費を充当しても自由であるというようなこと、それから事前の関与から事後評価を重視するというようなことがございます。  また、手続面でも事業間の流用が自由であるとか、それから事業の進捗が当初予定と異なる場合、各年度ごとに国、地方の負担割合を精算するというようなことはしないで、翌年度以降に調整するというようなことで、非常に使い勝手が良い仕組みとなっているわけでございます。
  118. 富樫練三

    ○富樫練三君 使い勝手がいいというふうに言っていますけれども、自主性、それが裁量性を拡大したということのようですけれども、ただ、地方が策定した都市再生整備計画に対して、それに交付金を支給するかどうかというのは結局、国が決めるんじゃないですか。
  119. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 御指摘のとおり、自主的に計画は作っていただきますが、それに基づいて交付金を交付するかどうかは、計画の内容、それからこの交付金が計画の目標に大きく役に立つのかどうか、計画の実現可能性、そういう国の観点から、都市再生を推進するという観点から見て支援するべきものかどうかを判断することになります。
  120. 富樫練三

    ○富樫練三君 そうすると、国の方が交付金を出すかどうかを決めるのは、その目標の妥当性ですか。それから、実現の可能性ですか。そういうことが一つの目安だということのようですけれども、例えばその計画の実現可能性の問題で言われているのに、具体的な中身として、地元の意欲がどうかというのも入っているようなんですね。  地元の意欲というのはどういう基準でこれは決めるんでしょうか。詳しい基準というのはどういうふうになっているんですか。
  121. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 詳しい基準は現在作成中でございますが、例えばこの計画作りに当たってワークショップ等により住民やNPOの方々と共同して計画を作ったかどうかとか、それから以前から住民の盛り上がりがあって、そういう中でまちづくり活動の実施状況、そういう計画への反映、このようなことを採択基準として公表したいと、このように考えておるわけでございます。
  122. 富樫練三

    ○富樫練三君 ちょっと今のお話だとおかしいんですね。その中身はともかくとして、今作っているところなんですか、詳しい基準を。まだできていない、今発表できるようなものはないんですか。作っている最中ですか。
  123. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 今作っている最中でございます。
  124. 富樫練三

    ○富樫練三君 だって、この法律は、もしこれが可決されればいつから実行するんですか。
  125. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 地元の皆様からの要望も大変強いということで、なるべく早くやりたいということでございまして、四月の、成立させていただければ直ちにこの作業に入っていきたいと考えているわけです。
  126. 富樫練三

    ○富樫練三君 これは、私は重大問題だと思うんですよ、審議の在り方の問題として。これは日切れ法案だから早くやろうじゃないかということで、これは参考人もちゃんと呼んで十分な審議をやろうという提案をしてきましたよ、私は。だけれども、一日からこれは実行するんだから急ぐんだというふうに言ってこういうふうな審議に入ったわけですよ。ぎりぎりならばやむを得ないだろうと思って審議にしたんだけれども、ところが中身については今検討中ですと。これは一体どういうことなんですか。国会に対して急ぎなさい、急ぎなさいと言っているのは国土交通省ですよ。国会の方は急ごうじゃないかと、こうやって話に乗ったら、今度は提案者の方は中身は今検討中です、これじゃ審議できないじゃないですか。
  127. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 検討中と申し上げましたが、もちろん間もなく形になる、非常に熟度の高い段階になっております。
  128. 富樫練三

    ○富樫練三君 大臣、これは、私は国会軽視だと思うんですよ。通常ならば、委員会、まあ国会に対してちゃんと説明ができて、こういう中身の法律でありますと、これが可決されればこういうふうに運用されますと、そういうことが当然あってしかるべきじゃないですか。話の筋が余りにも通らない。こういう国会軽視の態度は直ちに改めていただきたい。大臣、どうですか。
  129. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 誠心誠意御答弁させていただいているところでもございますが、基本的には目標、すなわちその町の皆さん方が考えたものの妥当性とか、さらにはそれによってどういう効率性、効果が本当にあるのか、あるいはプランはいいですけれども本当にできるのか、実現可能性、そういうものを、今指標になるものを精査している。すなわち、その客観的基準にすべて数量的に当てはまる、当てはまらないというのは非常に難しい部分があるわけですね、こういうものを客観的に評価するときには。しかし、この運用の部分で、富樫委員は客観的な、そして公正な運用を図るべきということで今の御質問をなさっていると私は聞いておりますので、そういうものはしっかりと納得いただけるものを早急に作らせていただきたいと思います。
  130. 富樫練三

    ○富樫練三君 法案の出し方や国会に対する態度について今の答弁なかったですからね。大臣、国会に法案を出すときの政府の在り方の問題としてはどうなんですか。
  131. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) その点については、一番最初に御答弁させていただきましたように、私どもとしては、誠心誠意、真心込めて御答弁また準備をさせていただいているつもりですが、至らぬところがあれば、以後、これからそういうことのおしかりを受けないように頑張りたいと思います。
  132. 富樫練三

    ○富樫練三君 中身に入りますけれども、今のそういう中身の答弁で、これから基準については鋭意努力してなるべく早く作ると、こういうことなんだけれども、この交付金というのは、いろんな基準を設けても最終的には国が出すか出さないかは決めると、こういう制度なんですね。出された交付金についてどう使うかについては、これはかなり地方の裁量、自由が利くんだけれども、出るか出ないかはこれは国が決めると、こういう中身のようなんですね。  そうすると、今三位一体改革で問題になっているのは何かというと、これは税源をどう移譲するかということが一番の問題になっているんですよ。補助金をカットすることや交付税制度をどうするかということももちろんそれは議論になっていると思いますけれども、地方の財源をどう確保するかという問題ですよ。そういう点からいえば、今度の交付金も、これは財源、税源は国は握って放さずという中身ですよ。いったん税金は全部国の方に集めて、それを国の政策に合致するところ、都市再生本部の方針に合致するところには交付金として出しましょうと、こういう話ですよ。そうなったら、これは三位一体改革の中身というのは一体何なんだと、地方に財源を渡すという話とは違うじゃないかと、こういうふうにならざるを得ません。大臣、どうですか。
  133. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) そこが非常に難しいところなんですね。地方がすべてすばらしいアイデアと客観的、効率的、すべてを満たすものを全部が作れるかというと、先ほども御答弁させていただきましたように、さっき富樫委員がご示しになったスタンダードみたいなもの、ちょっと違うんだけれども、どうしたらいいか分かんないけれども何かやらなきゃいけない、そういう自治体もたくさんあるわけであります。  言うならば、コンテストに参加してもらって、ただコンテストにどういうふうに参加したらいいか分かんないような自治体にもソフトの部分で、こういう形で、あるいはコンサルティングの方を派遣したり、そういうことも御協力をして、あとはこれもずっと答弁させていただいておりますように、知恵と工夫と、それによって地域間が競争する、それを客観的、公正に判断を国がする。将来的にはすべての自治体がノウハウを持って自分たちのことは自分たちでやるんだという意識を持ったときには、委員がおっしゃるとおり、何も言わずにすばらしいアイデアには補助をしていくという形になることが私も理想ではあると思っております。
  134. 富樫練三

    ○富樫練三君 本格的に地方分権、地方の自治権を確立するという点からいえば、私はやっぱり財源をしっかりと地方に出す、移譲するということが基本だというふうに思います。その上で、今度の法案では七月から独立行政法人都市再生機構ということになります。この機構が市町村の委託に基づいて専門的な知識とかノウハウを提供すると、こういうことができるというふうになっています。そこで、この機構が本当に住民主体のまちづくりの支援ができるんだろうかと、私は大いにここに疑問を持っています。  そこで、まず伺いますけれども、この公団、将来は機構になるわけですけれども、都市公団が持っておりますいわゆる塩漬け土地、開発する当てもないし売ることもできない、現在どのぐらいありますか。
  135. 田中久幸

    参考人田中久幸君) 御答弁いたします。  用地取得後五年を超える、いわゆる長期未利用地の面積につきましては、平成十四年度末時点で八百六十六ヘクタールでございます。
  136. 富樫練三

    ○富樫練三君 八百六十六ヘクタール。  そこで、今まで事業を既に中止しちゃったと、開発する予定だったけれども、中止した面積はどのぐらいありますか。
  137. 田中久幸

    参考人田中久幸君) 中止を決定した地区で保有している土地は、五地区に四百三十三ヘクタールございます。
  138. 富樫練三

    ○富樫練三君 東京の都下、町田市内で公団が買い取った土地があります。二つの地域開発が予定されていたけれども、それは中止に既になったと。その中には、小田急線が延伸されるということを前提に買っていたんだけれども、バブルがはじけてその可能性がなくなったということで、その小田急が買い求めていた土地を公団が買ったと、これはバブルが崩壊した後ですけれども。それはどのぐらいの広さありますか。
  139. 田中久幸

    参考人田中久幸君) 今、先生がおっしゃいました地区は小山田地区という地区だと思いますが、小山田地区におきましては、小田急電鉄から買い取った土地が〇・五ヘクタールございます。
  140. 富樫練三

    ○富樫練三君 〇・五ヘクタールといえば五千平方メートルですよね。  ところで、二〇〇二年度末の時点で持っている土地、造成済みの土地、販売する土地ですね、それから買い取ったんだけれどもまだ造成されていない土地、これらが簿価、いわゆる買ったときの値段とそのときの値段が、ずっとこう地価が下がってくると、したがって含み損が出てくるということで、これはもう既に公表されているんですけれども、六千五百二十五億円の含み損があると、こういうふうに言われています。これは下げ幅、下落の幅が三〇%以上下がったところが六千五百なんだけれども、三〇%未満の部分を入れればもっと含み損は増えるはずなんですね。それを含めたトータルでは含み損はどのぐらいと計算されていますか。
  141. 西川聰

    参考人西川聰君) 私ども、三〇%超の評価損は立てておりますけれども、全体の含み損というものは計測しておりません。と申しますのは、全体の含み損と含み益を両方やって初めて意味のあるものになってくるものでございまして、含み損だけで計算しているということはございません。
  142. 富樫練三

    ○富樫練三君 それは後で計算をしていただきたいと思いますけれども、やっていないという話は今聞きましたが、やればできるんです、これは。  そこで、時間がないので先に進みます。  発表によりますと、開発部門の売上高に当たる計上収益というのが約五千億円ぐらい含み損よりも経常収益の方が少ない、含み損の方が大きい、こういう勘定になっているというわけですから大変なものでありますけれども、十六兆円の累積債務があるとも言われています。これは事実ですか。
  143. 西川聰

    参考人西川聰君) 約十四年度末で十六兆円の累積といいますか債務がある、借入金があるということでございます。
  144. 富樫練三

    ○富樫練三君 そうすると、今幾つかの指標をずっと伺ってきました。その中で、八百六十六ヘクタールの塩漬けの土地、四百三十三ヘクタールの事業中止の地域、そして膨大な利払いと一緒に六千五百億円を超える含み損、そして売上げよりも、先ほどの計算でいきますと約一千四百億円ぐらい多い含み損、十六兆円の累積債務、こういうわけですから、これは公団は、こういう経営というのは恐らく普通だったら成り立たないですよ。もう本当にずさんな経営だというふうに言わざるを得ないと思うんです。もう塩漬け土地と膨大な含み損を抱えて借金と利払いに追われる最悪の事態ですよ。これは正に民間会社のためにバブルの後始末をして土地を買い込んだり、経済状況の変化とか宅地の需要もなかなか把握できない無責任開発計画で莫大な借金をしょう、こういうことでどうして地方まちづくりに、活性化のためのまちづくり、それのお手伝いができるんですか。  私は大変大きな疑問がある。こういうやり方をやっているところで地方自治体のにぎやかな町を復活させるなんていうことは一体できるんですか、そういうノウハウを持っているんですかと、こういうふうに改めてこれは問われなければならないと思うんです。やっぱり地方自治体そのものの、地方に住んでいる人たちの意見を最大限尊重する、それが一番の決め手だというふうに私は思いますけれども、大臣、こういうずさんな経営をやっている機構に本当に地域の、経済的に見ても活性化が作れるかどうか、これについて大臣、どういうふうに思いますか。
  145. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 今の御指摘のところは初めて聞かせていただいたわけですが、私の周りで新都市基盤整備公団の開発によってうまくいっているという例も聞いております。トータルでどういうものなのか、実態を正確に把握し、この法人は廃止が決まっている法人でございますので、そのとき詳細が明らかになるものだと承知しております。
  146. 富樫練三

    ○富樫練三君 終わります。
  147. 輿石東

    委員長輿石東君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  148. 輿石東

    委員長輿石東君) 委員異動について御報告いたします。  本日、木村仁君が委員辞任され、その補欠として吉田博美君が選任されました。     ─────────────
  149. 輿石東

    委員長輿石東君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  150. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私は、ただいま議題となりました国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。  今、どこの地方経済も落ち込みは深刻です。大型店の郊外立地で地方都市中心部が空洞化する、また高度成長期に誘致した企業海外に移転したり、リストラによって工場閉鎖される、栃木県の足利銀行の破綻に見られるように、地域金融の機能も衰えています。  地方経済地方都市活性化は緊急の課題であり、地方の衰退に歯止めを掛け、成長、発展の足掛かりになるよう国、地方公共団体が支援をすることを当然のことであると思います。  ところが、本法案は第一に都市再生といいますが、例えば今までのまちづくり三法ではほとんど効果のなかった中心市街地活性化対策は、今回のまちづくり交付金でも活性化を取り戻すことができないということです。中心市街地再生事業が成功していないことは質疑の中でも明らかになりました。三位一体改革の補助金制度の廃止のために、名前を交付金に変えただけで、事業の内容は基本的には変わらないからであります。  反対の理由の第二は、あちこちの地方都市で破綻ないしとんざしている都市開発事業や土地区画整理事業を解決するものにならないからであります。保留床や保留地が売れない、売れても価格が低いのでとても事業費が補えないという問題に全くこたえていないからであります。  第三に、地方が策定した都市再生整備計画まちづくり交付金を支給するかどうかは、結局、国土交通省が決めることになり、市町村や住民の創意工夫が生かせるまちづくりにはならないことであります。  この三つの点の根本にあるのは、国の基本姿勢が全く変わっていないということであります。すなわち、国が税財源は握って離さず、つまり税金は今までと同じように国が徴収し、それを国の政策に合うように地方に配分するというやり方が全く変わっていないことなんです。これでは補助金を交付金に変えただけで、地方自治体の自主性裁量性を拡大したものではありません。財源を移譲し、文字どおり地方自主性を任せることこそが住民の望むまちづくりであることを指摘して、反対討論を終わります。
  151. 輿石東

    委員長輿石東君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  152. 輿石東

    委員長輿石東君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、池口修次君から発言を求められておりますので、これを許します。池口修次君。
  153. 池口修次

    ○池口修次君 私は、ただいま可決されました国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、国土利用計画法に基づく土地利用基本計画作成費等交付金の廃止に当たっては、都道府県等による国土利用計画法に係る職務遂行に支障が生じることのないよう、過不足のない財源の措置を講じること。  二、都市再生特別措置法に基づく都市再生整備計画については、まちづくりに関する多様な住民のニーズ及び課題の明確化も含め、わかりやすい目標等が示されるよう配慮すること。  三、まちづくり交付金については、市町村の自主的な都市再生が実現するよう、その運用に万全を期すこと。    また、まちづくり交付金の採択に関する透明性を確保するとともに、まちづくり交付金を充てた事業等に係る評価について信頼性を有する仕組みを構築し、評価結果を公表するほか、その事業責任の明確化を図ること。  四、市町村の主体性に富んだ都市再生を推進するため、都市計画の決定等に係る権限及び道路整備に係る権限で市町村が希望するものについては、可能な限り移譲されるよう特段の配慮をすること。  五、全国の都市再生の具体化につながるよう、住民主体のまちづくりを支援する専門家まちづくりNPO等の育成や外部からの人材活用に努めること。    また、地方の中小都市における都市再生のため、独立行政法人都市再生機構は、市町村による都市再生整備計画の作成に積極的に協力するとともに、まちづくりに関する創造的な業務能力の向上とその提供等に努めること。  六、国民生活の質の向上と地域経済社会の的確かつ迅速な自立を図るため、全国の都市再生事業に対する継続性を有する支援を行うこと。    その際、地域の実情にあわせ、各種施策を総合的に推進できるよう特段の配慮をすること。  七、まちづくりという事業特性にかんがみ、地方の活力を高める観点から、国庫補助金の交付金化、統合補助金化等を引き続き推進するとともに、市町村への更なる権限移譲を検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  154. 輿石東

    委員長輿石東君) ただいま池口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  155. 輿石東

    委員長輿石東君) 全会一致と認めます。よって、池口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石原国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原国土交通大臣
  156. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 国の補助金等整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されましたまちづくり交付金について市町村の自主的な都市再生が実現するよう、その運用に万全を期すとの趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長、理事を始め委員各位の御指導、御協力に深く感謝の意を表し、ごあいさつとさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  157. 輿石東

    委員長輿石東君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  159. 輿石東

    委員長輿石東君) 次に、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  160. 輿石東

    委員長輿石東君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、池口君から発言を求められておりますので、これを許します。池口修次君。
  161. 池口修次

    ○池口修次君 私は、ただいま可決されました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、奄美群島及び小笠原諸島を取り巻く現状を深く認識し、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、奄美群島振興開発基本方針及び小笠原諸島振興開発基本方針については、地元の創意や工夫が十分に発揮できる内容となるよう留意すること。    また、奄美群島振興開発計画及び小笠原諸島振興開発計画についての協議では、都県が作成した計画内容を十分尊重すること。  二、地元の意思を地域振興に反映させるため、市町村地域住民、関係団体等多様な主体の積極的な参画の下で奄美群島振興開発計画及び小笠原諸島振興開発計画が策定されるよう十分配慮すること。  三、地域の個性と魅力を生かした自主的かつ主体的な振興開発に資するため、地域ごとのニーズに応じた社会資本の整備を図るとともに、ハードとソフトを一体的に活用した総合的・戦略的な施策の展開に特段の配慮をすること。特に、地元主体の地域振興の担い手となる人材の育成に関する施策を積極的に支援すること。  四、振興開発事業については、沖縄との均衡を考慮しつつ、本土等との格差の是正のための対策を講じるとともに、課税の特例措置の充実及び財政の弾力的支援など自立的発展を支援するための措置を講じること。  五、奄美群島の特性に即した産業の振興を図るため、大島紬・黒糖焼酎等地場産業の育成に努めること。また、自然環境の保全にも留意しつつ、新しい時代にふさわしい農林水産業、観光・リゾート産業等の開発・推進及び流通の改善が図られるよう配慮すること。  六、奄美群島振興開発基金の独立行政法人への移行に当たっては、自律的かつ効率的に運営を行うという独立行政法人制度の趣旨が十分発揮されるよう、その運用に万全を期すとともに、産業の振興のために必要な業務が確実に行われるようその充実強化に努めること。  七、小笠原諸島の産業の振興を図るため、世界自然遺産候補地としての推薦に向けて自然環境の保全にも留意しつつ、観光産業を中心とした産業間の連携の強化が図られるよう配慮すること。特に、平成十七年春に就航が予定されているTSL(テクノスーパーライナー)を最大限活用した観光振興を図るとともに、空港整備等本土との高速交通の利便性の確保に努めること。  八、奄美群島を含む離島航空路線について、離島住民の生活路線であること、また、他地域との交流の活発化に欠かせないインフラであること等にかんがみ、航空路線の安定的運航の確保及び一層利用しやすい運賃設定に資する環境整備に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  162. 輿石東

    委員長輿石東君) ただいま池口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  163. 輿石東

    委員長輿石東君) 多数と認めます。よって、池口君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石原国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原国土交通大臣
  164. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました地元の創意や工夫の十分な発揮や人材の育成への積極的な支援等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長及び理事の皆様方を始め、委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。  どうもありがとうございました。
  165. 輿石東

    委員長輿石東君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  167. 輿石東

    委員長輿石東君) 次に、東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案を議題といたします。  本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  168. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案に対する反対の討論をいたします。  本法案は、本来国の責任で行うべき羽田空港の再拡張事業整備費の一部を地方自治体から無利子貸付けを受けることができるよう特別に認めるものであります。  本法案に反対する第一の理由は、再拡張事業の大前提である航空機騒音の被害を受ける千葉県及び関係自治体、住民の納得が得られていないにもかかわらず、飛行ルート、着陸回数先にありきで事業の着工を強行しようとするものだからです。  第二の理由は、国、地方とも未曾有の財政危機に瀕している下で、新たな地方負担の枠組みを作って、本来国が行うべき事業のために、国民に新たな負担を強いることになるからです。  そもそも地方が国に対して寄附や負担を行ってはいけないという基本原則をないがしろにしてまで、巨額を要する国家プロジェクトを行うために、国だけでなく、地方の負担まで当てにして行うことには反対であります。  第三の理由は、空港再拡張事業を起爆剤として、首都圏に大型公共事業を集中させ、バブル崩壊等によってとんざ、破綻した大開発、大型の開発民間主導で開発させ、財界、ゼネコン中心の巨大開発に税金を投入するからであります。  なお、羽田空港再拡張事業は、羽田空港の容量を拡大し、地方空港から羽田空港への乗り入れ、増便を図り、地方経済活性化などを進めるとしていますが、本事業が首都圏一極集中を加速させる一方で、赤字路線や赤字空港となっている地方空港への羽田空港からの乗り入れを必ずしも増やすことにはなりません。しかも、黒字路線と赤字路線の二極分化を一層促進させていくおそれがあることも指摘をして、反対の討論を行いました。  御賛同よろしくお願いいたします。
  169. 輿石東

    委員長輿石東君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  170. 輿石東

    委員長輿石東君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、池口君から発言を求められておりますので、これを許します。池口修次君。
  171. 池口修次

    ○池口修次君 私は、ただいま可決されました東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、緊急整備事業等の実施に当たっては、空港整備特別会計の厳しい収支状況にかんがみ、設計・施工一括発注方式の履行など入札・契約方式の工夫、PFI方式の導入等民間ノウハウの活用などにより、一層のコスト縮減を図ること。  二、地方公共団体から国への無利子貸付けについては、地方公共団体の財政の健全性を確保するため、負担の軽減を図るとともに、国は確実な返済を行うため万全の措置を講じること。  三、東京国際空港における飛行ルートの設定等については、航空機騒音等の影響を受ける関係地方公共団体と協議の上、その意見を十分に聴き、環境対策等に万全を期すること。  四、羽田再拡張事業の円滑な推進を図るため、地方公共団体の理解と協力を得つつ周辺地域との調和ある発展に努めること。  五、国際定期便の就航に当たっては、旅客の際内ターミナル間の移動の円滑化やバリアフリー化の推進等利用者の利便性及び快適性が確保できるよう努めること。なお、国際拠点空港における旅客の際内乗継ぎの時間を短縮するため、国内線のダイヤ設定等が適切に行われるよう配慮すること。また、空港アクセスの改善に向けて、必要な措置を講じること。  六、利用者利便の一層の向上を図るため、新滑走路供用開始後においても、地方路線等航空ネットワークを充実させるとともに、新規航空会社の参入・拡大に対して適切な条件整備を引き続き行うなど航空会社間の適正な自由競争を促進させるよう努めること。  七、航空機の運航の安全性の確保及びハイジャック・テロ等に対する保安対策に必要な措置を引き続き講じること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  172. 輿石東

    委員長輿石東君) ただいま池口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  173. 輿石東

    委員長輿石東君) 多数と認めます。よって、池口君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石原国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原国土交通大臣
  174. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されましたコストの縮減、環境対策、利用者の利便性の向上等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長及び理事の皆様方を始め委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。  どうもありがとうございました。
  175. 輿石東

    委員長輿石東君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  176. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二分散会