運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2004-04-27 第159回国会 参議院 厚生労働委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月二十七日(火曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員異動  四月二十三日     辞任         補欠選任      愛知 治郎君     伊達 忠一君      榛葉賀津也君     浅尾慶一郎君      平野 達男君     柳田  稔君      木庭健太郎君     風間  昶君  四月二十六日     辞任         補欠選任      大脇 雅子君     江田 五月君      小池  晃君     紙  智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         国井 正幸君     理 事                 武見 敬三君                 藤井 基之君                 辻  泰弘君                 森 ゆうこ君                 遠山 清彦君     委 員                 有村 治子君                 金田 勝年君                 佐々木知子君                 斎藤 十朗君                 田浦  直君                 伊達 忠一君                 中原  爽君                 南野知惠子君                 宮崎 秀樹君                 浅尾慶一郎君                 朝日 俊弘君                 柳田  稔君                 山本 孝史君                 風間  昶君                 井上 美代君                 紙  智子君                 福島 瑞穂君                 西川きよし君    事務局側        常任委員会専門        員        川邊  新君    政府参考人        総務省自治行政        局選挙部長    高部 正男君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    塩田 幸雄君        厚生労働省保険        局長       辻  哲夫君    参考人        中央社会保険医        療協議会会長   星野 進保君        日本労働組合総        連合会事務局長  草野 忠義君        健康保険組合連        合会会長     千葉 一男君        厚生労働事務次        官        大塚 義治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (日本歯科医師会日本歯科医師連盟問題に関  する件)     ─────────────
  2. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  昨日までに、平野達男君、榛葉賀津也君木庭健太郎君、愛知治郎君、大脇雅子君及び小池晃君が委員辞任され、その補欠として柳田稔君、浅尾慶一郎君、風間昶君、伊達忠一君、江田五月君及び紙智子君が選任されました。     ─────────────
  3. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会参考人として中央社会保険医療協議会会長星野進保君、日本労働組合総連合会事務局長草野忠義君、健康保険組合連合会会長千葉一男君及び厚生労働事務次官大塚義治君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長辻哲夫君外二名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、日本歯科医師会日本歯科医師連盟問題に関する件を議題とし、質疑を行います。  なお、念のため申し上げますが、御発言の際は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言願います。  また、質疑者は、答弁をお願いする参考人を指定の上、質疑をされるようお願いいたします。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 伊達忠一

    伊達忠一君 おはようございます。自由民主党の伊達忠一でございます。  まず、質問に入る前に、大変朝早くからこうして多くの参考人の方にお越しをいただきましたこと、私からも心からお礼を申し上げたいと存じます。  御存じのように、実は先般、中医協をめぐる贈収賄事件が発生をいたしました。これは、審議会舞台になった点でも、これは診療報酬改定がねらいだという点であっても、これは正に前代未聞のことであって、私自身も驚いておりますし、一番びっくりしているのは恐らく国民皆さんだろうと、こう思っております。  健康、そして生命、そしてまた老人、それから身体障害者、そういう方々の所管をする厚生省が次から次へ不祥事を起こして、ましてやこの診療報酬改定までにこんなような事件を起こした。こういうことのやっぱり国民に対する信頼の裏切り、これは私は大変なものであると、こう思っておりますし、そしてまた、その委員を代表した連合委員の方も、今日のこの毎日新聞の一面にも取り上げられておりますが、改定中にその歯科医師会長と接触をして、そしてまた診療報酬について質問をしている、こういうことでございますから、むしろ組合員を裏切ったというよりも国民を裏切ったと、私はこう申し上げて過言ではないと思っております。百歩譲って、歯科会長さんは自分でも開業をしていますから利害があるわけでございますが、連合の方というのは個人のための利害国民組合を裏切っている、このような私は審議会で本当に日本医療というのは守れるんだろうか、正直言って疑念を持ちました。  解明につきましてはこれからの捜査にゆだねるわけでございますが、これは個人の問題なのか、それともシステムの問題なのか、システムであれば、それは早急にやっぱり改善しなきゃならない、私はこのように思っております。  それで、今日、参考人の多くの方においでをいただいておりますが、時間の関係もございまして、実は、星野会長さん、それから大塚事務次官さんについては順次質問でこれからお答えをしていただきたいと、こう思っておりますので、まず最初に、千葉会長さんと、それから笹森さんの代わりに来られました草野局長さん、このお二人に今回のこの事件をどのように受け止めておられるのかお聞きをしたいと、こう思っております。
  9. 千葉一男

    参考人千葉一男君) 千葉でございます。  長年にわたりまして健保連の副会長でございました下村氏が収賄容疑ということで逮捕されたわけでございます。私としては全く驚きを持ってこのニュースに接したわけでございますが、逮捕、勾留という事実を重く受け止め、本会としては、今月の二十日付けをもちまして下村氏に対し副会長職を解任いたしました。健保連としては、今回の件で健保連に加入していらっしゃる皆さんの御不信を招き、また国民皆様をお騒がせしたことに対し深くおわび申し上げたいと思います。  まずは捜査状況を見守りつつ、健保連としても事実解明に努めていかなければならないと考えておりますが、今後は、今まで以上に厳格かつ透明性のある組織運営を行い、信頼の回復に努めていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
  10. 草野忠義

    参考人草野忠義君) 連合事務局長草野でございます。本日、参考人としてここへ出席をさせていただきました。  今、先生から御指摘がございましたように、今回、私ども連合の前副会長であります加藤氏が収賄容疑逮捕をされると、正に私どもにとりまして衝撃的な事件が起きました。極めて驚きと残念だという思いを強く持っているところであります。労働組合役員として、正に御指摘のように、あるまじき行為であったというふうに深く思っている次第でございます。労働組合役員ということのみならず、支払側委員として、正に国民のあるいは被保険者の利便を代表する立場で事に臨まなければいけないのに、このようなことになったことにつきまして、委員を選出あるいは推薦をいたしました連合としては心から反省をいたしておるところでございまして、組合員のみならず国民皆様方にこの場をおかりして深くおわびを申し上げたいというふうに思っております。  私どもといたしましては、たしか十四日の夕刻か夜にかけて逮捕されたというふうに記憶しておりますが、翌十五日に緊急の三役会議中央執行委員会を開催をいたしまして、加藤氏の連合に関するすべての役職の解任を行いましたし、関係する、関係するといいますか、本人が出ております審議会につきましてはすべて辞任の届出をさせていただきました。  連合といたしましては……
  11. 伊達忠一

    伊達忠一君 短く。
  12. 草野忠義

    参考人草野忠義君) はい。  今後、二十八日にも全関係者を呼んで、今後に対して襟を正していくということでの注意喚起研修会をしていきたい、こういうふうに思っております。  申し訳ありませんでした。
  13. 伊達忠一

    伊達忠一君 申し訳ございません。時間、三十分しかございませんので、答弁される方、簡潔にひとつお願いしたいと、こう思っております。  ありがとうございました。まあこれは、お互い国民信頼を得るためにも、是非ひとつ御努力して、解明していきたい、改善していきたいと、こう思っております。  それで、先日もここで集中審議が実は行われたわけでございますが、そのときの保険局長答弁についてお聞きをしたいと、こう思っておりますが、審議中、あの電話帳のような諮問書、一ページずつ確認を取っているのかという質問に対して、局長は、大掛かりな長い手順を掛けて委員に対して事前説明を行った中で数字チェックを受けていると、こういう答弁をされました。また、分厚いあの電話帳を一つ一つ確認していくには思えぬ、していると思えないがという質問に対して、委員皆さんには事前資料を持ち込み十分説明を行って数字チェックをしているんだという答弁ございました。  私は、あの診療報酬点数表の膨大な量のあれからいって、当然それは不可能じゃないかというような気がするんですが、もう一度改めて答弁をお願いしたい。
  14. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 診療報酬点数表につきましては、現在、大変項目数が多くて、御指摘のとおり非常に複雑なものでございます。  しかしながら、年明けからの短期間の診療報酬改定に先立ちまして、繰り返しになりますが、一年近く、まずその改定項目を絞り込むという作業、相当丁寧に行われております。どこをいじるのかという改定項目につきまして、項目確認に至るまでそれをいたしました上で、その項目につきまして、例えば具体的には小児医療精神医療在宅医療といったように項目を一杯出していくわけですけれども、それにつきまして、言わば方向性についての議論をすると。  その中で、実はそれぞれの項目についての診療報酬点数体系を各委員御存じでございます。したがって、その項目議論するということは、その項目をどういう方向で動かすのかということを十分認識されたそういう中での御議論でございまして、それ以外は、例えば実勢価格等に基づいて機械的に改定される、一定方針改定方針を決めればすべての点数はこう動くという機械的なものが大部分でございまして、今申しましたような特定された改定項目については、全体の膨大な点数表示箇所から比べれば一部でございます。  そのようなことで、その絞り込みの行われた項目について十分委員が認識した上で、しかも直前に、答申の前に個別の改定項目すべての点数を盛り込んだ諮問書そのものを各委員にお示ししまして、それぞれの責任で事前にすべての点数表確認をいただいて、その上で御決定いただくという形で、相当精緻なチェックを受けております。
  15. 伊達忠一

    伊達忠一君 星野会長さんに、そのとおりなのかどうかだけでいいから、ちょっとお聞きしたい。
  16. 星野進保

    参考人星野進保君) 中医協会長をやらせていただいています星野でございます。御質問お答え申し上げます。  今、局長お答えになられたのがほぼ大筋だと思います。
  17. 伊達忠一

    伊達忠一君 私は、そのやり方であれだけの分厚いものをできるとは、先般、野党皆さん方質問されておられましたが、そのとおりだと思っております。だけれども、一回言ったことですから、そうではありませんということは言わないわけでございまして。  次に質問をしたいんですが、実は、平成十四年というのは史上初めてのマイナス改定ということがございました。しかし、歯科医師会における掛かり付け歯科医初診料というのがいわゆる今回のいろんな事件舞台になったわけでございますが、私は、一・三%下げられたと、こういうんですが、必ずその下げる項目と、それに今度は見合う、見合うプラス項目マイナスの見合う項目というものがなければならぬと、こう思っているんですが、二百十億から一千七十億になったということでございまして、これについての、財源あれだけ厳しい中での私はやりくりというのはどういう項目の立て方をされたのか、当時の保険局長だった次官にお聞かせいただきたい。
  18. 大塚義治

    参考人大塚義治君) ただいまお話ございましたように、平成十四年度の改定は一・三%、技術料について一・三%の引下げを行ったわけでございます。歯科についても同様でございました。  掛かり付け歯科医初診料、これを、その要件見直しますと財源的にはプラス、つまり財源が必要な改定でございます。それを含めてトータルとして三角一・三%の財源を確保する、財源と申しましょうか、点数改定をしなければならないと、こういう状況でございました。  具体的に、今現在覚えておるというよりも、当時の資料を見ての御答弁になるわけでございますが、様々な項目ございますけれども、主として歯冠、歯の冠でございますね、歯冠の修復、それから欠損補綴、ここの合理化ということを中心に言わばマイナス改定の分を組み立てまして、これは、大変細かいことで恐縮でございますが、それぞれの影響率というのを、社会医療診療行為別調査という膨大な調査がございますので、それに当てはめましてウエート計算をするという作業をするわけでございますが、そうした作業を通じまして、掛かり付け歯科医初診料要件見直しを含めて全体として三角一・三%の診療報酬改定の組立てを行ったわけでございます。
  19. 伊達忠一

    伊達忠一君 私は、あれだけのやっぱり増収になる、これは、決して私は要件を緩和して増収になることを実は反対しているんじゃないんです。是非私はしてあげたい、してあげてほしいと願っている一人なんです。ただ、やり方に私は問題があると思うんです。  恐らく臼田会長さんも、そういうことをやっておられて、決していいことだと思っていないわけですから、国がやっちゃ駄目だということをやっているわけですから、やがてばれたときには自分逮捕されるな、こんなことも思いながら恐らくやられたと私は思うんです。しかし、そうやっていかなかったら歯科医師会診療の経営が成り立っていかないという立場から私はやられたんだと、こう思っております。  その前の会長さん、中原先生、ここにおられますが、私もよく話させていただいて懇意にさせていただいていますが、まさしく人格者でございまして、先生のときにはそんなことが起きていないわけでございまして、むしろ正論できちんとやってこられたということなんですが、私は、やっぱり人が変われば手法も変わるということはあり得ると、こう思うんです。  そんなことから、実は、そういう財源が非常に厳しいという中にあって、そういうやりくりでやられたということ、もちろん歯科医師会に、いろんな医療というのは、面倒くさい、やってもプラスにならぬというものがたくさんあるんです。それをむしろ八〇%下げていただいても、むしろ数の多い簡単なやつを上げてもらった方が増収になるということがたくさんあるんです。  そんな中で、実は今回、プラスマイナス・ゼロという改定だったんですが、その中で検査が、いわゆる業界調査では一〇・七、厚生省の調べでは九・何ぼかな、まあ一〇%近いんですが、そういう改定が行われたんです。まじめに一生懸命そういうことを守ってやっているところの文句を言わないところにどんどんどんどん弱みに付け込んで改定していって、そして金でもってそういうことをやるところにどんどんどんどん改正して増収になるようにしていく。そういうことが、犠牲になったところがその財源になるというようなことは、私は医療改定の中であってはならないと、こう思うんです。この改定した、検査の一〇%改定マイナス改定した根拠をちょっと説明してください。
  20. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 検体検査実施料につきましては従来からルールが、一定ルールがありまして、衛生検査所検査料金調査という調査によりまして市場実勢価格を調べる、そして市場実勢価格に基づいて改定を行うということでございまして、この方式は従来と同じでございまして、今回もそれと全く同じやり方で行いまして、特に厳しく改定を行ったという認識は関係者の間でございません。  なお、項目によりましては、設定されておる点数が実際に検査を実施する際に必要なコストを十分反映していないという要望が関係団体から寄せられておりますので、今後、そうした意見も踏まえつつ、中医協において御議論いただきたいと考えております。
  21. 伊達忠一

    伊達忠一君 そうしたら、さっき言ったような、一項目ずつにきちんと委員説明をして検討しているということじゃないんでしょう、これは。  それで、そういうような、例えば国立病院なんかでこういう例があるんだけれども、予算がないんでとにかくこれを下げてくれと言ってやっているのたくさんあるんです。そういうものが実勢価格として取られて、自分たちが言って、それだから検査を下げるんだというような、そんな程度のものかい、検査というのは。これだけ重要視されて、むしろ診断に大きく役割果たしてきているそういう検査を、ただその程度で扱って、そしてマイナス改定して、それを財源に充ててきているなんということ、これは絶対私は許せませんよ。  言っておくけれども、私は野党じゃございませんから、小泉政権をしっかりと支える与党なんですから。だけれども、この問題については、私はやっぱりきちっとした、やっぱり国民なり業界なり、携わる職員の皆さん方に、医療界皆さん方の納得するような方向じゃなきゃ、私は、委員皆さんだって委員長さんだって会長さんだって納得しないと思う。恐らく、こういうことがあったということは、そのときの操作した厚生省の役人の方たちも、もしかしたらおれの任期中にばれるかななんて思いながらこれをやったかもしれない。どういうことなんだ、これ。
  22. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) この市場実勢価格で見直すという方式そのものが、先ほど申しましたように、これまで中医協における作業の今までのやり方として言わば認められてきておりまして、これはこの検査料だけではなくて薬価につきましても市場実勢価格を調べて、そして市場実勢価格との乖離率を報告いたします。それと同じ作業をいたしておりますので、特にこの検査料だけについて厳しい考え方を適用しておるとか、それから中医協において今まで全くそういうことの議論が行われていないということではなくて、当然の今までのルールという形で認識されてきております。ただ、これの在り方についてどうするかということについては中医協で御議論いただくことを私ども願っております。
  23. 伊達忠一

    伊達忠一君 私は薬はそれでいいと思うんですよ。アリナミンはあなたが持ったって触ったって、藤井先生が触ったってアリナミンアリナミンなんだ、二十五ミリは二十五ミリなんだよ。引田天功だってそんなもの変えることはできないんだよ。検査というものは生き物なんだよ、生き物精度管理というのをきちっとやらなかったら大変な医療に禍根を残しちゃうんですよ、これは。だから、東大病院だって今特区を申請して、そこでしかない技術、それが診断に物すごい重要だということで開放してくれという申請出ているんでしょう。そのぐらい重要なもの、そんな程度に私は扱って、これからの医療、二十一世紀はおれはないと思いますよ。  それで、やはり、こういうのもきちっとやっぱり専門家意見を聴いて、そしてやっぱりそれなりの技術の評価をしながらやっていくということが必要だと思うんです。この審議委員のあれを見ましても、いろんな方が入っていますよ。薬の問屋さんまで入っていますよ。機械の問屋さんまでこれは入っている。こんなディーラー入ったって、流通は説明できるかもしれませんけれども、その自体を作っているんじゃないんですよ。だから、むしろ私は、そういう専門委員、今回看護師も入りました。それから薬剤業界も、武田も塩野義も、これは理屈を付ければ製造研究になるのかもしれませんが、お互い研究製造もやっているんですよ。だから、やっぱり幅広く、そういう生き物をきちっと扱っている、重要なもの、専門専門家を入れて意見を聴きながら私はやっていくべきだというふうに思います。そういう面からいけば、検査機器業界からも是非ひとつこれは改善をして意見を聴いていく場を作っていただきたい、こう思うんですが、いかがですか。
  24. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 中医協委員構成に関するお尋ねと存じます。  中医協委員構成につきましては、診療担当者側支払側、そして公益側という三つの立場、そして診療担当者は、保険診療を担当する者としての医師歯科医師、薬剤師を代表するという構成になっております。したがいまして、その余の関係者専門委員ということになるわけでございますが、御指摘のように、医薬品、医療材料について、それにかかわる業界関係者専門委員になっているのは事実でございますが、これにつきましては、別途、診療報酬体系とは別に、その価格薬価ということで医療材料価格を設定するという体系になっていることから、それについての専門家が加えられております。  その中で、技術料、いわゆる検査料につきましては、これは中身がいわゆる医師技術料と実際に検査を行う費用、言わば技術と物が一体となって診療報酬体系で、薬価医療材料と異なりました診療報酬技術料体系一体となって定められております。そのようなことから、これまで技術を持ち得る立場である関係学会意見を聴いて中医協議論を行うということになっており、業界意見を個別に聴取するという体系にはなっておりません。  しかしながら、今回の事案を契機として、今後、中医協運営在り方について見直しを行っていくという大臣の御方針の下で、中医協における御議論を経まして、御指摘の点も含めて検討をいただければと考えております。
  25. 伊達忠一

    伊達忠一君 これは前も、大臣見直したい、見直さなきゃ駄目だということは言っているんですが、先般この事件が発覚して、実は個人的にお会いいたしました。やらなきゃ駄目だろうな、しかし血が出るかもしれぬ、だけどできるのはおれだけかな、おれじゃなきゃできないかなということも実は言っておられました。ですから、やろうということについては大臣も意気込みを持っておられるわけでございますが、是非ひとつこれは行政の立場からも是非そのように改善をして、そしてやっぱりもう少し正しい在り方医療というものの診療報酬体系というものを決めていただきたい。これを契機にお願いをしたいと思います。  それでは最後に、この中医協在り方についてお聞きをいたしたいんですが、公開をされているんだということを言われておりますが、確かに公開をされておりますけれども、おおむね中医協の場外で決まっているということが往々にして多いんだそうでございます。東京の港区にある健保連ですか、そこにある三階の副会長室の下村委員の部屋に、とにかく診療報酬改定作業が始まる一月ごろというのは、もうひっきりなしに厚生省のお役人がそちらに行かれる。ですから、言わば密室で決まっていっていると言っても過言でないわけなんで、そしてまた、あれだけの大物といいますか、私どもも自民党の部会でおいでをいただいたことがありますが、大変な私は大物だと、こう思っております。それがやはり、あれだけの位置を占めておられる方がやっぱり、委員長さんにしても、星野さんにしても、学校も後輩でございますし、役所も後輩でございますし、そういう点からいったらなかなかこれはもう言いにくい点も私は多々あるだろうと思いますし、また、本当に古く、十年以上というふうなもう古株になっちゃって主になっちゃっているということも実はあるでしょう。  そういう点から、実は先ほど局長も言っておられましたように、委員の選び方だとか、またこれ、任期もこれもう青天でやっていいのかどうか、全くの主になってしまいますし、そういう問題も含めた中でしっかりと改善すると、こう言っているんですが、いつごろまでにこの見直しを行われるのか、お聞かせをいただきたいと、こう思っております。
  26. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 今後、捜査状況を見守りながら、そしてまた私ども大臣の指示によりまして事件の構造の解明を急いでおるということでございますが、そういう中で、このようなことが起こらないように、またより良い中医協システムのためにどのように考えるべきかということについて大臣から検討するように御指示をいただいております。  この在り方につきまして、先日の国会審議において大臣は、公益委員の数が適切か等の委員構成、あるいは複雑な診療報酬体系を分かりやすくすること、あるいは診療報酬改定の事後評価とその公表、こういったことは今の段階での御指摘でございますけれども、検討が必要だといったことを述べておられます。  そのような中で、私ども関係者の御意見も聴きながら、基本的には、物によりまして法律事項というものが出ることもありますので、次期医療保険改革までの件、次期医療保険改革を目途としてということで御指示をいただいているところでございます。
  27. 伊達忠一

    伊達忠一君 是非、公約だけでなくて実行に移していただいて、一日も早く国民信頼を回復していただきたいと、こう思っております。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
  28. 山本孝史

    ○山本孝史君 おはようございます。民主党・新緑風会の山本孝史でございます。  四人の参考人皆さんには衆議院に引き続いての御出席をいただいております。ありがとうございます。  日本歯科医師会臼田会長らが歯科医師に有利なように診療報酬改定させようとして、豊富な資金力を背景に、二つのルートから工作をしたと。一つは、中医協支払側委員に総会等で歯科医師側に有利な発言をするように賄賂を贈った中医協ルート。当初二百万円と言われていました下村氏への賄賂は一千万円を超えるとの報道もございます。もう一つは、政治家に政治献金あるいは裏金を渡して厚労省に働き掛ける言わば政治家ルート。多数の自民党議員の名前が登場しますし、金額も、前自民党代議士の吉田幸弘氏の場合、二〇〇〇年から二〇〇二年のたった三年間の間に一億円を超える多額の資金が渡ったとされております。  冒頭、委員長にお尋ねをさせていただきたいと思いますが、この問題の真相の解明には、やはりその贈賄側でございます日本歯科医師会あるいは日本歯科医師連盟の関係者に御出席をいただきたいということをお願いをしておりますが、本日も御出席をいただいておりません。出席について委員長も御努力をいただいていると承知しておりますが、なぜ御出席がいただけないのか、まず委員長から御報告をいただければと思います。
  29. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまの山本委員の御質問に対してでありますが、厚生労働委員会の理事懇談会として、四月二十二日、日本歯科医師会及び日本歯科医師連盟の責任者を参考人として招致することを決定をさせていただきました。  したがいまして、その決定に基づきまして、四月二十二日、事務方から連絡を入れさせていただいたわけでありますが、責任者が不在であるというゆえをもって、出席できないという返答がありました。  その返答を受けまして、翌四月二十三日、私自らが、日本歯科医師会会長代行に就任をされました井堂会長代行に直接電話を入れさせていただきまして、少なくとも日本歯科医師会においては、厚生労働大臣の設立認可に係る公益法人である、そして今日的な社会的問題を起こしておる、その当事者が国会に来てしっかりと国民皆さんに何か申し上げることはあるはずではないかと、こういうことを申し上げましたが、責任者が逮捕をされておること、さらには、理事全員が辞表を提出をしておるということ、さらに、四月二十三日の午後には日本歯科医師連盟の役員も全員辞表を提出するということ、こういうことで責任者がいないということ、さらに、新しい体制の中で日本歯科医師会、同連盟として内部に調査委員会を設けて真相を究明して、しかるべき段階にしっかりと公益法人としてのありようというものを社会に対してメッセージを発すると、こういうふうなお話であり、強制力を持ったわけではなかったので、私も、極めて、出席できないということは遺憾であるということを申し上げて今日に至った次第でございます。
  30. 山本孝史

    ○山本孝史君 分かりました。委員長の御苦労、多とするところでございますが、是非、混乱しておられる状態もよく分かりますけれども、是非国会に来て自らおっしゃりたいこと一杯あると思いますので、そこは国民に向かって御発言をいただきたい。引き続き、参考人として国会に来てくださるようにお願いを続けていただくように私からお願いをしたいと思います。よろしくお願いをします。
  31. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 理事会で協議の上、検討をさせていただきます。
  32. 山本孝史

    ○山本孝史君 理事会の決定事項でございますから、是非それが実現できるように働き掛けをしていただきたいと思います。  さはさりながら、現執行部の皆さん方出席できないということでございますが、前回も私申し上げました。この場に中原会長がおられるわけでございます。掛かり付け歯科医の初診料が創設をされたときの会長さんは中原会長でございますので、その意味では、なぜこういう制度が必要になったのか。元々は、私、前回も申し上げましたように、医科と歯科の初診料、再診料の格差、この是正というものが長年、十七年間にわたって要求をされてこられた、そのことを受けてのこの掛かり付け歯科医再・初診料の創設であったというふうに思っておりますが、その経緯というものをやはり一番よく御存じなのは中原会長でございますので、是非、中原会長がこの場で御発言をいただけるような工夫というものを私はしていただきたいと思います。  前回申し上げました参考人ということでお呼びするのは甚だ失礼であるとすれば、この場を委員間の自由討議ということにさせていただいて、私から中原会長に、前会長にここで御質問もできるようなこともできるわけですから、国会運営の中でそういうことも是非工夫をしていただきたいということを改めてお願いをしておきたいというふうに思います。  それから、お待たせいたしました。四人の参考人皆さん方にまず最初、一問お聞きをさせていただきたいと思いますが、これまでの委員会審議の中で、星野会長さんもあるいは厚労省の皆さん方も公益委員の存在というものを高く評価をしておられます。しかしながら、診療報酬の最終的な決着は、衆議院の厚生労働委員会で公明党の福島委員も御指摘されたように、最終的には政治判断の場にゆだねられております。しかも、診療側と自民党との間の政治決着ということになっております。この構図を四人の参考人の方はどのように受け止めておられるか、考えられるか。最終的に政治決着しかないということで、政治決着という方法を是認をされるのかということが一つ。  もう一つの質問は、三十兆円にもわたります巨額な医療費のこの資金の配分を二十名の、言わば関係団体の代表がほとんどでありますが、その二十名の関係団体の代表だけで決めていいのか、あるいはもっとオープンな決め方があるのではないか、このことについてどうお考えになるか。  まず、星野参考人から順番で、恐縮でございますが、この二つの問題についてお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
  33. 星野進保

    参考人星野進保君) 御質問お答え申し上げます。  先生、この診療報酬決定のプロセスを多分先生はよく御存じなんで余りくどくど説明する必要ないと思うんですが、診療報酬の決定につきまして二つの段階があるということは多分先生御存じのとおりで、年末の予算編成のときに全体の枠組みを、医療費及び国の予算部分と、この両方決める段階がございます。それと、それが決まりますと診療報酬の個々の改定、そういうものを決める、振り分けしていく、それが診療報酬改定で、中医協自分たちが絶対やらなきゃいけないということは、正に診療報酬改定、振り分けの方でございます。  したがいまして、予算の方の枠組み、医療費なり政府予算なりが決まった上で、その額を頭に描きながら個別に割り振っていくということをやるのが中医協の仕事になっておるわけでございますが、ただ、予算編成の過程でどのくらい医療費なりその裏打ちとしての国の予算なりをお分けいただくのかというのが我々にとっても大変な関心事でございまして、それがどのくらいになるか、上に行くのか下に行くのか、あるいはそのままなのかということは、我々としても当然要望すべき事項でございますので、例えば、今回の診療報酬改定に先立ちまして、昨年の暮れでございますが、我々中医協の方で、かくかくあってほしいと、別に額は申し上げませんでしたが、要するに診療報酬改定についてはかくかくであってほしいという要望を出させていただいたわけでありまして、その過程は、実際の決定権というのは政府及び与党、国会の場を含めますれば野党との御議論も当然背景にあるかと思いますが、という権限でございまして、そこは中医協の外側の話でございます。だから我々は、繰り返しますが、我々としては枠を確保するというのは非常に重要でございますので、要望は申し上げました。今年は特に坂口大臣中医協においでいただきまして、皆さん意見を尊重するから皆さんのところでよく議論してくれと言われましたので、本当に一生懸命議論いたしまして我々の要望を出したところ、その要望に従って最終的には流れが決まっていったというふうに私は思っておりますが、そういう経緯がございました。  したがいまして、恐らく、その段階で与党なりなんなりがいろんな意見を言うことが、中医協の外側で決まっているんじゃないかといういろんな風評を招いていることが多いんではないかというふうに思います。  診療報酬そのものの振り分けにつきましては、そういう外側からいろいろとありましてどうのこうのというようなことは、私の立場から言いますと全くないんではないかというくらいに、近いくらいに思っておる次第であります。  以上でございます。
  34. 草野忠義

    参考人草野忠義君) 今、山本先生が御指摘になりましたように、政治決着ということがいろいろ取りざたされているというのは私どもは聞いております。  基本的には、中医協という場は、いわゆる支払側診療側とそして公益委員という三者構成でやる中医協というのは極めて私は存在意義のあるシステムだろうというふうには思っておりますので、まずは基本的にはこの中医協の場できちんと議論をする、そして最終的には当然これは予算が絡みますから国会で結論が出ることは重々承知しておりますが、その過程において政治決着というのが入り込むというのは、私はこれは避けていくべきではないか、このように思っております。  それから、二つ目の御指摘ございました点については、正に中医協をどう改革をしていくか、こういうことになろうかというふうに思っております。  今回私どもの推薦をした委員が不祥事を起こしてこういうことを申し上げるのはなにかと思いますが、正に中医協の問題点というのが一部クリアになったんではないかと思いますので、この際、中医協を抜本的に見直すということを是非お願いをしたい、こういうふうに思っております。
  35. 千葉一男

    参考人千葉一男君) 星野参考人が述べられましたように、まず第一の段階としては、年末までに政府予算との関係で大枠を決めるということが一つございます。もちろんその前にはいろいろ議論もありますけれども、その大枠を決めるのは政府・与党で決めるという形になっております。中医協の方は、その枠を決めた中の割り振りをどうするかということを実際はやるというような二段階の決定方式になっておりますので、中医協自体で政治決着ということはあり得ないんじゃないかなと。むしろ、いろいろ診療側あるいは支払側意見を聞いて、どちらが全体の枠の中に収まるのに妥当なものであるかということを議論して決めるという形でございますので、政治決着ということは恐らくないんじゃないかなというように思っております。  ただ、中医協は、どちらかといえば、できるだけ、何といいますか、全員一致の意見といいますか、で結論を出すという形になっておりますので、ある程度の妥協はお互いになければ結論が出し得ないところもあるかなという気はしております。  第二の点でございますが、中医協構成については、今の診療側、支払側、公益という三者構成で、また議論も公開され、あるいは議事録もすべて公開されておりますので、現在の制度でいいのではないかなというように思っている次第であります。  なお、付け加えて言いますと、決定したことに対する、どういうふうに決定したのか、どういうようなことで決定したのかというようなことに対する説明国民に対する説明をもっとはっきりさせれば、更に公開の議論の意義が高まるかなというように思っている次第であります。  以上でございます。
  36. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 診療報酬改定の一連のメカニズムと申しましょうか、プロセスにつきましては、星野会長など申されたとおりだと思っております。  要は、私の認識では、この一定のプロセスができるだけオープンな形で行われるということが重要だろうと。その点につきましては、私もそのとおりだと思っておりまして、今後もできるだけの努力と工夫が必要だろうと思っております。  ただ、あえて事務的なかかわりを持ってまいりました立場から申し上げますと、そういう方向で大きな進展を見てきたということも是非ごらんいただきたいと。  例えば、中医協自体が公開になりましたのも数年前のことでございました。それまでは中医協自体が非公開という扱いでございました。さらには、専門委員というものを充実をいたしまして、専門的な立場からの御意見も賜る。例えば、薬価に関してそうでございます。  それから、これは私が保険局長を離れまして、現在の体制の下での改善でございますけれども、今回の診療報酬作業から診療報酬調査専門組織というものを設けまして、三十数名にわたります本当の各界の医療関係専門家の方に御参集をいただいて、診療報酬改定の下作業の段階で、それ自体ももちろん公開された会議でございますが、専門的な知識を導入した上で、そして中医協で御議論をいただく。私は、今回のこの診療報酬調査専門組織の設定というのを高く評価をいたしておるわけでございますが、そうした形で、よりオープンに、一般の方から見て評価ができるようにという形で改善の努力をしてきておるという点につきましてもごらんをいただきたいなという気持ちがございます。  いずれにいたしましても、更に改善、工夫の余地があるかどうか、これは真摯に検討してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
  37. 山本孝史

    ○山本孝史君 星野会長千葉参考人大塚参考人も、今のシステムでいいんだ、この診療報酬の割り振りということについて政治が関与する場面はないんだと、こういう認識ですが、であれば、こういう事件は起きない。こういう事件が起きているということを踏まえてどう我々は考えるかということであって、皆さん方、それで会長であって、そして今もあの場で支払側としておられる、あるいは厚生省の事務次官としてしっかりとした国民に対して説明責任が果たせるということで今お述べになっているのだとすれば、私は認識が余りにも甘過ぎると。国民の感覚と全く違います。  総枠は予算の中で決まってきますが、割り振りは明らかに政治の力が働いている。だから、日本歯科医師政治連盟があれだけの金を使って自分たちの思いを遂げようとする。それがこの事件の背景じゃないですか。その事件の真相というものに迫ろうとしているときに、大丈夫なんです、そんなことあり得ませんという認識を示されること自体が、私は、申し訳ありませんが、今あの中医協という場に出ておられるお二人の参考人の方には、そうではないんじゃないかと私は言わざるを得ないと思います。  質問時間が短いので、この後の私の質問は、大塚参考人、当時の保険局長さんに、この掛かり付け歯科医初診料の創設あるいはその改定ということについて、そのいきさつを明らかにするために御質問をさせていただきたいと思います。時間が限られておりますので、大塚参考人には、答えは短めに、イエス、ノーではっきりと答えていただければと思います。  まず、これは大塚参考人ではなくて、前任であります近藤純五郎保険局長時代の問題でありますけれども平成十二年の診療報酬改定で導入されましたいわゆるか初診というこのアイデア、これを発案されたのはだれでしょうか。歯科医師会ですか、あるいは厚生省でしょうか。
  38. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 具体的な材料をもってお答えするのはなかなか難しいんでございますけれども、私の認識を申し上げれば、具体的な点数の設定その他、厚生省、当時の厚生省でありますが、事務当局が基本的な考え方を組み立てたものというふうに考えております。
  39. 山本孝史

    ○山本孝史君 いろいろな御要望を受けて厚生省がそのアイデアを出したということですが、いわゆるか初診の請求には一定の条件あるいは縛りを満たすことが求められておりましたけれども、日歯連の代議士会で臼田会長は、縛りは厚労省が出したものではなく、歯科医師側から出たものであるという発言がございますけれども、これはどちらが正しいのでしょうか。
  40. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 臼田会長のおっしゃっているという今の御指摘の点、私は正直申しまして存じません。  私、先ほど申し上げましたような、私どもといたしましての認識は、繰り返しになりますけれども、具体的な点数設定、要件含めて、事務当局が言わば発案を、事実上の発案をしたというのが私どもの認識でございます。
  41. 山本孝史

    ○山本孝史君 縛りは、そうすると、厚労省の方が、当時の厚生省が出したものであるということですが、中原会長、そこでうんうんとうなずいておられますので、ここも聞きたいんですね。臼田会長がおっしゃっていることと中原会長がそうだそうだとここでうなずいておられることとの間にはやっぱり違いがあるんです。臼田会長中原会長の間にどういう確執があるのか私はよく存じ上げませんが、これ、事実ということについて、中原会長、是非やっぱりこの場で私は御発言をいただきたいんですね。  我々国会議員も、自らの責任でできることは、この真相解明ということについて力を発揮すべきだと思いますし、たまさか中原委員は前歯科医師会会長さんでいらっしゃるから、申し訳ないとは思うんですけれども、是非、もう一度委員長にお願いをします。  中原先生の御発言がこの場でいただける、私のただいまのような質問でも臼田会長がおっしゃっていることと大塚参考人がおっしゃっていることは違うわけですから、この問題について聞けばいいことだけですので、是非そういう機会を作ってくださるように改めてお願いします。
  42. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 理事会で協議させていただきます。
  43. 山本孝史

    ○山本孝史君 このか初診の縛りについて辻局長が、導入後一定時期たったころから、要件が厳しいのではないかと、議論が既に幅広く行われてまいりました、そして、私ども、この要件を更に診療報酬改定項目の趣旨に沿ってどのように見直すのかということは一つの課題であるという認識は、もう恐らく私どものみならず相当世間一般的に認識は持っておられたというふうに、今にして思えば思いますという答弁をされました。要件が厳しいと言ったのは歯科医師側で、支払側、特に下村氏は制度創設前からこのか初診に対して不審の目を向けられておられます。  例えば診療報酬、これ失礼、制度創設前年の平成十一年十二月一日の中医協の総会では加藤委員が、歯科の再・初診料を医科と同じレベルにすると書いてあるが、同じレベルが妥当なのかという発言をしておられます。その後も、十二年一月十九日の中医協では、下村委員が、掛かり付け歯科医機能の明確化を要求されておりますし、二月四日の中医協でも下村氏は、初診料を上げるために掛かり付け医という看板を持ってきたのかなと、ちょっと言い方は悪いけれどもそういうふうに見えるところがある、治療計画の内容を文書によりと言うが、この文書の値打ちが一体どの程度あるのかという疑問を呈しておられます。平成十三年五月の診療報酬委員会でも、掛かり付け医をやめたらどうかという御発言もされておられます。  折しもこの四月に小泉内閣が発足しまして、六月にはいわゆる骨太の方針診療報酬見直しが提起をされました。こうした下村氏の言動は、小泉内閣の診療報酬の引下げの姿勢が、日歯連をして下村氏の中医協での発言を抑えようとさせるその背景にもあったと私は理解をしております。流れを作ってみますとそういうことにやっぱりなるんじゃないだろうか。  さて、大塚参考人は、このか初診が導入をされた翌年の平成十三年一月に保険局長に就任をされました。そこでお尋ねをしますが、大塚参考人は、これまでこのか初診についてどのように認識をしておられたのか、また、歯科医師会のか初診への見直しへの動きをどのように受け止めておられたのか、お伺いをします。
  44. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 私自身の記憶に基づきまして率直に申し上げたいと存じます。私の認識を率直に申し上げたいと存じます。  おっしゃいますように、十三年の一月に保険局長を拝命いたしました。いつごろの、いつの時期というところまで正確に覚えておりませんけれども、全体としての私のいわゆるか初診、掛かり付け歯科医初診料についての認識は以下のようなものでございました。  十二年にこの制度が導入をされましたときに、歯科関係診療報酬改定の最大の項目でございました。圧倒的にウエートを持った項目でございました。その後、実施状況を見ますと、歯科医師会を中心にそういう御発言があったわけでございますが、非常に実態と当時の想定したのとギャップがあるということが盛んにお話があった記憶がございます。恐らくそれは事実のようだという認識はございました。  そういたしますと、この十二年改定の最大の論点でありましたか初診が想定したとおりに動いておらないということにつきましては、これはもう一度議論をせざるを得ないという状況が来るのではなかろうかと。その場合に、二点、私ども特に事務担当者としては思いましたのは、一つは、役所側もある程度の実態についての認識ができる材料がないと客観的な議論ができなかろうと、それにはもう少し時間が掛かるなというのが一点、それからもう一点は、これも今お話ございましたけれども診療報酬改定全体の枠組みというものをどういう形で決着をするのかというのが非常に大きな影響を持つと。  診療報酬全体につきましては、私どもも率直に申し上げまして、かなり大幅な引下げを平成十四年度改定では行わなければならぬという認識を正直に言えばかなり早い時期から持っておりましたから、その動向と併せて議論をしなければいかぬなと、こう思っておりました。  したがいまして、整理して申し上げますと、課題として論議せざるを得ない課題に必ず浮上するという認識が一つ、それは実態の推移次第だというのが一点、ただし全体の診療報酬改定の中で、すなわち、十四年度改定議論と併せて整理をしないとこの問題は整理が付かないなと、こんな認識で平成十四年度改定に臨んだ記憶がございます。
  45. 山本孝史

    ○山本孝史君 辻局長がこの前御答弁の中で、平成十三年七月二十五日の中医協での審議で何か一定の心証を形成したというものではないと御答弁をされましたので、この御答弁と今の大塚参考人の御発言を重ね合わせてみますと、もうずっと実はこの問題はあって、中医協の中で一回そういう発言が、下村氏の発言があったからどうということではないということなんだと思います。  平成十四年の一月三十日の十四年改定に当たっての中医協の総会で示されたか初診の条件緩和にかかわる具体例については、流れを踏まえて事務局が作成したものであると辻局長答弁をされました。また、事務局は議論の流れに沿って各側の御指示を受けて作っていくという役割を果たしておりますという御答弁もされておられます。  か初診の制度のアイデアも厚生省が考え、その縛りも厚生省の事務局が考え、その後、その見直しに当たってのその流れも厚生省の事務局がそれぞれの皆さんの御発言を受けて作ると。こういうことが今分かってきたわけですが、そうすると、このか初診見直しの案ですね、あるいはこの具体例というものはどのような過程を経て作成をされたと御記憶されているんでしょうか。
  46. 大塚義治

    参考人大塚義治君) これも誠に恐縮でございますが、いつごろ、何日ごろというほどの詳しい記憶はございません。したがいまして、過去の資料をちょっとひっくり返しながら、思い出しながらということであるという前提でお聞き取りをいただきたいと思いますが、繰り返し申しますように、十四年度診療報酬改定の大枠、結論から言いますと、トータルで二・七%の下げ、技術料について一・三%の下げ、この大きな枠が決まりませんと具体的な論議はなかなかできないという状況でございました。もちろん、事務方におきましていろんなシミュレーションといいましょうか、検討してくれていたと思いますけれども、実際にその枠が決まりますのが年末でございましたから、更にそのか初診の具体的な見直し内容の作業は年を明けて突貫作業で恐らく行われて、一月下旬には中医協総会が開かれておりますので、これは若干後からの推測ということになりますが、一月二十日前後に具体的な内容を整理をしてその後の作業に入っていったと、こんな経緯ではなかろうかと。一部、恐縮でございますが、推測を含めてのお答えでございます。
  47. 山本孝史

    ○山本孝史君 問題は、その過程の中で、日本歯科医師会あるいはその意を受けた政治家等々がどのように厚労省に働き掛けをしたかということだと思うんですが、日歯広報の千二百五十八号、二〇〇二年の四月十五日号でございますけれども、すなわち、十四年度診療報酬改定があったときの広報でございますけれども、平井あるいは譽田両中医協委員に対してインタビュー記事で、「中医協委員に聞く」という特集が組まれております。平井委員はその中で、いろいろと診療報酬改定に当たって厚労省と悪戦苦闘しながら再三再四にわたり交渉した結果、やっと今回の方向性が出てきましたと、こう書いておられますので、中医協という場ですべて決まると星野さん、会長はおっしゃいましたが、実際のところは、厚労省に対して日歯なりあるいは日歯連が再三再四にわたってこうしてほしい、ああしてほしいということで交渉した結果こうなったんだと、こういう御発言があるんですが、これはこのとおりに受け止めてよろしいんでしょうか。
  48. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 例えば、平成十三年の十一月には歯科医師会としての公式の御要望を受けておるわけでございますけれども、その段階での御要望は、条件は撤廃をせよというようなことでございました。事務方といたしますと、当然それは不可能なことでございまして、具体的な見直しは必要だけれども撤廃はとても考えられないという基本線でございました。その過程で非公式にといいましょうか、いろんな議論、やり取りがあったということはこれは否定できないと思います。  ただ、私は、そこがいわゆる不明朗とかなんとかというよりも、あらゆる作業をしますときに一種の粗ごなしというのは当然ございます。言わば、具体的な施策を実現に持っていくためのステップとしてはいろんな方法があるわけでございまして、最初からすべてができ上がってくるわけではございませんので、その過程でいろんな御意見を賜る、あるいはデータをちょうだいするということはあったんではなかろうかと思います。
  49. 山本孝史

    ○山本孝史君 粗ごなしをされて、それが中医協に出てきて、中医協は、事務局が作ってきた案で皆さんよろしいですかって、こう決まるということですから、今いみじくもおっしゃったように、その前にいろんな交渉があるということだと思うんです。そこに政治が関与することもあり得るんだと私は思うんですね。  四月二十日の衆議院の厚生労働委員会で、石崎委員質問大塚参考人は、事務方の責任者として、当時、か初診の見直しに関して不自然なやり取りがあった、あるいは特別な働き掛けがあったという記憶は一切ございませんと答弁されておられます。  重ねてお伺いで恐縮でございますが、新聞報道によりますれば、二〇〇一年の十一月ごろから、すなわち平成十三年の十一月ごろから臼田会長は古賀誠氏らに歯科医療行政について陳情したとされております。大塚当時の保険局長さん、あるいは保険局の職員が自民党の議員に呼ばれて日歯連関係者との会食の席に同席をしたということはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
  50. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 私自身はもとよりございません。それから、当時、そのような報告を受けたことも記憶は全くございません。それから、その後、保険局の職員につきましても、現在のスタッフで調査をしてくれたようでございますが、そういうことはなかったというふうに報告を受けております。
  51. 山本孝史

    ○山本孝史君 新聞報道が間違いである、こういう認識をしておられるわけですね。
  52. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 恐らくそうではなかろうか、少なくとも確認をできることは、データといいましょうか、事実はございません。
  53. 山本孝史

    ○山本孝史君 これは公務員倫理法にも関係する話でございますし、大変重要な御認識の点でございますので、重ねての質問で恐縮でございますが、自民党の議員さんに呼ばれて、例えば議員会館の中等でいろいろと協議がされる、その場に厚労省の職員が呼び出されるということはあるんだろうと思いますが、しかしながら、料理屋で、あるいは料亭で呼び出されたところ、あるいはそこに来いと言われて、日歯連の方たち、そして自民党の議員さんがおられて、様々そこで診療報酬の問題等についてお話をする、したということは少なくとも御自身の記憶としてはない、あるいは厚労省の調査として、当時の方にお聞きになった結果としてそのようなことはない、こう断言されるわけですね。
  54. 大塚義治

    参考人大塚義治君) まず、少なくとも私自身の経験、記憶からは一切ございません。繰り返しになりますが、調べる、調べるといいましょうか、聞き取りをしてもらったところによりますと、そういうことはないという報告を私は聞いているわけでございます。
  55. 山本孝史

    ○山本孝史君 ちょっと時間が朝日委員質問時間に食い込んでいますので急がせていただきたいと思いますが、辻局長答弁で、か初診は本人の歯型や口腔内の写真を用いて治療方針説明することがポイントだと、こうおっしゃいました。決してそのことは難しいことではないのに、なぜか期待どおりに使われなかったという認識でございますが、なぜこれが期待どおりに使われなかったと当時の保険局長としては御認識をされておられるんでしょうか。
  56. 大塚義治

    参考人大塚義治君) もし追加の御質問があると重なってしまいますが、先に申しますと、私の認識はあるいは辻保険局長と少し違うかもしれませんが、か初診の基本的なポイント、要素は、私は治療計画の文書による提示だと思っております。それが前提でございますが、それにいたしましても、どうしてその歯型の写真が実行できなかったかと。  二つ私の認識として申し上げますと、一つは、初診料という形でそういう条件設定が行われるというのは実は極めて例外的なことでございまして、あるいは初めてのことでございましたから、現場に浸透するのにどうしても時間が掛かるという要素はあったのではないかというのが一つ。  それから、私自身がそれを検証するだけの材料はないんですけれども、当時、いろんな方から、いろんな方からといいましょうか、何人の方からか聞きましたのは、実は患者さんの方も、歯型、石こう歯型を取る、あるいは口腔写真を撮るというのを必ずしも喜ばれない。例えば、口腔写真を撮るという場合に、女性の方なんかはやめてくれという方が少なからずおると。果たしてこういう方法だけなんだろうかという議論を耳にしたことはございます。これは検証するわけにいきませんが、そういうことでややリジッドな枠組みになっているのかなという気持ちを私もある時期から持ち始めたということは事実でございます。
  57. 山本孝史

    ○山本孝史君 実態にそぐわないことをやったので、きつい縛りを掛けたのでうまくいかなかったんだと、こういう御認識なんだと思いますけれども。  面白い臼田会長の御発言が日歯連の会報に載っておりまして、一番の問題は大臣告示の縛りであると。口腔内写真、スタディーモデルの二つしかできないことが会員に一番ネックになっている、是非とも撤廃してもらわないとならない。この次なんですよ。今まで我々も、別にこういう形で点数化されなくても、我々が患者さんとの間でコミュニケーションを取り、インフォームド・コンセントを取りながら治療計画を立ててきた、その形をそのまま活用できるようにしてくれればいいのだと、こうおっしゃっておられるんですね。  要は、何かやることが変わるわけではないんだけれども診療報酬はこれによって上げることはできるんだと、こう日歯連の方たちは、臼田会長はおっしゃっておられる。この発言は、辻局長がこのか初診を設けたことによってサービス内容の向上というものに点数が付いてくるという厚労省の認識とは全く異なると私は受け止めております。また、本人の歯型や口腔内の写真を用いて治療方針説明するということがポイントと言われたか初診の性格から、日歯連の皆さん方あるいは日歯の皆さん方はこの認識としては大変にずれているんだと思います。  先ほどおっしゃいましたように、平成十二年の診療報酬の最大の問題がこのか初診の創設という問題であったと。十四年に向けてこのか初診の縛りを撤廃するということがこれまた歯科医師会皆さん方にとっては重要な課題であった。そのためにいろんな動きがあった。しかし、元々は実は、やっていることは同じようにやっていればいいんだということだけなんであって、何らサービスの向上にもつながらない話に診療報酬点数付けたということなんだと素直に私は受け止めるべきなんだと思います。  その意味で、冒頭おっしゃいました、この配分ということについて何らやましいことはないし政治が働くということでもないということでございますけれども、今お聞きしておりますと、結局は、厚労省がアイデアを作って、そしてそれを皆さん事務局に提示をして、各委員皆さん方に御説明をして、それでしゃんしゃんしゃんとこう決まるという形の中で厚労省がいろんな役割を果たしてこられたということなんだと思うんですね。そこにやっぱり働き掛けがあった、しかもそれが自民党の議員さんを通じて強烈に厚生労働省に対してあったということなんですから、こういう図式が起こらないようにするためには、やはり参考人が最初におっしゃった問題としては、私は、中医協システムというものをもっと民主的でオープンなものに変えないと同じ事件はやっぱり起こるということが今回の教訓だというふうに私が思っているということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  58. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日です。山本委員質問を受けて、特に今一番最後に御指摘があった点について絞って伺いたいと思っています。  つまり、今回の贈収賄事件という問題は中医協というところを舞台に起こったと。その中医協という舞台で、主として診療報酬の配分の在り方をめぐって幾つかの政策決定がなされていく、その構造とプロセス、そしてその場において展開される政治力学、ここにこうした事件を生み出すような土壌があったんではないかというふうにまず考えるべきだと思うんです。  何か先ほどからの御答弁をお伺いしていますと、いや、制度としては良い仕組みだというふうに肯定的な御意見が多いんですが、もしそうおっしゃると、今回の事件は全く個人の素質の問題だというふうにもおっしゃっているように受け取れてなりません。もちろんそういう問題もあるとは思いますが、しかし同時に、構造の問題をきちっと議論するのが私たちの任務だろうと、この点をまず最初に申し上げておきたいと思います。  そこで、今、参考人皆さんにも配っていただいたかな、ポンチ絵一枚配らせていただきました。これは全く私の頭の中にあることを投影したものですから、オーソライズされたものでも何でもなくて、間違いがあるかもしれません。未定稿であります。もし、違和感があったり、あるいは間違いがあったりしたら御指摘をいただきたいと思うんですが。  この診療報酬を決定していく仕組みとして、今の中医協構成が、あるいはその中医協舞台として進められていくプロセスが、どうも現実の医療の実態を、あるいは、特に私は強調したいんですが、特にユーザー、患者さんの側から意見、思いを十分に反映し切れていない構成になっているんじゃないか。ここはひとつ、雨降って地固まるではありませんが、せっかくの機会ですから、きちんとその在り方について検討をすべきときではないかと。  振り返ってみると、中医協の法律が、設置法が制定されたのは昭和二十五年、一九五〇年、もう半世紀前のことであります。調べてみると、一部仕組みが変わったのは昭和三十六年。いずれにしても、もう半世紀近く経過をしているこの制度をこの時点できちっと見直すことが是非とも必要だ、せめてそういう問題意識は今日御出席いただいた参考人皆さんには是非持っていただきたいと、私はこう思います。これは心からのお願いであります。  さて、それぞれについて皆さんからの御意見を伺う前に、是非、星野参考人に二点ほどお尋ねしたいと思います。  その一点は、先ほども一番冒頭、伊達委員とのやり取りがございまして、要するに役所側の答弁は、あの電話帳と言われる膨大な診療報酬の詳細について、事前に一つ一つ御説明をして、総会で、公開の場できちんと決めていくと、こういうプロセスを取っていると。したがって、ある意味では非公式なあるいは水面下でのその相談事というかネゴシエーションというか、そういうことは入る余地があたかもないような御説明をされるんですが、それはいささか実態を正確に説明しているとは思えないんですね。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕  もちろん、形としては、総会という場で、公開の下に、皆さんの全員一致の下に確認をしていくと、こういうプロセスが取られることはよく承知しています。しかし、その最終的なプロセスに至る経過で様々な形で幾つかの動きが、あるいは委員同士とかあるいは委員と事務局を担っている厚生労働省ととか、あるはずなんです、やり取りが。そういうところがあるがゆえに、そこが一つのすき間になって今回のような事件に結び付いたんだと考えざるを得ないんです。  そこのところについて、会長として運営をされておられた星野参考人に再度御質問いたします。
  59. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  今、委員が御指摘の点でございますが、私がお預かり申し上げておりますのは中医協という場でございます。要するに、二十人の委員が参加して、そこで議論を闘わし、その上でいかに医療を良きものにするかという観点で意見をおまとめいただく方向で進めていくのが私の職務であります。  そういう意味合いでは、場の中、要するに二十名の方々が議論する中で、常に透明性があって、しかもそれぞれの議論がきちんとしたデータに基づいた議論が行われるということが一番私にとっては望ましいわけでありまして、私、会長に仰せ付けられてから努力いたしましたのは、専らそういう方向でございます。  その限りにおきまして、私、申し上げておりますのは、現在の中医協というのは、私の目から見ると、随分議論が率直にでき、しかもデータに基づいた議論をするようになったんじゃないかな、私は昔のことは余りよく知りませんが、というふうに思っておりますので、今の中医協というのはなかなか進化してきているなというふうな気持ちを込めて現在のシステム運営してきたわけでございます。  先生おっしゃられるように、各委員が、各委員がどういう専門領域を持っているか、しかも各委員がそれぞれある意味では団体から推薦されているわけでございますので、その団体なりなんかといろんな情報交流をするというのは場外の話でありまして、場外でどういうことが行われるかというのは、実は残念ながら私はなかなか知る由もない話でありまして、先生が強調されますのは、場外で起こったことが中医協に持ち込まれるんじゃないかということだろうと思うんですが、中医協というのはあくまでもそこで二十人の方が御議論いただく場でございますので、その中で極端な、まあ今度の、方々で聞かれるわけでございますが、極端に利益誘導的なことを発言したり何かすればすぐ分かるわけであります。したがいまして、そういうことを私が感じたかということをよく聞かれますが、私は全く感じなかったです、そのときに。  したがいまして、それを素直に申し上げているわけでありまして、最初に冒頭先生が言われましたように、中医協のこの仕組みそのものが昭和三十六年に今の構成になったということについて、私は決してそのままでいいかと言われると、当時の高度成長を迎える時期にあった社会医療保険というものと、現在、かなり高齢化の進んできた医療保険という体質、条件、そういうものが変わってきている状況でございますので、先生が言われるように、これをある意味では好機といたしまして、中医協構成メンバーの話にしましても、あるいは中医協在り方、そういうものについて先生方を含め徹底的に御議論いただくことに、私自身は個人的に賛成でございます。  したがいまして、今の中医協運営そのものを預かっていることは私が預かっておりますが、その場内につきましては、私は徹底的に公平性を確保すると、そういう意味では満足している中医協だと、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
  60. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 ある意味では率直な御意見をいただいたと思いますが、問題意識は次の質問とも関連しますので、もう一つ質問させてください。  先日、私の方から資料要求をいたしまして、この中医協の各委員皆さん出席状況というか実働日数というか、それといつごろから委員になっておられるかということを調べさせていただきましたら、ある特徴があるんですね。つまり、比較的六年、七年、八年、九年と長期に委員を引き続きされている方の出席率が非常によろしいと。そうでない方の出席率が非常に悪い。つまり、ある特定のメンバーに偏った議論意見反映あるいは政策誘導がされているのではないかと思えるような実態だと私は見ました。この点については、会長、何かお感じになっていませんか。
  61. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  発言回数その他につきまして、恐らくその出席委員の性格もあるとは思うんであります。それで、中にはなかなか発言の拍車が掛からない先生もいらっしゃいますし、それぞれ見ておりますと、まちまちであります。もう一つ、先生がおっしゃるように、長い人ほど、長い人ほど過去のことをよく知っていますし、そういう意味では、発言が雪だるま的になっていくというのも、これも一つの法則かもしれないというふうに思います。したがって、新しい人は、むしろどちらかというと、その場に慣れるまでは少し発言がゆっくりしておるという感じを私は受け止めております。
  62. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 大変善意の解釈で、そういう受け止め方もあるのかなと思いますが、ただ私は、正直言って、例えば再選は何回までにとどめるという規定も含めて考えた方がいいんじゃないかと。つまり、八年、九年と同じ人が同じ立場で同じ委員をされているということは、やはりどうしてもその本人及び周りもそういう受け止め方で接するようになってくるので、そこにある意味ではよどみができる可能性があるのではないかというふうに思います。ここはちょっと私の方がシビアな受け止め方をしているということを指摘をしておきます。  そこで、あと、せっかくおいでいただいた草野参考人、それから千葉参考人にそれぞれお伺いします。  冒頭に、私が作った図をお示しいたしました。もしかして間違っているのかもしれませんが、この構成は、どうも今の医療の現状を正確に反映して物事を決めていく仕組みとしては適切ではないのではないか。特に、右の下の方に書いてありますユーザー、患者等と書いてあるところは、実は一部自己負担はここから直接に支払うわけでありまして、そういう意味では、売手と買手と相対して物事を決めるというところから、一番肝心な患者さんのところがどこか横に外れているのではないか。  もちろん、皆さんが、支払側皆さんがそういうことを十分踏まえて意見をおっしゃっているということは期待をしますけれども、しかしなかなかそこのところはなり切れていないのではないかという思いがしてなりませんが、この点について、それぞれお二方の御意見をいただきたいと思います。
  63. 千葉一男

    参考人千葉一男君) ただいまの御質問でございますが、私どもとしては、連合会に所属する組合員といいますか、は現在三千百万ぐらいいると思います。私どもとしては常にその三千百万の代表であるという意識を持っていろんな会合なりなんなりにも意見を出しているというところでございますので、先生指摘のように、金の流れといいますか、そういうことからいいますと、やや保険者と被保険者と別のカテゴリーで出されておられますが、私どもとしては、これを一緒に、便宜的に支払側というようにくくっておりますけれども、患者を代表して意見を出さなきゃいけないなという立場で物を言うことを、何といいますか、義務付けているといいますか、使命だと思っている次第でございますので、何といいますか、患者の意見を、もし患者側の意見を出すことが不十分であるというのであれば、我々の、何といいますか、役割が足りなかったというふうに反省しなきゃならない点じゃないかなというように思っている次第でございます。
  64. 草野忠義

    参考人草野忠義君) 私どもも、支払側立場として患者さん、まあ我々自身が患者という立場もありますので、そういう立場で発言をしているというふうに私は信じておりますけれども、今、朝日先生指摘のことは、恐らく中医協の改革の今後の視点の一つとしてこういうものをとらまえていこうという御指摘ではないかというふうに思います。  そういう意味でいいますと、やはり審議会等におきましては、幅広く国民を代表する方々の意見を反映するというのが正にその目的だろうというふうに思いますし、衆議院の厚生労働委員会におきますこの参考人の中で私ども会長の笹森が、今の医療の、医療費全体の三十数%はたしか税負担と、公費負担ということになっていると思いますので納税者という立場での委員の参加が必要だというふうに申し上げた中には、今、朝日先生指摘の、やはり患者、ユーザーの立場からという視点も入っているというふうに私は理解しておりますので、先生の御指摘は正にそのとおりではないか、こういうふうにも思っております。
  65. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 ありがとうございました。  実は、昭和二十五年、一九五〇年、中医協がスタートしたときは、その構成保険者、被保険者、事業主、医療担当者、それぞれ区分けして代表を出していただいたんですね。それが三十六年のときに今の三者構成に変わった。  もうこの話をするとまた大変な大騒動が起こるかもしれないということを予感しつつも、しかしここで、この委員構成在り方も含めて、あるいは公益委員の数がこれでいいのかということも含めて、一度きちっと半世紀ぶりに見直し作業をするということは是非必要だということを訴えて、私の質問終わります。
  66. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  今朝早くから当委員会におきまして、この中医協舞台にした贈収賄事件について、参考人四名の方、御足労いただきましていろいろと質疑が行われているわけでございますが、私どもも、医療の基本である診療報酬制度を、やはりこういう贈収賄の事件が起こりますと根幹から揺るがしてしまって、そしてまた、医療費の増大が問題視されている中で、どうやってこれを抑制しようかと言っているさなかに起こった事件でもありまして、国民から見ると非常に許し難い今回の事件であったということを念頭に、若干他の同僚委員が既に質問したことと重なる部分もあるかと思いますけれども、四名の方にお伺いをしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。  まず最初でありますけれども、先ほど来既に出ておりますけれども、今回の事件を受けて、やはりこの診療報酬の決定、あるいは改定過程の不透明性というものが指摘をされているというふうに思います。  最初に、星野参考人に伺いたいというふうに思っておりますが、この中医協審議というのは公開が原則になっているわけでございます。ただ、一部で、この公開であるがゆえに、そこの公開される審議の中ではどうしても、各委員が自らが代表している団体や利益者を代弁する建前論がどうしても出てきてしまう。そして一方で、合意を最終的にしなければいけないということでありますので、なかなかそこに向けた本音の議論がこの公開審議の部分でできないのではないかと。  星野参考人よく御存じだと思いますが、新聞等では、実際には裏交渉というものが結構中医協では行われていて、この裏交渉は厚生労働省の事務方が取り仕切っていて、実はそこで本質的な交渉が行われているのではないかというような指摘があったわけでございます。  この点について、参考人の率直な御感想、御意見、また、変える必要があるとすればどういうところがあるのか、お伺いをしたいと思います。
  67. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  今御質問の件についてでございますが、中医協で多分公開をしておりまして、それで休憩を取ることがあるわけであります。伊達先生が冒頭言われましたように、お互いに公開の場でございますと、みんながいるところでなかなか、建前論が先行して本音がなかなか見えない、そのために議論が膠着するという状況で、しかしながら結論は合意に持っていきたいと。  なぜ合意に持っていきたいというかというのは、先生御存じのとおりだと思いますが、合意がないと実行ができませんから、幾ら何を決めても。ということでございますが、その合意に持っていくために、私始め公益委員が、それぞれの側、一号、二号側と別々にお会いいたしまして、そこでかくかくしかじかがどうだろうかというようなことについていろいろお話合いをさせていただきます。時に長いこともございます。したがって、休憩時間が一時間を超えて二時間になることもあるかもしれません。  しかしながら、先生のお言葉なんでございますが、厚生労働省のお役人さんがそれを取り仕切るということはございません。後ろで聞いているときもあれば、後ろというのは、我々が、例えば一号と公益委員がいるところの席で後ろに座って聞いておられることもありますし、必要なときには出ていってもらいます。それでお互い議論をするという格好にしております。  したがいまして、私どもが、お互いがだんだん縮まってきて、まあこれならいけるなというときに会を再開いたします。会を再開することによりまして議論がもう一歩進んでいくと。こういう、私どもとしては、いわゆる労働問題でございますと、仲介でありますとかあっせんとかという言葉を使いますが、私どもは別にそういう法律用語は必要ないのでありまして、そういう審議会運営の中でそれぞれのすり合わせをしていくということをやっておるわけでございます。
  68. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ありがとうございます。  それで、今、厚労省の事務方が休憩時間のいろいろな折衝というか交渉を仕切っているということはないということであったわけでありますが、そうすると、いろんなところで報道されているその部分はかなり誤解に基づいたものというふうに言えるかと思いますが、その上で大塚参考人にお伺いをしたいと思いますが、これは本当に基本的な質問で恐縮ですけれども中医協診療報酬改定等をめぐるプロセスの中での、厚生労働省が、法律上定められた、あるいは慣例上行ってきた役割というものは端的に申し上げるとどういうものになるんでしょうか。
  69. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 先ほど来の御質疑の中でも診療報酬改定のプロセスの話が出ておりますが、それと関連するわけでございますが、中医協という三者構成審議会の言わば事務局の役割を果たすという面が一つございます。これはロジスティックを含めて御連絡をするというような全くの事務局的な役割もございます。と同時に、これも既にお話が出ておりますけれども医療費の問題は大変国の予算編成にも大きな影響をする問題でございますから、行政として、あるいは医療政策とも関連をする問題でございますから、行政としてこれに取り組む、こういう両面があるわけでございます。  したがいまして、事務的な作業としてどういうことをするかといいますと、診療報酬改定、原則二年に一遍でございますけれども、全体の予算の状況を見るというのが一つと、医療政策の動向を見ると。その動向の中には、専門的な御意見を十分お聞きするということを自分たちの肥やしにしながら医療政策の動向に沿った改定作業をすると。その形の上ではお手伝いをするわけでございます。  しかし、スタッフも相当数いるわけでございますから、具体的な案の設定、それに対する御意見の集約、まあ、一連の作業の全般にかかわる。しかし、最終的には予算編成をこなし、診療報酬が実行できるように関係者の合意が形成されるためのあらゆる事務的な作業を担当する、こういうことかなと思っております。
  70. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 今の大塚参考人の御説明ですと、事務的なバックアップを全面的にされているということで、私も与党の議員として厚労省の皆さんとはいろいろと仕事をさせていただいていますから何となく想像は付くわけでありますけれども、できれば、次にもう一回星野参考人にお聞きすることなんですが、例えば事務的なバックアップというのは、これだけ大きな作業を、診療報酬点数改定等は非常に膨大な作業になりますから、当然必要だということをあえて認めた上で申し上げるんですが、これも一部マスコミ等でも指摘されていますけれども、この診療報酬点数改定について、引き下げるにしても引き上げるにしても、そういうことをする、改定をすることが必要だというための客観的、科学的根拠、あるいはデータというものが本当にちゃんと示されているのかどうか、あるいは決められる中医協委員の方々がそれをしっかり共有をしてそういう議論になっているのかどうか問題視をする声もあるわけでありまして、先ほど他の委員質問に対するお答えの中で、議論は率直にやっているしデータにも基づいているというお話があったんですが、例えば、今正に大塚参考人がおっしゃったように、事務方が全面的にバックアップするという中には、いろんな科学的なデータ、客観的なデータも厚労省が出すものに依拠して、そして議論を進めているんではないかと。例えば、そのデータがかなり膨大な量で、本当にそうなのかどうか、正しいのかどうか、適正なのかどうか、判断する余裕もなくその辺やっちゃっているんではないかという指摘があるんですが、この点について星野参考人、どうでしょうか。
  71. 星野進保

    参考人星野進保君) 私が経験しております二つの事例について申し上げたいと思いますが。  昨年の年末、いわゆるゼロで一応医療費を、薬価は除きますが、我々は要望を出しましたが、その過程でございますが、まず二号側はどういう要求をデータに基づいて持ってきたかというと、いわゆる医療安全の問題をかなり中心に絞りまして、医療安全の根拠になる積算データを持ってまいりまして、それをもって引上げが必要であるという根拠を示したわけです。それに対しまして一号側は、現下の物価、消費者物価ですね、の下がり具合、あるいは賃金の状況といった、どちらかというとマクロ数値を持ってきまして、それでこれはかなり引下げの余地ありと、全体の経済情勢から比べてですね、という議論で、要するに上げるか下げるかというところで割れていったわけでございます。  これはあくまでもデータに基づいております。したがって、そのデータをお互いがある意味で批判し合うという格好を取りました。つまり、賃金データというのは、どちらかというと国家公務員の賃金の引上げ率を出すけれども、それでいいんだろうかと二号側は言いますし、今度は、二号側の出した積算根拠というのは本当に詰めていって堪えられるものかというような議論を繰り返したわけであります。しかしながら、お互いになかなか、それで一気に、お互い会議の中で、はい私は間違えましたとすぐ言うはずがありませんね、出した以上は。したがいまして、今度は一号側と二号側を別々にお呼びいたしまして、公益委員が中に入って、それぞれのデータについて公益側委員の考え方としていろいろ議論をして調整をしていったと、それが最後にゼロになったと、こういうプロセスを取りました。  それから、今度は診療報酬改定そのものにつきましてでありますが、先生指摘のように、医療経済実態調査のような、こんな厚い統計が出てまいります。確かに事務方にお願いしてやるわけです。事務方は、医療調査をする前に、我々の協議会に、今度はこういう調査をやりますが調査方針でよろしいですかと、まず聞くわけですね。その調査方針にはこういうことを付け加えてくださいとか、あるいはこれはもうそろそろ要らないんじゃないかということを中医協の中で御注文を申し上げます。中医協自身には手足がないわけでありますから、そういう意味では事務方は非常に頼りになるところであります。したがいまして、それについて全部見る暇があるかということでございますが、それは、かなり要約されたものを要領よく事務方が説明してくださるというのは非常に助けになるわけですね。一冊を我々が読んでそれであれだけの要約をしていくというのはなかなか大変なことでございますが、そういうことが実態の一つだと思います。  それから、診療報酬の個々の項目につきまして、先ほど来御議論がありますように、まず、診療報酬改定の年になりますと、年度になりますと、春ごろから双方の、双方というのは一号、二号の問題点を、課題をいろいろ聞きまして、だんだん課題を集約していくわけであります。それで全体の今年の医療費、診療報酬改定改定ですね、改定の主要項目が何かというのがだんだん詰まってくるわけでございまして、それについてデータの足りないところはまた厚労省の皆さんに、御足労を掛けますが、いろいろこういうデータを集めろとか、そういう注文を中医協から出させます。特に重要なときは、是非それはやってくださいといって座長であります私の方からちゃんと注文を付けます。  そういうことを経ながら全体の枠組みが年末に決まりまして、その翌年の一月にあの分厚い今度は診療報酬についての点数表ができ上がってくるわけでありますが、その点数表のでき上がる主要部分、主要課題、改定の主要部分ですね、そのままずっと同じものは、別に、前年と同じになっているものが多いわけでございますが、改定部分につきましては、ほぼ、春以来、両者の問題意識の提供に流れながら、ほとんど中医協議論をされております。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  ただ、中医協点数を幾らにするというのを、具体的に何々が幾らということは我々できません、率直に言いますと。ただ、これは上げた方がいいな、条件は緩和した方がいいな、あるいは下げた方がいいなと、その方向性については中医協がそういう意味では事務方に指示することになるわけでございまして、その上であの分厚い表ができ上がってくるというふうにお考えいただいてよろしいんじゃないかと私は思っておりますが、はい。
  72. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 大変率直な御意見、ありがとうございます。  それで、今、細かいところが、なかなか率直に言って委員の方が、お時間もなかなかないでしょうし、大変に扱う量が膨大だということで、条件緩和という表現も使われていましたけれども、正に今回の贈収賄の一つの舞台になったのは、まだ容疑の段階ではありますけれども、掛かり付け歯科医の初診料についての適用条件の緩和の実現のために行われたということが報道されているわけでありまして、そういった意味では、これちょっと改革をしていかないとなかなか再発防止というのが図れないんではないかというふうに今のお話を聞いても改めて思うわけでありますが、そこで具体的にちょっと二点だけ、また星野参考人で申し訳ないんですけれども、お聞きをしたいと思います。  坂口厚生労働大臣も、中医協在り方、見直すべきではないかという方向性は既に国会の答弁で示されているわけでありますが、例えば、まず一つとして、中医協委員構成、これが医療側が現在八名、支払側が八名、公益代表者が四名ということになっているわけでありますが、今回の贈収賄事件は、本来であれば、今のお話にもちょっとありましたけれども診療報酬の引下げを主張する側と引上げを主張すると思われている側、この双方がいわゆる場外で贈収賄という犯罪行為をしていたということで大変衝撃的な話になっておるわけでありますが、そう考えてみますと、やはり公益代表者の数が最初の前者二つのグループよりも半分であるということから考えまして、やはりこの公益代表者の比率を上げるべきではないかと。具体的な人数は、やり方いろいろあると思いますのであえて申し上げませんが、八、八、四という比率からもうちょっと四の部分を上げるべきではないかという意見がありますけれども、これについてどう思われるか。  それから二点目、もう一つまとめて申し上げますが、二点目は、診療報酬改定した後にその事後評価を専門家等が中心になって客観的に行って、その結果について公表するということも考えた方がいいんではないかということが複数の国会議員から衆参で指摘をされているわけでありますが、この点についても御意見いただきたいと思います。
  73. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  第一問目でございますが、私の立場は、現在おります二十名の委員の方に御協力をいただいてより良い中医協を進める立場にございますので、現在の委員を変えるべきか変えざるべきかということは私は答えることの立場にないというふうに思います。  ただ、先ほど朝日先生質問にもありましたが、時代の流れとしまして、全体が、全体として中医協見直していこうということについては私は反対でも何でもないんであります。むしろ、先生方の目から見て、よりこれなら機能的になるだろう、あるいはより、本当は一番重要なのは、患者さんあるいは国民のためになるだろうという方向であれば、当然、中医協の今のメンバーもそれに対して嫌とは言わないだろうと私は思っておりますので、むしろ私が今ここで先生の御質問にこうした方がいいとか公益委員は増やした方がいいとか言う立場にはないという立場を御理解いただきたいと思いますが、せっかくの機会でございますので、そういう先生たちの御努力をむしろ期待申し上げる次第であります。  第二点であります。事後評価につきましては正にそうだと思います。ただ、データをどういうふうにするかとか、データがいつごろ出てくるかとか、事後評価のポイントというのは、非常にある意味では専門技術的な問題だと思います。  それで、一つだけ先生に申し上げますが、事後評価する場合に最近一番よく聞かれますのは患者満足度です。要するに、患者が実際にいろんな、インプットは分かるんですね、お金を幾らぐらい、例えば小児科分野にどのくらいつぎ込んだかということは分かるんですが、これはコスト表示なんですね。ところが、それによるベネフィット、患者さんたちがどのくらい満足したかと、実はこれ、学会でもないんですね。  したがいまして、本当にやろうと思えばそこまで少しきちんとやらないと、事後評価をやっても、ただこの分野にはお金がたくさん行きましたと、要するに公共事業投資と同じような話になってくる可能性もあるわけですね。したがいまして、そこはかなり専門的な方、しかもこういう医療関係にお詳しい方、実態から見てどういう事後評価がいいかということをかなり慎重におやりいただくことが必要なんじゃないかというふうに思っております。  以上でございます。
  74. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ありがとうございます。  我々国会議員の方でもしっかりと議論をして、今後の在り方について、特に公益代表者は国会同意人事で選任をしているという事情もございますので、今後しっかりと議論していきたいというふうに思います。  次に、千葉参考人草野参考人、それぞれお伺いをしたいんですが、もう余り細かいことは申し上げませんけれども草野参考人が事務局長をされております連合の副会長であった加藤さんが逮捕をされた、それから千葉参考人会長をやられております健康保険組合連合会の副会長であった下村さんが逮捕されたと、両方とも収賄ということになっているわけですが、もう既に委員会でもいろいろ議論がありますし、新聞でも報道されておりますけれども、特定の政策あるいは答申の案件に関していわゆる途中で御発言が何となく変わったということが指摘されておるわけでありまして、それに相前後して金品の授受があって賄賂性が認められたということで逮捕になったというふうに理解をしておりますけれども。  ここで一点、素朴に国民皆さんも疑問に思っているのは、例えば連合の中において、この診療報酬でありますとか、あるいはもっと具体的に申し上げますと掛かり付け歯科医の初診料の条件緩和とか、必ずしも支払側にとっては有利にならないことを容認する御発言等が双方途中であったというふうに、表現はいろいろ違いますけれども言われておるわけです。当然、その健保連であるとかあるいは連合という組織を代表して出てきている方々ですから、こういった議論をしている途中で経過報告なりあるいは相談なりされていたのかどうか、あるいはもう全く連合もそれから健保連も一回委員を出したらもう出しっ放しで、ある意味、個人のレベルでもうやっておられたんだと、そういう立場なのか、その辺についてそれぞれお伺いしたいと思います。
  75. 草野忠義

    参考人草野忠義君) お答え申し上げたいと思います。  私ども連合におきましては、正規といいますか、審議会、まあ部会、分科会を含めてでありますが、それといろんな大臣等の私的諮問機関等ございますが、そこには延べで二百十六名を委員として推薦をいたしております。ただ、これは延べでございますので、実人員としては多分百三十名ぐらいだろうというふうに思います。  そういう中で、この中医協に対しましては、私どもは大変重要な会議だと意識をいたしておりますので、この委員が出る会議には、これは公開ということもございますが、私ども必ずそれは傍聴をさせていただきまして、その発言内容については全部チェックはさせていただいております。委員に任せたということはありません。  その中で、前段先生が言われました、途中で発言が変わった、あるいはそのことに相呼応して賄賂をもらったんではないか、金品を収受したんではないかということが言われておりますけれども、私どもが議事録を、逮捕された後、議事録概要についてチェックいたしましたところ、私どもとしてはその事実はまだ認められないんではないかと、こういうふうに思っております。  弁護士の接見での御本人の発言も、発言については委員としての信念に基づいて発言をしたというふうに私どもは聞き及んでおりますし、ただ、一般論で言った場合と、それを結び付けて言う場合と、なかなかこれは専門的な方に分析していただかないとよく分からない部分もあろうかと思いまして、私どももその点については今専門家の方にも精査をしていただいているところでございますので、取調べの最中ということもありますのでこれ以上は控えさせていただきますが、私どもなりにその部分は精査をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  76. 千葉一男

    参考人千葉一男君) 健保連といたしましては、診療報酬に関しては、まず、健保連の常任理事を中心にして診療報酬対策委員会というものを結成しております。やはり専門的な事項が多いものですから、いろいろ検討するにこの委員会に付託しているという状況であります。  中医協におきまして診療報酬審議するに当たりましては、大体、審議項目についてこの診療報酬委員会意見を求める、そこで意見を聴取するというのがやり方でございまして、大綱については常任委員会あるいは正副会長会議、そういうもので承認をし、また、そういうものに基づいて報告を受けて、中医協委員の発言については十分見ているつもりでございます。そういうことで、中医協健保連の推薦委員については健保組合意見が十分に反映されるように見ておる次第でございます。  それから、御指摘中医協の議事録についてでございますが、詳細については見ておりますが、ざっと私ども見た、私の感じとしては、そう意見が変わったようにも取れないようにも思える節がございます。現在、健保連内部に調査委員会を設置いたしまして、その辺も詳査といいますか、精査をしているところでございます。  以上でございます。
  77. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 もう時間がなくなりましたので質問はもういたしませんけれども、一言申し上げたいのは、今、最後に両参考人のお話伺っていますと、司直の手にゆだねられておりますので、これからいろいろな厳正な調査捜査なりが行われて全容が明らかになっていくことを私も期待をしておるわけでございますけれども、他方で、いずれにいたしましても、こういうことが疑われる、逮捕というところまで行ったということは、深刻に、やはりそれぞれの団体、委員を出したという立場から受け止めていただいた上で、医療費という、少子高齢化の中でこれからどうしても増えていかざるを得ないけれども、しかし、これをしっかりと国民全体で持続可能なものに維持をしていかなければいけないということもございますので、そういった観点からそれぞれのお立場でまた鋭意再発防止に努力をしていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  78. 井上美代

    ○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。  今回の事件で、公正透明であるはずの中医協が日歯連のマネーによってゆがめられていたということが明らかになりました。歯科業界をめぐる政そして官そして業のこの癒着を徹底的に究明し、国民の命に直結するこの厚生行政が日歯連のマネーによってどのようにゆがめられたのか、そして、全容を明らかにし、正していかなければいけないというふうに思います。  私は、先日の当委員会で、厚生労働省のいろんな幹部、局長審議官、課長など多くの職員が、日歯とそして日歯連会長、兼務をしておられるんですが、この会長でもある臼田氏に面会するために日歯本部を頻繁に訪問していることを細かく拾って明らかにいたしました。  特に、二〇〇二年の診療報酬改定について審議が進められていた時期であります二〇〇一年の後半には訪問回数も大変多くなります。二〇〇一年八月から十二月までで十五回というようになっておりました。九月には八回、十一月には四回、このようになっているのでございます。この時期の訪問の中で、掛かり付け歯科医初診料の問題についても話し合われていたのかどうかということを、同じ時期に言ってみれば問題になっておりますので、この時期に、臼田会長から接待を受けたときにその話も出ているかどうかということ、そしてまた、臼田会長から接待を受けた厚労省の職員はいなかったのだろうかということを政府参考人にまずお聞きしたいと思います。御答弁願います。
  79. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 私ども診療報酬に関して今大きな問題になっておりますので、診療報酬に関して、ラインの当時の担当者に対して聞き取りを行っております。  聞き取りを行っている中で、日本歯科医師会との往来ということも確認しておりますが、往来をしていることは事実でございますけれども臼田会長から接待を受けたという者はいないと認識いたしております。
  80. 井上美代

    ○井上美代君 やはり調査をしておられるというふうに思いますけれども、これは当時の担当者を一人一人改めていくということをしなければ明らかにならないというふうに思うんですね。だから、それだけでもうありませんでしたということでは済まないというふうに思いますので、私は、これも具体的に一つ一つを調査するべきであるというふうに思います。  連合の方に、参考人にお聞きしたいんですけれども連合の、二十日の衆議院の参考人質疑の中で、中医協審議中に意見が対立して審議が中断した際に、労組の代表を除いて話合いを進めていたということが言われているんですね。このことなんですけれども、こういったことが、二〇〇二年の診療報酬改定に向けた動きがありますよね、そのときにもあったのかどうかということをお聞きしたいわけなんです。何しろ、政治折衝的なことが行われる中、労働組合については、場外で決まっていくという経過も労働組合としては感じたという御答弁があるんですね。  だからお聞きしたいわけなんですけれども、二〇〇二年の改定に向けまして、診療報酬改定されておりますよね、そこに向けましてそういうことがあったのかどうかということをお聞きしたいんです。参考人、よろしくお願いします。
  81. 草野忠義

    参考人草野忠義君) 今、先生指摘のように、衆議院の厚生労働委員会におきまして私ども会長の笹森が発言したことについての御指摘だというふうに思いますが、若干、あのときの先生方との、衆議院の先生方とのやり取りの中で若干食い違いみたいなものがあったんではないかと、こういうふうに私は理解をいたしておりまして、笹森が申し上げたかったことは、中医協ではもうこれ以上やっても仕方がないということで、中医協が終わって、後、全く別の場所での政治折衝に入ったときに労働側は呼ばれなかったというふうなことを申し上げたつもりでございまして、中医協の場の中断、いわゆる先ほど星野参考人中医協の場というふうにおっしゃいましたが、その場の休憩時間中に政治的な話合い等があったということではないということで御理解をいただきたいというふうに思っております。  それから、そういった意味では、ちょっと二〇〇二年の詳細については今すぐお答えできるだけのを持ち合わせておりませんが、少なくとも、衆議院の同委員会におきます笹森発言については、そういう事実経過を踏まえて申し上げたということで御理解をいただきたいと、こういうふうに思っております。
  82. 井上美代

    ○井上美代君 私は、次に、日歯広報をまた詳しく見ているわけなんですけれども、二〇〇二年の三月の十六日に臼田会長中医協委員と懇談をしたというふうに報じられております。  下村加藤容疑者以外の中医協メンバーで臼田会長から接待された人がいたのかどうか。これは星野会長にお聞きしたいんですけれども、そういう接待された人がいたのかどうかということですね。あるいは、実際には接待を受けなくても、臼田会長から接待の話があった人がいなかったかどうかということです。これ非常に重要な内容を持っているというふうに思います。だから、お調べになる、今後ですね、そういうおつもりがあられるかどうかということも併せてお聞きしたいというふうに思います。星野参考人
  83. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  ただいまの御質問については全く承知しておりません。承知するすべもございません。したがいまして、今後調べるかと言われても、私の力で調べようがございません。
  84. 井上美代

    ○井上美代君 非常にやはり、先ほどからお聞きしながら、この事件に対する軽視があるというふうに思います。もっとやっぱり真剣にこの問題というのを、もう会長でもあられるわけですから、責任を持って解決をしていくという立場に立っていただきたいというふうに思います。その意味では、やはりどうすれば調べられるのか、調べる方法も考えてやはり調査をしていかなければいけないということを申し上げたいというふうに思います。  私はこの報道を持っているんですけれども、その報道によりますと、自民党の古賀誠議員が自民党議員約十人と一緒に歯科医療をテーマとした勉強会というのを立ち上げていらっしゃるんですね。そして、二〇〇一年十一月ごろに料亭でこの勉強会を開いて、厚労省幹部や日歯の役員が参加したということなんですね。  厚労省の職員がこの料亭の会合に参加したのは事実だろうかということを、これは政府参考人に聞きたいんですけれども、事実だとすれば、この場にいた厚労省の職員はどなたが出席したのかということをお聞きしたいと思います。また、どんな議論をして、ここでも掛かり付け初診料は議論になったのかどうかということ、これも併せてお聞きしたいと思います。そして、どんな接待を受けたのかということもお聞きしたいと思います。政府参考人答弁を求めます。
  85. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 先ほど申しました私どもの今までの聞き取りの結果でございますが、行政側の出席者は、当時の保険局担当審議官及び歯科保健の担当しております歯科医療管理官、それから歯科保健課長ということだと記憶されております。と関係者の記憶でございます。  それから、会議の内容は、歯科に係るフリートーキングのみであり、今問題となっている掛かり付け歯科医初診料についての具体的な要請、働き掛けを受けた記憶はないということでございます。  それから、形でございますが、場所はホテルの会議室でございまして、会が夕刻から始まったことから会議室のテーブルで食事を取ったとのことでございますが、いわゆる接待といったものではなかったというふうに聞いております。
  86. 井上美代

    ○井上美代君 この問題についても、今御答弁はありましたけれども、更に正確に調査をする必要があるというふうに思います。だから、是非調査を要求したいと思います。  それで、先に進みますけれども、私は、二〇〇〇年の一月に自民党の医療基本問題調査会の中に少子高齢社会歯科診療の報酬等に関する小委員会というのが設置されました。そして、この小委員会のメンバーには日歯連から多額の献金がなされていました。報道では、その小委員会の会合の中で、厚生労働省職員が自民党の木村義雄議員から掛かり付け歯科医初診料の条件を緩和せよと迫られたということが言われております。木村議員は、厚生政務次官そして厚生労働副大臣を歴任しており、大きな影響力を持っていたことは容易に推察ができるわけなんです。報道では、二〇〇〇年四月ごろから二〇〇一年にまで、長期にわたって厚労省職員に対して木村議員の要求が続いていたということです。  これは事実なのでしょうか、政府参考人答弁を求めます。
  87. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 先ほど申しましたように、当時の担当者、ラインの担当者から聞き取りをいたしておりますが、この聞き取りによりますと、この医療基本問題調査会少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会、これがあったことは事実でございますし、それからそれにお呼びを受け行ったという事実はございますが、木村委員から掛かり付け歯科医初診料に関して行政に対する具体的な要請があったという記憶はないということでございます。
  88. 井上美代

    ○井上美代君 報道もされていることではございますので、やはりこれも調査をきちんとやっていただきたいということを要求いたします。  この小委員会は、何度か開かれたようなんですね。  日歯広報を見ますと、二〇〇〇年二月の十五日号には、その前の月の一月二十七日に自民党本部で小委員会が開かれたことが掲載されております。この会合には保険局長、そして審議官、保険局の医療課長も出席しておられます。そして、保険局企画課長、そして健康政策局保健課長など職員の方も出席しております。  また、日歯広報の二〇〇〇年の十一月五日号でですけれども、これを見ますと、十月の十九日にこの小委員会が自民党本部でやはり開催をされております。臼田会長ほかの日歯の幹部も参加をしております。厚労省からも審議官始め十人が参加したことになっております。  この小委員会は何度か開かれているようですけれども、厚生労働省の職員はだれがこれに参加しておられるのか、いつこれは行われたのか、そして何を論議するために参加をしたのか、ここを明らかにしていかなければいけないというふうに思います。この点、政府参考人、どのようになっておりますでしょうか、答弁を願います。
  89. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 私ども今まで調べた結果を申し上げたいと思います。  私ども、この小委員会に呼ばれるという形で出席をさせていただいております。そのような意味で、私ども出席しましたのは、今まで調べまして五回でございます。  まず、御指摘平成十二年一月二十七日の会合でございますが、これは小委員会が立ち上がった最初の会合という今までの理解でございますが、当時の近藤保険局長、それから私は審議官をいたしておりました。それから、保険局企画課長、同医療課長、健康政策局総務課長、同歯科保健課長が出席いたしたということは確認できました。それから、当時、厚生省から歯科保健行政全般についての課題について説明したということでございます。  それから、平成十二年十月十九日に会合が行われております。そのときは出席者は、審議官、私でございますが、それと歯科担当の医療課の歯科医療管理官、それから当時医政局の歯科保健課長が出席したと記憶しております。そして、その際の話、議題としては、議題といいましょうか議論になったことは、日本歯科医師会から歯科医師の需給問題についての説明があったという記憶が残っております。  それから次に、平成十三年十一月二十日に小委員会が開催されております。当時の担当者に確認いたしましたところ、当時の保険担当審議官と歯科医療管理官が出席し、歯科医師会から資料が提出されており、その中で掛かり付け歯科医初診料の算定要求の緩和について要望がなされていたと記憶していると言われております。そして、当時の担当者の話では、あえて申しますけれども、当時の当方の認識として、この問題は検討課題であるとの認識は持っているが、中医協の合意がなければ見直せないということを一貫して主張しておったという認識の下で、中医協での御議論をしていただく必要があるということを伝えたと記憶しておるということで、個別具体的に見直すという約束をしたという記憶はないと。この点、その当時、できる限りの関係者の話を聞いて、そのように私どもは認識いたしております。  次に、平成十三年十二月十一日の会合でございますが、当時の担当者に確認したところ、当時の保険担当審議官と歯科医療管理官が出席し、同様の議論であったという記憶でございます。  最後に、十四年一月二十九日に会合が持たれております。当時の担当者に確認したところ、当時の保険担当審議官と歯科医療管理官が出席し、中医協審議状況説明するとともに、今後の対応としては、中医協審議に付すために実務的に検討をし、今の歯科保険料についての話でございます、歯科初診料についての話については、中医協審議に付するため実務的に検討をし、成案を得て中医協審議に付すと説明したと記憶しているということでございました。
  90. 井上美代

    ○井上美代君 日にちを追って答弁していただきましたけれども、やはりこの事件はまだ序の口に入ったばかりだというふうに思います。そういう意味では、更に調査を続けていただいて、詳しくもっと深く、深いところを調査していただきたいというふうに思います。  次に移りたいと思いますが、次の問題は身体障害者の福祉法の第十五条にかかわる厚生労働省通知の改正をめぐる問題です。  これは、日歯は障害者手帳の申請時に添付する診断書の作成資格を歯科医師にも与えることをずっと強く求めてまいりました。そして、二〇〇一年の九月に、日歯の念願にかなって通知が改正をされました。日歯広報のいろんな掲載によりますと、この二〇〇一年十月、まず五日号ですけれども、この経緯を報告して、一番最後のところに、この改正には、日本医師会の坪井会長、そして石川副会長、安倍官房副長官、そして今田厚生労働省障害保健福祉部長、そして根本衆議院議員の甚大なる協力があったということを感謝を込めて書いてあります。  そこで、根本議員から厚生労働省へはどのような働き掛けがあったのかということをまず御答弁願いたいと思います。政府参考人
  91. 塩田幸雄

    政府参考人(塩田幸雄君) そしゃく機能障害が身体障害の範囲に加えられましたのは昭和五十九年の身体障害者福祉法の改正でございます。そしゃく機能につきましては、医師のみならず、歯科医師と非常に関係の深い分野であるということから、当時の国会議論におきましても、医師のみならず、歯科医師がもっと関与すべきであるという議論がなされました。その結果、法律改正は将来の課題として、当面、運用通知で歯科医師意見書を添付するという解決が図られたところでございます。  昭和十三年の通知改正というのは、その後の医学でありますとか歯科医学の進歩、それからその後も国会での論議が深まりまして、例えば参議院におきましては歯科医師診断書によるべきだという議員立法が提案されるなど、いろんな動きがございました。さらに、関係専門先生方々も歯科医師の関与をもっと深めるべきだという御意見が出されました。そのような状況を踏まえまして、厚生労働省として、当初の運用通知を更に改正いたしまして、歯科医師の関与をより明確にしたという趣旨で改正を行ったものでございます。  このように、この改正につきましては、与野党を問わずいろんな先生方から多角的な御意見をいただきましたし、関係の方面の専門の方々のいろんな御意見をいただいた上で厚生労働省として実務的観点から改正を行ったものでありまして、具体的に、どのような先生から、いつ、どのような形でどんな御指導とか御助言をいただいたかについては、資料も残っておりませんし、明らかでございません。また、当時の担当者に確認したところ、具体的に、いろんな先生から、いつ、どのような御指導を受けたということについても記憶はないということでございます。
  92. 井上美代

    ○井上美代君 やはり記録がない、資料がない、聞いても分からない、忘れた、もうこういうことではやはりこうした事件というのは解決にならないというふうに思います。これも調査を更に進めてほしいと思います。  そこで、私は聞きたいんですけれども、根本匠衆議院議員への日歯連からの政治献金についてなんです。  根本議員は、自由民主党の福島県の第二選挙区の支部の支部長を務めておられます。「新しい世紀を拓こう」会、そして匠フォーラム、政治経済機構研究会、日本パラダイム研究会、トータルプラン研究会という政治団体があります。これらは六つの政治団体ですけれども、そのほかに根本匠政経セミナーを開いておられますし、資金の受皿としてこういうところをしておられる。  これら六つの団体とセミナーに対して、日歯連の政治資金収支報告書では、政治活動費として、二〇〇〇年、そして二〇〇一年、二〇〇二年に幾ら支出されているかということを御答弁願いたいと思います。
  93. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。  日本歯科医師連盟の二〇〇〇年から二〇〇二年までの収支報告書の記載について確認いたしましたところ、「新しい世紀を拓こう」会、匠フォーラム、政治経済機構研究会、日本パラダイム研究会、トータルプラン研究会、自由民主党福島県第二選挙区支部、根本匠政経セミナーに対する支出額は、二〇〇〇年、「新しい世紀を拓こう」会に六十万円、この年は合計で六十万円でございます。二〇〇一年、匠フォーラム三百万円、政治経済機構研究会三百万円、日本パラダイム研究会三百万円、トータルプラン研究会二百二十万円、自由民主党福島県第二選挙区支部百万円、この年の合計が千二百二十万円。二〇〇二年、政治経済機構研究会百万円、日本パラダイム研究会百万円、根本匠政経セミナー百二十万円、合計三百二十万円、このような記載があるところでございます。
  94. 井上美代

    ○井上美代君 今、年を追ってお金が入っていることが報告をされました。身体障害者の福祉法第十五条、これは通知の書換えがあったのは二〇〇一年九月なんですね。だから、これが、なぜ二〇〇一年が一千二百二十万円になっているかということが必然的につながるわけなんです。  こういったところをやはり私たち明らかにしていくということを求めたいというふうに思うんです。やはり政治と金、この関係解明していかない限り、こうした問題にメスを入れることはできません。だから、そういう意味で更に調査をして、そしてこの事件を明らかにしていく、解明していく、このことが重要であるというふうに思います。  私はそれにつきまして提案もしたいわけなんですけれども、日歯連マネーは、これ表に出ているものだけで年間で二十億円を超えるものだというふうに言われております。全容解明は全く今始まったばかりだということが言えると思います。厚生労働省としても、自らの責務としてこの全容の解明に取り組んで、そして国民に対する信頼回復に努めるべきだと思います。この問題についてまだ国民の前には全く明らかにされておりません。今日の答弁のところでも、参考人皆さんの御答弁をお聞きいたしましても、まだまだ今後これは調べられなければいけない中身がたくさんあるということが言えると思います。そうではないでしょうか。  そういう意味で、私は、厚生労働省内に調査委員会を設置してほしい、そしてこれを解明していくというふうにしていただかなければいけないというふうに思います。調査委員会を設置するということで厚生労働省の政府参考人答弁を求めたいと思います。
  95. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 今回の事案に関する調査につきましては、既に大臣の御指示により、現在私どもの方で、私自身が御指示を受けまして、現在、当時の中医協の議事録の精査あるいは関係者の聞き取りを中心に既に調査を始めておるところでございます。今御質問の点につきまして御報告をいたしましたのもその調査で得たことでございます。  いずれにいたしましても、国民信頼回復のためには、捜査当局の捜査状況も見守りつつ、事件の構造の解明をできる限り急ぎ、その解明を通じ、今後、中医協在り方を含めた中医協運営在り方を明らかにするように取り組んでいくことが必要だという大臣の御指示を受けておりまして、そのような観点から調査を進めてまいりたいと考えております。
  96. 井上美代

    ○井上美代君 大臣がその決意でおられるということだと思いますけれども、やはりこれは人数も要ることですし、そして深い知恵も要ることですし、そういう意味では、調査委員会というのをやはり国民に見える形で立ち上げていただいて、国民信頼を回復するためにもこれを動かしながら調査を深めていってほしいというふうに思います。その点、いかがでしょうか。
  97. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 私ども、これは中医協にかかわる、しかも診療報酬という一つの完結した体系の下での案件であるということで、私ども保険局がその点所管をし、そういうことから、大臣から御指示をもう既にいただいておりますので、そういう中で十分の調査に努力をさせていただきたいと思います。
  98. 井上美代

    ○井上美代君 私は、やはり今政府参考人から御答弁あっておりますが、やはり本格的に調査をやるためには調査委員会を是非設置してほしいということを再度お願いをいたしまして、次に移りたいと思いますが、次の問題は、やはり中医協の改革の問題です。  これは先ほどから何人もの方が問題を提起されております。私も、同じように、中医協委員の中に患者代表をやはり入れるべきだというふうに思っておりまして、是非それをやってほしいというふうに思います。これは、中医協会長、そしてあと千葉参考人と、そして保険局長政府参考人とに御答弁をいただきたいというふうに思います。
  99. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  中医協会長中医協委員の任命権がないのでございます。大臣が各団体の推薦を受けて任命するという形になっております。ただ、公益委員だけはこれは国会の御同意を得て大臣がお決めになるということになっておりますので、中医協会長自体が決定権を持つという範囲はないということを御承知いただきたいと思います。
  100. 千葉一男

    参考人千葉一男君) 先ほども触れた点でございますが、私どもは背後に三千百万の組合員を擁して、それの代表という形で事に処しているわけでございますが、そういうことから見ても、私たちの意見というのは患者を代表した意見であるべきだというように思っている次第でございます。形は健保連という組織の推薦という形になっておりますけれども、意識としては患者代表の意識を持って委員を務めるというように考えている次第でございまして、もし不足があれば私たちの不明の致すところで、もっと更に勉強しなきゃいけないなという点はあるかと思いますが、そういう使命を持って委員になっているというふうに考えている次第であります。
  101. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 中医協につきましては、その構成の考え方でございますが、加入者が保険料を支払い、それから傷病にかかった際には医療が提供されるという保険の枠組みに沿いまして、保険料を負担する側である保険者、被保険者及び事業所の代表者と、医療を提供する側である医師歯科医師及び薬剤師の代表者とが協議し、合意を得るための場として設けられ、そのときに調整役として公益委員が設置されているという構成でございます。  そのような観点から、御指摘の患者の立場からの参加を図るということにつきましては、被保険者の代表者が任命されているという理解に立つことができるというふうに考えておりまして、具体的には、日本労働組合総連合会、全日本海員組合及び国民健康保険中央会からの推薦で被保険者の代表が選出されているところでございます。  いずれにいたしましても、中医協在り方につきまして今後検討するという大臣の御方針の下で、今後様々な関係者の御意見も聴きながら検討させていただきたいと考えております。
  102. 井上美代

    ○井上美代君 やはりこのたびの事件の教訓は、やはり舞台になった中医協の問題というのは本当に軽視できないということですので、やはり、そこの舞台になった中医協がやはり変わる、このことが最も重要なことだというふうに思いますので、是非御努力をお願いしたいというふうに思います。  私は、この医療費を、この診療費を決めるという中医協というのは国民にとっても非常に重要なところだというふうに思うんですね。報道などを見ておりますと、やはり医療費を負担する患者や企業は蚊帳の外だということを幾つも指摘しているわけなんですね。そして、官僚や政治家、関係団体が密室で決める構図ができ上がってしまっているんじゃないかということが言われているわけなんです。  私は、やはり国民の一人一人の医療費、これがかかわっているこの中医協、やはりこの事件、全体としてはこの事件ですけれども医療費を決定するときはやはりもっと公正に、そして、こうしたいろんなことが深く汚染されているということが言われているわけで、そういう意味で、透明度をやっぱりどう取り戻すかということが重要だというふうに思いますので、二十一世紀に入ってきておりまして、何としてもこの点を見直し、そして徹底した改革を行うということが重要であるということを強調いたしまして、質問を終わらせていただきます。
  103. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。  まず、私も冒頭、日本歯科医師会日本歯科医師連盟の方が来られない限り事態を究明することができないと、そういう方たちを必ずこの国会に呼び、きちっと質疑ができるよう全力を尽くす、私たちは尽くしますし、委員長始め全力を尽くしていただきたいと思います。  次に、各都道府県の歯科医師会歯科医師連盟、自民党歯科医師支部の代表者、会計責任者、住所を調べました。これはほとんど一緒です。住所がほとんど一緒であり、代表者も一緒というふうになっております。これは御存じのとおり、かつて歯科医師会から歯科医師連盟は強制加入でしたが、訴訟が相次ぎ、入退会が自由になりました。しかし、実態はほとんど変わっておりません。  この点について、厚生労働省、指導をしている指導が全然効いておりませんけれども、全くこの分離をすべきではないですか。歯科医師会歯科医師連盟、自民党歯科医師支部が同じところにあり、代表者が同じである、会計もこの歯科医師会歯科医師連盟が同じ人が牛耳ってきた、それがこの今回の問題点の一つにあります。  厚生労働省、この分離についてどうされますか。
  104. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ちょっと速記止めて。    〔速記中止〕
  105. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 速記起こして。
  106. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 では、この点について厚生労働省はかつて指導をしたというふうに二〇〇二年、出ておりますが、全く実態は変わっておりません。この点について、分離がきちっと行うよう強く求めていきたいと思います。  三番目に、私自身もこの中央社会保険医療協議会の中身について申します。今回明らかになってきたことは、少人数で決めること、場外協議があること、巨額のお金が動いていること、最終的には三十兆円をどう決めるか、政治家の圧力が言われていること、献金でゆがめられていること、厚生労働省がこれにかんでいるというふうに、どう厚生労働省がこの問題にメスを入れることができるのか、その点などが明らかになっています。  そこで、改めてお聞きします。このような問題が生じた中医協は全取っ替えをするぐらい構成メンバーを洗い直す必要、あるいはだれを呼ぶかに関してやり直すべきではないですか。例えば、私は法務委員会に所属をしておりましたが、刑務所の問題が出て行刑改革会議を法務省は作りました。そこはむしろいろんな方に入ってもらい、かなり斬新な提言が行われています。  今回、危機感が足りないというか、ごく少人数の、しかも関係がある人たちが集まっているので、日歯連はその人たちを押さえれば大丈夫、自民党の有力議員を押さえれば大丈夫、風通しが悪くそこにお金が絡むわけですから、私は中医協は全取っ替え、制度そのものを見直すというふうにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  107. 国井正幸

    委員長国井正幸君) どなたに質問ですか。
  108. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 はい、星野さんにお願いします。
  109. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  先ほど遠山委員の御質問お答え申し上げましたが、私は、今の中医協の二十人の方々に精一杯きちんと務めを果たしていただくようにお願いしながら中医協運営させていただいている身でございますので、中医協の改革を私の口から、今どうあるべきかということについて、例えば先生が言われましたように全取っ替えとか、そういうことについて言う私は立場にないものですから、お許しいただきたいと思います。
  110. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 この点につきましては、もっと危機感を持って変えていただきたいというふうに思います。そのために今日は複数の委員中医協の抜本改革、中身について言っていると思います。  私は、この中に例えば市民の代表やそういう人たちが入ることでかなり変わる、要するに場外談合ということができにくくなるわけですから、構成メンバーを増やし、従来の形で出すのではなく、抜本改革をしない限り今後問題が続いていくというふうに考えます。その点について、変えない限り納得ができないということを国会で追及をし続けていきます。  ところで、まだ全容について、先ほども話があります日歯連の一年間の政治献金は十八億集金をしているわけです。このお金の行方についてはっきりしておりません。その意味で、日歯連のお金の行方も大事ですが、私は、厚生労働委員会に改めて来まして、こんなに金まみれであるということに正直とてつもなく驚いています。  そこで、大塚参考人にお聞きをいたします。今回は日歯連の問題が問題になりました。しかし、三十兆円のお金を決めるに当たっては、日本医師会や様々な団体も関係をしております。大塚参考人としては、ほかにも問題はないのか、すべて洗い出すということはお考えでしょうか。必要ではないですか。
  111. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 中医協で具体的な診療報酬改定の中身を御審議いただくわけでございますが、中医協在り方そのものにつきましては、既に御議論が出ておりますように、今回の事件を契機に、どうあるべきかという議論は、大臣の御指示もございまして、厚生労働省としても検討していくことにいたしておりますけれども、その際に一点、私の参考人としての感想でございますので、そうした議論をする際に是非頭に留めていただきたいのは、現在の中医協がある意味で特殊だと言われるゆえんは、一つには三者構成審議会というところがございます。これは、考え方としましては、正に利害がぶつかり合う、そういうお立場の人たちに生で御議論をいただく、ただし、これは公開をしなければ意味がありませんので数年前から完全公開をいたしておりますし、最近では、先ほども申しましたように、二十人の本委員だけでこれだけの膨大な、しかも専門的な技術的なところをこなすのはいささか無理があるということで、専門委員の強化、それから更に専門的な立場から調査検討していただく三十数名の専門家集団も強化をしているわけでございます。  こうした形で、むしろ激しいやり取りをすることによって問題点とあるいはその判断の適否が分かってくると、こういう仕組みでございます。この点をどう評価して、あるいはこれに代わるべき仕組みを考えるとすれば、そういう機能をどういう形で持たせるか、これはなかなか容易なことではないと思っております。  ただ、元へ戻りまして申し上げますと、そういう認識を持ちつつ、新しい時代に対応した中医協在り方というのは、これは私どもも真剣に考えていくべき極めて重要な課題だというふうに認識をいたしております。
  112. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 ただ、その中医協舞台に今回のような事件が起きたということをどう受け止めるのか。私は、やはり場外談合が成立する審議会ということ自身極めて問題だと思いますが、いかがでしょうか。
  113. 大塚義治

    参考人大塚義治君) これも私の立場で率直な感想といいましょうか、認識を申し上げさしていただきますと、今回、いろいろな報道も含めまして分析が行われ始めておるわけでございますが、やはり本当の事実と今回の事案の詳細というのはまだこれからなんだろうと思います。  そういう前提で私なりの印象を申しますと、当時、正に担当の局長として、審議会中医協議論をずっと御一緒さしていただいたわけでございますが、先般も申し上げたんでございますけれども、その過程でいろいろ報道をされ、事実解明はこれからでございますけれども、何か不自然な動きでありますとか私どもに対します異例な形での働き掛けがあった、それによって中医協審議がゆがめられたという認識は、私には一切そういう記憶がないんでございます。これは率直に申し上げておかなければならないと思います。  私どもといたしましては、長い期間を掛け、先ほど申しましたように二十人の委員でございますけれども、更に大勢の専門的なお立場の方々のお力もかり、さらには公開での審議をしておるわけでございますから、どう考えても、今の時点でゆがんだ形で結論が導かれたという認識はどうしても持ち難いわけでございまして、それを率直に私の認識として申し上げておかなければならないと存じます。
  114. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 今後、本当の意味でメスが入るのかどうか、実は、非常に今の答弁参考人の方の意見を聞きながら疑問に思っています。実際、十八億や二十億円ぐらいを政治献金として配るということも、私は実は理解に苦しみます。そして、実際、政策がそれで変わっているわけです。何のために金をばらまくかということと政策が直結をしていて、こんなに厚生行政をゆがめていることはないと。それに対して危機感が余りにないのではないか、むしろ問われているのは厚生労働省ではないかというふうに私は思います。  ところで、まだ中医協の抜本改革について具体的なところが出ておりませんが、私は、厚生官僚OBを審議会のメンバーに入れたりするのはもうやめたらどうかと、もっと一般の人を入れたらどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。大塚参考人
  115. 大塚義治

    参考人大塚義治君) 厚生労働省のOBを審議会の、特に中医協のような利害の激しく対立する場で御参画いただくのがいいかどうか。確かに、これは振り返ってみますといろいろな議論もございましょうし、別の方法があったやもしれません。  ただ、手続的に申しますと、関係団体の御推薦をいただいて委員になっていただいたと。これは正に透明な手続を経てのことでございますし、現に大変、こう言ってはなんですが、医療政策、特に診療報酬を絡む議論に精通をされておられました委員でございましたので、確かに、我々が後輩という立場になりますけれども医療政策につきましては耳を傾けるべき点も多々ございました。これも率直に申し上げておかなければなりません。  ただ、いかんせん第三者、まあ第三者といいましょうか、他の立場から見てOBであるということはぬぐえないわけでございまして、適任な方がおられれば、できればそういう形は避ける方があるいは望ましいかもしれません。これは、今回の事件といいましょうか、経緯を踏まえての私の印象あるいは感じでございます。
  116. 福島瑞穂

    ○福島瑞穂君 かぎ括弧、専門という名の下に審議会や政策を私物化した面があるのではないか、お金をもらって利権誘導したんじゃないかということが今回の事件です。それに対してきちっとメスを入れ、抜本改革をし、三十兆円の予算に対する国民に対する信頼を獲得すべく、国会の中で続けて集中審議を行うよう要求して、私の質問を終わります。
  117. 西川きよし

    西川きよし君 本日は、参考人皆さん方、大変お天気の悪い中、御苦労さまでございます。  朝からずっと諸先生方の御質問をお伺いいたしまして、伊達先生始め福島先生まで、皆さん方本当に、与野党本当に壁を越えてといいますか、ハードルを越えて真剣に皆さん方にいろいろと御質問をし、お話をいただいております。  私は、まず千葉参考人にお伺いしたいんですけれども、今回の事件によりまして国民信頼は大きく損なったわけですけれども健保連の中の各組合員皆さん方も同時に大きな衝撃を受けたわけですけれども、この事件後の報道でございますけれども健保連の職員の方がコメントされているわけですけれども、うちは各企業の意向で診療報酬について要求方針を決めております、一個人がそれを無視はできないシステムになっております、こうしたコメントがございました。  推薦をした委員が協議会に臨むに当たりまして、健保連としてはどういったプロセスなりシステムが存在しているのかというようなことを、私たち素人でございますので、私は素人でございますので、是非、千葉参考人にまずお伺いしたいと思います。
  118. 千葉一男

    参考人千葉一男君) 健保連の組織は、御承知と思いますけれども、全国千八百弱の健康保険組合をもって構成しております。それが、意思決定機関としては、最高の意思決定機関としては総会があります。通常の意思決定については理事会という形が設けられておると。理事会というのはやはり百何十名代表者が来ますので、常時の意思決定については常任理事会というのが設けられて、そこで決定されるように、仕組みになっております。  今回の診療報酬関係でございますけれども、事が極めて専門的な面が高いものでございますから、我々の意思決定機関の下部に診療報酬対策委員会という委員会を設けております。これは、各理事といいますか、健保組合の理事の中から代表者を選んで、委員としては大体十名から十五名ぐらいでございますか、の委員を選んで構成しておりますが、重要な事項についてはもうその委員会にかけて、診療報酬についての重要事項についてはその委員会にかけて全員の意思をもって結論を出さしていただき、それに基づいて事を行うという仕組みになっております。  したがいまして、二年に一度中医協診療報酬議論されるわけでございますけれども事前にいろんな方針については診療報酬対策委員会から上部に上げて、常任理事会で大綱の方針については議論をするという形でございますし、それに基づく個々の診療報酬の変更、改定についてはその委員会にかけて、大体委員会の意向を体して中医協委員が発言していくという形に考えております。  また、いろいろありますから、中医協委員がその都度報告がございます。これも常任理事会に対する報告であったり、あるいは必要に応じて対策委員会に対する報告であったり、そういうことで意思の疎通を十分取るようにしておる次第でございます。  以上でございます。
  119. 西川きよし

    西川きよし君 ありがとうございました。  各先生方が率直にいろいろな角度から御質問をされたわけですけれども、ありがとうございました。  その中で、今の御答弁、お話の中にも出てまいりまして、私たち素朴な疑問ですが、二年という今お話が出ましたけれども下村委員は五期されておられました。そういった中で、その中で何か問題視、僕が例えばその場におれば、もうぼつぼつ、五期もやったら交代じゃないかというふうに思うわけですけれども、問題視するような意見とかというようなことのなにはございませんでしたんでしょうか。
  120. 千葉一男

    参考人千葉一男君) 確かに、下村委員がといいますか、下村さんが当連合会の副会長に就任いたしましたのが九四年の二月からですから、ちょうど十年前になりますか、十年間です。その四月から中医協委員も務めております。  これは、こういうことを言ってはあれですが、私の代になって何回か彼自体からもある意味で辞意が出たこともあります。そういう中で、むしろ私が引き延ばしておったというのは、実は御承知のように、医療改革問題というのが非常に大きな問題がございました。私どもの健保組合に非常に大きな影響を与える制度改革でございます。これをどういうふうにしていくのかというのは重大な問題でございまして、ちょうど今から何年ですか、私が会長に就任したのが六年前でございますけれども会長に就任する当時、その年あるいはその翌年にはもう抜本改革をやりますよというような状況まで煮詰まってきていたんですが、いろんな理由から次々に引き延ばされたといいますか、で、御承知のように大体最終の改革を来年、再来年に持ち越したという事情があります。  そういうようなことがありまして、私としては彼を、何といいますか、医療改革の彼のようにやっぱり卓越した意見を持っている人は是非、これは健保組合だけのためじゃなく、国の制度を作る上からいっても有益であるというふうに思っておりましたものですから、留任を願って、ついつい長くなったというのが実情でございます。  こういうような御指摘でございますが、確かに下村氏自体、広範な知識と卓越した意見を持っているのでいろいろと、また厚労省のOBでございますので、彼の意見が割合重点を持って皆さんに取られていて、そういうようなことがやや弊害を呼んだのかなというような反省もあるわけでございますが、私としては彼を信頼していたものですから、中医協委員に推薦しておったわけであります。  長期だということで御指摘があるものですから、やはりその点は今後反省しなきゃいけないなというように思っているところでございますが、以上でございます。
  121. 西川きよし

    西川きよし君 千葉参考人が、私たちでもって引き止めたという今御正直なお話をお伺いしたんですけれども、結果的にはこういうふうなことになってしまって、全国の方々にも大変な御迷惑、信用もなくしたということでございますので、今後のひとつこれからの皆さん方の参考にしていただきたい、我々が御理解できる、全国の人たちが本当に御理解できるような参考にしていただきたいというふうに思います。  星野参考人に一つお伺いしたいんですけれども、先ほどから、休憩時間にいろいろと取りまとめなければいけないというお話が出てまいりました。長いときでは一時間から二時間休憩時間がというお話も出ましたが、素朴に思うんですが、公開ではその協議はできないものなんでしょうか。
  122. 星野進保

    参考人星野進保君) お答え申し上げます。  その休憩に入る前には公開でやっているわけです。やっていますが、そこでは意見が一向に寄ってこないわけですね。何とか意見を寄らせることが一言で言えば私の商売でございます。  したがいまして、それで別々にお呼びいたしまして、本当のところは、ここはちょっと言っていることが違うんじゃないのとか、あるいはどこまで寄れるのとか、そういうことを各号側と、一号なら一号だけ、それから二号なら二号だけという格好でいろいろお話を伺って、その上で、お互いが寄れるところはこんなところかなと思うところで再びまた一号、二号別々にお呼びして、それで更に詰めていくといいましょうか、話合いを丹念にしていくということでございましょうか、そうなると、一応お互いがほぐれてきますとまた公開の場を開き直しまして、そこで休憩時間をほどきまして、そこでお互いにまた公開の場で議論していただいて、意見を集約させていくと、こんなプロセスを取っておりまして、この方法がいいのかどうか、それはもっといい方法があればそういう方法を取ればいいと思いますが、現在のところは、私が思い付くのはそんな方法しかないものですから、稚拙かもしれませんが、そういう方法を取らせていただいておるということでございます。
  123. 西川きよし

    西川きよし君 最後の御質問にさせていただきます。  本当に大変難しい立場のお仕事、御苦労さまでございますが、それが商売という大変な、せんだって、二十三日の厚生福祉ですか、坂口厚生労働大臣が、中医協で決まったことは、後で独立をした専門組織を作る方針のようだというようなお話も出ておりますけれども星野会長様はいかがなものでしょう。  例えば、介護保険などは一次審査があって、二次審査があって、それでも駄目なら第三次審査というところまで行くわけですけれども、独立してもう一度御対応ということはどういうふうにお考えでしょうか。これをお伺いして終わりたいと思いますが。
  124. 星野進保

    参考人星野進保君) 巷間承りますと、坂口大臣中医協の改革につきまして私の意見も徴したいというようなことを言われているということを聞いておりまして、私、大臣に呼び出されましたら、それはもうもちろん私なりのことを申し上げたいと思っておりますが、今日のところはひとつ、今の独立のシステムがいいかとか、そういうことについてはちょっと遠慮させていただきたいと思います。
  125. 西川きよし

    西川きよし君 ありがとうございました。  終わります。
  126. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会