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2004-04-20 第159回国会 参議院 厚生労働委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月二十日(火曜日)    午後一時十分開会     ─────────────    委員異動  四月十六日     辞任         補欠選任      愛知 治郎君     宮崎 秀樹君      平田 健二君     柳田  稔君      木庭健太郎君     風間  昶君  四月十九日     辞任         補欠選任      朝日 俊弘君     角田 義一君      風間  昶君     弘友 和夫君  四月二十日     辞任         補欠選任      浅尾慶一郎君     佐藤 雄平君      角田 義一君     朝日 俊弘君      弘友 和夫君     風間  昶君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         国井 正幸君     理 事                 武見 敬三君                 藤井 基之君                 辻  泰弘君                 森 ゆうこ君                 遠山 清彦君     委 員                 有村 治子君                 金田 勝年君                 佐々木知子君                 斎藤 十朗君                 田浦  直君                 伊達 忠一君                 中原  爽君                 朝日 俊弘君                 大脇 雅子君                 佐藤 雄平君                 山本 孝史君                 風間  昶君                 井上 美代君                 小池  晃君                 西川きよし君    国務大臣        厚生労働大臣   坂口  力君    副大臣        厚生労働大臣  森  英介君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       竹本 直一君    事務局側        常任委員会専門        員        川邊  新君    政府参考人        総務省治行政        局選挙部長    高部 正男君        法務大臣官房審        議官       河村  博君        厚生労働省医政        局長       岩尾總一郎君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    塩田 幸雄君        厚生労働省老健        局長       中村 秀一君        厚生労働省保険        局長       辻  哲夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○結核予防法の一部を改正する法律案内閣提出  ) ○政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (日本歯科医師会日本歯科医師連盟問題に関  する件)     ─────────────
  2. 国井正幸

    委員長国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、平田健二君、木庭健太郎君、愛知治郎君及び浅尾慶一郎君が委員辞任され、その補欠として柳田稔君、風間昶君、宮崎秀樹君及び佐藤雄平君が選任されました。     ─────────────
  3. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 結核予防法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣
  4. 坂口力

    国務大臣坂口力君) ただいま議題となりました結核予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  我が国では、戦後、国を挙げての取組により、結核罹患状況は大幅に改善してきたところであります。  しかしながら、結核は依然として我が国最大感染症一つであり、近年では改善傾向に鈍化が見られることから、結核罹患状況変化予防接種結核医療に関する知見の蓄積等結核を取り巻く環境の変化に対応した新たな対策の推進が求められております。  こうした状況を踏まえ、予防接種の前に行われるツベルクリン反応検査の廃止や健康診断実施方法等見直し等を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案概要について御説明を申し上げます。  第一に、国及び地方公共団体は、結核に関する正しい知識普及等を図ること等を明らかにするとともに、国民及び医師等関係者の責務を明らかにすることとしております。  第二に、国は結核予防の総合的な推進を図るための基本指針を定め、都道府県結核予防のための施策の実施に関する予防計画を定めることとしております。  第三に、定期健康診断対象者を政令で定めることとするとともに、定期外健康診断について、都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、結核にかかっていると疑うに足り得る正当な理由のある者に対して健康診断を受けるべきことを勧告し、これに従わないときは、当該職員健康診断を行わせることができることとしております。  第四に、予防接種の前に行われるツベルクリン反応検査を廃止することとしております。  第五に、結核患者に対する保健師等による家庭訪問指導及び医師の指示において、薬剤を確実に服用すること等を指導することとしております。  その他所要の見直しを行うこととしております。  最後に、この法律施行期日は、平成十七年四月一日としております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。  ありがとうございます。
  5. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  6. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長辻哲夫君外五名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、日本歯科医師会日本歯科医師連盟問題に関する件を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 山本孝史

    山本孝史君 ただいま議題になっております日本歯科医師連盟による自民党の特定政治家に対する多額の政治献金と、それによって政策がゆがめられたのではないかという疑惑がかねてから指摘をされ、また議論をされてきたところでございますが、今般、中医協を舞台にした贈収賄事件が摘発をされました。大変な事態であるという認識をしております。  私、今回問題になっておりますこの中医協平成十三年七月二十五日に開かれました診療報酬基本問題小委員会、この議事録を取り寄せまして中を見てみましたが、下村委員発言が際立って多いわけです。これはもう指摘されているように掛かり付け歯科医初診料議論された小委員会でございますけれども歯科診療報酬、調剤の診療報酬医療にかかわる情報提供推進の三つが議題になった小委員会でございます。  発言回数を数えてみますと、診療側医師会の糸氏さんと菅谷さんで十一回、歯科医師会平井さんが四回、薬剤師会の漆畑さんが四回で、診療側は合計十九回。これに対して、下村さんお一人で二十四回、加藤さん三回、日経連の若杉さん二回ということになっています。下村さんが、この小委員会座長をしておられる星野さんを飛び越えて診療側の三者と相対議論をして会議を仕切っておられる、そういう印象を私は非常に強く受けたわけでございます。  大臣にお伺いをしたいのですが、厚生労働省として中医協における下村さんの存在をどのように受け止めておられたのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
  10. 坂口力

    国務大臣坂口力君) お答えをします前に、今回の疑惑事件起こりまして、現在司直の手で解明が進められているところでございますが、いずれにいたしましても、疑惑が持たれるということ自体、これは誠に国民に、皆さんに対しまして申し訳ないことであり、深くおわびを申し上げたいと思っております。  さて、今お話のございました中医協における、支払側と申しますか、医療側支払側のこの支払側の中心でありますのが下村さんであったということは、これは、だれの目からもこれは明らかであった。それは、下村さんが非常に詳しく診療報酬のことについて知っていたということもあろうと思いますし、そうしたことから、発言される機会も多いし、そして様々な提案もされているということでございまして、やはり、支払側の総まとめをこの下村さんがしておみえになったという印象でございます。印象以上のことを私申し上げることできないわけでございますが、そういう印象でございます。
  11. 山本孝史

    山本孝史君 私も全く同じ印象を持つんですが、その支払側の総まとめをする、そのことがいいことなのか悪いことなのか、そこの御認識はどうなんですか。
  12. 坂口力

    国務大臣坂口力君) こういう審議会、あるいはまた検討会でもいいわけでございますけれども、こういうところはそれぞれ対立する意見が多いわけでございます。とりわけ、この中医協の場合には診療側とそして支払側とが常に対立をしている。そうした中で、医療側医療側としてやはり意思統一をしていかなければならないわけでございますし、また支払側におきましても、それぞれのお立場で若干意見の違うところはあるというふうに思いますけれども、そこはまとめて、一つ意見まとめていただかなければならないという状況ではないかというふうに、これも私は推測をいたしております。  そうした中で、やはり、支払側皆さん方がいつも寄られて、そしてどういうふうにまとめていくかという、どういうふうに我々の主張をしていくかということは、やはりいろいろの御議論をしていただいているだろうというふうに思いますが、その中でやはり、まとめ役と申しますか、やはり全体の意見の集約についての一定の役割を果たしておみえになったのではないかというふうに思っております。
  13. 山本孝史

    山本孝史君 言葉じりをとらえるようで恐縮でございますが、支払側意見まとめているということを飛び越えて全体の意見調整していたのではないか、大臣今そういうふうにお答えになったと私は受け止めました。  下村さんが厚生省保険局長をされて、その後、社会保険庁長官を歴任されている。そういう経歴からして保険ですとか診療報酬に関して非常に詳しい方である。その知識の多さといいましょうか、深さといいましょうか、そのこともありますし、中医協委員を十年近くやっておられますので、自然とそういう立場になっておられるのではないだろうか。議事録を見ておりまして、司会の方が間に挟まって発言をするのではなくて相対発言をされておられるわけですから、私からすると、下村さんが司会役進行役調整役と全部やっておられる、そういうイメージがするんですね。  そのことが実は、厚生省推測ですけれどもと、こうおっしゃるんですが、私は、推測というものではなくて、ほぼ確信しておられた、何が起こっているかを知っておられたはずだと私は思うんです。大臣はその場に出ておられるわけではありませんから、これはその場におられる保険局長なりの問題なのかもしれません。しかし、十年にわたって下村さんがどういう役割をしてこられたかということについて、中医協がどうなっていたかということについて御認識がなかったとすれば、推測ですけれどもというふうにおっしゃることが、実は私は、厚生省として非常に問題なんじゃないか、大臣として問題があるのではないかと思います。利害調整役として動いておられる、あるいはむしろ厚生省としては利害調整役として下村さんを使っておられたんじゃないだろうか。  そういう意味でいけば、今回の贈収賄事件というものは、私は、言わば下村劇場というものがあって、その興行主厚生省であって、厚生大臣の、興行主である厚生大臣責任は私は免れないというふうに思うんです。この下村さんをこれだけ重用されてこられた厚生大臣あるいは厚生省としての責任はどういうふうにお考えになっておられますか。
  14. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 下村さんのことにつきましてのそれは評価はいろいろあるんだろうというふうに思います。下村さんがいろいろ発言をされるというのは、御指摘のとおり、よく内容御存じですからそういうことになるわけでございますが、厚生労働省の側からすれば、下村さんは健保連代表でございますから、元それは官僚であったことだけは間違いのない事実でございますけれども、現在は健保連の、支払側代表として発言をされているわけで、そういう意味では、厚生労働省の側として、その下村さんの御発言がすべて厚生労働省の言いどおりにこれは発言をしてもらえるかといえば、それはそんなことないわけで、厚生労働省としてもこれは困ったな、下村さんにそういう発言されると我々としては困ったなと思うことも再三あったであろうというふうに私は思います。  しかし、OBであることは間違いありませんし、よく御存じであることも間違いない、そういう存在であった。だから、この人がおみえになったからこの人によってすべて動いていったとは私は思っておりません。少なくとも現在の中医協星野会長は誠に立派な方でございまして、私は、リーダー役として双方の意見をよく聞かれておまとめになるという面で本当に人を得ているというふうに私は思っております。  本年におきます診療報酬改定におきましても、会長発言力会長の裁きというのは私は大変高く評価をしているところでございまして、私は、下村さんだけ一人の意見中医協が動いてきたというのは、いささかそれは思い過ぎではないかというふうに思っております。
  15. 山本孝史

    山本孝史君 午前中の衆議院での質疑を聞いておりまして、星野さんの御答弁ぶりを聞きますと、経済企画庁の事務次官をなさった方で、やっぱりこの方も官僚なんだな、非常にそつのない答弁をされておられますが、そういう意味では私は星野さん自身にもいろいろと話を聞いてみなければいけないと思っています。  これは委員長お願いでございますが、一体中医協がどうなっていたのかということは、午前中の衆議院でもございましたけれども、この参議院においても、星野進保さん、中央社会保険医療協議会会長でございますが、来ていただいて、是非、中医協実態どうなっていたのか、推測でお話しになっておられるのか、あるいはその場におられた会長がどう仕切っておられたのかということは是非私は聞くべきだと思いますので、まず星野さんを参考人としてお呼びくださるようにお願いをします。
  16. 国井正幸

    委員長国井正幸君) この件につきましては、後日、理事会協議させていただきます。
  17. 山本孝史

    山本孝史君 支払側診療側と内通するといいましょうか、そこで贈収賄が起きるということは想定していない仕組みだと思います。しかしながら、そこにもう一つ、もう一パートあるんですね。公益委員という方がおられるわけです。私は、この公益委員という方たちがどういう役割を果たしておられたのか、位置付けにあったのかということも議論しなければいけない。  と申し上げますのは、坂口大臣中医協の改革として公益委員増員に言及をされておられます。先ほど触れました中医協診療報酬基本問題小委員会は十二人で構成されておりまして、支払側四人、診療側四人、公益委員四人の十二人になっています。四、四、四でございます。  この七月二十五日の会合で、公益委員は、星野さんが座長を務めておられまして、一名は欠席をしておられます。残りのお二人はこの議事録の中では発言がありませんので、発言しておられないのだろうというふうに思います。全部の、二〇〇〇年以降の中医協議事録をいただきまして、このぐらいの高さありますので全部読み切れるかどうか分かりませんけれども公益委員の方がどのぐらい発言しておられるのだろうと思いました。全部はチェックしていないので軽率な発言だとおしかりをいただくかもしれませんけれども、私は正直そう思っています。  中医協公益委員国会同意人事でございます。言わば国民代表として中医協に出ていっていただく。国会がそれに対して同意を与えております。再任される際には、私どもは、民主党として、その方が実際に仕事をしていただいたのかどうかということで、委員会出席状況事務局の方からいただきます。確かに回数は出ておられるんです。回数は出ておられて、その場にはおられるんでしょうけれども発言しておられるのかというと発言はしておられないのが実態なんだと思います。発言していないから悪いのかどうか知りません。  だから、したがって、私、申し上げているのは、どういう位置付けを持って、どういう役割を期待されて公益委員中医協に出ていっておられるのか、そのことがこの議事録を見ている限り、私、分かりませんので、是非この公益委員位置付け役割というものについて御説明をいただければと思います。
  18. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず、公益委員役割の前提としての中医協の構成の考え方でございますけれども中医協加入者保険料を支払い、傷病等にかかった際には医療が提供されるという、言わば保険制度の枠組みに沿って中医協は構成されておりまして、保険料を負担する側である保険者、被保険者及び事業主代表者、それから医療を提供する側である医師歯科医師及び薬剤師代表者、そしてこの二方が協議をするというところへ公益委員が、国会で承認されて任命された公益委員調整をする、そして合意を得る、そのための場だと、こういう位置付けになっております。このようなことから、公益委員の方々におかれましては、各側の合意を得るように公平に振る舞うということが基本でございます。  具体的にも、例えば、昨年度であれば六十回を超える会議において、ほとんど、私の記憶におきましても、公益委員は時には深夜にわたるまで全力で参加されております。そして、部会というのがございまして、医薬品あるいは医療機器部会、あるいは調査委員会と申しましたか、ちょっと正式な名称略させていただきますが、それぞれの委員長ないしは部会長星野会長とは別にやっておられまして、そのようなときの言わば会議のさばき、議事運営方法方向、これはもう全仕切りをその星野会長以外の公益会長が、部会長ないしは委員長として仕切られるわけでございますが、これはもう方向性を的確に御存じでなければできない仕切りでございますが、その点、きっちりと運営されてきておりまして、調整の場に当たるという公益委員としての役割は、私ども事務方が申すのは誠に僣越でございますけれども、本当に一生懸命全力を尽くしてやっていただいているというふうに認識をいたしております。
  19. 山本孝史

    山本孝史君 座長司会役を務めるということですけれども、それはこの会議の場所ではそういう仕切りであったとしても、重要な事柄はここの上で決まるわけではなくて、今おっしゃったように、専門委員会であるとか部会で決まってくるわけですね。  私、厚生労働省がこの中医協というものについて決定過程透明性を確保する優れた仕組みだとおっしゃっておられるんですが、私にはそのような認識は到底持ち得ません。公益委員がこういう形でしか発言をされておられない、あるいは外でやっておられることについては議事録は出てこないわけですから、そこのところで実は物事が決まっているということであれば、中医協は決して透明性の高い優れた仕組みとは言えないのではないか、これは私の思いでございます。  したがって、公益委員というものの増員をおっしゃる前に、私は、公益委員というものがどういう仕事をするのか、どう位置付けるのかということについてもう一度しっかりとした検証が要る、あるいは位置付けをし直すということが必要であろうと思います。  問題になっております掛かり付け歯科医師初診料の問題に戻りたいと思いますが、先ほど来申し上げております基本問題小委員会議事録では、加藤さんも下村さんも、条件緩和について、もう少し資料を出してもらって検討しよう、平井さんも、次の機会にはそういうもし御必要であれば資料等も出させていただきたいと思いますと述べておられます。  厚生省に御質問ですが、その後そういうような資料を出して検討するような機会中医協であったんでしょうか。
  20. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 基本的に、たしかその審議が行われましたのは診療報酬改定の前の年の七月だったかと存じます。言わば全体の基本方針議論する中で、それから取り組むべき事項についての、特に特記される事項について議論をフリーにするという時期のことだったと私ども議事録を見て承知しておりますが、その後、取り上げる時期、方法につきましては、すべて議事運営、従来の慣例から行われておりますが、そのような個別の事項につきましては、言わば個々診療報酬改定項目のときに議論されるというのが慣例でございます。  そんなようなことから、掛かり付け歯科医機能評価ということにつきまして、ちょっと失礼いたします、年を明けまして言わば各論についての審議に入りましたときでございます。具体的には二月の、恐れ入ります、六日か八日か、ちょっと日は特定をお許しいただきたいと思いますが、手元にございますが、具体的な内容の言わば案の中で、事務局提出資料をした中で、言わば緩和するいわゆる説明方法として様々な案が例として示されております。具体的に読み上げさせていただきますと、視覚素材病態模型顎模型症例写真集病態模式図等の追加、あるいはコンピューター影像活用等といったように、そういうような例をもってこの点について一度御議論をいただいていると。そして、御議論をいただいて、その上で、また更に次のステップとして、またこれを可とするかどうかという議論が進められているといったようなプロセスが経られております。
  21. 山本孝史

    山本孝史君 局長、二つ御確認です。それはいつの会議であって、どんな資料が出たのか。出た資料を後でいただければと思いますが、いつの会合なのかということと、この七月二十五日の会合では、歯科医師側平井さんの方から、もし必要であればそういう資料も出させていただきたいと思いますということで、私の受け止めはこの基本問題小委員会等でもう一度議論されるというふうに受け止めているのですが、今の局長の御答弁ですと、厚生省がいろんな案というものを取りまとめて、それを参考資料として二月か何かの会合に出したと、こういうことですか。
  22. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 私ども、事務的には、個々診療報酬改定項目についての一つ一つ審議が行われる時点ということでございまして、それは十四年の一月三十日でございますが、三十日の段階で、そういう審議経過の流れの中で、この項目だけではなくて、細かくなって恐縮でございますが、その前に、一月二十三日に、診療報酬改定主要検討項目案という、検討項目でどれとどれとどれについて更にこれから議論するかということについての、検討項目についての項目の確定を中医協で行われまして、そのときには、掛かり付け歯科医機能評価、効果的な情報提供や継続的な歯科医学的管理評価という項目について審議するという合意をされました上で、一月三十日に、今読み上げましたところが一つの具体的な例でございますけれども、こういう資料を、これは流れを踏まえて事務局が作成したものでございますけれども、作成して、それを御審議いただくという形になっております。
  23. 山本孝史

    山本孝史君 事務局が作成したということなので、それは会長から御指示をいただいてそういう資料を作成した、こう理解してよろしいですか。
  24. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 私の通常の理解によりますと、こういう紙が全部で恐らくこのぐらいの分厚さになろうかと存じますが、それまでずうっと議論されてきたものにつきまして整理をいたしまして、今申しましたその前の回で検討すべしということで確認されました項目に沿って、これはむしろそれぞれ事務局で整理したものを、その項目について出しなさいという言わば御指示を総会の下で会長からいただき、私どもが出したという経過のその中の一つに入っております。
  25. 山本孝史

    山本孝史君 新聞報道で恐縮なんですが、この会合での下村さんの発言をもって厚生労働省支払側も了承したと判断して基準を緩めたと、こういう経緯になっているんですが、これは事実なんでしょうか。
  26. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) この掛かり付け歯科医機能の要件につきましては、これは十二年改定で導入されましたが、導入された後、一定時期たったころから、要件が厳しいんではないかと、議論は既に幅広く行われてきてまいりました。そして、私ども、この要件を更に言わば改定項目の趣旨に沿って、診療報酬の言わばこの設定された項目の趣旨に沿ってどのように見直すのかということは一つの課題であるという認識を、もう恐らく私どものみならず相当世間一般的に認識は持たれておったというふうに、今にして思えば思います。  そういう状況で、七月二十五日にそのような議論が行われたというのも事実でございまして、そのような中で、またその中医協審議、検討の流れに沿いまして、今言いましたような日程の中で、私ども、そういう課題というものについての手続が進められたものと、このような認識でございます。
  27. 山本孝史

    山本孝史君 私の御質問に答えていただいてないんです。  ここの委員会での発言をもってしていつの時点で厚生労働省は了承したんだと、支払側も了承したんだというふうに認識をしたのかという問題なんです。
  28. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 私ども、まずもって、そのときの審議で何か一定の心証を形成したというものではなくて、それについてどのように議論をするかという全体の検討項目の中で、まず、今申しました一月の二十三日にこういう項目議論するということについて承認されると。しかも、これは事務局としての一般論でございますけれども診療報酬改定は与えられた財源の枠内でどのように配分するかという極めて技術的な事項でございまして、特定事項について私どもがあらかじめ予断を持つということは、これはもう仕組みとして不可能でございます。そういう中でどういう項目をどういう方針でやるのかということを徐々に言わば狭めていく中で、事務局はその中でできる案を議論の流れに沿って各側の御指示を受けて作っていくと、こういう事務局役割を果たしております。
  29. 山本孝史

    山本孝史君 恐れ入りますけれども、この七月二十五日以降の、申し上げましたように昨日の夜このぐらいの議事録いただいたんで、その後、一体どこにこの話が出てくるのか私には精査する時間がありませんでしたので、この七月二十五日以降、掛かり付け歯科医師初診料のことが議論された中医協の場面、そこに出された資料、そしてそれに基づいて厚生省はどういう過程を経てこの改定というものにつながっていくのか、その経緯というものをきちんとした資料にして次の委員会等に出していただきたい。お願いしたいと思います。
  30. 国井正幸

    委員長国井正幸君) これ、理事会協議させていただきたいと思います。
  31. 山本孝史

    山本孝史君 この掛かり付け歯科医初診料平成十二年の四月に導入をされたわけですけれども、導入をされました同年の五月三十日のこの参議院の当時の国民福祉委員会で、まだおられませんけれども、共産党の小池議員が、医科と歯科初診料の格差は是正した上で情報提供に係る診療報酬を別途措置すべきではないかと質問されて、当時の近藤保険局長は、歯科は掛かり付け医の割合が多いからほとんどの人がこれに該当すると考えると答弁しておられるんですね。ということは、基本的には、従来ある歯科初診料が、この十二年度以降は掛かり付け歯科医初診料に変わるはずだという認識を近藤保険局長が示しておられたわけです。しかし、そのようには推移しなかったんですね。  私は、この近藤局長が、ほとんどの人がこれに該当するとおっしゃったにもかかわらず、そうならなかったところに実はこの問題の根本原因があるんだと思うんです。それを臼田会長は、力ずくでと言ったら失礼ですが、お金をもってしてここを早く変えさせようとしたところにこの贈収賄事件の根本があるんだと思うんです。  なぜ、ここが変わらなかったのか。ここを解明するということが必要だと思うんですが、もし御答弁いただけるようでしたら、御答弁くださいますか。
  32. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 当時の、今からたどりますと、ほとんどと当時の局長が仰せになりましたのは、私ども今まで調べた限りでは、おおむね七割ぐらいという感覚でお答えになったんではないかと思います。残された資料を見ますと、そのような積算がございます。  ところで、その七割につきましてでございますが、具体的には、言わば情報提供を丁寧にするという形で、掛かり付け医関係をより優れた形で維持するという上での情報提供の中で、特にその大きなポイントになりましたのは、本人の歯型や口腔内の写真を用いて治療方針等を説明するというところでございました。  これにつきましては、当時の担当者の説明を聞きますと、まさしくこのような方法を言わば掛かり付け歯科医としての意欲で大いに活用してくださるものと、こういう理解であったのが、言わば開いてみると、なかなかそれを、言わばそのような行為をすれば付くわけでございますから、決してそのことは難しいことではない、特に写真などは撮ればそれまでのことでございますから、ということでございますので、なかなか期待したどおりに使われなかったということでございます。  それで、使われなかった中で、趣旨としては、本当に御自分の病状というものはどうなのかということを御理解いただきながら、より優れた治療効果を上げるというためのものでございますので、期待したほど効果が発揮されないと。期待したほど効果が発揮されないじゃなくて、現場がそのような用い方をしてくださらないということについて、同じような効果で現実に用いてくださる方法をどうするのかということについての検討が必要だという認識は持っていたというふうに、私ども、今までの聞き取りから認識をいたしております。
  33. 山本孝史

    山本孝史君 ここも大いに私は、議論だというか、もっと深掘りすべきだと思うんですね。  点数を増やすということに値するサービスが改善されたのかというのは、消費者側からすれば当然の質問であって、そこがやっぱり変わらなかった。なぜ変えられなかったのだろうという歯科医師側のやっぱりそれはそれなりの理屈が多分あるのかもしれないと思います。そこで、先ほど申し上げたように、そういうことを背景に臼田会長らはいろいろと工作をされたんだというふうに思います。  この掛かり付け歯科医初診料の創設から条件緩和へと動いていくときの日本歯科医師会やあるいは日歯連のかかわりというものは、残念ですけれども、その当事者が今拘束されておられますのでお聞きすることはできない。しかしながら、申し訳ない、ここに中原先生がおられるので、中原先生に是非、当時のいきさつなり、それまでの日本歯科医師会なりのことをお話をいただければと私は思います。  なぜなら、中原先生は、二〇〇〇年まで三期日本歯科医師会会長を務めておられて、四期目のところで今の現会長の臼田会長に大変激しい選挙の中で負けてといういきさつを持っておられるわけですから、それまで日本歯科医師会がどういう形で、あるいは日歯連がどういう形で政治に働き掛けをしてきたのか、どういう形でその歯科医業の状況を改善しようとしてきたのか、そのことが臼田会長という新体制の中でどうなっていったのかということは、私は、申し訳ないけれども、中原先生が一番御存じだと思っています。  その意味で、外からではない、同じ委員の中におられるので、参考人というのも何か変なんですが、是非参考人として私はここでしゃべっていただきたい。あるいは委員会の中で、委員討議の形でも結構ですから、御自由に御意見を、あるいはおっしゃっていただく、そのことが私は、多分、日本歯科医師会の名誉挽回にもつながるのではないかと思っています。  私は、何派でもありませんし学閥も関係ありませんけれども、そんなふうに思いますので、是非、中原爽委員のこの参考人としてここで御発言いただけるようにお願いをさせていただきたいと思います。
  34. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 扱いについて、後日、理事会協議をさせていただきます。
  35. 山本孝史

    山本孝史君 中原先生にお話しいただくのが一番早いと私は思います。  診療報酬の決定方法の抜本的な見直しがやっぱり求められていると思います。どこかで決まっていくというのではなくて、それが国民にも分かりやすい、だれにも参画できて、自らの身に施される医療というものを見ながら、こうしていったらいいんじゃないかということをやっぱり言えると思いますので、そういう仕組みに変えていくということだと思います。  この委員会で我が党の大塚委員が、診療報酬をどこをどう変えていったらどうなるんですかというのは、言わばエクセルの表でも出ているはずじゃないかと。元々、こういうふうに下げようということを考えて、診療報酬、十二月末から考えられるわけですから、ここをこう動かしたらこうなるよねと、先ほどおっしゃっているように、掛かり付け歯科医初診料はこうしたらこうなるだろうということが、ならなかった例かもしれませんけれども。そういう中で分かると思いますので、そういった決め方というものももう少しこの委員会で解明をするというか、説明をしていただきたいと思います。  それから、私の時間がなくなりますので、もう一点お願いですけれども、日歯連に関しては、今回の贈収賄事件のほかに、冒頭申し上げましたように、自民党の多数の議員さんに本当に多額の献金がなされているわけであります。それに対して国民からも疑惑の目が寄せられております。  身体障害者福祉法の改正をめぐる献金の疑惑歯科衛生士の教育期間の延長問題、自民党の医療基本問題調査会少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会、こういったところがどういう活動をしておられたのか、それに日本歯科医師会なりあるいは日歯連なりがどうかかわっておられたのかということもみんなが知りたいことだと思っています。  その糸口として、私は、吉田幸弘前衆議院議員を是非この委員会に来ていただくようにお願いをさせていただきたいと思います。  言わばこの事件の発端でもございますし、吉田さんのところに巨額の献金がなされていたということが問題であったわけですけれども、私も彼が衆議院時代に歯科の問題について活発に質疑をしておられたのをよく存じ上げております。その内容ということではなくて、彼がどういう形で動いておられたのかということは、国会議員の一人であった者としても、私は国会として解明をするべき問題であると思いますので、最後に、吉田幸弘前衆議院議員の本院への参考人招致をお願いをしたいと思います。
  36. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 扱いにつきまして、理事会で、後日、協議をさせていただきます。
  37. 山本孝史

    山本孝史君 いろいろと申し述べましたけれども、解明しなければいけない点が多数あると思いますので、資料の提供あるいは参考人皆さんの御出席をもってできるだけ早くこの委員会、引き続き会合開けますようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。
  38. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日です。  同僚の山本委員の質問を受けながら、できるだけ重複を避けて質問をさせていただきたいと思います。  私は、山本委員のように詳しく調べておりませんし、よく知らないことが多いものですから、改めて基礎編といいますか、入門編を一から時間の限りやっていきたいと、こう思っています。  まず最初に、日本歯科医師会日本歯科医師連盟について、しばしば、一緒だとか、いや別だとかいう議論があるので、それぞれの考え方はそれぞれにあるとしても、法律上はどうなっていますかという説明を、日本歯科医師会については厚生労働省でいいんでしょうかね、そして日本歯科医師連盟については、総務省の方においでいただいていると思いますので、それぞれ根拠となる法律も含めて御説明をいただきたいと思います。
  39. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 社団法人日本歯科医師会は、民法第三十四条に基づき、昭和二十二年に当時の厚生大臣の開設許可を得て設立された当省所管の公益法人であります。厚生労働大臣の所管に属する公益法人の設立に関する手続については、私どものこの所管法人の設立及び監督に関する規則に規定されているところでございます。
  40. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。  日本歯科医師連盟でございますが、この団体は政治資金規正法に基づきまして総務大臣に届出のなされた政治団体であると承知しておるところでございます。
  41. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 念のため確認をしておきますが、日本歯科医師会の方は厚生労働省が所管をし、大臣が認可をするという立場ですから、当然、そうすると、その公益法人に対して取消しも含めて何らかの権限を持っているというふうに理解をしていいかどうか、念のため確認をしたい。  それから、総務省の方には、届出というふうにおっしゃったので、そうすると、所管しているということとは違うのかな。とすると、厚生労働省日本歯科医師会に対するような管理義務というのはあるのかないのか、追加して御説明ください。
  42. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 当省所管の法人に対する取消し等々は、私ども大臣の所管でございます。
  43. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) 政治団体につきましては、政治資金規正法が、元々政治活動の自由ということを前提にいたしまして、収支を公開すること、国民に公開することによってその収支の透明化を図っていくといいますか、国民の監視を仰ぐという仕組みになっておりますので、私ども総務省が政治資金規正法は所管してございますけれども、設立がありましたら七日以内に設立について届け出る、あるいは異動があればその異動について届け出る、これを告示すると。あるいはまた各年の収支について御報告をいただいて、これを国民の閲覧に供するといったようなのが私ども仕事だと承知しているところでございます。
  44. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ありがとうございました。  実態的にはかなり重なっているとは思うんですけれども法律上の位置付けなり所管省庁の対応は明確に違うということだけは確認させていただかなければいけないかなとお聞きしました。  それでは次に、今回のいわゆる中医協を舞台とした贈収賄事件と、こういうことでありますから、その舞台となった中医協とは一体何ぞやということについて幾つかお尋ねしたいと思います。  まず中医協。現在どれぐらいの定数で、構成メンバーはどういうメンバーで、それは一体どういうものに基づいて、どういう理由から、どういう手順を経て選任されているのか、まず入口のところの御説明をください。
  45. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず、中央社会保険医療協議会、通称中医協でございますが、この設置は社会保険医療協議会法という法律に定められております。  そして、その考え方でございますが、この法律におきましては、まず考え方として、加入者保険料を払い、傷病にかかった際には医療が提供されるという公的医療保険制度の枠組みに沿いまして、まず負担側ということで、支払側と俗称しておりますが、保険料を負担する側である保険者、被保険者及び事業主代表者、このグループで八名、それから医療を提供する側である医師歯科医師薬剤師代表者のグループで八名、そして、公益代表する者四名という構成になっております。  そして、選出の手順でございますが、今までの人数はすべて法律事項でございます。その同法におきまして、支払側委員八名及び診療側委員八名につきましては、各関係団体の推薦により厚生労働大臣が任命するということが法律によって定められております。また、公益代表する者につきましては、両議院の同意を得て厚生労働大臣が任命するということが法律に明記されております。
  46. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 今、基本的な点は法律、社会保険医療協議会法という法律に基づいているという御説明がありました。念のため確認をしておきますが、これは昭和二十五年に制定された法律のことですね。
  47. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) そのとおりでございます。
  48. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 今の御説明に加えて、もう少し具体的に、じゃお尋ねしたいと思います。  支払側八人、診療側八人、公益側四人というのは確かにこの法律の第三条に書いてあります。  ただ、じゃ、まず支払側のメンバーの八人ですね。今の御説明ですと、それぞれの団体から御推薦をいただくと、こういう御説明でしたが、その支払側の八団体はどういう理由で決めたんですか、どういう団体が入っているんですか、御説明ください。
  49. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず法律におきまして、支払側委員におきましては「健康保険、船員保険及び国民健康保険保険者並びに被保険者事業主及び船舶所有者を代表する委員」と、このように定められておりますので、それぞれの事項に関する各関係団体の推薦をお願いするということになります。  そして、その関係団体でございますが、まず保険者代表といたしましては、社会保険庁、健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、それから被保険者代表につきましては、日本労働組合総連合会及び全日本海員組合、そして事業主代表につきましては、日本経済団体連合会及び日本船主協会にそれぞれお願いをいたしておるところでございます。
  50. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ちょっと不思議なんですが、一つは、今の点でちょっと疑問があるので聞きたいんですけれども、今日なお、当初のいきさつはそれなりに分かるんですけれども、船員組合のところが別格に位置付けられているのは、今日でもなお位置付けられているのは何でかというのがよく分からない。それが一つ。それから、国民健康保険団体の方は、理事の方は出ているけれども、被保険者の人は入ってないんですね。これは何でか。この二つ、ちょっと答えてください。
  51. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 前者につきましては、船員保険、その加入者が非常に減っておりますけれども、独立した制度であるということから、健康保険法とは別法の独立した制度であるということからこのようなことになっておりますことと、国民健康保険につきましては、代表者という場合に、言わば地域住民ということで、それぞれサラリーマンであれば労働組合といったような整理があろうかと思いますが、地域住民ということから、技術的な問題からそのようになっていると推測いたします。
  52. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ちょっと、推測じゃ困る。今、あなた担当なんだから、推測じゃ困るんだ。
  53. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 言い方が不十分で失礼いたしました。  基本的に国民健康保険代表は市町村長、自治体の長でございまして、自治体の長は言わば両方を代表しているという考え方と考えます。
  54. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 この問題だけやるつもりはありませんけれども、やっぱり再検討した方がいいんじゃないかという印象を持ちませんか。私はそう思います。是非、そういう課題があるということをここでは指摘しておきたいと思います。  じゃ、もう一点。診療側八人ということになっていますが、この診療側のメンバーの推薦をお願いした団体はどこどこですか。
  55. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 医師代表する団体として日本医師会歯科医師代表する団体として日本歯科医師会薬剤師代表する団体として日本薬剤師会でございます。
  56. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そこがよく分からないんですね。診療側代表するメンバーとして、確かに三師会と言うぐらい重要な役割を担っているプロ集団であることは間違いありません。  ただ、診療はこの三者だけでやっているわけでは決してないわけで、そういう意味では、何でこの診療側をこの三師会の代表のみに限定したのかな、その理由がよく分からない。同時に、その比率が医師会が五で歯科医師会が二で薬剤師会が一という、五対二対一になっていますね。これも何でか分からない。御説明ください。
  57. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず、健康保険法上、療養の給付、言わば健康保険の給付でございますが、これの対象が保険医、それから歯科保険医、保険薬剤師、言わば法律上の給付の対象、言わば支払側との契約対象とも言えますが、これが三者になっております。したがって、この三者を代表すると。そして、その三者に支払われたお金が様々な職種に例えば給料として支払われる、こういうことからこの三者が代表という形になっております。  それから、診療側委員八人が、医師歯科医師薬剤師、それぞれ五人、二人、一人となっていることにつきましては、これは診療側委員の間の慣例としてこれまでこのような構成になっていると承知いたしております。
  58. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そうすると、比率としては慣例と、医師歯科医師薬剤師に限ったのは、ほかの従事者がすべてそういう人たちに雇われているからと、こういう御説明ですが、本当にそれで正しいですか。
  59. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) ほかの職種の方についてのお金の流れ方をちょっと例示しただけでございまして、健康保険上の療養の給付の対象、これがこの三者に限られているということでございます。
  60. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 それも説明に無理があるね。  例えば、それじゃ訪問看護ステーションはどうなる。
  61. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) これは療養の給付としては構成されておりません。
  62. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 支払側の構成についても改めて再検討を要するという意見があると思いますが、この点については何かお考えがありますか。
  63. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 訪問看護ステーションは、療養費払い、言わば現物、それにつきましては議論のあるところでございますが、法律構成上の給付の対象の三者の限定性は制度上明確でございまして、そのような観点から今後大いに御議論をいただくことは私ども全く、私どもがとやかく言うことでございませんが、現時点の法律仕組みとしては相当明確な限定性があると考えます。
  64. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 大臣に伺います。  中医協の構成メンバーあるいは構成の在り方そのものについてこういう意見があるんですね。  どうもこの組立て方は、個人の開業医さん中心の時代を背景にして組み立てられているのではないか。しかし今日では、もう御存じのとおり病院医療が相当中心を占めていますし、しかもそこで提供される医療というのはチーム医療が当たり前だ、こういうふうに言われているわけですから、そういう実態をもう少しうまく反映した仕組みというか、構成というか、というふうに考え直すべきではないかという指摘があって、私は同感なんですね、全く。その点について大臣のお考えを聞かせてください。
  65. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 中医協の在り方そのものにつきましてこれからいろいろの御議論をいただいて、見直すべきは見直していかなければならないというふうに思っております。  中医協の全体の在り方もそうでございますし、それから今御指摘いただきましたその中のいわゆる中医会の委員と申しますか、メンバーと申しますか、その皆さん方の選び方も現在のままでいいのかどうかということは、これは今までからも議論になってきたところでございますし、やはり議論になるところだろうというふうに思います。  御指摘のように、やはり医療の動向もかなり変わってまいりましたし、チーム医療もかなり進んできていることも事実でございます。そうした意味で、この医療のメンバーももう少し幅広い職種の皆さん方の参加を求めてはどうだという御意見もあるわけでございまして、そうしたことも含めてこの際に一度議論をし直すということは大事なことだというふうに思っております。
  66. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非、今すぐどうこうしろということよりも、いずれ来年、遅くとも再来年には医療制度の抜本改革が具体的に提案されてくるというふうに承知していますから、そういう大きな制度改正の中でこの問題もやはり大きな課題の一つであるという位置付けを是非していただきたいなと思うんですね。  というのは、去年の三月に示された基本方針の中には、実はこの中医協の在り方そのものについて見直しましょうという指摘は入っていないんですよね。だから、ここはひとつそのことも含めて検討をしていただければ有り難いし、そうすべきであるというふうに私は思いますが、さらに大臣お答えをいただけますか。
  67. 坂口力

    国務大臣坂口力君) この中医協にかけます前の段階の診療報酬基本的な在り方というものについて今見直しを行っているところでございます。ここがどう簡潔明瞭な形になるかということは中医協審議にも非常に大きな影響を与えてくることでございますので、もう少しこれは、専門家だけしか分からないというのではなくて、医師皆さん方が患者の皆さん方に十分に説明のできるような内容でなければならないというふうに率直にそう思っております。  そうしたことを背景にして今見直しを進めているところでございまして、そうした見直しに合わせて、内容がそうすると変わってくるわけでありますから、そうしましたときに、それをかける、審議をする場はどういう場がいいのかということにつきましても、もう一度これは議論をすべきことだというふうに私はセットで考えております。
  68. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非、そういう問題意識で取り組んでいただきたいと思いますが。  そこで、今大臣の方からもお話がありましたんで、二、三用意した質問を飛ばしまして、これからのやはり診療報酬改定の決定のプロセスというか、どういう手順で、どういう場で、どんなふうに決めていくのかというのは一つの大きな問題だというふうに思っているんですが、そこでまず御説明ください。  現在の社会保険制度に基づく診療報酬の改定プロセスは、その中で中医協がどういう役割を果たすかということも含めて、どうなっている、どういう規定に基づいて、どういう手順を踏んで行われることになっているのか、御説明ください。
  69. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず、健康保険法におきまして被保険者の給付に関してでございますが、被保険者の疾病又は負傷に関しては、診察や治療などの療養の給付を行うという、まず、先ほども行いました療養の給付を行うということが規定されまして、療養の給付に要する費用の額は厚生労働大臣が定めるところにより算定するということになっておりまして、これは厚生労働大臣が定めるということで、これがいわゆる診療報酬点数表でございます。これにつきましては、中医協に対して諮問、答申を行わねばならないという、答申を受けなければならないという形で法的になっておりますので、これを前提といたしまして、それが円滑に運営されますように、中医協議論を踏まえて、そして中医協議論を踏まえた上で最終的に原案を諮問、答申するという形に運用されておりまして、そして最終的にそれを踏まえまして厚生労働大臣が告示するという形で決定される形になっております。
  70. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 参考までに、介護保険制度における介護報酬の改定のプロセスについて御説明ください。  今御説明のあった医療に関する、健康保険に関する診療報酬の決定のプロセスとどんなふうに違っているかということも留意しながら御説明ください。
  71. 中村秀一

    政府参考人(中村秀一君) 介護保険の方は介護報酬ということで決められておりますが、基本的な仕組みと申しますか、そういった点は診療報酬と同じと考えていただいてよろしいと思います。事業者の方に介護報酬を支払うために介護報酬を決定する、その介護報酬の決定に当たっては審議会意見を聞かなければならないということで、社会保障審議会の中で介護給付費分科会というのが社会保障審議会令で決められております。  診療報酬との違いをということでございますので申し上げさせていただきますと、まず審議会令では、中医協とは違いまして三者構成にはなっておりません。学識者の代表から成るということで、現在、メンバーは二十二名でございますけれども、事業者の関係の方、医療関係の方、福祉関係の方、在宅関係の方、様々おりまして、八名入っておられます。  それから、中医協のアナロジーでいいますと支払側に当たる方だと思いますが、介護保険の場合は保険者が市町村であるということで、市長会、町村会の推薦された方。それから、都道府県が八分の一費用を負担されておりますので都道府県知事。それから、連合、日本経団連の御推薦の方。それから、保険者代表ということで健保連、国保連の方。それから、これはそちらの代表とカウントしていいのか利用者の代表に入るのか分かりませんが、第一号被保険者ということで六十五歳以上の方から保険料をいただいておりますので、全国老人クラブ連合会の御推薦の方が入っておりますが、これは御本人に聞かれると、保険料を払っているから入っているというよりは、自分は介護サービスを利用している人たちの代表だと言われるかもしれませんが、いずれにしても、何側の代表ということではなくて学識者ということでおられます。  それから、そういう分類されない、座長は国際基督教大学の教授でございますし、そういった意味で、福祉、医療関係の学識者の方、あるいは呆け老人をかかえる家族の会の代表の方、言わば利用者になると思いますし、医療経済の先生あるいは社会福祉の先生などが入っておられまして、数に限りがありますので、関係者というと幾らでも広がると思いますが、二十二名の方で構成されて審議をしているということでございます。  プロセスにつきましては、二〇〇三年四月が最初の改定でございますけれども、つまり、十五年、平成十五年三月が最初の改定でございますが、十三年十月から会議を行いまして、総括的な議論を十四年の六月にまとめ、また十四年の十二月に介護報酬見直しについての基本的な考え方をまとめていただいて、それに沿って、また予算の枠もございますので予算決定をした上で、具体的な配分については、十五年一月、諮問をし答申をいただいたと、そういうプロセスになっております。
  72. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ありがとうございました。  あえて介護保険のお話を聞かせていただいたのは、今の診療報酬の決定の仕組みが必ずしも唯一のものではなくて、幾つかの考え方はあり得るという一つの例として示しました。ですから、私たちは、改めてそういうことも含めてこれからの在り方を考えるべきだというふうに思っていることを指摘しておきます。  そこで、今申し上げたことと関連するんですが、実は私、十数年前ですか、老人保健審議会委員をさせていただいていたことがありまして、そのときに、思い出しながら言いますと、いろいろ老人医療の在り方について、こうすべきだ、ああすべきだといろいろ提案をしますと、最後のところでひょいと、いや、それは中医協マターだと、だから老人保健審議会では審議しちゃいかぬのだと、あるいは審議したとしても決められないんだというふうにしばしば、トンビに油揚げをさらわれるようなことがしばしばあった。  何でだろうというふうによく考えた。そうしたら、中医協というところは、子供から老人まで診療報酬にかかわるところは全部決めるところであって、老人保健審議会はそれ以外のところを決めるんだと。どうもよく分からぬ仕組みになっているなというふうにつくづくそのとき思いました。  申し上げたいことは、もう今は仕組みも変わっちゃいましたからあれですが、申し上げたいことは、中医協がどうもある種別格扱いされていて、聖域といいますか、そういう暗黙の了解があって、その領域にかかわる話になるとぴたっと議論を封ずるという雰囲気が、これ結構あったんですね。  そこは、一体どういう経緯で作られてきたのか一度歴史をひもといてみなければいけないと思いますが、もっとそういう意味では、中医協のそういう聖域性といいますかね、侵してはならない領域みたいなところをあえて解きほぐす必要があるんじゃないか。もっと結論的に言えば、中医協の任務をより明確に、かつ限定的にした方がいいんじゃないかと私は思っているんですが、この点については大臣のお考えを聞かしていただきましょうか。
  73. 中村秀一

    政府参考人(中村秀一君) 今の朝日先生の御質問のきっかけが老人保健審議会でございまして、老人保健法を所管しておりますので、ちょっと僣越でございますが言わせていただきますと、当時は、確かに制度論は、老人保健審議会、老人保健法ができましたときに大変な議論がございました。介護保険法とは違いまして、介護報酬は今介護保険法の方で定めるということで、中医協とは別の審議会で担当することになりましたが、老人診療報酬については中医協の方で御担当されると、そういう整理で老人保健法ができました。  この整理の際に大変な議論がありまして、それこそ歴史をひもといていただければよろしいかと思いますが、中医協の権限は絶対だという御議論があったので、当時の担当の方の私どもとしては、朝日先生に中医協議論は聖域とも思われるような御印象を与えてしまったのかもしれませんが、役所のというか、審議会の権限としては、おっしゃるとおり老人診療報酬に関することは中医協マターでございましたので、老人保健審議会で御審議いただいても手が出ないことなので、私も当時担当で、朝日委員の担当の企画官をさせていただいていましたので、朝日先生にも常にそういうことで牽制申し上げましたので悪い印象を与えたのかもしれませんけれども、そういう経緯でございます。  中医協の在り方については、先ほど来大臣保険局長からも御答弁申し上げているとおり、様々の課題もあるんではないかと私は個人的に思っておりますが、その点について、老人保健審議会の絡みではそういうことだということで御理解願いたいと思います。大変申し訳ありませんでした。
  74. 坂口力

    国務大臣坂口力君) これは幅広いお話になってまいりまして、医療だけではなくて全体でどうするかという話もその中には含まれているというふうに思っております。  それで、中医協一つの聖域と申しますか、ほかの者はタッチをしてはならない分野という、そういう感じになっている、事実は別にして、そういう感じになっていることは私も事実だと思っております。  今年の診療報酬改定のときに、私、出席させていただいてごあいさつを申し上げたわけでございますが、何か大臣が出てあいさつをするということはめったにない話で異例だということを言われましたので、ああそんなものかなと、こう思ったわけでございます。意見を言いに行ったわけではなくて、おしかりを受けに行ったわけでございまして、ごあいさつをして帰ったということでございます。  それだけの、良く言えばそれだけの権威を持ってお決めをいただいているというふうに言えなくもないというふうに思いますが、しかし、この医療費が三十兆という大変な額になってきた、そしてこれからも更に大きくなる可能性を秘めているといったようなことで、これらの問題に、国会なら国会がどう関与をするのかといったこともあるだろうというふうに思いますし、また、今日衆議院の方でも出たわけでございますが、一度決めたことに対して、それがどうなったかという検証をどうするのかといった意見も確かにあるというふうに思っています。また、決めますときに、これはどういう理由で決めるのかということの、もう少しそうしたことを検討をする別途組織があって、そこでぜ今回これを変えなきゃならないかということの理由付けをやはりちゃんと科学的にできるようにしなければいけないではないかという御意見があったりしまして、私は正論だと思ってお聞きをしたところでございます。
  75. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 正に正論でして、私、多少歴史をひもときながら、中医協中医協としての役割をよりよく果たすためにも、むしろ少し離れたところからきちっとボールを投げて検討していただくというようなこともあっていいんじゃないか。過去の歴史上はそういう方法、手法を取ろうとしたこともあったんですよね。これ、まだ後で時間があればやりたいと思いますが。  ですから、そういうことも含めて、私は、よりうまく機能するような方法がまだまだ考えられるんじゃないか、ここはひとつみんなで知恵を出すべきところじゃないかというふうに思っていることを私もお伝えしておきたいと思います。  さて、その上で、先ほど診療報酬決定のプロセスを御説明いただきましたが、実質的には、この中医協で決まったことというのは、事実上の決定というふうに一般的には受け止められています。しかし、聞くところによると、いや、決まらなくて、大臣告示でえいやっと職権で決めたということも歴史上はあったというふうに聞いているんですが、ただそれは、そういう事態というのはよほど例外的なことであって、基本的には、この診療報酬にかかわる中身についての決定は、ほぼ中医協で事実上の決定をするんだというふうに理解をしてよろしいか。これ、ちょっと念のため確認をさせてください。
  76. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 仰せのとおりでございまして、諮問、答申を経て大臣告示をすると。諮問、答申がなければ大臣告示が事実上できないという歴史的な言わば経過の下で、事実上、中医協の言わば決定が、点数の中身、点数そのものを含めた細かいことの中身を含めて、中医協の決定が実質的な、中医協の決定事項になっております。
  77. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 それでは、その中医協事務局はどこが担っているんでしょうか。具体的にその事務局があの電話帳と言われる分厚い点数表を作成するのだと思いますが、その実質的な事務局はどこが担っていますか。
  78. 森英介

    ○副大臣(森英介君) 釈迦に説法でございますけれども中医協事務局につきましては保険医療課がその事務を所管しているところでございます。  健康保険法におきましては、被保険者の疾病又は負傷に関しては、診察や治療などの療養の給付を行うこととされており、また、療養の給付に要する費用の額は厚生労働大臣が定めるところにより算定するものとすると定められております。この療養の給付に要する費用の額が診療報酬点数表でございますけれども中医協の諮問、答申を経て最終的には厚生労働大臣の告示によるものでありますので、所管する厚生労働省において事務局を行うことが自然であり合理的であるというふうに考えております。
  79. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 先ほどの議論と少し反する議論になるかもしれないんですが、中医協は独立した組織なんだから、厚生行政を担う部分とは別枠で独立した事務局を作ってほしいという意見がありますが、これについてはどう思いますか。
  80. 森英介

    ○副大臣(森英介君) これも、診療報酬点数表は中医協の諮問、答申を経て厚生労働大臣が決定するものでございますので、中医協事務局についても、厚生労働大臣の下に属する診療報酬所管課が行うことが合理的ではないかというふうに考えます。  また、厚生行政を担う部局から独立した事務局を新たに設けるということにつきましては、行政改革の流れに逆行するという御批判もありますでしょうから、こういったことなのかなというふうに考えます。
  81. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ただ、昨今、いろんな行政分野で様々な、具体的な監視指導をする部門とあるいは開発促進する部門とを分けろとか、いろいろ議論があるでしょう。つまり、行政の役割をブレーキとアクセルとをちゃんと区分けをして作ろうじゃないか、その場合に、行政から少し距離を置いた形での事務局という作り方はあり得ると思うんです。かつて歴史的にも、社会保障制度審議会はかなり独立した審議会として事務局を持ってやってきていたという歴史がある。確かに、行政改革の流れからするとという話になるとそうなのかもしれないけれども、考え方としてはあり得るんじゃないかと思うんですが、もう一度副大臣のお考えを聞かせてください。
  82. 森英介

    ○副大臣(森英介君) 大変本質的な御指摘だと思います。そういったことも含めまして、私、個人的にはというか、今の形で割合うまく機能しているんじゃないかというふうに考えておりますけれども、やっぱりそういった御提案一つの考え方かと思いますので、そういったことも含めて在り方を検討をさせていただきたいと思います。
  83. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ありがとうございます。  中医協について、さらに一、二確認しておきます。  今お話があったように、中医協で実質的にはほぼ点数に関する物事は決めていくんだと。その中医協における最終決定というのは、私の理解では、総会の場で皆さんにお諮りをして、まあよろしいというふうに大体全会一致でもって確認をさせていただくというのが通例だと思うんですが、そういうふうに理解していいのかどうか。そして、もし、いや、まあよろしいということにならなかった場合には多数決ということがあり得るのかどうか、やったことがあるのか、その際、一票は委員全員に平等なのか、その辺についてお知らせください。
  84. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 先ほど御説明しましたように、中医協は言わば公的医療保険制度の契約内容議論実施するという面がありますことから、中医協議事規則においては多数決の決定も、かつ多数決による決定も認められておりますけれども、これまでやはり合意に達さなければ実施できないということで、言わば必ず合意によってのみ告示が、過去一度例外があって大混乱があったということは有名な事実でございますが、それを除きまして、合意によってのみ告示が執行されておるということでございます。  それからもう一つは、専門委員がございますが、専門委員は専門的な事項審議するために置かれているものであり、議決には参加しないということですから、正委員合意が得られるかどうかということが中医協の言わば議事の今までの慣例になっております。
  85. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そうすると、ほぼ総会の場で合意を得てということなんですが、ただ、どうなんでしょうね、あの電話帳を一ページ一ページ全部見ていただいて、これはようござんすねといって一つ一つ確認していくとはちょっと実は思えないんですよね。あれを一つ一つやっていったら、それこそとてつもなく時間が掛かると思うんですが、最終的なその合意のやり方はどうやっておられます。言わば、まとめて御提案、御報告を申し上げて、いかがでしょうかというやり方なんではないかと推察するんですが、一つ一つ確認を取っていきます。
  86. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) この膨大な額の医療費がその改正によって動くわけでございますので、相当大掛かりな長い手順を掛けているわけでございまして、基本的な方向は、言わば一回、二年に一回でございますけれども診療報酬改定が終わりましたら、言わば終わった改定事項実施のための残された事項を処理し、それが終わりましたら直ちにその次の改正事項について審議を始めるということから審議を始めまして、フリーディスカッションをし、そして、冒頭申しましたように、言わば診療報酬基本方針といったものをある程度まとめ、そしてその中で検討すべき事項を、また総会の席で言わば核が公益調整の下で確定いたしまして、それによって言わば輪郭というものを相当明らかにしまして、その輪郭が明らかな中で、今度は言わば点数をどのように付けて、現実に、言わば既に年末に決定されました予算の執行の枠内でそれが収まるかということで点数を入れていくと、こうなるわけでございますが、このプロセスを非常に精力的に何回も何回も会議を開いていただきまして行いますし、それから、当然この中医協だけではないと存じますが、会の運営の一端としまして、委員の皆様には、事前に資料を持ち込みまして、事前に十分の説明を行う、そして事前に説明を行った中で数字のチェックもすべて受けている、そしてその数字のチェックを行って公開の場で議論をして、そしてゴーサインが出てそのことが告示できると、こういったプロセスは経ております。
  87. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 まあ、説明するとすればそういう説明になるのかもしれませんが、私は、例えば今公開とおっしゃいましたけれども、あれ非常に限られた公開ですよね、だれでも参加できる公開になっていませんよね。主としてマスコミ関係者の皆さん中心にいついつというお知らせがあって、例えばだれでも参加できるようないわゆる公開ではないですよ。限定的公開ですよ。また、数字の説明一つ一つなされて、それについて御確認をということなんですが、その説明のされ方にはかなり、丁寧に説明される場合とそうでない場合とがどうしても出てきちゃって。  そこで、ちょっと最後に大臣にお伺いしたいんですが、つまり、公開の場で、しかも総会で一つ一つ細かい点を確認していくというプロセスを必ずしも踏まない、現実的には踏めない。とすると、公式、非公式に、様々な形で委員委員の間、あるいは委員事務局との間での協議というか、相談というか、ネゴシエーションというかがあったんだろう。そういうところが、ある種、今回のような事件が起こり得るすき間があったんではないかというふうに思うんですが、この点については大臣どうお考えですか。
  88. 坂口力

    国務大臣坂口力君) いつのころから現在のような電話帳のように厚いものができ上がったのか私も経緯を十分に知りませんけれども、しかし、ああいう厚いものに現在なっているわけでありまして、それで、その中で今年はどことどことを変えていこうというようなことが話をされるわけであります。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕  変えるというところはそんなには多くはないんだろう。今までどおりというところの方が多くて、変えるところの方が多分少ない、年によっては違うと思いますけれども、それは少ないんだろう。その少ない分野のところは、かなりいろいろの議論はそこでされるんだろう。事務局もこうしたこういう数字でございますということを示すんだろうというふうに思っておりますが、枝葉のところまでそこでちゃんとできるのかどうかということは私もちょっとよく分かりません。それはかなりな枝のところまでは示すけれども、最後の葉っぱのところは事務局でちゃんとそこは最後はつじつまを合わせるのか、そこのところは私も余りそれ以上のことはよく分かりませんけれども、今回の歯科医師の場合にも、初めそこで決めたことと最後にでき上がったところとが違ったということがあったことだけは事実でございまして、それでもめたということになったんだろうというふうに思っております。  ですから、そうしたこともございますので、すべてではなくて、本当に一部変えるところについてはかなり正確に委員皆さん議論をしているだろうというふうに思っておりますが、最後のところのその葉っぱのところをどうしているかというところまで私も十分に存じておりません。
  89. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 残念ながら時間になりましたので、今日はこれで終わります。  それで、是非、委員長お願いがございます。  一つは、この問題に関連して是非とも出していただきたい資料を全部項目を上げてみたら十二項目ほどありましたので、一枚のペーパーにして用意をしましたから、是非、関連する資料要求ということで理事会に諮っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  90. 武見敬三

    ○理事(武見敬三君) 後刻、理事会で検討させていただきます。
  91. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 もう一点、今の大臣のお話からもありましたように、やはり中医協における運営についてもいろいろとお尋ねしたい点が多々ありますので、私からも、中医協会長、そして、あえて日本歯科医師会健保連、連合、それぞれを代表する方若しくはそれに代わり得る方をお呼びして、参考人として是非この委員会で具体的な運営の在り方等についても議論ができるようにお計らいいただきたいと思います。
  92. 武見敬三

    ○理事(武見敬三君) 後刻、理事会で検討させていただきます。
  93. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 終わります。
  94. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  坂口大臣、連日、大変に御苦労さまでございます。  今回の中央社会保険医療協議会、略して中医協を舞台にした贈収賄事件で、これが報じられております逮捕容疑のとおりであれば、医療基本である診療報酬制度を根本から揺るがす、国民を裏切る許し難い行為であると言わざるを得ないわけでございます。年間三十兆円にも上ります国民医療費の配分を協議をしていく場がこの中医協というところであるわけでありますけれども、金品などによる賄賂でゆがめられて、そして国民生活に直接影響のあるこの診療報酬の引上げ等が実現をされたということであれば、これは本当に言語道断であると私は思っております。  特に、今回、贈賄側にも大きな問題があるわけでございますが、収賄側も、先ほど来お話がございますけれども下村容疑者また加藤容疑者両名とも、一人は健保連の副会長、そしてもう一人は連合の副会長ということで、本来であれば患者の側、支払の側の代表として話をしていかなければいけない立場の方々が、医療側診療側の賄賂を受け取っていたということでございまして、本当に、新聞の社説等でもございますけれども、患者を裏切る行為、国民を裏切る行為であるということを強く冒頭に申し上げておきたいというふうに思います。  さて、今回の事件の背景の一つとして、やはりこの診療報酬の改定あるいは決定過程の不透明性指摘する声がございます。今日の委員会でも既に民主党の委員からいろいろ御指摘があったわけでありますけれども、この中医協審議というのは公開をされているということでございます。しかし、この公開審議は、各委員が、それぞれが代表する団体や組織の意見を代弁をして建前論に終始をしているんではないか、また、公開をされておりますだけに、個別具体的なあるいは本質的な議論は十分になされていないという声もございます。そのため、公開審議の中でというよりも、実際の本音の交渉は裏舞台で行われているのではないかという指摘があるわけでございまして、一部のマスコミ等の指摘の中には、この裏交渉の調整厚生労働省が取り仕切っているのではないかと。  これは非常に、大臣に最初の質問をお伺いしたいと思いますが、皮肉な結果になっているのではないかというふうに思うわけでございます。つまり、国民生活に大きな影響のある診療報酬について決める場であるからこそ公開審議になっている。ところが、公開審議であるからなかなか本音の議論ができないということで、結局、裏側の国民の目の届かないところで本当の議論がされているということになってしまえば、これはシステムとして目指した本来の目的と逆の方向に行ってしまって、腐敗の温床になってしまうということになるわけでございます。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  そういう意味で、国民の目の届かないところで実は、この中医協の中でも裏側で診療報酬について本音の議論がされているんではないかという指摘が今回の事件を受けても強まっている中で、大臣としてはこの点についてどのようにお考えなのか、またどのような改革を考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
  95. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 中医協の全体の在り方につきましては、今後いろいろの御意見もお伺いをしながら考えていかなければならないというふうに思いますが、公開をされております現在の中医協の中のその議論が、公開をされているがゆえに形骸化しているのではないかという御指摘は、それはある意味では私も完全にそうではないとは決して申しませんけれども、しかし私はやはり、さりとて公開をそれじゃもう取りやめたらうまくいくかといったら、そうではない、やはり公開は続けていかなければならない。  これから必要なことは、公開の場でそれぞれの立場皆さん方がどういう意見を言っていただくか、それは中には、遠い将来のことを議論をすれば、発言が現在の国民皆さん方から見ればおしかりを受けることもあるかもしれない、あるいは医療側代表でありましたら他の医師会の開業医の先生方からおしかりを受けることがあるかもしれない。しかしそこは、最後のここは集約をする場でございますから、やはりそこは責任を持って、そこに出席をしていただいた皆さん方は、多少のリスクはあったとしてもやはり御発言をいただいて、そしてやはりおまとめをいただかなければならないのであろうというふうに思っております。しっかりとそこで御議論をしていただく、それは必ずしも自分たちの所属するグループにとってプラスのことだけではない、マイナスのことも含まれているかもしれない。しかし、そこを乗り越えてやはり御議論をしていただかなければ、両方の間の意見が対立したままになってしまって前に進まないわけでございますから、そこはひとつ、そうした最終的な取りまとめの場所であるということをよく理解をしていただいて、御議論をいただかなければならないというふうに私は思っております。  それで、裏で決まるのではないかというお話があるようでございますけれども、例えば公益委員皆さん方が双方を呼んで、そしてこの問題は、しかしそう言うけれどもこういう事実もあるではないか、ここは双方折り合う以外に道がないではないかというようなお話合いが、それは私はあるだろうというふうに思いますけれども、それらはいろいろの小委員会が中心であって、そして小委員会でもなかなかまとまりがうまくいかないところは、それは委員長が両方の御意見を聞いて、それに対するお考え言われるということも、それは中にはあるだろうというふうに思いますけれども、しかしあったとしてもそれを決めるのはその中医協の場で決まるわけでありますから、多くの皆さん方は、そうするとその決まったことに賛成をされるということは、自分たちの意見というものをやはりそういうふうな会長意見に合わせたということに結局はなるわけであります。  ですから、ここにやっぱり自分たちの表向きの意見だけを言うということではなくて、結局は同じことになるわけでございますから、そこでやはり腹を割って、そして国家、全体のため、国民全体の立場からの議論をしていただくようにしなければ、これはこの委員会だけではございません、ほかにもございますけれども、こういう意見相対立するような場所でありますだけに、やはりそういう姿勢でお臨みをいただくことが大事ではないかというふうに私は思っております。
  96. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 是非、今、坂口大臣がおっしゃったことを中医協のそれぞれの委員の方に再度深く認識をしていただいて、国民全体が注視をしているこの診療報酬の問題ですので、鋭意努力をしていただきたいというふうに思うわけでございます。  そこで次に、診療報酬の点数表の問題でございますが、先ほどもございましたように、約二千ページの電話帳のような膨大で難解なものであるというふうに言われておりまして、私もまともに、正直申しまして、細かく読んだことはございません。ただ、この点数表については、先ほども他の委員からもございましたけれども中医協でも余り深く議論をしていないんではないかという指摘があるわけでございまして、また、もう一つ今日お伺いをしたいのは、問題点として指摘されております、この決定されておる、あるいは改定される点数表の価格について科学的な根拠が公表されていない、示されていないのではないかということが言われているわけですが、この点について厚労省としての見解を伺いたいと思います。
  97. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 中医協の改定作業、私、医療課を所管する局の担当をさせていただいておりますが、言わばトータルとして患者さんの一部負担を入れると三十兆円に上るというお金、これを点数表を一ついじることによってそのお金の流れが変わると、一方において、予算で決められました額にとどまるように制御すると、この作業を言わば中医協の公開の場で議論をいただく、そして透明性を確保する、そしてそのための事務局の作業をすると、こういった形で行ってまいりました。  それで、私どもといたしましては、言わば大きな骨格的な議論を先に行っていただき、そういう中で診療報酬改定の改定率も決めていただき、そしてそれに連動するように、様々な議論ができる限り透明性の中で議論されるようにと、私自身、局を担当する者として努力をしてまいりました。できる限り言わば議論をいただくための良い資料を作るということ、それからその見通しを、私ども影響額の算定というものを、以前に比べればコンピューターの言わばソフトの開発によりまして相当改善されましたが、できる限り事前にそれを精緻に示す、そして、今現在中医協で現に議論になっておりますけれども、実際どうだったんだという検証を行うと、こういったこと、言わば年々一歩一歩改善が進められてきたように思います。  私ども事務局といたしましては、公開されているということは、間違いが行われれば必ずチェックを受けるということでございますので、そのようなことを心に置きまして、これからより科学的な資料を提出し、御審査いただけるように努めてまいりたいと思います。
  98. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 是非、対応方よろしくお願いいたします。  私、以前、決算委員会だったと思いますが、やはり他国と比べて日本は医療の標準化、EBMの導入が大変後れているということを指摘さしていただいたわけでありますが、やはり適正な医療費というものは、なかなか私も含めて素人の国民には分かりにくいわけでございますけれども、厚労省がリーダーシップ発揮をして、国民の理解が得られる形で、また科学的にも裏打ちされ得る形で診療報酬医療費の決定をしていただきたいというふうに思います。  続きまして、先ほど来ありますけれども、この中医協委員構成の問題でございますけれども、現状でありますと、医療保険側八名、それから医療側診療側八名、そして国会同意人事でもあります公益代表四名ということになっているということでございますけれども、やはり今回の事件は、この医療保険側、それから医療側、双方の間で贈賄の行為が、犯罪行為が行われたのではないかという容疑があるわけでございまして、ここからしますと、当然に導き出される一つの改善のための方策というのは、やはり利害関係団体からより独立をした公益代表者の占有率を高めることによって、この中医協議論の独立性、客観性、中立性をより強力に担保することが必要なのではないかというふうに私は思っておりますけれども、厚労省の見解はいかがでしょうか。
  99. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 中医協委員構成につきましては、支払側八名、診療側八名、そして公益側四名、御指摘のとおりでございますが、これは昭和三十六年の法律改正におきまして、言わば、むしろそれ以前はこの原案が八名、八名、八名といったようなことであったのが八名、八名、四名になったというような経過があると承知しておりますが、そういった経過をもって現在に至っているというものでございます。  今回の事件を機に中医協見直しにつきましての意見が各方面から既に寄せられておりますが、大臣の指示の下で、捜査の動向も見守りながら今回の事件の解明を急ぎ、その事実を検討、検証する中で、ただいま委員からいただいた御提案を含めまして中医協の運営の在り方について検討してまいりたいと考えております。
  100. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 次に、中医協のこの委員というのは常勤では当然ございませんけれども、刑法七条に定める公務員に当たります。そのために、当然でありますが、職務にかかわることで金品を賄賂として受け取れば収賄罪に当たるということでございまして、私が思いますに、先ほど申し上げた健保連の副会長であった下村容疑者、それから前連合の副会長でありました加藤容疑者、この二人に本当に公務員としてこの中医協委員をやっているという自覚があったのかどうか私は疑問に思わざるを得ないわけでございます。今後の再発防止ということを考えますと、やはりこの中医協委員に選任される人間に対して公務員であるという自覚をもう少し強力に促すような対応策を取る必要があるんではないかというふうに私は思います。  調べましたら、省庁の国家公務員の場合は、国家公務員法の第九十七条に服務の宣誓というのが、当然皆さんおやりになっていると思いますけれどもございまして、中医協の方には恐らく宣誓は、服務宣誓はないんだろうなと私想像しておりますが、いずれにいたしましても、厚労省としてこういう点についてどういうふうに対策を取っていかれるのか、お聞かせください。
  101. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 中医協委員は、他の、例えば社会保障審議会等の審議会委員と同様、刑法第七条で定義される公務員に該当するということでございます。  私ども今回調べましたが、今までのやり方といたしまして、新しく中医協委員に就任いただく方には、中医協仕組み等、一般的な、中医協仕組みでございますね、法的な位置付けとか、一般的なレクチャーをこれはもちろん当然やるわけでございますが、この刑法に関する部分まではコメントしていなかったということでございました。これからはこのことを明確にお示しすることを含め、御指摘の点について十分に配慮してまいりたいと思います。
  102. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 本来こういうことをこういう国会委員会で申し上げるのは恥ずかしくなるぐらい基本中の基本の話であるわけでありますが、やはりこういう公的な審議会等で活動される方、選ばれた方は賄賂はいけませんよということは、これ言わずもがなのことなんですが、こういうことが起こったということを考えれば、それを所管する厚労省としては強調をしていただかざるを得ないと。あるいはまた、こういう人間を推薦する団体に対しても是非とも通知を出していただきたいと要望を申し上げておきたいと思います。  続きまして、今度は贈賄側の問題でございますけれども、今回、贈賄側は日本歯科医師会日本歯科医師連盟会長を兼務しておりました臼田会長とその側近であるわけでございますけれども、その贈賄側の動機として、医科と歯科診療報酬にかかわる格差の是正というものがあったという指摘がございます。  すなわち初診料において、二〇〇〇年以前は医師初診料は、診療所の場合ですけれども、二千七百円であったのに対し、歯科医師の場合は一律千八百六十円であったと。そこで、二〇〇〇年の改定で歯科医師に対しては掛かり付け歯科医初診料制度が新設をされて、一定の条件を満たせば医師と同じように二千七百円の初診料をいただくことができるというふうになったと。ところが、この二〇〇〇年度の改定で導入されたんですが、条件が厳しいので、二年後の改定で条件を緩和してほしい、緩和をしてほしいという意思を、動機を持っていた方々が贈賄工作をしたというふうに今のところ報道では説明をされているわけでございます。  そこで、厚労省にお伺いをしたいんですが、二〇〇〇年四月からこの掛かり付けの制度が導入をされたわけでありますが、一体、この二〇〇〇年四月に導入された年、この年度は何人ぐらいの人が一般初診患者のうちこの掛かり付けの適用を受けたのか。そしてあわせて、二〇〇二年に、その二年後に条件が緩和をされた後にどの程度この歯科医の初診患者の中で掛かり付け初診料をいただく形の適用がされる方が増えたのか、御答弁いただきたいと思います。
  103. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) 掛かり付け歯科医初診料の導入に伴う初診患者における掛かり付け歯科医初診料の割合、これ平成十二年度、すなわち二〇〇〇年、社会医療診療行為別調査を用いた推計によりますと、平成十二年、二〇〇〇年は七・四%という結果になっております。そして、平成十四年、二〇〇二年における算定要件の見直し、すなわち緩和によりまして、同様の推計によると、四八・八%という結果になっております。
  104. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ということは、もう明らかに、最初に掛かり付け医制度が導入されたときは初診患者の七・四%だったのが、条件が緩和された後には四八・八%に上がっているということで、四〇%以上の増加をしているということであるわけでありますから、報道されていることが本当かどうかというのが司直の場で最終的に判断をされていくと思いますけれども、この数字を見ても、この条件緩和というのが非常に大きかったということが分かるわけでございます。  そこで、厚労省にお伺いしますけれども、この適用条件の緩和、二〇〇二年ですね、により支払われた医療費の増額分がもしお分かりであればお答えをいただきたいと思います。
  105. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず、掛かり付け歯科医初診料の総額の推計につきましては、今の推計を、ただいま御報告しました推計を基に計算しますと、平成十二年度では百六十億円、平成十四年度では一千七十億円ということで非常に伸びているわけでございますが、ただこの裏腹といたしまして通常の初診料の適用患者が減りますので、それと併せますと、言わば掛かり付け歯科医初診料を含む歯科初診料全体の推移は、十二年度では一千五百二十億円であるのが十四年度は一千八百二十億円ということで、おおむね三百億円ぐらいの増ということでございます。  ただ、診療報酬改定は全体としてマイナス改定でございましたので、十四年度の言わば診療報酬改定による歯科医療費の伸びにつきましては、一日当たり医療費で見ますと、改定前の比較で、診療報酬改定前との比較を見ますとマイナス三・四%ということで、大変全体としてはマイナスになっております。
  106. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 分かりました。  それで、今、医療費の増額分の計算についてはこれはいろいろな見方があって分かりにくいということですが、少なくともこの条件緩和をされて掛かり付け医の初診料の制度が幅広く歯科医の方々によって活用されるようになったということは確認できるわけでございます。  それで、これは場合によっては大臣か副大臣お答えいただきたいと思うんですが、今回の事件の全容解明については時間的にもう少々待たなきゃいけない問題ではありますけれども、仮にこの掛かり付け歯科医の制度が、特にこの条件緩和の部分ですけれども贈収賄工作の結果実現したということになった場合に、厚労省としてはこの条件緩和を決定したこと自体を再度ゼロベースから見直すのかどうか。それとも、事件は事件として、その二〇〇二年の決定自体の正当性は失われないという立場をお取りになるのか。これ大変難しい政治判断の問題だと私は思います。  というのは、決定されたことが必ずしも間違っていないということも言うことできるわけですが、その決定過程の中で今回の事件のようなまあ不正が行われたということが後々分かったときに、これどういう対応をされるのか、御答弁いただきたいと思います。
  107. 坂口力

    国務大臣坂口力君) これは、二年ごとにこれは見直しを行っているわけでございますから、もしそこが誤りであるということになれば、これは現在の段階でございますと、現在の中医協の中で審議をされて、そして見直しということに多分なるだろうというふうに思っております。  それは、二年ごとということになっておりますけれども、物によっては途中で行われることもあるわけでございますから、そこは中医協の中で、こういういろいろなことはあったけれども、このこと自体は間違いがなかったという中医協の結論になるのか、それともそこにクエスチョンマークが付くのかということは御議論を一遍いただかなければならないことというふうに思っている次第でございます。  全体の流れといたしましては、様々な背景があって、そして先ほど御指摘になりましたように、医師の側の初診料と、そして歯科医師の側の初診料との格差があるということが前提条件になって、そしていろいろの話合いが進んできた問題であることだけは間違いのない事実でございまして、そうしたことも含めて、その部分だけではなくて、全体としてこれがいいのかどうかということ、今後の問題としてこれを御議論をいただくことではないかというふうに思っております。
  108. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 もう大分時間がなくなってまいりましたので一言申し上げて終わりたいというふうに思いますけれども、今回の事件が国民の意識に対して与えた影響というのは誠に甚大であると私は思っております。  今年は年金改革が国会の最重要課題の一つになっているわけでありますけれども大臣御存じのとおり、今後は介護の問題、それから医療制度の抜本改革というものも控えておりまして、特にこの医療制度の問題に関しましては、医療ミスの問題であるとか、あるいはレセプト等の過剰請求の問題等が今までも指摘されている中で、今回のような診療報酬の改定にかかわる重大な不正問題が出てきますと、やはりこの社会保障システム全体への国民の不信が増大してしまうというふうに思うわけでございます。  私、以前小泉総理がこの医療改革の中でおっしゃっていた、最近聞きませんが、三方一両損という基本的な方針については支持をしておるわけでございますけれども、しかしこの今回の事件で一端が明らかになった本丸の部分のこの診療報酬決定過程、改定過程に非常に不透明な部分があって、そこが腐敗の温床になっているということでございますと、なかなか今後の改革への国民の理解も得にくくなってしまうというふうに思っております。  大臣、最後におっしゃったように、いろんな複雑な背景と事情とがある中で、正しいことを見極めて改革は進めていかなければならないと私も与党の一員として思うわけでございますけれども、今般の事件を厚労省として真摯に受け止めて、必要な諸改革を是非とも断行していただきたいということをお願い申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  109. 井上美代

    ○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。  日歯、日歯連問題、本当に深刻だというふうに思います。何としても、このようなことが起きない、そういう政治にしていかなければいけないと強く感じております。  逮捕された臼田会長は、二〇〇〇年四月、日本歯科医師会会長就任後、日歯連の会長も兼ねて厚生労働省への働き掛けを強めました。その一つ中央社会保険医療協議会だというふうに思います。先週の十五日に我が党の小池議員がこの当委員会で、逮捕された中医協下村容疑者そしてまた加藤容疑者がこの診療報酬改定内容について働き掛けたのは中医協の場以外にあったのかどうか調査を求め、大臣調査をすると答弁されましたけれども、現在この調査状況というのはどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。大臣、御答弁お願いいたします。
  110. 辻哲夫

    政府参考人辻哲夫君) まず、調査状況そのものでございますが、大臣の指示によりまして私どもの方で、この案件にかかわりました担当者に対しまして、金曜日及び昨日にわたりまして聞き取り調査を行っております。
  111. 井上美代

    ○井上美代君 本当に潤沢な資金が様々な工作に使われたという、この全貌が徐々にではありますけれども明らかになってきているというふうに思いますが、この事件の背景には、公益法人である歯科医師会と、そして政治団体である歯科医師の連盟という、これが一体となった資金集めがあるというように思います。これは日本医師会についても問題になっていることはもう皆様御存じのとおりでございます。  そして、厚生労働省はこの公益法人とそして政治団体の一体化の問題について今までどのような指導をやってこられたでしょうか、お尋ねをいたします。
  112. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 公益法人の活動と政治活動に関する団体の活動とは峻別が図られるべきであるとして、平成十三年、各都道府県に対し文書で、一つは、公益法人が政治団体の会費を特別会費の名目で法人の会費と一緒に徴収していた事例、公益法人の事務所が政党の入党申込書の送付先となっていた事例、公益法人の会費と政治団体の会費が同一の預金口座で管理されていた事例など、公益法人と政治団体の活動が一体であるかのような誤解を与える事例がある場合には改善指導を行うよう依頼いたしました。そして、日本医師会を始めとする所管の公益法人にも通知したところでございます。  その後も機会あるごとに日本医師会に対しましては、公益法人と政治団体との峻別を行うよう指導しております。
  113. 井上美代

    ○井上美代君 指導をやられたということですが、その後改善がされているかということなんですが、報告があったのはごく一部の県だけで、多くは報告もない状況だということです。その後も日医とか日歯の政治連盟との一体化は、もう本当に根強く残っているというふうに見ております。  今年二月の衆議院の予算委員会で我が党の佐々木憲昭議員がこの問題を取り上げました。資料を出しております。七枚ありますが、ちょっと慌てて作ったものですから順序のページ数を落としてしまっているんですね。だから分かりにくくなっていて本当に申し訳ないんですけれども、最初のところは四ページのところになります。四ページのところは、四ページといいますと四枚目ということです。埼玉県の埼葛の歯科医師会のこれは入会の手引には、年度会費として歯科医師会費とともに連盟の会費も並べて書いてありまして、そして、歯科医師会に入会したら連盟会費も同時に払わなければならないようになっています。  また、愛知県のも裏側にあるんですけれども愛知でも、愛知県の歯科医師会費、そして日本歯科医師会費、愛知県の歯科医師連盟会費、そして日本歯科医師連盟会費、そして県の歯科医師会費の口座で一括して集められているというようになっているわけです。非常に分かりにくいものですから、一括してと言っても分かりにくいので資料を出させていただいたわけなんです。  今年の二月の話ですけれども、この問題はその後改善されたのでしょうかということをお尋ねしたいと思います。
  114. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 佐々木議員からの御質問にもあったところでございますので、厚生労働省といたしましては、日本歯科医師会に対しまして様々な機会をとらえて必要な指導を行ってまいりました。  この事例は、それぞれの都道府県単位の団体なものですから、直接国の認可法人ではございません。したがいまして、三月の十五日に全国の関係主管課長会議厚生労働省で行われた折に、私どもの方から、先日の日本歯科医師政治連盟に対する政治資金規正法違反容疑での強制捜査を契機として、国会公益法人と政治団体の峻別の議論が行われ、その公益法人の入会の手続において政治団体の会費を年度の負担金として例示している事例、それから、政治団体の機関紙で支部については峻別は問われないとしている事例、それから、公益法人のファクスから政治団体の文書が送付された事例など、問題のある事例の指摘があったということをお伝えし、特に大臣から国会においても十三年度の指導を今後も徹底したいという発言があったということで、各都道府県に対しまして、このような公益法人と政治団体の活動が一体であるかのような誤解を与えることがないよう、所管の医師会歯科医師会、看護協会など、関係団体に指導をよろしくお願いしたいということを伝えたところでございます。
  115. 井上美代

    ○井上美代君 会議で伝えてくださいまして、そしてそれが改善されることを願っておりますが、なかなか大変な問題だというふうに思っております。  私は、調査の、今度は一枚目になるわけなんですけれども資料を出しております。  私の調査では、愛知はまだ一体となった徴収をしているということなんです。  資料としてお配りしたものを見ていただきたいんですが、一枚目には北海道のがあります。この北海道の歯科医師会が会員に送った領収書のこれはコピーなんです。歯科医師会費、十五年度の前期分が五万円と書いてあります。日本歯科医師政治連盟の会費は、十五年度分は三万三千円というふうに書いてあります。そして、北海道の歯科医師政治連盟会費、十五年度分一万円、その他国保料など、全部合計して十八万四千九百七十三円が北海道歯科医師会の発行した領収書で、会員にこれは送られてきたものなんです。  もう一枚、次のが今度は神戸なんですけど、神戸の医師会が会員に送ったこれも請求書です。医師連盟のこの請求書ですけれども、書式が全く同じものですが、一方は医師会費、もう一方は連盟会費の請求です。どちらも細かく見ていただきたいんですが、振込先は大和銀行神戸支店と神戸中央郵便局になっております。そのそれぞれに口座番号がありますけれども、その口座番号は同じです。そして、口座の名義はすべて社団法人神戸市医師会というようになっているというところがこの資料で見ることができるというふうに思います。この一体となった資金集めの問題、本当に根の深いものだというふうに思っております。  いろいろ通知も出したり、会議での指導もしていただいておりますけど、なかなか困難ですので、やはりこれは徹底した調査というのがまず必要ではないかというふうに私思っておりまして、そしてやっぱり指導をしていく。全国的にやっぱり、部分部分はこのようにして分かるんですけど、もっと全国的に調査してくだされば、もっと問題点がはっきりすると思うんですね。だから、そのようにはっきりしていかなければ、やはり国民の不信は深くなるばかりですので、何としてもこれは改善をしなければいけないというふうに思います。そういうことで、是非大臣答弁お願いしたいと思います。
  116. 坂口力

    国務大臣坂口力君) これ、調査いたします。調査いたしまして、改善するように努力いたします。
  117. 井上美代

    ○井上美代君 私は、いろんな資料を見てまいりましたけれども、やはり調査厚生労働省がきちんとしてくだされば、この問題はもっとはっきりしてくるんじゃないかなというふうに思っているところです。どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、私が質問したいのは、本日の私どもの赤旗新聞でも明らかにしましたけれども、昨年の十一月の八日付けの公明新聞に臼田会長坂口大臣の対談が載っているんです。これですけれども、何しろ日本歯科医師会からの広告として出ているものなんです。非常に、ちょっと見たところ分かりにくいんですけれども、これは大変大型の広告でありまして、数えてみたら十段にわたっております。公明新聞の広告料の料金表を聞きましたら、それは一段で十六万円ということでしたので、計算すれば百六十万円の広告料ではないかなというふうに思っています。  そして、これを聞いてきました担当者の話によりますと、歯科医師会の担当者がいろいろ対応されたようですけれども、うちは公明新聞とはお付き合いがありませんと、こういうふうに答えられて、一般紙にも出していない広告だということで、日本歯科医師連盟で扱ったのだと、こういうふうに言われたということなんです。歯科医師会の広告なのに歯科医師連盟から広告を出しているという、そういう内容になっているわけなんですね。やはり私はここにも、歯科医師会とそれから連盟の一体化というのがあるというふうに思うんですね。そういうことで、非常に歯科医師会と連盟の不透明な実態というのがここでも見られるのではないかなというふうに思います。  そこで、大臣にお尋ねしたいわけなんですけれども、どういう経過でこの対談をしたのかということと、また、対談料などをもらっておられるのだろうかということを御答弁願いたいと思います。
  118. 坂口力

    国務大臣坂口力君) これは、いい歯と言うんですかね、十一月八日はいい歯の日と言うんだそうです。それで、その十一月八日までに何とか対談をしてほしいという話があって、忙しい中でありましたけれども、対談をさせてもらったということでございます。  経緯は、私、よく存じません。これは公明新聞の方で企画をしたものでございまして、私はそこへ出たということでございますが、来てもらって出たんですから、私が何かをもらうというわけの筋合いのものではございません。  公明新聞がどういうふうに扱っているかということまで、私、存じておりません。
  119. 井上美代

    ○井上美代君 いずれにいたしましても、この一体化の問題というのは非常にやっぱり深刻だというふうに思うんですね。そういう意味で、やはり、不透明なこの状況はやっぱりただしていかなければいけないということだと思うんです。そうでなければ、やっぱり国民からの政治への信頼、そしてまた、こうした問題に対する信頼というのをやはり得ることはできないというふうに思います。  それで、次に私質問したいのは、資料も、日歯広報というのを随分私めくらしてもらったんですけれども、非常にやっぱり深刻な状況をいろいろと紹介したいと思いますけれども日本歯科医師会の広報紙が日歯広報というんですね。二〇〇二年の十一月十五日号に載った記事です。  十月に開かれました東北地区の歯科医師会の連合会の役員協議会の会議の中身がここに書いてあるわけなんです。これで私、これを見まして、これは深刻だなというふうに思いました。これはちょっと資料には入れてありません。宮城県の歯科医師会会長がいらっしゃって、その方が発言をしているんですけれども、社会法人であるために、言っていらっしゃるのは、社会法人であるため、いろいろな政治的な制約を受けている、社会法人の政策実現のためには連盟を結成せざるを得ないのが日本の法に定められているシステムだと、こういうふうに言っていらっしゃるんですね。  次が、社団法人と連盟のメンバーが同一でないとおかしい、退会を認めた日歯の、退会というのは会をやめる、を認めた日歯の対応には不満であると、こういうふうに言っておられるんですね。日歯に加入して連盟を脱会することを認めるのは問題だと、こういう趣旨の発言をして、こういった発言が堂々と、言ってみれば、日歯の会報ですか、広報に、日歯広報に載っているんですね。だから、そこにやっぱり大きな深刻さがあるなということをこの日歯広報を読みながら改めて考えさせられているところです。  厚労省が指導してもなかなか変わらないという状況が先ほどから言われているんですけれども、通達を出してくださったのも、私もいろいろ聞きまして、通達を、通知ですけれども、通知を出して、その後直接に指導もやっているということで、先ほどは会議でやっていることが言われましたけれども、その後でもこれほど深刻な中身が当然のようにして出てきているというところに私は非常に問題があるというふうに思うわけなんです。この点で、やはり厚労省とそれから公益法人の医師会、この在り方にしっかりと目を向けていくということが今やはり迫られているんだということを感じます。  その点で、厚労省が所管する公益法人は日医と日歯に限らずたくさんあるというふうに思うんですね。それで、厚生労働省局長や課長などの幹部がもう頻繁に訪問をしたりして指導しておられる公益法人というのがほかにもあるのかどうかということをお聞きしたいんですけれども、御答弁お願いしたいと思います。
  120. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 一般的に、行政を進めていく上では、どうしても関係団体の御理解を得、また御協力をいただくということが必須なものですから、私ども歯科医師会のみならず、様々な意見交換をして仕事は行っております。そういう意味では、関係諸団体にこちらから伺うということはよくあることでございまして、それ自体は、私ども必要な行為というように理解しております。
  121. 井上美代

    ○井上美代君 行っていろいろ指導するということは、ある意味では直接会って話ができるわけですから、指導ができるということも言えるかと思いますが、私は、またこれもいろいろと苦労しながら拾ってまいりました資料の五枚目ですけれども、やはりこれも日歯広報から拾いました。厚生労働省と日歯、日歯連の関係というのは、やはり私は大変に特異なものだなというふうに思うわけなんです。  五枚目の資料を見ていただきますと、二種類あるんですけれども一つは日歯、それから「臼田会長を訪問(来会)」というふうに中には書いてあるんですけれども、訪問した厚生労働省幹部の一覧というのを一つ拾いました。そして、それが二枚ありまして、そしてもう一つが「日歯臼田会長が訪問した厚生労働省幹部一覧」ということで、今度は臼田会長厚生労働省の方々を訪問しているというのがあります。  そこに三枚あるわけなんですけれども、それを見ていただくと、厚生労働省の幹部、局長審議官もいらっしゃいますし、課長はもう本当に頻繁に行っておられるのがそこで見て取ることができるというふうに思います。幹部が非常に頻繁に臼田会長と会っておられるというのがその資料の中から見ることができるというふうに思います。しかも、臼田会長を訪ねて厚生労働省の幹部の方が日本歯科医師会を訪問しているのはほんの少しなんですね。比べてほしいんですが、最初の二枚と三枚目の一枚と比べてほしいんですけれども、前の方はかなり訪問をされております。  何しろ、課長補佐以上でいいますと、二〇〇一年八月から十二月までで合計で十五回ですね。二〇〇二年では十六回、二〇〇三年には二十回という数字なんです。三年弱で合計で五十回訪問をしておられるというのがあります。私はこれを見て実は驚いたわけなんです。もちろん、今幹部だけを申し上げましたけれども、臼田会長以外の日歯連の幹部を含めるともっとたくさんになるんですね。だけれども、余り膨大になってもということでこの程度にしているわけなんですけれども。  これに対して、同じ時期に臼田会長厚生労働省への訪問というのは、二〇〇一年に一回、二〇〇二年に二回、二〇〇三年に五回で、合計で八回なんですね。だから、言ってみれば厚生労働省側が日歯や日歯連に本当に頻繁に足を運んでおられるということになるわけなんです。これだけ頻繁に自分の監督対象である公益法人に訪問をしている、こういう状況大臣はどうお思いになるのだろうかと私はこの資料を見ながら思いました。大臣の御答弁お願いしたいと思います。
  122. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 厚生労働省に各種団体の代表皆さん方がお見えになることはたくさんありまして、私も体の許します限りお会いをするということにいたしております。そのときには局長なり課長なりが同席をするということにいたしております。  このペーパーをいただいたということで早速私ちょっと調べさせましたが、これは二〇〇三年の十二月の十九日に何か私が訪問したことになっておりますけれども、この時間、私は閣議後の記者会見をしているそうでございますので、これは何かの誤りではないかと思います。  それから、細かくは覚えておりませんけれども、臼田会長大臣室を訪問されたことは確かにございますし、それを言い出しましたら、医師会長はもっとお見えになっているんではないかというふうに思いますけれども、お見えになって、ごあいさつをして帰られるということもしばしばでございますから、そうしたことはあり得るというふうに思っております。
  123. 井上美代

    ○井上美代君 これが当たり前だということであれば、これもまた深刻な問題じゃないかと思うんです。  私は、局長にお目に掛かりたかったり大臣にお目に掛かりたかったりするわけです。お願いを申し上げてお目に掛かったりするんですけれども、もうこの間から局長、ある局長さんが何回言っても会ってくれないんですね。もう本当に困ったなと。あなた一人来ればいいとおっしゃるんですけれども、やっぱり団体の人も会いたいと言っておりますので御一緒に会わせてください、そしてお願いを聞いてください、聞いてくださるだけでいいんですからと申し上げるんですけれども、これはなかなか会ってくださらないで、ついに、日にちはもう五日間ぐらいはずっと、もう朝から晩までのどこかにちょっと入れてくださいと申し上げたんですけれども、ついに会われない局長さんもいらっしゃるんですね。  だから、そういう私の常識からすれば、これは大変なことだなというふうに思いましたし、また、言葉としては余り良くないけれども、何かまるで、言ってみれば公益法人なのに、もう本当に、まるでやっぱり御用聞きに行っているという、そんな感じを私は直観的に持ったんですね。  だから、そういう意味で、私はどうしても、こういう行っていることが非常に頻繁にある、課長さんなんかすごいですけれども、だから、意思が伝わるようにするというのもやっぱり程度物だというふうに思うんです。だから、そういうところにも注意しながらやっぱりやっていくということなしに今日の状況というのは改善できないんじゃないかなと私は思っております。  私は、国民の目から見たら本当にこれは、これを、もし資料国民皆さんに見せたら、私は、これほど頻繁にやはり厚生労働省の幹部が監督下にあるところになぜ行くんだろうというふうに思うと思うんですよ。一体何がそこで話し合われたのだろうかという、そういう疑惑も出てくると思うんです。そうした中で今日のような問題が起きてきましたら、一体何が話し合われたのか、行政がゆがめられるようなことになっているのではないかと非常にやっぱり心配をするというふうに思うんですね。  だから、やはり非常に緊張した気持ちで、そして、やはりそういうふうにならないように、なっているかどうかということを私は先ほども調査を是非お願いということを申し上げましたけれども、こうした問題についても、ちょっと、言ってみれば広報を丹念に、粘りが要りますけれども、拾ってみればかなりはっきりしてくるんですね。だから、是非、調査をこの件についてもお願いをしたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  124. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 先生の資料を拝見いたしまして、私ども歯科保健課長が多分一番多く訪れていると思います。歯科保健行政、名前のとおり、仕事を遂行する上では歯科医師会の協力が得られない限り何もできないと私は思っております。  したがいまして、かかる意見交換を、あるいは仕事を行う上での様々な意見交換をしていくということは必要だと思っておりますので、こういうことで何らかの行政がゆがめられたということは私は決してないと思っておりますので、そういう点は御理解いただきたいというふうに思っております。
  125. 井上美代

    ○井上美代君 そういうことでは、何も起きないようにおっしゃるんですけれども、私、やはり国民には平等でなきゃいけないと思うんですよね。  だから、会う人にはやっぱり会わなきゃいけないときもそれはありますよ。しかしながら、これはもう異常としか言いようがない。私さえも、いろんな人にお会いできないこと一杯あるんですよ。だから、そういうことも考えますときに、やはり私は、これは異常だと思うんです。  先ほど、大臣の間違っているのもあったようですけれども、これは向こうの新聞から正確に取っておりますので、やはり向こうの広報が間違っているというふうに思いますけれども、何としても、これ広報で発表している中身ですので、私は、もうちょっと緊張感を持ってやってほしい。  それはどうしてかと、私、また強調したいわけなんですけれども、更に心配なことがあるんですね。それは接待の問題なんです、接待。  これも、飲み食いするのは、会えば飲むよ、会えば食べるよというふうに言われればもうそれまでですけれども、やはり接待の問題というのは、これもまた深刻だと思うんです。臼田氏の接待攻勢というのは、もう本当に、金額的にも大きく手口も巧妙であったということが一般に言われているわけなんですけれども、私は、報道の新聞を読んで、もちろんこれが事実だというふうには思いませんけれども、報道では、臼田会長就任後、日歯連の飲食代と食事代はそれ以前の三割から四割も増えたということが報道されているんですね。日歯連から厚生労働省の幹部が接待を受けていなかったかどうかというのもやはり心配になるわけなんです。だから、本当にいい人たちが厚生労働行政やってくださっておりますので、そういう点からも、やはりそういう接待に負けたりしないで公明正大に、不透明な政治にならないようにやっていかなきゃいけないというふうに思います。  これについては大臣の御答弁お願いいたします。
  126. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 二〇〇四年の医療制度改正におきましては、御存じのとおり、一・三%の引下げ、全体としては、薬代も含めますと二・七%の引下げを行いまして、これは医師会歯科医師会から大変なおしかりを受けた改正でございました。したがいまして、やるべきところは毅然として行うということが大事でございまして、この委員会におきましても、かなりそうしたことに対してもおしかりを受けたこともございましたけれども、私は、それはそれとしてやり通させていただきました。  そうしたことございますので、職員の方も毅然としてやらなきゃいけないわけでございますから、いろいろ打合せはすることはあったといたしましても、それは理解を得るということで、理解を得るということにこれは一生懸命にならなきゃならないわけでありまして、各種団体に、その意のままになるということでは決してあってはならないというふうに私も思っている次第でございます。
  127. 井上美代

    ○井上美代君 今、私は非常に事実を挙げまして心配なことを申し上げました。決して私はそういうことにならないように緊張が要るというふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  今回の事件では政治家の名前も挙がっております。日歯連の政治家への言ってみれば資金提供です。これは、二〇〇〇年から二〇〇二年の三年間で与党を中心に二十二億に上っています。臼田会長の日歯がこの間力を注いできた課題というのがありますけれども、先ほども出ておりました歯科診療報酬の問題が一つありますし、歯科医師の人数をめぐる需給問題などと並んで、八〇二〇推進財団というのの認可の問題がありました。  八〇二〇というのは、もう皆様御存じのとおり、八十歳になっても二十本の歯を残す運動のことだということです。この八〇二〇の推進財団の設立に関しては、日歯広報によりますと、二〇〇二年十月に中国地区の歯科医師会役員連絡協議会が開かれた際に副会長の永冨稔氏は次のように述べております。人脈と信頼関係に基づく行動により医師会との関係が円滑化し、協力関係が緊密になった、御承知の身体障害者の診断書の件も医師会の了承が得られたゆえである、同様に遅れていた八〇二〇推進財団の認可、不満は残るが点数改定による影響を最小限にとどめることができたことも、関係省庁、職員等に対する行動の結果であると、こういうふうに発言されているんですね。  八〇二〇推進財団の認可に関しては、国会議員から厚生労働省にどのような働き掛けがあったのかということをお聞きしたいと思います。
  128. 森英介

    ○副大臣(森英介君) 財団法人八〇二〇推進財団は、今更申し上げるまでもなく、八十歳になっても自分の歯を二十本以上保つことを目標とした国民健康作り運動である八〇二〇運動に寄与することを目的として平成十二年十一月一日に設立されたものでございます。この当該財団の設立に関して国会議員から何らかの働き掛けがあったことを示す記録は残されておりません。
  129. 井上美代

    ○井上美代君 今、私が永冨さんの言葉を間違えたようで、秘書さんがせっかちにやってまいりました。関係省庁、議員等に対する行動の結果であったということで、訂正させていただきます。  何しろ、この八〇二〇の推進財団の認可というのは、二〇〇〇年の十二月の一日に認可が下りているんですね。それは間違いないでしょうか。
  130. 岩尾總一郎

    政府参考人岩尾總一郎君) 間違いございません。  ちなみに、ハチマルニイマルと読んでいただけると有り難いと思います。
  131. 井上美代

    ○井上美代君 どうも失礼をいたしました。間違えたようです。  それで、この二〇〇〇年の十二月の一日の財団の認可直前、十一月の九日なんですけれども、参議院の国民福祉委員会で自民党の大島慶久議員が、当時の津島厚生大臣にこの財団の設立を促す質問をしておられます。  そこで聞きますけれども、大島議員は自由民主党愛知県参議院比例区第六十五支部の支部長を務めておられますけれども、この政党支部に対する日歯連の献金について、二〇〇〇年から二〇〇二年までの状況を日歯連の政治資金収支報告書に基づいて答弁お願いしたいと思います。
  132. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。  日本歯科医師連盟の二〇〇〇年から二〇〇二年までの収支報告書の記載について確認いたしましたところ、自由民主党愛知県参議院比例区第六十五支部に対し、二〇〇一年に政治活動費として寄附金一千万円を支出した旨の記載があるところでございます。なお、二〇〇〇年及び二〇〇二年分の収支報告書には、自由民主党愛知県参議院比例区第六十五支部に対し政治活動費として寄附金を支出した旨の記載はないところでございます。
  133. 井上美代

    ○井上美代君 今御答弁がありましたように、二〇〇一年だけが突出して増えていることがはっきりいたします。質問からわずか二十二日で認可が下りる、そして次の年の二〇〇一年三月には一千万円という大金が提供されているわけです。そして認可が下りている、その御褒美ももらっているということが言ってみれば想像できるということなんですね。だから、非常にやはり仕組みというのは複雑で深刻ですので、そういう点でも是非、私たちがこうした集中審議もやりながら政治をよくしていくということで努力をしていかなければいけないんじゃないだろうかと思っております。  以上で質問を終わります。
  134. 西川きよし

    西川きよし君 西川でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  今日は、午前中から衆議院の方、そして参議院の先生方の御質問をお伺いいたしまして、六問用意をさせていただきましたが、ほとんど質問が出ましたので、自分なりにいろいろと整理をしてお伺いしたいと思います。  本当に揺りかごから墓場までという大変な、省庁再編以後も厚生労働省大変でございまして、せんだっては坂口厚生大臣も早く自由になりたい、楽になりたいとおっしゃっておられましたが、こんなに次から次にいろんなことが起きまして、本当に御苦労さんでございます。  僕はずっとこの十八年間、無所属を通してこさせていただいたんですけれども、本当に厚生労働省、最初にお世話になりました法務省、大変感謝をいたしております。僕ら一人で何もできるわけではありませんが、政府の方々にお願いをいたしまして、いろんなことを御理解していただいて全国の方々に喜んでいただいているということは本当に有り難いことだなと思います。  先ほど来、話に出ておりました八〇二〇運動、こんなことも全国的にいろいろPRをさせていただいております。八十歳になって二十本歯が残る、よくかみ砕いて、そして内臓に負担を掛けずに栄養が吸収できるという、つまり八十年代にふさわしいことではないかなというふうに思います。そして、大臣が先ほどおっしゃいました十一月の八日、いい歯、そして六月の四日の虫歯予防デー、僕ももう四十年近くこういったイベントには寄せていただいて、お年寄りの皆さん方の入れ歯の手入れなども御一緒にお手伝いをさせていただいたりいたしておりますが、大変いいことだなと思います。  我が家も三人親がおりまして、みんな入れ歯でお世話になっております。時々、笑い事ではないんですが、朝洗面所へ参りますと三人分の入れ歯がこっち向けて置いてあったりすると、それはそれは寝不足でもびっくりして目が覚めるような状態です。我が家はそうですけれども、まあこれから行く道だなと。しっかり、時々家内の母親などは廊下に入れ歯を落としているようなときがありますが、年を取りたくないな、でも、年を取っても元気で、そんないろいろいいことをたくさんなさっているわけですけれども、そういった中で、表舞台では、今回は表舞台では対立しながら裏では癒着し賄賂の授受まで行っていた、こういうふうな報道を目にしますと、本当にいつもお願いをしております省庁のことをこういうふうに表現されるとやっぱり寂しいですね。  大臣も、先日来、御答弁の中で、公開をされているのでと。いろいろ我々は、公開、透明、そういうふうな御答弁をいただいたときには本当に安心しうれしく思うんです。本当に一市民、一有権者の立場からそういうふうに心底お喜びを感じるわけですけれども、それがすべてだと一億二千約七百万人の方々がそういうふうに思っていらっしゃるかというと、これは大変難しいことだと思います。  公開審議は、それぞれ代表する団体の主張を述べ合うだけの、結果的には建前の議論ではないかなというふうに、実際のところ裏で交渉があるのかなというふうにこういう記事を見たら思うわけですけれども、今回のようなことがありますと、その不信感をなお一層全国の方々が強くお思いになるのではないかなというふうに思います。  しかし、こうした現実に本当に真っ向から取り組まなければいけない。そういった意味では、坂口厚生労働大臣には、まだお辞めになるまでにこういったことを、そして今まで積み残しているようなことをもっともっと頑張っていただきたいというふうに思います。まず一問目で御答弁をいただこうというふうに思っておりましたけれども、御答弁は結構でございます。  そして次に、たくさんの先生方が御質問なさいましたので、五問目の方に移りたいと思います。  診療報酬体系についてお伺いをしたいと思います。  昨年の医療制度改革基本方針の中でございますが、評価にかかわる基準、そして尺度の明確化を図りまして、そして国民に分かりやすい体系をすると、このように言っておられました。そして、基本的な方向も示されておりました。  今日お伺いしたいのは、その背景とこれまでの作業ですね、そしてまた、この改革について今回の改定よりその都度実施をされていくというふうな内容でございましたが、是非本日、御答弁をちょうだいしたいと思います。
  135. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 具体的な問題で答弁が必要でございましたら事務局の方からまたさせますけれども、現在のこの診療報酬体系といいますのは、この現在の体系ですね、現在の体系はもう四十年これ続いてきたわけでございます。非常に長い間続いてまいりました。初めは一つの尺度が明確になっていて、そしてそれに積み重ねられてきたんだというふうに思いますけれども、やっぱり四十年たちますと初めの姿形というのが全く分からなくなってしまいまして、非常に複雑怪奇な診療報酬の中身になっております。  ここは少し見直しをさせていただいて、もう一度現在にマッチした尺度を基にして、それも四つか五つ、分かりやすい物差しで、そしてすべての診療報酬の点数を明確にさせていただいて、そして患者の皆さん方にも説明したら御理解のいただけるようにしなければいけない。そして、今日も出ておりますように、大きな電話帳のような厚いものではなくて、もう少し薄くて分かりやすいものにやはり改革をしていかなければならないというふうに思っているわけでございます。  これはもう以前にも申し上げましたけれども、適正な評価の尺度としまして難易度、難しいやすいの難易度、それから時間、技術力、こうしたものを踏まえた評価を行いたいというふうに思っておりますし、それから重症化予防、何か重くなってしまって、そしてそれで保険点数高く付いてというようなのは、これは早いうちに手を打つということに対する指導、ここの重視というものをしていかなきゃならない、生活指導とか重症化防止というところを重視をしたいというふうに思っている次第でございます。  それから、入院医療についての疾病の特性やとか重症度、あるいは看護の必要度に応じたいわゆる包括評価。胃潰瘍ならばもう胃潰瘍はこれだけの点数という、いわゆる丸めの点数を病院等にはできるだけ採用をさせていただくということも拡大をしたいというふうに思っているところでございます。  もう一つは、これ一番大事なところでございますが、患者の視点から情報提供でありますとか患者の選択を重視した見直し。患者の皆さん方にも、私はこういうふうな治療方法でやってほしいということの選択がしていただけるような体制をここに導入をして、できる限りやはり情報提供をできる体制を作り上げなければいけないというふうに思っている次第でございます。  現在、各方面からの意見の聞き取り等をやっておりまして、そしてこの診療報酬調査専門組織というのを作りまして、ここで議論をしていただいているということでございます。できるだけ早くこれをまとめさせていただいて、国会におきましても御議論をいただきたいというふうに思っているところでございます。  是非、できれば今年一杯ぐらいなところでまとめるべきものはまとめて、来年国会の中でもいろいろ御議論をいただいて、来年法案として出せればいいですけれども、出せなければ明後年ですね、十八年には遅くとも出せるというような体制に持っていきたいというので努力をいたしているところでございます。
  136. 西川きよし

    西川きよし君 御丁寧に御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。  大臣の御答弁にもございました。再三、この診療報酬ですね、診療報酬制度についてだれが見ても分かりやすい制度に改めていく。今おっしゃいました電話帳、そんな分厚いものではなしにもっと薄いもので分かりやすく、やはり思いますには、客観性のある診療報酬の設定にしなければならないというふうに思います。  今回のことで招いた患者そして国民の不信感を回復させるために、この制度の改革がより厳しく求められているというふうにも思います。これに対してひとつ御答弁をいただきますのと、全部全部大臣になってしまって申し訳ございません。  ある新聞によりますと、今朝もお伺いしておりましたんですが、審議会だとかそして協議会だとか、そういったときに途中で一時間ないし二時間中断される、どうしたものかなというふうに思いますと、二時間ほど時間がたちますと、再度審議なり協議が始まりますと、ちょうどいい具合に折り合いが付いていて議事が進行するというような報道もお話もお伺いをいたします。  本当に日々、全国の皆さん方は朝早くから遅くまでみんな一生懸命まじめに頑張っております。そういった心を受け継いで我々は、ここで本当に十も百も千もいつもお願いすることばっかりですけれども、最後に、あと二分ばかしでございますけれども、再度、今の診療報酬の客観性、分かりやすい、そして今回これだけの不信を招いたということもトータル含めまして、大臣の御答弁をいただきまして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
  137. 坂口力

    国務大臣坂口力君) 確かに診療報酬というのは非常に専門性の高いものでありますだけに、これは分かりにくいというのはもう御指摘をいただくとおりだろうというふうに思っております。分かりにくいものであるがゆえに、やはりできるだけ分かりやすくするという努力が必要ではないかというふうに思っております。  そうした意味で、より分かりやすい診療報酬内容を作り上げなければならないというふうに思いますし、それから、その診療報酬を決めますところの中医協の在り方につきましてもこれは議論を重ねなければならない。こうしたことが起こりましたときでありますから、ひとつしっかりと見直しを行うべきところは見直しを行って、そして将来国民皆さん方から信頼をかち得るような内容にしていかなければならないというふうに思っております。その信頼されるような内容にしますためには、この中医協の組織もそうでございますし、そこで議論をしていただきます手順といったこともこれは大事だというふうに思います。  いずれにいたしましても、診療側とそして今度はそれを支払側と、双方が常に相対立するこれは審議会でございますので、そこで対立を常に繰り返しているというのでは物事が決まらないわけでございますから、お互いの立場を踏まえながら、譲るべきところは譲っていただいて、そして国民のために一番ためになる医療とは何かということを中心に考えていただかなければならないというふうに思っている次第でございます。  そうしたことを私は、大筋におきましては大変会長以下皆さん御努力をいただいているというふうに評価をしてきたところでございますが、それだけに、今回のこういう事件が明るみに出てまいりまして大変残念に思っている次第でございまして、こうしたことが再び起こらないようにするためにどうあるべきか、真剣に考えて、この国会における御議論もよく承りたいと考えているところでございます。
  138. 西川きよし

    西川きよし君 あと四十秒ほど残っておりますので、済みません。ありがとうございました。  大臣、本当にお疲れですが、私はこの夏で卒業させていただきますが、どうぞ、内閣も改造があるというような報道もされておりますが、引き続き大臣には厚生労働大臣をやっていただきたいなというふうに一市民として思います。  終わらせていただきます。ありがとうございました。
  139. 国井正幸

    委員長国井正幸君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時散会