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2004-05-25 第159回国会 参議院 環境委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年五月二十五日(火曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月二十日     辞任         補欠選任      小林  元君     佐藤 泰介君      山根 隆治君     福山 哲郎君      渡辺 孝男君     風間  昶君  五月二十一日     辞任         補欠選任      佐藤 泰介君     小林  元君      風間  昶君     渡辺 孝男君  五月二十四日     辞任         補欠選任      渡辺 孝男君     高野 博師君      岩佐 恵美君     畑野 君枝君  五月二十五日     辞任         補欠選任      木俣 佳丈君     榛葉賀津也君      福山 哲郎君     岩本  司君      高野 博師君     渡辺 孝男君      山下 栄一君     千葉 国男君      畑野 君枝君     岩佐 恵美君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長谷川 清君     理 事                 愛知 治郎君                 小泉 顕雄君                 清水嘉与子君                 海野  徹君             ツルネン マルテイ君     委 員                 大島 慶久君                 山東 昭子君                 田中 直紀君                 真鍋 賢二君                 岩本  司君                 小林  元君                 榛葉賀津也君                 加藤 修一君                 千葉 国男君                 山下 栄一君                 渡辺 孝男君                 岩佐 恵美君                 高橋紀世子君    国務大臣        環境大臣     小池百合子君    副大臣        環境大臣    加藤 修一君    大臣政務官        環境大臣政務官  砂田 圭佑君    事務局側        常任委員会専門        員        大場 敏彦君    政府参考人        総務省行政評価        局長       田村 政志君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        長        田中壮一郎君        経済産業省商務        情報政策局長   豊田 正和君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    南川 秀樹君        環境省総合環境        政策局長     松本 省藏君        環境省地球環境        局長       小島 敏郎君        環境省自然環境        局長       小野寺 浩君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境情報提供促進等による特定事業者等の  環境配慮した事業活動促進に関する法律案  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 長谷川清

    委員長長谷川清君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、山根隆治君が委員辞任され、その補欠として福山哲郎君が選任されました。  また、本日、福山哲郎君及び木俣佳丈君が委員辞任され、その補欠として岩本司君及び榛葉賀津也君が選任されました。     ─────────────
  3. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境情報提供促進等による特定事業者等環境配慮した事業活動促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省行政評価局長田村政志君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 環境情報提供促進等による特定事業者等環境配慮した事業活動促進に関する法律案議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 よろしくお願いいたします。自民党の小泉でございます。  今国会も残すところわずかとなってきたわけですけれども、もう恐らくこの参議院の環境委員会審議をする法案もこれで最後になるのかなというふうに思っています。あとは選挙が待つばかりということでありますけれども、私、三年前に当選をさせていただいて国会に送っていただきまして、ずっと一貫して環境委員会に籍を置かせていただきまして、かねてから環境問題につきましては非常に強い関心を持っておりましたし、今日本が取り組むべき最大の課題一つであるという認識も持っておりまして、大変三年間有意義な仕事ができたなというようなことを今思っておるところであります。これからもなお環境問題に深くこだわり、かかわりながら議員活動を続けていきたいというふうに思っております。環境族というような言葉があるのかどうか知りませんけれども、もしあるとすれば、私は、私のそれは誇りとしたいというような決意でもおります。(発言する者あり)ありがとうございます。  今、議題となっておりますこの法律でありますけれども環境報告書普及、既に多くの企業がこういうものを出しておられるわけでありますけれども、更に報告書普及をさせる、そしてその報告書信頼性というものを高めるということで、環境への配慮ということを、多様な主体が配慮をすることによって環境経済の好循環を実現をしていこうという背景があるわけでありますけれども、言うまでもなく、環境報告書というものについての社会的なニーズというものは非常に高まっているんだろうと思うわけでありますが、既に衆議院では大変丁寧な質疑が行われたわけでありますけれども、繰り返しになってしまうようで恐縮でありますけれども、まずこの法案提出に至る背景といいましょうか、あるいは社会的な要請というものについて環境大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  7. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) この国会におきまして、五つの重要な法案環境委員会皆様方の大変な御協力によりまして今日のこの午後の審議をもって五つ法案がすべて無事に成立の見通しとなったところでございますので、そのお礼の意味も込めて気合を入れた答弁をさせていただこうと思っている次第でございます。  冒頭に、私、環境経済統合を図る、統合を実現するということが私の大きなミッションの一つであるということは以前申し述べさせていただきましたけれども、そのためには事業者の自主的な環境配慮取組を一層進めるということは重要なポイントとなってくるわけでございます。既に我が国の事業者、これまでも、例えばISOの14001を取りましてもその認証の取得件数は世界一となっておりまして、その積極的な環境配慮というのは世界に既に冠たるものがあるというふうには思っております。  しかしながら、今回のこの法案事業者と様々な関係者との間の重要なコミュニケーション手段にあります環境報告書、これの普及を更に促進をするということ、そしてまたその信頼性向上のための制度的な枠組み整備していくこと、また事業者の積極的な環境配慮取組、これらが総合的に相まって、社会そしてマーケットから適切に評価される、さらにそれがその次の発展を促すというような条件整備を行っていきたいということが今回のこの法案の大目的でございます。また、こうした措置を取ることによって事業者皆様方が自主的に積極的に取組を進めていただける、そして環境配慮した事業活動経済全体の中に組み込まれていくということで、冒頭に申し上げました環境経済統合が一層前進をするものと、このように期待をするところでございます。  正に環境立国づくりの第一歩ととらえてこの法案に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  8. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。  国民一人一人が環境への配慮というものを意識した生活というものを進めるということが大切なわけで、そういうことの一つ誘導策としてこういう環境報告書というものが積極的に活用できるように私も切に念じております。  この法案の中に、まず第三条関係でありますが、国は自らの環境配慮状況公表するということが一つ義務として課されるようになるわけでありますけれども、既に低公害車公用車への導入等々、いろいろ国においては環境配慮をした取組あるいは事業というものを進めてきていただいているというふうに理解をしておるわけでありますけれども、具体的なこれまでの取組につきまして御紹介をいただきたいと思います。
  9. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 政府全体の環境保全に関する基本的な計画であります環境基本計画、この環境基本計画の中で、政府、各府省は、自らの活動環境配慮を適切に織り込んでいくという観点から、自主的に環境配慮方針を策定するということになっているわけでございます。  この環境基本計画方針に基づきまして、現在、私ども環境省を始めといたしまして、十一の府省環境配慮方針をそれぞれ定めているという状況にございます。この環境配慮方針に基づきまして、現在、環境省、私どもなど四省庁が独自の判断で、環境配慮にどう取り組んでいるのか、またその取り組んだ結果がどうだったのか、環境配慮等状況についてインターネットなどを通じて公表している、四省庁公表しているという状況にございます。  今回の法案は、この法案に基づいてすべての府省環境配慮状況公表義務付けるということになるわけでございまして、これによりまして各府省環境配慮取組が一層促進されるということが期待されるわけでございます。
  10. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 これまでの具体的な事例をもう少し御紹介をいただけたら有り難かったかなというふうに思ったりもいたしますが。  例えば、会館におりましても、あるいはこの院の方に参りましても、果たして今、ここは必要な電気がついておるわけですけれども、こんなところに電気がついているがこんなところ必要なのかなと思ったりするようなことが多々ありまして、それは一方では議員それぞれがもう少しその辺に細かな配慮をしなければならない面もあるわけですけれども、こういう建物、あるいは会館でもそうですけれども、もう少し細かな配慮をしながら、省エネルギーとかいったことに我々自身ももう少し敏感でなければならぬなというようなことをつくづく私は思っております。  これも第三条の関係でありますけれども、国及び地方公共団体は、環境配慮した事業活動促進のための施策推進するに当たっては、特に中小企業者事務負担その他の事情配慮しつつという条項があります。  私もこれまで幾つかの環境報告書というものを拝見をいたしました。いずれも大企業が出しておられるもので、本当にすばらしいものができておるわけですけれども、このようなものを同じような形で中小企業者方々に求めるということは大変これは無理が多いところでありますけれども中小企業者に対する配慮という表現がありますが、その具体的な内容についてはどのような見解を持っておられるのか、お示しをいただきたいと思います。
  11. 砂田圭佑

    大臣政務官砂田圭佑君) 中小企業についても環境情報提供を行うことが大変望ましいことであります。環境報告書公表を行うこととした場合の事務負担等の大企業と同列に論ずることができない事情については適切に配慮をしなければならない、かように考えているところでございます。  こうしたことから、本法案では、国及び地方公共団体施策推進に当たり中小企業配慮をすることについては規定をしているところであります。具体的には、環境省においては、中小企業向けの簡易な環境配慮のツールであるエコアクション21を策定をし、その普及を図っているところであります。こうした施策推進中小企業に対する配慮に該当するものではないかというふうに考えているところでございます。
  12. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 先ほども言いましたように、なかなか大企業と、あるいは国や地方公共団体と、あるいは特定事業者と同じような取組中小企業者方々に求めるというのは、先生も何か経営者のお一人であったようでありますけれども、無理があるわけでありまして、むしろ環境配慮の、中小企業者方々環境への配慮をした取組が進められるように積極的に応援をしてあげていただきたいというふうに思います。  また、この法律では国民にも一つ課題を投げ掛けておるわけでありますけれども投資その他の行為をするに当たって環境情報勘案するように努めるという表現がありますが、ここで言います「投資その他の行為」という「その他」というのは一体具体的にどのようなことを指すのか、お教えをいただきたいと思います。
  13. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 第五条におきまして、「国民は、投資その他の行為をするに当たっては、環境情報勘案してこれを行うように努める」と、こういう規定がございます。  「投資その他の行為」の「その他の行為」でございますが、これはもう少し具体的に申しますと、製品購入あるいはサービス利用、こういうような経済上の様々な取引、こういうものを念頭に入れておる、こういうことでございます。この規定趣旨は、投資のほかに、今申しましたような製品購入あるいはサービス利用といった様々な場面で、事業者とか製品環境情報国民の一人一人が勘案をしながら判断を行うようになることが期待をされているということでございます。  こうした国民取組が広がっていくことによりまして、事業者の積極的な環境配慮取組が市場とか社会の中で高く評価をされ、その発展につながるということになると、そういうことで、環境配慮した事業活動が全体として経済の中に組み込まれていくということになるというふうに考えているところでございます。
  14. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。  いずれにしても、国民一人一人がその日常の生活を進める中でそういう情報をしっかりとらまえて、環境配慮ということを勘案をした行動を取っていくということになれば、いわゆる環境への配慮をした商品というものの売行きも伸びていくわけでありまして、またそれが経済界に対して非常に良い刺激となって、本当に良い循環というものが生まれていく出発点にもなるわけであります。国民一人一人に対する啓蒙ということは非常に大切なことだというふうに思います。  私はかねてから環境教育というものの重要性について何度もお話をさせていただいてまいりました。特に、副大臣からは環境教育重要性について毎回力強い御答弁をいただいておりまして、私は本当に感激をしておるわけでありますけれども、今言いましたように、国民がそういう環境配慮した製品を積極的に活用していくという、そういうライフスタイルを確立していくために、本当に環境教育というものはひときわ私は大切に今なってくるというふうに思うわけでありますけれども、何度も何度もお聞きをして恐縮な感じもしますけれども、そういうような観点から、環境教育推進についての副大臣の御見解をお伺いできれば有り難いと思います。
  15. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 小泉委員からは数回にわたりまして環境教育関係、いろいろな視点から質疑がありまして、そういった意味では非常に環境教育に熱心に取り組んでいるということで心から敬意を表したいと思います。  種々の取引に当たりまして環境情報勘案国民の間に広がるためには、やはりそれなりの対応を考えなければならないわけでありますけれども、今回の法律案の中では環境報告書等情報が広く分かりやすい形で提供されることが必要である、そういったことが大きなポイントになっているわけでありますけれども、このため、国民による環境情報利用促進するためには国が必要な措置を講ずることとしておりまして、環境省としては、環境報告書の収集、整理、あるいはその閲覧の業務を行う民間団体についての情報提供、それから環境報告書データベース整備推進を行っていくと。それから、環境報告書に関する専門家の育成についても支援を行っていかなければいけない。さらに、環境ラベル制度に関する情報提供等措置を講じてまいりたいと、このように考えているところでございます。  また、持続可能な社会の構築のためには、今、委員が指摘されたように、国民一人一人が自らの問題として環境問題をとらえて環境保全活動に取り組むことが極めて重要でありますし、その基礎となる環境教育推進が不可欠であると、このように認識しているわけでございます。  先ほど大臣から環境経済統合という話がございましたが、その統合の中には三つの柱といいますか、方向性というのが言われておりまして、そのうちの一つはやはり意識の革新ということでございますので、これは正に環境教育にかかわる部分でございます。そういったものがやはり環境経済統合ということの大きな支えになっていかなければいけないというふうに考えているわけでございますし、また昨年の七月に成立いたしました環境保全活動環境教育推進法、これをも踏まえまして、更なる環境教育施策推進を図っていきたいと、このように考えてございます。  また、最後に付け加えて、環境大臣会議におきましても、環境教育、とりわけエコスクール等を含めましてしっかりとやっていかなければいけないという、そういう申合せをしているところでございますし、またそれは行政府に限らず立法府、それから司法府、余り今まで国会の中で議論がされなかったような経緯もあるかもしれませんが、やはり先ほど小泉委員が我々自身も何らか敏感になっていかなければいけないという、そういうお話がありましたように、立法府あるいは司法府におきましてもこの法律における義務が掛かる話でございますし、その副大臣会議の中でも申合せをした結果、議院運営委員長、衆参の、に申入れをいたしましたし、あるいは司法府に対しましても、総務局長環境教育関係につきまして積極的な配慮をお願いすると、そういった経緯もございますので、この辺についても御理解をいただきたいと、このように思います。  ありがとうございます。
  16. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 どうもありがとうございました。  私も一生懸命頑張りますので、環境教育推進のためになお一層の御尽力をいただきたいと思います。  しかし、子供たち感性といいましょうか、そういったものを育てていくというのはどちらかというとやりやすいと思うんですが、社会教育といいましょうか、大人の方々の心のありようというもの、あるいは感性というものを変えていくというのはなかなか困難がありまして、我々のような年代の者に環境への配慮をした生活ライフスタイルというものを求められてもなかなかぴんとこないような面があります。そこに私は社会教育の非常に難しいところがあると思います。大きなある意味ではハードルがあるのかもしれませんけれども、しかし、これはとにかく地球のための取組でありますので、環境教育についてはなお一層御尽力をいただきたいというふうに思います。  それで、次に環境報告書の中身のことについて質問をさせていただきますけれども、これにいわゆる記載すべき事項についてはどのようなものを想定していらっしゃるのか、お教えをいただきたいと思います。
  17. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) この法案におきましては、環境報告書に最低限盛り込むことが必要であると考えられる事項記載事項等ということで定めることにいたしております。環境報告書に記載される情報明確化あるいは比較可能性向上を図るという観点からそういう規定を設けているわけでございます。  それで、具体的に環境報告書に記載すべき事項でございますけれども、例えば、事業活動によって生ずる環境負荷を示す数値、そして環境負荷の低減のための取組状況環境マネジメントシステム状況環境配慮方針、あるいは環境規制遵守状況などなど、こういうことが考えられるわけでございます。  これらの記載事項の項目はすべての事業者に共通の事項ということで、最低限満たすべき基本的な枠組みとして整理をしたいということでございまして、それ以上の内容とか環境報告書の作り方については事業者それぞれの創意工夫を最大限生かしていただくと、こういうような仕組みといたしているわけでございまして、それぞれの事業者がそれぞれに自主的に、そして積極的に、より内容の充実した環境報告書を作っていただくということを期待しているわけでございます。
  18. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。  今、多少触れていただきましたけれども、できるだけ記載すべき事項、すべき事項というのは少なくしていただいて、全体の中に企業の、それぞれの事業者の特性でありますとか、あるいは思いでありますとか、そういったものが十分に反映をされた創意工夫にあふれた親しみやすい環境報告書というものが次々と生み出されるように私は念じております。  先ほど少し話を触れましたけれども、特に中小企業者への配慮ということなどもあります。必ずこれだけのものをきちっと書き込まなければならぬというようなことじゃなしに、できるだけ自由度を高めた報告書であってほしいということを申し上げておきたいと思います。  さて、私、この五月の初旬に自動車を替えました。名前は申し上げませんけれどもハイブリッド車に替えました。それまで乗っておりました車よりやや狭くて居住性はやや劣るわけでありますけれども、燃費が三倍です。二十四キロぐらい走るわけです。感動しました。もう二十五キロにならぬかな、二十六キロにならぬかなということで、運転の仕方も非常に工夫をするようになりました。高橋先生がいつでもおっしゃることでありますけれども、何か本当に良いことをして得をしたなというような感じが強くするわけで、正に先生がおっしゃっておったのはこのようなことかなと思ったりもしたわけでありますけれども、とにかく車に乗ることの楽しみが増えたというか、非常に気分が良いわけであります。今まで本当に無駄なことをしてきたな、もっと早く乗り替えておけばもっと得したのになというようなことで、非常に強い罪悪感も覚えたりもしたわけでありますけれども、本当にすばらしい商品が出ております。  環境への配慮をしたいろんな製品につきまして、例えば今のエコマークでありますとか、あるいはJIS規格での省エネラベルというようなものが張れるか張れぬかというようなことで、それぞれの商品製品環境配慮したものであるかどうかということを消費者判断をする材料を提供する制度があるわけでありますけれどもエコマークでありますとか、あるいは今言いました省エネラベルといったものについての認定について、どういうような形でこういうものが認定をされているのか、ちょっとお教えいただければと思います。
  19. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 環境ラベル認定制度状況でございますけれども、一番代表的で有名なのがエコマークでございます。エコマークに限らず、大変多種多様な環境ラベル制度は現実にございます。消費者が様々な製品の中から環境配慮型のものを選択できるようにし、そして消費者環境に良い商品購入するということになって、これらの商品普及する上で極めてこの環境ラベル制度というのは大きな役割を果たしているというふうに考えております。  代表的なエコマークでございますけれども、これは財団法人の日本環境協会が実施をしておりまして、この認定制度、実績で申しますと、平成十四年度の時点で商品認定数で約五千六百を数えております。そして、十四年度のアンケート調査によりますと、エコマーク制度というのを知っていると答えた人は六六%を超えております。大体三人に二人は国民の中でエコマークというのを承知をしているということでございまして、かなり普及は進んでいるのではないかなと思っております。  ただ、環境ラベル、先ほど申しましたように、大変多種多様な制度があるということでございまして、事業者あるいは購入者にとりましては大変にそれぞれの趣旨とか内容理解しにくいというような声も聞かれるわけでございまして、今後その一層の普及を進めていく上でのその辺りが課題なのかなと考えております。  環境省といたしましては、そういうことですから、いろいろな環境ラベル趣旨あるいは内容を分かりやすく紹介するような環境ラベル等データベース、これを運用し、情報提供国民に対して行うことによりましてその普及を図っているところでございまして、今後とも更にそういうような情報提供に努めまして、各種の環境ラベル認定制度普及、そして環境に優しい製品普及に努力をしていきたいと考えております。
  20. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。  過日、ある新しく開発された商品が私の手元に届けられまして、私は、もう具体的には申し上げませんが、かなりこれは環境にそれこそ配慮をした優れた製品だなという判断をしたわけですけれども、それが、エコマーク認定を申請されましたけれども、いろんな条件があって認定を得られなかったということであります。大変残念な思いがしたわけでありますけれども。  そのお話を聞く中で、こういった認定のハードルがやや高いのではないのかなと思ったり、あるいはせっかくの気持ちが、環境配慮した商品を開発しようという気持ちがそういうことによってかえって萎縮をしてしまうようなことにならないのかなというような心配もしたりしましたので、そういうような経験があったことだけちょっと御紹介をしておきたいというふうに思いますが、いずれにしても、積極的にこういったマークが付けられる商品が増え、またそういうようなものが積極的に利用されることを強く願いたいと思います。  今日は最後ということもありますので、以上で今回の法案にかかわる質問は終わらせていただきましてほかの話題に移りたいと思いますが、最近、特に新聞等をにぎわしております記事で気になりますのは温暖化対策の問題であります。  いろいろな取組をしていただいているにもかかわらず、私のような者までも燃費が三分の一になるような車を買ってやっておるわけですけれども、それぞれがいろんな努力をしているにもかかわらず、どうも二酸化炭素の削減がうまくいかない、政府が約束をした数値目標というものも、これはどうも到達が危ぶまれるというようなことが本当に連日報道されておるわけであります。  そこで、この京都議定書の目標達成に向けた見通しをお聞きをしたいと思います。国際的には、ロシアがようやく批准に向けてかなり前向きなプーチン大統領の意思の表明もあったようで、良い環境ができつつあるわけでありますけれども、我が国ではいささか疑問符が付き掛けているということにつきまして御所見をお伺いをしたいと思います。
  21. 小島敏郎

    政府参考人(小島敏郎君) 先週、二〇〇二年度の我が国の温室効果ガスの総排出量を発表いたしましたけれども、これは基準年の一九九〇年度比で七・六%増加しているということでございました。京都議定書の六%削減約束、これが日本の約束なわけですけれども、その達成のためには吸収源対策を含めまして一三%強の削減が必要だということになります。  それでは、京都議定書の中間年でございます二〇一〇年、どういうふうになるかということについて、現在、中央環境審議会で御審議をいただいております。現在のところ、対策のうち、確実に削減量を見込めるものだけを前提として、まだ暫定値ではございますけれども、二〇一〇年度における排出量は一九九〇年の排出量から四%程度増加するということでございます。吸収量の三%を勘案してもまだプラス一%ということになりますので、六%削減約束の達成のためには約七%分を埋め合わせる追加的な対策が必要だということでございます。  まだ、中央環境審議会あるいはその他の審議会も審議をしております。これから約束の達成に万全を期するべく新しい追加的な対策に関する検討を行う、こういう段取りになっております。
  22. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 どうもありがとうございました。  この二酸化炭素の排出量を削減をするという一つの方策として、私はバイオマスの活用というのが非常に意義のあることだというふうに思っております。  私は京都の人間ですけれども、京都市ではバイオディーゼルを導入をして、家庭から出る食用油を回収してパッカー車を走らせているというような取組もあります。あるいは、この間も環境省が何か実験をされているそうですけれども、エタノールと混合した燃料で車を走らせるというようなこともあったように聞きました。このエタノールというのももちろん有機物を発酵させることによって作ることができるわけでありますから、CO2量とすればプラス・マイナス・ゼロというようなことになるわけであります。  あるいは今、抜根というんですか、地面に残った根っこを抜いて、それをチップ化をして、さらには堆肥化にするというような、そういうような取組があるように聞いておりますけれども、これも、チップ化までは行くんですけれども、なかなか、堆肥化という段階になるというとなかなかうまくいかないというような話がありまして、もう少しバイオマスというものを活用していくような私は施策があっていいのではないかと思うんですけれども、バイオマス活用についての御見解をお伺いをしたいと思います。
  23. 小島敏郎

    政府参考人(小島敏郎君) バイオマスの利用でございますけれども、温暖化の観点からいきますと、そのバイオマス、生物の資源でございますが、これは大気とバイオマスの間を炭素が循環をするということでございますから、これは大気中の二酸化炭素濃度を増加させるものではないと、こういう評価の下、京都議定書上も二酸化炭素の排出にはカウントされておりません。いわゆるカーボンフリーの燃料でございます。  そういう観点から、このバイオマスのエネルギーを利用していく、化石燃料に代替をしていくということでございますればその分化石燃料の消費が減るということで、非常に京都議定書の目標達成には役に立つということでございます。  環境省におきましては、石油特別会計予算を活用して技術開発あるいはその導入、普及に対する支援を積極的に行っております。今、先生紹介の、京都市で行っている、食用油を集めて、クリーンセンターでこれを燃料化して、軽油と混ぜていわゆる回収車の燃料にすると、こういう事業も支援をしているところでございます。  このバイオマスは、我が国に存在する日本の自給エネルギーでございますし、その有効活用は同時に分散型のエネルギーでもございますので、いわゆるエネルギーの地産地消という観点から、環境経済の両立にもつながっていくというふうに考えております。  私ども、このバイオマスエネルギーの普及を進めるために更に努力をしてまいりたいと思っております。
  24. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 是非、積極的に活用をお願いをしたいと思います。  化石燃料は間もなく枯渇をしてしまいますけれども、バイオマスはこれはもう無尽蔵であります。太陽エネルギーと同じでありまして、本当にいつまでたっても使えるエネルギー源として持続することができますので、何としても私は大いにこれを活用をしていただきたい。植物の残渣から作った燃料で車が走れるようなことになれば、本当に私はすばらしいことであるというふうに思いますし、そういう日が一日も早いことを願っております。  これは環境省だけじゃなしに、どうも京都議定書の目標が達成が危ぶまれるということで、例えば国土交通省でも、今後、スーパーエコシップの建造費を、建造の補助金を増やそうとか、あるいは路面電車の新型車両購入の補助を手厚くするとか、そういうことで国交省なりの一つの削減対策というものを打ち出しておられます。また、経産省でも、省エネ情報制度化のほか、あるいはITを活用したエネルギー管理の普及であるとかアイドリングの自動停止機能がある自動車の普及等々、いろいろな具体的な施策を打ち出そうとしておられるわけであります。  それはそれで非常にすばらしいことでありますけれども、しかし、日本の環境行政は、私はやっぱり環境省が主体的にしっかりしていただくということがどうしても必要であると思います。やっぱり環境問題については、個々の取組はあるけれども、その上にしっかりとした司令塔としての環境省があって日本の環境行政を責任を持って推進をしていくんだということが、そういう姿勢が私はどうしても見えてくるようになってほしいというふうに思っています。  環境省につきましては、観念的な政策であるとか観念的な話が多いとかいうような、どちらかというと厳しい表現をされる方もおいでになるわけでありますけれども、私は、こういうような批判は本当に今の時代に合わない批判であって、今日の地球が置かれている状況というものをもっともっと真剣に考えて、今こそ環境省が、すべての省庁をしっかり把握をし指導をして、日本の環境行政の中心にあるんだということをどうしてもお示しをいただきたいというふうに思うわけであります。  今国会の私のこれは環境に関する質問は最後になると思いますので、力強い大臣の御答弁をお願いをしたいと思います。
  25. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 先生には引き続き環境委員会で御活躍を願っているところでございますので、何か最後のなどと言われると寂しい気がいたしますが、いずれにいたしましても環境省でございますので、政府全体の中で各省と連携を保ちながら、また環境省が率先をして様々な省エネ、代エネなどを実行してまいりたいと考えているところでございます。  ちなみに、夏場でございますので、環境省の職員は上着を脱いであちこち出没するかと思いますけれども、それは失礼ということではなくて、正に環境省としてのメッセージがそこにあるということで御理解を賜ればと思っております。  いずれにいたしましても、今後のこの地球温暖化対策、政府全体として当たらねばならないということでございますので、現行対策の確実性を高めるとともに、更に実効性のある追加的な対策、この導入を図ることで議定書の削減約束を達成確実なものにしてまいりたいと、この意気込みについて最後お伝えをしたいと思います。
  26. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。
  27. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。  私も議員になって三年目になりますけれども、私も小泉委員と同じように最初から環境委員会、そしてこれからも、自分の議員としてのライフワークの一つとしては環境問題、環境保全を考えています。そして、先ほど環境大臣答弁の中にもありましたように、今国会では私たちは、この環境委員会には五つ法案が付託されました。そして、今日審議しているこの法案最後になります。しかし、最後と言っていても、ある意味ではこの五つ法案の中で最も重要な法案でもあると思います。もちろんそれぞれのは重要ですけれども、これはどっちかというとスケールが大きい、これももう既に環境大臣も話しましたように、いかに環境経済統合するかというテーマで、その一環としてこれは新しい法案として今作られているということです。だから、私たちも、今日は短い時間ですけれども、この午後のうちにはこれを審議して、そして採決したいと思っています。  しかし、どういうわけか日本では、こういう法律案には名前が非常に長いんですね。今回の法律も、全文で言いますと次のようになっていますね。環境情報提供促進等による特定事業者等環境配慮した事業活動促進に関する法律案というふうになっています。もちろん一つのアイデアは、なるべくもう名前の中で内容までこう言っているということもあるかと思いますけれども、なかなか覚えにくい名前であります。  とにかく私も、今日は私には一時間の時間が与えられていますから、いろんな角度からこの法律案について質問とか指摘したいんですが、その前に私は、通告した質問には入っていませんけれども環境大臣には、大きなスケールというか所信に関するものですから通告しなくても答えが必ず出てくると思いますけれども、二つの質問をさせていただきます。  一つは、自分の環境大臣としての役割というか使命というか、さっきはミッションという言葉も出ましたけれども、あるいは環境省の全体の重要省庁の中の役割を小池環境大臣はどういうふうに定義しているか。それについてちょっと、最初には通告していませんけれども、お願いします。
  28. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) まず、環境基本法、これが正に我が国の環境の基本中の基本になるわけでございまして、環境大臣といたしますれば、この環境基本法というこれまでの培われてきた我が国の環境行政、この背骨を継承してまいりたいと、このように思っているところでございます。  この環境基本法では、国は環境の保全についての基本理念にのっとって環境の保全に関しての基本的かつ総合的な施策を策定して実施するというのが、環境基本法に定められているところの責務、ミッションでございます。この責務を果たすということで一体どのような日本をつくっていくかということでございますが、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄という高度経済成長型の日本を支えてきたテーゼのようなものを、それを一言で言うならば量、クオンティティーの重視であったかと思います。これをクオンティティーからクオリティーに変えていく、質の高い持続可能な社会へと変えていくということが環境省全体としての使命ではなかろうかと思います。  また、この持続可能な社会の構築に向けて環境省として、環境基本計画、それから今申し上げましたのも含んで循環社会形成推進基本計画、こういった骨太の計画を始めとして、目指すべき社会方向性を明確に示しつつ、私たちのライフスタイル、また今日も御審議いただいている中にも含まれます事業活動の在り方などを根本から見直すと、そして社会経済を大転換させていこうという流れを引っ張っていく役割があると、このように思っております。  また、私とすれば、環境大臣として今こういったような方針を実行していくためには、国民皆様方、これは組織であれ事業者であれ個人、消費者であれ、子供であれ、大人であれ、すべてが含まれるわけでございますので、こういったような様々な計画それから政策を通訳といいましょうか、分かりやすい形で広くお伝えをすると、それによって参加をしていただくというのが様々な計画そして施策を実現するために最も必要な部分であろうと、このように感じているところでございます。  そして、ミッションとしては、先ほども申し上げましたように、環境だけで、環境経済統合を図るということも重要でございますし、またその中でも、例えばごみをゼロにするというような方向性、これを目指していくというのも私のミッションではなかろうかと、このように感じているところでございます。
  29. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  その内容について、目標、方針について私ももちろん賛同できます。それを実現することができたら、本当に私たちはもっと環境に優しい、環境配慮した社会になるかと思います。  それに関連して、もう一つのやはり通告してないという質問は、これを、この方針をあるいはミッションを実行するときは、その段階にはやはりいろんな問題も出てくる、弊害というか障害もあります。その夢を果たすために例えばどのような弊害が待っていると思いますか。これも環境大臣にお願いします。
  30. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 私は今回、環境白書の中でも環境革命ということを訴えさせていただいております。  これは別にかつてのフランス革命であるとかロシアのボルシェビキとか、そういう革命ではございませんで、これまでの第一次産業、第二次産業、第三次産業、そしてそこに、それに加えて産業革命という形が革命としてありました。そのほかIT革命というのは最近では耳によく聞く言葉でございます。私は今何をすべきかというのは、もう環境革命という形で、これで私たちのライフスタイルを変えていく、そしてまた日本国内で言うならば、閉塞感のある日本の経済環境というテーマでもって、その切り口によって新しい産業を作り、新しい雇用を作るという意味環境革命を進めたいと、このように考えているわけでございます。  それはすなわち、意識を変えるということにほかならないわけでして、もし阻害するものがあるとするならば、かつてバブル経済のときにみんなが、ほとんどの人が右上がり経済はいつまでも続くといったような意識にとらわれて、そして今大きくそれと違う方向で苦しんで、その処理のために苦しんでいるということと同じように、今の私たちが享受しているすばらしい地球環境がいつの日か壊れてしまうような、そういったことも想定をして、それを避けるために何をしなければならないかということで、すべて阻害するものは、環境問題のみならず、すべての問題において我々人間の意識がその変化ということに付いていけないときが一番大きな障害だと、このように考えております。
  31. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 もちろん、そういう障害がある、それを乗り越えなければならないということは当然ですね。  環境大臣の立場から、一つ私は大きな弊害があるということは、そのところは環境大臣の立場からはなかなか言えないものだと思いますけれども、私に言わせれば、これはやはり縦割り行政というのもその中の一つになるんじゃないかなと思います。だから、私たちは環境を幾ら、環境を相当力を合わせていっても、やろうとしていっても、やっぱり今までの日本の社会の中でこの経済優先の社会、あるいはそこでは、例えばこれから私も幾つかの問題を指摘したいと思いますけれども経済産業省もやはりビジネスの方の立場を考えなければならない。幸いには、今、日本の社会では、特に大きな企業の方では自発的には環境配慮するような動きはありますけれども、それでもやっぱりまだまだこの経済産業省の方では私たちと考えがちょっと食い違うところもあります。  今日は、それをちょっと幾つかの問題を例に出してみたいと思います、この質問に入る前に、ちょっとだけですけれども。  今日は、ごらんのように多くの学生たちがもう入れ替わりで、一遍に入らないんだから交代で傍聴に来ているんですから、これはやはり私が期待しているのは、このように若い人たちも、大学生もやはり環境問題に興味を持っているということもあるかと思いますから、そういうこともちょっと意識しながら、私たちはこれからはどういうふうに環境経済関係をよりいい方向に入れるかということを私はできるだけ分かりやすく指摘したいと思います。  実は、今日は一つ、朝日新聞、ほかの新聞の朝刊にも載っていたかと思いますけれども、少しがっかりしたようなニュースが載っていました。このタイトルには、「環境税 「早期導入に反対」」というタイトルの記事です。だれが反対しているかというと、これはやはり経済産業省の一つ会議では、やっぱりこれはまだまだ先のことです。それよりも今、例えばさっきは小泉委員が問題にしたこの京都議定書の目標を達成するためには、そういう環境税というよりも当面は省エネ優先でいきましょうということでもあったということですから、私はこれはその一つの例であります。  ヨーロッパの方では、環境に本当に先進的な国が、母国フィンランドもそう、ドイツとかいろんな国がありますけれども、日本ではやっぱりなかなかこういう新しい思い切ったことは恐らく環境省の、これは質問に入っていませんから聞きませんけれども環境税の方に前向きに考えていますけれども、やっぱりそこにはまだまだブレーキが掛かる問題があります。私自身も、この環境税は今日のテーマではありませんから、それをどういう形で本当に実現するか、これをやっぱり私たちもいろんな国のやっていることを参考にしながらやらなければならない。  しかし、この新聞記事もやっぱりそういうふうに経済優先という、それはマイナスになったらこれはやっぱりブレーキになりますから。しかし、私たちは今日はそうではなくて、やはり企業経済産業省も今前向きに考えているという動きもありますから、そういう意味で、前向きに私も考えたいと思っています。  それで、これからは今の、そうだ、済みません、もう一つ。  皆さん、環境関係ある人たちはレスター・ブラウンという方をよく知っていると思います。以前はワールドウオッチ研究所の所長だったんですけれども、今度はアースポリシー・インスティチュートの所長になっています。そして、来週再び来日して、来週は五つくらいのシンポジウムとか講演をまたやっています、その一つに私も行こうと思っていますけれども。  彼が恐らく一番先にこの環境経済統合、彼は統合という言葉は使わなかったんです、両立という言葉を使っていたんですね。彼は非常に有名になった一つの本の中では、今度の新しい動きをどういうふうに、どういう方向に進めるべきかという言葉でこういうふうに著しています。今までは環境経済の一部であった、環境経済の一部であった。しかし、これからは逆に経済環境の一部、つまり環境優先というふうに、それはさっきの環境大臣のミッションの中でも、私たちは環境優先にすればそれで経済も活性化するということは、これは決して経済に悪影響を及ぼすんじゃなくて、正しい方法を見付ければですね、でも、これ、私はレスター・ブラウンさんのこういう目標も非常に参考になっているし、多くの彼の本も読んでいます。これは参考までに。  これからは、今は通告した質問の方に入らせていただきます。  最初には、私たちの参考資料の中にもありますけれども、鈴木元環境大臣が平成十四年に作られた環境経済活動に関する懇親会があった。それは六回開いて、そして去年の夏にはその報告書ができた。その報告書の中では、その参加したメンバーは、非常に環境に熱心な企業の人はメーンなメンバーになっていたんですね。これはまだ小池環境大臣大臣になっていないときの報告書ですけれども、恐らくこれにも目を通していると思います。  私もそれに一言コメントしたいと思いますけれども、その前には、このことに対してこの懇親会の報告書に一言コメントを……
  32. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 懇談会です。
  33. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 懇談会、ごめんなさい、懇談会ですね、懇談会の報告書に対するコメントをひとつ、あるいは評価をお願いします。
  34. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 環境問題への積極的な取組が新たに投資を促したり、また技術革新を生み出すということでございまして、また、それが雇用の創出につながっていって地域の活性化を促す、それはひいては企業や国の活力、競争力の向上につながるということでございます。  ということで、環境保全取組経済発展の新たな成長要因ととらえて、環境を良くすることが経済発展させて、経済の活性化が環境を改善するという好循環を生み出すことが重要というのがこの報告書の一番コアの部分になっているわけでございます。  また、この懇談会報告で示されていますように、環境経済が一体となって向上するような社会、すなわち環境経済統合を世界に先駆けて実現することが二十一世紀の我が国のあるべき姿であるというふうに認識をしておられるわけでございまして、これはもう正にそのとおりであろうというふうに考えているところでございます。
  35. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 私も、今自分がちょうどその報告書の中で線の引いたところは、全く今環境大臣が読んだところで、全くこれも賛同しますし、この方向に今、環境省も含めてこういう懇談会の結果としてでも進んでいるというのは非常にうれしいこと。  たまたまこの質問の準備するときは、インターネットからはもう一つの懇談会のことを発見しました。これはまだ私たちの参考資料の中に入っていないんですね。小池環境大臣が作っていた懇談会、名前は「環境ビジネスウィメン 環境経済の好循環を語る」、これによると、もう既に一回あるいは二回会議を開いています。その後、六月の九日にもまだ開催する予定ですね。これの動機というか、そしてもう一つはこれにはウィメン、女性だけを選んだ、まあ自分ももちろん女性ですから、その女性だけの懇談会にした理由とこの動機について、一言コメントをお願いします。
  36. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 我が国は、エネルギー、化石燃料は少ないんですが、人間というエネルギーは大変豊富でございます。その中で余り十分に活用されていないのが私は女性のパワーだというふうにかねてから考えております。そしてまた、環境というのは非常に消費者国民に近いところで発生をする様々な活動、これは事業活動も含まれますけれども、そういった観点から、女性と経済環境、この三つのキーワードを何とかうまく歯車が合うようにならないだろうかと、そういう思いで結構気合を入れている私の作りましたいわゆる懇談会の一つでございます。  二時間から二時間半、それぞれの経験なども話され、また課題、問題点なども的確に指摘をされておられまして、ここからいい結論を、若しくはこれからの指針なるものを導き出したいと私自身考えているところでございますし、その間に話されます会話は非常に刺激的で、それを傍聴される方々も非常に、何というんでしょうか、興味深くお聞きいただいているものでございます。まとまり次第また皆様方にもごらんいただこうと思っておりますが。  いずれにいたしましても、この環境、ビジネスというと何かニュアンスが凝り固まってしまうかもしれませんけれども、例えば環境報告書をサポートするコンサルティングの事業をやっておられる方とか、それから環境分野に人材派遣をやっておられる方、非常に環境という切り口でこれまで多くの方々が気付かなかったような観点からニュービジネスを起こしておられる、それを現実にやっておられる方々なので、話が非常に示唆に富むことが多い。  それから、私自身これ、多くの場合、私もそうでしたけれども、金融機関が女性の経営者には非常に冷たいというか、非常に失礼な扱いをする場合が多うございます。ということで、今は金融機関のそれぞれの方々に我々の話をそのまま聞いていただいているというようなことから、こういった懇談会を通じて更に女性の起業家たちが環境というビジネスで発奮していただいて実際の事業を進めていただく、結果として雇用が大きく広がるなどということになれば、正に環境経済統合を絵にかいたものが実現するということになるのではないか、このように考えております。
  37. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 後でその報告書を私も楽しみにしています。  今は、大臣答弁したとおり、確かに日本では経済界でも政界でも女性のパワーがまだ十分生かされていないんですね。これは自慢かもしれませんけれども、母国フィンランドでは国会議員も四割は女性で、地方議員も五割近い方は女性であって、ビジネス界でも非常に活発的に活躍していますから、これから日本もそっちの方向に進んでいると私も思っているし、期待しています。  ただし、この内容は、さっきの鈴木前環境大臣の懇談会の報告書も含めて、内容はもちろんすばらしいんですけれども一つ疑問が私は持っています。  恐らく今の女性の懇談会もそうですし、前のこの二つの懇談会のメンバーはもちろん環境省のメンバーではないんですけれども環境省環境大臣も、そして環境省の職員が少なくともオブザーバーとして参加したと書いてあるんですよ。なぜこのようなところには経済産業省の方から、少なくとも私は、それは参加していないんですね。なぜオブザーバーとしても参加していないのでしょうか。目的は環境経済関係を良くするためには、せめてオブザーバーとしてこういう懇談会にも参加してもいいんじゃないかなと思いますけれども、これもちょっと環境大臣にお願いします。
  38. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) これらの懇談会というのは、学者の方とかビジネス界の御意見を伺うことであって、経済産業省の意見を今伺うというものではございません。  ちなみに、この課長ですけれども経済産業省からの出向者でございます。
  39. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 もちろんメンバーはそうですけれども、やはり環境省も、いろんな職員も一緒に勉強の意味では参加していってもいいんじゃないかなと私は思っています。  ここから二番目の、これは三つに分けたんですけれども、次の質問に入らせていただきます。  これは松本局長にお願いしたいと思いますけれども、さっき私が読みましたこの長い法案の名前の作った経緯というんですか、もちろんそれは私は詳しく分かりませんし、書いてありませんけれども、ちょっと面白いヒントになるものは、この私たちの手に入った参考資料の中にはこういうことが書いてあります。  まず、平成十五年八月には鈴木前環境大臣が記者会見で初めてこのアイデアを、こういう法律を作ろうというアイデアを出した、発言した。そのときは、もちろんこれは法律の名前ではないんですね。環境配慮促進法案を作ったらどうですかと、恐らくそういう趣旨の発言だったと思うんですね。そのとき非常に短くて、環境配慮促進法案。  そして、更に一か月たってからは、今度そのための小委員会が作られた。そのときの委員会の名前は、環境配慮した事業活動促進に関する小委員会。設置されたわけですね。  そして、今度、この委員会の報告というか具申はこの中に入っています。その中にまた一つの言葉が増えていますね。「環境配慮した事業活動促進方策の在り方について」という具申であります。もちろんこれは法律の名前ではないんですけれども、これを比べてみると、だんだんこの中にいろんなことが含まれている。  そして最後にこれに、一番、「特定事業者等」という言葉が入ったんですね。  私から見れば、もちろん「等」などと入ってありますけれども、主に特定事業者のための法律というふうに、全く内容を知らない人はそういう雰囲気を、調べてみれば決してそうではないんですけれども、こういう名前に決まったことについて、ちょっとその背景をお願いします。
  40. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) まず結論から申しますと、この法案の題名、名称でございますけれども事業活動におきます環境配慮を進めるという目的、あるいはそのための具体的な措置内容、この法律内容でございます、それに即して法律の名称を定めているということでございます。  そもそものスタートからのお話ございました。確かに昨年の夏のところで、事のスタートはそういう名称だったかと思いますが、そのときにはこの法律をひとつ検討したらどうかということですが、方向性としては、まさしく世の中のいろいろな事業活動の中で環境配慮促進していこうじゃないか、そういう一つの法制度を考える必要があるんじゃないかと、こういう問題提起だったわけでございます。そういう問題提起、あるいは大臣からの指示とも言えるわけですけれども、それを私ども事務方で検討をだんだんと進めていく中で、具体的にどういうことをその法制度として盛り込んでいくべきか、だんだんと煮詰まっていくということになったわけでございます。  秋になって、中央環境審議会に専門委員会を設け、そこで更に専門的な議論をしていただく、そしてその御答申をいただいて、今年になってから具体的な法律の姿に、今御提案をしておりますような姿になってきたと。だんだん法律の中身が具体化するに応じて内容が固まり、そしてそれに即した最終的な法律の名称になったということでございます。  もう少し具体的に申しますと、この法律案でございますけれども環境報告書普及促進信頼性向上のための制度的な枠組み整備するというような、まず環境情報提供促進というような手法、そういう手法によりまして環境配慮した事業活動促進するということを目指すというのが一番のねらいであります。  それから、とりわけ特定事業者につきましては、環境報告書普及を図る観点から、言わばモデルとして率先して取組を進めるために環境報告書の作成あるいは公表義務を課すということにしたことということで、こういうような内容が本法案の重要な要素であるということで、最終的に現在の名称になったと、こういうことでございます。  なお、今若干の御疑念もございましたけれども、あくまでもこの法律案というのは特定事業者だけを対象にしたものではございませんで、民間事業者を含む幅広い事業者による環境配慮した事業活動促進を図ることを目的とする法律でございまして、題名でございます「特定事業者等」の「等」というのは、これは当然ですけれども、民間事業者、あらゆる事業主体が含まれるということでございます。  確かに、法律名、長いというのは事実でございますけれども、現実には私どもも通常、環境配慮法、一番これ、一番短い略称で使っておりますし、環境配慮促進法、これを通例で使っていると思いますし、略称で全然法律趣旨に反しないと思っております。あるいは、もうちょっと丁寧に言うのであれば環境配慮事業活動促進法と、この程度であればそう長くはないと思っております。できるだけ分かりやすい法律名で国民説明などをしていきたいと思っております。
  41. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  もちろん、私もそんなに長さにはこだわらない、どっちかというと内容が問題です。  ただし、これから三番目に入る質問は、まさしくその特定事業者、等は入っていますけれども、その定義というか、その中身については私たち民主党から見ればかなりあいまいな点がたくさん今も残っているということ。実は、私も衆議院環境委員会質疑をビデオでも見ましたし、その記録も持っていますけれども、特に私たち、衆議院の仲間の鮫島委員がそこでこれをかなり厳しく追及しました。  どういうことかというと、具体的には今度は後で政令で定めることになるんですけれども、その公的事業者にはどういうものが結局入るかということ、まだ入っていないんですから、そのことについて幾つ質問していっても、いやまだ決まっていないとか、こういうのは入りますか、それはまだ分からないということ、一つも例が出せなかったということで、彼はやっと、その後で怒っていて、本当に民主党はこの法律に賛成すべきか反対すべきかこれで分からなくなったとかまでも言いましたけれども、そういうやり取りは皆さんがそこで、環境大臣も含めてよく分かっていると思うんですけれども。  その中の特定事業者の定義というか、言葉の定義はその中には次のように書いてあります。特定の法律に基づく法人のうち、国の事務と関連性の程度、組織の態様、環境負荷の程度、事業活動の規模等の事情勘案して政令で定める公的事業を行うものについて何々、そしてその事業だけには環境報告書の作成を義務付けるということ。さっきからありましたように、ほかのものにはそれは義務付けられないということですね。  鮫島さんと同じようなことをここではもう追及しませんけれども、あと二つだけこれに関連して、その政令が大体いつごろでき上がるか、あるいは特定事業者の数が大体どのくらいになる見通しですか、これについてちょっとお願いします。
  42. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 特定事業者に具体的にどういう法人が指定されるかということにつきましては、今、委員御指摘のように、国の事務との関連性あるいは組織の態様、環境への負荷、事業活動の規模等を勘案して政令で定めるという形になってございます。  もうちょっと具体的に説明をさせていただきたいのですが、例えば独立行政法人あるいは特殊法人などのように、その設立について国の関与が深い法人のうちから、例えばその法人の事業の運営費について国の交付金とか補助金が交付されている状況、これは一言で言いますと、補助金、交付金がたくさん交付されているということであるとそれは国に大変近いという判断になるわけでございます。  それから、協同組合や共済組合のように一定の相互扶助を目的とする法人であるかないか、こういうことでございまして、一定の相互扶助を目的とするような法人、これは法律に基づいて作られていてもその法人の性格からして国に余り近いという判断はできないのではないかと、こういうことであります。  それから、例えばいわゆるデスクワークのみを行う法人のように、事業活動に伴う環境への負荷が少ない、そういうような法人も当然あるわけでございますが、こういうものについてはその指定の意義というのは必ずしも大きくないじゃないかということでありますし、あるいはその規模ということになりますと、具体的には従業員、職員数の規模、これが一定程度以上ある規模というのを想定していいのではないか。それは民間でも環境報告書をできるだけ普及させていくというのは大企業ということでございます。先ほどの御質問にもございましたけれども、やはり中小企業に無理に環境報告書を作らせるというのは大変に負担が大き過ぎます。  そういう並びで考えますと、やはりこの特定事業者についても、例えば五百人以上の職員を抱えているような規模、こういうようなことを一つ念頭に考えるとか、そういうようないろいろな事項というのを勘案した上で具体的に指定をする、こういうことになるわけでございまして、この法案が成立した場合に、それぞれの法人の事業活動の実情を個別に検討をして、この法案の今申しましたような趣旨、国に準じた形でモデル的、率先して環境報告書を作成し、公表をお願いする、そういう法人たるべきだというようなものを指定していくということでございます。  時期でございますけれども、この法律自体、来年の四月一日施行ということでございますので、どんなに遅くても今年度内には必ず、少しそれに余裕がある形で政令で指定をするような作業を進めていきたいと考えております。  それから、一体数がどのくらいになるのかということでございまして、これもそもそも、それぞれの法人の内容を精査をしてリストアップをしていくということでございますので、今の時点で確定した数を申し上げることはなかなかできないわけでございますが、例えばでございますけれども、独立行政法人あるいは特殊法人、認可法人、こういうようなカテゴリーで一番の外縁を押さえてみますと、現在約百六十の法人があります。それから、いろんな勘案要素の中で、先ほどちょっと申しました法人の規模、従業員の規模で、今申しました百六十の法人の中で、仮にですけれども、従業員数、職員数が五百人以上ということで一つ機械的にやってみますと、厳密な数字ではないんですけれども、約六十程度と、こういうようなことになってまいります。  いずれにいたしましても、こういうような法人の中から、今申し上げましたいろいろな勘案すべき事項を十分に検討いたしまして、特定事業者に指定をしていくということになろうかと思っております。
  43. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 このような丁寧な答弁はもし衆議院の方でもあったなら鮫島さんももうちょっと喜んでいたかもしれませんけれども、まあそれはここで、ありがとうございます。  そこで、一つだけ確認したいんですけれども、この条件の中では環境負荷の程度というのが書いてありますけれども、これは環境負荷の多い方が入りやすいんですか。それとも、当然だと思うんですけれども、それをちょっと確認したいと思います。
  44. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) やはり環境報告書を作っていただき、そして公表をお願いするという観点からしますと、環境負荷が大きい法人が当然その要件に該当する。  先ほど、私、御説明の中で、例えばデスクワークしかしていないような法人、これは余り環境負荷が大きくないわけでございますから、環境報告書の作成、公表というのを義務付けるというような必然性というのは必ずしも高くないということではないかと、こういうことだろうと思います。
  45. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  そこから次に、この環境報告書記載事項についてもうちょっとお聞きしたいと思いますが、やはりこの私たちの手に入っている参考資料の中では、この十四ページには一つ記載事項のイメージ図があります。恐らく、例えばこのようなものが入る、しかしそれはもちろん今まだ決まっていないと思いますから、専門家の意見も聴いたりとか、これから作れると思うんですけれども、これについてお聞きしたいことが二つあります。  その事業によってその内容は異なってくるか、あるいは、もちろんそれも当然だと思うんですけれども、あるいはこれからは必要に応じて、一応作りますけれども、見直すことが例えば一年たってからとか、こういうことも加えてほしいとか、そういうのもあるんでしょうか。お願いします。
  46. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 環境報告書記載事項等でございますけれども、具体的に申しますと、例えば事業活動によって生ずる環境負荷を示す数値、あるいは環境負荷の低減のための取組状況環境マネジメントシステム状況環境配慮方針、あるいは環境規制遵守状況などなど、こういうことになると思いますが、すべての事業者に共通の最低限満たすべき基本的な枠組みを示すということにこの法律上の記載事項はなると思います。  ただ、これは最低限満たすべき基本的な事項だけで、全部の事業者が共通になるということではないわけでございまして、最低ラインということでございますので、期待するところは、事業者創意工夫がそれに上積みされて最大限生かされるような充実した環境報告書が出されるということを期待しているということでございます。  記載事項等を定めるに当たりましては、事業者とか学識経験者、あるいはこういう方々によって構成される協議会、民間ということになるわけですが、意見を聴くことになっております。民間の意見を幅広くお聴きしながら、民間の実務を尊重しながら速やかに策定をしていくということになりますが、いったん定めた記載事項につきましても、その後の実務の発展、世の中の実情、こういうようなものを踏まえまして、今後必要に応じて適宜見直しを行っていくべきものであると、こういうふうに考えております。
  47. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  そのことについてももうちょっと詳しく知りたいんですけれども、もう通告した質問はまだたくさん残っていますから、ちょっと先の方に急ぎたいと思います。  それで、関連あるんですけれども、この特定事業者が作成する環境報告書の審査についてですけれども法律では他の者が行う審査になります。第三者の審査機関になるかと思いますけれども、そのような審査機関はこれから作るんですか、それとも今あるいろんなものを使うというふうに考えているんでしょうか。答弁、お願いします。
  48. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 環境報告書の第三者審査でございますけれども、第三者審査というのは環境報告書信頼性向上を図るというための大変有効な手法の一つであるというふうに考えております。  お答えにかかわってきますが、私ども環境省の調査によりますと、平成十四年度に環境報告書を作成した事業者、これは六百五十社が環境報告書を作成し世の中に公表しております。この事業者六百五十社のうち約二割、百三十一社が自主的に第三者による審査とか第三者による評価というのを現に受けているわけでございます。ということは、現に審査をする機関があるということであります。  もう少し現状を申しますと、環境報告書記載事項が正確かどうか、こういうことで第三者が審査をするというものとか、環境報告書に記載された取組内容について妥当かどうかということを第三者が意見を述べるというような形のもの、いろいろな第三者の審査なり評価というやり方が現実にあるということであります。  このうち、前者の方の第三者が環境報告書の正確性を審査するというものにつきましては、例えば現実にありますのは、ISOの審査登録機関、これが環境報告書についての第三者審査を現にやっておる、あるいは現実に監査法人というのがございますが、監査法人の子会社などがこの環境報告書の第三者審査をやっておると、こういうのが実態であります。  そういうことでございますので、新たに例えば環境省がお声掛かりで審査機関を作るとか、そういうことを考えているわけでは全くございませんで、環境報告書の第三者審査というのは、第三者審査を受けようとするそれぞれの事業者が自らの判断で、今申しましたような民間の第三者審査機関に依頼をして審査を受けると、こういうことでございます。
  49. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  今の答弁からも判断できるというか、推定できるのは、この環境報告書を、これを特定事業者が作るかあるいは民間の事業者が作るか、互いに意見交換というか、審査機関も両方が使うところもある、もう既に今もあるかと思いますけれども。だから、この法律一つの目的は、私たちからも考えれば、この特定事業者はどっちかというとモデルケースになって、それを参考にして今度民間の事業者が、もう既に今言われたようにかなり多くは作っていますけれども、これはこの法でうまく実現できたら私もいい方向じゃないかなと思います。  ここでは、今度は再び小池環境大臣に質問したいと思いますけれども、この今の答弁とか質問を受けて、今度は、民間事業者にはこの環境報告書義務付けられていないんですね。既にさっき言ったように、大きな企業はたくさん作っていますし、私たちも、民主党の環境部門会議ではいろんな企業報告書を勉強したこともあります。  しかし、そのときはどうしても、本当にこのとおりで信用していいかということはどうしても出てきますね。それは、特定事業者のときは、ある意味で審査もあって、監視というか調べる、チェックはできますけれども、この民間事業者環境報告書信頼性について、環境省の方では、あるいは環境大臣の方では、これに何か、もちろんこれは全部自主的に行われていますから、でも、消費者から考えれば、本当に信用していいかどうかということは、やっぱりPRも当然その中に入っていますから、自分たちの企業をいいようにイメージを見せたいということですから、それについてちょっと何か一言コメントがあったらお願いします。
  50. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 環境報告書、好き勝手書けばいいというものではなくて、きっちりと書いて更にそれに対しての信頼性が増すというのは当然のことだと思います。この記載事項などへの適合性を自ら評価すること、そして第三者の審査を受けるということなどがこの信頼性向上につながるわけでございます。  この第三者によります環境報告書の審査については、現時点で、現在、いわゆる企業環境報告書を出しているところ、既に六百五十社があって、そのうち、自主的にといいますか、これ、何も義務付けることをこれまでもやっておりませんわけですからすべて自主的になるわけですが、六百五十社のうち約百三十社が第三者の審査や評価などをもう既に受けておられるわけでございまして、それを環境省とすれば積極的に推進をしていくという、そういう位置付けでございます。  信頼性向上ということにつきまして、環境省とすれば、第三者審査の実施方法について今年の四月に既に一定のルール作りをいたしまして、明らかにいたしております。それは環境報告書審査基準案というタイトルとなっております。また、第三者審査の基準の具体化をすることとか、それから、審査に従事している職員の研修プログラムを策定するなど、第三者審査の公正でそして適切な実施を確保できるように、そういった検討も今後も進めてまいりたいと考えております。
  51. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 今の答弁にもありましたように、百三十三ですか、もう既にその六百幾つかの中では第三者の審査を実施している。そういうのは、それは今の法律では義務付けることできないんですけれども、やっぱりこれは、消費者の方から見れば、第三者が審査したということをその報告書の中でも報告すれば、これは一つの基準になるんじゃないかなと思うんですね。だから、それをもっともっと生かすようになればいいと思います。  あと私は六分ぐらいしか時間がありませんけれども、次の質問は、これは環境大臣政務官に聞くつもりですけれども、これに、既に小泉委員の方から質問もありました、答弁もありました。つまり、中小企業事業活動にかかわる環境配慮等の、環境報告書も含めて、それをどう考えているかということ。エコアクションという言葉ももう出ましたけれども、それに一つだけ角度を変えて質問したいというのは、例えば中小企業の方から、自分たちの方から何らかの形のカウンセリングとかアドバイスとか、そういうガイダンスを求めているのなら、これはどういうふうにこたえることできるんですか。
  52. 砂田圭佑

    大臣政務官砂田圭佑君) 私も中小企業の一員として、中小企業といえども環境問題は避けて通れないところであります。今のお話のように、中小企業一つの枠にはめて考えるということも極めて大事でありますけれども中小企業は自ら自分の考えで、そして自分の立場で環境問題を取り組んでいかなければこれからの中小企業としての商売は成り立っていかないんではないかという気持ちを持っています。  そういう意味で、自分自身の中から環境問題をしっかりと成立させていく、環境を改善していくということは当然要求をされるところでありますから、私は、そういう意味で、中小企業がこの環境問題への促進普及、そういうことについて熱心に自ら参与をしていかなければならないと、そういうふうに考えています。
  53. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  次の質問を加藤環境大臣にお願いします。  この法律によって期待される効果、それをいろんな測る方法があると思いますけれども、その数値目標も含めて、もし、それ以外にもどういうふうにそれを、その中身までもチェックできるか。とにかく時間が余りありませんから、その数値目標だけでもお願いできればと思います。
  54. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 本法案は、事業者と様々な関係者との間の重要なコミュニケーション手段である環境報告書普及促進と、それから信頼性向上のための制度枠組み整備して、環境報告書社会全体として積極的に活用していくことによるものでありまして、そして、結果として事業者の積極的な環境配慮取組促進するための条件整備を行うものであると。  政府目標といたしましては、上場企業の約五〇%及び非上場企業の約三〇%が環境報告書公表し、環境会計を実施するようになることを目標としているわけでございますけれども、数だけに限らず、やはり私たちは普及促進と質の向上を図るためにやっていくべきこともたくさんあると考えてございます。  例えば、環境報告書ガイドラインの策定もやってまいりましたし、あるいは環境報告書に対する表彰制度、こういったことについてもやってまいりましたし、また、本年の四月でありますけれども環境報告書審査基準案の形で一定のルールは明らかにしたところでございます。  また、先ほどからも議論になっておりますように、環境報告書記載事項等明確化あるいは公正かつ的確な審査の実施を確保するために必要な体制の整備、こういったことについても最大限努めていくことを規定したところでございますので、非常に公正かつまた効果的な成果が得られると、このように考えているところでございます。
  55. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  次の質問は、国民の責務についての質問ありましたけれども、これも小泉委員の方からかなり詳しく質問ありました、答弁もありましたから、これはちょっと時間の関係ではもう聞かないことにします。  最後になりますけれども、小池環境大臣には、私たちのこの法律の概要の終わりには、「我が国の取組を世界へ発信」という言葉があります。あるいは「世界に冠たる環境立国へ」という大きな目標があります。  これを、今、具体的にはどのように、日本はそういう国になるために、そのイメージが、もちろん今までもいろんな、ISOも非常に日本ははやっていますけれども、決意も含めて、日本はこういうふうに世界をリードする環境立国へのための決意を最後にお願いしたいと思います。
  56. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 我が国の事業者、例えばISOの一四〇〇一のシリーズの認証取得件数はもう既に世界一であります。このことは、まず、既に各事業者が世界に向けて発信していると言っても過言ではないと思います。  また、燃料自動車の開発、燃料電池自動車、自動車だけではなくて燃料電池そのものですね、こういったものについては我が国の環境技術は既に世界のトップレベルにあるわけでございまして、こういった我が国の取組、そしてそこから出てくる各種製品、これを世界に発信をして、環境技術の発信を積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  方法論とすれば、国際的な会議はよく行われるわけでございまして、私自身がそのPR役を務めてまいっておりますし、また英語版のホームページ、そしてまた各種必要なものにつきましては英語版によるパンフレットなども作ってまいりますし、さらにはアラブ環境大臣セミナーなどではアラビア語での発信ということもやっているわけでございます。  いずれにいたしましても、環境報告書環境会計などの環境配慮ツール、燃料電池であるとか省エネ技術などがハードであるならば、こういったものはソフトと、環境ソフトだと思いますが、これらについても世界のあらゆる場におきまして、我が国発のグローバルスタンダードということで世界じゅうに発信をしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  57. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 終わります。
  58. 山下栄一

    山下栄一君 まず、法案の中身の質問をさせていただきます。  まず特定事業者ですけれども、特別の法律で設立された法人の中で政令で定めるものと、こういうことですけれども、政令で定めるに当たって、これ各省庁にどの法人を入れるか入れないか、若干の基準は法律にも書いてありますけれども、これを私は完全に省庁に任せていいのかなというようなことを感じるんですけれども、ある一定の、政令に入る法人がどんな法人なのかということをそこそこやっぱりきちっと示す必要があるんじゃないかと、こんなふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  59. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 特定事業者に指定する具体的な配慮事項法律に書かれているとおりでございまして、各種の配慮事項勘案しながら政令で定めると、こういうことでございます。  それで、具体的な実務を申しますと、この法律国会で成立をさせていただいた後、当然、法律に基づく法人というのは各省庁が所管をしているわけでございまして、その法人の実態、内容については、正直申しまして環境省はすべてをつぶさに把握しているわけではございません。これは最終的に政令でこの法律に基づく特定事業者として指定するわけでございますから、私どもが中心になりまして、関係省庁と連携を取りながら、当然のことながら一定のメルクマールを共通のルールとして作って、それを基準にしながら、各省庁所管の法人について、その指定の妥当性、そういうようなものを十分に吟味をして具体的な指定の候補をリストアップしていくと、こういう作業になろうかと思っております。
  60. 山下栄一

    山下栄一君 特定事業者がモデルとなってこういう事業者環境配慮促進していこうというのがねらいの法律ですので、私は、特定事業者に指定されなかった要するに法律法人といいますか、これは何もしないでいいのかと、それはそうじゃないよと。国は、少なくとも環境配慮等状況を報告せないかぬわけですから、それぐらいは義務付けられていいでしょうと。環境報告書で形では報告されなかったとしても、何らかの形の報告は義務付けるということは当然だと思いますけれども、それでいいんでしょうか。
  61. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 今、御質問の中でも、今回の法案の意義付けについてもお話があったかと思いますけれども、この法案というのは、環境報告書普及促進信頼性向上させるということでその制度的な枠組みを整えるものであります。よって、事業者の自主的、積極的に環境配慮に取り組んでもらう、社会や市場からそれが適切に評価されるということで、総合的にこれがうまく回りますとその発展につながるようにするための条件整備ができていくということでございます。  この法案では、国については、率先して政府活動環境配慮を織り込むということが必要でありまして、そのための環境配慮取組状況公表することを義務付けたものでございますし、また一方で、国に準ずる、今御質問のところでございますけれども、一定の公的事業を行っている法人である特定事業者についても、事業活動環境配慮の不足がないように率先した取組が必要であると考えております。また、環境報告書普及を図るという観点から、言わばモデルとして率先して環境報告書を作成、公表するということとさせていただいた次第でございます。
  62. 山下栄一

    山下栄一君 ちょっと分かりにくかったんですけれども。  要するに、百六十法人の中で政令に入らなかった特定事業者が、法律法人が出てくるわけですよね、当然。特定事業者に入らない法律法人、それもやっぱり環境報告書にのっとった作成、また公表でないにしても、環境配慮状況を報告することは義務付けられるのは当然だと思うけれどもどうかということを申し上げているんですけれども、それでいいですね、それで。当然そうならないかぬと思うんですけれども
  63. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 今、環境大臣の方から特定事業者に対して環境報告書の作成、公表義務付ける理由、ねらいというのを御説明申し上げました。  国に準ずる一定の公的な事業を行っている法人、これをいろいろなメルクマールの下に、言わばモデルとして率先して環境報告書を作成、公表をしてもらうということでございます。当然、先ほど具体的な例として、独立行政法人、特殊法人あるいは認可法人の数として百六十というのを申しましたけれども、そういう中からいろいろな配慮事項勘案して具体的に指定をするわけでございますが、そこで当然、指定されない法人も出てくるわけでございますが、そういう法人については、これは、この法律は別に特定事業者だけではなくて、ありとあらゆる事業者について環境報告書普及あるいは信頼性向上のための努力をお願いする法律でございます。あまたある民間事業者と同様のいろいろな努力義務が掛かっているわけでございます。この法律趣旨をそんたくして自主的に努力をしていただくと、こういうことになろうかと思います。
  64. 山下栄一

    山下栄一君 ちょっとそれはおかしいんじゃないかなと思うんですけれども。質問、次に移りますけれども。  国は、各省庁ですか、各省各庁と書いてありますけれども、これは要するに環境報告書という形式ではないけれども環境配慮等状況公表義務付けるわけですよね、そうですね。だから僕は、今言ったように、そういう特定事業者に入らない法律法人は当然国がやることぐらいはやるべきだろうと。努めるものじゃなくて、義務付けて、環境報告書の体裁ではない形でもいいから、国と同じような環境配慮状況の報告、環境配慮状況公表することは義務付けていいんじゃないかということを言っているわけですけれども。当然のことだと思うんだけれども、ちょっと何かちょっと自主的な努力に任せるみたいな話がありましたけれども、それはおかしいんじゃないかと思います。これは意見ですけれども。  それから、各省庁取組ですけれども、これは環境配慮、どの程度やっているかということを数値ですか、環境負荷の程度を示す数値を含む形で国民に分かるように公表するということを第六条に書いてありますね。どんな項目を、数値で表すかについては各省庁に任せると、これはちょっと、そうせざるを得ない状況あるんでしょうけれども、最低これは入れるべきよということぐらいはやはりやらないと、この法律趣旨がちょっと、モデルケースを作って義務付けて、特に国の関与の強いところの法律法人については環境報告書を作って公表するということをやっていると。国本体そのものは何らかの形で報告せいというだけでいいのかなというふうに思うわけですね。  だから、少なくとも、例えば省エネルギー、そのエネルギーの少なくする努力、数値とか、それからごみの減量の数値とか最低限の数値はみんな入れなさいとかいうようなぐらいはしないと、国の取組事業者にこういうことを、自主的な取組をやらせようとしているわけやからね、国についても、各省庁に何を入れるかの公表の項目を任せるという形だけでは、ちょっと国民納得し難いのではないかと。少なくとも、最低限の、これだけ共通のものとして、今申し上げましたように、エネルギーとかごみの減量とか、そういうことぐらいは最低入れるというようなことの取組ぐらいはやっぱりやるべきではないかと思うんですけれども大臣、いかがですか。
  65. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 現在、国は、率先して、通常の経済活動の主体として行う活動を含めて、政府活動全般にわたって環境配慮を適切に織り込んでいくということで自らの活動を律する、そして環境への負荷を更に低減する必要があるということを環境基本計画の中でうたっております。それを受けて、関係府省というのがこの環境基本計画を踏まえながら自主的に環境配慮方針を明らかにしております。  それで、先ほどの御質問、実はあったわけですが、具体的に、それでは環境配慮方針を定め、私ども環境省の例で申しますと、どういうような取組状況を定め、そして公表しているかと申しますと、例えばグリーン購入状況、それから次に、初めて使用する木材パルプの量、バージンパルプをどれだけ使っているか、それから低公害車の導入の状況、それから電気の使用量、この状況、昼間などは全部蛍光灯を切ったりしております。フロン系冷媒の排出抑制の状況、それから公用車の使用、これは燃料の使用の……
  66. 山下栄一

    山下栄一君 簡潔にお願いします。
  67. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) るる、そういうようなことで、大変きめ細かく環境配慮状況について日常の活動を全部データとして把握をし、そしてその状況、結果を取りまとめて報告をしているということでございます。各省庁、若干の差はあるかもしれませんけれども、国の府省はその程度の取組というのは当然のこと、やるであろうというふうに思います。
  68. 山下栄一

    山下栄一君 その次ですけれども、これ環境報告書、大企業を中心に努めるものだそうですけれども環境報告書、今六百五十社ですか、それが徐々に増えていくという形にしていく必要があると思うんですけれども、そのためのまた法律やと思うんですけれども。    〔委員長退席、理事ツルネンマルテイ君着席〕  せっかく作ったこの環境報告書がやっぱり評価されて、そして利用されていると、国民の皆さんも関心を持ち、場合によっては環境教育の教材に使うとか、そういうようなことも含めて環境報告書利用促進を図ることが必要だと思うんですけれども、具体的にどういうことを施策として考えておられるか、簡潔にお願いしたいと思います。
  69. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 環境保全活動環境教育推進法関係でございますけれども……
  70. 山下栄一

    山下栄一君 違う、違う、質問違います。環境報告書利用促進
  71. 松本省藏

    政府参考人松本省藏君) 環境報告書でございますが、今具体的に、例えば環境教育とかいうようなことにも活用できるのではないかと、こういうような御指摘があったかと思います。  確かに、その環境報告書といいますのは、事業者と様々な関係者との間の重要なコミュニケーション手段であります。御指摘がありましたように、環境教育のツールとしても確かに有効であろうというふうに考えます。例えば、環境省が調べたところによりますと、環境報告書を作成する事業者の過半数、これがその配布先の一つに従業員や家族というのを挙げております。環境報告書が、従業員、家族というのは子供も多分いるわけでございまして、これらの方々への環境教育の材料としても活用されているということがうかがわれます。  ちなみに、その企業の財務諸表は家族に見せてもだれも読まないだろうと思います。  このほか、企業において、市民や消費者を招きまして環境報告書を読む会といったセミナーを開催する事例もございます。あるいは、今度は消費者団体の方が、一般の主婦などを対象として環境報告書のワークショップを開催するという事例もあるようなわけでございまして、こういうようないろいろな形で環境報告書利用がなされているということでございまして、こういう動きが今後ますますこの法律ができることによって広がっていくだろうということでございます。  環境省としても、こうした観点から環境報告書利用促進、教材としての活用というのも含めまして進めていきたいと考えております。
  72. 山下栄一

    山下栄一君 いろんな環境報告書、六百五十社、今現在出されている中にも非常にレベルの高いものもあれば、いろいろ差があると思うんですけれどもね。だから、これから分かりやすくて非常に企業としての取組がモデル的だというものについてやはりいろいろ、今申し上げました教材として使うとか、また表彰制度もあるようですけれども、こういうことはどんどん、せっかく作って努力している企業、更に普及させ、そして取組を強化させるというような働き掛けというのは大事だろうというふうに思います。  法案最後の質問ですけれども、こういう環境配慮する企業、当然国民からも評価されていかなくちゃならないと思うわけですけれども、市場で評価されるというところまでなかなかいっていないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今後こういう企業がやはり市場でも評価されるという、そういう体制作りといいますか、基盤作りといいますか、様々な優遇、優遇といいますか、政策誘導といいますか、こんなことも考えていくべきだと思いますけれども、この点、お考えをお聞きしたいと思います。
  73. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) おっしゃるとおりでございまして、この法案が進めます事業者による環境報告書公表が、そういった市場に対して、それぞれの企業環境に対してプラスのことをやっているということが、それによって投資につながるといったような形でお金の流れが変わってくる、こういったことは、文字どおり、今回のこの法案の効果として挙げられるのではないかと思います。  また、これは事業者そして国民投資などに当たって相手方事業者環境情報勘案するよう努めること、国としてもこうした事業者及び国民取組促進するために必要な措置を講ずることというのがこの法案に盛られているのはそういった意味でございまして、実際に我が国でも、欧米では既にかなりのシェア、文字どおりのシェアですね、株で、株式の投資がエコファンドに流れるということで、社会的責任投資、SRI投資というのが非常に盛んでございますけれども、株式の保有状況社会的な文化的事情の違いというものありますけれども、これまでの財務情報と異なって、事業者環境情報社会や市場に提供されることでお金の流れがそっちに向かうというようなことを是非とも進めてまいりたいと考えております。  機関投資家それから金融機関を含めた事業者、さらには国民に対する情報提供普及啓発が、そういった環境配慮する事業者が市場で評価されると、このような基盤の整備につながればと考えております。
  74. 山下栄一

    山下栄一君 ありがとうございました。  法案から離れまして、環境教育について質問させていただきたいと思います。  一昨年のWSSD、環境サミット、南アフリカで行われたサミットで持続可能な開発のための教育の十年と。これは日本政府が提案したことがこの環境サミットでも採択され、そしてその後、国連総会でも決議されて、いよいよ来年からですか、この十年が始まろうとしておるわけでございます。昨年、それに先駆けてと言ってもいいと思いますけれども、日本が国会でこの環境教育推進法というのを策定したわけでございます。これは行政主導型というよりも、民間の草の根の取組を大事にしながら環境教育推進していこうという趣旨法律だったというふうに私は理解しておるわけですけれども、今年十月からいよいよ全面施行と、このようになっているというふうに思いますけれども、基本計画の中心点、この法律の準備に向かってどの程度進んでいるのか。人材育成の登録制度とか、また環境カリキュラムとかも含めましてお願いしたいと思います。
  75. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 御指摘の法律につきましては、今御案内がありましたように昨年の四月に成立したわけで、議員立法ということになりますけれども、パンフレットを作成して広く配布することと同時に、全国各地でこういった面についての意見交換を行いまして、法律の周知徹底を行ってきたと。  現在、先ほどの話にありましたように、十月の完全施行に向けて基本方針の作成や人材認定事業の登録制度、それに関する主務省令の作成、これに努めているところでございまして、関係五省から成る連絡会議を設置いたしまして、関係省が緊密に連携しながら作業を進めている段階でございます。    〔理事ツルネンマルテイ君退席、委員長着席〕  この基本方針案の作成につきましては、環境教育等の実践者や有識者から意見を聴くために文部科学大臣及び環境大臣が共同して委嘱した委員から成ります懇談会、これを開催いたしまして専門的な見地から意見を伺っているところでございまして、さらにこれに付け加えまして、パブリックコメント等を通しまして広く国民の意見、一般の意見も聴きながら基本方針を作成することというふうに考えてございます。  この基本方針案につきましては、当然のことでありますけれども、各界各層からの意見を聴いている段階でありまして、これを踏まえまして今後内容を検討し、我が国が推進すべき重点的な事項を基本方針の目玉として盛り込んでいきたいと、このように考えてございますが、いずれにいたしましても、基本方針は実効性のあるものでなければいけないと、効き目がある中身になっていなければならないわけでありますから、この点を肝に銘じて最大限効果的なものができ上がるように考えてまいりたいと、このように進めている最中でございます。
  76. 山下栄一

    山下栄一君 副大臣から御説明があったところに含まれると思うので、もう一遍確認させていただきたいと思いますけれども、私は、今各省庁、農水省、それから国土交通省、また環境省、それぞれ個別の環境専門家といいますか、環境学習のリーダーといいますか、例えば環境カウンセラーもそうだと思うんですけれども、そういう制度はあるわけですが、今回の人材認定制度というのは民間のそういう人材認定事業そのものを登録するという趣旨だと思うんですけれども、これは各省庁ばらばらに私やるべきじゃないと思うんですね。  今、現存しているこの様々な環境人材は、それぞれの省庁が森林インストラクターとか環境カウンセラーとか、その他いろいろやっていると思うんですけれども、できるだけ連携取ってやるということを先ほどおっしゃったのではないかということのその確認と。  それから、環境教育カリキュラムですけれども、これもデータベース化して生涯学習、また学校の環境学習で使いやすいように、環境の分野も幅広いですから、ごみもあれば野生動植物の問題、その他化学物質の問題、それぞれ分野、多岐にわたっておりますし、そういう意味で、環境カリキュラムの、何といいますか、共通の大綱的なもの、カリキュラム大綱的なものをやはりこれもきちっと、学者も、それから実践的な、野鳥の会その他実践的な取組方々も含めて大綱的なものを作れば非常に使い勝手がいいといいますか、学校の教師にも、市民講座なんかでも使い勝手良くなるのではないかと。  個別にいろんなカリキュラム、環境教材ございますけれども、総合的にちゃんとこの視野から整理されていないように思いますので、こういうカリキュラムの観点からも大綱的な衆知を結集したものを作ることが必要ではないかというふうに、先ほどちょっと触れられたようにも思うんですけれども、この二点、確認させていただきたいと思います。
  77. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 今、山下委員が御提案の環境教育カリキュラム大綱のようなものの作成につきましては、環境教育を体系的に推進していくためには有意義な一つの提案であるというふうに理解しておりますので、積極的に議論を深めながら検討してまいりたいと、このように考えてございます。  また、環境省としては、そういった法律に基づく基本方針も参考にしながら、文部科学省を始めとする関係省と連携しながら、環境教育推進の在り方、今の提案も踏まえながら積極的な検討を行っていきたいと、このように考えているわけでございます。  また、各省のばらばらにならないようにという話がございました。確かにおっしゃるとおりでございまして、関係省庁連絡会議を設置いたしまして、制度作りに向けて検討を進めているところでございます。御指摘のような各省ばらばらとの批判を受けることのないような制度を作り、環境教育のための人材活用を推進していくと、そういう形にしていきたいと、このように考えているところでございますので、この辺についての御理解をよろしくお願いをしたいと思います。
  78. 山下栄一

    山下栄一君 次に、地球憲章の問題なんですけれども、これはもう加藤大臣が随分前から様々な御提案を環境委員会のみならずほかの委員会でもされてきているというふうに思いますし、具体的な日本委員会というんですか、地球憲章の、中心的にお仕事されてきたわけでございますけれども。  これは、地球憲章の草案は既に二〇〇〇年にでき、そしてそれをできたらおととしの環境サミットでも採択したいという流れだったと思うんですけれども、それはそうでないような状況になっていったようでございますけれども、この地球憲章についての、特に加藤大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、意義と、それから現在、国際的な地球憲章に対する取組がどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。
  79. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 地球憲章は、これは一九七〇年代ぐらいから、そういう地球の憲法に相当するような、しかもそれは国連という国益がぶつかるようなところでやるという話じゃなくて、民衆から芽生えていく、そういうグラスルーツに発想を置いた形成の仕方を考えてきたという経緯がございます。ですから、もう三十数年にわたっているわけでありますけれども、極めて具体的になってきたのは一九九二年の地球サミットの機会に合わせて、いわゆる世界の有識者が個人の資格で知恵を集めて起草してきたと、そういうものがこの地球憲章でございますけれども内容は極めて理念的な部分もございますけれども、非常に二十一世紀、さらに二十二世紀という、そういった長期的な展望を考えながら、人類のあるべき姿についてしっかりと起草された内容になっているんでないかなと、私はこれについても非常に賛同いたしまして運動としてやってきた経緯がございます。  内容それ自体は、生命共同体への敬意と配慮とか、あるいは二番目として生態系の保全、あるいは三番目として公正な社会経済、四番目としては民主主義、非暴力と平和という、そういう大きな柱立ての中で、更に細かく分かれているわけでありますけれども、時間の関係上割愛させていただきますが、そういう基本的な、理念的なアプローチの中で、人類が持続可能な暮らしを行うための価値と原則を明らかにしたものというふうに理解してございます。  そして、これは当初は国際連合で採択して云々という話も当然ございましたが、ただ、山下委員も恐らく二〇〇二年の南ア連邦でございました地球サミットに参加していられると思いますけれども、その中でウブントという地域がございます。そこでこの地球憲章についての宣言がされています。それはワン・オブ・ゼムです。  地球憲章がそのうちの一つということでありますけれども、持続可能な開発のための教育と科学技術に関するウブント宣言というのが、これは世界の教育科学関連機関、国連大学、ユネスコも含めまして十一の関係機関が、要するに地球憲章が二十一世紀において公正かつ持続可能で平和的なグローバル社会を築くための勇気付けられる根本的でバランスの取れた原則及び指針であり、教育のすべての段階とすべてのセクターに浸透すべきであることを認めると、そういうウブント宣言をされているわけでありますし、昨年の十月にはユネスコの総会で、この地球憲章に対するユネスコの支援に関する決議が採択されておりまして、憲章を積極的に活用していこうという方向が出てきたということで極めて意義のあることだと、このように考えてございます。  そういった点を踏まえて、環境省としてどういうふうに考えるかということにもなってくるわけでありますけれども、これは地球環境問題を考える上で、地球憲章についても、いわゆる持続可能な社会を築くための価値や原則に焦点を当てて、世界的な有識者の貴重な活動を集大成したものとして高く評価をしていくということが、環境省の立場としての答弁内容になるわけでございます。よろしくお願いをしたいと思います。
  80. 山下栄一

    山下栄一君 今、副大臣からお話しいただきましたけれども、去年の十月にユネスコでこの地球憲章に関する決議が、活用に関する決議ですか、行われたということ、これはもう画期的なことだというふうに思いますけれども。今までこの地球憲章、非常に高潔な理念がうたわれ、そして今もお話ございましたように、国に働き掛けるというよりも人類そのものに訴え掛けるといいますか、また意識改革、行動に結び付くような、そういう促すような非常にレベルの高い内容だというふうに理解しております。  それで、この環境教育との関係なんですけれども、これも加藤大臣、以前から提案されておりますけれども環境省としての考えをお聞きしたいんですけれども。これ環境教育推進法が昨年できまして、先ほども私質問しましたように、環境教育の教材、多方面で様々な取組が主体的に、自律的に市民の中からできている。もちろん、大学その他でもその試みがありますし、環境省としても、また文部科学省としてもそういう教材化の努力はずっと続けられておるわけですけれども、この地球憲章そのものも環境教育の教材として、例えば学校教育で使う場合、小学校ではちょっと表現が難しいのであれば易しい表現にして活用するとか、特に環境教育の教材として使うことの意義というのは極めて私は高いというふうに思いますし、この倫理観が非常に衰退している中でもう一度高めていくという意味でも非常に優れた教材ではないかなというふうに感じるんですけれども、この点のお考えをお聞きしたいと思います。
  81. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) これ、四月に実は皆さんの許可をいただいてOECDの環境大臣会合に行ってまいりました。その後にユネスコ本部をお訪ねいたしまして、事務局長にお会いしまして、環境省としての申入れをしたわけでありますけれども、そのうちの一つ地球憲章の関係でございました。  以前に、逆に私が、山下委員が副大臣のときに私の方から地球憲章について逆に質問をしておりまして、環境省の立場はどうなったのかという、ちょっと今は攻守場所を変えているわけなんですけれども、そのときの答弁は、文部科学省と連携しながらそういった面について検討してまいりたいという、そういう答弁があったかのように私も記憶しておりますけれども。  ユネスコ総会の決議の内容というのは、地球憲章を、特に国連持続可能な開発のための教育の十年の枠組みにおいて教育上の手段として利用するという加盟国としての目的を確認するということが規定されているわけでありますから、地球憲章を教育上の手段としてということは、一つは教材ということにも当然つながってくるわけであります。  環境省としては、地球憲章がこの決議に基づきまして教育の十年、この枠組みにおいて環境教育の教材の一つとして今後様々な現場で活用されることを期待しておりますし、またユネスコの様々な活動においても活用されるように、今後ともユネスコの活動に注目してまいりたいと思ってございます。  また、ユネスコの中でもこういった面について積極的に展開していこうという、そういう姿勢が強くありますので、非常に私は、十月の決議というのは非常に大きな意義を有するものであると。また、先ほど若干申し上げましたけれども環境省といたしましても、今後、文部科学省ともこの件につきましても意見をお互い交換しながら積極的にこういった面についての検討及び研究を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
  82. 山下栄一

    山下栄一君 先ほどからも質問ございましたように、環境税に対する取組につきましても、非常に重要な取組なんですけれども、なかなかすっとはいかない問題でもあると思いますし、またCO2の削減問題につきましてもなかなか思うようにこれも進まないという面があるというふうに思うんですね。  そんな中で、私はこの環境教育の十年、また環境教育、日本で昨年成立した環境教育法という、推進法ですか、こういう取組は私は確実にこの環境経済統合、また国民の意識、一人一人の自律的な意識変革を促していく大事なすそ野における着実な変革の方法ではないかなというふうに思っておりまして、そういう意味でこの完全実施、十月、この環境教育推進法の全面実施に対するこれからも人材育成の面、また環境学習の教材作りの面、様々な御意見を結集しながらやっていくことは極めて大事だと思いますし、環境省取組が極めて重要な時期を迎えているなということを感じますし、そういう意味でも地球憲章の理念というのは大きく貢献するのではないかとも思いますし、去年のユネスコ決議はそういう意味じゃ非常に環境が変わりつつあるのではないかと思いますので、併せて環境教育推進への環境省取組の強化をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  83. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 環境配慮法によりまして事業者が資源の消費や廃棄物の排出の状況について環境報告書を作成して公表することになっていけば、事業活動に伴う環境への負荷を減らしていく努力を促すことになると期待されます。ただ、法案では、限られた特定事業者だけが対象で、民間事業者は除外されています。これでは環境負荷の削減効果が期待できないのではないか、そう危惧されます。  しかし、その法案趣旨説明では、特定事業者取組をモデルとして民間事業者の自主的な取組を促すとしています。その場合、モデルとなる環境報告書にどのような事項を記載するのかということが極めて重要となると思います。  環境報告書には事業活動に伴う環境への負荷の程度を示す数値も記載するとされています。その場合、事業活動に伴って直接環境に排出するものによる負荷だけではなくて、製品を使用した場合あるいは廃棄した場合、環境への負荷がどの程度あるかということについても拡大生産者責任の立場から私は具体的に記載することとすべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
  84. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 環境報告書のこの記載事項等については、具体的に、例えばの話でありますけれども事業活動によって生じる環境負荷を示す数値等、環境負荷の低減のための取組状況、それから環境マネジメントシステム状況、それから環境配慮方針環境規制遵守状況など、すべての事業者に共通の最低限満たすべき基本的な枠組みを示すこととしておりまして、一方で事業者創意工夫を最大限生かすような仕組みになっているわけでございます。  御指摘のとおり、事業活動に伴う環境負荷につきましては、製品の使用時や廃棄時における環境負荷も極めて重要であると私も認識しております。このため、特に製品出荷後の環境負荷が大きい自動車メーカーやあるいは電機メーカーの環境報告書では、使用時のエネルギー消費量やその削減への取組、廃棄時のリサイクル実績などの記載がされるようになってきているというふうに我々も認識しておりまして、またそれがそういうふうに更に一層進行していくことが望ましいと考えてございます。また、環境省においても、環境報告書に記載することが望ましい事項を幅広く盛り込みました環境報告書ガイドライン、これを作成しておりますし、その中で製品サービスのライフサイクルでの環境負荷状況及びその低減対策、これを掲げている内容になってございます。  記載事項等を定めるに当たりまして、やはり環境保全上の重要な情報が適切に提供されるよう、やはり事業者や学識経験者、これらの者によります協議会等の意見や環境情報公表に係る慣行を踏まえて検討することとしているわけでありまして、今後、やはり民間からの意見を幅広く聴きながら、御指摘の点も含めまして検討を積極的に進めていかなければいけないなと、このように決意を深めている最中でございます。
  85. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 事業活動に伴う廃棄物については、資源循環法や廃掃法の改正などで排出量の削減や適正な処理について一定の法的整備が行われてきました。今大きな問題になっているのは使用済み製品環境への負荷の問題です。ところが、資源循環法の制定以前に作られたリサイクル関連の法律はその視点が欠けています。容リ法については、ごみになるペットボトルが法施行前より増え続け、自治体が困っている。この制度の問題点については、再三しつこく私は指摘をしてまいりました。今日は、やはり循環法以前に作られた家電リサイクル法について質問したいと思います。  家電リサイクル法の施行前から不法投棄が増えることが心配されていました。法施行後の家電四品目の不法投棄の増減の実態はどうなっているでしょうか。
  86. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) お答えします。  家電の四品目の不法投棄でございます。  四品目の引取り台数における割合は約一・五%で変わりませんけれども、絶対数は増加をいたしております。例えば、平成十四年度は十六万六千台でございますが、前年度に比べて二万台以上増加しております。また、最も新しい数字でございますが、十五年度上半期、四月から九月でございますが、これが八万五千九百台ということで、前年度から半年間で九千五百台ほど増加しております。
  87. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 政府は、新法が原因で不法投棄が増えるとは考えていない、そう言っていたわけですね。ところが、不法投棄が今言われたように増えています。その上に、大手家電製品販売店が引き取った使用済みテレビなどが製造業者に引き渡されない、そして不適正に処分されていたという新たな問題が発覚をしています。  概要を説明してください。
  88. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) この問題でございます。  福岡市のヨドバシカメラ博多店並びにビックカメラ天神店におきまして、家電リサイクル法に基づいて収集運搬業者が引き取った廃家電の一部が法律に反しまして製造業者などに引き渡されていなかったということでございます。  具体的には、引き渡されなかった廃家電の数でございますが、ヨドバシカメラ博多店では、平成十四年十一月から十五年十二月までの間で千三百十一台、ビックカメラ天神店におきましては、平成十三年四月から十五年十二月までの間で千三百三十一台が引き渡されていなかったことが明らかになっております。
  89. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 福岡市以外の店舗でリサイクル券の回付が確認されなかったものというのもありますね。
  90. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) ヨドバシカメラ、ビックカメラの福岡市以外の全国の店舗でございますが、家電リサイクル券の回付が確認されたかどうか報告を求めました。ともに平成十三年四月から十五年十二月末まででございます。  ヨドバシカメラで七千七百二十二台、ビックカメラで五百八十一台のリサイクル券の回付が確認されておりません。
  91. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 合計で八千三百三台ですね、福岡市以外で。  こういう横流ししたのは再委託された運送業者だということですけれども、販売業者は消費者から引き取ったものを製造業者等に引き渡す義務があります。ところが、実際にはほとんどの販売業者が製造業者等への引渡しを収集運搬業者に委託をしています。そして、その結果について責任を負わないという販売業者の姿勢があり、そしてそのことが今回のような事件を引き起こしたと言えます。  環境省と経産省は、家電リサイクル券取扱い上位三十社について引き取った廃家電の処理状況を調査をしています。その結果はどうだったんでしょうか。
  92. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 私ども、上位三十社の調査結果につきまして四月に発表いたしました。  暫定の数字でございますが、総引取り台数千四百九十九万台に対しまして七万八千台ということでございまして、〇・五%について家電リサイクル券の回付が確認できないことが判明いたしております。
  93. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 三十社で回付が確認されなかったリサイクル券について消費者が支払ったリサイクル料は幾らになるでしょうか。経産省、いかがですか。
  94. 豊田正和

    政府参考人(豊田正和君) お答え申し上げます。  ただいま環境省の方から申し上げましたように、上位三十社の買い付け、回付状況を調査したところ、七万八千台ほど回付が確認されていないことが分かったところでございます。ただ、この回付未確認のもののすべてが不正処理されていたり返還すべきものであるかどうかということは必ずしも明確でございませんで、現在、各社においてその結果を精査中でございます。その結果、新たに回付が確認された、追加的に回付されたものも、確認されたものもある一方、一部についてはリサイクル料金の返還手続を進めているものもあるというふうに聞いております。  いずれにいたしましても、環境省と連携をいたしまして、ヒアリング等のフォローアップを行い、適切な対応をしてまいりたいと思っております。
  95. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 消費者からリサイクル費用あるいはその運搬費用ですね、これを徴収した廃家電について七万八千台分、これがリサイクル券の回付が未確認になったんですが、未回付の原因が分からないということだとか、あるいは四品目の種類別の数も分からない、これは私は非常に問題だと思うんですね。  さっき、全体の中の〇・五%だ、わずかみたいな話が、わずかみたいな受け取り方のように聞こえたんですけれども消費者はちゃんとリサイクル料金払っている、その上に運搬料金も払っているわけですね。ですから、こういうことはあってほしくないと思っているわけですね。特に、追加確認が、未確認がまた追加してあったみたいな話になって、一体どうなっているのかと思います。  それで、一体この七万八千台分というのは幾らに相当するのかということをテレビで試算してみました。これはもう運搬料入れなくて、テレビのリサイクル料金が二千七百円の設定ですから、それで計算してみると、二億一千万円になるんですね。これは大変大きな金額です。これではもう本当に消費者はこんなずさんな制度というのは到底納得できない、そう思うのが当たり前じゃないかと思います。  そこで、その処理状況をきちんと調べて公表して、リサイクルが確認されていない、そういうものは消費者にお金を返還すべきだと思いますが、その点いかがですか。
  96. 豊田正和

    政府参考人(豊田正和君) 家電リサイクル法の円滑な施行に向けて、必要な調査を行いまして情報提供を行っていくことは極めて重要だというふうに考えております。廃家電の引取り状況はもとより、様々なリユースの実態ですとか、そういったものの把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
  97. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 もう本当にしっかりとつかんでいただきたいと思います。  それで、家電リサイクル法は、消費者が販売業者にリサイクル料金を支払って廃家電を引き取ってもらいます。引き取った販売業者はリサイクル券を付けて製造業者に引き渡します。受け取った製造業者から販売業者にリサイクル券が回付をされて、販売業者は消費者から預かったリサイクル料金を製造業者に支払う、そういう仕組みになっていますね。  実際には廃家電の引渡しとリサイクル券の回付は収集運搬業者を通じて行われます。お金の流れは、廃家電を受け取った製造業者がリサイクル券に基づいて家電リサイクル券センターに請求して、センターが取りまとめて販売業者に請求するという仕組みになっています。販売業者がリサイクル料金を払うのはセンターからの請求分だけで、製造業者に廃家電が渡らない限り消費者から徴収したリサイクル料金は販売業者の手元にとどまるということになります。つまり、販売業者にとってはセンターからの請求分のリサイクル料金だけを払えば済むわけで、回付されていないリサイクル券の確認はあいまいなままで済まされてしまいます。また、消費者がリサイクル料金を支払った廃家電が製造業者に渡っているかどうか、これを監視する、そういうシステムも今ないわけですね。  つまり、今回発覚した事件というのは私は制度上起こるべくして起こったものだ、そう考えざるを得ないんですね。非常に複雑なんですよ、これ。もう家電リサイクル法が施行されてから検証がきちんと行われていなかったんだと思うんですけれども、私も改めて一体どういう仕組みになっているのかと調べてみて、余りの複雑さというか、いや、これはえらい大変な制度なんだなということを改めて思ったものですから、これはこういうことが起こるべくして起こったことなんじゃないかなというふうに思えて仕方がないんですけれども、その点いかがですか。
  98. 豊田正和

    政府参考人(豊田正和君) 今回の横流しのような事件は本来のルールが適正に守られていなかったために生じたものというふうに考えております。先生御指摘のように、現行の制度は小売業者に対して廃家電を製造業者などの指定引取り場所に引き渡すことを義務付けておりますので、このルールが守られていればこのような事態は回避ができるものだというふうに考えております。  したがいまして、全国の小売業者に対し、回収されましたリサイクル券を個別に突き合わせをすることを通じまして、今後は製造業者などへの引渡しを確認するよう、三月の十日付けで文書で指導をしたところでございます。さらに、家電リサイクル券の運用面の改善などにつきましても小売業者、製造業者とともに検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
  99. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 リサイクル券の照合を徹底するといっても、販売店というのは全国で六万から八万もあるんですね。年間一千万台以上も引取りが行われていて、今後も同じことが絶対に起こらないとは私言えないと思うんですね。  結局、消費者が廃棄するときに処理費用を負担するという家電リサイクル法の制度そのものが今回の事件によって破綻しているということを示したのだというふうに言わざるを得ないと思うんですね。そういう意味で、家電リサイクル法が施行されるに当たって日弁連などもこの横流しの問題について非常に危惧をしている、そういう文書を出しているわけですね。だから、この点はやっぱりきちんと考えていかなきゃいけない、そう思っています。  家電リサイクル法のもう一つの問題ですが、リユースするとされた廃家電が全く法の枠外になっているという問題です。  毎年、廃家電は一千八百万から二千万台も排出されていると推定されています。ところが、家電リサイクル法のルートに乗っているのは一千万台程度で、推定排出台数の半分程度にしかすぎません。テレビの場合は四割程度しかありません。残りの八百万台から一千万台、これはどうなっているのでしょうか。
  100. 豊田正和

    政府参考人(豊田正和君) 平成十二年度の通商産業省の調査によりますと、家電リサイクル法施行前の時点でございますけれども、使用済み家電四品目が年間に使用済みとなる量は、平年度化いたしまして、先生御指摘のように約一千八百万程度だというふうに推定をされております。その当時のことでございますけれども、そのうち、排出される廃家電の約三割程度が海外への輸出を含めましたリユースだということになっております。  その後、家電リサイクル法が施行されたわけでございますけれども、この施行後はリユースの市場はむしろ拡大をしているというふうにも言われております。先生御指摘のその数字につきまして、当省としても実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
  101. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 海外に輸出されているものが数百万台あるとしても、とてもこれだけの数がすべてリユース品として市場に流通しているとは考えにくいですよね。住宅地では廃家電などを無償で引き取る古物業者のトラックが回ってきますし、福岡の事件では不明家電の相当量が輸出されたと推定されているけれども、屋外にも山積みになっているということですから、今、きちんと家電リサイクルのルートに乗らない廃家電の実態についても調査されるということですので、きちっとやっていっていただきたいと思います。  この家電リサイクル法の最大の問題は、リサイクルよりリユースを優先させるという循環法の三Rの原則に反する仕組みとなっていることです。つまり、家電リサイクル法のルートに乗ったものは製造業者が分解してリサイクルしなければならない、リユースできるものも解体処分せざるを得ないということになります。  拡大生産者責任の考え方に基づいて製造業者が廃家電を全量引き取って三Rの原則にのっとって処理する仕組みに転換すれば、製造者自身によるリユースか、リユースに回すか、あるいはリサイクルに回すかの区別が付きやすい。そして、リユースが進むことになります。  さきに議論しました不法投棄だとか、あるいは不適正利用、横流しですね、そういうことを防ぐためにも、私は、家庭用パソコンのように処理費用を製造業者が直接負担する、そういう仕組みに変えるのが一番合理的だと思います。  二〇〇六年が家電リサイクル法の見直しの時期です。拡大生産者責任を基本とした抜本的な見直し、法改正をすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  102. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 御指摘のように、家電リサイクル法、施行が二〇〇一年の四月でございますので、その中で附則第三条、いわゆる見直し条項がございます。施行後五年を経過した場合にということでございます。  今も御議論を伺っておりましたけれども、不法投棄の状況などを含みますこの制度の施行の状況を総合的によくチェックをいたしまして、そして制度の在り方についての評価、そして検討をしてまいりたいと考えています。
  103. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 今日は総務省にも来ていただいておりますけれども、これだけ大きな家電リサイクル法が社会問題になっておりますので、総務省として行政評価・監視を行ってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
  104. 田村政志

    政府参考人田村政志君) 総務省としては、経済産業省、環境省取組状況をよく見極めさせていただきまして、その上で行政評価・監視としてどのような対応が必要であるか、なお必要であるか、検討してまいりたいと考えております。
  105. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 次に、猛禽類の鉛中毒対策について伺います。  天然記念物のオオワシなどが鉛弾で撃たれたエゾシカの死体を食べて鉛中毒になって、死亡や繁殖力の低下などを引き起こしている、これが大きな問題になっています。鉛中毒による猛禽類の被害の状況について説明してください。
  106. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) 猛禽類の鉛中毒については、北海道においてのみ報告されております。平成十年十二月から翌年五月まで、猛禽類全体で二十六羽の死亡個体がありました。これに対して、平成十五年の同時期には七羽となっております。鉛中毒による死亡個体数は減少傾向にあると考えております。
  107. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 北海道のオオワシやオジロワシの鉛中毒死は、エゾシカの保護管理計画がスタートした一九九七年ごろから大きな問題となりました。  これまでに判明しているだけで百羽以上のワシが鉛中毒で死亡しています。見付かっていないものを含めると、その数は数倍になると推定されています。また、死亡しないまでも鉛中毒にかかっているワシも多数いる、こう考えられています。  このため、北海道は、エゾシカ猟に使用する銃弾について、二〇〇一年三月に鉛ライフル弾を禁止をして、十一月には鉛散弾も禁止をしました。また、二〇〇二年の鳥獣保護法の改正で、捕獲した鳥獣をその場所に放置する、そのことを禁止しました。これが守られていればオオワシなどの鉛中毒はなくなる、そういうはずです。しかし、昨年から今年にかけての飛来期も、見付かったものだけで七羽が鉛中毒で死亡している。減ったなどということで簡単に済ましていただきたくないんですね。  これまでの措置だけではオオワシなどの鉛中毒を完全になくすことはできない。特に、次世代を産み出す成鳥が大量死している。かなり今まで死んでいる。今も死んでいるわけですね。そういう意味で考えると、オオワシの種の保存に重大な影響を与えることが強く危惧されます。  環境省はこのような事態についてどう考えますか。副大臣
  108. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) 猛禽類による鉛中毒の死亡個体数は、おっしゃったように、我々の調査では平成十五年で五羽ということになっておりますが、オオワシの死亡個体が五羽報告されております。御指摘のとおり、更に改善が必要な状況というのが我々の認識であります。  環境省としては、北海道におけるエゾシカ猟の鉛弾使用禁止、捕獲物の放置禁止について狩猟者に周知徹底されるよう、引き続き狩猟団体等関係するところに申入れを行うなど、北海道に協力してまいりたいと考えております。
  109. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 鉛中毒は、これまで見付かっていたオオワシやオジロワシだけではなくて、クマタカにまで広がっています。  北海道の猛禽類の生態調査や保護活動をしている団体が二〇〇三年、二〇〇四年に阿寒町で十二羽のクマタカの血中鉛濃度を調査したところ、九羽が鉛に汚染されていて、そのうち三羽は鉛濃度が中毒量を超えていたということです。しかも、昨年の調査で鉛中毒が見付かって、治療して放たれた一羽が今年二月、斜里町で鉛中毒死しているのが発見されました。知床博物館長は、二度も鉛の被害を受けた事例は聞いたことがない、鉛の被害が広がったことを示している、鉛弾使用のチェック体制などを検討すべきだと話しております。  クマタカは北海道以外にも分布する絶滅危惧種です。クマタカにまで鉛汚染が広がっていることは重大です。全国的にクマタカの鉛中毒の実態を調査すべきだと思います。  局長御存じのように、クマタカはテリトリーが決まっていて、そこで暮らしているわけですよね。そのクマタカがそういう汚染されているというのは、これまた別の重大な問題だと思います。その点いかがですか。
  110. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) この問題は非常に重要な問題だと私も考えております。食物連鎖の頂点の一つである猛禽類の関係もありますし、生物多様性、種の保存という観点からも大事に考えていかなくちゃいけない問題であると。  北海道が実施している調査によれば、猛禽類の鉛中毒、これは平成十五年の渡来期においてはクマタカの鉛中毒死が初めて確認されていたということで、それで御指摘のクマタカの鉛中毒の全国調査を行うべきではないかという関係でございますけれども環境省といたしましては、本州以南の関係について猛禽類の鉛中毒事例、これは報告されておりませんが、全国的な状況を把握する観点から、平成十一年度から猛禽類の鉛中毒事故実態調査を実施していると。これまでクマタカ五検体を含む七十七検体について調査を行ったところでありますが、鉛中毒が認められたものは確認されていないと。これは本州以南の話であります。  環境省としては、今後とも事故実態調査を継続し、北海道を始めとする関係機関や団体とも積極的に連携を強めまして、クマタカを含む猛禽類の鉛中毒の発生状況について把握に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
  111. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 環境省は、死体の放置禁止に伴って、狩猟残渣の回収ボックスの設置などを進めてきました。どのくらい今設置をされているんでしょうか。そして、死体がどのくらい回収されているんでしょうか。
  112. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) 北海道においてエゾシカの回収ステーションの設置が行われております。平成十五年度で二十二か所、六市町村ですが、設置されております。  この回収ステーションにおけるエゾシカの回収量は、平成十五年度で七十五トン。平成十一年度の約五十九トンと比較すると、二八%増となっております。回収量は、年により変動はあるものの、確実に増えてきております。回収については徐々に定着しつつあるものと考えております。
  113. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 道東だけで五十五市町村あるんですね。北海道のエゾシカ保護管理計画では、通常、一人一頭に制限されている捕獲数を、緊急減少措置として一日三頭まで緩和して、二〇〇二年度で五万八千五百九十二頭捕獲しているんですね。二十二か所で今の七十五トンの回収。これでは、せいぜい数%程度にしかすぎないんですね。  NGOのワシ類鉛中毒ネットワークの人たちが、阿寒町で現地を歩いて調査しています。今年二月初旬の巡回調査では、山林で四十羽のワシがシカの残渣に群がっていたと。その中に衰弱したオオワシが一羽いたということです。二月の八日、九日に回収したシカの残渣を検査したら、八件中二件から鉛弾の破片が検出されているということです。二月十四日に阿寒町内で残渣回収を行って、十六体を処理したけれども、そのうち十三体は狩猟残渣で、一体は未回収の被弾死体、合わせて十四体が放置をされていた。狩猟残渣は、ほとんど背ロースや両足だけを切り取って、残りを放置してあったということです。  NGOの限られた調査だけでもこれだけの違反が見付かっているんですね。こんな状態では鉛被害がなくなるはずがありません。  エゾシカ猟の鉛弾の禁止と死体遺棄の禁止、こういう二つの対策が一体、現在どの程度守られているのか。私は、実態をきちんと調査して、把握すべきだと思いますが、局長、いかがですか。
  114. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) エゾシカ猟の鉛弾使用禁止及び捕獲物放置の禁止については、北海道で、先ほど申し上げましたステーションの設置その他やっているのに加えまして、狩猟者一人一人にパンフレットを配付、あるいはパトロールの実施ということを行われているところであります。しかしながら、鉛弾、鉛製銃弾の使用や捕獲物の放置などの違反事例も発生しておりますし、全部を抑制、防除しているとは考えられないところであります。  環境省としては、北海道におけるエゾシカ猟の鉛弾使用禁止と捕獲物の放置禁止について、更に狩猟者に周知徹底されるよう狩猟団体に申入れを行うなど、今後とも進めてまいりたいと思っております。
  115. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 生ぬるいんですよね。私が言っているのは、それが守られているかどうかということについてちゃんと調査をしてくださいと。そうしなければ対策が打てないじゃないですか。そのことを言っているんですが。
  116. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) 今後、関係するところと相談して、検討したいと思います。
  117. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 何か腰が引けていますね。ちゃんと調査してください。  エゾシカの保護、管理は、捕獲数の三分の二を一般の狩猟に依存しています。北海道では、道外のハンターが二千五百人も登録しているんですね。北海道以外では、鉛ライフル弾は禁止されていないんです。だから、道外のハンターが北海道に来たときに、きちんと非鉛弾に切り替えてくれるかどうかは疑問なんです。しかも、死体の放置という、こういう明白な違法行為が後を絶たないという現状からすれば、北海道のエゾシカ猟のときだけ非鉛弾を使用するなどということを期待することはできないわけですね。  だから、道の指導にも限界があります。鉛弾に対する私は全国的な対策が必要だと思います。  鉛弾の問題は、鉛散弾による水鳥被害も重大です。水鳥の鉛による中毒死は、国内では一九八九年、九〇年の二年間に、北海道の美唄市、宮島沼でハクチョウとマガンが百羽以上死んだということから初めて判明しました。  環境省は二〇〇〇年に、当面各県に鉛散弾規制地域を一か所以上指定するという鉛散弾規制地域選定要領を決めて、その後、二〇〇二年に鳥獣保護法の改正で指定猟法禁止区域を法制化しました。近年の水鳥の鉛中毒死の状況はどうなっているでしょうか。
  118. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) 水鳥の鉛中毒については、都道府県からの情報整理したところでは、平成十三年に四羽、平成十四年八羽、平成十五年十一羽が確認されております。すべてオオハクチョウでございます。
  119. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 まあ今答弁があったように、水鳥の鉛中毒死は増えているわけですね。そして、その鳥獣保護区や銃猟禁止区域から見付かった例も増えているとのことです。  環境省はこうした法改正後の状況をつかんでいなかったんですね、今まで。今回質問のために問い合わせたら、慌てて各県に照会をしてこの数字をつかんだんですね。私、日常的にちゃんと把握しておくべきだというふうに思います。  二〇〇二年の法制化の前には指定地域は全国六十九か所、五万二千三百ヘクタールでしたけれども、法制化して何か所、何ヘクタールになったのでしょうか。
  120. 小野寺浩

    政府参考人(小野寺浩君) 十三年、六十九か所、五万二千ヘクタール、十四年の改正以降、現在、百四十二か所、七万七千七百四十四ヘクタールが指定されております。
  121. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 これ、よく調べてみたら、増えた分はすべて宮城県が増やしたものなんですね。法改正を受けて宮城県では今年度、これまでの二か所、千三十五ヘクタールだった鉛散弾使用規制地域を拡大して、これまでの地域を含めて、主要水辺域七十五か所、一万八千六百ヘクタールでの鉛散弾を禁止をしました。これは、宮城県水辺域の五七%を占めます。当初は宮城県は、今年度から県内全域で鉛散弾の使用規制をするという方針でいたということです。ところが、猟友会から意見が来て、県内全域の規制を見送ってしまいました。  また、三重県では、今年秋から県内での鉛散弾使用の全面禁止を目指して、昨年七月、公聴会を開きました。県の猟友会会長を含め三人の公述人はすべてが賛成しました。三重県の猟友会会長は、実施を一年先の二〇〇五年十一月にしてほしいと実施期日の延長は要請しましたけれども、豊かな自然環境を守ることは重要であり、近年増加している水鳥の鉛中毒を防止していかなくてはいけないとして、鉛弾全面禁止に賛成をしました。ところが、この三重の猟友会の方針に反して、三重県代表を除く全国猟友会、各県会長連名で反対の要請書が出されました。三重県は、結局、今年度指定地域を一か所、来年度二か所増やすだけの方針に変更したということです。  私は、環境保全第一の各県のこのような取組方針がゆがめられるということがあってはならないと思います。そういう点で、国の責任は非常に重大だと思いますが、その点いかがでしょうか。
  122. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 今やり玉に上げられました宮城県と三重県ですけれども、県内全域を対象として鉛製の散弾の使用禁止を検討されてこられました。宮城県については、鉛が使われていない散弾が十分に供給されるような体制作りなどを進めておられまして、平成十九年度からは全面禁止をされると聞いております。  また、三重県でございますけれども、散弾でも粒の小さいものの非鉛製の散弾、全国的に製造、供給されていないということから、現時点では全面禁止を見送っておられると聞いております。  環境省といたしましては、非鉛製のこの散弾の使用の促進のためには、製造、供給体制の確保が重要であるということでございまして、このために製造や輸入に係る団体に対しましても協力要請を行ってきているということでございます。  今後も、今挙げられました宮城、そして三重県の事例も説明をいたしまして、全国的な観点で非鉛製、鉛でない散弾の供給などが円滑に行われるよう努力してまいりたいと思いますが、環境省でございますので、動物愛護の観点からは、そもそも余り、何弾であろうが余り殺さないでほしいというのが正直なところでございます。
  123. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 その点についてはそうかもしれませんけれども、有害鳥獣を駆除しなきゃいけないとか、いろんな事情がありますから、とにかく環境を汚染しない、二次被害を起こさない、そういうことは最低限きっちりとやっていかなきゃいけないということだと思います。  環境省として、二〇〇〇年に、二〇〇〇年の通知で、代替散弾への切替えには、代替散弾に対するハンターの習熟、代替散弾の安定供給等の課題があって、一挙に行うことは困難というふうにしていました。  しかし、今もお話がありましたけれども、宮城県では鉛弾以外のものに切り替える、その普及が進んでいるということもありましたけれども、猟銃とか弾などを供給している業界の日本猟用資材工業会は、水鳥狩猟における鉛散弾から無毒性散弾への転換を推進することは当業界に求められる社会的責任であるとして、二〇〇〇年からの使用規制のために、国産や輸入品など、非鉛弾の供給を確保してきたということです。ところが、価格的に、スチール弾は鉛弾の一・五倍、タングステン弾は三倍する、性能的にもユーザーの側が使い慣れた鉛弾を手放したがらないなどで、もっと非鉛弾が出るはずだと思っていたのに意外に需要が伸びないとこの業界は言っているとのことです。非鉛弾の安定供給体制は、私はこうしたことから整ってきているというふうに思います。  二〇〇〇年通知では、規制の推進状況勘案しながら逐次規制を強化し、しかるべき時期に速やかに全国の水辺域全域における規制を行う方針であるとしています。それから四年もたっているんですね。全国の水辺域全域を規制するしかるべき時期がいつなのか分かりませんけれども、それを先延ばしにするということは許されないことだと思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
  124. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 環境省においては、各都道府県に対し、使用禁止地域の指定、それぞれ一か所以上選定するようにいたしております。また、関係団体に対しても非鉛製の散弾を円滑に供給するよう協力依頼等を進めてきたところでございますが、水辺域全域における鉛散弾の使用禁止については、これを早期に行えるよう、こうした取組に最大限努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
  125. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 そのしかるべき時期というのをいつということできちっと区切ってやるというお考えはありませんか。
  126. 加藤修一

    ○副大臣加藤修一君) 最大限早期にできるように努めてまいりたいと思います。
  127. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 アメリカでは九一年に水鳥射撃の鉛散弾を全面禁止しました。カナダでは九七年に鉛散弾の使用を禁止した。欧州では、デンマーク、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スウェーデン、スイスが鉛散弾使用を全面禁止しています。オーストラリアも九四年に一部の州で鉛散弾の使用を禁止をしています。  昨日、ラムサール条約の事務局長に、ピーター・ブリッジウォーターさんという方にお目に掛かりました。私ども環境委員会の清水理事が会長をしておられる超党派のラムサール議連としてお会いしたわけですけれども、この問題をちょっと話題にしたときに、事務局長さんは、タスマニアでは二〇〇六年から鉛散弾を禁止をすることになった、そんなことが紹介をされました。  年間二百万羽以上の水鳥が日本には飛来をしてきています。日米渡り鳥条約を始め日ロ、日中、日豪で渡り鳥条約を結んでいる、そういう日本で、毎年、水辺だけで七億粒、総重量にして八十トン、これだけの鉛弾が環境を汚染しているし、また鳥たちを鉛中毒にさせている。私は、こういう実態を一日も早くなくすということは日本の国際的な責務だと思います。  鉛ライフル弾も、北海道庁はエゾシカ猟だけではなくてヒグマを含めて全面的に非鉛ライフル弾に切り替える方向で検討を始めているとのことです。北海道庁の非鉛弾に替えた場合どうなのかという調査を行っているのですけれども、昨年十二月に非鉛弾の命中率と破壊力などに関する性能試験を実施をして、そしてヒグマを捕獲した狩猟者へのアンケート調査を実施したということですが、その結果として、非鉛弾の性能試験では、命中率は鉛弾と大きな差がない、また破壊力についても鉛弾と同等の性能を示すものもあったということだそうです。  ただ、狩猟者の回答はまだまだ嫌だというのが多いようですけれども、いずれにしても、非常に非鉛弾に替えていく条件というのは整ってきているというふうに思います。貴重な野生動物に重大な被害を与えているというのに、これまで使っていた鉛弾が使いやすい、あるいは銃が傷むから代替弾は駄目だとか、あるいは値段が高いだとかという、そういう言い訳、身勝手なことというのは私は許されないと思います。  早急に非鉛弾への転換を進める、そして鉛散弾、鉛ライフル弾の使用は全面禁止にすべきだと思いますが、先ほど加藤大臣から、いつにするのですかということで問い掛けましたけれども、とにかく計画をきちっと立てて、はっきりした目標を立てて、そして真剣に取り組んでいただきたい、そう思うのですけれども大臣、いかがでしょうか。
  128. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 早期に実現するように環境省といたしましても努力をしてまいりたいと思います。
  129. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 是非、最大限努力をしていただきたいと思います。  最後の質問ですけれども、この間、幾つもの自治体が、県営クレー射撃場で鉛汚染が見付かったことから、土壌を撤去する、そういう動きが相次いでいます。  千葉県では、総額二十億五千万円で三年間掛けて鉛を除去することを決定しました。この場合、六百トンの鉛があると考えられます。浅くて二十センチ、深いところは七十センチまで汚染土壌を掘って、そしてはぎ取らなきゃならない工事です。その後、芝や木を植えるとのことです。神奈川県伊勢原射撃場、ここも今年度から約二十億円掛けて鉛除去をする予定だとのことです。東京ドームの面積に相当する約四万五千平米の土壌が環境基準以上の鉛に汚染されていると。一九七二年オープンして、推定一千四百トンの鉛が射撃場内と周辺の山林に発射されたということです。福岡、富山、佐賀、福井、熊本などでも撤去工事を行っています。埼玉では、県営射撃場のある長瀞町の沢水から環境基準の十六倍の鉛が検出をされました。そして、四億円掛けて約百八十トンの鉛を回収しましたが、今年十月の国体のクレー射撃のために、更に二億円を掛けて鉛が流出しない防護シートを敷いて、そして終了後、シートを回収するということです。いずれも鉛汚染対策のために巨額な税金を投入しています。  私は、環境に有害物を排出する競技のために、国体開催のたびに巨額の税金を投入して汚染対策をするということに疑問の声が上がっていることを聞きました。埼玉、静岡の例のように、住民から鉛汚染を理由に国体開催の撤回を要望される、そういうことも起こっています。環境を汚染して、しかも汚染除去のために多額の税金を使うスポーツ、私はこれは時代に合わないのではないか、そう思います。  今、射撃場では、ビームなどで弾を使わない、そういうやり方なども検討されている。要するに、環境に優しいスポーツの在り方ということが問われているわけですね、今。そういう点で、これらを総合的に検討すべきときに来ている、そう思うのですけれども、文科省、いかがでしょうか。
  130. 田中壮一郎

    政府参考人田中壮一郎君) クレー射撃競技で使用されます散弾についてのお尋ねでございますけれども、クレー射撃競技の国際ルールを定めております国際スポーツ射撃連盟におきましては、二〇〇四年のアテネ・オリンピックまでの国際競技では鉛散弾を使用することとされておるところでございまして、日本におきましても現時点では鉛散弾を使用しておるところでございます。  ただ、御指摘のように、鉛散弾の使用によります環境汚染が問題になっておるところでございまして、日本クレー射撃協会におきましては、鉛散弾の周りをニッケルなどの被膜で覆いまして、耐食性を高めて鉛の微粉末の発生の防止に大きな効果がございますコーティング弾の使用、これを推進しておるところでございまして、現在、日本の競技者の約七割がこのコーティング弾を使用しておると聞いておるところでございます。  また、その鉛散弾に代わります代替弾につきましては、国際スポーツ射撃連盟クレー委員会におきまして各種代替弾の比較検討を行っておるところでございますけれども、例えば現段階におきましては、鉛と比べまして固い鉄や銅を使用した散弾の場合には、弾が跳ね返って危険であるとかいろんな問題があって、現時点においては競技用としては鉛散弾が使用されておるというような状況にございますけれども、引き続き国際射撃連盟のクレー委員会におきましても検討がなされておるところでございます。  このような状況の中で、日本クレー射撃協会におきましては、環境問題の発生防止に効果のございますコーティング弾の更なる普及、これに努力しておるところでございますし、それと同時に、公認の射撃場に関しましては、昨年の三月、平成十五年三月に、散弾の回収方法やそのための設備といった鉛対策についての考え方をクレー射撃協会として示しまして、各県の協会からそれぞれの射撃場に対しまして、この考え方に沿った取組をお願いしたいということで、その取組を促しておるようなところでございます。  文部科学省といたしましても、クレー射撃の実施に当たりまして環境に十分配意をすることが大切であると考えておるところでございまして、今後、国際連盟における代替弾の検討の促進を始めといたしまして、日本クレー射撃協会等と連携を図りながら環境汚染の防止に向けて努力してまいりたいと考えております。
  131. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 今、クレー射撃場の鉛対策についてやっているところなどが、日本でもやらなきゃいけないということでやったと。ところが、そこの利用料が高くなっちゃった。そうしたら四割減ったそうです、利用者が。周りに逃げちゃうわけですよね。これは全然意味ないんですよね。ごみのリサイクル手数料を上げたら隣の市町村のごみが増えちゃったというのとよく似ているなと思うんですけれども。  とにかく、汚染をそういうふうに横に広げたんじゃ何にもならないんですね。やはり全国的に統一的にどうするのかということをちゃんと決める。それから、国際的にも、やっぱり日本はこう考える、環境を大事にする国としてこう考えますということで、それは国際クレー委員会にもちゃんと積極的に物を言っていく、そういう姿勢が非常に今求められているというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。
  132. 田中壮一郎

    政府参考人田中壮一郎君) 委員御指摘のように、やはり環境問題に真剣に取り組みますためには、全国のすべての射撃場においてこの日本クレー射撃協会の示しました考え方にのっとった取組をしていただきますと同時に、国際射撃連盟に対しましても、新しい代替弾の開発について、日本クレー射撃協会等から、私どもも協力しながら働き掛けてまいりたいと考えております。
  133. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 終わります。     ─────────────
  134. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 委員異動について御報告いたします。  本日、山下栄一君が委員辞任され、その補欠として千葉国男君が選任されました。     ─────────────
  135. 高橋紀世子

    高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。  法律はすべての国民にかかわるものであり、できるだけシンプルかつだれにでも分かりやすい文章であることが必要だと思うんです。必要以上に難解であったり複雑なものは分かりやすい法律、良い法律とは言えないと思います。  この法案のタイトルや内容の中には、同じ意味を持つ文でももっと分かりやすい表現を用いることができると思うんですが、どうでしょうか。例えば、環境情報提供促進等による特定事業者等環境配慮した事業活動促進に関する法律というのを、例えば環境に配意する情報を得るために特定事業者環境配慮して事業活動を伸びるようにするとか、そういうふうに簡単にできないとおかしいなと思うんですけれども、一言大臣お話を伺いたいと思います。
  136. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) アメリカなど議員立法の国ですと高橋紀世子法というふうにやりたいところだとは思いますけれども法案の策定に当たりましては、法文の解釈上混乱がないようにということで、また正確に規定するということで、結局長ったらしい名前になってしまうということも往々にしてあるわけでございます。  この法案の策定に当たりましても、正確で分かりやすいものとなるように心掛けた結果、逆に長くなってきたとは思いますけれども、一般により短縮した形でも呼ぶことも可能かと思いますが、法案作成上の様々な事情からこういうふうになったということで御理解いただきたいと思います。  また、この本会議における委員長の御報告の際にも長い名前で大変御迷惑をお掛けいたしますけれども、その辺もよろしくお願いいたします。
  137. 高橋紀世子

    高橋紀世子君 小池大臣は若くて物分かりのいい方ですから、この際、文章を簡単に書くという運動をなさっていただいたら大変有り難いと思います。  この法案は、環境情報提供促進などを義務化することで環境保全経済発展を同時に実現するというものであると思います。しかし、義務化という方法ではこの目的を真に達成することはできないように思うんです。環境保全経済発展が、どちらかが達成されるとどちらかが犠牲になってしまう矛盾、アンビバレントというんですか、矛盾な関係を脱却し、環境経済の新しい比例の関係を構築していく必要があると思うんです。そのためには、義務や規制を増やすのではなく、環境保全促進する情報提供すると経済的な恩恵が得られるような前向きなインセンティブを人に与えるための施策を導入する必要があると思うんですけれども、いつものことなんですが、一言お願いいたします。
  138. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 環境経済がどっちがどっちというアンビバレントな関係では決してないと思います。私どもまたここでいつも御審議いただいているのは、正に環境経済がどのようにして好循環が確保できるかということでございまして、そのために必要な様々な手法、手段を御論議いただき、また今回のこの環境報告書など情報を広く進めていくための法案も正にその好循環を後押しするものだと考えているところでございます。そして、常に御指摘がございますように、やはりこの環境情報ということを正確に、そして広く知らせる努力をした企業につきましては、それが市場から、また消費者から、地域から、それがきっちりと理解をされて、更にそれによって、何というんでしょうか、ちゃんと報いられるような経済的なインセンティブが付くものと、このように考えているところでございます。  環境情報を公開するなど環境配慮取組を進める企業社会、そしてマーケット、市場から高く評価されるということを通じて、更に今度は事業発展をするという、このような好循環をこの環境報告書普及によって求めることができると、このように考えている次第でございます。  例えば、日本政策投資銀行なども環境スクリーニングをする際に、この環境配慮型の経営促進ということでこの環境報告書も十分参考にしていただけるものと、このように考えている次第でございまして、決して環境経済が相敵対する存在ではない、それをむしろ相まってより良い社会環境を作っていくというそのコミュニケーションツールとしての環境報告書ではなかろうかと、このように考えているところでございます。
  139. 高橋紀世子

    高橋紀世子君 いつものように、ペナルティーではなくて、いいことをしたときに恩恵があるようなやり方の方が明るいと思います。  それからもう一つ環境関連の法律や国際会議は増加の一途をたどっているのにもかかわらず、肝心の環境は改善されるようには見えません。御存じのことと思いますが、膨大な食べ物の食料が捨てられている日本のような国があると思えば、飢餓に苦しむ人の数は世界で八億人以上にも上ると聞いています。そして、こうしている間にも飢えや栄養失調によって十秒間に三人のペースで幼い子供たちの命が失われ続けています。悲惨な戦争が繰り返され、死亡者を含む戦争犠牲者は数を絶ちません。地球の温暖化も年々進んでいます。このことは環境破壊が地球規模の問題としてとらえられるようになって以来、私たちの取ってきた方法が余り地球環境を改善するために役に立っていなかったというのを示しているのではないでしょうか。  私が環境省に望みますことは、ここで一度立ち止まって是非考えていただきたい、謙虚さを持って何が根本的な原因かをまず見極めて、問題の本質に返るために真摯に、そして毅然とした態度で取り組んでいただきたいと思います。  私の見るところ、私たち人類は長年信仰していた物質至上主義を見直さないまま社会制度のことを考えても行き先は同じような気がします。改革を行う前に、私たちは私たちの価値を見詰め直す必要があります。その作業は改革としてよりもむしろ革命に近いものなのかもしれません。革命といっても、それは暴力による革命ではありません。それは私たち一人一人の心の中に始まる静かな革命です。この革命がいつの日か地球全体を覆い尽くす日が来ることを祈り、環境委員としての最後のメッセージといたします。  委員長始め委員の皆様、そして大臣環境省の皆様、委員会に携わるスタッフの皆様、これまでどうもありがとうございました。
  140. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 終わりでいいんですね。
  141. 高橋紀世子

    高橋紀世子君 はい。
  142. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局をしたものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  環境情報提供促進等による特定事業者等環境配慮した事業活動促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  143. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 長谷川清

    委員長長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会