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2004-06-01 第159回国会 参議院 外交防衛委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年六月一日(火曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  五月二十七日     辞任         補欠選任      浅尾慶一郎君     若林 秀樹君      岩本  司君     本田 良一君  五月二十八日     辞任         補欠選任      本田 良一君     岩本  司君  六月一日     辞任         補欠選任      荒木 清寛君     日笠 勝之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 一太君     理 事                 舛添 要一君                 齋藤  勁君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 阿部 正俊君                 荒井 正吾君                 河本 英典君                 桜井  新君                 中島 啓雄君                 矢野 哲朗君                 岩本  司君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 田村 秀昭君                 若林 秀樹君                 日笠 勝之君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君    衆議院議員        外務委員長    米澤  隆君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君    副大臣        外務大臣    阿部 正俊君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君        外務大臣政務官  荒井 正吾君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  秋山  收君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        警察庁警備局長  瀬川 勝久君        防衛施設庁施設        部長       戸田 量弘君        防衛施設庁建設        部長       河野 孝義君        外務大臣官房領        事移住部長    鹿取 克章君        外務省総合外交        政策局長     西田 恒夫君        外務省総合外交        政策局軍備管理        ・科学審議官   天野 之弥君        外務省総合外交        政策局国際社会        協力部長     石川  薫君        外務省アジア大        洋州局長     薮中三十二君        外務省北米局長  海老原 紳君        外務省中東アフ        リカ局長     堂道 秀明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国際原子力機関憲章第十四条の改正受諾につ  いて承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付  ) ○全権委員会議(千九百九十四年京都及び千九百  九十八年ミネアポリス)において改正された国  際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネー  ブ)を改正する文書全権委員会議(二千二年  マラケシュ)において採択された改正)及び全  権委員会議(千九百九十四年京都及び千九百九  十八年ミネアポリス)において改正された国際  電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーブ  )を改正する文書全権委員会議(二千二年マ  ラケシュ)において採択された改正)の締結に  ついて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送  付) ○旅券法の一部を改正する法律案衆議院提出)     ─────────────
  2. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告をいたします。  去る二十七日、浅尾慶一郎君が委員辞任され、その補欠として若林秀樹君が選任されました。  また、本日、荒木清寛君が委員辞任され、その補欠として日笠勝之君が選任されました。     ─────────────
  3. 山本一太

  4. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山本一太

    委員長山本一太君) 国際原子力機関憲章第十四条の改正受諾について承認を求めるの件及び全権委員会議(千九百九十四年京都及び千九百九十八年ミネアポリス)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書全権委員会議(二千二年マラケシュ)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都及び千九百九十八年ミネアポリス)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書全権委員会議(二千二年マラケシュ)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。  両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 若林秀樹

    若林秀樹君 おはようございます。  三十分いただきましたので、前半、この両件についての質問、そして後半、日本人イラクで亡くなられた日本人ジャーナリスト襲撃事件に関してお伺いしたいと思います。  まず、この両件につきましては基本的には賛成の立場で、若干、国際原子力機構についてお伺いしたいと思います。  国際原子力機関といいますと、やはりIAEAということで一気に名前が知れ渡ったのはやはりイラクにおける大量破壊兵器等査察ではないかなというふうに思っているところであります。もちろん、IAEA査察だけが役割ではないんですけれども、原子力平和利用というんでしょうか、とりわけやっぱり査察能力について様々な観点からいろいろ議論されているわけであります。  そういう意味で、我が国IAEAに対する貢献役割というのは、私は日本唯一被爆国として非常に大きいんではないかなというふうに思っておりますので、まずこのNPT体制の維持そして原子力平和利用に向け、今後どのようにIAEA参画していくのか、外務大臣にお伺いしたいというふうに思います。
  7. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 我が国IAEAにおける活動というのはかなり評価が高いと私は思います。例えば、これはイランのことにしてもほかのことにしても、理事会我が国理事会理事国一つですけれども、我が国は積極的にいろいろな議論をリードしていっているという活動を、これはずっとやってきていると思います。  それで、おっしゃったように、日本唯一被爆国であります。不拡散、核軍縮、不拡散ということについてはずっと国際社会でイニシアチブを取ってきているわけでして、このIAEAというのは、NPT体制考えたときに、これを支える主要な柱であるというふうに考えています。そのためにIAEA保障措置というのがあるわけで、IAEAは重要な役割を果たしているということです。  それからもう一つ委員がおっしゃいましたように、原子力平和利用、これもIAEA一つの重要な柱であるわけでして、我が国としてはこの役割も重視をしています。基本的にIAEAというのは、軍事転用が行われないように、これを担保しながら原子力平和利用を推進をしていく、そういう役割だと思っていまして、またそういう役割を果たしていくことを我が国としては期待をしているということで、活動に先ほど申しましたように積極的に参画をしていますし、今後とも参画をしていく考えでおります。
  8. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  力強い、決意も含めて御発言いただきまして、やはり国際貢献、いろいろ分野はあるんですが、すべての分野において均等にやっていくというよりは、ある程度エリアを定めていくという意味では、私は、このIAEA分野において我が国が果たす役割というのは私は非常に大きいし、むしろそこで積極的に我が国が顔を見せていくべきではないかなというふうに思います。  その上で、やはりいつも指摘されているところなんですが、確かに拠出をしていると。じゃ、実際に中で働いている人を見れば日本人職員は少ないんではないかなという気持ちを持っているんですが、具体的にIAEAの全体の職員数邦人職員数はどれぐらいなのか、そして邦人の中でどのぐらいの役職ポストに就いて頑張っていらっしゃるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
  9. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) お答えいたします。  IAEA職員の総数は現在約二千二百名でございます。このうち邦人職員は四十八名でございます。  邦人職員のうち、幹部クラスでは谷口富裕氏が原子力安全・セキュリティー担当事務次長として活躍されておられます。そのほか、村上憲治氏が保障措置局実施C部長尾本彰氏が原子力エネルギー局発電部長ということで、二名の方が部長クラスで活躍しておられます。
  10. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  二千二百名で四十八名というのは、私が想像したよりは多いかなという感じはしましたけれども、やっぱり人的貢献も含めて邦人職員が積極的に働けるような環境作りも必要ではないかなというふうに思います。その意味で、IAEAに求めて、求められている査察核査察能力をどう評価し、また今後どのように強化すべきと考えているのか、お伺いしたいというふうに思います。  聞くところによりますと、今回のこの条約改正によって二年間の予算措置になりましたので、十六年ぶりですか、何か予算の増額が図られる、そのかなりの大宗の部分核査察能力強化に充てられるということでありますので、イラク査察見ますと、本当に核兵器がなかったから見付からなかったのか、核査察能力に問題があったのか、その辺は非常に意見も分かれるところなんですけれども、この核査察能力そのものに対する認識というんでしょうか、イランでもずっと十数年間ですか、そういう計画が行われていたにもかかわらず、それがなかなか分からなかったというところもありますので、その辺の認識について外務大臣にお伺いしたいと思います。
  11. 川口順子

    国務大臣川口順子君) IAEAの組織の能力とそれから制度と、両方の観点から考えないといけないというふうに思いますけれども、まずIAEA、一九五七年に設立をされまして、それ以降、保障措置というのは不拡散体制に重要な役割を果たしてきていると、重要な機能を果たしてきたというふうに考えています。  それはなぜかといいますと、今までの保障措置というのは対象国申告によるということであったわけですけれども、そういう状況でありましたけれども、大部分の国で軍事的な転用が行われなかったということが確認をされているということであります。  それで、ただ同時に、幾つかの国で核兵器疑惑というのが顕在化をしたということもあったわけでして、九七年に無申告原子力活動対象にする追加議定書が作成をされたわけです。今、その追加議定書締約国を増やしていくことがIAEA保障措置強化を図るということで効果的であるというふうに考えていまして、我が国としてこれを働き掛けていると、いろいろな国へ働き掛けているということであります。  それから三番目に、予算の効率的な使用ということですけれども、やはり国際機関、どこもその予算が限られているので、それを効率的に使って不拡散疑惑国に対して保障措置を重点的に行うといったような、効果的に予算を使っていくように考えるということが重要であるというふうに思っています。私もこの点については問題意識を持っておりまして、昨年のG8の外相会談だったかと思いますけれども、そういうところでもその旨の発言をいたしていますし、IAEAに対しては、予算の効率的な使用ということで、相当な働き掛けを行っています。  以上です。
  12. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  それでちょっと、具体的にちょっとお伺いしたいんですが、現在の核兵器保有国というのは、いわゆる五か国、米、英、ロ、仏、中以外では具体的にどこが一応核兵器所有国として認知されているのか。そしてまた、これはちょっと難しい、定義をどうするかで難しいんですが、核兵器製造ノウハウを持っている国というのはどのぐらいあるのか、その場合に日本というのは核兵器を、製造ノウハウという意味で持っているのか持っていないのか、その辺の考え方、認定についてお伺いしたいと思います。
  13. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) 核兵器拡散条約NPT上、核保有国は、アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国、五か国でございます。先生指摘のとおりでございます。  NPT締約国でないインドパキスタンイスラエルのうち、インドパキスタンの二か国は一九九八年に相次いで核実験を行い、核兵器製造能力保有しているという状況が続いております。イスラエルにつきましては、核保有確認も否定もしないという方針を取っております。なお、我が国はこれらの三か国に対しまして、累次の機会に非核兵器国としてNPTに入るように働き掛けております。  その他の国について申し上げますと、北朝鮮核兵器等保有につきましては、IAEAアメリカなどと緊密な連絡を取っていることもあり、我が国として一定の情報を有しておりますが、まだ何かの確定的な結論に至っているわけではありません。イランの核問題については、国際社会の懸念を共有しており、イランに対してあらゆる機会を通じて、累次のIAEA決議を、決議のすべての要求事項を誠実に履行するように求めておるところです。  我が国につきましては、我が国非核三原則を政府の重要な基本的政策として堅持しており、また、法律上も原子力基本法により、我が国原子力活動平和目的に厳しく限定されております。また、NPT加盟国として、締約国として、非核兵器国として、核兵器製造や取得を行わないという義務を負っております。このように、我が国原子力平和利用のみを行っておりまして、核兵器製造のための知識、経験、ノウハウは持っておりません。
  14. 若林秀樹

    若林秀樹君 何をもって核兵器保有国とみなすかというのは非常に難しいんですが、核実験をして核を作れる、あるいは核弾頭を持っている、それを使用できる能力とかはまた全然別問題だと思うんですよね。インドパキスタンは今その能力を持っているということで、核兵器保有国ではないんですか、それは。
  15. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) NPT上の核保有国は五か国に限られておりまして、インドパキスタン核兵器国と認定しているわけではございません。ただ、核実験をしたこともございまして、核兵器製造能力を持っていると考えております。核兵器を持っているかどうかにつきましては、明確なところは明らかになっておりません。
  16. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  これは新聞記事ですけれども、以前、このIAEA理事だった方でしょうか、今核兵器保有国ノウハウを持っているのは三十から四十か国あるという話もありまして、具体的に原子力発電をして、核兵器核燃料濃縮ウランなりプルトニウムなり、そういうものを製造しながら、それをいかに加工してノウハウに結び付けていくかという、その辺は判断は難しいんだろうとは思いますけれども、現実的にはそういう分析もありますんで、その辺がどう認識されているのかなということをお伺いしたかったところであります。  その中にリビアは入っていませんでしたけれども、この辺はどうなんですか。
  17. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) リビアにつきましては、以前、核兵器計画を持っていたと認識しておりますけれども、現在、抜本的に政策を改めております。
  18. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  それで、最近の動向等、核不拡散に向けたいろんな国際管理構想が出されたり、あるいはブッシュ大統領からも核燃料生産について非核国は禁止すべきだみたいな話がありまして、徐々に核燃料に対する国際的な規制、管理というのはやっぱり強まっていると思うんですよね。  一方、我が国原子力平和利用考えると、やっぱり核燃料に対する使用自主技術というんですか、そういうものをきちっとやっぱり保持していきたいという考え方もありますんで、そこのところなかなかやっぱり整合性が取りにくいんではないかなというふうに思いますが、このIAEAの最近のこういう新しい提案等に対する考えに対して、我が国はどう整合性を持って我々の政策を主張していくのか、あるいは働き掛けを掛けるのか、その辺について外務大臣からお伺いしたいと思いますが。
  19. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) 我が国といたしましては、北朝鮮の核問題、あるいは世界的な核拡散ネットワークへの対応として核不拡散体制強化することは、我が国を含む国際社会全体における喫緊の課題で、緊急の課題であると考えております。同時に、我が国の国内にエネルギー資源が乏しいので、化石燃料に比べて供給の安定性に優れ、温室効果ガスの放出が極めて少ない原子力基幹電源として位置付け、原子力発電を推進しているところです。  以上を踏まえまして、我が国としては、原子力平和的利用と両立する形で核不拡散体制強化が図られるように、IAEA及び関係国と連携して積極的に議論に参加していきたいと考えております。  なお、エルバラダイ構想につきましては、国際的な核不拡散体制強化しようというエルバラダイ事務局長提案趣旨目的我が国としても支持するところです。しかし、まだこの提案は具体化されておりませんで、今後、IAEAの場でいろいろな形で具体的に検討される予定になっております。したがいまして、この検討の場で我が国としても実効性のある方策として具体化されるよう、積極的に議論に参加していきたいと考えております。
  20. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  いずれにせよ、我が国原子力技術自主開発方針というものもありますんで、うまくそこが整合性が取れるようにIAEAに対しても働き掛けをしていくということは重要ではないかと。一方、まだ核燃料生産技術がないところもありますので、そういうところは逆に国際管理の方もやった方が効果的だというところもないわけじゃないと思います。その辺の難しさはあると思いますが、是非ともこの全体の趣旨にのっとって我が国の主張もきっちりしていただければというふうに思いますので、そのことを申し上げて、IAEAに関する質問は終わりたいと思います。  ありがとうございました。  続いて、イラクにおける日本人殺害事件についてお伺いしたいと思います。  イラク日本人、昨年の十一月の外交官襲撃を受けて亡くなられた、そしてこのジャーナリスト殺害ということで、現時点でどのようなねらいがあって襲撃されたのか、その認識についてお伺いしたいと思います。また、この真相解明について現地のやっぱり専門家等を派遣するつもりがあるのかお伺いしたい。まず、外務省にお伺いしたいと思います。
  21. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) 本事件の経過については現在いろいろな情報に接しておりますが、なお不明な点が多いということは事実でございます。また、ねらいというお話でございますが、ねらいについても現段階でこういうことであるというのが判断するのはなかなか困難な状況にございます。場所は非常に治安の悪いところであり、また非常に反米的な意識も高いところでございますけれども、まだねらいについて確たることを申し上げることはなかなか困難な状況にございます。  また、政府としては、今後ともイラク関係当局と協力いたしまして事件解明等を進めていきたいと考えております。現地専門家を派遣することにつきましては、治安情勢を踏まえ、どの程度効果的に活動が行えるか、こういうことを慎重に見ながら判断してまいりたいと、こう考えているところでございます。
  22. 若林秀樹

    若林秀樹君 まだ、どういう状況なのか、真相解明はこれからだと思いますので、その時点で断定するのは難しいですけれども、今回襲われた状況から単なる物取りではないと思われますよね、それは。それが日本人を特定したものかどうか分からないですけれども、明らかに何らかの意図を持ってやったという意味ではテロの可能性が強いのではないかなというふうに思いますが、その辺はもう少し、現時点考えられる予想としてそれは強いのか、どう見ているのか、その辺についてもう少し踏み込んで御回答願えないでしょうかね。
  23. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) なかなか先生指摘のとおり、断定するのは難しい状況にございますけれども、この地域では七日にも例えばポーランド人記者あるいはアルジェリア人記者が襲われて殺されたと、こういう事件はございますし、そういう意味では非常に危険な地域であると、こういうことは我々も承知しておりますので、そういうことを踏まえて更なる情報を持って判断してまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
  24. 若林秀樹

    若林秀樹君 現時点で判断するのは難しいということなんですが、鈴木参事官ですか、個人的にはという言葉を使いましたけれども、テロリストではないかと思っているという発言も今朝の部会で、民主党の部会ではありましたので、だからどうのこうのというつもりはありませんので、是非ともきちっとしたやっぱり真相解明すると。その上で、今後の犯人逮捕に向けた我が国捜査方針警察庁にお伺いしたいというふうに思います。  基本的にはイラク警察に任せるというのが基本だというふうに思いますが、そうはいっても昨年の日本人外交官殺害された真相解明というのはいまだに分かっていないということもありますので、そういう反省も踏まえて今後どうしていくのか、お伺いしたいなというふうに思います。
  25. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、海外で発生した事件捜査は、これは我が国の刑法といいますか、国外犯規定の適用があるものでございましても、これは第一次的には発生地捜査機関が、発生国捜査機関が主体となってこの捜査を行うというのは基本だというふうに認識をしております。我が国警察現地当局に取って代わる形で主体的な捜査を行うということは、これも主権の問題もございますので、困難であろうというふうに考えておるところでございます。  ただ、我が国警察としましても、本件について可能な限りの捜査、これはさきの外交官殺害事件と同様でございますが、可能な限りこれはもう捜査に努めてまいりたいと思っております。ただいま外務省からの御答弁にもありましたように、現地治安情勢大変厳しい中で、いろいろ捜査の範囲といいますか、できることは限定的にならざるを得ないという面もあろうかと思いますけれども、可能な限りの捜査に努めてまいりたいというふうに考えております。
  26. 若林秀樹

    若林秀樹君 その可能な限りというのは言葉としては聞こえはいいんですけれども、可能な限りの中身が何なのかというのはよく分からないんで、現地警察捜査能力というのは昨年の外交官殺害事件を見てもほとんどないに等しい。それは外務省もそこは認めている部分ではないかなというふうに思いますので、そういう状況を踏まえてどうしたらやっぱり我が国警察としてその力をサポートしていけるかということに対して、もう少し具体的にお答えできないでしょうか。
  27. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 外務省とも連携をいたしまして、本件発生直後から本件の真相解明に私どもとして必要と思われるような事項について現地捜査当局に申入れをしていただきたいということでいろんな事項をお願いもしております。  さらにまた、今後、御遺体が我が国に搬送されるというようなことになりますれば、司法手続としての検視あるいは司法解剖等も実施をしていく予定でございますし、証拠資料等入手できますればこれの検証、鑑定等にも努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  28. 若林秀樹

    若林秀樹君 検視、司法解剖は我が国でやられるんでしょうか。
  29. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 我が国捜査当局が捜査手続として行うということでございますので、これは我が国の主権の及ぶところでやるというのが基本だろうというふうに思います。
  30. 若林秀樹

    若林秀樹君 ありがとうございます。  その上で、今、資料をお配りしましたけれども、しつこいと思われると思いますが、外務省外交官殺害事件の事実関係についてお伺いしたいと思います。細かいところはなかなか委員会質疑でなじまないところもありますので、そこは主意説明書において今は質問させていただいているところですが、どうしてもこのことについてはやはりこの場で再確認させていただきたいなというふうに思っているところであります。  お手元の資料に、この前も説明したのでお分かりだと思いますが、バグダッドの大使館からティクリートまで約二時間の距離ということで車では通常二時間前後の行程ということを外務省の報告書にも書いてあるわけで、距離的にも約百八十キロであります。十時に出れば十二時前後には現地に着いていると。そして、現地で昼食会があるという意味においては、ほぼ二時間の予定で行ったんであろうというふうには思うわけでありますけれども。  この十一時十一分にマンスル地区にありますサダムタワーが写っているという答弁がなされましたので、二枚目を開けていただきたいんですけれども、大使館、十時ごろ出発したということで、サダムタワーというのは我々が調べると約八キロぐらい、もう、すぐ市内なんですね。十分も行けばもう到達するところでありますから、ここで七十一分、七十分も掛かったということ自体がどう見てもこれは明らかに時間付けとしてはやっぱりおかしいということは明らかでありまして、市内にありますとサダムタワーというのは百二、三十メートルか、そのぐらいだと思いますが、やはり建物でブロックされると少し離れるともう見えなくなるんですね。ある程度近いところにいたということでありますと、どう見てもこれは私は、一時間違っているというふうに思いますが、改めてこの辺の認識についてお伺いしたいと思います。合理的な説明をお願いしたいと思います。
  31. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  この点についての事実関係は外務省より発表したとおりでございまして、御指摘の時間付けでございますけれども、奥参事官、奥大使所有のデジタルカメラの内蔵の、内蔵時計より割り出したものでありまして、この内蔵時計の時刻は事件当時の時差などに照らしほぼ正確であったということが日本に持ち帰った後、確認されております。  御質問は、十時からこの十一時過ぎまでなぜその時間が掛かったのかという御質問だと思いますけれども、この点については分かりません。十時に出発した後、この着くまで何、どういうふうに、どこにいたのかということについては確認できない状況にあるというのが事実であります。
  32. 若林秀樹

    若林秀樹君 撮影写真の位置、方向は特定されているんですか。どの辺から撮られたという、あるいは大使館から見たときにサダムタワーの手前なのか、少し過ぎてからなのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
  33. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この点については正確に特定することは困難でございますが、バグダッドからティクリートに向かう路上で走行中に撮影されたものと見られております。
  34. 若林秀樹

    若林秀樹君 写真を見ればある程度の方角というのは分かるんではないかなというふうに思いますが、これは捜査に影響ないと思いますので、申し訳ないですけれども、一度見せていただくこと可能でしょうか。できればデジタルカメラの中で見させていただければと思いますが、いかがでしょうか。
  35. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 警察当局とも協議の上、お答えしたいと思います。
  36. 若林秀樹

    若林秀樹君 捜査には基本的には関係ないと思いますので、是非とも見せていただきたいと思います。  堂道局長、これ全然説明になっていないですよ。やっぱり、二時間の距離でティクリートまで行こうとしているときに、七十一分掛けてすぐ近くの、大使館近くのところの写真が写っているということ自体がもう根本的におかしいんで、七十一分ですよ、これは。これ自体を平気でこうやってやって報告書に書いておくということ自体が、私はやっぱり報告書のていを成していないというふうに思いますが、改めてこれちょっと、私は一時間これ違っていると思いますよ、これは。時差の関係もすべて含めたら、どう見たって説明できないじゃないですか。それを、知りません、こうなんですということで割り切ってということは、私はやっぱり外務省の責任としておかしいんではないかなと思いますが、いかがですか、外務大臣、ちょっとこれ。
  37. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この夏時間、冬時間の問題でございますけれども、この点につきましては、イラクにおいても夏時間、冬時間ございまして、夏時間になると一時間進むということでございます。  それで、前にも御質問いただいたと思いますけれども、夏時間に設定していた時間を冬時間に使うと、実際に一時間の実際の時間と違う表示が出てくると、こういうふうな御質問いただいたと思いますけれども、このデジタルカメラにつきましては夏時間、冬時間を設定する機能はございません。  また、その時間付けにつきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。仮に直行していたとすればなぜこんなに時間が掛かったかという点については疑問があるというのは委員がおっしゃるとおりだと思いますけれども、実際、出発してからどういう行動形態を取ったのかということが実際分からない状況にありまして、これ以上その点については解明できないということでございます。
  38. 若林秀樹

    若林秀樹君 やっぱり、常識で少しやっぱり考えましょうよ、こういうのは。どう見たって、十一時過ぎにもう電話しているわけですよ、定時連絡ということで。そして、定時連絡の十一時のところに、すぐそばにいたわけでしょう。こういうことが常識ではやっぱり考えられないじゃないですか。これをやっぱり割り切って、このとおりだから知りませんという開き直りというのは、私はやっぱり報告書として納得できないと思いますが、外務大臣、どうですか、こういうのは。
  39. 川口順子

    国務大臣川口順子君) おかしいではないかということは、もうおっしゃるとおりだと思うんですね。我々もそれはなぜか知りたいと思いますけれども、説明をきちんと、確定をした説明を申し上げる材料は我々もないわけです。これは我々も、堂道局長さっき言いましたように、分からない。  あえてその報告書の中でそれを例えば推測をするとか、そういう情報がないときにするということは、私は逆に正しくないというふうに思います。分からないのは残念ですけれども、分からないのは分からない、事実はこういうことですと正確に申し上げるというのが報告書として我々はすべきことであろうと思います。
  40. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、短くお願いします。
  41. 若林秀樹

    若林秀樹君 いずれにしても、二人との関係で、時間ですから。
  42. 山本一太

    委員長山本一太君) ああそうか、ごめんなさい。済みませんでした。失礼しました。
  43. 若林秀樹

    若林秀樹君 まあ、いずれにせよ、分からないとおっしゃるポイントは分かりますんですが、分からないということをどうやったら分かるかというのがやっぱり外務省当局のやっぱり責任だと思いますので、是非ともそこは引き続き責任持ってやっぱり調べていただきたいと、そのことはお願いして、質問を終わります。  以上です。
  44. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 外務大臣にお尋ねいたします。薮中局長来ておられますか、薮中局長がお答えになっても結構です。  まず、五月二十二日に小泉総理は北朝鮮に行かれましたけれども、これは何しに行ったんですか。簡単に、何の目的で行ったと言ってください。
  45. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。  正に、現在の停滞する日朝関係、この現状を踏まえて、日朝双方が改めて日朝平壌宣言を履行していこうと、そしてこの地域の平和と安定に寄与しようと、そういう大きな視点から総理は諸懸案の解決に努力するため行かれたというふうに承知しております。
  46. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 外務省は、行かれることはよく知っていたんですか。前もって知っていたんですか。外務大臣もちゃんと知っていて、是非行ってくださいということで行かれたんですか。
  47. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) もちろん、外務省政府一体となって総理の下で外交をやっておりまして、当然のことながらすべての作業に関与し、仕事をしてまいりました。
  48. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 聞くところによりますと、余り外務大臣は今回の五月二十二日の訪朝については知らなかったと、よく話を聞いていなかったということだったように聞いておりますけれども、それはうそですか。正直に答えてくださいよ。
  49. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 全くそういうことはございません。きちんと、もちろん外務大臣の指示の下で我々やっておりまして、当然御承知でございます。
  50. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 ああそうですか。  それでは、向こうで総理は、敵前逃亡した軍法会議にかかるようなジェンキンスという人ですか、この人と何か会われて、日本に来たらどうかというような話をされたと聞いておるんですが、それは薮中さん聞いていたの、あなた知っていた。
  51. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 私も総理に同行させていただきましたけれども、当然、そのことについては十分承知してございます。
  52. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 私は、一国の総理が、敵前逃亡した軍法会議にかかるその人が、国に帰ったら軍法会議にかかるような人と一国の総理が話しすること自身がおかしいと僕は思うのね。日本の総理って一体何なのかと。  あなたが話しするんならまだいいよ。それでもちょっとおかしいんじゃないかと。まあ外務省でいえば課長クラス、課長補佐クラスの人が話すんならいいよ。一国の総理がそういうことを話すというのは、どういうことを意味しているんですか。何のためにそんなことするの。  それで、日本に連れてきて、ような話もされたみたいだけれども、そんなことできるわけないじゃないですか、日米安全保障条約結んでいてよ、アメリカ合衆国の敵前逃亡した人連れてきて。頭が狂っているとしか言いようがないけれども、どうしてそういうことを総理にさせるのか。外務省は知っていてやっているとしたら、もう外務省は私が前から言っているように解体した方がいいと私は思うんだけれども、どうですか。
  53. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 委員御承知のとおり、正に拉致問題の解決、これは非常に大きな課題でございます。これが正に日朝関係全般、正常化に向けて、拉致問題、そしてもちろん核・ミサイルの問題、これを包括的に解決しなくては前へ進まないという中で、最大のそして非常に緊急の課題が拉致問題でございます。  その中で、正に家族、御家族が離れ離れになっている状況ということ、これを一日も早く解決するということが非常に重大な日本政府にとっての課題でございます。  そうした中で、曽我ひとみさんの御家族、曽我ひとみさんの御家族について、やはり一日も早く家族が一つになって四人の方が一緒に過ごせる状況を作るということで、今回、総理が北朝鮮に行くに当たりまして、すべての、五人の被害者の方のすべての家族、その中にはジェンキンスさんも含めて八人の方の帰国ということを首脳会談でも非常に重要な課題として金正日国防委員長に総理は強く求められたわけでございます。  その結果として、先方は、金正日国防委員長の方は、ジェンキンスさんの意向に任せたいと。ジェンキンス氏は日本に行くのについて不安に思っているようだと、この意向に任せるしかないんだと、彼が行きたければ行くということで話はしてきたけれども、彼は非常にそこについては、今、日本に行くことについてそれを非常に消極的に考えているという話がございまして、そこで総理の方から、それでは北朝鮮側はいいんだなと、本人の意思なのだなということを確認されて、その上で直接、やはり何とか曽我ひとみさんの御家族が一日も早く一緒に生活、暮らせる、できるようにと、そういう思いの中で総理自ら御決断されて、ジェンキンスさんと話をされたと。そして、その中には二人のお嬢さんもおられました。
  54. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 薮中さんね、薮中さんの話聞いていると、拉致の問題だとかいろんなことを言うけど、あなたたち二十年間ほっぽらかしにしていたんじゃ、拉致なんというのは最近行われた話じゃないよ。もう二十年ぐらい前の話で、日本政府は何もしなかったくせに、最近何かあだ花みたいに急にばたばたやり出しているけど、何のつもりでやっているのか。本気になって解決しようとしているのかどうか知らないけどね。おかしいじゃないの、二十年間ほっぽらってあったものを今ごろになって何で急にやり出したの。じゃ、それだけちょっと教えてください。なぜ二十年間ほっぽらかしておいて、なぜ急に最近になってやり出したのか、僕が理解できるように説明してください。
  55. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 委員指摘のとおり、これは非常に長い問題でございます。そうした中で、様々のやり取りが外交上あって、なかなか国交のない相手との関係で非常に難しい問題ではございました。  そうした中で、ようやく一つの努力が実ったのが二〇〇二年九月十七日の総理の訪朝でございます。そこにおいてようやく先方から、北朝鮮側から、金正日国防委員長自らこの拉致問題というのを認めて、そして謝罪するまでに至ったと。そこにはもちろん長い経緯がございました、日々がございました。取組が遅かったのではないかという御批判もあるかも分かりませんけれども、様々の取組がようやく実ったのが二〇〇二年の九月十七日、そしてようやく先方が拉致問題を認めたということでございまして、それ以前にももちろん正常化交渉ということで九一年以来やってまいりましたが、この拉致問題、正面から取り上げるとその都度それでとんざしたという経緯の中で、ようやく二〇〇二年の九月十七日のときに向こうが正面からこの問題を認め、そして謝罪したと。その後、それを全面的に解決するために、更に我々が努力を今傾注している、そういう状況でございます。
  56. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 私はこの前総理が五月二十二日に北朝鮮に行かれたときのテレビを見ていたんですが、非常に僕は情けないと思ったの。なぜかというと、どっちが、拉致したのは国家主権の侵害ですよ。侵害をされているんですよ、あなたたち、我が日本政府は。主権の侵害をされている人が何か向こうのやくざみたいな、元々あの親子というのはよその子供を取ってきて、それでお金を出したら返してやるというようなことを言っていた人たちですよ。旧満州、満州の馬賊なんだ。それが国になっただけですからね。向こうの拉致された方に気を付けしてお迎えして出るなんというのはとんでもない話じゃないの。あれは僕は迎賓館かと思ったの、初めね。向こうが来ているのかと思ったら、違うの、こっちが行っているんだね。それで、何か向こうの人をお迎えして、おかしいんじゃないですか。国家主権を侵害されて、とんでもない話だと、ふざけるんじゃないよという話をするべき内容じゃないんですか、内容的に言って。どうも僕は、主客転倒しているというか、そういうのを交渉と言うのかどうか知らないけれども、おかしいんじゃないかね。  それで、聞くところによると、一人二百億で、五人だから一千億で、まだちょぼちょぼちょぼちょぼ小出しに出してくるみたいなこともちまたでは言われているしね。一体どうなんですか。
  57. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今回のその訪朝について、いろいろなお立場からいろいろな御意見おありになると思いますけれども、迎えに、こちらが先方を迎えたではないかという御批判に対しては、それはそうではないということであります。これは別な場でも申し上げましたけれども、あの大同江のあの場所というのは、総理が行った、総理の宿舎という位置付けであるわけでして、そこに先方が表敬に、表敬といいますか、会談においでになられたということで、総理が例えばその大統領の官邸に行ったということではなくて、総理がまず宿舎にいて、そこに先方がお見えになられた。プロトコール上何か問題があるということでは全くないというふうに考えています。  それから、私は、総理は非常な信念と使命感を持って北朝鮮に行かれて、そして非常に密度の濃い、いい会談をなさったというふうに思っています。それで、盧武鉉大統領に週末お会いしましたけれども、盧武鉉大統領を始め各国、総理のなさったことが、これが北東アジアの平和、安定、安全につながっていくことであるという観点で非常に評価をしていらっしゃるということであります。  拉致の問題も非常に重要ですし、核の問題も非常に重要であります。  拉致の問題についていえば、正に総理は人道的な立場から、一日も早くこの子供たちを帰して、そして家族を一緒にしたいという観点で行かれ、話をなさったということであって、総合的に総理のなさったことということは、大変に強い信念を持って平和のための努力を自分としてするんだというふうに考えてなさったというふうに私は思っています。
  58. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 それは、そう外務大臣思われているのは御自由ですけれども、国民の、普通の何でもない国民の人がどう受け止めているかということが一番僕は重要なことじゃないかと思いますよ、何をなさるにしても。  中国問題に移ります。  中国の海洋調査船というのが我が国の領土に入ってきて、海中に向けて音波を発信したり、クレーンからワイヤをつり下げたりして活動しています。  それで、私はこの問題について、何が問題点かというと、日中でどこが自分たちの領土なのかということを両方が了解していないところに問題があると。で、日本日本側は大陸棚の、ちょうど中国大陸との中心線を日中の中間線だというふうに主張していますが、向こうはそういうふうに思っていないところに問題があると私は思っているんです。  なぜ、日中友好も結構ですけど、そういう領土の問題についてきちっと交渉をしないのかと。自分たちはこうだ相手はこうだと言っていたら、向こうはどんどんどんどん同じようなことを繰り返すんじゃないですか。どちらが、両方が、ここ、これが我々の境であるということを両方が認識しないと駄目だと私思うんですね。そういうことを交渉するのは外務省だと思うんですよね。なぜ外務省はそういうことをされないで、ずっと今日まで来ているのかと。  日中友好条約ができたのは一九七二年。薮中さん、そう。
  59. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) はい。
  60. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 そうでしょう。  それからずっと、何でそれ、そのときからずっとそれをやらないの。やっても相手が乗ってこないのかどうか知りませんよ。だけど、何しろ日本は抗議をしているだけで、抗議文だけでも随分たくさんあると思うんだけど。相手は、また来たかみたいな、そんな感じですよね。  なぜそういう状態にしておくのかと。両方が、ここが両国の境目ですということを認識するような交渉をされないのかと。お答えください。
  61. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 国連海洋法条約というのができました。正にこの国連海洋法条約に基づいて……
  62. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 ちょっと、何というのができたって。
  63. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 国連海洋法条約でございます。  これで、この国連海洋法条約に沿って各国は、正に排他的経済水域、そして大陸棚について、一つ一定の、自分たちはもちろん、各国、沿岸国が排他的な経済権益を持つわけでございますけれども、この線引きの問題でございます。  今、委員指摘のとおり、この排他的経済水域についてどういう線引きをするのかということでございます。これについて、現在、日中間で意見の対立がございます。御承知のとおり、この東シナ海でございますけれども、ここで日中間の領海の基線、各々領海の基線を引きますが、その間の距離というのが四百海里未満でございます。したがって、この排他的経済水域及び大陸棚の境界を画定する必要があるというのが現状でございます。  そうした中で、日本は中間線の理論と、中間線原則を取ってございます。当然その水域の中での中間を取って、そして日本側のものが日本の正に排他的経済水域の……
  64. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 僕、そういうことを聞いているんじゃないの。なぜ交渉しないのかと。なぜ交渉しないのかと。
  65. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) はい。正に、そこを交渉しております。中国側は、いわゆる大陸棚の延長という理論を取ってございます。これは双方、基本的には我々は我々の主張が正しいと思っておりますが、国連海洋法条約の下で大陸棚の延長という理論についても国際的には一つの主張としてはございます。ただ、我々、基本は、これはあくまでも中間線であると。  そこで、過去六回にわたって日中間でこの問題について正に排他的経済水域、その線引きを画定しようということで、平成十年からでございますが、最近では平成十五年の十二月二十五日ということで六回にわたって海洋法の問題に関する日中協議を行っておりまして、我々としては早急に、できるだけ早く、しかも我々のもちろん主張である中間線に沿ってこの線引きを画定したいと、境界を画定したいと考えてございます。  まだこの意見の対立が解けず、これまでの間境界が画定できていないというのが現状でございますが、引き続き中国側との間でこの協議を重ね、早急に結論を得ていきたい、そういう努力をしていきたいというふうに考えております。
  66. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 一九七二年から友好条約を結んで友好関係にあるわけですから、そういう問題を解決しないで友好なんていうのはならないんじゃないかと私は思いますけれども、できるだけ早く、一日も早くってもう大分たっているけれども、きちっとしないといつもこの問題が起きてしまうと。それで、防衛庁と海上保安庁は一生懸命その防衛に当たっておると。だけれども、相手側はそれが自分たちの領土だと思っているからどんどん入ってくると、そういう状態が続いておると。  それで、これは、台湾はどういうことになっているんですか。台湾も言い分があると思うんですよ。そして、それが共通するのがあれば、国交がなくても外務省が台湾と一緒に利益をともにするならば、同じ両国の国益が一致するならば、一緒になって中国と話し合うというのもあり得る選択ではないかと。  台湾というのは日本の安全保障にとって極めて重要な位置付けにあるところだということを私は申し添えたいと思っております。
  67. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 先ほどの日中平和友好条約、一九七八年でございますけれども、いずれにしましても、台湾との問題でございますけれども、正に台湾との関係で、台湾との関係におきましても、これは現在、日台の間で、当面は漁業関係についての協議ということでこれまで十三回の協議を重ねてきております。この漁業問題というのも正に資源の管理を効果的に行っていくためでございますけれども、そうした中で秩序を維持するためには一定のその中での線引き、そして資源管理ということで行う必要がございまして、これにつきましても、もちろん非常に複雑に入り組んだ水域でございますけれども、一定の秩序を保つために、そして得るために、今後とも台湾とも協議を重ねていきたいというふうに考えております。
  68. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 中国の海洋調査船が平成十六年の五月の末までの、五月の末ですよ、まだ一年たっていないんで、もう四月、五月で既に十四回、中国船、中国の海洋調査船が来ている。これは急にどうしてこんな増えているというふうにお考えですか。平成十三年、十四年はゼロ、ゼロ又は一ですよね。十六年になって、十五年が六回で、十六年になると五月の末までで十四回。これは何でこんなたくさん急に増えたと外務省はお考えなのか。
  69. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 正に委員指摘のとおり、平成十六年で、東シナ海以外の水域でございますけれども、十四回の違反活動があるということでございます。これにつきましては、当然、その都度我々は、こうしたことの絶対ないように、再発がないようにということでの強い抗議を行ってきております。  なぜこの時期にこうして増えたのかでございますが、一つは東シナ海での水域での活動がございました。これにつきましては、平成十二年、枠組みの成立というのがございまして、事前通報という制度ができ上がりました。現在問題なのは、特に問題なのは東シナ海以外の水域でございまして、そこでの中国側の調査活動が活発化しているということでございます。そのなぜかという理由は、もちろん中国に問い詰める必要がございますけれども、様々の海洋調査を行っているんだろうというふうに考えられます。  そうした中で、当然、日本側としては、きちんとした日本側に対する事前申請を行うことということで、これは強く、強く求めていく必要があるというふうに考えております。
  70. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 今年ですね、三月に中国の調査船が尖閣列島の魚釣島に接近して七名の中国人が魚釣島に上陸をした事件。それで、七名は警察によって逮捕されましたけれども、すぐ中国側に七名を帰したと。これは、外務省は何ですぐ帰したのか。それから、中国から外務省に何か連絡があったのか。すぐ帰してくれとか、何らかの連絡があったのか。あったからすぐ帰したのか。何ですぐ帰したのかを質問します。
  71. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) 本件、三月の二十四日の朝起きました。そして、これにつきましては、当日午前中に既に竹内外務次官が中国の武大偉在京中国大使を招きまして、これは日本は、尖閣諸島というのは当然我が国固有の領土であると。そして、我が国の立場をきちんと説明した上で、本件についての遺憾の意、そして厳重な抗議を行ったのが最初でございます。その後、中国側から、二十四日及び二十五日の二回にわたりまして、逮捕されたと、七名の人が逮捕されたということに関しての抗議、そして一刻も早い解決、身柄の一刻も早い釈放というのを希望はしてまいりました。  ここで大事なことは、きちんと日本の国内法が実施される、国内法に基づいて処理されるということでございまして、これにつきましては、日本関係当局の下で、きちんとした判断の下で、そしてこの法律を執行すると。逮捕し、きちんとした法律を執行するということが行われたということでございまして、そのことについては外務省として特に意見を申し上げておりませんし、大事なことは法執行が日本の法執行機関によって行われると。当然、日本の領土でございますから、それが基本でございました。
  72. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 この事件は今までの中国人が領土を侵犯したのとはちょっと訳が違って、中国は二〇〇三年の七月一日から無人島の保護と利用に関する管理規定というのが施行されている、これは知っていますね。これが規定されていて、その上で七人を上陸させているということは、中国政府もお墨付きを付けて上陸させているということなんですね。  ですから、今までのような対応ではいけないんで、毅然とした領有権を示さないといけない。それは、従来と同じようなやり方をやったんでは駄目なんで、きちっと領有権を示した何か外務省としては毅然とした態度をお取りになったんですか、僕は取っていないと思うんだけれども。その辺の認識が非常に甘いんじゃないかと思うんだけれども、どうですか。
  73. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) これは、国際的にも一番大事なことは、正に日本の固有の領土であると。そうすると、そこに侵犯した者は日本関係当局がこれを逮捕し、あるいはきちんとした法執行をするということが何より日本の固有の領土であるということを国際的にも示すものでございます。そうした正にきちんとした法執行が今回行われたと。  具体的には、逮捕し、そして強制退去の手続を法に基づいて行ったと。これは正に法執行がきちんと行われているということ、それは実効支配を行っているということの何よりの証拠でございまして、それが国としては一番きちんとした毅然とした態度であるというふうに考えております。
  74. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 ちょっと、もう一度言ってください。中国側に対して謝罪と警告をきちっと発したのかどうかということを聞いているんで、その点よくきちっと答えてください。
  75. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) もちろん、中国側に対しましては、事件が起きた直後から直ちにこれに対する抗議を行い、そしてまた二十六日の夕刻、外相会談におきましても、大臣の方から先方の外交部長に対して日本の原則的立場、つまりこの尖閣諸島というのは当然日本の固有の領土であるということで今回のことについての抗議を行い、そして再発防止を強く求めている。当然、そういう外交活動は行っております。
  76. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 それでは、私、終わります。
  77. 小泉親司

    ○小泉親司君 IAEA改正承認案件及び国際電気通信連合憲章の案件については賛成でございます。  今日は、イラクの多国籍軍への自衛隊の参加の問題について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕  まず、お忙しいところ、法制局長官においでいただきましたので、まず私お尋ねしたいのは、多国籍軍への参加については、これまで九〇年十月二十六日のいわゆる政府見解、これはもう私流に言いますと、国連軍の参加については、指揮下に、司令部の指揮下に入りその一員として行動すること及び当該国連軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば憲法上許されないと。その一方、協力という点では、当該国連軍の組織外に行う参加に至らない各種の支援は協力であって、これについてはすべてが許されないというわけじゃなくて、武力行使と一体とならないものであれば、協力は憲法上許されるという見解をこの中で表明されておる。  もう一方で、二〇〇一年の十二月四日に、当委員会で、私の質問に当時の津野法制局長官がお答えになられて、「国連決議に基づく多国籍軍への我が国の参加の可否につきましては、その国連決議の内容とかあるいは多国籍軍の目的、任務、編成等、具体的な事案に沿って判断すべきものと考えている」というふうに答弁されておられます。  この政府見解は、まず変わっているんですか変わっていないんですか。この点、法制局長官にお尋ねしたいと思います。
  78. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) お尋ねの昭和五十五年の稲葉誠一議員に対する、質問主意書に対する答弁書、あるいは今お尋ねにありました平成二年十月二十六日の外務大臣の答弁などが関連の答弁でございます。  五十五年の政府答弁書におきましては、いわゆる国連軍は個々の事例によりその目的、任務が異なるので、それへの参加の可否を一律に論ずることはできないが、当該国連軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと考えていると述べておりまして、またここにいう参加という言葉につきましては、この平成二年の外務大臣の答弁で、当該国連軍の司令官の指揮下に入り、その一員として武力の行使に関連する行動をすることを意味するものであるというような趣旨の答弁がございます。  これらの答弁、いわゆる国連軍、これは多国籍軍にも当てはまるものと考えておりますが、その目的、任務が武力の行使を伴うものである場合には、ただいま申し上げたような意味での参加をすることは憲法との関係で問題があるということを明らかにしたものでございまして、そのような考え方は現在も変わっておりません。  なお、申し添えますと、この答弁のいわゆる多国籍軍と申しますのは、その後の累次の答弁でも明らかにしておりますとおり、いわゆる湾岸多国籍軍のようなものを典型例として念頭に置いているものでございます。  お尋ねの、御質問は、イラクに関して近々行われることが予想されます新たな国連決議を想定してのものと考えますけれども、仮にこれにより多国籍軍と呼ばれるものが設けられることとなった場合に、憲法との関係で、これに参加すること、我が国として参加することの可否を含め、我が国がいかなる対応においてこれに関与することができるかにつきましては、先ほどの私の前任の答弁にもありましたように、一般論として従来からお答えしておりますとおり、多国籍軍にもいろいろな類型のものがあり得るわけでありますので、当該具体の国連決議の内容、それから当該多国籍軍の目的、任務、それから編成など、具体的な事実関係に沿いまして、まあ一番の根本は、我が国として武力の行使を行わず、また我が国活動が他国の武力の行使と一体化しないことがいかに確保されるかということを含めて、基本として検討されるべきもの、そういうものを基本として検討されるべきものであると考えております。    〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕  したがって、平成二年当時の答弁とそれから津野前長官の答弁とは、念頭に置いております多国籍軍が湾岸多国籍軍的な、平和の回復を軍事的手段によって達成しようとするものを、のようなものを念頭に置いているか、あるいは多国籍軍にもいろいろな類型があり得るのだということを念頭に置いて答弁しているかの違いでありまして、その間に矛盾が生ずるというようなものではございません。
  79. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、法制局としても、イラクの多国籍軍の問題については新たに検討を始めたということなんですか。それとも、これまでの見解を踏襲するという立場でイラクの多国籍軍を見詰めていると、注視しているという意味なんですか。ちょっとそこら辺が、ちょっとはっきりしない。
  80. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 従来の考え方というものは、今申し上げましたように、武力の行使を目的、任務とするものか、あるいは多様な、今までにないようないろんな類型のものがあり得るかということを含んだ考え方を示しているわけでございますが、そういう全体のものにつきましては正に今までの考え方を踏襲しながら、それから、まだ新決議ができたわけではございませんので、それとの関連では、最後に申しましたように、新決議の内容、それから当該多国籍軍の目的や任務、それから編成などの具体的な事実関係に沿って、我が国としての武力行使は行わない、それから他国の武力の行使と我が国の行為が一体化しないということを基本に、ということが確保されるかどうかということを基本として見詰めているということでございます。
  81. 小泉親司

    ○小泉親司君 私、五月二十八日に載りました朝日新聞を見ているんですが、これによると、多国籍軍の根拠となる新しい安保理決議案を、自衛隊が参加しやすいような内容にするよう米英などに働き掛けていると。これは今御出席いただいている西田総合外交政策局長がという主語でお述べになられておるんですが、まず、私は西田さんにお聞きするよりも、実際に自衛隊を多国籍軍に参加させるために国連決議案での調整をしているそうでございますが、具体的に日本政府としてどういう方針でこの問題については臨もうとしているのか、外務大臣
  82. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、国連の場で新しい安保理決議議論がなされているわけであります。それは、基本的に、その政権を暫定政府に統治権を移譲した後、それはいろいろなことを考えていかなければいけないので、多国籍軍というのはその一つでありますし、その他今後のイラクのために必要なものを含んだ決議でなければいけないということであります。そして、そういったその新しい決議が、国際社会が協調をし、イラクの復興のために支援をし、そして、その他イラクが今後必要とすることがこの決議の内容に入っていく、入っている、例えばその占領が六月三十日で終わる、そしてCPAがなくなる、そういうようなことも含まなければいけないわけですし、そういった点について我が国政府として、国連の決議にどういう要素が含まれなければならないかということについては、例えば今私が申し上げたような、占領が終わる、国際社会の協調、国連の役割がどのようなものでなければいけないか、そういったことが入っていなければいけませんねというようなことはずっと働き掛けをしてきているわけであります。  それで、多国籍軍に特定して申し上げれば、その詳細というのは、これは新たな安保理の採択をめぐる取組ですとか、それからブラヒミ今国連総長の特別顧問がイラクにいらっしゃって、イラクの各派との間で暫定政府の在り方についていろいろ議論をしていらっしゃる、そういったことを踏まえて、関係者の間で検討が行われ、調整をされているということでございます。  日本といたしましては、こういった動向を注視をしているわけで、国連の関係者、そして関係国政府との間で、先ほど申しましたように、随時いろいろ協議を行っているということであります。  したがって、我が国政府として、今自衛隊の位置付け、心の中に思っていらっしゃる質問の、その自衛隊の位置付け、これについて多国籍軍との関係も含めて確定的に何も申し上げるという段階にはありません。この統治権限の移譲後においても、イラク特措法の範囲内で人道復興支援を、活動を中心とした活動を維持するというために今最善の努力を行っているということでございます。
  83. 小泉親司

    ○小泉親司君 今、国連においては、御承知のとおりアメリカとイギリスの決議案が提出されておられます。その米英の決議案における多国籍軍というのはどういうふうに明記されているんですか。
  84. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 現在、今御指摘のとおり、P5を中心にしまして、安保理の決議の具体的な案文について協議が行われております。それで、その基礎となっておりますのが、今御指摘の米英が共同で作ったドラフトというものが基礎になって議論がされているということでございます。  その中で、一部のものがいわゆる、いわゆる報道でそのようなものということで出ているというふうに承知しておりますけれども、その報道の内容が同じかどうかはちょっと私からここで限定的には申し上げられませんけれども、基本的に今考えられております米英が中心という多国籍軍というのは、今大臣がお答えをいたしましたように、六月三十日をもって本来の主権者であるイラク人に主権を返すということの中で、その前提となっている治安というものを引き続き多国籍軍が担っていくというようなことが多くの国の間のコンセンサスになっていると思いますけれども、そのような多国籍軍に具体的にどのようなマンデートを与えるのかというようなこと、それからその多国籍軍と今後主権者たるイラクの暫定政府との関係はどうなるのかということが一番の核となって議論が行われているというふうに承知をしております。
  85. 小泉親司

    ○小泉親司君 問題をはぐらかさないでいただきたい。アメリカとイギリスの決議案において、多国籍軍はどのようなマンデートを与えられているんですかとお聞きしているんです。
  86. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) ただいま申し上げましたように、協議中でございますから、現在の要するに案文等というものもいろいろ動いております。したがいまして、いわゆる米英が作りました案文がどうであったかということを私はこの場で申し上げることはできないというふうに思います。
  87. 小泉親司

    ○小泉親司君 それは大変おかしいですよ。だって、今協議になっているものは何なんだと私は単純にお聞きしているだけの話で、別にそれがどうこうと、最終的な案だって私は一言も言っておりません。だから、米英決議案において多国籍軍のマンデートはどうなっているんですか。はっきりお答えください、これは。それは日本外交だって問われますよ。どういうことなんですか。
  88. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) ただいまのお答えの繰り返しになって恐縮でございますけれども……
  89. 小泉親司

    ○小泉親司君 じゃ、いいです。  はい、委員長
  90. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 要するに、一つには、治安というものをどうやって担当をしていくのかと、具体的なマンデートに治安及びそれ以外のものについてどういうものを入れていくのかというものが争点になっているということでございます。
  91. 小泉親司

    ○小泉親司君 私の読んでいるものは、それが本当に米英決議案かどうか定かじゃございませんが、私が読んでいるものは、統一指揮下において、オール・ネセサリー・メジャーズであると。これはお認めになりますか。そういうふうに多国籍軍が任務になっていると、このことはお認めになりますか。
  92. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 該当するような文言があるということは承知しておりますが、それが全体ではないというふうにも承知をしております。
  93. 小泉親司

    ○小泉親司君 それでは、別の角度で御質問いたします。  国連決議一五一一というのがございます。これも多国籍軍ということを規定しております。それはどういう規定になっておりますか。これはもう最終的なものですから、明確にお答え願いたいと思います。
  94. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) お答えをいたします。  一五一一で規定をしております多国籍軍というのは以下のようでございます。  安全と安定を提供することが、上記の規定において定められているような政治プロセスを成功裏に完了すること並びに国連がそのプロセス及び決議一四八三号の履行に効果的に貢献できるようにするために不可欠であることを決定し、統合された司令部の下の多国籍軍に対し、日程表及び計画の実施のために必要な条件を確保する目的のものを含め、イラクにおける安全及び安定の維持に貢献するため、また、国連イラク支援ミッション、イラク統治評議会及びイラク暫定行政機構の他の機関並びに主要な人道・経済施設の安全に貢献するため、あらゆる必要な措置を取る権限を与える。  以上でございます。
  95. 小泉親司

    ○小泉親司君 外務大臣ね、ということは、この一五一一に基づく多国籍軍というのは、まず武力行使を伴うものなんですか、伴わないものなんですか。どっちなんですか。
  96. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 繰り返しになりますけれども、治安を担当するという意味において一定の武器を使用するということであろうと思います。
  97. 小泉親司

    ○小泉親司君 いや、それをはっきりと答えてくださいよ。それはですね、あなた武器の使用と武力の行使なんて、そんなごまかしちゃ駄目ですよ。武力の行使はできるんですか、できないんですか。  それじゃ、あなた方、今のイラクの多国籍軍、一五一一に基づく多国籍軍は、私この前も何遍も外務大臣と話したら、外務大臣は、現在のいわゆる連合軍、私たちは占領軍と呼んでいるけれども、この占領軍は一五一一の多国籍軍だと言っている。じゃ、多国籍軍は今何やっているのか。それは、自衛隊の武器使用なんというような水準じゃなくて、実際にF15を飛ばし、クラスター爆弾を落とし、五百ポンド爆弾も落とし、それを武器の使用なんて、そんないい加減なことないわけですよ、現実問題として。  だから、私率直にお聞きしているのは、この一五一一に基づく多国籍軍はいわゆる政府見解で言う武力行使を伴う目的と任務を持った多国籍軍なんですか、そうじゃないんですか。それをはっきりお答えください。
  98. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 武力の行使であるかどうかというのはその時々の対応によろうかと思っております。あくまでも、先ほど申し上げましたように、国連憲章上、失礼しました、今回の安保理決議上の国連軍、一五一一でございますが、というのは、安全と安定というものを目的としているということでございます。
  99. 小泉親司

    ○小泉親司君 そんなごまかしちゃ駄目なんですよ。何でごまかしちゃ駄目か。今、法制局長官は、湾岸型の多国籍軍だとおっしゃった。私も湾岸戦争を目の前で取材しましたから、あのときの国連決議は、オール・ネセサリー・ミーンズでございました。今度は、オール・ネセサリー・メジャーズと、ミーンズとメジャーズと変わっていることは間違いないけれども、実際に武力行使をこれは意味するものだと、これはもう明確に国際的に、私はそうじゃないと言っているんだけれども、それは国際的に定着している解釈なんですよ。それだったら、現実に法制局長官が言っているような湾岸型の多国籍軍と同じ任務と目的を持ったものだというふうにこれは理解してしかるべきだと思いますが、そういう理解を外務省としてはしていないということなんですか。
  100. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 一五一一に基づきまして、安保理に対してCPAは多国籍軍の活動というものを報告するということになっておりまして、先般も、委員御案内のとおり、安保理に対して一五一一に基づく多国籍軍の活動についての報告がなされております。その中身、今ちょっと手元にございませんが、その中におきましては、いわゆる安全、安定の確保に加えて、例えば人道復興支援等々についての活動についても報告をされているところでございます。
  101. 小泉親司

    ○小泉親司君 私、そんなこと聞いておりません。武力行使を目的、任務にしているのかと。安全確保支援活動、安全確保活動、そんなこと僕、聞いてませんよ。  それじゃ、武力行使をしないんですか、この多国籍軍というのは。していないんですか。私は、そんなでたらめな、私、それはあなたの報告じゃ、いや、治安活動治安維持活動をしておりますと。私が聞いているのは、武力行使をしているんですよ。  だから、問題は、この多国籍軍というのは一五一一において武力行使を目的、任務としてマンデートされているんですか、されてないんですか。そこをはっきりとお答えください。私、質問しているんだから、そこをはっきりお答えください。
  102. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) 一五一一の多国籍軍のマンデートは、繰り返しでありますが、安定と安全のためというのがマンデートであります。そのために何ができるかというのは、先ほどから累次、委員が言っておられるとおり、オール・ネセサリー・メジャーズということでございまして、その中にしかるべき形での武器の使用が行われているということでございます。
  103. 小泉親司

    ○小泉親司君 オール・ネセサリー・ミーンズというのは、じゃ、武力の行使じゃない、武器の使用、これが日本外務省の解釈でございますか。
  104. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) これは武力の行使というものをもちろん含んでいる概念だというふうに思います。
  105. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、一五一一の、これ、こんな長い時間ね、局長、掛けてですよ、私、やるべきものじゃないと思うんですよ。私がこれだけ言わないと、それは武力行使じゃないって。だって、そうするとこれ、多国籍軍は、現在の多国籍軍は、私も武力行使だと思います。これ、私は、違うなんて言う人は、これは全然いないと思いますよ。だから、私は何遍も聞いているのに、こんな十五分も掛かってそのことを認めるなんて、私は、いささか日本外交、ちょっとおかしいんじゃないかと思いますよ。  ということは、それじゃ、分かりました、今度の一五一一に基づく多国籍軍は、まず武力行使を含むものであると、伴うものであると。そうすると、法制局長官、ちょっと今議論聞いていただいたと思いますが、ということは、現在の国連決議一五一一でマンデートされている多国籍軍、これには自衛隊は参加できないということになるんですね。どうですか。
  106. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 参加と申しますのは、これは平成二年の中山答弁にも明らかにされておりますように、その、まあこの場合、多国籍軍と言い換えますけれども、多国籍軍の司令官の指揮下に入ってその一員として武力の行使に関連する行動をするということを意味するものでありまして、そのような行動、そのような事態につきましては、憲法との関係で問題があるということでございます。
  107. 小泉親司

    ○小泉親司君 さっき法制局長官は何とおっしゃったかというと、武力行使という目的はまずあると。これは、これがあるだけじゃなくて、例えば人道復興支援などいろんな任務があるんだと。総体としてあなたは判断するんだとおっしゃったんですよ。確かに、湾岸戦争のときの多国籍軍と国連決議一五一一に基づく多国籍軍とはそれは違います。それは明確に違います。しかし、武力行使を一つ目的、任務にしているということ、それから統一指揮下に入っているということ、これは国連決議の中で明確になっている。  それじゃ、法制局長官にお尋ねしますが、武力行使を目的としていても、人道支援とか様々な任務を持っていると、それは、あれなんですか、自衛隊としては参加できるという要件になるんですか。そのことをはっきりとお答えください。
  108. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) それは、国連決議の内容ですとか、それからその多国籍軍の目的、任務、編成など具体的な事案に即して判断すべきものであると考えますけれども、基本は、冒頭申し上げておりますように、我が国として武力の行使をしないと、それから他国が行う武力の行使に我が国の行為としてそれらと一体化するようなことはしないということが確保されているかどうかということを、新しい国連決議と申しますか、国連決議に即して判断すべきものであるということでございます。
  109. 小泉親司

    ○小泉親司君 法制局長官、少しあなたの答弁、だんだん混乱してきているんですよ。どこが混乱しているかというと、多国籍軍への参加という問題と多国籍軍への協力という問題は別なんですよ。そうでしょう、長官。私は多国籍軍への参加という問題を聞いている。参加という問題の要件は二つなんです。一つは統一指揮下に入るということ、それから多国籍軍のマンデートが武力行使の目的、任務を持っているかどうかということなんです。よろしいですね。私は、だから、その参加という問題について、国連決議の一五一一の現在の多国籍軍については自衛隊は参加できないだろうと、それはお認めになりますねというふうに私は法制局長官にお聞きした。なぜ初めにそのことを長官にお尋ねしなかったといえば、実態が伴うからと言っているわけですよ、長官は。だから、実態は武力行使を伴うものだし、現実にやっていると。その実態からすれば、現在の一五一一に基づく多国籍軍には入れないと、これは長官、法制局長官もお認めになりますねと。参加できないと、参加ですよ、どうですか。
  110. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) まあ、これまた繰り返しになりますけれども、基本は、我が国として武力の行使は行わないと、それから他国が行う武力の行使とは一体化しないということでございます。その意味で、多国籍軍に武力の行使というものが任務又は目的として与えられている場合に、それに司令官の指揮下に、その多国籍軍の司令官の指揮下に入りまして、その一員として武力の行使に関連するような行動を行う場合には、これは、まあ類型として武力の行使と一体化しないということが確保できないという考え方から、そのような参加はできないというふうに申し上げているわけでございます。
  111. 小泉親司

    ○小泉親司君 大分、長官、混乱しております。どこが混乱しているか、もうちょっと私、整理しますと、今回の見解というのは、当該国連軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊が当該国連軍に参加する場合と同様、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものがあっては憲法上許されないんです。ということは、日本が武力行使をしなければ、それに対しては武力行使の目的があっても参加できるんだなんて見解じゃないんですよ、今までの見解は。そうでしょう。それを変えられるんですか、法制局長官。あなたは、変えない変えないと言っておきながら変えているんですよ。どうですか。
  112. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 繰り返しになりますけれども、要するに、我が国として武力の行使はしないと、それから他国が行う武力の行使と我が国の行為が一体化しないということが基本、淵源でございまして、それで、例えば一五一一というのは具体的な話でございまして、それにつきましては、我が国はその意味で参加はしていないのでございますから、私の立場として一般論としてお答えいたしますけれども、その多国籍軍の目的又は任務に武力の行使を伴わないものが含まれております場合に、その武力の行使を伴わない業務に限って参加するということが確保されるということなど、自衛隊の活動が武力の行使に及んだり、あるいは他国の武力の行使と一体化することがないということが確保できる場合には、これに加わることを否定する趣旨ではございません。従来の考え方はそういうことでございます。
  113. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、これは変えない変えないと言っておきながら、実際に今までの決議案はどうなっているかといえば、それは多国籍軍自体が武力行使を伴う目的、任務にマンデートされているということであればそれは参加できないんだと。我が国が武力行使をしなけりゃそれに参加できるなんて、そんな見解じゃないんですよ、全然。私は、その点では、この多国籍軍の参加は、これ絶対認められないと。特に新決議と今度の、今日もまた午後、私、質問しますから、もう一回やりますけれども、この面については一五一一の決議と新決議というのは全く同じなんですよ、ほとんど変わらない。  だから、現実に今のやつが武力行使を伴うものであれば、目的とするものであれば、新決議目的、武力行使を明確に目的としているので、これは参加できないということを申し上げて、私、時間参りましたので、質問を終わります。
  114. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務省にまずお伺いします。  我が国は台湾との間で原子力平和利用協定を締結していますか。
  115. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) しておりません。
  116. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 我が国原子力政策に関連して伺いますが、日本製造された台湾の第四原発二号機の原子炉が、本日、横浜港から台湾に向けて輸送されると聞いています。  そこで、外務省にお伺いしますが、我が国はただいまお聞きのとおり台湾との間で二国間の原子力平和利用協定を締結しているわけでもなく、台湾はIAEANPT加盟国でもありません。そのようなところ我が国から原子力関連資材を輸出するというのは、原子力基本法第二条及びそれを担保する原子力協定の締結等の我が国の原子炉政策とのかかわりで問題ではありませんか。  特に、台湾第四原発二号機は、台湾では建設反対の声が強く、政治を揺るがす大問題になっていますけれども、我が国がそういうところへ原子炉を、製造された原子炉を送るとしますと、内政干渉とも受け取られるおそれがあると思いますが、法的などのような根拠でもって今回そういうことをなさるんですか。外務省にお伺いします。
  117. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) お答えいたします。  まず第一に、核兵器拡散条約NPTは、同条約締約国が原子炉等の原子力資機材を非核兵器国へ移転するに当たっては、その移転先においてIAEA保障措置が適用されることを条件としております。  第二番目に、台湾は米国及びIAEAとの間で一九七一年十二月六日に発効した三者間の保障措置協定を締結しており、この保障措置協定に基づいて、台湾においてもIAEAによる保障措置が適用されていると承知しております。日本と台湾との間には協定はございませんが、台湾は米国及びIAEAとの間で三者の保障措置協定を締結しているということでございます。  次に、お尋ねの台湾第四原発への原子炉の輸出についてですが、これは、我が国の事業者が本件移転において米国の事業者の下請企業になっております。米国と台湾との関係においては米国から輸出されたものと取り扱うことになります。したがって、米、台湾、IAEA、三者間の保障措置協定が本件輸出に及ぶことになります。したがって、この輸出はNPTに照らしても問題があるとは考えておりません。
  118. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 国際原子力機関の二〇〇三年度の予算総額と、そのうちIAEA保障措置に係る費用は何%を占めているのか、また二〇〇三年度の我が国IAEAへの拠出金は幾らなのか、教えてください。
  119. 天野之弥

    政府参考人天野之弥君) 二〇〇三年の国際原子力機関IAEAの通常予算の総額は二億四千五百万ドルでございます。  これに対し、我が国が、我が国は分担率の約一九%に相当する五一%を負担しております。失礼いたしました、五十一億円を拠出しております。
  120. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ITUの内海善雄事務局長は、二〇〇三年三月号のITUジャーナルで、イギリスのITUに対する分担金はこれまで日本と同じ三十単位だったが、十単位に下げたため、それが北欧や西欧諸国にも波及して、分担金の全体額が下がり、ITUは財政危機に陥っていて、現在、一千人程度の職員のうち百人以上削減しないと給料も払えない状態であるというふうに述べております。  今回の改正がこのような財政の立て直しとITU自体の改革にどのようにつながっていくものとお考えでしょうか。
  121. 石川薫

    政府参考人石川薫君) お答えさせていただきます。  御指摘いただきました財政問題でございます。これまでITUは、一九九四年以来、九八年、そして二〇〇二年と、全権委員会議において憲章及び条約改正してまいりまして、これまでの条約改正におきましては、ITUが提供するサービス等の費用を受益者から回収する、これを費用回収の原則と呼んでいます、この費用回収の原則を導入し、また、ただいまお話のございました各国の分担金支払面で余り急激に各国が下げることについて一定の歯止めを掛けようという、そういった規則での改正面、こういったことを行ってまいりました。  今回の改正におきましては、このITUの活動の効率化に主眼が置かれております。その上で、お尋ねございました財政面につきましては、効率的な運営を確保するための改正としまして、各部門が作成する業務計画には財政に関する情報を盛り込み、この業務計画とITU全体、このITU全体の財政計画の連関を強化するという改正をさせていただいております。  また、ITUの加盟国に加えまして、電気通信事業者でございますとか機器メーカー等でこのITUの部門に参加しております部門構成員にも地域無線通信会議等の開催経費の負担を求めるという内容の改正を行っておる次第でございます。  こうした累次の改正により、ITUの財政基盤が今後強化されることが期待されております。
  122. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 今回のITUの改革が国際情報通信の課題となっているデジタルデバイド、すなわち情報格差の問題の解決にどのように寄与するとお考えですか、簡潔にお答えください。
  123. 石川薫

    政府参考人石川薫君) お答え申し上げます。  ITU加盟国は、ほぼ国連加盟国と重なっておる全世界的な参加国があるわけでございますけれども、各国が具体的な問題をともに解決し取り組んでいくという形でデジタルデバイドの解消にも資するものと、かように考えております。
  124. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 五月二十八日付けの朝日新聞は、イラクにおける自衛隊の活動にかかわって、外務省西田総合政策局長が五月二十四日から訪米し、ワシントンやニューヨークの国連本部などで多国籍軍編成の根拠となる安保理決議案を自衛隊が参加しやすい内容にするよう米英などに働き掛けていると、首相官邸や防衛庁、外務省による協議も進められていると報じていますが、外務大臣にお伺いしますけれども、これは事実でございますか。
  125. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 統治権限をイラクの暫定政権、政府に移行をした後の多国籍軍の役割等の詳細につきまして、これは新たな安保理決議をめぐる取組もございますし、ブラヒミ特別顧問が今イラクで各派との間で暫定政府についての話合いも行っている。そういった議論を踏まえて、今関係者の間での検討や調整が行われているわけでして、我が国としてこの動向を注視をしていまして、国連の関係者あるいは関係政府と緊密に随時協議を行ってきているわけでございます。  そういった意味で、西田局長についてのお尋ねでしたけれども、いろいろな協議を総合政策局長として当然に、仕事でございますから、そういったことは、には携わっているということです。
  126. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 米英がこのほど示した国連安保理新決議案では、多国籍軍は統一指揮下に置かれ、治安維持等の任務に当たりあらゆる手段を行使するとされています。もしこれがそのとおりになるとしますと、自衛隊が多国籍軍に参加することは問題ではありませんか。
  127. 川口順子

    国務大臣川口順子君) いろいろな議論が今その決議については行われているわけで、決議、日々動いているというのが現状だと思います。日本の自衛隊の位置付けについて、これは多国籍軍との関係も含めて今の時点で確定的なことを申し上げる段階にはないということです。  統治権の移譲後におきまして、イラク特措法の範囲内で人道復興支援活動を中心とした活動を維持すべく今最善の努力をしているということでございます。
  128. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 沖縄の地元紙琉球新報は五月三十一日付けで、普天間代替施設の建設に伴う名護市辺野古沖のボーリング調査に係る県民のアンケート調査の結果を報じています。それによりますと、辺野古移設賛成はわずか七%にすぎません。それでは普天間飛行場の返還をどうすればいいのかとの問いに対して、無条件返還が二六%、国外移設が二二%、国内の県外移設が一五・三%となっています。自民党支持層のうち五六・五%が県内移設を望んでいないという結果になっていることが注目されております。十五年使用期限の問題は、四年前の同様のアンケートでは支持が五一・三%で、不支持が三七・七%でした。しかし、今回は不支持が支持を上回っております。  このような県民世論からいっても、名護市辺野古沖の代替移設は、建設につながるボーリング調査の中止はもちろん、建設それ自体についても見直すべき時期に来ているのではありませんか。防衛施設庁にお伺いします。
  129. 河野孝義

    政府参考人河野孝義君) お答えいたします。  御指摘のアンケート調査につきましては承知をしておりますが、普天間飛行場の移設・返還につきましては、平成十一年の稲嶺沖縄県知事による移設候補地の表明、岸本名護市長による受入れ表明があり、これを踏まえて、同年末、普天間飛行場の移設に係る政府方針を閣議決定されております。この閣議決定に従って設置された代替施設協議会において、政府、沖縄県及び地元公共団体の間での多くの議論の積み重ねの中で、地元の意向に配慮しつつ、総合的に検討して基本計画が決定され、建設の段階に至っているものと認識しております。  今後とも、普天間飛行場の移設に係る政府方針及び普天間飛行場代替施設の基本計画に基づき、名護市辺野古沖に代替施設を建設することが普天間飛行場を返還するための最も現実的で、かつ確実な道と考えております。現地技術調査は代替施設建設のために必要不可欠な護岸でありますので……
  130. 山本一太

    委員長山本一太君) ほぼ時間を終了しておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。
  131. 河野孝義

    政府参考人河野孝義君) はい。  調査を実施するためには、自然環境に十分配慮しながら、関係機関とも緊密に連携しつつ、本調査を円滑、整々に実施していきたいと考えております。
  132. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 最後に一点だけ。  今お話しの名護市長は、県知事は、十五年問題を前提にして、それが実現すれば受け入れるという条件じゃなかったんでしょうか。  どうですか。今、名護市長が受け入れたとか県知事が受け入れたとかおっしゃっていますけれども、それは十五年の条件付きじゃなかったですか。
  133. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。
  134. 河野孝義

    政府参考人河野孝義君) お答えいたします。  今、鋭意、各関係機関で鋭意検討しているところであります。
  135. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 何言っているのかね。何て言ったんですか、今。
  136. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、大田委員
  137. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。
  138. 山本一太

    委員長山本一太君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、国際原子力機関憲章第十四条の改正受諾について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  139. 山本一太

    委員長山本一太君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、全権委員会議(千九百九十四年京都及び千九百九十八年ミネアポリス)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書全権委員会議(二千二年マラケシュ)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都及び千九百九十八年ミネアポリス)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書全権委員会議(二千二年マラケシュ)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  140. 山本一太

    委員長山本一太君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  142. 山本一太

    委員長山本一太君) 旅券法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、提出者衆議院外務委員長米澤隆君から趣旨説明を聴取いたします。米澤隆君。
  143. 米澤隆

    衆議院議員(米澤隆君) 御紹介いただきました米澤隆でございます。  ただいま議題となりました旅券法の一部を改正する法律案につきまして、提案趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  現在、一般旅券の発給は、外務大臣が発行権を有し、法定受託事務として都道府県知事が、申請受付、作成、交付等の事務を処理いたしておりますが、旅券は、名義人の国籍と身分を対外的に証明する重要な公文書であり、その重要性にかんがみ、旅券法は、旅券事務について市町村等への事務の委託等に関する地方自治法の規定を適用除外としており、都道府県は、これまで市町村等に旅券事務の委託を行うことができないこととされてまいりました。  一方、我が国の有効な旅券は、現在、約三千三百万冊を数え、国民の約四人に一人が所持しているという状況にあります。  このような現状の下、旅券申請者の利便の一層の増進を図ることが強く求められております。  本案は、こうした要請にこたえるべく、市町村等においても旅券事務を行えるようにするため、事務の委託等に関する地方自治法の規定の適用除外を定める旅券法第二十一条の四の規定を削除しようとするものであります。  なお、この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が本案の提案趣旨及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  144. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  旅券法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  145. 山本一太

    委員長山本一太君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会