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国務大臣(
川口順子君) 一元化するか多元的に、多元的にといいますか、今のような形でやるか、これは常にどの
政府にとっても非常に悩ましい問題であると思うんですね。
それで、例えば韓国の例を見ましても、今は外交通商部の下に通商
関係は一元化されているということですし、それがもっと自由な
関係にあったこともあるわけでして、いろいろな紆余曲折、変遷をたどっているという、
各国試行錯誤であると思います。
実際面として、
日本の
制度がこれが機能しないような
制度であるかというと、私はそうではないと思っています。各省いろいろな権限を持って自分のところについて所管を、所管があるわけですけれ
ども、そういった権限に基づいて、この通商
交渉というのは波打ち際の
交渉ではありますけれ
ども、それは同時に
国内のことにも大きく影響を与えるわけですから、
国内についてきちんと把握をし、あるいはその後必要な対策を取れる、そういうような体制を望む国であれば、それは
日本のような形になるというふうに思います。
そういうことで、実際
日本で今何が起こっているかというと、これは官邸を中心に各省が
意見を言い合い、連携をし、そして進めているということであると思います。おっしゃるように、その問題、アプローチのマイナスの点というのは時間が掛かるということであると思います。これはトレードオフ
関係にある、その代わり
日本は、よく
世界から評価をされていることですけれ
ども、いったん決めれば実行のところでは全く問題がない。これは選択肢でどちらをいいかということであるというふうに私は自分の心の中では整理をしています。
それで、実際に今の
日本のやり方が非常にベストかどうか、これは実際なかなか問題があり得ると思うんですね。特に、
交渉の窓口が多元的になってはいけないということはあると思います。それを今各省が連携をするという体制を官邸を中心に取り、今後更に連携を強めるための動きがいろいろあり得ると思いますけれ
ども、いろいろなやり方をしながらその問題を解決をしていこう、マイナス点を減らしていこうということに今あると思います。
USTRというのは、これは若林
委員アメリカにいらっしゃいましたからよく御存じでいらっしゃると思いますけれ
ども、
交渉の窓口は貿易
交渉という
意味では一元化されているわけですけれ
ども、実際に貿易に対する権限を全部持っているかというと、そうではないわけですね。これは商務省が持っているということですし、農務省その他
関係をしてくるということで、窓口だけの基本的に問題であるというふうに思います。
ですから、そういう形を作るかどうか、その窓口になる人が
国内の事情を十分に反映をして
交渉ができるかどうか、できなかったときの責任をどうするか、いろんなことを
議論していく必要があるんではないかなと思っております。必要なことは、
日本の中で連携をきちんとしていくという実態を作っていくことなので、これについては、少なくとも今の
制度の中ではそういうことですから、それを一生懸命に取り組んでいくということで今考えているわけです。