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2004-06-10 第159回国会 参議院 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年六月十日(木曜日)    午後三時七分開会     ─────────────    委員異動  六月三日     辞任         補欠選任      小林  温君     有村 治子君  六月九日     辞任         補欠選任      山口那津男君     山本  保君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         清水 達雄君     理 事                 田村 公平君                 常田 享詳君                 舛添 要一君                 齋藤  勁君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 有村 治子君                 大野つや子君                 小泉 顕雄君                 後藤 博子君                 田浦  直君                 中原  爽君                 野上浩太郎君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 三浦 一水君                 森田 次夫君                 山崎  力君                 池口 修次君                 岩本  司君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 高橋 千秋君             ツルネン マルテイ君                 辻  泰弘君                 平野 達男君                 森 ゆうこ君                 遠山 清彦君                 森本 晃司君                 山本  保君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君                 山本 正和君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君        財務大臣     谷垣 禎一君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君        国務大臣     井上 喜一君    内閣官房長官        内閣官房長官  山崎 正昭君    副大臣        外務大臣    阿部 正俊君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君        外務大臣政務官  荒井 正吾君        文部科学大臣政        務官       田村 憲久君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  秋山  收君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       増田 好平君        内閣官房内閣審        議官       大石 利雄君        内閣府政策統括        官        尾見 博武君        防衛庁防衛局長  飯原 一樹君        外務大臣官房参        事官       長嶺 安政君        外務大臣官房参        事官       鈴木 敏郎君        外務省総合外交        政策局長     西田 恒夫君        外務省総合外交        政策局国際社会        協力部ジュネー        ブ条約本部長   荒木喜代志君        外務省条約局長  林  景一君     ─────────────   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○武力攻撃事態等における国民保護のための措  置に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国軍隊  の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法  律案内閣提出衆議院送付) ○武力攻撃事態等における特定公共施設等利用  に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法  律案内閣提出衆議院送付) ○武力攻撃事態における外国軍用品等海上輸送  の規制に関する法律案内閣提出衆議院送付  ) ○武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する  法律案内閣提出衆議院送付) ○自衛隊法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○日本国自衛隊アメリカ合衆国軍隊との間に  おける後方支援、物品又は役務の相互の提供に  関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間  の協定を改正する協定締結について承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付) ○千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約  の国際的な武力紛争犠牲者保護に関する追  加議定書議定書Ⅰ)の締結について承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付) ○千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約  の非国際的な武力紛争犠牲者保護に関する  追加議定書議定書Ⅱ)の締結について承認を  求めるの件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る三日、小林温君が委員辞任され、その補欠として有村治子君が選任されました。  また、昨九日、山口那津男君が委員辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。     ─────────────
  3. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  武力攻撃事態等における国民保護のための措置に関する法律案外九案件の審査のため、明十一日午後一時、本委員会京都大学大学院人間環境学研究科教授西井正弘君、松阪大学政策学部教授浜谷英博君、国際連合大学客員教授北海道大学大学院国際広報メディア研究科客員教授山中あき子君及び弁護士・自由法曹団平和・有事法対策本部本部長田中隆君、以上四名の方々を参考人として出席を求め、御意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 武力攻撃事態等における国民保護のための措置に関する法律案外九案件を一括して議題とし、質疑を行います。  この際、井上国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。井上国務大臣
  6. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 吉川委員発言に関連いたしまして、私、答弁をいたしたんでありますけれども、私ども法律案を出します場合にいろんな方の意見を伺うわけでございます。それは、地方公共団体意見であったり、あるいはいろんな機関意見であったりするわけでございまして、そういう意見をよく聞き、そういった情報を基にといいますか、いろんなデータを基に検討いたしまして法律案の立案などをするわけでございまして、私が申し上げましたのは、そういう趣旨のことを申し上げましたんで、それ以上のことはないわけでございます。やっぱり責任を持って内閣法律案を出すと、こういうことでございますので、私の意見につきまして、あるいはそうじゃないぞと、もっと国会での議論を少し封じるといいますか、そういうような趣旨じゃないかというような、取られるようなことがあったとすれば、それは私の考えと全く違うことでございまして、そういう点がないということでありまして、私どもとしましては、法律案を出すといたしますとともに、こういった審議を真摯に受け止めましてこういった議論を本当に実施の面で十分生かしていきたいと、こういう具合に考えておりますので、私の真意をお酌み取りのほどをお願いをいたす次第でございます。
  7. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 自由民主党の野上浩太郎でございます。  まず冒頭、イラクに関します新決議案につきまして一点お伺いをいたしたいというふうに思います。  御案内のとおり、この新決議、一昨日の八日に国連安保理全会一致採択をされたわけであります。これは国際社会一致結束をしてイラク復興支援していこうという枠組みや決意を示したものでありまして、その大きな一歩である、前進であると、誠に意義深いものであるというふうに思うわけでございます。  まずは、政府としてこの新決議についてどのような評価をされておられるかお聞きをしたいというふうに思いますし、また、日本はこの国際社会の一員といたしまして人道復興支援という役割をしっかりと果たしていかなければなりません。イラク政府においても、暫定政府においてもイラクの安定と安全のために多国籍軍の駐留を要請をしているわけでありますけれども、この多国籍軍への自衛隊の参加も含めまして、今後のイラクでの自衛隊活動をどのように考えていくのか、これも併せてお伺いをさせていただきたいと思います。
  9. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 国連決議一五四六でございますけれども、先ほど委員がおっしゃってくださいましたように、これは全会一致で可決をされたということでございます。  それで、この内容でございますけれども、これはイラク暫定政府を設立をするということを是認をし、占領を終了をし、主権イラクに完全に、主権回復イラクにおいて行うということでございまして、我が国評価といたしまして、これはイラクが六月三十日を境といたしまして完全な主権回復、これをイラクにおいてこれが行われるということで、今まで国連安保理の中ではいろいろな決議が出ておりますけれども、その数ある決議の中でも大変に重要なものだというふうに考えております。  それから、イラク人自身によってこれは国家の建設をするということを奨励する、慫慂するということでございますし、また国際社会結束をいたしましてこれを支援をしていくということを呼び掛けていますので、それに資するというふうに考えております。  それで、我が国といたしまして、この決議採択をもちろん歓迎をいたしまして、そしてこの共同提案国が米、英、ルーマニアでございますけれども、この三か国の決議をまとめるまでの努力、これについてこの努力評価をしているということでございます。  今後、この決議採択を受けまして、イラクにおいて暫定政府の下で政治プロセス及び国家の再建、これが着実に進展をしていくということを期待をしているわけでございまして、そのために国連の指導的な役割、これが重要ですし、国際社会が一致した協力をするということが不可欠でございまして、我が国としても、これはイラク暫定政府歓迎をされる形でイラク人道復興支援特措法に基づいて協力をしていく、それを中心といたしまして、人道復興支援中心といたしまして自衛隊活動継続をしたいというふうに考えているわけでございます。
  10. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 国際社会がこれは一致結束をしてイラクを支えていこうという中で日本一定役割を果たしていくということ、これは極めて意義深いことであるというふうに思っております。是非、今後ともの議論の中でもこのことを念頭に置かれましてこの取組をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。  それでは、大変限られた時間でありますので、以下、順次質問に入らせていただきたいと思いますが、まず武力攻撃事態ですとかのテロ等緊急事態、こういう事態に的確に対処するためには、その事態そのものに対する対処も当然重要でありますけれども、その大前提として、その事前の情報収集ですとか、その分析ですとか、そういうものが非常に重要になってまいります。  先般のアルカイーダのメンバーが日本に潜入をしていたことが明らかになりましたし、九・一一以降のテロへの備えですとか、奥参事官のあのような痛ましい事件、あるいは拉致問題にしても、いろいろな問題が発生する中でこの情報というものがいかに重要かと、これはもう論をまたないわけでございます。  今日は、この情報ということに、限られた時間でございますので、焦点を当ててお伺いをさせていただきたいというふうに思いますが、まず現在の内閣情報収集分析体制、そして各情報機関の連携ですとか共有体制現状について、井上大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
  11. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 御指摘のように、軍事面だけではなしに、治安でありますとか経済ですね、すべて有事が予想されるような分野につきましては常に情報収集をしておくと、そういう体制強化していくということはもう当然のことだと思います。  これは、国内あるいは海外問わず、常に必要な情報収集をして分析をする、そして評価をするということですね。その結果、ある種の一定行動をすると、こういう体制でありまして、政府の方も順次体制を整備をいたしておりまして、今内閣官房中心に二十四時間体制情報収集する、それで必要な場合には各省庁責任者を集める、あるいは閣僚の参集を求めると、こういうような体制でやっているところでございます。  さらに、各省庁でももちろんのことそういう体制を取っているところでございまして、今、内閣官房中心に、この情報収集体制といいますのは防衛庁、それから外務省、警察庁、公安調査庁ですね、こういった役所が中心になりまして各種の情報を集める、そしてただいま申し上げましたような分析なり評価をしていると、こういう状況でありまして、これは常に内閣としていずれのどういう事態が起ころうと適切にそれに対処するためには、こういった体制強化ということを常に考えながらやっていかなくちゃいけないと、そんなふうに考えている次第でございます。
  12. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 今、政府情報収集体制現状を御説明をいただいたわけでありますけれども情報機能強化のためには、やはり外務省ですとか防衛庁、それから内閣情報調査室公安庁等々のやはり各機関が集める情報、これはばらばらであってはこれは何の意味もないわけでありますので、こういうふうな縦割りを廃して、しっかりとこの統合をまずしていくということが極めて重要であるというふうに思っております。  例えば、イギリスにはこれは統合情報委員会、JICのような委員会もございますし、また、日本にはアメリカのようなCIAですとかイスラエルのモサドのようなこれは強力な情報機関は現在ないわけであります。加えて、冷戦後、各情報機関の要員ですとか予算等もだんだんと削減をされてきておると。しかし一方で、内閣情報調査室人員を、今現状は百五十人程度ということでございますけれども、これを千人程度に充実するという報道もまたあるわけでございます。  この統合して分析されたこういう情報を的確に政策に生かしていくために、やはり情報の流れを一元的に全般的に把握していく、こういう機関、こういう体制が必要であるというふうに思いますけれども、新たな情報機関の設置等々、こういうものも含めて情報機能強化についてお取り組みをお伺いしたいというふうに思います。
  13. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 各国それぞれ情報収集機関あるいは分析評価機関があるわけでありますけれども日本の場合にはやっぱり各省庁機能をフルに活用していくと、こういうことで今までやってきたのでありますけれども、やはり縦割り情報というのは、確かに縦割り、非常に、何というか、迅速に機能するわけでありますが、全体としてそれがまとまって把握をされてしかるべきところに伝達されるかと、そういうところに今一番の問題があるわけでありまして、そこを今内閣官房中心になりまして全体をまとめまして、横の調整も図っているということでございます。  私は、日本の場合に、新しい機関を作ってやっていくという考えも一つはあろうかと思うのでありますけれども、やはり今までやってまいりました、ずっと積み上げてまいりました内閣官房中心にいたしますこの情報収集体制ですね、それを強化していく。とりわけ、人を幾ら多くしましても、結局人材なんですね。それだけの能力がある人でなければ本当に機能しないということでありまして、今の段階におきましてはやはりそういう人ですね、専門家を養成していくというようなこと、そのことによって情報収集体制強化していくようなこと、これを考えるべきじゃないかと思うのであります。  これは各省庁それぞれありますが、それを統括するようなといいますか、まとめるようなそういうスタッフですね、そこのところで専門家を養成していくような、そんなことを考えて今の段階ではいくべきじゃないのかなと、こんなふうに考えている次第であります。
  14. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 今、大臣からお話がありました、正に人の育成ですね。これは本当にこの情報の部門では重要なことだというふうに思っておりまして、いわゆる情報といいますとインフォメーションという、これは公開情報というインフォメーションもありますけれども、今話しておりますのはいわゆるインテリジェンスという部分の話でございます。インテリジェンスというのは、大別いたしますと人的、今お話しになりました人的情報ですね、いわゆるヒューミントという部分と、もう一つハイテク情報部分ですね。通信情報画像情報部分と、こういうふうに大別をされていくというふうに思います。  まずは人的育成ですね。このこと、それから今言いました、ばらばらになっている情報をしっかり統合していくということ、このことを念頭に置きながら情報機関強化というものに努めていただきたいというふうに思います。  今お話のありました人的情報というもののほかにも、いわゆる画像情報、これはイミントというわけでございますけれども、この画像情報の果たす役割というものも大変これは重要であるというふうに思っております。  しかしながら、この情報収集衛星の打ち上げが昨年の十一月に失敗をしておるわけでございますけれども、これは日本情報戦略において大きな痛手であるのではないかなというふうに思いますが、まずはHⅡA六号の打ち上げ、この失敗に際しまして、その原因究明再発防止のための対策と、また今後の衛星打ち上げの計画等々、簡潔で結構でございますので、お答えいただければと思います。
  15. 田村憲久

    大臣政務官田村憲久君) どうも失礼いたします。  大変、HⅡA、先生方には御心配をお掛けをいたしております。  実は昨日、九日でありますけれども宇宙開発委員会によりまして、今回、技術面体制面からなぜこのような事故が起こったか、原因究明、さらには対策検討結果というものが取りまとめられました。  その中においても指摘をいただいておるわけでありますけれども、もう御承知だと思うんですが、HⅡAロケットというのは、要するに、本体のロケットエンジン以外に固体ロケットブースターがくっ付いております。この固体ロケットブースタースカートノズル部分の根本の部分燃焼ガスでやられまして、そして近くにこれを切り離すための導爆線が付いておったんですけれども、これが機能せずに、切り離せずに打ち上げ失敗に至ったわけでありますが。  この部分、なぜ燃焼ガスが漏れたか、何らかの影響導爆線影響が出たかという部分、いろいろと調べてまいりますと、実はその部分炭素繊維強化プラスチックというものでできておる部分なんですが、ここがだんだんだんだん削られてまいりまして、そしてどうもその後、熱が導爆線に伝わったんじゃないか、このようなことが予測がされてきたわけでありまして、この部分を何とか変えていかなければならないということで、対策面におきまして、一つ燃焼でありますが、この燃焼ガス自体燃焼圧力をある程度標準化といいますか平準化といいますか、強い部分を時間を短めにいたしまして、ただ、推進力は上がっていかなきゃなりませんから、全体としては、全体の力は必要なんですけれども、強い、一番強い部分を若干時間を短めにいたしまして、ここに与える影響というものをなるべく少なくしよう。  それから、このノズルスカート部分でありますが、直線的でありますけれども、これを釣鐘部分にいたしまして、それでこの部分圧力が掛からないようにしよう。  それからもう一点は、板自体ですね、その今言いました部分の厚さ自体を厚くして何とかここをもたせよう。そして、部材といいますか、その一番掛かるところに関しましてはもうちょっと強い素材、こういうものも使ったらどうだというようなことを一応御指摘をいただいております。  実は、体制面も若干問題がございまして、体制面は、今プライム化ということで三菱重工を中心に、一番責任持てる企業というものが責任を持ってこのロケットの製造ができるようにということで、体制を移管していこうということで検討を進めさせていただいておりまして、一定の結果といいますか、今御報告をいただいておるところであります。  ロケットでありますけれども、実はロケットの打ち上げ計画なんですが、これも今、総合科学技術会議におきまして、この宇宙開発利用に関します基幹ロケットの位置付けというもの、これを御検討いただいておりますので、この結果が出次第、ロケットの打ち上げというものの期間を定めていこう、このように思っております。  以上でございます。
  16. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 ありがとうございました。是非、万全の体制の中での推進お願いしたいと思います。  正にこの日本守りにおいて、この情報収集衛星が果たす役割というものは私は極めて大きいというふうに思っております。日本守りの中でこの情報収集衛星の果たす意義ですとか重要性ですとか、あるいは今後の戦略について防衛庁長官にお聞きをしたいと思いますし、また、この衛星を通じて必要な情報が一部入手できない、こういう事態継続をすることが懸念をされるわけでございますが、これを補完するような対応についてございましたら、併せてお伺いしたいと思います。
  17. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは少なからぬ影響があると思っております、現状は。決して望ましい状況ではありません。この改善方につきましては先ほど文科政務官からお話がありました。そのように是非お願いをいたしたいと思っております。  要するに、情報というのはもう、私がまだ大臣になる相当前のことですが、これを国産でやるのかどうなのかという議論を随分いたしました。これは、ほかの国にはもっと進んだものがあるのであって、何で日本がわざわざ自前で持つのというようなことも言われましたが、これは相手を信用するしないということとは別問題でございまして、やはり情報というのは可能な限り自分で仕入れ、自分分析し、自分評価をする、これは必要なことでございます。  したがいまして、現在、四機打ち上げるはずでしたのを二機ということになっておりますので、その足らざるところはイコノスでありますとか、そういう商用衛星を使って補うということにいたしておるところでございます。  必要その影響を最小限にとどめたいとは思っておりますが、基本的に情報というものは自分で仕入れ、分析し、評価する、それは大変なことです。風景写真人物写真とは違いますんで、これは一体何なのだということを理解するためには膨大な人員、そして能力が必要でございますが、その能力我が国として可能な限り持つべく今後とも努力をしていきたいと考えております。
  18. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 いずれにいたしましても、このインテリジェンス情報機能強化していくということは、これはもう有事の際はもちろんでありますけれども、これはもう経済ですとか金融ですとか、こういう経済社会一般においてもこれは大変重要なことでございまして、正に日本がこういう国際社会で生き残っていく上でこれは最大の安全保障の一つであるというふうに思いますので、しっかりとした取組をお願いしたいというふうに思います。  時間がなくなってまいりましたので、ひとつ併せてちょっとお聞きをさせていただきたいと思いますけれども国民保護のための措置の実効性を確保するための情報の共有伝達体制の整備についてでありますが、まず国民保護のための措置を実施するいわゆる国と地方自治体と、あるいは指定行政機関、指定公共機関の各実施主体のいわゆる縦の連絡の伝達体制ですとか、こういう共有体制の整備、そして、加えて、消防とか警察あるいは自衛隊等々、国民保護のために実地に現場で活動する横の情報情報システムの確立、こういうものについてどういうふうに考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
  19. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 今お話しになりましたように、自衛隊とかあるいは警察とか消防ですね、縦の無線のシステムは持っているんですね。ただ、相互に利用ができない、そういうものを持っております。  これを、同じ無線で共用して使えるような、そういうことにした方が便利であるということで、できるだけ、これは災害、中央防災無線ってありますので、それを使って一つのシステムで情報が流れるようにするというのが一つですね。それからもう一つは、今現在でありますけれども、それぞれ縦で情報が末端まで行くんでありますけれども、末端で相互にその情報が交換できるようなシステムですね。これを今、まだそんなに多くはないらしいんでありますけれども、地域地域でそういうようなことをしております地域もあるわけです。  ですから、同じ無線でもって消防と警察が連絡するとか市町村が連絡する、そういうこともありますので、両方相まちまして、縦の方をできるだけ一つの無線で連絡できるようにするとか、あるいは末端に行きましたときに、それぞれ縦でやりますときにはそれがお互いにまた共用できるといいますか、共通のシステムで情報が交換できるような、そういう二つのことが進むように私どもとしても努力をしていきたいと、こんなふうに考えております。
  20. 野上浩太郎

    野上浩太郎君 終わります。
  21. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。  先週末は疲れましたし怒りましたし、今なお怒っている部分はもちろんございます。  率直に申し上げまして、国会議員の一人として、国民の方々の様々な不満、不信、とりわけ国会に渦巻いている不信、この距離感をうずめよう、うずめようということを思い、努めているつもりですが、いかんせん、最大のこの年金国会と言われたことが、これは、野党は野党、与党は与党というそれぞれの立場はあるにせよ、今こういう状況であるということについて非常に残念に思っております。  さて、冒頭、今日は再開された国会の中でこの事態特としての質疑を私自身も参加をしていきますが、インターネットというのはある意味では、世界を瞬時のうちに情報が飛び交うということで、すばらしい機能能力を持つ。そして一方で、過日の長崎の小学校六年生の痛ましい事件がどうもインターネットにある、一つの要因があるという、こういうのも今あります。  私自身も、毎日自分のパソコンをいじりまして、そう余り時間はないんですが、自分の今日一日起きたことをそれなりに、自分のホームページの中に日記というコーナーありまして、後で読み返して、ああこんなことも書いたのかなと思いましても、一度書きますから、これはもうそのときに自分自身の責任だと思っておりまして、それなりの責任と思って今日おりますけれども。  このインターネットを、ヤフーというのがありますね、ヤフー。ヤフーというのを時々時間があるときに見ていますが、突然、ちょっとびっくりした情報が入りました。  私は、今日、質問する冒頭に言うことはためらいが率直にあるんですよ、このことを言うことが。ためらいがあるんですが、しかし、あえてやっぱり言わなきゃならないだろうというふうに思いまして、率直に言えば、大臣の方から、腹立たしい限りだということでそれなりの対応策をこの場でお聞かせいただければそれで私は合点がいくんですが、国会という場所で、一国のリーダー、総理大臣に対することで訴訟、損害賠償請求事件があるということで、損害賠償請求事件があるというのがこのインターネットのヤフー上にありまして、見出しで、言うのも嫌なんですけれども、これはインターネットのヤフーに出ていますので、ここで言うのかヤフーで見るのかどうかと、これはもう同じことでありますので、小泉首相レイプ裁判と出ているんですね。ここの中身は、これ全部読み上げません、読み上げません。しかし、こうずっと読みますと、事件になっていることはどうも事実なんだなと。  一国の総理大臣が個人のことにかかわって、事件が起きたとき、これは本人がやっぱりきちんと私はコメントをする、会見をするというのが当たり前なことであるわけであって、この人がどういう根拠を持ってやったというのはこれ、これは具体的には裁判になって司法の場で明らかにするんでしょうけれども、ある意味じゃ公になって、これまた残念ながらという、冒頭言いましたインターネット上でどんどんどんどん出ているということになると、このことは、私はこの間、さっき言ったように与野党なんか関係なく、一国のリーダーがこういうことがあったということについては、もちろん私はそうではないということを信じておりますけれども、直ちに会見をするということが官邸のありようじゃないんだろうかと。  過日この場でも、北朝鮮に総理が、山崎長官も行かれたときの同行問題、報道の同行問題ですぐ記者会見した秘書官の方がいらっしゃいましたけれども、ああいうことをすぐやるんだったらこのことこそすぐやるべきであってというのが、これはごくごく自然のことだと思います。  そこで、今私はこのヤフー上ということとか小泉首相に対する損害賠償請求事件、見出しに小泉首相レイプ裁判とあるんですが、可能な範囲で、可能な範囲でこの事件、どういうことを提示、提示されたんだと、今どういう、今総理なり官邸はどういうような今立場を取っていられるんだろうかな、明らかにしていただきたいと思います。
  22. 山崎正昭

    内閣官房長官山崎正昭君) お答えさせていただきます。  お尋ねの訴訟につきましては、総理が個人として対応されておると、このように聞いておる事犯でございます。したがいまして、私人間の訴訟でありまして、私からコメントする立場にはないと、このように思っております。
  23. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 副長官、私がこのことを質問するからということで御用意いただいた内容だと思うんですね。しかし、多分ここで聞かれている方たちというのはそれで済むんだろうかということなんですね。公人か私人かなんということじゃなくて、一国の国会議員、国会議員、総理大臣、ここは僕は、普通ならば名誉毀損で訴えると、名誉毀損で訴えるぐらい、今そういうことを総理は考えていますよと、私人で、私人であってもそのぐらい言ってほしいですよ。  今なお、さっき言った会見をしないということになると、変に、あれ、争うのと、事実か事実じゃないかというようなことを、私はそんなことを全く一〇〇%信じていませんよ、このことが。ですけれども、ここでやっぱり私人の公人、よく靖国公式参拝とか、私人ですか公人ですかなんというのがありますが、今いみじくも、私人、私人と、こうおっしゃったんで、私人であっても総理大臣、これは総理大臣内閣小泉首相レイプ裁判なんてもう嫌な見出しが出てくるわけですね。名誉毀損で訴える方向なんだということで、小泉首相は官邸とあるいは内閣と相談をしているとか考えているということは言えないんですか。
  24. 山崎正昭

    内閣官房長官山崎正昭君) これはあくまでも私、官房副長官としてのお答えでございますが、何度お聞きになられても、これは私人間の問題でございますので、私からコメントする、お答えをするということはそういう立場にないと、こう申し上げる以外にないと思います。
  25. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 私の方からお願いします。  今、大変な仕事を総理行かれているわけですから、サミットに、で、帰られて、あるいは今このことがインターネットで総理に伝えるということじゃない、それはもう御判断は任せますけれども是非そうではないということ等をきちんとしていただくということを速やかにお願いしたいというふうに思います。  二つ目に、先ほど長崎県の佐世保におけます小学校六年生女児殺人事件のことについて、これは、そのことについてこれはだれもが、政府とかだれかが全部何か、責任を転嫁して、何か、政府が何か方針出そうなんということでこのことを申し上げるわけではありません。それぞれが本当に痛ましい事件をどういうふうにやってとらえながら、そしてどうしたら、子供たちの心をやはり私たちは見詰めながら、そして、よく再発という言葉が出てくるんですが、余り再発なんという言葉を使いたくないほど私は防がなきゃならないなというふうに思いながらいるわけであります。  六月四日に閣議がございました。どなた、官房副長官、最初、じゃ。六月一日にこの事件がありましたですね。このことで最初の閣議というのは六月、文部科学大臣から概要があった、あらましがあった、報告があった閣議というのはこの六月四日でございますか、最初。そのことをちょっと最初にお尋ねいたします。
  26. 山崎正昭

    内閣官房長官山崎正昭君) 六月四日と記憶をいたしております。
  27. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 どうもありがとうございます。  そこで、私、今回質問するに当たりまして、この有事関連法案の所管、井上大臣が、齋藤、何を質問するなといったら、多分おれのこと言われるんじゃないかということでお思いなのかも分かりませんが、当然井上大臣のことも、この御発言されていることについてもお尋ねしますが。  六月四日の閣議について、どういう閣議だったのかなということを、私、官房長官のブリーフィングを聞いているわけじゃありませんが、井上防災担当大臣が六月四日に記者会見をされて、その記者会見のときに発言されたことが、その後、質疑であったことが、井上防災担当大臣発言したと、こういうことでずっと今日まで至っていると思うんですが。  この六月四日の防災担当大臣井上大臣が、会見録というのを内閣府の政府控室からいただきました、どういうことをお話しになったのかということで。これは正確を期した方がいいだろうと思いまして、どこか一行だけ見て物事を言って判断するのはよくないわけですから、一つのことだけを。  この発言要旨というのはずっとありまして、これ二枚、一枚ちょっとでありますから、ございます。一が発言要旨、二つ目が質疑応答。質疑応答の中で井上防災担当大臣の方から、マスコミでも、私たちも今問題だということの発言が出てくるんですが、その前段に、記者の方から、文部科学大臣の方から事件の経過と今後についてございましたねということがありまして、大臣の方から、今後どうするかというのはまだよく分からないんじゃないんですかと。もう少し現実が、要するに人を殺したいということは分かっているんだけれども、その背景とか分かっていないんですからね。ではどうするかというところまで出てきていない状況だと思うんですと。ただ事件が起きて、今のところよく分からないというような話ですね。それで、非常にいい学校だったということです。だから、勉強ができるからといって、人間的な成長があるような学校かというと、必ずしもそうではないわけですよねと。  今度、質問、総理の方からこれについて何かあったんですかと。お答え、大臣の方から、特にありません。何かちょっと言っていたけれども、独り言なんかで感心して聞いているようなふうでしたね。何か一言言ったけれども、よく分からなかったですねと。そんなにどういうコメントではないです。皆黙っていましたよ。だれも発言がなかったですねと。  しかし、新聞とかテレビで見る限りでは、頭の方は非常に進んだ子供みたいですね。だから、いろいろな知識は持っているんじゃないのかな。だから、やったことがどういう意味を持つのかというのは、そんなことは全く今は考えていないわけですよね。それは深くは考えなくたって、やはり六年生になったらおぼろげに分かると思うんだけれども、そういうことが余り分かっていないんじゃないですかね。  しかも女の子ですからね。これは従来の考え方をある意味では多少覆すことじゃないですか。男が何かむちゃやって何かをしでかすということはあったかも分からないけれども、女の子がやったというのは、こういうのは初めてじゃないですか。今までありましたかね。最近はもう男女の境がなくなってきたんですね。どこの社会も総じて元気な女性が多くなってきたということですかねと。  これでまあ以上と。一つ一つの言葉は別にして、こういう、ほぼこういうやり取りであったということは、大臣、よろしいでしょうか、このことについてやり取りはこういうことであったということで。
  28. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) たしか先週のこれ金曜日だったと思うんですが、あれ五分前後の私記者会見だったと思います。そういうことで、事件につきましては殺人事件だということですね、小学生がやったと。それで、六年生にもなれば物の善悪ぐらいはまあまあ分かってくるんじゃないのかなということで、そういう事件であるだけに、しかも殺人ですから、しかも凶器といいますか、あれはカッターナイフだということですから、ちょっとほかの事件とは違うと。だから、何ともよく分からないと、この事件は。ですから、これからいろんな調査なんかが行われてくるんだろうと、そういうふうな想定の下に私は応対したというふうに思うんです。  後に、今おっしゃいましたように、最近の世相の一般論を私が話したわけです。そう話したんだけれども、その記者会見ではそれで終わったんですね。何も質問もしないし、コメントもなかったんです。だから、ごく、私もそんなにこれがえらく問題になるというようなことで話をしたんじゃないわけですね。そういう、ごく自然に受け止められたんじゃないかと、私は後になっていろんな問題になったときにそう思っているんです。  私、記者会見やりましてから外に出たんです。出まして、あれ十一時過ぎだったと思うんでありますが、連絡がありまして、記者の人がこう話をしたいということで来ているということだから、私帰ってきまして、十一時半かその前後だったと思いますが、話をしたと。そこで、今その話で、要するに、ううん、女の子が元気になった、女性が元気になったからこの犯罪が起こったんだと。ここの事件の本質というのは、そういうところにあるんだというようなことなんで私はそれはびっくりしたわけですよ、おおよそ私がそういうことでもって言っているわけじゃないですからね。そういう殺人事件なんかがそういう一般論でその原因だとか背景が語られると私はとてもそんなふうには思っておりませんで、そういうようなことを聞いて私は大変びっくりしたと。  で、非常に、そういう何というか大きな誤解を生んだんじゃないかと、極めて残念だと私は申し上げたわけでありまして、あくまで、まあ真意は一般論といいますか、最近の世相を申し上げたんで、そのこととこの犯罪を結び付けて私は言ったという覚えは全くないんでありまして、そういうことじゃないということを繰り返し皆さんに今申し上げたということであります。
  29. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 後段の方は、御発言があっていろいろ取材があった後の御自身のお気持ちなんでしょうけれども、記者会見ですよね、まず事の性格が。記者会見ですよ、これ。八月四日朝八時四十八分―八時五十三分、記者会見室で、そうなんです。で、私が一言一句というのじゃなくて全体の、何をこの短い時間でお話しになったかというのを全部読み上げたんです。そういう意味で読み上げさせていただいたわけですよね。  それからまず、じゃ一つは、ちょっと一つは全然、気になりますのは、一日に事件があって最初の閣議であったと、最初の閣議であった。井上大臣が、この後に記者会見をどうこうということを別にして、この閣議のときというのは、閣議というのはいつも余りしゃべらない閣議なのかよく分かりませんけれども、皆黙っていました、だれも発言がなかったという井上大臣の記者会見のお話なんですが。まあ、あと石破大臣なり、今、川口大臣、谷垣大臣も、副長官もいらっしゃいますけれども、このときの四日の閣議というは、黙っていたというと、もう重苦しく沈痛な意味で黙っていて言葉が出ないということなのか、いや、そういうような一瞬の状況はあった、普通あっていいんだ、しかし、やっぱり一国のみんなリーダーが集まっている閣議ですから、文部科学大臣から説明のあった事件の経過と今後について、いろいろあったと、沈痛な面持ちの後、何か語り出していくというのが僕は普通の閣議じゃないかなと思っている。  黙っていた、このちょっと、この閣議の状況を、まあ四日ですから、お忙しいですから余りお記憶にないかも分かりませんが、ちょっとどなたか、どなたかというふうに私、御指名しませんが、もし黙っていたという状況を御説明いただけると有り難いと思いますけれども
  30. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 黙っていたというか、発言がなかったということですね。そういうことです。黙っていたということを言っていますか。(発言する者あり)ああ、そう。それで発言がなかったというぐあいに私は記憶をいたします。
  31. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 これは過ぎた閣議ですから、これから、大臣がどういうお気持ちで発言したかというのは、これはこれからやり取りしますが。  まず、その閣議の模様というのは、私も一回も経験ももちろんございませんから、これからもあるのかないのか分からないみたいなあれですけれども、一日の報道のこの後というのは、一日、二日、三日というのは物すごい報道をしているわけですね、物すごい量の報道が。で四日なんですよ、四日の閣議なんです。一日、二日、三日、四日、当たり前の話ですけれども。幾つかそのときの一日の新聞記事、わっとコピーしておりますが、社説で、読売、周囲は兆候に気付かなかったか、朝日、なぜ防げなかったかとか、いろいろございます。小学生による殺人事件、小学校が現場初めて。  僕個人でいえば、言葉が出てこない。ですから、黙っていたというのが、ある一瞬黙っていたということはあるんですね、よく会議の中で。いろいろ文部科学大臣から一連の事件の模様を説明があって、黙っていたということで、これは細田官房長官とやり取りして、総理大臣とやれば全体の閣議の模様なんですが、井上大臣の、私は、閣議の模様でだれも発言なかったということが一日、二日、三日、四日、閣議でもっと様々な角度から、それなりの三日間の報告があって、それなりのやっぱり対応をすべきだというのがまず閣議の姿勢ではないかということをここでは私は申し上げさせていただきます。  そこで、井上大臣ですけれども、今のこのとおり御発言になりましたかというふうに、そのときにお答えいただいて、そういうことだということを言いながら、その後いろいろ言って、私は一般論を言ったんだというふうになっていますが、これは一般論というより、やっぱりこのことに書かれている、言われていることは、文部大臣の方から事件の経過と今後ということで質問があって、この佐世保の問題について質問があって答えているわけですね、井上大臣、やり取り。一般論とおっしゃっても、ここの事件についてどう、小泉内閣の一閣僚として事件の重要性そのことについてどう認識されるかということを私は記者からは質問されたと思うんですね。仮に一般論でさえも、最近は、最後ですね、ここで問題になっている、女の子ですからねとか、あるいは、最近はもう男女の境がなくなってきたんですという、もしそういう認識で私は小泉内閣の閣僚の一人としているとしたら、私は大問題だと思いますよ。大問題ですよ、こちらの方は、一般論でさえも。そういう御認識なんですよ、今も。  なぜならば、あなたは、大変きつい、あなたなんということは大先輩に申し訳ありませんけれども、これまた報道を見る限り細田官房長官は二回注意をしたと。どういう注意だったんですか。細田官房長官井上喜一国務大臣に対して二度注意をしたけれども、御本人は撤回する意思がないということを言って、途中で、そういう、記者がどうした、どうしたんだといって、途中で官房長官帰って、疲れたみたいな声で帰っちゃったというので、それはまたそれで注目を浴びた会見になっていくんですが、どういう注意を井上国務大臣は官房長官から受けたんですか。
  32. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私は官房長官と議場で話をしまして、誤解を受けるようなことはよく注意をしてこれからいかないといけないねというようなことであります。
  33. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 それで、大臣自身はどういうふうにお答えになったんですか。
  34. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) それはもちろんそうですと、私はもう、つゆ、これが一般論が、直ちにこれが今回の事件の原因になったとか背景になったともう全然考えておりませんので、私は、そういうことで記者会見をしたんだけれども、それはもう誤解のないようにそれはやらないといけないという、それはそのように思いますし、正にそういうぐあいに誤解をされたと、大変遺憾である、残念であるということを私は記者会見でも申し上げた次第であります。
  35. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 井上防災大臣井上国務大臣発言の訂正、撤回を拒否をしているというのが、私たち、二度にわたる再三の注意にもかかわらず、撤回、訂正を拒否をしているというふうに私たちは聞いておりますが、そういうことでよろしいですか。
  36. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私に対するこの質問は、今日も、僕は、齋藤委員発言、そのように思うんでありますけれども、その事件の背景、原因が、女性がどんどん社会に進出してくる、元気になったと、そのことがあるということで私が発言をしていると、こういうような大体質問ですね、私が聞く限りはそういうように考えるわけでありますが。私はそういう意味で言っているんじゃないと、私の真意はそうじゃないということを申し上げているわけであります。
  37. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 通らないですよ、それ。通らないです。  通らないというのは、私は会見録を、失礼があっちゃ申し訳ないと思いまして政府から取り寄せさせていただいて、読み上げて、この、そのとおりですとおっしゃったんですよ。それで、真意だ真意だったって、これあなた自身が発言されているんですよ。これは、このこと自身、私は、問題なんですよ。そのことを訂正、撤回しない限り、私は、問題だというところから始まっている。だから、官房長官だって注意をしたんじゃないんですか、度々。  ところが、おっしゃっていることは、まだ真意、真意、言っていることは一般論でとかおっしゃっているけれども、かみ合わないじゃないですか、閣僚の中で。そういうことを心配するからこそ、私、そんなに心配、心配って、与党、野党なんで、そんなあなたのことを心配することないのかも分からないけれども、これ、異常ですよ。異常だという状況を分かりますか、今異常な状況だということを。思うか思わないか、イエス、ノー、大変失礼ですけれども、今異常な状態かどうか、認識はありますか。
  38. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私は、この犯罪の原因が、私が言って、最後の一般論で、言ったことであるというふうには全く考えていないわけでございます。
  39. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 異常な状態でない、あるかないかというのをお尋ねしてお答えいただけない。大変不満です。  それから、これ多分聞いている方は、僕、与野党そうだと思うんですが、異常か異常でないか、これだけ私は麻痺しちゃったのかと。自分自身を、こうやって今、自分で言っていることを思うんです。閣僚が、内閣の一員として、その後、閣議の終わった後、記者会見、記者というのは、記者を通して、さんを通して、新聞記者を通して国民に語るということですよ。そのことを、その後異常と言うのは二度にわたって細田官房長官が注意をした。しかし、真意は、真意はと言う。間違いました、撤回しましたとは全く言わない、今も。なお、加えてですよ、総理大臣だって閣議で注意をしたんじゃないんですか。  委員長委員長。──多分、お聞きになってかみ合わないんですよ。かみ合うか、かみ合わないか、かみ合っているか、かみ合っていないか。多分、聞いている方たちは、大体私は普通の方だったら理解すると思いますね。  この有事法案というのは、率直に言って私ども民主党も様々な多くの大切な、大切な国民の生命、財産を守るということはいろいろ、今なお多様な議論があると。冒頭申しました年金法案の関係で、会期末という中で本当に質疑時間が足りないと。この前の私も、総理いる中でこの有事のことについて様々やりたいけれども、総理自身の一国のリーダーたる資質の問題ということで、三十年前、何聞くんだったって、年金なんてのは三十年も四十年もたって年金の資格が発生するかしないかということを、あえてあの人自身はあの言い方で、まあびっくりしましたけれどもね。私も、後でテレビを見て、齋藤勁の頭にはクエスチョンマークがあって、あいつ、何も答えられなくてぽかんとしているみたいだ、齋藤勁ぽかんをしていたのか、そんなことないんですよ。開いた口がふさがらないんですよ。ああいうことをぬけぬけと、年金というのは長い期間でやること、いうことを。選挙落っこったら頑張ってくれよということで、仕事しなくてもいいんだよと、あなたは次のときに当選するのが仕事なんだと言われて、平然といるということを、これは質問した後の答弁ですけれどもということがあって。  今回もそれで再開した国会の中で、いや、こういうことは私は本当は、この法案、討議したけれども、やっぱり与党、内閣責任を持って修正議決したことを、何として会期末で通そうと思う。その最高責任者井上大臣がですよ、今、日本国じゅう様々なことありますが、小学校の現場で、小学校の六年生の女の子が、もう言葉に出すのもつらい。今なお救急隊員、駆け付けた人は、消防隊の三人は、もう心因性で、ストレスで、今そういうケアをしなきゃならない状況、担任の先生も今出勤していない状況。  一日の日に閣議開いて、何も黙っていた、言葉が出なかった、ではない。一日に事件があって、二日、三日、四日、四日の閣議、四日の閣議の終わった後にこの法案の全部の責任者が、記者に対して、国民に向かって答えたと。不注意があるんじゃ、問題があるんじゃないか、問題があるんじゃないかということを我々与党、野党が言うんではない。内閣のまとめ役の官房長官が二度言い、最高責任者の、年金ではいろいろなことを言ったけれども、おれもいろいろ言ったけれども、これはまずいよと言ったんでしょう。でも、井上さん、そんな、まあ、こんな言い方は嫌だけれども、総理だっていろいろ失礼なことを言うじゃないかと、そんなことを多分、抵抗しているわけじゃないと思いますけれども。  私は、率直に申し上げまして、これ以上、こういう答弁をしている限り、この委員会で質問する、継続する私は意思は持てません、責任持って。国民の代弁者として。(「引き延ばしだ」と呼ぶ者あり)率直に申し上げまして。明確に、いや、引き延ばしだなんて、そんなこと、何言っている、聞いていれば分かるでしょうが。同じことを言わなきゃ駄目ですよ、与党だって野党だって。何言っているんですか、あなた。私たちは修正責任者で入ってますよ、私だって、衆参で、常田さんと一緒に。そういう人間が、私はこれはあえて言わざるを得ないんですよ。悔しくてたまらない。内閣としてきちんとした対応をしていただきたい。  きついあえて言い方をさせていただきます。井上大臣はお辞めになるべきです。お辞めになるべきです。お辞めになって、そしてこの法案について審議をしていただきたいということを求めます。そのことがない限り私はこのまま質問続行できませんから。辞めるんだったらいいですよ。辞めるんだったら質問続行しますから。
  40. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ちょっと理事さん、ちょっと集まってくれますか。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  41. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 速記を起こしてください。  井上大臣、今の質問者のおっしゃっていることについて、大臣としてどう考えるかということをちょっと答弁いただけますか。
  42. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私は、もうたびたび申し上げているように、私の真意が伝わらない、本当に誤解をされて、本当にその点は残念だというふうに考えている次第であります。  私の真意は、そういう、つまり一般論で、今回の事件の背景を説明しようとしたものでは全くないということを御理解いただきたいと思います。
  43. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 言いましょうか、再度……
  44. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 齋藤勁君。
  45. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 今答弁いただきました。先ほどの私の答弁に、明確にお答えいただいておりません。残念ですけれども、これ以上質問続行できません。大臣はお辞めいただくと、それしかございません。そのことを申し上げさせていただきまして、私はもう退席をさせていただく気持ちですけれども、率直なところ。もうこれ会派で相談ですが。退席するぐらいな気持ちです、皆さんと一緒に。
  46. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ちょっと齋藤先生。
  47. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 もう駄目ですよ。あんな大臣じゃしようがないじゃないですか。
  48. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ちょっと今のは議題の範囲内の話じゃありませんので、ちょっと御発言趣旨をもうちょっと伺って理事会で協議を。
  49. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 みんな聞いていますよ。同じ気持ちなんだ、みんな。
  50. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ただ、そういう齋藤先生のおっしゃることをここの場で何とかしろと言われてもできる話じゃない。
  51. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 だから、私も理事ですからこうやって何か、これどうするんだ、議事録になるんですか。そこへ行く人間ですが。
  52. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  53. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 速記を起こしてください。  暫時休憩いたします。    午後四時七分休憩      ─────・─────    午後四時四十分開会
  54. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ただいまから委員会を再開いたします。  井上大臣から発言を求められておりますので、大臣発言を許します。
  55. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 去る四日の定例会見におきまして誤解を招いたことにつきまして遺憾に思い、発言を撤回いたします。  以上であります。
  56. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 ただいまの大臣の御答弁で、引き続き審議に加わらさしていただきたいと思います。  今日、谷垣財務大臣にも御出席いただきまして、実はここにかかわる大臣の御発言もありましたので幾つかやり取りをしたいと思いましたけれども、もう時間の関係も含めまして、総体的にはこのことが二度とないようなことを、私もこういう公の席で言うのもなんなんですが、本当に尊敬する、私、谷垣財務大臣でもございますので、これから、その後にお話があって記者に語ったことが、なぜお呼びしたかというと、女性と男性の犯罪比率をお話しになったんですが、四十年前と三十年前、これ比較されたんでしょうけれども、放火とか何か、あれはやっぱりそういうことをまた御発言することもどうなのかなというふうに実は思うからこそ、あえて御出席いただいてやり取りをしたかったんですが、それは省かさしていただきます。  さて、若林議員の方に、持ち時間過ぎていますのでバトンタッチをしますが、言わば国民の生命、財産をきちんと守っていこうではないかという、そういうことでの可能な限りの法制度をしていこうということでの法案、用意をし、今回、前回も私も総理に対しての質問もそうですし、今回もそうなんですが、さてさて、官邸、内閣の危機管理は一体どうなのかというのが率直にこれ尽きるわけでありまして、だからこそこの前も口酸っぱく言ったし、今回も口酸っぱくやっているわけであります。  だから、危機管理庁なんということを言うんではないんですね、危機管理庁なんということじゃない。そういった中でも、官邸の機能というのは大切ですよ、大切ですよということで、私も野党の中でいろいろ事前のいろんなやり取りもさしてもらった中で、次から次へ出てくるのが、また首かしげちゃって、これで大丈夫なんだろうかということを言わしていただきまして、今回の佐世保の事件も含めまして、マスコミで何て言葉が出てくるかと。冷たい、小泉内閣は冷たいとか、そういうことが出てくるわけですね。大変もう私は残念に思います。  内閣、官邸の危機管理、是非きちんとしていただいて、本当にそごがないようにしていただきたいというふうに思います。で、また、必要な都度また指摘さしていただきまして、また改めていただくことは改めていただく。もちろん、皆さん方の方から野党に対して言っていただくなら言っていただくのは、これは結構な話だと思います。ただ、先ほどの発言の撤回で、すべてある意味では小泉内閣、今まで国民に様々な発言やら行動をしていることがそれで終わるということではなくて、引き続きまた必要な都度、これからの様々な法案で指摘さしていただくことを申し添えさしていただきまして、私自身の質問を終わりたいと思います。
  57. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。  私の方からは、昨日、イラクに関する国連決議採択されたということでございますので、その内容、そしてまたそれに基づく自衛隊の派遣についてお伺いしたいなというふうに思っているところであります。  安保理決議一五四六号が全会一致採択されたということに対しましては、本当に心から歓迎したいというふうに思いますし、国際社会が一致協力してこれからのイラクの国づくりに努力していくということでございますし、我が国としてもイラク復興支援のために積極的な役割を果たしていくことが必要ではないかという、そんな認識の下で幾つか質問さしていただきたいなというふうに思っております。  私は、これもイラク暫定政府イラク国民の期待に対してどれだけこたえられるか、そしてそれに対して国際社会がどれだけ一致協力して支援できるか、そしてこれからの治安状況が非常に重要ではないかなというふうに思っているところであります。  全会一致で賛成であったにもかかわらず、なぜか雰囲気が、何かもろ手を挙げて国際社会一致協力してやろうという雰囲気に本当になっているのかどうか、その辺がまだまだ私も自信が持てないところもあります。特に、シラク大統領のNATO軍派遣は反対であるというような発言もありましたし、なぜそういう状況になっているか。  まず、川口大臣に、この決議を受けてこれからの国際社会支援する側の立場がどういう状況になるのか、あるいはこれから多国籍軍に派遣する国が増えるのかどうか、その辺の認識についてまずお伺いしたいなと思っています。
  58. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 一五四六が全会一致採択をされたということは喜ばしい、我が国として歓迎をしております。若林委員がおっしゃられましたように、これを受けて国際社会が一致してイラク人の復興のための努力支援をするということが大事であるというふうに思っております。今まで幾つも安保理決議ございますけれども、その中でも重要な安保理決議であったというふうに思っております。  それで、国際社会がまだ必ずしも一致していないように見受けられるという趣旨お話があったかと思いますけれども、いろいろなイラク復興支援ということを考えている動きというのは、水面下では私はあるのではないかというふうに思っています。  確定したことは、まだこれは六月三十日を越えないと分かりませんけれども、いろいろな検討を、そういう意味での支援検討をしている国についての情報についても若干接している部分もございますし、今後、それらのそれぞれの国がどのような形でイラク支援をしていくかということは決めていくことであるかと思いますけれども、今後、六月三十日を越えた時点で更なるプラス、前向きの動きを見るということを我が国日本としても期待をしているところでございますし、もちろん、日本としても今までやってまいりましたイラク人道復興支援、これを引き続きやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
  59. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 済みません。その中で多国籍軍への派遣が増えるとお思いでしょうか。それだけちょっと認識をお伺いしたいと思います。
  60. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 確定的なことは今何も申し上げられないと思います。  それで、これは今後のいろいろな情勢によるというところもあると思いますけれども、更なる支援を、その部分も含めて検討をしているという動きについて接していないわけではないということでございまして、まだ確定的にそれらの国がどのようなことをやっていくかということを申し上げるのは今、尚早であるというふうに思います。日本として、また申し上げる立場でもないということだと思います。
  61. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ありがとうございます。  日米首脳会談におきまして、小泉総理は、安保理決議採択される前に、自衛隊イラク支援は六月三十日主権移譲後も続けるというようなお話をされました。これまでもお話、御答弁もあったと思いますが、安保理決議の中身も重要であり、まだ採択される前にもう多国籍軍の派遣を実質約束したかのような発言というのは私は、極めて私は問題ではないかなと思っております。  まず、やっぱり国民に対して、そして国会に対してきちっとやっぱり説明を果たす、責任を果たすということが必要ではないかなというふうに思いますし、その辺の認識は野党のみならず与党も一緒ではないかなというふうに思っているところでありますので、十分に説明がないまま多国籍軍への自衛隊を派遣するということは、なし崩し的に決定するということは極めて遺憾であるということを冒頭申し上げておきたいというふうに思います。  その意味で、まず、安保理決議の中で多国籍軍人道復興支援のマンデートが付いた部分というのは、済みません、技術的なことですので西田局長等お答えいただければ。パラでいうとどの部分に該当するんでしょうか。
  62. 西田恒夫

    政府参考人(西田恒夫君) お答えを申し上げます。  現在の一五四六、主文パラ十五に以下のような規定がございます。  加盟国、国際・地域機関に対しまして、安全と安定及び人道復興支援に関するイラク国民の必要性を満たすことを支援するために、またUNAMIの努力を支持するために、イラク政府との合意のとおり多国籍軍軍隊を含む支援を提供するよう要請するという規定がございます。
  63. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ありがとうございます。  パラグラフ十五に、イラクの安全、安定、人道復興支援に関するイラク国民の必要性を満たすということが一応安保理決議に書き込まれているという意味で、これまでにない、治安以外に人道復興支援の目的が書き込まれたということが今回新しいわけでございまして、これを踏まえてお伺いしたいと思うんですけれども内閣法制局の長官にお伺いしたいと思います。  これを踏まえて、この内容を踏まえて、もう既にこれは明確になっているわけですから、我が国が多国籍軍の下で、あるいは多国籍軍の一環として派遣するということが憲法に抵触するのかどうか、それについてお伺いしたいと思います。
  64. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 新たな安保理決議採択されたところではありますが、またこの決議に言う多国籍軍の中にはその任務として人道復興支援に相当するものが含まれているということではございますが、この下において自衛隊をどう位置付けるかにつきましては、この決議の内容を検討し、関係各国の協議等も踏まえた上で政府として適切に判断するものと承知しております。  それで、したがいまして、今この段階ではなお一般論としか申し上げられないわけでございますけれども、いわゆる多国籍軍につきまして、累次、政府が、目的、任務に武力の行使を伴う多国籍軍については、自衛隊がこれを参加することは憲法との関係で問題があると。この場合の参加とは、当該多国籍軍の司令官の指揮の下に入り、その一員として行動を取るという意味であるというふうに述べてまいりました。  その理由は、ただいま申し上げたような意味で、当該多国籍軍に参加することが、正に当該多国籍軍の司令官の指揮の下で、その命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るという意味におきまして、自衛隊活動が武力の行使に及んだり、他国の武力の行動と、行使と一体化することがないという前提を確保することは困難というふうに考えられるわけでございます。  そこで、このような考え方に基づきまして、我が国が多国籍軍活動に加わるということにつきましては、単にその目的、任務のいかんのみならず、その編成、指揮関係など具体的な事実関係に沿って、我が国として武力の行使を行わず、また我が国の行為が他国の武力の行使と一体化しないことがいかに確保されるかということを基本として検討されるべきものと考えております。  なお、自衛隊と新決議に基づく多国籍軍の関係につきましては、これから冒頭申しましたように判断される問題でございますが、政府としましては、イラク特措法に基づき、我が国自身の主体的な判断により行われる活動は憲法との関係では問題がないと考えてきたところでありますし、この考え方には変わりはございません。
  65. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 今の御答弁の中のポイントは、いずれにせよ、この安保理決議の内容を吟味し、これから自衛隊をどうやって位置付けていくのか、それから武力行使と一体化しないようにどうそこを確保していくのかという様々なこれから判断があるわけですね、検討しなければならない。そういう検討を抜きにして、もう既に小泉総理はブッシュ大統領に約束しているわけですから、私はこれは極めて問題ではないかなというふうに思いますし、本当の意味でこれを新法が必要なのかどうか、それも吟味せずして、それを安保理決議採択する前にああいう発言したというのは、私は非常に国会を軽視し、国民に対する説明も不十分であり、こういうことを繰り返しているから、ますますこの有事関連法案も国民からやっぱり信頼されなくなってしまうんですね。  だから、こういう根幹的な問題に対して、私はやはり小泉総理のあの発言に対して、非常に極めて問題だというふうに思いますが、石破長官、どうですかね、そういう発言に対して、内部でどこまで議論されたのか分かりませんけれども、ああいう形で発言されてもう既に約束してきたということに対して、今の御認識を、もし、質問通告していませんが、石破長官なら答えていただけるんじゃないかと思って。
  66. 石破茂

    国務大臣石破茂君) お答え申し上げます。  政府の立場は、先ほど西田局長あるいは秋山長官からお答えをいたしたとおりでございます。  また、他方、まだ総理がお立ちになる前のことでございますけれどもイラクに駐留、失礼、イラクにおける活動継続するとすれば何が根拠になるのかという御質問をいただきました。私、そのときに、特措法が根拠になるというふうにお答えをいたしたかと思います。すなわち、特措法によりまして、これは、戦闘地域、非戦闘地域という議論につきまして委員とは見解の相違があることはよく承知した上で政府として申し上げておるわけでございますけれども、非戦闘地域でなければならないということがきちんと担保をされ、今後もイラク活動するとするならば、それは根拠法令としてはイラク特措法だということはお答えを申し上げました。  総理がアメリカにおきましてブッシュ大統領との間で表明をされましたのは、イラクにおける自衛隊活動継続するということをおっしゃったわけでございます。それがどういう形になるか、多国籍軍との関係でどうなるかということについて、先ほど来外務省並びに法制局から答弁があったところでございます。  いずれにいたしましても、国内法的な根拠はイラク特措法ということであり、そしてまた多国籍軍との関係等々につきましては、これは総理がお帰りになり、きちんとした議論政府部内でやっていく。しかしながら、なし崩し的とか場当たり的とかきちんと詰めないままにということではございません。政府部内におきまして、いずれにいたしましても、憲法九条というものがきちんと担保をされるという形の仕組みというものは必ず必要であり、そのことの議論は連日連夜行っておるところでございます。
  67. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 様々な検討が、これがこれから必要であるにもかかわらず既に総理は約束されたという意味で、駐留を継続するというのは事実上の多国籍軍の派遣ということでありますので、もし多国籍軍の派遣でないんだとするんであれば、個別にイラク政府と派遣の協定、地位協定等を結ばなきゃいけないんですが、そういうことなんですか。そうではないでしょう。  多国籍軍の一環として派遣するということを前提で御発言されたということで理解、よろしいんでしょうか。
  68. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは必ずしも私からお答えするのが適当かどうかは存じませんが、いずれにしても、自衛隊イラクにおける活動を行うに際しましての法的な地位というものは適切な形でこれは担保される、確保されるということは、これも国会答弁の中で何度もお答えを申し上げておるところでございます。
  69. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 資料でお配りさせていただいたと思うんですが、お手元に行っているでしょうか。これはイラク特措法の一部でありまして、総則の目的、第一条と第二条の抜粋であります。  私は、自民党の、ああ、済みません、民主党の議員の一人として、済みません、申し訳ございません、これまでは自衛隊の派遣というのは反対であると、それは様々な理由を申し上げてきました。六月三十日まで一体、撤退すべきだというのが今の我々の立場であります。  しかし、六月三十日以降につきましては、この安保理決議の内容、そしてイラク政府の意向、国際社会の一致協力した対応の中でやっぱり復興支援をやるべきだということですが、必ずしも自衛隊の派遣を頭から否定しているわけでは全くないということを前提でお伺いしたいと思うんですが、この一条と二条を見る限り、どう見ても私は、この法律の前提はイラク主権が移譲されるまでの復興支援と安全確保支援活動を想定しているんではないかと。これに基づいて派遣できるというふうにおっしゃいましたけれど、例えば第一条で言えば、国連安保理決議一四八三号を踏まえ、人道復興支援活動、安全確保支援活動を行うこととし、もってイラク国家の再建を通じてということで、かなりその根拠として一四八三号を挙げているわけですね。  一四八三号というのは何かというと、そのポイントは最大、ここに書いてありますように、米英の占領国としての権限、責任、義務を認識した安保理決議ですから、あくまで占領国として、その一環としてこれを認めたのが安保理決議です。それに基づいて自衛隊は派遣される。だから、自衛隊の派遣の根拠はCPAとの、CPA発令でしたっけ、そういうものを根拠に、ここに書いてありますように、その施政下にあるCPAと合意することにより自衛隊を派遣するということですが、根本的に前提がこのイラク特措法とやっぱり崩れているんではないかなというふうに思いますが、この辺について、川口大臣、どういう御見解か伺います。
  70. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 安保理決議の一四八三、一五一一にお触れになられましたけれども、まず一四八三ですけれども、これは国連加盟国に対してイラクに対する人道復興支援及びイラクの安全と安定に貢献するということを要請をするものでございます。一五一一、それから今回の一五四六ですけれども、これはその趣旨をより具体化をしたものであるということでして、イラク主権回復後もその意義及び効力が失われるということではないというふうに考えております。  それで、この特措法、イラク人道復興支援特措法でございますけれども、これはイラクにおいて行われているイラク国民による自主的な努力支援し、促進しようとする取組に寄与するということで、イラク復興支援するための措置を定めているものでございます。したがいまして、その主権回復、そのことが法律の、その主権回復があったかなかったかということはその法律の前提とされているわけではないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、イラク主権回復した後の自衛隊の位置付け、これは先ほど来、石破長官も申し上げて、おっしゃっていらっしゃいますけれども、これは政府として適切に判断をするということでございまして、これはその内容を検討するとか、あるいはG8サミットにおける議論の態様ですとか関係各国との協議とか、そういうことを踏まえて政府として適切に判断をするということでございます。
  71. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 この辺は見解の違いが出てくるんではないかなと思いますが、このイラク特措法を見る限り、一四八三号を踏まえという、いわゆる米英の占領国としての派遣でありますんで、これはやっぱり主権回復する前のというふうに読むのが私は適切ではないかなというふうに思いますが、どうですか。  この一四八三号を踏まえた派遣でありますし、だからこそ、この外国の領域というのは、イラクにおいては、安保理決議決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関の同意によることで派遣できる、活動できるということになっていますから、これはやっぱりどう見ても主権が移譲される前を前提とした派遣ではないかというのが私の認識なんですけれども、率直なところ、正直にちょっと答えていただけますか。石破長官もうなずいていらっしゃいますよ。
  72. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほどお答えをいたしましたことが本当に率直にお答えをしたということでして、正にこれはイラク人道復興支援、これを支援していこうというのが一四八三、一五一一、一五四六、これがその趣旨としているところでありまして、したがって、それにのっとって考えれば、主権回復ということがあったから、あるいはないからこれが有効であるとかないとか、そういうことではないというふうに考えているわけです。
  73. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 法律論としてそういう解釈の問題としていろいろあるんだろうなというふうには思いますけれども、私は、あいまいな状況でまた自衛隊の方が派遣されるということ自体が私は良くないことだ、そういうあいまいな状況でやると、正にまたテロのターゲットになりやすいという状況になりますので、しっかりとした法律にのっとって派遣されるということが本来であればまず議論されなきゃいけないんではないかなというふうに思います。  私は、やっぱり自衛隊が、方々が多国籍軍に初めて派遣されるということであれば、私は新法を作ってきっちりとしたやっぱり対応をすることが必要だと思いますし、政令改正だけで済ませて多国籍に初めて送ろうということ自体が私は問われるんではないかなというふうに思っておりますんで、法律論的にもあるいは政治的にも国民にきっちりやっぱり説明して、その法案に基づいて、法律に基づいて自衛隊が多国籍に派遣して我が国のやっぱり復興支援を見せるんだという、そういうところを本来は私はしっかり説明すべきだったというふうに思いますが、石破長官、どうですか、そこの認識については。
  74. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そういう御議論はあるだろうと思っております。私、委員がおっしゃることを頭から否定してそのような議論はナンセンスであるというようなことを申し上げるつもりはございません。  しかしながら、今外務大臣から答弁がございましたように、私ども日本政府としてこの決議というものをどのように考えるか、新決議が出たということによってこのイラク特措法との関係はどうなっていくのか、そして多国籍軍との関係はどうなり、法的地位はどうなるのかということは、きちんとした形にいたしまして適切に対処していかなければいけない。委員がお持ちのようなそういう御懸念、すなわち、あいまいなままで自衛隊を派遣をする、そういうようなことが決してないようにという認識は、私自身、防衛庁長官として強く持っておるところでございます。委員の御懸念が杞憂に終わりますように、私ども政府としてきちんとした見解を整理をしてまいりたいと考えておりますが、現時点で私が考えておりますのは、このイラク特措法というもので引き続き派遣を継続するということは可能であるという考えに変わりはございません。
  75. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 やっぱり、もう少しやっぱりこういうことは事前にきちっとやっぱり、このせっかく委員会もあるんですから、そういうことは想定されているわけですから、議論すべきではないかなというふうに思いますし、例えば、公明党の神崎代表は、現行法でいけるのか、新しい法律を作る必要があるのかも含め党内でしっかり議論したいと、与党の代表の方がこうおっしゃっているわけですから、正に本当にこの派遣のために新しい法律が必要なのかどうか、やっぱりゼロベースで本当にきちっと議論した上で自衛隊を派遣するならするということを決めることが必要ではないかなというふうに思っておりますので。  その上で、先ほど内閣法制局の長官の方からもお話ありましたが、ポイントは二つで、多国籍軍役割として治安維持だけではなく復興支援が入るかどうかというのが重要だと。そして、もう一つは、やっぱり武力行使と一体化しないということがもう一つかぎでありましたので、どうやって、じゃ、多国籍軍の指揮下に入って、武力攻撃と一体しない中で自衛隊が本当に活動できるのかどうか、その辺について改めて石破長官伺いたいと思います。
  76. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 二つ御質問をいただきました。  一つは、これも何度も同じ答えになって恐縮でございますが、イラク特措法に基づきまして派遣をいたしております。今後もそうだというふうに政府としては考えております。  ですから、一体化しないということは、これはおしかりを覚悟の上で申し上げれば、非戦闘地域で行うのだという政府の今までの考え方、この考え方できちんと担保をされるものでございます。逆に申し上げれば、この非戦闘地域という概念はそのために、あるいは法的にそのような評価を受けないということのために作っておるものでございます。それによって担保をされるということであります。  もう一つは、指揮命令系統等のお話がございました。これも特措法におきましてはそのことがきちんと確保をされております。私どもが多国籍軍との関係をどのようにするかということ、それは国内法的に、このイラク特措法に基づいて派遣をするのだということ、このこととの整合をきちんと取っていかねばならないということであります。  ですから、日本国憲法九条というものがきちんと担保をされるような、そういう説明が委員にも、そしてまた国民の皆様方にもきちんと得心をしていただけるということを政府として適切に対処していくということでございます。
  77. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 時間が来ましたので残念ながらここでやめたいと思いますけれども、やっぱり多国籍軍という言葉そのものにやっぱり非常にアレルギーが国民にあると思うんですよね。例えば、官房長官も、治安活動のイメージがありますし、多国籍軍に参加できないのは当然ですよということをやっぱり記者会見でも言っているんですよね。そういう意味では、多国籍軍とは何なのか、もう一度やっぱりゼロベースで私はこの国会でも議論する必要があると思いますので、改めてこの点については質問させていただきたいと思います。  以上です。
  78. 山本保

    山本保君 公明党の山本保です。  今日は在日外国人の基本的人権についてもお聞きしたいと思っております。何とかそこまで時間があればと思っておりますが、今の議論がちょうど深まってまいりましたので、この今回の国連の新決議に関連してお聞きしたいと思います。  最初に、もう当然のことではありますが、この議論の前提としまして、この前、第一次の陸上部隊が帰ってまいりました。このイラクにおいて我が自衛隊が頑張っておられることについて、その評価と、そしてこれからの行うべきことといいますか、今までの評価について、防衛庁長官長官としてどのように評価されているのか、これをまず最初にお聞きしたいと思います。
  79. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 本当に委員始め多くの方々のいろんなお支えをいただきまして、イラクにおいて、サマワにおいて無事に立派に任務を果たして一次隊帰ってまいりました。  六日、去る日曜日でございますが、その隊旗返還式がございまして、私も出席をしてまいりました。本当に感動、感激の隊旗返還式であり、慰労会でございました。行った隊員たちが、本当にイラクの人々の役に立った、自分たちがやっていることが本当に人々の役に立った。医療にしても、あるいは給水にしても、あるいは学校の補修にしても、自分たちが危険な地域だけれども行った活動について、本当にイラクの人一人一人に喜んでもらえた、そのことに対する満足感、充実感、それが一人一人にあったのが極めて印象的でございました。私、慰労会において隊員一人残らず手を握って、もし御希望があれば写真に入れていただいたりしましたけれども、本当に一人一人の顔が自信に満ちていた、誇りに満ちていたということが大変に印象的だったと思っています。  同時に、これは自画自賛ばっかりしておっても仕方がないのでございますが、最近、例えばイラクの統治評議会の方々、あるいはサマワの宗教指導者の方々、あるいは病院関係の方々いらっしゃいました。そういう方々が本当に日本活動評価をしていただいている、もっと広く活動してくれというふうに言っていただいている、そしてもっと長くいてくれというふうに言っていただいている。それは日本活動イラクの人々と同じ目線でやっているからなのだということでした。イラク人の気持ちを分かってくれ、そしてイラク人を尊敬をし、イラクの文化を尊重し、そしておまえたちあれやれこれやれということじゃなくて、自分たちで率先して汗を流し、あるいは鉄条網の設置作業なんて手が血だらけになったりする。それでも自衛隊員は自分たちが手を血で染めながら鉄条網を張って、こういうふうに一緒にやろうというふうに言ってくれる、そういうような自衛隊に対して本当に感謝をしているというお話でございました。  もちろん、いいお話ばかりで喜んでおってもいかぬのでございまして、依然として治安には厳しいものがあるという認識もいたしております。そして、期待値と実現値のギャップということを申し上げましたが、それがなお存在しているということも事実でございます。その辺りにつきましては、今後更に外務省とも緊密に連絡を取りながら、日本として果たすべきこと、サマワの人々の期待、イラクの人々の期待にこたえ、そして日本としての責任を果たすために努力をしてまいりたいと思っております。  この間におきます多くの国民の皆様方の御支持、御支援に対しまして、心から厚く御礼を申し上げますし、そして、最後に一つ申し上げれば、番匠群長が申しておりましたが、帰ってきた我々一次隊の仕事は、今、更に温度が高くなっている、更に気候が厳しい状況になっている、その中で頑張っている二次隊がどれだけイラクの人々にきちんとこたえ、期待にこたえるか、人々の期待にこたえるか、そして安全に任務を遂行するかだというふうに言っておりました。  私、昨日のテレビ電話で二次隊の今浦群長とも会談をいたしましたけれども、常に現地と密接な連絡を取りながら、意識の、認識のそごがないように努力をしてまいりたいと思っております。
  80. 山本保

    山本保君 この議論が始まる前といいますか、実際に行動が出る前は大変その辺についても、抽象的なレベルですけれども、マイナス評価の方が高かったのかな、評価といいますか、そういうおそれがあったと思っておりますが、実際に自衛隊の方が行って頑張られたことによって、相当事実に即した評価が上がってきたということは本当にいいことだと思います。  前回の質問でもたしか私申し上げましたが、日本の若者が、いわゆる血と汗とよく言いますが、そんな、血を流しては困るわけでありまして、しかしながら、本当に一生懸命、人生の大事なところを命を賭して頑張っていただいたわけですから、このことが、日本が、これでその状況が終わったから、はい、さようならと、もうそれで日本もほかの国の一員でしたねというのでは、ちょっと余りにも頑張った方、また日本の国の国民の、それを支えた国民としては、もったいないと言ったら変ですが、やはり日本イラクというのは、これを基にほかの国よりももっと強い信頼関係に結ばれていくような対応をこれからしていくべきだと私は思っておりますので、そういう形で、ちょっとこの今回の決議については、今日もお話ありまして、総理もまだ帰ってこられていないので、確定的なお話というか、それはできないと思いますので、その前提になるようなことを仮の話も含めながらちょっといろいろお聞きしたいと思っております。  最初に外務大臣に、これはもう私素人として、申し訳ありません、お聞きしたいんですが、こういう暫定政府というんですか、こういうのができたとき、日本の国というのはこの暫定政府とどういう形を取ったら、取るものなんでございましょう。つまり、承認するのか、何か大使を交換するとか何か国書を交わすとか、何かそんなような、これは日本の国とこの暫定政府、まあ六月まで、六月末まででもよろしいですし、六月末以降でもいいんですが、どういう手続を取るものなのか、どういう関係にあるのか、これをお聞きしたいと思います。
  81. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 一般的に申し上げまして、新しい政府イラクにおいてできた、暫定政府ができたわけですけれども、その暫定政府イラクにおいて実効支配、これを実効的な支配を確立しているかどうかというのが一つあります。それから、国際法を遵守する意思と能力を持っているかどうかという点がございますが、そういった点から、確立している、あるいは意思と能力を持っているというふうに判断をされれば、日本としてその政府承認暫定政府政府承認をするということを行う、それを検討をするということでございます。  それで、今の時点で具体的に、イラク暫定政府、六月三十一日以降できるわけですけれども、それについて今の時点ではまだ決定をしていないということでございます。今後、政府承認を行うかどうか、行うとしてそのタイミングはいつか、そしてそういったこと、あるいはどういう方法でそれをやるかということですが、それにつきましては、今後のその状況を見極めて、そして判断をしていきたいと考えております。
  82. 山本保

    山本保君 そうですか。国連がオーソライズしたのだから、もうそれで私、自動的になるという考え方もあるのかと思っておりましたけれども、今のお話ですと、日本の国が主体的に、もちろんよその国との関係を見ながらでしょうが、判断をして、正に国と国の関係になるんだというお話だと思いましたけれども外務大臣、よろしいですね。  それでは、ちょっとここで、イラク自衛隊と多国籍軍についてといいますか、自衛隊活動を総理は継続したいと、人道復興支援ですか、を続けたいと、私もそう思っておりますけれども、これをどういう形で取るのかということについて、これは全く理論的といいますか、考えてみますと、今の状況、今までの状況というのは、自衛隊が行ってから多国籍軍がオーソライズされたわけですから、自衛隊は多国籍軍の一員には入っておりません。CPAと密接ということになるのかなという、前にも微妙な、はっきりしませんけれども。  しかし、そうしますと、この状況をこのまま続けるとすれば、一つの考え方とすれば、このイラクの暫定政権と日本国が一対一で協定なり結ぶ、そのときには我々は、当然、現状のように憲法に触れないような、又は正に人道的な支援を行うんだと、こういうことを例えば一つの選択肢として考えられるのかなという気もするわけですけれども、この辺については、外務大臣、いかがでございましょうか。
  83. 西田恒夫

    政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。  委員、正に御指摘のとおり、まだ十分に政府としての検討を終えておりませんし、総理が戻られましてから御指示等を仰ぐことになると思いますので、お答えはそういう意味で、ある意味で一般論ないしは仮定的なものにならざるを得ないと思います。  それで、これまでもいろいろな委員会、当委員会も含めまして、今後我が国が、自衛隊活動継続していくということが必要である場合に何が必要であろうかという点、御質問がございまして、それにつきましては、当然のことながら、今後イラク主権が移るわけ、言わばイラク人の人に主権回復をされていくということでございますので、その主権者たるイラク暫定政府というものとの間にどういう形で同意というものを確認するかというのは非常に大事なポイントになるということだろうと思います。  したがいまして、あとは具体的に、今回の安保理決議等々十分に精査した上でございますけれども、今先生のおっしゃられたような選択肢も含めて、どのような選択肢が最も適切であるかという吟味をして、イラク暫定政府の同意を確認するということになろうかというふうに考えております。
  84. 山本保

    山本保君 ありがとうございます。  私は、やはり中身についてはこれ以上私も分かりませんけれども検討するとなりますと、どちらの方法がより日本にとって、また世界に、イラクにとっていいのかといういろんな状況を客観的に出されて当然検討されるんだろうというふうに思いました。議論が、何か最初から多国籍軍に入るんだということをまず前提で議論が進んでいました、いるようだったので、ちょっとどうかなと思ってお聞きしたわけです。  じゃ次に、仮に今度は、仮でございますが、多国籍軍に参加したとしましても、これはもう、御質問で書きましたが、もう答えが出ていますので最初聞きませんけれども、当然武力行使とは一体化しないとか、憲法又はこのイラク特措法の精神といいますか、そこにあるもので動くということは当然だという御答弁があったので。  そこで、そのことを私も、我が国が主体的判断に基づいて人道復興活動支援等を行うと、こういうことが本当にできるのかどうかということですね。このことについては、やはり今までは別でしたから、協力でございましたから、ある程度できたと思っても、今度は、何ですか、ユニフォームされた、ユニファイドされた命令の下というような条文らしいです。そうなりますと、毎回毎回、私ども自衛隊に来たのが、いやこれはできません、できますなどとこう言っておったりしたんでは、これは大変、とても仕事にならないのではないかという気もするわけでありまして、この辺、間違いなく私どもの精神が発揮できるように活動ができるというのは、仮の話ですけれども、どのような担保が必要なんだということを、外務大臣、また後から防衛庁長官にもお聞きしたいと思います。
  85. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほど来申し上げていますように、自衛隊の位置付け、これにつきましては、安保理の一五四六の内容をこれから子細に検討をいたしまして、そしていろいろな議論、協議等を踏まえた上で、政府として適切に判断をしていくということになるわけでございます。  それで、したがって、今の時点で何ら確定的なことが言えるわけではないわけですけれども、いずれにしても、イラクの特措法、これの範囲内で自衛隊人道復興支援中心とした活動をしていく、そういう考え方でいるわけでございます。
  86. 山本保

    山本保君 そういうものであって、そして調整メカニズムをいろいろ使って、もちろん国際的日本の立場といいますか、それは御理解はしていただいているとは思いますけれども、いかんせん現場になりますとなかなか難しい、そごが出てくるかもしれない、そこで調整をするんだろうと思うんです。  そこで、これも全く仮の話で、私が考えたんですが、防衛庁長官にお聞きします。  今、一等陸佐の方が行っておられるわけですけれども、そうなってきますと、この多国籍軍という名前はともかく、この者がその中に、軍とは言うものの、人道復興支援というようなものの正式にきちんと付いた、位置付けられたものだと、こうなってきますと、この名称は別としまして、この中に、この中の指令なり、そこでいわゆる何をやるのか考え行う、その中の人道復興支援の部門などに私ども自衛隊のもう少し上級の方がきちんと入って、日本がそういう仕事だけできるようなことをするという、これはまた今までの自衛隊で考えれば大変なことですが、しかし戦いじゃないんですから、正に苦しんでいる人、戦争の悲惨をなくそうというための仕事をするわけですから、そういうふうに入っていくということも考えられるんではないかなという、全くの仮の話ですけれども防衛庁長官、いかがでございましょう。
  87. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先生御存じのとおり、今も御指摘をいただきましたが、今連絡官をバグダッドに置いておるわけでございます。タンパ、アメリカの中央軍司令部でありますとかバグダッドの多国籍軍司令部に連絡官を派遣しておりまして、これは佐官クラスを出しております。それでは、これの階級を上げるだけであれば、これを将補であるとか将であるとか、そのクラスを出そうと思えば出せるのですが、先生の御指摘はまさしくそれを、階級を上げるだけではなくてそれを多国籍軍の中で、人道支援部分だけでももっと責任ある立場に立てないかと、こういう御指摘だと思っております。  そのことにつきまして私どもいろいろ議論はいたしておるところでございますが、これは多国籍軍というものがどのようなものになっていくのか、その中で、まさしく先生おっしゃいますように、今回人道支援活動というのが明記をされました。それがきちんと本当にきれいにピュアな形で分離できるものなのだろうか、それを達成をするためにはどのようなことが行われ、その活動の範囲はどこでありということで、本当にピュアにそれだけというものが抽出でき、そこに日本がそのような立場で入るということは本当に可能なのかという議論がございます。  私どもとしてやらなければならないことは、いずれにしても我々の活動が、何度も同じことを申し上げて恐縮ですけれども、先生おっしゃいますように、憲法の趣旨、そしてまたイラク特措法の趣旨、これにきちんと適合するものでなくてはなりません。まず、そのことに専心をすべきなのではないだろうか。  多国籍軍がどのようなものになっていくかということの検討もこれから先いろいろとすることになりますけれども、まず私どもとしては、先生のおっしゃいますことももちろん視野に入れながら、今後の将来の課題として考えていくこともあり得るかと思いますが、まずは私どもはきちんとした人道支援、それがイラクの人々のために行われるように、そして今ムサンナ県というのを実施区域にしておるわけでございますけれども、実はいろんなところへ出たらどうだというお話もございます。しかし、今私どもが与えられている能力で、このムサンナ県というものは治安においてもあるいはニーズにおいても最も適合しておるというふうに判断をいたしておりますので、まずそこの活動をきちんとやるということを考えてまいりたいと思っておるところでございます。
  88. 山本保

    山本保君 ありがとうございます。  では、井上大臣に簡潔にお答えいただければと思うんですが、ちょっと話が変わりますが、武力攻撃事態等になった場合の在日外国人、いろんな方がおられると思いますが、永住されている方ぐらいを考えていいと思うんですが、こういう方々の基本的人権はどのように保障されるのかということを、原則だけで結構ですけれどもお答えいただけませんか。
  89. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) これにつきましても度々お答えいたしておりますように、憲法で保障します基本的人権につきましては、その性格上、日本人にしか認められないものがあります。例えば選挙権、被選挙権なんかそうでありますが、そういうものを除きまして、一般の外国人、これは居住者であれ旅行者であれ保護の対象になるわけでありまして、したがいまして、避難とか救難ですね、その他の保護措置につきましては当然のこととして適用されるわけでございますし、更に言えば、敵性といいますか、敵国家の国籍を持っている者についても同様に考えております。
  90. 山本保

    山本保君 本当はこのことはゆっくりお話合いをしたいところなんですが、時間がもうありませんので、ちょっと私の希望なり感想を申し上げて、できればちょっと簡単にコメントをいただきたいと思っております。  今のように、当然今のお話だと思っておりますが、私も戦争で自分の国の国民がというときだとすれば、仮に、そういうことはその程度というのは仕方がないのかなという気もしていたんですが、よく考えてみますと、もっと積極的に守ろうと言うのかなと思ったんです。  これは何ですか、私、初めて読んだんですが、もう御存じ、有名な人らしいですが、辛淑玉さんと言うんですが、「怒りの方法」という、この中身自体、私の専門でありますソーシャルスキルの話で非常に面白いんですけれども、その中に、在日ということだったそうなんでございますが、朝鮮半島との関係がきしんだときに、朝鮮半島との関係がどんなに危機的になっても日本国内にいる在日の人権は必ず守ると、そういう政治家が、発言した者はいないんじゃないかとか、大人の国というのはその国にいる外国籍住民の人権をどのように扱っているかによって決まるんだと、こう書いてあるんです。  私も最初、ううんと思っておったんですけれども、考えてみますと、なぜ攻めてくるのか、日本の富を持っていくとか人を殺すとか、そんなことはない。今やらなくちゃいけない、正に人心を、日本国民の中に非常に疑ったりお互い同士のもう信頼感をなくしてしまうようなことを正に混乱を起こして、そして言うなら、自分たちの役に立つような政府を作ったり、何かそういうことなんだろうと。そうなりますと、正に私どもは、一緒に住んでいる方々がふだんからもっとお互いに仲良くできるようなそういう関係を作っていって、こういうことがいったん事があったとしても、その関係をより強くしていくことが正に日本人一人一人が国を守るということの基本じゃないかという気がしたものですから、お話は分かるんです、当然憲法にある範囲内ですよということですが、私はもう少し積極的に打ち出すべきではないか。抽象的で申し訳ありませんが、そんな気がしましたので、大臣に一言コメントいただければと思います。
  91. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 確かにこの法律の制度としましては、外国人にも日本人と同じような権利が保障される、もちろん今申し上げましたように、特定の権利については日本人しか認められませんけれども、それを除きましては権利は認められるんでありますけれども、さて、現実にどうなのかという問題、今委員は御指摘そこだと思うんであります。制度あるいは権利は、さはさりながら、現実の問題としてお互いが仲良く生活できるような、そういう環境を作っていかないといけないんじゃないかという、これはもう当然のことでありまして、私どもも、したがいましてやっぱり関係、各国との、何といいますか友好関係というのは、そういう本当にところまで来ないといけないわけですね。単に外交とかあるいは国内の制度がそうだということだけではなしに、お互いが、何というか、ともに生活をする、仲良くしていくような、そういう状況を作っていかないといけないと、私もそう思います。
  92. 山本保

    山本保君 終わります。  ありがとうございました。
  93. 小泉親司

    小泉親司君 私は、質問をする前に委員長に申し上げます。  私は、理事会でこの法案の審議が非常に十分な時間が取れないこと、その意味で審議未了、廃案だということを指摘してまいりましたけれども、実際に定足数にも満たないじゃないですか、今。そういう形で私は審議を続けるというのはこれは問題だと思いますよ。こういう、しっかりしてくださいよ。
  94. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 定足数にはなっているそうです。定足数を満たしているそうです。
  95. 小泉親司

    小泉親司君 満たしているか。満たしていないよ。  私は、こういう瞬間、もう私、理事会でもこれ何遍も言ってきたんですよ、瞬間的にこれ定足数を満たないなんという事態は重大な問題だと。これだけ憲法上、しかも国の進路上問題だ、重要な問題だと言っておきながら、こういう審議の在り方というのは私は非常に問題だというふうに思います。  そこで私は、今日は多国籍軍への自衛隊の参加問題について質問をいたします。  まず、外務省の概要によりますと、小泉総理大臣は日米首脳会談で様々のことを言われております。新聞では、多国籍軍への参加表明というようなことも言われた。同時に、来週、小泉内閣は多国籍軍への参加の決定をするということも報道をされております。  そこで、私、こういう形で多国籍軍の参加の問題について、日本国民に説明する前にアメリカのブッシュ政権に説明するというのは私は重大な問題だというふうに思いますが、一体その真意は何かと聞きましても、小泉総理大臣に聞くわけじゃないので、まず私、外務大臣にお尋ねしたいのは、一体小泉内閣総理大臣がブッシュ政権との間でどういうことを日米首脳会談で言ったのか、そこを正確に私は言っていただきたい。例えば、来週決定するようなことは言わなかったのか、多国籍軍参加についてはどういうことで言ったのか、この点まずお尋ねしたいと思います。
  96. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 言った内容の事実関係でございますので、政府参考人からお答えをさせたいというふうに思います。
  97. 長嶺安政

    政府参考人(長嶺安政君) お答えいたします。  六月八日に米国シーアイランドで行われました今回の日米首脳会談におきましては、イラクの問題、北朝鮮の問題、サミット全体の問題等様々な問題について意見交換が行われましたが、ただいま委員御質問のイラクの関係でございますけれども、この問題につきましては、総理より、日本として、イラク暫定政府にも歓迎される形でイラク人道復興支援特別措置法に基づく自衛隊の派遣を継続する考えであり、これとODAを活用した資金協力を車の両輪としてイラクの再建に努めていく考えであるということを表明されたと。これに対してブッシュ大統領からは、日本の貢献を高く評価すると、こういう内容があったということでございます。
  98. 小泉親司

    小泉親司君 外務大臣、来週こういう政府決定をするんだというようなことは、小泉総理大臣からはブッシュ大統領にお話しにならなかったんですか。
  99. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、政府参考人からお話を申し上げたとおりでございまして、いつ決定をするとか、そういうような具体的なことはなかったというふうに承知をいたしております。
  100. 小泉親司

    小泉親司君 私、ここにアメリカの政府高官が日米首脳会談にやって行われたバックグリーフィングというのを持っております。この中で、小泉総理大臣とブッシュ大統領の会談が、大変小さい字で三ページにわたって、どういうことをやったか、質疑応答も書いております。  その中で、一番初めに小泉総理大臣が何をやったか。弔意を示した。私は、弔意を示したと言ったから、レーガン元大統領が亡くなったんで弔意を示したのかと思ったら、違う。ブッシュ大統領の犬、スポット君という犬の弔意を表したと。こんな私、でたらめな話が、まず冒頭からこれが始まるなんというのは一体何のことをやっておるのか、私は、本当に御自分の立場を総理大臣がお分かりになっておるのかどうなのか、よく私は分かりません。  ただ、ここの中で言っていることは、自衛隊の派遣を継続すると、その継続は何によって基づいているかというと、いわゆる、来週東京において新たな決定をする、それに基づいてブッシュ大統領に小泉総理大臣が説明したってちゃんと書いてありますよ。  説明違うじゃないですか。ブッシュ大統領にやる説明と日本の国会でやる説明とは違うんですか。
  101. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 米国のそのスポークスパーソンの言ったことについて私は承知をいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、自衛隊の位置付けにつきましては、これは今回のそのサミットでの議論ですとか、それからその各国との関係での協議ですとか、そういった様々なことを踏まえて、我が国としてどのような形で自衛隊を位置付けるかということについては、総理がお帰りになった以降、今後、政府の中で適切に判断をしていくということでございます。
  102. 小泉親司

    小泉親司君 私も日米首脳会談というのは三年にわたって毎回毎回取材してまいりましたけれども、これは日本政府もアメリカの政府もブリーフィングやるんですよ。これは、日本政府には我がしんぶん赤旗は入れてもらえません。しかし、アメリカの方の政府政府高官の記者会見は入れてくれるんですよ。詳細に質問もできる。そのことを別に自慢するわけじゃありませんけれども。  実際にこの政府高官の背景説明の中では、小泉内閣総理大臣自衛隊継続をする、この継続するったってずっと進んでいるんですから。ところが、来週新たな決定をするんだってちゃんと書いてあるんですよ。私はこういう説明を外務省が行わないというのはおかしいと思いますよ。実際ここはそういうことが書いてあるということを私、指摘しておきたいというふうに思います。  そこで、それじゃ、多国籍軍への自衛隊の参加の問題、私はお尋ねして、この問題については、もう私は今国会でもう初めから繰り返し繰り返しこの問題追及してまいりました。もうこれは五か月にわたる。これまでも、川口外務大臣石破長官はよく御存じだと思いますが、私は、この多国籍軍への自衛隊参加問題というのは、これは重大な問題、とりわけ憲法上の大変重大な問題だと思います。  そこで、法制局長官、私、お尋ねをいたしますが、六月一日の私の質問に対しまして法制局長官は、我が国として、これ言いますとちょっと皆さん分かりにくいから、ちょっと私の説明をしますと、これまでの政府見解は、武力行使ということが含まれていれば参加できないんだと、しかし、あなたの見解は、武力行使と人道復興支援と両方がそれが含まれるものがあれば、それは人道復興支援という分野でできるんだと、こういう見解を六月一日の見解で私に示された。そこであなたは、私の更にある質問に対して、従来の見解を繰り返したものだと言っておられる。  しかし、私はこれは、例えば九〇年の見解の中で、多国籍軍の司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味して、参加というのは意味して、国連軍に、つまり多国籍軍に参加することは、当該多国籍軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊が当該多国籍軍に参加する場合と同様、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものであって、憲法上許されないと。多国籍軍が武力行使という目的を含んでいれば参加できないというのが今までの見解、これを法制局長官はお認めにならないんですか。
  103. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) ただいまのは平成二年の中山外務大臣の答弁ということでございますけれども、ここで申しまして、おっしゃったことは、目的、任務に武力の行使を伴う多国籍軍については、自衛隊がこれに参加することは憲法との関係では問題があると。この場合の参加とは、当該多国籍軍の司令官の指揮下に入り、その一員として行動を取るという意味であると。その場合には、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えていると。これは、当然のことながら、こういう形で武力の行使をする、あるいは武力の行使と一体となるような形で我が国行動するという問題、それを念頭に置いて九条の規範との関係でお答えになっているわけでございます。  それで、なぜそのようなことが憲法上問題になるかといいますと、ただいま申し上げたような意味で、当該多国籍軍に参加、つまり司令官の指揮の下に入り、その一員として行動を取るという意味でございますが、そういうことをやりますと、正に司令官の指揮下で命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るという意味におきまして、自衛隊活動が武力の行使に及んだり、他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することが困難であるからでございます。  別の言い方をしますと、当時はいわゆる湾岸多国籍軍、軍事的目的を武力の行使によって達成することを、ほとんど専らそのための多国籍軍ということを念頭に置いて考えてきたわけでございますが、個別具体の事案における多国籍軍の任務や目的、これは様々でございまして、その目的、任務、編成の在り方いかんによりまして、当該多国籍軍の司令官の指揮下でその命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るといったことがない、すなわち、自衛隊活動が武力の行使に及んだり他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することができる場合であっても我が国としてこれに加わることができないという趣旨のことを申し上げたことではございません。  これは九条との関係でこのような見解をずっと述べてきているわけでございますので、その趣旨あるいはその基本的な淵源といいますか、そこを考えていただければ御理解いただけることではないかと思います。
  104. 小泉親司

    小泉親司君 いや、私は全く理解ができない。  説明していただきたいのは、憲法九条で認められないものは、ここで書いてあるのは、指揮下に入り、それからその多国籍軍の目的が武力行使を含む、含んだら駄目だということを言っているじゃないですか。あなたは含んでいても違うことがあればいいんだと、そういうことを御説明になっている。これは今までの従来の見解と全く違いますよ。
  105. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) その目的、任務に武力の行使を伴う多国籍軍、あるいは含む多国籍軍について参加することは憲法との関係で問題があると申しましたのは、正に九条との関係で、繰り返しになりますが、その司令官の指揮下でその命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るということが、武力の行使に我が国が及んだり他国の武力の行使と一体化することがない、そういう前提を確保することが困難であるからと、そういう意味で申し上げているわけでございます。したがいまして、武力の行使、今のような行動を取ることがない、我が国が武力の行使に及んだり他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することができる場合にありましても我が国としてこれに加わることができないという趣旨のことを申し上げてきたものでございません。これは累次、憲法九条との関係で、我が国は、自衛のための必要最小限度の場合を除きまして、武力の行使、あるいは他国の武力の行使と一体となるような行動も含むわけでございますが、これはできないという、そういう考え方に基づいて申し上げてきたものでございます。
  106. 小泉親司

    小泉親司君 駄目ですよ、そんなでたらめ言っちゃ。この九〇年の見解というのはどういう見解だったかというと、法制局長官、参加と協力という問題を分けた、あなた方は分けたんです。そうでしょう。  参加については、指揮の統一、指揮権に入るということ、それからもう一つは武力行使をその多国籍軍国連軍が任務を持っているということ、その二つの条件でもって、これは参加はできないんだと、憲法上許されないんだと。しかし、協力という問題については、武力行使と一体化をしなければ、しなければ、それについては個別に検討をする場合があるんだという見解がこの九〇年の見解なんじゃないんですか。  これね、あなた、ごっちゃごちゃにしちゃ駄目ですよ。それは、元々この憲法の見解というのは明確に、指揮下に入りその一員として行動することを意味し、当該多国籍軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば駄目だと。  あなたはこの前の見解で何と言ったか。武力行使のみを言っているじゃ駄目なんだけれども、それに附属していろんなことをやっていればいいんだとおっしゃった。しかし、この見解は明確に武力行使を、入っていたら駄目だと。その点については法制局長官、お認めになるんですか。そこをはっきりさせてください。あなたは何かごちゃごちゃと訳の分からぬことを、私、私は、訳の分からぬことを言っておるんだけれども、言っておるけれども、そこのところはどうなんですか。あなた、そこを明確にしてください。
  107. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 九〇年見解で……
  108. 小泉親司

    小泉親司君 駄目だよ、混乱してるよ、整理してよ。
  109. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) ごめんなさい。  多国籍軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば、それは自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと考えているということでございまして、その意味は、先ほど申しましたように、当該多国籍軍にそのような意味で参加することが、正に多国籍軍の司令官の指揮下に入りましてその命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るという、そういう意味において、自衛隊活動が武力の行使に及んだり他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することが困難であると、そういう理由に基づきましてこういう見解を述べているわけでございまして、その含むという意味は従来から政府としてはそのようなものとして考えてきたわけでございます。
  110. 小泉親司

    小泉親司君 違うんだよ。それは法制局長官、それは全然違うんだよ。どこが違うか。つまり、憲法九条は、武力行使を任務としていたら、事実上それに参加してしまったら、いいですか、参加してしまったら武力行使と一体化の問題というのが出てこれはこざるを得ないだろうと、だから実際にここは参加という問題については憲法上はできないんだと。しかし、それに対する協力という問題、つまり支援をする、援助をする、こういう問題については、その場合は武力行使と一体化する、私は武力行使一体化しないとは思っていませんけれども、一体化する、ないしはしない場合もある、だからそこは線引きができるんだというのが今までのあなた方の解釈じゃないですか。政府の説明じゃないですか、あなた方の。  そんなでたらめなことを言っちゃ駄目ですよ。九〇年見解というのはそれを明確に言っているんです。そこをお認めになるんですかと、私はあなたに言っている。全然、あなたは答えていないですよ。  背景がそういうものだって、それは武力行使の一体化論というのは、あなた方の一体化論というのは、ずっとやってきたから私はよく知っていますが、その一体化論というのは協力の問題でこの九〇年見解というのが出てきた。第一項は明確に、その武力行使の一体化論なんて言っていないんですよ。それは背景としてあなた方のあったということは、あなたが幾ら説明してもいいけれども、実際には、これ自体は明確に多国籍軍が武力行使の目的を持ったものであれば参加できないと。  これは、例えば最近の三月三日の、これは別に川口外務大臣のことを責めているわけじゃありませんけれども川口大臣も同じような見解で、「当該部隊等が武力行使自体を目的、任務とするものであれば、憲法上許されないと考えております。」という答弁なんです。歴代の人たちは皆さんあなたの答弁を、みんな、あなたじゃない、法制局の見解を全部言っておられるわけです。だから、あなたの説明というのは、明白にその説明としては違うじゃないですか。  だから、私がお聞きしているのは、第一項のいわゆる国連、多国籍軍、これ、国連軍を多国籍軍と読み替えていますので、多国籍軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば、つまり伴ったら、武力行使を含んでいたら駄目だと、憲法上参加できないということが明確じゃないですか。一体どこが違うのか明確にしてくださいよ。
  111. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) その答弁の中で、そのような参加をする場合には、これは我が国行動が自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものであるから憲法上許されないと考えていると述べております。なぜ自衛のための必要最小限度の範囲を超えるかといいますと、それは、我が国の武力攻撃が発生した状況において必要最小限度の自衛力を行使するという範囲を超える武力の行使につながるものであるから憲法上許されないというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、そのような前提がない、すなわち、当時は正に湾岸多国籍軍型のものを念頭に置いて考えてきたわけでございますが、多国籍軍にも……
  112. 小泉親司

    小泉親司君 違うよ、全然駄目だよ。それ、議論にならない。
  113. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) その目的、任務等各種のものがあるということを前提として考えてみますと、今のような、我が国として武力の行使あるいは武力の行使と一体化することがないという前提を確保することが困難であるというような状況がない、そのような条件が確保された場合におきましては我が国としてこれに加わることができないということ、そういう趣旨のことを申し上げてきたわけではございません。
  114. 小泉親司

    小泉親司君 全くへ理屈ですよ。じゃ、私の答弁に、答えてください、法制局長官。  つまり、目的、任務を含んでいれば駄目だとあなた言ってきたじゃないですか、今まで。それがどうなんだと聞いているんですよ、そんな別に背景を聞いているんじゃないんですよ。
  115. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) その目的、任務を含むものという背景と申しますか、その意味、解釈を申し上げているわけでございます。  その目的、任務が、そのような場合に、多国籍軍の司令官の指揮下で命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るという場合には、我が国として武力の行使に及んだり他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することが困難であるから、そのような理由でもって武力の行使を目的、任務に含む多国籍軍に、いわゆる定義された意味での参加をすることは憲法上問題が生じるということを申し上げているわけでございます。
  116. 小泉親司

    小泉親司君 だから、法制局長官、私がお聞きしているのは、武力行使を含んでいたら、いいですか、長官いいですか、武力行使を含んでいたらこれには参加できないんでしょう。そういう見解だったんじゃないんですかとお聞きしているんですよ。  例えば、それじゃ、あなたが言っているのは、参加と協力というのが見解であったんです。協力というのは、先ほども、何遍も私に説明しないでください、あなた方が説明したことなんだから。参加は含んでいたらできない、なんですねと。簡単なことをお尋ねしているんですよ。違うんですか。
  117. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 正に今委員がお尋ねの、参加は含んでいたらできないという意味、その考え方の解釈と申しますか、それを説明しているわけでございまして、それは、そのような状況におきまして、司令官の指揮下で命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るという意味におきまして、我が国の憲法上、憲法九条との間で問題が生ずるということでございまして、多国籍軍もいろいろな態様のものができてくるという可能性を前提といたしまして、その今言ったような多国籍軍の武力の行使と一体化しない、あるいは我が国として多国籍軍の武力の行使に及ぶというようなこと、前提を確保することができない場合、あるいは我が国として多国籍軍の武力の、失礼しました、他国の武力の行使と一体化することがない、あるいは他国の武力の行使、我が国として武力の行使に及ぶということがないということを、前提を確保することができる場合には、我が国としてこれに加わることができないという趣旨のことを申し上げてきたわけではございません。
  118. 小泉親司

    小泉親司君 私の答弁に、答えておりません。ちょっと何とかしてくださいよ。ちょっとこれ、議論にならないですよ。  委員長、お分かりのように、議論にならないですよ、これじゃ。  いや、同じことを繰り返したって同じなんだから。ちょっと。
  119. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 文章表現には多様な解釈といいますか、理解のしようがあると思いますけれども、私どもの理解ではそのようなものとして考えてきて、したがいまして、そのような前提が確保される、つまり我が国として武力の行使をしない、あるいは武力の、他国の武力の行使と一体化しないということが確保される場合に、このような憲法上の観点からいって我が国としてその行動に参加すると、失礼しました、行動に加わるということが排除されるものではないということでございます。
  120. 小泉親司

    小泉親司君 私、それは本当に私が説明したことに対して、法制局長官、全然お答えにならない。  私、じゃもう一つお尋ねしますが、今度のあなた、多国籍軍、新しい決議、一五四六決議、この決議に基づいて、あなたはさっき個別に検討するとおっしゃった。個別に検討することは結構ですが、一五四六決議は具体的にはこれは統一指揮の下に多国籍軍はあるということを明示されておりますですね。そうすると、実際に今度の、今までの見解は、武力行使を含むものについては駄目だということと同時に、それは統一指揮下に入ると駄目だと。多国籍軍自体が統一指揮下に入る、統一指揮下でもって活動すると言っておるのですから、それも入れるという御見解なんですか。法制局長官、いかがですか。
  121. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) ただいまの点は、先ほど若林委員にお答えしましたとおり、新しい国連決議の内容を検討し、他国との協議等も踏まえた上で政府として適切に判断していくということでございますので、今の段階で確たることは申し上げられませんが、統一指揮というその意味が、当該多国籍軍の司令官の指揮下でその命ずるところに従い武力の行使に関連する行動を取るという意味でありましたら、そのような多国籍軍我が国自衛隊が参加することは憲法上問題があるというふうに考えます。
  122. 小泉親司

    小泉親司君 じゃ、法制局としては、今度の一五四六決議、これはもう決議されていますから、どういう評価されておるんですか。
  123. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) それは、むしろただいまの新しい国連決議に基づきます統一的な指揮の下にということが実際上どのような意味、運用をなされるかということで判断されるべきものであると考えます。
  124. 小泉親司

    小泉親司君 私は、この、あなた、だんだんだんだん今までの見解をどんどんどんどん踏み破ってくるけれども、あなた、自分自身ですよ、これ今説明あったように、いわゆる多国籍軍の指揮下、これは多国籍軍が統一指揮下にあると言っているんだから、指揮下に入ったら駄目だと言っているのにその形態がどういうふうになるか分からないなんて、そんなことでですよ、見解曲げちゃ駄目ですよ。そこをはっきりさせてください、あなた。これは駄目です。
  125. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) その統一的な指揮下の下に入るという表現が入っていることは承知しておりますが、その具体的な運用それから編成の内容、それらに即しまして、それがその多国籍軍の司令官の指揮下でその命ずるところに従い我が国として武力の行使に関連する行動を取るという意味なのかどうかということは精査する必要があると考えております。
  126. 小泉親司

    小泉親司君 あなたね、統一した指揮下にあると認めておきながらですよ、それが具体的にどうなるか分からないなんて、それは、それはないですよ。そんな見解はございません。それちょっと明確に政府見解から逸脱しております。  委員長、これちょっと何とかしてください。これは全然逸脱している。ちょっと。
  127. 清水達雄

    委員長清水達雄君) いや、それはお互い質疑をやっているんですから、やってください。
  128. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) マルチラテラル・フォース・アンダー・ユニファイド・コマンドということだろうと思いますけれども……
  129. 小泉親司

    小泉親司君 よく御存じじゃないですか。
  130. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) その意味が先ほど申しましたような意味なのかどうかということは、今後の検討課題であると考えているわけでございます。
  131. 小泉親司

    小泉親司君 駄目だよ、そんなもう議論は。統一した指揮下だって、あなたお認めになったじゃないですか。実際にその指揮下に入るんだから、統一した指揮下と言っている以上入る。これを私はこの前も占領軍の、今の一五一一決議に基づく占領軍のホームページでも、既に自衛隊がイギリス軍の指揮下に入っているということを連合軍のホームページが言っているんですよ。そうなってきたら、事実上、あなたが言っていること、つまりそうなってきますとですよ、あなたが言っている、一つは武力行使を、のみの目的じゃ駄目、のみの目的であれば駄目だけれども、両方の目的が入ったら参加できるんだと。指揮下についても、統一指揮下は認めるけれども、その指揮の具体的な態様についてはこれは個別の検討だというようなことをおっしゃったら、あなた、自分でいろいろ言っておられるけれども、じゃ実際、じゃそこで、法制局長官、お聞きしますが、一四四六決議というのは、あなたの新見解、これを満たしているんですか。十分満たしているじゃないですか、あなたそう言っているということは、ということになりますよ。
  132. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 国連決議の有権的な解釈はちょっと私どもできかねるところでございますが、少なくとも現在の自衛隊は多国籍軍と離れた存在として活動しているわけでございまして、これについて憲法上の問題がないということを私どもは了解しているわけでございます。
  133. 小泉親司

    小泉親司君 違う。答弁に、答えていない。答弁になっていません。  私は、国連決議一五四六決議はあなたの見解を、一般的にした見解を満たしているか満たしていないか、どっちなんだと聞いているんです。満たしたことになるだろうと聞いているんです。
  134. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 正にそれは、国連決議の内容、それから各国との協議などを踏まえた上で政府として適切にこれから判断していくべき問題でございます。
  135. 小泉親司

    小泉親司君 駄目だよ、これ。全然議論にならない。ちょっと止めてください、委員長、これ。ちょっと議論にならないよ。速記を止めてくださいよ。今の話は議論にならない。答弁していないもの。
  136. 清水達雄

    委員長清水達雄君) いや、お互いに一生懸命やっているんですから仕方がないんじゃないですか。
  137. 小泉親司

    小泉親司君 私は、これは法制局長官、あなたはいろんなことを、英語の訳まで知っていまして、いろいろと検討しているのに、私が、一五四六とあなたの、法制局長官の一般的見解と同じだろうと、答えていないじゃないですか、あなた。駄目ですよ、そんなごまかしじゃ。どんどんどんどん、あなた、自分で実態論的には説明しておいて、ちょっと待ってください、そこ、ちょっと総理のところに座っていて。説明しておいて、そんな見解をどんどんどんどんエスカレートしたら重大な問題ですよ、あなた。これは憲法上の問題なんだから。
  138. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 英語の表現はたまたま表現、記録、記憶しているということと、それから、その実態に踏み込んで判断ができるかということとは別の問題であり、それらについては今後の課題であると考えております。
  139. 小泉親司

    小泉親司君 私は、これはもう本当にでたらめで、どんどんどんどん今までの見解を私は法制局長官が本当にエスカレートさせていると。私は、いや、違うっておっしゃるけれども、明確に違うじゃないですか。あなた、従来の見解を繰り返したものだと、この前私にすき間を埋めたんだと言ったけれども、すき間じゃないですよ。明確にこれは参加表明をどんどんどんどん進めるためのエスカレートの発言、これは答弁以外にない。  この意味で、私は、自衛隊への多国籍軍の参加は憲法上認められないと、あなた方の政府見解からしても憲法上絶対に認められないんだということを私、重ねて質問をさせて、指摘をさせていただきたいと思います。  もう一つ、私、重大な問題についてお尋ねをさせていただきます。  米軍支援法では初めて準備行動ということを規定された。そこで、私お尋ねしますが、この準備行動についていろいろこの当委員会でも議論がございました。で、大臣も御承知のとおりであります。これは、外務省の見解はどういう根拠だという質問に対して日米安保条約五条に基づくものだというふうにおっしゃった、これが根拠だと。そうなりますと、一番大きな問題は、例えば準備行動の中で、これはもう内閣府で答弁しておりますから、どういう内容かと私もお聞きしましたら、それは例えば米軍が来援する、米軍がどんどんどんどん日本に寄ってくる、こういうものだということを答弁をいたしました。となりますと、日米安保条約五条の適用、に基づくものだと、しかも来援する米軍がやってくると、じゃこれに対して公海上で米軍に対する攻撃があった、こういう場合については法制局長官、これは個別的自衛権の対象になるんですか。これは日米安保条約五条の共同対処一つの条件、対象になるんですか。
  140. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) これは具体の状況により判断されるべきものと思いますけれども、お尋ねのような、我が国に来援のために向かっている米軍が公海上で攻撃を受けたという場合に、我が国としてどのような対応ができるかという問題は、そのような攻撃が自衛権発動の要件のうち、我が国に対する武力攻撃の発生に該当するかどうかということで決まるわけでございます。  それで、理論的にはこれが我が国に対する組織的、計画的な武力の行使と認定されるかどうかという問題でございまして、個別の事実関係において十分慎重に判断すべきものでありますが、仮に当該攻撃が我が国に対する武力攻撃に該当すると判断されるということも法理としては排除されないというのが政府の考え方でございます。  この場合には、我が国として自衛権を発動して武力を行使し、我が国を防衛するための行為の一環として当該米艦の防衛をすることもあり得る、法理的にはあり得るものと考えます。
  141. 小泉親司

    小泉親司君 これは重大な答弁で、そうすると法制局長官、例えば武力攻撃予測事態になった。よろしいですか。そうすると、米軍支援法、円滑法が働く、米軍が来援してくる、その来援したものが公海上において攻撃を受けると。それが、例えば政府がこれは連関していると判断したら日米共同対処をする、つまり個別的自衛権の対象として日本自衛隊が米艦を守ることがある、こういう見解なんですか。これは重大ですよ。
  142. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) この点は繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、結局は、その攻撃が我が国に対する組織的、計画的な武力の行使と認定されるかどうかという問題でございまして、そういうような認定をされました場合においては共同対処の一環として当該米軍の艦船を防衛することもあり得るということでございます。  ただ、これにつきましては個別の事実関係において十分慎重に判断されるべきものであると考えるというのが政府の従来の考え方でございます。
  143. 小泉親司

    小泉親司君 あなたね、従来の政府の答弁と変わっていないと言い、個別に判断すると言いながら今までの政府解釈を、これどういうふうにこの問題については、例えば、例えば私はこの問題については非常に重大だと思うのは、例えば周辺事態と武力攻撃予測事態が併存しているという問題がこの当委員会でもいろいろ議論になった。実際に、私は米軍が、これは武力攻撃予測事態用の軍艦が来援した、これは周辺事態用の軍艦が来援した、そんな話は全く私は成り立たない議論だと思いますので、当然のこととして米軍が一体化して、米軍自体は一体のものでありますから、じゃ実際周辺事態で戦っている米軍が日本の基地へ戻ってきた、ところがそれが攻撃を受けたということになったら、法理上自衛権のこれは対象になって自衛隊が米軍を守ることがあり得るんだというようなことになったら、実際に完全にこれは周辺事態がもう自動的にこれは日本の武力攻撃への呼び込む論理以外の何物でもないんじゃないですか。  この点、法制局長官、これは、あなた変えてないとおっしゃるけれども、今までは武力攻撃が起こったときにその自衛権は公海、公空上に及ぶ、これは今まで見解がありましたよ。武力攻撃予測事態でそういうことが、あなた、できるんですか。そんなことができるんですか。そうしたら、あなた、自衛隊は米軍守るために武力を行使することになりますよ。そうじゃないんですか。
  144. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) いわゆる武力攻撃事態法の審議の過程におきまして、質問主意書に対するお答えとかあるいは委員会におけるお答えとかで申し上げてきたことと同様のことを今申し上げたわけでございます。  それで、言うまでもなく、一般論として申し上げますれば、自衛権の発動の要件を満たしていない場合には我が国としては武力の行使はできないと、それから他方、我が国として自衛権発動の要件を満たしている場合には自衛権を発動して米軍と共同対処ができるというその原理を申し上げているだけでございます。
  145. 小泉親司

    小泉親司君 じゃ、武力攻撃予測事態でも同じようなことがあるんですか。
  146. 秋山收

    政府特別補佐人(秋山收君) 予測事態と認定されているか否かを問わず、我が国来援のために向かっている米軍の艦船が公海上で攻撃受けた場合、これが我が国に対する武力攻撃の発生であると認定される場合には、法理として自衛権の発動をすることは排除されないということを申し上げているわけでございます。
  147. 小泉親司

    小泉親司君 あなたね、法理としてということは、現実にそういうことができる可能性だってそれはあるわけで、そこを私は大変重大な問題だと思います。  私、多国籍軍の問題と今度の米軍円滑化法、いわゆる米軍支援法案における日米共同対処の問題ただしてまいりましたけれども、いずれもこれ、憲法上にかかわる重大な問題でありますから、その点で私は、あなたもう何遍も慎重に慎重にとおっしゃるけれども、全然慎重じゃない。私は、こういう政府見解を次々と崩していくのは私は重大な問題だということを指摘して、私、引き続き審議やらせてもらいますので、徹底して私はこの法案は審議をしたい。特に、もう時間もないのに強引に押し切ることは絶対に認められないということを申し上げて、質問を終わります。
  148. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田でございます。  私は、これまでの有事法制の議論を聞いておりまして、どうも余りにも抽象的過ぎて戦争の実態に即していないというある種の失望感を抱いております。  戦争というのは、本当に中に立ち入ってみなければ分からないと思うんですが、例えば、せんだって私は、この法案の中にいろいろと、国民保護法制の中にですね、県知事を始め市町村長その他の自治、地方自治体の長というものが一般住民を避難させるというような規定が一杯書かれているわけですが、戦争が実際に始まってみると、この間私が申し上げたように、県知事を始め県首脳が逃げていくわけですよ。そういう場合に、一体どう対応するんですか。  井上長官大臣お願いしたいんですが、この法案に書かれている県知事を始め地方のその行政、地方自治体の首長というものが住民を避難させるその責任を負わせる格好になっているわけですが、肝心の県知事や地方のその、地方自治体の幹部が逃げたときに罰則はありますか。
  149. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 武力攻撃を受けました場合は、これは国だけではなしに、御指摘のように、都道府県とか市町村、それから関係の人たち、広く国民一般ですね、の皆さん方の御協力がなければ有効なこの対応はできないと私は思うんでありまして、今委員がおっしゃるようなことになりますと、すなわち事態が起これば責任者が逃げてしまうようなことというのは、これはとてもこれ、戦争をするような状況じゃないわけですね。したがいまして、こういったことにつきましてのその各位のこの理解を求めていくということだと思うんであります。    〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕  いったん事態が起これば、やはりみんなが協力をしてそういう事態対処する、そういう体制を作っていかなくちゃいけないと、そんなことを痛感をいたします。
  150. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 せんだって防衛庁長官に、戦争の場合に超法規的にならずに、超法規的にならずに戦争実際にできますかという質問をしましたら、そうしないようにやっているという趣旨の御答弁がありました。しかし、現在の、現行法規を全部、全部じゃないんですが、現行法規に随分と適例を、適例、適用例を、現行法規をそのまま適用するんじゃなくて、適用除外というものを設けて自衛隊活動というものを円滑にしようとしているわけですね。そのこと自体、超法規的じゃないですか。
  151. 石破茂

    国務大臣石破茂君) いや、それ逆でございます、それは。適用除外をすることによって超法規でないようにしようということでございまして、適用除外にすること自体が超法規ではないかというと、それ何となく言語矛盾みたいなお話になるわけでございますが、適用除外を設けることによって超法規になることを避けるということで、法体系の中ではそうなるわけでございます。
  152. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 私が、戦争の実態を知らないで法律を作っているんじゃないかという疑念は絶えず持ち続けるということは、私は個人的なこと申し上げたくないんですが、実は私たちは、せんだって申し上げたように、超法規的に守備軍司令官の部下の口頭によるただ一言で動員されて、そして、着る物もなくて、半そで、はんこのぺらぺらを着けて、靴もなくて鉄かぶともなしに、手りゅう弾二個と銃と百二十発の銃弾を持たされて戦場に出されたわけですよ。私の同期生なんか百四十二名おりましたけれども、生き残ったのは三十四、五名しかいないわけです。そういう実態を見ますと、ここでいろいろとこう議論していることが余りにも戦争の実態を知らないような議論ばかりに聞こえるわけなんですね。    〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕  ですから、例えば超法規的に我々は動員されたわけですから、その問題について、戦後、政府が一度もきちっと調査もしないし、補償も全くしていないわけですよね、戦死した人たちに対しても。一杯今回の国民保護法制の中に補償措置とかなんとかと言っているんですが、六十年近くたった今日、補償されていないという実態が一杯あるわけですよ。ですから、そういう状況の中でこの保護法制なんというのを聞かされてもほんまかいなという気になるわけですよ。  ですから、その辺を是非とも、法案をお作りになる方々は、この間申し上げたように、自衛隊のOBが沖縄戦を研究することによって有事体制というものの問題がよく分かるということを言っておるということを申し上げたわけなんですが、もう少し本当に沖縄戦のことなんかも教訓として学んでいただきたいと。  つまり、伺いますが、例えば外務大臣、沖縄戦でどれだけの住民が亡くなってどれだけの兵隊が亡くなったか御存じですか。
  153. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 私の記憶では、二十万人ぐらいだというふうに記憶をいたしております。
  154. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 つまり、私がここで申し上げたいことは、第一次大戦からベトナム戦争を経て今日の戦争に至る歴史的な背景を調べてみますと確実に、第一次大戦の場合は職業軍人の犠牲者が九五%で民間人が五%程度だったんですが、朝鮮戦争、ベトナム戦争を経てきて湾岸戦争なんかに至ると逆転していて、今は民間人が九五%犠牲になり、職業軍人は五%しか犠牲にならないという統計資料なんかに出ているわけなんですね。そういう状況の中で国民保護するということ、一体九五%の一般市民が犠牲になって何が守られるかということをもっともっと真剣に議論する必要があると思います。  さて、そういう前置きをいたしまして、具体的に質問させていただきます。  国民保護法案の第四条一項において、国民協力を要請されたときは必要な協力をするように努めるものとすると規定されています。また、同条第二項では、「前項の協力国民の自発的な意思にゆだねられるものであって、その要請に当たって強制にわたることがあってはならない。」と規定されています。しかし、本法案は第百八十八条で、「指定行政機関の長の命令に従わなかった者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と規定しているほか、同条、第八十九条では、特定物資の保管命令違反には六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処すると規定しています。さらに、第百九十条、第百九十二条、第百九十三条などにおいても違反者に対する刑事罰を規定しているわけですが、罰則を設けての協力というものは実質的に強制的になりませんか。大臣、いかがですか。
  155. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 極めて限られた場合に罰則でもって担保をいたしておりますけれども、その場合はどうしてもそういったことが必要だと。それは、国民保護するという視点から、あるいは日本の国を守っていくという上からどうしても必要だというもの、大変限られたものだと思いますけれども、そういうものにつきましては罰則をもって担保をしておりますけれども、本法案の四条の一項、二項にありますように、協力を求める、その場合の協力の義務ですね、二項の場合は、それは自由意思によって協力するかどうかを決めるんだという、これが一般原則でございまして、文字どおりこの四条の規定を読んでいただきたいと思います。  今お挙げになりましたそれらの条文で罰則規定が付いてあることはよく承知をいたし、ありますけれども、極めて例外的なもので、それぞれの特別の理由があるというものでございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
  156. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 私が戦争の実態に即していないと言うのは、今大臣がお答えになった点に結び付くわけですよ。つまり、武力攻撃事態みたいに戦場になってしまうと、だれもが命が惜しいものですから、こうしてくれ、ああしてくれと、指示してくれといったって、そういうこと通らないんですよ、みんな逃げたいわけですから、みんな命が惜しいわけですから。ですから、そういう問題で、強制的にならないと絶対に協力はほとんど不可能だと思いますね。ですから、その辺も是非御認識していただきたいと思います。  そして次に、国民保護法制、保護措置の啓発等のための町内会や消防団による訓練のもたらす影響ついて、いま一度井上大臣にお伺いします。  国民保護法案の第四十一条、第四十二条、第四十三条において、国民保護措置の円滑な実施のための組織を整備し、訓練、啓発に取り組むことが定められています。  町内会を始め、地域の自治組織や消防団などが日ごろから武力攻撃事態等における避難などの訓練をすることになっているわけですが、それはあくまでも戦争状態を前提にした訓練であって、軍事的色彩の非常に濃いものになると思います。そうしますと、国際紛争の平和的解決という憲法の理念に逆行するおそれがないかというふうに思うわけなんですが、この点について大臣はいかがお考えでしょうか。
  157. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 現実に武力攻撃がありまして、国民の生命とか財産に大きな被害が出ようといたしているときでございまして、時が正にこの武力攻撃事態というときだと思うのであります。  こういう事態になったときに、さあどうするかというんじゃなしに、あらかじめいろんな事態を想定しまして訓練をしていくと、しておるということがそういった事態に対応するのに最もふさわしいだろうということでその規定を置いたわけでございまして、いたずらに、何といいますか、国防意識を高揚して軍事訓練をするというようなことではございません。あくまで自分たちを守っていくためにどのようにするのが一番いいかと、そういうことを念頭に置きまして訓練をするということでありますし、その訓練のために協力お願いをしていると、こういうことであります。
  158. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いしますけれども長官は、沖縄戦の場合に旧日本軍が住民を殺害したという事実関係について御存じですか。
  159. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 一つ一つのことにつきまして詳細に存じ上げているわけではございません。  その場において非常に悲惨なことがあったということは承知をいたしております。そのことについてはいろんな見方がございますけれども、民間の方々が命を落とされたということの事実は承知をいたしております。そこについて、私が歴史として確定した判断がこうであるということを申し上げるべき立場といいましょうか、見識といいましょうか、そういうものを今持ち合わせておるわけではございません。いろいろなものにいろいろなことが書かれておることは大体承知をしておるつもりでございます。
  160. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほど申し上げましたように、指定公共機関とかそういうのが、政府の、有事事態において政府の命令に応じない場合には罰則規定が設けられていますね。今のように武力攻撃事態とか戦場になった場合、戦争になった場合に、自衛隊は旧日本陸軍とは違う、旧軍隊とは違うということを言っておるわけですが、戦争状態になるとこの種の忌まわしい事件というのは必ずと言っていいほど起こると思います。そうすると、万一自衛隊が住民を殺害した場合にどのような罰則が設けられていると、私は認識しておりませんが、いかがですか、その点について。
  161. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 二点申し上げたいと思いますが、私は昨年の有事法制のときから沖縄戦の教訓というものはきちんと生かさなければいけないということを申し上げてまいりました。  それは、私は全部読んだわけではございませんけれども、沖縄戦に関します資料、いろんな立場の方がいろんなことをお書きになっておりますが、国会図書館で集められるだけのものは集めてみました。読めるだけのものは読みました。  その上で申し上げておるわけでございますけれども、であらばこそ、住民の方々を避難をさせるということを考えなければいけない。そして、沖縄において対馬丸のような事件もあり、なかなかそれがうまくいかなかった。先生からいろんなことも御指摘をいただきましたが、どのようにして、現代戦においてですね、沖縄戦と同じことが今日起こることを全く私は排除するものではございませんが、それ以外のいろんなタイプの攻撃があるだろう、現代戦においてどうやって民間人の方を避難させるかということについて考えなければいけないということが一つでございます。  もう一つは、仮に自衛隊員がという御指摘でございますが、そのようなことが自衛隊において起こるというようなことを私は全く考えておりません。それは先ほどほかの方の御質問にお答えをいたしましたが、先生も自衛隊の御視察、何度もいただいておるだろうと思っています。本当にそこにいる隊員たち、それは上は将官から下は、下は、上下という言い方は良くないのかもしれませんけれども、階級的に申し上げればです、士クラスまで、本当にどうやって国民を大切にするかということは徹底して教育をいたしております。国民のために自分の命ということを懸けることはあっても、自分が助かるためにということを考えておる隊員は私はいないというふうに思っております。  ただ、それが極限状態においては違うのだということはあるのかもしれません。極限状態において人間がどうなるかということをきちんと考えるということも私は過去の戦争から我々が学んでおることでございまして、そういうことからも、現在、私は自衛官にそのような者がおるとは、今後とも出るとは全く思っておりません。  その上であえて申し上げるとするならば、そういうことが起こったとするならば、現行法令に則して、それは殺人罪ということにもなりましょうし、きちんとした処分がなされるということになるわけでございます。
  162. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官、石垣島事件って御存じですか。
  163. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 恐縮ですが、詳細には存じません。
  164. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 捕虜の取扱いについての国際的な取決めとかそういうことが今回問題になっておりますけれども、次の機会に石垣島事件のことについて申し上げたい。  今、私が申し上げていることは、自衛隊をそのようなことのないように教育訓練するとおっしゃるわけですが、私が懸念するのは、極限状態になりますと、戦場のような極限状況になりますと、日ごろの教育とかそういう訓練というものがほとんど効果を示さないと、もう長官よく御存じだと思いますが、そういう事態が実際に起こるわけですよ。ですから、我々としましては、もう戦争を体験した者としては、あらゆる努力を傾けてその戦争事態にならないように、長官もそうおっしゃっておりましたけれども、むしろそういう戦争事態を防ぐような法律を作っていただきたいと思うくらいなんですね。ですから、その点で是非とも次の機会にお伺いしますので、お聞きしておいていただきたいと思います。  外務大臣にちょっとお願いしますが、六月七日付け朝日新聞は、米国が在沖縄米海兵隊の砲兵部隊を北海道の陸上自衛隊演習場に移転させることを日本側に打診しているという報道がございました。このような打診があったというのは事実でございますか。事実とすれば、政府はどのように対応なさるおつもりですか。
  165. 川口順子

    国務大臣川口順子君) その報道は私も見ましたけれども日本政府が米国政府からそのような提案を受けているという事実はございません。
  166. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ここで考えていただきたいことは、そのような報道が新聞に載った途端に、北海道の知事から駄目だと、我々はそんな受け入れる気持ちはないという、すぐに反発が出ましたね。  軍事基地というのは、日米安保条約は非常に大事だ大事だといっておっしゃりながら、日本国民の平和と財産を守るために日米安保条約は非常に大事だとおっしゃりながら、自分のところには一切基地を引き受けたくない。アメリカにもNIMBYという言葉があって、ノット・イン・マイ・バックヤード、安全保障は大事だけれども自分の、自分の庭に基地を持ってこられては困るというふうにだれもが否定するわけですよ。  そうすると、今回の日米首脳会談で、総理は日ごろから、外務大臣もそうですが、沖縄の基地の整理、縮小、削減について努力するとおっしゃっているんですが、今回の日米首脳会談でどういうお話をされたんですか、総理はアメリカ側に対して。
  167. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 日米安保体制につきまして、これは総理はブッシュ大統領との間で、世界の中の日米同盟という考え方に基づきまして意見交換を幅広くいろいろな問題について行ったわけですけれども、その中で日米安保体制につきまして、小泉総理から、沖縄の負担軽減及び抑止力の維持という観点が重要であると思うということを言われた。そして、米軍の兵力構成の見直しの問題についてはよく事務的に協議をさせたいということを述べられたということでございます。これに対してブッシュ大統領から、引き続き緊密に連絡をしていきたいということをおっしゃられ、この地域における米国のコミットメントは引き続き強力であるということを強調されたということでございます。
  168. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  169. 山本正和

    山本正和君 ちょっと初めに感想を言っておきますけれども、この法案の、ずっと読みまして。  どうも、戦争を知らない僕たちいう歌、覚えていますか。「戦争を知らない子供たち」、戦争を知らない僕たちというやつですね。その戦争を知らない子供たちが戦争ごっこをして、そしてどうも、ああじゃこうじゃといって作ったような感じのする法案なんですよ、これ、私が読んだら。本当に戦争を知った者がこうやって作れるだろうかと、この法案を。読めば読むほど私はそう感じてきたんですね。今そういうことを、感想を言っておいて、具体的に聞いていきますからね。  国民が一番そういう武力攻撃事態で恐れているのは、ミサイルがどんと飛んできたと。いきなり東京に仮に飛んできたとしますね。これ、どうやって防ぐんですか。どうやって国民保護するんですか、この場合。ミサイルがぼんと飛んできたときに、これは国民保護法制ですよ。国民を守ると言っている。そのときにどうやって守ろうとしているのか、まずそれを聞きたい。
  170. 石破茂

    国務大臣石破茂君) あるいは足らざるところは井上大臣が補っていただけると思いますが、どんと飛んできたということが何を意味するのかということでございますが、先生御案内のとおり、ミサイル、現代におきましてミサイルが飛んでくるか飛んでこないかということは、これは事前に予知が可能でございまして、予知といいますか把握をするという意味でございますね。それは地上に置いてあるレーダーもそうです、衛星もそうです、あるいはイージスシステムもそうでございます。それによって、全く突然に、予期もしないときに突然落ちてくるということはございません。  それが、よく申し上げておりますように、例えば、北朝鮮のノドンというものが飛んできたとしたらば大体十分ということを申し上げておるわけでございますが、その間にどれだけ迅速に、まだBMDができる前のお話をいたしております、北朝鮮が撃つということを仮に仮定した場合の話でございます。そのことを所与のものとして申し上げているわけではありませんが、その間に何ができるのかということでございまして、それはシェルターというものもございましょう、地下鉄というものもございましょう。しかし、その前にありとあらゆる外交手段を尽くすことは当然のことでございますが、さればこそBMDということをやるわけですけれども、今そういうものがない段階でどうなるかということであれば、それは東京の場合には相当に避難をするもの、というもの、施設というものがございます。それによってどうやって被害の極小化を、極小化を図るか。そのときに、例えば神奈川に避難するとか千葉に避難するとかいいましても、十分間ではなかなか難しいことでございます。その辺りは、もちろん最大の外交努力をしながら、初期に情報の把握に努めるということが肝要だと思っておる次第でございます。
  171. 山本正和

    山本正和君 防衛庁長官がそういう今の御答弁ですけれども、法案もそれだけ読んでいくと、確かにそういうふうに飛ぶ事態を早く予測すると、何とかそれを途中で防ぐと、あらゆる手段を講ずると、こういうことは分かるんですよ。しかし、現実問題として十分間で飛んでくるやつを、仮にね、それを防ごうとしても、昔ならB29が来て爆撃が起こって、すると、それも予知できるんですよね。空襲警報鳴らして、そして国民に皆防空ごう入れとやる。ところが、空襲警報鳴らして防空ごう入ってもみんな死んじゃったんですよ。東京大空襲を考えてください。あれはアメリカ軍が下町をずっと周辺を焼夷弾まいて逃げる逃げ道を封鎖した。そして封鎖しておいて、風にあおられていって、ぼんぼこぼんぼこ焼夷弾浴びせたんだ。一晩で十万人死んだ。そのときに、そういう場合、国民を守れますか。そういう事態はこれ予測した法案ですか。
  172. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 東京大空襲でなぜ人がたくさん死んだのかということを分析をしてみますと、焼け死んだという方よりも、むしろ酸欠で死んだ方の方が多いというデータが出ております。で、それは、酸欠、酸素欠乏で死んだということですね。それは、先生おっしゃいますように、防空ごうといいますか、横穴というよりも縦穴を掘る、家の真下に穴を掘りなさいというような指示が出ていた。それで焼夷弾がまかれまして、焼け死んだというよりも酸素が欠乏して死んだ人が多いということがアメリカの戦略爆撃報告の中には出ておるものでございます。  そういたしますと、どういう形、それはやはりその指示の仕方が間違っておったということなのだと思います。焼夷弾というものがどういう形で殺りく効果をもたらすかということについての分析が十分ではなかったということだと思います。  この議論の際に、先生が「戦争を知らない子供たち」と言われて、私が学生のころはやった歌でございますが、そもそもこれを考えた昭和三十年代、三矢研究なぞというものがございました。その後、昭和四十年代、五十代、五十年、それはもう戦争を知っている大人たちが元々この法案は考えたものでございまして、全く荒唐無稽なものだとは私は考えておりません。  NBCということがございますが、核あるいは化学あるいは生物兵器でございますけれども、そういうものからどのようにして極小化をするかということは、防衛庁あるいは政府部内、厚生省も含めまして、それは詳細に分析をしておるところでございます。  それは焼夷弾の効果というものを甘く見て、東京大空襲その他の地域でも大きな犠牲を生じた。やっぱりどのようなものに対してどのようにした対策を講ずることが最も効果的かということをきちんと考えなければ多くの犠牲が出る、それもさきの大戦の反省だと私は思っております。
  173. 山本正和

    山本正和君 その焼夷弾の対処の仕方がまずかったことは事実なんですよね。ところが、アメリカがやったことは、全く通告もなしに広島の上空に核爆弾を落とした。老人も子供も、女も男もくそもないんですよね。ばあんと落として、全部これ焼け死んじゃった。長崎もそうですよ。通告がなかったんです。無差別殺りくですよ、あれは。通告も何もなしにやったんだ、アメリカは。我が国はいまだかつてそれに対して抗議を正式にしていない、政府はね。  そういう中で、戦争が始まったら国民守りますよというこの保護法制を作ったというわけだ。やっぱり戦争を経験した者は本当かしらんと思うんですよ、実際の話がね。国民に対してなぜこれを作らなきゃいけないかという説明が足りないと私はこの前から何遍も言っているんです。しかも、この法案をよく読んでいくと、敵が上陸した場合まで含めて考えてあると、こういうんだね。読んでいくと確かにそうなっていますよ。それで、避難させると、こう書いてあるね。いろいろ書いてある。  私は、そういうことの前に、まず今の防衛庁長官お話の、ミサイルに対する不安の問題がありますからね。もうちょっと聞いておきたい。  ミサイルが来るときに、どういうふうにしてこれを把握する、そしてそれをどうやって一体これを止めていくか。ちょっと今、防衛庁長官からお話ありましたね。しかし、第一撃ならいいけれども、引き続き第二弾、第三弾と飛んでくる。徹底的にたたこうとすると、ある国が、日本に対して。そうなったら一発だけじゃないんですよ。何発、次から次に飛んでくる。それを防ぐためには相手の基地をたたかざるを得ぬと私は思うんです、これは。守ろうとするならね。しかも、ミサイルにもし核弾頭でも積んであったら大変ですよ、これは。  そうなると、本当に戦争のこと考えるならば、国を守るために、国民を守るためには、攻撃してくる基地をたたかぬことには防ぐはずないでしょう。基地をたたくことは想定していますか、いませんか、どうですか。
  174. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 重ねて申し上げますが、さればこそ専守防衛的なBMDシステムというものを持たなければいけない。つまり迎撃ミサイルというのはそれだけでは何の攻撃力も持ちませんので、物理的に当てて落とすというだけのものでございますから、だからこそ私どもお願いし、今国会で予算をお認めいただいたというふうに考えております。それができる前にそれじゃどうするんだという御下問かと存じます。  それは、今私どもといたしましては、そのような能力を有しておりません。これは累次国会でも答弁を申し上げておるわけでございますが、例えば航空自衛隊がそれじゃ一機百億円のF15を持っておるではないか、じゃ、それが行ってたたけばいいではないかと、こう言われますが、それは単に飛行機が行けばいいというものではございませんで、そこへ行くためにはいろんな能力が必要です。現地の精密な地図も必要ですし、地対空ミサイルを落とすための技術も必要ですし、するとそんな簡単なお話ではないということでございますし、実際にそのような装備も有しておりません。  また、海上自衛隊も、じゃイージス艦があるではないかと、こういうふうに言われますが、自らを守るシステムとしては世界最高性能のものを持っておりますが、もう昔で言う艦砲射撃のような敵地攻撃能力というようなものを有しているものは私どもは装備として持っておりません。  そういたしますと、その打撃力というものは米国に期待する、ゆだねるというのがガイドラインの趣旨でございます。しかしながら、法理上はどうなのかということになりますと、先ほどの法制局の長官の答弁ではございませんけれども、自衛権行使の三要件を満たす、すなわち我が国に対する急迫不正の攻撃があり、武力攻撃あり、そしてまたほかに取るべき手段なく、最小限にとどまるということであるとするならば、それは法理上排除されるものではないであろう。  そしてまた、いつがその我が国に対する武力攻撃があったときかということは、それは被害があってからでは遅い、しかしおそれの段階でそんな話にはならぬであろう、着手のときがそうではないのかというのが政府の見解でございます。したがいまして、二発目、三発目はどうなのかということになりますれば、法理上はそのようなことを申し上げることができますが、現在、私どもはその能力を保有をいたしておりません。  したがいまして、合衆国の打撃力に期待をするというのが現在の政府の立場でございます。
  175. 山本正和

    山本正和君 ということは、防衛庁長官、あれですね、我が国自衛隊が敵の基地の攻撃をすることはない、アメリカ軍にやってもらうと。我が国自衛隊は敵の基地の攻撃は行わないということでいいんですか。
  176. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先ほど法理上というふうに申し上げました。法理上はそのようなことは可能であるというのは、これは今別に私が初めて答弁をするわけでもなく、累次、古くは昭和三十年代の座して死を待つものではないという答弁から始まりまして、政府が積み重ねてきておるものでございますが、現在私どもは防衛力としてそのようなものを有しておりません。したがいまして、政府としてはそれを合衆国にゆだねる、現在、私どもとしてはそれを行う能力も有していないということでございます。
  177. 山本正和

    山本正和君 要するに、自衛隊が、というか我が国として敵の国の基地は攻撃できないと、そういう能力が今ないと、こういうことですね。  ところが、アメリカ軍がそれに対して代わってやると。当然アメリカ軍と、そうすると共同行動と言ったらおかしいけれども、アメリカ軍が敵の基地を攻撃するための支援は我が自衛隊はやらざるを得ぬでしょう。  ということは、我が国自衛隊の力が背後にあってアメリカ軍が敵の基地を攻撃したと。近いところの話ですよ、これは仮に。その場合、そうしたら我が国としてはやっぱり敵の基地を攻撃したことになりませんか。そういう場合は、これは戦争行為と言わないですか。
  178. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは先生、既にもう一発が飛んできておるわけでございますから、これはもう完全な防衛出動の事態でございまして、その場合に合衆国が敵の、どこの国でもよろしいわけでございます、どこと特定して申し上げるわけではございませんが、その敵の策源地というふうに私どもは申し上げますけれども、基地を攻撃をしておる。それは防衛出動であり、そういう事態におきまして我が国はそれを支援をするということは何ら問題になるものだとは考えておりません。
  179. 山本正和

    山本正和君 今の場合、我が国はあくまで自衛のための行動である、実力の行使であると、こう言っているんですよ、我が方は。しかし、国際法上、それは戦争とみなされるんじゃないんですか。ある国が我が国に攻撃を加えた、それに対してアメリカ軍と共同行動で戦った、したがって、これは日本は戦争を行っていると。もちろん受け身でありますよ。受け身であるけれども、戦争をしているというふうに国際法上は位置付けられるのと違いますか。
  180. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは戦争違法化の議論を踏まえての上の御下問かと存じます。  それは、受け身というふうにおっしゃいましたが、まさしくそのとおりでございまして、国際法上において国連憲章の下におきましても許容されております自衛権の行使でございます。
  181. 山本正和

    山本正和君 したがって、我が国は戦争はしないという、憲法で、憲法ではそう書いてあるんですね。戦争、国権の発動たる戦争はしないといっているんですね。しかし、国際法上は戦争をするわけですよ、我が国も、攻められたら。戦わぬことには守れぬでしょう、正直言って。だから、憲法で禁止されている戦争はしませんと言っているけれども、国際法上の戦争はやるわけだ。我が国で言う、我が国の憲法下の戦争はしないけれども、国際法上の戦争には我々は参加すると、こういうふうに言ってよろしいか。
  182. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、先生、自衛権の行使、すなわち憲法九条というものは自衛権を否定をしたものではないということ、これはもう自衛隊創設以来、今年は五十年でございますが、従来政府が申し上げておることでございます。それを戦争と言うかどうか。つまり、先生のお言葉を拝借をすれば、我が国は自衛権の行使をしているが、国際法上で言う戦争をしているのではないかということでございますけれども、国際法上も戦争は違法でございますので、我が国としては自衛権を行使をし、そして国際法上も、国連憲章五十一条においても認められている自衛権の行使を行っているのであり、先生がおっしゃいますような、国内的にはそうかもしれないが国際法的には戦争をやっているのだろうという評価には私はならないというふうに考えておるわけでございます。
  183. 山本正和

    山本正和君 非常に、これは我が国の憲法というものから考えたら、この法案は自己矛盾しているんですよ。私は、本当からいえば、この法案は我が国が戦争行為が行われると、行い得るというときにこの法案は作られるべきものだと思う、本来からいえば。だから、本来からいうならば、政府・与党は、どうしてもこれやるんなら、堂々と憲法改正をして、きちっと、それから国民に提案すべきだと私は思うんですよ。これは、ちょっともうそれ以上言うと差し障りあるから言いませんけれどもね。本来からいうと、それをどうしても国民が分からないままに次から次になし崩し的に行くことに対する国民の強い懸念があるんですよ。堂々と、政府は今の情勢はこうです、こうですということをどんどん言えばいい。言わずに、だからこの非常事態武力攻撃事態という問題についても、本当に国民の間に実感があるかないかと、私、この前から何遍も言ったんですけれども。  だから、例えばミサイル、国民の間にある一番怖いと思っているのは、ミサイルが来ると怖い。その次は、拉致問題に示されるように、よその国がやってきて勝手に日本の国に上がって、かわいい自分たちの子供たちを連れていかれると、国民を連れていかれると、こりゃかなわぬと。それからまたもう一つ怖いのは、こっそりやってきて、武装集団、あちこちにやって、武力蜂起すると。ちょこちょこちょこやってくる、テロに殺されると、これは怖いと思っていますよ。しかし、我が国に対して武力でもって、戦艦を並べて、船団を並べて攻めてくるということは、国民はほとんど考えていませんよ、現実、日本国民の大部分は。だから、国民の不安に対処するというならば、したがって、そういう大艦隊でもって日本に上陸して沖縄戦のことをやるということは、想定している国民はまずいないと思う。また、現実問題として防衛庁がいろんな検討をしても、そういう我が国に対して、もうそれこそ何十隻という沖縄戦のような大変な艦隊がやってきて我が国を占領するという事態を、恐らく防衛庁は考えていないと私は思う。  だから、我が国を守るということはこういうことですということをはっきりと示して、それじゃその中で、例えば地下鉄でサリン事件があったと。同じように確かに爆弾を落とされたらどうするかと、対処しましょうと。あるいは、ひょっとしたらおかしな者がやってきてテロをやるかもしれぬ、それにはどう対処しましょうと。こういうことを、本当に国民が心配している部分に対して国民保護するための法案として出すんならば私よく分かるんですよ。しかし、本土上陸して決戦するまでも含めた法案だと言うから戦争を知らない子供たちが作った法案だと私は言うんです。やっぱり国民に対してもっときちっと分かるようにしてほしいと思いますね。  だから、今例えば、今、恐らくミサイルについて国民から質問があったら防衛庁長官の今のような御答弁しかできないと私は思う。それが精一杯だと思う。しかし、本当からいえば、ミサイル攻撃来たら基地たたく以外ないんですよ、つぶすのは、あんなものは。だから、そんなこと含めて正直な話をやっぱりしていただきたいと、これが第一点です。  その次に、これもどうも机上プランのような気がするもんだから、住民避難の問題ですよ。我が国もかつて戦争をした。私は当時、終戦当時、中国の東北におったですよ。東北の関東軍の中に巻き込まれておった。そのときに軍は何をしたかと。一切、当時百万人からおった日本人ですよ、女、子供、年寄り、皆おる。若い者は全部兵隊に取られていく。女、子供、年寄りを全部ほったんですよ、我が国の関東軍が、満州で。塗炭の苦しみに遭って、何十万という者が本当に苦しみに遭っている。戦争というのはそういうものなんですよね。  だから、住民を避難させるということは大切なことです。満州でももしあれ、住民の避難を軍隊が整然とやっておれば、あるいはソ連ときちっと戦って、交渉をしているんですから、本当からいえばね。ソ連という国はあれはまたむちゃくちゃしたですよ。千島へ攻めるときでも、樺太でも、もう戦争終わっているのに片っ端から殺すんですよ、人間を、日本人を。戦争というのはそんなものなんです。  だから、住民を避難すると、こう書いてある。そして、それには国の本部から知事なり市町村長なりと連絡取りながら云々とずっと書いてある。しかし、私は、そう言いますけれども、この法律がなくても過去の例がある。我が国が領土として持っておった硫黄島、サイパン、ここは戦争の激戦の中に入った。サイパンでは住民まで全部死んだですよね。そして、硫黄島では住民は避難された。その避難の計画なり、どういうふうにしてされたか、この法案を作るに当たって検討されましたか、どうです。
  184. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私、今、詳細にわたりまして残念ながら把握をしておりませんけれども、把握できるところにつきましては一応の検証をしまして、その結果をこの法案に反映させていると、そんなふうに考えております。
  185. 山本正和

    山本正和君 突っ込んで聞きませんからね、本当は突っ込んで聞くのが本来だと思うけれども。大体、ちょっと、おおむね聞いているから、どの程度調べたか。  しかし、硫黄島では確かに女子や老人は避難できた。あとは、しかし男はみんな兵、軍属にさせられて戦ったんですよ、全部。五十歳、六十歳の男もみんな戦ったんです、兵隊の中へ入ってね。それで全滅したんですよ、これは、硫黄島は。住民を守ったんじゃない、住民を軍にしちゃった。サイパンの場合は、皆さん映画で見ておる、知っておるだろうけれども、がけから女の人が、お母さんが子供を抱き抱えて全部死んでいった。日本人は捕虜になるなと、捕らわれて辱めを受けるなと、こういう厳しい教育があるから飛び込んで死んだんですよ。軍隊は決して住民を守らない。国家は、国家とともに国民に死ねということを強制したのが太平洋戦争なんです。  で、今度は、しかし避難しようというわけですから、私はしかし少なくとも避難についてはきちっと調べていただきたい。沖縄で、確かに一時的には、沖縄戦に入る前に小学生たちも避難した、お年寄りも避難した。同じように硫黄島でもした。そういうことについてはきちっと調べていただきたい。避難というものがいかに大変だったかということについて、これは是非きちっとやっていただきたいんですけれども、これについてはどうですか。
  186. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) そういうような過去の経験、話としては伺っているところもかなりありますけれども、そういった経験を生かしまして、できるだけ被害が少なくなるような、本当にきちんとした避難ができますように十分な時間も取るとか、あるいは関係の方面ともよく話をするというふうなことで、全体としてできるだけこの避難がスムースにいきますように研究をしていきたいと、こんなふうに思います。
  187. 山本正和

    山本正和君 是非、それで私は、内閣府の責任者ですから、井上大臣は、この法案を作るに当たって、またこの法案の処理に当たって是非、かつて避難した、かつて戦争で被害を受けた人たちの実態ね、それについてはきちっとやっぱり調べておいていただきたい。それに対する対策も、今後、政府として十分にこれは検討していただきたいと、こう思いますが、これについてよろしいですか。
  188. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 御指摘の点につきましては、できるだけ調査もし、研究もさしていただきまして、その結果をこの避難の誘導方法等に生かしていきたいと、そんなふうに考えます。
  189. 山本正和

    山本正和君 それで、私は実は、これは戦争じゃありませんけれども我が国が、避難をして大変御苦労多かったんですけれども、しかしどうやら今収まりつつある三宅島のことを思い出す。三宅島は、これは戦争より怖いですよ、あれ、ばっと来る、溶岩が噴き出てどうなるか分からないですからね。その三宅島の全住民を避難させた。これは何日ぐらい掛かってどういう形でやったか、これについて検討していただいてありますか。
  190. 尾見博武

    政府参考人(尾見博武君) 三宅島の島民の方々の避難についてのお尋ねでございますが、三宅島につきましては、今からもう四年前になりますが、平成十二年の六月二十六日ごろから活発化いたしまして、七月に入りますと山頂噴火が始まりました。さらに、八月の二十九日には大規模な噴火と火砕流が発生したと、こういうことでございます。  避難につきましては二つの段階があります。  まず一つは、最初に申し上げました六月二十六日につきましては、気象庁が三宅島で噴火のおそれがあるといういわゆる緊急火山情報というものを発表したわけでありまして、これを受けまして三宅島では、三宅村によりまして地区ごとに、いろいろな地区がございますが、地区ごとに避難をしたということがございます。これらについては、幸い大きな被災がなかったということで、直ちに解除をされているということでありますが、やはり何件か避難勧告、避難指示等が行われております。  それから、八月二十九日には大規模な火砕流が先ほど言いましたように発生をいたしまして、噴火活動が活発化したということでございますので、九月の二日に三宅村といたしましては全島民に対する島外への避難指示、これを発令いたしました。二日後の四日までに、民間の船舶を活用いたしまして、全島民の三千八百五十五名の方々の島外避難が完了したと、こういうことになっております。
  191. 山本正和

    山本正和君 今度の法案ができていなくても、三宅島はきちっと避難ができたんですね。この法案ができたら三宅島の避難がもっとよくできるとお思いですか。現行法の中で、現在の法律のままの中で、これはもう本当に武力攻撃事態よりもっと怖いですよ、あの噴火というやつはね。国民の安全を守るために政府行動したんですよ、もちろんそこで多少の行き先の違いはあったにしても。現行法で三宅島は全部避難できた。ところが、今度の法律では、住民の避難のことが書いてある。じゃ、ここに書いてある住民の避難と三宅島の避難とどう違うんですか。三宅島の避難は現行法の、こんな法律なくてもきちっとやれた。今度なぜこれを作る必要があったのか、この違いを説明してください。
  192. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 三宅島の場合は、委員御承知のとおり、災害対策基本法というのがあるわけですね。避難とか救助とか、あるいは一定の地域に入ることを禁止するとか、こういう規定がありまして、こういうような規定につきましては、このたびの国民保護法制にもそれを活用するといいますか、同趣旨の規定を入れております。  私どもは、やっぱり国民保護する場合に、大きな災害の場合と武力攻撃なんかが起きた場合は基本的に同じ部分があるわけですね。その部分は何かといいますと、警報の発令とか避難とか、あるいはその避難に対する支援ですね、水を供給する、食料を持っていくとか、あるいは仮設の住宅を造るとか、あるいは一定の地域に対して入らないとか、こういうところは意外と共通性がありまして、したがいましてその共通する部分につきましては大体同様の規定をこの国民保護法案につきましても置いているところでございます。
  193. 山本正和

    山本正和君 ちょっとしまいの方が分かりにくかったけれども井上大臣は災害の問題は御専門でいらっしゃるから、きっと説明していただけると思うけれども、この武力事態に対して国民保護するという法案の中における避難と、災害対策基本法における避難とどこがどう違うかという話を説明してください。これを聞いている。
  194. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) これは、三宅村なんかの場合は島外へ避難をしたわけでありまして、こういうような場合、武力攻撃事態なんかにもあると思うんですね。島から本土の方へ避難をするとか、島からまた別の島へ避難するというのはあると思うんでありますけれども、一般的に言いますならば、災害の場合は、その避難する、何といいますか、避難場所までの距離といいますか、それが近いとか、あるいはどちらかといいますと、その避難の場所もいろんな施設があります。仮設なんかを造らないといけないんでありますけれども、こういう場合も案外限られている。  しかし、武力攻撃事態の場合は、その避難をする範囲が広範囲に行く。例えば数県に分散をするというような場合もありましょうし、あるいは一つの場所に避難をいたしましても、そこで保護するといいますか、措置する、対応する人、この人数は多くなるとかという、そういうところも違いがあると思います。つまり、規模ですね、規模、態様が違うということだと思います。
  195. 山本正和

    山本正和君 また、次にいたします。  ありがとうございました。時間が来ました。
  196. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後七時四分散会