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国務大臣(
石破茂君)
民主党の御主張と違う御主張をしておられますので、この辺、またいろいろと私
どもの方でも整理をしてみなきゃいかぬことだと思いますが、前段として、私
どもとしては、
自衛隊とは別にそういうような組織を持つということの有用性についてはかなり疑問を持っております。
自衛隊と別組織にしたから、じゃ、いいんだろうという話にはならぬのでありまして、そしてまた効率性の
意味からも、
自衛隊のほかに国連待機軍みたいなものを持つことが余り有用なことだとは考えておりません。
その上で、
先生御
指摘の、では
自衛隊の中に志願によるそういうものを作ったらどうであろうかと、こういう御主張でございます。
これには考え方がございまして、幾つか。
一つは、
自衛隊は全部志願制でございます。これがお国のフィンランドのように、すべて徴兵制であり、徴兵で任務を終えた
人たちの中でまた厳しい選抜を行ってそのような待機の部隊を作っておる、しかしそれは国防
大臣の指揮下の下に置かれるのだというのとは少しまたイメージが違ってくるのだろうと思っています。
先生がおっしゃいます志願制というのは、
自分は国際任務にしか従事をしないのであると。つまり、
防衛出動にも参加をしなければ、治安出動にも参加をしなければ、災害派遣にも参加をしない、しかし国際的な活動だけはしたいという
意味で志願制というふうな御
指摘があるのだとするならば、それはかなり組織として考えるのは難しいのではないかと思っております。同じ自衛官でありながら、
防衛出動には参加をしない、治安出動にも参加をしない、国際活動だけやるんだというようなものが私
どもの組織の中で持ち得るかというと、かなり難しいのかもしれないなと
一つは思っています。
そうではなくて、
防衛出動にも治安出動にも災害派遣にも行くよと、しかしながら、現在の部隊とは別に、ほかのこともやるけれ
どもメーンは国連のそういう活動に参加をする部隊というものが考えられるかというと、それは
可能性としては私は考えられるんだろうと思っております。
現在は、PKOにしてもそうですし、今度のイラクでもそうですが、ローテーションで回しております。今度はここ、今度はここというようなことを想定をしながら、
基本的には、PKOなんかはそうですけれ
ども、ローテーションで回しております。それとは別に、海外活動専門の部隊を持つことが本当に能率的に見てどうなのだろうか。
そしてまた、その
人たちが日ごろの
訓練、つまり、いつ出るか分からない海外任務に備えて常時どのような
訓練をすればいいのであろうかということ。あるいは、私
ども今、
防衛計画の大綱を策定に向けて
政府部内で作業を行っておるところでございますが、
自衛隊の海外派遣、海外活動というもののウエートをどれぐらい
自衛隊の中で置いておくべきなのかという
議論、そういうものを総合的に行うことになるのだろうと思っております。
昨日もどなたかの御
質問にございましたが、今は付随的な任務ということになっております。本来的な任務ではない、付随的な任務ということになっております。これを本来的な任務に位置付けるべきだという御
議論はございます。それはもう確かに傾聴に値をする
議論だと思っていますが、じゃ本来的な任務に上げましたときに、それはいいことなのかもしれません。しかし、じゃ、そこにおいてどれぐらいの人員が投入されるべきなのか、どれぐらいの予算が割かれるべきなのか、そしてどのような装備を持つべきなのかということも併せまして、母国フィンランド等々の制度も併せて、
日本としては何をすべきなのかという根本論から
議論を
国会においても賜り、私
ども政府の中でもやっていくべきことだというふうに考えております。