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2004-02-25 第159回国会 参議院 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年二月二十五日(水曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員異動  二月九日     辞任         補欠選任      渡辺 孝男君     森本 晃司君  二月十日     辞任         補欠選任      藤井 基之君     中原  爽君  二月二十四日     辞任         補欠選任      遠山 清彦君     山口那津男君  二月二十五日     辞任         補欠選任      神本美恵子君     岡崎トミ子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         清水 達雄君     理 事                 田村 公平君                 常田 享詳君                 舛添 要一君                 山内 俊夫君                 齋藤  勁君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 有村 治子君                 大野つや子君                 小泉 顕雄君                 後藤 博子君                 田浦  直君                 中原  爽君                 西銘順志郎君                 野上浩太郎君                 福島啓史郎君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 三浦 一水君                 森田 次夫君                 山崎  力君                 池口 修次君                 岩本  司君                 岡崎トミ子君                 神本美恵子君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 高橋 千秋君             ツルネン マルテイ君                 辻  泰弘君                 平野 達男君                 森 ゆうこ君                 荒木 清寛君                 森本 晃司君                 山口那津男君                 池田 幹幸君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君                 山本 正和君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君    副大臣        防衛庁長官   浜田 靖一君        外務大臣    阿部 正俊君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君        外務大臣政務官  荒井 正吾君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        警察庁警備局長  瀬川 勝久君        防衛庁防衛参事        官        安江 正宏君        防衛庁運用局長  西川 徹矢君        防衛施設庁施設        部長       戸田 量弘君        外務省北米局長  海老原 紳君        外務省中東アフ        リカ局長     堂道 秀明君        環境省地球環境        局長       小島 敏郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保  支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関  する調査  (イラクにおける自衛隊部隊活動状況及び  治安情勢等に関する件)     ─────────────
  2. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る九日、渡辺孝男君が委員辞任され、その補欠として森本晃司君が選任されました。  また、去る十日、藤井基之君が委員辞任され、その補欠として中原爽君が選任されました。  また、昨二十四日、遠山清彦君が委員辞任され、その補欠として山口那津男君が選任されました。     ─────────────
  3. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 清水達雄

    委員長清水達雄君) イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のうち、イラクにおける自衛隊部隊活動状況及び治安情勢等に関する件を議題といたします。  まず、政府側から順次報告を聴取いたします。西川防衛庁運用局長
  6. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊部隊の最近の活動状況について御報告します。  まず、陸上自衛隊部隊については、現地治安状況等に関する情報収集人道復興支援活動実施のための諸調整を引き続き実施中ですが、一方で、二月十九日にはサマー総合病院の要望を受け、同病院における症例検討会自衛隊医官が参加し、医療支援活動を開始したところであります。  また、宿営地については、予定使用経費に係る調整を引き続き実施しつつ設営工事を継続しておりますが、このほど予定地の一部の整地作業が終了したため、現在宿営しておりますオランダ軍キャンプ地からの移転作業実施しているところであります。  なお、二月二十一日には本隊の一部が本邦を出国し、クウェート所要準備を行った後にサマーワ入りする予定でございます。今後、本隊の残余の部隊と合わせて人道復興支援活動等を本格化していくこととなります。  次に、航空自衛隊部隊につきましては、現地治安状況等に関する情報収集人道復興支援活動実施のための諸調整を引き続き実施しているところでございます。また、クウェート及びイラクにおいてC130機三機が所要訓練等を行っております。  今後、しかるべき時期に、C130機により、クウェート国内飛行場施設を拠点とし、イラク国内飛行場施設等との間で人道復興支援物資中心輸送を行うことを予定しております。  最後に、海上自衛隊部隊については、輸送艦「おおすみ」及び護衛艦「むらさめ」が陸上自衛隊派遣に際して輸送する車両等の搭載を完了し、二月二十日にクウェートに向けて出港したところでございます。  以上でございます。
  7. 清水達雄

  8. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) イラク治安情勢について御報告申し上げます。  イラク治安情勢につきましては、その脅威の度合いは地域により異なっております。引き続き、スンニ・トライアングルを中心に、連合軍イラク警察等に対する攻撃が顕著であるとの構図が基本的には継続しておりますが、最近では、二月十八日にヒッラで二台の車両を利用した自爆テロ攻撃実施され、ポーランド兵ハンガリー兵等が負傷する事件が発生いたしました。また、二十三日にはキルクークの警察署前で車両が爆発し、イラク人警察官等が死亡する等の事件が発生しております。これに対して米軍等による掃討作戦は継続され、イラク人治安要員の強化、増員が図られております。  今後とも、治安状況は予断を許さず、現地情勢については十分にその動向を注視していく必要があります。  イラク南東部に関しましては、イラクの他の地域に比べ比較的安定していると考えておりますが、引き続き十分に注意を払っていきたいと考えております。  政治プロセスに関しましては、二十三日、アナン事務総長国連選挙調査チーム報告書を発表いたしました。報告書には、イラク政治プロセスにとり選挙が必要であり、コーカス方式は不十分であること、六月三十日までに信頼に足る選挙実施することは不可能であること、選挙実施には、法的枠組みが整備された後、少なくとも八か月が必要であり、選挙実施が可能となるのは本年末又はその直後となる見込みであること、イラク人の中には六月三十日という主権移譲の期限は維持するとの総意があること、選挙の時期をずらしたことによりできた余裕を用いて、イラク人とCPAは主権移譲受皿作りのメカニズムについて対話を行うことが可能であること、国連としては、臨時政府の構成及び樹立のプロセスに関するイラク人の間のコンセンサス作り支援する意欲がある等が記されております。  イラク政治プロセス進展については、我が国としては、今後この報告書を踏まえ、引き続き国連の関与を確保しつつ、イラク内の各派の間で幅広い合意を得ていくことが重要と考えております。  イラク治安改善のためにも復興支援を進める必要があります。我が国の対イラク支援に関しましては、二月二十日、サマー母子病院への医療機材供与に対する日本NGO支援無償として約三千五百六十万円の支援を決定しました。また、二十二日、川口大臣よりアナン事務総長に対して、イラク復興信託基金へ合計四億九千万ドルを拠出することにつき伝達するとともに、国際金融公社に対する一千万ドルの支援を決定した旨伝えました。さらに二十四日、日本とエジプトの合同対イラク医療協力一環として、三月六日からカイロにおいて約百名のイラク人医療関係者を対象に医療研修実施する旨発表したところであります。さらに、JICA、JBIC及びUNDPの三者が協力してイラク電力分野基本計画を策定すべく、ヨルダンにおいて調査を進めていくことになります。  今後とも、自衛隊派遣とODAの支援を車の両輪として連携させ、可能な限り迅速な支援に努めてまいります。  以上でございます。
  9. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 舛添要一

    舛添要一君 おはようございます。自民党の舛添要一です。  今、外務省防衛庁からいただきました御報告に対する質問の前に、前回、二月の五日、この委員会において私が質問した件につきまして、そのフォローアップをちょっといたしたいと思います。  最初に、二名の外交官及び一名のイラク人職員が殺害された事件についてですけれども前回の我々の委員会での質疑の後、今月の終わりまでにはこの襲撃された車が日本に到着するということの御報告外務省からいただいていますけれども外務大臣、この被害に遭った車両はいつ到着する予定でしょうか。
  11. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 警察当局において捜査をできるだけ早くできるようにということで、今その準備については鋭意取り組んでおります。  それで、今日の時点で何月何日にということをはっきり申し上げられるということは若干難しいんですけれども、今何をやっているかということで申し上げますと、この車については空送をすると、空路運ぶということで今手続を進めております。それで、空路で運ぶ、あるいはその空港までちゃんと運ぶという段階におきまして、これは証拠物件でございまして、きちんと保全をした形で運ばなければいけない、どのような保全をするかということについても警察当局とお話をしておりますけれども、それを可能にするコンテナが必要でございまして、そのコンテナイラク国内では入手できないということで、今そのコンテナを入手する作業、この段階にあります。  そういうことで今急遽、急いでやっておりますけれども、恐らくヨーロッパからこのコンテナを入手しなければいけないということでございますので、それを今やっているということでございます。
  12. 舛添要一

    舛添要一君 そうすると、外務大臣、その月末までに到着させるということを、これは外務省公表というかお約束したわけですけれども、それも定かでないと。今まだ現地のバグダッドの日本大使館の敷地内にまだあるという状況ですか。
  13. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 車は今大使館の中にございます。  それで、コンテナが手に入ればそれは直ちにということでございますけれども、最終的にコンテナがきちんとこの日に、今そういう日程のアレンジも含めてやっていますけれども、何分にも先があることでございますので、何月何日にとここではっきり申し上げるということは難しいんですけれども、できるだけ早くということで、申し上げた日にちからそう大きく遅れるということには最悪の場合でもならないというふうに考えています。
  14. 舛添要一

    舛添要一君 おっしゃった非常な困難な状況は分かりますけれども、一応やっぱり日本国政府が月末までに搬送するということを、これNHKのテレビで我々の委員会の翌日の七時のニュースで流れました。それで、そうならないということは、これは約束を破ったことになるんですね。政府のクレディビリティーが非常に下がることになると思います。  だから、それと先ほど防衛庁から報告ありましたけれども輸送艦の「おおすみ」と「むらさめ」が出発していますね。これは二月二十日にクウェートに向けて出航したところですといって、もし政府一体であって、防衛庁警察庁外務省が全部一体なら、要するにC130だって飛んでいるし、護衛艦とその輸送艦あるんだから、あれだけの装甲車両載せていくんならば、コンテナ一個載せていけばいいじゃないですか。(「政府専用機でも載っけりゃあ」と呼ぶ者あり)だから政府専用機でも載っかりますよ。  それで、要するにそういうことの熱意を感じられないということを、私は与党の立場ですけれども、国会の、参議院の良識として、やっぱりこれは政府一体であると、全力でもって取り組んでいますということを言わないといけないと。それと、やっぱりNHKニュースで流れていて、月末までにと言って、今日はもう二十五日ですから、あと四日しかありません。これはやっぱり少し反省していただかないといけないんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。
  15. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これはもう最大限に早く運ぶということで督促をして、今本省も現地も一生懸命にやっております。ただ、是非御理解をいただきたいと思いますのは、バクダッドのその大使館の今の動ける範囲というのは非常に限定があるということでして、例えばほかにもいろいろ今申し上げなかったことも幾つかクリアをしなきゃいけないことというのがその輸送の過程についてあるわけでございまして、そういったことも現地の業者とも話をしながらやっているということでございます。  それで、そういったことで一生懸命に全員が取り組んでいるということで、これは引き続きこのように取り組んでおります。引き続きそういうことでやっていく所存でおります。
  16. 舛添要一

    舛添要一君 とにかく全力を挙げてやっていただきたいということと、警察の方にちょっとお伺いしますけれども、そういう証拠物件だからちゃんと保全しないといけないですよというふうなことはさっさと防衛外務省に言っておけば、そのコンテナの手配だって要るし、こういうコンテナでなければ警察としては証拠保全できませんよというふうなことは、ちゃんと連携を取ってやってもらわないと話にならないと思うんですけれども。  我が日本政府というのはそんなにばらばらなんですかということを私は問題提起をしておきたいことと、それから、この前、銃弾の物理的な中身については、口径が何ミリとか、それはお伺いしましたけれども、そのケミカルな、化学的な分析、つまり成分がどういう鉄分であってどうだというようなことはまだ時間が掛かっているのか。それから、それを見ただけじゃカラシニコフなのか何なのかということは分からないんですか。それ、ちょっと御答弁願いたいです。
  17. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) お答えいたします。  まず、銃弾関係からお答えさせていただきたいと思いますけれども銃弾鑑定につきましては、やはり物理的な鑑定ですね、今御質問にありましたような口径がどうとかということを優先することが銃の種類特定に有効だろうということで、そちらを優先してやってまいりました。現在、御質問にありました金属成分につきましての鑑定を鋭意実施をしているところでございます。そういうことで、物理的鑑定を優先したということもありまして若干時間を要しております。今、鋭意やっております。  ただ、一般論として、その銃弾金属成分のみから使用された銃の種類特定するということはこれは難しいというのは、一般論としてそういうものであるというふうに承知をしております。  それから、被害車両関係でございますが、事件発生後から私ども外務省とも緊密に連携を取っておりまして、できるだけ早期にやはりこの車両鑑定実施をしたいと、その際に、輸送する際の留意事項等々につきましても緊密に連携を取っていろいろお願いをしているところでございます。  警察といたしましては、その被害車両我が国に搬送され次第、検証等必要な捜査を行うなど、入手し得る証拠品の検証、鑑定中心に今後とも真相究明に努めてまいりたいと考えております。
  18. 舛添要一

    舛添要一君 写真がこの前、若林委員でしたか、三枚ぐらい出されましたけれども、もっとたくさん、十一枚撮られているということで、八枚出していないという。これは、だってそれなら、あと何日掛かるか分からないけれども被害車両来れば、私が見てもいいんですね、見せてくれと言えば、とにかく。つまり公開でしょう。そんなの覆いかぶせて絶対見せないということないでしょう。それは要するに、私がということじゃなくて、それは警察でいいんですけれども。  つまり、ここの部分写真は撮ったけれども外に出さない、ここの部分は出すという、そういう操作をやっているのかやっていないのか。つまり、全部の写真公開できない理由捜査上のことでということで済まされるのかどうなのか、これは外務大臣でもいいんですけれども。  つまり、何度も言っているように隠す、下手な隠し立てをやるものだから、それから車が来るのだって遅くなるとか、だからいろんな揣摩憶測を呼ぶので、ちゃんとした理由を言って、なぜ見せられないのか。見せるものがあったら見せればいいし。だって、現物の車両が来れば、見せるも何も、来るわけでしょう、見たら分かるわけでしょう。  だから、そういうところに対するいろんな不信感があるわけですから、ちょっとその点を、私の不信感を払拭できるような答えができますか。
  19. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 私どもといたしまして、いろいろな関係証拠品等収集し、鑑定をするなりその分析をするということは、これは犯人をやはり特定をしたいということを考えているわけでございまして、言わば捜査一環としてこれを行っているわけでございます。  したがいまして、今御指摘にありました写真でありますとか、それから今後イラクから搬送されるであろう被害車両といいますのは極めて数少ない証拠品でございまして、これも一般論的な話で恐縮でございますが、犯罪捜査の場合における証拠品の扱いというのは、これは本来捜査のために使用されるものでありまして、それをすべて最初段階からオープンにするということが捜査支障を招くということもこれはあるわけでございまして、もちろん、事の重大性にかんがみまして、私ども、できる限り国民の皆さんの前に明らかにできることは明らかにしていきたいというふうに考えておりまして、銃弾鑑定結果等についてもそういう考えで公表させていただいたところでございますけれども、そういった捜査活動一環であるということから、おのずからやっぱり捜査上の支障等々あるいは捜査進展具合等々、そういった限界があるということは是非御理解をいただきたいというふうに思います。
  20. 舛添要一

    舛添要一君 ただ、どの写真を見せてどの写真を見せないということは、私は、捜査上云々というのは非常に疑問に感じるということだけを申し上げておきたいと思います。  それで、外務大臣、こういうことを、我々がこういう不信を持つというのは、最初米軍からの情報が二転三転していて、店屋で何か買物していて撃たれたとか後でそうじゃなかったというように。だから、ちゃんとしたCPA通じて米軍からの報告外務省に上がってきているのかどうなのか、上がってきているとすればどういう報告なのか。それから、二次災害を避けるということで我が日本国大使館人間現地調査には行きませんで、代わりにイラク人をよこしています。当然、どうだったかという報告はそのイラク人の行った人たちから聴いているはずなんですけれども、そういう報告は上がってきているのかどうなのか、上がってきているとすれば公表するのかしないのか。  そういうところが先ほど言っているように余りにも未公表なところが大きいから揣摩憶測を呼んでいると思いますので、その点をお答え願います。
  21. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 情報公開についての期待値と実際に公開されている情報量の差がいろいろな揣摩憶測をもたらすという委員の御指摘は、私も全くそのとおりだと思います。そういう意味で、この事件が始まって、この件が始まって以来、分かっていることは、申し上げられることはできるだけ早く、即外に出していくという方針でこれは進めさせていただいております。  それで、申しましたようにイラクの、イラク人専門家現地派遣していろいろ聞き込みをするということもいたしました。それで、それについて今若干申し上げられることといいますのは、走行中の車から撃たれたのではないかということについてはその行った人たちも、複数ですが、言っているところであります。  そういったことで、申し上げられることは、一つだけの情報で申し上げるということが難しいものですから、ほかの何らかの複数のあるいは確たるということがあったときにそれを申し上げるという、そういうことであるわけですけれども、いろいろ、誤射があったのではないかということもございますけれども、今私どもが、イラク人専門家も含め、この人たちは近隣の人たちにもいろいろインタビューをしたということもやっていますけれども、誤射があったということの情報は一切我々は得ていない、そういう情報には接していないということでございます。  基本的に出せる情報は極力出していくということについてはそういうふうに考えております。
  22. 舛添要一

    舛添要一君 米軍及びイラク人専門家報告がどうだったかということについても、今のお答えだと要するに本当に公開しているのかと思っちゃいますので、今後更にちょっとできるだけの情報公開するという立場を堅持していただきたいと思います。  それから、時間の関係がありますから先に進みますけれども、何で私がこういう質問をするかというと、私はやっぱり自分組織のメンバーが尊い命を失われたときに対する対応として、私は組織として外務省は冷た過ぎると思いますよ。私は、自分組織人間が死んで、そのときにその亡くなった人が乗っていた車が三か月もバグダッドに放置しているということはちょっと考えられないと思います。  そこで、防衛庁長官、何でこれ質問しているかというと、自衛隊員が向こうで同じように犠牲になる可能性だって捨て切れないわけです。ジープで行っていたと、それで襲撃されたと、亡くなったと、だれが撃ったかわからぬと、それでそのジープもどっか、路肩かどっかに転がっていたと。この場合、あなた、その自衛隊車両を三か月放置したまま置いておきますか。どういう対応を取りますか。
  23. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 私どもとして、先ほど御指摘がありましたが、輸送の能力は有しております。コンテナも持っております。また、政府専用機の場合には、カーゴ機ではありませんので後ろが開いて積み込むという形ができませんので、そういうような能力を持っておるのはC130あるいは輸送艦のたぐいであるというふうに思っております。輸送能力を持っておりますので、捜査の必要性に応じてこれは可能な限り迅速適切に行う必要があるというふうに考えております。  それはあくまで捜査の必要性に応じてということでございますし、他省庁のことをあれこれ申し上げる立場にも当然おりません。ただ、私どもとして輸送能力を持っておりますので、捜査の必要性に応じて迅速適切に対応していかねばならないと思っておるところであります。
  24. 舛添要一

    舛添要一君 その捜査は第一義的には警務隊がやりますか。
  25. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりであります。
  26. 舛添要一

    舛添要一君 いや、だから、今の外務大臣防衛庁長官の答弁聞いていると、同じ政府でしょう、片一方輸送能力持っている、片一方関係ないみたいな話になっちゃうんですよ。だから、これは国民の理解を得られないと言っているんですよ。だから、我々の税金ですから、政府を維持しているのは。そうしたら、自衛隊輸送能力使って持って帰ってくればいいじゃないですか。だから、そういうことを政府一体となってやっていただきたいということを参議院として与野党を超えてお願いしたいということであります。  それから、それからもう一つ防衛庁長官にお願いしますけれども、この前、派遣された自衛官がイラクで誤射した場合の対応をどうするかと、あなたと私のやりとり、これテレビで、NHKで中継されていたんでいろんな方が見られて、理解できないという声が一杯ありました。だから、もう一遍ここを言いますと、言いたいのは、私が質問したことに対して大臣、石破長官は、「過失は罰しません。過失というものを罰することはいたしません。これは国外犯の規定でございますけれども、刑法」云々云々ということで、例えば刑法百九十九条の殺人であったら我が国の刑法が適用されると。しかし、過失の場合は、国外犯に対する規定がないから罰せられませんと。これ業務上過失致死傷罪、刑法第二百十一条ですけれども。ただ、これだとたまたま偶然法律がないから国外罰せられないという話になっておかしいじゃないかという意見が出てもいいんですよ。だから、これはもう一遍ちょっと二人で理論構成をやり直したいと思います。そうしないと国民は分かんない。  つまり、自衛隊員が武器を持って武器を使用する基準は何ですか、まず。それはROEでしょう。
  27. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 法第十七条、そしてまたROEでございます。
  28. 舛添要一

    舛添要一君 そうですね。  そうすると、自衛隊法もあれば、刑法の三十五、三十六条の正当防衛の要件もあれば、イラク特措法で言いますと十七条、これは武器使用を認めたんです。そして、ROEは公表できないですが、中身は知りません。しかし、例えば向こうからトラックが猛スピードで走ってきたと。これは恐らく自爆テロだろうと思ったときには撃っていいんだと思います、例えばこういうROEがあったとして。で、撃ちましたと。ところが、全然違っていて普通の市民をやっちゃったということになった場合に、この場合はどういう解釈をしますか。
  29. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) それは状況によりけりでありますが、委員が御指摘のような状況が起こったとするならば、つまり自爆テロだと思ってROEに従って、仮にですよ、撃ったとします。それが自爆テロでも何でもなくて単なる民間の車両であったということになれば、それは刑法に言うがところの誤想防衛のカテゴリーだと思います。
  30. 舛添要一

    舛添要一君 いや、ただその誤想防衛であってもその中身が実は問題で、じゃその誤想防衛だったら犯罪は構成するのか、犯罪構成要件になるのかならないのか。
  31. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) もちろん、それは構成要件には該当いたします、当然ですね。故意を持って撃つわけですから構成要件に該当するということになりますが、それが誤想するに至った理由というものがどのようなものであるのかということになってこようかと思います。
  32. 舛添要一

    舛添要一君 ちょっと、今の答弁だとこの前と同じことになっちゃうんです。だから、ちょっと私が言いますよ、それで正しいかどうか。  つまり、向こうからトラックが来ているとしますね。撃ちましたと。そのときの判断は、まず警務隊がやるわけですね。自衛隊の警務隊というのは警察官と同じですから、司法のカバーする範囲内ですね。あなたの判断じゃないですよね。司法が判断して、この場合はだれが見ても危ないと思って撃ちましたと。だれが見てもこれは撃つのは当たり前だよというときは、全くどの法律にも適用されない、全く無罪ですと。この場合はほとんど九九%だと思いますので、そこをまずはっきり言わないと。最初から誤想防衛ということを言ったら、誤想防衛だって右から左まで範囲は大きいわけですから。自衛隊員がROEに基づいて、イラク特措法十七条に基づいて、上官もちゃんと判断して、これはやられると思って撃ちましたと。  ところが、たまたま、だれが見てももう自爆テロだと思ったんだけれども実際は違っていたというときには、犯罪も何もない、もう一切の法律の適用はないはずですよ。だから、これは当然、ちょうどそれは国内において警察官が警職法に基づいて、犯人がやってきて撃とうとしていたと、それはもうしようがなくて撃った。たまたま死にました。これは正当防衛の適正なピストルの使用でありましたと警察は発表します。それと同じことでいいんでしょう。
  33. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは刑法総論の議論を始めますと全然訳が分からなくなってしまいますので、恐らく聞いていらっしゃる方のほとんどが分からないということが起こるのだろうと思います。  ですから、これはだれが見たってしようがないというふうにおっしゃいました。ですから、それを担保するためにといいますか、ROEというものは存在をしているという面も私はあるんだろうと思います、それがすべてそうだとは申しませんけれども。ですから、構成要件に該当し、違法、有責の評価を受けて初めて犯罪は成立するわけでございまして、これはもう委員も百も万も御案内のとおりであります。警務隊は何をするかというと、それを調べまして検察に事件を送致するということになるわけでございます。  いずれにしても、正当な手続に従いました限りにおきまして、それはもう犯罪にならないわけでございますから、我々として司法の判断にあれこれ申し上げる権限は全くございません。しかしながら、正当な手続に基づいて武器を使用します以上、それは刑法三十五条に言うがところの正当行為でございます。そして、正当防衛、緊急避難でもって危害要件というものが認められるわけでございます。その中にあって、正当な手続に従って武器を使用します限り、それは犯罪を構成しないというふうに私は考えておりますし、それはそのような適正な判断がその場所その場所においてなされるというふうに確信をしておる次第でございます。
  34. 舛添要一

    舛添要一君 それを最初に言うべきだったんですね。それを最初に言うべきで、司法の判断に行政が入るわけに、介入するわけにいきませんけれども。ですから、私が言ったように、ほとんどもう、ほとんどの場合不問に付されるので、ただ誤想防衛であったって、こんなのプロフェッショナルで間違うはずないのにあなた間違ったなというようなときは、そのときは刑法二百十一条の業務上過失致死ということになる可能性がある。ただ、その場合もこれは国外犯だから適用できないと。ただ、これはやっぱり国外犯だから適用できない云々の理論を持ってくると、じゃ国外で何やってもいいのかということになるんです。ですから、そもそも業務上過失致死にも当たらないと。ほとんど、私は、自衛隊、訓練が行き届いている、しっかりしていると思いますから、そこの段階にも行かないと。  だから、今おっしゃった答弁を前面に言わないと、最初から二百十一条を持ってくるとこれは誤解を招くということで、前回の我々のやり取りでそこは詰められなかったので、これはそういう意味で更に明らかにしておきたかったことでございます。  さて、重要な時間大分たちましたけれども、先ほどの防衛庁外務省の御報告に基づいて質問いたします。  まず、防衛庁、この報告より以前の問題で、今いろいろ報道されていることで自衛隊宿営地それから土地の賃貸契約、これはまあアラブ流のビジネスでしょうけれども、こっちが千五百万と言ったら向こうは六千万と、こう吹っ掛けてくるんですけれども、これはちゃんとその賃貸交渉契約はうまく進んでいるんですか、どうですか。今の状況を説明してください。
  35. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) お答え申し上げます。  イラクでの陸上自衛隊宿営地につきましては、現在、現地派遣しております部隊によりまして、部隊の活動を円滑かつ安全に行うと、こういうことで候補地を選定いたしました上で、地権者との調整を含めまして当該候補地を使用するために必要な調整という形で進めております。  これにつきましては、現時点におきます状況は、宿営地、宿営予定地の地権者に対しまして、まず土地の利用についての了解を得ております。そして、これを得るとともに、その使用に要します経費についての調整を現在継続的に実施しておると、先生今御指摘のとおり、いろんな形の何回かの段階でやっておりますが。一方で、地権者の了解、これも得まして、設営工事ですね、こちらの方も現在進めておりまして、今般、先ほど御報告しましたように、予定地の一部の整地が作業が終わったということで、宿営地、オランダ軍の宿営地から新しいところへ移転するという作業を行っているというのが現状でございます。  この土地のいわゆる使用するための経費、金の問題でございますが、これにつきましては、これ、地権者と何回、相当な回数ですね、現在折衝をしておりまして、現在まだ調整中でございまして、我々といたしましては、その調整について適切な支払、使用についての適切な支払を行うという形で地権者と鋭意折衝中ということでございます。
  36. 舛添要一

    舛添要一君 私もアラブの国で、例えばじゅうたん買ったりするときに相当まけろとかまけないというやり取りやりましたけれども、これは、だってまだ賃貸契約結べなくて造っちゃっているわけでしょう。それで結局、嫌だと言われたら困るわけですよ。だから、こちらも相当したたかにアラブ流の交渉術、これを防衛庁の方も身に付けてしっかりやっていただきたい、国民の税金ですから。それをお願いしておきたいと思います。  それから、先ほどの報告で、サマワの総合病院自衛隊の医官が臨床例の研究をやったということはありましたけれども、その結果から、具体的にサマワの総合病院でどういうものが欲しいとか、どういうことをしてくれという要求は上がってきていますでしょうか。
  37. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) お答えします。  今、先生御指摘のとおり、去る十九日の日にいわゆるサマワの総合病院におきまして臨床の、臨床検討会の方に医官を派遣いたしましてその支援活動の一端を始めたところでございますが、このほかにも、既にサマワの総合病院等、あるいは県の保健局等と何回か既に接触しておりまして、これまでもいろいろニーズ等が上がってきております。  今回、この臨床の症例検討会に参加してくれいうのも、その幾つかあるニーズの中から特に早い段階でこれだけやってくれという形で、うちの方も体制的にできるということでございましたので先般開始させていただいたということでございまして、先生の御指摘のように、ニーズ等については向こうから非常に細かく打合せしながら、我々もニーズを確認しておるところでございます。
  38. 舛添要一

    舛添要一君 外務省の方からはサマワの母子病院の医療機材提供と、これはまあ保育器なんかだと思いますけれども、それがあっているんですけれども、このサマワの総合病院とはまた別の病院だと思いますが。是非この自衛隊調査とこの外務省の方針というのはよく突き合わせて連係プレーを取っていただきたいと思いますけれども、どうですか、そこはちゃんとやっていますか。
  39. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 単純にお答えすればやっていますということなんですが、先ほどおっしゃったサマワの総合病院や県の保健局あるいは母子病院、いろいろなところから医療の支援のニーズはありまして、これは自衛隊と一緒にあるいは自衛隊連携する形で情報の発掘を行っております。  今委員がおっしゃった母子病院、これに加えまして動いている話といたしましては、この総合病院ですけれども、ここで緊急に必要とされている医療品、これは注射器ですとか胃管、胃に通す管でしょうか、点滴セット、エックス線のフィルムといったものですが、これの供与を草の根・人間安全保障無償資金協力、これで実施をするということを検討をいたしております。  それからもう一つ、サマワの総合病院等の医療施設のリハビリ、これは水回りですとか電気ですとかそういったことですが、それに対して緊急無償でやることを検討しています。さらに、総合病院については医療の機材の供与も緊急無償でやることも考えております。  引き続き連携を十分に取りながらやっていく所存でございます。
  40. 舛添要一

    舛添要一君 我々の身近な経験でもそうですけれども自分の命を救ってもらった、家族の命を救ってもらった、これが一番やっぱり有り難いんですね。そのときに、病院の建物とか注射針にありがとうとは言わないんです。看護婦さんとかお医者さんにありがとうと言うんです。したがって、物だけではなくて是非人的なプレゼンス、お医者さん、看護婦さん、これは自衛隊の医務官もそうですけれども、あなたのおかげで助けてもらいました。この注射器のおかげじゃないんですよ。人間のおかげなんですよ。そのことを肝に銘じて、機材の提供だけではなくて、できるだけ早く治安を確保してヒューマンプレゼンスということをやっていただきたいと思います。  これはやっぱり、ドイツとかフランスとかヨーロッパの国はうまいんですよ。アフリカでも何でもそうだけれども日本に立派な病院建てさせて、お医者さんだけ、ドイツのドクターとかフランスの看護婦さん行ったら、ドイツやフランスにありがとうと言って建物建てた日本にはありがとうも何もないんですよ。そういうことも援助のときにはしっかりしていただきたいと思います。  それから、これ、防衛庁にお伺いしますけれども、C130展開しているという、先ほど報告ありましたけれども、ただ、要するにクウェートまで行っていてもバグダッドの空港は危険だとかいろいろあると思うので、このイラク国内の空港の安全確保というのは、ちゃんとこれやっておられますか、どうですか。
  41. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) 当方のC130機のいわゆるイラク国内の飛行をする場合の安全策でございますが、まず一つはいろいろな装備を付けるという形で、装甲板だとかあるいはバブルウインドーと、こういうふうなものを付けておるのが一つでございますが、そのほかに、何度もよく御紹介あちらこちらでされておりますが、飛行場に降りるときにらせん状に安全な方法で降りるという、これのための訓練を何度もやっておりまして、こういうことをやっている。これは防護措置でございますが。  そのほかにも、いわゆる脅威についての情報を、事前情報を各フライトごとの直前にまできちっとその辺りを情報を得て確認していくと。危なければ飛ばないということでございますけれども、こういうことをやっております。  それからあと、全般的な情報、広い目で、もう少し広い情報を、これも定期的に米軍あるいは英軍とか、そういういろんな関係連合軍の方、関係機関から情報をいただいて、それを分析して判断していくと、こういう形をやっております。  ただ問題は、そういうふうにしていてもなお危険というものは一〇〇%解消されるというわけじゃございませんので、我々といたしましては更にそれ以上のいろんなことを想定しまして検討しておりますが、ただ、ちょっと内容については、ちょっとここで御紹介ということは御遠慮させて、差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、我々としては情報収集に万全を期して、そういうものを未然に防止する。  それからもう一つは、万が一そういうおそれがあって発生した場合には、ちゃんとそれを回避できるような形で、そういう形が取れるように訓練あるいはそれだけの準備をしっかりとやっていくと、こういうことで対応しております。
  42. 舛添要一

    舛添要一君 是非、その安全確保ということを怠りないようにやっていただきたいと。これは防衛庁長官にもお願いしておきたいと思います。  それから、外務大臣、やっぱりサマワの状況で、やっぱり部族間の対立があったり宗派、シーア派の中でもいろんな細かい対立があったりする、こういうことが自衛隊現地での活動に悪い影響を与えるようなことはございませんか。今、何か情報は入っていますか、その点について。
  43. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、自衛隊の活動に影響を与えるような、そういう対立があるという具体的な情報は入っておりません。  よく御案内のように、宗派対立という意味では、サマワはかなりシーアであって、ほとんどシーアであるということでございます。それから、部族間の対立についても、これはいろいろ御相談を現地の地元社会としながら進めておりますので、今の段階で問題があるということは聞いておりませんが、引き続き、これは一部の部族に偏るという印象を持たれることがないように、十分に注意をしながら進めていきたいというふうに考えております。
  44. 舛添要一

    舛添要一君 自衛隊の中にアラビア語をしゃべれる人もそんなに多くないでしょうから、これは外務省としても是非、政府一体となって、言葉の面を含めてサポートしていただいて、各部族とあつれきを起こさないような工夫が必要だと思います。  さて、それで、先ほどの外務省からの報告の中にありましたように、アナン事務総長、昨日、本会議で、国会でも御説明いただいたし、非常にいい演説をいただいたと思っていますが、やっぱり選挙調査チーム報告書を見まして、早い時期の選挙というのは無理だろうと、ただ、これは六月三十日までにイラク人に主権を譲ると、そこまではCPAも国連もオーケーだと。そこから先、どういう選挙をやって、どういう形でちゃんとした政府を作るのかということで、やっぱり今年中は無理だ、来年掛かるというような話があると思いますけれども、今のような占領体制をいつまでも続けるんではなくて、一日も早くちゃんとした選挙をやって、イラク人によるイラク人のための政府を作ると。そのことが自衛隊を一日も早く帰国させることにもつながるわけでありますので、そのプロセスをできるだけ早めたいと思いますけれども、現状、我が日本政府としてどういう判断をしているのか、それから、そのプロセスを促進させるためにどういう外交的その他の努力をやるのか、これをお答え願いたいと思います。
  45. 川口順子

    国務大臣川口順子君) イラク政治プロセスについて今国連が何を考えているかということは昨日お聞きになられたとおりでして、はっきりしているのは、六月の三十日に主権はイラク人に渡す、これを変えることは考えていないということですね。  それから選挙、これの準備については、法的な枠組みができた後、八か月ぐらいは掛かるであろうということであります。したがって、五月、主権を移す前にそういった選挙についての枠組みができたというふうに仮定をしまして、これは多分一番最短のところだと思いますが、それから八か月ということだと、早ければ年末ですし、遅ければ年を明けてからと、その辺で選挙ということであろうかと思います。  それで、今、六月の三十日に主権を渡した後、選挙をやる内閣、本格的な政府ができるまでの間をつなぐ政治の枠組みというのを何にするかというのが一番の大きな課題であるわけでして、これについては昨日の国連報告書において余り詳しく書かれていなかったということでございますが、幾つかのオプションがあるということが私が会談をしたときの印象でございます。例えば一つ言われていることとしては、今の統治評議会を拡大をするという考え方もあるんではないだろうかということですし、それはほかにもたくさんあるということです。  我が国としては、大事なことは、これはアナン事務総長もおっしゃっていまして、私も全くそうだというふうに申し上げましたけれどもイラク人のオーナーシップ、イラク人がまずどういうことがいいかということを自分たちで考える、押し付けてはいけないということが大事であるということであると思います。イラクの中にいろんな宗派等々ございますから、そういう人たちが話し合って、それぞれのグループに満足のいくような、そういう形の枠組みをまずイラク人で考えてもらう。国連は、その過程でもし支援が必要ならば幾らでも支援をするということを言っているわけでして、日本国連の事務総長の周りのフレンズの会合のメンバーでもございますから、そういった枠組みを通じて、国連連携をしながら日本政府がやろう、やるべきことをやっていきたいというふうに考えております。  日本も、オーナーシップが大事だということは基本的にそう思っています。
  46. 舛添要一

    舛添要一君 例えば住民台帳なんか全然できていないんで、こういうものを整備するようなことにも日本も手伝いできると思いますから、全力を挙げてこのプロセスを早めていただきたいと思います。  時間ですけれども、終わりますが、やっぱり国会は国権の最高機関であり、我々は国民に正当に選ばれた代表でありますので、与野党を問わず、国民が疑問に思っていることはこういう委員会で明白にしたいと思いますので、是非、政府が分裂しているという印象を与えない形で、しっかりとした答弁としっかりとした政策をやっていただくことをお願いしまして、終わります。ありがとうございました。
  47. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。このイラク事態特別委員会で私は初めて質問させていただきます。  民主党に用意されている時間が一時間ですけれども、私たちの同僚の平野議員と分けて、私の質問の時間が三十分ですから、実はかなり多くの質問を用意しましたが、そのすべてを質問することできるか、それはもちろん答弁の長さにもよりますから、なるべく簡潔に答弁をお願いしたいと思います。  実は、私も、さっきの与党の議員の、舛添議員の話を聞いていて、私も一番最初に、本題に入る前には、日本外交官が襲撃されたときの車のことについて質問しようかと思ったんです。しかし、うれしいことには、それは与党の方から厳しい質問がありましたし、ですから私はもう答弁は求めません。答弁は求めていてもこれはもうかみ合わないということははっきり分かっていますから、だからそういうことは。ただし、私は期待していた答弁は、もう必ず今月で輸送される、日本輸送されると私も期待していたんですが、誠に残念ながらそういう答弁はなかったんですね。だから、私たち、やはり野党と与党は力を合わせて、こういうこともやっぱり政府に対して厳しく追及することも必要かと思います。  そしてさらに、私は、今日は例えばイラク戦争の大義名分については質問しません。ただ、私の意見としてはっきり伝えたいことは、日本政府がこの戦争に絶対賛成すべきではなかった、これは私の意見です。しかし、これに対しても、答弁を求めたらこれは絶対かみ合わないし、もう何時間も何時間もこの委員会でもそういう質問があったんですから、それをあえて今日は問題にしない。  さらに、問題にしない一つのことは、自衛隊イラク派遣したその大義名分についても質問にしません。というのは、野党が反対する中で、これは国会承認がまず衆議院の方では強行採決されて、そしてこの参議院の方でも与党の数の力でそれは可決されました。だから、この事実ももう変わらないということですから。  私は、今日は是非質問したいというのは、既に自衛隊イラク派遣されて、そして活動を始めているんだから、そのことの影響について、例えば日本全体に対するイメージについての質問をさせていただきます。そして、今日はもう外務大臣防衛庁長官だけに質問を絞りたいと思っています。  イラクではそのイラクの国家としての戦争は恐らくもう現時点では終わっている、国家と国家との戦争は終わっている。しかし、私たちはよく知っていることは、テロやゲリラ戦が今も続いているし、そして多くの国から派遣されている兵隊、自衛隊とか兵隊の人たち、あるいはイラクの市民たちは毎日のように犠牲になっている、苦しんでいる。で、私たち日本も、その状況では何ができるかはやはり真剣に考えなければならない。しかし、今の時点では、私たち民主党は今は、自衛隊派遣しなくてもいろんなできることがたくさんあった、しかし、これも実際にはもう派遣されていますから、やはり自衛隊がそこで今誇りを持ってその人道支援とか復興活動を実施して、そして無事活動を終えて一日も早く帰国できるように、私たち、やはり野党と与党は協力し合っていて、そのことを、やっぱり私たちにできることを考えなければならないと思います。  少し個人的なことですけれども、私はフィンランド、母国フィンランドでは徴兵制があります。私も二十歳のときは十一か月間それを、その任務を果たしました。厳しい自衛隊の、フィンランドは兵隊よりも自衛隊ですね、自衛隊の訓練を受けました。それから、イラクに行ったことはありませんけれども、その自衛隊の仕事の厳しさは少しそういう自分の体験でもイメージすることができます。  さらに、これからの質問の方ですけれども、私は主に、全部ではないんですけれども、主に今は用意した質問は新聞やテレビの情報に基づいています。なぜかというと、一般の日本の国民も、大体向こうからの情報はそういうことしか入らないんですね。これも本当に正しいかどうかは、それを確かめる方法はないんです。そして、私たち野党の議員、与党の議員の方でも、本当に何が本当かなかなか分からないということがあります。なおさら私たち野党の議員はなかなかその、それ以外の情報を確かめる方法がないということですね。  で、大きく分ければ、私は二つのタイプの質問というか、二つに分ける質問ですね。一番最初には、この私たち日本国連との関係に対することをまず外務大臣防衛庁長官、二人に見解を求めたいと思います。  これは、最近、私たち民主党の中でも非常に今話題になっている国連待機部隊構想について、これは民主党の中でも意見がいろいろありますけれども、その意見を求める前には、母国フィンランドでは既に四十八年前からはっきりした国連待機部隊があるんです。フィンランドは日本と同じ四十九年前には国連に加盟したんです。その次の年でもう設立しました。その同時に派遣される人数は二千人までです。二千人といったら、フィンランドの人口は五百万人ですから、もし同じ比率で考えれば日本では四万人、五万人くらいになりますからかなりの大きな人数。現在でもいろんなところで、パキスタンとかクウェートとか、いろんなところには八百人が派遣されているんです。  このフィンランドの国連待機部隊が志願者によるもので、全く私と同じようにいつか徴兵の任務を果たした人はだれでも申し込むことができます。実は、私も徴兵のときは申し込みましたけれども、そのときは多くの希望者があったんだから入ることができなかったんですけれども。その人たちは普通は仕事をしていますけれども、定期的に厳しい訓練を受けて、いつでももし必要だったら一週間以内に自分の仕事を辞めてその部隊に入ることができるようなシステムになっています。  はっきり言って、御承知だと思うんですけれども、民主党の方では、私たちの代表は、例えば自衛隊から切り離した部隊はどうですかと。私も、これは個人的な意見ですけれども、そんなに現実的なものではないと思います。もしそのような国連待機部隊があるとしたら、これはやはり自衛隊の中で特別な訓練を受けた人たちをそういう、それも次の質問では後で、なぜそういうのは今の段階よりは必要かということが分かると思うんですけれども、そういうもしこういう考え方があったら、これを外務大臣防衛庁長官の見解を、個人的な意見でもいいですから、こういう部隊についてどう考えていますか。お願いします。外務大臣の方から。
  48. 川口順子

    国務大臣川口順子君) まず初めに、ツルネン先生の出身国であるフィンランドが国連の平和維持活動の中で非常に貢献をしていらっしゃるということに敬意を表させていただきたいと思います。  それで、日本としてどうするべきかということですけれども我が国自衛隊というのは、今まで例えば東ティモールですとかゴラン高原ですとかカンボジアですとか、そういったところで平和維持活動の実績をかなり上げてきているわけです。昨日の事務総長の演説の中でも、我が国の平和維持活動に対して、これが世界の市民としての責任をきちんとやっているということについてかなり初めのところで評価をいただいたという記憶がございます。こういった知見を積み重ねている自衛隊が、別に何か作るということではなくて、その知見を生かして引き続き国際平和維持活動に貢献をしていくということは大事なことであるというふうに私は思っております。別に作るというのはコストが余計に掛かるだけであって、その必要はないだろうというふうに思います。  それで、これからちょっと私の個人的な意見でございますけれども、その平和維持活動をやる部隊、例えば言葉ですとか例えば現地の習慣ですとか、そういったことを自衛隊がやっている平和維持活動に加えて訓練を積んでいかなければいけない面というのは確かにあるのではないかというふうに私は思います。  じゃこれをやるために別なところを、別なグループを作らなければいけないかというと、それは恐らくそうではなくて、今の自衛隊の仕事の中でそういう訓練を特に施すということをやっていけばそれで十分ではないかという感じがいたしておりまして、平和維持部隊としてどのような更なる訓練をすべきか、何をするかということについては今後検討すべき課題ではないかというふうに私個人としては考えております。
  49. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) まず、自衛隊とは別組織国連待機部隊というものはちょっと私は非現実的だということについては委員と意見は一緒であります。その理由は今外務大臣から答弁がございましたことでありますし、同時に、仮に自衛隊と別組織を作ったとしても、それは日本国の主権の行使という意味では全く同じ評価を受けるのだろうと。別組織を作って国連に差し出せば、これは日本国の主権の行使ではないのだという評価をするならば話は別ですが、そのような評価は極めて難しかろうと私は思っておりまして、二重の意味で自衛隊の外に作ることは非現実的だと私は思っております。  それでは、自衛隊の中に委員おっしゃるような組織を持ったらどうだろうかということは、これはフィンランドの制度もよく私ども研究をしてまいりたいと思っております。  今二つの流れがありまして、一つは例の恒久法の問題とも絡むお話でございますが、自衛隊の海外における活動、国際的な責務の履行と言ってもいいですし、貢献と言ってもいいのですが、それが今自衛隊の本来任務になっておりません。それを本来任務にするべきかどうかということも含めまして今議論をしておるところであります。どうあるべきなのだろうか。  そして、それぞれの国の安全保障政策ございますが、フィンランドはフィンランドの国益に最もかなった国防政策を取っておられるのだろうと思います。フィンランドという国がほかの国とどのような軍事同盟を結ぶか、あるいはNATOに入るか入らないか、フィンランドの周辺の脅威はどうかということをお考えになった上で、今国軍の中に国連待機部隊というのがある。我々の場合にどうだろうかということを考えましたときに、いろんな議論があります。  もう一つは、どういう人で構成をするか。我が国は徴兵制を取っておりませんものですから、お国のように徴兵、基礎訓練を修了した方の中で志願された人、そういう人からいろんな検査をして選抜をするというふうに聞いております。私どもの場合には徴兵制を取っておりませんので、どういう形でそういう人を選抜すべきなのだろうか。  それで、やはり今回のイラクの場合でも、この後委員から御質問があるのだろうと思いますが、相当に能力が高い集団というものを派遣をしております。アルバイターみたいな感覚では絶対駄目なのであって、相当に能力の高い部隊というものを持たねばならないのだろう。そうした場合に、その専門を持った方がいいのか、あるいは自衛隊の中でローテーションのような形で回していった方がいいのか、それはもういろんな議論があると思います。この辺りは、いろいろくだくだと申し述べましたが、委員のおっしゃることもよく参考にしながら、日本の国として一番国益にかなった方法というものを模索していくべきだと私は思います。
  50. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 今の答弁は非常にうれしく思っています。  その中で、私も、今はこれも全く日本ではまだ一つのアイデアとして、例えばそれに必要な法整備とか憲法はどうのこうのとか、そういうことは考えないで、ただ外から見れば、国際社会から見れば、そういう国連待機部隊のメリット、日本のイメージに対して説明できるかどうか。その中に、一つは、今はお話に、答弁には出なかったかなり大きなメリットがもしそれは実現できたらあるとします。それはこの私の次の質問と関連することであります。  今イラク派遣されている自衛隊をどのように選任されたか、その自衛隊が。まずこれの答弁を、これは防衛庁長官の方からその選任の方法についてちょっと簡単にお願いします。
  51. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 私どもの選任の方法は、今回、派遣先において、かなり今までとは違った地域でございますから、能力が十分発揮ができますように、任務遂行に必要な知識、経験、健康状態を踏まえ、事前に任務の内容について説明を行い、派遣される方の御家族の事情などの個人的な状況も十分に考慮をいたしました上で、総合的に判断をして行ったものでございます。志願という形は取っておりません。
  52. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ここはポイントですね。志願という形ではないということですね。その状況の中では派遣できるという人と、家族とかはありますけれども。  私は、今は自衛隊には、入る若い人たちは、まさかこういうイラクのようなところに自分派遣されるということは、入る時点では恐らく考えてないんですね。しかし、もしこれは国連待機部隊だったら、それに最初からは志願して、自衛隊の中ですよ、中で入れば、もう自分がそれを覚悟の上で、いつでも行けるような準備で。だから、今はボランティアとしては行っていないんですね。そうすると、やはり自分が完全に好んで行ってない人も中に、やはり危ないということがありますから。だから、これはあらかじめもう、その訓練の面では私も、恐らくかなり厳しく選ばれたでしょうから、それが問題というよりも、言葉の問題もあります。その部隊だったら、もう英語でも必ず、あるいはいろんな言葉ができる人もいればということですね。だから、志願の関係では、それは一つの大きなメリットになる。  コストの面では私は余り関係ないと思いますよ。もしそれは自衛隊の中で行われているんなら、これは可能、今もコストがたくさんこれに、派遣には掛かるということですけれども。  この問題は今は、そのことはそれくらいにしておいて、次には外務大臣にお聞きしたいことは、国連との役割、国連の役割の強化、これは昨日のアナン事務総長の話の中でもありましたけれども日本政府もそれを期待しているということは私も分かっていますけれども、その強化のための働き掛け、国連に対しては昨日もそれは十分伝わったと思うんですけれども、例えばアメリカに対して、アメリカは今まではそう簡単に国連の役割を認めてなかったというのは私たちはよく知っていますね、イラクに対してですね。だから、今度、これからは国連をもっと私たちは役割を強化するためには、そういう働きをアメリカの方に、あるいはイギリスの方に政府の方でしているんでしょうか、しているんなら、どういう形でしているんですか。答弁の方、お願いします。
  53. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 国連強化の働き掛けということでいいますと、これはいろいろな場で行っております。  非常に一般的な形で申し上げれば、昨日もアナン事務総長おっしゃっていらっしゃいましたけれども、例えば安保理改革ですとか、それから敵国条項の話ですとか分担率の話ですとか、いろいろございますけれども、それからよりそういった問題の更に外側の部分、あるいはより根幹の問題として、新しい脅威に国連がどう対応すべきか、そのために国連組織はどうあるべきか、それから、経済社会の分野について国連が随分いろんなことをやっていますけれども、それと安保理の関係をどうするか、そういった問題について日本としては非常に厳しい問題意識を持っているわけでして、それを、例えば私は有識者の懇談会を持っていまして、そこで議論をしていただいています。アナン事務総長からは、その議論の内容についてできるだけ早い時期に国連のハイレベルパネル、緒方さんがメンバーですけれども、そこにインプットとして入れてほしいというお話もいただいています。そういう意味で、知恵の部分、それを各国に伝えながらそれの、その話をしているということもやっております。  それから、もちろんその各国という中にはアメリカもイギリスもドイツもフランスもあるいはブラジルも、いろんな国が入っているわけです。それは、イラクに限定せずに、より広く国連の強化、これをどうしていったらいいかということでやっているということを申し上げたわけです。ブッシュ大統領と小泉総理は国連改革の必要性についても議論をしていただいています。そういったことはやっているということです。  それから、もし委員の御質問イラクについての国際的な支援について国連の役割をどう強化していくかということであれば、国連との関係アナン事務総長と私は何回も電話でお話をし、またおととい、日曜日に会談を、日曜日に会談をいたしましていろいろお話をしました。  それから、アメリカに対しましては、これも外相会談あるいは安全保障協議、そういった幾つもの連携をする場がありまして、もちろん小泉総理、ブッシュ大統領という場も含めて、アメリカが、これは武力行使前から、国際社会と一緒になって、国際社会を巻き込みながらイラクの問題に対応することが必要だということは繰り返し繰り返しお話をしています。私自身もしています。それから、イギリスも同じようなことをやっています。それから、武力行使後、これ、もちろん、それからフランス、ドイツに対してもいたしました。  武力行使後、これは昨日、アナン事務総長もおっしゃっていましたけれども、武力行使前の立場にかかわらず、今国際社会が協調してイラクの復興の支援をしていくということがなければ、これはイラクとの関係でいけば国際社会全部が失うものが大き過ぎる。それは、影響は国際社会全部に及ぶわけでして、復興支援をすべきだということを、これはフランス、ドイツ、アメリカ、イギリス全部の国にこれもまた電話でも話をしていますし、会った折にも話をしていますし、働き掛けています。  具体的にもう少し申し上げれば、フランス、ドイツとの関係でいえば、第三国協力という形で一緒にイラク復興支援をしましょうということで今巻き込みつつあり、そのための会議も持っております。それから、イギリス、アメリカとの関係でも、これはずっと我が国としてそういう働き掛けをしているその延長線上でそういうことの重要性を訴えていますし、選挙の制度について国連がこのような形で関与をすることになったということについては、米国もそういうことの重要性を認識を今非常に持っているということの表れであると思います。我が国はそれに向けてずっと働き掛けをしてきたわけです。
  54. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 なぜこの質問をしたかというと、もちろん今も答弁にあるように、国連への、国連の中の日本の働き掛けはそれは伝わっています。しかし、アメリカに対して、あるいはイギリスに対して、もっともっと国連イラクに対する役割を強化しましょうという、そういうのは私たちには少なくともマスコミからなかなか伝わらないんですから、だからそこはやっぱり日本は遠慮をしていると、私たちはそう思っています。  時間がどんどん過ぎますから次に行きたいと思いますけれども、このイラクの、自衛隊イラク派遣して、そしてこれは今世界でもいろんなところで伝わっています、その私たちの働きは。それを、アメリカから見ればアメリカもそれを非常にうれしがっている、そして、アメリカとの同盟国としてのきずなが、良しあしは別としては、これで非常に強くなっているのはだれでも分かっています。  しかし、その中では、将来的には、昨日もある程度それは国連アナン事務総長との話では出たと思うんですけれども、これからは日本はもっと積極的にはこういう国際貢献として自衛隊派遣する方向になったという、そのこれからの国連日本との関係にはこれはどの程度の、どういうようなメリットとか、どういう変化が起こり得るかというか、生じるかということ。ちょっとこれは後もまだ非常に大切な質問ありますが、非常に簡単にこれは外務大臣の方から、将来のことについて。
  55. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 質的に何か今までと違うことをやるということではないと私は思います。アナン事務総長がおっしゃったように、国連日本関係、これについては十分に強いものがあって、それはもういろいろなところに表れていると思いますけれども、例えばアナン事務総長がおっしゃったことの一つは、国際社会における日本の現在の地位を明確にしている強力な世界的な市民としての活動を称賛しておりますということをアナン事務総長は言っていらっしゃるわけですけれども、そういった行動を日本として引き続きより強力にやっていくということであると思います。その分野は非常に広くて、アナン事務総長が正に御指摘になったように、平和維持活動から開発への支援から様々あるということであると思います。
  56. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 私もこれは、アメリカとの関係はこれでどうなるかというよりも、私はやっぱり国連との私たちの関係は非常にこれから大事だと思いますけれども、そこで国連との関係を終わりにして、そして、残りの時間では、そうすると、サマーワの雇用問題に対する質問に移りたいと思います。  いろんな情報では、サマーワの市というか、その地域の人口は十四万、十五万人ぐらいとか、いろんな情報はあるんですけれども、その中で失業者が非常に多いですね、何割か、いろんな情報がありますけれども。  その中で、まず一つの質問は、簡単に、今は自衛隊がそこで雇っているイラク人の人数はどのくらいか。ついでにその次も、これからそれを増やす予定か、どこまで増やす予定か、簡単に数字だけでいいです。
  57. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 現在、英語、アラビア語の通訳として、英語からアラビア語、アラビア語から英語の通訳の方として約十名です。また、宿営地建設の作業要員として、一日当たり、一日当たりでございますが、約二十名から二十五名を雇用いたしております。  これは将来的に増やしてまいりたいとは思いますけれども作業の規模からいいましても、期間からいいましても、今委員指摘のような、サマワの失業状態を改善するような、そのような雇用が発生する、そのような雇用を行い得るとは考えておりません。トータルで見ましても、延べ数百人という数字かなと思っております。
  58. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 本当にその人数的には極めて少ないんですね、その市の失業者の数からも考えれば。しかし、私たちに伝わっているのは、本当に、日本自衛隊が入ると今度は私たちも仕事が与えられるということ、その期待が非常に大きいということ、そのギャップというのは本当に大きいですね。  そして今度は、私たちは、自衛隊がそこから帰国した後は、その人たちもその仕事を失うんですね。そうすると、将来的にはやはり、どこにでも、外国が入ったら、そこでの職場を増やすための何らかの働き掛けというか、そういうのは本当の一つの国際貢献でありますけれども自衛隊以外のところで何かの向こうのプロジェクトには、これは外務大臣の方でいいと思いますけれども日本はかかわっているんでしょうか、プロジェクトを支援するような形で。
  59. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 雇用問題がサマーワにおいて課題であるということはおっしゃるとおりでして、本来、経済協力でどこまで雇用を伸ばせるかというと、限界があるということを申し上げざるを得ませんけれども、その範囲でできることを最大限やっているということでございます。  一例を挙げますと、国連のハビタット、人間居住計画ですけれども、そこのプロジェクトとして学校の再建事業とコミュニティーの再建事業ということを決定をして、既に始まっています。既に幾つかのプロジェクトが一部分始まり掛けておりますけれども我が国の計算といたしましては、サマーワにおいて一日五、六百人ぐらいの雇用が、そのプロジェクトをフルに稼働させた段階でそれが可能になるだろうというふうに考えております。  このほか、雇用を拡大するようなプロジェクトということをできるだけ考えたいと思っておりますけれども、例えば医療機材を支援するというようなことというのは、これは我が国イラクに対する必要な支援をやっているわけですけれども、じゃ、これが何人の雇用を増やすことになるかというと、これは元々日本あるいは外国の機械を運ぶということでありますから、必ずしも雇用を非常に増やすということにはつながっていかないわけでして、その意味で、雇用を拡大するようなプロジェクトをできるだけやりたいというふうに考えております。  やっぱり、どこの国もそうですけれども、やはり経済開発が進んで治安が安定をして、民間企業の投資が行われるようになって、経済全体が活発化して動き始めるという状況イラクをするということが、雇用の関係で言えば何よりも重要であるというふうに考えます。
  60. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 あと三つも質問がありましたけれども、時間がなくなりましたから、私はここで同僚の議員にはバトンタッチしますけれども、本当に私たち、与党も野党も、リスクが非常に大きいんですよ、この私たちの国際貢献は。イラクに対する国際貢献が無事に終わるように、日本のイメージが正しく世界に伝わるように、やっぱり力を合わせて頑張りたいと思います。  ありがとうございました。
  61. 平野達男

    ○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。  ツルネン委員は大量破壊兵器に関連したイラクの米英の侵攻の大義については質問しませんというお話でございましたけれども、今日は引き続き、粘り強くかつしつこく前回の続きの質問をちょっとさせていただきたいというふうに思っています。  私は、前回議論させていただいた疑問の根底にあるのは、小泉総理も言っていましたけれども、米英のイラク侵攻については大量破壊兵器があるという心証を持っていたと、その上で一四四一、六八七、六七八という国連決議に基づいて米英が侵攻したので、それに基づいて支持をしたんだというお話でした。ところが、ケイ団長を、ケイ氏を団長とする査察団、六千名の査察団と言われていますが、六か月間査察に入ったけれども、結果として何も出てこなかった。その状況の中で、支持した根拠が変わらないというのはやっぱりおかしいと思っています。  つまり、何を言いたいかといいますと、大量破壊兵器があるという前提で侵攻して、そして日本はそれを支持した。しかし、結果として大量破壊兵器がないとは今の段階では断言できませんが、なかったかもしれない。その中で根拠が全く変わらないということについては、これは私は全く理解ができて、理解できません。  それで、改めて確認をいたしますけれども、一連の国連決議は、これイラクに大量破壊兵器があるという前提で作られたものだというふうに私は理解していますが、もう一度外務大臣、その点を確認しておきたいと思います。
  62. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 国連決議六七八、六八七、一四四一、この三つを引かしていただいているわけですけれどもイラクはかつて実際に大量破壊兵器を使ったということはあるわけですね。それで、自ら持っているという申告も行ったということもやっているわけです。それで、六七八は武力行使容認決議ですけれども、六八七は、そういった事実に基づいてイラクに対して無条件で大量破壊兵器、これの査察を受け入れるということを言ったわけですね。そして、大量破壊兵器の所在、数量、それを自らイラクの方が立証すべきであるということを六八七は言っているわけであります。  それで、そういったことにもかかわらず、湾岸戦争後も、イラク国連の査察によって、イラク国連に対して大量破壊兵器についての虚偽の申告をして隠し持っていたということがその査察の過程で明らかになったということであります。あとは、国連の査察団の査察を妨害をしたということもあるわけで、その結果として査察団は引揚げを余儀なくされたということがある。  という事態があることを国連の決議一四四一、これは、これを踏まえて六八七に基づく関連、六八七を含む関連決議に基づく義務の重大な違反を犯しているということを一四四一で決定をした、満場一致で決定をしたわけですね。そして、大量破壊兵器の脅威を除くために、最後の立証の機会、最後の機会をイラクに与えたということであります。  それで、イラクは、それであるのにもかかわらず自らの立証責任を果たさなかった、そしてその機会を生かさなかったということであるわけです。それで、大量行使なしには、失礼しました、武力行使なしには大量破壊兵器の脅威を除去し得ないという状況に至って、関連安保理決議に基づいて、関連安保理決議に基づいて武力の行使が行われた、日本はそれを支持したと、そういうことでございます。
  63. 平野達男

    ○平野達男君 その答弁は、この前も同じなんですけれども、何回も聞いた答弁で、開戦前の、開戦のときの支持した経緯をしゃべっているわけです。
  64. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 支持した理由を言っている。
  65. 平野達男

    ○平野達男君 理由と背景をしゃべっているわけです。その今の段階では、あの状況と今の状況は何が違うか。一つの大きな違いは、大量破壊兵器がひょっとしたらないかもしれないということが明らかになってきたということを言っているわけです。  外務大臣は、そうしたら我が国日本は、じゃこういう、質問の仕方を変えますけれども、開戦前に米英のイラク侵攻を支持したのは、例えばイラクに大量破壊兵器があるかいないか分からないけれども、とにかく手続をしっかりやっていない、査察も妨害している、だから攻撃したということなのか。そうじゃなくて、やっぱり大量破壊兵器を隠しているんだと、隠していて、査察も妨害している、いろんな資料も出さない、だから武力攻撃をして武装解除をするんだということで支持をしたのか。この違いなんです。分かりますか、この質問は。  つまり、今の問題は、今の一四四一、六八七、六七八、大量破壊兵器があろうとなかろうと結果として関係ないというのであれば、最初から、イラクは大量破壊兵器を持っているかどうかよく分かりませんと。ただし、一四四一の中で手続上非常に重大な違反があります、査察も妨害しています、だから武力攻撃をしたということになっちゃうんですよ。  そうじゃなくて、私は、六八七、何回読んでも、これは明らかにイラクが大量破壊兵器を持っている、だからそれを武装解除を命じたんだと。そのためにいろんな手続を、規定を定めているわけです。だけれども、結果的に、だから結果的にイラクはそれは証明できなかった。だから強制的な武力解除、強制的な、繰り返しますけれども、強制的に武装解除させるんだということで侵攻したはずなんです。  あのとき、選択肢は二つあったんです。査察の継続と武力行使です。今、日本は、翻って、結果として大量破壊兵器がなかったということになりますと、あのときの判断は本当に正しかったんだかどうか。やむを得なかったということなのか、それとも絶対あれは正しかったということなのか、それとも、いや、少しもうちょっとした慎重な配慮があってもよかったのではないかということなのか。そういうことの分析をやっておく必要があるんじゃないんですかということを言っておるわけです。  もう米英がイラクに行ってしまいまして、攻撃をして、大きな被害を出した。米兵も死んだ、イラク人も死んだ。この事実はもう取り返しようがないです。しかし、あのときに日本がどういう前提でどういう考え方で支持をしたか、そして今、そのどういう前提でどういう考え方で支持をしたかということに対して、そのとおりでよかったのかどうかというのの検証をする必要があるということを言っているわけです。  今の外務、先ほどの外務大臣は、繰り返しますけれども、開戦前の状況はこうこうこうでありましたから日本は支持をしましたということを言っているだけですよ。私の質問に全然まだ、この間から一向に私は答えているというふうに思っておりません。もう一度御答弁をお願いします。答弁同じですか。
  66. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほど御説明をしたことを今まで何回も繰り返さなければいけなかったというのは、多分それを理解していただいていないからではないかというふうに思います。  背景を言ったわけではないわけです。なぜ日本が支持をしたかという理由を御説明をしているわけです。ですから、それを委員理由であると思っていただかない限りは、これは背景でないわけです。正に事実関係、その説明の根拠になっている事実関係についても申し上げているわけですけれども、そういったその国連の決議に基づいて日本は支持をした。それが理由であるわけですね。  それで、その……
  67. 平野達男

    ○平野達男君 もういいです。はい。
  68. 川口順子

    国務大臣川口順子君) じゃ……。
  69. 平野達男

    ○平野達男君 多分、外務大臣自分で何をしゃべっているか分かっていないんじゃないかと思うんですが。  私は、一四四一、六八七、六七八というのを、じゃ、仮に受け入れたとします。あの状況の中で、前回小泉総理もあれはやむを得なかったと、あの開戦状況の中ではこういうふうに一四四一、六八七、開戦時の状況の中では一四四一、六八七、六七八についての支持をしたということについては正当性があったと思いますということも小泉総理、何回も言っています。  しかし、繰り返しますけれども、開戦時の状況と今の状況の中では大きな違いが一つあるでしょうと言っているわけです。開戦時の状況のときには、前にも言いましたけれども、パウエルさんは国連の中でいろんなパネルを出しながら、イラクは核査察の入る前に武器の、武器、例えば化学兵器の製造施設を移動させている、それから射程距離百五十キロ以上の弾道ミサイルを製造できるような能力が、機械がここにあるんだと、施設があるんだと、だけれどもこれも隠ぺいしているということをずっと列挙したわけです。で、あの列挙は明らかにイラクの中にこういう大量破壊兵器がある、だけれども査察が入ってもそれを隠そう隠そうとしているから見付からないんだと、だから一四四一、六八七、六七八に基づいて武力行使をしたい、認めてくれと言ったわけです、パウエルさんは。  ところが、繰り返しますよ、大量破壊兵器、実はそれらパウエルさんが言った四枚か五枚、たくさんのパネルやりました。炭疽菌のいろんなカプセルなんか出しながらいろんな説明しました。だけれども、査察に入ったら、あれは全部間違いだったということが分かった。だから、今パウエルさんは非常に今苦しい立場に追い込まれていますね。世界に向かって間違ったことを言ったということになっていますから。  日本もああいう状況を見ながら小泉さんは大量破壊兵器があると思っていたとおっしゃいました。日本政府も私はそういう前提で一四四一、六八七、六七八、そういう前提というのは、大量破壊兵器があるという前提で支持したと思っているんです。この大量破壊兵器があるという前提で日本は、日本政府は支持したんじゃないんですか。これ、もちろん、また同じ答弁されると困りますから、手続のあれは、これはいいですよ、瑕疵があったということは、それは分かりました。しかし、つまり、証明しなかった、証明しなかった、それからいろいろと査察を邪魔をしたと、これらはいいんです。だけれども、前提として、大量破壊兵器があるという前提も加わって日本は支持したんじゃなかったんですか。それもう一回、その一点だけ確認させてください。
  70. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 小泉総理のおっしゃったそういう心証であったというのは、もう小泉総理の個人の御感覚であろうと思います。それはそういうことだと思いますけれども、申し上げたいのは、我々は、先ほどアメリカのブッシュ大統領あるいはパウエル長官の国会で、国連での説明についておっしゃいましたけれども、我々が判断をしているベースというのは、これは国連の査察団の報告書、これを見ているわけですね。我々はそのアメリカの報告書、あるいはイギリスの報告書だけでイラクにおける査察、あるいはその大量破壊兵器についてのそういう状況を判断をしたわけではないんです。国連の査察団、この報告書には幾つもの項目にわたって、大量破壊兵器を持っていた、破壊をしたことについては十分に確証が、確認が取れていない、そういったことをずっと載っけているわけですね。我々はそういうことも見てイラクにおける大量破壊兵器の状況については判断をしたということです。  ただ、繰り返しますけれども、我々のその支持をした正当性、これは国連の決議がなければ正しくないわけですから、仮に大量破壊兵器があるどこかの国であったとしても、国連の決議がなければそういうことは日本は支持はしないわけでございます。  ということであるのと、それからもう一つ……
  71. 平野達男

    ○平野達男君 分かりました。質問に答えてないんですよ。
  72. 川口順子

    国務大臣川口順子君) いや、もう一つ申し上げたいのは、一四四一において、日本だけではなくてほかの国も、一四四一においてイラクが六八七に重大な違反を犯しているということを決定をしているわけです。それは日本だけじゃなくて、正に安保理の満場一致の決定であるということを申し上げたいと思います。
  73. 平野達男

    ○平野達男君 ですから、私は、一四四一それから六八七、これはセットだと思うんですが、私の感覚では、これはもう、どうも意見が一致しないみたいですが、大量破壊兵器がある、イラクが持っているということがまず一つあって、片っ方でそれを廃棄したということは証明していない、隠している、これはセットだと思っています。ところが、外務大臣は後半の部分の方はずっと言っているんです。証明しなかった、それから査察についても妨害をした。  それで、そして、前段の部分の大量破壊兵器ということについては、先ほど私の質問日本政府はあるということは全く念頭になかったわけですか。あるかないかということは関係なく、とにかく手続上非常に瑕疵があるということで、日本は米英に対しての、米英がイラク侵攻したことに対する支持をしたということで理解してよろしいんですか。そこを明確に答えてください。これをはっきりしないと、これ次の質問できないんですよ、これ。
  74. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これはさっきお答えしたつもりなんですけれども、パウエル長官、米国、英国がその状況について国連で話をした。まだ、あった、あるということが証明されていない。なかったということも証明されていないんですけれども、あったということも証明されていない、これは事実であります。  我々はもちろん、国連査察団自身が行ってこれを確認していない、これは証拠がおかしいということを言っているわけですから、そういった状況情報、データをきちんと分析をして判断をしているということであるわけです。それは、我々として、正に国際社会の、国連の査察団が行ってやっていること、かつて持っていた、使った、証明されていない、しかも証明をすることを拒否する、協力をしない、そういう状況で六八七違反だということは、大量破壊兵器の義務に応じていないということは安保理が全会一致で決定をしているというふうに、ことをベースに判断をしているということであります。
  75. 平野達男

    ○平野達男君 だから、半分納得して半分納得していないんです。だから、何であのとき武力行使をするか。武力行使をして武装解除をしなければ、例えばイラクが持っているVXガスあるいは炭疽菌、そういったものがテロリストの手に渡るんじゃないか。当時はイラクとアルカイーダの連係性やなんか、でない、関係性やなんか随分指摘されていました。もうこれ以上待てないんだという前提で武力攻撃入ったんです。  ということは、あの武力攻撃というのは、これは最終的な手段ですから、イラクに大量破壊兵器があるという前提でないと私はできないと思っているんです。これはそうではございませんという意見はあるかもしれません、そこはですね。ところが、だからあそこに武力攻撃をやったことで強制的にあの段階で、今の段階で武装解除をしなければならないというのが米英の、イラク新法だったんです。で、繰り返しますけれども、あのときは査察の継続という意見もあった。フランス、ロシア、それはもう御存じのとおりですね。そして、翻ってやってみたらどうも出てこない。日本は、あのとき本当に、もう一回あのときの状況に立ち返って、あれはただし、あのときのいろんな状況の中では一四四一、六八七に基づいて、国連決議に基づいて支持をしたというのはこれはやむを得なかったかもしれない。だけれども、本当によかったんだろうかという検証をする必要があるんじゃないですかというのが私の質問です。  どうもこれ以上言っても今日は結論が出ないかもしれませんが、今のような答弁を続けている限りは、それこそ一四四一の一番最後にあるシリアス・コンシクエンスという言葉がありますね、日本がそういう状況になるんじゃないですか、本当に、これは、と思いますよ。  外務大臣は私の言っていることに対して真っ正面から全然答えていない。二つの条件があったということに対して、後段のことしか答えてないんです。この件についてはまた、十二分まだ残していますけれども、もっとちょっと別なこと聞きたいことがありますんで、また粘り強くしつこくまたやらしていただきたいと思いますんで。これはいずれ日本政府としての検証はきっちりやっておく必要あると思いますよ。  それで、通告申し上げたものとちょっと違ったやつで、防衛庁長官、申し訳ありませんが、ちょっと今日、「非戦闘地域であると判断した根拠」、これ出てまいりましたので、これに関して、通告申し上げませんでしたけれども、ちょっと何点か、何点かです、質問させていただきたいと思います。  今回のイラク事態特の大きな課題というのは、やっぱり戦闘地域、非戦闘地域をどうやって、サマワという地域やムサンナ県がなぜ非戦闘地域かということの説明が大事じゃないかということを前回私は申し上げたつもりです。それの具体的なことがどこにも書かれていないと質問をしまして、是非文書にしたものを出していただけないかということをお願い申し上げましたらこういう文書が出てきまして、これはちょっと今私の方から読ましていただきます。「非戦闘地域であると判断した根拠」というのは、要は、当該対応措置の具体的内容を踏まえ、我が国が独自に収集した情報、諸外国等から得た情報等を総合的に分析し、活動期間中の状況変化の可能性等々も含め、合理的に判断し、ということしか書いていません。これだと、要するに情報の発信源を明かすことはできないんだということで、これ以上の書き方はできないというお話でした。だけど、これで非戦闘地域かどうかというのは国会の方では全く判断できない、もうブラックボックスになっていますね。  それで、他方、前回のこのイラク特委で、防衛庁長官はこれに補足する形で、いわゆる部族社会であって通報の体制がしっかりしているんだ、それからオランダ軍も警戒態勢を取っている、それから比較的治安もはっきりしている、だから非戦闘地域なんだという補足的な、そして非戦闘地域なんだという補足的な説明をしているんです。それで、ただ、この答弁をお聞きしていますと、どうも治安の安定ということと非戦闘地域ということがちょっとごちゃごちゃになっているんじゃないかという感じがしました。  これは確認なんですけれども、部族社会、通報の体制がしている、オランダ軍も警戒態勢を取っている、これは治安の安定に寄与しているというだけで、非戦闘地域のことには直接的には関係ないんではないかという気がしますが、この一点をちょっと確認したいんですが。
  76. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 直接関係ないではないかと言われればそうだと思います。ただ、全く関係ないかと言われればそうでもないのだということですね。  要は、これもう委員もよく御存じのとおりで、非戦闘地域というのは危なくない地域という意味とは違いますよということは何度も御説明を申し上げました。また、国際的な武力紛争を解決する手段として国又は国に準ずる組織による組織的、計画的な武力の行使が行われていない地域ということを非戦闘地域というのだということも何度も御説明をしたとおりであります。  そうしますと、部族社会であるがよってにいろんな情報が伝わる。それじゃ、そこの主体がだれであるのか、どのような行為が行われているのかというような情報が入るということで、私は、直接論理的に重なるものではないけれども、全くそれが関係ないというものではないというふうにお答えをしたつもりでございます。
  77. 平野達男

    ○平野達男君 例えば、私の意見として言わせていただければ、オランダ軍も警戒態勢を取っているというのは、例えば戦闘地域があって、そこに軍が駐営していると。そこに完全な武装をやっていて、やっているというところには、それは敵は攻撃してこない、だからそこは非戦闘地域、これは絶対あり得ないですよね。これは、そこの地域の安全を確保するためにはそういうようになって措置が取られているというだけで、だから、そういうことはないんだということで非戦闘地域というところとは直接結び付かないんじゃないかということだったんですが。
  78. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは、例えばそのオランダ軍が非常に警戒をしている、治安維持を行っているということで、それを戦闘行為と評価をするかしないかは別にいたしまして、そのような事象が起こることが少ないということにはなるだろうと思います。
  79. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 平野貞夫君。
  80. 平野達男

    ○平野達男君 平野達男でございます。  そこはちょっと私は意見をちょっと異にするんですが、いずれにせよ、この「非戦闘地域であると判断した根拠」というのは、最終的にはもうちょっとブラックボックスになっちゃって、その判断は政府に任してくれということなんですね。  しかし、前回も言いましたけれども、このサマーワ、違う、ムサンナ県周辺、特に今回の外務省からの報告にもありましたけれども、スンニ・トライアングルを中心にテロが多発していると。テロは戦闘行為かどうか、じゃない、戦争かどうかというのは、これは定義が非常に難しいんですが、いずれ、とても平和だという状況にはない。  この間も申し上げましたけれども、非戦闘地域ということに、で、失礼しました、自衛隊が今回イラクに派兵されるに当たっては、これは憲法上の整合性ということは随分議論になりました。自衛隊は今二つの観点で活動に制約が課せられている。それは行為の規制と場所の規制です。行為については、もう防衛庁長官が何回も言われました。場所については、これは非戦闘地域だと言ったと。ところが、非戦闘地域は、繰り返しますけれども、こうやってもうよく分からない形になっているんですね。  更に言えば、これも前回の話をしたことの繰り返しになりますけれども、後方地域というのが初めて周辺事態法に出てきた。で、テロ特措法が出て、あれはインド洋でした。アフガニスタンからずっと離れた後方地域です。私どもは旧自由党で、私は自由党に属していましたから、あれに反対しました。反対したのは、危ないとか、危ない、危なくないとかというそういう問題ではなくて、兵たんは戦闘、武装、武力の行使と一体にならないんだという概念がおかしいという一点で反対しました。  ところが、今回は、周辺事態法、テロ特措法、周辺事態法は日本近海でしたね、日本近海で周辺事態はまだ発動していません。あのときも大変大きな議論がありました。今度は、ずっと行ってインド洋まで行った、今度はイラクに来た。イラクに来て、今度は後方地域でも何でもない、非戦闘地域でおかに上がっているわけです。おかに上がって、ムサンナ県の周辺の中ではテロ活動が一杯頻発している。で、非戦闘地域は何ですかとなりますと、こういう文書になってきている。  私は、今の、今回のこのイラク支援法というのは、これはもう法律の議論に戻ってしまいますけれども、解釈憲法でやっていることについてのもう破綻が来ていると思います。これは完全に破綻していると思います、と言うと、それはそうでございますという答弁は全然期待していませんけれども。こういう最後の部分で、非戦闘地域ならいいんですよという緻密な議論をずっと積み重ねてきています。だけれども、現場の非戦闘地域ですということでアプライ、適用するときには訳の分からぬなっている。これは、羊頭狗肉とか竜頭蛇尾ならまだいいですよ、頭とかしっぽまだあるんだから。これは、緻密な議論をやって、頭の方見ていったら実は頭の方がその正体が見えなかったという、そういう感じでないかというふうに、これ、その表現が妥当かどうかは分かりませんが、そういう感じだと思います。  そういうことで、今日は憲法解釈だけで自衛隊派遣することについてはもう限界に来ているということだけは強くちょっと指定させて、指摘しておきたいと思います。何かコメントございますれば。
  81. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) もうお時間が余りありませんから、また時間を取っていただいて議論をさせていただきたいと思いますけれども、羊頭狗肉とは思わないんですね。犬のしっぽをずっとたどっていったら頭も何にもなかったとも思わないんですね。  要は、先生、このイラク特措法をよく読んでいただいた上での御質問であることはよく知っていますが、三条において、我々の活動は武力の行使、武力の威嚇であってはならないと、こう言っているわけですよね。まずそこで憲法には違反しないんだということをきちんと担保している。もうそれだけでいいじゃないかと、自衛隊がやることはもう武力の行使でもなく、武力による威嚇でもないのだ、だからそれでいいじゃないかというと、そういうことにはならないので、何で、じゃ、そういうふうに三条で書きながら、非戦闘地域なぞという概念を持ってきたのかと言われれば、その行為自体は武力の行使ではないけれども、それを一緒に行うことによって、他国と一緒に行うことによって一体化したとの評価を受けてはならないのだということで、わざわざそういう概念を設けている。そのこと自体は武力の行使ではないけれども一体化するという評価を受けないためにという、わざわざそういうような概念を設けておるわけでございます。  このことはもう昭和三十年代からずっと積み重ねてきた議論でございまして、これは憲法解釈上破綻があるというふうな御主張になるとするならば、憲法の解釈をどのように変えればそれは整合を取って議論ができるのかという御提示が私は次回でもいただけるかなという気はしているのでございます。これが時々、集団的自衛権の議論とごちゃごちゃになってしまう場合がございまして、これは必ずしも論理的にはそういうことにならないだろうと思っております。  どの場合に自衛隊がどのような行為を行っているかということについて、委員と正確な認識の共有をした上でまた御教示をいただきたいと思いますけれども政府といたしまして、今、憲法の解釈の破綻を来しているというふうには考えていないところでございます。
  82. 平野達男

    ○平野達男君 私は、非戦闘地域ということについての明確な説明、きちっと分かるような説明ができないという一点においてでも、既にもう大きな問題がここに提示されているというふうに思っています。  あと残り時間一分になりましたんで、イランの質問なんかをやりたかったんですが、また次回、時間を取っていろいろと質問をさせていただきたいと思います。一分もったいないですけれども、中途半端になりますので、ここでちょっと終わらせていただきます。     ─────────────
  83. 清水達雄

    委員長清水達雄君) この際、委員異動について御報告をいたします。  本日、神本美恵子君が委員辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。     ─────────────
  84. 山口那津男

    山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。  このたび自衛隊が、陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊、三隊そろってイラクで活動を開始すると、こういう段階に入ったわけであります。是非ともこの人道復興支援の実績、成果を上げるべく、しかも健康で安全に任務を終えて帰られることを祈りたい気持ちで一杯であります。  そこで、この自衛隊の活動というものが国連決議のどこに依拠しているかということを改めて確認をしたいと思います。  安保理決議の一五一一には多国籍軍についての言及があるわけです。この決議に基づいて自衛隊の活動が展開されているのかどうか、この点についてのこの決議と自衛隊の活動の関係を念のためお伺いしたいと思います。
  85. 川口順子

    国務大臣川口順子君) イラク特措法に決議一四八三、一五一一というのが根拠として引かれているわけでございますが、その一五一一のどこかという御質問でございますので、これは一四八三を前提としながら幾つかのことを言っていまして、パラ十三、イラクの安全に貢献する多国籍軍の活動、パラ十四、そのための軍隊を含む支援を要請する、そしてパラ二十二ですけれども、それと同時に各国に、イラクの経済基盤の復旧及び復興に必要な資源を提供することにより、イラク国民の必要性を満たすことを支援するように要請といったことでございます。    〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕  このように、一五一一というのは一四八三を具体化するための重要な決議であるというふうに考えております。
  86. 山口那津男

    山口那津男君 今の御答弁のように、一四八三にはその多国籍軍に対する直接的な言及はなかったわけですね。それが、一五一一で初めてこれが文言として登場してまいります。その二つの決議を根拠にして国連加盟国の軍隊を出しての支援活動もありますし、我が国もそれに基づいて自衛隊を出していると。こういう明確な国連決議に基づく行動であるということを今理解することができたわけであります。  その上で、これからの復興活動に日本が、自衛隊の活動は私は全体の復興プロセスから見れば初期段階の必要不可欠な活動だと思っておりますけれども、しかし、これからの本格的な復興を展望したときに日本がやるべき課題というのが幾つか考えられると思います。  そのうちの一つとして、チグリス・ユーフラテスの大河の河口付近、ここにメソポタミア湿原と呼ばれる地域があるわけです。かつては四国をのみ込む以上の広大な湿原であったと。ここには豊かな水生、植生が展開して、農業、漁業、その他の人々の生活もあったと言われているわけでありますが、これがフセイン時代に破壊されて今は非常に縮小してしまったと。しかし、これもかつて生活、仕事の場であったということから、これを復元することによってそれが復興につながる、またその過程で大きな雇用を作り出すこともできる、そしてまた環境、水生、植生の回復といったこの環境問題にも貢献することができると、こういう多面的な復興の効果というものが期待されるわけであります。  ところが、これを我が国は手を添えるべきであると思いますけれども、しかし、現状で相手国のイラク政府というのは完全にでき上がっておりません。ですから、二国間の支援の様々な道具、ツールというものを使えない。そうすると、現段階では国際機関を通じての支援から始めなければならない。環境の面から注目すればUNEPというものもあるでしょうし、また開発という面から見ればUNDPというものもあるでしょうし、先ごろ来日したアナン事務総長も、UNDPに対してこの視点での仕事の在り方を神崎代表の発言も踏まえて伝えたいと、こういう発言もあったところであります。  これからこのメソポタミア湿原について我が国がやるに当たって、またイラクのことだけではなくて、隣国イランにもこの湿原は広がっているということもありますから、非常に多様な面、また段階的な支援、これらを含めて考えていく必要があると思っております。  外務大臣としては、これからのこのメソポタミア湿原の復元事業についてどのような見通しをお持ちか、また具体的にどのような支援をやっていかれるおつもりか、お答えいただきたいと思います。
  87. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先般、UNEP、国連環境計画のテッファーさんがお見えになったときにこのお話をかなり長い時間、私いたしました。それから、その前に、一月にイランに行きましたときも、イランも非常に密接な関係がありますので、環境大臣、エブテカール環境大臣兼副大統領ですが、とこのお話をいたしました。我が国として貢献をしていくのにふさわしいプロジェクトだと私は考えております。  それで、具体的に今、今後どうやって進めるかということなんですけれども、なかなか広がりが大きい大変に大きなプロジェクトであるということで難しい点が幾つかございます。  まず、治安の懸念というのがあります。人があそこに入ったときに治安上大丈夫かということです。それから、非常に広い地域にわたっていますので十分に、まあ支援ニーズがしたがってたくさんありますので、それを全部見切れるかどうか。複雑な社会関係、利害関係があの地域においてはあります。それから、周辺国との関係でも、水をめぐる問題でございますので、かなり複雑な関係があるということでございます。  まず、我が国としてそういった点について現状の把握をしていくことが大事だというふうに考えております。それから、イラク側との調整をしながら、UNEP等の国際機関とも調整をしながら、そして周りの国あるいはこの問題に関心を持っている世界の国々という、と連携をしていくということが大事であると思います。  UNEPは過去において幾つか調査をしています。それから、研究会といいますか、シンポジウムをこの点について開いています。そのUNEPも、調査団を出したいんだけれども治安の関係で今すぐにということは困難が伴うということをまあおっしゃっていらっしゃいまして、そういった、先ほど申し上げたようなところと連携をしながら、我が国としてその中で具体的にどういうことができるかということを考えながら、このプロジェクトについてイニシアチブを持って進めていきたいと考えております。
  88. 山口那津男

    山口那津男君 もう一つの復興の課題といたしまして、かつて我が国の企業が開発に携わった歴史もあるわけでありますが、ウンムカスル港という港があります。ここは、我が国の掘り込み築港の技術を生かして二つのバースを造り、運河を造り、また埋立て工事もやったと。困難な中を大変な工事をかつてやったという実績があるわけであります。  現在、それを活用するためにしゅんせつの工事等も一部やっておりますけれども、しかしもっとこれを本格的な復興事業に生かす拠点としてやれることはまだあるだろうと思います。この港の整備と、それから後背地が工業あるいは物流の拠点として生かされるような、そういう整備というものも可能性はあるだろうと思います。  また一方で、シャット・アル・アラブ川という、河口の、国際河川があるわけでありますが、ここはかつてのイラ・イラ戦争のあおりもありまして、機雷がまだ残っているとか、あるいは廃船、沈船があって航行がしにくいとか、そういう妨害物がたくさんあるとも言われているわけであります。内陸港である大都市バスラの港もそういう意味で使用が制約されていると、こうも聞いているわけでありますが、隣国イランとも接する国際河川でもありますので、この航行が可能になるように、そして内陸バスラ港がもっと活用できるようにということも含めて、それが先ほどのメソポタミア湿原の復元事業ともどこかで接点を持ちながら、この南東部の開発、発展というものに寄与できる大きな可能性があると思うわけですね。  ですから、バスラ、バスラ港、川のしゅんせつ、そしてウンムカスル港後背地の整備、これらについても是非日本が貢献し得る、かつての実績を活用して貢献し得る大きなテーマだろうと思っておりますが、この点について外務大臣の所見を伺いたいと思います。
  89. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今委員が言われたようなウンムカスル港のイラクにおける重要性、これについてはおっしゃるとおりでして、その重要性についての認識は私どもも持っています。経済開発という意味でこれが非常に重要な拠点であるということでもありますし、それから物流の拠点だということもおっしゃったとおりです。それから、近隣諸国との関係でも非常に重要な地域だというふうに思います。  我が国として、ウンムカスル港が非常に重要であるということを考えておりましたので、戦闘終了宣言が出される前の昨年の四月の時点で、このウンムカスル港のしゅんせつ、これにつきまして、たしかUNDPを通じたかと思いますけれども、二百五十万ドルの支援をいたしまして、これについては国際社会から非常に高い評価をいただいているわけでございます。  今後、ウンムカスル港あるいはシャト・アル・アラブ川について、我が国としてどういうようなことを具体的にやっていくことができるかということについては今後具体的に検討を進めていきたいと考えております。
  90. 山口那津男

    山口那津男君 また一方で、イラク国内には地雷や不発弾がまだたくさん残っているとも言われております。クルド人地区でNGO等が地雷の撤去活動を行っていたこともあったわけですが、今それが十分できない状況でもあります。また、戦争のあおりを受けて不発弾が残っている、集中している、そういう地域もあるだろうと思います。ですから、これらの除去、撤去ということも今後の課題として出てくる可能性があるわけであります。  これをどういうふうに日本支援していくかというのはいろんなやり方があろうかと思うわけでありますけれども、先ほども申し上げましたように、イラク政府というものがない段階では多国間の仕組みを活用する、そして、いずれ暫定政府その他の受皿ができたときには二国間の支援のツールも活用する、こういうことを展望しながら私は何らかのこの支援が必要であるというふうに考えております。なぜならば、やはり定住、そしてそれからの生活あるいは経済活動を考えたときにやっぱり一番先立って行われなければならないそういう活動だからであります。  この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  91. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 対人地雷関係の活動というのは、我が国が今までもかなり力を入れてきたところです。カンボジア、それからアフガニスタン、スリランカ、アンゴラ、様々なところで支援をしてきているわけですけれども、それを実際に除去するという作業、それから地雷を回避する教育、子供たちに対しての教育、それから犠牲者に対しての支援、そういったことをやってきているわけです。    〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕  それで、おっしゃったように、イラクは北部地域、国境が交わるところ近辺にかなりの地雷があるというふうに言われていまして、一説では一千万個の地雷が埋設をされているというお話もありますし、六週間の調査期間の中で、南、南部の四県だけで三百二十四名、北部三県で七十名の犠牲者があったという調査も、これは世銀、国連がやった調査の中に出てきているわけです。  今後、イラクにおいて地雷についてどのようなことができるかということにつきましては、これはイラク側からの具体的な支援の内容ですとか、国際機関の今の取組状況、そういった、あるいは現地の実情も踏まえまして、そういったことを踏まえて具体的に検討をしていきたいというふうに考えております。  私、個人的には、我が国としては技術がかなり進んだものを持っておりまして、カンボジア等でこの面でかなり貢献をしている面もありますので、そういったことも含めていろいろ検討できるのではないかというふうに思っています。
  92. 山口那津男

    山口那津男君 この地雷や不発弾の処理というのはリスクを伴うという側面があります。したがいまして、これを一般の経済協力という従来の枠組み、考え方でいくにはちょっと無理があるといいますか、性質の違う面がある、発想をちょっと変えなければいけないのではないかと思うわけです。  今大臣がおっしゃられた日本の技術を使うということも、確かに日本の産業技術、科学技術を応用してこれら除去作業に携わるというのは画期的なことで、これは大いに推進すべきことだろうと思います。  しかしまた、これが果たして産業界にとって利益を生む意欲的な仕事になるかというと、必ずしもそうではない面があると思います。そして、現実に技術者が行くに当たっても様々なリスクもあると思います。また、在外公館の体制というものも、これらに即応できるそういう人材が豊富にいるというわけでもないと思います。  ですから、これらの分野を進めていくに当たっては、私は、従来の比較的安定した中で経済活動を推し進めるという協力の考え方ではなくて、もっと平和の構築とか平和の定着とか、そういう視点から枠組みを考え直す必要があるのではないかと思うわけですが、大臣の御感想を伺いたいと思います。
  93. 川口順子

    国務大臣川口順子君) おっしゃったとおりで、いろいろな障害、大きくこれを進めていくための障害がございます。  外務省としては、この対人地雷については、これをきちんとした形で取り扱うために、組織も、昨年だったと思いますけれども、少し改編をして、これが扱いやすいような形にもいたしました。NGOの方々との連携も非常に大事であるというふうに思います。現地での取組というのも非常に重要で、これは最後ここをやらなければ意味がないわけですけれども、それが難しい部分があったとして、その部分をほかのところで、例えば技術開発もそうですし、あるいは国際NGOがいろいろ活動しているところに対して更にお金の支援をすると、我が国としてできる部分もあると思います。  いずれにしても、対人地雷について、我が国としてはこれを平和の定着の柱としてずっと取り組んできておりますし、国際的にもその評価は高いわけでございます。引き続き、国際機関や国際NGOや、そして我が国の企業や我が国のNGOや様々なところと連携をしながら、できることを現実的に一歩でも二歩でも前に進めていくということをきちんと考えていきたいと思います。
  94. 山口那津男

    山口那津男君 自衛隊は、この地雷除去の活動あるいは不発弾の処理というものを日本国内でこの技術、経験を持っている唯一の公的機関だろうと思います。しかし、国際的な仕事としては、これまで実績はこの分野ではなかったわけであります。しかし、PKO協力法には放棄、遺棄された武器の撤去ということも仕事の一つになっておりますから、これを仕事としてやる可能性はあるわけであります。そして、私は、この自衛隊という実力組織、様々な能力を持っているわけでありますが、これを、地雷や不発弾の処理というものを人道的な視点で国際貢献の一つとして自衛隊が行うということはこれからもっと考えられていいのではないかというふうにも思うわけであります。  そして、現実に陸上自衛隊のOBの方々がNGOを作りまして、JMASという名前で今カンボジア等で不発弾処理の仕事をしているわけですね。自らの技術で処理をする、そして現地の人にこれを、処理の技術を教える、そしてその技術が広がっていくと、こういう非常にユニークな価値ある活動だと思っております。  その人材供給源は自衛隊にあるわけでありまして、こういうことも考えながら、自衛隊あるいは防衛庁として、この国際的な人道面からの地雷除去あるいは不発弾の処理、これについての考え方というものを是非確立すべきであろうと思いますが、長官、お考えいかがでしょうか。
  95. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりだと思います。  先生にも御教示をいただいておるところでありますが、今、在り方検討の中で、じゃこれをどう位置付けたらいいのかということを議論をいたしております。どういうふうに我々は国際的責務の履行の中でこの不発弾処理、地雷処理というものをとらえていけばいいのか。同時に、今、国内でその任に当たっております者、全部で六十名ぐらいしかおりませんで、戦後半世紀以上たった今でも不発弾処理の件数というのはかなり多うございます。そうしますと、これ、その体制をどのように作っていくべきなのかという議論とも併せて、国会での御議論も踏まえて検討していきたい。決して後ろ向きに考えていいことだとは思いません。  もう一つ、JMASに対する支援のお話でございます。  これはたしか二〇〇二年から事業を開始しているのだろうと思います。西元さんが会長でありますから、私も会合にも出たり、よくお話を承ったりもするのでありますが、二〇〇二年七月以来活動を開始し、今でもカンボジアに事務所を置いております。一万七千発もう既に処理をしたということであります。  そうしますと、これNPOでございますから、これ外務大臣のお答え、がお答えいただいた方がむしろ適切かもしれませんが、政府としてこのような非常に意味のあるNPOに対してどのような協力をしていくべきなのか。あわせまして、唯一の人材供給源であります私ども防衛庁自衛隊として、どのようにこれから先更に積極的にNPOに対して協力をしていくべきなのか。  いずれにしても、前向きにとらえて形にしていきたいと思っておるところであります。
  96. 山口那津男

    山口那津男君 イラク支援とは直接関係ございませんけれども、実は一九七二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約というものがございます。いわゆるロンドン条約と言われているものでありますが、これの改正議定書というものが九六年に作られました。これを我が国が締結をしようという準備が進められているわけでありますが、それに伴う国内法を整備しなければなりません。今年、海洋汚染防止法の改正というものが検討されていると、こう伺っているわけでありますが、この条約及び国内法の趣旨からいたしますと、不発弾を海洋に投入する処分というのはできなくなる、すべて陸上で処分しなければならない、こういう方向に進むはずであります。  そうした場合に、今、陸上自衛隊が演習等で不発弾を生み出してしまうということもあるでしょうし、また旧日本の軍あるいは米軍の残していったものもあるでしょうし、いずれにしてもこの我が国内で生じた不発弾というものを陸上処理をしなければならない。処理のできる技術は自衛隊しか持っていない。しかし、これを政府としてどこがどうやるべきかということは明確に位置付けられていないわけですね。  今、自衛隊法の中には、不発弾の処理は、附則で、当分の間やるという暫定的な位置付けだろうと思います。しかし、この条約の国内法整備に当たって、私は政府としてどの部門がどういうふうに責任を持つかということを明確にする時期に来ていると思うわけですね。必ずしも防衛庁がその任を引き受けなければならないとも思いませんけれども、多面的に御検討いただいて、是非そういう法制度を確立していただきたいと思うわけであります。防衛庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  97. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) まさしくこれが、海洋汚染防止法が改正をされ、もちろんそれと併せて条約、ロンドン条約の改定議定書の締結ということになるのでしょう。そうしますとそういう問題が出てまいります、洋上投棄ということができませんので。  それはもう消極的権限争いをやっておってよいとは思いませんが、政府の中でまさしくどこがやるべきなのかということをこの問題と併せてきちんとしておかねばならないという認識は持っております。政府部内でよく議論をいたしまして、私どもといたしましてもこの検討を踏まえ、今後とも協力をしてまいりたいと思います。
  98. 山口那津男

    山口那津男君 この国内法は環境省の所管でありますが、環境省として検討を重ねた一定の方向性というものを出していると思うんですね。今の防衛庁長官のお答えの大前提について、念のため確認の意味でお答えいただきたいと思います。
  99. 小島敏郎

    政府参考人(小島敏郎君) お答えいたします。  ロンドン条約の九六年議定書、これは廃棄物の海洋投入処分に関して厳格な管理を行うものでございますが、あわせまして、附属書Ⅰリストというものがございまして、このリストに掲げる廃棄物以外の廃棄物は海洋投入処分ができないと、そういう禁止条項がございます。  現在、日本国内では、平成十四年度で約六十トンの不発弾、これは戦争中のアメリカ軍の不発弾、あるいは旧軍の不発弾でございますが、これを処理しております。半分が陸上処分、半分が海洋投入処分というのが大まかな状況でございます。  不発弾の廃火薬類は、海洋投入処分ができる附属書Ⅰリストには掲げられておりません。したがいまして、我が国が九六議定書を締結するためには、現在一部行われておりますこの不発弾の海洋への投入による処理を陸上への処理へと移行する、このために廃棄物処理法の施行令を改正をするという手続が必要になります。  この不発弾の陸上処理体制の整備におきましては、中央環境審議会からも「国の責任において陸上処分に移行されるべきものである。」という答申をいただいていることを踏まえまして、現在、各省庁間で検討をしておりますが、九六議定書の締結、国会との関係では、国会の承認をお願いをするときまでに結論を得るように調整を進めていきたいと考えております。
  100. 山口那津男

    山口那津男君 外務大臣にもこの点の進め方をお願いして、質問を終わります。
  101. 小泉親司

    小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。  まず第一に、アナンさんがお見えになりまして、同時に、国連イラクに関する事実調査報告が出ましたので、国連の事実調査報告が出ましたので、その点とイラクの政権移譲の枠組みの問題について質問をまずさせていただきたいと思います。  私どもは、国連中心にしてイラクの国民に対する主権を一日も早く回復すべきだということを強く考えております。そこで今度、今日付けで外務省の「イラク治安情勢」の中でも、政治プロセスに関して、アナン事務総長及び国連選挙調査チーム報告書と言っておりますが、この報告書の点について触れられておりまして、我が国としては、今後この報告書を踏まえ、引き続き国連の関与を確保しつつ、イラク内の各派の間で幅広い合意を得ていくことが重要だと考えますというふうに言われております。  そこで、私お尋ねしたいんですが、先ほどもちょっと外務大臣からも御答弁ありましたが、この報告書の中で、外務省では、イラク政治プロセスにとり選挙が必要であり、コーカス方式は不十分であるということが同報告書には書いてあるということが述べられている。一般的に述べられているだけで、じゃ日本政府としてこの今国連報告をどう考えているのか。  特に、先ほどコーカス方式の問題が出ましたが、例えば今度の報告書の中では、コーカス方式に対しては非常に厳しい私は疑問を提示していると思います。例えば、十一月十五日、これはCPAと現在の統治評議会で合意されている合意事項でありますが、合意で言及されているコーカス方式もその一つのメカニズムではあるが、もはや多くのイラク人の間で実行可能な選択肢として十分な支持が得られていないと。しかも、イラク人の間には選挙、要するに直接選挙というコンセンサスが存在しているということを大変強く私は強調していると思います。  その点で外務大臣にお尋ねしますが、日本政府としては、こういう暫定国民議会がコーカス方式でという形で選出されることについてどう考えているのか、特に直接選挙というのは不可欠な問題だというふうに考えておるのか、その点まず外務大臣にお尋ねをいたします。
  102. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ずっと申し上げてきましたことは、イラク選挙について、イラクの民意を反映する形でできるだけ早期に、そして実行可能な形で選挙が行われることが望ましいということを申し上げたわけでして、基本的な考え方としてこれは変わっていないということであります。  それで、国連調査団の報告において今委員おっしゃったようなことが書かれているわけでございます。また、CPAのブレナーさんも同じようなことを言っていらっしゃるわけで、イラク人たちがいいと、もう合意ができるようなやり方でということに尽きると思いますけれども、そういう観点から言えば、今、現実性を持って、実現可能な、しかも早期であって民意を反映するような形といいますのは、そういった直接選挙であろうかというふうに思います。
  103. 小泉親司

    小泉親司君 先ほどの同僚議員との議論でも外務大臣述べられておりましたが、私一番問題だと思うのは、つまり十一月十五日の合意は、少なくとも暫定国民議会についてはコーカス方式だと。ここがやはり私は、直接選挙というイラク国民の要求とは非常に異なっているというところが私一番の焦点の問題なんだろうと思います。その点について国連報告は大変厳しく指摘しているわけで、そういう点について外務大臣はこの間でもそういうことをおっしゃらない。その点については、日本政府としてはこういう点についてはどういうふうにお考えになっているんですか。  例えば、これは御承知のとおり、最大の宗教団体であるシーア派を始めイラク国民から直接選挙の要求が強く出されていると。この報告書の中には、大変長くありまして、テクニカルレポートもこの報告書の中には添付されているわけですね。そのテクニカルレポートの中では、一一・一五の合意、先ほどのCPAと統治評議会の合意は、暫定国民議会は地域のコーカスシステムを通じて選ばれることを要求しているが、しかしながら、この合意の発表以降、多くのイラク人コーカス方式に反対し、国民議会は直接選挙を通じて行われることを要求していると。コーカスシステムに対する反対は、ごまかしに道を開く、それからメンバーは代表の合法性に欠けるという感覚がイラク国民の間で定着しているんだと、そこに大きな問題があるんだというふうに指摘しているわけですが、この点、外務大臣、いかがでございますか。
  104. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 十一月十五日の合意といいますのは、これは国連の決議で十二月の十五日までに今後のタイムラインを出すということで書かれていましたので、それにこたえる形で、その時点で一番ふさわしい、一番適切であるということに、と思われることについて統治評議会とCPAとの間で合意があったということを反映してそのようになされているわけでございます。  もちろん、情勢が変わって今そういう国連調査団の報告があるということでございますので、我が国としては基本的な考え方に沿っているものだということで考えますし、また、その十一月十五日の合意は、その時点でそのときの状況を反映して作った、できた合意であるというふうに考えております。
  105. 小泉親司

    小泉親司君 今、現時点でこれが有効なのかどうなのかと、こういう点については何かどうも疑問を呈しておられるようなニュアンスでございますが、私は、このコーカス方式で暫定国民議会を選び、暫定政権を作るということが本当に可能なのかと。一番多くの問題というのは、イラク国民が本当に総意を持った政権を作れるかどうかと、これは非常に重要な問題でありますから。  その点で、例えばニューヨーク・タイムズ、これは私最近読みましたが、このニューヨーク・タイムズで何と言っているかというと、アメリカ政府の高官として下手に安易な政権選びであると、これに基づいてどんどんイラクの、いわゆる形の上で民主化だということを進めると逆に内戦になる可能性もあるんだと。ニューヨーク・タイムズでは、安易な政権選びは十一月に内戦になる可能性もあるんだというふうなことを指摘しているメディアもあるわけですね。その点で、私はこういった形での国連指摘しているような方向での政権移譲については、十分やはり日本政府として態度を鮮明にする必要があるというふうに思います。  時間がないので、私、もう一つ、一一・五のCPAと統治評議会の合意についてお尋ねをしますが、実は一一・五の合意の中に、CPAと統治評議会の合意の中にはいわゆる安保条約条項、イラクの安全を確保するための条項が含まれているわけですね。それは外務大臣も御承知だと思います。  そこで、これは政権が移譲される今年の六月三十日前の、以前に、三月末までに、CPAと統治評議会が安全に関する協定、これは現在展開されている連合軍、つまり占領軍の地位を含む協定を締結するということになっておりますが、これ私は、このことだけ読みますと、まだ依然としてイラクに国民の主権が移っていない前に既に占領軍の地位を確保するような協定を存在させるというのは、認可するというのは、私はこれは大変重大な問題を含んでいるんじゃないかと思います。  例えば、日本の占領の場合でも、これは少なくとも、御承知のとおり、サンフランシスコ平和条約以降、独立の主権を回復した後、形の上では大変不平等で問題の、重大な問題があった安保条約を締結したんですが、ところがイラクの場合は、今度は三月末につまり安保協定を結ぶと。こういうふうな仕組みになっているというのは、私はこれはこれ自体が重大な問題だと思います。  そこで、この問題についてやっていると時間がないので一つだけお尋ねしますが、それじゃ、この問題というのは日本自衛隊派遣とも私関係すると思うんですよ。この点について、それじゃ日本は、この三月末までの、CPAとつまり統治評議会が安全に関する合意に基づいて協定を結ぶというふうになっていますが、自衛隊は当然これ派遣されるとこういう協定をこの一一・一五の協定に基づいて締結されると、こういうことになるんですか。
  106. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 外国の軍隊がよその国に行って駐留をするということを行うためには、その国の何らかの同意が必要であるということであります。したがいまして、六月末にCPAからイラクに対して主権が移されるということになっているわけですから、その際に、自衛隊イラクの活動、これについてイラク側から何らかの形で、適切な形で合意を得るということは必要だというふうに考えています。  それで、それがどういう形で行われるかということでありますけれども、先ほどおっしゃった三月におけるCPAと統治評議会との間の合意というのができるわけでございまして、そういったことを見極めていく必要はある、必要があるというふうに思っています。  いずれにしても、自衛隊イラク人たちに望まれる形で適切な形の同意があってイラクにいるということに変わりはないということであります。
  107. 小泉親司

    小泉親司君 この十一月五日の、ああ五日だったな、ああ十五日、失礼、十一月十五日の合意に、ちょっと私、日付間違えていたので十一月十五日に訂正しますが、一一・一五の合意に基づきますと、これは、今外務大臣も言われましたように、六月にはCPAは解消しちゃうわけです。そうですね、解消をする。ところが、今度の自衛隊イラクに、私、この法的地位は一体どうなるんだということを私もずうっと追及してきましたが、そのときの外務省の見解というのは、CPAの同意があるから大丈夫なんだと、こう言ってきたわけです。そうなってくると、今度はこの同意が、基づいて、CPAの命令十七号に基づいて自衛隊の地位は確保されていると、こう言ってきたわけですね。  それじゃ今度は、CPAが六月末で解消するわけですから、この一一・一五の合意はそういうことを明確に書いてある、そうなってきたら、自衛隊とどこの間で地位協定を結ばないとおられないんですか。統治評議会なんですか、それともいわゆる新暫定国民議会に基づいて選出された暫定国民政府なんですか、どっちなんですか。そこのところを明確にしないと、これおかしくなりますよ。
  108. 川口順子

    国務大臣川口順子君) その十一月十五日の合意において書かれていることというのは、今年の三月にイラクに駐留する軍隊の地位をカバーする治安に関する協定が結ばれるというふうに書いてあるわけでございます、イラクに駐留する軍隊の地位をカバーする。ということですから、我が国として、その協定がどのような形のものになるのかということを注視をしていくということであります。それを見て、それを、今その関係情報収集していますけれども、それを検討をしているということであります。  そして、その具体的な形はいろいろあるというふうに先ほど申しました。これは、その合意、三月末にできる合意による部分もありますし、あるいはほかの検討すべき要素もあるかもしれませんが、いずれにしても我が国としては、イラクにおいて適切な形での同意を得た上でいるということには変わりはないということでありますし、そもそも国連決議の一四八三、ここにさかのぼってみますと、これはずっと引き続き、占領軍あるいは外国の軍隊の駐留が、主権の移転、それによって終わるというふうには書かれていないわけでございまして、ずっと続くということが基本的な想定であるというふうに理解をいたしております。
  109. 小泉親司

    小泉親司君 外務大臣のこれまでの答弁は、日本は連合の一員であるけれども連合軍じゃないんだと言っていたんです。そうですね。ところが、この合意書は、連合軍の地位に関して、についての協定を結ぶと、これ書いてあるんですよ。連合の一員じゃないんです、連合軍のステータスなんです、について協定を結ぶと。これは、あなた方は連合軍の一員じゃないと言うんだから、この協定に基づくということはできないじゃないですか。そんなでたらめ言っちゃ駄目です、外務大臣。  ちょっと時間がないから、ちょっと止めてください。
  110. 川口順子

    国務大臣川口順子君) まず、連合軍、連合ということですけれども、一例を挙げれば、例えばCPAの十七号、CPAの指令の十七号、これには連合軍の定義として日本のような国の軍隊は入るというふうに書かれているわけですね。そういうこともありますが、いずれにしても今後のことについてどのような形で決まっていくかということは、正にそれを見なければ分からないということで、今いろいろ情報を集めて検討しているということであるわけです。  いずれにしても、我が国イラクの同意がある形で存在を、イラクの中に存在をし続けるというふうに考えているわけで、なければ当然にいられないということであります。
  111. 小泉親司

    小泉親司君 だから、結べないということもあるんですね。つまり、そうなると、これは地位が全くなくなっちゃう、その可能性だって別にないわけじゃない、論理的な話としてはですよ、いや、論理的な話として。  そこで、私、お尋ねしますが、この合意は連合軍の地位に関してCPAと統治評議会が結ぶ。そうなると、自衛隊というのは単独でイラクの統治評議会ないしはイラクの国民政府、暫定政府、それといわゆる地位協定を結ぶんですか。どういう形になるんですか。
  112. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほど申しましたように、自衛隊、これは連合軍の一員ではないけれども、地位を確保するという意味ではきちんと十七号、指令の十七号に位置付けられているわけですね。そういう現実が現在ではあります。  それで、それが引き続き維持されるかされないかといういろいろな問題がありますけれども、それについては、今後それがなくなるということではない。論理的に、続く可能性、続かない可能性もおっしゃるように論理的にはあるかもしれませんが、そういうことは大体想定されていないということでありますから、今後、その情報を集め、適切に、形で対応をしていくと、そういうことであると申し上げているわけです。
  113. 小泉親司

    小泉親司君 私の質問にお答えになっていないんですよ。どこと結ぶんですか。いいですか、CPAは六月には解消してしまうんですよ。そのCPAの十七号、命令十七号が、果たしてそれがそのまま存在するかどうかだって分からないんですよ。そのときにあなた方はどこと結ぶんですか。そこをはっきりさせてください。
  114. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ですから、最終的には、それも含めてイラクの同意がある形で自衛隊は駐留をするということを申し上げているわけです。
  115. 小泉親司

    小泉親司君 じゃ、何、全然分からないですよ。地位協定を結ぶんですか、それじゃ、イラクとの間で。いや、そうだと言っているけれども防衛庁長官、結ぶんですか。あなた、そうだと言っているけれども、あなた、知っているなら……。
  116. 川口順子

    国務大臣川口順子君) どういう形で地位を確保するか、これは今後決まってくることであるということです。今はそのCPAの指令十七号に基づいて地位が確保されている。これは地位協定を日本として別途結んだということではないわけですね。ですから、どういう形であれ、日本としては適切に自衛隊が存在をすることについて同意が必要である。そして、その地位の確保についてはきちんとした形でなされる必要がある。それはかなりの可能性を持って三月末のその安全についての協定において、そこで解決が付くのではないだろうかというのが一つです。もちろん論理的にはそうでない可能性もあるかもしれない。  いずれにしても、そういう状況を見て、最後、そういう形でなければ我が国自衛隊はいないということであるだけですので、相手がそのときに選挙管理内閣といいますか……
  117. 小泉親司

    小泉親司君 選挙管理内閣なんてないよ、一一・一五には。
  118. 川口順子

    国務大臣川口順子君) いえいえ、ですから、それは今後、三月に決まっていくということであって、そのときの書かれ方によりますけれども、例えば六月三十日後の、にできる政権、これはイラクの主権がある政権ですけれども、そことやる形になるのか、あるいはそれを、もう基本法のようなものにそれを事前に取り込んじゃっているのか、それはいろんな決め方があるということなので、今、その三月、まずもって三月の合意を見ていくということを申し上げているわけです。
  119. 小泉親司

    小泉親司君 三月の合意、合意といって、あなた方は連合の一員だけれども連合軍じゃないんだと言っているんだから、連合軍がこれは地位を結ぶと言っているんだから、全然あなた、あなた方の論理からしたって自衛隊とどこかで結ばなくちゃおかしいじゃないですか。  あなた方は、いいですか、クウェートに行ったときにはクウェート政府と地位協定を結んでいるんですよ。結んだでしょう。カタールに行っているときには、カタールに十一名の自衛隊員が派遣されていると伝えられていますが、そこでは地位協定を結んでいないんです。イラクではなぜ結んでいないかというと、あなた方がCPAの合意に基づいてやっていると言うわけ。じゃあ、CPAがこれ六月に解散したときの、あなた方の自衛隊の地位は一体どうなるんですか。そんなでたらめなことを、でたらめなことでやるんじゃ駄目です。その点が三月末だ三月末だというのは、私は非常に大きな問題だというふうに思います。  そこで私、一つだけお尋ねしますが、実は今度の、連合軍の機関紙が今発行されているんですね。シミタールという、三日月という。この三日月の二月二十日付け、これはもう今お渡ししているんでしょうからお分かりかと思いますが、この中で、初めて日本人が連合軍に参加するって記事が一面トップで載っているんですよ。まあ、防衛庁長官もお読みになっていると思いますが。この中では、シミタールという、連合軍ですよ、これCPAの機関紙じゃないですよ、連合軍の機関紙にいよいよ日本人が連合軍に参加したんだと、こういうふうに書いてあるんですが、これを明白に、今まで言ってきた連合の一員じゃなくて、連合軍の一員だと。だから、あなた方は明白に、今この三月の合意を見たいんだ見たいんだと言っているのは、連合軍の一員だということをあなた方自身が明白に私は証明しているんじゃないかと思いますが、この点どうですか。
  120. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これは、衆議院の方の議論でも何回か実は申し上げているんですけれども我が国連合軍の一員ではなく、我が国自衛隊我が国の指揮の下において行動するということは、米国の国防省との間できちんと確認をしていることであります。そういった、その文書を私自身はまだ見ておりませんけれども、そういったこと、種類の広報紙等が、物事を分かりやすく説明をするというような観点からはっきりそのおっしゃったようなことを書くということは、それはあるかもしれません。それについて、それはそこの判断としてやっていることでございますので、我が国は国防省にきちんとその点については確認済みである、連合軍の一員ではないということは確認済みであります。  それから、先ほどから委員が、三月末について、連合軍との間では決めるけれども我が国については決めないんじゃないかということをおっしゃっていらっしゃいますけれども、これは、先ほど来そのCPA命令の十七号の説明を申し上げているのは、そこで我が国の位置付け、「オール フォーシズ エンプロイド バイ ア コアリション ステート インクルーディング アタッチト シビリアンズ」という形できちんと地位の確保はできているわけです。ですから、その三月の末の合意において、連合軍だけを決めるということではなくて、十七号にあるようにそれ以外の部分も含む形で決めていく可能性というのは十分にあるということを申し上げているわけで、ですからそういう意味で、三月末の合意、これについては今情報を集め、きちんとこれを注視をした、分析をするということをやるということがまず大事であるということを申し上げているわけです。
  121. 小泉親司

    小泉親司君 こういうふうなことを言うことはあると言っているけれども連合軍のシミタールという機関紙の中に、一面ですよ、これ。日本人、連合軍に参加と。しかも、この中でどういうことが書いてあるかと。もう防衛庁長官お読みになっているのかと思いますが、これは清田、清田さんという、何か防衛庁に聞いたら、ああ失礼、防衛庁に聞いたら何も教えてくれないんですが、ハシモトテツアキ二等陸佐、これ連絡将校だと言うんですがね、その人の名前まで出て、イラクの自由作戦における日本連合軍の役割は人道復興支援とそれから連合軍部隊への空輸だと。しかも、パルマー大佐というのも出てきまして、カウンターパートの。日本政府日本の軍隊が治安活動と対テロ戦争において他国の中で自らの所定の位置に付くことを進んで認めたと、これは歴史的な瞬間だというふうにこれ書いているんです。それを明確に言っているんですが、これについて、防衛庁長官、いかがですか。
  122. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) それは日本語でしゃべったものが英語になったのか。多分、私、清田というのは広報官を今現地で務めておりますが、英語でしゃべったものがそのまま英語になったのか、それは分かりません。  いずれにいたしましても、例えば今委員指摘のように、それは日本語に訳してみないと分かりませんが、治安活動を行うということであれば、我々は治安活動は行わない。安全確保支援活動を行うのだということでございます。いずれにいたしましても、それは私ども法律にのっとって、法律でできることをやるということでございますから、それに誤りがあれば、それは事実ではないということでございます。  いずれにいたしましても、適切な状況把握ができませんので余り責任を持ったお答えにはなりませんが、私ども防衛庁自衛隊といたしましては法にのっとった活動しか行わないということであります。
  123. 小泉親司

    小泉親司君 問題が明確になりませんので、これ引き続き私たちは審議をさせていただきたいということを強く要求をいたしまして、質問を終わります。
  124. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田でございます。  時間が短いですので、答弁は簡潔にお願いしたいと思います。  まず最初に、自衛隊イラク派遣するに際して、たしか防衛庁長官だったと思いますが、自衛隊はNGOとかそういった組織と違って自己完結型の組織であるという、それが一つ、自衛隊派遣する理由の一つに挙げられていたと思いますが、御承知のようにイラクというのは失業率が極端に高くて、それで自衛隊の方にその失業率の、高い失業率を何とか解決してほしいと強く期待しているようでございますけれども、そうなりますと、結果的に、自己完結型の組織である自衛隊というのはアウトソーシングを多くの場合やらないといけないと思います、雇用を確保するためにですね。  そうすると、今、自衛隊派遣した自己完結型のその中で、どの程度アウトソーシングをやって、自衛隊自身はどの程度自らやっているか、その点をお聞かせください。
  125. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは先ほども答弁申し上げたかもしれませんが、通訳として十名ぐらい、あるいは作業要員として一日当たり二十名ないし二十五名の雇用を行っておるところでございます。  ただ、先生、自己完結でございますから、基本的にアウトソーシングってそんなに出ないのです。では、自衛隊が行くことに意味がないではないかというのは、それは決してそうではないというふうに私は考えております。
  126. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 もう一つ、防衛庁長官に、ごく簡単なことをお聞かせください。  サマワは、防衛庁長官は、非戦闘地域と認識しておられますか。
  127. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 当然そのように認識をいたしております。
  128. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 一般に、戦争が終結する、つまり戦争状態が終結するということは、参戦当事国同士が講和条約を結んだときに初めて戦争が終わるわけでございますね。  そうしますと、講和条約というものが結ばれない限り戦争状態は続くというふうに我々は見るわけなんですが、サマワの方は戦争状態が終わっているとお考えですか。
  129. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 主要な戦闘は終結したと申し上げているのであって、そのような講和条約が締結された、つまり我が国における九月の三日でございましたか、昭和二十年の、そういう状態が現出したという認識は持っておりません。  他方、今、サマワにおきまして国際紛争を解決する手段としての国又は国に準ずる組織による組織的、計画的な武力の行使は行われているという認識は全く持っておらないところでございます。
  130. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 自衛隊は一定の期間がたてば交代すると思いますけれども、今防衛庁ではどれくらいの期間がたったら交代要員をイラク派遣するのか、そして、最終的には延べにしましてどれくらいの自衛隊イラクの方に派遣するというふうに見積もっておられますか。
  131. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 交代の時期につきましては、いまだまだ確たるお答えができる状況にはございません。  しかしながら、これは隊員の疲労、緊張の連続等々も考え合わせますと、やはり適切な時期に部隊の交代というのは行うべきだというふうに思っております。  延べどれくらいかということは、これはいつまで活動が続くかということに関連することでございますから申し上げることはできません。  いずれにいたしましても、自衛隊が行かなくてもイラクの復興が進み、治安の状況が良くなりというような、そういうようなときが早く来ればいいわけでございます。  私どもは、要請といいますか、必要がある限りはおりますし、必要がなくなったということであれば、これは速やかに撤収をするということだと思いますが、それは一に掛かって、いろいろな状況をどう判断するかということだと思います。
  132. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 自衛隊の幹部クラスの覆面座談会みたいなものが雑誌に載っておりますが、その中で、一万人くらいになるんじゃないかと書かれておりますが、それは違いますか。
  133. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) どうも、どなたが覆面をして何をおっしゃったのか私はよく存じませんけれども、そういう一万人という数字は、これは非常に根拠のない数字だと思っております。それよりも少ないかもしれません。それよりも多いかもしれません。私どもは、必要があれば、それは法に定められた規定に基づきまして参るわけでございますし、それは必要がないというふうな判断になれば、それは引くということでございます。
  134. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお伺いします。  つい最近、イラクへ出撃する米艦隊が沖縄近海で演習をしておりますけれども、これは事前通告がございましたでしょうか。
  135. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。  沖縄近海という御趣旨、必ずしも明らかではございませんけれども、最近報道をされました沖大東島射爆撃場、それからその周辺の訓練水域について申し上げれば、日米合同委員会合意によって事前に訓練通報が行われるということになっておりまして、米軍から、沖大東島射爆撃場につきましては二月の二日から七日まで、それから二十五日から二十九日までの期間、その他の水域、すなわち、ホテル・ホテル水域、インディア・インディア水域、それからマイク・マイク水域につきましては二月の一日から二十九日の期間、訓練を行うという事前の通報がございました。
  136. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。  まだどうしても納得し難いもので、改めて確認させてください。事前協議、これは何のために設けられておりますか。
  137. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 安保条約の六条に基づいて我が国はその施設・区域の提供を米軍に対してしているわけでございますけれども、その六条の運用をめぐって両方の、米国と日本国との了解、これを明確にするためにということであると思います。
  138. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 前回の本委員会質問いたしました。二月五日の委員会ですけれども、そのときに、在日米軍基地から今回のイラク戦争に直接に出撃している米軍がいるけれども、これは事前協議の対象になりませんかとお伺いしましたところ、外務大臣は、米軍の運用上の都合によって米軍部隊等を我が国から他の地域に移動させることであって、つまり移動であって出撃ではないとおっしゃいました、答弁されました。  米軍の戦闘作戦行動、出撃については、出動については、一九七二年の五月二十三日の参議院の外務委員会で、当時の福田外務大臣が、戦闘作戦行動への参加の実態というのは、戦備を整え、そして戦闘に参加する、そのための出動である、こういうことなんです、一番はっきりしている場合は、戦闘作戦行動を受けている、こういうことだろうと思いますが、それがなくても、実質的にもう戦備を整え、そのまま出撃し得る、こういう態勢でありますれば、それが途中でどこに寄ろうが、これは事前協議の対象にすべきものであるという答弁をなさっております。  つまり、当時の福田外務大臣は、戦闘態勢を取って我が国から出撃すれば、途中にどこかに立ち寄ってもそれは事前協議の対象になるという趣旨の発言をしておられるわけですが、その発言は明らかに川口外務大臣の御答弁とは違うことになると思いますけれども、その点どうお考えでしょうか。
  139. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) 事前協議の対象になります戦闘作戦行動でございますけれども、これは直接軍事活動に参加することを目的とする戦闘行為であるということで、今、七二年というお話がございましたけれども、七二年に政府統一見解も出しておりますけれども、その際に、単なる移動は事前協議の対象にならないということも明確にしております。  したがいまして、今回の移動につきましても、直接日本の施設・区域を出る時点におきまして直接戦闘に従事することを目的としていないという意味において移動であるというふうに我々は理解しておりまして、したがいまして事前協議の対象にもならないというふうに考えております。
  140. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 そうしますと、在日米軍基地から出動している、イラクに出動している米軍というのは戦闘に参加するために出動しているのではないとおっしゃるんですか。
  141. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) 先ほど御答弁を申し上げましたように、日本の施設・区域を言わば離れる時点におきまして既に直接戦闘に従事することを目的とするという、その任務を得ているかどうかということだと思います。  今回のにつきましては米軍から事前協議の申入れはございませんので、したがいまして、そのような任務を帯びて施設・区域を離れたということはないというふうに理解をいたしております。
  142. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 仮に米軍から事前協議の申出がないとしても、在日米軍基地から出動している、イラクへ直接に行っている米軍というものがだれが見ても戦闘に参加するために行っていると思われるわけなんですが、北米局長はそうはお考えになりませんか。  そして、もしもそれが客観的に見て戦闘に参加するために出動しているというふうにお考えだったら、日本側から、これは当然事前協議の対象になるということでアメリカ側に申入れをすべきじゃないでしょうか。
  143. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) 先ほども申し上げましたように、事前協議が米側からなかったということは戦闘作戦行動には該当していないというふうに我々も理解しておりまして、また、こちらから発議をすべきだというお話でございますけれども、これは、そのような戦闘作戦行動を行う場合には事前協議を行うというのは米国政府の国際法上の義務でございます。したがいまして、我々は、同盟国であります米国がこの国際法上の義務を遵守しているというふうに確信をいたしておりまして、それを違反しているということを前提といたしましてこちらから先方に、米側に発議をするということは考えておりません。
  144. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 まだどうしても納得しかねるわけですが、もう一度、恐縮ですが確認させてください。  今の状況を客観的にごらんになって、北米局長は本当に米軍イラクへ戦闘に行っているのでないというふうに判断されるんですか。
  145. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、事前協議がない以上、日本の施設・区域を離れる時点においては移動であるというふうに考えております。  その後どのような任務を受けるかということについては、我々は承知をいたしておりません。
  146. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお伺いします。  政府陸上自衛隊派遣先であるサマワの部族長らをお招きする御予定のようですけれども、何の目的で、どれくらいの経費を掛けてお招きすることになるんですか。
  147. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 我が国として、人物の招聘ということは今までもほかの地域でもやっておりますけれどもサマーワにおいて、これは自衛隊による人道復興支援とODAは車の両輪であるという位置付けを行っております。部族の関係者の有力者を日本に呼んで日本理解してもらい、日本イラクに対して人道復興支援のために自衛隊等を派遣していることについての理解を深めてもらうといったことが重要だというふうに考えております。  それで、具体的に今いろいろその検討を進めておりますけれども、どれぐらい費用を掛けるのかということについては、これは何人ぐらいお呼びをするとか、どういう形でお呼びをするとか、どれぐらいの期間だとか、いろいろなことに依存しますので、今どれぐらいということを申し上げることは難しいと思います。
  148. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  149. 山本正和

    ○山本正和君 質問の前に、ちょっとこれは外務大臣並びに防衛庁長官に申し上げておきたいんですけれども、私は、実は佐藤内閣のときの官房長官であり、また外務大臣もした木村俊夫さんと大変懇意であったと、昔からですね。この人が、岸談話、この前ありましたけれどもね、そういうものを含めて自衛隊の問題で私にいろいろと話をしてくれたことがあったんです。  その話はどういうことかといいますと、もう山本君、心配せんでいいよと。自衛隊は作ったけれども、これは昔の軍隊とは違うんだ、だからどんなことがあっても外国へ出さないから、そういう了解の下に作ったんだと。木村さんが私に言った話ですね。  そしてまた、そのことは岸談話にも載っておるんですけれども、それはしかし、正に国際情勢の変化とともに我が国の解釈が、政府の解釈がだんだん変わっていったんです。しかし、その当時の自民党のリーダーは皆そういう気持ちでおった、そのことはひとつ、今感想で申し上げておきますからね。  だから、今、随分、内閣法制局長官がいろんなことを言ってきた記録があります。国会での答弁もある。しかし、そもそもの出発点のそのときの我が国のリーダーたち、与党であっても野党であっても、そのときに政治に責任を持っていた人たちが一生懸命思っておった共通の考え方というのは、自衛隊は軍隊じゃありません、海外には出しませんと、これが原点だった。その後、情勢の変化の中でいろんな解釈が出たと、これだけちょっと申し上げておきますからね。また後で勉強していただいたらいいと思いますからね。  これは別に置きまして、私が実は気にするのは、もう既にどんどんたくさんの若い自衛隊員の皆さんが行っているんですね。どういう今勤務状況なんだろうかと。本当にあの気候も何もかもが大変な、我が国からいえば違ったところへ行って、そこでどういう勤務状況なんだろうかと、これが心配で仕方がない。一遍、だから、朝何時ごろ起きて一体お昼に休憩がどれぐらいあるのか、夕方にはどれぐらい仕事が終わるのか、それからまた一週間のうち一日や二日休日があるのかないのか、その辺のことをちょっと教えてほしいんですがね。
  150. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) お答え申し上げます。  現在イラクサマーワに派遣されております陸上自衛隊部隊についてでございますが、これは御案内のとおり、一月の十九日に現地に到着いたしまして約一か月でございます。これまでのところ、仕事の中身が、関係各機関を訪問したり、あるいは自衛隊の行います人道支援活動に関します諸調整ということを行いつつ、それから自分たちの住む宿営地の建設ということをやっております。  それで、その仕事の中身、個々の隊員だとか、あるいは日によって大分ばらばらでございます。なかなか異なって一概に申し上げるというようなことは難しいのでございますが、例えば昨日の二十四日を取りますと、彼らはどういうことをやっておったかといいますと、オランダの、オランダ軍の宿営地から仮宿舎へ、宿営地へ移転するための今作業をちょうどやっておりましたし、あるいは併せまして新しい宿営地の方の工事もやっておりました。それから、県の水道局における給水に関するニーズの調整のために出向いておりました……
  151. 山本正和

    ○山本正和君 質問の意味、勘違いしているから、もう一遍質問しますから、もう一遍答えてください。違うんだよ。
  152. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) いや、先生、それで、基本的な一日の、じゃ、先生の具体的なところで、一日の日課については、朝六時に、基本的なものですけれども、朝六時に起きます、起きるようにしておりまして、朝食を食べまして、それぞれの仕事をする。そして、その後、宿営地に帰ってきまして、夕食を取った後、夜のミーティング等やっておりまして、今のところ夜は十一時ごろに寝ておる、こういうことでございます。ただ、ほかに当直とかそういうのがございますので、人によってはその勤務に合わないで別の形の勤務しておるというのもございます。  それから、先生御指摘の休養日だとか休日、これについてどうだと。これは現在、一月間ほとんど休んでおりませんで、休暇は実は丸一日与えるようなことはやっておりません。ですから、ちょっとここでどういうふうな休暇の取り方というのは、半日ほど休んだのは実情としてございますが、今のところはもうとにかく人手も少ないというようなことで、ほぼ休まないで勤務していただいているというような状況でございます。
  153. 山本正和

    ○山本正和君 軍隊というのは普通の会社と違いますから、私はそれを何も普通の会社と同じようにせいということを言っているんじゃないんですけれども、昔の我が大日本帝国陸軍でも、歩兵操典があり、作戦要務令があり、きちんと規律があったんですね。その中で、休憩時間から何からきちっとあった、毎日の中には。当然、だから今度はイラクへ行かれた自衛隊の諸君にはそういう一つの基準みたいなものがきちっとあって、その中で指揮官がいろいろと指揮をするということがあって当然だろうと思う。だから、そのことを、何時から何時までどうなっているかということぐらいは分かっているだろうから、それを教えてほしいと、こう言っておる。もう一遍ちょっとそこ説明してください。
  154. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) そういうような基準的なもの、先ほどちょっと基本的と申しましたが、そういう形で作っておりまして、それが朝六時に起床、最終的に就寝は十一時と、こういう格好でですね。この間における、先生おっしゃいますが、途中の作業作業の間の細かい休憩みたいなことはそれはございますが、ちょっと休暇みたいな格好等の、休養日とかそういうものは今のところはなかなか取れないと。  今現在、先生御案内のとおり宿営地を造るという非常に過渡的な、そういうある意味では特異な状況でございますので、そういう実情で進んでおるというのが今の現地状況でございます。  よろしいでしょうか。
  155. 山本正和

    ○山本正和君 指揮官は、恐らく何といいますか隊員の状況はよく知っているから、例えば一時間なら一時間たったら休憩だとか、あるいは昼食時間は何時間とか、ちゃんとその現地でやっておられると思いますよ。  だけれども、私が心配するのは、何か知らないけれども自衛隊が向こうへ行っていると。そのことの重みです。私たちは今こうやっているけれども、全然気候の違うところへ行って、その中で一生懸命働いているという諸君の状況ですよね。それがやっぱり私は一番気になって仕方ないんです。そこのところが、この内地におるというとおかしいけれども、我が日本の国におる人たちが実感を持って感じている中で初めてこの問題議論できるんですよね。  私は、これはちょっと言いにくいことですけれども、こうやって決まって行った以上は、最高指揮官が少なくともせめて三日でも一週間でもいいから一遍現地に行って、隊員と一緒に生活してみるというぐらいのことをしてほしいと私は思うんですね。それは今、国会がありますから、いろいろなことがあるから駄目だと思うけれども。しかし、それでもし防衛庁長官がそうやって行くというんなら、私は恐らく国会も議運もどうぞ行っていらっしゃいと言うと思うよ、そこは。そこのところは一遍十分話をしていただきたいし、要するに文民である長官が行ったということの重みが非常に大きいんですよ、隊員の士気に関しても。いわゆる旧軍隊じゃないことはよく分かるんです。  それから、そういう意味を含めて私はもう一つどうしても分からないのは、行った人はそれぞれ家族と別れて行っている。あるいは、独身の者は恋人と別れて行っておるわけですよね。そういう人たちがどれぐらいの期間は最低おるんだというふうな覚悟を持って行っているのか。これはどうだといっても、昔の軍隊でもそんな無制限で行くんじゃないんですよ。大体戦地に行くのはこれぐらいの期間ということはあらかじめ頭の中にあって行くんだけれども、さて、今度は自衛隊の諸君はどういうふうな覚悟でもって行っているのか。その辺はどういう話になっているんでしょうかね、そこのところは。
  156. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 恐れ入ります。いろいろ御配慮をいただきまして、ありがとうございます。  先生のお考えをよく体してやっていかねばならぬと思いますが、どれぐらいの期間で帰ってくるのかというのは、これ、何か月でということを申し上げてはおりません、私ども。それは、例えば仮に四か月としても、それよりも短くなるかもしれない。御指摘のように、非常に気候は違うわけです。緊張も極度の緊張を強いられておるわけであって、そんなに長くはいられないかもしれない。あるいは、しかしいろいろな事情でもうしばらくということもあるかもしれない。したがって、数字を区切って何か月で帰ってくるんだよということは申し上げておりません。  ただ、気を付けなければいけないのは隊員の疲労度、これは肉体的にも精神的にもそうです。そういうものをよく、いつまでも緊張なんて続くものではございませんので。しかしながら、では、帰ってきました、交代の部隊がありませんと。部隊を出しますときには、それはいつも申し上げておりますように、訓練の度合いがどこまで高まったかということも必要でございますから、その辺りを勘案しながら、一番適切な時期を選んでまいりたいと思います。
  157. 山本正和

    ○山本正和君 いや、長官の言う意味は分かるんだけれども、私が言うのは、例えばこれは正直言って、半年になるのか一年になるのか、これ分かりませんよね。しかし、少なくとも行く本人は、例えば二か月したら交代して帰ってこれるよ、あるいは三か月はせめておってくれよというものがあって行くのと、何か月になるか分からぬけれどもとにかく行ってこいというのでは違うんで、その辺のことはやっぱり現地へ行っている人が、私は正直言って、何ぼ若い鍛えられた自衛隊員といえども、こんな、私は、三か月以上は無理だと私は、私の気持ちからいったら思うから、少なくとも行く以上はせめてこれぐらいの期間は我慢してくれという、それはあったんだろうと思う。それはどれぐらいだろうかということを聞いているんです。  だから、作戦上どうなるかということは、これは分かりませんからそれは言いませんけれども派遣の期間はね。しかし、自衛隊員個々、個々の自衛隊員については少なくともこれぐらいはおってくださいよという話があったのかなかったのか、もしなかったとすればこれからそういうことは検討していただけるのかいただけないのか、それだけちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  158. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 恐縮です。  具体的に何か月ということは申し上げておりません。同時に、じゃ交代する部隊の練度が上がっていないので、したがってもっといてくれというような話にはこれはならないのだろうと思っております。目安としては大体先生がおっしゃるような目安なのかなというふうには思っておりますが、具体的に何か月ということは申しておりません。  いつまでいるのか分からないということになりますと、これは隊員の緊張も続きませんし、それは無理だということはよく分かっております。しかし、具体的に何か月ということは今申し上げましたような理由で言っておりませんが、きちんとした時期、ずるずるといつまでもというようなことでは、これは任務が遂行できないということはよく存じております。
  159. 山本正和

    ○山本正和君 ひとつ是非検討していただきたいと思います。  そして、これは恐らく戦後五十年間で初めての経験をする若者たちなんですよね。それまでの大日本帝国というのは、戦争は当たり前だし、国民皆兵ですから、全部徴兵制度ですからね。みんな子供のときから覚悟しているんですよ。しかし、自衛隊の諸君は、その中であえて自衛隊を選んだけれども、これは少なくとも今までの気持ちは、相手が日本に攻めてきたときには戦わざるを得ぬとは思ったけれども、外へまで行くというのは余り意識していなかったと思う。今度初めてやるわけですからね。だから、その辺のことは十分に検討していただきたいということが、これがもう一点。  それからもう一つ、補給は本当にちゃんとしているんだろうかと。食べ物、それからいわゆるちゃんと体を清潔にするというような条件整備は本当にしているのかしていないのか。大体、軍隊になると、なかなかせぬのですよ、正直言ってね。私自身も思う。もう田虫が出る、もう皮膚病はうつってくる、集団生活すると。大変なんですよ。  それからもう一つ言うと、心配なのは、若い男の子ですから生理的欲望もあるんですよ。いろんなことがある。そういうものに対してきちんと配慮した上でやっているのかやっていないのか。これだけ日本国じゅうが大騒ぎしている中で、正にその何て言ったら、こんな言ったらおかしいけどね、言い方がおかしいですよ。だけど、日本の国がやむを得ずやっているんだなと、国で何とか支えてやらなきゃいけないんだなというんならば、それだけの配慮がなかったら私はうそだと思うから、だからそこのところは一体どうなっているのか、その辺のことをもし、ああ、もう時間がありませんから、何ならもうこれ要望にしておきましょうか、十分にやってくれということにして。──一言できる。はい。
  160. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) 今、補給の点でございますが、補給拠点をクウェートに設けまして、ここから随時補給するという形で、これは補給ありきという格好で相当力を入れてやっておりますので、これはうまく是非ともやっていきたいと思っております。  それから、なおもう一つの、生理、若い人のですね、その辺りでございますが、生理、いわゆる生活環境につきましてもいろいろ、厚生課の方からいろいろ今回いろんな案を出していただきまして、例えば家族との連絡をよく取れるようにしたり、あるいはスポーツジムとかそういうものを使わせてもらうとか、あるいはそういうものを造って、そういうものを利用できるというふうなことを考えております。  ただし、これも先生、今過渡期でございまして、全部が行った段階でできるということではございません。ちょっとそういうことだけ御含みいただきたいと思います。  以上でございます。
  161. 山本正和

    ○山本正和君 終わります。
  162. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後零時十一分散会