○大野(功)
委員 大臣、三つの誓い、ありがとうございます。
ただ、気になりますのは、できる限りやりますと。できる限りという言葉なんです。やはり我々は信念を持って絶対にやらなきゃいけない。おっしゃるとおり、厚生
年金病院のように、
地域から愛され、
地域に本当に必要な施設もございます。でも、それは、
大臣おっしゃったように、
年金の世界から切り離して経営していただきたい、
運営していただきたい。このことをお願いする次第でございます。
それでは、第二の反省でございます。
長続きする
年金制度をつくらなければ、
年金制度自体が、国というものが信頼されなくなっているよ、こういう問題であります。持続する制度。これまでの制度をこのままほっておきますと、十八年先には破産してしまう、これが見えてしまっているんですね。それではだれも
年金を信用いたしません。
こういうことになったのは少子高齢化のせいでございますけれ
ども、そんなことを言っている場合ではありません。長生きするということは、本当に人生にとって喜ばしいことであります。お祝いすべきことであります。ところが、長生きすることによって、不安を生じる。不信を生じる。これでは、もう本当に、政治、何をやっているんだということになるわけでありますから、我々はやはり、お年寄りの
皆さんが長生きしていただいて、お年寄りの夫婦が仲よく、例えばレストランで食事をされる、旅行をされる、こういう世界をつくっていかなきゃいけないんじゃないか。
そういう
意味で、私はやはり、この
年金制度、あと何年たったら幾らぐらいもらえて、そして、人生設計もそれに応じて立てられますね、こういう世界をつくっていかなきゃいけない。このことを我々は一生懸命頑張って議論してやってきたつもりでございます。
しかし、今現在を考えてみますと、現在には二つの、双子の不安があるような気がします。
一つは、現在、若い人々にとって、いつリストラされるかわからない、いつ失業という問題が起こってくるかわからない、さらに、将来の
年金、
年金保険料を掛けただけ果たして返ってくるんだろうか、こういう誤解です。
全くこれは誤解なんですけれ
ども、今の
年金制度が大変不安を呼び起こしているし、そして、五年ごとに
財政再計算すると変わってくる。これではやはり不信感を呼ぶわけでございます。この不信感が誤解を呼んでいる。
だから、
大臣にお願いしたい。どうぞわかりやすく——けさの議論もそうです。平均所得の五〇%以上を確保すると言いながら五〇%以下になるじゃないかと。これもわかりやすく、五〇%以下になる層は所得の高い方の層なんですよ、所得の低い方の層は五〇%以上になるんですよ、こういう解説を、平均的にこれだと。政治家はわかりやすく、総理がおっしゃるように、わかりやすくばんと言うことも必要だと
思いますけれ
ども、
厚生労働大臣の方では、どうかわかりやすいパンフレットをつくって、
国民に御説明していただきたいと思うのであります。
まず第一の誤解、これは、給付率が六〇%から五〇%になるということで、実際にもらっている人の
年金が減るんじゃないか、こういう誤解があるんですね。
これは、これから私の言うことが正しいかどうかだけ、イエスかノーかで
お答えいただければいいんですけれ
ども、まず
一つ、今もらっている人、それは物価が下がらない限り手取りは減りませんですね。——うなずいていただきましたから、そのとおりでございます。
今、物価だけは調整させていただいている状態でございまして……(発言する者あり)給付の問題を言っています。給付は減らない、このことを、物価が下がれば別です。
物価について、これも何かパンフレットでお書きいただきたいと思うんですが、過去に物価が下がった分一・七%、
平成十二年、十三年、十四年、この三年間で物価が一・七%下がっておりますが、これは
年金に反映させておりません。これを反映させるのは、将来、物価が上がったときに反映させるということでありますから、どうぞ、
大臣も私の発言にうなずいて、保証していただいておりますので、物価が下がった場合を除いて一人一人のお年寄りの
皆さんがもらう給付は下がらない、こういうことをまず申し上げたい。
それから、二番目の問題は、要するに、若い人が保険料を払います、払っただけの給付は受けられない、こんな誤解が生じています。
これは実は、
厚生労働省がこういう資料を出しておりまして、例えば、一九四五年生まれの人でありますと、厚生
年金では四・六倍、それから
国民年金では三・四倍くれる、ところが、二〇〇五年生まれの人は、厚生
年金では二・三倍、
国民年金では一・七倍しか返ってこない、こういうことでありますが、私は、この数字は二つのことを語っていると思うんですね。
一つは何かといいますと、世代間でこれだけの格差があって不公平だというようなことを言う人があります。だけれ
ども、これは少子高齢化が進行してやむを得ないところがある。もう
一つの問題は、払ったお金の、保険料の、
国民年金でいいますと一・七倍返ってくるんですよ。こんな民間の保険商品はありませんよ。このことをはっきりさせていただきたい。
そしてまた、それだけじゃないんです。
年金というのはお互いに助け合いですから、この一・七という数字、あるいは厚生
年金でいいますと二・三という数字には、必ず息子たちの、子供たちの温かい、お父さん、お母さん、頑張ってねという気持ちがこもっている。そして、そのもらう方も、支えてきた気持ちがこもっている。この連帯の、本当に仲間同士、共生していこうという連帯、助け合いの気持ちがこもっている数字だ、このことを
一つ。
これで、正しいこと言っていますか、私。