○川口
国務大臣 中国についてのODAの
考え方は何かというかなり大きな
お話でございますけれども、そもそも基本的にODAについての
考え方といたしまして、これは昨年の八月にODAの大綱を改正いたしました。
それで、ここに書かれた基本的なODAの目的についての
考え方ですけれども、「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて
我が国の安全と繁栄の確保に資すること」というのが目的であるわけでして、中国のODAもこの
考え方に沿って行われているということでございます。
それに加えて、中国につきましては、
先ほど経済協力
局長から
お話をいたしましたように、対中国経済協力計画ということがございまして、
先ほど御
説明をしたような
考え方に基づいてやっているということであります。
基本的に中国をどう
考えるか。これは、
委員もおっしゃられましたように、中国へのODAについてはいろいろな厳しい意見が
国内にあるということでございます。それで、
我が国として、当然に、中国の隣国でありますから、今後中国がどのような国になっていくのかということについては、これは非常に関心もありますし、当然に、
我が国の繁栄、安定、安全、平和といったすべてのことに及んでくるということだというふうに思います。
それで、沿海部は確かに我々が見ても驚くような見事な発展を遂げているわけでございますけれども、貧困問題、これは大変に深刻であります。そして、さまざまな開発上の課題を抱えているという、発展
途上国であるということです。
それで、
先ほど申しました対中国経済協力計画の中に一つ書かれていることといたしまして、互恵的な案件、要するに、相互に理解、相互に利益になるような案件についてやっていくという
考え方があるわけでございますけれども、例えば
環境問題それから感染症、こういったことは
我が国に直接に影響を与える問題であるわけです。そして、そういったことについては
我が国にも影響がありますので、おのずとその分野についての支援ということも重要であるというふうに
考えております。
中国が開かれた国になって国際社会の責任ある一員として発展をしていくために、
我が国としてODAを使っていかに中国をそのような国にすることができるかということは一つ重要な
観点であると思います。おっしゃった軍事支出の問題それから対外援助の問題、そういったことについてはきちんとその透明性を確保するように求めていくということを行いながら、今、円借で大体七割が
環境案件、そして、二三%だったと記憶していますけれども、相互に、人的な交流ですとか相互交流、そういったことに使われているということでございまして、かつてやったようなインフラ
整備を円借を使ってやっているということではなくて、シフトしてきているのが
現状であります。
中国は国民所得で計算しますと世界の中でもまだまだ貧しい国であるということでございまして、
我が国のODAを使って中国が隣国として国際社会のいい一員として発展をしていくように助けるということにODAの役割があるのではないかというふうに
考えております。