○松岡
委員 ありがとうございました。
ぜひ特段のお取り組みをよろしくお願いして、次の質問に移りたいと思います。
私は、きょうは地球
環境問題についてひとつ
議論をさせていただきたいと思っております。
この二十一世紀、いろいろな問題が地球全体にありますが、私は、この地球
環境問題というのは人類が生き残っていけるかどうか最大の問題だと思っております。
そこで、地球
環境問題といいますが、いろいろ、さまざま複雑なものが組み合わさっております。これはまさに……(
発言する者あり)どうもありがとうございました。地球の温暖化の問題であり、またオゾン層の破壊、酸性雨、熱帯雨林が減少していく、そしてまた砂漠化が進行していくという多くの
環境破壊が進んでおるわけでありますが、その中で、きょうは、特に温暖化の問題とその対策、解決策、そういったことについて
議論をさせていただきたいと思います。
まず、温暖化といいましても、これはなかなかぴんときません。それぞれに理解はされていると思いますが、どれほど、どのぐらい大変なものかということについてはなかなかまだ一般にぴんとこない面があると私は思います。
そこで、端的に言いまして、温度が一度C上がりますと、最近いろいろな研究が進んできまして、作物生態学、こういった先生方の研究が進んできまして、ほぼ一致した見解となってまいりましたのが、適正温度が一度C上がれば穀物生産は一〇%減少する。一〇%。
そして、これを裏づけるように実はその事実がございまして、この地球上の人口は六十億ちょっといるわけでありますが、この穀物の消費量というのが大体二十億トン弱。それが、二〇〇〇年には消費に対して生産が千六百万トンの不足でありました。二〇〇一年には二千七百万トンの不足でありました。二〇〇二年になりますと何と九千六百万トンの不足、そして二〇〇三年、去年でありますが、九千三百万トンの不足、こういうことでありまして、これはいろいろな原因がございます。
アメリカ、インドの干ばつ、去年はヨーロッパの熱波、これはやはり温暖化に伴うそういう現象でございまして、本当に大変なわけであります。そして、一方で、人口は二〇五〇年には約九十億を超すだろう、こう言われております。
そして、ではどれくらい温度が上がるのか。これは、IPCC、気候変動に関する
政府間パネルという組織でありますが、千五百人の地球上の有名なというか先端を行く学者が集まって、研究の結果、最低でも二十一世紀中には一・四度C、最高で五・八度Cぐらい上がるだろうと。これが平均しても三・六ですから、三度から四度上がるだろう。
そういうことになりますと、三割、四割の穀物生産がなくなってしまう。これは干上がってしまいますからね。そして、人口は九十億ということになると、これはもうまさに大変な
状況になるわけであります。一方で、水もどんどんどんどん干上がっていきますから、水がなくなる。まさに水と食糧がなくなってしまう。これが実は温暖化の問題であります。
したがって、ぴんときませんが、特に
日本は米も余っていますから、穀物の生産の減少ということがぴんときませんが、実は地球全体がそういう状態にある。これはまずひとつ御
認識をいただきました上で、そこで、それを解決するために京都議定書、こういう問題があるわけであります。
これは、一九九〇年を基準にして五%のCO2の排出を削減する、こういう議定書であり、また、
日本はそのうち六%を排出を削減する、こういうことになっております。
〔
委員長退席、北村(直)
委員長代理着席〕
そこで、では、この排出を削減することがどれだけ大変かということでありますが、ちょうど二〇〇八年から二〇一二年までにこの達成をすることになっておりますけれども、中央年の二〇一〇年で換算いたしましても、一九九〇年の六%が、もっとCO2はふえ続けていますから、恐らく一三、四%の排出削減が必要になるだろう、こう言われております。
そこで、ではこの一三、四%、どうやって排出を削減するかでありますが、今、
日本に車が六千三百万台ぐらいあると言われております。これを全部とめまして、あしたから歩けと、自転車、馬車、リヤカー、こういうことになって全部とめたとしても、これ、まだ一三%に足りるかどうかわからない。
総理、これぐらい実は本当は大変なことであります。
したがって、温暖化というものは人類が生存していけるかどうかという問題であり、また、そのCO2を削減するということはこれまた至難のわざである。だから
アメリカは入ってこない、こういうことなのかもしれませんが、難しさがわかっているから入らないのかもしれませんが、これはぜひ責任を持って入ってもらいたいと私は思っておりますけれども、これくらい大変なわけであります。
そこで、その解決策ですけれども、ここに幾つか方策はあるわけでありまして、私は、何といっても、CO2を多く出す化石燃料、とりわけ石油エネルギー、これの使用を大幅に減らしていくことが重要だ、大事だ、こう思っております。
そこで、ではそれは何によって減らすかでありますが、既にブラジルも
アメリカも、いろいろな国が取り組んでおりますけれども、特に
アメリカでは、クリントン大統領の
時代には、大統領令を出して、二〇一〇年までには、トウモロコシを原料にしたエタノール、緑の原料をもとにしたエネルギーでありますが、これをやって、そしてこのクリーンエネルギーによって一次エネルギーの九%を賄う、こういったことを目標とし、そしてまた、ブッシュ大統領になりましてからは、それをより確実なものにするためにいろいろな対策を強化いたしております、税制の面にしても助成の面にしても。そういうことで取り組んでおりますし、いろいろな国が、一々申し上げませんが、税制の問題も含め、そういう取り組みを強化いたしております。
そこで、私ども自由
民主党で、緑のエネルギー革命推進議員連盟、これは、もう引退されましたけれども、江藤隆美先生を会長に百名以上の国
会議員が集まりまして、そういう取り組みをしようということで議員連盟をつくって、今取り組みを進めているところでございます。
どういうことかといいますと、バイオマスを含めまして、緑の原料、これをすべて有効に集めまして、そして、エタノールでありメタノールであり、またエタンでありメタンであり、こういったものを生み出していく、こういうことであります。
アメリカは、このエタノールをつくるトウモロコシを原料にするだけで農家の所得が二兆円ふえる。加えて、エネルギー産業が新しくできますから、雇用も大幅に増大する。そして、エネルギー産業によってまた、十兆円とも、十兆円以上とも言われるような新しい産業が生み出される、こういうことであります。
そういったことをぜひ、私は、
日本にあってもこれの実現を目指して、これは一省庁ではできませんから、今、農林省が一応、農業廃材をもとにしたバイオマスということで
予算化もいたしておりますが、これは取っかかりにはなると思いますけれども、まだまだ全体からいたしますとこれからであります。
したがいまして、
政府挙げて、緑のエネルギー革命、そういった方向に取り組んでいただきたい。そうすれば、森林も、田や畑も、これはもう大事な大事な、石油、油田のかわりのエネルギー供給源になっていく。そして、地方にはエネルギー産業が生み出されて、地方全体も活性化し、国全体の産業構造も大きく転換をしていく、こういうものだと
認識しております。そこに
総理のリーダーシップをぜひお願いしたい、こう思うわけであります。
もう一面、地球
環境の問題でどうしても大事なのが森林の
存在であります。どんどん減ってきております。熱帯雨林を中心にして減ってきております。
中国が、華北平野の水がれ現象というのが今あるわけでありますが、これは、文化大革命
時代に黄河の上流を皆伐で大伐採してしまった、そのツケが今来ておるわけでありまして、したがって、黄河がかれつつある。そこで、中国は大植林運動を、母なる大河を守る、こういう大運動を展開しておるわけでありまして、それを支えるためにできたのがあの小渕基金であります。
この森林の問題をこうやって考えてまいりますと、私は、その中でも特に違法伐採、
世界の違法伐採、これをなくさなきゃならぬ、そういうことで、自由
民主党に、麻生政調会長のときそのことを申し上げまして、お願いいたしました。早速、すかさず判断、決断をしていただきまして、自民党に政調会長直属の違法伐採対策検討チームをつくっていただきました、私は座長にしていただきましたけれども。
それで、それから
政府と一体となって取り組んでまいりまして、ずっとこれは
総理にしっかり頑張っていただいたんですが、サミットで
総理がこの違法伐採対策問題に主導権を発揮していただきまして、そして今相当な枠組みができ上がってきております。これは、カナダのときもそうでしたし、昨年のエビアンでも
総理から言っていただいたんですが、ちょっと
総理の
発言を御紹介申し上げたいと思います。
いろいろ言われた後ですが、
日本の
小泉総理から以下の趣旨の
発言ということでありますが、違法伐採対策のための国際的取り組みが重要である、こういう
発言を、いろいろ言われた後、締めくくってされました。これを受けて、他の首脳から、今の
日本の
発言には勇気づけられた、
日本は自然に敬意を払うという他の文明にない長い
歴史、文明を持っている、森林の違法伐採は、アフリカ、アマゾンで見られるように問題であるとの
発言がございまして、これをシラク大統領が議長総括でまとめまして、首脳宣言の中にきちっと盛り込まれて位置づけられたのが「森林の違法伐採」という項目で、「持続可能な森林経営の観点から、我々は、違法伐採の問題に取り組むための国際的な努力を強化するとの決意を確認した。」これはシラク大統領の総括であります。
今、そういった
流れを受けまして、アジア森林パートナーシップとか、
政府間で徐々にその枠組みが進んできております。私は、こういった面でも、これはもう
小泉総理の
発言、提言によって、今、国際的なそういう取り組みが進んでいるところでありますので、この点についてもなお一層の
総理のリーダーシップをお願いしたい、こう思っておるところであります。
あと一点だけ、地球
環境問題に関連した形でお伺いしたいと思いますが、これは特に大島先生から、
国益をかけた大事な問題であるから、君も自民党を代表する形で質問するんだから、しっかり選挙区は違ってもやれということでありましたのでやりますが、ITER。私も、ITER、最初何のことかなと思ったんですが、きのうよく勉強させていただきました。
ITERという略称でありますが、国際熱核融合実験炉、これはまさに次世代の新しいエネルギーだ、こういうことでありまして、今研究が進んできて、いよいよ実験炉の段階になってきた。そこで、その実験炉をどこにつくるか、そういうことで、
日本とフランスのどっちかだということで、今いよいよ、もう場合によっては今月か一、二カ月のうちには決まってしまう、こういう重大な場面に差しかかっておるということでございます。
したがって、これまた
日本が将来の
国際社会に、地球全体に果たしていく
役割、その上からも、またぜひ
日本の
国益もかけて
日本にこの実験炉の誘致をということ、これは大島先生から、そういう大事なことだからしっかり言え、こう言われたわけでありますが、そういうことでありまして、以上申し上げました地球
環境問題に関連しての緑のエネルギー革命、違法伐採対策、ITERの問題、こういったことについて、
総理からひとつ御見解といいますか、お心構えをお伺いいただければと思う次第であります。よろしくお願いいたします。
〔北村(直)
委員長代理退席、
委員長着席〕