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2004-02-27 第159回国会 衆議院 本会議 第11号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十六年二月二十七日(金曜日)
—————————————
平成
十六年二月二十七日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
義務教育費国庫負担法
及び
公立養護学校整備特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時三分
開議
河野洋平
1
○
議長
(
河野洋平
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
義務教育費国庫負担法
及び
公立養護学校整備特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
河野洋平
2
○
議長
(
河野洋平
君) この際、
内閣提出
、
義務教育費国庫負担法
及び
公立養護学校整備特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
文部科学大臣河村建夫
君。 〔
国務大臣河村建夫
君
登壇
〕
河村建夫
3
○
国務大臣
(
河村建夫
君)
義務教育費国庫負担法
及び
公立養護学校整備特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
について、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
義務教育
は、
憲法
の
要請
により、すべての
国民
に対し、必要な
基礎的資質
を培うものであり、国と
地方
が適切に
役割分担
しつつ、円滑に実施することが重要であります。 一方、
政府
においては、
経済財政運営
と
構造改革
に関する
基本方針
二〇〇三を閣議
決定
し、
地方
の
権限
と
責任
を大幅に
拡大
するとともに国及び
地方
を通じた
行政
の
効率化
を図る
観点
から、国と
地方
の
役割分担
に応じた
事務事業
の
あり方
の
見直し
、
国庫補助負担金
の
縮減
に向けた
検討
を進めているところであります。 この
法律案
は、かかる
政府
の
方針
を受け、
義務教育費国庫負担金
について、
義務教育
に関する国の
責任
を適切に果たしつつ、
義務教育
に関する国と
地方
の
役割分担
及び
費用負担
の
あり方
の
見直し
を図る
観点
から、その
負担対象経費
を限定することとするものであります。 次に、この
法律案
の概要について御
説明
いたします。 この
法律案
は、
退職手当
及び
児童手当
に要する
経費
の性質にかんがみ、
平成
十六年度から、
公立
の
義務教育
諸
学校
の
教職員等
に係る
退職手当
及び
児童手当
に要する
経費
を
国庫負担
の
対象外
とするものであります。 なお、このことに伴う
地方財源
の手当てについては、所要の
財源措置
が講じられることとされております。 以上が、
法律案
の
趣旨
でございます。(
拍手
)
————◇—————
義務教育費国庫負担法
及び
公立養護学校整備特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
河野洋平
4
○
議長
(
河野洋平
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。順次これを許します。
中野正志君
。 〔
中野正志君登壇
〕
中野正志
5
○
中野正志君
自由民主党
の
中野正志
でございます。 私は、
自由民主党
、公明党を代表して、ただいま
議題
になりました
義務教育費国庫負担法等
の一部
改正法案
に関して
質問
いたします。(
拍手
) 現在、
政府
において進められている
三位一体
の
改革
は、国から
地方
へ、
地方
にできるものは
地方
にの
理念
のもと、
地方
の
歳出歳入両面
での国による
関与
を減らし、
住民
が
行政サービス
の受益と
負担
の関係を選択できるような
地方財政制度
の構築を実現するため、
国庫補助負担金
の廃止・
縮減等
の
改革
、
税財源移譲
、
地方交付税
の
改革
を一体的に行うことを目指した
改革
であります。 もちろん、まだ道半ば、
改革
の歩みは十分でありません。
地方
の不満も厳しく受けとめます。しかし、
地方
が、国の財政的な
関与
、統制から脱却して真に自立し、
住民
に主体的に必要かつ十分な
サービス
が提供できるようにしていくために必要な
改革
であることは論をまちません。
教育分野
においても、こうした
観点
からの必要な
見直し
を行うことは重要であると
考え
ます。 そこで、まず、今回の
義務教育費国庫負担法等
の
改正
の本来的な
趣旨
について
文部科学大臣
にお伺いいたします。
義務教育
は、
憲法
の
要請
に基づき、
国民
として必要な
基礎的資質
を培うため、すべての
国民
に
一定水準
の
教育
を
無償
で提供するものであり、国は
国民
に対して
一定水準
の
教育
を提供する
責任
を負っています。 また、物的な資源に乏しい
我が国
においては、人材こそ
社会存立
の
基盤
であり、
明治期
以来、多くの
先人たち
が、
日本
の
未来
を担う
子供たち
を
育成
するため、
教育施策
の
発展充実
に努め、その成果が
我が国社会
の原動力となってきたことには異論はないと
考え
ております。 諸
外国
に目を転じれば、イギリスの
ブレア首相
は、政権の最
優先課題
を問われ、第一に
教育
、第二に
教育
、そして第三に
教育
と答え、
教育水準
の
向上
をスローガンに、
教育予算
の増加などの諸
改革
に取り組んでおります。また、アメリカの
ブッシュ大統領
も、
教育
は私の最
重要課題
であるとし、
連邦政府主導
の
教育改革
に取り組んでおります。
我が国
においても、こうした諸
外国
の動向を十分に踏まえ、知の
世紀
である二十一
世紀
において、今後も
我が国
が活力ある
社会
を維持し、さらなる
発展
を遂げていくために、今こそ
教育
の
重要性
を再認識し、
国家戦略
として
教育施策
の
充実
に努めていくことが極めて重要だと
考え
ております。 このため、
教育
の
分野
における
三位一体
の
改革
の推進については、国の
国庫補助負担金
の削減だけを目指すような財政的な
観点
からの
議論
のみによるのではなく、
日本
の
未来
を担う
子供たち
の
教育
のためにどのような
制度
にすることが望ましいのかという
観点
からも十分に
検討
を行い、国は
教育
の
財源
は保障する、使い方は
地方
の自由だというぐらいに、将来に禍根を残すことのないようにしていくことが必要と
考え
ます。
義務教育費国庫負担制度
の
あり方
についての
文部科学大臣
の所見をお伺いいたします。 以上、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣河村建夫
君
登壇
〕
河村建夫
6
○
国務大臣
(
河村建夫
君)
中野正志議員
の御
質問
にお答え申し上げます。 まず、今回の
義務教育費国庫負担法等
の
改正
の
趣旨
についての
お尋ね
でございます。 今回の
改正
は、昨年六月の
経済財政運営
と
構造改革
に関する
基本方針
二〇〇三等を踏まえ、
義務教育費国庫負担金
について、
義務教育
に関する国の
責任
を適切に果たしつつ、
義務教育
に関する国と
地方
の
役割分担
及び
費用分担
の
あり方
の
見直し
を図る
観点
から、
国庫負担
の
対象経費
を国が真に
負担
すべきものに限定するため、
退職手当
及び
児童手当
に関する
経費
を
国庫負担
の
対象外
とするものであります。 次に、
義務教育費国庫負担制度
の
あり方
についての
お尋ね
がございました。
義務教育
は、
憲法
の
要請
により、
知育
、
徳育
、
体育
の調和のとれた
児童生徒
を
育成
し、
国民
として
共通
に身につけるべき
基礎的資質
を培うものであり、国は、すべての
国民
に対して
無償
で
一定水準
の
教育
を提供する最終的な
責任
を負うものであります。
義務教育
に係る
経費負担
の
あり方
については、
経済財政運営
と
構造改革
に関する
基本方針
二〇〇三等を踏まえて、
財政論
だけではなくて
教育論
としてしっかり
議論
するために、現在、
中央教育審議会
において、
義務教育制度
の
あり方
の一環として
検討
もいただいておるところであります。
文部科学省
といたしましては、
義務教育費国庫負担制度
について、
地域
の
創意工夫
に基づく多様な
取り組み
が展開されるように、
平成
十六年度より
総額裁量制
を
導入
することといたしております。 今後とも、
地方
の
自由度
を
拡大
していくために必要な
見直し
は行いつつも、
全国
すべての
地域
にすぐれた
教員
を確保するために、国の
責任
において
教育
の
機会均等
と
水準
を確保するという
制度
の
根幹
は引き続き堅持するという
観点
に立って、十分な
議論
を行うとともに、適切に対応してまいりたい、このように
考え
ております。(
拍手
)
—————————————
河野洋平
7
○
議長
(
河野洋平
君)
高井美穂
君。 〔
高井美穂
君
登壇
〕
高井美穂
8
○
高井美穂
君
民主党
の
高井美穂
です。 私は、
民主党
・
無所属クラブ
を代表し、ただいま
議題
となりました
義務教育費国庫負担法
及び
公立養護学校整備特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして
質問
をいたします。(
拍手
)
法案
の
中身
について
審議
をする前に、まず、
日本
の
教育
の現状についてお伺いをいたします。 昨年秋に初めて議席を与えられた
新人議員
として、また、
あと
四年少々で
義務教育年齢
に達する娘を持つ母親として、私は、近年の
教育
の
あり方
に大きな疑問と不安を抱いております。 私が
中等教育
を受けたのは、いじめ、
学級崩壊
、不登校、
教員
の不祥事など、多くの問題が
教育
の
現場
に噴き出し始めたころであります。いい成績をとっていい
大学
に行き、いい会社や安定した仕事が得られたらそれで安心だと思って頑張ってまいりました。しかし、それは間違いだったと今思っています。いや、間違いだったというより、そういう
時代
は終わったんだということに気づきました。 私自身、
現代社会
の豊かさを享受しながら、生きることに喜びを見出せず、悩んで苦しんでいたころがありました。何一つ不自由ないのに、何のために生きればいいのか希望が持てなかった。今、多くの
子供たち
が、かつての私のように悩んでいるのではないかと思っています。 世の中にはさまざまな
教育論
がありますが、
子供たち
が本当に求めているものは何なのか、必ずしもつかめていない気がいたします。もっと
子供
に歩み寄って、
現場
の声に耳を澄まさなければ、
ゆとり教育
が
学力低下
、
学力格差
をふやしたのと同じような失敗を繰り返してしまうのではないかとの懸念が消えません。
文部科学大臣
は、国策として最も大事な、これからの
日本
を支える
人づくり
について、
教育行政
に何を取り入れ、何をやめていくべきとお
考え
になっておられるか、
お尋ね
をいたします。 次に、提案されている
法案
の
中身
についてお聞きいたします。 この
法案
は、いわゆる
三位一体改革関連
として、
文部科学委員会
に付託される
予定
であります。昨年、
共済費長期給付
と
公務災害補償基金
を
一般財源化
したのに続く
改正
であり、今回は、
義務教育教職員
の
退職手当
と
児童手当
に係る部分を
国庫負担
の
対象
から外し、
一般財源化
するものです。 私は、この
法案
が
地方分権
をどれだけ進めるものになるのか、また
義務教育
の
改革
にどれだけ資するものになるのか、この二つの
観点
から慎重に検証されるべきであると
考え
ております。(
拍手
)
教育
の
分野
でも、国が
最低基準
を
責任
を持って保障した上で、
地方分権化
、
多様化
を進めていくことが必要と
考え
ます。しかし、もともと
裁量
の入る余地のない
退職手当
と
児童手当
を
一般財源化
することが、どれだけ
地方
の自由を
拡大
することにつながるのでしょうか。私には
理解
できません。
知事会
が、
地方
の
自由度
の
拡大
につながらない単なる
地方
への
負担転嫁
だと怒るのは、当然であります。第一、
総務大臣
みずから、
地方
の
自由度
の
拡大
につながらない
退職手当等
の
一般財源化
は反対と、
経済財政諮問会議
で表明されております。 そこで、現在もそのようなお
考え
なのか、
税源移譲予定交付金
を創設する
総務大臣
に
お尋ね
をいたします。(
拍手
) 一方、
日本
の
義務教育
にとってプラスになるのかという
観点
から見て、本
法案
にどのような積極的な
意義
があるのでしょうか。私には、そのような
意義
は全く見出せないのですが、果たして、この
法案
を
文部科学省
は何のためにお出しになるのか、これは
文部科学大臣
に
お尋ね
をいたします。 あわせて、本
法案
の
附則
第二条に白紙委任的な
検討条項
がございますが、
附則
第二条の
解釈
をお聞かせ願います。 今、私は、
文部科学省
も
総務省
も、本来やるべきことを棚に上げ、貴重な時間を浪費しているとしか思えません。財務省など他の省庁も同罪です。しかし、最も責めを負うべきは、
地方分権
への流れを迷走させている張本人である
小泉三位一体改革
であります。(
拍手
) 本当に
地方
の
自由度
を
拡大
しようというなら、奨励的な
補助金
から
一般財源化
していくのが普通でしょう。その方が
分権
の効果も
国民
に見えやすく、
理解
が広がるはずです。
小泉総理
がリーダーシップをとって、そういう形で
査定基準
をつくり、
基準
に合致する
補助金
をリストアップしていくのが筋ではないでしょうか。 ところが、三年間で四兆円、十六年度はとりあえず一兆円という数字だけが先に決まってしまいました。
あと
は役所に丸投げし、何とか一兆円のつじつまを合わせてくれ、こういうことですから、ビジョンなき
財政論
と言うしかありません。 鳥取県の
片山知事
は、
三位一体丸
という船に例えれば、乗っている
人たち
の間に、その船をどこにこぎつけようかという
共通
の
理解
がないのですと批判しておられます。どこに行くのかを、
方向性
を指示するのは、船長である
小泉総理
のはずです。
地方分権論議
を矮小なものにしてしまった
小泉総理
の
責任
は、厳しく
指摘
されなければなりません。(
拍手
)
小泉総理
は、
三位一体改革
とは、
地方
がみずからの
創意工夫
と
責任
で政策を決める、
地方
が自由に使える
財源
をふやす、
地方
が自立できるようにするとおっしゃっているようです。これ
自体
はもっともなことだと思いますが、では、実際に出てきた本
法案
のどこにそうした
趣旨
が反映されているのでしょうか。本来なら
総理
みずからに
お尋ね
したいところですが、
経済財政諮問会議
を担当する
竹中大臣
に
お尋ね
をいたします。 次に、
税源移譲予定特例交付金
について
お尋ね
いたします。 これは、本
法案
の条文には触れられておりませんが、要は、
国庫負担
から外される
退職手当
、
児童手当
を
交付金
で
措置
しようとするものです。この
交付金
は
人口比例
で配分をしますから、それだけだと賄えない
地方
が多数出てきます。その差額を
地方交付税
措置
するということでありますが、実際に必要な
退職手当
が
全額
措置
されるのかどうか。これは、
文部大臣
、
総務大臣
、それぞれに
見解
をお伺いします。 さらに、この
交付金
は、その名からすれば、
税源移譲
されることを
前提
としている
交付金
であろうと思います。本当に
税源移譲
される場合、いつの段階で
移譲
を行うのでしょうか。その際、
退職手当
、
児童手当
に要する
経費
は、そっくりそのまま
全額
移譲
されると認識していいのでしょうか。 また、昨年、
共済費長期給付
、
公務災害補償
について
一般財源化
した際には、二分の一を
地方特例交付金
、残り二分の一は
交付税特別会計
から借り入れ、
元利償還
時において
地方
が
負担
する
仕組み
をとっております。こうした過去の
国庫負担金対象額
の
一般財源化
、
交付金化
、こうしたちぐはぐな
仕組み
をどのように整理していくのでしょうか。 以上の点について、
総務大臣
の御
見解
を
お尋ね
いたします。(
拍手
)
文部科学大臣
に
お尋ね
いたします。
文部科学省
は、
義務教育費国庫負担制度
の
根幹
は堅持、つまり、
給与本体
は
国庫負担
から外さないという
前提
のもとで、
地方分権
を求める声にこたえて、
総額裁量制
を
政令改正
で
導入
しようとしておりますが、この
制度
の
趣旨
と
仕組み
について御
説明
を求めます。 この
制度
は、
国庫負担金総額
は
都道府県
に渡し、その
使い道
において
地方
の
裁量
を一定
拡大
し、
都道府県
の自主的な
判断
で
教員配置
ができるようになると
理解
しております。しかし、
加配教員
の扱いなどで依然として
地方
は縛られるとの
指摘
もあります。どのようにお
考え
でしょうか。 また、この
総額裁量制
は、一クラス四十人という
現行標準法
の中でのやりくりであります。この際、いっそ
制度設計
を
見直し
て、
民主党
がこれまで強く主張してきた三十人以下
学級
を推進し、
子供たち
一人一人に目が行き届く
環境整備
を進めながら、
地方
の
裁量
、
権限
の
移譲
による、
地域
が主役の
教育環境
を整えるべきではないでしょうか。
文部大臣
の御
見解
をお伺いします。(
拍手
)
最後
になりますが、今ベストセラーになっております
村上龍
さんの「十三歳のハローワーク」に、次のような一節がございます。「
格差
のある
教育システム
には多大なリスクがある。」これは、
小泉構造改革
の中で、
国民
の
経済格差
が大きくなって、それがそのまま
教育格差
につながり、深刻な
社会
不安を招くだろうということに警鐘を鳴らしたものでありますが、私は、全く同感だと思っております。 この鋭い
指摘
にどうこたえて
制度設計
をしていくのか、
文部科学大臣
の御
見解
を
お尋ね
し、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣河村建夫
君
登壇
〕
河村建夫
9
○
国務大臣
(
河村建夫
君)
高井美穂議員
の八つの
質問
に順次お答えさせていただきます。 第一点は、これからの
日本
を支える
人づくり
についての
お尋ね
でございました。 私といたしましては、新しい
時代
を切り開く、心豊かでたくましい
日本
人の
育成
を目指して、画一と受け身から自立と創造へという
基本理念
のもとに立って、
教育
の
構造改革
を進めてきたところでございますが、引き続いて、
知育
、
徳育
、
体育
のほか
食育
も重視しつつ、その内容の
充実
を図りながら、
人間力向上
を目指して、確かな
学力
や豊かな心の
育成
、知の
世紀
をリードする
大学改革
など、
教育改革
を積極的に進めてまいる
所存
であります。 また、
教育分野
における
規制改革
を一段と推進し、
教育
の
地方分権
を積極的に推進するとともに、国は、
全国
的な
教育水準
の確保に留意しながら、必要な支援と
環境整備
の
充実
を図ってまいる
所存
であります。 第二点は、今回の
義務教育費国庫負担法等改正法案
の
提出趣旨
についての
お尋ね
でございました。 今回の
改正
は、昨年六月の
経済財政運営
と
構造改革
に関する
基本方針
二〇〇三等を踏まえて、
義務教育費国庫負担金
について、
義務教育
に関する国の
責任
を適切に果たしつつ、
義務教育
に関する国と
地方
の
役割分担
及び
費用分担
の
あり方
の
見直し
を図る
観点
から、
国庫負担
の
対象経費
を国が真に
負担
すべきものに限定するため、
退職手当
及び
児童手当
に要する
経費
を
国庫負担
の
対象外
とするものであります。 次に、本
法案
の
附則
第二条の
解釈
について
お尋ね
がございました。
附則
第二条につきましては、昨年十二月の
三位一体改革
に係る
政府
・
与党協議会
の
決定
を踏まえ、今回の
法改正
による
退職手当等
に係る
措置
について、
政府
として、
平成
十八年度末までの
義務教育教職員
の
給与等
に要する
経費負担
の
あり方
に関する
検討
の状況及び
社会経済情勢
の変化を踏まえつつ、必要に応じ適切な
措置
を講ずるとの
趣旨
を規定いたしたものであります。 次に、
退職手当
の
財源
が
税源移譲予定特例交付金
により
全額
措置
されるのかという
お尋ね
であります。
税源移譲予定特例交付金
は、御
指摘
のように
人口
で案分して交付されるため、
税源移譲予定特例交付金
の額と
退職手当等
に係る
国庫負担金
の
減少額
とは各
地方公共団体
で多少の違いが出てくることになりますが、
国庫負担金
の
減少分
は、
地方交付税
の算定を通じて、各
地方公共団体
の
財政需要
の実態に見合った
財源調整
がなされるものと承知をいたしております。 次に、
総額裁量制
の
趣旨
とその
仕組み
について
お尋ね
でございました。
義務教育費国庫負担金
の
総額裁量制
は、
教職員
の職務と
責任
の
特殊性
などを勘案した
給与単価
と
教職員
の
標準定数
により算定した
負担金総額
の範囲内で、その
使い道
を
地方
にゆだね、
教職員
の
給与
や
配置
についての
都道府県
の
裁量
を
拡大
しようとするものであります。 これによって、
地方
の主体的な
判断
に基づき、例えば、
習熟度別
少
人数指導
の
充実
や少
人数学級
の実施など、
地域
の実情に応じた、よりきめ細かな
教育
の展開が可能になるものと
考え
ております。
文部科学省
といたしましては、この
総額裁量制
によって、
義務教育水準
の
維持向上
に必要な
財源
を確実に保障しつつ、
地方
における
創意工夫
ある
取り組み
を一層促進してまいりたい、このように
考え
ております。 また、
総額裁量制
のもとでの
加配教員
の
取り扱い
について
お尋ね
でございました。
義務標準法
に基づく
加配定数
は、法令で定める目的に応じ特例的に加算されるものでありますけれども、
総額裁量制
の
導入
に合わせて、
都道府県
の
判断
によって、少
人数学級
への活用なども含め、
教職員
の
配置
についてさまざまな
工夫
を講じることが可能になるように、その
取り扱い
を弾力化することといたしております。 三十人
学級
について
お尋ね
でございました。
文部科学省
では、
教科等
の特性に応じた少
人数指導
や
習熟度別指導
など、個に応じたきめ細かな
指導
を実施するため、
平成
十三年度より
定数改善計画
を推進しておるところであります。 また、
学級編制
についても、
地方
の
自主性
を高める
観点
から、四十人
学級
を
標準
としつつも、
都道府県
の
判断
によって、これを下回る
基準
を定めることを可能としたところであり、
平成
十五年度において、三十
都道府県
が少
人数学級
を実施しております。 さらに、今回の
総額裁量制
の
導入
によって、
学級編制
や
教職員配置
については
地方
の
裁量
が
拡大
されることとなり、
地方
の
創意工夫
を生かした
教育活動
が一層促進されるもの、このように
考え
ております。
最後
に、
経済格差
が
教育格差
につながって
社会
不安を招くとの
指摘
がございました。
学校教育
の
制度設計
をいかにすべきか、こういうことでありました。 すべての
国民
が、その能力に応じひとしく
教育
を受けることができるように
教育
の
機会
を保障していくことは、
憲法
が
要請
するところであります。
文部科学省
といたしましては、今後とも、
全国
どこの
地域
においてもすべての
子供たち
が安心して
教育
を受けられるように、
義務教育費国庫負担制度
の
根幹
は堅持するという
観点
に立って、適切に対応してまいります。 また、特に
奨学金制度
、この
事業
、これによって拡充すること、そうした
教育施策
の
充実
に努めてまいりたい、このように
考え
ております。 以上であります。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
10
○
国務大臣
(
麻生太郎
君)
高井美穂議員
から四問いただいております。 まず、
義務教育国庫負担金
の
一般財源化
に対する
考え
方につきましての
お尋ね
をいただいております。
義務的経費
であります
退職手当等
々の
一般財源化
は、それ
自体
では
地方
の
自由度
の
向上
に資するものとは
考え
がたい、私もそう思います。しかし、今回の
措置
は、
平成
十八年度末までに
給与費全額
の
一般財源化
について
検討
を行うということになっております中で、まず
退職手当
の
一般財源化
を行うことであり、
改革
を一歩前進させるものだと認識をいたしております。 次に、
税源移譲予定特例交付金
についての
お尋ね
があっております。
教職員
の
退職手当等
に係ります
国庫負担金
につきましては、その
一般財源化
いたします
相当額
の
全額
を
地方交付税
の
基準財政需要額
に算入いたします。これによりまして、各
都道府県
の
必要額
は確保されると
考え
ております。 次に、その時期についての
お尋ね
がありましたが、
退職手当等
、今後額が大きく変動することが予想されますので、したがいまして、昨年末、
政府
・
与党
の
決定
におきましても、
税源移譲予定交付金
というのを設けさせていただきまして、各年度の
退職手当
などの
必要額
を確保することといたしております。同時に、
給与費全額
の
一般財源化
の
検討
なども踏まえ、
税源移譲
の時期を
判断
することといたしております。
税源移譲
の時期や額につきましては、この
決定
の
趣旨
に沿って適切に
判断
する必要があるものと
考え
ております。
最後
に、
義務教育費国庫負担金
の整理の方法についての
お尋ね
があっておりました。
義務教育費負担金
を
一般財源化
する際に
地方税
とするか
交付金
とするかにつきましては、その時点におきます
一般財源化
に係る
議論
や
対象経費
の性格などなど、いろいろ
考え
た上で、
地方団体
の
財政運営
に支障が生じないように対処することを
基本
といたしております。 今後も、適切に
財源措置
を講じつつ、
基幹税
によります
税源移譲
につなげていくことで、
地域主権
、
地方分権
の
時代
にふさわしい
地方税財政
等々、
基盤
の確立に取り組んでまいります。(
拍手
) 〔
国務大臣竹中平蔵
君
登壇
〕
竹中平蔵
11
○
国務大臣
(
竹中平蔵
君)
高井議員
から、一問、
三位一体
の
改革
の
趣旨
と本
法案
の
関連
について
お尋ね
をいただいております。
政府
は、
三位一体
の
改革
を推進し、
地方
の
権限
と
責任
を大幅に
拡大
し、同時に、
行政
全体の
スリム化
を目指しているわけでございます。
義務教育費国庫負担制度
につきましても、
基本方針
二〇〇三において、
地方
の
自由度
を大幅に高める
観点
からの見通し、
検討
を着実に進めるための
工程
を示しております。今般の
改正
は、その
工程
に沿ったものと
考え
ております。まさに、全体として
地方
の
自由度
を高め、
税源移譲
につながるものでございます。
政府
としては、引き続き、
三位一体
の
改革
工程
を加速、強化するよう、積極的に取り組んでまいる
所存
でございます。(
拍手
)
河野洋平
12
○
議長
(
河野洋平
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
河野洋平
13
○
議長
(
河野洋平
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十九分散会
————◇—————
出席
国務大臣
総務大臣
麻生 太郎君
文部科学大臣
河村 建夫君
国務大臣
竹中 平蔵君 出席副大臣 文部科学副大臣 原田 義昭君