○泉(健)
委員 いや、ですから、そこは、明確にすることによって予見
可能性を高めても、それ自体が何か
社会にとって有益なものではないわけですよ。今求められているのは、
公益通報をできるだけ幅広にできるようにするということが求められているわけですね。
この部分については、ぜひともこれも個人の生命、身体に重大な影響を及ぼすということを入れなければ、実際に
法律というのはやはり後追いですから、例えばこの法にしたって、どうあったって公布から施行まで時間をかけなきゃならないわけですよね。その間にも残念ながら
被害者というのは出てくる
可能性はあるわけです。何だって
法律は後追いなのはよくわかっています。わかっていますから、せめて、一本一本の
法律の後追い、これを繰り返す、そしてその対応を待つというのではなくして、この
公益通報者保護法の中で、やはりこういった実際に
被害が起こっている場合については、
公益通報を行うことによって、
法律ができるできないじゃなくて、まず
被害を食いとめることです。まず
被害を食いとめる。そして、その
通報した人間の
立場を
保護する。
立場の
保護は一番
最初じゃないですね。まず
被害を先に食いとめなきゃならない。
被害を食いとめるためには、だれかからの
通報がなければならないわけです。その
通報がちゅうちょされるような
法律であれば、これは機能しないんです。そこをぜひ御
理解いただきたいというふうに
思います。これも我々
民主党は
修正を求めております。
そしてさらに、これまで
議論がありましたが、まさに生じようとするとき、これを我々は「おそれ」ということも含めるべきだというふうに考えておりますけれ
ども、ここも、
政府の
答弁を見ていますと、何を怖がっているのかなという気がしてならないんですね。
それは、例えば、「おそれ」にした方が
企業にとってもメリットだと私
たちは思っているんです。早期発見、早期対応ができるわけですから。だって、まず
最初に
内部通報ありきなんですからね。いきなり外部に、
マスコミにすぐばらすみたいな話じゃなくして、先に
内部通報をするわけですから早期発見、早期対応ができる、いいことじゃないか。「おそれ」というふうにした方が、もしかしたらこんな話があるかもしれませんよ、気をつけてくださいね、そういうものがヘルプラインに投げ込まれた方が先に手を打てるじゃないですか。その方が
会社にとったっていいはずなんです。なのにもかかわらず、何を恐れているのかなという気がしてなりません。
しかも、今回の
法律というのは、実名の
公益通報に対してその方そのものを
保護するということですから、匿名の
通報ではないということですから、その実名の
通報があった方に対して期限内に返答をすればいいわけですよね。そうしたら、
企業としてはさほど、前おっしゃられたような
事業者のリスクだとかそんなことはないわけです。明確にわかっている人に対して返答をすればいいんですから、さほど難しい話じゃない。とすると、何を恐れているのか。
例えばそれは
濫用ということを恐れられているのか。
内部通報が同じ人から何十件も何百件も来て、
会社の本来業務ができないというような
濫用を恐れておられるのか。それとも、その
濫用によってヘルプラインが煩雑化、業務が停滞することを恐れているのか。それとも、安易に外部
通報される
可能性があるということ、またそれに伴う
企業リスクを恐れられているのか。あるいは、外部機関、例えば
マスコミとかがモラルが低いから何でもばらしてしまう、そういう風評リスクを恐れられているのか。ここのところを明確にしていただきたいと
思います。いかがですか。