○泉(健)
委員 この
警察白書に書いています文章がやはり気になっていまして、「
警備業を
警察が立案する犯罪対策体系の中に積極的に位置付けていく」ということになりますと、国民の自主防犯活動というものをこの犯罪対策体系の中に積極的に位置づけられているのかどうかはちょっとわかりませんけれども、
警備業だけをこの中に積極的に位置づけていくということが正しいのかなというところは少し不安を感じているところです。やはり
警察そのものの役割というのもあるでしょうし、一端を担っていくという
考え方であれば、そこはよく理解をするものなんですが、余り中核的な位置づけにこれが変わっていきますと、じゃ、
警察の役割は何なのかという話にもなっていきますので、ここは、その位置づけ、どこに
警備業というものが置かれているのかというのは、もう一度
認識を改めていただきたいというふうに思っております。
私も海外
幾つか国を回らせていただくわけですけれども、日本における
警備業というのは非常に問題もなく、それぞれが一生懸命職務に邁進をされているところですけれども、例えば海外でいいますと、
警備業というものが発達をしている国が果たしてすばらしい国なのかというところは、やはり考えていかなければならないんですね。
対策、対策というところで、我々はどうしても厚着をしがちになるわけです。こういう
治安の
状況だから、こうしなければならない、ああしなければならないと言っているうちに、本来必要な倫理観ですとか防犯意識、多分基礎体力というものでしょうね、人間本来の肌身で感じなければならない、持っていなければならないものが失われて、厚着ばかりをしてしまうような格好になってはこれはいけないというふうに思うわけです。
その
意味では、日本の
警備業が、いずれそれぞれが銃まで持たなきゃならないなんていう
状況はやはりこれはおかしいわけでして、そんなことがきっと起きないというふうに信じてはおりますけれども、昨今、こうして
警備業がこの二十年ほどふえ続けているという
状況を見ますと、業界の発展という
意味ではこれは
一ついいことかもしれませんけれども、やはり
警察としては、
警備業がふえるということは
警察そのものが問われているというふうにも御
認識を持っていただきたいと思いますし、
警備業がない社会、
警察がない社会というものも、ある
意味一番すばらしい理想の社会、それは不可能でありますけれども、そういうことを根本の
部分を忘れずにこの
警備業なり
警察行政というものを見ていただきたいというふうに思っております。
今回の実際の
警備業法の
改正の中身についてちょっと触れていきたいと思います。
まず、今回の
改正の目的、これは先ほどからお話をいただいているところですけれども、現状の
認識、「
治安情勢の深刻化と
警備業に対する需要の増大」「
苦情の多発」そして「不適正な
警備業務の
実施による
事件・
事故の
発生」というふうに書いてあります。しかし、この現状の
認識が私はこれで本当に間違っていないんだろうか。やはり、現状の
認識があって、その
認識からニーズが生まれ、そのニーズを満たすために今回の
改正が行われるわけですね、それは間違いないですね。では、現状
認識はどうでしょうかというところを少し考えてみたいと思います。
治安情勢の深刻化、これはおっしゃるとおりですね。ただ、
治安情勢の深刻化というものも、これは本来
警察が解決をしなければならない問題ですし、だからといって、
警備業法を
改正するということに簡単につながっていいものかどうかという話もあります。
警備業に対する需要の増大というふうにして、いただいた資料では、グラフがずっと
警備業者のニーズが伸びている、そういう表があります。しかし、おととしから去年にかけていきますと、一万人
警備業の従事者が減っているという
状況になっておりますけれども、これまでふえ続けてきた、そして昨年減ったという事情について、理由がもしわかれば御
説明をいただきたいと思います。