○鎌田
委員 審議官の顔を見て話を聞いていると、これからの
日本の
教育、過去のいろいろなことはもう忘れ去って、明るい希望を抱きたくなるような御答弁ぶりなんですけれ
ども、しかし、現実はなかなかそうはいっておらないわけでございます。
さっき、ゆとりが緩みになっちゃいけないとおっしゃったんですが、私は、ゆとり
教育導入だと聞いたときには、もうすごい大革命が起きるんだろうと思いました。詰め込み
教育がなくなって、それから、受験競争社会というものも意識転換が図られていって、学歴社会もまた改まっていくんじゃないかというふうに思いました。
しかし、現実は、
教育内容の厳選、厳しく選ぶと書きますよね、厳選というのは。厳選という言葉を用いていながら、単にパイの三・一四が三に変わり、教えられる漢字の字数ががくっと減り、時間が減って、それから、教えられる
内容が希薄になって。
子供が持ってくる教科書を見たら、今高校になりましたけれ
ども、中学生の息子が持ってくる教科書が、こいつ中学生の
子供が使う教科書なのというくらい彩り鮮やか、絵が満載。これじゃ、勉強しろと言ったって、楽しくやれるのはいいかもしれないけれ
ども、なかなかちょっと本質のところからずれているんじゃないかなというふうな、ゆとり
教育導入に当たってのさまざまな
現場での実施状況だったんですよ。
そして、
先生たちに目を向ければ、忙しくて忙しくて、事務分掌に追われて
子供と向き合う時間なんかない。
子供は土日、時間があいたけれ
ども、ますます個別化、個人主義に行っている。
だから、ゆとり
教育は、私は、
日本の
教育の大転換の百年に一回の第一歩だと思いました。しかし、その第一歩が、前に第一歩進むんじゃなくて、何か斜め方向に第一歩進んじゃって……(発言する者あり)大後退というふうにおっしゃるくらい……(発言する者あり)大失敗と感じている方がいらっしゃるくらい、そのくらい、ちょっとゆとり
教育は違う方向に行っちゃったんですよね。
それで学力低下になり、だから私、文部科学
委員会で申し上げたのは、御存じないと思うけれ
ども、
教育を論ずる人
たちだけで論ずるんじゃなくて、経済産業省を呼んでくださいよ、
厚生労働省を呼んで、
日本の産業の
仕組み、労働の
仕組み、お父さん
たちがいまだにうちに帰るのが、仕事のない方は本当に気の毒ですけれ
ども、忙しい方はうちになかなか帰れない。家庭でのコミュニケーションがとれない。父親の威厳をつくろうといったってつくれない。母親は母親で、いいんですけれ
どもね、そういう生き方があっても。みんなそれぞれ個人主義になっちゃって、家庭のコミュニケーションを図ろうと思っても図れない。そこで、ゆとり
教育で
子供に時間をつくったから
地域に帰れと言ったって、これはやはりうまくいくわけないので。
長々となりましたけれ
ども、今回のこの
特別免許状を導入ということは、私は決してむだだとか無
意味だとかそんなことは、ちょっと心の片隅で思っていますけれ
ども、しかし、大きな声で言ったら、
金子大臣のその心意気を、これは、純粋、汚れなき美しいものを汚しちゃいけませんと思います。
ですから、これは少なくとも構造改革の中の
一つの法案として出された法案でございますから、ぜひそのことをお忘れなく。そして、
日本の
教育、ゆとり
教育の方向転換が発表されて、社会が、何だここでまた転換かという異論が大分噴出をしておりますので、
教育こそは
日本の柱、小泉さんの言った言葉、米百俵の言葉に偽りなきようにやっていただきたいという願いを込めて。
そして、
佐藤副
大臣に、私は、個人的には法務
委員会で戸籍
法改正の折の大恩人でございますので、その
佐藤副
大臣に、ぜひ、きょう、法案について締めくくりと、この
教育の分野も含めてのこの法案、しっかり、無
意味なものにならないようにということでの御決意を聞いて、終わりにします。お願いします。