○長沢
委員 今、
戦略的かつ大胆にというふうに言われました。本当にそのとおり。今、この
電波の
利用について、ある
意味で大なたを振るわなければいけないような局面に達しているというふうに思います。今回の法案の
基本的な立場は、そこに立っているというふうに思います。
この
世界最先端の
ワイヤレスブロードバンド環境をつくっていくという
意味で、現状どうなっているかといいますと、
電波利用は、
無線局の数が現在八千六百六万局、このうちのほとんど、八千五十四万局が
携帯電話関係が占めている。ちなみに、去年の同時期、二月の段階で、
携帯電話関係の局数は七千四百三十七万局、その前の年は六千八百万局。つまり、六千八百万から七千四百万、そして今八千万。このように、
電波利用の進む方向性として、いわゆる
移動局の数がどんどんふえている。
これをしっかりと我々も受けとめなければなりませんし、あるいは、CATVの
インターネット加入数は、去年の一月で百九十九万件、ことし一月には二百五十一万件。あるいは、ADSLなどの高速
通信の加入数も、六百十二万件から一気に飛躍して一千六十一万件、こういうふうに進んでおります。
さらに進んでまいりますと、
情報家電の拡大と言われるように、さまざまな身の回りの家電が
電波を介して
インターネットと接続していくというふうになってまいります。こうすると、これらの数はさらに今後拡大することは間違いありませんし、
ブロードバンド環境というものが今までとは比べようもない
勢いで広がり、かつ変化をしている。このスピードに
行政としても追いついていかなければならないという問題があります。
一方、この
ユビキタス社会を展望しますと、象徴的なパターンとしてよく言われるのは、外出先にいるときには外出先として家の中をコントロールでき、家に帰ると帰宅のコントロールの状態に返って、既に食事や空調や給湯というものが在宅のモードに変わって自動的に動作を開始する、そういうような
環境というものがこれから、先ほど
大臣もおっしゃったとおり、家の中あるいは道路、いろいろな形で私
たちの
社会の中に出てくる。
例えば、私
たちの位置
情報、周辺
情報も把握できるというような形で、バリアフリー
環境という
意味でも前進をしていくわけです。これは、
障害者だけではなく
高齢者の
生活向上にも非常に大きな
可能性を開くという
意味で、
生活をよりよくしていくという
意味でも、
ユビキタス社会の前進、そしてその前提となる
ワイヤレスブロードバンド環境の
構築ということは、今非常に大事な
課題になっているわけです。
その点を
考えますと、現在の
電波利用のありようを見直す必要があるというのは当然でございまして、今、
大臣も、
利用状況、
活用状況を見て必要であれば別のところに移ってもらう、あるいは退席をしていただくというような、
戦略的かつ大胆な
見直しというものが必要だというふうにおっしゃいました。
これは、例えば、パソコン上ではよく行われていることでございまして、ディスククリーンアップとかデフラグという操作があります。使っていくとディスクの中にいろいろなソフトあるいはファイルがどんどん入っていく。それが、すき間が非常に少なくなっていって、あるいはすき間があちこちに分散をしているという状態になっていく。ディスククリーンアップをすると、ふだんの
利用状況を見て、
利用頻度の少ないファイルは圧縮したり、あるいは時によっては削除するという形でディスクをまずきれいにする。きれいにした上でデフラグという操作をしますと、断片化したファイルをそれぞれ整理しまして、一つにつなげられるものは連続する、あるいは場所を
移動するというような形で、ディスクの中のすき間を整理して、ファイルの固まりあるいはすき間の固まり、こういうものをつくっていくという操作をやります。こうやって、パソコンの場合は全体の動作
環境を向上させるというような作業をよくします。
利用状況を、このファイルはどのぐらい使っているのか、このファイルはしばらく使われていないのかというのを見た上で全体を整理する、こういうやり方をパソコン上でもするわけですが、この点でも、
電波の
利用状況、
電波行政の上では
電波の
利用状況調査ということが大事になってまいります。
平成十五年度に
総務省としても
電波の
利用状況の調査をしておりまして、
無線局の分布の
状況とか使用
技術、
利用状況、あるいは
有効利用の程度という観点からこれを調査して、その上でほかの
通信手段への代替
可能性を調べる、それをもとにして今回、いわゆる整理をするという作業に入るわけでございます。
このように、使用帯の圧縮あるいは光ファイバーへの転換が適当と評価された
電波帯も少なくありませんで、こういうような調査、
利用頻度の少ないものについて圧縮したり削除したりする作業が必要だと思います。このような
有効利用という
課題について、今後この調査に基づいてどのように取り組んでいかれるか、そのお
考えをお聞かせいただきたいと思います。