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高木(美)
委員 それでは、皆様にお配りしました資料を少しごらんいただきたいと思うのですが、当然皆さんはもう十分御認識かと
思いますが、まず、左上にあります、これは「現代高校生の生活と性行動」でございます。B校といいますのはいわゆる学力上位校、C校というのは普通校といったデータでございます。この一番下のところに「性経験者」もしくは「現在交際中」、
女子を見ていただきますと、一年生は、B校、成績のいい学校で三〇・八、C校で五〇%、三年になりますと、C校に至っては、現在交際中、そういう方は一〇〇%、こういうデータでございます。これは私も親として大変衝撃を受けました。
そして、左下にございますが、いわゆる「性交経験時期」、これが右の棒グラフにございますが、「高校入学後」というのは、
女性はこの中で七〇%という
状況でございます。これは、いわゆる経験者の中でいつかということでございます。
その左下に、これは有名なデータでございますが、高校生の生活と意識に関する
調査、二〇〇四年二月発表になりました各国の比較でございます。
日本は、「結婚前は純潔を守るべきである」、この下の「あまりそう思わない」「全くそう思わない」、合計しますと六六%、それに比べて、アメリカは、「全くそう思う」「まあそう思う」、守るべきであるというのが、合計しまして五二%、中国で七五%、韓国は七四%、こういう
状況でございます。
しかも、右のところに行きますが、「これまでの相手が五人以上の人の割合」、こういう
内容でございます。特に左側の十八歳から二十四歳、
女性で約四〇%近く、男性では四〇%を超えている、こういう
状況です。特に、こうした同世代の人
たちが見知らぬ人と性交渉を持つことも容認している、こういうことについても高いデータが示されております。
右下のところに、二十歳未満の人工妊娠中絶実施率でございますが、これが千人に対しまして、これはちょっと古いデータですけれども、
平成九年で七・九人、件数でいきますと今四万件を超えている、こういうデータで、ますます増加傾向にある、これが今の
実態でございます。
果たして、こうしたいわゆる教育がどこまでこうしたことに歯どめをかけていられるか、現実に
実効性が出ているか、こういうことを考えますと、やはり、
子供たちが何を求めているか、こういったことにもう一回着目をしながら、さらにこれを
検討し直して推進をしなければいけないのではないかと
思います。
こうした若者の今の性行動の特徴を、活発化、ネットワーク化、無防備化、このように表現する学者もおります。当然、この傾向に歯どめをかけるという
大人側からの努力も必要ですけれども、ただ、もう今、小学生のころから性に関する情報がはんらんをしておりまして、その中にほうり込まれながら荒波の中で育っている、こういう
状況です。
したがいまして、それはもう都会でも地方でも同じ
状況でございまして、地方高校生の意識
調査によりますと、性交渉を受容しているという高校生は約八割近く、中学生も五、六割の生徒が構わない、こういうふうに答えているということもデータでございます。しかし、そうした彼らも、一番興味深いのは、九割の高校生が、そうしたことについて危ないことは危ないとはっきり教えてほしいというメッセージを出していることでございます。
こうした
子供たちの側からの意識を
大人がしっかりと受けとめて、やはり自然に覚えるだろうとか、また当然、興味本位というのは最近は少なくなりましたが、そういうあいまいな認識では大きなすれ違いになってしまうと
思います。もはや、性教育として性を教える教育といいましても、大体細かい
仕組み以外のことは、
子供たちはもう既に小学校ぐらいからわかっている。むしろそれよりも、中学、高校生の
段階になりますと、どうやって自分自身の身を守るか、健康な体を守るか、そういった
意味で
予防のための教育へと視点を変える必要があると
思います。
ですから、名称も、私は、性教育という、性自体を教えるといったような名称よりも、もう少し、例えば思春期のための
予防教育とか、何かもう一歩、名称の
検討から
お願いしたいと
思います。やはり、そういう一回のつまずきが後でどれだけ人生に大きな影を落とすのかとか、そういうことも含めまして、
子供自身の生涯にわたる健康のために、あなた自身の幸福のためにというメッセージを込めまして正確な
予防知識を与えておく、そのことが思春期を乗り越える
一つの力になるのではないかと
思います。
これが何のためなのか、そういう視点がはっきり定まっていないということから、自治体によりましては行き過ぎた性教育が後を絶たない、そのためにまたいつも
文部科学省さんが謝罪をしなければいけないような、そんなこともいつも報道されておりますけれども、やはりこうした名称の
検討、また視点を変えていく、このことにつきまして、
文部科学省の見解をお伺いしたいと
思います。