○石田(真)
委員 自由民主党の石田真敏でございます。
もう大詰めになってまいりましたけれども、少し、今まで私は
地方自治体の長をいたしておりまして、そういう中で感じたことを
景観法の中で御質問させていただきたいと思います。
まず、良好な景観を
形成するということになりますと、一般的には歴史的な町並み保存とかそういうイメージが浮かぶんだろうと思うんですけれども、私は、当然それだけではないというふうに思っております。
まず、良好な
保全をするということ、これは一つ大事なことですけれども、私は、二つ目は、各事業をやっていくことによって景観というのを創造していくということもあるだろうというふうに思います。それから、景観を阻害する看板とかさまざまなものを抑制していく、そのことによって景観を保つということもあるだろうというふうに思うんです。
それからもう一つは、やはり
住民の皆さんによって自主的な
取り組み、そういうことの中で景観というものをつくっていくということもあるんだろうというふうに思うわけでございまして、こういうものが総合的になされて初めて良好な景観というのが
形成できるんだろうというふうに思っております。
そんな中で、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まず、私は特に感じましたのは、
公共事業というのは非常に日々の
生活の中でさまざまなものを展開していく、その中で景観というものをつくっていっているというふうに思います。
例えば、幕末から明治にかけて、外国から来られた方が日本の景観はすばらしいと言われましたけれども、何も歴史的なものをすばらしいと言ったんじゃなくて、その日々の、例えば田園地帯であるとかそういうものに対してすばらしいという評価をされたわけでありまして、今問題になっているのは、歴史的な町並みの保存が非常になおざりになっているということもありますけれども、日々の景観
形成という
意味で非常に問題があるということではないかなというふうに私は思うわけであります。
それで、日常的なということをやっていきますと、私も市長をいたしておりまして、例えば一つの
道路をつくる、あるいは一つの建物をつくる、そのときに、担当する職員がほとんど一人でやるんですよ。何も景観について具体的な
会議をした上でやるわけではないのです。
例えば、何か
道路をつくるときに、縁石がありますね。縁石は本当に個人が勝手にやる。しかし、縁石といったって種類がたくさんあるんです。コンクリートによる縁石もあれば、花崗岩による縁石もあるんです。それは雰囲気が全く違います。では、それはだれが選ぶのかという問題になる。これは、自治体のそれを担当している職員が選ぶんです。では、その職員にそれだけの能力があるのかというと、ある人もいるし、ない人もいるんですね。
これは、
地方自治体だけではないんですよ。国がやっている出先機関で、皆さんの
選挙区で国道を見ていただいたらわかると思うんです。決してそんなに、ああ、ここの国道はすばらしい景観だなと思うところはないと思うんです。つまり、景観を日々形づくっている
公共事業をやっている担当職員さんのその能力というのがどこまであるか、これはばらばらということなんです。ですから、でき上がってくるものは全部ばらばらなんです。
そういう
意味で、私は、
公共事業が持つ景観を形づくるというのは非常に大事なことだというふうに思っておりまして、
地方自治体の職員、そして国の職員、都道府県の職員、そういう携わる人の能力をどうアップするかということが物すごく大事な問題だと思うんです。
しかし、
市町村とか都道府県でその職員を個別に能力をアップさすなんということはできないわけでありまして、そういうことについて国として何らかの形でやっていかないとこの
景観法の実は上がらないと思いますので、まずその点についてお聞かせいただきたいと思います。