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佐藤政府参考人 まず、数量的な面から申し上げます。
高速国道の供用延長、十五年四月一日現在の数字で申し上げますと七千二百キロでございます。現在では約百キロふえておるわけでございますが、データ的に七千二百キロ。この中でトンネル、橋梁、幾らあるかと集計をしてみますと、千七百五十六キロでございます。つまり、延長ベースで申し上げますと、高速自動車国道の大体四分の一はトンネル、橋梁である。
これがどのぐらい年数を経てきているか、こういう
議論になるわけでございますが、
昭和三十八年の供用以来約四十年、三十年から四十年たっている橋梁あるいはトンネル、これが大体二割程度あろうかということでございますので、全体七千二百キロのうちの千七百キロの橋梁、トンネルに対して、その二割程度、三百キロ余りは三十年から四十年経過してきている、こういう
状況でございます。
そうしますと、あと二十年
たちますと五十年から六十年たつ、こういうことでございますので、
構造物の耐久年数自体は、何年と決まっているわけではもちろんございませんが、橋梁で申し上げますと、良好な
管理をさせていただければ恐らく百年ぐらいはもつであろう。ただし、これは良好な
管理をするということが前提であるということと、先生御
指摘の
交通量あるいは大型車、これが
昭和三十八年から四十八年といいますか、そのころに比べて、予測したよりはるかに重いものが多く通っている、これも実態でございますので、そういう意味では、五十年経過というような形の中では、更新を必要とする、あるいは大規模な修繕を必要とする、こういうものが出てまいろうかと思っております。
そこで大事なことは、技術的にどうか、それと予算的な面がどうか、こういう
お話になるわけでございます。
技術的には、非破壊検査という形で壊さなくても内部の
構造がわかる、これの技術開発に力を入れてきておりまして、これは
公団、
国土交通省、力を合わせて非破壊検査の技術開発をこの五年来進めてきておるところでございます。そういう意味では、早目に
構造物の変状を察知して、そしてあらかじめ十分な手当てをする、これが大事なことかと思っております。
しかしながら、予算的な面も
考えますと、主な
構造物が五十年たつ、これがあと十年以降ふえてくるわけでございますので、そうした面の計画的な維持
管理、これがまた大事な問題になろうかと思います。
アメリカでは、この辺がうまくいかなくて、一九七〇年代から八〇年代にかけまして、荒廃する
アメリカということで、なかなか橋が、供用をとめたり、あるいは舗装がでこぼこになりまして自動車が走れない、こういう状態が頻発した、こういう経験もございますので、私
どもも、そうした経験を参考にしながら、大規模な補修なりあるいは更新の計画といったものを、今申し上げました非破壊検査などの技術開発の成果も使いながら、効率的にやってまいりたい、そう
考えております。
技術者がどうか、こういう御
議論でございますが、少なくとも現在の
道路公団の職員、
道路関係四
公団職員一万一千人ほどございます、また
国土交通省関係、
地方整備局に二万人ほどの職員がいる、この中で、技術サイドとして十分な研さんを積みながらやってきておるところでございます。
公団関係が
会社になりましても、そうした面をおろそかにしないように、十分な打ち合わせをしながらちゃんとした
管理ができるように
努力してまいりたいと思っております。