○
川口国務大臣 成果について申し上げる前に、ただいま
委員がおっしゃられたことについて若干コメントをさせていただきたいと思うんですけれども、
外交が
日本の精神とかかわっていくものであるというのは全くそのとおりだと
思います。平和と繁栄の確保が国益であるというふうに申し上げましたけれども、
日本人の精神の高揚あるいは
日本人の国に対しての誇りといったようなもの、これは
一つは
外交を支持するもの、サポートするものであると
思いますし、同時に、いい
外交の結果生まれるものでもあるというふうに
思います。
それからまた、これは
外交だけとかかわり合いを持っているわけではない、一人一人の生き方、教育ですとか生活の安定ですとか、あるいは文化に対する誇りですとか、そういったようないろいろなこと全部が合わさって、
我が国の要するに
日本人の自信あるいは自尊心、そういったことをつくり上げていくということで、それが
外交の背景にあって
外交をサポートするものであるというふうに私は
思います。そしてまた、いい
外交の結果、それがさらにはぐくまれる、そういった
関係にあるというふうに私は考えております。
それで、私の二年間の
成果は何かということの御質問ですけれども、私なりに整理をしたいというふうに
思いますけれども、一番
最初に、
外務大臣になったときに幾つかのことを言いました。
一つは、
日本の
外交の柱として考えているものとして、これは平和の定着ということが大事であるということを言いました。それから、軍縮
関係のこと、この
外交をやっていくということが重要であるということも言いました。それから、世界の発展、安定のために
日本として貢献をしていくということも申しました。
そしてこれは、そういう大きな柱で考えたときに、例えば、
我が国として今、世界の発展、安定ということで言えば、ミレニアムゴール、ディベロプメントゴールと言われているように、世界の貧困を減らしていかなければいけないということがあるわけでして、それをやっていく
一つの大きなツールはODAであるわけでして、そのODAについての
改革、
実効性、
透明性、そういったことをやったというのは
一つあります。
平和の定着ということで申し上げれば、これはアフガニスタンから始まって、スリランカ、東ティモールといった国々についての
対応があるわけでございます。これらは引き続き関与をし続けていく。
それから、世界にとって重要な課題である大量破壊兵器の不拡散ということについて言えば、これは
我が国としても、イラン等でも、それからもちろん北朝鮮というのがあるわけですけれども、そういうところに
働きかけてきているということでありますし、PSIという世界全体の取り組みがあります。また、国際社会におけるこの面におけるいろいろな枠組みづくりということについて、
我が国は非常に積極的に貢献をしてきているということだと
思います。
あといろいろありますけれども、そういった
意味で、テロについて言えば、テロ特措法というのを通して、アフガニスタンで貢献しているという
部分もあります。テロについては、細かいことは申しませんけれども、国際社会の中でさまざまな仕組みを
日本としてもリードしているということであります。
軍縮、不拡散、これも非常に
日本が国際社会で発言権を持ってずっと努力をしているということでして、CTBTの発効の取り組みですとか、それから小型武器の問題についての国際社会における取り組み、それからカットオフ条約等についての
日本の積極的な関与、プッシュ、アジアにおける不拡散の取り組み、そういった
意味で貢献をしてきているということでございます。
先ほど忘れましたけれども、アジア
外交という
意味では、
日本ASEAN特別首脳
会議が
一つのピークであるところの、ずっと二年間を通じてのアジア
外交、これは経済面もありますし、それから政治面、安全保障面、そういった面での貢献も、広く言えばあります。それで、その中で非常に大きな柱でずっとあり続けたのが、イラクそれと北朝鮮の問題であるということであります。
イラクについては、
我が国として、大量兵器の不拡散という問題、あるいはテロの脅威、そういった観点から国際社会として取り組まなければいけない、そういう観点でずっと
働きかけもしてきているわけですし、今国際社会をリードしてイラクの復興のために力を尽くしているということで、これがなぜ重要かということについてはいろいろの場で申しましたのでここで繰り返しませんが、この取り組みは重要であるというふうに思っております。
それから、北朝鮮については、これは大量破壊兵器の問題でもありますし、それからもう
一つ、
我が国にとって非常に重要な懸案である拉致の問題、それからミサイルの問題等もあるわけでして、これについては、国際社会と連携をしながら、六者という場を立ち上げ、そして日朝の国交正常化の交渉を復活させ、そういった話し合いの場をつくっているということで、引き続き取り組みをやっていく必要がある。
イラクの問題とそれから北朝鮮の問題については、いまだ途上にあって、まだまだやらなければいけないことがあると
思いますし、またほかの途上国の問題にせよ、不拡散あるいは軍縮、その他いろいろ、まだ取り組みが続かなければいけないことばかりですけれども、かなりそれぞれの分野において、何歩か前に進めることができたというふうに考えております。