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谷口委員 公明党の
谷口隆義でございます。
今回の衆
議院選挙、
総理、大変御苦労さまでございました。
今回の
選挙、二大
政党論、二大
政党選挙、このように言われたわけでございます。
当初は、自公保の連立
政権対
民主党を中心とする
政権、どちらを選択する
選挙か、こういうことが最大の争点であろうというように思っておったわけでありますけれども、マスメディアを中心としまして、
自民党と
民主党とどちらがいいのか、こういうことが喧伝されまして、非常にあおり立てられた
議論が、また報道が多かったわけでございます。
私も小
選挙区で出まして、今回
公明党は、三十一から三十四、
議席は増加をさせていただいたわけでありますけれども、私の
選挙でも大変やはり厳しい
状況であったわけでございます。
そこで、本日はこの二大
政党論について若干お伺いをいたしたい、御所見をお伺いいたしたい、このようにも思う次第でございます。
今回、この二大
政党論といいますと、英国また米国のことが必ず出てまいるわけでございます。
米国におきましては、南北戦争以前に、南部の代表として、州権主義を標榜する
民主党、また、北部の代表としまして、連邦主義を標榜しておる共和党、このような歴史的な対立構造があったわけであります。また、英国におきましても、産業革命以降、資本家階層を代表するところの保守党、また労働者階層を、この声を代表する労働党、このような
選挙構造、対立構造があったわけであります。
これは、そもそも国内の基盤、また
社会的な伝統、また
政治的な土壌、こういうような観点で、この米国、英国の二大
政党論というのはまいったわけでございます。
果たして、
我が国の今回のこの二大
政党論はそういう立場に立ったものであろうか、こういう疑問を私は大きく持つところでございます。そのような歴史的な対立構造、
社会的な基盤、また
政治的な土壌があったのかどうか、こういうことでございます。
また、最近のアメリカまたイギリスの
状況を見ておりますと、変化が見えております。
アメリカにおきましては、御存じのとおり大変多民族
国家でございまして、この多民族
国家の中で果たして
二つの
政党でしかない、選択肢がないということが果たしていいのかどうか、このようなことが言われており、これは民主主義の硬直化ではないか、このような声が強くなっておると聞いております。
また、イギリスにおきましても、第三党に、
日本の
自由民主党と同じ名前ですけれども、
自由民主党というのがございまして、これが、下院の
議席数が六百五十九
議席のうち、五十二
議席今持っているんですね。非常に存在感のある第三党なんでありますけれども、この
政党が、総得票率の一五%から二〇%をとったときに、
議席数が十数
議席しかとれなかった、このようなことがあったわけでございまして、単純小
選挙区制というのは果たして多様な民意を反映できるのかどうか、こういう
議論が非常に高まっておるわけでございます。今、イギリスの中ではそのような比例代表制を導入すべしというような
意見もある、このように聞いておるわけでございます。
今、そのような
状況の中で、今回の
選挙、先ほど申し上げましたように、
政治的な土壌、また国内の基盤、このようなことにさらにつけ加えまして、今回の二大
政党論、果たしてその
政策に大きな違いがあったのかどうか。このようなこと等々を考えますと、従来から言われておる二大
政党論と違うのではないか、このような疑問を持たざるを得ないわけでございまして、このような結果、二大
政党論が不可欠なのか、またすべてがうまくいくのかというような
議論に対しては、大きな疑問を持つところでございます。
こういうような
状況の中で今回の
選挙があったわけでありますけれども、
総理、若干このことについて御所見をお伺いいたしたいというように思う次第でございます。