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2003-09-26 第157回国会 参議院 本会議 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十五年九月二十六日(金曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第一号
平成
十五年九月二十六日 午前十時
開議
第一
議席
の
指定
第二
会期
の件 第三
国務大臣
の
演説
に関する件
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
日程
第一 一、新
議員
の紹介 一、
議員沢たまき
君逝去につき
哀悼
の件 一、
常任委員長辞任
の件 一、
常任委員長
の
選挙
一、
特別委員会設置
の件 一、
日程
第二及び第三 ─────・─────
倉田寛之
1
○
議長
(
倉田寛之
君) 第百五十七回
国会
は本日をもって召集されました。 これより
会議
を開きます。
日程
第一
議席
の
指定
議長
は、本
院規則
第十四条の
規定
により、
諸君
の
議席
をただいまの仮
議席
のとおりに
指定
いたします。 ─────・─────
倉田寛之
2
○
議長
(
倉田寛之
君) この際、新たに
議席
に着かれました
議員
を御紹介いたします。
議席
第九番、
比例代表選出議員
、
千葉国男
君。 〔
千葉国男
君
起立
、
拍手
〕 ─────・─────
倉田寛之
3
○
議長
(
倉田寛之
君)
議員沢たまき
君は、去る八月九日逝去されました。誠に
痛惜哀悼
の至りに堪えません。 同君に対しましては、
議長
は、既に
弔詞
をささげました。 ここに、その
弔詞
を朗読いたします。 〔
総員起立
〕
参議院
は わが国
民主政治発展
のため力を尽くされました
議員沢たまき
君の長逝に対し つつしんで
哀悼
の意を表し うやうやしく
弔詞
をささげます ─────────────
倉田寛之
4
○
議長
(
倉田寛之
君)
金田勝年
君から
発言
を求められております。この際、
発言
を許します。
金田勝年
君。 〔
金田勝年
君
登壇
〕
金田勝年
5
○
金田勝年
君 本
院議員沢たまき先生
は、去る八月九日、
清水谷議員宿舎
において
虚血性心不全
のため逝去されました。享年六十六歳でありました。 つい先日まで、
厚生労働委員会
の
理事
として元気に御
活躍
されていたお姿を
委員長
として間近に拝見していた私にとりまして、余りに突然の訃報であり、いまだに信じられない
思い
で一杯であります。誠に
痛惜哀悼
の念に堪えません。 私は、ここに皆様のお許しを得て、
議員一同
を代表して、故
沢たまき先生
のみたまに対し、謹んで
哀悼
の
言葉
をささげたいと存じます。
沢先生
は、
昭和
十二年一月二日、神奈川県川崎市にお生まれになりました。
山脇学園高校
、山脇学園短期
大学
へと進学された
先生
は、
高校時代
、校内の
英語弁論大会
の弁士に選ばれ、二回出場していずれも優勝するなど、高校生のころから
多才ぶり
を発揮されたといいます。そして、
短期大学在学
中の
昭和
三十一年、
ラジオ番組
の
勝ち抜き歌合戦
で優勝した後、
大学生歌手
第一号として
歌手デビュー
を果たされました。 また、
女優
として
映画
、舞台、
テレビドラマ
、
テレビコマーシャル
に出演し、さらには、
テレビ
、
ラジオ番組
で司会をされるなど、その
活躍ぶり
は枚挙にいとまがありません。特に、
テレビ
の
アクションドラマ
において、さっそうと主役を演じられていた姿は、今なお私どもの記憶に残っているところであります。共演した多くの
女優
の皆さんから親しみを込めて「オネエ」と呼ばれていたという
先生
は、
芸能界
において極めて大きな存在でありました。 そんな
先生
に大きな転機が訪れます。
平成
十年の
参議院通常選挙
において
公明党
から
比例
区で立候補され、見事に当選を果たされたのであります。自来、
参議院
での
活動
の
中心
を
国民福祉委員会
及び
厚生労働委員会
に置かれ、
理事
も務められたほか、
議院運営委員
、
予算委員
、
国民生活
・
経済
に関する
調査会理事
、国際問題に関する
調査会理事等
を歴任されました。 また、
公明党
においては、
女性局次長
、
少子化対策本部
副
本部長
、
厚生労働部会児童福祉小委員長
、
国会対策
副
委員長等
、数々の重責を果たされますとともに、
地雷除去支援小委員会委員長
として、
地雷
による
世界
のいたいけな
子供たち
の悲惨な
被害
をなくすため積極的に取り組まれ、
我が国
における
対人地雷
の全廃に
貢献
をされました。
先生
は、常日ごろ、
周囲
の
人たち
に、普通の
主婦
が理解のできる、分かりやすい
政治
に徹しなければならないと語っておられたといいます。そして、これを実践するために、五年間に
参議院
で九十九回にも及ぶ
発言
をされ、
小児医療
の
拡充
、
児童虐待
の
防止
、
不妊治療
の
経済支援
、働く
女性
への
支援
の
在り方等
、身近な問題について、
主婦
の目線に立った
提言
を行ってこられました。その中でも、特に、昨年の
臨時国会
で成立いたしました
母子
及び
寡婦福祉法等
の一部を改正する
法律案
の審議におきましては、自らの
子育て経験
を生かされ、
政府側
に鋭く切り込み、
母子家庭
における
養育費
の
履行確保
に向け、並々ならぬ
決意
で質疑をされておられました。そうした
先生
のお姿は、正に
真剣そのもの
でありました。 また、歯止めの掛からない
少子化
に対し強い懸念を示されていた
先生
は、
国民生活
・
経済
に関する
調査会
において、
少子化対策
の
在り方
について幅広い観点から質問し、
意見表明
を行うとともに、
次世代育成支援対策
の充実に御尽力をされました。さらに、国際問題の
解決
には、
文明文化
の
交流
が最重要であるとのお考えから、
国際文化交流
の
促進
にも熱心に取り組まれ、国際問題に関する
調査会
においても様々な
提言
を行われました。 このような御
活躍
をされていた
先生
を語る上で忘れてはならないことがあります。それは、
音楽療法
への
取組
であります。当選して間もないころ、東京都調布市の
総合福祉センター
で
自閉症児
に行われていた
音楽療法
に出会った
先生
は、そこで深い感銘を受けられたといいます。御自身が
歌手
だったこともあったのでしょう、
音楽
を通じて、
言葉
が使えない
障害者
や
自閉症児
、お年寄りなどが変化していく姿を見て、
先生
は
音楽療法
の
重要性
を認識されたのであります。 しかし、
我が国
においては
音楽療法
に対する認識が低く、
音楽療法
に携わる
方々
の数が少ない上に、そのほとんどをボランティアに頼っているという現実を目の当たりにされ、
先生
は
音楽療法
に関する
法整備
と
普及拡大
を心に誓われたのであります。
公明党女性委員会
の
音楽療法対策プロジェクトチーム
の座長に
就任
された
先生
は、
現地調査
やセミナーを積極的に行い、本年四月には
音楽療法推進議員連盟
の
事務局長
にも
就任
をされました。そして、
音楽療法
の
確立
に向け、
先生
がその実力を遺憾なく発揮されようとしたそのやさき、不幸は突如として訪れてしまいました。
音楽
を通じて
人間
としての生きがいを与えたい、そのために
音楽療法
を
確立
し、多くの
人たち
に生きる勇気を与えたい、
歌手
として多くの人々を魅了してきた
先生
の
言葉
は、だれもが納得できる重みのある
言葉
でありました。
歌手
として、
参議院議員沢たまき
として、できることはこれなんだとの
信念
の下、
全力
で取り組まれていた
先生
のお姿を
思い
出すと、志半ばにして不帰の客となられた
先生
の御心中は察するに余りあります。 また、
先生
は
人権
を無視した言論の暴力と懸命に戦う
正義感
の強い方でもありました。当選して一年ほどたったころ、ある
週刊誌
が
先生
を中傷する
記事
を掲載いたしました。その
記事
の内容は全く事実無根でありましたが、このことを通じて
先生
は無責任な
報道
がもたらす
被害
の恐ろしさを身をもって体験されたのであります。そのため、
先生
は、このようなことが二度とあってはならないと
予算委員会
で度々
報道
と
人権
の問題を取り上げ、世に警鐘を鳴らし続けたのであります。これは、こうした
経験
をなされた
先生
だからこそできたことであります。 顧みますれば、
参議院議員
として
国民福祉委員会
で初めて質問に立たれたとき、
先生
は「
政治家
は
大衆
とともに語り、
大衆
とともに闘い、
大衆
の中に死んでいくという姿勢で
国民生活
の
向上
と幸せのために働いていかなければならないと思っております。」とおっしゃられました。その
言葉どおり
に、
社会保障
の
拡充
や
報道
と
人権
の問題に一心不乱に取り組まれた
先生
は、その初志を貫徹された
政治家
でありました。 すべての
委員会
で
発言
し、いろいろな
問題提起
をしていきたいと
周囲
の
人たち
に語っていたという
先生
の
思い
は、半ばで断たれてしまいましたが、残された我々は
先生
が提起されてきた諸問題の
解決
に向けて今後
努力
していく
決意
であります。 二十一世紀、本格的な
少子高齢社会
を迎えた
我が国
にとりまして、安定した
社会保障制度
を構築することは喫緊の
課題
であります。こうした中、
社会保障分野
においても様々な
提言
をなされてきた
先生
を失いましたことは、御遺族の悲しみはもとより、本院にとりましても、また国家にとりましても大きな損失であり、誠に痛恨の極みであります。 ここに、謹んで在りし日の
沢たまき先生
のお人柄と御功績をしのび、院を代表して御冥福をお祈り申し上げ、
哀悼
の
言葉
といたします。 ─────・─────
倉田寛之
6
○
議長
(
倉田寛之
君) この際、
常任委員長
の
辞任
についてお諮りいたします。
総務委員長山崎力
君、
法務委員長魚住裕一郎
君、
外交防衛委員長松村龍二
君、
文教科学委員長大野つや子
君、
厚生労働委員長金田勝年
君、
農林水産委員長
三浦一水君、
経済産業委員長田浦直
君、
予算委員長陣内孝雄
君、
決算委員長中原爽君
、
行政監視委員長白浜一良
君から、それぞれ
常任委員長
を
辞任
いたしたいとの申出がございました。 いずれも許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
倉田寛之
7
○
議長
(
倉田寛之
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、いずれも許可することに決しました。 ─────・─────
倉田寛之
8
○
議長
(
倉田寛之
君) この際、欠員となりました
常任委員長
の
選挙
を行います。 つきましては、
常任委員長
の
選挙
は、その手続を省略し、いずれも
議長
において指名することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
倉田寛之
9
○
議長
(
倉田寛之
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
議長
は、
総務委員長
に
景山俊太郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
法務委員長
に
山本保
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
外交防衛委員長
に
山本一太
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
文教科学委員長
に
北岡秀二
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
厚生労働委員長
に
国井正幸
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
農林水産委員長
に
岩永浩美
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
経済産業委員長
に
谷川秀善
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
予算委員長
に
片山虎之助
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
決算委員長
に
鴻池祥肇
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
行政監視委員長
に
松あき
ら君を指名いたします。 〔
拍手
〕 ─────・─────
倉田寛之
10
○
議長
(
倉田寛之
君) この際、
特別委員会
の
設置
についてお諮りいたします。
災害
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため、
委員
二十名から成る
災害対策特別委員会
を、
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
に資するため、
委員
二十名から成る
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
を、 金融問題及び
経済活性化
に関する
調査
のため、
委員
二十五名から成る金融問題及び
経済活性化
に関する
特別委員会
を、
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
調査
のため、
委員
三十五名から成る
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
特別委員会
を、 また、
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
調査
のため、
委員
四十名から成る
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を、 それぞれ
設置
いたしたいと存じます。 まず、
災害対策特別委員会
、
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
、金融問題及び
経済活性化
に関する
特別委員会
並びに
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
特別委員会
を
設置
することについて
採決
をいたします。 以上の四
特別委員会
を
設置
することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
倉田寛之
11
○
議長
(
倉田寛之
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
災害対策特別委員会外
三
特別委員会
を
設置
することに決しました。 次に、
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
することについて
採決
をいたします。 本
特別委員会
を
設置
することに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
倉田寛之
12
○
議長
(
倉田寛之
君) 過半数と認めます。 よって、本
特別委員会
を
設置
することに決しました。 本
院規則
第三十条の
規定
により、
議長
は、
議席
に配付いたしました
氏名表
のとおり
特別委員
を指名いたします。 ─────────────
議長
の指名した
委員
は左のとおり ○
災害対策特別委員
大仁田 厚君 太田 豊秋君
加治屋義人
君 柏村
武昭
君
小泉
顕雄君
田浦
直君
田村
公平
君
鶴保
庸介君
中川
義雄
君 森下
博之
君 朝日 俊弘君 今泉 昭君 木俣 佳丈君 谷
博之
君 内藤 正光君
白浜
一良
君 日笠 勝之君 大沢 辰美君
大門実紀史
君 中村 敦夫君 ○
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員
入澤 肇君 後藤 博子君 伊達 忠一君
中川
義雄
君 仲道 俊哉君 西田 吉宏君
西銘順志郎
君
森山
裕君 脇 雅史君
岩本
司君 大塚 耕平君
小林
元君 信田 邦雄君
平野
貞夫君 本田 良一君 風間 昶君
遠山
清彦
君 紙 智子君
小泉
親司君 大田 昌秀君 ○金融問題及び
経済活性化
に関する
特別委員
岸 宏一君 小
斉平敏文
君
小林
温君
近藤
剛君 清水 達雄君 田中 直紀君
野上浩太郎
君 林 芳正君 日出 英輔君
福島啓史郎
君 森田 次夫君
吉村剛太郎
君
浅尾慶一郎
君
小川
敏夫君
佐藤
道夫君 櫻井 充君 辻 泰弘君
平野
達男君 山根 隆治君 加藤 修一君
千葉
国男
君
池田
幹幸
君 小池 晃君 大脇 雅子君
椎名
素夫君 ○
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
特別委員
阿南 一成君
愛知
治郎
君 有村 治子君 岩井
國臣
君 岩城 光英君 尾辻 秀久君 扇 千景君 狩野 安君 亀井 郁夫君
木村
仁君 沓掛 哲男君
田村
公平
君
段本
幸男君
南野知惠子
君
藤井
基之君 矢野 哲朗君
吉田
博美
君
小川
勝也君 大江 康弘君
千葉
景子君
広中和歌子
君
広野ただし
君 福山 哲郎君
藤井
俊男君 堀 利和君 簗瀬 進君
山下
八
洲夫君
木庭健太郎
君
森本
晃司
君
山本
保君
井上
哲士
君
池田
幹幸
君
八田ひろ子
君 又市
征治
君
山本
正和君 ○
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活
動等
に関する
特別委員
愛知
治郎
君
加治屋義人
君
木村
仁君
近藤
剛君
椎名
一保君
田村耕太郎
君 武見 敬三君 月原
茂皓
君 常田
享詳君
中川
義雄
君
西銘順志郎
君 橋本 聖子君
福島啓史郎
君 舛添 要一君 松山 政司君
森山
裕君
山下
善彦君
吉田
博美
君
若林
正俊君 池口 修次君
岩本
司君
岡崎トミ子
君
川橋
幸子君
佐藤
雄平君 齋藤 勁君
榛葉賀津也君
谷林
正昭君
広中和歌子
君
広野ただし
君 松井 孝治君
若林
秀樹君 荒木
清寛
君 高野
博師
君
遠山
清彦
君
森本
晃司
君
井上
哲士
君
小泉
親司君 吉岡
吉典
君 田 英夫君 島袋
宗康
君 ─────────────
倉田寛之
13
○
議長
(
倉田寛之
君) これにて
休憩
いたします。 午前十時二十二分
休憩
─────・───── 午後二時四十一分
開議
倉田寛之
14
○
議長
(
倉田寛之
君)
休憩
前に引き続き、
会議
を開きます。
日程
第二
会期
の件
議長
は、
今期国会
の
会期
を三十六日間といたしたいと存じます。
会期
を三十六日間とすることに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
倉田寛之
15
○
議長
(
倉田寛之
君)
総員起立
と認めます。 よって、
会期
は
全会一致
をもって三十六日間と決定いたしました。 ─────・─────
倉田寛之
16
○
議長
(
倉田寛之
君)
日程
第三
国務大臣
の
演説
に関する件
内閣総理大臣
から所信について
発言
を求められております。これより
発言
を許します。
小泉内閣総理大臣
。 〔
内閣総理大臣小泉純一郎
君
登壇
、
拍手
〕
小泉純一郎
17
○
内閣総理大臣
(
小泉純一郎
君)
演説
に先立ち、一言申し上げます。 本日早朝、
釧路沖
を震源とする強い
地震
が発生しました。
被害
に遭われた
方々
に対し、心からお見舞い申し上げます。
政府
としては、今後とも、
地震等
の
災害
への
対策
に万全を期してまいります。 私は、
就任
以来、
構造改革
なくして
日本
の
再生
と
発展
はないとの
信念
の下、
改革
を進めてまいりました。 この間、
国民
には、今の
痛み
に耐え明日を良くし、変化を恐れず新しい
時代
に挑戦しようと呼び掛けてまいりました。
改革
の
痛み
に直面しながらも、多くの
国民
の
努力
によって、
日本再生
に向けた
改革
にようやく芽が出てまいりました。
民間
にできることは
民間
に、
地方
にできることは
地方
にとの
方針
で
構造改革
を進め、活力ある
社会
を作り上げていかなければなりません。 このたび、
小泉内閣
の
責務
である
改革
を更に
推進
していくため、
内閣改造
を行いました。新しい
体制
の下、
構造改革路線
を堅持し、
改革
の芽を大きな木に育ててまいります。
日米同盟
と
国際協調
が
日本外交
の
基本
であります。
世界
の平和と安定の中に
日本
の安全と
発展
があります。
国際社会
が直面する
課題
に、
日本
として何ができるかを真剣に考え、積極的に
貢献
しなければなりません。 北朝鮮については、
日朝平壌宣言
を
基本
に、拉致問題と、核を始めとする安全保障問題の包括的な
解決
を目指します。
米韓両国
と緊密に
連携
し、中国、ロシアとも協力しつつ、粘り強く働き掛けてまいります。 九月十一日の
米国同時多発テロ
から二年が経過しました。
テロ
との闘いは終わっていません。非人道的な
テロ
に屈することなく、
国際社会
と協力し、
テロ
の
防止
、根絶を目指します。
継続審査
となっている
テロ対策特別措置法延長法案
の今
国会
における成立を期します。
イラク
に対しては、各国と緊密な
連携協力
の下、
人道復興支援
を進めます。
現地情勢
を踏まえ、自衛隊や文民の派遣など
我が国
にふさわしい
貢献
を行ってまいります。
イラク
と
中東地域
の安定に向け、
アラブ諸国
との対話、
交流
を深めるとともに、
中東和平
への
努力
を続けてまいります。 WTO新
ラウンド交渉
に引き続き
全力
で取り組みます。二国間の自由な貿易、
交流
を目指す
経済連携
を積極的に進めてまいります。
国民
の安全と安心の
確保
は
政府
の
基本
的な
責務
であります。 「
世界
一安全な国、
日本
」の復活を
実現
します。警察官を増員し、全国で
空き交番
ゼロを目指します。市民と
地域
が一体となった
地域社会
の安全を守る
取組
を進めます。
補導活動
を強化して
非行防止
に努め、
少年犯罪
を減らします。
外国人犯罪
に対し、
出入国管理体制
や密輸・密航の取締りを強化します。
犯罪被害者
の
人権
を尊重した捜査や
裁判
の
実現
を目指します。
司法
を
国民
に身近なものとする
司法制度
の
改革
を進めます。
年金
、
医療
、介護は、
社会保障
の
基本
であります。若者と
高齢者
が支え合う、
公平
で持続可能な
社会保障制度
を構築し、
国民
が安心して暮らすことができる
社会
を
実現
します。年内に
年金改革案
をまとめ、来年の
通常国会
に
法案
を提出します。
SARS対策
を進め、
国民
の健康の
危機管理
に万全を期します。 職場と
地域
を通じ、
仕事
と
子育て
の
両立
を
支援
します。
保育所
の
待機児童
ゼロ
作戦
を着実に実施し、
平成
十四年度の
受入れ児童
は五万一千人の
増加
となりました。
目標達成
に向け、
平成
十六年度までに更に十万人の
増加
を目指します。 今や
女性
は幅広い
分野
で
活躍
しています。
建築エンジニア
、飛行機のパイロット、東ティモールのPKOに参加した
自衛官
など、
女性
の元気が
社会
を
活性化
します。今の小学生が
社会
に出るころまでに、あらゆる
分野
で
女性
が
指導的地位
の三割を占めることを目指し、
女性
が安心して
仕事
ができ、個性と
能力
を発揮できる
環境
を整備します。
小泉内閣
は、
科学技術
を活用した
環境保護
と
経済発展
の
両立
を
重要課題
と位置付けてまいりました。
燃料電池
の
実用化
や
風力発電
の
拡大
など、
クリーンエネルギー
の導入を進め、脱
温暖化
を図ります。ごみゼロ
作戦
を
推進
し、
不法投棄
の撲滅を目指します。
環境
を良くするための
努力
が
経済
の
活性化
につながる
社会
を構築してまいります。
科学技術創造立国
の
実現
に向け、
予算
を重点的に配分し、
平成
十五年度は一兆二千億円に上る
研究開発
・
投資減税
を行いました。
大学発ベンチャー企業
は五百社を超え、
大学
と
企業
の
共同研究
も大幅に
増加
し、七千件を超えています。十の国と
地域
が取り組んだ
イネゲノム解読
で、
日本
は
中心
的な役割を果たしました。
産学官
の
連携
を
推進
し、
科学技術
の振興を図ります。
知的財産立国
の
方針
を打ち出し、一年半の間に、
基本法
の制定、
戦略本部
の発足、
推進計画
の
策定等
を集中的に行ってまいりました。特許の
裁判制度
の
改革
や
審査
の
迅速化
を図り、
模倣品
・
海賊版対策
を進めます。
日本
が優れている
分野
は、
ものづくり
だけではありません。
映画
やアニメなど
日本文化
も
世界
で高く評価され、
経済
のみならず様々な面で
波及効果
を生み出しています。
文化
、芸術を生かした豊かな
国づくり
を目指します。
日本発展
の原動力は人です。
教育改革
の原点は、
家庭
、
地域
、学校を通じた
人間力
の
向上
です。 知育、徳育、体育に加え、心身の健康に重要な食生活の大切さを教える
食育
を
推進
します。
教育基本法
の見直しについては、
国民
的な議論を踏まえ、精力的に取り組んでまいります。 厳しい現下の
経済状況
においても
雇用者数
が
増加
し、
民間設備投資
も上向いています。
倒産件数
は前年同期に比べ十二か月連続して減少しています。
経済成長
はこの一年半連続で
実質プラス
になり、
名目成長
も
プラス
に転じ、
構造改革
の成果が現れつつあります。
平成
十五年三月期の
主要銀行
の
不良債権残高
は、前年同期に比べて二四%減少しました。
不良債権処理
は着実に進展しています。
平成
十六年度に不良債権問題を終結させます。
雇用
と
中小企業政策
に
全力
を挙げます。
中小企業
に対する金融に新たな動きが出始めています。
不動産担保主義
からの脱却を目指し、無
担保融資
の
拡大
、
売り掛け債権
の
担保化
の
促進
など多様な手法により、
企業
への
資金供給
を円滑化します。
産業再生機構
を活用して、やる気と
能力
のある
企業
の
再生
を
支援
します。 五百三十万人
雇用創出
に向けた施策の
推進
により
就業構造
が変化し、
サービス分野
を
中心
に、この三年間で約二百万人の
雇用
が創出されたと見込まれます。規制や
制度
の
改革
や
人材育成
、
公的業務
の
民間委託
などを更に進め、今後二年間で三百万人の
雇用創出
を目指します。中高年者の就職
支援
に加え、失業率が特に高い若年者の
雇用
の
拡大
を目指し、小中学校のときからの職場体験や若者向けの職業紹介など、若者自立・挑戦プランを
推進
します。 これらの施策により、
地域
経済
の
活性化
を図ってまいります。 厳しい財政状況の中、多年度で税収を考え、減税を先行することとし、
平成
十五年度は酒・たばこについて二千億円の増税をする一方で、二兆円の減税を実施しました。その効果が現れつつあります。この改正により、
平成
十六年度も実質一兆五千億円の減税を行います。 歳出についても、財政規律を維持しつつ、
科学技術
を始め将来の
国づくり
に必要な
分野
に重点配分するとともに、弾力的な
予算
執行の仕組みを導入するなど、
予算
制度
改革
に着手します。
構造改革
特区による百六十項目も含め、この三年間で一千項目を超える規制
改革
が進展しています。 本年四月から開始した
構造改革
特区では、不登校児童のための体験型学校特区など三十三の教育特区やNPO法人が安い料金でお年寄りや体の不自由な人を車で送迎する福祉移送サービス特区、遊休農地を活用し
企業
がオリーブの栽培から加工までを一体で行うオリーブ振興特区など、各
地域
が知恵を絞った百六十四の特区が
実現
しています。 これまで規制されていた
医療
、教育、農業
分野
への株式会社の参入を認める
改革
も着実に進んでいます。 一円の資本金でも会社を起こすことを可能とした結果、半年の間に四千五百を超える
企業
が誕生しました。 技術革新と規制
改革
などの効果が相まって、電子タグは超小型化が進み、自動改札や物流管理を始め幅広い
分野
で活用され、
国民
の暮らしを変えつつあります。IT実感
社会
を
実現
してまいります。
地域
おこしは国おこしにつながります。
地方
にできることは
地方
にとの原則に基づき、
平成
十八年度までに補助金について約四兆円の廃止・縮減等を行い、交付税を見直し、
地方
へ税源を移譲する、三位一体の
改革
の具体化を進めます。市町村合併を引き続き
推進
します。 稚内から石垣まで、全国で都市
再生
の事業が動き始めました。 住んでよし、訪れてよしの
国づくり
に向けた観光立国を
実現
するとともに、
日本
を外国
企業
からの投資先として、魅力あるものにしてまいります。
企業
の誘致や育成など、
地域
経済
の活力を引き出す、意欲ある
地域
産業おこしを応援します。 食の安全と信頼に万全を期します。意欲と
能力
のある農業経営を
支援
し、農山漁村の
活性化
を図ります。
民間
にできることは
民間
に。
就任
以来、この一貫した
方針
の下、郵政事業、財政投融資、特殊法人の
改革
を一体のものとしてとらえ、簡素で効率的な質の高い
政府
に向けた
改革
に力を入れてまいりました。 本年四月には
日本
郵政公社が発足しました。郵便事業への
民間
参入を可能とした結果、半年の間に十四の
民間
事業者が参入しています。今後、
国民
的議論を行い、
日本
郵政公社の中期計画が終了した後の
平成
十九年から郵政事業の民営化を
実現
します。このため、来年秋ごろまでに民営化案をまとめ、
平成
十七年に
改革
法案
を提出します。 道路関係四公団については、総額四兆円を超える建設コスト削減やファミリー
企業
の
改革
を既に実施しています。民営化
推進
委員会
の意見を
基本
的に尊重し、年内に具体案をまとめ、
平成
十七年度から四公団を民営化します。 特殊法人等に向けた財政支出を約一兆四千億円削減しました。事業や組織形態の
改革
を更に進めてまいります。 新しい変化に対応する
民間
や
地方
の潜在力は健在です。
構造改革
を進めていけば、必ずや
民間
主導の持続的な
経済成長
につながっていくものと考えます。
政治
は
国民
自らのものであるという
国民
の意識なくして、健全な民主
政治
は
発展
しません。政党や
政治家
、民主
政治
を育てるのは一人一人の
国民
であります。
政治家
は、
国民
の信頼を得ることができるよう、一人一人が襟を正さなければなりません。信頼の
政治
を
確立
するため、更に
政治
改革
を進めてまいります。 戦後、
我が国
は食糧や資源などあらゆる物資が不足し、
国民
は今では想像できないほど苦しい生活を余儀なくされました。正に耐乏と苦難からの出発でした。 しかし、我々の先輩は、これに屈することなく、勇気と希望を持って新しい
時代
を切り開いてまいりました。 今、
日本
は、厳しい
経済状況
下にあるとはいえ、米国に次ぐ
経済
力を有しています。
日本
の平均寿命は八十歳を超え、
世界
一の長寿国です。百歳以上のお年寄りは二万人を超えました。野球、サッカー、水泳、陸上競技、体操、柔道での若者の
活躍
には目をみはるものがあります。最近三年間で四人ものノーベル賞受賞者の誕生。国際
映画
祭での最優秀作品賞や監督賞の受賞。
経済
だけでなく、
文化
、芸術、スポーツ、科学、いずれの
分野
でも
日本
は
世界
で高く評価されています。 「
人間
の素晴らしさは、自分のことを悲観的に思わないことです。」、これは司馬遼太郎氏が
子供たち
に贈った
言葉
であります。悲観論からは新しい挑戦は生まれません。
構造改革
の種をまき、ようやく芽が出てきた今こそ、
日本
の潜在力と可能性を信じて
改革
を進め、明るい未来を築こうではありませんか。
国民
並びに
議員
各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。(
拍手
)
倉田寛之
18
○
議長
(
倉田寛之
君) ただいまの
演説
に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
倉田寛之
19
○
議長
(
倉田寛之
君) 御
異議
ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会 ─────・─────