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国務大臣(川口順子君) まず、先ほど
委員が英米は決議案を取り下げたとおっしゃいましたけれども、これは取り下げたわけではないのです。採択に付さなかったということでございます。
それから、その法的な問題について聞かないとおっしゃったので
説明をさせていただく機会を逸して非常に残念でございますけれども、これは水掛け論ではなくて、こちらの言っていることが
法律的に正当であるということは、これは幾らでも御
説明をする用意がございます。
それから、
国際社会は攻撃をすることを容認していないではないか、そのときの
国際社会が何かということであるわけですけれども、
国際社会が取り組んでいる問題は
大量破壊兵器の廃棄であります。それをどうやって廃棄をすることができるかということですね。これについて国際協調の下で平和的に
解決をしようとして、我が国はもちろんですけれども、ほかの国もずっと
議論をしてきたわけです。そして、ブリクス、ハンス・ブリクスも、これについては
イラクは
協力を十分にしていないということを言い、これについては一四四一できちんと書いてあるわけですから、先ほど
総理が言われたように一致をしているわけですね。
それで、今後、じゃ続けたら、破壊、その
大量破壊兵器が廃棄されるかどうかということですけれども、この認識について
国際社会が
意見を異にしていると、そういうことであります。それで、それは、その見方は何かといいますと、
イラクがきちんと廃棄をしようという姿勢を持っていない以上、そしてブリクスは、これをやろうとしても、
イラクが前向きの姿勢を持ち、ということは積極的にいろんなことを開示していくということを持ち、さらに、最大限の圧力が掛かったとしても数か月は掛かってしまう、二つの前提に基づいて言っているわけですね。で、じゃ、この二つの前提が満たされているかどうかということになりますと、圧力を現に掛けているのは米国の軍隊であります。それでもなお小刻みにしか
協力をしないということであります。
それから、
イラクの態度が、積極的に開示をしているかどうかということについては、これは一四四一でも言われておりますし、ブリクスもしていますし、我々も何度も何度も
イラクとコンタクトをして思っていることですけれども、これは
イラクはそのように全く思っていない。私は昨日、
イラクの臨
時代理大使と話をしましたけれども、彼がこの時点で、
イラクは安全保障理事会の、安保理の決議に従ってやっているんだということを彼が言っているんですね。
そういう状況ではとても
イラクが安保理の要求するような態度でやると思えないという認識に立つ国と、その国は有効的に、有効裏、有効というのはエフェクティブに、どのように
解決をしていったらいいかというふうに
考えますと、
国際社会、安保理で一致して決議をするということについて拒否権を使うと国が言っている以上、これは成立しないわけですから、ですからそこはあきらめざるを得なかった。そして、
大量破壊兵器の脅威から人類を守るためには、やはり
大量破壊兵器を破壊するのに、廃棄するのに最も有効な方法を取るしかないということが苦渋に満ちた米国の判断であり、我々も全く同じ認識に立っている、そういうことです。