○大塚耕平君 それでは、
委員の皆さんのお手元に行く間に、ちょっと資料の
内容について御
説明をさせていただきます。
今からお配りする資料は、昨年の一月二十一日の十八時三十分から二十一時の間、東京海上森副社長と
金融庁、当時の高木
局長の会談の書き起こしであります。
この会談は、当時、東京海上が合併を検討していたA
生命保険に関して、東京海上が独自に試算したA
生命保険会社の企業価値の算出結果を
金融庁に報告するために、森副社長から高木
局長に申し入れたものであります。
森副社長は関係資料を高木
局長に手渡し、当該資料の頭紙に沿って算出結果を
説明されたそうであります。資料の中身に関して詳細な
議論に及ぶことなく
説明自体は終了し、資料の詳細
説明が必要であれば改めて東京海上側から
金融庁保険課長に
説明することとなった由であります。
今お配りいたしました記録は、東京海上側の書き起こし資料を忠実に私が
再生したものです。
書き起こし資料の現物には、その資料が本物であることを証明できる情報が含まれております。ただし、情報提供者の身元の秘密を守る目的から、その資料を基に私が
再生をいたしました。ただし、
竹中大臣に今お渡しした封筒の中には現物の一部分を入れてございます。
竹中大臣に本物であることを御確認いただくために現物の一部分をお渡しいたしました。また、文中の下線部分は、アンダーラインを引いてある部分は特定の企業名が現物には書かれておりましたけれ
ども、それぞれの企業の信用問題に配慮して匿名に
変更した箇所であります。
その上で、一枚めくっていただきたいんですが、順番に朗読をしながら、
大臣に所感をお伺いしたいと思います。
「FSA高木
局長VS森副社長」というタイトル、現物もこのままであります。そして、「A・PT」というタイトルもこのままであります。これも東京海上社内の称号であります。
森副社長 先週高木
局長に面談した際、本件に関して白紙に戻すという結論になった場合、業法上の処分を行うことを検討しているという話を伺った。「脅し半分で……」という話だったので、もちろん社長には報告したが、そんなに本気で考えてはいなかった。金曜日に森長官から樋口会長に、いきなりに、それよりもはるか強いトーンでお話を頂いた。どういう風に
理解すればいいのか。
高木
局長 誤解していないか。あれは結論として言ったもので、FSAでは柳澤
大臣、森長官以下、本件がダメなら、業法一三二条、一三三条、あれでやろうということになっている。先週もそう申し上げたつもりだ。
森副社長 それは話が違う。材料を集め、検討をしている、という話であった。
大臣、長官がそんなことを言っているので、
自分の口からそんなことは言いたくないが、脅し半分、本気半分で聞いてくれと言ったではないか。
高木
局長 それは森さんの全くの聞き違い。これはFSAの結論である。
内閣法制局にもFSA出身の弁護士にも意見を聞いている。いずれも「やれる」という見解。
森副社長 法制局もか?
高木
局長 まぁ、法制局は別にして、OBに弁護士が多く居る。彼らはOKと言っている。私から「脅し半分」と言ったつもりはないが、本来は(この種の処分は)
命令と同時に相手方に言い渡すもの。東京海上サイドで検討中の
段階でこれを言うのは脅しのように受け止められるので心苦しいとは思っているが……。長官が言っておけというものだから……、ということだ。
ちなみに、今の発言の「(この種の処分は)」とかその他の括弧のところは、これは現物に東京海上側が加筆をしたものだと思われます。したがって、アンダーライン引いてあるところ以外は全部現物のままであります。
続けさせていただきます。
森副社長 私はそう受け取っていない。もし本当にそうなら事は重大だ。真剣に反論しなければならない。A生命の件で割いている要員を(処分
対応に)向けないといけない。そんなに真剣に受け止めていなかったので、大して勉強をしているわけではないが、業法一三二条は、不適正な業務運営の
ケースと
理解している。一三三条は公益を害する場合であろう。本件のどこがそれに該当するのか、にわか勉強では
理解できない。
高木
局長 A生命とミレア
保険グループを結成しておいて、一定期間付き合って、人も出して、相手方の
内容も把握し、昨年一月には細かい計画を大量に打ち出した。その後ずーっとやってきて、十一月の時点で本件を発表した。そこまでの間、A生命のことをよく知ったはずだ。世間に合意確率が高いと思わせておいて、一月末になってダメでしたでは、世の中に対してやはりマイナスが大きい。その結論は
銀行にも響き、信用システムの崩壊につながり大変なことになる。それが判った上で今回の一連の動きを行ったと言わざるを得ない。東京海上にあるまじき軽率な
経営判断だ。それを行政として放置するわけにはいかない。A生命が倒れたら、B生命・C生命も逝ってしまうかも……。C生命は保つかも知れないが、B生命は逝くだろう。
ちなみに、この「保つ」というところ、「たもつ」と書いてあるのも、これも原文どおりですので。多分「もつ」というふうに読むと思うんですけれ
ども。各御発言の間に一行スペースが入っているのも、これも元のままですので。
ちょっとここで、スペースが入っていますので一区切り置かさせていただきますが、ここまで聞いて、
大臣の御感想を一言。