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池田幹幸君
日本共産党の
池田幹幸です。
二法について
質問いたします。
酒類の
小売免許制度というのは、
酒類がアルコール飲料であるという、そういった特性を持っているということと、それから課税物資だという、こういったところから設けられたもので、私
どもは、
日本共産党は、この
免許制度については非常に必要なものだということで評価してきておったんですけれ
ども、そういった立場からこの
規制緩和については反対してまいりました。特に、
消費者がいつでもどこでもだれでも買えるといったようなものにしてはならないものをいわゆる
利便性といった観点から
規制緩和していく、こういうことはあってはならないということを主張してまいりました。ですから、九八年の
規制緩和三か年
計画にも反対してきたわけなんですが、このとき私
どもは、こんなことやったら一般
酒販店、いわゆる
酒屋さんがばたばたつぶれるだけじゃないかといったことを主張してきたわけですが、そういったことが私
たちは正しかったと思っております。その証明が、今度この二法を出さざるを得なかったというところに表れているというふうに思うんです。
そこで、したがって私
たちは、この
政府提出の
法案と、それから、これについては、社会問題になっている未成年者飲酒防止などに対する、それに資する販売管理
体制の整備といったようなものがありますし、最低限の社会的
規制が設けられているという意味で賛成です。それからまた、与党提案というんですか、衆法ですけれ
ども、これにつきましては、
過当競争の中で一定の中小小売店、
酒屋さんですね、それが保護されると、そういった方向にありますので、これも賛成いたします。
そういう立場から
質問するんですけれ
ども、やはりその点では大分不十分なものじゃないかなという面も
考えています。そういった点でのより良いものにしていきたいという立場から
質問させていただきたいと思いますが、私、そういうことで、今るるマクロ的な話も数字も伺いました。それについてはもう重複しない形で伺っていきたいと思うんです。
具体的にこの問題を私するに当たって町の
酒屋さんと話合いをちょっと持ってまいりました。江戸川区の
酒屋さんと話し合ってきたんですけれ
ども、そういう点で大分問題があるなというふうに
感じました。
まず、
財務省が昨年十月、九月でしたか、九月ですね、
報告書を出しておられます。
酒類販売等に関する懇談会
報告書。ここでは、「
規制緩和に伴い新業態店が大幅に増加する一方で市場の変化が激しいため、一般
酒販店は大幅に退出している。」と。つぶれているということですね。それからまた、別に、「
競争に敗れ、あるいは
競争に参加もできずに退出する一般
酒販店が増大する等、
小売業者の
経営状況からみて急激・過度の
参入による乱売等の
競争の弊害が目立ってきている。」と、こう言っておられますね。正にそのとおりで、具体的な話聞きますとやっぱりすさまじいんですね。
全部は紹介できませんから特徴的なものを紹介するんですけれ
ども、ある
酒販店の方はこんなことを言っています。
江戸川北
税務署管内なんですけれ
ども、そこでは
規制緩和が始まって毎年三十件
程度の新規
免許が出ている、発行されている。ほとんどが
スーパーやドラッグストアなど、酒の専売業者ではないところだと。そこでは
考えられないぐらい安い価格の酒を、
酒類を目玉商品として売っているわけです。結局、そこでほかの高い商品を販売するという、マグネット効果と言われているんですか、そういうことをねらってやられておるということです。
問題は価格なんですけれ
ども、驚きました。安い安いといっても、もうすごいんですね。百四十円の缶チューハイ、これ九十八円で売っているんです。これはジュースよりも水よりも安いというふうにその
酒屋さん表現しておられましたけれ
ども、そんな状態ですね。ですから、普通の
酒屋さん、問屋から仕入れるよりもこっちから買った方が安いと言っているんですね。
これは
大臣、このことは
御存じかどうかと思うんですけれ
ども、一体それじゃ
酒屋さん、問屋さんから幾らでこの缶チューハイ仕入れているか
御存じでしょうか。──まあ
御存じないと思うんですけれ
ども、百八円なんです。
スーパー、九十八円で売っているんですよ。小売しているんですよ。問屋さんから買うのは百八円。だから、
スーパーに買いに行った方が安いんですよ、そこから買ってきて売った方が。それでも損しますけれ
どもね。そういう
実態だそうです。
という
状況ですから、この方は言っているんですよ。努力といっても自分の努力ではできないところに来ていると。自分ではどうしようもないところに来ているんだということなんです。全くそのとおりで、これじゃ
酒屋が酒を売っていてはもうやっていけないという
時代になってきたと、こういう表現なんですよ。
まあすさまじいというふうに私は思うんですけれ
ども、結局、こういった事態に置かれている
酒販店、これは守っていかなければならないだろうと私は思います。
商店街から
酒屋が消えるというふうな
実態も生まれてきているんです。これは
商店街にお住まいだというふうに何か
衆議院では答弁しておられましたけれ
ども、
大臣、こういった事態、ともかく今つぶしていってはいけない、少なくとも
酒販店がつぶれるようなことを促進するあるいは放置する、そういったことがあってはならないというふうに思うんですが、その政治姿勢について
大臣のお立場を伺いたいと思います。