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参考人(
望月薫雄君) 大変大きな御
質問賜ったわけでございますので、十分対応したお答えができるかどうか、内心じくじたるものがございますが、お答えさせていただきます。
今、冒頭、先生がおっしゃったように、私
ども住宅金融公庫の来し方をここで繰り返すのはいかがかと思いますけれ
ども、もう一遍申し上げさせていただきますと、文字どおり、やっぱり
国民大衆のための
住宅金融の機関として大変大きな
役割を果たさせていただきました。一言で言いまして、我が国の
住宅政策の金融面での具体的な担い手という
役割を果たさせていただいたというふうに確信いたしております。このことはまた、御利用いただいた
国民の皆様方、
公庫設置法の言葉で言えば、
国民大衆の皆様方からすれば、言ってしまえば、大変な信頼あるいは御期待にこたえるという格好の中で、私
どもは、質の向上、量的確保、あるいはまた
国民生活の安定にしっかりと寄与してきたという自負をさせていただいております。
とはいいながら、この
住宅問題、これからどう考えるかという大変大きな課題の中で、今後とも多分変わらないのは、何分とも
住宅というのは大変高額なものであるということはもう紛れもない事実だと思います。
年収の数倍というふうな高価な買物であるわけでございますし、あるいはまた、そういった面から
住宅金融というのはよくある一般の消費者金融あるいは事業者金融等と基本的に異なりまして、
利用者からすれば、
長期にわたる生活設計、これに深くかかわるものである、言い換えれば、
住宅にかかわる金融というのはそういった面からの
住宅金融システムであることが重要であると、こういうふうに考えております。
日ごろ、私は
住宅金融の現場を預からせていただいている立場でございますが、そこで本当に痛感いたしますのは、改めて
国民の皆様にとって安心でき信頼できるトータルな
住宅金融システムというものがいかに重要であるかと、これをしっかりと構築していくということが二十一世紀の大きな変わりない課題であろうというふうに思っております。
ちょっとこれ、口幅ったいかもしれませんが、私
どもが日ごろ感じていますことは、やはり
住宅資金がどう供給されるかということについて大変に関心を持つわけでして、いわゆる好況、不況等にかかわりなく、あるいは地域によって差がないように安定的に
住宅資金が供給されるかどうか、これが非常に必要であると。言うなれば、必要なときにはいつでも借りることができるという安心の確保ということがあろうかと思います。あるいはまた、よく言われますが、職業だとか肩書だとかいうものによって選別されない公平な
融資というものが必要だろうと。
三つ目に申しますと、さっきも言いましたけれ
ども、生涯設計にかかわることであるわけでして、
返済計画をしっかりと見通せるような、言うなれば
長期固定ローンというものが大事ではないかと。更に言わせていただくと、何といいましても家族生活の根幹を支えるものでございますので、掛け替えのない場であります。そういった
意味での資産としても、また質の確保が大変重要であると。
もう
一つ付け加えさせていただきますと、不幸にしてといいましょうか、景気の動向等々の中で、あるいは
収入の動向によって
返済にお困りなるという事態に立ち至ったときに、いかにきめ細かく対応していただけるのかということが多分
国民の皆さんが求めている基本的な課題ではないかと。これを実現するトータルなシステムということが大事だということを現場を預かる者として日ごろ感じているところでございます。
こういった認識を踏まえながら、今般の
法律によりまして
改革の一歩を進めていただいているわけでございますが、基本は私
ども公庫も、今、
大臣もお話がありましたように、
民間でできることは
民間にゆだねると、もう
当たり前のことだと、こういう基本線を十分踏まえながら、今般、証券化支援に関する
業務を追加する御提案をいただいている次第でございます。
そういった
意味で、私
どもは、この
証券化支援業務によって
民間金融機関においても
長期固定ローンというものが量的にもしっかりと定着するように、
長期固定融資が安定的に定着するようにという観点から、
法律御成立いただいたときにはしっかりと努めていくと、これはもう当然の我々の最大の課題だと、こう思っています。
ついては、先生の御
質問の、今後の在り方に関するということについてどう考えるかという御下問でございますが、やはり私は、くどいようですけれ
ども、我が国のトータルの金融システムとして、
国民の皆様方の
住宅取得に支障が生じないよう、見方変えれば、不安を与えないようということが最も大事な点であろうかと思います。
証券化支援事業によって私
どもは頑張らせていただきながら、
銀行共々協調しながら頑張らせていただきながら、
民間からの
長期固定が安定的、大量に出されることによって
国民のニーズに十分こたえていくということを当然必要としますが、そのことがどう展開するだろうかということが一点。
それからもう
一つ、
住宅政策、大変大きな課題をしょっている今日でございますが、その政策の必要性が特に高い分野というのはたくさんあろうかと思います。そういった中で、果たして
民間で十分やっていただけるものがあるのかないのか。やっていただければもちろんそれは大いに頑張っていただくということに当然なるわけでございますが、その辺のところを
一つの課題として見極めながらのこれからの課題があるんじゃないかなというふうに思っておる次第でございます。
ちょっと長過ぎて恐縮ですけれ
ども、私見をお許しをいただくならば、もう先生も御指摘のように、
高齢化社会への対応、あるいは都市居住の再生、あるいは町におきます安全な住環境の整備などなどたくさんございます。あるいは中古ストックの有効活用があります。更に言えば、これからの地域づくり、まちづくりの中で、地方公共団体との連携の中での
住宅政策をどう展開するかという中での金融の
在り方等々が頭に浮かんでまいりますが、いずれにしましても、この辺については、くどいようですが、証券化支援によりまして、
民間の
長期固定ローンが先ほど申しましたような安心を確保しながらどう定着していくかということを見極めながら最終的には御判断をいただけるものと、こんなふうに考えている次第でございます。