○井上美代君
大臣がそうはならないとおっしゃっているんですけれども、それを大いに期待するところなんですけれども、やはりもう既に始まっている契約社員という有期雇用の問題というのは深刻だと思っております。
JALの客室乗務員にこの契約社員
制度が導入されておりますけれども、一年契約の三回更新なんですね。三年後に認められたら正社員にしてあげるよということなんですが、もう客室乗務員は病気にまずなっても休まない、結婚もしない、子供も産まない、そうでなければ正社員になかなかしてもらえない。本当に必死に頑張って雇止めにならないようにしているということですね。
私は、女子の若年定年制への逆戻りだというふうに言われているんですけれども、思い起こしてみれば、一九七五年のあの国連の国際婦人年がありました。そして、その後、政府の国内行動計画がやられたんですけれども、一九七七年になりますけれども、政府はこの国内行動計画の前期計画目標を持ったわけなんです。そこには、若年定年制、結婚退職制、妊娠・出産退職制、こうしたものを早期に
改善していくという、これが言ってみれば重点目標になったわけですね。そのようなことで、それをやめさせるために必死に政府もなって、私たちも運動しましたけれども、そういうことでやっと今少なくなって、まだ残ってはいるかもしれないけれども、かなりなくなった。それはやはり、もう何年かですぐ辞めさせられる、結婚、若年定年制、もう年齢をずっと決めますけれども、二十五歳、二十三歳というふうにして辞めさせられたわけです。これが、今度はやっぱり男性もでしょう。女性だけではなくて、男性もこれに、若年定年制にされたようなものに、そういう
状況になっていくということなんですね。だから、そういう点で私は非常に
心配をしております。
都道府県労働局の雇用均等室に個別紛争解決の援助申立てをするケースがあるんですけれども、二〇〇二年度で九十八件、急増しているんですね。九十八件に急増しているんです。ということで、
厚生労働省ではやはり不況の影響で企業が出産などを人員削減の口実にするケースが大変増えているというふうに見ていると報道されているわけなんです。有期雇用のケースが大半なのではないだろうかというふうに見ているわけなんですけれども、こういう実態が広がる中で、有期雇用の延長、そして拡大を進めることは本当に危険なことだというふうに思っているんです。男女平等、そして少子化ですね、この問題でも、女性が不安定雇用のところを、かなりそういう企業で働いているものですから、非常に重大だというふうに思っております。そういうことをまず私は
指摘しておきたいと思います。
さらに続けて、少子化対策ともかかわりますけれども、有期労働者への育児・介護休業
制度の適用の問題を取り上げたいと思います。この問題は衆議院でももちろん取り上げられております。しかしながら、非常にやっぱり問題があるというふうに思います。
育児・介護休業法の二条ですけれども、この二条のところには「日々雇用される者及び期間を定めて雇用される者を除く。」と、こういうふうに
規定がしてあるんです。だから、日々雇用というのは日々雇用されていく人ですけれども、それと、期間が定めて雇用される者だから正に有期労働者、これは育介法が全く適用除外になるということなんですね。有期雇用労働の労働者にあっても、実際には、指針を出しておりまして、期間の定めのない労働者と実質的に同じ状態にある場合には育児・介護休業の対象となることになっているんですね。これは指針があります。
しかし、昨年一月に
大臣告示で出されているその指針なんですけれども、どのような場合に期間の定めのない労働者と同じになるかということをそこで決めています。そして、今回の法
改正に当たっては、有期雇用の期限が三年に延びるわけでしょう。そして、特定の専門性を持った方は五年になるわけですね。有期雇用労働の育児休業、介護休業の取得にどういう影響があるか十分な吟味が必要だというふうに思っております。その吟味のためには、去年一月の指針がどれぐらい有効だったのかというのを見てみなければいけないと思います。
現実にどれぐらい有期の雇用労働者がこの指針によって取得できたのかということ、そして
調査研究する必要があると私は思っておりますが、そういう
調査というのが一体されたんだろうかということですね。だから、法原則では有期労働者は適用されないんです。しかし、指針で、それを救出するというので指針が出ているんですけれども、その点、どういうふうになっているでしょうか、
調査等についてお聞きしたいと思います。