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大門実紀史君 私は、坂を上っているならいいけれども、下っているんじゃないかと思えて仕方がないんですよね。なかなか、そういうところに到達する前に、かなり
経済状況、先ほど櫻井さんからもありましたけれども、相当逆の方向に悪く悪くなっているんじゃないかということを再三
指摘しているところですけれども。
今日はその論争はやめて、具体的な、この一年どうなるかというところでお話ししますと、これは
予算委員会で少し申し上げましたけれども、とにかくこの一年で、
大手行だけで、破綻懸念先以下で、大体残高を、例の五割八割ルールでいきますと四兆から五兆円、残高を減らさなきゃいけないと。これは去年の、過去一年の例を見ますと、倍のオフバランスをしないとその残高は減らない。つまり、五兆円の、四、五兆の、まあ五兆とすると、五兆円のこの一年で
不良債権残高を減らそうとすると、この一年で十兆円のオフバランスをしないといけないような
経済状況に今なってしまっていると、新規発生がありますから。これはそういうことだと思うんです。これは十兆でも八兆でもいいんですけれども、とにかく大量のオフバランスをしないとそれだけ減らないという時代には間違いないと。それが例の
大手行のヒアリングをしますと、ほとんどこの一年残っているのは中小
企業ですとはっきりもうみんな認識をしておりますし、だから大変だ、この一年はとみんな言っているところですね。ですから、去年一年で大口はかなり私的整理も含めて整理したけれども、残っているのは中小
企業だと。その中で、このまま行くと、単純にオフバランスしてしまうと、もうそれしかないということでやると相当の倒産件数が嫌でも生まれるだろうと。一遍RCCに送られても、何年か後の倒産も含めてかなり出るだろうと思います。
その中で、
大臣言われたオフバランス化につながる措置ですね、これは私、何も否定しません。本当にみすみす生きていける中小
企業を整理に追い込むぐらいなら、オフバランス化につながる措置の中で、五年なら五年というところで
再生の猶予と条件を与えてあげるべきだというふうに思います。
ただ、このスキームで、信託スキームの方ですけれども、これ私、何もこれにけち付けるつもりじゃなくて、これ本当に使ってもらいたいから、いろいろ聞いてみたんですけれども、この三月末で、これは
金融庁から聞いたら三千五百億このスキームが使われたと、信託スキームですね。信託スキームというのは、主要行がRCCに信託をして、その中で五年間要するに面倒を見て、それでも
再生しなきゃRCCにやっと売却という、そういうスキームですけれども、これを使ったら、オフバランスにつながる措置ということで、
銀行はオフバランスできるということに、いったんできるというわけですよね。そうすると、
銀行も
不良債権を
処理したということになるし、本人はつぶされないしと、取りあえずつぶされないしというスキームですよね、簡単に言うと。
これなんですけれども、三月末で三千五百億というのを
金融庁から聞きまして、幾つかの
大手行に聞いてみました。そうしたら、私やっぱりちょっと懸念したように、それほど小さいところではありませんと。だから、どれぐらいが小さくてどれぐらいが大きいというのは難しいですけれども、私がイメージするのは、例えばさっき十兆円がオフバランスされるとすると、中小
企業でもし一億円借りている中小
企業だと十万社です。簡単に、単純に割ればね。ですから、最低それぐらいのレベルが救えるかどうかと思うんですが、聞いてみると、やっぱり五億とか、だから、中堅までいかないけれども、いわゆる町の中小
企業よりもちょっと大きなレベルのところが多かったというのが今回の三月末のやっぱり現状なんですね。
これやっぱり、一億円なり一億円以下の人でもこのスキームで使っていって、すぐ本当に倒産に追い込まないで、整理に追い込まないで、景気さえ良くなればやっていけるんだからということで、このスキームを使ってもらうようにするには、私は、
金融庁として特別に、やっぱりただ
銀行にこのスキームを使いなさいということではなくて、何か特別のこの対策本部でも設けて、きちっと生きていけるところは、技術力があって将来性があって、今たまたま支払に困って延滞を起こしている、支払に滞っているというようなところは特別の対策でも取ってこのスキームを使うようにというふうな何か特別対策を今年一年は取らないと、ほっておくと、
銀行も急いで大口だけここで使って、大口といいますか、中口といいますか、そういうのにだけ使って、実際にはいろんな中小
企業は救われないと思うんですけれども、何か特別な対策が必要だと思いますが、いかがですか。